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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038633
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】検知センサ
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/30 20230101AFI20250312BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20250312BHJP
   H04R 17/02 20060101ALI20250312BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20250312BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20250312BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20250312BHJP
   H10N 15/10 20230101ALI20250312BHJP
【FI】
H10N30/30
G01J1/02 Y
H04R17/02
H04R1/00 321
H04R1/02 106
H10N30/88
H10N15/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145364
(22)【出願日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】石橋 新吾
(72)【発明者】
【氏名】原野 博之
(72)【発明者】
【氏名】粟村 竜二
(72)【発明者】
【氏名】中西 賢介
【テーマコード(参考)】
2G065
5D004
5D017
【Fターム(参考)】
2G065AB02
2G065BA13
2G065BA36
2G065DA06
5D004AA14
5D004DD03
5D017BC19
(57)【要約】
【目的】 本発明は同方向から赤外線及び音波を入力でき且つ振動膜が外部に露出しない検知センサを提供する。
【構成】
検知センサS1はユニットU及びホルダHを備えている。ユニットUは、振動膜100と、これを収容したケース200とを備えている。ケース200は振動膜100のZ方向側に配置された開口211を有する。ホルダHは、ユニットUを保持した保持部10と、ケース200に対してZ方向側に配置された前側部20と、赤外線が透過可能な透過部30と、音波が入力可能な音孔40と、音道50とを備えている。透過部30は、前側部20に設けられ且つ開口211及び振動膜100に対してZ方向側で振動膜100に対向している。音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられ且つZ方向に開口している。音道50は、音孔40から開口211まで延びている。
【選択図】 図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサユニットと、
ホルダとを備えており、
前記センサユニットは、圧電フィルムで構成された振動膜であって、赤外線が照射されることによって、焦電効果によって第1電気信号を発生させる構成及び音波により振動させられることによって、圧電効果によって第2電気信号を発生させる構成を有する前記振動膜と、
前記振動膜を収容したケースとを備えており、
前記ケースは、前記振動膜に対して第1方向の一方側に配置された開口を有しており、
前記第1方向は、前記振動膜の厚み方向であり、
前記ホルダは、前記センサユニットを保持した保持部と、
前記ケースに対して前記第1方向の一方側に配置された前側部と、
少なくとも赤外線が透過可能な透過部と、
音波が入力可能な音孔と、
音道とを備えており、
前記透過部は、前記前側部に設けられており、前記前側部から前記第1方向の一方及び他方に露出しており、前記開口及び前記振動膜に対して前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記振動膜に対向しており、
前記音孔は、前記前側部の前記透過部の周りの部分に設けられており且つ前記第1方向の一方に開口しており、
前記音道は、前記音孔から前記ケースの前記開口まで延びている検知センサ。
【請求項2】
請求項1記載の検知センサにおいて、
前記前側部は、前記ケースに対して前記第1方向の一方側に間隙を有して対向配置されており、
前記音道は、前記間隙を有しており、前記間隙は、前記ケースの前記開口に連通しており、
前記音孔は、前記前側部の前記透過部の周りの部分を貫通しており、前記間隙に連通しており且つ前記保持部及び/又は前記ケースの前記開口の周縁部に対向している検知センサ。
【請求項3】
請求項2記載の検知センサにおいて、
前記ホルダは、少なくとも一つのストッパを更に備えており、
前記少なくとも一つのストッパは、前記前側部又は前記保持部に設けられており、前記前側部に対して前記第1方向の他方側に配置されており且つ前記第1方向の一方側から前記ケースに当接している検知センサ。
【請求項4】
請求項2記載の検知センサにおいて、
前記ケースは、少なくとも一つのストッパを更に有しており、
前記少なくとも一つのストッパは、前記ケースから前記第1方向の一方に延びており且つ前記第1方向の他方側から前記前側部に当接している検知センサ。
【請求項5】
請求項1記載の検知センサにおいて、
前記前側部は、前記センサユニットの前記ケースに前記第1方向の一方側から直接的に当接しており、
前記音道は前記前側部に設けられている検知センサ。
【請求項6】
請求項1記載の検知センサにおいて、
前記ホルダは、前記前側部と前記センサユニットの前記ケースとの間に介在するスペーサを更に備えており、
前記スペーサには、前記スペーサを前記第1方向に貫通しており且つ前記透過部と前記センサユニットの前記ケースの前記開口との間に位置する中央孔が設けられており、
前記音道は、前記スペーサ、又は、前記前側部及び前記スペーサに設けられており、且つ前記中央孔を有している検知センサ。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の検知センサにおいて、
前記保持部は、前記前側部から前記第1方向の他方側に延びている検知センサ。
【請求項8】
請求項1~6の何れかに記載の検知センサにおいて、
前記透過部は、所定の波長帯域の赤外線を透過させる光学フィルタを有する検知センサ。
【請求項9】
請求項1~6の何れかに記載の検知センサにおいて、
前記振動膜は、前記第1方向の一方側の第1面及び前記第1方向の他方側の第2面を有するフィルム本体と、
前記フィルム本体の前記第1面上の第1電極と、
前記フィルム本体の前記第2面上の第2電極とを有している検知センサ。
【請求項10】
請求項1~6の何れかに記載の検知センサにおいて、
音波が通過可能なカバーを更に備えており、
前記カバーは、前記前側部の前記透過部の周りの部分上に設けられており且つ前記音孔を前記第1方向の一方側から閉塞している検知センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知センサに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の第1検知センサが記載されている。この第1検知センサは、圧電フィルムで構成された振動膜と、振動膜を収容するケースと、基板とを備えている。振動膜は、赤外線が照射されることによって、焦電効果によって第1電気信号を発生させる構成及び音波により振動させられることによって、圧電効果によって第2電気信号を発生させる構成を有する。ケースは、少なくとも赤外線が透過可能な透過部を有している。この透過部は、振動膜に対して第1方向の一方側に配置されており且つ振動膜に対向している。第1方向は、振動膜の厚み方向である。基板は、ケースに固定されており且つ振動膜に対して第1方向の他方側に配置されている。基板は、音波が入力される音孔を有する。
【0003】
しかし、第1検知センサは、透過部に対して第1方向の一方側から赤外線が入射する一方で、音孔に対して第1方向の他方側から音波が入力される構成となっている。換言すると、第1検知センサは、同方向から赤外線及び音波を入力することができない構成となっている。
【0004】
下記特許文献2には、従来の第2検知センサが記載されている。この第2検知センサは、シールドケースと、導電性を有する支持部と、高分子圧電フィルムとを備えている。シールドケースは、第1方向の一方に開口した開口を有する。支持部は、シールドケース内に収容保持されており且つ開口に対して第1方向の他方側に配置されている。高分子圧電フィルムは、支持部上に支持されており且つ開口に対して第1方向の他方側に配置されている。高分子圧電フィルムは、開口から第1方向の一方に露出している。このため、赤外線が第1方向の一方側から開口を通って高分子圧電フィルムに対して照射されて焦電効果によって信号が発生すると共に、音波が第1方向の一方側から開口を通って入力され、当該音波により高分子圧電フィルムが振動させられることによって、信号が発生するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-148018号公報
【特許文献2】実開昭54-046525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第2検知センサは、高分子圧電フィルムが開口から露出しているため、塵、埃及び水等が高分子圧電フィルムに付着する恐れがある。
【0007】
本発明は、同方向から赤外線及び音波を入力でき且つ振動膜が外部に露出しない検知センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の検知センサは、センサユニットと、ホルダとを備えている。センサユニットは、圧電フィルムで構成された振動膜、振動膜を収容したケースとを備えている。振動膜は、赤外線が照射されることによって、焦電効果によって第1電気信号を発生させる構成及び音波により振動させられることによって、圧電効果によって第2電気信号を発生させる構成を有する。ケースは、振動膜に対して第1方向の一方側に配置された開口を有している。第1方向は、振動膜の厚み方向である。ホルダは、センサユニットを保持した保持部と、ケースに対して第1方向の一方側に配置された前側部と、少なくとも赤外線が透過可能な透過部と、音波が入力可能な音孔と、音道とを備えている。透過部は、前側部に設けられており、前側部から第1方向の一方及び他方に露出しており、開口及び振動膜に対して第1方向の一方側に配置されており且つ振動膜に対向している。音孔は、前側部の透過部の周りの部分に設けられており且つ第1方向の一方に開口している。音道は、音孔からケースの開口まで延びている。
【発明の効果】
【0009】
