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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003911
(43)【公開日】2025-01-10
(54)【発明の名称】バーナー装置及び工業炉
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/22 20060101AFI20241227BHJP
   F23L 15/02 20060101ALI20241227BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20241227BHJP
   F23N 1/02 20060101ALI20241227BHJP
   F23C 5/08 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
F23D14/22 Z
F23L15/02
F23N5/00 D
F23N1/02 Z
F23C5/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024006482
(22)【出願日】2024-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】片山 智樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 聖也
(72)【発明者】
【氏名】池内 雅貴
(72)【発明者】
【氏名】中川 直恭
【テーマコード(参考)】
3K003
3K019
3K023
3K091
【Fターム(参考)】
3K003EA08
3K003FC01
3K003HA04
3K019BB02
3K023QA03
3K023QA06
3K023QA18
3K023QB02
3K023QC05
3K023SA00
3K091AA05
3K091AA07
3K091BB07
3K091BB26
3K091CC06
3K091CC22
3K091DD01
3K091EC08
(57)【要約】
【課題】 空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置において、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を簡単に調整できるようにする。
【解決手段】 空気噴出口21から噴出された空気Airと、燃料噴出ノズル30から噴出された燃料Gとを混合させて燃焼させるバーナー装置Xにおいて、燃料噴出ノズル内に、燃料を空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズル31と、燃料を空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズル32とを設けた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置において、前記の燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の短炎用燃料噴出ノズルの先端部における短炎用ノズル部から燃料を前記の空気噴出口から噴出された空気に向けて噴出させる角度と、前記の長炎用燃料噴出ノズルの先端部における長炎用ノズル部から燃料を前記の空気噴出口から噴出された空気に向けて噴出させる角度との少なくとも一方を調整することを特徴とするバーナー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のバーナー装置において、燃料を噴出させる前記の燃料噴出ノズルを、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとで切り換える切換手段を設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項4】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の短炎用燃料噴出ノズルに導く燃料の量を調整する短炎用調整弁と、前記の長炎用燃料噴出ノズルに導く燃料の量を調整する長炎用調整弁とを設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項5】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルが設けられた燃料噴出ノズルを、空気を噴出させる前記の空気噴出口の両側に対称に設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項6】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の空気噴出口に空気を案内する空気案内管に、蓄熱材が収容された蓄熱部を設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項7】
空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置を炉壁に設けた工業炉において、前記のバーナー装置として、前記の請求項1~請求項6の何れか1項に記載のバーナー装置を設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項8】
請求項7に記載の工業炉において、前記のバーナー装置を両側の炉壁に複数設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項9】
空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置を炉壁に設けた工業炉において、前記のバーナー装置として、請求項6に記載のバーナー装置を用い、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して空気案内管に設けた蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる一方、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、空気案内管により空気噴出口に導いて炉内に噴出させることを特徴とする工業炉。
【請求項10】
請求項9に記載の工業炉において、前記のバーナー装置を両側の炉壁に複数設け、各バーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃焼させる燃焼動作とを交互に行うことを特徴とする工業炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置及びこのようなバーナー装置を用いた工業炉に関するものである。特に、前記のバーナー装置において、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を簡単に調整できるようにし、このようなバーナー装置を用いた工業炉において、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を変更させて、炉内における温度分布特性を簡単に調整できるようにし、炉内において処理物に対して適切な加熱処理が行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、連続式加熱炉、均熱炉、溶解炉、熱処理炉等の工業炉においては、一般に、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置が使用されている。
【0003】
また、このようなバーナー装置としては、省エネルギーを図ることを目的として、炉内で燃焼した燃焼ガスの熱を回収する一方、燃焼用の空気を加熱するように蓄熱部を設けた蓄熱式のバーナー装置が使用されている。
【0004】
そして、前記のようなバーナー装置を用いた工業炉において、処理材を加熱処理するにあたっては、処理材全体を均一に加熱させたり、処理材の片側を強く加熱させたりすることが必要になることがあり、この場合、炉内における温度分布を調整することが必要になる。
【0005】
そして、このように炉内における温度分布を調整するため、特許文献1においては、蓄熱式バーナーの燃焼空気供給口から一次燃料を噴出されると共に、二次燃料ノズルから二次燃料を炉内に噴出させるようにし、一次燃料と二次燃料の供給量の比を制御するようにしたものが提案されている。
【0006】
しかし、前記の特許文献1に示されるものは、一次燃料と二次燃料の供給量の比を制御して炉内における温度分布を調整するため、一次燃料の燃焼量を増加させると、燃焼時におけるNOxが上昇するという問題が発生し、また二次燃料を燃焼用空気と平行に噴出させるようにしているため、二次燃焼による火炎は長炎化し、炉内における全体の燃焼量を一定に維持させながら、炉内における様々な位置における温度分布を調整することは非常に困難になるという問題があった。
【0007】
