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特開2025-37325ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法及び、計算回路並びに、それを搭載する半導体記憶装置
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  • 特開-ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法及び、計算回路並びに、それを搭載する半導体記憶装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025037325
(43)【公開日】2025-03-18
(54)【発明の名称】ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法及び、計算回路並びに、それを搭載する半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/406 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G11C11/406
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144183
(22)【出願日】2023-09-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 豊
【テーマコード(参考)】
5M024
【Fターム(参考)】
5M024AA21
5M024BB22
5M024BB39
5M024EE29
5M024PP01
5M024PP02
5M024PP07
(57)【要約】
【課題】ロウハンマーリフレッシュアドレス(RHA)の計算を小さな回路規模で高速に行うことができるRHAの計算方法及び、計算回路、並びに、これを備えた半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】RHA計算回路の制御部は、シードアドレスが更新されたことを契機として、更新されたシードアドレスに基づく両側の隣接RHAのうち、演算量が少ない演算(最下位ビットのみを反転)で得られるアドレスを隣接RHAとして優先的に計算し、あるいは、更新されたシードアドレスに基づく両側の隣々接RHAのうち、演算量が少ない演算(第2最下位ビットのみ反転)で得られるアドレスを隣々接RHAとして優先的に計算するよう、計算部の順序制御を行う。一方、RHA計算回路の計算部には、ワード線の物理的配置及びそれに割り当てられる行アドレスが最終的に所定の論理に修練される可能性を見出し、それに基づき計算量最小となる隣接RHA及び隣々接RHAの演算論理を見出し、計算の順序制御にも最適化された演算回路が実装される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算をするためのロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により相補的に算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により相補的に算出する計算部と、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第1の演算により優先的に計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第3の演算により優先的に計算するように前記計算部の動作を制御する制御部と、を備える、
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項2】
前記制御部は、現在の単位期間がA種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス又は前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算するA種の期間及びB種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス又は前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算するB種の期間の何れであるのかを識別するための第1の識別信号と、各単位期間において現在が該単位期間の開始から開始する優先ロウハンマーリフレッシュアドレスを生成するための優先期間及び該単位期間の途中から開始する非優先ロウハンマーリフレッシュアドレスを生成する非優先期間の何れに属するのかを識別するための第2の識別信号を前記計算部に供給し、
前記計算部は、前記第1種及び第2種の識別信号に基づいて、前記A種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算し、前記B種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項1に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項3】
前記計算部は、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第2の演算により非優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項4】
前記計算部は、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第4の演算により非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2又は3に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項5】
前記制御部は、
前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記A種の期間が終了した後に追加の前記A種の期間を連続させ、
前記計算部は、
連続後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項6】
前記制御部は、
前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記A種の期間が終了した後に前記B種の期間を連続させ、
前記計算部は、
更新後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項7】
前記計算部は、前記B種の期間において前記優先期間が前記非優先期間に変更されたならば、変更前において出力している優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを算出したときに用いられた前記B種のシードアドレスに基づいて非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを前記第4の演算により計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項8】
前記制御部は、
前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記B種の期間が終了した後に追加の前記B種の期間を連続させ、
前記計算部は、
連続後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項9】
前記制御部は、
前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記B種の期間が終了した後に前記A種の期間を連続させ、
前記計算部は、
更新後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項10】
前記A種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した行アドレスをランダムなタイミングで発生した第1のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものであり、
前記B種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した前記行アドレスをランダムなタイミングで発生し且つ前記第1のサンプリング信号から独立した第2のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものである、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項11】
前記計算部は、
論理アドレス空間上の前記シードアドレスを、所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、物理アドレスに変換する順方向アドレス変換部と、
物理アドレスに変換されたシードアドレスに基づいて、±1又は±2の加減算によって、第1から第4の物理的ロウハンマーリフレッシュアドレスの何れかを演算する物理的アドレスシフト部と、
前記所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、前記第1から第4の物理的ロウハンマーリフレッシュアドレスを論理アドレスに逆変換して、論理アドレス空間上の前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスの何れかとして求める逆方向アドレス変換部とを、備える、
請求項1に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項12】
前記計算部は、
前記シードアドレスの最下位ビット、第2最下位ビット及び第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を入力し、前記現在の単位期間が前記A種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力し、前記現在の単位時間が前記B種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット、前記第2最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を自第1の部分に含まれる第1組合わせ回路に通したことにより得た信号を出力する第1の部分と、
前記第1の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる第2組合せ回路に通したことにより得た前記ロウハンマーリフレッシュアドレスの下位4ビットを出力する第2の部分と、
を備え、
前記第1の部分が前記第2の部分に接続されたときには、自ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路においては、前記計算部及び前記制御部の隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分及び隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分の双方が構成され、
前記シードアドレスの最下位ビット及び第2最下位ビットを入力し、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力する第3の部分が前記第2の部分に接続されたときには、前記第2の部分は、前記第3の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる前記第2組合せ回路に通したことにより得た前記ロウハンマーリフレッシュアドレスの下位4ビットを出力し、自ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路に相応する計算回路においては前記計算部及び前記制御部の隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分が構成される、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項13】
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含む前記メモリアレイと、
請求項1~12の何れかに記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路と、
を備え、
前記ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路により計算された前記ロウハンマーリフレッシュアドレスを行アドレスとして有するワード線に対応する複数のメモリセルがリフレッシュされる、
半導体記憶装置。
【請求項14】
ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算をするためのロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により算出する計算ステップと、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第1の演算により優先的に計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第3の演算により優先的に計算するように前記計算ステップを制御する制御ステップと、を含む、
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフレッシュ動作を必要とするDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体記憶装置において、データ保持のために、追加的にロウハンマーリフレッシュを実施する半導体記憶装置、並びに、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法、計算回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の一種であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)は、メモリセルであるキャパシタ(コンデンサ)に電荷を蓄えることによって情報を記憶し、電源が供給されなくなると、記憶された情報が失われる揮発性メモリである。コンデンサに蓄えられた電荷は、一定時間が経過すると放電するため、DRAMは、定期的に電荷をチャージするリフレッシュというデータ保持動作が必要になる(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
また、頻繁にアクセスされた行アドレス(Row Address)は、RHAと称され、そのRHAに近接する行アドレスのメモリセルでは、そのアクセス動作に伴い発生するメモリアレイノイズや、少数キャリア、あるいは、稀に存在するデバイス欠陥により、セルリークが増大することが、以前から知られていた。加えて、半導体デバイスの微細化の進展に伴い、このセルリークは著しく増加し、20nmプロセス世代以降、従来のリフレッシュ動作だけでは、データ保持が困難になった(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
このため、頻繁にアクセスされた行アドレスを、シードアドレス(Seed Address)として捕獲し、シードアドレスに隣接する両側2つの行アドレスのみならず、シードアドレスの両側2つ隣、つまり、隣々接する2つの行アドレスに対しても、追加的にリフレッシュを行う場合がある(例えば、特許文献3)。
【0005】
この追加的に行われるリフレッシュは、ロウハンマーリフレッシュ(RHR:Row-Hammer Refresh)と称され、ワード線ロウハンマーリフレッシュの対象に割当てられるロウアドレスは、RHA(ロウハンマーリフレッシュアドレス)と称される。
【0006】
リフレッシュアドレスに割当てられたワード線(WL:Word Line)に接続されているメモリセル群がデータ保持動作の対象になる。すなわち、ロウハンマーリフレッシュアドレス(RHA)に割当てられたワード線に接続されているメモリセル群が追加的データ保持の対象となる。
【0007】
一方、ロウハンマーリフレッシュを実施する前に捕獲した1つのシードアドレスに基づいて、その両側の隣接、隣々接と、4つのロウハンマーリフレッシュアドレス(RHA)の計算を完了する必要があり、従来、その計算は複雑になり、計算時間が長く、回路規模も大きくなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2019/026197号
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0287547号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0385667号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ロウハンマーリフレッシュアドレス(RHA)の計算を小さな回路規模で高速に行うことができるロウハンマーリフレッシュアドレス(RHA)の計算方法及び、計算回路、並びに、これを備えた半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、