上記した態様の検知センサによる場合、同方向から赤外線及び音波を入力できる。その理由は以下のとおりである。ホルダの前側部がセンサユニットのケースに対して第1方向の一方側に配置されている。ホルダの透過部がホルダの前側部に設けられており、前側部から第1方向の一方及び第2方向の他方に露出しており、センサユニットの開口及び振動膜に対して第1方向の一方側に配置されており且つ振動膜に対向している。このため、少なくとも赤外線が第1方向の一方側から透過部を透過し、センサユニットの振動膜に照射される。また、音孔が前側部の透過部の周りの部分に設けられており且つ音道が音孔からケースの開口まで延びているので、音波も、第1方向の一方側から音孔に入力され、音孔、音道及び開口を通過して振動膜を振動させることができる。しかも、ホルダの透過部がホルダの前側部に設けられており且つ振動膜に対向する一方、音孔が前側部の透過部の周りの部分に設けられているので、振動膜が、音孔、音道及び開口を通じて検知センサの外部に露出しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の実施例1に係る検知センサの正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図1B】実施例1の検知センサの背面、平面及び左側面から表した斜視図である。
図2A】実施例1の検知センサの図1A中の2A-2A断面図である。
図2B】実施例1の検知センサの図1A中の2B-2B断面図である。
図2C】実施例1の検知センサの図2D中の2C-2C断面図である。
図2D】実施例1の検知センサの図2A中の2D-2D断面図である。
図3A】実施例1の検知センサの正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図3B】実施例1の検知センサの背面、平面及び左側面から表した分解斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係る検知装置のブロック図である。
図5A】本発明の実施例2に係る検知センサの図2Aに対応する断面図である。
図5B】実施例2の検知センサの図2Bに対応する断面図である。
図5C】実施例2の検知センサの図2Dに対応する断面図である。
図6A】本発明の実施例3に係る検知センサの図2Aに対応する断面図である。
図6B】実施例3の検知センサの図2Bに対応する断面図である。
図6C】実施例3の検知センサの図2Dに対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例1、2及びその設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変形例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0012】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る検知センサS1について、図1A図3Bを参照しつつ説明する。図1A図3Bには、実施例1の検知センサS1が示されている。図1A図2C及び図3A図3Bには、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向(第1方向の一方)及びX’方向(第1方向の他方)を含む。図1A図2A及び図2C図3Bには、Y-Y’方向(第2方向)が示されている。Y-Y’方向は、Z-Z’方向に略直交しており、且つY方向(第2方向の一方)及びY’方向(第2方向の他方)を含む。図1A図1B図2B図2D及び図3A図3Bには、X-X’方向(第3方向)が示されている。X-X’方向は、Z-Z’方向及びY-Y’方向に略直交しており、且つX方向(第3方向の一方)及びX’方向(第3方向の他方)を含む。
【0013】
検知センサS1は、センサユニットU(以下、単に「ユニットU」とも称する。)を備えている。ユニットUは、振動膜100を備えている。振動膜100は、焦電性を有する圧電フィルムで構成されている。振動膜100は、フィルム本体110と、第1電極120と、第2電極130とを有する。フィルム本体110は、例えば、Z-Z’方向の寸法(厚さ寸法)が40μm又は80μm程度の樹脂フィルム(例えば、ピエゾフィルム)であって、Z方向側の第1面と、Z’方向側の第2面とを有する。第1電極120は、フィルム本体110の第1面上に設けられている。第2電極130は、フィルム本体110の第2面上に設けられている。なお、Z-Z’方向は振動膜100の厚み方向である。
【0014】
この振動膜100は、赤外線が照射されることによって、焦電効果によって第1電気信号を発生させる構成を有している。具体的には、振動膜100は、赤外線が照射されていない状態において、自発分極している。この振動膜100に対して赤外線が照射され、これに起因する振動膜100の温度変化に応じて振動膜100の自発分極状態が変化することによって、振動膜100の電圧が変化する(すなわち、第1電気信号が発生する)構成となっている。
【0015】
振動膜100は、音波により振動させられることによって、圧電効果によって第2電気信号を発生させる構成を更に有している。具体的には、振動膜100は、振動することによって生じる歪みに応じて、電圧が変化する(すなわち、第2電気信号が発生する)構成となっている。
【0016】
ユニットUは、ケース200を更に備えている。ケース200は振動膜100を収容している。ケース200は、導電性を有する材料(例えば、金属等)で構成されている。ケース200は、天板210と、筒部220とを有する。天板210は、振動膜100に対してZ方向側に配置されている。天板210は、天板210をZ-Z’方向に貫通した開口211を有している。開口211も振動膜100に対してZ方向側に配置されている。筒部220は、天板210の周縁部からZ’方向に延びている。筒部220は係止部221を有していてもよい。係止部221は、筒部220のZ’方向側の端部であって、略L字状に折り曲げられていてもよいし、Z-Z’方向に延びていてもよい。係止部221は省略可能である。この場合、筒部220は有底の筒としてもよい。
【0017】
ユニットUは、基板300を更に備えていてもよい。基板300はケース200に固定されている。例えば、係止部221が設けられている場合、基板300は、ケース200の筒部220の略L字状に折り曲げられた係止部221に固定されていてもよいし(図2A図2C参照)、ケース200の筒部220のZ-Z’方向に延びた係止部221が基板300の係合孔に挿入保持されることによって固定されていてもよいし(図示なし)、ケース200の筒部220の係止部221が基板300上に導電接着剤等で接着されることによって固定されていてもよい(図示なし)。係止部221が設けられていない場合、基板300は、ケース200の筒部220の底に載置されているとよい。基板300は、振動膜100に対してZ’方向側に間隔をあけて配置されている。基板300は、Z方向側の第1面と、Z’方向側の第2面とを有している。基板300の第2面上には、外部接続用の電極310が設けられている。なお、基板300は省略可能である。
【0018】
ユニットUは、電界効果トランジスタ400(以下、FET(Field effect transistor)400とも称する。)を更に備えていてもよい。FET400は、振動膜100に電気的に接続されている。FET400は、基板300上に実装されている(図2A図2C参照)。図3A及び図3Bでは、FET400は図示省略されている。FET400は、振動膜100から入力される第1電気信号及び/又は第2電気信号をインピーダンス変換して出力信号として出力する構成を有している。FET400の出力信号が検知センサS1の外部に出力される場合、FET400の出力信号が基板300の電極310から検知センサS1の外部に出力するようになっているとよい。なお、FET400も省略可能である。この場合、FET400は、検知センサS1の外部の図示しない別の基板に実装されており且つ振動膜100に電気的に接続されるようになっているとよい。
【0019】
ユニットUは、導電リング500及び筒状のゲートリング600を更に備えていてもよい。導電リング500は、振動膜100の周縁部とケース200の天板210との間に介在し且つ振動膜100の第1電極120に接触している。この場合、ケース200は、導電性を有する材料で構成されている。ゲートリング600は、導電性を有しており且つ振動膜100の周縁部と基板300との間に介在し且つ振動膜100の第2電極130に接触している。振動膜100の第1電極120が、導電リング500、ケース200及び基板300を介してFET400に電気的に接続され且つ振動膜100の第2電極130が、ゲートリング600及び基板300を介してFET400に電気的に接続されている。このようにしてFET400が、振動膜100に電気的に接続されている。
【0020】
ユニットUは、筒状のホルダ700を更に備えていてもよい。ホルダ700は、電気絶縁性を有する材料で構成されている。ホルダ700は、ゲートリング600とケース200の筒部220との間に配置されている。そのため、ホルダ700のX-X’方向の断面の内形は、ゲートリング600のX-X’方向の断面の外形と同じであり且つホルダ700のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形寸法は、ゲートリング600のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法と略同じ又は若干大きい。ホルダ700のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形と同じであり且つホルダ700のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形寸法と略同じ又は若干小さい。ホルダ700は、振動膜100のゲートリング600が接触する部分よりも外側の部分に接触していてもよいが、非接触であってもよい。また、ホルダ700は、基板300に接触していてもよいが、非接触であっても構わない。なお、ホルダ700は省略可能である。
【0021】
検知センサS1は、ホルダHを更に備えている。ホルダHは、保持部10と、前側部20とを備えている。
【0022】
保持部10は、ユニットUを保持している。例えば、保持部10は、絶縁性を有する材料(例えば、絶縁樹脂等)で構成されており且つ以下の(1)~(3)の何れかの構成を有している。
【0023】
(1)保持部10は筒部11を有している(図1A図3B参照)。筒部11は、筒状の薄肉部11aと、筒状の厚肉部11bとを有している。薄肉部11aは、前側部20からZ’方向に延びている。厚肉部11bは、薄肉部11aからZ’方向に延びている。厚肉部11bの厚み寸法T1が薄肉部11aの厚み方向T2よりも大きい。筒部11の厚肉部11bがユニットUのケース200に外嵌しており且つユニットUを保持している。換言すると、ユニットUのケース200が厚肉部11b内に嵌合(FIT IN)して筒部11に保持されている。このため、厚肉部11bのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形と同じであり且つ厚肉部11bのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形寸法は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法と略同じ又は若干小さい。以下、保持部10の筒部11の中心軸周りの周方向を単に「周方向」と称する。