また、特許文献2においては、1次燃料ノズルを、燃焼用空気のノズル内で燃焼用空気の流れの周りから噴出可能に設けるとともに、2次燃料ノズルを複数設け、かつこれら2次燃料ノズルには、それぞれその配管先端の噴出口に、噴出する2次燃料の周りから保炎空気を供給可能な流路を含む保炎機構を設けて、燃焼用空気とは異なる場所から燃焼用空気ノズルとほぼ平行に炉内に直接吹き込み可能に構成するとともに、それぞれ2次燃料流量調節弁を設けて、火炎温度分布を変化させるようにしたものが提案されている。
【0008】
しかし、前記の特許文献2に示されるものにおいても、1次燃料ノズルから噴出させる一次燃料の燃焼量を増加させると、燃焼時におけるNOxが上昇するという問題が発生し、また各2次燃料ノズルから二次燃料を燃焼用空気と平行に噴出させるようにしているため、1次燃料ノズルから噴出させる一次燃料の量と、各2次燃料ノズルから噴出させる各二次燃料の比を制御して、炉内における温度分布を調整するため、炉内における全体の燃焼量を一定に維持させながら、炉内における様々な位置における温度分布を調整することは非常に困難になるという問題があった。
【0009】
また、特許文献3においては、各バーナーが、空気を噴出する1つの空気ノズルと、燃料を噴出する複数の燃料噴出ノズルとを備え、前記複数の燃料噴出ノズルは2以上の噴出方向を備えるリジェネバーナ装置の操作方法において、前記複数の燃料噴出ノズルの噴出量をそれぞれ変更することによって、燃焼ガス温度の高温域である温度ピークの位置を変更するようにしたものが提案されている。
【0010】
しかし、前記の特許文献3に示されるものにおいては、それぞれ噴出方向の異なる複数の燃料噴出ノズルを炉の別の位置に設けるため、各燃料噴出ノズルに対応した燃料供給口が必要になって、炉に各燃料噴出ノズルを取り付ける位置などに制約が生じ、また各燃料噴出ノズルにそれぞれ燃料を供給する配管などの設備を別に設けることが必要になって設備コストが高くつくと共に、各燃料ノズル噴出に供給する燃料の制御が複雑になる等の問題があった。
【0011】
また、特許文献4のスクラップ溶解炉においては、山積みに堆積しているスクラップに向けて火炎(長炎)を噴射する主バーナーと、主バーナーの前方に堆積しているスクラップを溶解にするための短炎を噴射する補助バーナーを設け、スクラップが均一に溶解するように、溶解の様子を見ながら火炎を当てるポイントを遠いところと近いところに随時変更させている。
【0012】
しかし、前記の特許文献4に示されるものにおいては、堆積しているスクラップに火炎を当てて加熱するポイントを近いところと遠いところに変化させるには、それぞれ専用の複数のバーナーが必要であり、部品のコストがかかっており、構造が複雑で装置周囲の空間スペースも必要になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9-145047号公報
【特許文献2】特開2003-74834号公報
【特許文献3】特許第6764000号公報
【特許文献4】特開平11―325734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置及びこのようなバーナー装置を用いた工業炉における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0015】
特に、前記のバーナー装置において、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を簡単に調整できるようにし、このようなバーナー装置を用いた工業炉において、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を変更させて、火炎の長さを変えて加熱するポイントを変更させたり、炉内における温度分布を調整したりすることが簡単にできるようにし、炉内において処理物に対して適切な加熱処理が行えるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明におけるバーナー装置においては、前記のような課題を解決するため、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置において、前記の燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設けた。
【0017】
そして、本発明におけるバーナー装置のように、1つの燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設けると、前記の特許文献3や特許文献4に示されるように、噴出方向の異なる複数の燃料噴出ノズルをそれぞれ炉の別の位置に設ける必要がなくなる。この結果、炉に各燃料噴出ノズルに対応した燃料供給口を設ける必要になく、炉に各燃料噴出ノズルを取り付ける位置などに制約が生じたり、別に設けられた各燃料噴出ノズルに燃料を供給する配管などの設備を別に設けることが必要になって設備コストが高くついたり、各燃料ノズル噴出に供給する燃料の制御が複雑になるということがなくなる。
【0018】
また、本発明におけるバーナー装置においては、前記の短炎用燃料噴出ノズルの先端部における短炎用ノズル部から燃料を前記の空気噴出口から噴出された空気に向けて噴出させる角度と、前記の長炎用燃料噴出ノズルの先端部における長炎用ノズル部から燃料を前記の空気噴出口から噴出された空気に向けて噴出させる角度との少なくとも一方を調整させるようにすることができる。このようにすると、短炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料を、空気噴出口から噴出された空気と混合させて燃焼させる位置や、長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料を、空気噴出口から噴出された空気と混合させて燃焼させる位置を簡単に調整できるようになる。なお、角度を調整する方法としては図示しないが、燃料を噴出させる前記の短炎用ノズル部と長炎用ノズル部を外部から機械的に動かして角度を変えたり、前記の短炎用ノズル部と長炎用ノズル部の部品そのものを噴出角度の異なる部品に手作業で交換したりしてもよい。
【0019】
また、本発明におけるバーナー装置においては、燃料を噴出させる前記の燃料噴出ノズルを、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとで切り換える切換手段を設けるようにすることができる。そのようにすると、短炎と長炎の差が明確にできる。
【0020】
また、本発明におけるバーナー装置においては、前記の短炎用燃料噴出ノズルに導く燃料の量を調整する短炎用調整弁と、前記の長炎用燃料噴出ノズルに導く燃料の量を調整する長炎用調整弁とを設けるようにすることができる。このようにすると、空気噴出口から噴出された空気と混合させて燃焼させる燃料の量を一定に保ちながら、短炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料を、空気噴出口から噴出された空気と空気噴出口に近い位置で混合させて燃焼させる量と、長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料を、空気噴出口から噴出された空気と空気噴出口から離れた位置で混合させて燃焼させる量とを簡単に調整できるようになる。
【0021】
また、本発明におけるバーナー装置においては、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを、空気を噴出させる前記の空気噴出口の両側に対称に設けることができる。このように、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを、空気噴出口の両側に対称に設け、両側の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから燃料を噴出させると、両側の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料が、前記の空気噴出口から噴出された空気と交差する位置で合流されて燃焼されるようになり、火炎の位置が空気噴出口に近い位置であっても、空気噴出口から離れた位置のいずれであっても、燃料を空気の噴出方向に沿うようにして燃焼させることができる。
【0022】
そのようにすると、前記の特許文献3のように炎が空気の噴出方向に対して斜めにならないため、炉内の温度に偏りが生じず、空気の噴出方向に対して対称な温度分布にすることができる。
【0023】
また、本発明におけるバーナー装置においては、前記の空気噴出口に空気を案内する空気案内管に、蓄熱材が収容された蓄熱部を設けることができる。このようにすると、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材により空気を加熱させて、前記の空気噴出口から加熱された空気を噴出させ、前記の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料と混合させて効率よく燃焼させることができる一方、燃焼停止時には、燃焼後の燃焼排ガスを前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させることができる。
