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2025-37239透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置
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  • -透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置 図1
  • -透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置 図2
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  • -透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置 図7
  • -透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025037239
(43)【公開日】2025-03-17
(54)【発明の名称】透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20250310BHJP
   G06F 3/043 20060101ALI20250310BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20250310BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250310BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20250310BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20250310BHJP
   G07D 11/10 20190101ALI20250310BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20250310BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20250310BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20250310BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
G06F3/041 460
G06F3/043
G06F3/045
G06F3/01 510
G08B21/24
G08B25/04 E
G07D11/10
G09F9/00 366A
G09G5/00 510A
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/00 510V
G09G5/00 530M
G09G5/377 100
G09G5/00 530T
G09G5/37 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024143898
(22)【出願日】2024-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2023144041
(32)【優先日】2023-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504427008
【氏名又は名称】株式会社グローバル・アドバンス
(74)【代理人】
【識別番号】100186288
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 英信
(72)【発明者】
【氏名】澤村 茂樹
【テーマコード(参考)】
3E141
5C086
5C087
5C182
5E555
5G435
【Fターム(参考)】
3E141BA07
3E141DA01
3E141FJ02
3E141FJ05
3E141KC19
5C086AA26
5C086BA13
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086FA18
5C087AA10
5C087AA19
5C087DD05
5C087EE18
5C087FF04
5C087FF30
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5C182AA22
5C182AB08
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC12
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA55
5C182BA57
5C182BA65
5C182BA66
5C182BB02
5C182BB15
5C182BC26
5C182CB44
5C182CB47
5C182CB54
5C182DA69
5C182FA68
5E555AA22
5E555AA26
5E555AA71
5E555BA32
5E555BB32
5E555CA13
5E555CA42
