(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025037801
(43)【公開日】2025-03-18
(54)【発明の名称】マンモグラムにおける関心領域のマーキング方法、システム、及び位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/46 20240101AFI20250311BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20250311BHJP
【FI】
A61B6/46 506Z
A61B6/50 500E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122363
(22)【出願日】2024-07-29
(31)【優先権主張番号】18/461,695
(32)【優先日】2023-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524285206
【氏名又は名称】フジフイルム ヘルスケア アメリカズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モリタ、ケイイチ
(72)【発明者】
【氏名】ミニッチ、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ、ジャンマリ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA26
4C093CA18
4C093CA22
4C093DA06
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093FA35
4C093FF16
4C093FF28
4C093FG13
(57)【要約】
【課題】関心領域のマンモグラムをマーキングし、マンモグラムを位置合わせするための改善された方法及びシステムを提供する。
【解決手段】マンモグラムにおける関心領域のマーキング方法であって、この方法は、第1の乳頭先端を含み、第1の投影である、患者の第1のマンモグラムを受信することと、第1のマンモグラムにおいて第1の乳頭線を識別することと、第1のマンモグラムにおいて関心領域を識別することと、第1の乳頭線に対して垂直であり、第1の乳頭線から関心領域を通って延びる基準線を第1のマンモグラムにおいて識別することと、第1の乳頭先端から第1の乳頭線に沿って基準線まで延びる距離dを計算することと、第2の乳頭先端を含み、第2の投影である、患者の第2のマンモグラムを受信することと、第2のマンモグラムにおいて第2の乳頭線を識別することと、第2の乳頭線に沿って第2の乳頭先端からの距離dで、第2の乳頭線から垂直に延びる関心領域マーカーを第2のマンモグラムに提供することと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンモグラムにおける関心領域のマーキング方法であって、
第1の乳頭先端を含み、第1の投影である、患者の第1のマンモグラムを受信することと、
前記第1のマンモグラムにおいて第1の乳頭線を識別することと、
前記第1のマンモグラムにおいて関心領域を識別することと、
前記第1の乳頭線に対して垂直であり、前記第1の乳頭線から前記関心領域を通って延びる基準線を前記第1のマンモグラムにおいて識別することと、
前記第1の乳頭先端から前記第1の乳頭線に沿って前記基準線まで延びる距離dを計算することと、
第2の乳頭先端を含み、第2の投影である、前記患者の第2のマンモグラムを受信することと、
前記第2のマンモグラムにおいて第2の乳頭線を識別することと、
前記第2の乳頭線に沿って前記第2の乳頭先端からの距離dで、前記第2の乳頭線から垂直に延びる関心領域マーカーを前記第2のマンモグラムに提供することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の乳頭線は胸壁に対して垂直である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記胸壁を識別するユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の乳頭線は胸壁に対して垂直である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記胸壁を識別するユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の投影は、頭尾方向撮影及び内外斜位方向撮影のうちの一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の投影は、前記頭尾方向撮影及び前記内外斜位方向撮影のうちのもう一方を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の乳頭先端の位置を示すユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の乳頭先端の位置を示すユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上のプロセッサと、前記プロセッサに結合され、前記プロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的メモリとを備え、前記プロセッサが、前記命令を実行することで、
第1の乳頭先端を含み、第1の投影である、患者の第1のマンモグラムを受信し、
前記第1のマンモグラムにおいて第1の乳頭線を識別し、
前記第1のマンモグラムにおいて関心領域を識別し、
前記第1の乳頭線に対して垂直であり、前記第1の乳頭線から前記関心領域を通って延びる基準線を前記第1のマンモグラムにおいて識別し、
前記第1の乳頭先端から前記第1の乳頭線に沿って前記基準線まで延びる距離dを計算し、
第2の乳頭先端を含み、第2の投影である、前記患者の第2のマンモグラムを受信し、
前記第2のマンモグラムにおいて第2の乳頭線を識別し、
前記第2の乳頭線に沿って前記第2の乳頭先端からの距離dで、前記第2の乳頭線から垂直に延びる関心領域マーカーを前記第2のマンモグラムに提供する、
ように動作可能である、
システム。
【請求項11】
2つのマンモグラム画像の位置合わせ方法であって、
第1の垂直座標及び第1の水平座標を有する第1の乳頭先端を含む、患者の第1のマンモグラムを受信することと、
第1の角度を有する第1の乳頭線を前記第1のマンモグラムにおいて識別することと、