【0024】
そのようにすると、燃焼後の燃焼排ガスの熱によって蓄熱部を介して燃焼用空気を予熱することができるので燃料が節約できる。
【0025】
また、本発明における工業炉においては、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置を炉壁に設けた工業炉において、前記のようなバーナー装置を設けた。
【0026】
そして、本発明における工業炉においては、前記のバーナー装置を両側の炉壁に複数設けるようにすることができる。
【0027】
また、本発明における工業炉においては、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置を炉壁に設けた工業炉において、前記のバーナー装置として、前記の空気噴出口に空気を案内する空気案内管に、蓄熱材が収容された蓄熱部を設けたバーナー装置を用い、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる一方、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気案内管により空気噴出口に導いて炉内に噴出させるようにすることができる。このようにすると、前記のように蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって空気を加熱させて、前記の空気噴出口から加熱された空気を噴出させ、前記の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料と混合させて効率よく燃焼させることができる一方、燃焼停止時には、燃焼後の燃焼排ガスを前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させることができる。
【0028】
ここでも、そのようにすると前記の特許文献3のように炎が空気の噴出方向に対して斜めにならないため、炉内の温度に偏りが生じず、空気の噴出方向に対して対称な温度分布にすることができる。
【0029】
また、本発明における工業炉において、前記のようにバーナー装置として、前記の空気噴出口に空気を案内する空気案内管に、蓄熱材が収容された蓄熱部を設けたバーナー装置を用いる場合、前記のバーナー装置を両側の炉壁に複数設け、各バーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、一方の炉壁に設けられた前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、他方の炉壁に設けられた前記の空気噴出口から前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を炉内に噴出させて燃焼させる燃焼動作を交互に行うようにすることができる。そのようにすると、炉壁の両側に対向してバーナー装置を2台1組で設置することで蓄熱動作と燃焼動作が具体的に交互に行えるようになり、前記のバーナー装置を設けた工業炉において最適な温度分布が得られ燃料を節約した連続運転ができ、省エネが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明におけるバーナー装置のように、1つの燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設けると、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を簡単な設備で容易に調整でき、設備を停止することなく操業中に運転条件を変更できるようになる。
【0031】
また、本発明における工業炉においては、前記のようなバーナー装置を用いたため、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を変更させることにより、火炎の長さを調整して被加熱物を加熱するポイントを変更させたり、炉内における温度分布を調整したりすることが簡単にできるようになる。
【0032】
また、それらが1本の燃料噴出ノズルで実現できるため、構造が複雑にならず装置周囲の空間スペースも確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態1におけるバーナー装置及び工業炉において、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを空気噴出口の片側に設け、燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁から離れた位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図2】前記の実施形態1におけるバーナー装置及び工業炉において、燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図3】前記の実施形態1におけるバーナー装置及び工業炉の変更例において、短炎用燃料供給管に短炎用燃料噴出ノズルに供給する燃料の量を調整する短炎用調整弁を、長炎用燃料供給管に長炎用燃料噴出ノズルに供給する燃料の量を調整する長炎用調整弁を設け、短炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量と、長炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量を調整して燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図4】本発明の実施形態2におけるバーナー装置及び工業炉において、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを空気噴出口の両側に対称に設け、空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図5】前記の実施形態2におけるバーナー装置及び工業炉において、空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁から遠い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図6】前記の実施形態2におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、空気噴出口の片側における燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させると共に、空気噴出口の反対側における燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置と、炉壁から離れた位置との両方で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図であり、(B)は、空気噴出口の両側における燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置と、炉壁から離れた位置との両方で混合させて燃料を燃焼させ、短炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量と、長炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量を調整して燃焼させる状態を示した概略説明図である。る状態を示した概略説明図である。
図7】本発明の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを空気噴出口の両側に対称に設けると共に、空気噴出口に空気を導く空気案内管に蓄熱材が収容された蓄熱部を設けたバーナー装置を用い、前記のバーナー装置を両側の炉壁に対向するように設けた状態を示し概略説明図である。