RHAを計算するためのRHA計算回路であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいて、何等かの手段(例えば、ランダムサンプリング等)で捕獲したシードアドレスに基づいて、その上位側に隣接するRHA及び、その下位側に隣接するRHAを、第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により相補的に算出し、前記シードアドレスに基づいて、その上位側に隣々接するRHA及び、その下位側に隣々接するRHAを、第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により相補的に算出する計算部と、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、その更新されたシードアドレスに対応する上位側隣接RHA及び、下位側隣接RHAのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接RHAとして、前記第1の演算により優先的に計算し、また、その更新されたシードアドレスに対応する上位側隣々接RHA及び、下位側隣々接RHAのうち、前記第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接RHAとして、前記第3の演算により優先的に計算するように前記計算部の動作を制御する制御部と、を備える、
RHA計算回路を提供する(発明1)。
【0011】
上記発明(発明1)においては、
前記制御部は、現在の単位期間がA種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣接RHA又は前記下位側隣接RHAを計算するA種の期間及びB種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣々接RHA又は前記下位側隣々接RHAを計算するB種の期間の何れであるのかを識別するための第1の識別信号と、各単位期間において現在が該単位期間の開始から開始する優先RHAを生成するための優先期間及び該単位期間の途中から開始する非優先RHAを生成する非優先期間の何れに属するのかを識別するための第2の識別信号を前記計算部に供給し、
前記計算部は、前記第1種及び第2種の識別信号に基づいて、前記A種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接RHAを計算し、前記B種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接RHAを計算してもよい(発明2)。
【0012】
上記発明(発明2)においては、前記計算部は、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第2の演算により非優先隣接RHAを計算してもよい(発明3)。
【0013】
上記発明(発明2又は3)においては、前記計算部は、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第4の演算により非優先隣々接RHAを計算してもよい(発明4)。
【0014】
上記発明(発明2)においては、前記制御部は、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記A種の期間が終了した後に追加の前記A種の期間を連続させ、前記計算部は、追加の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、現在の前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接RHAを計算してもよい(発明5)。
【0015】
上記発明(発明2)においては、前記制御部は、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記A種の期間が終了した後に前記B種の期間を連続させ、前記計算部は、更新後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接RHAを計算してもよい(発明6)。
【0016】
上記発明(発明2)においては、前記計算部は、前記B種の期間において前記優先期間が前記非優先期間に変更されたならば、変更前において出力している優先隣々接RHAを算出したときに用いられた前記B種のシードアドレスに基づいて非優先隣々接RHAを前記第4の演算により計算してもよい(発明7)。
【0017】
上記発明(発明2)においては、前記制御部は、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記B種の期間が終了した後に追加の前記B種の期間を連続させ、前記計算部は、連続後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接RHAを計算してもよい(発明8)。
【0018】
上記発明(発明2)においては、前記制御部は、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記B種の期間が終了した後に前記A種の期間を連続させ、前記計算部は、更新後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接RHAを計算してもよい(発明9)。
【0019】
上記発明(発明2)においては、前記A種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した行アドレスをランダムなタイミングで発生した第1のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものであり、前記B種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した前記行アドレスをランダムなタイミングで発生し且つ前記第1のサンプリング信号から独立した第2のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものであってもよい(発明10)。
【0020】
上記発明(発明1)においては、前記計算部は、論理アドレス空間上の前記シードアドレスを、所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、物理アドレスに変換する順方向アドレス変換部と、物理アドレスに変換されたシードアドレスに基づいて、±1又は±2の加減算によって、第1から第4の物理的RHAの何れかを演算する物理的アドレスシフト部と、前記所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、前記第1から第4の物理的RHAを、論理アドレスに逆変換して、論理アドレス空間上の前記上位側隣接RHA、前記下位側隣接RHA、前記上位側隣々接RHA及び前記下位側隣々接RHAの何れかとして求める逆方向アドレス変換部とを、備えてもよい(発明11)。
【0021】
上記発明(発明2)においては、前記計算部は、前記シードアドレスの最下位ビット、第2最下位ビット及び第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を入力し、前記現在の単位期間が前記A種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力し、前記現在の単位時間が前記B種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット、前記第2最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を自第1の部分に含まれる第1組合わせ回路に通したことにより得た信号を出力する第1の部分と、前記第1の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる第2組合せ回路に通したことにより得た前記RHAの下位4ビットを出力する第2の部分と、を備え、前記第1の部分が前記第2の部分に接続されたときには、自RHA計算回路においては、前記計算部及び前記制御部の隣接RHAに係る部分及び隣々接RHAに係る部分の双方が構成され、前記シードアドレスの最下位ビット及び第2最下位ビットを入力し、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力する第3の部分が前記第2の部分に接続されたときには、前記第2の部分は、前記第3の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる前記第2組合せ回路に通したことにより得た前記RHAの下位4ビットを出力し、自RHA計算回路に相応する計算回路においては前記計算部及び前記制御部の隣接RHAに係る部分が構成されるようにしてもよい(発明12)。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明は、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイと、
上記発明(発明1~12)のRHA計算回路とを、
備え、
前記RHA計算回路により計算された前記RHAを行アドレスとして有するワード線に接続される複数のメモリセルがリフレッシュされる、
半導体記憶装置を提供する(発明13)。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明は、
RHAの計算をするためのRHA計算方法であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接RHA及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接RHAを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接RHA及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接RHAを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により算出する計算ステップと、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接RHA及び前記下位側隣接RHAのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接RHAとして前記第1の演算により優先的に計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接RHA及び前記下位側隣々接RHAのうち、第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接RHAとして前記第3の演算により優先的に計算するように前記計算ステップを制御する制御ステップと、を含む、
RHA計算方法を提供する(発明14)。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算を小さな回路規模で高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る半導体記憶装置を示すブロック図である。
図2図1に示す第iのメモリブロック101-i(i=1~N)の構成を示すブロック図である。
図3図2に示すロウハンマーリフレッシュアドレス計算部の構成を示すブロック図である。
図4図2に示すロウハンマーリフレッシュアドレス計算部に関連した信号のタイミング図である。
図5】本発明の実施形態に係る半導体記憶装置のメモリアレイのうち16本の行ラインに対応する部分の配置パターンを示す図である。
図6】シードアドレスとロウハンマーリフレッシュアドレスの対応関係を示す図である。
図7図3に示す計算部の構成例を示す回路図である。
図8】(a)は、本発明の実施形態におけるシードアドレスと隣接ハンマーリフレッシュアドレスとの対応関係を示す表であり、(b)は、本発明の実施形態におけるシードアドレスと隣々接ハンマーリフレッシュアドレスとの対応関係を示す表であり、(c)は、本発明の実施形態における物理的アドレスと論理的アドレスとの対応関係を示す表である。
図9】優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、非優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを切り替えるために必要な信号及びデータとそれらの組合せを示す表である。
図10図7に示す修正4ビット加算部の構成例を示す回路図である。
図11】本発明の第2実施形態によるロウハンマーリフレッシュアドレス計算部において行われる論理演算を条件別に示す論理式である。
図12】本発明の第2実施形態によるロウハンマーリフレッシュアドレス計算部の構成を示す回路図である。
図13】本発明の第3実施形態によるロウハンマーリフレッシュアドレス計算部の構成を示す回路図である。
図14】本発明の第4実施形態によるロウハンマーリフレッシュアドレス計算部の第1接続状態における構成を示す回路図である。
図15】本発明の第4実施形態によるロウハンマーリフレッシュアドレス計算部の第2接続状態における構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係るロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路及び半導体記憶装置並びにロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置100を示すブロック図である。なお、本実施形態において、半導体記憶装置100がDRAMである場合を一例として説明するが、半導体記憶装置100は、例えば、リフレッシュ動作を内部で制御するように構成されたpSRAM(pseudo-Static Random Access Memory)であってもよい。
【0028】
図1を参照すると、半導体記憶装置100は、第1のメモリブロック101-1~第N(Nは、2以上の整数)のメモリブロック101-N、アドレス入力バッファ103、アドレスデコーダ105、列アドレスカウンタ&ラッチ107、ブロックアドレスコントロールロジック109、コマンド入力バッファ111、コマンドデコーダ113、クロック入力バッファ115、内部クロック生成部117、モードレジスタ&ヒューズROM部119、グローバル入出力ゲート121、DQ入出力バッファ123、温度センサ125及び内部電源生成部127を備える。
【0029】
外部から入力されたデータDQは、DQ入出力バッファ123を介してグローバル入出力ゲート121に供給され、また、グローバル入出力ゲート121からDQ入出力バッファ123に供給されたデータは、外部にデータDQとして出力される。
【0030】
グローバル入出力ゲート121は、DQ入出力バッファ123から入力されたデータを多重分離して、第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nに供給する。また、グローバル入出力ゲート121は、第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nから供給されたデータを多重化して、DQ入出力バッファ123に供給する。
【0031】
第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nの各々は、行列状に並んだ複数のメモリセルを備えている。各メモリセルは、行アドレス及び列アドレスにより指定される。ブロック選択信号BS_i(i=1~N)により自ブロックが指定されたメモリブロック101-i(i=1~N)の行アドレス及び列アドレスにより指定されたメモリセルには、グローバル入出力ゲート121及びDQ入出力バッファ123を介して外部から入力されたデータが書込信号WTに従って書き込まれる。また、ブロック選択信号BS_i(i=1~N)により自ブロックが指定されたメモリブロック101-i(i=1~N)の行アドレス及び列アドレスにより指定されたメモリセルに書き込まれているデータは、グローバル入出力ゲート121及びDQ入出力バッファ123を介して読出信号RDに従って読み出される。
【0032】
アドレス入力バッファ103を介して外部から入力されたアドレスは、アドレスデコーダ105、コマンドデコーダ113及びモードレジスタ&ヒューズROM部119に供給される。
【0033】
アドレスデコーダ105は、入力したアドレスをデコードして、デコード結果をブロックアドレスBA、行アドレスXADD及び列アドレスYADDとして出力する。
【0034】
列アドレスカウンタ&ラッチ107は、主に列アドレスYADDをラッチし、列アドレスYADD1として第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nに供給する。
【0035】
ブロックアドレスコントロールロジック109は、ブロックアドレスBAをデコードして、デコード後のブロック選択信号BS_1~ブロック選択信号BS_Nをそれぞれ第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nに供給する。
【0036】
コマンド入力バッファ111を介して外部から入力されたコマンドCOMは、コマンドデコーダ113に供給される。
【0037】
コマンドデコーダ113は、コマンドをデコードして、デコード結果とアドレスに基づいて信号ACT、PREC、RFIP_1~RFIP_N、読出信号RD、書込信号WT及び信号MRSを計算する。信号ACT、PREC、RFIP_1~RFIP_N、読出信号RD及び書込信号WTは、第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nに供給される。
【0038】
外部から入力された相補的なクロックCK、CKBは、クロック入力バッファ115によりクロックICLKに変換され、コマンドデコーダ113、アドレスデコーダ105及び内部クロック生成部117に供給される。
【0039】
内部クロック生成部117は、コマンド入力バッファ111から供給された信号CKE及びクロックICLKに基づいて内部クロックLCLKを生成する。内部クロックLCLKは、DQ入出力バッファ123に供給される。
