(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038549
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250312BHJP
G06F 3/0483 20130101ALI20250312BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20250312BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250312BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250312BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20250312BHJP
H04L 67/306 20220101ALI20250312BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 350
G06F3/0483
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 338
G06F3/12 385
G03G21/00 386
G03G21/00 390
B41J29/38 203
H04L67/02
H04L67/306
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145227
(22)【出願日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】小倉 奨
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
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2C061CQ24
2C061HH03
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2C061HK11
2H270KA59
2H270KA60
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2H270NA01
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2H270ZC06
5C062AA05
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5C062AB46
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5C062AF12
5E555AA28
5E555AA30
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5E555BA09
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5E555BB27
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5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザに個別のWebページの表示を許可していく場合に、各Webページがどの階層にあるのかを管理者が容易に把握することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】MFP10のコントローラ11は、対応付けページを介して、ブラウザ81から、所定のWebページをユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、所定のWebページとユーザとの対応付けを示す対応付け情報をメモリ12に記憶する。対応付けページは、ユーザに対応付けるWebページを受け付け可能であるとともに、複数のWebページそれぞれの属性を、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示可能なページである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースと、
通信インタフェースと、
コントローラと、
画像形成部と、を備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、
端末が備えるブラウザからの指示に応じて、前記ブラウザに、所定のWebページを表示させるためのWebページデータを送信するWebサーバとして機能することが可能であり、
前記コントローラは、
管理者情報に基づいて、画像形成装置に対する管理者を認証する認証処理と、
前記Webサーバとして前記ブラウザに提供した、管理者操作を受け付けるためのWebページのうち、対応付けページを介して、前記ブラウザから、前記Webサーバとして提供可能なWebページのうち、所定のWebページを画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、前記所定のWebページと前記ユーザとの対応付けを示す対応付け情報をメモリに記憶する対応付け情報記憶処理と、
前記ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、前記ユーザログインの操作によってログインしたユーザである、ログインユーザに対応付けられている前記Webページを、前記対応付け情報に基づいて、前記ブラウザに表示させるWebページデータを提供するデータ提供処理と、を実行することが可能な構成であり、
前記対応付けページは、
複数のWebページのうちいずれかの選択を受け付けることで、ユーザに対応付けるWebページを受け付け可能であるとともに、
複数のWebページそれぞれの属性を、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示可能なページである、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記対応付け情報記憶処理において、
前記対応付けページを介して、Webページを、ユーザが所属可能なグループに対応づける操作を、画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作として受け付け、前記所定のWebページと前記グループとの対応関係を示す前記対応付け情報をメモリに記憶しておくことが可能であり、
前記コントローラは、前記データ提供処理において、
前記ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、前記ブラウザに、前記対応付け情報で、ログインユーザが所属しているグループに対応付けられているWebページを表示するWebページデータを提供する、構成であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記Webページそれぞれの属性には、複数の画像形成機能のうち、いずれの画像形成機能に関するWebページであるかを示す属性が含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記いずれの画像形成機能に関するWebページであるかを示す前記属性には、印刷に関するWebページであることを示す属性と、スキャンに関するWebページであることを示す属性と、が含まれる、ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記Webページそれぞれの属性には、複数のセキュリティ情報を扱う機能のうち、いずれの機能に関するWebページであるかを示す属性が含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記いずれの機能に関するウェブページであるかを示す属性には、個人情報を扱う機能に関するWebページであることを示す属性と、ネットワーク設定を扱う機能に関するWebページであることを示す属性と、が含まれる、ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記対応付け情報記憶処理において、
複数の属性が対応付けられている1つのWebページについては、対応付けられている複数の属性を、1つのWebページに対応付けて前記対応付けページで表示可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記対応付けページで、表示されている属性を指定する操作を受け付けた場合に、指定を受け付けた前記属性が対応付けられているWebページだけを、ユーザに対応付け可能なWebページとして前記ブラウザに表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記コントローラは、対応付け情報記憶処理において、
前記対応付けページを介して、Webページを、画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作だけでなく、Webページに含まれる複数の設定項目を、画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、前記設定項目と前記ユーザとの対応付けを前記対応付け情報としてメモリに記憶しておくことも可能であり、
前記コントローラは、前記データ提供処理において、
前記ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、前記ブラウザに、ログインユーザに対応付けられており、かつ、ログインユーザに対応付けられている設定項目をWebページ内に含むWebページを表示させるWebページデータを提供する構成であり、
前記対応付けページは、
Webページに含まれる複数の設定項目のうち、いずれかを選択して、ユーザに対応付ける操作を受け付け可能であるとともに、複数の設定項目それぞれの属性を、複数の設定項目それぞれに対応付けて表示可能なページである、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記対応付け情報記憶処理において、
前記対応付けページで、表示されている属性を指定する操作を受け付けた場合に、指定を受け付けた前記属性が対応付けられているWebページだけを、ユーザに対応付け可能なWebとして前記ブラウザに表示させる、ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
ユーザインタフェースと、
通信インタフェースと、
コントローラと、
画像形成部と、を備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、
端末が備えるブラウザからの指示に応じて、前記ブラウザに、所定のWebページを表示させるためのWebページデータを送信するWebサーバとして機能することが可能であり、
対応付け画面を介して、前記Webサーバとして提供可能なWebページのうち、所定のWebページを画像形成装置のユーザに対応付ける操作を受け付け、前記所定のWebページと前記画像形成装置のユーザとの対応関係を示す対応付け情報をメモリに記憶する対応付け情報記憶処理と、
前記ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、前記ブラウザに、前記ユーザログインの操作によってログインしたユーザである、ログインユーザに対応付けられている前記Webページを表示させるWebページデータを提供するデータ提供処理と、を実行することが可能な構成であり、
前記対応付け画面は、
複数のWebページのうちいずれかの選択を受け付けることで、ユーザに対応付けるWebページを受け付け可能であるとともに、
複数のWebページそれぞれの属性を、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示可能であり、
前記コントローラは、
前記対応付け画面で、表示されている属性を指定する操作を受け付けた場合に、指定を受け付けた前記属性が対応付けられているWebページだけを、ユーザに対応付け可能なWebページとして表示させる、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