【0024】
(2)保持部10は筒部11を有しているが、筒部11が、薄肉部11aと、厚肉部11bとを有していない(図示なし)。筒部11の厚み寸法は、Z方向の端からZ’方向の端まで略均一である。筒部11は、前側部20からZ’方向に延びている。筒部11がユニットUのケース200に外嵌しており且つユニットUを保持している。換言すると、ユニットUのケース200が筒部11内に嵌合(FIT IN)して筒部11に保持されている。このため、筒部11のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形と同じであり且つ筒部11のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形寸法は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法と略同じ又は若干小さい。
【0025】
(3)保持部10は、筒部11と、複数の保持アームとを有している(図示なし)。筒部11は前側部20からZ’方向に延びている。複数の保持アームは筒部11からZ’方向に延びており且つ周方向に間隔をあけて配置されている。複数の保持アームがユニットUのケース200を弾性的に保持しており且つユニットUのケース200の天板210が筒部11内に嵌合(FIT IN)して筒部11に保持されている。
【0026】
前側部20は、絶縁性を有する材料(例えば、絶縁樹脂等)で構成されており且つ保持部10と一体化されていてもよいが、これに限定されない。前側部20は、前側部20は、ユニットUのケース200に対してZ方向側に配置されている。例えば、前側部20は、ユニットUのケース200に対してZ方向側に間隙Gを有して対向配置されていてもよい。保持部10が上記(1)の構成を有する場合、前側部20、ケース200の天板210及び保持部10の薄肉部11aが間隙Gを区画している。保持部10が上記(2)又は(3)の構成を有する場合、前側部20、ケース200の天板210及び保持部10の筒部11が間隙Gを区画している。何れの場合も、間隙Gは、前側部20とユニットUのケース200との間に存在しており且つケース200の開口211に連通している。
【0027】
前側部20は、保持孔21を有していてもよいが、有していなくても構わない。保持孔21は、下記(4)又は(5)の構成を有している。
【0028】
(4)保持孔21は、第1孔21aと、第2孔21bとを有している。第1孔21aはZ方向に開口しており、第2孔21bは、第1孔21aに対してZ’方向側に位置しており、第1孔21aに連通しており且つZ’方向に開口している。第2孔21bのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の形は、第1孔21aのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の形と同じであってもよいが、相違していても構わない。第2孔21bのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の寸法は、第1孔21aのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の寸法よりも小さい。
【0029】
(5)保持孔21は、前側部20をZ-Z’方向に貫通する貫通孔であって、保持孔21のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の寸法は、保持孔21のZ方向側の端からZ’方向側の端にかけて略同じである。
【0030】
ホルダH又はケース200は、少なくとも一つのストッパ60を更に備えていてもよい。少なくとも一つのストッパ60は、一又は複数である。
【0031】
一又は複数のストッパ60がホルダHに設けられている場合、一又は複数のストッパ60は、絶縁性を有する材料(例えば、絶縁樹脂等)で構成されており且つ前側部20又は保持部10に設けられている。一又は複数のストッパ60が前側部20に設けられている場合、一又は複数のストッパ60が前側部20からZ’方向に延びた凸部である(図2A図2D参照)。一又は複数のストッパ60が保持部10に設けられている場合(図示なし)、一又は複数のストッパ60が保持部10の上記(1)~(3)の何れかの筒部11から当該筒部11の中心軸側に延びた凸部である。何れの場合も、一又は複数のストッパ60は、前側部20に対してZ’方向側に配置されている。一又は複数のストッパ60が、Z方向側からユニットUのケース200の天板210に当接している。これにより、前側部20とユニットUのケース200との間の間隙Gが確保されている。
【0032】
一又は複数のストッパ60がケース200に設けられている場合、一又は複数のストッパ60は、ケース200の天板210からZ方向に延びた凸部である。一又は複数のストッパ60は、前側部20に対してZ’方向側から当接している。これにより、前側部20とユニットUのケース200との間の間隙Gが確保されている。
【0033】
なお、少なくとも一つのストッパ60は省略可能である。この場合、ユニットUが上記した何れかのとおりに保持部10に保持されることによって位置決めされ、前側部20とユニットUのケース200との間の間隙Gが確保されている。
【0034】
ホルダHは、透過部30を更に備えている。透過部30は、少なくとも赤外線が透過可能な構成となっている。透過部30は、赤外線を透過させる光学フィルタを有する構成とすることが可能である。光学フィルタは、所定の波長帯域の赤外線を透過させる構成とすることが可能である。例えば、光学フィルタは、波長帯域が約0.7μm~14μmの赤外線を透過させる構成であってもよいし、赤外線及びその近傍の波長帯域の光(例えば、波長帯域が約0.4μm~0.78μmの可視光線及び/又は波長帯域が1mm~1mのマイクロ波)を透過させる構成であってもよい。光学フィルタは、シリコン製の光学レンズ等で構成されていてもよい。光学フィルタの厚み寸法(Z-Z’方向の寸法)が0.55mm±0.05mmであり、光学フィルタの入射角約10度~20度における7μm~14μmの波長領域を有する光の平均透過率が70%以上としてもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
透過部30は、透過部本体31と、透過部本体31の周りの外周部32とを有する構成とすることが可能である。透過部本体31が上記光学フィルタで構成されており且つ外周部32が透過部本体31の周りに成形された樹脂で構成されていてもよい。又は、透過部本体31が上記光学フィルタの中央部で構成されており且つ外周部32が上記光学フィルタの外周部で構成されていてもよい、後者の外周部32上には印刷やマスキング等が施されていてもよいが、施されていなくても構わない。
【0036】
なお、透過部30の透過部本体31は、上記光学フィルタではなく、少なくとも赤外線が透過可能な透明又は透光性を有する樹脂やガラス等で構成されていてもよい。また、透過部30全体が前記樹脂又は前記ガラス等で構成されていてもよい。
【0037】
透過部30はホルダHの前側部20に設けられている。例えば、透過部30は以下の(6)~(8)の何れかのとおりにホルダHの前側部20に設けられている。
【0038】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(4)の構成を有する場合、(6)透過部30は、前側部20の保持孔21の第1孔21aに収容保持されている。透過部30のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形は、第1孔21aのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の形と略同じであり且つ透過部30のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法は、第1孔21aのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の寸法と略同じ又は若干小さい。この場合、透過部30は前側部20の第1孔21aからZ方向に露出している。透過部30は、前側部20の保持孔21の第2孔21bからZ’方向に露出しており、第2孔21b、間隙G、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0039】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(5)の構成を有する場合、(7)透過部30は、前側部20の保持孔21に収容保持されている。透過部30のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形は、保持孔21のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の形と略同じであり且つ透過部30のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法は、保持孔21のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の寸法と略同じ又は若干小さい。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21からZ方向及びZ’方向に露出しており、間隙G、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0040】
前側部20に保持孔21が設けられていない場合、(8)透過部30はホルダHの前側部20内にインサート成形等によって埋め込まれている。この場合、透過部30は、前側部20からZ方向及びZ’方向に露出しており、間隙G、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0041】
ホルダHは、音波が入力可能な少なくとも一つの音孔40を更に備えている。少なくとも一つの音孔40が一つである場合、一の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。少なくとも一つの音孔40が複数である場合、複数の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられており且つ周方向に沿って間隔をあけて配置されている。一又は複数の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分をZ-Z’方向に貫通しており、Z方向に及びZ’方向の双方に開口しており且つ間隙Gに連通している。したがって、一又は複数の音孔40は、Z方向側から音波が入力可能となっている。
【0042】