5E555DB60
5E555DD08
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】従来のタッチパネルを用いた入力装置では、予め備えられた機能とは別に、新たに表示や操作機能を追加することは簡単ではない。
【解決手段】タッチパネル上に設置される透明化可能部材であって、前記タッチパネル上に設置された状態で、前記透明化可能部材を介して前記タッチパネルを操作することができ、前記タッチパネルとは独立に一部又は全体に画像を表示することができるように制御され、前記タッチパネルが抵抗膜方式の場合前記透明化可能部材は前記タッチパネルと密着させて設置され、前記タッチパネルが表面弾性波方式の場合前記透明化可能部材は前記タッチパネルと僅かな空間を開けて設置される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル上に設置される透明化可能部材であって、
前記タッチパネル上に設置された状態で、
前記透明化可能部材を介して前記タッチパネルを操作することができ、
前記タッチパネルとは独立に一部又は全体に画像を表示することができるように制御されている、透明化可能部材。
【請求項2】
前記タッチパネルは抵抗膜方式又は表面弾性波方式であることを特徴とする請求項1に記載の透明化可能部材。
【請求項3】
前記タッチパネルが抵抗膜方式の場合前記透明化可能部材は前記タッチパネルと密着させて設置され、前記タッチパネルが表面弾性波方式の場合前記透明化可能部材は前記タッチパネルと僅かな空間を開けて設置されることを特徴とする請求項2に記載の透明化可能部材。
【請求項4】
前記透明化可能部材は透明化可能なタッチパネルであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明化可能部材。
【請求項5】
タッチパネル上に設置される請求項1に記載の前記透明化可能部材と、
カメラと、
制御装置と、を備え、
前記カメラで撮影された画像から前記制御装置によって前記タッチパネル操作者の属性又は行動を推測し、推測した前記属性又は前記行動に基づいて前記透明化可能部材の表示を制御する機能を有する装置。
【請求項6】
既存のATMのタッチパネル動作を阻害しないように前記タッチパネル上に設置される透明化可能部材と、
カメラと、を備え、
前記カメラで撮影された画像から前記タッチパネル操作者が高齢者か否か判断し、高齢者と判断された場合には前記透明化可能部材に振り込め詐欺防止啓発の表示を行うように制御されている、装置。
【請求項7】
既存のATMのタッチパネル動作を阻害しないように前記タッチパネル上に設置される透明化可能部材と、
カメラと、を備え、
前記カメラで撮影された画像から前記タッチパネル操作者が携帯電話使用中か否か判断し、携帯電話使用中と判断された場合には前記透明化可能部材に振り込め詐欺防止啓発の表示を行うように制御されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明化可能部材及び該透明化可能部材を備えた高齢者等向け啓発のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ディスプレイを介して情報の入出力をすることが可能な表示と入力の2つの機能を備えたデバイスであり、ディスプレイにより視覚的にとらえた情報に基づき情報を入力することができることから、操作が直感的で理解しやすいため扱いやすく、様々な用途において用いられている。
このようなタッチパネルとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式及び静電容量方式などが広く知られている。
【0003】
抵抗膜方式(薄膜抵抗タイプ)のタッチパネルは、透明導電膜が形成された上部電極基板及び下部電極基板が対向するように設置し、上部電極基板に力を加えることにより各々の透明導電膜同士が接触し、力の加えられた位置の位置検出を行うことができるものである。
【0004】
また、表面弾性波方式(表面弾性波タイプ、超音波表面弾性波方式、超音波方式)は剛性の高いガラスなどの基板の複数の隅に圧電素子を取り付けて振動波を発生させ、基板に触れた箇所で振動波が吸収及び一部が跳ね返り、その跳ね返りを圧電素子の電圧の発生によって検出するものである。
【0005】
また、静電容量方式は、タッチパネルに指等が接近することによりタッチパネルの透明電極等に流れる電流を検出することにより位置検出がなされるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-079745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、従来のタッチパネルを用いた入力装置では、予め備えられた機能とは別に、新たに表示や操作機能を追加することは簡単ではない。
例えば、図7は一般的な銀行ATMのタッチパネル表示である。このようなパッチパネル表示について、警告表示を新たに追加したり、確認を促したりする機能を追加する場合、入力装置の技術内容を熟知し、アクセス権を持った者による入力装置のプログラム変更やタッチパネルの設定変更等行う必要があった。
【0008】
