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特開2025-4035並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサと無線通信デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004035
(43)【公開日】2025-01-14
(54)【発明の名称】並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサと無線通信デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/01 20060101AFI20250106BHJP
   H03H 9/54 20060101ALI20250106BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20250106BHJP
   H03H 9/70 20060101ALI20250106BHJP
   H03H 9/72 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
H03H7/01 A
H03H9/54 Z
H03H9/64 Z
H03H9/70
H03H9/72
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024165744
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2019131269の分割
【原出願日】2019-07-16
(31)【優先権主張番号】62/700,148
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/700,142
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/700,146
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】タ、 ハイ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】パン、 ボー
(72)【発明者】
【氏名】スン、 ウェイミン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】並列ハイブリッド弾性受動フィルタ、マルチプレクサ、無線通信デバイス及び方法を提供する。
【解決手段】並列ハイブリッド弾性受動フィルタ130は、第1サブフィルタ132及び第2サブフィルタ134を含む。第1サブフィルタ132は、第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含む帯域通過フィルタであり、第2サブフィルタ134は、第2弾性共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含む帯域通過フィルタである。第1サブフィルタ132及び第2サブフィルタ134は、無線周波数信号をフィルタリングするべく一緒に配列される。並列ハイブリッド弾性フィルタ130は、例えば、帯域通過フィルタ135又は帯域阻止フィルタとしてよい。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタであって、
第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含む第1サブフィルタと、
前記第1サブフィルタに並列結合された第2サブフィルタと
を含み、
前記第2サブフィルタは、第2弾性共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含み、
前記第1サブフィルタ及び前記第2サブフィルタは、無線周波数信号をフィルタリングす
るべく一緒に配列される、並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項2】
前記第1サブフィルタ及び前記第2サブフィルタは、通過帯域を有する帯域通過フィルタ
として一緒に配列される、請求項1の並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項3】
前記並列ハイブリッド弾性受動フィルタの周波数応答は、
前記第1サブフィルタに対応する第1サブ通過帯域と、
前記第2サブフィルタに対応する第2サブ通過帯域と、
前記第1サブ通過帯域と前記第2サブ通過帯域との間のノッチ周波数におけるノッチと
を含む、請求項1の並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項4】
前記第1サブフィルタ及び前記第2サブフィルタは、阻止帯域を有する帯域阻止フィルタ
として一緒に配列される、請求項1の並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項5】
前記帯域阻止フィルタは、前記阻止帯域にノッチを有する、請求項4の並列ハイブリッド
弾性受動フィルタ。
【請求項6】
前記第1サブフィルタは、前記弾性共振器を含むバルク弾性波共振器を含む、請求項1の
並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項7】
前記第1非弾性受動コンポーネントは、第1インダクタ及び第2インダクタを含み、
前記第1インダクタは前記弾性共振器に並列され、前記弾性共振器は、前記第2インダク
タに直列されたシャント共振器として配列される、請求項1の並列ハイブリッド弾性受動
フィルタ。
【請求項8】
前記第1サブフィルタはさらに付加弾性共振器を含み、
