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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025037767
(43)【公開日】2025-03-18
(54)【発明の名称】引出し板を備えた多段ラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 46/00 20060101AFI20250311BHJP
   A47B 96/02 20060101ALI20250311BHJP
   A47B 57/34 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
A47B46/00 501A
A47B46/00 501B
A47B96/02 J
A47B57/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144895
(22)【出願日】2023-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】520503821
【氏名又は名称】サンリーブス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕也
(57)【要約】
【課題】多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、各棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっているとともに、下段の棚板を引き出しできるようにした多段ラックに関する。
【解決手段】少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、各棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっており、かつ下段の棚板の下部には引出し板が収納されていて、該引出し板を前方に引き出し可能としてなることを特徴とする引き出しできる多段の棚板を備えた多段ラック。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、各棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっており、かつ下段の棚板の下部には引出し板が収納されていて、該引出し板を前方に引き出し可能としてなることを特徴とする引出し板を備えた多段ラック。
【請求項2】
少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、前記縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された上下に一対の連結式の伸縮可能な水平バーを介して前記2段以上の多段に構成された棚板が支持されており、かつ棚板の両側の端部に設けた係止フックを介して抜け止めされ、かつ下段の棚板の下方に設けた引出し板を前方に引き出し可能なようにしてなることを特徴とする請求項1に記載の引出し板を備えた多段ラック。
【請求項3】
前記請求項2においては、さらに引出し板の両側をコ字状の保持枠内に移動可能に保持されたスライドガイドを取り付け、該スライドガイドを介して前記引出し板を前方に引き出し可能なようにしてなることを特徴とする請求項2に記載の引出し板を備えた多段ラック。
【請求項4】
少なくとも四隅の縦フレームが、左右に一対の矩形フレームの組合せからなり、該左右に一対の矩形フレームがL字状断面の鋼材で構成されており、該左右に一対の矩形フレームを構成する四隅の縦フレームには縦方向に所定数のねじ孔が順次形成されていて、このネジ孔への取付け位置によって前記縦フレーム間に差し渡した保持枠の高さおよび保持枠に取り付けた前記多段の棚板や引出し板の高さ調整ができるようにしてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の引出し板を備えた多段ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、下段の棚板下部に引出し可能な引出し板を備えた多段ラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、下段の棚板を引き出しできるようにした多段ラックとしては以下のようなものが知られている。
1)特開2002-199943号公報
固定棚板の下面側に格納された状態から手前側へ引き出し自在な主棚板と、該主棚板に案内具3を介して左右方向へ移動自在に設けられた副棚板とで合計三段式の棚板を構成する。また固定棚板と主棚板の下面側にはレールを設置し、主棚板と副棚板の上面側にはスライダーを設置しており外観上の見栄えが良い。
【0003】
2)特開昭60-48803号公報
