(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025040306
(43)【公開日】2025-03-24
(54)【発明の名称】ジグソー
(51)【国際特許分類】
B23D 51/02 20060101AFI20250314BHJP
B23D 49/16 20060101ALI20250314BHJP
B27B 19/09 20060101ALI20250314BHJP
B27B 27/04 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
B23D51/02
B23D49/16
B27B19/09
B27B27/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147141
(22)【出願日】2023-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】青山 修司
(72)【発明者】
【氏名】澤田 祐輝
【テーマコード(参考)】
3C040
【Fターム(参考)】
3C040AA11
3C040LL18
(57)【要約】
【課題】落下してベースが地面と衝突する場合における損傷が、低コストで抑制されるジグソーを提供する。
【解決手段】ジグソー1は、スライダ30を有する本体部4と、ベース部6と、を備えている。スライダ30は、上下方向に往復動可能である。ベース部6は、本体部4の下方に配置されていて、ベース部本体BMと、突出部146と、を備えている。突出部146は、スライダ30の側を前側として、ベース部本体BMの後部から後方に突出している。突出部146における先端部の厚みは、ベース部本体BMの厚みより薄い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライダを有する本体部と、
ベース部と、
を備えており、
前記スライダは、上下方向に往復動可能であり、
前記ベース部は、前記本体部の下方に配置されていて、ベース部本体と、突出部と、を備えており、
前記突出部は、前記スライダの側を前側として、前記ベース部本体の後部から後方に突出しており、
前記突出部における先端部の厚みは、前記ベース部本体の厚みより薄い
ことを特徴とするジグソー。
【請求項2】
前記ベース部は、複数の部材を備えており、
一部の前記部材が、前記本体部に取り付けられており、
前記突出部は、前記本体部に取り付けられる前記部材とは異なる前記部材に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のジグソー。
【請求項3】
前記突出部は、鋼板製である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のジグソー。
【請求項4】
前記突出部は、膨出部を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のジグソー。
【請求項5】
前記ベース部は、ベースと、ベースプレートと、を備えており、
前記ベースは、前記本体部に取り付けられており、
前記ベースプレートは、前記ベースに取り付けられており、
前記突出部は、前記ベースプレートの本体であるベースプレート本体から突出している
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のジグソー。
【請求項6】
前記突出部の下面は、前記ベース部本体の下面に連続している
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のジグソー。
【請求項7】
前記本体部は、バッテリを装着可能なバッテリ装着部を有しており、
前記バッテリ装着部は、前記本体部の後部に配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のジグソー。
【請求項8】
前記突出部の先端は、装着された前記バッテリの後端より前方に配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載のジグソー。
【請求項9】
前記本体部は、バッテリを装着可能なバッテリ装着部を有しており、
前記突出部の先端は、前記バッテリを装着した状態における全体の重心よりも後方に配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のジグソー。
【請求項10】
前記突出部は、突出部孔を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のジグソー。
【請求項11】
前記突出部における左右方向の幅は、前記ベース部本体における左右方向の幅より小さい
ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のジグソー。
【請求項12】
前記ベース部本体は、レンチを収納するレンチ収納部を有しており、
前記突出部は、前記レンチ収納部に隣接している
ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れかに記載のジグソー。
【請求項13】
スライダを有する本体部と、
ベース部と、
を備えており、
前記スライダは、上下方向に往復動可能であり、
前記ベース部は、前記本体部の下方に配置されていて、剛性弱部を備えており、
前記剛性弱部は、隣接する部分より剛性の弱い部分であり、前記スライダの側を前側として、前記ベース部の後部に配置されている
ことを特徴とするジグソー。
【請求項14】
前記剛性弱部は、隣接する部分より厚みが薄い薄肉部である
ことを特徴とする請求項13に記載のジグソー。
【請求項15】
スライダを有する本体部と、
ベース部と、
を備えており、
前記スライダは、上下方向に往復動可能であり、
前記ベース部は、前記本体部の下方に配置されていて、薄肉部を備えており、
前記薄肉部は、隣接する部分より厚みの薄い部分であり、前記スライダの側を前側として、前記ベース部の後部に配置されている
ことを特徴とするジグソー。
【請求項16】
前記ベース部は、前記本体部に取り付けられており、
前記薄肉部は、前記ベース部の前記本体部に対する取付位置より後方に配置されている
ことを特徴とする請求項15に記載のジグソー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレードにより被加工材を切断するジグソーに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-24489号公報(特許文献1)に示されるジグソーが知られている。
このジグソーは、把持部を有する本体と、本体の下方において本体に固定されるベースと、を備えている。ベースは、被切断材に接地する。ベースにおける被切断材に対する接地面の後端は、前後方向で把持部の後端と一致する位置あるいは把持部の後端より後方位置に設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のジグソーが落下して、ベースの後端部が地面と衝突する場合、本体に衝撃が伝達する。よって、上記のジグソーでは、ベースだけでなく本体が損傷する可能性がある。本体の損傷を抑制するため、本体に補強部が設けられた場合、その分、設計及び部材のコストがかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、ジグソーを開示する。このジグソーは、スライダを有する本体部を備えていても良い。ジグソーは、ベース部を備えていても良い。スライダは、上下方向に往復動可能であっても良い。ベース部は、本体部の下方に配置されていても良い。ベース部は、ベース部本体を備えていても良い。ベース部は、突出部を備えていても良い。突出部は、スライダの側を前側として、ベース部本体の後部から後方に突出していても良い。突出部における先端部の厚みは、ベース部本体の厚みより薄くても良い。
