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特開2025-38536ピアサポーターマッチング支援システム
<図1>
  • 特開-ピアサポーターマッチング支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038536
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】ピアサポーターマッチング支援システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20250312BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145207
(22)【出願日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】307010166
【氏名又は名称】第一三共株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩行
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】患者の求めるピアサポーターとのより精度良いマッチングを支援する技術の提供。
【解決手段】コンピュータを、患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付ける入力受付手段であって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、入力受付手段と、前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出する算出手段と、前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する表示制御手段と、として機能させるプログラム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付ける入力受付手段であって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、入力受付手段と、
前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出する算出手段と、
前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する表示制御手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記患者は、がん、白血病、肉腫、骨髄腫、脳卒中、心筋梗塞、高血圧性疾患、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全及びうつ病、統合失調症及び認知症の少なくともいずれかを含む慢性疾患を罹患している者であり、
前記ピアサポーターは、前記患者が罹患している慢性疾患の罹患経験を有する者である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記患者は、がん患者であり、
前記ピアサポーターは、がん生存者ピアサポーターである、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記類似度に応じてピアサポーターを当該ピアサポーターのプロフィールとともに表示させ、前記プロフィールには、前記患者と一致する項目を識別可能に表示させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記重要度の高い項目を識別可能に、前記プロフィールを表示させる、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、患者との類似度が高い順にピアサポーターをランキング表示させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記類似性計算は、前記重要度に基づいて前記ユーザ情報に対する重み付け処理を実施することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
患者及び/又はピアサポーターによるピアサポーター面談に対する評価を登録する評価登録手段と、
前記評価の内容を、前記面談の参加者に連携させる評価連携手段と、
としてさらに機能させ、
前記評価登録手段は、患者及び/又はピアサポーターによる自由記述形式入力及び/又は選択形式入力に基づいて評価を登録する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付ける入力受付部であって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、入力受付部と、
前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出する算出部と、
前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付けるステップであって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、ステップと、
前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出するステップと、
前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御するステップと、