【0040】
モードレジスタ&ヒューズROM部119は、信号MRSとアドレスに基づいて、信号TMRHR、TMRSを計算する。信号TMRHR、TMRSは、第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nに供給される。
【0041】
温度センサ125は、半導体記憶装置100の温度を計測し、計測結果を示す温度データTSを出力する。温度データTSは、第1のメモリブロック101-1~第Nのメモリブロック101-Nに供給され、リフレッシュレートの制御のために利用される。
【0042】
内部電源生成部127は、外部から入力された電源VDD及び電源VSSに基づいて、半導体記憶装置100の各部に供給される内部電源VPP、VBB、VBLH、VOD及びVINT等を生成する。
【0043】
図2は、図1に示す第iのメモリブロック101-i(i=1~N)の構成を示すブロック図である。
【0044】
第iのメモリブロック101-iは、リフレッシュコントロール部201、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203、行アドレスマルチプレクサ205、行デコーダ&バンク論理部207、論理反転ゲート209、論理積ゲート211、213、215、論理和ゲート217、列アドレスデコーダ221、I/Oゲート&DMロジック223、メモリアレイ225、ワード駆動部227及びセンスアンプ229を備える。なお、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203が本発明の「ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路」に対応する。
【0045】
リフレッシュコントロール部201は、信号TMRS、TMRHR、ACT、PREC、温度データTS、クロックRFIP_iを入力し、これらに基づいて、通常リフレッシュアドレスRFA、信号CBRSLOT、信号RHRSLOTを計算する。
【0046】
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203は、基本的には行アドレスXADD2に基づいて、ロウハンマーリフレッシュアドレスRHAを計算する。以下、「ロウハンマーリフレッシュアドレス」を「RHA」と表す場合がある。行アドレスXADD2は、メモリアレイ225に対するアクセス(書込み、読出し又はリフレッシュ)のために行アドレスマルチプレクサ205が行デコーダ&バンク論理部207に供給するものである。
【0047】
但し、行アドレスXADD2により指定された行にあるセルの代わりにX冗長領域にあるセルが用いられているならば、信号XREDMatchが活性化される。このときには、RHA計算のための基準アドレスとして行アドレスXADD2の代わりにX冗長領域の行アドレスXREDが用いられる。ここで、行アドレスXREDは実際にアクセスしたメモリセルの行アドレスであり、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203は、行デコーダ&バンク論理部207から入力する。
【0048】
また、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203は、RHA計算の際には、信号ACT、PREC、RHRも利用する。
【0049】
行アドレスマルチプレクサ205は、信号CBR、RHRに基づいて、行アドレスXADD2として、行アドレスXADD1、通常リフレッシュアドレスRFA及びロウハンマーリフレッシュアドレスRHAの何れかを選択する。行アドレスXADD2は、行デコーダ&バンク論理部207に供給される。
【0050】
信号CBRは、信号RHRSLOTの論理反転信号と、信号CBRSLOTとクロックRFIP_iの論理積演算結果の論理レベルを有し、これらの信号を論理反転ゲート209、論理積ゲート211に通すことにより得られる。
【0051】
信号RHRは、信号RHRSLOTとクロックRFIP_iの論理積演算結果の論理レベルを有し、信号RHRSLOT及びクロックRFIP_iを論理積ゲート213に通すことにより計算される。
【0052】
信号RFEXEは、信号CBRSLOT及び信号RHRSLOTの論理和演算結果とRFIP_iの論理積演算の結果の論理レベルを有し、信号CBRSLOT、信号RHRSLOT及びクロックRFIP_iを論理和ゲート217及び論理積ゲート215に通すことにより計算される。
【0053】
行デコーダ&バンク論理部207は、ブロック選択信号BS_iにより自メモリブロック101-iが選択されているときに、行アドレスXADD2をデコードして、メモリアレイ225の行毎に設けられているワード線WLのうちワード駆動部227により駆動するべきワード線WLを選択する。
【0054】
列アドレスデコーダ221は、ブロック選択信号BS_iにより自メモリブロック101-iが選択されているときに、列アドレスYADD1をデコードし、メモリアレイ225の各ビット線BLに対応して設けられているセンスアンプ229のうちセンスするべきビット線BLに対応するセンスアンプ229を選択する。選択されたセンスアンプ229は、対応するビット線BLを信号SAEnに従ったタイミングでセンスする。
【0055】
I/Oゲート&DMロジック223は、メモリ入出力バスMIOと列入出力バスLIOの間に介在し、書込信号WTと読出信号RDに基づいて、データの入出力方向を制御する。
【0056】
図3は、図2に示すロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203の構成を示すブロック図である。また、図4は、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203に関連した信号のタイミング図である。
【0057】
図3を参照すると、ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部203は、乱数発生部231、論理積ゲート233、235、ラッチ237、239、241、マルチプレクサ243、245、制御部247及び計算部249を備える。
【0058】
乱数発生部231でランダムなタイミングで発生した信号ENに対して論理積ゲート233により信号PRECとの論理積演算を適用することにより、図4に示すようにランダムなタイミングで第1のサンプリング信号Sampleが計算される。また、乱数発生部231で信号ENとは独立したランダムなタイミングで発生した信号EN2に対して論理積ゲート235により信号PRECとの論理積演算を適用することにより、図4に示すようにランダムなタイミングで第2のサンプリング信号Sample2が計算される。
【0059】
マルチプレクサ243には、行アドレスマルチプレクサ205から行デコーダ&バンク論理部207を介して行アドレスXADD2が供給される。また、マルチプレクサ243には、行デコーダ&バンク論理部207から行アドレスXRED及び信号XREDMatchが供給される。
【0060】
マルチプレクサ243は、信号XREDMatchに従って、行アドレスXADD2及び行アドレスXREDのうちの何れかを行アドレスXADDSとして選択する。
【0061】
ラッチ237は、アドレスXADDSを第1のサンプリング信号Sampleによりランダムサンプリングした信号を、A種のシードアドレスS1として出力する。
【0062】
ラッチ239は、アドレスXADDSを第2のサンプリング信号Sample2によりランダムサンプリングした信号を、B種のシードアドレスS2として出力する。
【0063】
ここで、A種のシードアドレスS1もB種のシードアドレスS2もアドレスXADDSをランダムサンプリングすることにより得ることができるという点において共通している。「A種」と「B種」は特にシードアドレスの物理的性質を区別するために用いられている種別ではない。
【0064】
制御部247は、RHR信号に基づいて、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndを計算する。ここで、距離切替信号PM2は、本発明の「第1の識別信号」の一例であり、優先非優先切替信号RHR2ndは、本発明の「第2の識別信号」の一例である。
【0065】
ここで、図4を参照すると、クロックRFIPのパルスは、周期的に継続する。信号RHRSLOTは、リフレッシュレートに相応する周期を持つ。各周期毎にクロックRFIPの2周期に相応する長さの期間だけ信号RHRSLOTの論理レベルがHIGHになる。信号RHRは、クロックRFIPと信号RHRSLOTの論理積演算により得られる。従って、信号RHRSLOTの各周期毎に信号RHRの2つの連続したパルスが発生する。
【0066】
信号RHRの2つの連続したパルスのうちの最初のパルスにより優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルはLOWからHIGHに変化し、2つ目のパルスにより優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルはHIGHからLOWに変化する。
【0067】
また、基本的には、信号RHRの2つの連続したパルスのうちの2つ目のパルスにより距離切替信号PM2の論理レベルが反転するが、反転しないこともある。これについては後述する。
【0068】
優先非優先切替信号RHR2ndの立ち下がりから次の立ち下がりまでが1つの単位期間である。この期間の開始と同時に優先非優先切替信号RHR2ndがLOWである期間が始まり、その後信号RHRのパルスが発生すると、優先非優先切替信号RHR2ndはHIGHになる。その後信号RHRのパルスが発生すると、単位期間が終了して優先非優先切替信号RHR2ndは再度LOWになる。
【0069】
距離切替信号PM2は、単位期間においては変化しない。距離切替信号PM2は、基本的には、単位期間ごとに反転するが、反転しないときもある。
【0070】
距離切替信号PM2は、論理レベルがLOWであるときには、メモリアレイにおけるワード線の配置においてA種のシードアドレスが割当てられているワード線に対して両側に隣接する2つのワード線にそれぞれ割当てられている2つのアドレスを上位側隣接RHA及び下位側隣接RHAとして計算することを指定する。また、距離切替信号PM2は、論理レベルがHIGHであるときには、メモリアレイにおけるワード線の配置においてB種のシードアドレスが割当てられているワード線に対して両側に隣々接する2つのワード線にそれぞれ割当てられている2つのアドレスを上位側隣々接RHA及び上位側隣々接RHAとして計算することを指定する。ここで、「上位」及び「下位」は、メモリアレイにおけるワード線の配置の順列におけるものである。
【0071】
優先非優先切替信号RHR2ndは、論理レベルがLOWであるときには、同一のシードアドレス(同一のA種のシードアドレス又は同一のB種のシードアドレス)に基づいて計算する2つのRHAのうち時間的に先行するRHA(つまり、優先RHA)を計算することを指定する。他方で、論理レベルがHIGHであるときには、時間的に後続するRHA(つまり、非優先RHA)を計算することを指定する。
【0072】
従って、距離切替信号PM2がLOWであり且つ優先非優先切替信号RHR2ndがLOWであるときには、RHAとして優先隣接RHAが指定され、距離切替信号PM2がLOWであり且つ優先非優先切替信号RHR2ndがHIGHであるときには、RHAとして非優先隣接RHAが指定され、距離切替信号PM2がHIGHであり且つ優先非優先切替信号RHR2ndがLOWであるときには、RHAとして優先隣々接RHAが指定され、距離切替信号PM2がHIGHであり且つ優先非優先切替信号RHR2ndがHIGHであるときには、RHAとして非優先隣々接RHAが指定される。
【0073】
マルチプレクサ245は、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであるときには、シードアドレスとしてA種のシードアドレスS1を選択し、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHであるときには、シードアドレスとしてB種のシードアドレスS2を選択する。
【0074】
ラッチ241は、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWであるときには、マルチプレクサ245から供給されたシードアドレスをそのままシードアドレスSeedとして出力し、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHであるときには、HIGHになる直前のシードアドレスSeedをそのまま継続して出力する。
【0075】
計算部249は、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの組合せに従って、シードアドレスSeedに基づく4種類のRHAを計算して出力する。
【0076】
また、ラッチ237によりランダムサンプリングされたA種のシードアドレスS1とラッチ239によりランダムサンプリングされたB種のシードアドレスS2がマルチプレクサ245により1つのシードアドレスSeedとして合成される。ここで、実際には、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであるときに、A種のシードアドレスがシードアドレスSeedとして選択され、他方で、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHであるときに、B種のシードアドレスがシードアドレスSeedとして選択される。
【0077】
従って、計算部249は、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOW、LOWであるときには、上位側隣接RHA及び下位側隣接RHAから選択された優先隣接RHAを、A種のシードアドレスSeedに基づいて第1の演算により計算する。また、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOW、HIGHであるときには、上位側隣接RHA及び下位側隣接RHAから選択された非優先隣接RHAを、A種のシードアドレスSeedに基づいて第2の演算により計算する。
【0078】
更に、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGH、LOWであるときには、上位側隣々接RHA及び下位側隣々接RHAから選択された優先隣々接RHAを、B種のシードアドレスSeedに基づいて第3の演算により計算する。また、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGH、HIGHであるときには、上位側隣々接RHA及び下位側隣々接RHAから選択された非優先隣々接RHAを、B種のシードアドレスSeedに基づいて第4の演算により計算する。
【0079】
ここで、第1の演算の演算量よりも第2の演算の演算量の方が多く、また、第3の演算の演算量よりも第4の演算の演算量の方が多い。
【0080】
なお、ラッチ237及びラッチ239は、本発明の「サンプリング部」の一例である。
【0081】
次に、図4を参照すると、既に説明したように、信号RHRSLOTは、周期的に2クロックを含む期間だけ論理レベルがHIGHになる。なお、信号RHRSLOTは、リフレッシュコントロール部201で計算され、特に、信号RHRSLOTの周期は、温度データTSにより示される温度に依存する。
【0082】
信号RHRは、信号RHRSLOTの論理レベルがHIGHである期間において、クロックRFIP(AREF)と同一のタイミングで発生する。より詳細には、信号RHRは、信号RHRSLOTの論理レベルがHIGHである期間において、クロックRFIPに同期して連続する2つのパルスとして発生する。
【0083】
時刻tck5以前においては、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルは、LOW、LOWである。
【0084】
時刻tck5から時刻tck6までの期間においては、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルは、HIGH、LOWである。
【0085】
時刻tck6から時刻tck15までの期間においては、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルは、LOW、HIGHである。
【0086】
時刻tck15から時刻tck16までの期間においては、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルは、HIGH、HIGHである。
【0087】
以下同様に、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルは、原則的には、(LOW、LOW)、(HIGH、LOW)、(LOW、HIGH)、(HIGH、HIGH)が繰り返される。
【0088】
しかし、例えば、時刻tck16では、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWからHIGHに変化しない。このような場合には、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルについて、(LOW、LOW)、(HIGH、LOW)の次に(LOW、LOW)、(HIGH、LOW)が更に繰り返される。同様に、図示していないが、通常ならば距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHからLOWに変化するタイミングでも距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHからLOWに変化しないことがある。このような場合には、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルについて、(LOW、HIGH)、(HIGH、HIGH)の次に(LOW、HIGH)、(HIGH、HIGH)が更に繰り返される。これらについては、後述する。
