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特開2025-39014ゲーム用のコンピュータプログラム、ゲームシステム及びゲームの制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025039014
(43)【公開日】2025-03-21
(54)【発明の名称】ゲーム用のコンピュータプログラム、ゲームシステム及びゲームの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20250313BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20250313BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20250313BHJP
   A63F 13/422 20140101ALI20250313BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/533
A63F13/58
A63F13/422
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145743
(22)【出願日】2023-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】永島 盛日人
(72)【発明者】
【氏名】大竹 健太
(72)【発明者】
【氏名】金岡 成健
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(57)【要約】
【課題】育成中の操作の負担に関して選択肢を設けたゲームシステム等を提供する。
【解決手段】育成対象のオブジェクトに対応付けられた対象パラメータの値をオブジェクトの行動に応じて変化させて育成を進行させるゲームシステムにおいて、コンピュータを、通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、通常モードが選択された場合には、ゲームのユーザの操作に基づいて育成を進行させ、簡略化モードが選択された場合には、通常モードにおけるユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると簡略化モードを終了させる育成制御手段、として機能させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成対象のオブジェクトに対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、
前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、
前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段、
として機能させるように構成されたゲーム用のコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記特定操作は、前記オブジェクトの行動を前記対象パラメータの値の変化に対応付けるための操作を含んでいる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記特定操作は、前記オブジェクトの行動に関連付けられた選択肢を選択する操作を含んでいる請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記目標設定手段は、前記育成の開始後における前記目標値の再設定が可能となるように設けられる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記対象パラメータの値が前記目標値に達した場合に前記終了条件の少なくとも一部が満たされるように、前記終了条件が設定されている請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記オブジェクトに対応付けられた複数種類のパラメータのそれぞれが前記対象パラメータとして設定され、
前記目標設定手段は、少なくとも二種類の対象パラメータに関して前記目標値を設定可能であり、
少なくとも一種類の対象パラメータの値が前記目標値に達した場合に前記終了条件の少なくとも一部が満たされるように、前記終了条件が設定されている請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記オブジェクトに対応付けられた複数種類のパラメータのそれぞれが前記対象パラメータとして設定され、
前記育成制御手段は、前記オブジェクトの行動に応じた媒介値を発生させる媒介値発生手段、及び前記媒介値を前記複数種類の対象パラメータの少なくとも一部に振り分けることにより前記対象パラメータを変化させる振分手段としてさらに機能し、
前記特定操作は、前記媒介値の前記対象パラメータへの振り分けを指示する振分操作を含み、
前記振分手段は、前記通常モードが選択された場合には前記振分操作に従って前記媒介値を振り分け、前記簡略化モードが選択された場合には、前記振分操作を不要として前記媒介値を振り分ける請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記振分手段は、前記簡略化モードが選択された場合、前記目標値が設定された対象パラメータが、前記目標値が設定されない対象パラメータよりも優先されるようにして前記媒介値を前記対象パラメータに振り分ける請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記振分手段は、前記簡略化モードが選択された場合、前記目標値が設定された対象パラメータのうち、成長方向への変化が相対的に遅れている対象パラメータが、前記成長方向への変化が相対的に進んでいる対象パラメータよりも優先されるように前記媒介値を振り分ける請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記育成制御手段は、前記オブジェクトの行動に関連付けられた選択肢であって、かつ前記媒介値発生手段が発生させる媒介値が差別化された選択肢を前記ユーザの操作に従って選択する行動選択手段、及び前記媒介値が相対的に大きくなる行動の選択肢を、推奨される選択肢として前記ユーザに提示する推奨手段、としてさらに機能する請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
育成対象のオブジェクトに対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するように機能するコンピュータを含んだゲームシステムであって、
前記コンピュータを、
前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、
前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、
前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段、
として機能させるように構成されたゲームシステム。
【請求項12】
育成対象のオブジェクトに対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲームの制御方法であって、
前記コンピュータを、
前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、
前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、
前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段、
として機能させるゲームの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクトを育成する要素を含んだゲームを提供するためのコンピュータプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームに登場するキャラクタ等のオブジェクトに対応付けてパラメータが設定され、そのパラメータの値をオブジェクトの行動に応じて変化させることにより、オブジェクトを育成する要素を含んだゲームが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6296508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームでは、育成対象のオブジェクトを育成する過程でユーザに種々の操作が求められている。例えば、育成対象のオブジェクトの行動や育成中に発生する各種のイベントにおける選択に関する操作、あるいは育成結果をオブジェクトのパラメータの値の変化に対応付けるための操作といった各種の操作の機会が育成完了までに発生する。したがって、気軽にゲームをプレイしたいユーザにとっては少なくとも一部の操作に要する手間が少なからずの負担と感じることがある。一方、手間をかけてオブジェクトを育成することはゲームの興趣を高める要素となり得る。そのため、ユーザによっては、手間がかかってもオブジェクトを育成する楽しさを十分に味わいたいと望む場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、育成の過程で生じ得るユーザの操作の負担に関して選択肢を設けることが可能なゲーム用のコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、育成対象のオブジェクトに対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段、として機能させるように構成されたものである。
【0007】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、育成対象のオブジェクトに対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するように機能するコンピュータを含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段、として機能させるように構成されたものである。
【0008】
本発明の一態様に係る制御方法は、育成対象のオブジェクトに対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段、前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段、として機能させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一態様に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】対象キャラクタを育成するための概略的な手順の一例を示す図。
図3】育成パートにおけるターン制の構成の一例を示す図。
図4】育成の進行に関して用意されたモードの例を示す図。
図5】自動モードにおけるレベルごとの進行手順の一例を示す図。
図6】簡略化モードの概要の一例を示す図。
図7】対象キャラクタの選択時に表示される画面の一例を示す図。
図8】開始前設定の段階で全スキップを設定するために表示される画面の一例を示す図。
図9図8と関連付けて表示される画面の一例を示す図。
図10】開始前設定の段階で育成ガイドを設定するために表示される画面の一例を示す図。
図11】ターン中に表示されるホーム画面の一例を示す図。
図12】オートレベルを設定するために表示される画面の一例を示す図。
図13】対象キャラクタの通常行動を選択するために表示される画面の一例を示す図。
図14図5のシナリオ再生の手順で表示される画面の一例を示す図。
図15図5のコマンド入力の手順で表示される画面の一例を示す図。
図16】経験点をパラメータに振り分けるために表示される画面の一例を示す図。
図17】オートレベル3における結果等を提示するために表示される画面の一例を示す図。
図18】育成結果をユーザに提示するために表示される画面の一例を示す図。
図19】省略モードが選択された場合の育成結果の演算手順の一例を示す図。
図20】簡略化モードの選択時における経験点の振り分け手順の概要の一例を示す図。
図21】推奨行動を決定するための手順の一例を示す図。
図22】スキルの取得が可能となった場合に表示される画面の一例を示す図。
図23図22に続いて表示される画面の一例を示す図。
図24】ユーザ装置の制御系の構成の一例を示すブロック図。
図25】ゲーム設定部が実行する開始前設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
図26】ゲーム制御部が実行する育成処理の手順の一例を示すフローチャート。
図27】ゲーム制御部が実行するターン処理の手順の一例を示すフローチャート。
図28】ゲーム設定部が実行するオート設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
図29】ゲーム設定部が実行する育成ガイド設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
図30】ゲーム制御部が実行するイベント処理の手順の一例を示すフローチャート。
図31】ゲーム制御部が実行する通常行動処理の手順の一例を示すフローチャート。
図32】ゲーム制御部が実行する自動振分処理の手順の一例を示すフローチャート。
図33】ゲーム制御部が実行するスキル取得処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の一形態に係るゲーム用のコンピュータプログラムが実装されたゲームシステム等を説明する。
[全体構成]
まず、図1を参照してゲームシステムの全体構成を説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、クライアントとしての複数のユーザ装置3と、ユーザ装置3とネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されるゲームサーバ4とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
【0011】
ユーザ装置3は、ユーザの日常的な使用に供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置である。一例として、ユーザ装置3は通信通話機能を備えたスマートフォン3a、タブレット端末3bがユーザ装置3として利用されてよい。ユーザ装置3は、PC(パーソナルコンピュータの略)であってもよいし、いわゆるコンシューマゲーム機として提供される個人用又は家庭用の据え置き型のゲーム機であってもよい。さらに、ユーザ装置3として、いわゆるアーケードゲーム機として提供される業務用のゲーム機が利用されてもよい。
【0012】
ゲームサーバ4は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてゲームサーバ4が構成されてもよい。ゲームサーバ4は、ユーザ装置3に対してゲームに関連した各種のサービスを提供する。例えば、ゲームサーバ4は、ユーザ装置3にてゲームをプレイさせるために必要なコンピュータプログラムや各種のデータを配信する。あるいは、ゲームサーバ4は、ゲームにて協力し、又は対戦するユーザ同士をマッチングするサービス、ユーザ装置3間で共有されるべきゲームの情報を中継するサービス等をユーザ装置3に提供してもよい。なお、ゲームシステム1には、業務用のゲーム機等が適宜に追加されてもよい。例えば、業務用のゲーム機は、ユーザ装置3と連携したゲームを提供し、あるいはユーザ装置3と同一のゲームを提供するクライアントとして利用されてもよい。もちろん、上記のように、業務用ゲーム機等が本形態に係るゲームをプレイするためのユーザ装置3として利用されてもよい。
【0013】
[ゲームの概要]
次に、ユーザ装置3にて提供されるゲームの概要を説明する。ゲームシステム1では、オブジェクトを育成する要素を含んだゲームがユーザ装置3を介してユーザに提供される。オブジェクトは、育成の対象として認識できる限りにおいて、キャラクタ、アイテム、カード等といった各種の態様で具現化されてよい。以下では、育成対象のオブジェクトがキャラクタであり、その育成対象のキャラクタ(以下、対象キャラクタと称することがある。)をアイドルとして育成する要素を含んだゲームが提供される場合を例に挙げて説明を続ける。
【0014】
図2は、対象キャラクタを育成するための概略的な手順の一例を示している。図2の例においては、育成候補として用意されたキャラクタ群G1から、対象キャラクタCtがユーザの指示に従って選択される(F1)。キャラクタ群G1は、対象キャラクタCtの素材となるべき素体キャラクタCsの集合である。各素体キャラクタCsには外観、音声、名前といった視聴覚的な要素、言い換えれば外形的な要素が設定されるとともに、素体キャラクタCsを特徴付ける複数種類のパラメータが対応付けられている。
【0015】
素体キャラクタCsのパラメータは、素体キャラクタCsを特徴付ける能力、性能といった事項を定量的に示すものである。パラメータの値と能力等とは、一例として、パラメータの値が大きいほど能力等が高くなるように関係付けられる。対象キャラクタCtは、ユーザが選択した素体キャラクタCsを複製することによって生成される。その場合、ユーザが選択した素体キャラクタCsに設定された外形的な要素が対象キャラクタCtに設定されるとともに、素体キャラクタCsに設定されたパラメータの値が対象キャラクタCtのパラメータの初期値として設定される。「育成」は、対象キャラクタCtに対応付けられた各種のパラメータの値を、能力等が高まる方向に変化させることを含む概念である。もっとも、「育成」の過程において、対象キャラクタCtのパラメータの値が、能力等を低下させる方向に変化する場合が生じることは排除されない。能力等が高まる方向へのパラメータの値の変化を以下では「成長」と称し、そのような方向へのパラメータの値の変化を「成長方向の変化」と称することがある。ただし、「育成」には、パラメータの値の変化に加えて、ゲームにて特有の有利な効果を発揮させる特殊能力としての「スキル」を対象キャラクタCtが取得するといったように、パラメータの変化とは異なる要素が含まれ得る。
【0016】
素体キャラクタCs及び対象キャラクタCtの外形的要素、及びパラメータは、ゲームの内容に応じて適宜に設定されてよい。対象キャラクタCtがアイドルを目指すように設定されたゲームの場合、その設定に合わせて素体キャラクタCs及び対象キャラクタCtの外観、容姿、音声等が設定される。また、アイドルに必要な能力等を示すパラメータとして、例えば「ボーカル」、「ダンス」、「魅力」、「表現力」、「メンタル」の五種類のパラメータが素体キャラクタCs及び対象キャラクタCtに設定される。対象キャラクタCtのパラメータの初期値は、ユーザが選択した素体キャラクタCsに設定されているパラメータの値となる。ただし、対象キャラクタCtに設定されるパラメータの初期値は素体キャラクタCsのそれに対して適宜に調整されてもよい。対象キャラクタCtに設定される五種類のパラメータのそれぞれは、対象キャラクタCtの行動に応じて変化する対象パラメータの一例である。対象キャラクタCtの素材は、対象キャラクタCtの生成に必要な各種の情報を含んだデータとして利用できるものであればよい。したがって、対象キャラクタCtの素材は、素体キャラクタCsのようにキャラクタとして具現化されることを必ずしも要しない。
【0017】
対象キャラクタCtが選択されると、次いで、育成に使用する少なくとも一つのアイテムXが、ユーザの指示に従ってアイテム群G2から選択される(F2)。アイテムXは、例えば対象キャラクタCtの衣装、持ち物といった各種の態様で具現化されてよい。アイテムXは、育成において何らかの有利な効果を発揮させるための要素として設定される。例えば、上述したスキルのような特殊能力がアイテムXと対応付けて対象キャラクタCtに付与されてもよい。アイテムXは、育成で使用されてもアイテム群G2から除去されず後の育成機会で再選択が可能なアイテムであってもよいし、一旦使用されるとアイテム群G2から除去され、対象キャラクタCtによる再取得等を通じてアイテム群G2に再度含められない限り、後の育成機会での選択が不可能なアイテムであってもよい。
【0018】