ユーザインタフェースと、
通信インタフェースと、
コントローラと、
画像形成部と、を備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、
管理者情報に基づいて、画像形成装置に対する管理者を認証する認証処理と、
管理者がログインした後に、対応付けページを介して、所定のWebページを画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、前記所定のWebページと前記画像形成装置のユーザとの対応関係を示す対応付け情報をメモリに記憶する対応付け情報記憶処理と、
ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、前記ユーザログインの操作によってログインしたユーザである、ログインユーザに対応付けられている前記Webページを、前記対応付け情報に基づいて、前記ブラウザに表示させるWebページデータを提供するデータ提供処理と、を実行することが可能な構成であり、
前記対応付けページは、
複数のWebページのうちいずれかの選択を受け付けることで、ユーザに対応付ける操作を受け付け可能であるとともに、
複数のWebページそれぞれの属性を、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示可能なページであり、
前記コントローラは、対応付け情報記憶処理において、
前記対応付けページを介して、Webページを、画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作だけでなく、Webページに含まれる複数の設定項目を、画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、前記設定項目と前記ユーザとの対応付けを前記対応付け情報としてメモリに記憶しておくことも可能であり、
前記コントローラは、前記データ提供処理において、
前記ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、前記ブラウザに、前記ログインユーザに対応付けられており、かつ、前記ログインユーザに対応付けられている設定項目をWebページ内に含むWebページを表示させるWebページデータを提供する構成であり、
前記対応付けページは、
Webページに含まれる複数の設定項目のうち、いずれかを選択して、ユーザに対応付けるWebページを受け付け可能であるとともに、複数の設定項目それぞれの属性を、複数の設定項目それぞれに対応付けて表示可能なページである、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理者に対してのみ許可された設定を受け付けることが可能な画像形成装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、管理者からのログインを受け付けることで、この管理者に対してのみ許可された操作である管理者操作を受け付けることが可能な画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
管理者操作により、ログインを許可したユーザに表示可能なWebページを対応づけていく場合に、各Webページが、どの階層にあるのかを管理者が把握しておくことが望ましい。また、Webページがどのような機能に付随するのかを管理者が把握していることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、管理者操作により、ユーザに個別のWebページの表示を許可していく場合に、各Webページがどの階層にあるのかを管理者が容易に把握することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本実施形態に開示された画像形成装置では、ユーザインタフェースと、通信インタフェースと、コントローラと、画像形成部と、を備える。コントローラは、端末が備えるブラウザからの指示に応じて、ブラウザに、所定のWebページを表示させるためのWebページデータを送信するWebサーバとして機能することが可能である。コントローラは、管理者情報に基づいて、画像形成装置に対する管理者を認証する認証処理と、Webサーバとしてブラウザに提供した、管理者操作を受け付けるためのWebページのうち、対応付けページを介して、ブラウザから、Webサーバとして提供可能なWebページのうち、所定のWebページを画像形成装置のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、所定のWebページとユーザとの対応付けを示す対応付け情報をメモリに記憶する対応付け情報記憶処理と、ブラウザから、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、ユーザログインの操作によってログインしたユーザである、ログインユーザに対応付けられているWebページを、対応付け情報に基づいて、ブラウザに表示させるWebページデータを提供するデータ提供処理と、を実行することが可能な構成である。対応付けページは、複数のWebページのうちいずれかの選択を受け付けることで、ユーザに対応付けるWebページを受け付け可能であるとともに、複数のWebページそれぞれの属性を、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示可能なページである。
【0007】
上記構成では、ログインユーザにWebページを対応付けるために用いられる対応付けページには、複数のWebページそれぞれの属性が、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示される。これにより、管理者が、対応付けページを操作して、各ユーザにWebページを設定していく場合に、各Webページがどの属性にあるのかを容易に把握することが可能になる。その結果、管理者の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ログインユーザにWebページを対応付ける際の管理者の操作性を向上させて、利便性を高めることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】コントローラと、ブラウザとの間で実行される処理を説明するタイミングチャートである。
【
図3】ブラウザに表示されるログイン前のホーム画面を説明する図である。
【
図4】ブラウザに表示されるログイン後のホーム画面を説明する図である。
【
図5】ログイン後に実行される処理の手順を説明するフローチャートである。
【
図6】ログイン後に実行される処理の手順を説明するフローチャートである。
【
図9】
図5のS16の処理を説明するフローチャートである。
【
図11】
図6のS22で実行される処理を説明するフローチャートである。
【
図12】管理者以外がログインした場合に表示されるホーム画面を説明する図である。
【
図13】権限グループ一覧画面を説明する図である。
【
図15】Webページとユーザとの対応付けに関する処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本実施形態に係る画像形成装置を、MFP(Multifunction peripheralの略称)を例に説明する。
図1に示すMFP10は、ネットワークに接続されており、ネットワークを通じてPC80と通信可能である。ネットワークは、LANや、インターネットである。なお、インターネットは無線接続の他、有線接続であってもよい。ネットワークは、MFP10とPC80とを繋ぐUSB配線であってもよい。
【0011】
MFP10は、コントローラ11、メモリ12、プリンタ13、FAXIF14、スキャナ15、ユーザIF16、通信IF17、USBIF18を備えている。これら各部は、バスに接続されており、互いに通信可能である。なお、「IF」は、Interfaceの略称である。
【0012】
ユーザIF16は、MFP10を直接操作するユーザと、コントローラ11との間に介在するインタフェースであり、例えば、タッチパネルや、物理キーである操作キーを有している。通信IF17は、MFP10をネットワークに接続するインタフェースである。プリンタ13は、シートやディスクなどの被記録媒体に画像を印刷する。プリンタ13の記録方式としては、インクジェット方式や、電子写真方式などを採用することができる。スキャナ15は、原稿を読取ることによりスキャンデータを生成する。また、MFP10は、スキャンデータを生成する動作と、印刷する動作と、を組み合わせるなど、複数の動作を組み合わせた複合動作を実行可能であってもよい。本実施形態では、プリンタ13やスキャナ15が画像形成部の一例である。
【0013】
USBIF18は、USB(Universal Serial Busの略称)規格に準拠した通信を行うインタフェースである。USB規格は、特に限定されないが、USB2.0規格やUSB3.0規格などを採用することができる。なお、USBIF18に接続されるデバイスは、USBメモリ等の可搬型であってもよく、USB接続が可能なHDDでもよい。例えば、USBIF18に接続されたカードリーダを介して、MFP10と通信可能なメモリカードであってもよい。
【0014】
コントローラ11は、CPUや、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略称)等により構成されている。メモリ12は、RAM、ROM、SSD、HDD等が組み合わされて構成されていてもよい。各種プログラムの実行時に用いられる、コントローラ11が備えるバッファも、メモリ12の一部とみなしてよい。なお、メモリ12は、コントローラ11が読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コントローラ11が読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
メモリ12には、コントローラ11が実行可能なプログラムとして、ファームウェアが記憶されている。本実施形態では、主に、プログラムに記述された命令に従ったコントローラ11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、コントローラ11の処理を表している。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、コントローラ11が要求することなくデータを受信するという処理も、「コントローラ11がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コントローラに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0016】
コントローラ11は、ファームウェアを実行することで、PC80に対して、所定のWebページを表示させるためのWebサーバとしても機能する。コントローラ11は、PC80に対して、Webページを表示させるためのWebページデータを送信することで、PC80の後述するブラウザ81にWebページを表示させることができる。
【0017】
次に、PC80の構成を説明する。PC80は、不図示の通信IF、メモリ、コントローラ、ディスプレイ、ユーザIFを備えている。PC80のメモリには、OSと、ブラウザ81と、が記憶されている。ブラウザ81は、ブラウザプログラムの略称である。PC80のコントローラは、ブラウザ81に従って動作することで、MFP10から送信されるWebページデータに応じたWebページをディスプレイに表示させることができる。なお、本実施形態では、コントローラ11が、Webサーバとして、PC80のブラウザ81に表示させるWebページ、及びこのWebページを表示するPC80も、ユーザIFの一例である。なお、端末は、MFP10との間で、ネットワークを介して無線通信を行うことができる装置であれば、PC80に限らず、スマートフォン等の携帯端末であってもよい。
【0018】
次に、MFP10のコントローラ11が、Webサーバとして機能することで、PC80のブラウザ81にWebページを表示させる際の処理の手順を、
図2を用いて説明する。即ち、コントローラ11は、PC80のブラウザ81に、Webページデータを提供することで、後述する
図3、