を実行させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピアサポーターマッチング支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
がんをはじめとする疾患の患者は、疾患種、がんのステージ、身を置いた環境などに起因して、症状、治療に対する苦しさ、将来に対する不安、治療費、美容面での悩みなど、多種多様な悩みを抱えている。これらの悩みには特殊性があり心理的な孤立感を生じさせるため、患者は近しい境遇の経験を有するピアサポーターと呼ばれる人々とつながることにより、心理的な負担を軽減することができる。
【0003】
特許文献1には、複数のユーザ間のマッチングのための技術であって、複数のユーザからの入力データを分析して、ユーザ及びライフイベントごとに、各ユーザが経験した、現在経験している、又は将来経験する可能性があるライフイベントを判定して、複数のユーザ間のマッチングを実施するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国公開特許2020-0351234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のマッチングのための技術は、ユーザがマッチング相手に求める内容が反映されないため、患者が自身の悩みに対して適切に回答できる相談相手を簡単に見つけ出すことは難しい。
【0006】
そこで本発明は、患者の求めるピアサポーターとのより精度良いマッチングを支援する技術の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付ける入力受付手段であって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、入力受付手段と、前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出する算出手段と、前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する表示制御手段と、として機能させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付ける入力受付部であって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、入力受付部と、前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出する算出部と、前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する表示制御部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付けるステップであって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、ステップと、前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出するステップと、前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、患者の求めるピアサポーターとのより精度良いマッチングを支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報処理システムの構成を例示するためのブロック図である。
図2】情報処理システムの動作を例示するためのフローチャート図である。
図3】患者用端末の表示画面を例示するための図である。
図4】患者用端末の表示画面を例示するための図である。
図5】患者用端末の表示画面を例示するための図である。
図6】患者により入力されるユーザ情報を例示するための図である。
図7】ピアサポーターに関するピアサポーター情報を例示するための図である。
図8】サーバ装置2のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態(以下では、本実施形態という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
[情報処理システムの構成]
図1は、本発明に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、患者用端末装置3a、ピアサポーター用端末装置3b、サーバ装置2及び通信ネットワーク5を含む。以下、患者用端末装置3a及びピアサポーター用端末装置3bを特に区別しないときは、これらをまとめて「ユーザ端末装置3」と称する。ユーザ端末装置3及びサーバ装置2は、通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に構成されている。
【0014】
通信ネットワーク5は有線又は無線ネットワークであり、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組合せであってよい。ユーザ端末装置3とサーバ装置2は、同じ施設内にあってもよいし、遠隔地に設けられていてもよい。
【0015】
サーバ装置2は、ユーザ端末装置3をクライアント装置とするサーバ装置であり、典型的にはウェブサーバ装置である。サーバ装置2は、制御部10、記憶部11、通信インタフェース部12及びバス13を含む。制御部10、記憶部11及び通信インタフェース部12は、バス13を介して互いに電気的に接続されている。サーバ装置2は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワーク5上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。サーバ装置2は、制御部10が、記憶部11に記憶されている各種プログラムを実行することにより、本実施形態に記載される各種機能を実現する。