第2の垂直座標及び第2の水平座標を有する第2の乳頭先端を含む、前記患者の第2のマンモグラムを受信することと、
第2の角度を有する第2の乳頭線を前記第2のマンモグラムにおいて識別することと、
前記第2の垂直座標と前記第1の垂直座標との第1の差の分だけ前記第2のマンモグラムを垂直にシフトすることと、
前記第2の水平座標と前記第1の水平座標との第2の差の分だけ前記第2のマンモグラムを水平にシフトすることと、
前記第2の角度と前記第1の角度との第3の差の分だけ前記第2のマンモグラムを回転させることと、
を含む方法。
【請求項12】
前記第1の乳頭線は胸壁に対して垂直である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記胸壁を識別するユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の乳頭線は胸壁に対して垂直である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記胸壁を識別するユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のマンモグラムは頭尾方向撮影を含み、前記第2のマンモグラムは頭尾方向撮影を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のマンモグラムは内外斜位方向撮影を含み、前記第2のマンモグラムは内外斜位方向撮影を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の乳頭先端の位置を示すユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の乳頭先端の位置を示すユーザ入力を受信することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサと、前記プロセッサに結合され、前記プロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的メモリとを備え、前記プロセッサが、前記命令を実行することで、
第1の垂直座標及び第1の水平座標を有する第1の乳頭先端を含む、患者の第1のマンモグラムを受信し、
第1の角度を有する第1の乳頭線を前記第1のマンモグラムにおいて識別し、
第2の垂直座標及び第2の水平座標を有する第2の乳頭先端を含む、前記患者の第2のマンモグラムを受信し、
第2の角度を有する第2の乳頭線を前記第2のマンモグラムにおいて識別し、
前記第2の垂直座標と前記第1の垂直座標との第1の差の分だけ前記第2のマンモグラムを垂直にシフトし、
前記第2の水平座標と前記第1の水平座標との第2の差の分だけ前記第2のマンモグラムを水平にシフトし、
前記第2の角度と前記第1の角度との第3の差の分だけ前記第2のマンモグラムを回転させる、
ように動作可能である、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される主題は、画像、より具体的にはマンモグラムを操作するためのシステム及び方法に関する。本明細書に説明するシステム及び方法は、関心領域にマーキングし、乳頭線を利用してマンモグラムを位置合わせすることができる。
【背景技術】
【0002】
医用撮影において、画像保管通信システム(Picture Archiving and Communication Systems、PACS)は、画像の保存、検索、提示及び配信に特化したコンピュータ及びネットワークの組み合わせである。医療情報を様々なフォーマットで保存することができるが、画像保存の一般的なフォーマットはDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)である。DICOMは、とりわけ医用画像や関連するメタデータを、撮像モダリティ(例えば、X線(又は、コンピュータX線撮影(CR)やデジタルX線撮影(DR)といったX線のデジタル対応物)、コンピュータ断層撮影(CT)及び磁気共鳴撮像(MRI)装置)からリモートストレージやクライアントのデバイスに転送し、表示やその他の用途に使用することのできる規格である。
【0003】
医用画像、例えばDICOMフォーマットで保存されたマンモグラム画像を見る際に、2つの異なる画像内の対応する関心領域をユーザが識別することが重要になる場合がある。例えば、2つの異なる投影(頭尾方向(craniocaudal、CC)撮影及び内外斜位方向(mediolateral oblique、MLO)撮影など)によって撮影された単一の乳房を見る際に、ユーザは、第1の画像内の関心領域を識別し、自動的に第2の画像内の対応する関心領域にマーキングさせることに関心を持つことができる。通常、これは、乳頭などの基準からの距離を決定することによって実行される。例えば、乳頭上に中心点を有する円弧状の基準線を各画像上に描くことができる。2つの異なる画像に描かれた同様の半径を有する円弧状の線は、それぞれの画像において乳頭からの距離が同じであると解釈することができる。しかしながら、少なくとも、CC撮影及びMLO撮影は異なる角度から撮影され、X線は円弧ではなく直線に沿って撮影され、CC画像では乳房が圧縮される場合があるため、このような処理は不完全である。
【0004】
さらに、2つの画像を位置合わせできることはユーザにとって有益となりうる。例えば、過去と現在の検査を比較する場合、ユーザは画像の位置合わせを行う必要がある。従来の位置合わせの方法はピクセルの照合を含む。しかしながら、このような位置合わせは非効率的で、困難で、不完全なものである可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、関心領域のマンモグラムをマーキングし、マンモグラムを位置合わせするための改善された方法及びシステムが必要である。
【0006】