【0006】
又、本明細書は、ジグソーを開示する。このジグソーは、スライダを有する本体部を備えていても良い。ジグソーは、ベース部を備えていても良い。スライダは、上下方向に往復動可能であっても良い。ベース部は、本体部の下方に配置されていても良い。ベース部は、剛性弱部を備えていても良い。剛性弱部は、隣接する部分より剛性の弱い部分であっても良い。剛性弱部は、スライダの側を前側として、ベース部の後部に配置されていても良い。
【0007】
更に、本明細書は、ジグソーを開示する。このジグソーは、スライダを有する本体部を備えていても良い。ジグソーは、ベース部を備えていても良い。スライダは、上下方向に往復動可能であっても良い。ベース部は、本体部の下方に配置されていても良い。ベース部は、薄肉部を備えていても良い。薄肉部は、隣接する部分より厚みの薄い部分であっても良い。薄肉部は、スライダの側を前側として、ベース部の後部に配置されていても良い。
【発明の効果】
【0008】
本開示のジグソーによれば、落下してベースが地面と衝突する場合における損傷が、低コストで抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施例の第1形態に係るジグソーにおける前面、下面及び左面側の斜視図である。
【
図2】
図1のジグソーにおける後面、上面及び右面側の斜視図である。
【
図5】
図1のジグソーにおける中央縦断面図である。
【
図7】
図1のジグソーにおけるベース部の後面、上面及び右面側の分解斜視図である。
【
図8】
図1のジグソーにおけるベース部の後面、下面及び左面側の分解斜視図である。
【
図9】
図9Aは、本開示の実施例の第2形態に係るジグソーにおけるベースの左側面図であり、
図9Bは、当該ベースにおける、下面、右面、及び
図9AのB-B線での断面側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一実施形態において、ベース部は、複数の部材を備えていても良い。一部の部材が、本体部に取り付けられていても良い。突出部は、本体部に取り付けられる部材とは異なる部材に配置されていても良い。この場合、突出部に対する衝撃の突出部以外への伝達が、突出部の部材と本体部に取り付けられる部材とが別であることにより抑制される。
本開示の一実施形態において、突出部は、鋼板製であっても良い。この場合、突出部の強度が向上する。又、鋼板が有する弾性的な撓みによって衝撃が抑制される。
本開示の一実施形態において、突出部は、膨出部を有していても良い。この場合、突出部の強度が向上する。
本開示の一実施形態において、ベース部は、ベースを備えていても良い。ベース部は、ベースプレートを備えていても良い。ベースは、本体部に取り付けられていても良い。ベースプレートは、ベースに取り付けられていても良い。突出部は、ベースプレートの本体であるベースプレート本体から突出していても良い。この場合、突出部の強度が向上する。又、ベースプレートは、突出部による衝撃伝達抑制機能と、被加工材に対する耐摩耗機能とを含む複数の機能を併有する。よって、ベース部がより効率的な構成となり、各機能に対して別の部材が設けられる場合に比べて、コストが低減される。
本開示の一実施形態において、突出部の下面は、ベース部本体の下面に連続していても良い。この場合、加工時の安定性が向上する。
【0011】
本開示の一実施形態において、本体部は、バッテリを装着可能なバッテリ装着部を有していても良い。バッテリ装着部は、本体部の後部に配置されていても良い。この場合、バッテリの装着により、ジグソーの全体の重心が、バッテリ非装着時に比べてより後方となる。よって、ジグソー1の後部が下側となって落下する可能性がより高く、後部に配置された突出部による衝撃伝達の抑制がより図られる。
本開示の一実施形態において、突出部の先端は、装着されたバッテリの後端より前方に配置されていても良い。この場合、全体の大きさが抑制される。
本開示の一実施形態において、本体部は、バッテリを装着可能なバッテリ装着部を有していても良い。突出部の先端は、バッテリを装着した状態における全体の重心よりも後方に配置されていても良い。この場合、ジグソー1の後部が下側となって落下する可能性がより高く、後部に配置された突出部による衝撃伝達の抑制がより図られる。
【0012】
本開示の一実施形態において、突出部は、突出部孔を有していても良い。この場合、突出部の強度が調整可能となる。又、ジグソー1をフックに掛けることができる。
本開示の一実施形態において、突出部における左右方向の幅は、ベース部本体における左右方向の幅より小さい。この場合、突出部の強度がベース部本体の強度より弱くなる。よって、衝撃伝達の抑制が一層図られる。
本開示の一実施形態において、ベース部本体は、レンチを収納するレンチ収納部を有していても良い。突出部は、レンチ収納部に隣接していても良い。この場合、突出部及びレンチ収納部が効率的に配置される。
【0013】
本開示の一実施形態において、剛性弱部は、隣接する部分より厚みが薄い薄肉部であっても良い。この場合、衝撃を抑制するための剛性弱部が、シンプルに形成される。
本開示の一実施形態において、ベース部は、本体部に取り付けられていても良い。薄肉部は、ベース部の本体部に対する取付位置より後方に配置されていても良い。この場合、衝撃を抑制するための薄肉部が、効率良く配置される。
【実施例0014】
以下、本開示の実施例の形態が、適宜図面に基づいて説明される。当該説明には、当該形態の変更例が含まれる。本開示は、当該形態及び当該変更例に限定されない。
当該形態及び変更例における前後上下左右は、説明の便宜上定められたものであり、作業の状況及び部材の移動の少なくとも何れか等により変化することがある。
【0015】
図1は、本開示の実施例の第1形態に係るジグソー1の前面、下面及び左面側の斜視図である。
図2は、ジグソー1の後面、上面及び右面側の斜視図である。
図3は、ジグソー1の下面図である。
図4は、ジグソー1の左側面図である。
図5は、ジグソー1の中央縦断面図である。
図6は、
図5のA-A線断面図である。
ジグソー1は、本体部2と、ハンドル部4と、ベース部6と、充電可能なバッテリ8と、を有している。ジグソー1は、バッテリ8により駆動する、充電式である。バッテリ8は、電動工具用のものである。尚、ハンドル部4及びバッテリ8の少なくとも一方は、本体部2の構成要素と扱われても良い。又、バッテリ8は、ジグソー1から独立した構成要素とされても良い。更に、バッテリ8は、一次電池であっても良い。又、バッテリ8は、電動工具用のものでなくても良く、例えば汎用のものであっても良い。又更に、バッテリ8に代えて、電源に接続される電源コードが用いられても良い。交流電源に接続される電源コードを有するジグソーは、AC式である。
図5において、右がジグソー1の前となる。又、
図5において、上がジグソー1の上となる。
【0016】
本体部2は、全体として、左側から右方へ見て“L”字状である。本体部2の前部である本体部前部2Fは、上下に延びている。本体部2の後部である本体部後部2Bは、本体部前部2Fの下部後側から後方へ延びている。
本体部2は、ハウジング10と、電動モータ12と、ファン14と、後軸受15と、前軸受16と、バッテリ装着部18と、コントローラ20と、速度調整スイッチ22と、本体部コネクタ24と、主電源スイッチ26と、動力伝達部28と、出力部としてのスライダ30と、ダストシール31と、先端工具装着部32と、先端工具としてのブレード34と、オービタル運動部36と、オービタル切替部37と、カウンタウェイト部38と、スイッチユニットSUと、ガード39と、を有する。