【0016】
ユーザ端末装置3は、ユーザが使用する装置である。ユーザは、例えば、患者及びピアサポーターである。以下、患者及びピアサポーターを特に区別しないときは、これらをまとめて「ユーザ」と称する。ユーザ端末装置3は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット端末及びパーソナルコンピュータなどの電子機器である。本実施形態では、ユーザ端末装置3はスマートフォンであるとして説明する。ユーザは、ユーザ端末装置3が備えるタッチパネルディスプレイに触れることによって、ユーザ端末装置3を操作することができる。ユーザ端末装置3は、ウェブブラウザ又はアプリケーションソフトウェアなどを機能させることができる。
【0017】
ユーザ端末装置3の記憶部には、ピアサポートアプリケーション(以下、「ピアサポートアプリ」という。)AP1が記憶されていてもよい。ピアサポートアプリは、患者がピアサポーターを検索して各種の情報を閲覧し、マッチングするためのアプリケーション・プログラムである。ピアサポートアプリAP1は、ユーザ端末装置3にインストールする構成であってもよいが、サーバ装置2から通信ネットワーク5を介してピアサポートアプリAP1の一部または全部の機能が提供される構成(いわゆるSaaS(Software as a Service)など)であってもよい。
【0018】
図1に示される本発明の一態様に係るプログラムをサーバ装置2の制御部10が実行することにより実現される各種機能について、以下に説明する。サーバ装置2は、本発明の一態様に係るプログラムを制御部10が実行することにより、入力受付手段、算出手段、表示制御手段、評価登録手段及び評価連携手段として機能する。
【0019】
(入力受付手段)
入力受付手段は、患者により入力される当該患者に関するユーザ情報及び重視事項に関する重要度の入力を受け付ける機能を有する。
【0020】
入力されるユーザ情報は、例えば図6に示されるように、当該患者の疾患背景情報、治療背景情報又は属性情報の1つ以上を含む。疾患背景情報は、患者の疾患の背景に関する情報であり、例えば、疾患種、がんタイプ、がんステージ、診断時の状況、身体の状況及び精神の状況などの項目を含む。治療背景情報は、患者の治療の背景に関する情報であり、例えば、現病歴、既往歴、家族歴、治療歴、治療スケジュール及び治療価値観などの項目を含む。属性情報は、患者の属性を示す情報であり、例えば、年齢、就労状況、職業、家族構成、予算、本人の性格、生活習慣、生活地域、ライフイベント(子供の卒業式など)及び生活の関心や悩み(治療面、金銭面、生活面及び就労面など)、相談希望内容、相談可能内容、避けたい話題などの項目を含む。
【0021】
本実施形態において「患者」とは、所定の疾患を罹患している者であり、当該疾患と診断された者と、治療が必要な段階にある者と、状態を経過観察している段階にある者とのいずれをも含む。患者は、例えば、がん、白血病、肉腫、骨髄腫、脳卒中、心筋梗塞、高血圧性疾患、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全及び精神疾患(うつ病、統合失調症及び認知症を含む)などの慢性疾患を罹患している者であってよい。本実施形態では、患者が、がん患者であるとして説明する場合があるが、本実施形態の適用範囲はこれに限定されない。また、本実施形態において、「がん」という場合、典型的には乳がんであるとして説明するが、本実施形態の適用範囲はこれに限定されるものではなく、例えば、肺がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん、肝臓がん、食道がん、子宮頸がんなどの他の種類のがんであってもよい。
【0022】
本実施形態において、「ピアサポーター」とは、患者について上述したような所定の疾患を罹患した経験を有する者であり、疾患を克服した者と、治療が成功して完全寛解した段階にある者と、治療により疾患の状態が一時的に収束している段階にある者とのいずれをも含む。ピアポーターは、患者と疾患に関する同一又は類似の経験や状況を有しており、患者を支援する者であることが好ましい。本実施形態において、罹患した経験を有する疾患ががんであるピアサポーターを、がん生存者ピアサポーターと称する。
【0023】
本実施形態において、「現病歴」とは、現在罹患している疾患に関する記録であり、現在罹患している疾患の発生経緯、発生時期、症状の推移などの経過を含む。本実施形態において、「既往歴」とは、過去に罹患した疾患に関する記録であり、過去に罹患した疾患の発生経緯、発生時期、症状の推移などの経過を含む。本実施形態において、「家族歴」とは、ユーザの近親者の現病歴及び既往歴である。本実施形態において、「治療歴」とは、外科的治療、化学療法、ホルモン療法、放射線治療などの、現在行っている治療及び過去に行っていた治療に関する記録である。また、本実施形態において、「治療歴」とは、乳房再建、運動療法、食事療法、カウンセリングなどの、補助治療に関する記録を含む。本実施形態において、「治療スケジュール」とは、受診、入退院、手術、検査、薬物治療などの、治療に関する行動のスケジュールである。本実施形態において、「遺伝情報」とは、個人の生物学的特性を示す情報であり、血液型、遺伝学的検査データなどを含む。本実施形態において、「治療価値観」とは、当該ユーザが治療に対して有する価値観であり、早く治したい、化学療法は避けたい、自然療法が好ましい、費用はなるべく抑えたい、痛みを最小限にしたい、最新の治療法を使用したいなどが含まれる。