【0089】
第1のサンプリング信号Sampleは、時刻ts11、ts12、・・・、ts16において発生し、これらの時刻において、A種のシードアドレスS1が更新される。
【0090】
第2のサンプリング信号Sample2は、時刻ts21、ts23において発生し、これらの時刻において、B種のシードアドレスS2が更新される。
【0091】
図4に示すように、時刻ts11、ts12、・・・、ts16での更新に対応するA種のシードアドレスS1をS1(1)、S1(2)、・・・、S1(6)とする。
【0092】
図4に示すように、時刻ts21、ts22、での更新に対応するB種のシードアドレスS2をS2(2)、S2(3)また、時刻ts21の前のB種のシードアドレスS2をS2(1)とする。
【0093】
次に、時間の流れに従った動作の説明をする。
【0094】
時刻ts11では、第1のサンプリング信号SampleによりA種のシードアドレスS1は、S1(1)に更新される。距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであるので、シードアドレスSeedとしてA種のシードアドレスS1(1)が選択される。また、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであり、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWであるので、A種のシードアドレスS1(1)に基づいて優先隣接RHA S1(1)±1 1stが第1の演算により計算される。これは、時刻tck5まで継続する。
【0095】
時刻tck5では、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWからHIGHに変化し、これが時刻tck6まで維持される。従って、シードアドレスSeedとして時刻tck5直前のA種のシードアドレスS1(1)が時刻tck6まで維持される。図4では、A種のシードアドレスS1(1)は、時刻tck5から時刻tck6までの間に更新されないが、仮に時刻tck5から時刻tck6までの間にA種のシードアドレスS1(1)が更新されたとしても、シードアドレスSeedとして時刻tck5直前のA種のシードアドレスS1(1)が時刻tck6まで維持される。
【0096】
時刻tck5からは、RHAとして、A種のシードアドレスS1(1)に基づいて非優先隣接RHA S1(1)±1 2ndが第2の演算により計算される。これは、時刻tck6まで継続する。従って、同一のA種のシードアドレスS1(1)に基づいて優先隣接RHA S1(1)±1 1stが第1の演算により計算されてから非優先隣接RHA S1(1)±1 2ndが第2の演算により計算されることになる。
【0097】
ここで、第1の演算よりも第2の演算の方が、演算量が多いので、非優先隣接RHA S1(1)±1 2ndの全ビットが確定するまで或る程度の遅延期間を要する。しかし、信号RHRの対応するパルスに対して同期して非優先隣接RHA S1(1)±1 2ndを算出することができている。
【0098】
時刻tck6では、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWからHIGHに変化し、また、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHからLOWに変化する。従って、シードアドレスSeedとしてB種のシードアドレスS2(1)が選択される。また、B種のシードアドレスS2(1)に基づいて優先隣々接RHA S2(1)±2 1stが第3の演算により計算される。これは、時刻ts21まで継続する。なお、B種のシードアドレスS2(1)は既に時刻tck1より前から確定している。
【0099】
時刻ts21では、距離切替信号PM2の論理レベルはHIGHに維持されたままであり、また、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルはLOWに維持されたままである。しかし、第2のサンプリング信号Sample2によりB種のシードアドレスS2(1)は、B種のシードアドレスS2(2)に更新される。従って、RHAとしてB種のシードアドレスS2(1)に基づいて第3の演算により計算されている優先隣々接RHA S2(1)±2 1stは、B種のシードアドレスS2(2)に基づいて第3の演算により計算される優先隣々接RHA S2(2)±2 1stに更新される。
【0100】
時刻tck15では、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWからHIGHに変化し、これが時刻tck16まで維持される。従って、シードアドレスSeedとして時刻tck15直前のB種のシードアドレスS2(2)が時刻tck16まで維持される。図4では、B種のシードアドレスS2(2)は、時刻tck15から時刻tck16までの間に更新されないが、仮に時刻tck15から時刻tck16までの間にB種のシードアドレスS2(2)が更新されたとしても、同様にシードアドレスSeedとして時刻tck15直前のB種のシードアドレスS2(2)が時刻tck16まで維持される。
【0101】
時刻tck15からは、RHAとして、B種のシードアドレスS2(2)に基づいて非優先隣々接RHA S2(2)±2 2ndが第4の演算により計算される。これは、時刻tck16まで継続する。
【0102】
ここで、第3の演算よりも第4の演算の方が、演算量が多いので、非優先隣々接RHA S2(2)±2 2ndの全ビットが確定するまである程度の遅延期間を要する。しかし、信号RHRの対応するパルスに対して同期して非優先隣接RHA S2(2)±2 2ndを算出することができている。
【0103】
時刻tck16では、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHからLOWに変化し、また、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHからLOWに変化する。従って、シードアドレスSeedとしてA種のシードアドレスS1(2)が選択される。また、A種のシードアドレスS1(2)に基づいて優先隣接RHA S1(2)±1 1stが第1の演算により計算される。これは、時刻ts13まで継続する。なお、A種のシードアドレスS1(2)は、時刻ts12において既に確定している。
【0104】
時刻ts13では、距離切替信号PM2の論理レベルはLOWに維持されたままであり、また、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルはLOWに維持されたままである。しかし、第1のサンプリング信号によりA種のシードアドレスS1(2)は、A種のシードアドレスS1(3)に更新される。従って、RHAとしてA種のシードアドレスS1(2)に基づいて第1の演算により計算されている優先隣接RHA S1(2)±1 1stは、A種のシードアドレスS1(3)に基づいて第1の演算により計算される優先隣接RHA S1(3)±1 1stに更新される。
【0105】
時刻ts14でも、時刻ts13と同様に、距離切替信号PM2の論理レベルはLOWに維持されたままであり、また、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルはLOWに維持されたままである。しかし、第1のサンプリング信号によりA種のシードアドレスS1(3)は、A種のシードアドレスS1(4)に更新される。従って、RHAとしてA種のシードアドレスS1(3)に基づいて第1の演算により計算されている優先隣接RHA S1(3)±1 1stは、A種のシードアドレスS1(4)に基づいて第1の演算により計算される優先隣接RHA S1(4)±1 1stに更新される。
【0106】
時刻ts15でも、時刻ts13、ts14と同様に、距離切替信号PM2の論理レベルはLOWに維持されたままであり、また、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルはLOWに維持されたままである。しかし、第1のサンプリング信号によりA種のシードアドレスS1(4)は、A種のシードアドレスS1(5)に更新される。従って、RHAとしてA種のシードアドレスS1(4)に基づいて第1の演算により計算されている優先隣接RHA S1(4)±1 1stは、A種のシードアドレスS1(5)に基づいて第1の演算により計算される優先隣接RHA S1(5)±1 1stに更新される。
【0107】
時刻tck25では、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWからHIGHに変化し、これが時刻tck26まで維持される。従って、シードアドレスSeedとして時刻tck25直前のA種のシードアドレスS1(5)が時刻tck26まで維持される。図4では、A種のシードアドレスS1(5)は、時刻tck25から時刻tck26までの間にS1(6)に更新されているが、シードアドレスSeedとしては時刻tck25直前のA種のシードアドレスS1(5)が時刻tck6まで維持される。
【0108】
時刻tck25からは、RHAとして、A種のシードアドレスS1(5)に基づいて非優先隣接RHA S1(5)±1 2ndが第4の演算により計算される。これは、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHからLOWに変化する時刻tck26まで継続する。
【0109】
ここで、説明が重複するが、時刻tck25から時刻t26までの間の優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHである期間に属する時刻ts16において第1のサンプリング信号Sampleが発生する。これにより、第1のサンプリング信号S1(5)は第1のサンプリング信号S1(6)に更新される。
【0110】
しかし、非優先隣接RHA S1(5)±1 2ndから第1のサンプリング信号S1(6)に対応した優先隣接RHA S1(6)±1 1stへの更新は、時刻ts16においては実行されず、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHからLOWに変化する時刻tck26において実行される。
【0111】
なお、通常であれば、時刻tck26においては、距離切替信号PM2の論理レベルは、LOWからHIGHに変化するが、時刻tck25から時刻t26までの間の優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHである期間に属する時刻ts16において第1のサンプリング信号Sampleが発生したので、距離切替信号PM2の論理レベルは、LOWに維持される。
【0112】
ところで、図示しないが、図4に示す例に対して、隣接RHAと隣々接RHAを入れ替えた動作例もある。この場合、第1のサンプル信号が発生するタイミングで第2のサンプル信号が発生し、第2のサンプリング信号が発生するタイミングで第1のサンプリング信号が発生する。従って、A種のシードアドレスS1とB種のシードアドレスS2はタイミングが入れ替わる。また、距離切替信号PM2の極性は反転する。
【0113】
そして、隣接RHA S1(i)±1のタイミングは、隣々接RHA S2(i)±2のタイミングに置き換わり、隣々接RHA S2(j)±2のタイミングは、隣接RHA S1(j)±1のタイミングに置き換わる。
【0114】
次に図5は、メモリアレイ225のうち16本の行ラインに対応する部分の配置パターンを示す。メモリアレイ225においては、この配置パターンが繰り返されている。
【0115】
図5を参照すると、メモリアレイ225には、行アドレスの下位3ビットのデコード結果に対応する8本の選択線FXL及び行アドレスのそれよりも上のビットのデコード結果に対応する複数の選択線MWLが配線されている。
【0116】
活性化された選択線MWL及び活性化された選択線FXLの双方により選択されたサブワードドライバ305が活性化され、これに接続されている行ラインSWLが活性化される。
【0117】
行ラインの下側に配置されたサブワードドライバ305が2つの行ライン毎に配置され、ラインの上側に配置されたサブワードドライバ305も2つの行ライン毎に配置される。これらは行ラインについて交互に配置されている。
【0118】
8本の選択線FXLのうちの4本の選択線FXLは、下側に配置されているサブワードドライバ305に対応し、サブワードドライバ305の下側に配置されている。
【0119】
8本の選択線FXLのうちの残りの4本の選択線FXLは、上側に配置されているサブワードドライバ305に対応し、サブワードドライバ305の上側に配置されている。
【0120】
下側の4本の選択線FXLは、論理的行アドレスの下4桁でいうと下から000、010、100及び110の順に並んでいる。また、上側の4本の選択線FXLは、論理的行アドレスの下4桁でいうと下から001、011、101及び111の順に並んでいる。従って、偶数の論理的行アドレスに対応する4本の選択線FXLが下側に配置され、奇数の論理的行アドレスに対応する4本の選択線FXLが上側に配置されている。
【0121】
下側の4本の選択線FXLに着目すると、各選択線FXLと各サブワードドライバ305を接続する配線309の交点311が8個のサブワードドライバ305の周期でジグザグ状になるように、選択線FXLと配線309が配置されている。
【0122】
同様に上側の4本の選択線に着目すると、各選択線FXLと各サブワードドライバ305を接続する配線309の交点311が8個のサブワードドライバ305の周期でジグザグ状になるように、選択線FXLと配線309が配置されている。
【0123】
二進数で表した行アドレスの下4桁の数値0からfにそれぞれ対応する交点311-0から311-fは、図5に示す位置に配置されることになる。
【0124】
また、二進数で表した行アドレスの下4桁の数値0からfにそれぞれ対応するサブワードドライバ305-0から305-fは、図5に示す位置に配置されることになる。各サブワードドライバ305は、選択線FXLに対して交点311及び配線309を経由して接続されている。
【0125】
従って、行アドレスを16で除算したときの剰余をゼロからfまでの十六進数で表した場合、剰余がゼロである行アドレスが割り当てられているワード線から剰余がfである行アドレスが割当てられているワード線は、図5に示すように配置される。つまり、ワード線に割当てられている行アドレスの16による除算の剰余で表記すると(行アドレスの下位4ビットに対応する十六進数の数で表記すると)、メモリアレイ225においてワード線は、
0、1、2、3、4、5、6、7、e、f、c、d、a、b、8、9
の順序で並ぶ。
【0126】
従って、メモリアレイ225における配置上のワード線の順序に従ってワード線に割り当てられた順位を物理的行アドレスと称し、また、上記で単に行アドレスと称していた行デコーダ&バンク論理部207が入力する行アドレスXADD2を論理的行アドレスと称するならば、物理的行アドレスの下位4ビットと論理的行アドレスの下位4ビットの対応関係は、図5にも示すように、
物理的行アドレス 論理的行アドレス
(0) 0
(1) 1
(2) 2
(3) 3
(4) 4
(5) 5
(6) 6
(7) 7
(8) e
(9) f
(a) c
(b) d
(c) a
(d) b
(e) 8
(f) 9
であることになる。
【0127】
上述したように、メモリアレイ225において行ラインSWLは、物理的行アドレスの順に並ぶ。従って、任意に選択した2つの行ラインSWLは、それらにそれぞれ対応する2つの物理的行アドレスの差に応じた距離だけ相互に離間している。
【0128】
更に、図5を参照すると、
論理的行アドレス0が割り当てられているワード線には物理的アドレス(0)が割り当てられている。
論理的行アドレス1が割り当てられているワード線には物理的アドレス(1)が割り当てられている。
論理的行アドレス2が割り当てられているワード線には物理的アドレス(2)が割り当てられている。
論理的行アドレス3が割り当てられているワード線には物理的アドレス(3)が割り当てられている。
論理的行アドレス4が割り当てられているワード線には物理的アドレス(4)が割り当てられている。
論理的行アドレス5が割り当てられているワード線には物理的アドレス(5)が割り当てられている。
論理的行アドレス6が割り当てられているワード線には物理的アドレス(6)が割り当てられている。
論理的行アドレス7が割り当てられているワード線には物理的アドレス(7)が割り当てられている。
論理的行アドレス8が割り当てられているワード線には物理的アドレス(e)が割り当てられている。
論理的行アドレス9が割り当てられているワード線には物理的アドレス(f)が割り当てられている。
論理的行アドレスaが割り当てられているワード線には物理的アドレス(c)が割り当てられている。
論理的行アドレスbが割り当てられているワード線には物理的アドレス(d)が割り当てられている。
論理的行アドレスcが割り当てられているワード線には物理的アドレス(a)が割り当てられている
論理的行アドレスdが割り当てられているワード線には物理的アドレス(b)が割り当てられている。
論理的行アドレスeが割り当てられているワード線には物理的アドレス(8)が割り当てられている。
論理的行アドレスfが割り当てられているワード線には物理的アドレス(9)が割り当てられている。
【0129】
又、逆から参照すると、