本体部2において、後方から順に、バッテリ装着部18、コントローラ20、本体部コネクタ24、電動モータ12、ファン14、動力伝達部28、オービタル運動部36、カウンタウェイト部38、スライダ30、先端工具装着部32、及びガード39が配置されている。
尚、各種の部材及び部分の配置は、様々に変更可能である。又、ブレード34は、本体部2又はジグソー1の構成要素とせず、本体部2又はジグソー1から独立した構成要素とされても良い。更に、スライダ30が動力伝達部28の構成要素とされ、先端工具装着部32が出力部と扱われても良い。又更に、スライダ30及び先端工具装着部32は、合わせて出力部とされても良い。
【0017】
ハウジング10は、本体部2及びハンドル部4の外郭を構成する。
ハウジング10は、各種の部材を直接又は間接的に保持する。
ハウジング10は、メインハウジング40と、ギヤハウジング42と、を備えている。
【0018】
メインハウジング40は、プラスチック製である。メインハウジング40は、半割状であり、左メインハウジング40L及び右メインハウジング40Rを有している。
左メインハウジング40Lは、複数のネジボス部40Bを有している。右メインハウジング40Rは、ネジ孔部40Pを有している。ネジ孔部40Pは、ネジボス部40Bに対応するネジ孔を有している。左メインハウジング40L及び右メインハウジング40Rは、ネジ孔部40Pとネジボス部40Bに入るネジ43により、合わせられている。
メインハウジング40は、右側から左方へ見てループ状である。メインハウジング40の上部は、ハンドル部4の外郭を構成する。メインハウジング40の上部即ちハンドル部4は、ユーザが把持可能である。メインハウジング40の上部下側であって、ハンドル部4の前下部には、ハンドル部開口部が形成されている。又、メインハウジング40の後端部には、後開口部が形成されている。更に、メインハウジング40の前下部には、下開口部が形成されている。
メインハウジング40は、複数の吸気口44を有する。各吸気口44は、前後又は上下に延びる。左右に延びる一部の吸気口44は、左メインハウジング40Lにおける後下部において、上下に並ぶ状態で配置されている。他の左右に延びる吸気口44は、右メインハウジング40Rにおける後下部において、上下に並ぶ状態で配置されている。又、上下に延びる吸気口44は、右メインハウジング40Rにおける後下部において、左右に延びる吸気口44の後側で、上下に並ぶ状態で配置されている。上下に延びる吸気口44は、コントローラ20の配置に対応しており、コントローラ20の右方に配置されている。
【0019】
ハンドル部4は、メインスイッチ部50と、ロックオンスイッチ52と、ハンドル部コネクタ54と、を有している。尚、メインスイッチ部50、及びロックオンスイッチ52の少なくとも一方は、本体部2に配置されても良い。
【0020】
メインスイッチ部50は、メインスイッチ56と、トリガ58と、を有する。
メインスイッチ56は、コネクタを有しており、そのコネクタを介して、コントローラ20に電気的に接続されている。
トリガ58は、メインスイッチ56のプランジャに固定されている。トリガ58の下部は、メインハウジング40のハンドル部開口部から下方へ露出している。トリガ58は、上下にスライド可能であり、ユーザによる上方への操作が可能である。
トリガ58が最下方位置にある場合、メインスイッチ56はオフとなる。トリガ58に最下方位置から上方へのスライド操作がなされると、メインスイッチ56が所定の遊びを経てオンとなる。更に、メインスイッチ56は、オンとなった状態から更に上方へ操作されると、上方への操作量に応じて、発出する信号の状態を変える。
尚、メインスイッチ56は、上方への操作量に応じて、発出する信号の状態を変えなくても良い。又、遊びが省略され、メインスイッチ56は、トリガ58の上方への操作開始により、すぐにオンとなっても良い。
【0021】
ロックオンスイッチ52は、ユーザの押し操作により切り替わるボタンスイッチである。ロックオンスイッチ52は、コントローラ20に電気的に接続されている。
尚、メインスイッチ56及びロックオンスイッチ52の少なくとも一方の形式は、様々に変更可能である。例えば、ロックオンスイッチ52は、ボタンではなく、トグルスイッチであっても良い。他のスイッチの形式も、同様に様々に変更可能である。
【0022】
ハンドル部コネクタ54は、コントローラ20と主電源スイッチ26とを結ぶリード線(図示略)、及びコントローラ20とライト(図示略)とを結ぶリード線(図示略)に介装されている。
ライトは、ここではLEDである。ライトは、ブレード34により加工される被加工材の被加工部及びその周辺を照らす。ライトは、スイッチユニットSUに含まれている。スイッチユニットSUは、本体部2におけるガード39の上側に配置されている。スイッチユニットSUは、ハウジング10に保持されている。ライトは、メインスイッチ56の切り替えに応じて点消灯される。メインスイッチ56がオンとなると、ライトがオンとなる。メインスイッチ56がオフとなると、ライトが所定時間後にオフとなる。
ハンドル部コネクタ54は、再連結可能に分離することができ、分離状態となると、リード線を切断することなく、コントローラ20と、主電源スイッチ26及びライトとを分離することができる。主電源スイッチ26及びライト並びにコントローラ20の何れか1つのみが、故障等により交換を要する場合、ハンドル部コネクタ54を分離することで容易に交換される。
尚、ハンドル部コネクタ54及びライトの少なくとも一方は、省略されても良い。ライトは、スイッチユニットSUと別体であっても良い。又、ライトの点消灯態様は、上述のものに限られない。例えば、ライトは、専用のライトスイッチによりオンオフされても良い。
【0023】
ギヤハウジング42は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ギヤハウジング42は、下端部に開口部を有する釣鐘状の部材である。ギヤハウジング42は、半割状であり、前ギヤハウジング42F及び後ギヤハウジング42Bを有している。
前ギヤハウジング42Fは、右上部、右下部及び左上部において、ネジ孔部を有している。後ギヤハウジング42Bは、ネジ孔部に対応するネジボス部を有している。前ギヤハウジング42F及び後ギヤハウジング42Bは、ネジ孔部とネジボス部に入るネジにより、合わせられている。
ギヤハウジング42は、メインハウジング40に保持される。ギヤハウジング42は、動力伝達部28、オービタル運動部36、カウンタウェイト部38、スライダ30、及び先端工具装着部32を、直接又は間接的に保持する。ギヤハウジング42の後下部は、メインハウジング40の下開口部から下方に露出している。
ギヤハウジング42の後面部には、上孔と、上開口部と、中開口部とが形成されている。
【0024】
尚、ハウジング10は、様々に変更可能である。例えば、メインハウジング40において、本体部2の外郭部分とハンドル部4の外郭部分とが、互いに組み合わせ可能な別体とされても良い。又、半割のメインハウジング40において、左メインハウジング40Lと右メインハウジング40Rとで大きさ及び形状の少なくとも一方が大きく異なるようにされても良い。更に、左メインハウジング40Lと右メインハウジング40Rとが、爪等の係止部及び爪穴等の被係止部等を用いて、ネジ46以外により組み合わせられても良い。ギヤハウジング42が一体とされても良い。ハウジング10における各種部分の材質並びに開口部の数及び配置の少なくとも何れかが変更されても良い。又、排気口47の数及び配置の少なくとも一方は、適宜変更されても良い。
【0025】
電動モータ12は、ブラシレスモータであり、DCモータである。電動モータ12は、メインハウジング40に保持される。メインハウジング40は、電動モータ12を保持するため、モータハウジングと捉え得る。
電動モータ12は、ステータ61と、ロータ62と、を有している。
ステータ61は、円筒状であり、仮想的な中心軸が前後に延びる状態で、メインハウジング40に保持されている。