上下複数段の棚体がそれぞれ前後にスライド自在に支持されてなる立体収納庫の前端部にリフタが昇降可能に配置され、このリフタには上記棚体を立体収納庫に対して出入させるトラバーサが前後にスライド可能に支持され、このトラバーサの後端部左右には側方に向けて進退可能な保合ビンが設けられ、かつ上記棚体の前端部左右には上記係合ビンに対応する係合部が設けられてなることを特徴とする立体収納庫の棚体出入装置。
【0004】
3)特開昭58-29406号公報
キャビネットの両側に配置され、それぞれ中央に溝を有する一対の支柱と、断面コの字状に形成され、上記支柱の幅よりわずかに小さく形成された後面両側から互に離れる方向に突出した突片を有する棚受は具と、-側面に台形状の突部を有し、この突部の中央にビス孔を有する固定具とを備え、上記支柱の内側に上記棚受は具の後面を尚接し、上記支柱の外側から上記支柱の溝に上記固定具の突部を挿入し、上記棚受は具と上記固定具を上記清音貫通するビスで締結して上記支柱に取付けるとともに、上記棚受は具のコの字状の溝内に棚板の端部を挿入するようにした棚板の取付装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-199943号公報
【特許文献2】特開昭60-48803号公報
【特許文献3】特開昭58-29406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、各棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっているとともに、下段の棚板の下側に引出し板を設けた多段ラックに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題について鋭意検討し本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の特徴を有する。
まず第1発明は、少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、各棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっており、かつ下段の棚板の下部には引出し板が収納されていて、該引出し板を前方に引き出し可能としてなることを特徴とする引出し板を備えた多段ラックである。
【0008】
次に第2発明は、少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、前記縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された上下に一対の連結式の伸縮可能な水平バーを介して前記2段以上の多段に構成された棚板が支持されており、かつ棚板の両側の端部に設けた係止フックを介して抜け止めされ、かつ下段の棚板の下方に設けた引出し板を前方に引き出し可能なようにしてなることを特徴とする引出し板を備えた多段ラックである。
【0009】
また第3発明は、前記第2発明において、さらに引出し板の両側をコ字状の保持枠内に移動可能に保持されたスライドガイドを取り付け、該スライドガイドを介して前記引出し板を前方に引き出し可能なようにしてなることを特徴とする引出し板を備えた多段ラックである。
【0010】
さらに第4発明は、少なくとも四隅の縦フレームが、左右に一対の矩形フレームの組合せからなり、該左右に一対の矩形フレームがL字状断面の鋼材で構成されており、該左右に一対の矩形フレームを構成する四隅の縦フレームには縦方向に所定数のねじ孔が順次形成されていて、このネジ孔への取付け位置によって前記縦フレーム間に差し渡した保持枠の高さおよび保持枠に取り付けた前記多段の棚板や引出し板の高さ調整ができるようにしてなることを特徴とする引出し板を備えた多段ラックである
【発明の効果】
【0011】
第1発明は、少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、各棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっており、かつ下段の棚板の下部には引出し板が収納されていて、該引出し板を前方に引き出し可能としてなることを特徴とする引出し板を備えた多段ラックであり、非常に有用な機能を備えているとともに、極めて安価な多段の棚板および引出し板を備えた多段ラックが提供できるようになったのである。
また第2発明は上記第1発明に加えて、少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、前記縦フレーム間に差し渡した保持枠に固定された上下に一対の連結式の伸縮可能な水平バーを介して前記2段以上の多段に構成された棚板が支持されており、かつ棚板の両側の端部に設けた係止フックを介して抜け止めされ、かつ下段の棚板の下方に設けた引出し板を前方に引き出し可能なようにしてなるものであって、棚板の幅方向への伸縮や下段の棚板の下方に設けた引出し板の前方への引き出しが極めて簡単に実行できるようにしてなる引出し板を備えた多段ラックが提供できる。