図4に示すWebページを表示させ、このWebページに対する操作により、MFP10に対する各種の指示を受け付けることが可能である。
【0019】
ユーザは、PC80を操作して、ブラウザ81に、MFP10のWebサーバを特定するためのURLを入力する。ブラウザ81は、タイミング10(以下、タイミングを、「T」とも記載する。)で、入力されたURLを含む、HTTPS通信のGETリクエストを送信する。コントローラ11は、ブラウザ81からのGETリクエストを受信すると、GETリクエストに対応するHTTPSのレスポンスを送信する。
【0020】
T11で返信されるレスポンスには、
図3に示すログイン前のホーム画面を表示させるためのWebページデータが含まれている。ブラウザ81は、Webページデータを受信すると、T12で、Webページデータを用いてログイン前のホーム画面をディスプレイに表示させる。
【0021】
図3に示すホーム画面30には、メニュー32及び内容表示部33により構成されるページ表示欄31を含んでいる。メニュー32には、MFP10の各種機能の選択操作を受け付けるタブが表示される部位である。これ以外にも、ページ表示欄31の上方に、登録サイトのURLを表示するURL表示欄を含んでいてもよい。この例では、ログイン前のホーム画面30で、ユーザが、メニュー32のタブ「Home」に属する、選択肢「Status」を選択操作した状態を示している。選択肢「Status」は、MFP10の現在の状態や、設定内容を示す機能である。なお、タブ、及び選択肢についての詳細な説明は後述する。内容表示部33には、MFP10のステータスとして、「Automatic Refresh」の有効「On」、無効「Off」を指定するオブジェクト、トナーの残容量を示すオブジェクト、Webページに表示する言語の設定を受け付けるオブジェクト等を含んでいる。本実施形態では、テキスト、ボタン、アイコン、入力欄など、Webページを構成する部品を、便宜的に、オブジェクトと総称している。また、本実施形態で例示したオブジェクトは、別の種類のオブジェクトに置き換えてもよい。
【0022】
PC80を操作するユーザが、MFP10の管理者である場合に、PC80を操作するユーザ、すなわち管理者が、ログイン操作をする場合を説明する。なお、PC80を操作するユーザが、MFP10の管理者である場合のログイン操作については、後述する。ログイン前のホーム画面30に対して、メニュー32に表示された管理者パスワード入力欄34に、管理者情報を示すパスワードを入力し、管理者ログインボタン35を操作すると、T13では、ブラウザ81は、管理者ログインボタン35が操作されたことを示す情報、及びパスワードを含むPOSTリクエストを、コントローラ11に送信する。コントローラ11は、パスワードを含むPOSTリクエストを受信すると、T14で、POSTリクエストに含まれるパスワードを用いた認証処理と、ログインユーザの権限に応じたWebページデータの表示設定とを実行する。本実施形態では、管理者パスワード入力欄34に入力されるパスワードが管理者情報の一例である。
【0023】
図5,
図6は、コントローラ11が、T14で実行する処理の手順を説明するフローチャートである。まず、コントローラ11は、S10で、ログイン処理を実行する。コントローラ11は、管理者ログインボタン35が操作されたことを示す情報がPOSTリクエストに含まれている場合、メモリ12から、登録管理者パスワードを取得する。登録管理者パスワードは、管理者のログインの認証に用いられるパスワードであり、本実施形態では、工場出荷時からメモリ12に登録されている。なお、管理者は、メモリ12に登録された登録管理者パスワードを変更することも可能である。
【0024】
コントローラ11は、S11で、POSTリクエストに含まれるパスワードと、取得した登録管理者パスワードとを比較し、パスワードの比較結果が一致すると、ログイン処理は成功したと判断し(S11:YES)、S12に進む。このとき、コントローラ11は、ログインユーザの権限が「管理者」であることを示す権限フラグを設定してもよい。本実施形態では、便宜上、管理者もログインユーザの一種として記載するが、管理者と、ユーザとが、明確に異なる人物である構成を除外するものではない。権限フラグは、ログインユーザの権限を示す情報であり、権限「管理者」は、ログインユーザが管理者であることを示している。なお、この権限フラグは、管理者がログイン中は値が保持され、管理者がログアウトした場合は、消去される。なお、S11での比較結果として、パスワードと登録管理者パスワードとが一部一致する場合に、コントローラ11は、ログインを許可してもよい。コントローラ11は、POSTリクエストに含まれるパスワードと、登録管理者パスワードとが一致しない場合、ログイン失敗を、PC80に通知するものであってもよい。本実施形態では、コントローラ11が、S10,S11で実行する処理が認証処理の一例である。
【0025】
コントローラ11は、S12で、ログインユーザの権限が、「管理者」であるか否かを判断する。コントローラ11は、例えば、ログインユーザの権限が「管理者」であることを示す権限フラグが設定されている場合に、S12を肯定判断(S12:YES)する。この例では、ログインユーザは管理者であるため(S12:YES)、コントローラ11は、S28に進み、表示可能なタブ情報、選択肢情報、及びページ内オブジェクト情報を全て含むWebページデータを生成する。この例では、
図4で示すログイン後のホーム画面40において、タブ階層に含まれる全てのタブ「Home」、「General」、「Address Book」、「Fax」、「Copy」、「Print」、「Scan」、「Administrator」、「Network」を、メモリ12に記憶されたページ要素テーブル20から取得する。また、コントローラ11は、ページ要素テーブル20から、取得されたタブ情報に従属する選択肢情報、及び選択情報に含まれるページ内オブジェクト情報を取得し、Webページデータを生成する。
【0026】
コントローラ11が提供可能なWebページデータは、タブ情報、選択肢情報、及びページ内オブジェクト情報により階層構造化されている。このうち、タブ情報は、階層構造において、最上位の階層を形成している。
図7で示すページ要素テーブル20では、項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「データ属性」、「表示属性」を含んでいる。ページ要素テーブル20において、項目「タブ情報」は、「Home」、「General」、「Address Book」、「Fax」、「Copy」、「Print」、「Scan」、「Administrator」、「Network」の各タブが対応付けられている。ページ要素テーブル20において、項目「タブ情報」の設定値は、Webページにおいて、メニュー42に表示される各値に対応する情報である。以下では、ページ要素テーブル20に登録された項目「タブ情報」と、項目「タブ情報」の設定値に対応するオブジェクトであって、Webページのメニューに表示されるオブジェクトを「タブ」と記載することで、両者を区別する。
【0027】
項目「選択肢情報」の設定値は、タブ情報に従属する情報であり、Webページのメニュー42に表示される選択肢に対応する情報である。
図7で示すページ要素テーブル20では、タブ情報「Administrator」には、選択肢情報「Login Password」、「Restriction Management」、「Reset Menu」が従属している。ここで、選択肢情報「Login Password」は、MFP10のログイン機能に関する機能を示している。選択肢情報「Restriction Management」は、MFP10が実行可能な機能の制限の設定に関する機能を示している。選択肢情報「Reset Menu」は、MFP10の各種設定のリセットに関する機能を示している。なお、
図7では図示していないが、タブ情報「Administrator」には、後述する、選択肢情報「保護領域ユーザ割り当て」、「権限グループ設定」、「保護領域設定」も従属している。
【0028】
項目「ページ内オブジェクト情報」の設定値は、選択肢情報に従属する情報であり、Webページの内容表示部に表示される各オブジェクトに対応する情報である。項目「データ属性」は、項目「選択肢情報」の設定値に従属する情報であり、データの属性を示す情報であり、ログインユーザの属性と共に用いられる。項目「表示属性」は、項目「選択肢情報」の設定値に従属する、あるいは、項目「ページ内オブジェクト情報」の設定値に従属する情報である。詳しくは後述するが、表示属性の設定値は、その設定値が従属する選択肢情報、あるいは、ページ内オブジェクト情報、が従属するタブ情報に基づくWebページの情報を、対応付けページ70に表示させるか否かの判断に用いられる。タブ情報、選択肢情報、ページ内オブジェクト情報はそれぞれ、Webページを構成するタブ、選択肢、オブジェクトに対応するため、表示情報のことを、便宜上、「Webページの属性を示す情報である」、「〇〇に関するWebページであることを示す情報である」など、Webページを対象とした情報としての記載も行う。
【0029】
項目「表示属性」には、MFP10が備える、複数の画像形成機能のうち、いずれの画像形成機能に関するWebページであることを示す属性を備えた設定値「Scan」、「Fax」、「Copy」、「印刷」を含んでいる。具体的には、設定値「Scan」が示す属性は、紐づけられた選択肢情報に対応するWebページが、MFP10のスキャン機能に関するWebページであることを示す属性である。設定値「Fax」が示す属性は、紐づけられた選択肢情報に対応するWebページが、MFP10のFAX機能に関するWebページであることを示す属性である。設定値「Copy」が示す属性は、紐づけられた選択肢情報に対応するWebページが、MFP10のコピー機能に関するWebページであることを示す属性である。設定値「印刷」が示す属性は、紐づけられた選択肢情報に対応するWebページが、MFP10の印刷機能に関するWebページであることを示す属性である。
【0030】
項目「表示属性」には、MFP10が備える、複数のセキュリティ情報を扱う機能のうち、いずれの機能に関するWebページであるかを示す属性に対応する設定値「個人情報」、「Network」を含んでいる。具体的には、設定値「個人情報」に対応する属性は、紐づけられた選択肢情報に対応するWebページが、個人情報を扱う機能に関するWebページであることを示す属性である。設定値「Network」に対応する属性は、紐づけられた選択肢情報に対応するWebページが、MFP10が備えるネットワーク設定を扱う機能に関するWebページであることを示す属性である。
【0031】
本実施形態では、ページ要素テーブル20には、項目「選択肢情報」の1つの設定値に対して、複数の項目「表示属性」の設定値を登録することもできる。例えば、項目「選択肢情報」の設定値「Scan to E-mail Server」には、項目「表示属性の設定値として、「Scan」と、「Network」の2つが登録されている。
【0032】
Webページは、上述の項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」の各設定値に基づき構成される。具体的には、Webページのメニュー42は、後述するように、項目「タブ情報」の設定値と、項目「選択肢情報」の設定値との階層構造を反映した構成となる。項目「タブ情報」と、項目「選択肢情報」の設定値は、テキストの特徴と、アイコンの特徴を持つオブジェクトであってもよい。メニュー42に表示されたタブが操作されることで、ページ要素テーブル20において、対応するタブ情報に従属する選択肢情報に対応する選択肢が表示される。メニュー42に表示された選択肢が操作されることで、ブラウザ81は、対応する選択肢情報に対応付けられたWebページデータへのリンク先(URL)を指定して、コントローラ11にWebページデータを要求する。
【0033】
項目「ページ内オブジェクト情報」の設定値は、メニューに表示された選択肢で特定されるWebページ(厳密には、内容表示部)を構成するオブジェクトに対応する情報である。
