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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038532
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/12 20160101AFI20250312BHJP
   B60K 6/485 20071001ALI20250312BHJP
   B60K 6/54 20071001ALI20250312BHJP
   B60W 10/02 20060101ALI20250312BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20250312BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20250312BHJP
   B60W 20/14 20160101ALI20250312BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20250312BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20250312BHJP
   F02D 29/06 20060101ALI20250312BHJP
   B65F 3/00 20060101ALI20250312BHJP
【FI】
B60W20/12
B60K6/485 ZHV
B60K6/54
B60W10/02 900
B60W10/06 900
B60W10/26 900
B60W20/14
B60L50/16
B60L50/61
F02D29/06 D
B65F3/00 Z
B65F3/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145196
(22)【出願日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒戸 景太
【テーマコード(参考)】
3D202
3E024
3G093
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA09
3D202BB00
3D202BB04
3D202BB15
3D202BB19
3D202CC57
3D202DD45
3D202FF04
3E024AA01
3E024BA01
3E024GA01
3E024HB01
3E024HC02
3E024HD06
3E024HE01
3G093AA07
3G093AA08
3G093AA16
3G093BA19
3G093DB00
3G093EA01
3G093EC02
3G093FA11
5H125AA03
5H125AA20
5H125AC12
5H125BD17
5H125CA18
5H125CB02
5H125EE27
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】エンジンとモータを効率的に駆動させる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、塵芥車が塵芥を収集する経路を示す経路情報、および前記塵芥車が収集する塵芥量を示す塵芥量情報を取得する取得部と、前記経路情報および前記塵芥量情報に基づいて、前記塵芥車に搭載されたエンジンおよびモータの駆動を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥車が塵芥を収集する経路を示す経路情報、および前記塵芥車が収集する塵芥量を示す塵芥量情報を取得する取得部と、
前記経路情報および前記塵芥量情報に基づいて、前記塵芥車に搭載されたエンジンおよびモータの駆動を制御する制御部と、を備える制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記経路情報および前記塵芥量情報に基づいて前記塵芥車の走行に要する走行駆動量と、前記モータで生じる回生発電量と、塵芥の収集に要する収集駆動量とを算出し、前記走行駆動量、前記回生発電量および前記収集駆動量に応じて推移するバッテリの充電量に基づいて、前記エンジンの燃料消費量を最小化するように前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記バッテリから前記モータに供給される電力量が最大化するように前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記バッテリの充電量が所定の上限値または所定の下限値に達するタイミングに基づいて、前記エンジンの燃料消費量を最小化するように前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記バッテリの充電量が所定の上限値または所定の下限値に達する時間の長さに基づいて、前記エンジンの燃料消費量を最小化するように前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記塵芥量情報は、前記塵芥車が収集する塵芥の重さを示す情報であって、
前記制御部は、前記塵芥の重さが所定値より大きい場合に、そうでない場合よりも、大きい収集駆動量を特定し、前記特定された収集駆動量に基づいて、前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記塵芥量情報は、前記塵芥車が収集する塵芥の種類を示す情報であって、
