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特開2025-3734プログラム更新システム、方法、およびプログラム
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  • 特開-プログラム更新システム、方法、およびプログラム 図1
  • 特開-プログラム更新システム、方法、およびプログラム 図2
  • 特開-プログラム更新システム、方法、およびプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003734
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】プログラム更新システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20241226BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024190545
(22)【出願日】2024-10-30
(62)【分割の表示】P 2023016581の分割
【原出願日】2018-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 智康
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔
(57)【要約】
【課題】車両ごとの対応工数を抑制できるプログラム更新システムを提供する。
【解決手段】プログラム更新システムは、複数の車載機器を含む車両と、車両外に設けられたサーバーとを備え、各車載機器は、1つ以上のプログラムを記憶する記憶部と、サーバーと通信する車載機器側通信部と、車載機器側通信部によるサーバーとの通信に基づいて記憶部に記憶されたプログラムを更新する更新実行部とを有し、サーバーは、各車載機器と通信するサーバー側通信部と、サーバー側通信部による通信によって各車載機器から受信する情報に基づいてプログラムの更新が可能であることを示す情報を車両に固定的に備えられていない外部装置に送信する第1の送信部と、外部装置からプログラムの更新処理の実行指示を受信した場合に外部装置から受信した指示に基づいてプログラムの更新データを外部装置を介さずに車両に送信する更新処理を実行する第2の送信部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車載機器を含む車両と、前記車両外に設けられたサーバーとを備える、プログラム更新システムであって、
前記車両の各前記車載機器は、
1つ以上のプログラムを記憶する記憶部と、
前記サーバーと通信する車載機器側通信部と、
前記車載機器側通信部による前記サーバーとの通信に基づいて、前記記憶部に記憶された前記プログラムを更新する更新実行部とを有し、
前記サーバーは、
各前記車載機器と通信するサーバー側通信部と、
前記サーバー側通信部による通信によって各前記車載機器から受信する情報に基づいて、前記プログラムの更新が可能であることを示す情報を、前記車両に固定的に備えられていない外部装置に送信する第1の送信部と、
前記外部装置から前記プログラムの更新処理の実行指示を受信した場合、前記外部装置から受信した前記指示に基づいて、前記プログラムを更新するための更新データを、前記外部装置を介すことなく前記車両に送信する前記更新処理を実行する第2の送信部と、を備える、プログラム更新システム。
【請求項2】
前記更新処理の進行状況を前記車両のユーザーに通知する通知部をさらに備える、請求項1に記載のプログラム更新システム。
【請求項3】
前記外部装置は、スマートフォンまたはタブレット型機器である、請求項1に記載のプログラム更新システム。
【請求項4】
複数の車載機器を含む車両と、前記車両外に設けられたサーバーとを備える、プログラム更新システムにおいて実行される方法であって、
前記車両の各前記車載機器のコンピューターが、
1つ以上のプログラムを記憶部に記憶するステップと、
前記サーバーと通信するステップと、
前記サーバーとの通信に基づいて、前記記憶部に記憶された前記プログラムを更新するステップと、を実行し、
前記サーバーのコンピューターが、
各前記車載機器と通信するステップと、
前記通信によって各前記車載機器から受信する情報に基づいて、前記プログラムの更新が可能であることを示す情報を、前記車両に固定的に備えられていない外部装置に送信するステップと、
前記外部装置から前記プログラムの更新処理の実行指示を受信した場合、前記外部装置から受信した前記指示に基づいて、前記プログラムを更新するための更新データを、前記外部装置を介すことなく前記車両に送信する前記更新処理を実行するステップと、を実行する、方法。
【請求項5】
複数の車載機器を含む車両と、前記車両外に設けられたサーバーとを備える、プログラム更新システムにおいて実行される方法のプログラムであって、
前記車両の各前記車載機器のコンピューターに、
1つ以上のプログラムを記憶部に記憶するステップと、
前記サーバーと通信するステップと、
前記サーバーとの通信に基づいて、前記記憶部に記憶された前記プログラムを更新するステップと、を実行させ、
前記サーバーのコンピューターに、
各前記車載機器と通信するステップと、
前記通信によって各前記車載機器から受信する情報に基づいて、前記プログラムの更新が可能であることを示す情報を、前記車両に固定的に備えられていない外部装置に送信するステップと、