アイテムXが選択されると、続いて、イベントデッキDeを構成すべき所定数のイベントキャラクタCeがユーザの指示に従って所定の候補群G3から選択される(F3)。イベントデッキDeは、対象キャラクタCtの育成に有利な効果を発揮させて育成を支援するために設定される。例えば、イベントデッキDeに含まれるイベントキャラクタCeのそれぞれは、所定の条件下で対象キャラクタCtのパラメータの値をより多く増加させるための有利な効果等を発揮することにより、対象キャラクタCtの育成を支援する。イベントデッキDeがもたらす効果は、イベントデッキDeに含まれるイベントキャラクタCeに応じて適宜に変化する。
【0019】
イベントキャラクタCeが選択されると、続いて育成開始前の設定の機会がユーザに提供される(F4)。この機会では、育成の進行に関して各種の事項が設定可能とされてよい。本形態では、育成の進行に関する設定として、「全スキップ」、「オート設定」及び「育成ガイド」の設定が可能とされている。それらの設定は、ユーザとのやり取りに関して設定される進行手順の所要時間を短縮し、あるいは、その進行手順におけるユーザの操作を簡略化することを目的の少なくとも一つとして行われる。ここでいう進行手順は、ユーザとのやり取りに関して設定される手順である。例えば、育成中の対象キャラクタCtの行動を示す画像の表示といったユーザへの情報提示の手順、あるいは、ユーザに選択肢を提示してその指示を受けるといったユーザからの情報取得の手順等が、ユーザとのやり取りに関する進行手順の一種として定められる。つまり、ユーザとのやり取りに関する進行手順は、育成の進行中におけるユーザインターフェースに関する処理、あるいはユーザに向けられた処理として観念することができる。その種の進行手順は、例えばシナリオといった称呼を付して具現化されてよい。育成の進行設定の詳細は後述する。
【0020】
開始前設定が完了すると育成パートが開始される(F5)。育成パートでは、ターン制で育成が進行する。ターン制の具体例は後述する。また、育成パート中においても、育成の進行に関する設定が可能とされる。進行の設定に関しては、「オート」及び「育成ガイド」の設定が可能である。「オート」もユーザとのやり取りに関する進行手順の所要時間を短縮するためのものである。「育成ガイド」は開始前設定(F4)の場合と同様である。育成パートが終了すると、対象キャラクタCtの育成が完了となる(F6)。育成が完了したキャラクタCtは、育成済キャラクタCxとして、育成パートとは別に用意されたライブパート(F7)にて使用することが可能となる。ライブパートは、例えば、アイドルとして育成された育成済キャラクタCxがライブに出演する様子を再現したパートとして構成されてよい。
【0021】
[ターン制について]
図3は、育成パートにおけるターン制の一例を示している。図中の一つの正方形が一つのターンを示している。育成パートはセクション1からセクションNまでの複数のセクションに分れて進行し、一つのセクションは一又は複数のターンを含んでいる。各セクションの最後のターンは目標ライブのターンとして位置付けられている。図3では、目標ライブのターンをハッチングにて示している。以下では、目標ライブのターン以外のターンを通常ターンと称することがある。目標ライブは各セクションで必ず発生する。したがって、一つのセクションが一つのターンのみで構成される場合、そのセクションのターンは目標ライブのターンである。
【0022】
一つの通常ターンは通常行動と任意数のイベントとを含む。一方、目標ライブのターンは、通常行動に代えて目標ライブの開催が含まれる点で通常ターンと相違する。イベントは、通常ターンに限定されず、目標ライブのターンでも発生し得る。通常行動では対象キャラクタCtの行動が選択され、その選択に従って対象キャラクタCtが行動する。通常行動では、対象キャラクタCtが採り得る行動の選択肢として、例えば、「レッスン」、「休憩」、「通院」及び「息抜き」が用意される。これらの行動は、現実の世界においてアイドルを育成する場合に生じ得る行動に倣って選ばれている。ただし、アイドルを育成する趣旨に適合する限り、他の選択肢が用意されてもよい。「レッスン」は、対象キャラクタCtに対応付けられた「ボーカル」等の五種類のパラメータのそれぞれと1対1で対応付けるようにさらに細分化されている。ただし、「レッスン」における「ボーカル」等の選択肢は、それに対応するパラメータの成長と1対1で直接的に対応付けられるものではない。レッスン等の行動は、経験点を媒介としてパラメータの値に置換される。この点は後述する。各ターンの結果によっては、対象キャラクタCtが所定のスキルを取得することが可能となることもある。スキルの取得が可能となるための条件は、スキルに応じて適宜に設定されてよい。
【0023】
イベントは、対象キャラクタCtを育成する機会として、通常行動による育成の機会に追加して発生するものである。一つのターンにおけるイベントの発生数は、通常ターンであるか目標ライブのターンであるかを問わず、0以上である。したがって、一つのターンにおいてイベントが発生しない場合もあれば、単一のイベントのみが発生する場合もあれば、複数のイベントが発生する場合もある。イベントの発生時期はターン中の適宜の時期に設定される。通常行動や目標ライブの前にイベントが発生することもあれば、通常行動や目標ライブの後にイベントが発生することもある。育成パートにおける特定のターンの特定の時期に必ず発生する必須的なイベントがあってもよい。抽選で発生の有無が変化するイベント、あるいは所定の条件が満たされたときに発生する任意的なイベントがあってもよい。イベントの内容は対象キャラクタCtが関与し得る出来事として認識される限りにおいて、適宜に設定されてよい。イベントは、イベントデッキDeに組み込まれているイベントキャラクタCeと関連付けて内容が設定されてもよい。イベントの発生の有無もイベントキャラクタCeと関連付けて制御されてもよい。
【0024】
イベントは、一例として、対象キャラクタCtやイベントキャラクタCeが行動する様子を表現するように構成される。イベントでは、通常行動の場合と同様に、対象キャラクタCtの行動と関連付けられた選択肢を選択する機会が与えられることもある。その選択の機会では、対象キャラクタCtの行動の選択肢が提示されてもよいし、対象キャラクタCtの行動とは異なる選択肢、例えばイベントキャラクタCeの行動の選択肢が提示されてもよい。後者の選択肢も、その選択結果が対象キャラクタCtのイベントにおける行動に影響する限りにおいて、対象キャラクタCtの行動と関連付けられた選択肢として観念される。同一ターン内にて通常行動や目標ライブを挟んで複数のイベントが発生してもよく、通常行動や目標ライブに先行して、又は後続して複数のイベントが発生してもよい。複数のイベントは、一つのイベントグループを形成するように相互に関連付けられてもよい。
【0025】
各ターンでは、対象キャラクタCtが通常行動やイベントを経験して得られた成果を定量的に示す値として、経験点が演算される。経験点は、一例として、「音楽」、「体幹」、「容姿」及び「表現」の四種類に分けて設定されている。それらの経験点は、通常行動やイベントの結果に応じて適宜に差別化して付与される。経験点は、通常行動にて選択された「レッスン」の種類と関連付けて差別化されてもよい。例えば、「ボーカル」のレッスンが実行された場合には、「音楽」に最も多くの経験点が与えられ、「ダンス」のレッスンが実行された場合には、「体幹」に最も多くの経験点が与えられるといったごとくである。通常ターンのみならず目標ライブのターンでも経験点が付与されてもよい。
【0026】
各ターンで得られる経験点は、対象キャラクタCtに対応付けられた五種類のパラメータの値を増加させる原資として利用される。したがって、経験点は、対象キャラクタCtの行動とパラメータの値の変化とを関連付けるための媒介値の一例として機能する。経験点は、スキルを取得するための原資としても利用される。パラメータの増加又はスキルの取得と引き換えに経験点は消費される。経験点を消費してパラメータの値を増加させる処理を、以下では、経験点の振り分け、あるいは、パラメータへの振り分けと称することがある。経験点の振り分け、及びスキルの取得は、ユーザの指示に従って実行される手動処理と、ユーザの指示を受けることなく、コンピュータが自動的に実行する自動処理のいずれかが選択可能である。自動処理の仕組みは後述する。
【0027】
目標ライブのターンは、各セクションをクリアするか否かを判定するためのターンである。目標ライブは、育成中の対象キャラクタCtがライブに出場して所定の成績を収めたか否かを判定するように設定される。目標ライブにおける成績には、その目標ライブの時点における対象キャラクタCtのパラメータの値や状態が反映される。目標ライブにて所定の成績を収めた場合には目標ライブがクリアとなり、次のセクションへと育成が進行する。目標ライブをクリアできなければ次のセクションに進むことができず、育成パートは終了となる。つまり、目標ライブをクリアできるレベルまで対象キャラクタCtの育成が進んでいるか否かが目標ライブにて評価され、育成が進んでいなければその時点で育成が打ち切られる。したがって、最終ターンのライブまで進行すれば、最初のターンから最終ターンまでが育成期間となり、途中の目標ライブにて育成が打ち切りとなれば最初のターンから打ち切りとなった目標ライブのターンまでが育成期間となる。このように、目標ライブは育成が所定のレベルまで進んでいるか否かをセクション等の区切りごとに判別するチェックポイントの役割を果たすものである。そのような役割を果たす限り、目標ライブとして進捗の程度を評価する手法に代えて、又は加えて、他の手法によって育成の進捗の程度がセクション等の区切りごとに評価されてもよい。例えば、区切りの時期までに対象キャラクタがゲーム中で獲得したファンの人数等といった各種の指標に基づいて育成の進捗が評価されてよい。
【0028】
[育成の進行設定について]
次に、図4を参照して、育成の進行設定に関する具体例を説明する。上述したように、育成パートは多数のターンを順次消化するようにして進行する。各ターンでは、ユーザに対して何らかの情報を提示し、あるいは行動選択等に関してユーザの指示を求めるといったやり取りの機会が発生する。そのため、各ターンを順に消化して育成を完了させるためには相応の時間と手間を要する。ユーザによっては、その時間や手間を負担と感じるおそれがある。一方、時間や手間を格別の負担と感じることなく、手順通りに育成を進めてゲームを十分に堪能することを望むユーザも想定される。そこで、育成の進行に関するユーザの様々なニーズに対応するため、本形態のゲームでは育成の進行に関し、図4に示す「通常モード」、「自動モード」、「省略モード」及び「簡略化モード」の四種類のモードが用意されている。
【0029】
通常モードは、各ターンを予め定められた進行手順通りに進めるモードであって、ターンの所要時間の短縮、操作の手間の軽減といった処理が適用されないモードである。なお、通常モードにおける「通常」の用語は、育成に要する時間や操作の手間を他のモードと比較する対象であることを示すために用いるものであって、それ以上の意義を含むものではない。例えば、ゲームの初期設定として通常モードが選択される、といった要件が課されるものではない。自動モードは、各ターンの少なくとも一部に関してユーザの操作を不要とし、さらには進行を高速化して育成パートの所要時間の短縮を図ったモードである。「自動モード」は、図2に示した「オート設定」によって選択可能なモードであり、選択肢としてレベル1~3を含む。レベル1~3間の相違は後述する。
【0030】
「省略モード」は、図2に示した全スキップ設定によって選択可能なモードである。省略モードは、一例として、開始前設定の段階に限って選択が可能とされている。省略モードが選択された状態で育成パートの開始が指示されると、ユーザとのやり取りに関する進行手順の全てが省略され、ユーザに対する情報提示や情報取得の機会が発生することなく育成パートが終了する。つまり、育成パートの結果がコンピュータによって自動的に演算されて育成結果が確定する。したがって、省略モードは、育成パートの所要時間を最大限に短縮して、育成を最も早く完了させるモードとして位置付けることができる。「短縮」の用語は、所要時間が0、又は概ね0となる程度まで所要時間を減少させる場合も含む概念である。省略モードの選択時には、対象キャラクタのパラメータの成長及びスキルの取得が自動処理される。その自動処理の例は後述する。自動モードにおけるレベル2、3及び省略モードは、育成パートにおける所要時間を短縮する効果を有する。したがって、自動モードのレベル2、3及び省略モードは短縮モードを構成し、自動モードのレベル2、3及び省略モードは短縮モードにおけるさらなる選択肢として位置付けることができる。
【0031】
省略モードが選択されて育成パートの開始が指示された後、育成結果が確定するまでの間にユーザとのやり取りの機会は発生しない。したがって、省略モードの選択を途中で解除することはできない。ただし、省略モード以外のモードで育成パートが進行している途中に省略モードを選択することは不可能ではない。育成途中における省略モードの選択を可能とする場合には、省略モードが選択された時点から先のターンに関し、ユーザとのやり取りの進行手順の全てを省略すればよい。その場合、省略モードが選択された時点の育成の進行状態に基づいて、その後の対象キャラクタのパラメータの成長及びスキルの取得が自動処理されてもよい。あるいは、省略モードが選択された時点における育成の進行状態を破棄し、開始前設定にて省略モードが選択された場合と同様にして育成結果が演算されてもよい。
【0032】
図5は、自動モードのレベル1~3における一ターン内の進行手順の一例を示している。図中の「オートLv.1~Lv.3」は図4の自動モードにおけるレベル1~3にそれぞれ対応し、「オートオフ」は自動モードが選択されない状態に対応する。自動モードが設定されない場合でも、通常モード、省略モード又は簡略化モードが選択可能であるが、ここでは比較のため「オートオフ」を通常モードの状態であるとして説明を続ける。
【0033】
図5の「コマンド入力」は、対象キャラクタの行動と関連付けられた選択肢に関してユーザの指示を必要とする手順であって、ユーザとのやり取りに関する進行手順のうち、オブジェクトの行動と関連付けられた選択肢をユーザの指示に基づいて選択する選択手順の一例である。図5の「シナリオ再生」は、育成の進行と関連付けられた画像及び音声をユーザ装置3にて再生出力する手順である。シナリオ再生の手順は、ユーザとのやり取りに関する進行手順のうち、育成と関連付けられた画像であって、ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像を表示する非選択手順の一例である。ここでいう画像は、映像、アニメーション等の動画、あるいは静止画といった各種の視覚的なコンテンツを含む。シナリオ再生で表示される画像は、育成の進行と関連付けられる限りにおいて適宜の内容を表現するように構成されてよい。例えば、イベントの説明、イベントが進行する様子を表現した画像、対象キャラクタが通常行動の選択に従って行動する様子を表現した画像等がシナリオ再生で表示されてよい。
【0034】
図5で示した手順の左右方向の長さは各手順の所要時間に対応する。コマンド入力の所要時間は、ユーザが指示するまでの待ち時間の長短によって変化するが、ここでは標準的な時間長を示している。シナリオ再生の所要時間は表示内容によって変化するが、これも標準的な時間長を示している。オートレベル1、2におけるシナリオ再生はハッチングを付して示されている。
【0035】
通常モードが選択されている場合、各ターンではコマンド入力とシナリオ再生とが適宜に繰り返されつつ育成が進行する。コマンド入力はオートレベル1~3のいずれであっても通常モードと同様である。シナリオ再生に関しては、その再生方法が通常モードと異なり、かつオートレベル1~3間でも再生方法が異なる。オートレベル1が選択されている場合、シナリオの再生速度は通常モード時と同じであるが、通常モードにおけるシナリオ再生にて必要とされる画面送りの操作、例えば次の画面に進むためのタップ操作が不要とされる。それにより、シナリオ再生が開始された後、次のコマンド入力の機会までシナリオが自動的に連続再生される。つまり、オートレベル1は、シナリオ再生で表示されるべき各種の画面を最初から最後まで自動再生するモードである。通常モードの場合は、シナリオ再生が画面ごと一時停止し、ユーザの画面送り操作を待って次の画面が表示される。したがって、オートレベル1はシナリオ再生に要する操作を省略したモードとして位置付けられる。図5では、通常モードにおけるシナリオ再生の所要時間を、ユーザが画面を確認し、次の画面に遷移するための送り操作を行う場合の標準的な時間を見込んで示している。オートレベル1におけるシナリオ再生の所要時間は、その標準的な時間に従えば通常モードのそれと同等である。ただし、オートレベル1における画面遷移の時間長を上述した標準的な時間より短く設定すればオートレベル1のシナリオ再生の所要時間は通常モードのそれよりも短くなる。一方、通常モードにおいてユーザが画面を確認することなく連続的にタップ操作するといったように、画面送り時間が標準的なものよりも短くなるようにユーザが操作を行えば、オートレベル1におけるシナリオ再生の所要時間は通常モードにおけるそれよりも長くなる場合もあり得る。つまり、通常モードとオートレベル1との間におけるシナリオ再生の所要時間の長短は変化し得る。
【0036】
一方、オートレベル2が選択されている場合には、オートレベル1と同様にユーザの画面送り操作が不要とされ、かつ通常モード及びオートレベル1と比較してシナリオ再生の再生速度が高く設定される。例えば、シナリオに含まれる画像をコマ送り動画として再生する場合、その再生速度が通常モードにおける再生速度に対して2倍速といった高速に設定される。それにより、オートレベル2におけるシナリオ再生の所要時間は通常モード及びオートレベル1のそれよりも明確に短縮される。例えば、通常モード及びオートレベル1における再生速度に対してオートレベル2の再生速度が一例として2倍速、あるいは3倍速といった高速に設定される。
【0037】
オートレベル3は、シナリオ再生の所要時間に関してさらなる短縮を図ったレベルであってシナリオ再生が省略される。つまり、シナリオの画像等は再生されない。シナリオ再生では、コマンド入力における選択に対応して発生した対象キャラクタ等の行動、その行動の結果として生じるパラメータの値等の変化、あるいはコマンド入力における選択に基づいて発生したイベントの内容、あるいはそのイベントの結果といった、コマンド入力に応じた結果を示す各種の情報を含んだ画像が提示されることがある。オートレベル3の場合はシナリオ再生が省略される。そのため、シナリオ再生にて提示されるべき各種の情報をユーザが把握することは不可能又は困難である。したがって、オートレベル3の場合には、ターンの終了時に、そのターンの内容や結果、例えば対象キャラクタがどのように行動し、どのようなイベントが発生し、それらの結果としてパラメータの値等がどのように変化したかがターンの結果として表示される。
【0038】
なお、上記では通常モードにおけるシナリオ再生にてユーザの画面送り操作が必要であるものとして説明したが、通常モードにおいても、シナリオ再生はそのような画面送り操作を必要としない連続的な動画として実行されてもよい。その場合、オートレベル1は自動モードにおける選択肢から除外されてもよい。あるいは、オートレベル1におけるシナリオの再生速度を、通常モードにおける再生速度よりも高くかつオートレベル2における再生速度よりも低く設定してもよい。その場合、オートレベル1においても、シナリオ再生の所要時間を通常モードのそれよりも短縮することが可能であり、オートレベル1も短縮モードの選択肢の一つとして位置付けることができる。
【0039】
一方、オートレベル1~3のいずれの場合でもコマンド入力の手順は省略されない。したがって、ターン内で発生する選択の機会、例えば通常行動の選択やイベントにおける選択の機会は通常モード(オートオフ)時と同様に発生する。よって、選択を指示するためのユーザの操作は必要である。これに対して、図4に示した省略モード、すなわち全スキップが選択された場合には、図5に示したシナリオ再生のみならず、コマンド入力も省略される。そのため、ユーザとのやり取りに関する進行手順の所要時間は、通常モード及びオートレベル1に比してオートレベル2にて短縮され、オートレベル3でさらに短縮され、省略モードが最短となる。自動モードの間では、オートレベル3にてシナリオ再生の所要時間が最小となる。省略モードではユーザとのやり取りに関する進行手順の全てが省略されるのに対して、オートレベル2、3はシナリオ再生の所要時間の短縮が図られる一方で、コマンド入力の手順が省略されない。したがって、オートレベル2、3は、短縮モードにおける選択肢としての高速モードのさらなる選択肢としてのレベルの一例であって、オートレベル3はその高速モードにて選択可能なレベル間において、非選択手順の所要時間を最小とする特定レベルの一例に相当する。なお、オートレベル1~3のいずれかがオンされた場合のシナリオ再生の変化は、通常ターンに限定されず、目標ライブのターンに対しても適用されてよい。その場合は、目標ライブのシーンを表現する画像の表示に必要な操作が省略され、あるいは画像の再生速度が通常モードのそれに比して増速され、あるいは目標ライブの画像の表示それ自体が省略される。
