(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038782
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】障害者支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20250312BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145594
(22)【出願日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】523342654
【氏名又は名称】株式会社ヒニアラタ
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】馬庭 吾以千
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】発注者側には、社会貢献を示す電子証明書を受注者に代わって発行して、障害者にも働く喜びを感じさせ、かつ発注側の企業イメージを向上させることができる障害者支援システムを得る。
【解決手段】障害者支援施設に業務を発注する複数の発注者業者の発注者側端末100aと、業務を受注する複数の就労支援施設の施設側端末300aと、発注者側端末100aからの業務をこなすことができる就労支援施設を検索して発注者側端末100aに知らせると共に、社会貢献を示す電子証明書を発行するマッチングサイトのプラットフォームサーバ400aとを通信ネットワーク500(インターネット、VPN等)で接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務を発注する複数の発注者側端末と、業務を受注する複数の障害者支援施設の施設側端末と、前記発注者側端末からの業務をこなすことができる障害者支援施設を検索して前記発注者側端末に知らせると共に、社会貢献を示す電子証明書を発行するマッチングサイトのプラットフォームサーバとを通信ネットワークで接続した障害者支援システムであって、
前記プラットフォームサーバは、
前記障害者支援施設が発注者に考慮して欲しい内容を含む受注者側基本情報及び前記発注者側端末からの発注者側基本情報を記憶した記憶部と、
前記受注者側基本情報及び発注者側基本情報の記憶に伴って受注者側用マイページ並びに発注者側用マイページを前記記憶部に生成するマイページ生成部と、
前記発注者側端末からの発注情報の受信に伴って、この発注情報の業務を受注可能な障害者支援施設を前記記憶部の前記受注者側基本情報に基づいて検索するマッチング処理部と、
前記検索した障害者支援施設の前記受注者側基本情報を前記発注者用マイページに書き込むと共に、マッチングした障害者支援施設の受注者用マイページに前記発注情報を書き込む情報登録部と、
前記受注者用マイページに納品完了情報が書き込まれ、かつ前記発注者用マイページに納品確認情報が書き込まれ、さらに発注者側からの支払いが完了した場合は、前記受注者に代わって発注者へその社会貢献を示す情報を書き込んだ電子証明書を生成して前記発注者用マイページに書き込む電子証明書発行部とを有することを特徴とする障害者支援システム。
【請求項2】
前記電子証明書は、発注者名、受注者名、業務内容、作業納期、作業完了日を含み、これらが二次元マトリックス化されていることを特徴とする請求項1記載の障害者支援システム。
【請求項3】
前記電子証明書には、受注者側のURL、発注者側のURLが含まれていることを特徴とする請求項2記載の障害者支援システム。
【請求項4】
発注回数、発注金額から発注者の貢献度をランキング化して、Webサイトに掲載する手段を有することを特徴とする請求項1記載の障害者支援システム。
【請求項5】
前記電子証明書発行部は、受注者側の費用と、前記電子証明書の発行費用とを前記発注者側端末に送信することを特徴とする請求項1記載の障害者支援システム。
【請求項6】
前記電子証明書発行部は、前記受注者用マイページに発注許可情報が書き込まれた場合には、待状態となり、支払い完了で前記電子証明書を発行することを特徴とする請求項1記載の障害者支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
『就労支援施設』は、障害や疾患がある方の就労を支援し、かつ就職し働き続けていく過程を支援する施設のことである。
【0003】
一方、障害者支援施設では、企業からの仕事を募集している。そして、企業からの仕事により得た報酬は、施設で働く障がいのある方の給料となるので、企業にとっては社会貢献していることになるから企業イメージが向上する(企業の社会的責任)。また、障害者の雇用を促進するため、法的に様々な制度等が整備されている。
【0004】