前記制御部は、前記塵芥の種類が特定の種類である場合に、そうでない場合よりも、大きい収集駆動量を特定し、前記特定された収集駆動量に基づいて、前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記塵芥量情報は、前記塵芥車が収集する塵芥の容積を示す情報であって、
前記制御部は、前記塵芥の容積が所定値より大きい場合に、そうでない場合よりも、大きい収集駆動量を特定し、前記特定された収集駆動量に基づいて、前記エンジンおよび前記モータの駆動を制御する請求項1に記載の制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンの動力だけでなく、モータの動力で車両を走行および塵芥を圧縮するハイブリッド式の塵芥車が提案されている。一般的に、塵芥車の制御装置には、バッテリの充電状態(SOC:State Of Charge)に対する制御条件が予め設定され、その制御条件を満たすか否かに基づいてエンジンとモータの駆動が切り換えられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、バッテリの充電率が下限値よりも小さい場合にエンジンを始動する電動作業車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-20639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、制御条件に基づいて駆動を制御すると、エンジンとモータを効率的に駆動できないおそれがある。例えば、回生充電中にバッテリの充電状態が上限値に達すると、制御装置は、その回生充電を停止して、その後の回生エネルギーを破棄する場合がある。
【0006】
本開示は、エンジンとモータを効率的に駆動させる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る制御装置は、塵芥車が塵芥を収集する経路を示す経路情報、および前記塵芥車が収集する塵芥量を示す塵芥量情報を取得する取得部と、前記経路情報および前記塵芥量情報に基づいて、前記塵芥車に搭載されたエンジンおよびモータの駆動を制御する制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、エンジンとモータを効率的に駆動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る制御装置を備えた塵芥車の構成を示す図である。
図2図2は、一実施形態の動作を示すフローチャートである。
図3図3は、塵芥車が塵芥を収集する経路を示す図である。
図4図4は、バッテリの充電量の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1に、本開示の実施形態に係る制御装置を備えた塵芥車の構成を示す。この塵芥車は、ハイブリッド式であり、エンジン1と、クラッチ2と、モータ3と、トランスミッション4と、インバータ5と、バッテリ6と、動力取出部7と、塵芥収集部8と、制御装置9とを有する。
【0012】
エンジン1は、燃料を燃焼して車両を走行するための駆動力を発生させるもので、その駆動力をトランスミッション4に接続された出力軸に出力する。エンジン1は、例えば、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程の4つの行程を繰り返す、いわゆる4ストローク機関から構成される。エンジン1としては、例えば、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。
【0013】
クラッチ2は、エンジン1の出力軸とトランスミッション4の入力軸との間に配置され、出力軸と入力軸の断切を切り換える。
【0014】
モータ3は、トランスミッション4を介してプロペラシャフトなどに接続され、バッテリ6からインバータ5を介して供給される電力により回転して、その駆動力をプロペラシャフトに出力する。また、モータ3は、車両の減速に応じて回生発電して、その電力をインバータ5を介してバッテリ6に供給する。モータ3は、例えば、モータジェネレータから構成されてもよい。
【0015】
トランスミッション4は、エンジン1の出力軸から出力された回転速度を変速してプロペラシャフトなどに出力する。これにより、エンジン1の駆動力が車輪に伝達されることになる。
【0016】
インバータ5は、モータ3とバッテリ6にそれぞれ電気的に接続され、バッテリ6から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ3に供給する。また、インバータ5は、モータ3で回生発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ6に供給する。
【0017】
バッテリ6は、インバータ5を介してモータ3に接続され、蓄電した電力をモータ3に供給する。また、バッテリ6は、モータ3で回生発電された電力を充電する。バッテリ6は、例えば、リチウムイオンバッテリまたはニッケル水素バッテリなどから構成されてもよい。
【0018】
動力取出部7は、トランスミッション4に接続され、エンジン1またはモータ3の駆動力をトランスミッション4から取り出して塵芥収集部8に伝達する。動力取出部7は、例えば、PTO(Power Take Off)などから構成されてもよい。
【0019】
塵芥収集部8は、収容部10と、収集板11と、油圧ポンプ12と、コントロールバルブ13とを有する。
【0020】
収容部10は、塵芥Gを収容するもので、内部に収容室が形成されている。
【0021】
収集板11は、収容部10において塵芥Gが投入される投入口近傍に回動可能に配置され、塵芥Gを圧縮して収容部10内に押し込むように形成されている。
【0022】