図7で示すページ要素テーブル20では、項目「選択肢情報」の設定値「Login Password」には、項目「ページ内オブジェクト情報」の設定値「Password Setting」が従属している。そのため、ユーザが、メニュー42に表示された選択肢「Login Password」を操作することで、ページ内オブジェクト情報「Password Settings」で特定されるオブジェクトを内容表示部43に表示させることが可能となる。なお、1つのページ内オブジェクト情報が示すオブジェクトは、1つに限らず、複数のオブジェクトを示す場合がある。
【0034】
本実施形態では、ログイン後のホーム画面40において、メニュー42に表示されたタブ「Home」以外のタブ、及び、タブ「Home」以外のタブに従属する選択肢を操作して、行う操作が、管理者操作の一例である。具体的には、タブ「Address Book」、「Fax」、「Copy」、「Print」、「Scan」、「Administrator」、「Network」、及び各タブに従属する選択肢を操作して行う操作が、管理者操作の一例である。
【0035】
図2に戻り、T15で、コントローラ11は、生成したWebページデータを含むレスポンスを、PC80に送信する。ブラウザ81は、T16で、レスポンスに含まれるWebページデータを解析し、
図4に示すログイン後のホーム画面40を表示させる。なお、ログイン後のホーム画面40を構成するページ表示欄41、メニュー42、及び内容表示部43は、
図3で説明した、ページ表示欄31、メニュー32、及び内容表示部33と同様の構成である。コントローラ11が、T14,T15で実行する処理が、データ提供処理の一例である。
【0036】
ログイン後のホーム画面40において、管理者が、メニュー42のタブ「Administrator」を操作すると、このタブ「Administrator」に従属する全ての選択肢を、メニュー42に表示させることができる。
【0037】
その後、管理者が、ログイン後のホーム画面40において、メニュー42に表示されるいずれかの選択肢を操作すると、ブラウザ81は、T17で、選択された選択肢に対応するWebページデータのリンク先(URL)を指定して、Webページデータを要求するGETリクエストをコントローラ11に送信する。コントローラ11は、GETリクエストを受信すると、このGETリクエストに応じて、S28での処理と同様、操作された選択肢に対応するWebページデータを生成する。例えば、メニュー42に表示されたタブ「Administrator」に従属する選択肢が選択操作された場合、コントローラ11は、ブラウザ81からの要求に応じて、FAX通信に関する設定値の登録に対応するWebページを表示させるためのWebページデータを、PC80に提供する。コントローラ11は、ブラウザ81により表示されたWebページを介した操作で指定された設定値を特定する情報を含むPOSTリクエストを受信すると、指定された設定値をメモリ12に記憶させる。本実施形態では、コントローラ11がT14,T15で実行する処理、更には、後述するブラウザ81からの要求に応じて、コントローラ11がWebページデータを提供する処理が、データ提供処理の一例である。
【0038】
次に、PC80を操作するユーザが、ログイン前のホーム画面30を操作して、アカウント名「Sub_admin」を用いてログイン処理を行う場合の処理を、
図2、
図5、
図6を用いて説明する。
【0039】
ここでは、まず、アカウント管理情報22について、
図8を用いて説明する。アカウント管理情報22は、MFP10に対するログインを許可するユーザを登録した情報であり、項目「グループ番号」、「グループ名称」、「アカウント名」、「パスワード」を含む情報である。項目「グループ番号」には、ユーザが所属可能なグループを識別する番号が設定値として登録されている。項目「グループ名称」には、ユーザが登録可能なグループの名称が設定値として登録されている。項目「アカウント名」は、MFP10に対するログインが許可されたユーザの名称が、設定値として登録されている。項目「ユーザパスワード」は、ユーザがMFP10に対してログイン処理を行う場合に使用されるユーザパスワードが設定値として登録されている。なお、ユーザパスワードは、管理者パスワードとは異なるパスワードである。このうち、項目「グループ番号」及び「グループ名称」の各設定値は、後述する権限グループ一覧画面50に対する操作により登録される設定値である。例えば、
図8に示すアカウント管理情報22では、項目「グループ名称」の設定値「権限グループ1」で特定される権限グループに対して、アカウント名「Sub_admin」のユーザが属していることを示している。
【0040】
管理者以外のユーザによるログインは、
図3に示したログイン前のホーム画面30において、アカウント名入力欄36にアカウント名を入力し、パスワード入力欄37にユーザパスワードを入力することで行う。ユーザが、ログイン前のホーム画面30において、ユーザログインボタン38を操作すると、ブラウザ81は、T13で、アカウント名入力欄36のアカウント名、パスワード入力欄37のユーザパスワード、及びユーザログインボタン38を操作したことを示す情報を含むPOSTリクエストを、MFP10に送信する。
【0041】
コントローラ11は、POSTリクエストを受信し、このPOSTリクエストからユーザログインボタン38が操作されたことを示す情報を取得すると、
図5のS10に進む。
【0042】
コントローラ11は、S11で、POSTリクエストに含まれるユーザパスワードと、アカウント管理情報22において、POSTリクエストに含まれるアカウント名、すなわち「Sub_admin」、に関連付けられたユーザパスワードを比較する。コントローラ11は、パスワードの比較結果が一致すると判断すると(S11:YES)、S12に進む。このとき、コントローラ11は、
図8に示すアカウント管理情報において、アカウント名「Sub_admin」に対応付けて登録されたグループ名称(この例では、権限グループ1)を、ログインユーザに対応する権限フラグに設定する。
【0043】
コントローラ11は、管理者のログインではないため(S12:NO)、S13に進む。コントローラ11は、例えば、ログインユーザの権限が「管理者」以外であることを示す権限フラグが設定されている場合に、S12を否定判断(S12:NO)すればよい。コントローラ11は、管理者ではないユーザがログインした場合、ログインユーザに対応付けられたWebページを提供する。詳しくは後述するが、ログインユーザが所属する権限グループに基づいて、提供するWebページに含ませるタブ、選択肢、オブジェクトを決定し、提供するWebページを示すWebページデータをブラウザ81に送信する。まず、コントローラ11は、S13で、
図10に示す、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21に登録されているタブ情報を、全て取得する。
【0044】
図10で示す、対応付けテーブル21では、
図7で説明したページ要素テーブル20と同様、項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」の各設定値が登録されている。具体的には、項目「タブ情報」は、「Home」、「General」、「Address Book」、「Fax」、「Copy」、「Print」、「Scan」、「Administrator」、「Network」の各タブが対応付けられている。また、項目「タブ情報」の各設定値に対応する項目「選択肢情報」の設定値、及び項目「ページ内オブジェクト情報」の設定値については
図7を用いて説明したページ要素テーブル20と同様である。また、対応付けテーブル21は、ページ要素テーブル20と異なり、項目「表示可否情報」に対応する設定値が登録されている。項目「表示可否情報」には、アカウント管理情報22で登録された権限グループに対する、Webページの表示の可否を示す情報(有効、無効)が、設定値として登録されている。本実施形態では、アカウント管理情報22には、2つの権限グループ「権限グループ1」、「権限グループ2」が登録されているため、対応付けテーブル21には、2つの権限グループ毎に、項目「表示可否情報」の設定値が登録されている。
【0045】
本実施形態では、ページ要素テーブル20と、対応付けテーブル21とには、項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」の設定値が同じであるため、2つのテーブルに分けず、メモリ12には、項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「データ属性」、「表示属性」、「表示可否情報」を含む1つのテーブルのみを記憶するものであってもよい。
【0046】
なお、コントローラ11は、S13で、対応付けテーブルに登録された全てのタブ情報を取得するのではなく、ログインユーザの属性に対応するタブ情報だけを取得してもよい。ログインユーザの属性には、例えば、「サブ管理者」、「特定ユーザ」があってもよい。ログインユーザの属性が、「サブ管理者」であれば、
図7で示すページ要素テーブル20で説明した、データ属性「管理者秘密データ」以外のデータ属性、すなわち、「ユーザデータ」、「特定ユーザデータ」、「管理データ」の各データ属性が、従属する選択肢情報、あるいは、ページ内オブジェクト情報のいずれかに対応付けられているタブ情報だけを取得してよい。この場合において、後述するS20において、変数nに1を足すのではなく、取得したタブ情報のうち、まだ判定が完了していないタブ情報に対応するタブ番号を選択すればよい。ログインユーザの属性が、「特定ユーザ」であれば、
図7で示すページ要素テーブル20で説明した、データ属性「ユーザデータ」、「特定ユーザデータ」のデータ属性が、従属する選択肢情報、あるいは、ページ内オブジェクト情報のいずれかに対応付けられているタブ情報だけを取得してもよい。なお、「特定ユーザ」は「アドレス帳管理者」と称してもよい。これにより、後述する「表示可否判定処理(S16)」、「項目表示可否判定処理」(S22)の対象とするタブ情報を、ログインユーザの属性に基づいて絞り込むことができる。このように、ログインユーザの属性を用いて、ログインユーザに対応づけられたWebページを提供してもよい。
【0047】
コントローラ11は、S14で、ページ要素テーブル20において、タブ情報を特定するタブ番号に対応する変数nを「1」に設定する。タブ番号は、タブ情報を特定するための番号であり、上述したページ要素テーブル20の各タブ情報に対応付けて登録されている。なお、「n」は、変数であり、本実施形態では、n「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」は、それぞれタブ情報「Home」、「General」、「Address Book」、「Fax」、「Copy」、「Print」、「Scan」、「Administrator」、「Network」の順序で対応付けられている。
【0048】
コントローラ11は、ページ要素テーブル20から、変数nで特定されるタブ情報を特定する。コントローラ11は、S16で、タブ番号で特定されるタブ情報に対応するWebページの表示・非表示を判定する表示可否判定処理を実行する。
図9は、コントローラ11が、S16で実行する処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0049】
コントローラ11は、S30で、アカウント管理情報22から、ログインユーザが所属する権限グループのグループ名称を取得する。ここでは、ログインユーザは、アカウント管理情報22に登録されたアカウント名「Sub_admin」であるため、権限グループのグループ名称は、「権限グループ1」である。
【0050】
コントローラ11は、S31で、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21から、グループ名称で特定された権限グループに紐づく表示可否情報を、取得する。