図8】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁から離れた位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図9】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図10】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、片側の炉壁に設けたバーナー装置においては、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁から離れた位置で混合させて燃料を燃焼させる一方、反対側の炉壁に設けたバーナー装置においては、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図11】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、前記の空気噴出口の片側における燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させる一方、空気噴出口の片側における燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、燃料を空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁から離れた位置と、炉壁に近い位置とで混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図12】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、片側の炉壁に設けられた連続する複数のバーナー装置が燃焼動作を行う一方、反対側の炉壁に設けられた連続する複数のバーナー装置が蓄熱動作を行うようにした状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態に係るバーナー装置及び工業炉を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るバーナー装置及び工業炉は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0035】
(実施形態1)
実施形態1に係る工業炉のバーナー装置Xにおいては、図1及び図2に示すように、炉10の炉壁11に空気案内管20によって導かれた空気Airを炉10内に噴出させる空気噴出口21を設け、前記の空気噴出口21の近くにおける炉壁11に燃料Gを噴出させる燃料噴出ノズル30を、空気噴出口21から噴出される空気Airに向かう方向に傾斜して設けている。
【0036】
そして、前記の燃料噴出ノズル30内において、前記の空気噴出口21側の位置に短炎用燃料噴出ノズル31を設けると共に、前記の短炎用燃料噴出ノズル31よりも空気噴出口21から離れた位置に長炎用燃料噴出ノズル32を並べて設け、前記の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部に、燃料Gを空気噴出口21から噴出される空気Airに近い位置に向けて噴出させる短炎用ノズル部31aを設けると共に、長炎用燃料噴出ノズル32の先端部に、燃料Gを空気噴出口21から噴出される空気Airから離れた位置に向けて噴出させる長炎用ノズル部32aを設けている。
【0037】
また、この実施形態においては、短炎用ノズル部31aと長炎用ノズル部32aを、前記の短炎用燃料噴出ノズル31と長炎用燃料噴出ノズル32の先端部に突出させ、それぞれの噴出角度をより離れた側と近い側に傾けて、短炎と長炎の差が明確になるようにした。しかし、図示していないが、突出した短炎用ノズル部31aと長炎用ノズル部32aを設けず、角度をつけた孔を設けるようにしてもよい。また、図示していないが、短炎と長炎の差を小さくしたい場合は、短炎用ノズル部31aと長炎用ノズル部32aを傾けなくともよい。
【0038】
また、前記の燃料噴出ノズル30において、切換手段によって燃料Gを噴出させる前記の短炎用燃料噴出ノズル31と長炎用燃料噴出ノズル32との切り換えを行うにあたっては、前記の短炎用燃料噴出ノズル31に燃料Gを供給する短炎用燃料供給管33aに短炎用開閉弁33bを設けると共に、前記の長炎用燃料噴出ノズル32に燃料Gを案内する長炎用燃料供給管34aに長炎用開閉弁34bを設け、制御装置36により、前記の短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bとの開閉を制御するようにしている。
【0039】
そして、実施形態1に係るバーナー装置Xにおいて、図1に示すように、前記の制御装置36により、短炎用開閉弁33bを閉じる一方、長炎用開閉弁34bを開けると、燃料Gが長炎用燃料供給管34aを通して長炎用燃料噴出ノズル32にだけ供給され、この長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airから離れた位置に噴出されて、空気噴出口21と離れた位置で空気Airと混合されて燃焼されるようになり、空気噴出口21から離れた位置における炉10内の温度が、空気噴出口21の近傍における温度よりも上昇するようになる。なお、前記の短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bは、図では閉じた状態を黒塗りで示し、開いた状態を白抜きで示す。
【0040】
一方、図2に示すように、前記の制御装置36により、長炎用開閉弁34bを閉じる一方、短炎用開閉弁33bを開けると、燃料Gが短炎用燃料供給管33aを通して短炎用燃料噴出ノズル31にだけ供給され、この短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airに近い位置に噴出されて、空気噴出口21に近い位置で空気Airと混合されて燃焼されるようになり、空気噴出口21と近い位置における炉10内の温度が、空気噴出口21から離れた位置における温度よりも上昇するようになる。
【0041】
この結果、前記の制御装置36により、前記の短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bとの開閉を制御することになり、空気噴出口21から離れた位置における炉10内の温度や空気噴出口21と近い位置における炉10内の温度を簡単に制御できるようになる。
【0042】
また、図3に示す変更例のバーナー装置Xにおいては、前記の短炎用燃料噴出ノズル31に燃料Gを供給する短炎用燃料供給管33aに、前記の短炎用開閉弁33bの他に、短炎用燃料噴出ノズル31に導く燃料Gの量を調整する短炎用調整弁33cを設けると共に、前記の長炎用燃料噴出ノズル32に燃料Gを供給する長炎用燃料供給管34aに、前記の長炎用開閉弁34bの他に、長炎用燃料噴出ノズル32に導く燃料Gの量を調整する長炎用調整弁34cを設け、前記の制御装置36により、前記の短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bに加えて、前記の短炎用調整弁33cと長炎用調整弁34cとを制御するようにしている。
【0043】
そして、この変更例のバーナー装置Xにおいては、図3に示すように、前記の制御装置36により、前記の短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bとを開けると共に、前記の短炎用調整弁33cと長炎用調整弁34cとを制御して、短炎用調整弁33cを通して短炎用燃料噴出ノズル31に導く燃料Gの量と、長炎用調整弁34cを通して長炎用燃料噴出ノズル32に導く燃料Gの量とを調整し、前記の短炎用ノズル部31aから空気噴出口21から噴出された空気Airに近い位置に噴出させて燃焼させる燃料Gの量と、前記の長炎用ノズル部32aから空気噴出口21から噴出された空気Airから離れた位置に噴出させて燃焼させる燃料Gの量を調整するようにしている。
【0044】
このようにすると、空気噴出口21から噴出された空気Airと混合させて燃焼させる燃料Gの量を一定に保ちながら、空気噴出口21から噴出された空気Airと空気噴出口21に近い位置で混合させて燃焼させる燃料Gの量と、空気噴出口21から噴出された空気Airと空気噴出口21から離れた位置で混合させて燃焼させる燃料Gの量とを簡単に調整して、炉10内の各位置における温度を簡単に制御でき、空気噴出口21に近い位置と離れた位置における温度の変化を少なくできたり、任意に温度変化を付けたりできるようになる。
【0045】
また、火炎の長さを調整して被加熱物を加熱するポイントを変更させたり、炉内における温度分布を調整したりすることが簡単にできるようになる。それを生かして溶解炉に用いるバーナーとして利用ができる。
【0046】
(実施形態2)
実施形態2に係る工業炉のバーナー装置Xにおいては、図4図6に示すように、炉10の炉壁11に空気案内管20によって導かれた空気Airを炉10内に噴出させる空気噴出口21を設けると共に、燃料Gを噴出させる燃料噴出ノズル30を、前記の空気噴出口21の近くにおける炉壁11の両側に、それぞれ空気噴出口21から噴出される空気Airに向かう方向に傾斜させて対称に設けている。
【0047】
そして、前記の各燃料噴出ノズル30において、前記の実施形態1の燃料噴出ノズル30と同様に、燃料噴出ノズル30内において、前記の空気噴出口21側の位置に短炎用燃料噴出ノズル31を設けると共に、前記の短炎用燃料噴出ノズル31よりも空気噴出口21から離れた位置に長炎用燃料噴出ノズル32を並べて設け、前記の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部に、燃料Gを空気噴出口21から噴出される空気Airに近い位置に向けて噴出させる短炎用ノズル部31aを設けると共に、長炎用燃料噴出ノズル32の先端部に、燃料Gを空気噴出口21から噴出される空気Airから離れた位置に向けて噴出させる長炎用ノズル部32aを設けている。