【0024】
ユーザ情報の入力は、チャットボット形式で入力してもよいし、音声入力形式で入力してもよいし、テキストボックスへの自由記述形式で入力してもよいし、チェックボックスの選択形式で入力してもよい。テキストボックスへの自由記述形式による入力である場合は、キーワードを抽出し、ユーザ情報の入力として受け付けるようにしてもよい。チェックボックスの選択形式による入力である場合は、ユーザ情報の各項目について、トピックス及び当該トピックスに紐づいてより詳細化したサブトピックスのチェックボックスを設けておき、ユーザによりチェックボックスにチェックが入ることにより、ユーザ情報の入力として受け付けるようにしてもよい。
【0025】
入力受付手段は、上述の各種のユーザ情報に対する、当該患者の考える重要度の入力を受け付ける。重要度とは、当該患者が重視する事項に関する情報であり、例えば、重要度として、ユーザ情報の入力に際して重視したいキーワードの入力を受け付けるようにしてもよい。提示された各項目や各キーワードに対して、ユーザが付与したスコアを重要度として受け付けるようにしてもよい。また、重要度として、ユーザ情報の種別単位でユーザが重視するものの選択を受け付けるようにしてもよいし、ユーザが重視する項目の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0026】
重要度の入力は、項目ごとのトピックスと、当該トピックスの内容をより詳細化したサブトピックスとに対応するチェックボックスを設けておき、サブトピックスに対応するチェックボックスに入力された選択の数が所定数以上の項目を当該ユーザが重視する項目と判定し、重要度の入力として受け付けてもよい。
【0027】
入力受付手段は、患者によるユーザ情報及び重要度の入力を受け付ける際に、当該患者が避けたい話題の入力を合わせて受け付けるようにしてもよい。これにより、患者が意図せずして心理的負担を増強し得る情報に接する事態の発生を低減することができる。避けたい話題の入力は、ユーザ情報や重要度の入力と同様に受け付けしてよい。
【0028】
入力受付手段は、患者により入力されるユーザ情報を、スコア化して受け付けしてもよい。例えば、精神の状況についての入力内容を、1:安定、2:意欲減退、3:不安定、4:落ち込み、5:イライラなどに分類し、スコア化してもよいし、予め分類しスコアを付与した選択肢からユーザに選択させることによりユーザ情報をスコア化してもよい。
【0029】
入力されるユーザ情報は、電子カルテなどの医療データと自動連携可能にしてもよい。
【0030】
(算出手段)
算出手段は、患者により入力されるユーザ情報と重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、患者及びピアサポーター間の類似性計算を実施し、患者及びピアサポーター間の類似度を算出する機能を有する。算出手段により実施される類似度の算出は、典型的には、患者とピアサポーター間の類似度の算出であるが、患者同士の類似度の算出や、ピアサポーター同士の類似度の算出であってもよい。
【0031】
算出手段は、患者により入力される重要度に基づいて、ユーザ情報に対する重み付け処理を行って類似性計算を実施してもよい。類似性計算は、例えば、患者が重要度を入力したユーザ情報の各項目に対応するスコアを基準として、当該項目について所定の範囲内のスコアを有するピアサポーターを検索し抽出することにより実施してもよい。
【0032】
重み付け処理としては、例えば、ユーザにより入力された相談内容の各項目の基本スコアを1として、当該項目に付与された重要度スコアを重み係数として乗算することを行ってもよい。例えば、患者により入力された相談内容として、治療年数(重要度スコア:8)、金銭面(重要度スコア:6)及び精神面(重要度スコア:3)の項目がある場合に、治療年数の基本スコア1に治療年数の重要度スコア8を乗算した数値8を治療年数のスコアとし、金銭面の基本スコア1に金銭面の重要度スコア6を乗算した数値6を金銭面のスコアとし、精神面の基本スコア1に精神面の重要度スコア3を乗算した数値3を精神面のスコアとする。
【0033】
また、重み付け処理は、当該項目に付与された重要度スコア/合計重要度スコアを重み係数として乗算することを行ってもよい。例えば、患者により入力された相談内容として、治療年数(重要度スコア:8)、金銭面(重要度スコア:6)、及び精神面(重要度スコア:3)の項目がある場合に、治療年数の項目の基本スコア1に治療年数の重要度スコア/合計重要度スコア(8/17)を乗算した数値を治療年数のスコアとし、金銭面の項目の基本スコア1に金銭面の重要度スコア/合計重要度スコア(6/17)を乗算した数値を金銭面のスコアとし、精神面の項目の基本スコア1に精神面の重要度スコア/合計重要度スコア(3/17)を乗算した数値を精神面のスコアとする。
【0034】