保持部10が上記(1)の構成を有している場合、一又は複数の音孔40は、保持部10の筒部11及び/又はユニットUのケース200の天板210(開口211の周縁部)に間隙Gを介して対向しているが、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。保持部10が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、一又は複数の音孔40は、ユニットUのケース200の天板210(開口211の周縁部)に間隙Gを介して対向しているが、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。何れの場合も、振動膜100は、ケース200の開口211、間隙G及び一又は複数の音孔40を介してホルダHの外部に露出しない。
【0043】
ホルダHは、音道50を更に備えている。音道50は間隙Gを有している。間隙Gが、ホルダHの前側部20とユニットUのケース200との間に存在して、一又は複数の音孔40からケース200の開口211まで延びた音道をなしている。一又は複数の音孔40から入力される音波が、間隙G(音道)及びユニットUのケース200の開口211を通過して振動膜100を振動させるようになっている。
【0044】
検知センサS1は、音波が通過可能なカバーCを更に備えていてもよい。カバーCは、クロスで構成されていてもよいし、図示しない防水性及び/又は防塵性を有するシートで構成されていてもよい。少なくとも一つの音孔40が一つである場合、カバーCは、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分上に設けられており且つ一の音孔40をZ方向側から覆っている。少なくとも一つの音孔40が複数である場合、カバーCは、リング状であって、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分上に設けられており且つ複数の音孔40をZ方向側から覆っている。なお、カバーCは省略可能である。この場合であっても、一又は複数の音孔40は、上記したとおり間隙G及び一又は複数の音孔40を通じてホルダHの外部に露出しない。
【0045】
以下、ユニットUをホルダHに組み込む方法について詳しく説明する。まず、ユニットU及びホルダHを用意する。用意されたホルダHの前側部20には透過部30が上記した何れかのとおりに設けられている。
【0046】
ホルダHの保持部10が上記(1)の構成を有する場合、ユニットUをホルダHの保持部10の厚肉部11b内にZ’方向から嵌合させる。ホルダHに一又は複数のストッパ60が設けられている場合、一又は複数のストッパ60がユニットUのケース200の天板210に当接する。このとき、ホルダHの前側部20、筒部11及びケース200の天板210によって間隙Gが区画され、ホルダHの透過部30が間隙G及びケース200の天板210の開口211を介してユニットUの振動膜100に対向し、且つホルダHの一又は複数の音孔40が間隙Gを介して保持部10の厚肉部11b及び/又はケース200の天板210(開口211の周縁部)に対向する。ホルダHに一又は複数のストッパ60が設けられていない場合、ユニットUがホルダHの保持部10の厚肉部11b内にZ’方向から嵌合することによって、前述のとおりに、間隙Gが区画され、ホルダHの透過部30がユニットUの振動膜100に対向し、且つホルダHの一又は複数の音孔40が保持部10の厚肉部11b及び/又はケース200の天板210に対向する。このようにしてユニットUがホルダHの保持部10に保持される。
【0047】
ホルダHの保持部10が上記(2)の構成を有する場合、ユニットUをホルダHの保持部10の筒部11内にZ’方向から嵌合させる。これにより、ホルダHの保持部10が上記(1)の構成を有し且つ一又は複数のストッパ60が設けられている場合又はホルダHの保持部10が上記(1)の構成を有し且つ一又は複数のストッパ60が設けられていない場合と同様に、ユニットUがホルダHの保持部10に保持される。
【0048】
ホルダHの保持部10が上記(3)の構成を有する場合、ユニットUをホルダHの保持部10の複数の保持アームに保持させる。これにより、ホルダHの保持部10が上記(1)の構成を有し且つ一又は複数のストッパ60が設けられている場合又はホルダHの保持部10が上記(1)の構成を有し且つ一又は複数のストッパ60が設けられていない場合と同様に、ユニットUがホルダHの保持部10に保持される。
【0049】
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係る検知装置Dについて図4を参照しつつ説明する。図4には、実施例1に係る検知装置Dが示されている。
【0050】
検知装置Dは、上記何れかの態様の検知センサS1と、ローパスフィルタF1と、ハイパスフィルタF2とを備えた構成とすることが可能である。
【0051】
ローパスフィルタF1は、FET400に電気的に接続されており且つFET400からの出力信号が入力されるようになっている。ローパスフィルタF1は、基板300に電気的に接続される図示しない基板上に設けられていてもよいし、基板300上に設けていてもよい。ローパスフィルタF1は、入力される出力信号のうちの第1電気信号からインピーダンス変換された周波数帯域の信号を通過させる一方、ローパスフィルタF1を通過する信号の周波数帯域よりも高い周波数帯域の信号を減衰させる構成となっている。具体的には、第1電気信号からインピーダンス変換された信号は、0.35Hz~5.0Hzの周波数帯域を有するため、ローパスフィルタF1は、入力される出力信号のうち10Hz及びこれよりも低い周波数帯域の信号を通過させる一方、10Hzよりも高い(10Hzを含まない。)周波数帯域の信号を減衰させる構成となっている。
【0052】
ハイパスフィルタF2は、FET400に電気的に接続されており且つFET400からの出力信号が入力されるようになっている。ハイパスフィルタF2は、基板300に電気的に接続される図示しない基板上に設けられていてもよいし、基板300上に設けていてもよい。ハイパスフィルタF2は、入力される出力信号のうちのローパスフィルタF1を通過する信号の周波数帯域よりも高い周波数帯域の信号を通過させる一方、ハイパスフィルタF2を通過する信号の周波数帯域よりも低い周波数帯域の信号を減衰させる構成となっている。例えば、ハイパスフィルタF2は、200Hz~300Hzの周波数帯域の信号を通過させる一方、200Hz及びこれよりも低い周波数帯域の信号を減衰させる構成となっている。
【0053】
検知装置Dは、制御部CEを更に備えた構成とすることが可能である。制御部CEは、基板300に電気的に接続される図示しない基板上に設けられていてもよいし、基板300上に設けていてもよい。制御部CEは、ローパスフィルタF1及びハイパスフィルタF2に個別に電気的に接続されている。制御部CEは、ローパスフィルタF1を通過した信号及びハイパスフィルタF2を通過した信号が入力されるようになっている。制御部CEは、FET400に電気的に接続されており且つFET400から出力信号が入力されるようになっていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
制御部CEは、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されているか否かを判断する構成を有していてもよい。以下、制御部CEの非限定の一例の構成について説明する。制御部CEは、ローパスフィルタF1から信号の入力があるか否かを判断(第1判断)する。制御部CEがローパスフィルタF1から信号の入力があったと判断した場合、制御部CEは、制御部CEの内部のタイマー回路又は内部メモリ上のソフトウエアタイマーによって所定期間をカウントし、当該所定期間以内にハイパスフィルタF2から信号の入力があるか否かを判断(第2判断)する。制御部CEが所定期間以内にハイパスフィルタF2から信号の入力があったと判断した場合(すなわち、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されていないと判断した場合)、制御部CEは、第1判断の処理に戻る。一方、制御部CEが所定期間以内にハイパスフィルタF2から信号の入力がなかったと判断した場合、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されていると判断する。なお、制御部CEは、第1判断を行った後に、前記所定期間以内に第2判断を行うのではなく、第2判断を行った後に、前記所定期間以内に第1判断を行う構成としてもよい。
【0055】
制御部CEは、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されていると判断した場合、赤外線が照射されることによって、振動膜100から発生する第1電気信号からインピーダンス変換された信号のみが入力されていることになるので、振動膜100に赤外線が当たっていると判断する。これにより、制御部CEは、赤外線を検知できる。制御部CEは、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されていないと判断した場合、音波によって振動する振動膜100から発生する第2電気信号からインピーダンス変換された信号が入力されていることになるので、制御部CEは、振動膜100が音波によって振動していると判断する。このようにして制御部CEは、音波を検知できる。
【0056】
制御部CEは、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されていると判断した場合、FET400から入力される信号に対して音声認識処理等の信号処理を行う構成、又は、ローパスフィルタF1及びハイパスフィルタF2から入力される信号に対して音声認識処理等の信号処理を行う構成を更に有していてもよい。制御部CEは、FET400から入力される信号、又は、ローパスフィルタF1及びハイパスフィルタF2から入力される信号に対して増幅し、増幅した信号に対して前述の信号処理を行う構成とすることも可能である。
【0057】
なお、制御部CEは、外部からの指示情報に基づいて、第1判断に戻るようになっていてもよい。又は、制御部CEは、ローパスフィルタF1のみから信号が入力されていると判断した場合、制御部CEの内部のタイマー回路又は内部メモリ上のソフトウエアタイマーによって所定期間をカウントし、当該所定期間以内に前述の何れかのとおりに信号処理を行う構成としてもよい。制御部CEは、前記所定期間経過後、第1判断の処理に戻るようになっていてもよい。制御部CEは、上記信号処理を行う構成を省略し、上記第1判断及び第2判断の処理をこの順又は逆順で繰り返す構成とすることも可能である。
【0058】