【0048】
そして、各燃料噴出ノズル30において、切換手段によって燃料Gを噴出させる前記の短炎用燃料噴出ノズル31と長炎用燃料噴出ノズル32との切り換えを行うあたっては、前記の各短炎用燃料噴出ノズル31に燃料Gを供給する短炎用燃料供給管33aに短炎用開閉弁33bを設けると共に、前記の各長炎用燃料噴出ノズル32に燃料Gを供給する長炎用燃料供給管34aに長炎用開閉弁34bを設け、制御装置36により、前記の各短炎用開閉弁33bと各長炎用開閉弁34bとにおける開閉を制御するようにしている。
【0049】
そして、実施形態2に係るバーナー装置Xにおいて、図4に示すように、前記の制御装置36により、空気噴出口21の両側における各燃料噴出ノズル30において、それぞれ長炎用開閉弁34bを閉じる一方、短炎用開閉弁33bを開けると、燃料Gが両側の長炎用燃料供給管34aに導かれずに、両側の短炎用燃料供給管33aを通して両側の短炎用燃料噴出ノズル31に供給され、両側の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airに近い位置に向けて噴出され、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する近い位置で合流されて燃焼されるようになり、燃料Gの燃焼による火炎が、空気噴出口21に近い位置で空気Airの噴出方向に沿うようにして形成されるようになる。
【0050】
そのようにすると、前記の特許文献3のように炎が空気の噴出方向に対して斜めにならないため、炉内の温度に偏りが生じず、空気の噴出方向に対して対称な温度分布にすることができる。
【0051】
また、実施形態2に係るバーナー装置Xにおいて、図5に示すように、前記の制御装置36により、空気噴出口21の両側における各燃料噴出ノズル30において、それぞれ短炎用開閉弁33bを閉じる一方、長炎用開閉弁34bを開けると、燃料Gが両側の短炎用燃料供給管33aに導かれずに、両側の長炎用燃料供給管34aを通して両側の長炎用燃料噴出ノズル32に供給され、両側の長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出されて、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する離れた位置で合流されて燃焼されるようになり、燃料Gの燃焼による火炎が、空気噴出口21から離れた位置で空気Airの噴出方向に沿うようにして形成されるようになる。
【0052】
そのようにすると、上記の場合と同様に、炎が空気の噴出方向に対して斜めにならないため、炉内の温度に偏りが生じず、空気の噴出方向に対して対称な温度分布にすることができる。
【0053】
また、実施形態2に係るバーナー装置Xにおいて、図6(A)に示すように、前記の制御装置36により、空気噴出口21の片側における燃料噴出ノズル30において、長炎用開閉弁34bを閉じて、短炎用開閉弁33bを開けるようにする一方、空気噴出口21の反対側における燃料噴出ノズル30において、短炎用開閉弁33bを閉じて、長炎用開閉弁34bを開けるようにすると、長炎用開閉弁34bを閉じた片側の燃料噴出ノズル30においては、燃料Gが長炎用燃料供給管34aに導かれずに、短炎用燃料供給管33aを通して短炎用燃料噴出ノズル31に供給され、短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airに近い位置に向けて噴出される一方、短炎用開閉弁33bを閉じた反対側の燃料噴出ノズル30においては、燃料Gが短炎用燃料供給管33aに導かれずに、長炎用燃料供給管34aを通して長炎用燃料噴出ノズル32に供給され、長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出されるようになる。
【0054】
この結果、前記のように短炎用開閉弁33bを開いて、長炎用開閉弁34bを閉じた片側の燃料噴出ノズル30においては、短炎用ノズル部31aから噴出された燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airに近い位置で混合されて燃焼されるようになると共に、短炎用開閉弁33bを閉じて、長炎用開閉弁34bを開けた反対側の燃料噴出ノズル30においては、長炎用ノズル部32aから噴出された燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置で混合されて燃焼されるようになり、燃料Gを空気噴出口21に近い位置と離れた位置とで燃焼させることができ、炉10内の各位置における温度を簡単に制御でき、空気噴出口21に近い位置と離れた位置で温度の変化が少なくできたり、任意に温度変化を付けたりできるようになる。
【0055】
また、火炎の長さを調整して被加熱物を加熱するポイントを変更させたり、炉内における温度分布を調整したりすることが簡単にできるようになる。
【0056】
また、図6(B)に示すように、両側の燃料噴出ノズル30において、短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bの両方を開くようにしても、燃料Gを空気噴出口21に近い位置と離れた位置とで燃焼させることができ、前記の場合と同様に、炉10内の各位置における温度を簡単に制御でき、空気噴出口21に近い位置と離れた位置で温度の変化が少なくできるようになる。
【0057】
また、前記の図4図6(B)に示した内容は、炉10の操業中において1つに決定せずともよく、複数を組み合わせ、状況に応じて順序や時間を変更しながら操業を行ってもよい。
【0058】
(実施形態3)
実施形態3に係る工業炉のバーナー装置Xにおいては、図7に示すように、炉10の両側の炉壁11に、それぞれ前記の実施形態2のものと同様に、燃料Gを噴出させる燃料噴出ノズル30を、空気噴出口21の近くにおける炉壁11の両側に、それぞれ空気噴出口21から噴出される空気Airに向かう方向に傾斜させて対称に設け、各燃料噴出ノズル30内において、空気噴出口21側の位置に短炎用燃料噴出ノズル31を設けると共に、短炎用燃料噴出ノズル31よりも空気噴出口21から離れた位置に長炎用燃料噴出ノズル32を並べて設け、短炎用燃料噴出ノズル31の先端部に、燃料Gを空気噴出口21から噴出される空気Airに近い位置に向けて噴出させる短炎用ノズル部31aを設けると共に、長炎用燃料噴出ノズル32の先端部に、燃料Gを空気噴出口21から噴出される空気Airから離れた位置に向けて噴出させる長炎用ノズル部32aを設けている。
【0059】
また、前記の各燃料噴出ノズル30において、切換手段により、燃料Gを噴出させる前記の短炎用燃料噴出ノズル31と長炎用燃料噴出ノズル32との切り換えを行うあたっては、前記の実施形態1、2のものと同様に、前記の各短炎用燃料噴出ノズル31に燃料Gを供給する短炎用燃料供給管33aに短炎用開閉弁33bを設けると共に、前記の各長炎用燃料噴出ノズル32に燃料Gを供給する長炎用燃料供給管34aに長炎用開閉弁34bを設け、制御装置36により、前記の各短炎用開閉弁33bと各長炎用開閉弁34bとの開閉を制御するようにしている。
【0060】
そして、実施形態3に係る工業炉のバーナー装置Xにおいては、空気噴出口21に空気を案内する各空気案内管20に、蓄熱材(図示せず)が収容された蓄熱部40を設け、前記の蓄熱部40に空気Airを供給する空気供給管41に空気開閉弁41aを設けると共に、燃料Gが燃焼された後の燃焼排ガスGaを蓄熱部40内における蓄熱材に蓄熱させて排気させる排ガス管42に排ガス開閉弁42aを設けており、前記の空気開閉弁41aと排ガス開閉弁42aの開閉を、前記の制御装置36によって制御するようにしている。よって、このような蓄熱交番燃焼バーナー(リジェネバーナー)にも利用できる。
【0061】
ここで、実施形態3に係る工業炉においては、図8図12に示すように、前記のバーナー装置Xを対にして、炉10の炉幅方向の両側の炉壁11に対向するように設けると共に、このように対になったバーナー装置Xを炉10の炉長方向に所要間隔を複数対設けている。
【0062】
そして、図8図12に示す工業炉においては、前記のように両側の炉壁11に対向するようにして設けられた片側の炉壁11におけるバーナー装置Xにおいて、前記の排ガス管42に設けた排ガス開閉弁42aを閉じる一方、前記の空気供給管41に設けた空気開閉弁41aを開け、空気Airを前記の蓄熱部40に導いて蓄熱材に蓄熱された熱によって加熱させ、このように加熱された空気Airを、空気案内管20を通して空気噴出口21から炉10内に噴出させると共に、空気噴出口21の両側における各燃料噴出ノズル30から燃料Gを噴出させて、前記の加熱された空気Airと燃料Gを炉10内で燃焼させる燃焼動作を行うようにする一方、対向する反対側の炉壁11におけるバーナー装置Xにおいて、空気噴出口21の両側における各燃料噴出ノズル30から燃料Gを噴出させないようにすると共に、前記の空気供給管41に設けた空気開閉弁41aを閉じる一方、前記の排ガス管42に設けた排ガス開閉弁42aを開けて、燃料Gが燃焼された後の燃焼排ガスGaを、炉10内から空気噴出口21を通して蓄熱部40内に導き、蓄熱部40内の蓄熱材に燃焼排ガスGaの熱を蓄熱させた後、前記の燃焼排ガスGaを、前記の排ガス管42を通して排気させる蓄熱動作を行うようにしている。