図10で示す対応付けテーブル21では、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」において、タブ情報「Home」の選択肢情報「Status」に対応する設定値は、表示を許可する「有効」が登録されている。なお、権限グループ2に対応する項目「表示可否情報」において、タブ情報「Home」の選択肢情報「Status」に対応する設定値は、表示を許可する「有効」が登録されている。即ち、グループ名称「権限グループ1」及び「権限グループ2」に属するユーザがログインする場合、選択肢情報「Status」に対応する表示が許可されることとなる。一方で、権限グループ1に対応する項目「表示可否情報」において、タブ情報「Address Book」の選択肢情報「Address」、「Import」、「Export」にさらに従属するページ内オブジェクト情報、すなわち、「Number/E-mail Address/Name」など、に対応する設定値は、いずれも表示を許可しない「無効」が登録されるが、権限グループ2に対応する項目「表示可否情報」において、タブ情報「Address Book」の選択肢情報「Address」、「Import」、「Export」にさらに従属するページ内オブジェクト情報に対応する設定値は、表示を許可する「有効」が登録されている。即ち、タブ情報「Address Book」の選択肢情報「Address」、「Import」、「Export」にさらに従属するページ内オブジェクト情報、に対応する表示に対しては、権限グループ1に属するユーザがログインする場合は、全て許可されないが、権限グループ2に属するユーザがログインする場合は、全て許可されることとなる。なお、詳しくは後述するが、従属するページ内オブジェクト情報に対応するオブジェクトの表示が全て許可されない選択肢情報についても、対応する選択肢の表示は、許可されない。また、従属する選択肢情報に対応する選択肢の表示が全て許可されないタブ情報についても、対応するタブの表示は、許可されない。なお、説明は省略するが、対応付けテーブル21に登録された他の項目及び選択肢情報についても同様である。
【0051】
コントローラ11は、S32で、変数nで現在特定されているタブ情報に従属する全ての選択肢情報について、ログインユーザが属する権限グループに対応する項目「表示可否情報」に設定値「有効」を含んでいる選択肢情報が1つでもあるか否かを判断する。コントローラ11は、設定値「有効」が1つでもあれば(S32:YES)、S33に進み、戻り値を「表示可」に設定する。即ち、ログインユーザが属する権限グループに対して、変数nで現在特定されているタブ情報に従属する全ての選択肢情報に対応する選択肢のうち、少なくとも1つの選択肢は、表示が許可されていることを示している。変数nで現在特定されているタブ情報のことを、処理対象となっているタブ情報と言い換えても良い。なお、コントローラ11は、処理対象となっているタブ情報に従属する全ての選択肢情報について、ログインユーザが属する権限グループに対応する項目「表示可否情報」に設定値「有効」を含んでいる選択肢情報が1つもなければ(S32:NO)、S34に進み、戻り値を「表示不可」に設定する。この場合、ログインユーザが属する権限グループに対して、現在特定されているタブ情報に対応する全てのWebページに対して、表示が許可されていないことを示している。
【0052】
コントローラ11は、S33、または、S34の処理に続いて、
図5のS17に進む。ここで、タブ情報「Home」に従属する選択肢情報「Status」について、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値は、表示を許可する「有効」が登録されている。すなわち、戻り値が「表示可」であるため(S17:YES)、S18に進み、現在、タブ番号で特定されているタブ情報に対応するタブ表示フラグに「表示可」を設定し、S19に進む。なお、コントローラ11は、戻り値が「表示不可」であれば(S17:NO)、S18の処理を実行することなく、S19に進む。
【0053】
ログインユーザが属する権限グループが「権限グループ1」であり、タブ情報「Address Book」を処理対象としている場合、タブ情報「Address Book」の選択肢情報「Address」、「Import」、「Export」にさらに従属するページ内オブジェクト情報についての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値として、全て、「無効」が登録されている。すなわち、S16の戻り値が「表示不可」となるため(S17:NO)、コントローラ11は、タブ表示フラグに「表示可」を設定することなく、S19に進むことになる。
【0054】
ログインユーザが属する権限グループが「権限グループ1」であり、タブ情報「Fax」を処理対象としている場合、タブ情報「Fax」に従属する選択肢情報「Setup Receive」についての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値として、表示を許可しない「無効」が登録されているが、選択肢情報「Setup Send」についての値として、表示を許可する「有効」が登録されている。すなわち、S16の戻り値が「表示可」となるため(S17:YES)、コントローラ11は、タブ表示フラグに「表示可」を設定し(S18)、S19に進むことになる。
【0055】
ログインユーザが属する権限グループが「権限グループ1」であり、タブ情報「Scan」を処理対象としている場合、タブ情報「Scan」に従属する選択肢情報「Scan Job E-Mail report」「Scan to USB」についての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値として、表示を許可しない「無効」が登録されており、選択肢情報「Scan Job E-Mail Server」にさらに従属するページ内オブジェクト情報「SMTP Server Settings」についての値としても、「無効」が登録されているが、ページ内オブジェクト情報「Scan Settings」についての値として、表示を許可する「有効」が登録されている。すなわち、S16の戻り値が「表示可」となるため(S17:YES)、コントローラ11は、タブ表示フラグに「表示可」を設定し(S18)、S19に進むことになる。
【0056】
コントローラ11は、S19で、タブ番号で特定されているタブ情報に含まれる選択肢情報を特定するための選択肢番号に対応する変数mを「1」に設定する。選択肢番号は、選択肢情報を特定するための番号であり、上述したページ要素テーブル20の各選択肢情報に関連付けて登録されている。「m」は、変数である。なお、選択肢番号は、タブ情報に従属する選択肢情報を一つの集まりとして、連続した値となっている。例えば、タブ番号「1」で特定されるタブ情報「Home」に従属する選択肢情報において、選択肢番号「1」は、選択肢情報「Status」に対応し、選択肢番号「2」は、選択肢情報「Auto Refresh Interval」に対応している。変数nが1であるとき、すなわちタブ情報「Home」を処理対象としているとき、最初は、変数m=1に対応する選択肢情報「Status」を処理対象とすることになる。
【0057】
コントローラ11は、S21で、ページ要素テーブル20から、選択肢番号「m」で特定された選択肢情報を取得する。コントローラ11は、S22で、特定された選択肢情報を対象として、項目表示可否判定処理を実行する。
図11は、コントローラ11が、S22で実行する処理を説明するフローチャートである。まず、コントローラ11は、S40で、アカウント管理情報22を参照して、ログインユーザの権限グループを特定するグループ名称を取得する。
【0058】
コントローラ11は、S41で、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21から、変数mによって現在特定されている選択肢情報に対応付けられた、項目「表示可否情報」の設定値のうち、ログインユーザが属する権限グループのグループ名称に紐づけられた設定値を取得し、設定値が1つでも「有効」であれば、戻り値として「有効」を設定し、全ての設定値が「無効」であれば、戻り値として「無効」を設定する。ここで、タブ情報「Home」に従属する選択肢情報「Status」に対応する、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値は、表示を許可する「有効」が登録されているため、コントローラ11は、戻り値として「有効」を設定する。
【0059】
コントローラ11は、
図6のS23に進み、S22の戻り値が「有効」であれば(S23:YES)、S24に進み、現在特定されている選択肢情報に対応する選択肢表示フラグを、表示を許可する「表示可」に設定する。ここで、タブ情報「Home」に従属する選択肢情報「Status」について、S22の戻り値は「有効」であるため、コントローラ11は、選択肢情報「Status」について、「表示可」を設定することになる。コントローラ11は、S23で、S22の戻り値が「無効」であれば(S23:NO)、S24の処理を実行することなく、S25に進む。
【0060】
コントローラ11は、選択肢情報にさらに従属するページ内オブジェクト情報についての「表示可否情報」の設定値に基づいて、選択肢情報についての「表示可否情報」の設定値を特定してもよい。例えば、コントローラ11は、さらに従属するページ内オブジェクト情報ついての「表示可否情報」が、1つでも「有効」を示すならば、選択肢情報についての「表示可否情報」の設定値を「有効」と特定してもよい。コントローラ11は、さらに従属するページ内オブジェクト情報の、全ての「表示可否情報」が「無効」を示すならば、選択肢情報についての「表示可否情報」の設定値を「無効」と特定してもよい。
【0061】
例えば、ログインユーザが属する権限グループが「権限グループ1」であり、タブ情報「Address Book」に従属する選択肢情報「Address」を処理対象としている場合、タブ情報「Address Book」の選択肢情報「Address」にさらに従属するページ内オブジェクトについての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値として、全て、「無効」が登録されている。コントローラ11は、選択肢情報「Address」についての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値は「無効」と決定し、S41で、S22の戻り値を「無効」と設定しても良い。選択肢情報「Import」、「Export」についても同様である。
【0062】
ログインユーザが属する権限グループが「権限グループ1」であり、タブ情報「Fax」に従属する選択肢情報「Setup Receive」を処理対象としている場合、選択肢情報「Setup Receive」についての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値として、表示を許可しない「無効」が登録されている。コントローラ11は、S41で、S22の戻り値を「無効」と決定しても良い。一方で、選択肢情報「Setup Send」を処理対象としている場合、選択肢情報「Setup Send」についての値として、表示を許可する「有効」が登録されている。コントローラ11は、S41で、S22の戻り値を「有効」と設定しても良い。
【0063】
ログインユーザが属する権限グループが「権限グループ1」であり、タブ情報「Scan」を処理対象としている場合、タブ情報「Scan」に従属する選択肢情報「Scan Job E-Mail report」を処理対象としている場合、および、「Scan to USB」を処理対象としている場合は、いずれの選択肢情報についても、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値として、表示を許可しない「無効」が登録されている。コントローラ11は、S41で、S22の戻り値を「無効」と決定しても良い。選択肢情報「Scan Job E-Mail Server」を処理対象としている場合は、さらに従属するページ内オブジェクト情報「SMTP Server Settings」についての値として、「無効」が登録されているが、ページ内オブジェクト情報「Scan Settings」についての値として、表示を許可する「有効」が登録されている。コントローラ11は、選択肢情報「Scan Job E-Mail Server」についての、「権限グループ1」に対応する項目「表示可否情報」の値は「有効」と決定し、S41で、S22の戻り値を「有効」と設定しても良い。
【0064】