ロータ62は、前後に延びるモータ軸63を有している。ロータ62は、中心をモータ軸63が貫く円柱状であり、ステータ61の径方向内方に配置されている。
ロータ62は、モータ軸63の周りで回転する。
モータ軸63の前端部には、ピニオン部64が形成されている。
【0026】
ファン14は、モータ軸63と一体に固定される。
ファン14は、遠心ファンである。尚、ファン14として、軸流ファン等の他のものが用いられても良い。
ファン14の径方向外方には、メインハウジング40の下開口部の後部が配置されている。
【0027】
後軸受15は、ボールベアリングである。後軸受15は、モータ軸63を回転可能に支持する。後軸受15は、電動モータ12とコントローラ20の間に配置される。後軸受15の外輪は、メインハウジング40に保持される。
前軸受16は、ボールベアリングである。前軸受16は、モータ軸63を回転可能に支持する。前軸受16は、ファン14とピニオン部64の間に配置される。前軸受16は、ファン14の前側に配置される。前軸受16の外輪は、ギヤハウジング42の中開口部に保持される。
尚、後軸受15及び前軸受16の少なくとも一方は、他の形式のベアリングとされても良い。例えば、後軸受15は、ニードルベアリングとされても良い。他の各種の軸受の形式についても、同様に変更可能である。
【0028】
バッテリ装着部18は、本体部2の後端部に配置される。
バッテリ装着部18には、バッテリ8が装着される。バッテリ装着部18は、バッテリ8の端子と接続される本体部側端子を有している。本体部側端子は、メインハウジング40の後開口部内に配置されている。
バッテリ8は、バッテリ装着部18の後側に装着される。バッテリ8は、バッテリ装着部18の上側から下方へスライドすることにより装着される。尚、バッテリ8のスライド装着方向は、上側から下方への方向以外の方向であっても良い。又、バッテリ8は、スライド装着以外の態様で装着されても良い。
バッテリ8は、18V(ボルト)のリチウムイオンバッテリである。バッテリ8は、プラスチック製のバッテリケース内に、図示されないセルを8個内包するものである。セルは、軸方向に長い円柱状であり、バッテリ8の装着時に左右に延びている。バッテリ8は、電動モータ12を駆動するための電力を保持している。尚、バッテリ8として、10.8V、14.4V,25.2V,28V,36V等の任意のリチウムイオンバッテリが用いられても良い。又、バッテリ8として、10.8V未満あるいは36Vを超える電圧のリチウムイオンバッテリが用いられても良い。バッテリ8として、他の種類のバッテリが用いられても良い。複数のバッテリ8が用いられても良い。
【0029】
コントローラ20は、バッテリ装着部18の内部に保持される。
コントローラ20は、電動モータ12を制御する。コントローラ20には、電動モータ12が電気的に接続されている。電動モータ12には、本体部コネクタ24を介して、バッテリ装着部18の本体部側端子が電気的に接続されている。
又、コントローラ20には、速度調整スイッチ22、及び主電源スイッチ26が、それぞれ電気的に接続されている。
【0030】
速度調整スイッチ22は、ダイヤル形式のスイッチである。速度調整スイッチ22は、上下左右に広がるディスク部を有している。速度調整スイッチ22のディスク部は、前後に延びる仮想的な中心軸の周りで回転可能である。速度調整スイッチ22のディスク部の左部は、メインハウジング40の左面に形成された孔から露出している。ユーザは、ディスク部の左部を上又は下に送ることで、ディスク部を回転操作する。速度調整スイッチ22は、ディスク部の回転量に応じた信号を出力する。出力された信号は、コントローラ20に送られる。
尚、速度調整スイッチ22は、省略されても良い。
【0031】
本体部コネクタ24は、電動モータ12とバッテリ装着部18の本体部側端子とを結ぶリード線(図示略)に介装されている。
本体部コネクタ24は、再連結可能に分離することができる。電動モータ12が、故障等により交換を要する場合、本体部コネクタ24を分離することで容易に交換される。
尚、本体部コネクタ24は、省略されても良い。
【0032】
主電源スイッチ26は、タクトスイッチである。主電源スイッチ26は、メインハウジング40の前上部に保持されている。
主電源スイッチ26は、コントローラ20に対し、ユーザの押し操作を受ける毎に、オン信号又はオフ信号を交互に送る。
【0033】
動力伝達部28は、電動モータ12の動力を、スライダ30及び先端工具装着部32を介して、ブレード34に伝達する。スライダ30は、四角柱状である。スライダ30は、上下に延びる。先端工具装着部32は、スライダ30の下端部に保持される。スライダ30は、上下方向で往復動可能である。先端工具装着部32は、上下方向で往復動可能である。
動力伝達部28は、中間ギヤ65と、支持軸66と、スペーサ67と、複数(2つ)のニードルベアリング68と、ガイドローラ部69と、を有する。
【0034】
中間ギヤ65は、ギヤ部65Gと、第1カム部65Eと、第2カム部65Fと、を有する。中間ギヤ65は、前後に延びる円筒状である。中間ギヤ65は、モータ軸63の回転を減速し、スライダ30に伝える。
ギヤ部65Gは、中間ギヤ65の前部に配置されている。ギヤ部65Gの外曲面には、複数の歯が形成されている。ギヤ部65Gの外径は、中間ギヤ65後部の外径より大きくなっている。ギヤ部65Gは、ピニオン部64と噛み合っている。
第1カム部65Eは、中間ギヤ65の後部に配置されている。第1カム部65Eの外面は、中間ギヤ65の仮想的な前後方向の中心軸に対して偏心した円筒面である。
第2カム部65Fは、中間ギヤ65の中央部に配置されている。第2カム部65Fの外面は、中間ギヤ65の仮想的な前後方向の中心軸に対して偏心した円筒面である。
【0035】
支持軸66は、円柱状であり、前後に延びている。
支持軸66の後部は、ギヤハウジング42の上開口部に、円筒状のスペーサ67を介して固定されている。支持軸66は、ギヤハウジング42の後内面から前方へ突出している。
【0036】
各ニードルベアリング68は、支持軸66の中央部の周りに設けられる。2つのニードルベアリング68は、前後に並べられる。
各ニードルベアリング68は、中間ギヤ65を、その仮想的な中心軸の周りで回転可能に支持する。
各ニードルベアリング68及び支持軸66は、中間ギヤ65の径方向内方に配置されている。
【0037】
ガイドローラ部69は、軸体70と、ニードルベアリング72と、ガイドローラ74と、を有する。
軸体70は、円柱状である。軸体70は、前後に延びる。軸体70の後部は、ギヤ部65Gに固定されている。軸体70は、ギヤ部65Gにおける偏心位置に配置されている。軸体70は、ギヤ部65Gの前面から前方へ突出している。
ニードルベアリング72は、軸体70の前部に支持されている。
ガイドローラ74は、円筒状である。ガイドローラ74は、ニードルベアリング72により、仮想的な前後方向の中心軸の周りで回転可能に支持されている。ガイドローラ74は、ギヤ部65Gの前側に配置されている。
【0038】
スライダ30は、上下に延びており、上下動可能である。
スライダ30は、ローラガイド80と、軸体82と、スライダ本体84と、を有する。
ローラガイド80は、左右に延びており、左右に延びる溝部を有している。ローラガイド80の溝部には、ガイドローラ74が左右に移動可能に入っている。
軸体82は、円柱状であり、左右に延びている。
スライダ本体84は、上下に延びる円筒状である。スライダ本体84は、軸体82を介して、ローラガイド80に取り付けられている。ローラガイド80の下端部とスライダ本体84の上端部とに、軸体82が通されている。スライダ本体84は、軸体82の周りで、前後に揺動可能である。
【0039】
ダストシール31は、リング状であり、弾性を有する。ダストシール31は、ギヤハウジング42に保持されている。