しかも第3発明においては、さらに引出し板の両側にコ字状の保持枠内に移動可能に保持されたスライドガイドを取り付け、該スライドガイドを介して前記引出し板を前方に引き出し可能なようにしてなることを特徴とするものであり、非常に無理のない構造で長期間にわたって無理なく使用できる引出し板を備えた多段ラックが提供できる。
また第4発明においては、少なくとも四隅の縦フレームが、左右に一対の矩形フレームの組合せからなり、該左右に一対の矩形フレームがL字状断面の鋼材で構成されており、該左右に一対の矩形フレームを構成する四隅の縦フレームには縦方向に所定数のねじ孔が順次形成されていて、このネジ孔への取付け位置によって前記縦フレーム間に差し渡した保持枠の高さおよび保持枠に取り付けた前記多段の棚板や引出し板の高さ調整ができるようにしてなることを特徴とするものであり、非常にシンプルで長期間にわたって無理なく使用できる引出し板を備えた多段ラックが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態を示す2段以上の多段の棚板と引出し板とを備えた多段ラックの概略斜視図である。
図2】2段以上の多段の棚板と引出し板とを備えた多段ラックを幅方向に縮めた状態の概略斜視図である。
図3】それぞれ、2段以上の多段の棚板と引出し板との収納状態を示す図3(A)、2段以上の多段の棚板を幅方向に広げた状態を示す図3(B)、棚板下部の引出し板を引き出した状態を示す図3(C)、2段以上の多段の棚板を幅方向に広げ、さらに棚板下部の引出し板を引き出した状態を示す図3(D)である。
図4】多段の棚板13a、13bからその中に収納した展開用の棚板13c、13dを幅方向に延長した状態の概略平面図および概略側面図である。
図5】本発明の変形例を示し、少なくとも四隅の縦フレームが、左右に一対の矩形フレームの組合せからなるものであって、(A)は本発明の変形例の正面図、(B)はその上方から見た斜視図である。
図6】引出し板の両側において、コ字状の保持枠内に移動可能に保持されたスライドガイドに引出し板を取り付け可能とし、該引出し板をスライドガイドを介して前方に引き出し可能とした例を外側から見た概略斜視図である。
図7】コ字状の保持枠内に移動可能に保持されたスライドガイドに引出し板を取り付け可能とし、かつ該引出し板をスライドガイドを介して前方に引き出し可能とした例を内側から見た概略斜視図である。
図8】コ字状の保持枠内に移動可能に保持されたスライドガイドに引出し板を取り付け、該引出し板をスライドガイドを介して矢印方向に移動可能とした場合の概略斜視図である。
図9】本発明の参考形態を示す1段のみの棚板を備えたラックの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。本発明の引出し板を備えた多段ラックは、以下の構成を有するものである。
【0014】
本発明は、図1に示すように、左右に一対の矩形フレーム11の四隅に位置する縦フレーム12と、該縦フレーム12に固定された多段の棚板13a,13bを備えた多段ラック10において、下段の棚板13bの下方には、前方に引き出し可能な引出し板14a,14bを備えていることを特徴としている。
そして、前記2段以上の多段の棚板13a,13bの保持作業は、一対の縦フレーム12a,12bおよび縦フレーム12c,12dの間に沿って配設された幅方向に一対のガイドレール13eを介して無理なく行われる。
そして、前記四隅の各縦フレーム12は長手方向に対向して配置された一対の縦フレーム12a,12bおよび縦フレーム12c、12dを備え、各対の縦フレーム12a,12cと縦フレーム12b、12dとの間は、上下に一対の連結式の伸縮可能な第1水平バー15a,15bが取り付けられ、また前記2段以上の多段の棚板の13a,13b(13c,13d)それぞれは前方に一対の従動型の伸縮可能な第2水平バー15c、15dを用いて連結されている。15eはネジ部であり、このネジ部15eを回して一対の連結式の伸縮可能な第1水平バー15a,15bが固定されるのである。
【0015】
なお図1において、それぞれ一対の縦フレーム12a,12b間に差し渡したコ字状の保持枠17が引出し板14aを支えるには、引出し板14aの両側に取り付けられたスライドガイド18を前記コ字状の保持枠17にはめ込むことによって行われるのである(詳細については図6ないし図8参照)。
また、以上の2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)は、後方かつ上下に一対の連結式の伸縮かつ固定可能な第1水平バー15a、15bと、前方かつ上下に一対の従動型の伸縮可能な第2水平バー15c、15dによって伸縮可能に保持され、その際棚板13c,13dが引き伸ばされる。