コントローラ11は、S25で、変数nによって現在特定されているタブ情報に従属する全ての選択肢情報に対して、S21~S24の処理を実行したか否かを判断する。具体的には、選択肢番号に対応する変数mの値が、現在特定されているタブに従属する選択肢の総数に等しいか否かを判断する。この例では、現在特定されているタブ情報(即ち、変数n「1」で特定されるタブ)に従属する全ての選択肢情報に対して、S21~S24での処理を行っていないため(S25:NO)、コントローラ11は、S26に進み、選択肢番号に対応する変数mを1だけ増加し、特定する選択肢情報を変更する。そして、コントローラ11は、S21に進む。新たに特定された選択肢情報に対して、既に説明したS21,S22での処理により、ログインユーザに対して、Webページの表示可否を示す選択肢表示フラグが設定されていく。
【0065】
なお、S19~S26において、変数nによって現在特定されているタブ情報に従属する全ての選択肢情報を処理対象とせず、現在特定されているタブ情報に従属する選択肢情報のうち、ログインユーザの属性に対応する選択肢情報だけを処理対象としてもよい。この場合、S19、S26では、変数mを、ログインユーザの属性に対応しており、かつ、まだ処理を行っていない選択肢情報を示す値のうち、いずれかの値を選択する、としてもよい。「サブ管理者」の属性の場合、選択肢情報のうち、
図7で、選択肢情報、あるいは、さらに従属するページ内オブジェクト情報のいずれかに、データ属性「管理者秘密データ」以外のデータ属性、すなわち、「ユーザデータ」、「特定ユーザデータ」、「管理データ」のデータ属性が対応付けられている選択肢情報だけを処理対象としてもよい。「特定ユーザ」の属性の場合、選択肢情報のうち、
図7で、選択肢情報、あるいは、ページ内オブジェクト情報のいずれかに、データ属性「ユーザデータ」、「特定ユーザデータ」のデータ属性が、対応付けられている選択肢情報だけを処理対象としてもよい。「特定ユーザ」は「アドレス帳管理者」と称してもよい。
【0066】
コントローラ11は、現在特定されているタブ情報(この例では変数n「1」で特定されるタブ情報)に従属する全ての選択肢情報に対して、S21~S24での処理を行うと(S25:YES)、S27に進む。コントローラ11は、S27で、ページ要素テーブル20に登録された全てのタブ情報を対象として、S15~S25の処理を行ったか否かを判断する。具体的には、変数nの値が、タブ情報の総数に等しいか否かを判断する。ここでは、全てのタブ情報に対して、S15~S25の処理を行っていないため(S27:NO)、コントローラ11は、S20に進み、タブ番号に対応する変数nを「1」だけ増加させて、特定するタブ情報を変更する。そして、コントローラ11は、S15に進み、ページ要素テーブル20を参照して、新たに特定されたタブ情報(この例では、変数n「2」で特定されるタブ情報)を特定する。そして、コントローラ11は、S16で、新たに特定されたタブ情報に対して、既に説明した表示可否判定処理を実行する。その後、コントローラ11は、新たに特定されたタブ情報に対して、S16の戻り値が「表示可」であれば、既に説明したS18でのWebページの表示可否を示すタブ表示フラグの設定を行う。これにより、ページ要素テーブル20に登録されている、各タブ情報に係るタブ表示フラグの設定、各選択肢情報に係る選択肢表示フラグの設定がされていく。
【0067】
コントローラ11は、ページ要素テーブル20に登録されている全てのタブ情報に対して、S15~S25の処理を実行すると(S27:YES)、S28に進む。コントローラ11は、S28で、タブ表示フラグ、選択肢表示フラグの値を反映させて、表示可能なタブ、選択肢、オブジェクトを含むWebページデータを生成する。
【0068】
コントローラ11がT14で生成するWebページデータは、S18で「表示可」と設定されたタブ情報に対応するタブと、S24で「表示可」と設定された選択肢情報に対応する選択肢と、ログインユーザが属する権限グループに対し「有効」と設定されているページ内オブジェクト情報に対応するオブジェクトとを含み、S18で「表示可」と設定されなかったタブ情報に対応するタブと、S24で「表示可」と設定されなかった選択肢情報に対応する選択肢と、ログインユーザが属する権限グループに対し「無効」と設定されているページ内オブジェクト情報に対応するオブジェクトと、を含まないWebページを示すWebページデータである。このようにして、ログインユーザが属する権限グループに対応付けられたWebページを示すWebページデータが生成される。ログインユーザが属する権限グループに対応付けられたWebページとは、ログインユーザに対応付けられたWebページと言い換えても良い。なお、Webページデータが示すWebページに含まれないタブ、あるいは、選択肢を、ユーザが操作することはできない。すなわち、これらタブ、あるいは、選択肢への操作に基づき、ブラウザ81が、T17で、ログインユーザに対応付けられていないWebページデータの返信をリクエストすることはないことになる。
【0069】
例えば、
図4で示したログイン前のホーム画面30において、アカウント名「Sub_admin」のユーザがログインした場合、
図12で示されるように、ログイン後のホーム画面では、S18で「表示可」に設定されなかったタブ情報に対応するタブである、「Address Book」、「Administrator」が、メニュー42に表示されていない。更に、
図12で示された、ログイン後のホーム画面において、メニュー42に表示されたいずれかのタブに属するWebページの選択肢、又はオブジェクトが操作された場合の処理を説明する。
【0070】
具体的には、アカウント名「Sub_admin」のユーザがログインした後に表示される
図12で示したホーム画面40において、コントローラ11は、メニュー42に表示されたタブ「Fax」を選択する操作に対応するGETリクエストを受信すると(T17)、タブ「Fax」の階層に、S24で「表示可」と設定された選択肢「Setup Send」が配置され、「表示可」と設定されなかった選択肢「Setup Receive」、選択肢「Remote fax Options」が配置されず、内容表示部に、選択肢「Setup Send」に従属するオブジェクトが配置されたWebページを示すWebページデータを生成する(T18)。コントローラ11は、T19で、Webページデータをレスポンスとして送信する。
【0071】
例えば、コントローラ11は、
図12に示すログイン後のホーム画面において、メニュー42に表示されたタブ「Scan」を選択する操作に対応するGETリクエストを受信すると(T17)、タブ「Scan」の階層に、S24で「表示可」と設定された選択肢「Scan to E-mail Server」が配置され、「表示可」と設定されなかった選択肢「Scan Job E-mail report」、「Scan to USB」が配置されず、内容表示部に、権限グループ1に対し「有効」と設定されているオブジェクト「Scan Settings」が配置され、「無効」と設定されているオブジェクトが配置されていないWebページを示すWebページデータを生成する(T18)。そして、コントローラ11は、T19で、Webページデータをレスポンスとして送信する。
【0072】
なお、
図5,
図6のフローチャートでは、S16~S18の処理で、Webページにおいて表示させるタブに対し「表示可」を設定し、S21~S24の処理で、Webページにおいて表示させる選択肢について「表示可」を設定する処理を説明したが、これに限らない。例えば、
図10で示すページ要素テーブル20が、表示可否情報を、選択肢情報やページ内オブジェクト情報に対応付けるのではなくタブ情報に直接対応付ける構成となっており、
図5、
図6のS16~S25の処理に代えて、ログインユーザが属する権限グループに対し、ページ要素テーブル20において、「有効」と設定されているタブ情報と、そのタブ情報に従属する選択肢情報、および、ページ内オブジェクト情報、の全てに「表示可」を設定してもよい。
【0073】
次に、管理者による管理者操作により、アカウント管理情報22(
図8)、ページ要素テーブル20(
図7)、対応付けテーブル(
図10)を設定するための処理を説明する。これらはそれぞれ、
図2のタイミングチャート、
図5、
図6のフローチャートなどで説明した、管理者でないユーザのログイン(T13)、ログイン後のホーム画面を示すWebページデータの作成(T14)、Webページの操作によるGETリクエストに応じたWebページデータの作成(T18)で用いられる、
【0074】
まず、管理者によるログイン処理により、ログイン後のホーム画面40において、管理者が、メニュー42に表示されたタブ「Administrator」に従属する選択肢「権限グループ設定」を操作したとする。ブラウザ81は、メニュー42に表示された選択肢「権限グループ設定」が操作されると、
図2のT17で、
図13に示す権限グループ一覧画面50を表示するためのWebページデータを要求するGETリクエストを、MFP10に送信する。
【0075】
コントローラ11は、ブラウザ81からのGETリクエストを受信すると、T18で、
図8に示すアカウント管理情報22のうち、グループ番号とグループ名称を反映させた、
図13に示す権限グループ一覧画面50を表示するためのWebページデータを生成する。コントローラ11は、T19で、このWebページデータを含むレスポンスをPC80に送信する。
【0076】
PC80のブラウザ81は、レスポンスを受信すると、Webページデータを解析し、権限グループ一覧画面50を表示させる。権限グループ一覧画面50は、MFP10に対してログインが許可されたユーザが所属する権限グループの追加又は削除の登録操作を受け付けるWebページである。本実施形態では、MFP10に対する権限を付与するユーザをグループ単位で管理している。権限グループ一覧画面50では、グループ番号「Gn」(nは整数)と、このグループ番号Gnで特定されるグループの名称を入力する入力欄55とを含んでいる。例えば、管理者が、グループ番号「G2」で特定されるグループ名称の入力欄55に、「権限グループ2」を入力し、確定ボタン「Submit」57を操作したとする。ブラウザ81は、権限グループ一覧画面50において、グループ番号G2と、このグループ番号G2で特定される入力欄55に入力されたグループ名称を含むPOSTリクエストをMFP10に送信する(T17)。なお、管理者が、キャンセルボタン58を操作した場合、入力欄に入力されたグループ名称はキャンセルされ、既に、アカウント管理情報22で登録されている情報が反映された表示に戻る。
【0077】
コントローラ11は、ブラウザ81からのPOSTリクエストを受信すると、ポストリクエストに含まれる情報を参照して、メモリ12に記憶されたアカウント管理情報22のうち、該当する項目「グループ名称」の設定値を更新する(T18)。
【0078】
次に、管理者による管理者操作により、MFP10に対してログインを許可するユーザを、権限グループ一覧画面50を介した操作で登録された権限グループに紐づけるための処理を説明する。ログイン後のホーム画面40において、管理者が、メニュー42に表示されたタブ「Administrator」に従属する選択肢「保護領域ユーザ割り当て」を操作したとする。ブラウザ81は、ログイン後のホーム画面40において、選択肢「保護領域ユーザ割り当て」が操作されると、T17で、後述するアカウント一覧画面60を表示するためのWebページデータを要求するGETリクエストを、MFP10に送信する。
【0079】
コントローラ11は、ブラウザ81から、後述するアカウント一覧画面60を表示するためのGETリクエストを受信すると、
図2のT18で、アカウント名、パスワードの新規登録、変更、および、アカウントに対する、グループ名称の対応付け指示を受け付けるためのWebページである、アカウント一覧画面60を表示するためのWebページデータを生成し、このWebページデータを含むレスポンスをPC80に送信する。コントローラ11は、アカウント管理情報22に登録された、アカウント名、アカウント名に対応するユーザパスワードと、アカウント名に対応するグループ名称と、が反映された、アカウント一覧画面60を示すWebページデータを生成する。なお、アカウント管理情報22には、1つのグループ名称に対して、複数のユーザ名を対応付けてよい。
図8で示すアカウント管理情報22は、1つのグループ名称に対し、1つのアカウント名が対応付けられた一例である。
【0080】
PC80のブラウザ81は、レスポンスを受信すると、Webページデータを解析し、