【0040】
以上のように、育成の進行手順に関しては所要時間が異なる複数のモードが用意され、ユーザの指示に応じていずれかのモードが選択可能とされている。したがって、育成に要する時間や手間に関するユーザの様々なニーズに応えて育成を進行させることが可能である。特に、オートレベル3は、オートレベル2に比して所要時間の短縮効果が高い。そのため、オートレベル2の程度では短縮効果に満足できない一方で、自らの意思を育成中の選択機会に反映させたいユーザのニーズに応えることが可能である。省略モードを選択すれば育成を直ちに完了させることができる。したがって、所要時間の短縮を最優先するユーザのニーズに応えることが可能である。
【0041】
図4に戻って、簡略化モードは、通常モードの育成時におけるユーザの操作の一部を不要とすることにより、育成中におけるユーザの操作を簡略化するモードである。本形態では、図3に示した経験点を対象キャラクタCtのパラメータに振り分ける操作を省略し、その振り分けを自動的に処理することにより、操作の簡略化を図っている。なお、省略モードを選択した場合にも、経験点の振り分けが自動的に処理されるが、簡略化モードにおける経験点の振り分けは、後述する目標値の設定と関連付けて処理される点で省略モードのそれとは異なる。
【0042】
簡略化モードは、図2に示した育成ガイドの設定を通じて選択可能となるモードである。ただし、簡略化モードは、育成ガイドを利用する場合に発現する機能の一部である。育成ガイドそれ自体は、育成を支援するさらなる機能を含む。例えば、対象キャラクタCtの行動に関する選択肢のうち、育成に有利となり得る行動をユーザに提示するといった機能が育成ガイドの機能に含まれる。
【0043】
簡略化モードの選択時には、例えば、図6に示したように、対象キャラクタCtのパラメータの少なくとも一部に関して目標値が設定可能である。目標値は、図2に示した育成ガイドの設定にて行われる。開始前設定の段階で目標値を設定することが可能であり、かつ、育成パート中の適宜のタイミングで目標値を新たに設定し、又は再設定することも可能である。目標値はパラメータの種類ごとに個別に設定可能である。五種類のパラメータの全てに対して目標値が設定されることは必ずしも必要でない。一部の種類のパラメータに限って目標値が設定されてもよい。図6では、ボーカル、ダンス及び魅力のパラメータに関して太線で示す目標値が設定された例が示されている。育成パートの開始後は、目標値に向けてパラメータの値が増加するように、経験点が各パラメータに自動的に振り分けられる。目標値と関連付けて設定される終了条件が満たされるまでパラメータの値が増加すると簡略化モードの自動振分は終了となる。
【0044】
終了条件は、一例として、目標値が設定された全てのパラメータが目標値まで増加した場合に満たされるように設定される。ただし、終了条件は目標値と関連付けられる限りにおいて適宜に設定されてよい。例えば、少なくとも一種類のパラメータが目標値まで増加した場合に終了条件の少なくとも一部が満たされるように、終了条件が設定されてもよい。目標値とは異なる事項と関連付けられた要件が終了条件に加重的な要件、又は選択的な要件として設定されてもよい。経験点の自動振分が実行されるタイミングは適宜でよい。例えば、経験点が取得されたターンの終了時、イベントや通常行動の終了時、振り分けに必要な経験点が貯まった時点、あるいは育成完了時等に自動振分が実行されてよい。自動振分の過程において、目標値に達したパラメータについてはその後の経験点の振り分けが中止されてもよい。つまり、目標値が設定されたパラメータの種類ごとに個別に終了条件が満たされたか否かが判断されてもよい。
【0045】
以上のように、パラメータの目標値までの成長を自動的に処理する場合には、育成中における行動結果に応じてパラメータを成長させる操作の一部が省略される。それにより、パラメータを成長させるための操作の手間が軽減される。したがって、手間のかかる操作を省いて育成を手際よく進めたいユーザのニーズに応えることが可能である。
【0046】
なお、図3にも示したように、スキルの取得についても自動処理が可能である。ただし、スキルは経験点の消費と引き換えに行われる。そのため、例えば、経験点をパラメータに振り分ける処理が自動化される場合には、その振り分けの処理後にスキル取得に必要な経験点が残っている場合にスキル取得の自動処理が実行されるといったように、パラメータへの振り分けが優先されてもよい。あるいは、取得された経験点を、パラメータへの振り分け用の経験点と、スキル取得用の経験点とに按分して、パラメータへの自動振分とスキルの自動取得とが並列的に実行されてもよい。スキルの取得に関する自動処理の例についても後述する。
【0047】
図4に示した各モードは相互に排他的であることを必ずしも必要としない。相互に矛盾が生じない限り、複数のモードを組み合わせて適用することも可能である。例えば、簡略化モードは、自動モードにおけるレベル1~3のいずれかと並列的に適用することが可能である。その場合、各ターンの進行がレベル1~3に従って制御され、かつパラメータが目標値に向けて自動的に増加する。その他のモードの組み合わせの可能性については変形例として後述する。また、各モードの選択又は設定が可能な時期については、モードごとに適宜に設定されてよく、モード間で設定時期が一致してもよいし、異なってもよい。モードの設定時期の一例は後述する。
【0048】
[育成パートの具体例]
次に、ユーザ装置3にて表示されるユーザインターフェースとしての画面例を示しつつ、図2及び図3の育成パートの具体例を説明する。
【0049】
(1)対象キャラクタ等の選択
図7は、対象キャラクタを選択する際に表示されるキャラクタ選択画面100の一例を示している。キャラクタ選択画面100には、対象キャラクタとして選択可能な素体キャラクタ(図2の素体キャラクタCsに相当。)のサムネイル画像101が一覧表示される。ユーザが選択しているサムネイル画像101には選択枠102が付される。選択枠102が付されたサムネイル画像101に対応する素体キャラクタを複製して得られる対象キャラクタ(図2の対象キャラクタCtに相当。)がキャラクタ画像103として表示される。対象キャラクタの素材となった素体キャラクタのパラメータの値が、対象キャラクタに対応するパラメータの初期値としてパラメータ表示部104に表示される。キャラクタ画像103には、対象キャラクタの称呼の一例として「担当アイドル」の文字列が付されるとともに、名前等のキャラクタ情報105が併せて表示される。パラメータ表示部104には、パラメータの値に加えてパラメータのランクも表示される。図示の例では、各パラメータのランクが「G+」と表示されている。パラメータのランクは、パラメータの値を複数段階に区分したときのパラメータの値が所属する段階を示す。アルファベット順が早いほどランクが高い。同一アルファベットでも「+」、「-」のいずれも付されてないランクに対して「+」は一段上位、「-」は一段下位のランクである。
【0050】
ユーザがいずれかのサムネイル画像101を選択して「次へ」のボタン106を操作すると対象キャラクタが決定され、アイテム選択、イベントキャラクタ選択へと順次処理が進む。ただし、対象キャラクタを一旦決定した後であっても、例えばアイテム選択やイベントキャラクタ選択の段階で前段階に戻るための操作を適宜に行うことにより対象キャラクタの再選択が可能である。アイテム選択及びイベントキャラクタ選択は、図2に示した候補群G2、G3をユーザに提示する画面をユーザ装置3に表示させ、その画面から、アイテム及びイベントキャラクタをユーザに選択させることによって行われる。それらの画面の例示は省略する。なお、キャラクタ選択画面100の左上にはSP表示部107が設けられる。SP表示部107には、育成パートにて対象キャラクタを育成するために必要なポイントであって、一例として「SP]と略称される。SPは、上限を例えば30として、育成が開始される際にその対価として所定量が消費される。
【0051】
(2)開始前における進行設定
図8は、開始前設定の段階(図2のF4)にて表示される最終確認画面110の一例を示している。最終確認画面110は、育成パートを開始するにあたっての各種の設定を確認するために表示される画面である。最終確認画面110は、対象キャラクタCtの画像、パラメータ等の情報が表示される対象キャラクタ情報部111と、選択されたアイテムやそのアイテムに関連付けられたスキル等の情報が表示されるアイテム情報部112と、選択されたイベントキャラクタの情報が表示されるデッキ情報部113と、育成開始を指示するための開始ボタン114と、育成開始をキャンセルするためのキャンセルボタン115とを含む。キャンセルボタン115は、開始前設定よりも前の段階、例えば図2のイベントキャラクタ選択の段階に戻るための操作ボタンとして機能する。さらに、最終確認画面110には、全スキップ設定部116が設けられる。全スキップ設定部116は、図4の省略モードとしての全スキップの選択又は解除を切り替えるためのトグルボタン117と、全スキップの概要を記述した説明部118とを含む。トグルボタン117には、その機能の説明として、例えば「育成を全スキップする」といった説明が付されている。全スキップ設定部116の下方には、育成を開始するためにSPを10消費する旨の説明が付記されている。
【0052】
図8はトグルボタン117がオフの位置(左側の位置)にあり、全スキップが選択されていない状態が示されている。トグルボタン117がオンの位置(右側の位置)に切り替えられると全スキップ設定部116の表示が図9の状態に変化する。以下では、トグルボタン117がオフの位置にある場合を全スキップのオフと、オンの位置にある場合を全スキップのオンと称することがある。図9の状態では、対象キャラクタに対応付けられた五種類のパラメータのそれぞれに対応する五つの優先ボタン119が左右に並べて表示される。優先ボタン119は、左から順にボーカル、ダンス、魅力、表現力、及びメンタルのパラメータにそれぞれ対応する。優先ボタン119は、パラメータの種類を象徴するマークが付されることによって相互に識別可能である。
【0053】
優先ボタン119は、全スキップが選択された場合に優先的に成長させるパラメータ(以下、優先パラメータと称することがある。)を指定するために設けられている。例えば、優先ボタン119をタッチ操作するごとに、その優先ボタン119に対応するパラメータの優先、又は非優先の設定が切り替わる。図9では、優先設定されている優先ボタン119を濃色で、優先設定が解除された非優先の優先ボタン119を淡色で区別して示す。優先ボタン119の優先又は非優先を識別するための表示態様は適宜でよい。図9の例では、左端のボーカルに対応する優先ボタン119のみが優先設定され、その余の優先ボタン119は優先設定が解除された状態である。したがって、ボーカルのみが優先パラメータとして設定されている。優先設定可能なパラメータの種類数には上限が設定される。図9の例では、説明文からも明らかなように、三種類のパラメータを上限として優先設定が可能とされている。パラメータの優先設定は、省略モードにおける各種類のパラメータの増加量の演算に反映される。また、パラメータの優先設定が対象キャラクタの行動に影響を与えることもある。例えば、どのレッスンを選択するかに関してパラメータの優先設定が考慮され、優先設定されたパラメータの増加に有利となるように選択がなされてもよい。
【0054】
図9の状態からユーザが開始ボタン114を操作すると、全スキップが設定された状態での育成、言い換えれば図4の省略モードによる育成が開始される。この場合、育成パートにおけるユーザとのやり取りに関する全ての進行手順が省略され、次の画面ではユーザに育成結果が示される。一方、全スキップがオフの状態で開始ボタン114が操作された場合には、図10に示すプレイ設定画面120が最終確認の手順の一つとして表示される。
【0055】
図10のプレイ設定画面120では、図4に示した育成ガイドに関する設定が可能である。プレイ設定画面120は、育成ガイドの利用の有無を切り替えるためのトグルボタン121と、育成ガイドにおける各種類のパラメータの目標値を設定するための目標設定部122とを含む。トグルボタン121には、「育成ガイドを利用する」の説明が付記されている。トグルボタン121がオフの位置(左側の位置)にあれば育成ガイドの利用が選択されず、トグルボタン121がオンの位置(左側の位置)にあれば育成ガイドの利用が選択される。以下では、トグルボタン121がオフの位置にある場合を育成ガイドのオフと、オンの位置にある場合を育成ガイドのオンと称することがある。
【0056】
育成ガイドがオフの場合、目標設定部122は操作不可能であり、例えばグレーアウトのような表示手法を用いて操作不可能であることが示される。育成ガイドがオンの場合、プレイ設定画面120の目標設定部122が操作可能な状態となる。目標設定部122には、五種類のパラメータのそれぞれと1対1に対応付けてトグルボタン123、及び調整部124が設けられている。トグルボタン123がオフの位置(左側の位置)にあるときは、そのトグルボタン123に対応する調整部124が操作不可能であり、例えばグレーアウトのような表示手法を用いて操作不可能であることが示される。したがって、育成ガイドがオンであっても、パラメータごとに目標値を設定するか否かをトグルボタン123によって選択することが可能である。全てのパラメータについて目標値が設定されてもよいし、一部のパラメータに限って目標値が設定されてもよい。あるいは、全てのパラメータについて目標値を設定しないことも可能である。五種類のパラメータのうち、少なくともいずれか一種類のパラメータに対して目標値が設定された場合、図4に示した簡略化モードが適用される。五種類のパラメータのいずれに対しても目標値が設定されない場合、図4に示した簡略化モードは解除される。
【0057】
トグルボタン123をオンの位置(右側の位置)に切り替えると、対応する調整部124が操作可能となる。調整部124には、目標値として設定されているパラメータのランクを示す設定表示125を挟んで左右に「-」及び「+」の記号を付した操作指標126、127が配置されている。操作指標126、127を操作することにより、設定表示125に示されたランクを一段ずつ下位、又は上位に変化させることができる。図10の例では、ボーカルのパラメータに関して「C+」のランクが表示されている。したがって、操作指標126を操作すればランクは「C」に、操作指標127を操作すればランクは「B-」に変化する。図10の例から明らかなように、パラメータに関する目標値の設定は、特定の値そのものを指定する例に限定されず、一定の幅をもつ範囲を指定する場合も含む。目標値がランク等の範囲として設定された場合、パラメータが目標値に達したか否かは、パラメータの値が目標の範囲を代表する値に達したか否かによって判断されてよい。その代表値としては、例えば、目標の範囲における下限値、中央値、あるいは上限値等が適宜に選択されてよい。
【0058】
目標設定部122の下方には設定完了ボタン128が設けられている。設定完了ボタン128が操作されると、その時点でのトグルボタン121の状態に従って育成ガイドの利用の有無が確定する。トグルボタン121がオンの位置にあって、育成ガイドが利用される場合には、トグルボタン123及び調整部124の状態に応じてパラメータの目標値の設定が確定する。なお、育成ガイドがオンの場合において、少なくとも一部のパラメータに目標値が設定されると、そのパラメータは経験点の自動振分の対象となる。全てのパラメータに対して目標値が設定されない場合には、図4の簡略化モードは適用されないが、育成ガイドの他の機能に関しては、トグルボタン121がオフに切り替えられない限りは利用可能である。また、簡略化モードが不適用の場合でも、スキルの自動取得は実行可能とされてよい。つまり、図4に示した簡略化モードは、育成ガイドがオンに設定され、かつ少なくとも一種類のパラメータに関して目標値が設定される場合において、育成ガイドの機能の一つとして適用されるモードである。
【0059】
(3)育成パート
図11は、育成パートにて表示されるホーム画面130(ただし、育成パートにおけるホーム画面である。)の一例を示している。ホーム画面130には、対象キャラクタの外観に対応するキャラクタ画像131が、行動の選択を促す吹き出し131aを添えて表示される。キャラクタ画像131は、図8のキャラクタ画像103と同一画像であってもよいし、衣装、髪型、ポーズ等が変化した画像であってもよい。ホーム画面130は、パラメータ表示部132と、選択部133と、情報部134とを含む。パラメータ表示部132には、対象キャラクタに対応するパラメータのランクが種類ごとに分けて表示される。ここで表示されるランクは表示の時点におけるランクである。初期値からランクが変化したパラメータに関しては最新のランクが表示される。パラメータ表示部132には、さらに能力アップボタン132aが表示される。能力アップボタン132aは、経験点をパラメータの値に振り分ける手動処理を実行するために操作される。
【0060】
選択部133は、機能選択部135と行動選択部136とをさらに含む。機能選択部135には、ホーム画面130から呼び出すことが可能な各種の機能が左右に並べて表示される。機能選択部135は、「Auto」及び「設定」を選択肢として含む。「Auto」が選択されると、図5のオートオフ又はレベル1~3のいずれかが選択可能となる。「設定」が選択されると、育成ガイドに関する設定が可能となる。図11の例では、「Auto」の選択肢に、オートオフ又はレベル1~3のいずれが選択されているかを示すマーク135aが付される。
【0061】
行動選択部136は、通常ターンにおける通常行動の選択肢(図3参照)に対応して、「レッスン」、「休憩」、「通院」及び「息抜き」を選択肢として含む。それらの選択肢のいずれか一つをユーザが選択すると、選択された行動が対象キャラクタの通常行動として選択される。育成ガイドがオンの場合、行動選択部136の選択肢の一部には、推奨される行動(以下、推奨行動と称する。)を示すバッジ136aが付されることがある。図11の例では、レッスンの選択肢にバッジ136aが付されている。推奨行動の判別及び判別結果に基づくバッジ136aの表示も育成ガイドの機能の一部である。なお、推奨行動のバッジ136aの表示又は非表示は、図10のプレイ設定画面120のトグルボタン121による育成ガイドのオン、オフによって切り替えられ、そのトグルボタン121のオン、オフは、パラメータに関する目標値の設定とも関連付けられる。ただし、推奨行動のバッジ136aの表示の有無と、目標値とは相互に関連付けられることなく、相互に独立して設定可能とされてもよい。
【0062】
ホーム画面130の情報部134には、育成パートの現在の状況を示すための各種の情報が表示される。情報部134は、体力ゲージ137及び調子ゲージ138を含む。体力ゲージ137には、対象キャラクタに設定される仮想的な体力の残量が例えばバーグラフの長短によって表示される。体力はレッスン等の行動に伴って消費される。体力は、対象キャラクタの状態を示すパラメータの一種として設定される。体力は、対象キャラクタの行動の結果として得られるべき経験点に影響を与え得る。例えば、体力が少ないほど対象キャラクタがレッスンに失敗する確率が上昇し、失敗した場合には経験点を得られない、といったごとく体力と行動結果とが関連付けられる。体力ゲージ137に表示される体力は、通常行動として休憩を選択した場合に回復する。その他にも、一定の条件と関連付けて体力が回復してもよい。例えば、時間経過、次ターンへの移行、イベントの結果等と関連付けて体力が回復するものとしてもよい。
【0063】
調子ゲージ138では、対象キャラクタの状態を示すパラメータの一種としての調子の良否が例えば色調、アイコンの態様等によって区別して表示される。調子は、対象キャラクタが経験点を取得するために有利となるいわゆるバフ効果又はデバフ効果を発生させるために必要なパラメータの一種として設定される。調子が良好であるほどバフ効果等が発生し易くなる。あるいは、調子が悪化すれば、対象キャラクタの育成に不利な状態が発生し易くなる。調子は、通常行動として息抜きを選択した場合に改善される。その他にも一定の条件と関連付けて調子を変化させてもよい。さらに、対象キャラクタの状態としては、一定の条件下で「バッドコンディション」が発生することがある。例えば、対象キャラクタの怪我、病気といった状態がバッドコンディションとして設定されてよい。バッドコンディションが生じた場合には、通常行動として通院を選択して対象キャラクタの状態を回復させる必要がある。したがって、通院の選択肢は、バッドコンディションが生じている場合に限って選択可能とされてもよい。