ちなみに、前記2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)はその前後の両端を、前記伸縮かつ固定可能な第1水平バー15a,15bと一対の従動型の伸縮可能な第2水平バー15c、15dで支持されている。
【0016】
なお、前記連結式の伸縮かつ固定可能な第1水平バー15a,15bと、前後に配置されて左右に伸縮する一対の従動型の伸縮可能な第2水平バー15c、15dとはそれぞれ2重のパイプ構造で作成されており、前記連結式の伸縮かつ固定可能な第1水平バー15a,15bは中間位置に締結用の可動弁部となる切込み152を入れた上に、雄ネジ部153を備えた管状の水平バー本体151と、管状の水平バー本体151内に一端を挿入されて伸縮する小径の水平バー154であって、当該端部の外周上に内部に雌ネジ部153を備えた締結用のナット部155がはめ込まれていて、ナット部155を締め付けることによって長さが調節できるのである。
図1において19は支持脚であり、その下部に設けた台座部19aから上方に突設した垂直ボルト19bには、上からはめ込んで止める固定ナット19cが装着固定されるのである。すなわち、前記縦フレーム12の連結部12cの下部から上方に向けた垂直ボルト19bをはめ込み、この垂直ボルト19bに固定ナット19cをはめ込んで固着しているのである。
なお、図2に前記四隅の各縦フレーム12に搭載した前記2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)をそれぞれ縮めた状態を示す。
【0017】
以上の2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)は、それぞれの収納状態を図3(A)に、幅方向に広げた状態を図3(B)に、2段以上の多段の棚板13a,13bの下段の棚板13bの下方から引出し板14a,14bを引き出した状態を図3(C)に、2段以上の多段の棚板13a,13b、および棚板13c,13dを幅方向に広げ、さらに下段の棚板13bの下方から引出し板14a,14bを引き出した状態をそれぞれ図3(D)において示している。
【0018】
すなわち図3(A)は、一対の縦フレーム12aおよび縦フレーム12bの間に、前記伸縮可能な水平バー15a,15bと、水平バー15c、15dとが配設され、上下に一対の前記伸縮可能な水平バー(図示省略)を介して2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)がその前後の端部に設けた係止フック16a,16b(図4参照)を介して取り付けられた状態を示している。
また図3(B)は、上下2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)を伸縮可能な水平バー(15a,15b,15c、15d、図1参照)を介してそれぞれ幅方向に広げた状態を示している。
そして図3(C)は、図3(A)の状態において、下部棚板13bの下方の引出し板14a,14bを引き出した状態を示している。
最後に図3(D)は、2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)をそれぞれ幅方向に広げ、さらに下部棚板13bの下方の引出し板14a,14bを引き出した状態をそれぞれ示している。
なお、前記下部棚板13bの下方の引出し板14a,14bの引き出しは、一対の縦フレーム12aおよび縦フレーム12bの間に沿って配設された幅方向に一対のガイドレール13eを介して無理なく行われるようになっているのである(それぞれ図1および図2参照)。
【0019】
図4は上下2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)をそれぞれ幅方向に展開した状態の概略平面図および概略側面図であり、それぞれ前後の両端に設けた係止フック16a、16bによってスライドしつつ、幅方向に展開できるようになっている。
【0020】
次に図5(A),(B)の変形例は、少なくとも四隅の縦フレーム12が、左右に一対の矩形フレーム31の組合せからなるものであることを示しており、該左右に一対の矩形フレーム31は縦フレーム12部分がL字状断面の鋼材32で構成されており、該左右に一対の矩形フレーム31を構成する四隅の縦フレーム12には縦方向に所定数のねじ孔33が順次形成されているのである。
なお、四隅の縦フレーム12の側面の縦フレーム12間には横バー34,35が上下に配設してあり、上部のやや外向きに張り出した横バー34には付属図面(一点鎖線の円内)に示すように、適当な数のJ字状の係合部37を備えた吊下げフック36が吊り下げられている。図5(B)において38は前記係合部37の上端に設けたコ字状の係合フックである。
なお、図5(A)は変形例の正面図、図5(B)はその上方から見た斜視図である。
そして、このネジ孔33への取付け位置によって前記縦フレーム12間に差し渡したコ字状の保持枠17の高さおよびコ字状の保持枠17に取り付けた前記多段の棚板13a、13bの高さ調整ができるようにしてあるのである。