物理的アドレス(0)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス0が割り当てられている。
物理的アドレス(1)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス1が割り当てられている。
物理的アドレス(2)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス2が割り当てられている。
物理的アドレス(3)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス3が割り当てられている。
物理的アドレス(4)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス4が割り当てられている。
物理的アドレス(5)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス5が割り当てられている。
物理的アドレス(6)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス6が割り当てられている。
物理的アドレス(7)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス7が割り当てられている。
物理的アドレス(8)が割り当てられているワード線には論理的行アドレスeが割り当てられている。
物理的アドレス(9)が割り当てられているワード線には論理的行アドレスfが割り当てられている。
物理的アドレス(a)が割り当てられているワード線には論理的行アドレスcが割り当てられている
物理的アドレス(b)が割り当てられているワード線には論理的行アドレスdが割り当てられている。
物理的アドレス(c)が割り当てられているワード線には論理的行アドレスaが割り当てられている。
物理的アドレス(d)が割り当てられているワード線には論理的行アドレスbが割り当てられている。
物理的アドレス(e)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス8が割り当てられている。
物理的アドレス(f)が割り当てられているワード線には論理的行アドレス9が割り当てられている。
【0130】
従って、例えば、論理的行アドレス2がA種のシードアドレス(A種の論理的シードアドレス)として選択されるならば、それに対応する物理的アドレス(物理的シードアドレス)は(2)である。そして、隣接RHA(論理的隣接RHA)に対応する物理的アドレス(物理RHA)は(2)に隣接する(1)と(3)であり、隣接RHA(論理的隣接RHA)は、1と3である。
また、例えば、論理的行アドレス7がA種のシードアドレス(A種の論理的シードアドレス)として選択されるならば、それに対応する物理的アドレス(物理的シードアドレス)は(7)である。そして、隣接RHA(論理的隣接RHA)に対応する物理的アドレス(物理RHA)は(7)に隣接する(6)と(8)であり、隣接RHA(論理的隣接RHA)は、6とeである。
更に、例えば、論理的行アドレスbがA種のシードアドレス(A種の論理的シードアドレス)として選択されるならば、それに対応する物理的アドレス(物理的シードアドレス)は(d)である。そして、隣接RHA(論理的隣接RHA)に対応する物理的アドレス(物理RHA)は(d)に隣接する(c)と(e)であり、隣接RHA(論理的隣接RHA)は、aと8である。
【0131】
更に、例えば、論理的行アドレス2がB種のシードアドレス(B種の論理的シードアドレス)として選択されるならば、それに対応する物理的アドレス(物理的シードアドレス)は(2)である。そして、隣々接RHA(論理的隣々接RHA)に対応する物理的アドレス(物理RHA)は(2)に隣々接する(0)と(4)であり、隣々接RHA(論理的隣々接RHA)は、0と4である。
更に、例えば、論理的行アドレスeがB種のシードアドレス(B種の論理的シードアドレス)として選択されるならば、それに対応する物理的アドレス(物理的シードアドレス)は(8)である。そして、隣々接RHA(論理的隣々接RHA)に対応する物理的アドレス(物理RHA)は(8)に隣々接する(6)と(a)であり、隣々接RHA(論理的隣々接RHA)は、6とcである。
更に、例えば、論理的行アドレスbがB種のシードアドレス(B種の論理的シードアドレス)として選択されるならば、それに対応する物理的アドレス(物理的シードアドレス)は(d)である。そして、隣々接RHA(論理的隣々接RHA)に対応する物理的アドレス(物理RHA)は(d)に隣々接する(b)と(f)であり、隣々接RHA(論理的隣々接RHA)は、dと9である。
【0132】
図6は、シードアドレスとロウハンマーリフレッシュアドレスの対応関係を示す図である。左側にA種のシードアドレスと隣接RHAとの対応関係を示し、右側にB種のシードアドレスと隣々接RHAとの対応関係を示す。なお、図6では、下位4ビットのみを示している。
【0133】
図6の左側を参照すると、A種の論理的シードアドレス2の最下位ビットを0から1に反転するだけで論理的隣接RHA 3を算出することができることがわかる。また、A種の論理的シードアドレス7の最下位ビットを1から0に反転するだけで論理的隣接RHA 6を算出することができることがわかる。更に、A種の論理的シードアドレスbの最下位ビットを1から0に反転するだけで論理的隣接RHA aを算出することができる。この演算が第1の演算に対応する。
【0134】
しかし、A種の論理的シードアドレスbの最下位ビットを反転するだけでは論理的隣接RHA 8を算出することができない。A種の論理的シードアドレスbから隣接RHA 8を算出するためには、最下位ビットを1から0に反転する他に第2最下位ビットを1から0に反転する必要がある。このためにはキャリー処理等の或る程度複雑な計算が必要になる。この演算が第2の演算に対応する。
【0135】
従って、A種の論理的シードアドレスbに対応する優先隣接RHAはaであり、非優先隣接RHAは8である。
【0136】
図6の右側を参照すると、B種の論理的シードアドレス2の第2最下位ビットを1から0に反転するだけで論理的隣々接RHA 0を算出することができることがわかる。また、B種の論理的シードアドレスeの第2最下位ビットを1から0に反転するだけで論理的隣々接RHA cを算出することができることがわかる。更に、B種の論理的シードアドレスbの第2最下位ビットを1から0に反転するだけで論理的隣々接RHA 9を算出することができる。この演算が第3の演算に対応する。
【0137】
しかし、B種の論理的シードアドレスbの第2最下位ビットを反転するだけではシードアドレスbから隣々接RHA dを算出することができない。B種の論理的シードアドレスbから論理的隣々接RHA dを算出するためには、第2最下位ビットを1から0に反転する他に第3最下位ビットを0から1に反転する必要がある。このためにはキャリー処理等の或る程度複雑な計算が必要になる。この演算が第4の演算に対応する。
【0138】
従って、B種の論理的シードアドレスbに対応する優先隣々接RHAは9であり、非優先隣接RHAはdである。
【0139】
なお、A種の論理的シードアドレスに対応する物理的シードアドレスに対して1を加算又は減算することによりA種の論理的RHAに対応する物理的RHAを求めることができる。従って、A種の論理的シードアドレスから論理的隣接アドレスを求めるためには、例えば、
(SA1)A種の論理的シードアドレスから物理的シードアドレスを求める(順方向変換を実行する)。
(SA2)物理的シードアドレスに対して1を加算又は減算することにより物理的隣接RHAを求める(物理的アドレスをシフトする)。
(SA3)物理的隣接RHAから論理的隣接RHAを求める(逆方向変換を実行する)。
という3つのステップを含んだ方法を実行すればよい。
【0140】
同様に、B種の論理的シードアドレスに対応する物理的シードアドレスに対して2を加算又は減算することによりB種の論理的RHAに対応する物理的RHAを求めることができる。従って、B種の論理的シードアドレスから論理的隣々接アドレスを求めるためには、例えば、
(SB1)B種の論理的シードアドレスから物理的シードアドレスを求める(順方向変換を実行する)。
(SB2)物理的シードアドレスに対して2を加算又は減算することにより物理的隣々接RHAを求める(物理的アドレスをシフトする)。
(SB3)物理的隣々接RHAから論理的隣々接RHAを求める(逆方向変換を実行する)。
という3つのステップを含んだ方法を実行すればよい。
【0141】
ここで、順方向変換により論理的シードアドレスから物理的シードアドレスを求めるためには、両者の対応関係を表すテーブルを参照してもよいが、例えば、下記のビット演算を実行してもよい。
論理的シードアドレス:
(Ain<n:3+1>,
Ain<3>,Ain<2>,Ain<1>,Ain<0>)
物理的シードアドレス:
(APin<n:3+1>,
APin<3>,APin<2>,APin<1>,APin<0>)
演算:
APin<0> = Ain<0>
APin<1> = Ain<1> ^ Ain<3>
APin<2> = Ain<2> ^ Ain<3>
APin<3> = Ain<3>
APin<n:3+1> = Ain<n:3+1>
演算子 ^ は排他的論理和演算を示す。
【0142】
同様に、逆方向変換により物理的隣接RHAから論理的隣接RHAを求めるためには、両者の対応関係を表すテーブルを参照してもよいが、例えば、下記のビット演算を実行してもよい。
物理的RHA:
(APout<n:3+1>,
APout<3>,Aout<2>,Aout<1>,Aout<0>)
論理的RHA:
(Aout<n:3+1>,
Aout<3>,Aout<2>,Aout<1>,Aout<0>)
演算
Aout<0> = APout<0>
Aout<1> = APout<1> ^ <APout3>
Aout<2> = APout<2> ^ <APout3>
Aout<3> = APout<3>
Aout<n:3+1> = APout<n:3+1>
演算子 ^ は排他的論理和演算を示す。
物理的隣々接RHAから論理的隣々接RHAも同様にして求めてもよい。
【0143】
図7は、図3に示す計算部249の構成を示す回路図である。
【0144】
既に説明したように、計算部249は、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの組合せに従ってシードアドレスSeedに基づく4種類のRHAを計算して出力する。
【0145】
計算部249は、シードアドレスの下位4ビットAin<3:0>、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndに基づいてRHAの下位4ビットAout<3:0>、キャリーC<3>及びプラスマイナス切替信号SWPMを計算する修正4ビット加算部4を備える。また、計算部249は、シードアドレスの下位4ビットより上位の部分Ain<n-1:4>、キャリーC<3>及びプラスマイナス切替信号SWPMに基づいてRHAの下位4ビットより上位の部分Aout<n:4>を計算するm個の半加算器411を更に備える。ここで、mは、RHAを構成するビット数をnとすれば、n-4である。
【0146】
より詳細に説明すると、修正4ビット加算部401は、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndを参照しつつ、論理的シードアドレスSeedの下位4ビットAin<3:0>に対応する論理RHA(つまり、RHA)の下位4ビットAout<3:0>、キャリーアウトC<3>及びプラスマイナス切替信号SWPMを計算する。修正4ビット加算部401の構成については後述する。
【0147】
ここで、既に説明したように、距離切替信号PM2は、隣接RHAを計算するのか、又は、隣々接RHAを計算するのかを指定するための信号である。また、優先非優先切替信号RHR2ndは、同一のシードアドレスに対して優先RHA(優先隣接RHA又は優先隣々接RHA)を計算するのか、又は、非優先RHA(非優先隣接RHA又は非優先隣々接RHA)を計算するのかを指定するための信号である。プラスマイナス切替信号SWPMは、同一のシードアドレスに対して物理的アドレスの順序で見て上位側のRHAを計算するのか、又は、下位側のRHAを計算するのかを指定するための信号である。
【0148】
半加算器411は、排他的論理和ゲート412、413及び論理積ゲート414を備える。半加算器411は、修正4ビット加算部401にもビット毎に設けられている(図10参照)。
【0149】
半加算器411に含まれる排他的論理和ゲート412は、入力アドレスの対応するビットAin<i>(ここで、i=4~n-1)と下位ビットからのキャリーインC<i-1>の排他的論理和演算をして、その結果を出力アドレスのAout<i>として出力する。
【0150】
また、半加算器411に含まれる排他的論理和ゲート413は、入力アドレスの対応するビットAin<i>(ここで、i=4~n-1)とプラスマイナス切替信号SWPMの排他的論理和演算をする。
【0151】
更に、半加算器411に含まれる論理積ゲート414は、下位ビットからのキャリーインC<i-1>と排他的論理和ゲート412による排他的論理和演算の結果をキャリーアウトC<i>として出力する。
【0152】
プラスマイナス切替信号SWPMは、次に説明するように修正4ビット加算部401の内部において計算される。
【0153】
つまり、図9に示すように、距離切替信号PM2がLOWであり、これにより、隣接RHAが指定されているときには、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルとシードアドレスに含まれるビットAin<0>の論理レベルの組合せによりプラスマイナス切替信号SWPMの論理レベルが決まる。優先非優先切替信号RHR2ndがLOWであり優先RHAが指定されているときには、ビットAin<0>の論理レベルがそのままプラスマイナス切替信号SWPMの論理レベルになる。優先非優先切替信号RHR2ndがHIGHであり非優先RHAが指定されているときには、ビットAin<0>の論理レベルを反転した論理レベルがプラスマイナス切替信号SWPMの論理レベルになる。
【0154】
従って、図9に示すように、距離切替信号PM2がLOWであり、これにより、隣接RHAが指定されていて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndがLOWであり、優先RHAが指定されているときには、シードアドレスの最下位ビットAin<0>がLOWであれば、+1の演算が指定され、シードアドレスの最下位ビットAin<0>がHIGHであれば、-1の演算が指定される。
【0155】
距離切替信号PM2がLOWであり、これにより、隣接RHAが指定されていて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndがHIGHであり、非優先RHAが指定されているときには、シードアドレスの最下位ビットAin<0>がLOWであれば、-1の演算が指定され、シードアドレスの最下位ビットAin<0>がHIGHであれば、+1の演算が指定される。
【0156】
ここで、「-1の演算」とは、A種のシードアドレスが割当てられている配線に対して物理的アドレスの順序で見て上位側に1だけ離れた配線に割当てられているRHA(上位側隣接RHA)を算出するための演算である。また、「+1の演算」とは、A種のシードアドレスが割当てられている配線に対して物理的アドレスの順序で見て下位側に1だけ離れた配線に割当てられているRHA(下位側隣接RHA)を算出するための演算である。
【0157】
また、図9に示すように、距離切替信号PM2がHIGHであり、隣々接RHAが指定されているときには、優先非優先切替信号RHR2ndとシードアドレスに含まれるビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果の組合せによりプラスマイナス切替信号SWPMが決まる。優先非優先切替信号RHR2ndがLOWであり優先RHAが指定されているときには、ビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果の論理レベルがそのままプラスマイナス切替信号SWPMの論理レベルになる。優先非優先切替信号RHR2ndがHIGHであり非優先RHAが指定されているときには、ビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果の論理レベルを反転した論理レベルがプラスマイナス切替信号SWPMの論理レベルになる。
【0158】
なお、既に説明したようにシードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果は、物理的シードアドレスのビットAPin<1>に対応する。
【0159】
従って、図9に示すように、距離切替信号PM2がHIGHであり、隣々接RHAが指定されていて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndがLOWであり、優先RHAが指定されているときには、シードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果がLOWであれば、+2の演算が指定され、シードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果がHIGHであれば、-2の演算が指定される。
【0160】
距離切替信号PM2がLOWであり、隣々接RHAが指定されていて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndがHIGHであり、非優先RHAが指定されているときには、シードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果がLOWであれば、-2の演算が指定され、シードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果がHIGHであれば、+2の演算が指定される。