また、図8は高齢者が銀行のATMを使用している様子である。現在このような高齢者をターゲットとしたいわゆる「振り込め詐欺」による被害が大きな社会問題となっている。
これを防ぐ為、例えば携帯電話を使用しながらのATM操作を検知して警告を発するもの(特許文献1)などがある。
【0009】
このような従来のものは利用者の属性や行動を判断し、何らかの動作を行わせる際に、既存のタッチパネルやATMに利用者の属性や行動に合わせた新たな機能を追加作成しなくてはならず、容易ではなかった。
例えば、タッチパネル上に利用者の属性や行動に合わせた警告表示を行う場合には、利用者の属性判断等と共にそれに基づく、ATMと連動した警告表示を行うことになるので制御が複雑になったり、開発時や使用時に利用者のプライバシー情報やセキュリティを十分に考慮しなくてはならず、また、新たにセンサーや制御装置を組み込んだり、既存のタッチパネル自体を交換する場合もあったりするなど、手間もコストもかかっていた。
なお、「振り込め詐欺」の被害者は高齢者に限らないし、「振り込め詐欺」以外にもATM操作において何らかの啓発が必要となる事項は存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の透明化可能部材は、タッチパネル上に設置されるものであって、前記タッチパネル上に設置された状態で、前記透明化可能部材を介して前記タッチパネルを操作することができ、前記タッチパネルとは独立に一部又は全体に画像を表示することができるように制御されている。
【0011】
上記のとおり構成することで、タッチパネルを使用した既存機器の使用勝手、制御機構及び各種設定等を何も変更せずに、透明化可能部材による表示機能をそのまま利用することが可能であり、容易に実施することができる。
また、透明化可能部材の一部又は全体に画像を表示させることによって、既存のタッチパネルの画面全体又は一部の表示を隠したり、透明化可能部材の画像と重ねて表示させたりすることができる。
なお、透明化可能部材とは、透明化可能で、例えば既存装置のタッチパネルに設置され、そのタッチパネル動作を阻害しないものである。
例えば、透明化可能部材は透明化可能な調光フィルムや透明化可能なタッチパネルであり、このような部材で既存装置のタッチパネルを覆うことで設置され、その際にその既存装置のタッチパネル動作を阻害しないものである。
【0012】
また、本発明の透明化可能部材は、前記タッチパネルが抵抗膜方式又は表面弾性波方式であることを特徴とする。
【0013】
上記のとおり構成することで、他の方式(例えば、静電容量方式)と比較して簡易な構成で実現することができる。
【0014】
また、本発明の透明化可能部材は、前記タッチパネルが抵抗膜方式の場合前記透明化可能部材は前記タッチパネルと密着させて設置され、前記タッチパネルが表面弾性波方式の場合前記透明化可能部材は前記タッチパネルと僅かな空間を開けて設置されることを特徴とする。
【0015】
上記のとおり構成することで、タッチパネル方式の特徴に合わせた最適な設置条件が満たされる。
【0016】
また、本発明の透明化可能部材は、透明化可能なタッチパネルであることを特徴とする。
【0017】
上記のとおり構成することで、透明化可能部材は表示のみならず、タッチ操作することができる。
【0018】
また、本発明の装置は、タッチパネル上に設置される請求項1に記載の前記透明化可能部材と、カメラと、制御装置と、を備え、前記カメラで撮影された画像から前記制御装置によって前記タッチパネル操作者の属性又は行動を推測し、推測した前記属性又は前記行動に基づいて前記透明化可能部材の表示を制御する機能を有する。
【0019】
また、本発明の装置は、既存のATMのタッチパネル動作を阻害しないように前記タッチパネル上に設置される透明化可能部材と、カメラと、を備え、前記カメラで撮影された画像から前記タッチパネル操作者が高齢者か否か判断し、高齢者と判断された場合には前記透明化可能部材に振り込め詐欺防止啓発の表示を行うように制御されている。
【0020】
また、本発明の装置は、既存のATMのタッチパネル動作を阻害しないように前記タッチパネル上に設置される透明化可能部材と、カメラと、を備え、前記カメラで撮影された画像から前記タッチパネル操作者が携帯電話使用中か否か判断し、携帯電話使用中と判断された場合には前記透明化可能部材に振り込め詐欺防止啓発の表示を行うように制御されている。
【発明の効果】
【0021】
上記のとおり構成することで、高齢者をターゲットとした「振り込め詐欺など」による被害を抑止することを可能とする。
なお、以上で説明した条件及び構成は、それぞれが上述した効果を発揮するものであり、全ての条件及び構成を満たすものに限定されることはなく、いずれかの条件又は構成、或いは、いずれかの条件又は構成の組み合わせを満たすものでも、上述した効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態を説明する概略図。
図2】本発明の第3の実施の形態を説明する概略図。
図3】本発明の第3の実施の形態を説明するフロチャート図。
図4】本発明の第3の実施の形態を説明する画面表示図。
図5】本発明の第4の実施の形態を説明する概略図。
図6】本発明の第5の実施の形態を説明する概略図。
図7】一般的な銀行ATMのタッチパネル表示。