油圧ポンプ12は、動力取出部7とコントロールバルブ13との間に接続され、動力取出部7から取り出された動力により駆動して、コントロールバルブ13に作動油を供給する。
【0023】
コントロールバルブ13は、油圧回路から構成され、油圧ポンプ12から供給される作動油により作動して収集板11を回動させる。
【0024】
制御装置9は、エンジン1とモータ3の駆動を制御するもので、取得部14と、制御部15とを有する。
【0025】
取得部14は、塵芥Gを収集する経路情報と、収集先の塵芥量情報とを取得する。ここで、経路情報は、塵芥Gの収集において塵芥車が走行を予定する経路の情報(収集場所を巡る経路の情報)であり、例えば、交通情報(例えば渋滞情報、工事情報、事故情報)、道路情報(例えば信号機の位置情報、登り坂情報、降り坂情報)、または地図情報(例えば標高情報)などを含んでもよい。また、塵芥量情報は、収集場所において塵芥車が収集する塵芥の量を示す情報である。塵芥量情報は、例えば、収集量情報(例えば過去の収集量情報、収集場所に置かれた塵芥量情報)、収集場所の画像情報(例えば収集場所に設置されたカメラの画像情報)などを含んでもよい。取得部14は、例えば、経路情報および塵芥量情報を収集する外部機関(例えばクラウドなど)から無線により経路情報および塵芥量情報を取得してもよい。また、取得部14は、塵芥車に搭載されたセンサ(例えばカメラ)または情報機器(例えばナビゲーションシステム)などから経路情報および塵芥量情報を取得してもよい。
【0026】
制御部15は、経路情報および塵芥量情報に基づいて、塵芥車が収集経路の走行に要する走行駆動量と、収集経路の走行においてモータ3で生じる回生発電量と、収集場所における塵芥Gの収集に要する収集駆動量とを算出する。収集駆動量は、塵芥車が塵芥Gを処理するために必要とされるエネルギー量を示す。収集駆動量は、塵芥Gを処理するために用いられる油圧ポンプ12の力を発生するために、トランスミッションで生み出す必要のある力である。塵芥Gの量が多いほど、収集駆動量は多く必要とされる。また、塵芥Gの種類によっても収集駆動量は変動する。走行駆動量および収集駆動量は、エネルギー消費量、燃料消費量、または電力消費量などで示してもよい。また、回生発電量は、電力量で示してもよい。
【0027】
制御部15は、例えばエンジン1およびインバータ5に電気的に接続されており、走行駆動量、回生発電量および収集駆動量に応じて推移するバッテリ6の充電量に基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。ここで、バッテリ6の充電量は、例えば、充電状態(SOC:State Of Charge)などを示してもよい。
【0028】
なお、制御装置9は、1つ以上のプロセッサで構成されてもよい。また、制御装置9の機能は、コンピュータプログラムを1つ以上のプロセッサにより実現させることもできる。例えば、コンピュータの読取装置が、制御装置9の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。そして、CPU(Central Processing Unit)が、記憶装置に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、制御装置9の機能を実現することができる。
【0029】
次に、本実施形態の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、図1に示すように、制御装置9の取得部14が、ステップS1で、経路情報と塵芥量情報とを取得する。取得部14は、例えば、塵芥Gの収集前に経路情報および塵芥量情報を取得してもよいし、塵芥Gの収集開始後に経路情報および塵芥量情報を取得してもよい。取得部14は、経路情報および塵芥量情報を取得すると、その情報を制御部15に出力する。
【0031】
制御部15は、経路情報および塵芥量情報を入力すると、その経路情報および塵芥量情報に基づいて、塵芥車に搭載されたエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。例えば、制御部15は、ステップS2で、経路情報および塵芥量情報に基づいて、走行駆動量と、回生発電量と、収集駆動量とを算出する。このとき、制御部15は、走行駆動量、回生発電量、および収集駆動量の収集位置に応じた変化(収集経路および収集場所に応じた変化)を算出してもよい。例えば、制御部15は、塵芥量情報に基づいて、経路情報に含まれる各収集場所で想定される塵芥Gの量を取得し、収集経路における塵芥車16の総車重を特定してもよい。この場合、制御部15は、特定された総車重および経路情報に基づいて、塵芥車16の走行駆動量と、回生駆動量とを特定する。これにより、同じ経路であっても、塵芥Gの収集により変化する走行駆動量、回生駆動量をより高精度に特定することが可能となる。また、制御部15は、塵芥量情報に示された各収集場所における塵芥Gの重さに応じて、各収集場所で想定される収集駆動量を特定する。制御部15は、塵芥Gの重さが閾値Hthよりも高い場合にそうでない場合よりも高い収集駆動量が必要とされると推定する。塵芥Gの重さに対して、上述の閾値Hthが複数設けられ、ステップ状に、塵芥Gの重さと収集駆動量が対応付けられていてもよい。また、塵芥Gの重さの増加に応じて収集駆動量が増加する関数を用いて対応付けられていてもよい。さらに、制御部15は、塵芥Gの種類によって、収集駆動量が異なるとしてもよい。例えば、塵芥Gに含まれる固いオブジェクトの割合が所定の割合より多い場合に、そうでない場合よりも、高い収集駆動量が必要とされるとしてもよい。また、塵芥Gとして収集される対象が、“紙ごみ”や“木片”などの種類に応じで収集駆動量を関連付けてもよい。さらに、制御部15は、塵芥Gの重さや種類ではなく、塵芥Gの容積に基づいて、収集駆動量を特定してもよい。このとき、制御部15は、塵芥Gの容積が閾値Vthよりも高い場合にそうでない場合よりも高い収集駆動量が必要とされると推定する。制御部15は、上述した塵芥の重さ、容積、および種類などのパラメータのうち、複数のパラメータを複合的に用いて、収集駆動量を特定することが可能である。