開示される主題の目的及び利点は以下の説明に記載され、その説明から明らかであるとともに、開示される主題の実施によって習得される。開示される主題のさらなる利点は、本明細書の記載及び特許請求の範囲、ならびに添付の図面において特に指摘される方法及びシステムによって実現され、達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの利点及び他の利点を達成するために、ならびに開示される主題の目的に従って、開示される主題は、具体的かつ広範に説明されるように、マンモグラムにおける関心領域をマーキングするシステム及び方法に関する。本方法は、第1の乳頭先端を含み、第1の投影である、患者の第1のマンモグラムを受信することと、第1のマンモグラムにおいて第1の乳頭線を識別することと、第1のマンモグラムにおいて関心領域を識別することと、第1の乳頭線に対して垂直であり、第1の乳頭線から関心領域を通って延びる基準線を第1のマンモグラムにおいて識別することと、第1の乳頭先端から第1の乳頭線に沿って基準線まで延びる距離dを計算することと、第2の乳頭先端を含み、第2の投影である、患者の第2のマンモグラムを受信することと、第2のマンモグラムにおいて第2の乳頭線を識別することと、第2の乳頭線に沿って第2の乳頭先端からの距離dで、第2の乳頭線から垂直に延びる関心領域マーカーを第2のマンモグラムに提供することと、を含む。
【0008】
開示される主題によると、第1の乳頭線を胸壁に対して垂直にすることができる。本方法は、胸壁を識別するユーザ入力を受信することをさらに含むことができる。第2の乳頭線を胸壁に対して垂直にすることができる。本方法は、胸壁を識別するユーザ入力を受信することをさらに含むことができる。第1の投影を、頭尾方向撮影及び内外斜位方向撮影のうちの一方とすることができる。第2の投影を、頭尾方向撮影及び内外斜位方向撮影のうちのもう一方とすることができる。
【0009】
開示される主題によると、本方法は、第1の乳頭先端の位置を示すユーザ入力を受信することを含むことができる。本方法は、第2の乳頭先端の位置を示すユーザ入力を受信することを含むことができる。
【0010】
開示される主題は、1つ以上のプロセッサと、プロセッサに結合され、プロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的メモリとを備えたシステムに関する。このプロセッサは、第1の乳頭先端を含み、第1の投影である、患者の第1のマンモグラムを受信し、第1のマンモグラムにおいて第1の乳頭線を識別し、第1のマンモグラムにおいて関心領域を識別し、第1の乳頭線に対して垂直であり、第1の乳頭線から関心領域を通って延びる基準線を第1のマンモグラムにおいて識別し、第1の乳頭先端から第1の乳頭線に沿って基準線まで延びる距離dを計算し、第2の乳頭先端を含み、第2の投影である、患者の第2のマンモグラムを受信し、第2のマンモグラムにおいて第2の乳頭線を識別し、第2の乳頭線に沿って第2の乳頭先端からの距離dで、第2の乳頭線から垂直に延びる関心領域マーカーを第2のマンモグラムに提供する、ための命令を実行することで動作可能である。
【0011】
本明細書に記載のように、開示される主題は、2つのマンモグラム画像を位置合わせするためのシステム及び方法に関する。本方法は、第1の垂直座標及び第1の水平座標を有する第1の乳頭先端を含む、患者の第1のマンモグラムを受信することと、第1の角度を有する第1の乳頭線を第1のマンモグラムにおいて識別することと、第2の垂直座標及び第2の水平座標を有する第2の乳頭先端を含む、患者の第2のマンモグラムを受信することと、第2の角度を有する第2の乳頭線を第2のマンモグラムにおいて識別することと、第2の垂直座標と第1の垂直座標との第1の差の分だけ第2のマンモグラムを垂直にシフトすることと、第2の水平座標と第1の水平座標との第2の差の分だけ第2のマンモグラムを水平にシフトすることと、第2の角度と第1の角度との第3の差の分だけ第2のマンモグラムを回転させることと、を含むことができる。
【0012】
本開示の主題は、1つ以上のプロセッサと、プロセッサに結合され、プロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的メモリとを備えたシステムに関する。このプロセッサは、第1の垂直座標及び第1の水平座標を有する第1の乳頭先端を含む、患者の第1のマンモグラムを受信し、第1の角度を有する第1の乳頭線を第1のマンモグラムにおいて識別し、第2の垂直座標及び第2の水平座標を有する第2の乳頭先端を含む、患者の第2のマンモグラムを受信し、第2の角度を有する第2の乳頭線を第2のマンモグラムにおいて識別し、第2の垂直座標と第1の垂直座標との第1の差の分だけ第2のマンモグラムを垂直にシフトし、第2の水平座標と第1の水平座標との第2の差の分だけ第2のマンモグラムを水平にシフトし、第2の角度と第1の角度との第3の差の分だけ第2のマンモグラムを回転させる、ための命令を実行することで動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】開示される主題に従って操作が可能な医用画像記録の階層を示している。
【
図2】開示される主題による画像操作システムのアーキテクチャを示している。
【
図3】開示される主題によるマンモグラム画像を示している。
【
図4A】本開示の主題に従って胸壁線を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図4B】本開示の主題に従って胸壁線を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図4C】本開示の主題に従って胸壁線を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図4D】本開示の主題に従って胸壁線を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図5A】開示される主題に従って乳頭の位置を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図5B】開示される主題に従って乳頭の位置を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図5C】開示される主題に従って乳頭の位置を識別するためのマンモグラム画像処理を示している。
【
図6】開示される主題による、乳頭線(PNL、posterior nipple line)及び関心領域を有するマンモグラムを示している。
【
図7】開示される主題による、距離dを示す
図6のマンモグラムを示している。
【
図8】開示される主題による、
図6のマンモグラムにおける乳房のCC投影によるマンモグラムを示している。
【
図9】開示される主題による、関心領域マーカーを示す
図8のマンモグラムを示している。
【
図10】開示される主題によるマンモグラムを示している。
【
図11】開示される主題による、約2年前に撮影された
図10と同じ乳房のマンモグラムを示している。
【
図12】開示される主題による、マンモグラムにおける関心領域のマーキング方法を示したフローチャートを示している。