図8】高齢者によるATM操作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。ただし、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、本発明は以下の各実施の形態に限定されるものでなく、本発明及び各実施の形態と同じ技術的思想を成しえる構成を含むものである。
〔第1の実施の形態〕
【0024】
既存のタッチパネルが薄膜抵抗タイプの場合、図1のaで示すように、既存のタッチパネル面に密着するようにパネルディスプレイ(透明化可能部材)を設置する。
また、パネルディスプレイ(透明化可能部材)自体は薄く柔軟性があるので押すと既存のタッチパネル操作をすることが可能である。
また、パネルディスプレイ(透明化可能部材)の一部又は全体に画像を表示させることによって、既存のタッチパネルの画面全体又は一部の表示を隠したり、パネルディスプレイ(透明化可能部材)の画像と重ねて表示させたりすることができる。
〔第2の実施の形態〕
【0025】
既存のタッチパネルが表面弾性波タイプの場合、図1のbで示すように、既存のタッチパネル面に接触しないように空気間隔を空けてパネルディスプレイ(透明化可能部材)を設置する。
また、パネルディスプレイ(透明化可能部材)を指で押した場合に既存のタッチパネルに接触する程度の隙間を設定する。
例えばこの隙間の間隔としては、0.05mm~0.5mmの範囲が好ましく、0.1mm~0.2mmの範囲がさらに好ましい。
このことにより、パネルディスプレイ(透明化可能部材)を指で押すと既存のタッチパネル操作をすることが可能である。
また、パネルディスプレイ(透明化可能部材)の一部又は全体に画像を表示させることによって、既存のタッチパネルの画面全体又は一部の表示を隠したり、パネルディスプレイ(透明化可能部材)の画像と重ねて表示させたりすることができる。
〔第3の実施の形態〕
【0026】
図2は、第3の実施の形態を説明する概略図であり、ここでは、小型カメラ101、制御用PC100、柔軟性のあるタッチパネルディスプレイ102(透明化可能部材)を以下で説明するように配置する。
1)小型カメラ101は顔が認識できる位置に設置する。
2)制御用PC100は、本体下部等に設置、インターネット等105への接続を行えるようにする。
3)タッチパネルディスプレイ102(透明化可能部材)は、あらかじめ既存のATM103のタッチパネルディスプレイ108の大きさに合わせたものを用意しておき、図で示すように上から被せて装着する。
【0027】
第3の実施の形態の動作を図3のフロチャートを示しながら説明する。
まず、最初の「年齢確認」では、操作する人を常時カメラにて撮影し、(一般的な年齢推定ソフトウェアを利用する等)クラウド上のライブラリで年齢確認(例えば、AI等により年齢を推定)を行う。
なお、本発明において、「高齢者」とは、例えば65歳以上や70歳以上というように一定の年齢以上を意味するがその年齢については設定により変更できるように構成されていることが望ましい。
また、本発明の「高齢者」の判断においては、周知の技術を用いても良く、例えば声や動きなどで判断しても良い。
ここで、もし一定の年齢以上(高齢者)が確認できると、「メッセージ出力」として図4で示すような画面が表示され、「メッセージ」箇所には、例えば次の(1)~(5)で示すような注意のメッセージが表示される。
(1)振り込め詐欺ではありませんか。
(2)複数人がATM前に居るため操作できません。
(3)本当に親族からの依頼ですか?
(4)再度貴方の電話帳から電話してご確認をお勧めします。
(5)機器前に複数人居るため安全に操作するには1人で作業してください。
【0028】
ここでは図4で示されているように通常のATM操作画面の表示(図7参照)を隠すように画面全体が任意の画像(色)で塗りつぶされ、一部の範囲にメッセージが表示されると共に「確認」ボタンも表示される。この「確認」ボタンが押されるまでは、通常のATM操作画面の表示を隠すようにタッチパネルディスプレイ(透明化可能部材)が制御されているので、通常はATMの操作を行うことはない。
ここで、「確認」が押された場合には、タッチパネルディスプレイ(透明化可能部材)全体が透明になることでATM操作画面が表示され、タッチパネルディスプレイ(透明化可能部材)を介して通常のATM操作が行われるように制御される。
【0029】
第3の実施の形態によると、既存のATMなどによる「振り込め詐欺」等防止啓発機能を簡単に実現でき、また既存の銀行のオンラインシステムには一切影響を与えないので、既存システムの高いセキュリティをそのまま保つことができる。
【0030】
具体的には、銀行ATM等による振り込め詐欺等防止のための啓発として、カメラと制御システムを設置して、カメラでの画像処理によってお客の年齢、人数及び/又は挙動等を検出して、以下のような注意を喚起することができる。
1)ある年齢以上の高齢者を検出して、注意のメッセージを出す。
2)既存のタッチパネルの上に装着するタッチパネルディスプレイ(透明化可能部材)により、高齢者の場合は、タッチパネルディスプレイ(透明化可能部材)上の特定の確認ボタンを押さないと既存のタッチパネルの表示が隠れるような表示パターンで既存のタッチパネルを覆いかぶせるもの
3)高齢者にメッセージを出し、注意を喚起することのみの機能。