ダストシール31の内孔の径方向内方には、スライダ本体84が通っている。
【0040】
先端工具装着部32は、スライダ本体84に保持されている。先端工具装着部32は、スライダ本体84の下端部に接続されている。
ブレード34は、上下に延びており、被加工材に作用する被加工材作用部を、長手方向の一辺に有している。被加工材作用部は、例えば被加工材を切断する鋸刃である。ブレード34は、被加工材作用部を前方に向けた状態で、上端部において先端工具装着部32に装着される。ブレード34は、レンチ等の工具を用いることなく、即ちツールレスで先端工具装着部32に装着される。
【0041】
オービタル運動部36は、プッシュプレート90と、ホルダ軸体91と、ローラホルダ92と、ローラ軸体94と、バックローラ96と、を有する。
プッシュプレート90は、上下左右に広がる板状である。プッシュプレート90は、上部に、第1カム孔を有している。第1カム孔の径方向内方には、第1カム部65Eが入っている。第1カム部65Eは、第1カム孔の内面を介して、プッシュプレート90を上下に移動させる。第1カム部65Eは、ガイドローラ部69とは逆位相で偏心している。
ホルダ軸体91は、左右に延びる円柱状である。
ローラホルダ92は、プッシュプレート90の下側に配置されている。ローラホルダ92は、上板部92Uと、複数(2枚)のアーム部92Aと、を有する。上板部92Uは、前後左右に広がっている。各アーム部92Aは、前後上下に広がっており、上板部92Uの左辺又は右辺から、前下方に延びている。各アーム部92Aの中央部間に、ホルダ軸体91が渡されている。ローラホルダ92は、ホルダ軸体91の周りで揺動可能である状態で、ギヤハウジング42に保持されている。
ローラ軸体94は、左右に延びる円柱状である。ローラ軸体94は、ローラホルダ92における、各アーム部92Aの下端部の間に渡されている。
バックローラ96は、左右に延びる円筒状である。バックローラ96は、ローラ軸体94に、回転可能に支持されている。バックローラ96は、ブレード34の後辺に対し、ブレード34の往復動を妨げない状態で接触可能である。
【0042】
オービタル切替部37は、軸部37Sと、つまみ部37Kと、を有する。
軸部37Sは、左右に延びる軸状である。軸部37Sの中央部の断面は、右側から左方へ見て半円状である。軸部37Sの中央部は、半円柱状である。軸部37Sは、オービタル運動部36のローラホルダ92の上板部92Uの上側に配置されており、プッシュプレート90の下端部の後側に配置されている。
つまみ部37Kは、軸部37Sの左端部に固定されている。つまみ部37Kは、軸部37Sの径方向外方に延びている。
ユーザは、つまみ部37Kの操作により、オービタル切替部37を、軸部37Sの仮想的な中心軸の周りで回転させることができる。つまみ部37Kは、メインハウジング40の外面に形成された“0”の印から“III”の印までの間において回転可能である。これらの印の間には、“0”の印側に1つの凹部が配置され、“III”の印側に3つの凹部が配置されている。尚、凹部及び印の一部又は全部は、省略されても良い。
【0043】
カウンタウェイト部38は、カウンタウェイト100と、軸体102と、を有する。
カウンタウェイト100は、上下左右に広がる板状である。カウンタウェイト100は、上下方向の中央部に配置されたカム孔と、その上方に配置された上孔と、を有する。カウンタウェイト100のカム孔には、中間ギヤ65の第2カム部65Fが入っている。第2カム部65Fは、ガイドローラ部69とは逆位相で偏心している。
軸体102は、前後に延びている。軸体102は、ギヤハウジング42に保持されている。軸体102は、ギヤハウジング42の前壁と後壁との間に渡されている。軸体102の中央部は、カウンタウェイト100の上孔に入っている。
【0044】
ガード39は、上下に延びている。ガード39の上端部は、ギヤハウジング42に保持されている。ガード39の下端部は、ベース部6の上面に隣接している。
ガード39の後方に、ブレード34が配置されている。
【0045】
図7は、ベース部6の後面、上面及び右面側の分解斜視図である。
図8は、ベース部6の後面、下面及び左面側の分解斜視図である。
ベース部6は、本体部2の下側に配置されており、本体部2に取り付けられている。
ベース部6は、ベース110と、ベースプレート112と、複数(4個)のネジ113と、ナット114と、ボルト116と、押さえ板117と、サポート板118と、六角棒スパナ120(英語名:hex key 又は hex wrench)と、を有する。
【0046】
ベース110は、アルミニウムダイキャスト合金製であり、前後左右に広がる板状である。
ベース110は、ベース本体130と、隆起部131と、複数(4つ)のネジ孔132と、定規装着部134と、左リブ部136Lと、右リブ部136Rと、窪み部138と、複数(3つ)の突起139と、を有する。
【0047】
ベース本体130は、板状である。ベース本体130の前部は、二股状である。ベース本体130の二股状部分の間において、ブレード34が通過可能である。
隆起部131は、ベース本体130の中央部に配置されている。隆起部131は、ベース本体130に対して、上方に隆起している。隆起部131の中央部には、クロス孔131Xが形成されている。クロス孔131Xは、“+”字状であり、前後及び左右にそれぞれ延びている。クロス孔131Xにおける左右に延びる部分は、前側から後方へ見て弧状である。
ネジ孔132は、ベース本体130の四隅の隣接部に、それぞれ配置されている。各ネジ孔132は、上下に延びている。
定規装着部134は、ベース本体130の二股状部分の各前端部に配置されている。定規装着部134は、複数(一対)の孔部134Hと、複数(一対)のネジ孔部134Sとを有している。各孔部134Hは、左右に延びており、図示されない1つの定規を挿入可能である。各ネジ孔部134Sは、上下に延びており、定規を押さえるための図示されないネジを、上側から下方へ、それぞれ挿入可能である。定規装着部134は、定規を装着可能である。定規は、例えばジグソー1の切断を被加工材の面と平行に案内する平行定規である。
【0048】
左リブ部136Lは、ベース本体130の後左部の下面から下方に突出しており、前後及び左右に延びている。
右リブ部136Rは、ベース本体130の後右部の下面から下方に突出しており、前後及び左右に延びている。
窪み部138は、ベース本体130の後端部上面側であって、左右方向における中央部に配置されている。窪み部138は、隣接するベース本体130に対して、下方に窪んでいる。窪み部138は、左右方向において、左リブ部136Lと右リブ部136Rの間に配置されている。窪み部138の後辺部は、隣接するベース本体130に対して、前方に窪んでいる。
各突起139は、窪み部138の下面から下方に突出している。各突起139は、左右に並んでいる。左右方向における中央の突起139は、他の突起139より後方に配置されている。
尚、左リブ部136L、右リブ部136R、窪み部138、及び各突起139の少なくとも何れかは、省略されても良い。左リブ部136L、右リブ部136R、窪み部138、及び各突起139の少なくとも何れかに係る、形状、大きさ、及び設置数の少なくとも何れかは、様々に変更されても良い。
【0049】
ベースプレート112は、金属製であり、鋼板製であって、板状である。ベースプレート112がベース部6の下面部に配置されることにより、被加工材との接触によるベース部6の摩耗が抑制される。
ベースプレート112は、ベースプレート本体140と、クロス孔142と、複数(4つ)のネジ孔144と、突出部146と、複数(3つ)の膨出部148と、を有する。
【0050】
ベースプレート本体140は、板状である。ベースプレート本体140の前部は、二股状である。ベースプレート本体140の二股状部分の間において、ブレード34が通過可能である。ベースプレート本体140は、下側から上方へ見た場合、ベース本体130と同様の形状及び大きさを有する。