前記第1弾性共振器及び前記付加弾性共振器はシャント共振器であり、
前記第1非弾性受動コンポーネントは、前記第1弾性共振器と前記付加弾性共振器との間
に結合されたLCタンクとして配列されるキャパシタ及びインダクタを含む、請求項1の
並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項9】
前記第2非弾性受動コンポーネントは統合受動デバイスを含む、請求項1の並列ハイブリ
ッド弾性受動フィルタ。
【請求項10】
前記第1サブフィルタ及び前記第2サブフィルタは、異なる通過帯域を有する、請求項1
の並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項11】
前記並列ハイブリッド弾性受動フィルタの通過帯域の下限は、少なくとも2ギガヘルツで
ある、請求項1の並列ハイブリッド弾性受動フィルタ。
【請求項12】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサであって、
共通ノードに結合されて無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された第1フィル
タと、
前記共通ノードに結合された第2フィルタと
を含み、
前記第1フィルタは、第2サブフィルタに並列された第1サブフィルタを含み、
前記第1サブフィルタは、第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含み、
前記第2サブフィルタは、第2弾性共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含む、マ
ルチプレクサ。
【請求項13】
前記第1フィルタは帯域通過フィルタである、請求項12のマルチプレクサ。
【請求項14】
前記第1フィルタの周波数応答は、
前記第1サブフィルタに対応する第1サブ通過帯域と、
前記第2サブフィルタに対応する第2サブ通過帯域と、
前記第1サブ通過帯域と前記第2サブ通過帯域との間のノッチ周波数におけるノッチと
を含む、請求項13のマルチプレクサ。
【請求項15】
前記第2フィルタは帯域阻止フィルタである、請求項13のマルチプレクサ。
【請求項16】
前記第1フィルタは、阻止帯域と前記阻止帯域におけるノッチとを有する帯域阻止フィル
タである、請求項12のマルチプレクサ。
【請求項17】
前記第2フィルタは、他の弾性共振器及び他の非弾性受動コンポーネントを含む、請求項
12のマルチプレクサ。
【請求項18】
前記第1フィルタは第1通過帯域を有し、
前記第2フィルタは第2通過帯域を有し、
前記第1通過帯域は、前記第2通過帯域の上側エッジよりも高い周波数に存在する下側エ
ッジを有する、請求項12のマルチプレクサ。
【請求項19】
前記共通ノードに結合された第3フィルタをさらに含む、請求項12のマルチプレクサ。
【請求項20】
前記第1フィルタと前記共通ノードとの間に直列された共有フィルタをさらに含み、
前記共有フィルタはまた、前記第2フィルタと前記共通ノードとの間に直列される、請求
項12のマルチプレクサ。
【請求項21】
前記共有フィルタは高域通過フィルタである、請求項20のマルチプレクサ。
【請求項22】
無線通信デバイスであって、
無線周波数信号をフィルタリングするべく構成されたフィルタを含む無線周波数フロント
エンドと、
前記無線周波数フロントエンドと通信するアンテナと
を含み、
前記フィルタは、第2サブフィルタに並列された第1サブフィルタを含み、
前記第1サブフィルタは、第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含み、
前記第2サブフィルタは、第2弾性共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含む、マ
ルチプレクサ。
【請求項23】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサであって、
それぞれの無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された複数のフィルタと、
前記複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有フィルタと、
前記共通ノードに結合された無線周波数フィルタと
を含み、
前記複数のフィルタの各フィルタは異なる通過帯域を有し、
前記複数のフィルタの少なくとも第1のフィルタは、複数の弾性共振器及び一の非弾性受
動コンポーネントを含む、マルチプレクサ。
【請求項24】
前記複数のフィルタは、前記第1のフィルタ、第2のフィルタ及び第3のフィルタを含む
、請求項23のマルチプレクサ。
【請求項25】
前記第1のフィルタは第1通過帯域を有する第1帯域通過フィルタであり、
前記第2のフィルタは第2通過帯域を有する第2帯域通過フィルタである、請求項24の
マルチプレクサ。
【請求項26】
前記第3のフィルタは、前記第1通過帯域及び前記第2通過帯域を含む阻止帯域を有する
帯域阻止フィルタである、請求項25のマルチプレクサ。
【請求項27】
前記共有フィルタは高域通過フィルタである、請求項23のマルチプレクサ。
【請求項28】
前記無線周波数フィルタは低域通過フィルタである、請求項27のマルチプレクサ。
【請求項29】
前記共有フィルタは非弾性LCフィルタである、請求項23のマルチプレクサ。
【請求項30】
前記共有フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一のLCコンポーネントを含む、請求項
23のマルチプレクサ。
【請求項31】
前記非弾性受動コンポーネントは、前記弾性共振器の第1弾性共振器に並列に配列された