【0064】
ホーム画面130の機能選択部135にて「Auto」が選択されると、図12に示したオート設定画面140がホーム画面130に重ね合わせるようにして表示される。オート設定画面140では、オート設定の選択肢として、「Auto OFF」、「Auto Lv1」、「Auto Lv2」及び、「Auto Lv3」が提示される。「Auto Lv1」、「Auto Lv2」及び「Auto Lv3」は、図4の自動モードにおけるレベル1~3にそれぞれ対応し、「Auto OFF」はオートオフに対応する。選択中の設定にはチェックマーク141が付される。図12の例ではオートオフが選択されている状態である。ユーザがオート設定画面140にていずれかの選択肢を選択して設定完了ボタン142を操作すると、その時点で選択されているオート設定が適用される。なお、オートレベル1~3では、ユーザの選択操作が必要な場面(図4のコマンド入力の手順)にて画面が一旦停止する。そのため、例えば「操作が必要な箇所では停止します。」といったコメントがオート設定画面140に付記される。
【0065】
図11のホーム画面130の機能選択部135にて「設定」が選択されると育成ガイドの利用の有無が設定可能となる。その設定画面は、図10のプレイ設定画面120と同様であり、ここでは図示を省略する。育成パート中における育成ガイドの設定では、育成ガイドのオンオフの切り替え、新たにオンした場合における目標値の設定、及び開始前設定にて目標値が設定されたパラメータに関する目標値の再設定、開始前設定の段階で目標値が設定されなかったパラメータに関する目標値の新たな設定が可能である。なお、育成パート中に目標値を再設定可能とした場合には、ユーザがパラメータの成長の程度を考慮して目標値を適宜に変化させることができる。例えば、意図したよりも経験点が多く貯まった場合には目標をより高く変化させ、経験点が意図したほどに貯まらない場合には目標をより低く変化させるといったように、育成の進行状態に応じて臨機応変に目標値を変化させることが可能である。
【0066】
図11のホーム画面130の行動選択部136にて「レッスン」が選択された場合には、ホーム画面130から図13に例示した行動選択画面150へと表示が切り替わる。行動選択画面150には、対象キャラクタの外観に対応するキャラクタ画像151が表示される。キャラクタ画像151は、図8のキャラクタ画像103と同一画像であってもよいし、衣装、髪型、ポーズ等が変化した画像であってもよい。行動選択画面150は、情報部134と、機能選択部135と、行動選択部152と、経験点表示部153と、イベントキャラクタ表示部154とを含む。情報部134及び機能選択部135は図11のそれらと同様である。
【0067】
行動選択部152には、通常行動の「レッスン」における五種類の選択肢に対応して、五つの選択ボタン152a~152eが、例えば、各選択肢を象徴するマークを模るようにして表示される。選択ボタン152a~152eは、左から順にボーカル、ダンス、魅力、表現力、メンタルのレッスンにそれぞれ対応する。ただし、図13の例では、魅力のレッスンが「ビジュアル」と表現され、その選択肢がレッスンの行動として仮選択された状態が示されている。例えば、選択ボタン152a~152eのいずれかがタッチ操作されると、操作された選択ボタンが拡大表示されて仮選択された状態となり、仮選択された選択ボタンがさらにタッチ操作されるとその選択ボタンに対応するレッスンの選択が確定する、といったように選択ボタン152a~152eとレッスンの選択とが関係付けられてよい。
【0068】
ビジュアルのレッスンは、育成ガイド機能によって推奨行動と判断され、ビジュアルに対応する選択ボタン152cにはバッジ152fが付されている。また、各選択肢には、対象キャラクタの体力、調子の状態等に応じて失敗率が設定され、少なくとも仮選択された行動にはその失敗率が併せて表示される。各選択ボタン152a~152eには、レッスンのレベルが例えば「Lv1」といった態様で表示される。レッスンのレベルは、例えば、同一レッスンを選択した回数が多いほど高まるように設定される。対象キャラクタのボーカル等のパラメータが成長するほどレッスンのレベルが高まり、あるいはイベントやアイテムと関連付けてレッスンのレベルが高まるといったように、レッスンの選択回数以外の事項と関連付けてレベルが設定されてもよい。レッスンのレベルが高いほどより多くの経験点を取得することが可能となる。
【0069】
経験点表示部153には、対象キャラクタが取得している経験点が、音楽、体幹、容姿及び表現の四種類に区別して表示される。選択ボタン152a~152eのいずれかが仮選択された場合には、仮選択されたレッスンによって得られる経験点の増加量が、例えば「+2」といったごとく表示されてもよい。ただし、その増加量は必ず得られる値であることは必ずしも必要ではなく、推定値であってもよい。ちなみに、選択したレッスンに失敗すれば経験点は得られないか、又は減少する。
【0070】
イベントキャラクタ表示部154には、レッスンにて連携するキャラクタ(以下、連携キャラクタと称することがある。)を象徴するキャラクタマーク154aが表示される。例えば、対象キャラクタと一緒にレッスンを受け、あるいは対象キャラクタのレッスンをサポートする連携キャラクタに対応するキャラクタマーク154aがイベントキャラクタ表示部154に表示される。連携キャラクタは一例としてイベントキャラクタであってもよく、又はイベントキャラクタとは異なるキャラクタであってもよい。他のキャラクタには、例えば育成パートにて適用されているシナリオに固有的に登場するキャラクタ、適用されるシナリオを問わず登場し得るキャラクタ等の適宜のキャラクタが含まれてよい。連携キャラクタがもたらす効果は、連携キャラクタに応じて差別化される。例えば、連携キャラクタには得意レッスンが設定され、対象キャラクタがその得意レッスンを選択した場合に連携キャラクタによる効果が発現する。連携キャラクタの出現には抽選処理が介在してもよい。一つのレッスンに対しては、0以上の任意数の連携キャラクタが割り当てられてよい。行動選択部152の選択ボタン152a~152eには、得意レッスンが一致する連携キャラクタの数が付記される。
【0071】
連携キャラクタは、レッスンで得られる経験点を増加させるといった有利な効果を発生させることがある。例えば、対象キャラクタと連携キャラクタとの関係が所定の条件を満たす場合に経験点が加算される。対象キャラクタと連携キャラクタとの関係は、例えば信頼度といった媒介的なパラメータによって表現される。連携キャラクタの得意レッスンが対象キャラクタの行動として選択されるとその連携キャラクタの信頼度が上昇し、信頼度が所定値以上である場合に条件が満たされたものとして経験点が加算される。あるいは、信頼度に関わりなく、経験点が追加的に得られる、所定のイベントが発生するといったように、対象キャラクタの育成に有利な効果が得られることがあってもよい。したがって、経験点をより多く取得するためには、連携キャラクタが相対的に多く、あるいは信頼度が高い連携キャラクタが存在するレッスンを選択することが有利である。
【0072】
図14及び図15は、育成パートの進行中に表示される画面の一例を示している。図14は、演出画面160の一例であって、図15は選択画面170の一例である。それらの画面は、いずれも育成の進行と関連付けられた画像の一例である。図14の演出画面160は、例えば通常ターンにて発生したイベントにて対象キャラクタが発言するシーン等を演出するための画面である。演出画面160では、一例として、対象キャラクタを示すキャラクタ画像161が、キャラクタの発言内容を示す吹き出し161aを付して表示される。吹き出し161aは、例えばイベントに関与するイベントキャラクタ等との間で交わされる一連の会話の一部、あるいはユーザに向けられた発言として表示される。情報部134及び機能選択部135は図11のそれらと同様である。ただし、演出画面160は行動の様子等を演出するものであればよく、発言内容を示す吹き出し161aの表示は必須ではない。
【0073】
一方、図15の選択画面170では、イベント中に発生した選択肢を示すダイアログボックス171が表示される。情報部134及び機能選択部135は図11のそれらと同様である。ユーザがいずれかのダイアログボックス171を選択すると、そのダイアログボックス171に対応する行動等が選択される。なお、図15の選択画面170では、対象キャラクタを示すキャラクタ画像172も表示されるが、その表示内容は選択肢が提示されるべき状況に応じて適宜に変更されてよい。例えば、対象キャラクタ及びイベントキャラクタの画像が表示されてもよいし、行動の選択肢と関連付けられた場所、アイテム等の各種の画像が表示されてもよい。
【0074】
オート設定にてレベル2が設定されている状態では、図14の演出画面160の再生速度は通常モードのそれよりも早く設定される。例えば、演出画面160が動画として表示される場合はその動画が早送りされる。演出画面160が静止画として表示される場合も、その表示の継続時間が短く設定される。オートレベル3が設定されている場合、演出画面160の表示は省略される。つまり、演出画面160それ自体が表示されない。一方、図15の選択画面170に関してはユーザに選択の機会を与えるものである。したがって、オートレベル1~3のいずれかが設定されていても、選択画面170は通常モード時と同様に表示され、ユーザの選択が確定するまでその表示が継続される。
【0075】
図5との対応関係では、演出画面160及び選択画面170はいずれも育成の進行の関連付けられた画像の一種として表示される。ただし、演出画面160は、ユーザの指示に基づく選択を必要としない画面であって、図5のシナリオ再生の段階で表示される画像の一例である。したがって、演出画面160は、オートレベル1が設定されている場合において画面送り操作といったユーザの操作を不要とする対象となり、オートレベル2が設定されている場合には再生速度を高める対象となり、オートレベル3が設定されている場合は再生が省略される対象となる。一方、選択画面170は、ユーザの指示を必要とする画面であるため、図5のコマンド入力の段階で表示される画像の一例である。なお、全スキップがオンの場合、演出画面160及び選択画面170のいずれも表示が省略される。
【0076】
図14及び図15では、イベント中の画面の例が示されているが、通常行動の選択に応じて対象キャラクタが行動する場合の画面の表示も同様である。例えば、通常行動を選択する機会ではオートレベル1~3のいずれかが設定されていても、選択が確定するまでは画面が変化しない。一方、通常行動が選択され、例えば対象キャラクタがレッスンするシーンを演出する画面については、ユーザの選択操作を必要としない限りにおいて、オートレベル1又は2に応じて再生が制御され、あるいはオートレベル3の設定に従って再生それ自体が省略される。
【0077】
図15の選択画面170のようにユーザに選択肢を提示して選択の指示を必要とする画面を提示する場合、選択の目安となる情報が選択肢と関連付けて提示されてもよい。例えば、ユーザが過去にプレイした別の育成パート、又は現在プレイしている育成パートにて既に経験したイベントが発生し、あるいは通常行動でも連携キャラクタが一致するといったレッスンの条件が一致又は近似する機会が生じることがある。その場合、過去の選択機会にて選択済みの選択肢であること、又は未選択の選択肢であることを情報として提示してもよい。選択済の選択肢をユーザに提示する場合には、その選択の結果として、例えばどの種類のパラメータがどの程度上昇したか、あるいはどの種類の経験点がどの程度取得できたかを参考情報としてさらにユーザに提示してもよい。図15の例では、例えばダイアログボックス171に対して選択済、又は未選択であることを示すマーク、バッジ等の指標を付記し、あるいはダイアログボックス171の色、模様、形状等の表示態様を選択済か未選択かに応じて変化させるといった手法により情報が提示されてもよい。選択結果の情報を提示する場合には、それらのダイアログボックス171内に表示し、あるいはダイアログボックス171の仮選択に伴って情報をポップアップ表示するといった手法で情報が提示されてよい。
【0078】
図16は、対象キャラクタが取得した経験点をパラメータの値に手動で振り分ける際に表示される能力アップ画面180の一例を示している。能力アップ画面180は、所定の呼び出し操作、例えば図11の能力アップボタン132aの操作によって表示される画面である。能力アップ画面180は、パラメータ表示部181と、切替部182と、振分設定部183と、機能選択部135とを含む。機能選択部135は図11のそれと同様である。
【0079】
パラメータ表示部181には、対象キャラクタの現在のパラメータの値及びランクが表示される。切替部182は、設定対象を基礎能力とスキルとの間で切り替えるための操作部である。図16は基礎能力が選択された状態を示している。基礎能力が選択されている場合、振分設定部183には、対象キャラクタの五種類のパラメータを列方向(縦方向)に、対象キャラクタが取得している経験点を行方向(横方向)に配置したテーブル形式で、振り分けに必要な経験点の値が表示される。例えば、ボーカルのパラメータに関しては、音楽の経験点が6、表現の経験点が1消費されることが示されている。消費される経験点が0とされる箇所は、その経験点を該当するパラメータには振り分けることができないことを意味している。例えば、ボーカルのパラメータに関しては、体幹及び容姿の経験点を消費してパラメータの値を増加させることができない。このように、経験点を振り分けることが可能なパラメータの種類、及び振分時に消費される経験点の大小は、パラメータ及び経験点の組み合わせに応じて差別化されている。テーブル中の各パラメータの行には、「+」の記号を付した調整ボタン183aが付されている。いずれかのパラメータに対応する調整ボタン183aが操作されると、テーブル中に示された経験点が消費され、その消費と引き換えにパラメータの値が増加する。調整ボタン183aの操作が振分操作の一例に相当する。
【0080】
パラメータ表示部181による経験点の振り分けは確定ボタン184を操作することによって確定される。リセットボタン185は、パラメータ表示部181の設定を解除する際に操作されるボタンである。育成ガイドがオンであって、少なくともいずれか一種類のパラメータに関して目標値が設定されている場合、図16の能力アップ画面180を用いたパラメータの手動振分がスキップされ、所定の処理規則に従って経験点がパラメータの値に自動的に振り分けられる。
【0081】
図16の切替部182にてスキルが選択された場合には、パラメータ表示部181に代えて取得対象のスキルを選択する画面が表示される。その画面は、パラメータ表示部181における縦方向のパラメータに代えて、取得可能なスキルを縦方向に並べた画面として構成されてよく、図示は省略する。なお、スキルの取得に関しては、上述したように簡略化モードの選択の有無とは別に、少なくとも一部の操作を不要とする自動処理が可能である。この場合の自動処理は、全スキップがオンの場合に行われるスキルの自動取得の処理とは別に実行される処理である。
【0082】
図17は、オートレベル3がオンの場合における結果表示(図5参照)のためのスキップ結果画面190の一例を示している。スキップ結果画面190には、各ターンで発生した通常行動及びイベントと1対1に対応付けてラベル191が一覧表示される。ラベル191は、通常行動又はイベントに付されたタイトル部191aと、その通常行動又はイベントで得られた経験点等の結果を記述した詳細部191bとを含む。また、スキップ結果画面190には経験点表示部192も設けられる。経験点表示部192には、図13の経験点表示部153と同様に経験点が種類ごとに示される。スキップ結果画面190が表示されることにより、オートレベル3にてシナリオ再生が省略されても、ユーザは一ターンにおける通常行動の結果や発生したイベントの種類、イベントの結果等を把握することが可能である。なお、スキップ結果画面190は、通常行動の結果と、イベントの結果とを別画面として表示するように構成されてもよい。通常行動の結果又はイベントの結果のいずれか一方のみがスキップ結果画面190にて表示されてもよい。スキップ結果の表示内容も、イベント名等の表示を省略し、取得された経験点、体力等の状態の変化のみを対象とするように構成されてもよい。通常行動及びイベントのそれぞれで得られた経験点を積算した値が表示されてもよい。
【0083】
図18は、育成パートの終了時に表示される育成結果画面200の一例を示している。育成結果画面200は、キャラクタ情報部201と、選択部202と、選択情報部203とを含む。キャラクタ情報部201は、対象キャラクタを象徴するサムネイル画像等のキャラクタ画像204と、育成終了時点での種類ごとのパラメータの値及びランクを示すパラメータ表示部205と、対象キャラクタの最終的な評価ランクを示すランク表示部206とをさらに含む。選択部202は、スキルと育成情報とを切り替えるための操作部である。スキルが選択された場合、選択情報部203には、育成パートで取得されたスキルの一覧が表示される。育成情報が選択された場合は育成パートのログ等の各種の情報が表示される。
【0084】
図4の省略モードが選択された状態、つまり全スキップがオンの状態で育成が実行された場合には、図5のコマンド入力やシナリオ再生の手順が全て省略されて育成が完了し、図18の育成結果画面200によって育成結果がユーザに提示される。全スキップがオンの場合、同一条件で育成が開始されても育成結果画面200に表示される育成結果が異なることがある。全スキップにおける育成結果の演算には確率要素が含まれるためである。
【0085】
[育成パートの自動処理]
次に、育成パートにおける自動処理の例を説明する。
(1)全スキップオンの場合の自動処理
図19は、全スキップがオンの場合における自動処理の一例を示している。図19の自動処理は、育成パートの全期間を対象期間として実行されてよい。あるいは、育成パートを複数の対象期間、例えばセクションごと、あるいはターンごとに区切り、対象期間ごとに実行されてもよい。図19の自動処理では、まず対象期間にて得られる経験点(以下、総経験点と称することがある。)が種類ごとに算出される(F11)。総経験点の算出は、例えば、対象期間内の通常行動の選択、イベント発生の有無、発生したイベントにおける選択等を抽選等によって適宜に決定して演算されてよい。つまり、各ターンをコンピュータの内部処理によって仮想的に消化して総経験点を算出してもよい。あるいは、対象期間にて得られる総経験点の予想範囲を、その対象期間内における確率要素、例えばイベント発生確率等を考慮した演算やシミュレーション等によって予め把握しておき、把握された予想範囲内で抽選処理等を利用して総経験点が決定されてもよい。その場合、総経験点は、予想範囲内で決定されてもよいが、予想範囲を超えるより大きな総経験点が一定確率で得られるものとしてもよい。
【0086】
次に、総経験点のうち、パラメータに振り分けるための経験点が算出される(F12)。例えば総経験点に対して一定比率を乗算してパラメータ用の経験点が算出されてよい。続いて、算出された経験点をパラメータに振り分ける処理が行われる(F13)。その振分処理では、開始前設定にて設定された優先パラメータに対して経験点が優先的に振り分けられるようにパラメータ間に振分順序が設定される。図19の例においては、優先パラメータをPP1…で、それ以外の非優先パラメータをNP1…で区別して示す。また、添え字の1、2…は、優先パラメータ間における優先順位、又は非優先パラメータ間における優先順位を示す。優先パラメータの数を優先数としたときに、優先数が1であるときは、振分順序は、一例として、先頭から順に、PP1→NP1→PP1→NP2→PP1→NP3→NP4といったように設定される。優先数が2、又は3の場合の振分順序の例は図19中に示した通りである。なお、優先数が複数の場合、優先パラメータ間の優先順位は、基礎順位に従って設定される。非優先パラメータ間の優先順位も同様に基礎順位に従って設定される。基礎順位は、一例として、順位が高いものから順にボーカル、ダンス、魅力、表現力、メンタルといったごとく設定される。
【0087】
経験点の振分処理では、振分順序に従って経験点が各パラメータに順次振り分けられる。振り分けが実行されるごとに経験点が消費される。経験点の消費量は、図16で例示したように、パラメータと経験点との組み合わせによって相違する。したがって、少なくとも一部の種類の経験点が残っていても、振分順序が到来したパラメータの種類によっては経験点を振り分けることが不可能な場合が生じ得る。そのような経験点の不足が生じた場合にはパラメータへの振り分けがスキップされ、次の順序のパラメータへの振り分けへと処理が進められる。以上のように、振分順序に従って経験点が各種類のパラメータに順次振り分けられる。最終順位まで振り分けが進むと、振分順序の先頭から振り分けが繰り返される。全てのパラメータに関して振り分けが不可能となるまで経験点が減少すると振分処理が終了する。以上の処理により、優先パラメータの値が非優先のパラメータとの比較において、成長方向に相対的に大きく変化するように育成結果が演算される。