【
図13】開示される主題による、2つのマンモグラム画像の位置合わせ方法を示したフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、開示される主題の種々の例示的な実施形態を詳細に参照し、その例示的な実施形態を添付の図面に示す。限定ではなく例示のために、本明細書では、画像、特にDICOM画像などのデジタル医用画像(医用画像とも呼ぶ)、より具体的にはマンモグラムの操作に関連してシステム及び方法を説明する。しかしながら、本明細書に記載の方法及びシステムを任意のデジタル画像の操作に使用することができる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるような、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び単数名詞などの単数形は、文脈上明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むように意図されている。したがって、本明細書で使用する医用画像という用語は、1つの医用画像又は複数の医用画像を指すことができる。例えば、限定ではなく説明のために
図1を参照すると、本明細書で言及するように、医用画像記録は、単一のDICOMサービスオブジェクトペア(SOP)インスタンス(DICOMインスタンス、DICOM画像、及び画像とも呼ぶ)1(例えば1A~1H)、1つ以上のシリーズ2(例えば2A~2D)内にある1つ以上のDICOM SOPインスタンス1、1つ以上の検査(Studies)3(例えば3A、3B)内にある1つ以上のシリーズ2、及び1つ以上の検査3を含むことができる。DICOM SOPインスタンス1(例えば1A~1H)をマンモグラムとすることができる。
【0015】
限定ではなく例示のための
図1~
図11を参照すると、開示されるシステム100は、画像を操作するように構成が可能である。例えば、DICOM画像(例えば1A~1H)など、マンモグラムの関心領域をマーキングする、及び/又はマンモグラムを位置合わせするようにシステム100を構成することができる。システム100は、サーバ30及びユーザワークステーション60を定義する1つ以上のコンピューティングデバイスを含むことができる。ユーザワークステーション60をネットワークによってサーバ30に結合することができる。ネットワークは、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスLAN(WLAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、又は、任意の無線周波数接続もしくはワイヤレスタイプの接続を可能にする任意の他のネットワークとすることが可能である。例えば、他の無線周波数接続又はワイヤレス接続は、グローバルシステムフォーモバイル通信(GSM)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGSM環境(EDGE)、ロングタームエヴォリューション(LTE)、LTEアドバンスト、3G技術を含む第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))技術、モノのインターネット(IOT)、第5世代(5G)、又は新無線(NR)技術など、1つ以上のネットワークアクセス技術を含むことができるが、これらに限定されない。他の例としては、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11b/g/nもしくは任意の他の802.11プロトコル、又は任意の他の有線接続もしくは無線接続を含むことができる。
【0016】
ワークステーション60は、任意の既知のクライアントデバイスの形をとることができる。例えば、ワークステーション60は、ラップトップ又はデスクトップコンピュータなどのコンピュータ、パーソナルデータもしくはデジタルアシスタント(PDA)、又は、モバイルデバイスもしくはモバイルポータブルメディアプレーヤなど任意の他のユーザ機器もしくはタブレットとすることが可能である。サーバ30は、処理、データベース及び通信設備を提供するサービスポイントとすることが可能である。例えば、サーバ30は、専用ラックマウントサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、前述のデバイスの2つ以上の特徴など種々の特徴を組み合わせた統合デバイスなどを含むことができる。サーバ30は、構成又は能力が広く異なっていてもよいが、1つ以上のプロセッサ、メモリ及び/又はトランシーバを含むことができる。サーバ30はまた、1つ以上の大容量ストレージデバイス、1つ以上の電源、1つ以上の有線又は無線ネットワークインターフェース、1つ以上の入出力インターフェース、及び/又は1つ以上のオペレーティングシステムを含むことができる。
【0017】
ユーザは、医療専門家、医療技術者、研究者又は患者を含む、ワークステーション60及び/又はサーバ30にアクセスすることを許可された任意の人物とすることができる。いくつかの実施形態において、ワークステーション60の使用及び/又はサーバ30との通信を許可されたユーザは、ワークステーション60及び/又はサーバ30へのログイン又はアクセスに使用することができるユーザ名及び/又はパスワードを有することができる。
【0018】
ワークステーション60は、GUI65、メモリ61、プロセッサ62、トランシーバ63及び入出力(I/O)64を含むことができる。ワークステーション60によって受信された医用画像記録(マンモグラム10など)を、1つ以上のプロセッサ62を用いて処理することができる。プロセッサ62を、コンピュータプログラム命令を実行するために使用される任意のハードウェア又はソフトウェアとすることができる。これらのコンピュータプログラム命令は、ワークステーション60又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、ブロック図又は動作ブロックにおいて指定される機能/動作を実施し、それによって本明細書の実施形態に従ってその機能を変換するように、汎用コンピュータのプロセッサに提供されて、その機能を特殊用途、特殊用途コンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)又は他のプログラマブルデジタルデータ処理装置に変更することができる。プロセッサ62を、ポータブル組み込みマイクロコントローラ又はマイクロコンピュータとすることができる。例えば、プロセッサ62は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル強化回路、又は同等のデバイス又はこれらの組み合わせなど、任意の計算デバイス又はデータ処理デバイスによって具現化が可能である。プロセッサ62は、単一のコントローラ、又は複数のコントローラもしくはプロセッサとして実施されることが可能である。入出力64を、任意の適切な入出力、例えばマウス又はキーボードとすることができる。開示される主題に従って、入出力64をタッチスクリーンの形でGUI65と一体化することができる。入出力64を、単一の入出力64又は複数の入出力64として実施することができる。