その一例として、障害者を雇用した企業に対しては一定の給付金を支給したり、あるいは一定規模以上の企業で障害者を雇用していない企業等に対しては、納付金を徴収する制度などがある。
【0005】
しかし、企業からの発注をこなすには、障害の程度に適合した作業を割り当てることが重要である。例えば、特許文献1は、障害者情報データベースに障害者が作業可能な可能作業種別の情報を記憶しておき、要求された作業がある場合に、作業割当処理部が、障害者情報データベースに記憶されている障害者の可能作業種別を参照して、要求された作業が障害者の可能作業種別に適合する場合に当該作業を障害者に割り当てるようにしている。
【0006】
これにより、障害者としては自分の可能な作業が割り当てられることになり、社会参加の機会が増大することとなる。また、企業側としても作業に最適な障がい者を割り当てられることにより、特別な教育訓練などを行う必要がなくなり費用負担が軽減されるばかりか、最適な割当により生産性が向上すると共に、障害者雇用促進による社会貢献を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1は、社会貢献をしたい発注者(企業)と、仕事を受けたいNPO団体・社会福祉法人等を効率よく、かつ障害者が不安なくマッチングさせるものではなかった。また、企業は社会貢献を実感することが低かった。
【0009】
本発明は以上の課題を鑑みてなされたものであり、社会貢献をしたい発注者(企業)と、仕事を受けたいNPO団体・社会福祉法人等を効率よく、かつ障害者が不安なくマッチングさせ、また、企業の社会貢献を客観的に評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、業務を発注する複数の発注者側端末と、業務を受注する複数の障害者支援施設の施設側端末と、前記発注者側端末からの業務をこなすことができる障害者支援施設を検索して前記発注者側端末に知らせると共に、社会貢献を示す電子証明書を発行するマッチングサイトのプラットフォームサーバとを通信ネットワークで接続した障害者支援システムであって、前記プラットフォームサーバは、前記障害者支援施設が発注者に考慮して欲しい内容を含む受注者側基本情報及び前記発注者側端末からの発注者側基本情報を記憶した記憶部と、前記受注者側基本情報及び発注者側基本情報の記憶に伴って受注者側用マイページ並びに発注者側用マイページを前記記憶部に生成するマイページ生成部と、前記発注者側端末からの発注情報の受信に伴って、この発注情報の業務を受注可能な障害者支援施設を前記記憶部の前記受注者側基本情報に基づいて検索するマッチング処理部と、前記検索した障害者支援施設の前記受注者側基本情報を前記発注者用マイページに書き込むと共に、マッチングした障害者支援施設の受注者用マイページに前記発注情報を書き込む情報登録部と、前記受注者用マイページに納品完了情報が書き込まれ、かつ前記発注者用マイページに納品確認情報が書き込まれ、さらに発注者側からの支払いが完了した場合は、前記受注者に代わって発注者へその社会貢献を示す情報を書き込んだ電子証明書を生成して前記発注者用マイページに書き込む電子証明書発行部とを有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記電子証明書は、発注者名、受注者名、業務内容、作業納期、作業完了日を含み、これらが二次元マトリックス化されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記電子証明書には、受注者側のURL、発注者側のURLが含まれていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、発注回数、発注金額から発注者の貢献度をランキング化して、Webサイトに掲載する手段を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記電子証明書発行部は、受注者側の費用と、前記電子証明書の発行費用とを前記発注者側端末に送信することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記電子証明書発行部は、前記受注者用マイページに発注許可情報が書き込まれた場合には、待状態となり、支払い完了で前記電子証明書を発行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、発注者側が要望する業務をこなすことができる適切な障害者支援施設(受注側)を検索できると共に、発注者側は、社会貢献を示す電子証明書を受注者に代わって発行するので、発注側の企業イメージを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】障害者支援システムのシーケンス図(1)である。
【
図3】障害者支援システムのシーケンス図(2)である。