図14に示す、アカウント一覧画面60を表示させる。アカウント一覧画面60は、アカウント入力欄64と、パスワード入力欄65と、権限グループ入力欄66とを含んでいる。アカウント入力欄64は、既に説明したログイン操作に用いるアカウント名の入力を受け付ける欄である。パスワード入力欄65は、アカウント名に対応させるユーザパスワードの入力を受け付ける欄である。権限グループ入力欄66は、アカウント名に対応させるグループ名称、すなわち、アカウント名により特定されるユーザが属する権限グループのグループ名称の入力を受け付ける欄である。
【0081】
この例では、アカウント一覧画面60には、既に、アカウント管理情報22に登録された、アカウント名「Sub_admin」と、対応するユーザパスワード「xxxx1」と、対応するグループ名称「権限グループ1」が、関連付けて表示されている。同様に、アカウント一覧画面60には、既に、アカウント管理情報22に登録された、アカウント名「end_user_A」、ユーザパスワード「xxxx2」、グループ名称「権限グループ2」が、関連付けて表示されている。例えば、管理者が、アカウント入力欄64に表示されたアカウント名「end_user_A」に対して、グループ名称「権限グループ1」を対応付ける変更操作を行い、確定ボタン67を操作したとする。ブラウザ81は、「end_user_A」に対して「権限グループ1」を対応付けることを示す情報を含むPOSTリクエストをMFP10に送信する(T17)。例えば、管理者が、アカウント入力欄64に新たなアカウント名「end_user_B」を入力し、「権限グループ2」を対応付ける入力をし、対応するユーザパスワードを入力し、確定ボタン67を操作したとする。ブラウザ81は、アカウント名「end_user_B」および対応するユーザパスワードを新たに登録すること、および、「end_user_B」に対して「権限グループ2」を対応付けることを示す情報を含むPOSTリクエストをMFP10に送信する(T17)。なお、管理者が、キャンセルボタン68を操作した場合、アカウント入力欄64、パスワード入力欄65、権限グループ入力欄66に新たに入力された各値はキャンセルされ、アカウント一覧画面60の表示は、アカウント管理情報22に登録されている値が反映された表示に戻る。
【0082】
コントローラ11は、ブラウザ81からリクエストを受信すると、リクエストに含まれる情報に従って、アカウント管理情報22を更新する(T18)。例えば、「end_user_A」に対して「権限グループ1」を対応付けることを示す情報が含まれていた場合、コントローラ11は、「end_user_A」に対して「権限グループ1」を対応付けるようアカウント管理情報22を更新する。アカウント名「end_user_B」および対応するユーザパスワードを新たに登録すること、および、「end_user_B」に対して「権限グループ2」を対応付けることを示す情報が含まれていた場合、コントローラ11は、アカウント管理情報22に、アカウント名「end_user_B」および対応するユーザパスワードを新たに登録する。新たに登録されたことにより、このアカウント名「end_user_B」は、ログインユーザと成りうるようになる。また、コントローラ11は、「end_user_B」に「権限グループ2」を対応付けるよう、アカウント管理情報22を更新する。
【0083】
次に、アカウント管理情報22にアカウント名、ユーザパスワードが登録されたユーザに対して、MFP10の各機能に対応するWebページの表示の可否を設定する処理を説明する。ログイン後のホーム画面40において、管理者が、メニュー42に表示されたタブ「Administrator」に従属する選択肢「保護領域設定」を操作したとする。ブラウザ81は、ログイン後のホーム画面40において、選択肢「保護領域設定」が操作されると、T17で、後述する対応付けページ70を表示するためのWebページデータを要求するGETリクエストを、MFP10に送信する。
【0084】
図15は、コントローラ11が、選択肢「保護領域設定画面」の操作に対応するGETリクエストを受信したことを契機に実行する処理の手順を説明するフローチャートである。コントローラ11は、ブラウザ81から後述する対応付けページ70を表示するためのGETリクエストを受信すると、S60で、メモリ12に記憶されたページ要素テーブル20から、登録された全ての項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内属性情報」「表示属性」の各設定値を読み込む。既に説明したように、ページ要素テーブル20の項目「表示属性」には、タブ情報又は選択肢情報に対応するWebページに関する属性を示す設定値(個人情報、Scan、Fax等)が登録されている。
【0085】
コントローラ11は、S61で、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21に登録された全ての「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、及び「表示可否情報」の各設定値を読み込む。コントローラ11は、S62において、S60、S61で取得した各設定値を用いて、
図16に示す対応付けページ70のWebページデータを作成し、このWebページデータを含むレスポンスをPC80に送付する。PC80のブラウザ81は、レスポンスを受信すると、Webページデータを解析し、
図16に示す、対応付けページ70を表示させる。対応付けページ70は、タブ情報、又は選択肢情報で特定されるWebページ毎に、権限グループに対する表示の可否の登録指示を受け付ける画面である。具体的には、対応付けページ70には、権限グループ毎に、選択肢、オブジェクトの表示を有効とするか無効とするかの指示を受け付けるチェックボックス72とを含んでいる。また、チェックボックス72による指示を有効とするか無効とするかの指示を受け付けるオブジェクト71を含んでいる。オブジェクト71で無効とする選択を受け付けた場合、コントローラ11は、対応付けテーブル21の項目「表示可否情報」を用いた処理を無効にすることを示す情報を、メモリ12に記憶させる。以降、オブジェクト71で有効とする選択を受け付けるまで、コントローラ11は、管理者以外のユーザから、ログイン前のホーム画面30を介したログイン操作を受け付けた場合も、管理者のログイン操作を受け付けた場合と同様のWebページデータを、S28で生成することになる。
【0086】
対応付けページ70には、コントローラ11が、S61で対応付けテーブル21から読み込んだ、全てのタブ情報、選択肢情報、ページ内オブジェクト情報に対応するテキストオブジェクトが、縦方向に配列して表示されている。なお、
図16では、「Copy」、「Print」,「Network」のタブと、タブ「Administrator」に従属する一部の選択肢情報を省略して図示している。
【0087】
対応付けページ70には、対応付けテーブル21に登録されたグループ名称を示すテキストオブジェクトである「権限グループ1」、「権限グループ2」が横方向に配列して表示されている。対応付けページ70において、チェックボックス72は、各ページ内オブジェクト情報のテキストオブジェクトと、各グループ名称を示すテキストオブジェクトとにより特定される位置にそれぞれ配置されている。なお、ブラウザ81に表示される対応付けページ70には、対応付けテーブル21の項目「表示可否情報」の設定値「有効」、「無効」が反映されており、表示可否情報が、有効であるページ内オブジェクト情報に対しては、対応するチェックボックス72にチェックが付されている。一方、表示可否情報が、無効であるページ内オブジェクト情報に対しては、対応するチェックボックス72にチェックが付されていない。
【0088】
更に、対応付けページ70において、ページ内オブジェクト情報に対応するテキストオブジェクト、例えば、「Number/E-mail Address/Name」、および、選択肢情報に対応するテキストオブジェクト、例えば「Setup Receive」には、表示属性を示す表示属性ボタン73が対応付けて表示されている。具体的には、対応付けページ70において、各チェックボックス72よりも右側の端に、表示属性を示す表示属性ボタン73が配置されている。対応付けページ70において、表示属性ボタン73を構成する各テキストオブジェクトは、コントローラ11が、S60で、ページ要素テーブル20から読み込んだ、全ての項目「表示属性」の設定値に対応している。
【0089】
管理者が、対応付けページ70において、確定ボタン75を操作したとする。ブラウザ81は、T17で、対応付けページ70での入力内容を示す情報を含むPOSTリクエストをMFP10に送信する。なお、管理者が、不図示のキャンセルボタンを操作した場合、対応付けページ70で入力された各値はキャンセルされ、対応付けページ70は、現在、対応付けテーブル21に登録済みの設定値が反映された表示に戻る。
【0090】
コントローラ11は、ブラウザ81からのリクエストを受信すると(S63:YES)、S64に進み、リクエストに含まれる情報に基づいて、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21の設定値の変更が必要か否かを判断する。コントローラ11は、対応付けテーブル21の設定値の変更が必要であると判断すると(S64:YES)、S65に進み、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21における項目「表示可否情報」の該当する設定値を変更する。例えば、対応付けページ70において、権限グループ2に対応するテキストオブジェクトに対応するチェックボックス72のうち、タブ「Address Book」に属するページ内オブジェクト情報「Number/E-mail Address/Name」に対応するチェックボックスのチェックが外された場合、コントローラ11は、タブ情報「Address Book」に属するページ内オブジェクト情報「Number/E-mail Address/Name」について、「表示可否情報(権限グループ2)」の設定値を「有効」から「無効」に変更する。本実施形態では、コントローラ11がS65で実行する処理が対応付け情報記憶処理の一例である。
【0091】
例えば、権限グループ2に対応するテキストオブジェクトに対応するチェックボックス72のうち、タブ情報「Fax」に従属する選択肢情報「Setup Receive」に対応するチェックボックスにチェックが付けられた場合、コントローラ11は、選択肢情報「Setup Receive」について、「表示可否情報(権限グループ2)」の設定値を「無効」から「有効」に変更する。
【0092】
対応付けページ70は、ページ内オブジェクト情報が従属している選択肢情報に対応するチェックボックスを備えていてもよい。コントローラ11は、選択肢情報に対応するチェックボックスへの操作がされたことを示す情報が、ブラウザ81からのリクエストに含まれていた場合、選択肢情報に従属する全てのページ内オブジェクト情報についての「表示可否情報」の設定値を、リクエストに含まれる情報に基づいて、変更してよい。例えば、対応付けページ70において、権限グループ1について、選択肢「Scan to E-mail Server」に対応するチェックボックスが設けられており、当該チェックボックスにチェックが付けられた場合、コントローラ11は、選択肢「Scan to E-mail Server」に属するページ内オブジェクト情報「SMTP Server Settings」、「Scan Settings」について、「表示可否情報(権限グループ1)」の設定値を「無効」から「有効」に変更してよい。
【0093】
対応付けページ70は、タブ情報に対応するチェックボックスを備えていてもよい。この場合、コントローラ11は、タブ情報に対応するチェックボックスへの操作がされたことを示す情報が、ブラウザ81からのリクエストに含まれていた場合、タブ情報に従属する全ての選択肢情報、および、全てのページ内オブジェクト情報についての「表示可否情報」の設定値を、リクエストに含まれる情報に基づいて、変更する。例えば、対応付けページ70において、権限グループ1について、タブ「Address Book」に対応するチェックボックスが設けられており、当該チェックボックスにチェックが付けられた場合、コントローラ11は、タブ情報「Address Book」に属するページ内オブジェクト情報「Number/E-mail Address/Name」、「Import Address Book data file」、「Export Address Book data file」について、「表示可否情報(権限グループ1)」の設定値を「無効」から「有効」に変更してよい。例えば、対応付けページ70において、権限グループ2について、タブ情報「Scan」に対応するチェックボックスのチェックが外された場合、コントローラ11は、タブ情報「Scan」に属する選択肢情報「Scan Job E-mail Report」「Scan to USB」に更に従属する、ページ内オブジェクト情報「SMTP Server Settings」「Scan Settings」について、「表示可否情報(権限グループ2)」の設定値を「有効」から「無効」に変更してよい。