【0088】
経験点の振分が終了すると、次いで取得可能なスキルが確認される(F14)。この場合、全てのスキルが取得可能と判別されてもよいし、対象キャラクタやイベントキャラクタに応じて取得可能なスキルが絞り込まれてもよい。ターン中に発生したイベントの設定、あるいは育成パートのシナリオの設定等の各種の設定に基づいて、特定のスキルが取得可能な状態が生じてもよい。続いて、総経験点のうち、スキルを取得するための経験点が算出される(F15)。例えば、総経験点からパラメータ用の経験点を減算した値がスキル取得用の経験点として算出されてよい。その後、スキルを取得する処理が行われる(F16)。スキルの取得は、例えば取得可能なスキルを優先順位に従って並べた候補リストを用意し、優先順位が高いスキルから、経験点が足りているスキルをそのスキルの取得に必要な経験点の消費と引き換えに取得リストに記録するといった手順で実行されてよい。候補リストにおける優先順位は、一例として、スキルの価値が高いほど優先されるように決定されてよい。スキルの価値は、例えばスキルが育成に与える効果の高低、スキルに設定されたレベル、ランク等の高低等、適宜の基準に従って判別されてよい。図19では、優先順位が高い順にスキルがSK1、SK2…と並べて示されている。また、図19の例において、スキルSK1は経験点が足りているために取得可能と判断されて取得リストに記録され、スキルSK2は経験点が不足しているために取得不可能と判断され、その次のスキルSK3は取得可能と判断されている。
【0089】
以上のようにして、全スキップがオンの場合には、パラメータの成長、及びスキルの取得が自動処理される。処理結果は、一例として図18の育成結果画面200を通じてユーザに提示される。提示される育成結果は、育成が完了した対象キャラクタのパラメータの値及びランクを含むものである。図19の処理では、振分順序が高いパラメータほど成長方向により大きく変化し、育成開始から完了までの各パラメータの値の変化量は差別化される。また、総経験点の演算は確率要素を含む。したがって、同一条件で育成結果が演算されても育成結果は必ずしも一致しない。スキルの取得に関しても同様である。
【0090】
(2)育成ガイドにおけるパラメータの自動振分
育成ガイドがオンでかつ少なくとも一種類のパラメータに関して目標値が設定された場合にも経験点のパラメータへの振り分けが自動処理される。この処理では、目標値が設定されたパラメータ間のランクの高低に基づいて振分対象のパラメータが選択され、選択されたパラメータに対して経験点が振り分けられる。その概要の一例を図20に示す。図20では、五種類のパラメータP1~P5の全てに目標値が設定された場合を例として示す。
【0091】
図20の例では、五種類のパラメータをP1、P2…で区別して示している。例えば、自動振分を開始した時点におけるパラメータP1~P5を、ランクが低いものほど上位となるように順位付けしたときの順序がP3→P2→P1→P4→P5であったとする。なお、同一ランクのパラメータに関しては、図19の例と同様に、基礎順位に従ってパラメータ間の上位下位が決定される。基礎順位は、一例として、順位が高いものから順にボーカル、ダンス、魅力、表現力、メンタルといったごとく設定される。
【0092】
1回目の振り分けでは、最もランクが低いパラメータP1に対して経験点が振り分けられる。その振り分けの結果として、パラメータP1の順位が、パラメータP4よりも下位かつパラメータP5よりも上位に変化したとすれば、パラメータP2が最上位となる。その場合、2回目の振り分けでは、パラメータP2を対象として経験点が振り分けられる。2回目の振り分けにより、パラメータP2の順位が、パラメータP4よりも下位かつパラメータP3よりも上位に変化したとすれば、パラメータP1が最上位となる。したがって、3回目の振り分けでは、パラメータP1を対象として経験点が振り分けられる。なお、図20の例でも、振分対象として選択されるべきパラメータと経験点との組み合わせによっては経験点が不足して振り分けが不可能となる場合が生じ得る。そのような不足が生じた場合には、経験点を振り分けることが可能な他のパラメータがランク順に従って選択される。全てのパラメータに関して振り分けが不可能となるまで経験点の振り分けが繰り返されると処理が終了する。所定の終了条件が満たされた場合、例えば全てのパラメータが目標値に達した場合には、育成ガイドにおける自動振分の設定が解除され、それ以降に振分処理は実行されない。上述したように、目標値に達したパラメータに関しては、その後の振分対象から除外されてもよい。
【0093】
図20の例では、目標値が設定されたパラメータのみを対象として経験点が振り分けられる。この点は、図19の例で、非優先パラメータNP1、NP2…も振分順序に取り込まれる場合と相違する。したがって、育成ガイドがオンの場合の自動振分では、目標値が設定されないパラメータに対して経験点が振り分けられない。ただし、目標値が設定されないパラメータに関しても、所定の条件下で経験点が振り分けられてもよい。例えば、振分の終了時点で経験点が余っている場合に、その残余の経験点が、目標値の設定されていないパラメータに振り分けられてもよい。残余の経験点に関しては自動振分では処理せず、終了条件が満たされて自動振分が終了した後の適宜の時期に、ユーザの指示に従って手動でパラメータに振り分けられてもよい。以上要するに、育成ガイドにおける経験点の自動振分処理では、目標値が設定されているパラメータに対して経験点が優先的に振り分けられる限り、目標値が設定されないパラメータへの経験点の振り分けの有無は適宜に設定されてよい。
【0094】
図20に示したパラメータの振り分けの手法は一例であって、経験点を振り分ける対象となるパラメータの選択手法は適宜に変更されてよい。図20の例では、目標値が設定された対象パラメータのうち、ランクが最も低いパラメータを成長方向への変化が相対的に遅れている対象パラメータとして優先的に選択したが、成長方向への変化が相対的に進んでいるか又は遅れているかの判別は、パラメータの現在の値と目標値との差分に基づいて行われてもよい。その場合、差分が大きいほど成長方向への変化が相対的に遅れていると判断されてよい。目標値が設定されたパラメータを図19に示した優先パラメータPP1、PP2…、目標値が設定されないパラメータを図19に示した非優先パラメータNP1、NP2…として区別し、図19と同様の手動で経験点が振り分けられてもよい。単純に、基礎順位に従って振り分けの対象となるパラメータが順次選択されてもよい。パラメータの選択は、経験点が振り分けられるごとに毎回見直されることを必ずしも要しない。例えば、一旦対象として選択されたパラメータに対して2以上の所定回数に亘って継続的に経験点を振り分けてもよい。パラメータが所定量増加するごとに、振り分け対象のパラメータが選択されてもよい。経験点を振り分ける処理は適宜のタイミングで実行されてよく、対象のパラメータもその機会ごとに選択されてもよい。
【0095】
(3)推奨行動の決定
図21は、育成ガイドがオンの場合における推奨行動を決定する処理の一例を示している。推奨行動は、対象キャラクタの状態、及び通常行動の選択肢として用意された「ボーカル」、「ダンス」等の各行動(図3参照)で得られることが期待される経験点とを考慮して決定される。図21の例では、まず対象キャラクタがバッドコンディションの状態か否かが確認され(F21)、バッドコンディションであれば「通院」の行動が推奨行動として決定される(F29)。バッドコンディションでなければ対象キャラクタの調子が確認され(F22)、調子が所定の判定基準よりも悪化していれば「息抜き」の行動が推奨行動として決定される(F28)。調子が判定基準よりも良好であれば、通常行動の各選択肢における連携キャラクタの出現状態が確認される(F23)。その確認結果に基づいて、「レッスン」の行動における選択肢、つまりは「ボーカル」、「ダンス」といった行動ごとに得られることが期待される経験点がレッスンの効果として確認される(F24)。次に、「レッスン」の選択肢ごとに失敗率が確認される(F25)。失敗率は、対象キャラクタの体力や調子に応じて増減する。「レッスン」の選択肢の全てにおいて失敗率が所定の判定基準よりも高い場合には「休憩」の行動が推奨行動として決定される(F27)。
【0096】
失敗率が判定基準以下の行動が一つ以上存在する場合には、その行動から最適レッスンが推奨行動として決定される(F26)。最適レッスンは、例えば、最も多くの経験点が取得できると予想される行動として選択されてよい。ただし、最適レッスンは、目標値と関連付けて選択されてもよい。例えば、目標値が設定されたパラメータをその目標値まで成長させるために適したレッスンが最適レッスンとして選択されてもよい。複数種類のパラメータに関して目標値が設定されている場合、それらのパラメータのうち、ランクが最も低いパラメータを成長させるために必要な経験点を最も多く取得可能なレッスンが最適レッスンとして選択されてもよい。
【0097】
(4)全スキップオフ時のスキル取得
図19に示したスキルの自動取得は、全スキップがオンの場合の処理である。また、図16に示した能力アップ画面180の切替部182にて「スキル」が選択された場合には、経験点を消費してスキルを手動で取得する操作が可能である。本形態では、全スキップのオン以外のモードが選択されている場合を対象として、手動取得と比較して部分的に操作が省略された手順にてスキルを取得することも可能とされている。例えば、スキルが取得可能となった時点で、図22に示すスキル取得画面210が表示されてスキル取得が可能であることがユーザに提示される。ユーザがおまかせボタン211を操作した場合、スキルの自動取得が実行される。この場合、スキルの自動取得は、一例として、取得可能なスキルからランダムに選択するといった手法で実行されてもよい。図19の全スキップのオンの場合と同様に、取得可能なスキルに関し、その価値の高低に応じて優先順位を設定し、経験点が足りている範囲内で順位が高いものから順にスキルが選択されてもよい。スキルが自動取得された場合には、図23に示すように、選択されたスキルがユーザに提示される。決定ボタン214が操作されるとその時点で選択されているスキルが取得される。再抽選ボタン215が操作された場合はスキルが再選択される。なお、図22の手動選択ボタン212が操作された場合は、スキルの手動取得へと処理が進められてもよい。例えば、図16の能力アップ画面180の切替部182にてスキルが選択された状態が表示され、その画面を通じて手動取得が行われるようにしてもよい。
【0098】
[ユーザ装置の制御系及び処理]
次に、ユーザ装置3の制御系の構成、及びその処理手順の一例を説明する。
(1)制御系の構成
図24は、ユーザ装置3の制御系の一例を示している。ユーザ装置3には、制御ユニット10及び記憶ユニット11が設けられている。制御ユニット10はCPU及びその動作に必要な内部記憶装置、例えばキャッシュメモリ、RAM、フレームメモリ等を含んだコンピュータとして構成されている。記憶ユニット11は制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する磁気記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体を用いた記憶装置である。制御ユニット10には、ユーザの操作を検出し、検出結果に応じた操作信号を出力する入力装置12と、ゲーム画面等を表示するための表示装置13とが接続される。その他にも、制御ユニット10には、音を出力するためのスピーカユニット、ゲームサーバ4との通信を制御するための通信制御ユニット等も接続されるが、それらの図示は省略した。
【0099】
記憶ユニット11には、ゲームプログラムPg、ゲームデータDg、及びプレイデータDpが記録される。ゲームプログラムPgは、制御ユニット10の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御を制御ユニット10に実行させるためのアプリケーションプログラムである。育成パートにおけるユーザとのやり取りや各種の自動処理はゲームプログラムPgの記述内容に従って制御される。ゲームデータDgは、ゲームの制御において適宜に参照されるべきデータである。ゲームデータDgには、一例として、育成パートにおける進行手順を定めたデータ、素体キャラクタやイベントキャラクタ等の各種のオブジェクトに対応付けられるべきパラメータ、スキル等を記述したデータ、各種のオブジェクトや背景画像を表示するための素材となる画像データ等がゲームデータDgに記録される。
【0100】
プレイデータDpは、ユーザ装置3のユーザによるゲームのプレイと関連付けられたユーザごとのデータである。例えば、ユーザのプレイ履歴、ステータスといった情報がプレイデータDpに記述される。プレイデータDpには、キャラクタの育成に関する状態を特定するための情報も記録される。例えば、育成中のキャラクタ、及び育成済のキャラクタのそれぞれのパラメータの値、取得済のスキル、育成で取得された経験点の現在値等の情報がプレイデータDpに記録される。
【0101】
ゲームプログラムPg及びゲームデータDgは、ゲームサーバ4からユーザ装置3に適宜に配信されて記憶ユニット11に保存される。プレイデータDpは、ユーザ装置3におけるゲームのプレイに応じて適宜に更新され、かつ適宜のタイミングでゲームサーバ4にユーザの識別情報と対応付けて保存される。ユーザがゲームをプレイする際にゲームサーバ4に対して認証を済ませると、そのユーザに対応するプレイデータDpがゲームサーバ4からユーザ装置3に提供されて記憶ユニット11に保存される。
【0102】
制御ユニット10がゲームプログラムPgを実行することにより、制御ユニット10には、ゲーム設定部21、ゲーム制御部22及び画像描画部23が設けられる。各部21~23は、制御ユニット10のコンピュータハードウエアと、ソフトウエアとしてのゲームプログラムPgとが協働して実現される論理的装置である。ゲーム設定部21は、ゲームのプレイ条件を定める各種の事項の設定を管理する。図4に示した各種のモードの設定もゲーム設定部21によって処理される。
【0103】
ゲーム制御部22は、図2及び図3に示した手順に従って育成パートの育成を進行させ、あるいはライブパートをプレイさせるために必要な各種の演算処理を実行し、演算結果に従ってゲームを進行させる。育成パートの各ターンにおけるイベント発生の有無、通常行動やイベントの結果に応じた経験点の取得、経験点のパラメータへの振り分け、あるいはスキルの取得等を実現するための演算処理がゲーム制御部22によって実行される。ゲーム制御部22は、ゲームの進行状態を判別するためのステータスデータDsを生成してこれを制御ユニット10の内部記憶装置に保持させ、ゲームの進行に伴ってステータスデータDsを適宜に更新する。ステータスデータDsは、例えば対象キャラクタの育成状態、イベントデッキの構成、各ターンの結果又は途中経過といった、ゲームの状況を判別するために必要な各種の情報を含む。
【0104】
画像描画部23は、ステータスデータDsに従ってゲームの各種の画面を所定のフレームメモリに描画するために必要な処理を表示装置13のフレームレートに応じた周期で繰り返し実行する。画像描画部23がゲーム画面を繰り返し描画することにより、表示装置13には、図8等で例示した各種の画面がゲームの進行に応じて表示される。
【0105】
(2)制御系の処理
次に、図25図33を参照して、ユーザ装置3の制御系が実行する各種の処理に関し、それらの手順の一例を説明する。なお、以下の説明においては、図25以下のフローチャートに沿って手順を示しつつ、図2図23を併せて参照する。
【0106】
図25は、育成パートを開始する前に行われる開始前設定の段階(図2のF4参照)で、全スキップ設定及び育成ガイドを設定するためにゲーム設定部21が実行する開始前設定処理の手順の一例を示している。開始前設定処理が開始されると、ゲーム設定部21は、まず図8の最終確認画面110をユーザ装置3に表示させる(ステップS101)。その表示は、最終確認画面110の描画に必要な情報を画像描画部23に引き渡して最終確認画面110を描画させることにより実現される。同様に、各種の画面は、ゲーム設定部21又はゲーム制御部22が描画に必要な情報を画像描画部23に引き渡して描画を指示することにより描画されるが、以下では、それらの処理をゲーム設定部21又はゲーム制御部22が所定の画面をユーザ装置3に表示させるものとして説明する。
【0107】
続いて、ゲーム設定部21は、全スキップがオンされたか否かを判別する(ステップS102)。全スキップがオンされた場合、ゲーム設定部21は最終確認画面110を図9の状態に変化させることにより、ユーザに優先パラメータを指定する機会を与える(ステップS103)。図9の最終確認画面110の優先ボタン119を利用してユーザが優先パラメータを指定すると、指定されたパラメータが優先パラメータとして選択され、次のステップS104へと処理が進められる。優先パラメータが選択されると、ゲーム設定部21は、ユーザが開始ボタン114を操作して育成開始を指示したか否かを判別する(ステップS104)。育成開始が指示されていない場合、ゲーム設定部21はステップS102の処理に戻る。
【0108】
ステップS102にて全スキップがオンされていない場合、ゲーム設定部21は開始ボタン114の操作により、全スキップがオフの状態で育成開始が指示されたか否かを判別する(ステップS105)。育成開始が指示されたと判断された場合、ゲーム設定部21は、図10のプレイ設定画面120をユーザ装置3に表示させる(ステップS106)。続いて、ゲーム設定部21は、プレイ設定画面120にて育成ガイドがオンされたか否かを判別する(ステップS107)。育成ガイドがオンされた場合、ゲーム設定部21は、プレイ設定画面120における目標設定部122の操作状況に従って対象キャラクタの各パラメータに関する目標値を設定する(ステップS108)。なお、五種類のパラメータのそれぞれに関し、目標値を設定するか否かはユーザの任意である。したがって、ステップS108の処理においては、五種類のパラメータの全部、又は一部に関して目標値が設定される場合もあれば、全てのパラメータに関して目標値が設定されない場合もある。
【0109】
目標値の設定後、ゲーム設定部21はユーザが図10の設定完了ボタン128を操作して設定完了を指示したか否かを判別する(ステップS109)。設定完了が指示されていない場合、ゲーム設定部21はステップS106の処理に戻る。ステップS109にて設定完了が指示されたと判断されると、ゲーム設定部21はオートレベルをユーザの指示に従って設定する(ステップS110)。この処理は、図12のオート設定画面140を表示させ、オートオフ、オートレベル1~3のいずれかをユーザに選択させる処理である。ステップS105にて育成開始が指示されていないと判断された場合、ゲーム設定部21は最終確認画面110のキャンセルボタン115が操作されたか否かを判別し(ステップS111)、操作されない場合はステップS101の処理に戻る。ステップS111にてキャンセルボタン115が操作されたと判断された場合、ゲーム設定部21は開始前設定の前の段階、例えば図2のイベントキャラクタ選択の段階へと処理を戻し(ステップS112)、その後に図25の開始前設定を終える。ただし、ステップS112にて、対象キャラクタの選択の段階へと処理を戻すことにより、対象キャラクタを再選択し、それに合わせてアイテム及びイベントキャラクタを再選択してもよい。ステップS104にて育成開始が指示され、又はステップS110のオート設定が完了すると、ゲーム設定部21はこれまでの設定内容をステータスデータDsに保存し(ステップS113)、図25の開始前設定処理を終える。以上の処理によれば、開始前設定の段階で、全スキップのオン又はオフ、育成ガイドのオン又はオフ、及びオート設定におけるレベルの選択が設定可能となる。また、育成ガイドがオンの場合における目標値の設定も可能となる。
【0110】
図26は、育成パートにてゲーム制御部22が実行する育成処理の手順の一例を示している。育成の開始が指示されると、ゲーム制御部22はまず全スキップがオンに設定されているか否かを判別する(ステップS121)。全スキップがオフの場合、ゲーム制御部22はターン処理を実行する(ステップS122)。ターン処理の手順は後述する。ターン処理が終わると、ゲーム制御部22は、オート設定にてレベル3が選択されているか否かを判別する(ステップS123)。レベル3が選択されている場合、ゲーム制御部22は、ステップS122のターン処理の結果をユーザに提示すべく図17のスキップ結果画面190をユーザ装置3に表示させる(ステップS124)。レベル3が選択されていない場合にはステップS124がスキップされる。