一般的に、人体から10μm(1000nm)付近をピーク波長とする赤外線が放射されているため、この赤外線が検知センサS1の透過部30を透過して振動膜100に照射されることによって、上記のとおり、人体の接近(検知センサS1に手をかざす行為等も含む。)が検知装置Dに検知される。検知装置Dがゴミ箱に内蔵される場合、例えば、検知装置Dは、上記したとおり、人体の接近を赤外線が振動膜100に照射されることによって検知することができ、且つ検知センサS1に入力される音声の音声認識処理をする構成とすることが可能である。この場合、ゴミ箱は、人の接近及び音声の検知の何れによっても、その蓋を開閉させる構成とすることが可能である。検知装置Dが家具及び電化製品等に内蔵される場合も、ゴミ箱と同様に、人の接近及び音声の検知の何れによっても、家具及び電化製品等を動作させることができる。検知装置Dが自動販売機又は切符やチケットの券売機に内蔵される場合、例えば、検知装置Dは、上記したとおり、人体の接近を赤外線が振動膜100に照射されることによって検知した後、検知センサS1に入力される音声の音声認識処理をする構成とすることが可能である。この場合、自動販売機又は券売機は、人の接近を検知した後、人体が自動販売機又は券売機に触れることなく、声で商品の購入が可能になる。検知装置Dが火災検知器に内蔵される場合、例えば、検知装置Dは、上記したとおり、火災等の温度変化を赤外線が振動膜100に照射されることによって検知した後、検知センサS1に入力される音声の音声認識処理を行う構成とすることが可能である。この場合、火災検知器は、火災等の温度変化を検知した後に、処理された音声データをインターネット等の回線を通じて送信することができる。また、火災検知器は、火災等の温度変化を検知することによって警報ブザー等をオンにする構成としてもよい。検知装置Dが防犯カメラ等の警報装置に内蔵される場合、例えば、検知装置Dは、上記したとおり、人体の接近を赤外線が振動膜100に照射されることによって検知した後、音声認識処理を行う構成とすることが可能である。この場合、警報装置は、人の接近を検知した後、処理された音声データ(声及び物音等)を記録したりインターネット等の回線を通じて送信したりすることができる。
【0059】
以上のような検知センサS1による場合、以下の(1)~(5)の技術的特徴及び効果を奏する。
【0060】
技術的特徴及び効果(1)
検知センサS1は、赤外線及び音波が同方向(Z方向)から入力できる。その理由は以下のとおりである。ホルダHの前側部20がユニットUのケース200に対してZ方向側に配置されている。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており、前側部20からZ方向及びZ’方向に露出しており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。このため、少なくとも赤外線がZ方向側からホルダHの透過部30を透過して、振動膜100に照射される。また、少なくとも一つの音孔40が、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられており、Z方向に開口しており且つ間隙Gに連通している。間隙Gはケース200の開口211に連通している。そのため、音波も、Z方向側から少なくとも一つの音孔40に入力され、少なくとも一つの音孔40、間隙G及び開口211を通過して振動膜100を振動させることができる。
【0061】
技術的特徴及び効果(2)
振動膜100が検知センサS1の外部に露出しない。その理由は以下のとおりである。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。少なくとも一つの音孔40がホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。そのため、振動膜100が、少なくとも一つの音孔40、音道50(間隙G)及び開口211を通じて検知センサS1の外部に露出しない。よって、塵、埃及び水等(以下、これらを纏めて「塵等」称する。)が少なくとも一つの音孔40及び間隙Gから検知センサS1内に侵入して振動膜100に付着する可能性が低減される。また、カバーCが設けられている場合、カバーCによって少なくとも一つの音孔40が閉塞されるため、塵等が少なくとも一つの音孔40及び間隙Gから検知センサS1内に侵入して振動膜100に付着する可能性が更に低減される。
【0062】
技術的特徴及び効果(3)
検知センサS1の少なくとも一つの音孔40の数及び/又は寸法を変更することによって、少なくとも一つの音孔40から検知センサS1内に入力された音波の高い周波数帯域(例えば、3kHz~20kHz)の周波数特性を調整することができる。
【0063】
技術的特徴及び効果(4)
ユニットUがホルダHの保持部10に保持される構成となっているので、保持部10のユニットUに対する保持位置を任意に設定することができる。保持部10のユニットUに対する保持位置を変更すれば、ホルダHの透過部30と、ホルダHの保持部10に保持されたユニットUの振動膜100とのZ-Z’方向における直線距離が変更できるので、検知センサS1の赤外線に対するセンサ感度を変更できる。しかも、保持部10のユニットUに対する保持位置を変更し、前記直線距離を大きくするにしたがって、検知センサS1の振動膜100に対する赤外線の入射角を大きくすることもできる。なお、入射角は、検知センサS1の振動膜100表面に対して垂直な線(法線)と検知センサS1の振動膜100に入射する赤外線の成す角度である。
【0064】
技術的特徴及び効果(5)
検知センサS1の汎用性が向上する。その理由は以下の通りである。検知センサS1は上記のとおり、振動膜100が検知センサS1の外部に露出しないので、塵や埃が多い場所及び/又は水が付着する可能性がある場所に検知センサS1を設置することが可能になる。
【0065】
なお、検知装置Dは、検知センサS1を備えているため、検知装置Dも上記(1)~(5)の技術的特徴及び効果を奏する。
【実施例0066】
以下、本発明の実施例2及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る図示しない検知センサS2について、図5A図5Cを参照しつつ説明する。図5A図5Cには、実施例2の検知センサS2が示されている。検知センサS2は、検知センサS2のホルダHの前側部20がユニットUのケース200の天板210に直接的に当接しており且つホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50が検知センサS1のホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50と異なる構成である点で相違する以外、上記した検知センサS1と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明は省略する。なお、図5Aには、Z-Z’方向及びY-Y’方向が図2Aと同様に示されている。図5Bには、Z-Z’方向及びX-X’方向が図2Bと同様に示されている。図5Cには、Y-Y’方向及びX-X’方向が図2Dと同様に示されている。
【0067】
ホルダHの保持部10は、上記(1)~(3)の何れかの構成とすることが可能である。図5A図5Cでは、ホルダHの保持部10は、上記(2)の構成である。
【0068】
検知センサS2のホルダHの前側部20は、ユニットUのケース200の天板210に直接的に当接している。ホルダHの前側部20とケース200の天板210との間に間隙Gは設けられておらず且つ検知センサS2に少なくとも一つのストッパ60は設けられていない。
【0069】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(4)の構成を有する場合、(9)前側部20の保持孔21の第2孔21bは、第1孔21aからユニットUのケース200の開口211まで延びている(図5A図5C参照)。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21の第1孔21aからZ方向に露出している。加えて、透過部30は、前側部20の保持孔21の第2孔21bからZ’方向に露出しており、第2孔21b、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0070】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(5)の構成を有する場合、(10)前側部20の保持孔21のZ’方向側に部分には、保持孔21からユニットUのケース200の開口211まで延びた孔部(図示なし)が設けられている。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0071】
前側部20に保持孔21が設けられていない場合、(11)前側部20には、透過部30からユニットUのケース200の開口211まで延びた孔部(図示なし)が設けられている。この場合、透過部30は、前側部20からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0072】
検知センサS2のホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50が、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。
【0073】
検知センサS2のホルダHの一又は複数の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分をZ-Z’方向に貫通していない孔である点で相違する以外、検知センサS1のホルダHの一又は複数の音孔40と略同じ構成である。検知センサS2のホルダHの一又は複数の音孔40は、Z方向側に開口しており、Z方向側から音波が入力可能となっている。
【0074】
検知センサS2のホルダHの音道50は、一又は複数の音孔40からケース200の開口211まで延びており且つ一又は複数の音孔40及び開口211に連通している。例えば、音道50は、一又は複数の凹部51と、上記(9)の第2孔21b、上記(10)の孔部又は上記(11)の孔部とを有する構成、又は、一又は複数の横孔(図示なし)と、上記(9)の第2孔21b、上記(10)の孔部又は上記(11)の孔部とを有する構成とすることが可能である。一又は複数の凹部51は、一又は複数の音孔40から上記(9)の第2孔21b、上記(10)の孔部又は上記(11)の孔部まで延びると共に、一又は複数の音孔40からZ’方向に延びてZ’方向に開口している。一又は複数の横孔は、一又は複数の音孔40から上記(9)の第2孔21b、上記(10)の孔部又は上記(11)の孔部まで延びている。一又は複数の音孔40から入力される音波が、前側部20の音道50及びユニットUのケース200の開口211を通過して振動膜100を振動させる。
【0075】
音道50が一又は複数の凹部51を有しており且つ保持部10が上記(1)の構成を有している場合、一又は複数の音孔40は、保持部10の筒部11及び/又はユニットUのケース200の天板210に音道50の一又は複数の凹部51を介して対向しているが、音道50の一又は複数の凹部51を介してユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。音道50が一又は複数の凹部51を有しており且つ保持部10が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、一又は複数の音孔40は、ユニットUのケース200の天板210に音道50の一又は複数の凹部51を介して対向しているが、音道50の一又は複数の凹部51を介してユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。何れの場合も、振動膜100は、ケース200の開口211、音道50及び一又は複数の音孔40を通じてホルダHの外部に露出しない。