重み付け処理の実施を含む類似性計算は、一致する項目に対応するスコアを加算した数値の算出により、ピアサポーターの類似度スコアを算出し、類似度スコアを比較することにより行ってもよい。例えば、患者により入力された相談内容として治療年数、金銭面、精神面、社会復帰、心理的孤立感の項目があり、治療年数及び金銭面を相談可能内容に含むピアサポーターA、治療年数、社会復帰及び心理的孤立感を相談可能内容に含むピアサポーターB、社会復帰を相談可能内容に含むピアサポーターCが検索された場合の重み付け処理の実施を含む類似性計算について説明する。各ピアサポーターについて、一致する各項目に対応するスコア(ここでは、基本スコア1)をそれぞれ加算して、当該ピアサポーターの類似度スコアとする。この場合では、ピアサポーターAの一致項目である治療年数(基本スコア:1)及び金銭面(基本スコア:1)の基本スコアを加算した値をピアサポーターAの類似度スコアとし(類似度スコア:2)、ピアサポーターBの一致項目である治療年数(基本スコア:1)、社会復帰(基本スコア:1)及び心理的孤立感(基本スコア:1)の基本スコアを加算した値をピアサポーターBの類似度スコアとし(類似度スコア:3)、ピアサポーターCの一致項目である社会復帰(基本スコア:1)の基本スコアを加算した値をピアサポーターCの類似度スコアとする(類似度スコア:1)。この場合、類似度スコアの高さに応じて、類似度スコアの最も高いピアサポーターBが最も類似度が高く、類似度スコアの最も低いピアサポーターCが最も類似度が低いと判定される。
【0035】
また、例えば、がん患者により入力された相談内容として治療年数(重要度スコア:6)、金銭面(重要度スコア:1)、精神面(重要度スコア:11)及び社会復帰(重要度スコア:2)の項目があり、治療年数及び金銭面を相談可能内容に含むがん生存者ピアサポーターA、治療年数、社会復帰及び心理的孤立感を相談可能内容に含むがん生存者ピアサポーターB、精神面を相談可能内容に含むがん生存者ピアサポーターCが検索された場合の重み付け処理の実施を含む類似性計算について説明する。各がん生存者ピアサポーターについて、一致する各項目に対応するスコア(ここでは、基本スコア1に各項目の重要度スコア/合計重要度スコアを乗算した数値)を当該がん生存者ピアサポーターの類似度スコアとする。この場合では、がん生存者ピアサポーターAの一致項目である治療年数に対応するスコア([基本スコア:1]に[治療年数の重要度スコア:6]/[合計重要度スコア:20]を乗算した値)及び金銭面に対応するスコア([基本スコア:1]に[金銭面の重要度スコア:1]/[合計重要度スコア:20]を乗算した値)を加算した値をがん生存者ピアサポーターAの類似度スコアとし、がん生存者ピアサポーターBの一致項目である治療年数に対応するスコア([基本スコア:1]に[治療年数の重要度スコア:6]/[合計重要度スコア:20]を乗算した値)及び社会復帰に対応するスコア([基本スコア:1]に[社会復帰の重要度スコア:2]/[合計重要度スコア:20]を乗算した値)を加算した値をがん生存者ピアサポーターBの類似度スコアとし、がん生存者ピアサポーターCの一致項目である精神面に対応するスコア([基本スコア:1]に[精神面の重要度スコア:11]/[合計重要度スコア:20]を乗算した値)をがん生存者ピアサポーターCの類似度スコアとする。この場合では、類似度スコアの最も高いがん生存者ピアサポーターCが最も類似度が高いと判定され、類似度スコアの最も低いがん生存者サポーターAが最も類似度が低いと判定される。このようにしてがん患者が入力する重要度スコアを考慮することにより、項目の一致数に加えて、がん患者が重視する相談内容に基づいて類似度を判定することができ、がん患者個人それぞれに合うマッチングを実施することができる。
【0036】
また、重み付け処理は、複数の項目のうち、所定の項目に付与された重要度スコアを、他の項目に付与された重要度スコアとの関係に基づいて調整することを行ってもよい。例えば、当該所定の項目に付与された重要度スコアを、他の項目に付与された重要度スコアに対する順位、偏差値、差などに基づいて調整してもよい。
【0037】
(表示制御手段)
表示制御手段は、類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する機能を有する。本実施形態において、表示を制御することは、サーバ装置2からユーザ端末装置3に、本実施形態に係る各種の表示制御に必要な情報を送信することを含む。
【0038】
表示制御手段は、患者及びピアサポーター間の類似度を視認可能に表示させる。これにより、患者は自身の求めるピアサポーターを見つけ出しやすくなる。例えば、検索されたピアサポーターの一覧表示に、それぞれのピアサポーターの類似度を表示させてもよいし、類似度の高い順にピアサポーターを一覧表示させてもよいし、ピアサポーターのプロフィールに患者と一致する項目や類似度を表示させてもよい。
【0039】
本実施形態において、「類似度」という場合、患者とピアサポーターのユーザ情報が共通する程度を意味する。患者とピアサポーターのユーザ情報が共通する程度は、必ずしも類似度との表現による表示に限られるものではなく、関連度、相性、合致度、親和性、マッチ、類似スコアなどの表現を用いて表示されてもよいし、数値を用いて表示されてもよい。
【0040】
表示制御手段は、ピアサポーターの発信内容の信頼性に基づいて、ピアサポーターのランクを表示させるようにしてもよい。例えば、ピアサポーターの投稿内容や助言内容を、当該ピアサポーターの既往歴や治療歴と照合して信頼性を判定し、当該ピアサポーターの信頼性を認識できるように表示させてもよい。例えば、ピアサポーターの発信内容に基づいて、治療の推奨行為が検知された場合や既往歴と矛盾する発信内容が検知された場合に信頼性が低いと判定し、当該ピアサポーターのランクを下げて表示させてもよい。信頼性の判定のための基準となる情報は、例えば、サーバ装置2の記憶部11に記憶しておけばよい。
【0041】
表示制御手段は、後述する評価登録手段により登録されるピアサポーター面談に対する評価に基づいて、ピアサポーターのランクを表示させるようにしてもよい。例えば、ピアサポーター面談に対する評価を点数化して表示させてもよい。例えば、他の患者による当該ピアサポーターとのピアサポーター面談に対する評価の内容を視認可能に表示させてもよい。