ベース本体130及びベースプレート本体140により、ベース部6の本体であるベース部本体BMが構成される。
【0051】
クロス孔142は、ベースプレート本体140の中央部に配置されている。クロス孔142は、“+”字状であり、前後及び左右にそれぞれ延びている。クロス孔142の配置は、下側から上方へ見た場合、ベース110のクロス孔131Xの配置と同じである。
各ネジ孔144は、ベースプレート本体140の四隅の隣接部に、それぞれ配置されている。各ネジ孔144は、上下に延びている。各ネジ孔144の配置は、下側から上方へ見た場合、ベース110のネジ孔132の配置と同じである。
【0052】
突出部146は、ベースプレート本体140の後辺部の左右方向における中央部から、後方に突出している。突出部146は、自身の中央部において、突出部孔146Hを有している。突出部孔146Hは、貫通孔である。
突出部146の下面は、ベースプレート本体140の下面と連続している。突出部146の下面は、ベース部6の下面の一部となっている。
突出部146の先端、即ち突出部146の後端は、本体部2に対し前後移動可能なベース部6が最も後方に移動されていたとしても、装着されたバッテリ8の後端より前方に位置している。尚、一部の移動範囲のみにおいて、突出部146の後端がバッテリ8の後端より前方に配置されても良い。
又、突出部146の先端は、バッテリ8を装着した状態におけるジグソー1の全体の重心(点G1)よりも、前後方向において後方に配置されている。
【0053】
各膨出部148は、ベースプレート本体140の折り曲げにより、ベースプレート本体140に対して上方に膨出している。
1つの膨出部148は、前後に延びており、突出部146の左右方向における中央部後端から、突出部孔146H、及びクロス孔142の前後に延びる部分を経て、ベースプレート本体140の二股状部分の後端部に至る。この膨出部148により、突出部146の左右方向における断面は、後側から前方へ見て“Ω”字状となる。この膨出部148により、突出部146の剛性が向上する。
他の2つの膨出部148は、それぞれ前後に延びており、ベースプレート本体140の二股状部分におけるそれぞれの根元部分に配置されている。
各膨出部148の形成により、ベースプレート112の剛性が向上する。各膨出部148の少なくとも何れかは、省略されても良い。
【0054】
各ネジ113は、ベース110のネジ孔132及び対応するベースプレート112のネジ孔144の何れかに入れられている。各ネジ113は、ベース110とベースプレート112とを結合する。
ベース110にベースプレート112が取り付けられると、ベースプレート112の突出部146が、ベース110の後辺から後方に突出する。
【0055】
ナット114は、ギヤハウジング42の後下部に保持されている。ナット114は、本体部2の左右方向における中央に配置されている。
尚、ナット114は、本体部2の構成要素とされても良いし、独立した構成要素とされても良い。
【0056】
ボルト116は、頭部を下側として、上下に延びている。
押さえ板117は、板状である。押さえ板117の断面は、アーチ状である。押さえ板117の中央部には、ボルト孔が開けられている。押さえ板117は、省略されても良い。
ボルト116は、押さえ板117のボルト孔、及びベース110のクロス孔131Xを通過して、ナット114に入っている。
ベース部6は、ナット114に入るボルト116、及び押さえ板117により、ギヤハウジング42に対して固定されている。
【0057】
サポート板118は、金属製であり、板状である。
サポート板118は、サポート板本体150と、固定部152と、ガイド部154と、を有する。
サポート板本体150は、矩形状である。
固定部152は、折り曲げにより形成されており、サポート板本体150の前辺部から上方に突出している。固定部152は、左右に延びている。
ガイド部154は、サポート板本体150の前左部から前方へ延びている。
サポート板118は、ベース110とベースプレート112との間において挟まれている。固定部152は、ベース110後部における前後の突起139に挟まれている。
尚、サポート板118は、省略されても良い。
【0058】
六角棒スパナ120は、上側から下方へ見て“L”字状である。六角棒スパナ120の横断面は、六角形である。六角棒スパナ120は、レンチの一種である。尚、六角棒スパナ120は、“L”字状でなくても良い。又、六角棒スパナ120に代えて、星形あるいは四角形といった六角形以外の横断面を有するスパナが用いられても良い。六角棒スパナ120は、省略されても良い。
ボルト116の頭部には、六角棒スパナ120に適合する穴が形成されている。
六角棒スパナ120は、窪み部138の下側に対し、取り出し自在に収納可能である。突出部146の前側であって、窪み部138とベース本体130の後部との間は、六角棒スパナ120を収納する部分である六角棒スパナ収納部である。突出部146は、六角棒スパナ収納部に隣接している。収納された六角棒スパナ120の前後に延びる部分は、サポート板118のガイド部154に案内される。収納された六角棒スパナ120の左右に延びる部分は、窪み部138の後側で上方に露出する。
尚、六角棒スパナ120は、突出部146の上側で収納されても良いし、ベース部6、本体部2、又はハンドル部4における他の部分に収納されても良い。又、六角棒スパナ収納部は、六角棒スパナ以外のレンチを収納しても良い。即ち、六角棒スパナ収納部は、レンチ収納部の一種である。
【0059】
このようなジグソー1の動作例が説明される。
ユーザは、必要に応じ、本体部2及びハンドル部4のベース部6に対する姿勢(本体部2及びハンドル部4の左又は右への傾斜角度)、及び本体部2及びハンドル部4のベース部6に対する前後方向における相対位置の少なくとも一方を変更する。
本体部2及びハンドル部4のベース部6に対する姿勢の変更に際し、ユーザは、六角棒スパナ120を、クロス孔142を通過させてボルト116の頭部に合わせ、ボルト116を緩める。すると、ベース部6の、押さえ板117を介した固定が解除され、ボルト116が、クロス孔131Xに沿って移動可能となる。ユーザは、ボルト116をクロス孔131Xの左右に延びる部分に沿って移動させることにより、本体部2及びハンドル部4のベース部6に対する姿勢を変更することができ、換言すれば本体部2及びハンドル部4のベース部6に対する傾斜角度を変更することができる。ユーザは、所望の姿勢においてボルト116を締めて、姿勢の変更を完了する。
又、本体部2及びハンドル部4のベース部6に対する前後方向における相対位置の変更に際し、ユーザは、六角棒スパナ120でボルト116を緩め、ボルト116をクロス孔131Xの前後に延びる部分に沿って移動させて、所望の位置においてボルト116を締める。
ボルト116がクロス孔131Xにおける前後に延びる部分と左右に延びる部分との交差部分に位置している場合、本体部2及びハンドル部4はベース部6に対して基本位置となる。
図1から
図6までには、本体部2及びハンドル部4を基本位置としたジグソー1が示されている。本体部2及びハンドル部4が基本位置となっている場合における、バッテリ8を装着した状態でのジグソー1の全体の重心は、
図5の点G1の位置となる。点G1は、左右方向において、本体部2における中央部に位置している。又、本体部2及びハンドル部4が基本位置となっている場合における、バッテリ8を取り外した状態でのジグソー1の全体の重心は、
図5の点G2の位置となる。点G2は、左右方向において、本体部2における中央部に位置している。
【0060】
ユーザは、バッテリ装着部18に、充電されたバッテリ8を装着する。
更に、ユーザは、主電源スイッチ26を操作して、ジグソー1の主電源を投入する。