【0076】
音道50が一又は複数の横孔を有している場合、一又は複数の音孔40は、音道50の一又は複数の横孔の底に対向するため、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。
【0077】
実施例2の検知装置Dは、上記何れかの態様の検知センサS1に代わりに、上記何れかの態様の検知センサS2を備えている点以外、実施例1の検知装置Dと同じ構成である。
【0078】
以上のような検知センサS2による場合、以下の(1)~(2)の技術的特徴及び効果を奏する。
【0079】
技術的特徴及び効果(1)
検知センサS2は、赤外線及び音波が同方向から入力できる。その理由は以下のとおりである。ホルダHの前側部20がユニットUのケース200に対してZ方向側に配置されている。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられ、前側部20からZ方向及びZ’方向に露出しており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。このため、少なくとも赤外線がZ方向側からホルダHの透過部30を透過して、振動膜100に照射される。また、少なくとも一つの音孔40が、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられており且つZ方向に開口している。音道50は前側部20に設けられており且つ少なくとも一つの音孔40からケース200の開口211に延びている。そのため、音波も、Z方向側から少なくとも一つの音孔40に入力され、少なくとも一つの音孔40、音道50及び開口211を通過して振動膜100を振動させることができる。
【0080】
技術的特徴及び効果(2)
振動膜100が検知センサS2の外部に露出しない。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。少なくとも一つの音孔40がホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。そのため、振動膜100が、少なくとも一つの音孔40、音道50及び開口211を通じて検知センサS1の外部に露出しない。よって、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS2内に侵入して振動膜100に付着する可能性が低減される。また、カバーCが設けられている場合、カバーCによって少なくとも一つの音孔40が閉塞されるため、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS2内に侵入して振動膜100に付着する可能性が更に低減される。
【0081】
検知センサS2は、検知センサS1の技術的特徴及び効果(3)~技術的特徴及び効果(5)と同様の技術的特徴及び効果も奏する。
【0082】
なお、検知装置Dは、検知センサS2を備えているため、検知装置Dも検知センサS2の技術的特徴及び効果と同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【実施例0083】
以下、本発明の実施例3及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る図示しない検知センサS3について、図6A図6Cを参照しつつ説明する。図6A図6Cには、実施例3の検知センサS3が示されている。検知センサS3は、ホルダHが前側部20とケース200の天板210との間に介在するスペーサSPを更に備えており且つホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50が検知センサS1のホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50と異なる構成である点で相違する以外、上記した検知センサS1と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明は省略する。なお、図6Aには、Z-Z’方向及びY-Y’方向が図2Aと同様に示されている。図6Bには、Z-Z’方向及びX-X’方向が図2Bと同様に示されている。図6Cには、Y-Y’方向及びX-X’方向が図2Dと同様に示されている。
【0084】
スペーサSPは、ホルダHの保持部10及び前側部20とは別体であって、Y-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面が略リング状あり且つ絶縁性を有する材料(例えば、絶縁樹脂等)で構成されている。スペーサSPには、スペーサSPをZ-Z’方向に貫通しており且つ透過部30とユニットUのケース200の開口211との間に位置する中央孔52が設けられている。スペーサSPは、上記(1)~(3)の何れかの構成を有する保持部10の筒部11内に配置されており且つホルダHの前側部20とユニットUのケース200の天板210との間に介在している。スペーサSPは、ホルダHの前側部20に対してZ’方向側から当接し且つケース200の天板210に対してZ方向から当接している。すなわち、ホルダHの前側部20がスペーサSPを介して間接的に当接している。ホルダHの前側部20とケース200の天板210との間に間隙Gは設けられておらず且つ検知センサS3に少なくとも一つのストッパ60は設けられていない。なお、図6A図6Cでは、ホルダHの保持部10は、上記(2)の構成である。
【0085】
検知センサS2のホルダHの音道50は、(a)スペーサSPに設けられていてもよいし、(b)前側部20及びスペーサSPの双方に設けられていてもよい。
【0086】
音道50が上記(a)の構成を有する場合、検知センサS3は、更に以下の何れかのとおりの構成を有している。
【0087】
透過部30が上記(6)の構成を有する場合、スペーサSPの中央孔52は、前側部20の保持孔21の第2孔21bからケース200の天板210の開口211まで延びており且つ第2孔21b及び開口211に連通している。この場合、透過部30は、第2孔21b、スペーサSPの中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。透過部30が上記(7)の構成を有する場合、スペーサSPの中央孔52は、前側部20の保持孔21からケース200の天板210の開口211まで延びており且つ保持孔21及び開口211に連通している。この場合、透過部30は、スペーサSPの中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。透過部30が上記(8)の構成を有する場合、スペーサSPの中央孔52は、透過部30からケース200の天板210の開口211まで延びており且つ開口211に連通している。この場合、透過部30は、スペーサSPの中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。
【0088】
検知センサS3のホルダHの一又は複数の音孔40は、検知センサS1のホルダHの一又は複数の音孔40と略同じ構成であって、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。
【0089】
検知センサS3のホルダHの音道50は、一又は複数の音孔40からケース200の開口211まで延びており且つ一又は複数の音孔40及び開口211に連通している。例えば、音道50は、一又は複数の周辺孔53と、中央孔52とを有する構成(図6A図6C参照)、又は、一又は複数の横孔(図示なし)と、中央孔52とを有する構成とすることが可能である。一又は複数の周辺孔53は、スペーサSPの中央孔52の周りの部分をZ-Z’方向に貫通しており且つ一又は複数の音孔40から中央孔52まで延びている。一又は複数の横孔は、スペーサSPの中央孔52の周りの部分に設けられており且つ一又は複数の音孔40から中央孔52まで延びている。一又は複数の音孔40から入力される音波が、音道50及びユニットUのケース200の開口211を通過して振動膜100を振動させる。
【0090】
音道50が一又は複数の周辺孔53を有しており且つ保持部10が上記(1)の構成を有している場合、一又は複数の音孔40は、保持部10の筒部11及び/又はユニットUのケース200の天板210に一又は複数の周辺孔53を介して対向しているが、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。音道50が一又は複数の周辺孔53を有しており且つ保持部10が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、一又は複数の音孔40は、ユニットUのケース200の天板210に一又は複数の周辺孔53を介して対向しているが、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。何れの場合も、振動膜100は、ケース200の開口211、音道50及び一又は複数の音孔40を通じてホルダHの外部に露出しない。
【0091】
音道50が一又は複数の横孔を有する場合、一又は複数の音孔40は、スペーサSPの一又は複数の横孔の底に対向するため、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。
【0092】
音道50が上記(b)の構成を有する場合、検知センサS3は、更に以下の何れかのとおりの構成を有している。
【0093】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(4)の構成を有する場合、(12)前側部20の保持孔21の第2孔21bは、第1孔21aからスペーサSPの中央孔52まで延びており且つスペーサSPの中央孔52は、第2孔21bからユニットUのケース200の開口211まで延びている。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21の第1孔21aからZ方向に露出している。透過部30は、前側部20の保持孔21の第2孔21bからZ’方向に露出しており、第2孔21b、中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0094】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(5)の構成を有する場合、(13)前側部20の保持孔21のZ’方向側に部分には、保持孔21からスペーサSPの中央孔52まで延びた孔部(図示なし)が設けられており且つスペーサSPの中央孔52は、孔部からユニットUのケース200の開口211まで延びている。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0095】
前側部20に保持孔21が設けられていない場合、(14)前側部20には、透過部30からSPの中央孔52まで延びた孔部(図示なし)が設けられており且つスペーサSPの中央孔52は、孔部からユニットUのケース200の開口211まで延びている。この場合、透過部30は、前側部20からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【0096】