【0063】
そして、両側の炉壁11に対向するようにして対になって設けられた各バーナー装置Xにおいては、前記の燃焼動作と蓄熱動作と交互に切り換えて行うにようにしている。そのようにすると、燃焼後の燃焼排ガスGaの熱によって蓄熱部40を介して燃焼用空気Airを予熱することができ、燃料が節約できる。
【0064】
また、図8図11に示す工業炉においては、炉10の炉長方向に隣り合うように設けられた各バーナー装置Xにおいて、炉内の温度に偏りがでないよう、燃焼排ガスGaの流れる向き(図内の矢印参照)が炉長方向で1対ごとに反対になるようにしながら前記の燃焼動作と蓄熱動作と交互に切り換えて行うようにしている。
【0065】
ここで、図8(A)に示す工業炉においては、両側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、前記の制御装置36により、空気噴出口21の両側に設けられた各燃料噴出ノズル30における短炎用開閉弁33bを閉じる一方、長炎用開閉弁34bを開けて、燃料Gを両側の長炎用燃料供給管34aを通して両側の長炎用燃料噴出ノズル32に供給し、両側の長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gを、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置で合流させて燃焼させるようにしている。
【0066】
そして、図8(A)に示す工業炉のように、両側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、両側の長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gを、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出させ、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する離れた位置で合流させて燃焼させるようにすると、図8(B)に示すように、炉10内における炉幅方向中央部の温度が、炉幅方向両側部の温度よりも高くなる。
【0067】
また、図9(A)に示す工業炉においては、両側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、前記の制御装置36により、空気噴出口21の両側に設けられた各燃料噴出ノズル30における長炎用開閉弁34bを閉じる一方、短炎用開閉弁33bを開けて、燃料Gを両側の短炎用燃料供給管33aを通して両側の短炎用燃料噴出ノズル31に供給し、両側の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料を、空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置に向けて噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する近い位置で合流させて燃焼させるようにしている。
【0068】
そして、図9(A)に示す工業炉のように、両側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、両側の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料を、空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置に向けて噴出させ、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する近い位置で合流させて燃焼させるようにすると、図9(B)に示すように、炉10内における炉幅方向両側部の温度が、炉幅方向中央部の温度よりも高くなる。
【0069】
また、図10(A)に示す工業炉においては、片側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、前記の制御装置36により、空気噴出口21の両側に設けられた各燃料噴出ノズル30における短炎用開閉弁33bを閉じる一方、長炎用開閉弁34bを開け、燃料Gを両側の長炎用燃料供給管34aを通して両側の長炎用燃料噴出ノズル32に供給し、両側の長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料を、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置で合流させて燃焼させる一方、反対側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいては、前記の制御装置36により、空気噴出口21の両側に設けられた各燃料噴出ノズル30における長炎用開閉弁34bを閉じる一方、短炎用開閉弁33bを開けて、燃料Gを両側の短炎用燃料供給管33aを通して両側の短炎用燃料噴出ノズル31に供給し、両側の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料を、空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置に向けて噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airと近い位置で合流されて燃焼させるようにしている。
【0070】
そして、図10(A)に示す工業炉のように、片側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、両側の長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料を、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出させ、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する離れた位置で合流させて燃焼させる一方、反対側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、両側の短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料Gを、空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置に向けて噴出させ、空気噴出口21から噴出された空気Airと交差する近い位置で合流させて燃焼させるようにすると、図10(B)に示すように、燃料Gを空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置で燃焼させるようにした反対側の炉壁11の近傍における炉10内の温度が、燃料Gを空気噴出口21から噴出された空気Airから離れた位置で燃焼させる前記の片側の炉壁11の近傍における炉10内の温度よりも高温になって、炉10内の温度分布に傾斜ができるようになる。
【0071】
そのようにすると、鋼片(図示せず)を炉幅方向に温度を徐々に変えて加熱(傾斜加熱)する場合などに活用することができる。
【0072】
また、図11(A)に示す工業炉においては、両側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、前記の制御装置36により、空気噴出口21の片側に設けられた燃料噴出ノズル30における長炎用開閉弁34bを閉じる一方、短炎用開閉弁33bを開けて、短炎用燃料供給管33aを通して燃料Gを短炎用燃料噴出ノズル31に供給し、短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料Gを、空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置に向けて噴出させて燃焼させると共に、空気噴出口21の反対側に設けられた燃料噴出ノズル30における短炎用開閉弁33bを閉じる一方、長炎用開閉弁34bを開けて、長炎用燃料供給管34aを通して燃料Gを長炎用燃料噴出ノズル32に供給し、長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gを、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置に向けて噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置で燃焼させるようにしている。
【0073】