【0042】
(評価登録手段)
評価登録手段は、患者やピアサポーターによるピアサポーター面談に対する評価を登録する機能を有する。例えば、評価登録手段は、患者やピアサポーターによる評価の入力を検知すると、当該評価の内容をサーバ装置2の記憶部11に記憶させて登録する。
【0043】
本実施形態において、「ピアサポーター面談」とは、患者とピアサポーター間で行われる面談であり、対面実施であるかオンライン実施であるかを問わない。
【0044】
本実施形態において、入力されるピアサポーター面談に対する評価は、患者やピアサポーターが面談後に感じる互いやマッチングへの印象又は感想であり、期待していた相談を行えたか、算出された類似度と実際に感じた類似度にギャップがあったかなどを含む。
【0045】
登録される評価の入力は、チャットボット形式で入力してもよいし、音声入力形式で入力してもよいし、テキストボックスへの自由記述形式で入力してもよいし、チェックボックスの選択形式で入力してもよい。テキストボックスへの自由記述形式による入力である場合は、キーワードを抽出し、評価の入力として受け付けるようにしてもよい。
【0046】
(評価連携手段)
評価連携手段は、患者やピアサポーターによるピアサポーター面談に対する評価の内容を、当該面談の参加者である患者やピアサポーターに連携させる機能を有する。例えば、サーバ装置2の記憶部11に当該評価の内容を取得可能に記憶させておき、ユーザ端末から取得させるようにしてもよい。
【0047】
上述の各種の機能に基づいてユーザ端末装置3に表示される各種の画面について、以下に説明する。なお、患者用端末装置3aにピアサポートアプリAP1がインストールされている場合には、ピアサポートアプリAP1により各種の画面を表示させてもよい。
【0048】
(1)おすすめピアサポーター一覧画面(図3参照)
サーバ装置2の制御部10は、患者により入力されるユーザ情報と重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、患者及びピアサポーター間の類似性計算を実施し、患者及びピアサポーター間の類似度を算出し、当該類似度の算出結果に基づいて、患者及びピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する。ここで、サーバ装置2の制御部10は、当該類似度に応じてピアサポーターを当該ピアサポーターのプロフィールとともに表示させてもよい。また、当該プロフィールには、患者と一致する項目を識別可能に表示させてもよい。例えば、図3に示すおすすめピアサポーター一覧画面d10を、患者用端末装置3a上に表示させる。
【0049】
おすすめピアサポーター一覧画面d10には、例示的に、検索されたピアサポーターのプロフィールを示すピアサポーターリストd210、患者との類似度を示す類似度d211、患者と一致する項目を識別可能に表示する一致項目d212が表示されている。図3の場合では、検索されたピアサポーターA~Dが患者との類似度の高い順にランキング表示されている。また、ピアサポーターAについて見れば、「類似度No.1」との表記による類似度d211が表示されており、「メンタルサポート」や「遺伝性乳癌再発」との表記による患者と一致する項目を識別可能に表示する一致項目d212が表示されている。これにより、患者は自身とより親和性の高いピアサポーターを容易に認識することができる。
【0050】
また、おすすめピアサポーター一覧画面d10には、各ピアサポーターのプロフィール詳細を表示する画面に遷移するためのプロフィール詳細表示ボタンd100が設けられていてもよい。
【0051】
(2)ピアサポータープロフィール詳細画面(図4及び5参照)
サーバ装置2の制御部10は、患者によるプロフィール詳細表示ボタンの選択(クリックやタップなど)を検知すると、対象のピアサポーターのプロフィールを表示するピアサポータープロフィール詳細画面を、患者用端末装置3a上に表示させる。例えば、図4に示すピアサポータープロフィール詳細画面d30を表示させる。
【0052】
ピアサポータープロフィール詳細画面d30には、例示的に、対象のピアサポーターのユーザ名d410及び患者と一致する項目を識別可能に表示する一致項目d411が表示されている。一致項目が表示されることにより、患者は、自身の価値観と一致する項目を瞬時に視認することができる。また、一致項目が表示されることにより、患者は、自身にとって重要度の高い項目が一致するピアサポーターを識別することができる。図4の場合では、ピアサポーターAのプロフィール詳細画面が表示されており、「メンタルサポート」や「遺伝性乳癌再発」との表記による患者との一致項目d411が表示されている。
【0053】
ピアサポータープロフィール詳細画面d30には、図4に示されるように、当該ピアサポーターの治療の背景に関する情報に基づく治療経過d412をさらに表示するようにしてもよい。これにより、患者はピアサポーターのピアサポーター情報を把握しやすくなり、自身との相性を検討しやすくなる。図4では、例示的に、がんステージと治療期間とに基づく治療経過d412が表示されている。ピアサポーターの治療の背景に関する情報は、ピアサポーター情報としてサーバ装置2の記憶部11に記憶しておけばよい。
【0054】