【0019】
ワークステーション60は、トランシーバ63を用いてサーバ30からの医用画像記録(マンモグラム10など)を送受信することができる。トランシーバ63を単独で送信機又は受信機としてもよいし、送信機と受信機の双方としてもよいし、送信と受信双方のために構成可能なユニット又はデバイスとしてもよい。換言すると、トランシーバ63は、ワークステーション60がサーバ30と通信することを可能にする任意のハードウェア又はソフトウェアを含むことができる。トランシーバ63は、有線トランシーバ又は無線トランシーバのいずれであってもよい。無線の場合、装置自体には配置されないがマストに配置されるリモートラジオヘッドとしてトランシーバ63を実装することができる。
図2は単一のトランシーバ63のみを示しているが、ワークステーション60は1つ以上のトランシーバ63を含むことができる。メモリ61は、不揮発性記憶媒体、又は、非一時的なコンピュータ可読媒体もしくは記憶媒体など、任意の他の適切なストレージデバイスとすることが可能である。例えば、メモリ61は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、消去・プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去・プログラム可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は他の固体メモリ技術とすることが可能である。メモリ61はまた、コンパクトディスク読取り専用光メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、任意の他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージ、又は、所望の情報、データもしくは命令を有形に記憶するために使用することができ、コンピュータもしくはプロセッサによってアクセスすることができる任意の他の物理的媒体もしくは素材媒体とすることが可能である。メモリ61は取り外し可能でもよいし、取り外し不可能でもよい。
【0020】
図3を参照すると、限定ではなく例示のために4つのマンモグラム10A~10Dが示されている。マンモグラム10A~10DをDICOM画像(例えば、1J)とすることができる。マンモグラム10Aは右乳房のMLO画像であり、マンモグラム10Bは左乳房のMLO画像であり、マンモグラム10Cはマンモグラム10Aの右乳房のCC画像であり、マンモグラム10Dはマンモグラム10Bの左乳房のCC画像である。各画像は同じ患者(1964年生まれの匿名の女性)のものである。マンモグラム10A及び10Cは左乳頭111Aを含み、マンモグラム10B及び10Cは右乳頭111Bを含む。左乳頭111A及び右乳頭111Bの位置は、ユーザ(例えば、その位置をポイントしてクリックすることにより)、機械学習アルゴリズム(例えば、一連の画像上の乳頭111(例えば111A、111B)の位置を識別するためのトレーニングをし、次にその位置を自動的に識別することにより)、機械学習アルゴリズム及びユーザ入力の組み合わせ、又は他の適切な手段によって識別されることが可能である。
【0021】
マンモグラム10A及び10Bは胸壁113(点線として記す)を示している。胸壁は、CC画像(マンモグラム10C及び10D)では常に1つの辺に対して垂直である。胸壁113の位置も、ユーザ(例えば、胸壁線を識別するために2つのスポットをポイントしてクリックすることにより)、機械学習アルゴリズム、又は他の適切な手段によって識別されることが可能である。例として、限定ではなく例示のために
図4A~
図4Dを参照すると、胸壁をピクセル値に基づいて識別することができる。例えば、マンモグラム10Iの特定のピクセル閾値(例えば128)よりも大きい白色領域を識別することができる。例えば、
図4Bに示すような白黒画像を、閾値よりも大きいピクセルに基づいて生成することができる。例えば、領域121のような、1つの辺又は角に隣接する白色ピクセルを識別し、
図4Cに示すような第3の画像を生成することができる。線122(
図4D)を生成することができる。例えば、線122を、全ての白色ピクセルを含むように画像の直線の中心に最も近い線とすることができる。別の例として、線122は、全ての白色ピクセルを含む最も長い直線であってもよい。線122は胸壁113を表すことができる。これに加えて又はこれに代えて、ピクセルを用いて乳頭の位置を識別することができる。限定ではなく例示のために
図5A~
図5Cを参照すると、乳頭の位置をピクセル値に基づいて識別することができる。例えば、マンモグラム10Iの特定のピクセルパディング値(例えば0)よりも大きい白色領域を識別することができる。例えば、
図5Bに示すような白黒画像を、パディング値よりも大きいピクセルに基づいて生成することができる。(例えば線123を用いて)乳房領域及び胸線122から最も遠い点を識別することができ、その点を乳頭の位置として使用することができる。
【0022】
マンモグラム10は、それぞれ乳頭線(PNL)114(例えば114A~114D)を含む。PNL114は、それぞれの乳頭111を通り、胸壁113(又はCC投影のマンモグラムにおける画像の辺)に対して垂直に延びる。マンモグラム10B及び10Dは関心領域110を有する。関心領域110は、潜在的な腫瘍又は他の解剖学的特徴を示す可能性がある。関心領域110Aは、ユーザ(例えば、胸壁線を識別するために2つのスポットをポイントしてクリックすることにより)、機械学習アルゴリズム、又は他の適切な手段によって識別されることが可能である。マンモグラム10Dは、また、関心領域マーカー115を含む。関心領域マーカー115は、2本の点線として示されているが、斜線領域、一点鎖線、ボックス又は円など、任意の適切なマーキングとすることができる。さらに、1つよりも多くの関心領域マーカー115をマンモグラム上に設けることができる。