【
図5】電子証明書のQRコード(登録商標)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。本例では既に公知である技術は説明を省略する。また、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示したものであって、本発明の技術的思想は、下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において、種々の変更を加えることができる。特に、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0014】
本実施の形態は、NPO団体や社会福祉法人(障害者就労支援施設など)に民間企業が仕事を発注するなどした際、NPO団体や社会福祉法人から発注者へその社会貢献を示す電子証明書を発行する仕組みを持ち、同時に下記のプラットフォームを提供するものである。
【0015】
プラットフォームサーバ400aについて、このプラットフォームサーバ400aは、社会貢献をしたい発注者と、仕事を受けたいNPO団体・社会福祉法人をマッチングさせる仕組みを持ち、案件や受注者を検索する機能、商談のための機能、納品後に証明書発行機能などを提供する。そのために案件を発注する側と受注する側とでそれぞれにマイページが存在し、両者はこのプラットフォームサーバ400aにログインすることで、種々の機能を利用できる。
【0016】
図1は本実施の形態の障害者支援システム1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施の形態の障害者支援システム1は、例えば障害者支援施設(就労支援施設Aiと称する:受注側とも称する)に業務を発注する複数の発注業者Bi(発注側とも称する)の発注者側端末100i(100a、100b、・・)と、業務を受注する複数の就労支援施設Aiの施設側端末300i(300a、300b、・・)と、発注者側端末100i(100a、100b、・・)からの業務をこなすことができる就労支援施設Aiを検索して発注者側端末100i(100a、100b、・・)に知らせると共に、社会貢献を示す電子証明書を発行するマッチングサイト400のプラットフォームサーバ400aとを通信ネットワーク500(インターネット、VPN等)で接続している。
【0017】
さらに、提携パートナーの提携側端末200i(200a、200b、・・)と接続されている。この提携パートナーについては後述する。プラットフォームサーバ400aは、
図1に示すように、記憶部440と、情報登録部410と、マッチング処理部420と、電子証明書発行部430と、マイページ生成部450等を備えている。情報登録部410は、発注者側端末100i(100a、100b、・・)又は障害者支援施設の施設側端末300i(300a、300b、・・)と通信を行なってそのアカウント情報等を記憶部440に記憶する。
【0018】
例えば、発注者名、発注者電話番号、メールアドレス、IDコード、パスワード、住所、口座番号、業種、担当者情報、発注者の業務概要等を発注者側基本情報として記憶する。この発注者側基本情報には発注者識別コードが関連付けられる。
【0019】
さらに、支援施設名、支援施設電話番号、メールアドレス、IDコード、パスワード、住所、口座番号、業種、担当者情報、受注できる案件の種類の登録(種類、内容、実績、発注者に考慮して欲しい内容(障害者なので納期が長く必要など))の受注者側基本情報として記憶部440に記憶する。
【0020】
この受注者側基本情報には受注者識別コードが関連付けられる。なお、発注実績もこの受注者側基本情報に関連付けられる。また、情報登録部410は、後述する受注施設情報書込部(図示せず)と、発注者情報書込部(図示せず)とを備えている。
【0021】
マイページ生成部450は、発注者側基本情報、受注者側基本情報の記憶に伴って、発注者の情報が掲載されている発注者用マイページ(発注者識別コードが関連付けられている)を記憶部440に生成すると共に、受注者の情報が掲載されている受注者用マイページを生成する。
【0022】
マッチング処理部420は、発注側からの発注情報の受信に伴って、この発注情報の業務に対して受注可能な最適な就労支援施設Aiを記憶部440の受注者側基本情報に基づいて検索(マッチングする受注側を検索)する。
【0023】
一方、情報登録部410に含まれている受注施設情報書込部は、検索した障害者支援施設(受注者側)の受注者側基本情報を受注可能情報として発注者用マイページに書き込む。
【0024】