前記外部装置から前記プログラムの更新処理の実行指示を受信した場合、前記外部装置から受信した前記指示に基づいて、前記プログラムを更新するための更新データを、前記外部装置を介すことなく前記車両に送信する前記更新処理を実行するステップと、を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された機器のプログラムを更新するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる複数の車載機器が搭載されている。ECUのような車載機器は、それぞれ1つ以上のCPU等の制御部および制御部が実行する1つ以上のプログラムを格納した記憶部を備える。車載機器の機能向上のため、このようなプログラムを更新することが提案されている。とくに、整備工場等に行かなくてもプログラムの更新ができるよう、プログラム更新用のデータを車両が無線通信によって外部のサーバーから受信することが提案されている。
【0003】
特許文献1は、特定のECUがマスタECUとして機能し、サーバーとの通信を行い、マスタECU自身や他のスレーブECUのプログラムの更新を行うことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-148398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、マスタECUが、マスタECUとスレーブECUの識別情報と制御プログラムのバージョン情報を保持する。マスタECUは、サーバーに、識別情報とバージョン情報を送信し、サーバーは、更新ファイルがある場合にマスタECUに識別情報と更新ファイルとを送信する。マスタECUは、識別情報に対応するECUがマスタECUであれば、マスタECUの制御プログラムを更新ファイルに基づいて更新し、識別情報に対応するECUがスレーブECUであれば、該当のスレーブECUに更新ファイルを送信し、該当のスレーブECUは制御プログラムを更新ファイルに基づいて更新する。
【0006】
特許文献1の方法では、マスタECUは、搭載されている車両の固有のECU構成に依存した処理を行う必要がある。そのため、異なるECU構成に対応するため、車種や型式ごとに設定の異なるマスタECUを準備する必要があり工数が多い。
【0007】
本発明の目的は、固有の車載機器構成に対応したマスタECUを車両ごとに準備する工数を抑制できるプログラム更新システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一局面は、複数の車載機器を含む車両と、車両外に設けられたサーバーとを備える、プログラム更新システムであって、車両の各車載機器は、1つ以上のプログラムを記憶する記憶部と、サーバーと通信する車載機器側通信部と、車載機器側通信部によるサーバーとの通信に基づいて、記憶部に記憶されたプログラムを更新する更新実行部とを有し、サーバーは、各車載機器と通信するサーバー側通信部と、サーバー側通信部による通信によって各車載機器から受信する情報に基づいて、プログラムの更新が可能であることを示す情報を、車両に固定的に備えられていない外部装置に送信する第1の送信部と、外部装置からプログラムの更新処理の実行指示を受信した場合、外部装置から受信した指示に基づいて、プログラムを更新するための更新データを、外部装置を介すことなく車両に送信する更新処理を実行する第2の送信部と、を備える、プログラム更新システムである。
【0009】
これにより、各車載機器が、サーバーと通信して自機のプログラムを更新することで、車載機器の構成やプログラムのバージョンを管理する高度なマスタ機能を車両に設けなくてもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、上述のマスタ機能を設けるような車両ごとの車載機器構成への対応工数を抑制した、プログラム更新システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るプログラム更新システムの機能ブロックを示す図
図2】本発明の一実施形態に係る処理の例を示すシーケンス図
図3】本発明の一実施形態に係る処理に用いるデータの例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(概要)
本発明に係るプログラム更新システムは、各車載機器が順次、サーバーと通信して自機のプログラムを更新する。これにより、車載機器の構成やプログラムのバージョンを管理する高度なマスタ機能を車両に設ける工数を低減できる。また、サーバーは、車両の車載機器の全体の組を対象として、更新対象の特定を行うので、例えば同期更新のもれ等を抑制できる。また、サーバーは、スマートフォン等と通信可能であり、ユーザーは車外にいても、プログラム更新処理の指示や進行状況の確認を行うことができる。また、スマートフォン等との通信方式や表示方式等への対応は、サーバーが行えばよいので、車両ごとに対応する工数が発生しない。
【0013】
(実施形態)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
<構成>
図1に、本実施形態に係るプログラム更新システム100と端末装置3との一構成例の機能ブロックを示す。プログラム更新システム100は、車両1とサーバー2とを備える。車両1は、一例として、無線通信を行うDCM(データ通信モジュール)15と、3つの車載機器10A、10B、10Cとを含むが、車載機器の数は3つに限定されない。サーバー2はサーバー側通信部21と、更新管理部22とを含む。