【0161】
ここで、「-2の演算」とは、B種のシードアドレスが割当てられている配線に対して物理的アドレスの順序で見て上位側に2だけ離れた配線に割当てられているRHA(上位側隣々接RHA)を算出するための演算である。また、「+2の演算」とは、B種のシードアドレスが割当てられている配線に対して物理的アドレスの順序で見て下位側に2だけ離れた配線に割当てられているRHA(下位側隣々接RHA)を算出するための演算である。
【0162】
ここで、A種のシードアドレス、上位側隣接RHA、下位側隣接RHA、優先隣接RHA及び非優先隣接RHAを纏めると図8(a)に示すようになる。また、B種のシードアドレス、上位側隣々接RHA、下位側隣々接RHA、優先隣々接RHA及び非優先隣々接RHAを纏めると図8(b)に示すようになる。物理的アドレスと論理的アドレスの対応関係は図8(c)に示すようになる。ここで、図8(a)及び図8(b)の表に示すアドレスは全て論理的アドレスであるが、図8(c)を参照することにより対応する物理的アドレスを求めることができる。
【0163】
A種のシードアドレスに対応する上位側隣接RHAを求めるためには、図8(c)の表を参照してA種のシードアドレスから物理的なA種のシードアドレスを求め、物理的なA種のシードアドレスよりも1だけ少ない物理的アドレスを物理的な上位側隣接RHAとして求める。物理的な上位側隣接RHAに対応する論理的アドレスが上位側隣接RHAである。
【0164】
A種のシードアドレスに対応する下位側隣接RHAを求めるためには、図8(c)の表を参照してA種のシードアドレスから物理的なA種のシードアドレスを求め、物理的なA種のシードアドレスよりも1だけ大きな物理的アドレスを物理的な下位側隣接RHAとして求める。物理的な下位側隣接RHAに対応する論理的アドレスが下位側隣接RHAである。
【0165】
B種のシードアドレスに対応する上位側隣々接RHAを求めるためには、図8(c)の表を参照してB種のシードアドレスから物理的なB種のシードアドレスを求め、物理的なB種のシードアドレスよりも2だけ少ない物理的アドレスを物理的な上位側隣々接RHAとして求める。物理的な上位側隣々接RHAに対応する論理的アドレスが上位側隣々接RHAである。
【0166】
B種のシードアドレスに対応する下位側隣々接RHAを求めるためには、図8(c)の表を参照してB種のシードアドレスから物理的なB種のシードアドレスを求め、物理的なB種のシードアドレスよりも2だけ大きな物理的アドレスを物理的な下位側隣々接RHAとして求める。物理的な下位側隣々接RHAに対応する論理的アドレスが下位側隣々接RHAである。
【0167】
図10は、図7に示す修正4ビット加算部401の1つの構成例を示す回路図である。
【0168】
既に説明したように、修正4ビット加算部401は、計算するRHAのAin<3:0>の各ビットにそれぞれ対応する4個の半加算器411を備える。
【0169】
また、修正4ビット加算部401は、シードアドレスSeedを物理的シードアドレスに変換するために、シードアドレスSeedのビットAin<1>に対応する排他的論理和ゲート432、シードアドレスSeedのビットAin<2>に対応する排他的論理和ゲート433を備える。
【0170】
排他的論理和ゲート432は、シードアドレスのビットAin<1>とビットAin<3>の排他的論理和演算の結果を物理的シードアドレスのビットAPin<1>として出力する。同様に、排他的論理和ゲート433は、シードアドレスのビットAin<2>とビットAin<3>の排他的論理和演算の結果を物理的シードアドレスのビットAPin<2>として出力する。
【0171】
また、物理的シードアドレスのビットAPin<n-1:3>及びAPin<0>は、シードアドレスのビットAin<n-1:3>及びAin<0>と同一である。
【0172】
従って、排他的論理和ゲート432、433が、シードアドレスSeedから物理的シードアドレスへの変換部(本発明の「順方向アドレス変換部」に対応する。)の要部を構成する。
【0173】
更に、修正4ビット加算部401は、物理RHAをRHAに逆変換するために、RHAのビットAout<1>に対応する排他的論理和ゲート482、RHAのビットAout<2>に対応する排他的論理和ゲート483を備える。
【0174】
排他的論理和ゲート482は、物理的RHAのビットAPout<1>とビットAPout<3>の排他的論理和演算の結果をRHAのビットAout<1>として出力する。同様に、排他的論理和ゲート483は、物理的RHAのビットAPout<2>とビットAPout<3>の排他的論理和演算の結果をRHAのビットAout<2>として出力する。
【0175】
また、RHAのビットAout<n-1:3>及びAout<0>は、物理的RHAのビットAPout<n-1:3>及びAPout<0>と同一である。
【0176】
従って、排他的論理和ゲート482、483が、物理的RHAからRHAへの変換部(本発明の「逆方向アドレス変換部」に対応する。)の要部を構成する。
【0177】
更に、修正4ビット加算部401は、距離切替信号PM2の論理レベルを反転した信号EN1を計算する論理反転ゲート431を備える。
【0178】
更に、修正4ビット加算部401は、マルチプレクサ434及び排他的論理和ゲート435を備える。排他的論理和ゲート432、435及びマルチプレクサ434は、図9を参照して説明した信号の組合せによりプラスマイナス切替信号SWPMを計算するために利用される。
【0179】
更に、修正4ビット加算部401は、マルチプレクサ481を備える。マルチプレクサ481は、距離切替信号PM2による制御により、信号EN2として、論理レベルHIGHの信号又は最下位ビットに対応した半加算器411からのキャリーアウトC<0>を出力する。
【0180】
ここで、最下位ビット<0>に対応する半加算器411から最上位ビット<n-1>に対応する半加算器411とマルチプレクサ481が本発明の「物理的アドレスシフト部」に対応する。
【0181】
次に、動作についての説明をすると、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであり、これにより、A種のシードアドレスに基づいて隣接RHAを計算することを指定しているときには、論理レベルがHIGHである信号EN1が、最下位ビットに対応する半加算器411のキャリーイン端子(排他的論理和ゲート412と論理積ゲート414に共通な入力端子)に入力される。従って、第1種シードアドレスのビットAin<0>の論理レベルの反対の論理レベルがRHAのビットAout<0>の論理レベルになる。
【0182】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであり、これにより、A種のシードアドレスに基づいて隣接RHAを計算することを指定していて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWであり、これにより、2つの隣接RHAのうち優先隣接RHAを計算することを指定しているときには、マルチプレクサ434及び排他的論理和ゲート435により、プラスマイナス切替信号SWPMは、Ain<0>の論理レベルを持つようになる。従って、このときには、RHAを次のようにして計算する。
【0183】
A種のシードアドレスのビットAin<0>がLOWであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはLOWになり、2つの隣接RHAのうち下位側隣接(+1)RHAを優先隣接RHAとして計算する。他方で、A種のシードアドレスのビットAin<0>がHIGHであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはHIGHになり、2つの隣接RHAのうち上位側(-1)隣接RHAを優先隣接RHAとして計算する。これらの場合、必要な演算は、最下位ビットAin<0>を反転する演算のみである。計算部249に含まれる何れの半加算器411においてもキャリー処理が不要になる。但し、排他的論理和ゲート432、433、482及び483における演算は実行される。
【0184】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであり、これにより、A種のシードアドレスに基づいて隣接RHAを計算することを指定していて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHであり、これにより、2つの隣接RHAのうち非優先隣接RHAを計算することを指定しているときには、マルチプレクサ434及び排他的論理和ゲート435により、プラスマイナス切替信号SWPMは、Ain<0>を反転した論理レベルを持つようになる。従って、このときには、RHAを次のようにして計算する。
【0185】
A種のシードアドレスのビットAin<0>がLOWであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはHIGHになり、2つの隣接RHAのうち上位側隣接(-1)RHAを非優先隣接RHAとして計算する。他方で、A種のシードアドレスのビットAin<0>がHIGHであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはLOWになり、2つの隣接RHAのうち下位側隣接(+1)RHAを非優先隣接RHAとして計算する。これらの場合、必要な演算は、最下位ビットAin<0>を反転する演算のみではない。計算部249に含まれる少なくとも一部の半加算器411におけるキャリー処理を含んだ処理も必要になる。なお、排他的論理和ゲート432、433、482及び483における演算も実行される。
【0186】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHであり、これにより、B種のシードアドレスに基づいて隣々接RHAを計算することを指定していて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWであり、これにより、2つの隣々接RHAのうち優先隣々接RHAを計算することを指定しているときには、マルチプレクサ434及び排他的論理和ゲート435により、プラスマイナス切替信号SWPMは、Ain<1>とAin<3>の排他的論理和の論理レベル(つまり、B種のシードアドレスに対応する物理的アドレスの第2最下位ビットAPin<1>の論理レベル)を持つようになる。従って、このときには、RHAを次のようにして計算する。
【0187】
B種のシードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果(つまり、B種のシードアドレスに対応する物理的アドレスの第2最下位ビットAPin<1>)がLOWであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはLOWになり、2つの隣々接RHAのうち下位側隣々接(+2)RHAを優先隣々接RHAとして計算する。他方で、B種のシードアドレスのビットAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果(つまり、B種のシードアドレスに対応する物理的アドレスの第2最下位ビットAPin<1>)がHIGHであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはHIGHになり、2つの隣々接RHAのうち上位側隣々接(-2)RHAを優先隣々接RHAとして計算する。これらの場合、必要な演算は、B種のシードアドレスの第2最下位ビットAPin<1>を反転する演算のみである。計算部249に含まれる何れの半加算器411においてもキャリー処理が不要になる。但し、排他的論理和ゲート432、433、482及び483における演算は実行される。
【0188】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHであり、これにより、B種のシードアドレスに基づいて隣々接RHAを計算することを指定していて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHであり、これにより、2つの隣々接RHAのうち非優先隣々接RHAを計算することを指定しているときには、マルチプレクサ434及び排他的論理和ゲート435により、プラスマイナス切替信号SWPMは、Ain<1>とAin<3>の排他的論理和を反転した論理レベル(つまり、B種のシードアドレスに対応する物理的アドレスの第2最下位ビットAPin<1>の論理レベルを反転した論理レベル)を持つようになる。従って、このときには、物理RHAを次のようにして計算する。
【0189】
B種のシードアドレスのビットAin<0>とAin<3>の排他的論理和演算の結果(つまり、B種のシードアドレスに対応する物理的アドレスの第2最下位ビットAPin<1>)がLOWであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはHIGHになり、2つの隣々接RHAのうち上位側隣々接(-2)RHAを非優先隣々接RHAとして計算する。他方で、B種のシードアドレスのAin<1>とAin<3>の排他的論理和演算の結果(つまり、B種のシードアドレスに対応する物理的アドレスの第2最下位ビットAPin<1>)がHIGHであれば、プラスマイナス切替信号SWPMはLOWになり、2つの隣々接RHAのうち下位側隣々接(+2)RHAを優先隣々接RHAとして計算する。これらの場合、必要な演算は、B種のシードアドレスの第2最下位ビットAPin<1>を反転する演算のみではない。計算部249に含まれる少なくとも一部の半加算器411におけるキャリー処理を含んだ処理も必要になる。なお、排他的論理和ゲート432、433、482及び483における演算も実行される。
【0190】
ここで、説明が一部重複するが、図4を参照すると、優先非優先切替信号RHR2nd及び距離切替信号PM2の論理レベルがLOWである期間において、第1のサンプリング信号SampleによりA種のシードアドレスS1が更新された直後においてシードアドレスS1の最下位ビットを反転することのみによりA種の隣接RHAの更新をすることができるようになる。これは、2つの隣接RHA(上位側隣接RHA及び下位側隣接RHA)のうち何れかを優先隣接RHAとして上記の論理により選択しているからである。
【0191】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWを維持している期間に優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWからHIGHに変化したならば、これに同期して優先隣接RHAは非優先隣接RHAに切り替えられる。つまり、優先隣接RHAとして上位側隣接アドレスが選択されているならば、非優先隣接RHAとしての下位側隣接アドレスに切り替えられる。逆に、優先隣接RHAとして下位側隣接アドレスが選択されているならば、非優先隣接RHAとしての上位側隣接アドレスに切り替えられる。
【0192】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであり、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHである期間においては、第1のサンプリング信号SampleによりA種のシードアドレスS1が更新されても、計算部249に供給されるシードアドレスSeedは優先非優先切替信号RHR2ndにより制御されているラッチ241によりホールドされるので、この期間におけるRHAの更新を避けることができる。つまり、距離切替信号PM2の論理レベルがLOWであり、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHである期間において、新たなシードアドレスに基づいて、キャリー処理を含む処理によりRHAの更新をすることを避けることができる。
【0193】
同様に、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWであり、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHである期間において、第2のサンプリング信号Sample2によりB種のシードアドレスS2が更新された直後において一群の半加算器411についてみるとB種のシードアドレスS2に対応する物理的アドレスの第2最下位ビットを反転することのみによりRHAに対応する物理的アドレスの更新をすることができるようになる。これは、2つの隣々接RHA(上位側隣々接RHA及び下位側隣々接RHA)のうち何れかを優先隣々接RHAとして上記の論理により選択しているからである。
【0194】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHを維持している期間に優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがLOWからHIGHに変化したならば、これに同期して優先隣々接RHAは非優先隣々接RHAに切り替えられる。つまり、優先隣々接RHAとして上位側隣々接アドレスが選択されているならば、下位側隣々接アドレスに切り替えられる。逆に、優先隣々接RHAとして下位側隣々接アドレスが選択されているならば、上位側隣々接アドレスに切り替えられる。
【0195】