そして、図11(A)に示す工業炉のように、両側の炉壁11に設けた燃焼動作を行う各バーナー装置Xにおいて、空気噴出口21の片側における燃料噴出ノズル30においては、短炎用燃料噴出ノズル31の先端部における短炎用ノズル部31aから燃料Gを噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airの近い位置で燃焼させると共に、空気噴出口21の反対側における燃料噴出ノズル30においては、長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gを噴出させて、空気噴出口21から噴出された空気Airと離れた位置で燃焼させると、燃焼動作を行う両側の炉壁11に設けた各バーナー装置Xにおいて、長炎と短炎とが合わさった状態で燃焼が行われ、図11(B)に示すように、炉幅方向における炉10内の温度の変化が少なくなり、炉10内を一定した温度に加熱させることができるようになる。また、ここでは図示してないが、両側の燃料噴出ノズル30において、短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bの両方を開くようにしても、前記の図6(B)に示す場合と同様に、燃料Gを空気噴出口21に近い位置と離れた位置とで燃焼させることができ、炉10内の各位置における温度を簡単に制御でき、空気噴出口21に近い位置と離れた位置で温度の変化が少なくできたり、任意に温度変化を付けたりできるようになる。
【0074】
また、火炎の長さを調整して被加熱物を加熱するポイントを変更させたり、炉内における温度分布を調整したりすることが簡単にできるようになる。
【0075】
なお、前記の図8図11に示す連続式加熱炉のような工業炉においては、前記のように炉10の炉長方向に隣り合うように設けられた各バーナー装置Xにおいて、炉内の温度に偏りが生じないよう、燃焼排ガスGaの流れる向き(図内の矢印参照)が炉長方向で1対ごとに反対向きになるようにしながら前記の燃焼動作と蓄熱動作と交互に切り換えて行うようにしたが、図12に示す工業炉のように、炉10の炉長方向に隣り合うように設けられた各バーナー装置Xにおいて、燃焼排ガスGaの流れる向き(図内の矢印参照)が炉長方向で2対ごとに反対向きになるようにしながら前記の燃焼動作と蓄熱動作と交互に切り換えるようにするなど、状況に応じて様々なパターンで操業してもよい。
【0076】
よって、前記の図8図12に示した内容は、炉10の操業中において1つに決定せずともよく、複数を組み合わせ、状況に応じて順序や時間を変更しながら操業を行ってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 :炉
11 :炉壁
20 :空気案内管
21 :空気噴出口
30 :燃料噴出ノズル
31 :短炎用燃料噴出ノズル
31a :短炎用ノズル部
32 :長炎用燃料噴出ノズル
32a :長炎用ノズル部
33a :短炎用燃料供給管
33b :短炎用開閉弁
33c :短炎用調整弁
34a :長炎用燃料供給管
34b :長炎用開閉弁
34c :長炎用調整弁
36 :制御装置
40 :蓄熱部
41 :空気供給管
41a :空気開閉弁
42 :排ガス管
42a :排ガス開閉弁
Air :空気
G :燃料
Ga :燃焼排ガス
X :バーナー装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置において、前記の燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設け、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルが設けられた燃料噴出ノズルを、空気を噴出させる前記の空気噴出口の両側に対称に設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の短炎用燃料噴出ノズルの先端部における短炎用ノズル部から燃料を前記の空気噴出口から噴出された空気に向けて噴出させる角度と、前記の長炎用燃料噴出ノズルの先端部における長炎用ノズル部から燃料を前記の空気噴出口から噴出された空気に向けて噴出させる角度との少なくとも一方を調整することを特徴とするバーナー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のバーナー装置において、燃料を噴出させる前記の燃料噴出ノズルを、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとで切り換える切換手段を設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項4】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の短炎用燃料噴出ノズルに導く燃料の量を調整する短炎用調整弁と、前記の長炎用燃料噴出ノズルに導く燃料の量を調整する長炎用調整弁とを設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項5】
請求項1に記載のバーナー装置において、前記の空気噴出口に空気を案内する空気案内管に、蓄熱材が収容された蓄熱部を設けたことを特徴とするバーナー装置。
【請求項6】
空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置を炉壁に設けた工業炉において、前記のバーナー装置として、前記の請求項1~請求項5の何れか1項に記載のバーナー装置を設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項7】
請求項6に記載の工業炉において、前記のバーナー装置を両側の炉壁に複数設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項8】
空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置を炉壁に設けた工業炉において、前記のバーナー装置として、請求項5に記載のバーナー装置を用い、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して空気案内管に設けた蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる一方、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、空気案内管により空気噴出口に導いて炉内に噴出させることを特徴とする工業炉。
【請求項9】
請求項8に記載の工業炉において、前記のバーナー装置を両側の炉壁に複数設け、各バーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃焼させる燃焼動作とを交互に行うことを特徴とする工業炉。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明におけるバーナー装置においては、前記のような課題を解決するため、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させるバーナー装置において、前記の燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設け、前記の短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルが設けられた燃料噴出ノズルを、空気を噴出させる前記の空気噴出口の両側に対称に設けた
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、本発明におけるバーナー装置においては、前記のように短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを、空気を噴出させる前記の空気噴出口の両側に対称に設けるようにした。このように、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを、空気噴出口の両側に対称に設け、両側の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから燃料を噴出させると、両側の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料が、前記の空気噴出口から噴出された空気と交差する位置で合流されて燃焼されるようになり、火炎の位置が空気噴出口に近い位置であっても、空気噴出口から離れた位置のいずれであっても、燃料を空気の噴出方向に沿うようにして燃焼させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