ピアサポータープロフィール詳細画面d30には、図4に示されるように、当該ピアサポーターによるコメントや趣味に関する表示d414をさらに表示するようにしてもよい。これにより、患者はピアサポーターの人間性や性格を把握しやすくなり、自身との相性を検討しやすくなる。図4では、例示的に、「約1年半、乳がん・・・」とのコメントや、「オーケストラクラブ・・・」との趣味に関する表示d414が表示されている。ピアサポーターによるコメントや趣味に関する情報は、ピアサポーター情報としてサーバ装置2の記憶部11に記憶しておけばよい。
【0055】
ピアサポータープロフィール詳細画面d30には、図4に示されるように、当該ピアサポーターのピアサポーターとしての活動実績d415をさらに表示するようにしてもよい。ピアサポーターとしての活動実績は、例えば、これまでにピアサポーターとして接した患者の人数や、ピアサポーター面談に対する評価に基づくピアサポーターのランクなどが挙げられる。図4では、例示的に、「寄り添った人数」やランクが表示されている。ピアサポーターのピアサポーターとしての活動実績に関する情報は、ピアサポーター情報としてサーバ装置2の記憶部11に記憶しておけばよい。
【0056】
ピアサポータープロフィール詳細画面d30には、図5に示されるように、事前に入力された患者のユーザ情報に基づく患者の価値観d512を合わせて表示するようにしてもよい。これにより、患者は自身の価値観と照らし合わせながら対象のピアサポーターのプロフィールを閲覧することができる。図5では、患者が相談を希望する相談項目d513、患者の相談項目のそれぞれに対する不安の程度を示す不安レベルd514が表示されている。
【0057】
ピアサポータープロフィール画面d30には、対象のピアサポータープロフィール画面に遷移するリンクを保存するための保存ボタンd310、対象のピアサポーターとのマッチングを申請したり、チャットを開始したりするためのマッチボタンd311、対象のピアサポーターによる投稿を閲覧する画面に遷移するための投稿閲覧ボタンd312が設けられていてもよい。
【0058】
[情報処理システムの動作]
図2を参照して、本発明の一態様に係る情報処理システム1の動作について説明する。
【0059】
入力受付手段は、患者やピアサポーターによるユーザ情報及び重要度の入力を受け付ける(ステップS101)。
【0060】
算出手段は、入力されたユーザ情報と重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、患者及びピアサポーター間の類似性計算を実施し、患者及びピアサポーター間の類似度を算出する(ステップS102)。例えば、患者により入力されたユーザ情報に基づいて、複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報を参照することにより、ピアサポーターを検索し、患者の重要度に基づいて検索されたピアサポーターを抽出し、類似度の高いピアサポーターを選定する。ここで、複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報は図7に例示するが、例えば、サーバ装置2の記憶部11に記憶しておけばよい。
【0061】
表示制御手段は、類似度の算出結果に基づいて、患者及びピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する(ステップS103)。例えば、類似度の高い順にピアサポーターを示すおすすめピアサポーター一覧を患者用端末装置3aに表示させる。
【0062】
図8を参照して、上述してきた情報処理装置2及び端末装置3をコンピュータ70により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0063】
図8に示すように、コンピュータ70は、プロセッサ700と、記憶装置702と、入力I/F704と、データI/F706と、通信I/F708、及び表示装置710を含む。
【0064】
プロセッサ700は、記憶装置702に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ70における様々な処理を制御する。例えば、サーバ装置2及びユーザ端末装置3の制御部が備える各機能部などは、記憶装置702に記憶されたプログラムを、プロセッサ700が実行することにより実現可能である。
【0065】
記憶装置702は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。RAMは、プロセッサ700によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0066】
記憶装置702は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置702は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。この他、記憶装置702は、各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じて記憶装置702にロードされることにより、プロセッサ700から参照される。
【0067】
入力I/F704は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F704の具体例としては、カメラ、ボタン、マイク、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F704は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ70に接続されてもよい。
【0068】