【0023】
限定ではなく例示のために
図6~
図9を参照すると、マンモグラム10EはMLO投影であり、マンモグラム10Fはマンモグラム10Eに示した同じ乳房のCC投影である。動作時に、システム100は、マンモグラム10Eにおける関心領域110Aの識別に基づいて、マンモグラム10Fに関心領域マーカー115Aを提供することができる。マンモグラム10EをGUI65に表示することができる。最初に、乳頭111Cの位置を識別することができる。例えば、ユーザは乳頭111Cの位置をクリックすることができる。胸壁113Aの位置も識別することができる。例えば、ユーザは、胸壁に沿って少なくとも2つの点116A、116Bをクリックすることができる。これらの点116A、116Bは、胸壁113Aの位置を識別するために使用することができ、胸壁113Aを、点116A、116Bを通る直線とみなすことができる。乳頭111Cを通り、かつ胸壁113Aに対して垂直な線を引くことにより、PNL114Eを識別することができる。例えば、ユーザが関心領域をクリックすることによって関心領域110Aを識別することもできる。
【0024】
図7に示すように、限定ではなく例示のために、システム100は、マンモグラム10Eにおける基準線117Aを識別することができる。基準線117Aは、関心領域110Aを通り、PNL114Eに対して垂直に延びることができる。乳頭111C、関心領域110A、及びPNL114Eと基準線117Aとの交点に頂点を有する三角形を形成することができる。システム100は、PNL114Eに沿って乳頭111Cから基準線117Aまで延びる距離dを決定することができる。例えば、距離=(PNLの単位ベクトル*(関心領域の位置-乳頭111Cの位置)という式を用いて距離dを決定することができる。PNLの単位ベクトルを以下のように決定することができる。すなわち、胸壁113Aを、胸壁113A線上の2つの点116A(x
1,y
1)及び116B(x
2,y
2)によって計算される単位ベクトルとして定義することができる。距離を式1に従って計算することができる。
【0025】
【0026】
胸壁の単位ベクトルを、((x1-x2)/d,(y1-y2)/d)とすることができる。PNLの単位ベクトルを胸壁の単位ベクトルから90度とすることができ、((y1-y2)/d,-(x1,x2)/d)とすることができる。距離dを決定する特定の方法であるが、任意の適切な方法を使用して距離dを決定することができる。基準線117Aをマンモグラム10E上に表示することができ、例えばユーザが基準線117AをPNL114Eに沿ってドラッグすることによってその位置を調整することができる。
【0027】
マンモグラム10FをGUI65上に表示することができる。マンモグラム10E及び10Fを、GUI65上に同時に(例えば、並べて)又は連続して表示することができる。マンモグラム10Fにおける乳頭111Cの位置を、前述と同様の方法で識別することができる。乳頭111Cを通り、かつマンモグラム10Eの辺に対して垂直に線を引くことにより、PNL114Fを識別することができる。システム100は、PNL114Fに沿って距離dを決定することができる。システム100は、PNL114Fに沿った距離dから等距離にある、PNL114Fに沿った2つの点118A、118Bをさらに決定することができる。点118A、118BからPNL114Fに対して垂直に延びる関心領域マーカー115A(2本の点線として示される)をマンモグラム10Fに設けることができる。したがって、ユーザは、関心領域110が関心領域マーカー115Aの点線内に位置することを理解する。2本の点線で示されているが、関心領域マーカー115Aは、乳頭111Cから距離dの分だけPNL114Fから離れて垂直に延びることにより、任意の適切な方法で設けることができる。アルゴリズムはマンモグラムの方向をPNL114に対して垂直とみなすため、関心領域マーカー115を、乳頭111から描かれた従来よりも正確な円弧にすることができる。画像が、地図情報を有する合成2D画像である場合、関心領域マーカー115として長方形を用いることができる。地図情報は、各ピクセルの深度又はフレーム情報を記憶することができる。ユーザがクリックした位置から、システム100は乳房の深度情報に変換することができる。システム100は、深度情報から目標位置を計算して(長方形などの)関心領域マーカー115を示すことができる。
【0028】
前述のように、システム100は、異なる投影から撮影されたマンモグラム10に関心領域マーカー115を提供する。MLO画像上の関心領域110を識別し、CC画像上に関心領域マーカー115を提供するものとして説明したが、その逆を行うこともできる。開示される主題によると、システム100は、同じ投影だが異なる日時に撮影された第2のマンモグラム10に関心領域マーカー115を提供することができる。関心領域マーカー115を、前述の方法で関心領域110の識別に基づいて1つのマンモグラム(例えば10H)に提供することができる。
【0029】
関心領域マーカー115を配置するために距離dを決定するものとして説明したが、他の適切な方法を使用することもできる。例として、乳房の面積又は圧迫の変化に対処するために比率を使用することができる。例えば、距離dとPNL114の全長との比を決定することができる。次に、第2のマンモグラム10における関心領域マーカー115の位置を、第2のマンモグラム10におけるPNL114の全長及び比に基づいて決定することができる。
【0030】
開示される主題によると、システム100は、同じように投影したが異なる日時に撮影された第1及び第2のマンモグラム10を位置合わせすることができる。限定ではなく例示のために
図10及び