検知センサS3のホルダHの一又は複数の音孔40は、検知センサS2のホルダHの一又は複数の音孔40と略同じ構成であって、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。
【0097】
検知センサS3のホルダHの音道50は、一又は複数の音孔40からケース200の開口211まで延びており且つ一又は複数の音孔40及び開口211に連通している。例えば、音道50は、前側部20の一又は複数の凹部51と、前側部20の上記(12)の第2孔21b、上記(13)の孔部又は上記(14)の孔部と、スペーサSPの中央孔52とを有する構成、又は、前側部20の一又は複数の横孔(図示なし)と、前側部20の上記(12)の第2孔21b、上記(13)の孔部又は上記(14)の孔部と、スペーサSPの中央孔52とを有する構成とすることが可能である。一又は複数の凹部51は、前側部20に設けられており、一又は複数の音孔40から上記(12)の第2孔21b、上記(13)の孔部又は上記(14)の孔部まで延びると共に、一又は複数の音孔40からZ’方向に延びてZ’方向に開口している。一又は複数の横孔は、前側部20に設けられており、一又は複数の音孔40から上記(12)の第2孔21b、上記(13)の孔部又は上記(14)の孔部まで延びている。スペーサSPの中央孔52は、上記したとおり、上記(12)の第2孔21b、上記(13)の孔部又は上記(14)の孔部からユニットUのケース200の開口211まで延びている。一又は複数の音孔40から入力される音波が、前側部20の音道50及びユニットUのケース200の開口211を通過して振動膜100を振動させる。
【0098】
音道50が前側部20の一又は複数の凹部51を有している場合、一又は複数の音孔40は、前側部20の一又は複数の凹部51を介してスペーサSPに対向しているが、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。音道50が前側部20の一又は複数の横孔を有している場合、一又は複数の音孔40は、前側部20の一又は複数の横孔の底に対向するため、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対向していない。何れの場合も、振動膜100は、ケース200の開口211、音道50及び一又は複数の音孔40を通じてホルダHの外部に露出しない。
【0099】
実施例3の検知装置Dは、上記何れかの態様の検知センサS1に代わりに、上記何れかの態様の検知センサS3を備えている点以外、実施例1の検知装置Dと同じ構成である。
【0100】
以上のような検知センサS3による場合、以下の(1)~(2)の技術的特徴及び効果を奏する。
【0101】
技術的特徴及び効果(1)
検知センサS3は、赤外線及び音波が同方向から入力できる。その理由は以下のとおりである。ホルダHの前側部20がユニットUのケース200に対してZ方向側に配置されている。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており、前側部20からZ方向及びZ’方向に露出しており、スペーサSPの中央孔52及びケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。このため、少なくとも赤外線がZ方向側からホルダHの透過部30を透過して、振動膜100に照射される。また、少なくとも一つの音孔40が、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられており且つZ方向に開口している。音道50はスペーサSP、又は、前側部20及びスペーサSPに設けられており且つ少なくとも一つの音孔40からケース200の開口211まで延びている。そのため、音波も、Z方向側から少なくとも一つの音孔40に入力され、少なくとも一つの音孔40、音道50及び開口211を通過して振動膜100を振動させることができる。
【0102】
技術的特徴及び効果(2)
振動膜100が検知センサS3の外部に露出しない。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。少なくとも一つの音孔40がホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。そのため、振動膜100が、少なくとも一つの音孔40、音道50及び開口211を通じて検知センサS1の外部に露出しない。よって、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS3内に侵入して振動膜100に付着する可能性が低減される。また、カバーCが設けられている場合、カバーCによって少なくとも一つの音孔40が閉塞されるため、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS3内に侵入して振動膜100に付着する可能性が更に低減される。
【0103】
検知センサS3は、検知センサS1の技術的特徴及び効果(3)~技術的特徴及び効果(5)と同様の技術的特徴及び効果も奏する。
【0104】
なお、検知装置Dは、検知センサS3を備えているため、検知装置Dも検知センサS3の技術的特徴及び効果と同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【0105】
なお、上記した検知センサ及びその接続構造(コンビネーション)は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0106】
上記したホルダHの保持部10は、上記した何れかの態様の前側部20に対してZ’方向側で上記した何れかの態様のユニットUを保持する構成である限り、任意に設計変形可能である。上記したホルダHの少なくとも一つの音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられており且つZ方向に開口している限り、任意に設計変形可能である。上記したホルダHの音道50は、少なくとも一つの音孔40からユニットUのケース200の開口211に延びている限り、任意に設計変更可能である。
【符号の説明】
【0107】
D:検知装置
S1、S2:検知センサ
U:センサユニット
100:振動膜 110:フィルム本体 120:第1電極 130:第2電極
200:ケース 210:天板 211:開口 220:筒部 221:係止部
300:基板 310:電極
400:電界効果トランジスタ
500:導電リング
600:ゲートリング
700:ホルダ
H:ホルダ
10:保持部 11:筒部 11a:薄肉部 11b:厚肉部
20:前側部 21:保持孔 21a:第1孔 21b:第2孔
30:透過部 31:透過部本体 32:外周部
40:音孔 50:音道 G:間隙
60:ストッパ
C:カバー
SP:スペーサ
F1:ローパスフィルタ
F2:ハイパスフィルタ
CE:制御部
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
【手続補正書】
【提出日】2024-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】特開2022-42578号公報
【特許文献2】実開昭54-046525号公報
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様の検知センサは、センサユニットと、ホルダとを備えている。センサユニットは、圧電フィルムで構成された振動膜、振動膜を収容したケースとを備えている。振動膜は、赤外線が照射されることによって、焦電効果によって第1電気信号を発生させる構成及び音波により振動させられることによって、圧電効果によって第2電気信号を発生させる構成を有する。ケースは、振動膜に対して第1方向の一方側に配置された開口を有している。第1方向は、振動膜の厚み方向である。ホルダは、センサユニットを保持した保持部と、ケースに対して第1方向の一方側に配置された前側部と、少なくとも赤外線が透過可能な透過部と、音波が入力可能な音孔と、音道とを備えている。透過部は、前側部に設けられており、前側部から第1方向の一方及び他方に露出しており、開口及び振動膜に対して第1方向の一方側に配置されており且つ振動膜に対向している。音孔は、前側部の透過部の周りの部分に設けられており且つ第1方向の一方に開口している。音道は、音孔からケースの開口まで延びている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記した態様の検知センサによる場合、同方向から赤外線及び音波を入力できる。その理由は以下のとおりである。ホルダの前側部がセンサユニットのケースに対して第1方向の一方側に配置されている。ホルダの透過部がホルダの前側部に設けられており、前側部から第1方向の一方及び第方向の他方に露出しており、センサユニットの開口及び振動膜に対して第1方向の一方側に配置されており且つ振動膜に対向している。このため、少なくとも赤外線が第1方向の一方側から透過部を透過し、センサユニットの振動膜に照射される。また、音孔が前側部の透過部の周りの部分に設けられており且つ音道が音孔からケースの開口まで延びているので、音波も、第1方向の一方側から音孔に入力され、音孔、音道及び開口を通過して振動膜を振動させることができる。しかも、ホルダの透過部がホルダの前側部に設けられており且つ振動膜に対向する一方、音孔が前側部の透過部の周りの部分に設けられているので、振動膜が、音孔、音道及び開口を通じて検知センサの外部に露出しない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
以下、本発明の実施例1、2、3及びその設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変形例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る検知センサS1について、図1A図3Bを参照しつつ説明する。図1A図3Bには、実施例1の検知センサS1が示されている。図1A図2C及び図3A図3Bには、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向(第1方向の一方)及び’方向(第1方向の他方)を含む。図1A図2A及び図2C図3Bには、Y-Y’方向(第2方向)が示されている。Y-Y’方向は、Z-Z’方向に略直交しており、且つY方向(第2方向の一方)及びY’方向(第2方向の他方)を含む。図1A図1B図2B図2D及び図3A図3Bには、X-X’方向(第3方向)が示されている。X-X’方向は、Z-Z’方向及びY-Y’方向に略直交しており、且つX方向(第3方向の一方)及びX’方向(第3方向の他方)を含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