本発明におけるバーナー装置のように、1つの燃料噴出ノズル内に、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と近い位置で混合させて燃焼させる短炎用燃料噴出ノズルと、燃料を前記の空気噴出口から噴出される空気と離れた位置で混合させて燃焼させる長炎用燃料噴出ノズルとを設けると、空気噴出口から噴出された空気と、燃料噴出ノズルから噴出された燃料とを混合させて燃焼させる位置を簡単な設備で容易に調整でき、設備を停止することなく操業中に運転条件を変更できるようになる。また、前記のように短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを、空気を噴出させる前記の空気噴出口の両側に対称に設けるようにした ため、両側の短炎用燃料噴出ノズルや長炎用燃料噴出ノズルから噴出された燃料が、前記の空気噴出口から噴出された空気と交差する位置で合流されて燃焼されるようになり、火炎の位置が空気噴出口に近い位置であっても、空気噴出口から離れた位置のいずれであっても、燃料を空気の噴出方向に沿うようにして燃焼させることができるようになる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
図1】本発明の参考形態1におけるバーナー装置及び工業炉において、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを空気噴出口の片側に設け、燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁から離れた位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図2】前記の参考形態1におけるバーナー装置及び工業炉において、燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図3】前記の参考形態1におけるバーナー装置及び工業炉の変更例において、短炎用燃料供給管に短炎用燃料噴出ノズルに供給する燃料の量を調整する短炎用調整弁を、長炎用燃料供給管に長炎用燃料噴出ノズルに供給する燃料の量を調整する長炎用調整弁を設け、短炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量と、長炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量を調整して燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図4】本発明の参考形態2におけるバーナー装置及び工業炉において、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを空気噴出口の両側に対称に設け、空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図5】前記の実施形態2におけるバーナー装置及び工業炉において、空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁から遠い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図6】前記の実施形態2におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、空気噴出口の片側における燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させると共に、空気噴出口の反対側における燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置と、炉壁から離れた位置との両方で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図であり、(B)は、空気噴出口の両側における燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される空気と炉壁に近い位置と、炉壁から離れた位置との両方で混合させて燃料を燃焼させ、短炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量と、長炎用燃料噴出ノズルから噴出させる燃料の量を調整して燃焼させる状態を示した概略説明図である。る状態を示した概略説明図である。
図7】本発明の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、短炎用燃料噴出ノズルと長炎用燃料噴出ノズルとが設けられた燃料噴出ノズルを空気噴出口の両側に対称に設けると共に、空気噴出口に空気を導く空気案内管に蓄熱材が収容された蓄熱部を設けたバーナー装置を用い、前記のバーナー装置を両側の炉壁に対向するように設けた状態を示し概略説明図である。
図8】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁から離れた位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図9】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図10】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、片側の炉壁に設けたバーナー装置においては、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁から離れた位置で混合させて燃料を燃焼させる一方、反対側の炉壁に設けたバーナー装置においては、前記の空気噴出口の両側における各燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁に近い位置で混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図11】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、(A)は、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、燃焼動作時に、前記の空気噴出口の片側における燃料噴出ノズル内に設けた長炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させる一方、空気噴出口の片側における燃料噴出ノズル内に設けた短炎用燃料噴出ノズルから燃料を炉内に噴出させて、燃料を空気噴出口から噴出される加熱された空気と炉壁から離れた位置と、炉壁に近い位置とで混合させて燃料を燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内における温度分布を示した概略図である。
図12】前記の実施形態3におけるバーナー装置及び工業炉において、両側の炉壁に設けた対向する一対のバーナー装置において、炉内において燃焼された後の燃焼排ガスを、前記の空気噴出口を通して前記の空気案内管に設けた前記の蓄熱部に導いて、燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させる蓄熱動作と、前記の蓄熱部における蓄熱された蓄熱材によって加熱された空気を、前記の空気噴出口から炉内に噴出させて燃料を燃焼させる燃焼動作を交互に行うにあたり、片側の炉壁に設けられた連続する複数のバーナー装置が燃焼動作を行う一方、反対側の炉壁に設けられた連続する複数のバーナー装置が蓄熱動作を行うようにした状態を示した概略説明図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
参考形態1)
参考形態1に係る工業炉のバーナー装置Xにおいては、図1及び図2に示すように、炉10の炉壁11に空気案内管20によって導かれた空気Airを炉10内に噴出させる空気噴出口21を設け、前記の空気噴出口21の近くにおける炉壁11に燃料Gを噴出させる燃料噴出ノズル30を、空気噴出口21から噴出される空気Airに向かう方向に傾斜して設けている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
また、この参考形態においては、短炎用ノズル部31aと長炎用ノズル部32aを、前記の短炎用燃料噴出ノズル31と長炎用燃料噴出ノズル32の先端部に突出させ、それぞれの噴出角度をより離れた側と近い側に傾けて、短炎と長炎の差が明確になるようにした。しかし、図示していないが、突出した短炎用ノズル部31aと長炎用ノズル部32aを設けず、角度をつけた孔を設けるようにしてもよい。また、図示していないが、短炎と長炎の差を小さくしたい場合は、短炎用ノズル部31aと長炎用ノズル部32aを傾けなくともよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
そして、参考形態1に係るバーナー装置Xにおいて、図1に示すように、前記の制御装置36により、短炎用開閉弁33bを閉じる一方、長炎用開閉弁34bを開けると、燃料Gが長炎用燃料供給管34aを通して長炎用燃料噴出ノズル32にだけ供給され、この長炎用燃料噴出ノズル32の先端部における長炎用ノズル部32aから燃料Gが、空気噴出口21から噴出された空気Airから離れた位置に噴出されて、空気噴出口21と離れた位置で空気Airと混合されて燃焼されるようになり、空気噴出口21から離れた位置における炉10内の温度が、空気噴出口21の近傍における温度よりも上昇するようになる。なお、前記の短炎用開閉弁33bと長炎用開閉弁34bは、図では閉じた状態を黒塗りで示し、開いた状態を白抜きで示す。