図5(A),(B)において前記矩形フレーム31としては、L字状断面の鋼材32ないし硬質な木材等を好適に使用することができ、矩形フレーム31とすることによって製造が容易で、かつ非常に強度に優れた縦フレーム12を得ることができるのである。
【0021】
図1に示すように、前記少なくとも四隅の縦フレーム(12)と、該縦フレーム(12)間に固定された多段の棚板13a,13b(13c,13d)を備えた多段ラック10において、前記棚板13a、13bが2段以上の多段に構成されていて、前記各一対の従動型の伸縮可能な第2水平バー15c、15dを介して支持され、かつ幅方向に延長できるようになっており、さらに前記縦フレーム(12a,12b)間に固定された上下の連結式の伸縮可能な水平バー15a,15bを介して前記多段の棚板13a,13b(13c,13d)が延長かつ固定できるようになっている。
さらに下段の棚板13bの下方には前方に引き出し可能な引出し板14a,14bが配設されており、適宜書類やその他のものを搭載できるという非常に有用な機能を備えているとともに、極めて安価な多段の棚板を備えた多段ラックを提供することができるのである。
【0022】
なお、四隅の縦フレーム12や連結式の伸縮可能な水平バー15aとしては、アルミその他の金属ないしFRP製とし、多段の棚板13a,13b(13c,13d)としては金属ないし硬質な木材を使用することができる。
また、2段以上の多段の棚板13a,13b(13c,13d)の下方に配設した引出し板14a,14bを前方に引き出して多段ラック11を広く使うことができるようになり、非常に使い勝手がよく、利用範囲が広くなったのである。
【0023】
ちなみに、図6は引出し板14a,14bの両側において、コ字状の保持枠17内に移動可能に保持されたスライドガイド18に棚板14a,14bを取り付け可能とし、該引出し板14a,14bをスライドガイド18を介して前方に引き出し可能とした場合を示す概略側面図である。
なお図7においては、コ字状の保持枠17と、その内部に移動可能に保持されたスライドガイド18とを前記縦フレーム12に取り付けるためのボルト21及びナット22を示している。
さらに、図8はコ字状の保持枠17内に移動可能に保持されたスライドガイド18に引出し板14a,14bを取り付け、該引出し板14a,14bをスライドガイド18を介して矢印方向に引出し可能とした場合を示すものである。
【0024】
図9は、本発明の引き出しできる棚板を備えたラックの参考形態を示すものであって、1段の棚板42を備えたラック41の全体像を示す概略斜視図である。
いずれにしても、幅方向に延長できる棚板を備えたラックであって、幅方向に延長できる棚板を備えているため、非常に使い勝手の良いラックが提供できるのである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
前記少なくとも四隅の縦フレームと、該縦フレーム間に固定された多段の棚板を備えた多段ラックにおいて、前記棚板が2段以上の多段に構成されていて幅方向に延長できるようになっており、かつ前記縦フレーム間に固定された上下に一対の連結式の伸縮可能な水平バーを介して前記多段の棚板が支持されており、かつ下段の棚板が2段以上の多段に構成されていて、該2段以上の多段の棚板の下方を前方に引き出し可能となっており、非常に有用な機能を備えているとともに、極めて安価な引き出しできる棚板を備えた多段ラックを提供することができる。
また、前記少なくとも四隅の縦フレームが左右に一対の矩形フレームの組合せによって構成されており、非常に作成が容易でかつ非常に強度の高い引き出しできる棚板を備えた多段ラックを迅速に提供することができるようになったのである。
なお、この発明の引き出しできる棚板を備えた多段ラックは、電子レンジを搭載するレンジラックとして、あるいは流しの下にセットされるシンクしたラックとして非常に便利で、かつ有用に使用することができる。
【符号の説明】
【0026】
10 多段ラック
11 矩形フレーム
12,12a,12b,12c,12d 縦フレーム
13a,13b,13c,13d 棚板
13e ガイドレール
14a,14b 引出し板
15a,15b 連結式の伸縮かつ固定可能な第1水平バー
15c,15d 一対の従動型の伸縮可能な第2水平バー
15e ネジ部
151 管状の水平バー本体
152 切込み
153 雄ネジ部
154 小径の水平バー
155 ナット部
16a、16b 係止フック
17 コ字状の保持枠
18 スライドガイド
19 支持脚
19a 台座部
19b 垂直ボルト
19c 固定ナット
21 ボルト
22 ナット
31 左右に一対の矩形フレーム
32 L字状断面の鋼材
33 ねじ孔
34,35 横バー
36 吊下げフック
37 J字状の係合部
38 コ字状の係合フック
41 ラック
42 棚板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9