また、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHであり、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHである期間においては、第2のサンプリング信号Sample2によりB種のシードアドレスS2が更新されても、計算部249に供給されるシードアドレスSeedは優先非優先切替信号RHR2ndにより制御されているラッチ241によりホールドされるので、この期間におけるRHAの更新を避けることができる。つまり、距離切替信号PM2の論理レベルがHIGHであり、優先非優先切替信号RHR2ndの論理レベルがHIGHである期間において、新たなシードアドレスに基づいて、キャリー処理を含む処理によりRHAの更新をすることを避けることができる。
【0196】
[第2実施形態]
第2実施形態の基本的な構成は、第1実施形態の基本的な構成と同様であるので、重複した記載を省略する。第2実施形態は、計算部249に含まれる修正4ビット加算部401の構成が第1実施形態に対して異なる。第2実施形態では、修正4ビット加算部401において図11に示す真理表に基づいた計算をする。
【0197】
図11に示す真理表と記載が重複するが、シードアドレス(論理的シードアドレス)の下位4ビットをA<3:0>により表記し、RHA(論理的RHA)の下位4ビットをB<3:0>により表記し、計算部249の内部における第3最下位ビットからのキャリーアウトをC3により表記するならば、RHAの下位4ビットB<3:0>に含まれる各ビットB3~B0及びキャリーアウトC3を、シードアドレスの下位4ビットA<3:0>に含まれる各ビットA3~A0に基づいて下記の論理式を持つ演算1から演算4により計算することができる。
【0198】
(演算1)隣接優先RHA(PM2=LOW、RHR2nd=LOW)
B0 = !A0
B1 = A1
B2 = A2
B3 = A3
C3 = 0
(演算2)隣接非優先RHA(PM2=LOW、RHR2nd=HIGH)
B0 = !A0
B1 = A1^ {(A0^A1^A3)| (A1^A2)}
B2 = A2^!{(A0^A1^A3)|!(A1^A2)}
B3 = A3^!{(A0^A1^A3)| (A1^A2)}
C3 = (!A0^A3)&(A1|A2)
(演算3)隣々接優先RHA(PM2=HIGH、RHR2nd=LOW)
B0 = A0
B1 = !A1
B2 = A2
B3 = A3
C3 = 0
(演算4)隣々接非優先RHA(PM2=HIGH、RHR2nd=HIGH)
B0 = A0
B1 = A2
B2 = A1
B3 = A3^!(A1^A2)
C3 = !(A1|A2)
ここで、
!:NOT
|:OR
&:AND
^:OR
である。
【0199】
ここで、ビットB0についての計算式を除き、隣接非優先RHAに対応する計算式に含まれるA0をA1^A3に置き換えることにより、隣々接非優先RHAに対応する計算式を得ることができる。
【0200】
上記の計算をするためには、例えば、修正4ビット加算部401に図12に示すような構成を持たせればよい。図12に示す修正4ビット加算部401は、上記の演算(1)に対応した演算部501と、上記の演算(2)に対応した演算部502と、上記の演算(3)に対応した演算部503と、上記の演算(4)に対応した演算部504と、演算部501、502、503及び504から出力のうち何れかを距離切替信号PM2、RHR2ndに応じて切り替えて選択する選択回路505と、を含む。
【0201】
第2実施形態によれば、第1実施形態とは異なり、シードアドレスから物理的シードアドレスへの変換、物理的RHAからRHAへの変換が不要である。
【0202】
[第3実施形態]
第3実施形態の基本的な構成は、第1実施形態の基本的な構成と同様であるので、重複した記載を省略する。第3実施形態は、計算部249に含まれる修正4ビット加算部401の構成が第1実施形態に対して異なる。
【0203】
第3実施形態も、第2実施形態と同様に、第1実施形態とは異なり、シードアドレスから物理的シードアドレスへの変換、物理的RHAからRHAへの変換を不要にした構成を有する。
【0204】
第2実施形態では、選択回路505を機能的なブロックとして扱っていた。これに対して、第3実施形態では、選択回路505の内部の論理回路を具体化した上で、RHAの各ビットB0からB3とキャリーC0についての論理回路を1つにまとめている。つまり、第3実施形態では、演算部501から演算部504及び選択回路505に含まれる論理回路を1つの論理回路にまとめている。
【0205】
図13に示す回路も、距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndの組合せに従って、下位4ビットについてシードアドレスに対応した優先隣接RHA、非優先隣接RHA、優先隣々接RHA又は非優先隣々接RHAを計算して出力する。
【0206】
なお、上記の演算i(i=1~4)に対応した演算と選択に対応した演算を含む演算を演算iとして捉えてもよい。
【0207】
[第4実施形態]
第4実施形態の基本的な構成は、第1実施形態の基本的な構成と同様であるので、重複した記載を省略する。第4実施形態は、計算部249に含まれる修正4ビット加算部401の構成が第1実施形態に対して異なる。
【0208】
第4実施形態も、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、第1実施形態とは異なり、シードアドレスから物理的シードアドレスへの変換、物理的RHAからRHAへの変換を不要にした構成を有する。
【0209】
第2実施形態では、選択回路505を機能的なブロックとして扱っていた。これに対して、第4実施形態では、選択回路505の内部の論理回路を具体化した上で、RHAの各ビットB0からB3とキャリーC0についての論理回路を1つにまとめている。つまり、第4実施形態では、図14に示すように、演算部501から演算部504及び選択回路505に含まれる論理回路を1つの論理回路にまとめている。この点においては、第4実施形態による修正4ビット加算部401は、第3実施形態による修正4ビット加算部401と共通である。
【0210】
第3実施形態による修正4ビット加算部401とは異なり、第4実施形態による修正4ビット加算部401は、次に説明するような互換性を持つ。
【0211】
図14に示すように、第4実施形態による論理回路は、第1の部分511を第2の部分513に結合させた形式を持っている。ここで、図15に示すように、図14の第1の部分511を第3の部分515に交換し、第3の部分515を第2の部分513に結合させることが可能である。なお、第1の部分511及び第2の部分513が組合せ回路を含むのに対して、第3の部分515は組合せ回路を含まず、配線のみにより構成されている。
【0212】
図14に示すように修正4ビット加算部401が第1の部分511及び第2の部分513を結合して構成されている場合には、修正4ビット加算部401は、隣接RHA及び隣々接RHAを出力する。他方で、図15に示すように修正4ビット加算部401が第3の部分515及び第2の部分513を結合して構成されている場合には、修正4ビット加算部401は、隣接RHAを出力するが隣々接RHAを出力しない。
【0213】
より詳細に説明すると、第1の部分511は、シードアドレスの最下位ビットAin<0>、第2最下位ビットAin<1>及び第4最下位ビットAin<3>並びに距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndを入力する。また、第1の部分511は、現在の単位期間がA種の期間であることを距離切替信号PM2が示しているときには、シードアドレスの最下位ビットAin<0>及び第2最下位ビットAin<1>の論理レベルを維持したままの信号を出力する。更に、第1の部分511は、現在の単位時間がB種の期間であることを距離切替信号PM2が示しているときには、シードアドレスの最下位ビットAin<0>、第2最下位ビットAin<1>及び第4最下位ビットAin<3>並びに距離切替信号PM2及び優先非優先切替信号RHR2ndを第1の部分511に含まれる第1組合わせ回路に通したことにより得た信号を出力する。
【0214】
つまり、現在の単位期間がA種の期間であることを距離切替信号PM2が示しているときには、第1の部分511が出力する信号A0p及び信号A0dは、シードアドレスの最下位ビットAin<0>と同一の論理レベルを持ち、第1の部分511が出力する信号A1pは、シードアドレスの第2最下位ビットAin<1>と同一の論理レベルを持つ。
【0215】
また、現在の単位期間がB種の期間であることを距離切替信号PM2が示しているときには、第1の部分511が出力する信号A0pの論理レベルは、シードアドレスの最下位ビットAin<0>の論理レベルを反転したレベルである。信号A0dの論理レベルは、シードアドレスの最下位ビットAin<0>と第4最下位ビットAin<3>の排他的論理和の論理レベルを持つ。
【0216】
現在の単位期間がB種の期間であることを距離切替信号PM2が示していて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndが優先期間であることを示しているときには、信号A1pは、シードアドレスの第2最下位ビットAin<1>を反転した論理レベルを持つ。他方で、現在の単位期間がB種の期間であることを距離切替信号PM2が示していて、且つ、優先非優先切替信号RHR2ndが非優先期間であることを示しているときには、信号A1pは、シードアドレスの第2最下位ビットAin<1>と同一の論理レベルを持つ。
【0217】
第2の部分513において、信号A0pは、RHAの最下位ビットAout<0>に対応した排他的論理和ゲート521に入力される。信号A0dは、RHAのビットAout<3:0>及び信号SWPMに関連した排他的論理和ゲート527及び反転ゲート529に入力される。信号A1pは、RHAの第2最下位ビットAout<1>に対応した排他的論理和ゲート523に入力される。
【0218】
図15を参照すると、第3の部分515において、シードアドレスのビットAin<0>がそのまま信号A0p及びA0dになり、シードアドレスのビットAin<1>がそのまま信号A1pになる。
【0219】
このような構成により、互換性を図ることができる。つまり、隣接RHAのみを計算することが要求されている場合には、第3の部分515及び第2の部分513を結合して修正4ビット加算部401を構成する。また、隣接RHA及び隣々接RHAを計算することが要求されている場合には、第1の部分511及び第2の部分513を結合して修正4ビット加算部401を構成する。
【0220】
なお、互換性のために第1の部分511と第3の部分515を交換する必要性がないのであれば、図14の回路において、第1の部分511を常に第2の部分513と結合させておいてもよい。同様に、図15の回路において、第3の部分515を常に第2の部分513と結合させておいてもよい。
【0221】
上述したように、本実施形態のRHA計算回路によれば、ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算を小さな回路規模で行うことができる。
【0222】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0223】
例えば、上述した各実施形態では、図5に示した配線及びサブワードドライバの配置に従った論理的アドレスと物理的アドレスとの対応関係を前提にしているが、他の配置と対応関係を前提にしてもよい。例えば、各シードアドレスに対応する2つの隣接RHAのうちの少なくとも一方を簡素化した回路により計算することができるのであれば、その一方のRHAを優先RHAにすることができる。同様に、各シードアドレスに対応する2つの隣々接RHAのうち少なくとも一方を簡素化した回路により計算することができるのであれば、その一方のRHAを優先RHAにすることができる。
【0224】
特に、上述した各実施形態では、16本のワード線をパターンの繰り返しの周期とした配置に従っているが、他の本数のワード線をパターンの繰り返しとした配置に従うように変更してもよい。
【符号の説明】
【0225】
100…半導体記憶装置
101-1~101-N…第1のメモリブロック~第Nのメモリブロック
201…リフレッシュコントロール部
203…ロウハンマーリフレッシュアドレス計算部
205…行アドレスマルチプレクサ
221…乱数発生部
225…メモリアレイ
247…制御部
249…計算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算をするためのロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により相補的に算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により相補的に算出する計算部と、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第1の演算により優先的に計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第3の演算により優先的に計算するように前記計算部の動作を制御する制御部と、を備える、
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項2】
前記制御部は、現在の単位期間がA種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス又は前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算するA種の期間及びB種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス又は前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算するB種の期間の何れであるのかを識別するための第1の識別信号と、各単位期間において現在が該単位期間の開始から開始する優先ロウハンマーリフレッシュアドレスを生成するための優先期間及び該単位期間の途中から開始する非優先ロウハンマーリフレッシュアドレスを生成する非優先期間の何れに属するのかを識別するための第2の識別信号を前記計算部に供給し、
前記計算部は、前記第1の識別信号及び前記2の識別信号に基づいて、前記A種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算し、前記B種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項1に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項3】
前記計算部は、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第2の演算により非優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項4】
前記計算部は、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第4の演算により非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2又は3に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項5】
前記制御部は、
前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記A種の期間が終了した後に追加の前記A種の期間を連続させ、
前記計算部は、
連続後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項6】
前記制御部は、
前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記A種の期間が終了した後に前記B種の期間を連続させ、
前記計算部は、
更新後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項7】
前記計算部は、前記B種の期間において前記優先期間が前記非優先期間に変更されたならば、変更前において出力している優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを算出したときに用いられた前記B種のシードアドレスに基づいて非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを前記第4の演算により計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項8】
前記制御部は、
前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記B種の期間が終了した後に追加の前記B種の期間を連続させ、
前記計算部は、
連続後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項9】
前記制御部は、
前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記B種の期間が終了した後に前記A種の期間を連続させ、
前記計算部は、
更新後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項10】
前記A種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した行アドレスをランダムなタイミングで発生した第1のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものであり、
前記B種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した前記行アドレスをランダムなタイミングで発生し且つ前記第1のサンプリング信号から独立した第2のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものである、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項11】