又、ユーザは、先端工具装着部32にブレード34を装着する。ブレード34は、先端工具装着部32に対して、上端部を通していき、最後に僅かに押し込むだけで装着される。
【0061】
ユーザがハンドル部4を握ってトリガ58を操作すると、メインスイッチ56がオンとなる。すると、コントローラ20は、モータ軸63が制御された速度で回転するように、バッテリ8の電力を、電動モータ12へ制御のうえで供給する。モータ軸63の速度の制御は、速度調整スイッチ22の回転位置に応じ、又トリガ58の操作量により変化するメインスイッチ56の信号の状態に応じる。これにより、電動モータ12は、速度調整スイッチ22の回転位置、及びトリガ58の操作量に応じた速度で駆動される。尚、モータ軸63の回転方向は、切り替え可能とされても良い。
【0062】
モータ軸63の回転により、ファン14が回転して、本体部2内において、空気の流れ(即ち風)が、吸気口44からファン14の径方向外方にかけて、即ち
図5において矢印Wで示される状態で形成される。
かような風によって、電動モータ12及びコントローラ20を含むジグソー1の内部機構が冷却される。
【0063】
更に、モータ軸63の回転力は、中間ギヤ65での減速を経て、スライダ30、先端工具装着部32及びブレード34に、往復動に変換されて伝達される。中間ギヤ65の偏心位置に配置されたガイドローラ部69のガイドローラ74は、スライダ30のローラガイド80内で左右に移動することで、ローラガイド80に対し、上下方向の移動のみ伝える。
スライダ30、先端工具装着部32及びブレード34の往復動に起因する振動は、カウンタウェイト100により抑制される。カウンタウェイト100は、ガイドローラ部69と逆位相で偏心した第2カム部65Fにより、スライダ30、先端工具装着部32及びブレード34と逆位相で上下動する。
【0064】
そして、ユーザは、被加工材の被加工部に、往復動しているブレード34の被加工材作用部を当て、ブレード34を、被加工材に対して、相対的に移動させる。すると、被加工材の被加工部は、ブレード34により切断される。
【0065】
又、ユーザは、必要に応じ、ブレード34に接触するバックローラ96の、前後方向での揺動に基づく、ブレード34のオービタル運動の態様を、つまみ部37Kの操作により切り替える。
オービタル切替部37のつまみ部37Kが“0”の印の位置とされている場合、軸部37Sの半円柱状部が、曲面を下方とする回転位置となっており、ローラホルダ92の上板部92Uに接触する。この場合、第1カム部65Eにより上下動するプッシュプレート90の、上下方向での位置にかかわらず、バックローラ96が同じ位置となって揺動せず、ブレード34はオービタル運動しない。
オービタル切替部37のつまみ部37Kが“0”の印から離れた位置とされている場合、軸部37Sの半円柱状部が、ローラホルダ92の上板部92Uから離れる。よって、上下動するプッシュプレート90が、上板部92Uを介してローラホルダ92及びバックローラ96を揺動させ、バックローラ96は、ブレード34に前後方向の力の作用を与える。ブレード34は、上下動に前後方向の揺動作用が加わることにより、右側から左方へ見て仮想的な楕円を辿るようにオービタル運動する。つまみ部37Kが“0”の印から離れるに従い、軸部37Sの半円柱状部は上板部92Uから徐々に離れる。よって、つまみ部37Kの回転位置に応じて、ローラホルダ92及びバックローラ96の揺動の大きさが変化する。例えば、つまみ部37Kが“III”の印の回転位置まで回転すると、ローラホルダ92及びバックローラ96の揺動の大きさが最大となる。従って、つまみ部37Kの回転位置に応じて、オービタル運動の態様が変化する。オービタル量は、つまみ部37Kが上述の3つの凹部又は印の位置に従うように切り替えることで、3種類の大きさに切り替えることができる。
【0066】
更に、ユーザは、必要に応じ、トリガ58を上方に押した状態で、ロックオンスイッチ52をオンとする。この場合、コントローラ20は、モータ軸63の回転を、メインスイッチ56の状態にかかわらず維持する。よって、ユーザは、ロックオンスイッチ52の操作により、トリガ58を上方へ操作し続けることなく、ブレード34の上下動を継続させることができる。
ロックオンスイッチ52がオンからオフに切り替えられると、モータ軸63の回転の維持は解除される。
【0067】
ユーザは、加工完了時、トリガ58の上方スライド操作を停止して、電動モータ12をオフにさせる。このとき、ブレード34は停止する。ユーザは、適宜、主電源スイッチ26をオフにし、バッテリ8、ブレード34を外す。
【0068】
以下、ジグソー1の過誤による落下が考察される。
一般に、ジグソー1は、ベース部6を下側として置かれる。よって、ジグソー1の落下は、多くはベース部6を下側とする姿勢で行われる。
又、ジグソー1の落下は、上述されたジグソー1の重心位置(点G1,G2)により、多くの場合、後方に傾いた姿勢で行われる。特に、比較的に重い部材であるバッテリ8が装着されている場合、ジグソー1の重心位置(点G1)はジグソー1の後部に配置される。よって、この場合、ジグソー1の落下は、後方に傾いた姿勢で行われる可能性がより高い。
従って、ジグソー1の落下では、多くの場合、ベース部6の後部が最初に床又は地面に接触する。床又は地面は、適宜、床等と称される。
【0069】
仮にベース部6において突出部146がない場合、ジグソー1の落下に際し、まずベース部6の後部が全体的に床等に接触する。この場合、床等への衝突により発生した衝撃は、そのまま、ベース部6の取付部であるギヤハウジング42に直接的に伝達する。
よって、この場合、ギヤハウジング42の変形が発生する可能性が存在する。
【0070】
これに対し、ジグソー1は、ベース部6において突出部146を備えている。よって、ジグソー1では、ジグソー1の落下に際し、まずベース部6の後端部に配置された突出部146が床等に接触する可能性が高い。
突出部146が床等に接触した場合、突出部146が受けた衝撃は、ギヤハウジング42に間接的に伝達する。例えば、突出部146の剛性は、突出部146がベースプレート本体140から後方に突出していたり、突出部146における左右方向の大きさである幅がベースプレート本体140の幅より小さかったり、突出部146の厚みが突出部146以外のベース部6後部の厚みより薄かったりすることにより、ベースプレート本体140の剛性より弱くなる。よって、激しい落下では、突出部146が、最初に変形を生じる。突出部146が変形を生じた場合、その分、突出部146から離れた部分へ伝達する衝撃が軽減される。よって、ギヤハウジング42に伝わる衝撃は、突出部146により抑制される。突出部146は、剛性弱部である。剛性弱部は、隣接する部分に対して剛性が弱い部分である。
ギヤハウジング42の交換コストは、ベースプレート112の交換コストより大きくなる。なぜなら、ギヤハウジング42が、各種の部材を保持して、より複雑な形状となっているのに対し、ベースプレート112は、板状であり、ベース110に対し単にネジ止めされているからである。又、ギヤハウジング42の損傷を抑制するため、ギヤハウジング42に自身の剛性を強化する補強構造を具備させることが考えられる。しかし、この場合、補強構造のためのコストが上昇する。これに対し、ジグソー1では、突出部146によりギヤハウジング42の損傷が抑制される。従って、ジグソー1では、ジグソー1の落下により生じ得る損失が抑制される。
【0071】
又、突出部146は、突出部孔146Hを備えている。よって、突出部146の剛性は、突出部孔146Hを備えていない場合に比べて弱くなり、落下の衝撃抑制について考慮された、良好なものとなる。又、突出部孔146Hにフックを通すことにより、ジグソー1を吊すことができる。