(1)保持部10は筒部11を有している(図1A図3B参照)。筒部11は、筒状の薄肉部11aと、筒状の厚肉部11bとを有している。薄肉部11aは、前側部20からZ’方向に延びている。厚肉部11bは、薄肉部11aからZ’方向に延びている。厚肉部11bの厚み寸法T1が薄肉部11aの厚み寸法T2よりも大きい。筒部11の厚肉部11bがユニットUのケース200に外嵌しており且つユニットUを保持している。換言すると、ユニットUのケース200が厚肉部11b内に嵌合(FIT IN)して筒部11に保持されている。このため、厚肉部11bのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形と同じであり且つ厚肉部11bのY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の内形寸法は、ケース200の筒部220のY-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面の外形寸法と略同じ又は若干小さい。以下、保持部10の筒部11の中心軸周りの周方向を単に「周方向」と称する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
前側部20は、絶縁性を有する材料(例えば、絶縁樹脂等)で構成されており且つ保持部10と一体化されていてもよいが、これに限定されない。前側部20はユニットUのケース200に対してZ方向側に配置されている。例えば、前側部20は、ユニットUのケース200に対してZ方向側に間隙Gを有して対向配置されていてもよい。保持部10が上記(1)の構成を有する場合、前側部20、ケース200の天板210及び保持部10の薄肉部11aが間隙Gを区画している。保持部10が上記(2)又は(3)の構成を有する場合、前側部20、ケース200の天板210及び保持部10の筒部11が間隙Gを区画している。何れの場合も、間隙Gは、前側部20とユニットUのケース200との間に存在しており且つケース200の開口211に連通している。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
ホルダHは、音波が入力可能な少なくとも一つの音孔40を更に備えている。少なくとも一つの音孔40が一つである場合、一の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。少なくとも一つの音孔40が複数である場合、複数の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分に設けられており且つ周方向に沿って間隔をあけて配置されている。一又は複数の音孔40は、前側部20の透過部30の周りの部分をZ-Z’方向に貫通しており、Z方向及びZ’方向の双方に開口しており且つ間隙Gに連通している。したがって、一又は複数の音孔40は、Z方向側から音波が入力可能となっている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
検知センサS1は、音波が通過可能なカバーCを更に備えていてもよい。カバーCは、クロスで構成されていてもよいし、図示しない防水性及び/又は防塵性を有するシートで構成されていてもよい。少なくとも一つの音孔40が一つである場合、カバーCは、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分上に設けられており且つ一の音孔40をZ方向側から覆っている。少なくとも一つの音孔40が複数である場合、カバーCは、リング状であって、ホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分上に設けられており且つ複数の音孔40をZ方向側から覆っている。なお、カバーCは省略可能である。この場合であっても、振動膜100は、上記したとおり間隙G及び一又は複数の音孔40を通じてホルダHの外部に露出しない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
以下、本発明の実施例2及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る検知センサS2について、図5A図5Cを参照しつつ説明する。図5A図5Cには、実施例2の検知センサS2が示されている。検知センサS2は、検知センサS2のホルダHの前側部20がユニットUのケース200の天板210に直接的に当接しており且つホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50が検知センサS1のホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50と異なる構成である点で相違する以外、上記した検知センサS1と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明は省略する。なお、図5Aには、Z-Z’方向及びY-Y’方向が図2Aと同様に示されている。図5Bには、Z-Z’方向及びX-X’方向が図2Bと同様に示されている。図5Cには、Y-Y’方向及びX-X’方向が図2Dと同様に示されている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(5)の構成を有する場合、(10)前側部20の保持孔21のZ’方向側部分には、保持孔21からユニットUのケース200の開口211まで延びた孔部(図示なし)が設けられている。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
技術的特徴及び効果(2)
振動膜100が検知センサS2の外部に露出しない。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。少なくとも一つの音孔40がホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。そのため、振動膜100が、少なくとも一つの音孔40、音道50及び開口211を通じて検知センサS2の外部に露出しない。よって、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS2内に侵入して振動膜100に付着する可能性が低減される。また、カバーCが設けられている場合、カバーCによって少なくとも一つの音孔40が閉塞されるため、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS2内に侵入して振動膜100に付着する可能性が更に低減される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
以下、本発明の実施例3及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る検知センサS3について、図6A図6Cを参照しつつ説明する。図6A図6Cには、実施例3の検知センサS3が示されている。検知センサS3は、ホルダHが前側部20とケース200の天板210との間に介在するスペーサSPを更に備えており且つホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50が検知センサS1のホルダHの少なくとも一つの音孔40及び音道50と異なる構成である点で相違する以外、上記した検知センサS1と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明は省略する。なお、図6Aには、Z-Z’方向及びY-Y’方向が図2Aと同様に示されている。図6Bには、Z-Z’方向及びX-X’方向が図2Bと同様に示されている。図6Cには、Y-Y’方向及びX-X’方向が図2Dと同様に示されている。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
スペーサSPは、ホルダHの保持部10及び前側部20とは別体であって、Y-Y’方向及びX-X’方向に沿った断面が略リング状あり且つ絶縁性を有する材料(例えば、絶縁樹脂等)で構成されている。スペーサSPには、スペーサSPをZ-Z’方向に貫通しており且つ透過部30とユニットUのケース200の開口211との間に位置する中央孔52が設けられている。スペーサSPは、上記(1)~(3)の何れかの構成を有する保持部10の筒部11内に配置されており且つホルダHの前側部20とユニットUのケース200の天板210との間に介在している。スペーサSPは、ホルダHの前側部20に対してZ’方向側から当接し且つケース200の天板210に対してZ方向から当接している。すなわち、ホルダHの前側部20がスペーサSPを介してケース200の天板210に間接的に当接している。ホルダHの前側部20とケース200の天板210との間に間隙Gは設けられておらず且つ検知センサS3に少なくとも一つのストッパ60は設けられていない。なお、図6A図6Cでは、ホルダHの保持部10は、上記(2)の構成である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
前側部20に保持孔21が設けられており且つ保持孔21が上記(5)の構成を有する場合、(13)前側部20の保持孔21のZ’方向側部分には、保持孔21からスペーサSPの中央孔52まで延びた孔部(図示なし)が設けられており且つスペーサSPの中央孔52は、孔部からユニットUのケース200の開口211まで延びている。この場合、透過部30は、前側部20の保持孔21からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
前側部20に保持孔21が設けられていない場合、(14)前側部20には、透過部30からスペーサSPの中央孔52まで延びた孔部(図示なし)が設けられており且つスペーサSPの中央孔52は、孔部からユニットUのケース200の開口211まで延びている。この場合、透過部30は、前側部20からZ方向に露出し、前側部20の孔部からZ’方向に露出しており、孔部、中央孔52、ユニットUのケース200の開口211及び振動膜100に対してZ方向側に配置されており且つ振動膜100に対向している。そのため、赤外線がZ方向側から透過部30を透過し、振動膜100に照射されるようになっている。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
技術的特徴及び効果(2)
振動膜100が検知センサS3の外部に露出しない。ホルダHの透過部30が前側部20に設けられており且つケース200の開口211を介して振動膜100に対向している。少なくとも一つの音孔40がホルダHの前側部20の透過部30の周りの部分に設けられている。そのため、振動膜100が、少なくとも一つの音孔40、音道50及び開口211を通じて検知センサS3の外部に露出しない。よって、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS3内に侵入して振動膜100に付着する可能性が低減される。また、カバーCが設けられている場合、カバーCによって少なくとも一つの音孔40が閉塞されるため、塵等が少なくとも一つの音孔40及び音道50から検知センサS3内に侵入して振動膜100に付着する可能性が更に低減される。
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2A