前記計算部は、
論理アドレス空間上の前記シードアドレスを、所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、物理アドレスに変換する順方向アドレス変換部と、
物理アドレスに変換されたシードアドレスに基づいて、±1又は±2の加減算によって、第1から第4の物理的ロウハンマーリフレッシュアドレスの何れかを演算する物理的アドレスシフト部と、
前記所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、前記第1から第4の物理的ロウハンマーリフレッシュアドレスを論理アドレスに逆変換して、論理アドレス空間上の前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスの何れかとして求める逆方向アドレス変換部とを、備える、
請求項1に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項12】
前記計算部は、
前記シードアドレスの最下位ビット、第2最下位ビット及び第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を入力し、前記現在の単位期間が前記A種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力し、前記現在の単位時間が前記B種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット、前記第2最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を自第1の部分に含まれる第1組合わせ回路に通したことにより得た信号を出力する第1の部分と、
前記第1の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる第2組合せ回路に通したことにより得た前記ロウハンマーリフレッシュアドレスの下位4ビットを出力する第2の部分と、
を備え、
前記第1の部分が前記第2の部分に接続されたときには、自ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路においては、前記計算部及び前記制御部の隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分及び隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分の双方が構成され、
前記シードアドレスの最下位ビット及び第2最下位ビットを入力し、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力する第3の部分が前記第2の部分に接続されたときには、前記第2の部分は、前記第3の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる前記第2組合せ回路に通したことにより得た前記ロウハンマーリフレッシュアドレスの下位4ビットを出力し、自ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路に相応する計算回路においては前記計算部及び前記制御部の隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分が構成される、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項13】
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含む前記メモリアレイと、
請求項1~12の何れかに記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路と、
を備え、
前記ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路により計算された前記ロウハンマーリフレッシュアドレスを行アドレスとして有するワード線に対応する複数のメモリセルがリフレッシュされる、
半導体記憶装置。
【請求項14】
ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算をするためのロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により算出する計算ステップと、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第1の演算により優先的に計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第3の演算により優先的に計算するように前記計算ステップを制御する制御ステップと、を含む、
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法。
【手続補正書】
【提出日】2025-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算をするためのロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により相補的に算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により相補的に算出する計算部と、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第1の演算により計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第3の演算により計算するように前記計算部の動作を制御する制御部と、を備える、
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項2】
前記制御部は、現在の単位期間がA種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス又は前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算するA種の期間及びB種のシードアドレスに基づいて前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス又は前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算するB種の期間の何れであるのかを識別するための第1の識別信号と、各単位期間において現在が該単位期間の開始から開始する優先ロウハンマーリフレッシュアドレスを生成するための優先期間及び該単位期間の途中から開始する非優先ロウハンマーリフレッシュアドレスを生成する非優先期間の何れに属するのかを識別するための第2の識別信号を前記計算部に供給し、
前記計算部は、前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号に基づいて、前記A種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算し、前記B種の期間であり且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項1に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項3】
前記計算部は、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第2の演算により非優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項4】
前記計算部は、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第4の演算により非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項5】
前記制御部は、
前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記A種の期間が終了した後に追加の前記A種の期間を連続させ、
前記計算部は、
連続後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項6】
前記制御部は、
前記A種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記A種の期間が終了した後に前記B種の期間を連続させ、
前記計算部は、
更新後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項7】
前記計算部は、前記B種の期間において前記優先期間が前記非優先期間に変更されたならば、変更前において出力している優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを算出したときに用いられた前記B種のシードアドレスに基づいて非優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを前記第4の演算により計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項8】
前記制御部は、
前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されたならば、現在の前記B種の期間が終了した後に追加の前記B種の期間を連続させ、
前記計算部は、
連続後の前記B種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において更新された前記B種のシードアドレスに基づいて前記第3の演算により前記優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項9】
前記制御部は、
前記B種の期間であり且つ前記非優先期間である期間において、前記B種のシードアドレスが更新されなかったならば、現在の前記B種の期間が終了した後に前記A種の期間を連続させ、
前記計算部は、
更新後の前記A種の期間且つ前記優先期間である期間において、前記A種のシードアドレスに基づいて前記第1の演算により前記優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを計算する、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項10】
前記A種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した行アドレスをランダムなタイミングで発生した第1のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものであり、
前記B種のシードアドレスは、前記メモリアレイに対するアクセスで使用した前記行アドレスをランダムなタイミングで発生し且つ前記第1のサンプリング信号から独立した第2のサンプリング信号によりサンプリングすることにより取得したものである、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項11】
前記計算部は、
論理アドレス空間上の前記シードアドレスを、所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、物理アドレスに変換する順方向アドレス変換部と、
物理アドレスに変換されたシードアドレスに基づいて、±1又は±2の加減算によって、第1から第4の物理的ロウハンマーリフレッシュアドレスの何れかを演算する物理的アドレスシフト部と、
前記所定のメモリセルの物理的配置又はワード線の物理的配置情報に従って、前記第1から第4の物理的ロウハンマーリフレッシュアドレスを論理アドレスに逆変換して、論理アドレス空間上の前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス、前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスの何れかとして求める逆方向アドレス変換部とを、備える、
請求項1に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項12】
前記計算部は、
前記シードアドレスの最下位ビット、第2最下位ビット及び第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を入力し、前記現在の単位期間が前記A種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力し、前記現在の単位時間が前記B種の期間であることを前記第1の識別信号が示しているときには、前記シードアドレスの前記最下位ビット、前記第2最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第1の識別信号及び前記第2の識別信号を自第1の部分に含まれる第1組合わせ回路に通したことにより得た信号を出力する第1の部分と、
前記第1の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる第2組合せ回路に通したことにより得た前記ロウハンマーリフレッシュアドレスの下位4ビットを出力する第2の部分と、
を備え、
前記第1の部分が前記第2の部分に接続されたときには、自ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路においては、前記計算部及び前記制御部の隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分及び隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分の双方が構成され、
前記シードアドレスの最下位ビット及び第2最下位ビットを入力し、前記シードアドレスの前記最下位ビット及び前記第2最下位ビットの論理レベルを維持したままの信号を出力する第3の部分が前記第2の部分に接続されたときには、前記第2の部分は、前記第3の部分から入力した信号、前記シードアドレスの第3最下位ビット及び前記第4最下位ビット並びに前記第2の識別信号を自第2の部分に含まれる前記第2組合せ回路に通したことにより得た前記ロウハンマーリフレッシュアドレスの下位4ビットを出力し、自ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路に相応する計算回路においては前記計算部及び前記制御部の隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスに係る部分が構成される、
請求項2に記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路。
【請求項13】
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含む前記メモリアレイと、
請求項1~12の何れかに記載のロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路と、
を備え、
前記ロウハンマーリフレッシュアドレス計算回路により計算された前記ロウハンマーリフレッシュアドレスを行アドレスとして有するワード線に対応する複数のメモリセルがリフレッシュされる、
半導体記憶装置。
【請求項14】
ロウハンマーリフレッシュアドレスの計算をするためのロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法であって、
行列状に並ぶ複数のメモリセルを含むメモリアレイにおいてシードアドレスが割り当てられているワード線に対して上位側に隣接するワード線に対応する上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して下位側に隣接するワード線に対応する下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第1の演算又は該第1の演算よりも演算量が多い第2の演算により算出し、前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記上位側に隣々接するワード線に対応する上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記シードアドレスが割り当てられているワード線に対して前記下位側に隣々接するワード線に対応する下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスを第3の演算又は該第3の演算よりも演算量が多い第4の演算により算出する計算ステップと、
前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、前記第1の演算で得られるアドレスを優先隣接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第1の演算により計算し、前記シードアドレスが更新されたことを契機として、更新された前記シードアドレスに対応する前記上位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレス及び前記下位側隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスのうち、第3の演算で得られるアドレスを優先隣々接ロウハンマーリフレッシュアドレスとして前記第3の演算により計算するように前記計算ステップを制御する制御ステップと、を含む、
ロウハンマーリフレッシュアドレス計算方法。