【0015】
車両1の車載機器10A、10B、10Cは、それぞれ記憶部11、車載機器側通信部12、更新実行部13を有する。車載機器10A、10B、10Cにおいて、記憶部11は図示しない制御部(CPU)によって実行される1つ以上のプログラムを記憶している。車載機器側通信部12は、DCM15が有する無線通信機能を利用して、サーバー2と通信を行う。更新実行部13は、車載機器側通信部12がサーバー2から受信する更新データに基づいて、記憶部11に新たなプログラムを記憶させることによりプログラムを更新する。なお、車載機器側通信部12および更新実行部13の機能は制御部が実行することができる。また、車両1の全ての車載機器がこのようなプログラム更新可能な車載機器でなくてもよい。
【0016】
サーバー2のサーバー側通信部21は、車両1および端末装置3と通信を行う。更新管理部22は、サーバー側通信部21による車両1との通信により、車両1の車載機器10A、10B、10Cのうち更新対象の車載機器を特定し、さらに更新対象のプログラムを後述のように特定する。また、更新管理部22は、サーバー側通信部21を制御し、更新対象の車載機器あてに、更新対象のプログラムを更新するために用いる更新データを送信させる。
【0017】
端末装置3は、サーバー2との通信機能を有し、プログラム更新処理に関する情報を表示する表示画面および入力部を備えた情報処理装置である。端末装置3は、典型的には車両1のユーザーが所有する、例えばスマートフォン、タブレット型機器、あるいは、パーソナルコンピューターのような汎用的な情報処理装置である。端末装置3は、カーナビゲーション装置のように車両1に搭載される装置であってもよい。このように端末装置3は種別、数、位置は限定されない。
【0018】
<処理>
図2は、プログラム更新システム100が行う処理を示すシーケンス図である。図3はこの処理において用いられるデータの例を示す。図2および図3を参照して、処理内容を説明する。本処理は、例えば定期的に実行されてもよいし、後述するように端末装置3に対してユーザーが指示することを契機として実行されてもよい。
【0019】
(ステップS101):車両1の車載機器10Aの更新実行部13は、自機の記憶部11が記憶しているプログラムの、種別およびバージョンを表す識別子のような情報を、車載機器側通信部12から車両1のDCM15を介して、サーバー2に送信する。
【0020】
(ステップS102):車両1の車載機器10Bの更新実行部13は、同様に、自機の記憶部11が記憶しているプログラムの種別、バージョンを表す識別子のような情報を、車載機器側通信部12から車両1のDCM15を介して、サーバー2に送信する。
【0021】
(ステップS103):車両1の車載機器10Cの更新実行部13は、同様に、自機の記憶部11が記憶しているプログラムの種別、バージョンを表す識別子のような情報を、車載機器側通信部12から車両1のDCM15を介して、サーバー2に送信する。なお、ステップS101~S103の順序は限定されない。
【0022】
図3の(a)に、車載機器10A、10B、10Cのそれぞれからサーバー2が取得する情報の例を示す。サーバー2の更新管理部22は、サーバー側通信部21を介して、車載機器10A、10B、10Cから、一例として、それぞれ4つ、2つ、1つのプログラムの種別およびバージョンを表す情報と、本シーケンスにおける一連の処理を識別する固有の管理番号とを取得する。
【0023】
(ステップS104):サーバー2の更新管理部22は、車両1の車載機器10A、10B、10Cの組における現在のプログラムの識別子に基づいて、この組としてのシステムバージョンを特定する。特定は、例えばサーバー2が車載機器10A、10B、10Cとプログラムのバージョンとの対応付けをシステムバージョンごとに記憶しており、これと、現在の車載機器10A、10B、10Cのプログラムのバージョンとを比較することによって行うことができる。図3の(b)に特定された現在のシステムバージョンを表すデータの例を示す。
【0024】
(ステップS105):サーバー2の更新管理部22は、現在のシステムバージョンに対する更新されたシステムバージョンを確認する。更新されたシステムバージョンの情報および更新プログラムは、例えばプログラムの提供元から更新があるたびサーバー2に提供される。図3の(c)に更新されたシステムバージョンを表すデータの例を示す。図3の(c)に示す例では、車載機器10Aのプログラムのうち2つ、車載機器10Bのプログラムのうち2つに、更新されたプログラムが提供されている。
【0025】
(ステップS106):サーバー2の更新管理部22は、サーバー側通信部21に、端末装置3あてに、更新されたシステムバージョンの確認結果を送信させる。
【0026】
(ステップS107):端末装置3は、更新されたシステムバージョンの確認結果を受信し、ユーザーに対して表示する。更新されたシステムバージョンがない場合は、その主旨を表示し、本シーケンスは終了となる。
【0027】
(ステップS108):端末装置3は、ユーザーから、プログラムの更新を実行するか否かを表す指示を受け付ける。
【0028】
(ステップS109):端末装置3は、ユーザーから受け付けた指示をサーバー2に送信する。
【0029】