【0111】
続いて、ゲーム制御部22は育成パートが終了したか否かを判別する(ステップS125)。育成パートは、最終ターンが終わった場合、又は育成パートの途中の目標ライブがクリアされなかった場合に終了する。育成パートが終了していない場合、ゲーム制御部22はステップS122の処理に戻り、次のターンに対応するターン処理を実行する。以下、同様の処理が繰り返されることによりターンが順次消化されて育成が進行する。
【0112】
一方、ステップS121にて全スキップがオンと判断された場合、ゲーム制御部22は全スキップ時の育成結果を演算する(ステップS126)。この処理は、図19にて説明した通りであり、演算結果として対象キャラクタの育成後の各種のパラメータの値、及び対象キャラクタが取得したスキルが決定される。
【0113】
ステップS125で育成パートが終了したと判断され、あるいはステップS126にて育成結果が演算されると、ゲーム制御部22は育成結果をプレイデータDpに保存し(ステップS127)、図18の育成結果画面200をユーザ装置3に表示させることによって育成結果をユーザに提示する(ステップS128)。その後、ゲーム制御部22は図26の育成処理を終える。
【0114】
図27は、図26のステップS122のサブルーチン処理としてゲーム制御部22が実行するターン処理の手順の一例を示している。ターン処理は一ターンに対応する処理である。ターン処理において、ゲーム制御部22はまず今回のターンにてイベントが発生するか否かを判別する(ステップS141)。この場合のイベントは、図3で示した通常行動又は目標ライブに先行するイベントである。イベント発生の有無は、ターンに関して定められた進行手順、イベントの発生確率等の各種の要素に基づいて判別されてよい。必ず発生するイベントもあれば、確率等に応じて発生の有無が変化するイベントもある。イベント発生と判断された場合、ゲーム制御部22はイベント処理を実行し(ステップS142)、その後にステップS143へ進む。イベントが発生しないと判断された場合、ステップS142はスキップされてステップS143へと処理が進められる。イベント処理の手順は後述する。
【0115】
ステップS143にて、ゲーム制御部22は今回のターンが目標ライブのターンか否かを判別する。目標ライブのターンではなく、通常ターンであると判断された場合、ゲーム制御部22は育成ガイドがオンされているか否かを判別する(ステップS144)。育成ガイドがオンの場合、ゲーム制御部22は推奨行動を決定し(ステップS145)、その後にステップS146の処理に進む。推奨行動を決定する処理は、図21にて説明した通りである。ステップS144にて育成ガイドがオフと判断された場合、ステップS145はスキップされてステップS146へと処理が進められる。
【0116】
ステップS146において、ゲーム制御部22は図11のホーム画面130をユーザ装置3に表示させる。ステップS145にて推奨行動が決定されている場合、その推奨行動にはバッジ136aが付される。ホーム画面130にてユーザが通常行動の選択肢であるレッスンを選択すると、図13の行動選択画面150へと表示が切り替えられる。行動選択画面150においても、推奨行動が決定されている場合には、対応する選択肢にバッジ152fが付される。図11のホーム画面130にて、機能選択部135、あるいは能力アップボタン132aが操作されると、その操作に対応した処理が割り込み実行されるが、それらの処理は後述する。
【0117】
ホーム画面130が表示されると、ゲーム制御部22は、通常行動の選択肢からユーザがいずれかの行動を今回のターンの行動として指定したか否かを判別し、指定した行動を今回のターンにおける通常行動として選択する(ステップS147)。行動が選択されると、ゲーム制御部22は通常行動処理を実行する(ステップS148)。通常行動処理の手順は後述する。
【0118】
通常行動処理が終わると、ゲーム制御部22は、イベントが発生するか否かを再び判別する(ステップS149)。この場合のイベントは、図3で示した通常行動又は目標ライブに後続して発生するイベントである。イベント発生の有無は、ステップS141と同様に判断されてよい。イベント発生と判断された場合、ゲーム制御部22はイベント処理を実行し(ステップS150)、その後に今回のターン処理を終える。
【0119】
ステップS143にて目標ライブのターンと判断された場合、ゲーム制御部22は目標ライブの処理を実行する(ステップS151)。この処理は、対象キャラクタがライブに出演してパフォーマンスを披露する様子を示す画像をユーザ装置3に表示させるとともに、対象キャラクタのパラメータの値や体力、調子等の状態に基づいてライブの結果を定量的に演算する処理である。目標ライブの処理で再生される画像の再生速度は、オート設定のレベルに応じて設定されてよい。したがって、オートレベル3が設定されている場合は、ライブの画像を表示させることなく、目標ライブの結果のみがユーザに提示されてもよい。
【0120】
目標ライブの処理が終了すると、ゲーム制御部22は今回のターンが最終ターンか否かを判別する(ステップS152)。最終ターンでなければゲーム制御部22は今回のライブの結果が所定のクリア条件を満たしているか否かを判別する(ステップS153)。クリア条件を満たすか否かは、対象キャラクタが目標ライブで得た成果に基づいて判断されてよい。ゲーム制御部22は、クリア条件が満たされていれば、目標ライブがクリアされたと判断してステップS149の処理に進む。一方、クリア条件が満たされていない場合、ゲーム制御部22は育成終了をステータスデータDsに記録し(ステップS154)、その後にステップS149の処理に進む。ステップS152にて最終ターンと判断された場合、ゲーム制御部22はステップS153をスキップしてステップS154の処理に進む。
【0121】
図28は、ホーム画面130の機能選択部135にて「Auto」が選択された場合に実行されるオート設定処理の手順の一例を示している。オート設定処理は、ゲーム設定部21が図27の処理に対する割込み処理として実行する処理である。オート設定処理において、ゲーム設定部21はまず図12のオート設定画面140をユーザ装置3に表示させる(ステップS161)。次に、ゲーム設定部21は、ユーザがオート設定画面140の選択肢であるオフ及びレベル1~3のいずれを指定したかを判別することにより、オート設定のレベルを選択する(ステップS162)。この場合の選択はオートオフも含む。続いて、ゲーム設定部21は、レベル1~3のいずれかが選択されたか否かを順次判別する(ステップS163~S165)。レベル1~3のいずれも選択されていない場合、ゲーム設定部21はオート設定がオフであると判断し、ターン中のシナリオ再生(図5参照)の方法を、通常モードにおける再生方法に設定する(ステップS166)。
【0122】
ステップS163にてオートレベル1が選択されたと判断された場合、ゲーム設定部21は、ターン中のシナリオ再生の方法をレベル1に対応する再生方法に設定する(ステップS167)。ステップS164にてオートレベル2が選択されたと判断された場合、ゲーム設定部21は、ターン中の画像のシナリオ再生の方法をレベル2に対応する再生方法に設定する(ステップS168)。ステップS165にてオートレベル3が選択されたと判断された場合、ゲーム設定部21は、ターン中のシナリオ再生が省略されることを示す再生スキップを設定する(ステップS169)。再生スキップは、育成パートの全てをスキップする全スキップと相違し、ターン中のシナリオ再生の段階で表示されるべき画像の再生を省略し、選択機会で再生を停止するものである。
【0123】
ステップS166~S169のいずれかの処理にて再生方法が設定されると、ゲーム設定部21はユーザが設定完了ボタン142を操作して設定完了を指示したか否かを判別する(ステップS170)。設定完了が指示されていなければ、ゲーム設定部21はステップS162の処理に戻る。設定完了が指示されると、ゲーム設定部21は、ステップS166~S169のいずれかにおける設定の結果を保存し(ステップS171)、その後にオート設定画面140の表示を終了してオート設定処理を終える。
【0124】
図29は、ホーム画面130の機能選択部135にて「設定」が選択された場合に実行される育成ガイド設定処理の手順の一例を示している。育成ガイド設定処理は、ゲーム設定部21が図27の処理に対する割込み処理として実行する処理である。また、図27の育成ガイド設定処理は、図25の開始前設定処理におけるステップS106~S109の処理と同様に育成ガイドに関する設定を行うためのものであるが、育成パート中に実行される点で図25の処理とは異なる。
【0125】
図29の育成ガイド設定処理において、ゲーム設定部21はまず図10のプレイ設定画面120をユーザ装置3に表示させる(ステップS181)。続いて、ゲーム設定部21は、プレイ設定画面120のトグルボタン121がオフからオンに切り替え操作されたか否かを判別する(ステップS182)。オンに切り替え操作された場合、ゲーム設定部21は目標設定部122を操作可能な状態へと変化させ、ユーザにパラメータの目標ランクを設定させる(ステップS183)。ただし、この時点では既に育成が開始されているため、各パラメータの現在のランク以下のランクを設定することは不可能とされる。また、目標ランクの設定は必須ではなく、一部のパラメータに限って目標が設定され、あるいは全てのパラメータに目標が設定されない場合があってもよい。
【0126】
ステップS182が否定判断された場合、ゲーム設定部21はトグルボタン121がオンからオフに切り替え操作されたか否かを判別する(ステップS184)。切り替え操作されていない場合、ゲーム設定部21は目標設定部122を操作可能な状態に維持し、パラメータの目標ランクをユーザに設定させる。この処理では、既に目標ランクが設定されているパラメータの再設定、及び目標ランクが設定されていないパラメータに関する新たな目標ランクの設定が可能である。目標ランクを新たに設定する場合、及び目標ランクが再設定される場合のいずれでも、現在のランク以下のランクを設定することは不可能とされる。ステップS185の目標ランクの設定は必須ではなく、一部のパラメータに限って目標が新たに又は再び設定され、あるいは全てのパラメータに関して目標の設定状態が変更されない場合があってもよい。
【0127】
ステップS184にてオンからオフへの切り替え操作があったと判断された場合、ゲーム設定部21は育成ガイドの設定をオフに切り替える(ステップS186)。この場合は、育成ガイドそれ自体がオフとなり、目標値と関連付けられた経験点の自動振り分け処理に限らず、推奨行動の決定といった機能も停止される。ステップS183、S185又はS186の処理を終えると、ゲーム設定部21はユーザが設定完了ボタン128を操作して設定完了を指示したか否かを判別する(ステップS187)。設定完了が指示されていなければ、ゲーム設定部21はステップS182の処理に戻る。設定完了が指示されると、ゲーム設定部21は、ステップS183、S185又はS186の処理結果を保存し(ステップS188)、その後にプレイ設定画面120の表示を終了して育成ガイド設定処理を終える。
【0128】
図30は、図27のステップS142又はS150のサブルーチン処理としてゲーム制御部22が実行するイベント処理の手順の一例を示している。イベント処理において、ゲーム制御部22はまずイベントの内容を確認し(ステップS201)、画像が未表示の範囲に選択機会が含まれているか否かを判別する(ステップS202)。選択機会があれば、ゲーム制御部22は再生スキップ設定がなされているか否か、すなわちオートレベル3が設定されているか否かを判別する(ステップS203)。再生スキップが設定されていない場合、ゲーム制御部22はステップS202で判別した選択機会までイベントの画像を再生する(ステップS204)。この場合の再生方法は、図28のステップS166、S167又はS168にて設定された再生方法に従う。画像の再生は選択機会にて一時停止する。
【0129】
続くステップS205にて、ゲーム制御部22はイベントの選択機会における選択肢をユーザに提示し、ユーザの指示に従って選択を確定させる(ステップS205)。例えば、図15の選択画面170が表示され、ユーザの指示(選択操作)に従って選択が確定される。その後、ゲーム制御部22はステップS202に戻り、さらなる選択機会がイベント中に設定されているか否かを判別する。ステップS202にて選択機会がないと判断された場合、ゲーム制御部22は今回のイベントの結果を演算する(ステップS206)。その処理では、イベントの内容、選択結果としての対象キャラクタの行動、対象キャラクタのパラメータの値や状態等に基づいて、イベントで得られる経験点が演算され、あるいは対象キャラクタの状態である体力や調子の変化量が演算される。
【0130】
イベントの結果が演算されると、ゲーム制御部22は再生スキップ設定がなされているか否かを再び判別する(ステップS207)。再生スキップが設定されていない場合、ゲーム制御部22は、イベントの画像のうち未表示の範囲をターン終了に至るまで再生する(ステップS208)。この場合の再生方法もステップS204の再生時と同様に、図28のステップS166、S167又はS168にて設定された再生方法に従う。また、ステップS208の再生処理の時点では、既にイベントの結果が演算されている。したがって、ステップS208の処理時には、取得した経験点、対象キャラクタの体力や調子の変化がイベントの画像を通じてユーザに適宜の態様で提示される。例えば、イベントの進行を示す画像中に、イベントの結果を示した吹き出し等が適宜に盛り込まれる。ステップS208の再生処理が終わると、ゲーム制御部22は今回のイベント処理を終了し、図27のターン処理に戻る。
【0131】
図31は、図27のステップS148のサブルーチン処理としてゲーム制御部22が実行する通常行動処理の手順の一例を示している。通常行動処理において、ゲーム制御部22はまず図27のステップS147にて選択された行動を確認する(ステップS221)。続いて、ゲーム制御部22は、選択された行動に対応する結果を演算する(ステップS222)。その処理では、選択された行動の種類、対象キャラクタのパラメータの値や状態等に基づいて行動結果として得られる経験点が演算され、あるいは対象キャラクタの状態である体力や調子の変化量が演算される。
【0132】
通常行動の結果が演算されると、ゲーム制御部22は再生スキップが設定されているか否かを判別する(ステップS223)。再生スキップが設定されていなければ、ゲーム制御部22は通常行動の画像を再生する(ステップS224)。通常行動の画像は、例えば、対象キャラクタが選択された行動、例えばボーカルのレッスン等を実行している様子を表現した画像として構成される。通常行動の画像の再生方法は、イベント時の画像と同様に、図28のステップS166、S167又はS168にて設定された再生方法に従う。
【0133】
ステップS224で通常行動の画像が表示されると、ゲーム制御部22は今回の通常行動処理を終える。ステップS223で再生スキップが設定されていると判断された場合、ゲーム制御部22はステップS224をスキップして通常行動処理を終える。この場合、通常行動の画像は表示されない。なお、ステップS224の再生処理の時点では、既に通常行動の結果が演算されている。したがって、ステップS224の処理時には、取得した経験点、対象キャラクタの体力や調子の変化が通常行動の画像を通じてユーザに適宜の態様で提示される。この点はイベントの画像を再生表示する場合と同様である。
【0134】
図32は、育成ガイドがオンでかつ少なくとも一種類のパラメータに関して目標値が設定されている場合、つまりは図4の簡略化モードがオンの場合に実行される自動振分処理の手順の一例を示している。図32の自動振分処理は、育成ガイド設定における目標値の設定と関連付けて実行される処理であって、図26のステップS126の処理の一部として実行される全スキップ時のパラメータの自動振分とは異なる。図32の自動振分処理は、上述したように、ターンの終了時、あるいは育成パートの終了時といった適宜の区切りの時期に実行されてよい。図32の自動振分処理において、ゲーム制御部22は、まず対象キャラクタが取得している経験点を確認する(ステップS241)。次いで、ゲーム制御部22は、経験点を振り分ける対象のパラメータを選択する(ステップS242)。振り分け対象となるパラメータの選択は、図20にて説明した通りである。すなわち、目標値が設定されているパラメータのうち、最もランクが低いパラメータであって、かつ振り分けに必要な経験点が残存するパラメータが振り分け対象のパラメータとして選択される。
【0135】
次に、ゲーム制御部22は、経験点をステップS242で選択したパラメータに振り分けることにより、そのパラメータの値を増加させる(ステップS243)。パラメータの増分に対応して経験点は消費される。続いて、ゲーム制御部22は、自動振分に関して設定された終了条件が満たされるか否かを判別する(ステップS244)。終了条件は、一例として、目標値が設定された全てのパラメータが目標ランクに達した場合に満たされる。終了条件が満たされていない場合、ゲーム制御部22は、経験点に不足が生じているか否かを判別する(ステップS245)。この場合、目標値が設定されたパラメータのいずれを対象としても、振り分け可能な経験点が残存していなければ、経験点不足と判断される。
【0136】
ステップS245にて経験点不足が生じていないと判断された場合、ゲーム制御部22はステップS242の処理に戻る。以下、同様にしてステップS244又はS245が肯定判断されるまで、経験点を振り分ける処理が繰り返される。ステップS245にて経験点不足と判断された場合、ゲーム制御部22は今回の自動振分処理を終える。この後、経験点が増加したタイミングで図32の処理が実行されると、再びステップS242以下で経験点がパラメータに振り分けられる。一方、ステップS244にて終了条件が満たされたと判断された場合、ゲーム制御部22は、育成ガイドにおける自動振分の設定を解除し(ステップS246)、その後に図32の自動振分処理を終える。この場合、経験点が後に増加しても自動振分処理は実行されない。経験点をパラメータに振り分けて対象キャラクタをさらに育成するためには、ユーザが図11のホーム画面130の能力アップボタン132aを操作して図16の能力アップ画面180を呼び出し、手動操作にて経験点をパラメータに振り分けることが必要である。なお、ステップS246にて自動振分が解除されても、育成ガイドがオンに設定されていれば推奨行動の提示といった育成ガイドの他の機能は継続して適用されてよい。
【0137】
図33は、スキルの取得のためにゲーム制御部22が実行するスキル取得処理の手順の一例を示している。図33のスキル取得処理は、図22及び図23に示したスキル取得画面210を利用して、スキル取得の操作を部分的に簡略化するための処理であって、図26のステップS126の処理の一部として実行される全スキップ時のスキルの自動取得とは異なる。図33のスキル取得処理は、スキルが取得可能な状態であれば、ターンの終了時等の適宜の区切りの時期に実行されてよい。
【0138】
図33のスキル取得処理において、ゲーム制御部22は、まず図22のスキル取得画面210をユーザ装置3に表示させる(ステップS261)。次いで、ゲーム制御部22は、ユーザがおまかせボタン211を操作してスキルの自動取得を指示したか否かを判別する(ステップS262)。自動取得が指示された場合、ゲーム制御部22は取得可能なスキルから取得候補のスキルを選択し、図23のスキル取得画面210を通じて選択結果をユーザに提示する(ステップS263)。スキルは、抽選処理にて選択されてもよいし、価値が相対的に高いスキルが優先して選択されてもよい。
【0139】
続いて、ゲーム制御部22は、ユーザが決定ボタン214を操作したか否かを判別する(ステップS215)。決定ボタン214が操作された場合、ゲーム制御部22は直近のステップS263で選択されたスキルを、対象キャラクタが取得したスキルとして確定させ、その結果をユーザ装置3に表示させる(ステップS265)。ステップS264で決定ボタン264が操作されない場合、ゲーム制御部22は再抽選ボタン215が操作されたか否かを判別する(ステップS266)。再抽選ボタン215が操作された場合、ゲーム制御部22はステップS263の処理に戻ってスキルを再選択する。再抽選ボタン215が操作されない場合、ゲーム制御部22はステップS264の処理に戻ってユーザの指示を待つ。
【0140】