【0032】
また、制御部15は、図3に示すように、塵芥車16の収集経路Rのうち、塵芥Gの収集場所P1までの経路R1が平坦な場合、経路情報に基づいて、経路R1における走行駆動量の変化(例えば収集位置に応じた変化、経時的な変化)を算出してもよい。また、制御部15は、収集場所P1と収集場所P2の塵芥量情報に基づいて、収集場所P1における収集駆動量の変化(例えば収集量に応じた変化、経時的な変化)と収集場所P2における収集駆動量の変化をそれぞれ算出してもよい。また、制御部15は、収集場所P1から収集場所P2までの経路R2が降り坂の場合、経路情報に基づいて、経路R2における回生発電量の変化(例えば収集位置に応じた変化、経時的な変化)を算出してもよい。また、制御部15は、収集された塵芥Gの総量が増加するに応じて、塵芥車16の走行に係る走行駆動量が増加するように、走行駆動量を算出することもできる。
【0033】
続いて、制御部15は、ステップS3で、走行駆動量、回生発電量、および収集駆動量に応じて推移するバッテリ6の充電量に基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動配分を制御する。すなわち、制御部15は、推移するバッテリ6の充電量に基づいて、バッテリ6からモータ3に供給される電力量が最大化するようにエンジン1およびモータ3の駆動配分を制御してもよい。
【0034】
例えば、制御部15は、図4に示すように、走行駆動量、回生発電量、および収集駆動量に基づいて、バッテリ6の充電状態の収集位置および収集量に応じた推移を算出してもよい。ここで、制御部15には、バッテリ6の充電範囲、すなわち上限値L1と下限値L2が予め設定されているものとする。制御部15は、バッテリ6の充電状態が所定の上限値L1または所定の下限値L2に達するタイミングに基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動配分を制御してもよい。
【0035】
例えば、エンジン1およびモータ3を特定の駆動配分D1で制御すると、降り坂の経路R2の途中に位置するタイミングT1でバッテリ6の充電状態が上限値L1に達する場合を考える。この場合、制御部15は、タイミングT1以降のモータ3による回生発電を停止するため、上限値L1の上側に示す面積に応じた回生エネルギーE1が破棄されることになる。そこで、制御部15は、経路R2より手前の収集場所P1または経路R1などにおいて、駆動配分D1と比較して、モータ3の駆動量を高めるように駆動配分を算出してもよい。すなわち、制御部15は、上限値L1に達するタイミングT1が駆動配分D1より遅くなる(経路R2と収集場所P2との境界点T3に近づく)ように駆動配分を算出してもよい。このとき、制御部15は、経路R2と収集場所P2との境界点T3近傍で、バッテリ6の充電状態が上限値L1に最も近づくようにエンジン1およびモータ3の駆動配分D3を算出してもよい。すなわち、制御部15は、バッテリ6の充電状態が上限値L1に達するように駆動配分を算出しなくてもよい。
【0036】
また、エンジン1およびモータ3を特定の駆動配分D2で制御すると、収集場所P1で塵芥Gを収集する途中のタイミングT2で所定の下限値L2に達する場合を考える。この場合、制御部15は、タイミングT2以降においてモータ3からエンジン1に切り換えて塵芥Gを収集するため、下限値L2の下側に示す面積に応じたエンジン1の駆動エネルギーE2分の燃料が消費されることになる。そこで、制御部15は、収集場所P1より手前の経路R1などにおいて、駆動配分D2と比較して、モータ3の駆動量を低めるまたはモータ3の回生発電量を高めるように駆動配分を算出してもよい。すなわち、制御部15は、下限値L2に達するタイミングT2が駆動配分D2より遅くなる(収集場所P1と経路R2との境界点T4に近づく)ように駆動配分を算出してもよい。このとき、制御部15は、収集場所P1と経路R2との境界点T4近傍で、バッテリ6の充電状態が下限値L2に最も近づくように駆動配分D3を算出してもよい。
【0037】
また、制御部15は、バッテリ6の充電量が所定の上限値L1または所定の下限値L2に達する時間の長さに基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動配分を制御してもよい。例えば、バッテリ6の充電状態が経路R2のタイミングT1で上限値L1に達する場合、制御部15は、経路R2より手前の収集場所P1または経路R1などにおいて、駆動配分D1よりモータ3の駆動量を高めるように駆動配分を算出してもよい。すなわち、制御部15は、上限値L1に達する時間の長さが駆動配分D1より短くなるように駆動配分を算出してもよい。例えば、制御部15は、バッテリ6の充電状態が上限値L1に達する時間の長さが最小化するように駆動配分D3を算出してもよい。また、バッテリ6の充電状態が収集場所P1のタイミングT2で下限値L2に達する場合、制御部15は、収集場所P1より手前の経路R1などにおいて、駆動配分D2よりモータ3の駆動量を低めるまたはモータ3の回生発電量を高めるように駆動配分を算出してもよい。すなわち、制御部15は、下限値L2に達する時間の長さが駆動配分D2より短くなるように駆動配分を算出してもよい。例えば、制御部15は、バッテリ6の充電状態が下限値L2に達する時間の長さが最小化するように駆動配分D3を算出してもよい。