突出部146の剛性、換言すれば突出部146の強度は、弱すぎても不便である。なぜなら、突出部146が僅かな衝撃で変形する場合、ベースプレート112の頻繁な交換が必要となるからである。ジグソー1では、ベースプレート112が、突出部146及びベースプレート本体140にわたる膨出部148を有している。これにより、突出部146の断面が“Ω”字状となる。よって、突出部146の剛性が上昇するように調節される。又、膨出部148により、突出部146の断面が“Ω”字状とされれば、突出部146が更に弾性を呈するようになり、衝撃の一部又は全部を吸収する。従って、突出部146は、かような衝撃吸収効果によって、ギヤハウジング42への衝撃の伝達を抑制する。
【0072】
更に、突出部146の下面は、ベースプレート本体140の下面と連続している。よって、突出部146の設置により、ジグソー1の加工作業に係る安定性の向上が、併せて図られる。
又、突出部146の先端は、装着されたバッテリ8の後端より前方に位置している。又更に、突出部146の先端は、バッテリ8を装着した状態におけるジグソー1の全体の重心(点G1)よりも、前後方向において後方に配置されている。よって、ジグソー1の落下時に、まず突出部146から衝突する可能性がより高くなる。従って、ジグソー1の本体部2の損傷が、より抑制される。
【0073】
更に、突出部146の後側に、ベース110の窪み部138が配置されている。窪み部138の厚みは、ベース110の隣接する部分の厚みより薄い。よって、窪み部138は、剛性弱部となる。従って、落下時の衝撃は、窪み部138により軽減され、ギヤハウジング42の損傷が抑制される。
【0074】
尚、第1形態及びその変更例は、上記のものに限定されず、例えば更に次のような変更を適宜施すことができる。
突出部146は、その先端部である後端部の厚みがベース部本体BMの厚みより薄ければ、剛性の弱さによるギヤハウジング42への衝撃伝達抑制効果を奏する。よって、突出部146の厚みは、先端部においてベース部本体BMの厚みより薄く、ベース部本体BMの隣接部においてベース部本体BMの厚み以上であっても良い。又、突出部146は、後方に延びた後で左方及び右方の少なくとも一方に延びる形状とされても良く、この場合、左部先端部の厚み及び右部先端部の厚みの少なくとも一方がベース部本体BMの厚みより薄ければ、剛性の弱さによるギヤハウジング42への衝撃伝達抑制効果が発揮される。
突出部146の幅は、ベースプレート本体140の幅と同様であっても良い。突出部146は、ベースプレート112に代えて、あるいはベースプレート112と共に、ベース110等、ベース部6におけるベースプレート112以外の部材に形成されても良い。突出部146が別個独立した部材として別体に形成され、ベース部本体BMに連結されても良い。
ベース部6は、突出部146が形成されたベース110のみから形成されていても良いし、ベース110とカバープレートとから形成されていても良いし、ベース110とベースプレート112とカバープレートとから形成されていても良いし、4つ以上の部材から形成されていても良い。
ベース部6の本体部2に対する姿勢の変更機能、ベース部6の本体部2に対する前後位置の変更機能、オービタル運動機能、ロックオン機能、定規装着機能、及び、トリガ58とは別に設けられた主電源機能のうちの少なくとも何れかは、省略されても良いし、他の態様とされても良い。
【0075】
ジグソー1におけるモータ軸63からブレード34への減速機構は、ピニオン部64及び中間ギヤ65以外の減速機構に代えられても良い。ジグソー1におけるモータ軸63からブレード34への回転駆動力を往復動に変換する往復動変換機構は、ガイドローラ部69及びローラガイド80によるもの以外に変えられても良い。
ジグソー1は、バッテリ装着部18に代えて、電源コードを有することで、商用電源に係る交流駆動とされても良い。各種のケース及びハウジングの少なくとも何れかの材質が、樹脂、金属、及びこれらの複合体等に変更されても良い。ハウジング10の区分が、上述のものから変えられても良い。その他、各種部材、部分の個数、設置の有無、材質、配置、構造、及び形式の少なくとも何れか等は、適宜変更されても良い。
更に、上記形態又はその変更例は、ブレード34以外の先端工具を装着するジグソーに適用されても良い。
【0076】
続いて、本開示の実施例の第2形態が説明される。
図9Aは、第2形態に係るジグソーにおけるベース210の左側面図である。
図9Bは、ベース210における、下面、右面、及び
図9AのB-B線での断面側の斜視図である。
第2形態は、ベース210を除いて第1形態と同様に成る。第2形態における、第1形態と同様に成る部材及び部分につき、適宜、第1形態と同じ符号が付されて、説明が省略される。
【0077】
ベース210は、左リブ部236L及び右リブ部236Rを除き、第1形態のベース110と同様に成る。
左リブ部236Lにおける前後に延びる部分の中央部には、隣接する部分に対して上方に凹む凹み部Dが、それぞれ形成されている。よって、ベース210の後部には、隣接する部分の厚みより薄い厚みを有する薄肉部Tが、複数の凹み部Dにより形成されている。薄肉部Tの剛性は、比較的に薄い厚みにより、ベース210における薄肉部T以外の部分の剛性より小さくなっている。薄肉部Tは、ベース210の後部に配置されている。薄肉部Tは、剛性弱部である。
薄肉部Tが設けられるベース210の後部は、例えば、本体部2との取付位置であるボルト116より後方の部分であっても良いし、押さえ板117の後端よりも後方の部分であっても良いし、ベース110の隆起部131の後面よりも後方の部分であっても良いし、点G1又は点G2(各種の重心)より後方であっても良い。
【0078】
第2形態のジグソーにおけるベース210は、剛性弱部としての薄肉部Tを有している。よって、第2形態のジグソーが落下した場合、衝撃は薄肉部Tを介して間接的にギヤハウジング42に伝わる。例えば、落下時にベース210の後部が最初に床等に接触した場合、ベース210に変形が生じる。
ギヤハウジング42の交換コストは、ベース210の交換コストより大きくなる。なぜなら、ギヤハウジング42が各種の部材を保持するのに対し、ベース210は本体部2に対し単にボルト116で止められているからである。従って、第2形態のジグソーでは、落下により生じ得る損失が抑制される。
【0079】
尚、第2形態は、第1形態と同様の変更例を、適宜有する。
又、第2形態のベース210に対し、突出部146が無いベースプレート112が組み合わせられても良い。この場合においても、薄肉部Tの剛性が比較的に弱いことに変わりが無いから、ギヤハウジング42への衝撃伝達の抑制効果は発揮される。
更に、薄肉部Tは、1つの凹み部Dから成っても良いし、より多数の凹み部Dから成っても良い。凹み部Dは、左リブ部236L及び右リブ部236Rと共に、あるいは左リブ部236L及び右リブ部236Rに代えて、他の部分に形成されても良い。
又、薄肉化と共に、あるいは薄肉化以外により、剛性弱部の形成が行われても良い。例えば、中空部が形成されても良いし、より剛性の弱い材料から成る部材が接合されても良いし、これらの少なくとも何れかが組み合わせられても良い。第1形態の突出部146の形成と、中空部の形成及び弱剛性部材の接合の少なくとも何れかが組み合わせられても良い。
1・・ジグソー、2・・本体部、6・・ベース部、8・・バッテリ、18・・バッテリ装着部、30・・スライダ、110・・ベース(本体部に取り付けられる部材)、112・・ベースプレート(本体部に取り付けられる部材とは異なる部材)、116・・ボルト(ベース部の本体部に対する取付位置)、120・・六角棒スパナ(レンチ)、130・・ベース本体、138・・窪み部(六角棒スパナ収納部,レンチ収納部,剛性弱部)、140・・ベースプレート本体、146・・突出部(剛性弱部)、146H・・突出部孔、148・・膨出部、BM・・ベース部本体、G1・・点(バッテリを装着した状態における全体の重心)、T・・薄肉部(剛性弱部)。