インダクタを含む、請求項23のマルチプレクサ。
【請求項32】
前記弾性共振器は一の弾性共振器ダイの上に実装され、
前記非弾性受動コンポーネントは、
前記弾性共振器ダイの外部にあるインダクタと、
前記弾性共振器ダイの外部にあるキャパシタと
を含む、請求項23のマルチプレクサ。
【請求項33】
前記複数のフィルタの第2のフィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動
コンポーネントを含む、請求項23のマルチプレクサ。
【請求項34】
前記第1のフィルタは第1通過帯域を有し、
前記第2のフィルタは第2通過帯域を有し、
前記第1通過帯域及び前記第2通過帯域は双方とも、2ギガヘルツから5ギガヘルツの周
波数範囲内に存在する、請求項33のマルチプレクサ。
【請求項35】
前記第1のフィルタは第1通過帯域を有し、
前記第2のフィルタは第2通過帯域を有し、
前記第1通過帯域及び前記第2通過帯域は双方とも、2ギガヘルツから3ギガヘルツの周
波数範囲内に存在する、請求項33のマルチプレクサ。
【請求項36】
前記マルチプレクサはクアッドプレクサとして配列される、請求項23のマルチプレクサ
【請求項37】
無線通信デバイスであって、
アンテナと、
前記アンテナと通信するマルチプレクサと
を含み、
前記マルチプレクサは、
それぞれの無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された複数のフィルタと、
前記複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有フィルタと、
前記共通ノードに結合された無線周波数フィルタと
を含み、
前記複数のフィルタは、複数の弾性共振器及び一の非弾性受動コンポーネントを含む第1
フィルタを含む、無線通信デバイス。
【請求項38】
前記複数のフィルタの第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動コ
ンポーネントを含む、請求項37の無線通信デバイス。
【請求項39】
前記無線通信デバイスは、前記共通ノードにおいてキャリアアグリゲーションをサポート
するべく構成され、
前記キャリアアグリゲーションは、第1キャリア及び第2キャリアを含み、
前記第1キャリアは、前記第1フィルタの第1通過帯域内に存在し、
前記第2キャリアは、前記第1通過帯域と前記第2フィルタの第2通過帯域との外側に存
在する、請求項38の無線通信デバイス。
【請求項40】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサであって、
異なる無線周波数通過帯域を有する第1フィルタ及び第2フィルタを含む複数のフィルタ
と、
前記複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有高域通過フィルタと

前記共通ノードに結合された低域通過フィルタと
を含み、
前記第1フィルタは、複数の第1弾性共振器及び一の第1LC回路を含み、
前記第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2LC回路を含む、マルチプレク
サ。
【請求項41】
前記複数のフィルタはさらに、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタの通過帯域を含む
阻止帯域を有する帯域阻止フィルタを含む、請求項40のマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態はハイブリッド弾性LCフィルタに関する。
【0002】
優先権出願の相互参照
本願とともに提出された出願データシートにおいて外国又は国内の優先権主張が特定さ
れる任意の及びすべての出願が、米国特許規則セクション1.57により、ここに参照と
して組み入れられる。本願は、2018年7月18日に出願された「LCフィルタにカス
ケード接続されたハイブリッド弾性LCフィルタ」との名称の米国仮特許出願第62/7
00,142号、2018年7月18日に出願された「並列ハイブリッド弾性受動フィル
タ」との名称の米国仮特許出願第62/700,148号、及び2018年7月18日に
出願された「高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタ」との名称の米国仮特許
出願第62/700,146号の、米国特許法セクション119(e)による優先権の利
益を主張する。これらの優先権出願のそれぞれの開示はその全体が、ここに参照により組
み入れられる。
【背景技術】
【0003】
弾性波フィルタは、無線周波数信号をフィルタリングするべく配列された複数の共振器
を含み得る。弾性共振器は、無線周波数信号をフィルタリングするラダーフィルタとして
配列することができる。複数例の弾性波フィルタには、弾性表面波(SAW)フィルタ及
びバルク弾性波(BAW)フィルタが含まれる。弾性波フィルタは、無線周波数電子シス
テムに実装することができる。例えば、携帯電話機の無線周波数フロントエンドにおける
フィルタは、弾性波フィルタを含み得る。
【0004】
LCフィルタが、少なくともインダクタ及びキャパシタを含む。LCフィルタは、受動
コンポーネントを含む非弾性フィルタである。LCフィルタは、無線周波数信号をフィル
タリングすることができる。
【0005】
相対的に高い周波数の無線周波数信号をフィルタリングして厳格なフィルタリング仕様
を満たすことは困難となり得る。したがって、相対的に高い周波数の信号をフィルタリン
グして性能仕様を満たすべく、改善されたフィルタが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