さらに、情報登録部410に含まれている発注者情報書込部がマッチングした障害者支援施設の受注者用マイページに発注情報を書き込む。電子証明書発行部430は、受注者用マイページに発注許可情報(発注者側識別コード、発注情報識別コード、許可フラグ)が書き込まれた場合は待機状態となる。そして、この発注に対しての作業の支払いがあった場合に、発注者用マイページに電子証明書を書き込む。
【0025】
上記のように構成された障害者支援システム1について
図2及び
図3のシーケンス図を用いて説明する。但し、受注側は1つとし、提供パートナーも一つとして記載する。
【0026】
図2及び
図3に示すように、プラットフォームサーバ400aは発注者側端末100i(100a、100b、・・)からの当サイトへのアクセスに伴って、アカウント情報等を登録する(d10、d12)。
【0027】
例えば、プラットフォームサーバ400aの情報登録部410が発注者名、発注者電話番号、メールアドレス、IDコード、パスワード、住所、口座番号、業種、担当者情報、発注者の業務概要等よりなる発注者側基本情報を入力させるための画面を発注者側端末100aに送信する。このとき、発注者識別コードを生成し、この発注者識別コードを関連付けて送信する。そして、この画面に入力された発注者側基本情報(年月日時刻を含む)を受信して記憶部440に記憶する。
【0028】
また、プラットフォームサーバ400aは施設側端末300i(300a、300b、・・)からの当サイトへのアクセスに伴って、アカウント情報等を登録する(d16、d17)。
【0029】
例えば、プラットフォームサーバ400aの情報登録部410が受注者名、受注者電話番号、メールアドレス、IDコード、パスワード、住所、口座番号、業種、担当者情報、受注者の業務概要、受注できる案件の種類の登録(種類、内容、発注者に考慮して欲しい内容(障害者なので納期が長く必要など))等よりなる受注者側基本情報を入力させるための画面を施設側端末300aに送信する。このとき、受注者識別コードを生成し、この受注者識別コードを関連付けて送信する。
【0030】
そして、この画面に入力された受注者側基本情報(年月日時刻を含む)を受信して記憶部440に記憶する。
【0031】
このとき、受注実績があれば、この受注者側基本情報に関連付けて記憶する。一方、提携側端末200aからの当サイトへのアクセスに伴って、アカウント情報等を登録する(d18、d21)。
【0032】
例えば、プラットフォームサーバ400aの情報登録部410が提携パートナー名、提携パートナー電話番号、メールアドレス、IDコード、パスワード、住所、口座番号、得意作業、考慮して欲しい内容(例えば、障害者なので納期が長く必要など)等よりなる提携パートナー情報を入力させるための画面を提携側端末200aに送信する。このとき、提携パートナー識別コードを生成し、これを関連付けて送信する。
【0033】
そして、この画面に入力された提携パートナー側基本情報(年月日時刻を含む)を受信して記憶部440に記憶する。
【0034】
このとき、提携パートナーの実績があれば、この実績を関連付けて記憶する。そして、マイページ生成部450が発注者用マイページを生成すると共に、受注者用マイページを生成する(d25)。
【0035】
一方、発注者は発注者側端末100aを操作して、発注者情報(企業名、依頼内容、年月日時刻、納期等)をプラットフォームサーバ400aに送信する(d26)。
【0036】
プラットフォームサーバ400aのマイページ生成部450は、発注者情報を受信し、これを記憶部440に記憶する(d28)。
【0037】
プラットフォームサーバ400aのマッチング処理部420は、発注情報の受信に伴って、この発注情報の業務に対する受注可能な最適な障害者支援施設を記憶部440の受注者側基本情報に基づいて検索する(d30)。
【0038】
また、情報登録部410に含まれている受注施設情報書込部は、検索した障害者支援施設(受注者側)の受注者側基本情報を受注可能情報として発注者用マイページに書き込む(d32)。
【0039】
さらに、情報登録部410に含まれている発注者情報書込部がマッチングした障害者支援施設の受注者用マイページに発注情報を書き込む(d34、d36)。
【0040】
これによって、受注側就労施設の担当者は施設側端末300aを操作して、受注者用マイページを閲覧(確認)して、自社の就労施設に発注者から業務が発注されたことを知ることになる(d38)。
【0041】
受注側就労施設の担当者は、施設側端末300aを操作して提携側端末200aにその発注業務の内容を送信する(d40)。
【0042】
受注者側は、施設側端末300aの画面に発注業務を表示させて、それを確認して作業を行う(d42)。
【0043】
そして、受注者側の担当者は、作業が完了した場合は、施設側端末300aを操作してプラットフォームサーバ400aにアクセスして受注者用マイページに作業完了情報(発注番号、納期、作業完了日、担当者名、受注施設名、作業内容等)を書き込む(d44)。
【0044】