【0031】
特に以下で示す特徴を有することができる。
・既存のATMに設置可能
・ATM組み込みタイプも可能
・銀行のオンラインシステムには一切影響を与えない。
・注意のターゲットは高齢者のみ
・個人情報は収集しない
・通常の操作には影響を与えない。
・システムはクラウド接続タイプと、ローカルのエッジデバイスタイプがある。
また、簡単な作業、低コストで既存のタッチパネル上にATMと連動した警告表示を行わせることができる。
なお、第3の実施形態は「高齢者」か否か、を判断するものであるが、本願発明においては、判断に有益なものであれば「高齢者」以外の他の属性であってもよく、例えば、「身長が高い」か否か、や、「眼鏡を掛けている」か否か、であっても本願発明に含まれ得る。
〔第4の実施の形態〕
【0032】
図5は、第4の実施の形態を説明する概略図である。第3の実施の形態との違いは、制御用PC200内にはAI用エンジン等が組み込まれていて、外部と接続させずに年齢確認を行う点であり、動作等は第3の実施の形態と同様である。
【0033】
第4の実施の形態の場合、第3の実施の形態のセキュリティレベルに加えて、インターネット等外部からアクセスされることがないので、ウィルス感染や情報漏洩が抑えられることから、第3の実施の形態よりもさらに高いレベルでセキュリティを保つことができる。
〔第5の実施の形態〕
【0034】
図6は、第5の実施の形態を説明する概略図である。第5の実施の形態は、第3或は第4の実施の形態において、透明化可能部材として調光フィルムを使用したものである。
この場合であっても、ATMの既存のタッチパネルディスプレイへの設置については第1或いは第2の実施の形態(図1参照)と同様であり、例えば図6で示されているように薄膜抵抗タイプの場合は既存のタッチパネルディスプレイ面に密着するように、また、表面弾性波タイプの場合は既存のタッチパネルディスプレイ面に接触しないように空気間隔を空けて、それぞれ設置する。
【0035】
また、第3或は第4の実施の形態と同様に操作者が高齢者と判断されると、調光フィルム(透明化可能部材)自体が通常のATM操作画面の表示(図7参照)を隠すように画面全体が任意の画像(色)で塗りつぶされ、通常はATMの操作を行うことはない。
そして、特定部分のパターンのみ例えば透明となり、そこに「確認」を促す表示等が行われる。
ただし、この「確認」等の表示がタッチされたか否かは調光フィルム(透明化可能部材)自体では判断できない為、図6で示されるようにカメラにより特定の位置(「確認」等の表示箇所等)が指でタッチされたことを検知させる。
ここで、カメラにより検知された場合には、調光フィルム(透明化可能部材)全体が透明になることでATM操作画面が表示され、調光フィルム(透明化可能部材)を介して通常のATM操作が行われるように制御される。
【0036】
なお、図6ではメッセージが表示されていないが、図4のようにメッセージが表示されていても良い。また、「確認」等の表示が無くても良く、その場合、例えば操作者が高齢者と判断され、画面全体が任意の画像(色)で塗りつぶされた後、数秒経てば、調光フィルム(透明化可能部材)全体が透明になり、ATM操作が行われるように制御されていてもよい。
〔第6の実施の形態〕
【0037】
第6の実施の形態はタッチパネル操作者が「携帯電話使用中」か否か、を判断する点で第3~第5の実施の形態と異なっており、他の動作等は第3~第5の実施の形態と同様である。ここで、「携帯電話使用中」の判断は、例えば操作する人を常時カメラにて撮影し、(一般的な行動推定ソフトウェアを利用する等)クラウド上のライブラリで行動判断(例えば、AI等により行動を推定)を行う。
なお、本発明の「携帯電話使用中」の判断では、周知の技術を用いても良く、例えば片手で携帯電話を握りながら口元が動いている状況などで判断しても良い。
【0038】
なお、第6の実施の形態において、例えば「高齢者」か否か、の判断を行わなくてもよく、その場合は、「高齢者」でなくても「携帯電話使用中」の者であれば、第3~第5の実施の形態と同様に注意のメッセージ等が出力され同様の動作が行われるようにしても良い。
また、「携帯電話使用中」か否か、及び、「高齢者」か否か、の両方を判断するものであっても良く、この場合、両者で判断するので精度の高い判断が可能になる。
なお、第6の実施形態は「携帯電話使用中」か否か、を判断するものであるが、本願発明においては、判断に有益なものであれば「携帯電話使用中」以外の他の行動であってもよく、例えば、「杖を握っている」か否か、や、「話している」か否か、であっても本願発明に含まれ得る。
【符号の説明】
【0039】
100 制御用PC
101 小型カメラ
102 タッチパネルディスプレイ(透明化可能部材)
103 既存のATM
104 インターネット等接続
105 インターネット網
106 接続ケーブル(タッチパネルディスプレイと制御用PCとの接続)
107 接続ケーブル(小型カメラと制御用PCとの接続)
108 既存のATMのタッチパネル
109 タッチパネルディスプレイは既存のATMのタッチパネル上に設置可能であることを示す
200 AIエンジン搭載制御用PC(インターネット等に接続されていない)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8