【0038】
このようにして、制御部15は、収集場所P1およびP2と経路R1およびR2との境界点T3およびT4近傍で、バッテリ6の充電状態が上限値L1または下限値L2に最も近づき且つ上限値L1または下限値L2に達する時間の長さが最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動配分D3を算出しうる。
【0039】
制御部15は、エンジン1およびモータ3の駆動配分を算出すると、その駆動配分に従ってエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。なお、制御部15は、塵芥Gの収集前(出発前)に駆動配分を算出し、その駆動配分に基づいて、塵芥Gを収集する塵芥車16の駆動を制御してもよい。また、制御部15は、塵芥Gの収集開始後(走行中)に駆動配分を算出し、その駆動配分に基づいて、以降の収集における塵芥車16の駆動を制御してもよい。また、制御部15は、塵芥Gの収集前に算出された駆動配分を、収集開始後に取得される経路情報および塵芥量情報に基づいて順次更新してもよい。これにより、制御部15は、更新された駆動配分に基づいて塵芥車16の駆動を制御してもよい。
【0040】
このように、制御部15は、経路情報および塵芥量情報に基づいて、塵芥車16に搭載されたエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。これにより、制御装置9は、エンジン1とモータ3を効率的に駆動させることができる。
また、制御部15は、経路情報および塵芥量情報に基づいて走行駆動量、回生発電量、および収集駆動量を算出し、その走行駆動量、回生発電量、および収集駆動量に応じて推移するバッテリ6の充電量に基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。これにより、制御装置9は、エンジン1とモータ3をより効率的に駆動させることができる。
【0041】
また、制御部15は、バッテリ6からモータ3に供給される電力量が最大化するようにエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。これにより、制御装置9は、エンジン1とモータ3をより効率的に駆動させることができる。
【0042】
また、制御部15は、バッテリ6の充電量が所定の上限値L1または所定の下限値L2に達するタイミングT1またはT2に基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。これにより、制御装置9は、エンジン1とモータ3をより効率的に駆動させることができる。
【0043】
また、制御部15は、バッテリ6の充電量が所定の上限値L1または所定の下限値L2に達する時間の長さに基づいて、エンジン1の燃料消費量を最小化するようにエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。これにより、制御装置9は、エンジン1とモータ3をより効率的に駆動させることができる。
【0044】
本実施形態によれば、取得部14が、塵芥車16が塵芥Gを収集する経路を示す経路情報、および塵芥車16が収集する塵芥量を示す塵芥量情報を取得する。続いて、制御部15が、経路情報および塵芥量情報に基づいて、塵芥車16に搭載されたエンジン1およびモータ3の駆動を制御する。これにより、制御装置9は、エンジン1とモータ3を効率的に駆動させることができる。
【0045】
その他、上記の実施形態は、何れも本発明の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、上記の実施形態で説明した各部の形状や個数などについての開示はあくまで例示であり、適宜変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本開示に係る制御装置は、塵芥車においてエンジンとモータの駆動を制御する装置に利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 エンジン
2 クラッチ
3 モータ
4 トランスミッション
5 インバータ
6 バッテリ
7 動力取出部
8 塵芥収集部
9 制御装置
10 収容部
11 収集板
12 油圧ポンプ
13 コントロールバルブ
14 取得部
15 制御部
16 塵芥車
D1~D3 駆動配分
E1 回生エネルギー
E2 駆動エネルギー
G 塵芥
L1 上限値
L2 下限値
P1,P2 収集場所
R,R1,R2 経路
T1,T2 タイミング
T3,T4 境界点
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
塵芥車が塵芥を収集する経路を示す経路情報、および前記経路に沿って前記塵芥車が各収集場所で収集するそれぞれの塵芥量を示す塵芥量情報を取得する取得部と、
前記経路情報および前記塵芥量情報に基づいて、各収集場所での塵芥の収集に必要な充電量を確保するように前記塵芥車に搭載されたエンジンおよびモータの駆動を制御する制御部と、を備える制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示に係る制御装置は、塵芥車が塵芥を収集する経路を示す経路情報、および前記経路に沿って前記塵芥車が各収集場所で収集するそれぞれの塵芥量を示す塵芥量情報を取得する取得部と、前記経路情報および前記塵芥量情報に基づいて、各収集場所での塵芥の収集に必要な充電量を確保するように前記塵芥車に搭載されたエンジンおよびモータの駆動を制御する制御部と、を備えるものである。