ステップS262にておまかせボタンが操作されない場合、ゲーム制御部22は図22の手動選択ボタン212が操作されたか否かを判別する(ステップS267)。操作されない場合、ゲーム制御部22はステップS262の処理に戻り、ユーザの指示を待つ。手動選択ボタン212が操作された場合、ゲーム制御部22は、ユーザに手動でスキルを取得させる処理を実行する(ステップS268)。この処理は、一例として、図16の能力アップ画面180を、その切替部182にてスキルが選択された態様でユーザ装置3に表示させることにより実行されてよい。ステップS265、又はステップS268の処理が終了すると、ゲーム制御部22は今回のスキル取得処理を終了する。
【0141】
以上の形態においては、ゲーム設定部21が図25のステップS101~S113、図28のステップS161~S171、図29のステップS181~S188の処理を実行することによりモード選択手段の一例として機能し、かつ、図25のステップS106~S109、S113、S181~S188の処理を実行することにより、目標設定手段の一例としても機能する。ゲーム制御部22は、図26のS121~S128の処理(ただし、図27図30及び図31のサブルーチン処理であるS141~S150、S201~S208、S221~S224を含む。)及び図32のステップS241~S246の処理を実行することにより、育成制御手段の一例として機能する。また、ゲーム制御部22は、図30のステップS206、及び図31のステップS222の処理を実行することにより媒介値演算手段の一例として機能し、図16の能力アップ画面180に対する操作に応じて経験点をパラメータに振り分け、あるいは図32のステップS242及びS243の処理を実行することにより振分手段の一例として機能する。さらに、ゲーム制御部22は、図27のステップS147の処理を実行することにより行動選択手段として機能し、図37のステップS145の処理を実行し、その結果を図11のホーム画面130及び図13の行動選択画面150を介してユーザに提示することにより推奨手段の一例として機能する。能力アップ画面180に対する操作は、経験点をパラメータに振り分けて対象キャラクタを成長させるために行われる操作であって、簡略化モードがオンの場合には操作が不要となる点で特定操作の一例に相当する。
【0142】
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。以下、各種の変形例について説明する。
【0143】
[変形例]
(1)自動モードにおける自動処理の範囲
以上の形態では、自動モードのレベル1~3のいずれが選択された場合、各ターンの選択手順、すなわち、何らかの選択肢が発生する機会では、ユーザの指示に基づいて選択を実行している。しかしながら、選択の少なくとも一部に関し、ユーザの指示を受けることなくコンピュータが自動的に選択を実行してもよい。例えば、選択時点における対象キャラクタのパラメータの値、状態、あるいは対象キャラクタが取得している経験点等の育成状態に基づいて選択が自動的に行われてもよい。その選択では、例えばより多くの経験点が得られる選択肢を優先して選択するといったように、選択肢の価値が考慮されてもよいし、抽選処理が適用されてもよい。あるいは、画面上で最上位に表示される選択肢を固定的に選択し、あるいは選択肢を並び順に従って順次選択するといった処理が適用されてもよい。なお、オートレベル3にて全ての選択機会に対して自動処理を適用した場合には、オートレベル3が適用されている期間内においてユーザの操作が不要となる。したがって、その期間に限っては、全スキップ設定と実質的に同様に育成が処理される。なお、選択手順における選択肢が一つしか存在しない場合にはユーザの指示を待つ必要がない。したがって、そのような選択手順は自動処理の対象とし、その選択の様子を示す画像は、オートレベル1~3にて操作を不要とし、あるいは所要時間を短縮する対象とされてもよい。ターン中に生じる選択肢に関して、過去にプレイした別の育成パートにて選択した選択肢、あるいは同一の育成パートで先行して選択済の選択肢が判別可能な場合には、未選択の選択肢を自動的に選択し、あるいは選択済の選択肢を再度自動的に選択してもよい。全選択肢が未選択あるいは選択済の場合でも、最も成長が遅れているパラメータ、あるいは簡略化モードで設定した目標値に対する差が最も大きいパラメータの強化に有利な選択肢を優先的に自動選択してもよい。これによれば、自動モードが適用された場合の育成の進行を、全スキップの設定時に近づけることが可能である。あるいは、選択済の選択肢がある場合には選択肢の自動選択を適用し、全選択肢が未選択の場合には図5のコマンド入力の手順に従って手動選択を介在させるなど、自動モードにおける自動処理の範囲は適宜にかつ柔軟に設定することが可能である。
【0144】
(2)自動モードにおける画像表示
図5の例では、オートレベル2又は3が設定されている場合、ターン中における全てのシナリオ再生の所要時間を短縮したが、所要時間の短縮の対象となる画像は、育成の進行と関連付けられる画像であってかつ選択肢を伴わない画像の少なくとも一部に限定されてもよい。例えば、同一ターン中に同一画像が複数回繰り返して表示される場合、既に表示された画像を短縮の対象とし、未表示の画像は通常モードと同様の所要時間で表示されてもよい。
【0145】
(3)全スキップ設定における優先パラメータの設定
全スキップ設定における優先パラメータは、ユーザの指示に従って設定されることを必ずしも要しない。例えば、対象キャラクタに関して選択されたアイテム、イベントデッキの編成、イベントキャラクタの特徴等の各種の要素を考慮して、優先パラメータが自動的に選択されてもよい。あるいは、優先パラメータの設定が省略されてもよい。その場合、対象キャラクタが取得した種類ごとの経験点に照らして、各種のパラメータを最も効率的に成長させることが経験点の配分を演算し、演算結果に従って経験点が振り分けられてもよい。
【0146】
(4)簡略化モードにおける自動処理の範囲
簡略化モードの自動処理、つまり育成ガイドがオンの場合における自動処理は、経験点の自動振分に必ずしも限定されない。ターン中に発生する選択機会の少なくとも一部に関して、選択が自動的に行われてもよい。つまり、簡略化モードにおいて省略の対象となる操作は、経験点の振り分け操作に限定されず、これに代えて、又は加えて、行動選択のための操作等の他の操作であってもよい。この場合、自動処理の対象となる選択の操作は、上述した自動モードにおける自動処理の場合と同様に、適宜にかつ柔軟に設定することが可能である。
【0147】
(5)育成ガイドにおける目標値の設定
上述したように、目標値はパラメータの値の範囲を示すランク等を指定する手法によって設定されてもよいし、具体的な値を指定する手法によって設定されてもよい。さらに、対象キャラクタ、アイテムあるいはイベントデッキの選択内容に応じて少なくとも一部の目標値が自動的に設定されてもよい。ユーザがプリセットした値が目標値として設定されてもよい。ユーザが過去のゲームで設定した目標値、あるいは過去のゲームの結果として得られたパラメータの値等を参照して目標値が自動的に設定されてもよい。育成の進行が進むに従って目標値がより高く再設定されるといったように、目標値がコンピュータの判断で動的に変更されてもよい。目標値の設定は、経験点の自動振分処理と必ずしも関連付けられることを要しない。例えば、経験点の自動振分処理が適用されない場合でも目標値を設定可能とし、パラメータの現在値と目標値とを対比可能な状態でユーザに提示することにより、経験点をどの程度振り分けるべきかを判別する目安をユーザに提供してもよい。
【0148】
(6)目標値の確認
育成ガイドにて設定された目標値は、育成中に図10のプレイ設定画面120を呼び出すことによって確認することが可能である。パラメータの現在の値、あるいはランクと目標値との対比の便宜を図るため、例えば図11のホーム画面130のパラメータ表示部132に目標設定されたランク等が表示されてもよい。目標値に達したパラメータに関しては、未達成のパラメータと区別可能となるように表示態様が変更されてもよい。
【0149】
(7)スキルの取得について
スキルを自動取得するための処理は、図19で例示した処理、又は図22及び図23で例示した処理に限定されず、適宜に変更されてよい。例えば、優先して取得すべきスキルを、スキルの効果と育成の進行状態とに照らして適宜に選択してもよい。一例として、優先して成長させるべきパラメータに対応する経験点をより多く取得することが可能なスキルを選択してもよい。一方、スキルの自動選択は必ずしも必須ではなく省略されてもよい。スキルの概念それ自体も育成パートにて導入することは必須ではない。
【0150】
(8)短縮モードの適用期間について
上記の形態において、高速モードとしてのオートレベル2、3は、それらのレベルが設定された時点を始期とし、育成パートが終了するか又はオート設定にてオートオフ又はオートレベル1が設定される時期を終期とする期間を育成期間として適用される。また、省略モードとしての全スキップは、育成パートの開始から終了までを育成期間として適用される。ただし、育成期間に関しては、育成パートの一部の期間に限って設定されてもよい。例えば、育成パート中の適宜の期間をユーザの指示に基づいて、あるいはコンピュータの判断に基づいて育成期間として設定し、その育成期間に限って、短縮モードとしてのオートレベル2、3、又は全スキップのモードが適用されてもよい。この場合は、育成の所要時間の短縮と、育成における手動操作とを柔軟に使い分けることが可能である。
【0151】
(9)経験点について
上記の形態では、対象キャラクタの行動とパラメータとを関連付ける媒介値として経験点が設定され、かつ複数種類の経験点が設定されている。しかしながら、媒介値として、単一種類の経験点が設定されてもよい。その場合、対象キャラクタに対応付けられた複数種類のパラメータ間で経験点が媒介値として共通して利用される。育成対象となるパラメータが一種類である場合には、媒介値とパラメータとが1対1の対応関係であってもよい。あるいは、媒介値は省略されてもよい。例えば、対象キャラクタの行動結果に応じてパラメータの変化量が演算され、演算結果に従ってパラメータの値が適宜に変更されてもよい。媒介値を利用しないタイプのゲームでは、育成対象の各種のパラメータの全部あるいは一部が目標値に到達することにより、育成に関連する自動処理を停止させるようにしてもよい。これは上記の形態における自動モード又は省略モードに対して簡略化モードを併用した場合と同様である。例えば、パラメータに目標値を設定して全スキップによる育成を開始させ、目標値を設定したパラメータの少なくとも一つが目標値に到達した場合に全スキップを終了させてもよい。
【0152】
(10)モードの組み合わせについて
上述したように、図4で示したモードは相互に排他的ではなく、例えばオートレベル1~3のいずれかと簡略化モードとは組み合わせて適用が可能である。その他にも、省略モードと簡略化モードとを組み合わせて適用することも可能である。例えば、全スキップ設定に従って育成を開始する前の段階で、少なくとも一種類のパラメータに関して目標値を設定し、その後に全スキップ設定による処理を開始し、目標値が設定されたパラメータが目標値に達した時点で全スキップの処理を終了させる、といった形態で省略モードと簡略化モードとが並列的に適用されてよい。この場合、育成期間は、全スキップによる処理の開始時点を始期とし、目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされた時点を終期とする期間である。このような組み合わせによれば、パラメータが目標値に達するまでは各ターンの選択手順も非選択手順も省略されるため、パラメータを目標値まで直ちに成長させることが可能である。目標値に達した後は、通常モード、又はオートレベル1~3に従って育成を進行させてもよいし、全スキップを再度設定して新たな目標値までパラメータを直ちに成長させてもよい。なお、通常モードは、自動モード、省略モード及び簡略化モードのように所要時間の短縮や操作の簡略化が適用されないモードであって、他のモードと組み合わせることは不可能である。ただし、育成において選択が可能なモードは、図4に例示した各モードに限定されず、さらなる追加的なモードが選択可能とされてもよい。追加的なモードの内容によっては通常モードとの組み合わせが可能とされてもよい。
【0153】
(11)モードの選択
上記の形態では、通常モード、自動モードの各レベル、省略モード、簡略化モードをユーザの指示に基づいて選択しているが、その選択の少なくとも一部については、コンピュータによって自動的に選択されてもよい。例えば、ユーザのプレイ履歴、ユーザの趣向といったユーザの情報に基づいて、一部のモードが自動的に選択されてもよい。あるいは、育成の進行状態に応じてモードの自動選択が行われてもよい。例えば、育成がスムーズに進行していない場合に簡略化モードが自動的に選択されてもよいし、オートレベル1~3が自動的に選択されてもよい。ユーザに対して特に手動で操作させたい場面ではオートレベルがオフに切り替えられて通常モードが自動的に選択されてもよい。
【0154】
(12)その他
上記の形態では、育成対象のオブジェクトがキャラクタであって、そのキャラクタをアイドルとして育成する例を示したが、オブジェクト及びその成長は各種の概念に従って設定されてよい。オブジェクトに対応付けられるパラメータの種類及びその数も適宜に変更可能である。上記の形態では、ユーザ装置3のコンピュータが各種の処理を実行するものとしたが、それらの処理の少なくとも一部がゲームサーバ4と連携して実行されてもよい。一方、ゲームシステム1は、ネットワークシステムとして構成されることを必ずしも必須とせず、ユーザ装置のみを用いるスタンドアローン型のシステムとして構成されてもよい。
【0155】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0156】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段(21、S106~S109、S113、S181~S188)、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224、S241~S246)、として機能させるように構成されたものである。
【0157】
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するように機能するコンピュータ(10)を含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段(21、S106~S109、S113、S181~S188)、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224、S241~S246)、として機能させるように構成されたものである。
【0158】
本発明の一態様に係る制御方法は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び簡略化モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、前記対象パラメータに関する目標値を設定する目標設定手段(21、S106~S109、S113、S181~S188)、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザの操作に基づいて前記育成を進行させ、前記簡略化モードが選択された場合には、前記通常モードにおける前記ユーザの操作の少なくとも一部の特定操作を不要として前記育成を進行させ、かつ前記目標値と関連付けて設定された終了条件が満たされると前記簡略化モードを終了させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224、S241~S246)、として機能させるものである。
【0159】
上記の各態様によれば、簡略化モードが選択された場合には通常モードにおけるユーザの特定操作が不要とされた状態で対象パラメータの値が目標値に向かって変化する。目標値と関連付けられた終了条件が満たされると簡略化モードが終了する。通常モードによる育成の過程で行われ得る特定操作が簡略化モードでは不要とされることにより、目標値と関連付けられた終了条件が満たされるまではその特定操作の負担を軽減することができる。つまり、目標値を設定すれば特定操作が不要となるように負担軽減を図ったモードを新たに追加することができる。それにより、育成の過程で生じ得るユーザの操作の負担に関して選択肢を設けることが可能となる。
【0160】
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0161】
上記態様においては、以下の事項をさらに付加することが可能である。なお、以下の各種の事項は、相互に矛盾が生じない限りにおいて適宜に組み合わせて適用されてよい。
【0162】
前記特定操作は、前記オブジェクトの行動を前記対象パラメータの値の変化に対応付けるための操作を含んでもよい。これによれば、対象パラメータの値を変化させるために行われ得る操作の手間を軽減することができる。
【0163】
前記特定操作は、前記オブジェクトの行動に関連付けられた選択肢を選択する操作を含んでもよい。これによれば、オブジェクトの行動と関連付けられた選択のために行われ得る操作の手間を軽減することができる。
【0164】
前記目標設定手段は、前記育成の開始後における前記目標値の再設定が可能となるように設けられてもよい。これによれば、育成の開始後における事情の変化に応じて目標値を再設定することにより、育成の進行に応じて目標値を適宜に見直すことが可能である。
【0165】
前記対象パラメータの値が前記目標値に達した場合に前記終了条件の少なくとも一部が満たされるように、前記終了条件が設定されてもよい。これによれば、対象パラメータの値が目標値に達したか否かを、簡略化モードの終了の可否と関係付けて簡略化モードを適用することができる。
【0166】
前記オブジェクトに対応付けられた複数種類のパラメータのそれぞれが前記対象パラメータとして設定され、前記目標設定手段は、少なくとも二種類の対象パラメータに関して前記目標値を設定可能であり、少なくとも一種類の対象パラメータの値が前記目標値に達した場合に前記終了条件の少なくとも一部が満たされるように、前記終了条件が設定されてもよい。これによれば、少なくとも一種類の対象パラメータの値が目標値に達したか否かを、簡略化モードの終了の可否と関係付けて簡略化モードを適用することができる。
【0167】
前記オブジェクトに対応付けられた複数種類のパラメータのそれぞれが前記対象パラメータとして設定され、前記育成制御手段は、前記オブジェクトの行動に応じた媒介値を発生させる媒介値発生手段(22、S206、S222)、及び前記媒介値を前記複数種類の対象パラメータの少なくとも一部に振り分けることにより前記対象パラメータを変化させる振分手段(22、S242、S243)としてさらに機能し、前記特定操作は、前記媒介値の前記対象パラメータへの振り分けを指示する振分操作を含み、前記振分手段は、前記通常モードが選択された場合には前記振分操作に従って前記媒介値を振り分け、前記簡略化モードが選択された場合には、前記振分操作を不要として前記媒介値を振り分けてもよい。これによれば、簡略化モードの選択時には、媒介値を対象パラメータに振り分けるための操作が不要とされ、その操作の手間を軽減することが可能である。
【0168】
前記振分手段は、前記簡略化モードが選択された場合、前記目標値が設定された対象パラメータが、前記目標値が設定されない対象パラメータよりも優先されるようにして前記媒介値を前記対象パラメータに振り分けてもよい。これによれば、目標値が設定された対象パラメータに対して媒介値を優先的に振り分けて目標値への早期到達を図ることができる。
【0169】
前記振分手段は、前記簡略化モードが選択された場合、前記目標値が設定された対象パラメータのうち、成長方向への変化が相対的に遅れている対象パラメータが、前記成長方向への変化が相対的に進んでいる対象パラメータよりも優先されるように前記媒介値を振り分けてもよい。これによれば、目標値に向けた変化が相対的に遅れている対象パラメータに対して媒介値を優先的に振り分けて、その変化を加速させることができる。
【0170】
前記育成制御手段は、前記オブジェクトの行動に関連付けられた選択肢であって、かつ前記媒介値発生手段が発生させる媒介値が差別化された選択肢を前記ユーザの操作に従って選択する行動選択手段(22、S147)、及び前記媒介値が相対的に大きくなる行動の選択肢を、推奨される選択肢として前記ユーザに提示する推奨手段(22、S145)、としてさらに機能してもよい。これによれば、媒介値をより大きく発生させることが可能な選択肢をユーザに提示することにより、育成を効率よく進行させるための目安をユーザに提供することができる。
【0171】
次に、上述した実施の形態及び変形例に関連した発明の参考例を説明する。
【0172】