図11を参照すると、マンモグラム10GはMLO投影であり、マンモグラム10Hは約2年前に撮影された同じ乳房のMLO投影である。システム100は、前述のように乳頭111Dの位置を決定することができ、マンモグラム10GにPNL114Gを引くことができる。システム100は同様に、マンモグラム10Hにおける乳頭111Dの位置及びPNL114Hを決定することができる。システム100は、各マンモグラム10G、10Hにおける乳頭111Dを位置合わせするようにマンモグラム10Hをシフトすることにより、2つのマンモグラムを位置合わせすることができる。例えば、システム100は、マンモグラム10Hにおける乳頭111Dの垂直座標と、マンモグラム10Gにおける乳頭111Dの垂直座標との差の分だけ、マンモグラム10Hを垂直方向にシフトすることができる。同様に、マンモグラム10Hにおける乳頭111Dの水平座標と、マンモグラム10Gにおける乳頭111Dの水平座標との差の分だけ、マンモグラム10Hを水平方向にシフトすることができる。マンモグラム10Hを、PNL114Hの角度119AとPNL114Gの角度119Bとの差の分だけ回転させることができる。例えば、角度119Aを水平線120と比較して決定することができる。それぞれのマンモグラム10G、10Hにおいて、このような処理により、ユーザはマンモグラム10をより容易に位置合わせすることができる。マンモグラム10G及び10Hを、GUI65上に同時に(例えば、並べて)又は連続して表示することができる。
【0031】
図12は、マンモグラムにおいて関心領域をマーキングする例示的な方法1000を示している。本方法はステップ1010において開始することができ、ここで、本方法は、第1の乳頭先端を含み、第1の投影である、患者の第1のマンモグラムを受信することを含む。ステップ1020において、本方法は、第1のマンモグラムにおいて第1の乳頭線を識別することを含むことができる。ステップ1030において、本方法は、第1のマンモグラムにおいて関心領域を識別することを含むことができる。ステップ1040において、本方法は、第1の乳頭線に対して垂直であり、乳頭線から関心領域を通って延びる基準線を第1のマンモグラムにおいて識別することを含むことができる。ステップ1050において、本方法は、第1の乳頭先端から第1の部乳頭線に沿って基準線まで延びる距離dを計算することを含むことができる。ステップ1060において、本方法は、第2の乳頭先端を含み、第2の投影である、患者の第2のマンモグラムを受信することを含むことができる。ステップ1070において、本方法は、第2のマンモグラムにおいて第2の乳頭線を識別することを含むことができる。ステップ1080において、本方法は、第2の乳頭線に沿って第2の乳頭先端からの距離dで、第2の乳頭線から垂直に延びる関心領域マーカーを第2のマンモグラム上に設けることを含むことができる。開示される主題によると、本方法は、必要に応じて、
図12の方法の1つ以上のステップを繰り返すことができる。本開示は、
図12の方法の特定のステップを特定の順序で行うものとして説明し、図示しているが、本開示は
図12の方法の任意の適切なステップを任意の適切な順序で行うことを企図している。さらに、本開示は、
図12の方法の特定のステップを含む、マンモグラムにおいて関心領域をマーキングする例示的な方法を記載及び図示しているが、本開示は、任意の適切なステップを含む、マンモグラムにおいて関心領域をマーキングする任意の適切な方法を企図しており、それは必要に応じて、
図12の方法のステップの全て又はいくつかを含んでもよいし、いずれのステップも含まなくてもよい。さらに、本開示は、
図12の方法の特定のステップを行う特定の構成要素、デバイス又はシステムを記載及び図示しているが、本開示は、
図12の方法の任意の適切なステップを行う任意の適切な構成要素、デバイス又はシステムの任意の適切な組み合わせを企図している。
【0032】
図13は、2つのマンモグラム画像を位置合わせする例示的な方法2000を示している。本方法はステップ2010において開始することができ、ここで、本方法は、第1の垂直座標及び第1の水平座標を有する第1の乳頭先端を含む、患者の第1のマンモグラムを受信することを含む。ステップ2020において、本方法は、第1の角度を有する第1の乳頭線を第1のマンモグラムにおいて識別することを含むことができる。ステップ2030において、本方法は、第2の垂直座標及び第2の水平座標を有する第2の乳頭先端を含む、患者の第2のマンモグラムを受信することを含むことができる。ステップ2040において、本方法は、第2の角度を有する第2の乳頭線を識第2のマンモグラムにおいて識別することを含むことができる。ステップ2050において、本方法は、第2の垂直座標と第1の垂直座標との差の分だけ第2のマンモグラムを垂直にシフトすることを含むことができる。ステップ2060において、本方法は、第2の水平座標と第1の水平座標との差の分だけ第2のマンモグラムを水平にシフトすることを含むことができる。ステップ2070において、本方法は、第2の角度と第1の角度との差の分だけ第2のマンモグラムを回転させることを含むことができる。開示される主題によると、本方法は、必要に応じて、
図13の方法の1つ以上のステップを繰り返すことができる。本開示は、
図13の方法の特定のステップを特定の順序で行うものとして説明し、図示しているが、本開示は
図13の方法の任意の適切なステップを任意の適切な順序で行うことを企図している。さらに、本開示は、
図13の方法の特定のステップを含む、2つのマンモグラム画像を位置合わせする例示的な方法を記載及び図示しているが、本開示は、任意の適切なステップを含む、2つのマンモグラム画像を位置合わせする任意の適切な方法を企図しており、それは必要に応じて、
図13の方法のステップの全て又はいくつかを含んでもよいし、いずれのステップも含まなくてもよい。さらに、本開示は、
図13の方法の特定のステップを行う特定の構成要素、デバイス又はシステムを記載及び図示しているが、本開示は、
図13の方法の任意の適切なステップを行う任意の適切な構成要素、デバイス又はシステムの任意の適切な組み合わせを企図している。
【0033】
本明細書で説明した主題及び動作は、デジタル電子回路、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア(本明細書に開示された構造及びそれらの構造的等価物を含む)、又はそれらの1つ以上の組み合わせで実施することができる。本明細書で説明した主題の実施形態は、データ処理装置による実行のため、又はデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化された1つ以上のコンピュータプログラム、すなわちコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実施することができる。