【0094】
対応付けページ70の構成は、ここまでの例示に限らない。対応付けページ70は、タブに対応するチェックボックス、選択肢に対応するチェックボックス、ページ内オブジェクト情報に対応するチェックボックスのうち、いずれかを備え、いずれかを備えていなくても良い。
【0095】
一方、ユーザが、対応付けページ70において、表示属性に対応する表示属性ボタン73のいずれかを操作した場合、コントローラ11は、対応付けページ70に表示されたチェックボックス72を、操作された表示属性ボタン73に紐づけられたチェックボックス72に絞りこむ。例えば、ユーザが、
図16に示す対応付けページ70において、表示属性ボタン73のうち、「個人情報」を操作することで、ブラウザ81に表示される対応付けページ70が、
図17に示す画面に変更される。
図17で示す対応付けページ70では、表示属性「個人情報」に対応する、タブ情報、選択肢情報、ページ内オブジェクト情報を示すテキストオブジェクトと、チェックボックス72と、及び表示属性ボタン73とが表示される。
【0096】
具体的には、表示属性ボタン73のいずれかが操作されると、ブラウザ81は、表示属性に対応する表示属性ボタン73のいずれかが操作されたことを示すリクエストを、MFP10に送信する(T17)。コントローラ11は、リクエストに含まれる情報から、対応付けページ70において、表示属性ボタン73のいずれかが操作されたことを判断すると(S66:YES)、S67に進み、表示属性ボタン73に関する処理を実行する。
【0097】
コントローラ11は、S67で、操作された表示属性ボタン73に対応する表示属性を特定し、操作された表示属性ボタン73に対応する「表示属性」と、その「表示属性」に紐づけられた「タブ情報」、「選択肢情報」「ページ内オブジェクト情報」と、の各設定値を、ページ要素テーブル20から取得する。この例では、「個人情報」に対応する表示属性ボタン73が操作されているため、コントローラ11は、ページ要素テーブル20において、項目「表示属性」に設定値「個人情報」を含む行を特定し、この行に含まれる全ての項目「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「表示属性」の各設定値を取得する。基本的には、S60の処理と同様であるが、S60では、ページ要素テーブル20に登録された全ての、「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「表示可否情報」の各設定値を取得していたのに対し、S67では、操作された表示属性ボタン73に対応する「表示属性」と、その「表示属性」に紐づけられた「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「表示属性」と、の各設定値のみを取得する点が異なる。さらに、コントローラ11は、操作された表示属性ボタン73に対応する「表示属性」にページ要素テーブル20において紐づけられた「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「表示可否情報」の各設定値を、メモリ12に記憶された対応付けテーブル21から取得する。基本的には、S61の処理と同様であるが、S61では、対応付けテーブル21に登録された全ての、「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「表示可否情報」の各設定値を取得していたのに対し、S67では、操作された表示属性ボタン73に対応する表示属性に紐づけられた「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」、「表示可否情報」の各設定値のみを取得する点が異なる。S67で各設定値を取得すると、コントローラ11は、S62の処理に進む。
【0098】
コントローラ11は、S67で取得した各設定値を用いて、
図17で示した変更後の対応付けページ70を表示するためのWebページデータを生成し(T18)、このWebページデータを含むレスポンスをPC80に送信する(T19)。PC80のブラウザ81は、レスポンスを受信すると、Webページデータを解析し、変更後の対応付けページ70を表示させる。
【0099】
図17で示す、変更後の対応付けページ70では、S67で取得された「タブ情報」、「選択肢情報」、「ページ内オブジェクト情報」の各設定値のみが反映されたテキストオブジェクトと、「表示可否情報」の各設定値のみが反映されたチェックボックス72と、「属性情報」の各設定値のみが反映された表示属性ボタン73と、が表示される。具体的には、操作された表示属性ボタン73は、「個人情報」であるため、タブ情報「Address Book」、選択肢情報「Address」、ページ内オブジェクト情報「Number/E-mail Address/Name」、選択肢情報「Import」、ページ内オブジェクト情報「Import Address book data file」、選択肢情報「Export」、ページ内オブジェクト情報「Export Address book data file」、更には、タブ情報「Administrator」、選択肢情報「Login Password」、「Password Settings」、選択肢情報「Restriction Management」、ページ内オブジェクト情報「Restricted Function」、選択肢情報「User Account Manager」、ページ内オブジェクト情報「User Account List」、その他、「個人情報」に対応する各設定値や、これらに対応する「表示可否情報」「属性情報」の各設定値のみが反映されたWebページが、ブラウザ81に表示されることになる。
図16で示す対応付けページとは異なり、
図17で示す対応付けページ70には、表示属性「個人情報」に対応付けられていない、タブ情報「Home」「Fax」、「Scan」、及び、これらに従属する選択肢情報、ページ内オブジェクト情報、および、これらに対応する表示可否情報、属性情報は、反映されていない。
【0100】
管理者が、変更後の対応付けページ70において、いずれかのチェックボックス72のチェック、又はチェックの解除を行い、確定ボタン75を操作したとする。ブラウザ81は、T17で、対応付けページ70で入力された情報を含むPOSTリクエストをMFP10に送信する。コントローラ11は、ブラウザ81からのリクエストを受信すると、S64の処理と同様、対応付けテーブル21の設定値の変更が必要であるか否かを判断する。コントローラ11は、S65の処理と同様、変更後の内容に従い、対応付けテーブル21における項目「表示可否情報」の該当する設定値を変更する。
【0101】
以上説明した実施形態では以下の効果を奏することができる。MFP10のコントローラ11は、対応付けページ70を介して、ブラウザ81から、所定のWebページをMFP10のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、対応付けテーブル21をメモリ12に記憶する。対応付けページ70は、複数のWebページのうちいずれかの選択を受け付けることで、ユーザに対応付ける操作を受け付け可能であるとともに、複数のWebページそれぞれの属性を、複数のWebページそれぞれに対応付けて表示可能なページである。これにより、管理者が、対応付けページ70を操作して、各ユーザにWebページを設定していく場合に、各Webページがどの属性にあるのかを容易に把握することが可能になる。その結果、管理者の操作性を向上させることができる。
【0102】
コントローラ11は、対応付けページ70を介して、Webページを、ユーザが所属可能なグループに対応づける操作を、MFP10のユーザに対応付ける管理者操作として受け付け、対応付けテーブル21としてメモリ12に記憶しておくことが可能である。コントローラ11は、ブラウザ81から、ログインを受け付けるためのWebページデータに基づいて、ユーザログインの操作を受け付けた後に、ブラウザ81に、対応付けテーブル21で、ログインユーザが所属しているグループに対応付けられているWebページを表示するWebページデータを提供する。これにより、MFP10に対してログインを許可するユーザをグループ毎に管理することができるため、管理者の利便性を高めることができる。
【0103】
ページ要素テーブル20の項目「表示属性」における各設定値が示す属性には、MFP10が備える複数の画像形成機能のうち、いずれの画像形成機能に関するWebページであるかを示す属性が含まれる。これにより、管理者は、ユーザに対応付けるWebページがどの画像形成機能に関するものであるかを把握することが可能になる。
【0104】
ページ要素テーブル20の項目「表示属性」における各設定値が示す属性には、MFP10が備える複数のセキュリティ情報を扱う機能のうち、いずれの機能に関するWebページであるかを示す属性が含まれる。これにより、管理者は、ユーザに対応付けるWebページがどのセキュリティを扱う機能に関するものであるかを把握することが可能になる。
【0105】
コントローラ11は、複数の属性が対応付けられている1つのWebページについては、対応付けられている複数の属性を、1つのWebページに対応付けて対応付けページ70で表示可能である。これにより、Webページが複数の機能に対応している場合でも、管理者はWebページの全ての属性を把握することができる。
【0106】
コントローラ11は、対応付けページ70で、表示されている属性を指定する操作を受け付けた場合に、指定を受け付けた属性が対応付けられているWebページだけを、ユーザに対応付け可能なWebページとしてブラウザに表示させる。これにより、管理者は個別の属性が対応付けられたWebページのみを表示させることができるため、ユーザに所定のWebページを対応付ける際の操作性を向上させることができる。
【0107】
コントローラ11は、対応付けページ70を介して、Webページを、MFP10のユーザに対応付ける管理者操作だけでなく、Webページに含まれる複数の設定項目を、MFP10のユーザに対応付ける管理者操作を受け付け、設定項目とユーザとの対応付けを対応付けテーブル21としてメモリ12に記憶しておくことも可能である。対応付けページ70は、Webページに含まれる複数の設定項目のうち、いずれかを選択して、ユーザに対応付ける操作を受け付け可能であるとともに、複数の設定項目それぞれの属性を、複数の設定項目それぞれに対応付けて表示可能なページである。これにより、ユーザ毎に、Webページに含まれる設定項目の対応付けを設定できるとともに、この際の操作性を向上することができる。
【0108】
(その他の実施形態) 本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上述の実施形態では、コントローラ11は、Webサーバとしての機能により、PC80のブラウザ81に、Webページを表示させ、管理者による許可ユーザの指定を受け付けた。これに代えて、コントローラ11は、ユーザIF16に対応付けページ70を表示させて、ユーザに対するWebページの表示
の可否の指定操作を受け付けてもよい。これ以外にも、コントローラ11のWebサーバとしての機能を使用することなく、PC80からの指示により、許可ユーザの指定を受け付けてもよい。
【0109】
画像形成装置は、MFP10に限らず、プリンタ13のみを備える印刷装置であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
10…MFP、11…コントローラ、12…メモリ、13…プリンタ、16…ユーザIF、80…PC、81…ブラウザ