従来のゲームでは、ユーザとのやり取りに関して進行手順が設定され、その進行手順に従って育成が進行する。例えば、オブジェクトの行動に関する選択の機会の提供、オブジェクトが行動する様子を表現した画像の提示といった事項に関して進行手順が設定されている。進行手順に従って育成を進める場合、育成完了までに相応の時間を要する。したがって、気軽にゲームをプレイしたいユーザにとっては、育成の所要時間が少なからずの負担と感じることがある。育成の所要時間の短縮を図る手法として、育成中に表示される画像の再生速度を高める手法が採用されることもある。しかしながら、その程度の短縮効果では満足できないユーザも想定される。一方、時間をかけてオブジェクトを育成することはゲームの興趣を高める要素となり得る。そのため、ユーザによっては、ある程度の時間がかかってもオブジェクトを育成する楽しさを十分に味わいたいと望む場合もある。
【0173】
そこで、第1の参考例は、育成の所要時間に関する選択肢を豊富化して、所要時間を柔軟に選択することが可能なゲーム用のコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。また、第2の参考例は、育成の所要時間に関する新たな選択肢を設けることが可能なゲーム用のコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
【0174】
[第1の参考例]
第1の参考例の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を、所定の育成期間中における前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び短縮モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザとのやり取りに関して設定される進行手順に従って前記育成を進行させ、前記短縮モードが選択された場合には前記通常モードに比して前記進行手順の所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224)、として機能させ、前記モード選択手段は、前記短縮モードにおける選択肢として、高速モード又は省略モードのいずれかを選択することが可能であり、前記育成制御手段は、前記高速モードが選択された場合には、前記進行手順の一部に関して前記所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させ、前記省略モードが選択された場合には前記進行手順が省略されるようにして前記育成期間の育成を完了させる、ように構成されたものである。
【0175】
第1の参考例の一態様に係るゲームシステム(1)は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を、所定の育成期間中における前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するように機能するコンピュータ(10)を含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び短縮モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザとのやり取りに関して設定される進行手順に従って前記育成を進行させ、前記短縮モードが選択された場合には前記通常モードに比して前記進行手順の所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224)、として機能させ、前記モード選択手段は、前記短縮モードにおける選択肢として、高速モード又は省略モードのいずれかを選択することが可能であり、前記育成制御手段は、前記高速モードが選択された場合には、前記進行手順の一部に関して前記所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させ、前記省略モードが選択された場合には前記進行手順が省略されるようにして前記育成期間の育成を完了させる、ように構成されたものである。
【0176】
第1の参考例の一態様に係るゲームの制御方法は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を、所定の育成期間中における前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び短縮モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択するモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、及び、前記通常モードが選択された場合には、前記ゲームのユーザとのやり取りに関して設定される進行手順に従って前記育成を進行させ、前記短縮モードが選択された場合には前記通常モードに比して前記進行手順の所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224)、として機能させ、前記モード選択手段は、前記短縮モードにおける選択肢として、高速モード又は省略モードのいずれかを選択することが可能であり、前記育成制御手段は、前記高速モードが選択された場合には、前記進行手順の一部に関して前記所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させ、前記省略モードが選択された場合には前記進行手順が省略されるようにして前記育成期間の育成を完了させる、ものである。
【0177】
第1の参考例に係る上記の各態様によれば、短縮モードが選択された場合には、所要時間を短縮して育成を早期に完了させたいユーザのニーズに応えることができ、通常モードが選択された場合には、時間をかけてでも育成する楽しさを十分に味わいたいユーザのニーズに応えることができる。短縮モードにおいては、さらに高速モード又は省略モードのいずれかが選択可能である。高速モードの選択時には、進行手順の一部に関して所要時間が短縮されることにより、育成の楽しさをユーザに適度に体験させつつ育成の早期完了を図ることができる。一方、省略モードの選択時には進行手順が省略されるため、所要時間の短縮を優先するユーザのニーズに応えることができる。以上により、育成の所要時間に関する選択肢を豊富化して、所要時間を柔軟に選択することができる。
【0178】
なお、第1の参考例に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0179】
第1の参考例に係る上記態様においては、以下の事項をさらに付加することが可能である。なお、以下の各種の事項は、相互に矛盾が生じない限りにおいて適宜に組み合わせて適用されてよい。
【0180】
前記モード選択手段は、前記ユーザの指示に基づいて前記通常モード又は前記短縮モードを選択してもよい。あるいは、前記モード選択手段は、前記ユーザの指示に基づいて前記高速モード又は前記省略モードを選択してもよい。これによれば、ユーザの意図に応じてモードを切り替えることが可能である。
【0181】
前記進行手順には、前記オブジェクトの行動と関連付けられた選択肢を前記ユーザの指示に基づいて選択する選択手順(一例として図5のコマンド入力)と、前記育成と関連付けられた画像であって前記ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像(160)を表示する非選択手順(一例として図5のシナリオ再生)とが含まれ、前記育成制御手段は、前記高速モードが選択された場合、前記非選択手順に関して前記所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させてもよい。非選択手順は、ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像を表示するものであるため、表示の高速化等を通じて所要時間を短縮することができる。
【0182】
前記進行手順には、前記オブジェクトの行動と関連付けられた選択肢を前記ユーザの指示に基づいて選択する選択手順(一例として図5のコマンド入力)と、前記育成と関連付けられた画像であって前記ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像(160)を表示する非選択手順(一例として図5のシナリオ再生)とが含まれ、前記育成制御手段は、前記高速モードが選択された場合には、前記非選択手順に関して前記所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させ、前記省略モードが選択された場合には、前記選択手順及び前記非選択手順のいずれの手順も省略しつつ、前記育成の完了時における前記対象パラメータの値を育成結果として演算してもよい。これによれば、高速モードでは非選択手順における所要時間の短縮を図りつつ、選択手順ではユーザの指示の機会を適宜に発生させることにより、育成の所要時間の短縮とユーザが育成に関与する楽しさとを適度に調和させることができる。一方、省略モードでは、選択手順及び非選択手順のいずれも省略することにより、育成の所要時間をより大きく短縮することができる。
【0183】
前記モード選択手段は、前記高速モードにおける選択肢として、前記所要時間の短縮の程度が異なる複数のレベル(一例としてオートレベル2、3)のいずれかを選択可能であり、前記育成制御手段は、前記選択されたレベルに応じて前記非選択手順に関する前記所要時間を変化させてもよい。これによれば、高速モードのレベルに応じて所要時間の短縮効果を変化させることが可能である。したがって、ユーザのニーズにより柔軟に対応することができる。
【0184】
前記複数のレベルには、前記非選択手順の所要時間を最小とする特定レベル(一例としてオートレベル3)が含まれ、前記育成制御手段は、前記特定レベルが選択された場合には、前記非選択手順にて少なくとも一部の画像の表示を省略することにより前記所要時間を短縮し、前記特定レベルとは異なるレベルが選択された場合には、前記非選択手順における前記画像の表示に関する所要時間を、前記通常モードにて同一画像を表示するための所要時間よりも減少させるようにして前記画像を表示させてもよい。これによれば、特定レベルの選択時には非選択手順における少なくとも一部の画像の表示が省略される。そのため、特定レベル以外のレベルにおける所要時間の短縮効果では満足できない一方で、選択手順における選択に関与することを欲するユーザのニーズに応えることができる。
【0185】
前記モード選択手段は、前記育成期間中にて前記レベルを変更可能であってもよい。これによれば、育成期間中の進行状態といった事情の変化に応じて適切なレベルを選択することが可能である。
【0186】
前記オブジェクトに対応付けられた複数種類のパラメータのそれぞれが前記対象パラメータとして設定され、前記育成制御手段は、前記省略モードが選択された場合、前記育成期間における前記対象パラメータの値の変化量が差別化されるようにして前記育成結果を演算してもよい。これによれば、対象パラメータの値の変化量に差を発生させることにより、画一的な変化を与える場合と比較して省略モードの選択時における育成結果に多様性、あるいは柔軟性を与えることができる。
【0187】
前記モード選択手段は、前記省略モードが選択される場合において、前記対象パラメータから優先パラメータを選択する優先選択手段(21、S103)としてさらに機能し、前記育成制御手段は、前記省略モードが選択された場合、前記優先パラメータの値が他の対象パラメータよりも成長方向に相対的に大きく変化するように前記育成結果を演算してもよい。これによれば、優先パラメータを適宜に選択することにより、一部の対象パラメータをそれ以外の対象パラメータよりも成長方向に優先的に大きく変化させることができる。それにより、優先パラメータの選択に応じて育成結果に差を生じさせることが可能である。
【0188】
前記育成制御手段は、前記育成にて所定の効果を発生させるスキルを前記オブジェクトに取得させる機会を発生させ、前記通常モードが選択された場合には、ユーザの指示に従って前記スキルを取得させ、前記省略モードが選択された場合には、前記ユーザの指示を受けることなく前記スキルを取得させてもよい。これによれば、省略モードの選択時においては、対象パラメータの変化に加えて、スキルの取得についても自動的に処理することが可能である。
【0189】
[第2の参考例]
第2の参考例の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を、所定の育成期間中における前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢の一つとして特定モードを選択可能なモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、及び、前記ゲームのユーザとのやり取りに関して設定される進行手順であって、前記オブジェクトの行動と関連付けられた選択肢を前記ユーザの指示に基づいて選択する選択手順(一例として図5のコマンド入力)と、前記育成と関連付けられた画像であって前記ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像(160)を表示する非選択手順(一例として図5のシナリオ再生)とを含んだ進行手順に従って前記育成を進行させ、前記特定モードが選択された場合には、前記非選択手順における少なくとも一部の画像の表示を省略して前記育成を進行させる育成制御手段(22、S121~S128、S141~S150、S201~S208、S221~S224)、として機能させるように構成されたものである。
【0190】
第2の参考例の一態様に係るゲームシステム(1)は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を、所定の育成期間中における前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するように機能するコンピュータ(10)を含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢の一つとして特定モードを選択可能なモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、及び、前記ゲームのユーザとのやり取りに関して設定される進行手順であって、前記オブジェクトの行動と関連付けられた選択肢を前記ユーザの指示に基づいて選択する選択手順(一例として図5のコマンド入力)と、前記育成と関連付けられた画像であって前記ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像(160)を表示する非選択手順(一例として図5のシナリオ再生)とを含んだ進行手順に従って前記育成を進行させ、前記特定モードが選択された場合には、前記非選択手順における少なくとも一部の画像の表示を省略して前記育成を進行させる育成制御手段(22、S121~S128)、として機能させるように構成されたものである。
【0191】
第2の参考例の一態様に係る制御方法は、育成対象のオブジェクト(Ct)に対応付けられた少なくとも一種類のパラメータを対象パラメータとしたときに、前記対象パラメータの値を、所定の育成期間中における前記オブジェクトの行動に応じて変化させることにより、前記育成対象のオブジェクトの育成が進行するゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、前記育成の進行に関する選択肢の一つとして特定モードを選択可能なモード選択手段(21、S101~S113、S161~S171、S181~S188)、及び、前記ゲームのユーザとのやり取りに関して設定される進行手順であって、前記オブジェクトの行動と関連付けられた選択肢を前記ユーザの指示に基づいて選択する選択手順と、前記育成と関連付けられた画像であって前記ユーザの指示に基づく選択を必要としない画像(160)を表示する非選択手順とを含んだ進行手順に従って前記育成を進行させ、前記特定モードが選択された場合には、前記非選択手順における少なくとも一部の画像の表示を省略して前記育成を進行させる育成制御手段(22、S121~S128)、として機能させるものである。
【0192】
第2の参考例に係る上記の各態様によれば、特定モードが選択された場合には、育成の進行手順のうち、非選択手順における少なくとも一部の画像の表示が省略される。それにより、育成を早期に完了させることが可能である。非選択手順における表示を高速化して所要時間の短縮を図る場合と比較しても所要時間を短縮することができるので、所要時間をさらに短縮したモードが新たな選択肢として設けられる。それにより、所要時間に関する選択の柔軟性を高めることができる。
【0193】
上記の形態との関係において、オートレベル3、及び省略モードとしての全スキップは、非選択手順における少なくとも一部の画像の表示が省略される点において、モード選択手段が選択可能な特定モードの一例に相当する。ただし、特定モードを、選択手順の少なくとも一部が省略されることなく実行されるモードであると位置付けた場合には、オートレベル3が特定モードの一例に相当する
【0194】
なお、第2の参考例の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0195】
第2の参考例に係る上記態様においては、以下の事項をさらに付加することが可能である。なお、以下の各種の事項は、相互に矛盾が生じない限りにおいて適宜に組み合わせて適用されてよい。
【0196】
前記育成制御手段は、前記特定モードが選択された場合、前記選択手順の少なくとも一部を省略せずに実行して前記育成を進行させてもよい。選択手順の少なくとも一部が省略されることなく実行される場合には、選択の指示を通じてユーザが育成に関与する機会を確保することができる。それにより、育成の所要時間の短縮とユーザが育成に関与する楽しさとを適度に調和させることが可能である。
【0197】
前記モード選択手段は、前記ユーザの指示に基づいて前記特定モードを選択してもよい。これによれば、ユーザの趣向に従って特定モードを選択することができる。
【0198】
前記モード選択手段は、前記育成期間中にて前記特定モードを選択可能であってもよい。これによれば、育成期間中でも特定モードを選択して所要時間の短縮を図ることが可能である。
【0199】
前記モード選択手段は、前記育成の進行に関する選択肢として用意され、かつ通常モード及び短縮モードを含む複数のモードからいずれかのモードを選択可能であり、前記育成制御手段は、前記通常モードが選択された場合には、前記進行手順に従って前記育成を進行させ、前記短縮モードが選択された場合には前記通常モードに比して前記進行手順の所要時間が短縮されるようにして前記育成を進行させ、前記モード選択手段は、前記短縮モードにおける選択肢の一つとして前記特定モードを選択可能であってもよい。これによれば、短縮モードを通常モードに比して所要時間が短縮されるモードとして位置付けつつ、さらにその選択肢の一つとして特定モードを位置付けることにより、所要時間の短縮に関する選択肢を豊富化して、所要時間の短縮に関する多様性、柔軟性を高めることができる。
【0200】
前記モード選択手段は、前記短縮モードにおける選択肢として、前記所要時間の短縮の程度が異なる複数のレベル(一例としてオートレベル2、3)のいずれかを選択可能であり、かつ前記複数のレベルに含まれる特定レベル(一例としてオートレベル3)を前記特定モードとして選択可能であってもよい。これによれば、レベルの選択を通じて短縮の程度を差別化し、特定モードをレベルの選択肢の一つとして位置付けることができる。
【0201】
前記育成制御手段は、前記特定レベルとは異なるレベルが選択された場合には、前記非選択手順における前記画像の表示に関する所要時間を、前記通常モードにて同一画像を表示するための所要時間よりも減少させるようにして前記画像を表示させてもよい。これによれば、特定レベルとは異なるレベルを選択した場合には、育成の進行に関連した画像をユーザに把握させつつ育成の所要時間の短縮を図ることができる。
【符号の説明】
【0202】
1 ゲームシステム
3 ユーザ装置
4 ゲームサーバ
10 制御ユニット(コンピュータ)
21 ゲーム設定部
22 ゲーム制御部
100 キャラクタ選択画面
110 最終確認画面
120 プレイ設定画面
130 ホーム画面
140 オート設定画面
150 行動選択画面
160 演出画面
170 選択画面
180 能力アップ画面
190 スキップ結果画面
200 育成結果画面
210 スキル取得画面
Ct 対象キャラクタ
Pg ゲームプログラム
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