また、受注者側の担当者は、作業完了に伴って、成果物を宅配便等で発注者側に送付する(d46)。
【0045】
一方、プラットフォームサーバ400aの電子証明書発行部430は、電子証明発行処理を行って、この電子証明書を受注者用マイページに書き込む処理を行う(d50)。
【0046】
電子証明発行処理は、受注者用マイページに発注許可情報が書き込まれた場合は待機状態となる。
【0047】
そして、この発注に対しての作業の支払いがあった場合に、発注者用マイページに電子証明書を書き込む。なお、作業の支払いは、銀行からメール等で通知される。
【0048】
この電子証明書の内容は、例えば、○○企業は、〇月〇日~〇月〇日に渡って○○支援施設の障害者に対する○○作業を支援した企業であることを支援している企業であることを証明する。なお、ORコード(登録商標)にしてもよい(
図5参照)。ORコード(登録商標)は、発注者のURLと、発注者名と、受注者名と、電子証明書の内容等よりなる。
【0049】
一方、発注者の担当者は、プラットフォームサーバ400aにアクセスして発注者用マイページに書き込まれている電子証明書を必要に応じて取り出して(d52)、自身のwebサイトのページに貼り付ける等の処理を行う。また、電子証明書には、ユニークコードを割り付けている(書き込んでもよい)。
【0050】
プラットフォームサーバ400aは受注側に支払いを完了する(d54)。また、受注側は提携パートナー側に支払いを完了する(d56)。なお、提携パートナー側は受注者に代わって発注者へその社会貢献を示す情報を書き込んだ電子証明書を生成して発行している。
【0051】
図4に示すように、発注者側である顧客企業100がマッチングサイト(プラットフォームサーバ400a)を介して受注者側である就労支援施設(300)に業務を発注する(da、db、dc)。
【0052】
この発注業務を適切にこなすことができる就労支援施設(300)をマッチングサイト400(プラットフォームサーバ400a)が検索して業務を行わせる。
【0053】
そして、業務の完了後に、発注者側である顧客企業(100)に報酬を請求し(de)、支払いを確認した後で、電子証明書を発注者側である顧客企業(100)に発行し(dg)、受注者側に支払い(df、dh)をしている。
【0054】
なお、提携パートナー200は、マッチングサイト400の研修プログラムを受けたスタッフが在席する企業である。この研修によって、障害者就労の実情を理解した企業となり、受注側にスタッフを派遣できる。
【0055】
このため、「無理な納期や工賃で就労支援施設を困らせることのない事業者です。」「自分たちも社会貢献したいけど、どこに何をどのくらい発注するのが良いのか分からない」という受注側をサポートできる。
【0056】
つまり、就労支援施設側は、企業から仕事を請け負い、企業内や一般就労に近い環境での就業経験が積めることになる。
【0057】
また、「良質な仕事」により高い工賃を享受出来る。さらに、スタッフは実績が認められて就職・雇用への道が拓ける可能性がある。
【0058】
また、当該発注企業に就職・雇用が叶った場合、出身元の福祉施設による定着支援が得られることになる。
【0059】
さらに、プラットフォームサーバ400aは、発注者との商談チャット機能、NPO・社会福祉法人が発行してくれた証明書のURL&QRコード(登録商標)取得機能等を有する。
【0060】
また、貢献度ランキングの表示、発注回数、発注金額から発注者の貢献度ランキングを公式Webサイトに表示する機能、年に1回、発注者の貢献度に基づき運営者が発注者の表彰(アワード)を行う機能等を有する。
【0061】
従って、企業・団体の企業価値を高め、障害を持ちながら働く方を幸せにする仕組みが提供できている。
【0062】
障害があっても、身につけたスキルで自分らしく働ける。障がい者就労支援への理解を促進し、利用者の収入が増加する。
【0063】
また、企業・団体の社会貢献を証明し、イメージと企業価値の向上ができる。さらに、企業・団体が行った就労支援施設への案件発注を証明しているので、企業・団体の価値を高め、就労支援施設などに対する案件発注を促進できる。
【0064】
なお、電子証明書の有効期限は1年間とするのが好ましい。有効期限内に再び何かしらの仕事を施設に発注すると電子証明書は更新できる。
【0065】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形および変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0066】
100a 発注者側端末
300a 施設側端末
400a プラットフォームサーバ
440 記憶部
410 情報登録部
420 マッチング処理部
430 電子証明書発行部
450 マイページ生成部
Ai 就労支援施設
Bi 発注者業者