【0034】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能なストレージデバイス、コンピュータ読み取り可能は記憶基板、ランダムアクセスもしくはシリアルアクセスメモリアレイもしくはデバイス、又はこれらの1つ以上の組み合わせとすることができ、又はこれらに含めることができる。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体を、人工的に生成された伝搬信号に符号化されたコンピュータプログラム命令のソース又は宛先とすることができる。コンピュータ記憶媒体はまた、1つ以上の別個の物理的構成要素又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク又は他のストレージデバイス)とすることができ、又はそれらに含めることができる。
【0035】
「プロセッサ」という用語は、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス及び機械を包含し、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、チップ上のシステム、又は前述の複数のもの、又はそれらの組み合わせを含む。装置は、専用論理回路、例えばFPGA又はASICを含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、又はこれらのうち1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。装置及び実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティング及びグリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、種々の異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0036】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとしても知られる)を、コンパイル言語又はインタプリタ言語、宣言型言語又は手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト又はコンピューティング環境での使用に適した他のユニットなど、任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムはファイルシステム内のファイルに対応することができるが、これに対応する必要はない。他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、当該のプログラム専用の単一ファイル、又は複数の連携ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの部分を記憶するファイル)にプログラムを記憶させることができる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上で実行されるか、又は、1つの場所に位置するか複数の場所に分散して配置され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配置が可能である。
【0037】
1つ以上のプログラマブルプロセッサが、入力データを操作して出力を生成することで動作を実行するための1つ以上のコンピュータプログラムを実行することにより、本明細書で説明したプロセス及び論理フローを実行することができる。また、プロセス及び論理フローを、例えばFPGA又はASICなどの特殊用途の論理回路によって実行することもでき、装置を特殊用途の論理回路として実装することもできる。
【0038】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、限定ではなく例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの双方を含むことができる。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適したデバイスは、限定ではなく例として、例えばEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、例えば内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスを含むことができる。プロセッサ及びメモリを、専用論理回路によって補うか、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0039】
さらに、特定の実施形態に関連して前述したように、特定の構成要素は、例えばローカルエリアネットワークやインターネットなどのネットワークを介して特定の他の構成要素と通信することができる。上記に明示されていない範囲において、開示される主題は、送信及び受信を含む各トランザクションの双方を包含するように意図される。前述の特徴に関して、ある構成要素が別の構成要素に対して転送、送信又は他の方法で利用可能になる場合、もう一方の構成要素は、明示されているかどうかにかかわらず受信又は取得することを、当業者は容易に理解するであろう。
【0040】
以下に特許請求される特定の実施形態のほかに、開示される主題は、以下に特許請求される従属的特徴及び上記に開示された従属的特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態にも関連する。したがって、従属請求項に提示され、上記に開示された特定の特徴を、他の可能な組み合わせで互いに組み合わせることができる。したがって、開示される主題の特定の実施形態の前述の説明は、例示及び説明のために提示されたものである。その説明は、網羅的であるよう意図されたものではなく、開示される主題を開示される実施形態に限定するよう意図されたものではない。
【0041】
開示される主題の方法及びシステムにおいて、開示される主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく種々の変更及び変形を行えることが当業者には明らかであろう。したがって、開示される主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内にある変更及び変形を含むように意図される。
【符号の説明】
【0042】
10A~10I マンモグラム
30 サーバ
31 サーバプロセッサ
61 メモリ
62 プロセッサ
63 トランシーバ
64 入出力(I/O)
65 GUI
100 システム
110 関心領域
111、111A~111D 乳頭
113、113A 胸壁
114A~114H 乳頭線
115 関心領域マーカー
116A、116B、118A、118B 点
117A 基準線
119A、119B 角度
120 水平線