データI/F706は、コンピュータ70の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F706の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F706は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F706は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ70へと接続される。
【0069】
通信I/F708は、コンピュータ70の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク5を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F708は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F708は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ70に接続される。
【0070】
表示装置710は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置710の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置710は、コンピュータ70の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置710は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ70に接続される。また、入力I/F704としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置710は、入力I/F704と一体化して構成することが可能である。
【0071】
また、上記実施形態で記載されたサーバ装置2及びユーザ端末装置3が備える構成要素は、記憶装置702に格納されたプログラムがプロセッサ700によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0072】
[実施形態の効果]
以上のように、本実施形態によれば、患者の求めるピアサポーターをより精度良くマッチングする技術を提供することができる。
【0073】
例えば、一態様において、コンピュータを、患者であるユーザから、当該ユーザに関するユーザ情報及び重視する事項に関する重要度の入力を受け付ける入力受付手段であって、前記ユーザ情報は、当該ユーザの疾患の背景に関する疾患背景情報、当該ユーザの治療の背景に関する治療背景情報、又は当該ユーザの属性を示す属性情報の少なくとも1つを含む、入力受付手段と、前記ユーザ情報と前記重要度と複数のピアサポーターに関する複数のピアサポーター情報とに基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似性計算を実施し、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度を算出する算出手段と、前記類似度の算出結果に基づいて、前記患者及び前記ピアサポーター間の類似度に応じた表示を制御する表示制御手段と、として機能させるようにしたので、患者は、自身の求めるピアサポーターを見つけ出しやすくなる。
【0074】
また、一態様において、類似度に応じてピアサポーターを当該ピアサポーターのプロフィールとともに表示させ、前記プロフィールには、前記患者と一致する項目を識別可能に表示させるようにしたので、患者は、検索されたピアサポーターの一覧の中から、さらに自身が重要と考える項目において一致するピアサポーターを容易に見つけ出すことができる。
【0075】
また、一態様において、重要度の高い項目を識別可能に、前記プロフィールを表示させるようにしたので、患者は自身の悩みについて適切な回答を期待できるユーザを容易に見つけ出すことができる。
【0076】
また、一態様において、患者との類似度が高い順にピアサポーターをランキング表示させるようにしたので、患者は自身と近しい境遇の経験を有するピアサポーターを見つけ出しやすくなる。
【0077】
また、一態様において、類似性計算は、前記重要度に基づいて前記ユーザ情報に対する重み付け処理を実施することを含むようにしたので、患者が重要と考える項目に着目したマッチングを支援することができる。
【0078】
また、一態様において、コンピュータを、患者及び/又はピアサポーターによるピアサポーター面談に対する評価を登録する評価登録手段と、前記評価の内容を、前記面談の参加者に連携させる評価連携手段と、としてさらに機能させ、前記評価登録手段は、患者及び/又はピアサポーターによる自由記述形式入力及び/又は選択形式入力に基づいて評価を登録するようにしたので、患者やピアサポーターによるマッチングに対するフィードバックを反映させることができ、マッチングの精度向上を支援することができる。
【0079】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0080】
1…情報処理システム、2…サーバ装置、3…ユーザ端末装置、3a…患者用端末装置、3b…ピアサポーター用端末装置、5…通信ネットワーク、10…制御部、11…記憶部、12…通信インタフェース部、13…バス、100…入力受付手段、101…算出手段、102…出力手段、102a…表示制御手段、103…評価登録手段、104…評価連携手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8