(ステップS110):サーバー2の更新管理部22は、ユーザーの指示が、プログラムの更新を実行しない指示である場合、処理を終了する。サーバー2の更新管理部22は、ユーザーの指示が、プログラムの更新を実行する指示である場合、サーバー側通信部21に、車載機器10A、10B、10Cのうち、更新対象となるプログラムを記憶している記憶部11を有する車載機器あてに、プログラムを更新するのに必要な更新データを送信させる。図3の(d)に示す例の場合、車載機器10Aに2つのプログラムの更新データが送信され、車載機器10Bに2つのプログラムの更新データが送信されるが、車載機器10Cには更新対象のプログラムが存在しないので、更新データが送信されない。
【0030】
(ステップS111):車両1の車載機器10Aの更新実行部13は、車載機器側通信部12がDCM15を介して更新データを受信すると、更新データに基づいて自機の記憶部11が記憶しているプログラムを更新し、またプログラムのバージョンを表す情報を更新する。
【0031】
(ステップS112):車両1の車載機器10Bの更新実行部13は、同様に、車載機器側通信部12がDCM15を介して更新データを受信すると、更新データに基づいて自機の記憶部11が記憶しているプログラムを更新し、またプログラムのバージョンを表す情報を更新する。
【0032】
(ステップS113):車両1の車載機器10Cの更新実行部13は、同様に、車載機器側通信部12がDCM15を介して更新データを受信すると、更新データに基づいて自機の記憶部11が記憶しているプログラムを更新し、またプログラムのバージョンを表す情報を更新する。なお、図3の(d)に示す例の場合は、車載機器10Cのプログラムに更新はないので、本処理は実行されない。
【0033】
以上により、本シーケンスは終了する。以上の処理は適宜変更して実施可能である。例えば、ステップS111~S113実行後に、プログラムの更新の完了通知を、車載機器10A、10B、10Cがサーバー2に通知し、サーバー2が完了通知を端末装置3に送信して、ユーザーに通知してもよい。また、サーバー2は更新処理の進行に並行して各ステップの進行状況を端末装置3に送信すれば、ユーザーに進行状況を通知することができる。また、以上のシーケンスの実行は、端末装置3がユーザーから実行指示を受け付けてサーバー2に送信し、サーバー2が車載機器10A、10B、10CにステップS101~S103の処理を行うよう要求することによって、開始されてもよい。
【0034】
(効果)
本実施形態においては、車載機器10A、10B、10Cが順次、自機のプログラムの種別、バージョンをサーバー2に送信し、サーバー2側で車両ごとのシステムバージョンを特定することができる。このようなシステムバージョンの記憶、管理は、サーバー2側で車種や型式ごとに一括的に行えばよく、車両側では、車両ごとの車載機器の構成およびプログラムの種別、バージョンを取得、管理する高度なマスタ機能を有する車載機器が不要となるため、対応工数を大幅に低減できる。なお、車載機器10A、10B、10Cとサーバー2との通信タイミングの調整は、例えば車両1が簡易な通信制御機能を備えることで実現できる。車載機器10A、10B、10Cのいずれか1つがこのような最低限度の通信制御機能を有する簡易マスタとして動作してもよい。
【0035】
また、サーバー2が、複数の車載機器10A、10B、10C全体の組としてのシステムバージョン単位でバージョンを管理して更新プログラムの有無を確認するので、例えば複数の車載機器のプログラムが互いに関連しており、プログラム更新を同期的に実行する必要がある場合であっても、同期更新のもれなく更新を実行することができ好ましい。
【0036】
また、従来は、プログラムの更新処理の進行状態の確認や、更新処理実行前のユーザーからの更新指示の受付は、例えば、車両に固定的に備えられたナビゲーション装置等の特定の端末装置と車両のマスタ機能とによって行われていた。これに対して、本実施形態では、サーバー2が車両に固定的に備えられたナビゲーション装置だけでなく、スマートフォンやパーソナルコンピューターのような車両に固定的に備えられていない端末装置3と通信できるので、ユーザーが車両に乗っていなくても、プログラム更新処理の指示や進行状況の確認を行うことができ、ユーザーの利便性を向上することができる。
【0037】
また、各端末装置3の通信方式や表示方式等への対応は、サーバー2が行えばよく、車両ごとの対応は不要である。
【0038】
以上のように、本発明に係るプログラム更新システムにおいては、車両ごとの車載機器構成に対応したマスタECUを製造する工数を抑制して車両のコストを低減でき、あるいはさらに、多様な端末装置からの更新指示や更新状況確認が可能であり、ユーザーの利便性を向上することができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、プログラム更新システム、プログラム更新サーバー、車両、あるいは、サーバーや車両の各部が実行するプログラム更新方法、プログラム更新プログラムおよびこれを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体等として捉えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、車載装置等のプログラムを更新するプログラム更新システムに有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 車両
2 サーバー
3 端末装置
10A、10B、10C 車載機器
11 記憶部
12 車載機器側通信部
13 更新実行部
15 DCM
21 サーバー側通信部
22 更新管理部
100 プログラム更新システム
図1
図2
図3