特許請求の範囲に記載のイノベーションはそれぞれが、いくつかの側面を有し、その単
独の一つのみが、その所望の属性に対して関与するわけではない。特許請求の範囲を制限
することなく、本開示のいくつかの卓越した特徴の概要が以下に記載される。
【0007】
本開示の一つの側面は、無線周波数のフィルタリングのためのカスケード接続されたフ
ィルタである。カスケード接続されたフィルタは、ハイブリッド弾性LCフィルタと、当
該ハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続された非弾性LCフィルタとを含む。
ハイブリッド弾性LCフィルタは、無線周波数信号をフィルタリングするべく構成される
。ハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振器ダイ上の第1弾性共振器と、第2弾性共
振器と、当該弾性共振器ダイの外部にあるキャパシタと、当該弾性共振器ダイの外部にあ
るインダクタとを含む。非弾性LCフィルタはLC回路を含む。
【0008】
ハイブリッド弾性LCフィルタはさらに、第2弾性共振器に並列された第2インダクタ
を含み得る。ここで、第2弾性共振器は、インダクタに直列されたシャント共振器として
配列される。
【0009】
第1弾性共振器及び第2弾性共振器はシャント共振器としてよい。キャパシタ及びイン
ダクタは、第1弾性共振器と第2弾性共振器との間に結合されたLCタンクとして配列す
ることができる。
【0010】
第1弾性共振器は、LC回路とインダクタ及びキャパシタ双方との間の信号経路におけ
るノードに結合することができる。
【0011】
第1弾性共振器及び第2弾性共振器はバルク弾性波共振器としてよい。例えば、第1弾
性共振器及び第2弾性共振器は薄膜バルク弾性波共振器としてよい。
【0012】
非弾性LCフィルタのLC回路は、統合受動デバイスダイ上に統合受動デバイスを含み
得る。ハイブリッド弾性LCフィルタのインダクタは、表面実装インダクタとしてよい。
ハイブリッド弾性LCフィルタのインダクタは、基板の導電性トレースを含み得る。統合
受動デバイスは、LCシャント回路及び直列LC共振回路を含み得る。
【0013】
非弾性LCフィルタのLC回路は、直列LC共振回路及びLCシャント回路を含み得る
。直列LC共振回路は、並列LC回路を含み得る。LCシャント回路は直列LC回路を含
み得る。非弾性LCフィルタのLC回路はさらに、第2シャント直列LC回路を含み得る
【0014】
カスケード接続フィルタの通過帯域は、非弾性LCフィルタによって設定することがで
きる。第1弾性共振器は、通過帯域外の周波数帯域における阻止性を与えるべく配列する
ことができる。通過帯域の下限は、少なくとも3ギガヘルツとしてよい。通過帯域は、少
なくとも3.3ギガヘルツから4.2ギガヘルツまでに及び得る。
【0015】
本開示の他側面は、共通ノードに結合された第1フィルタと、当該共通ノードに結合さ
れた第2フィルタとを含むマルチプレクサである。第1フィルタは、無線周波数信号をフ
ィルタリングするべく構成される。第1フィルタは、ハイブリッド弾性LCフィルタと、
当該ハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続された非弾性LCフィルタとを含む
。ハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振器ダイ上の第1弾性共振器と、第2弾性共
振器と、当該弾性共振器ダイの外部にあるキャパシタと、当該弾性共振器ダイの外部にあ
るインダクタとを含む。
【0016】
マルチプレクサはさらに、共通ノードに結合された第3フィルタを含み得る。第2フィ
ルタは、第2ハイブリッド弾性LCフィルタを含み得る。第2フィルタは、第2非弾性L
Cフィルタを含み得る。
【0017】
本開示の他側面は、アンテナと、当該アンテナと通信する無線周波数フロントエンドと
を含む無線通信デバイスである。無線周波数フロントエンドは、アンテナを介した送信を
目的として無線周波数信号をフィルタリングするべく構成されたフィルタを含む。フィル
タは、ハイブリッド弾性LCフィルタと、当該ハイブリッド弾性LCフィルタにカスケー
ド接続された非弾性LCフィルタとを含む。ハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振
器ダイ上の弾性共振器と、当該弾性共振器ダイの外部にあるキャパシタと、当該弾性共振
器ダイの外部にあるインダクタとを含む。
【0018】
無線通信デバイスは携帯電話機としてよい。
【0019】
本開示の他側面は、無線周波数フィルタリングのためのカスケード接続フィルタ回路で
ある。これは、ハイブリッド弾性LCフィルタと、LC回路を含む非弾性LCフィルタと
、当該ハイブリッド弾性LCフィルタ及び非弾性LCフィルタを選択的に結合するべく構
成されたスイッチとを含む。ハイブリッド弾性LCフィルタは、無線周波数信号をフィル
タリングするべく構成される。ハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振器ダイ上の弾
性共振器と、当該弾性共振器ダイの外部にあるキャパシタと、当該弾性共振器ダイの外部
にあるインダクタとを含む。
【0020】
カスケード接続フィルタ回路はさらに、第2非弾性LCフィルタを含む。ここで、スイ
ッチは、第1状態においてハイブリッド弾性LCフィルタ及び非弾性LCフィルタを結合
するべく構成され、スイッチは、第2状態においてハイブリッド弾性LCフィルタ及び第
2非弾性LCフィルタを結合するべく構成される。非弾性LCフィルタは送信フィルタと
してよく、第2非弾性フィルタは受信フィルタとしてよい。
【0021】
カスケード接続フィルタ回路はさらに、第2非弾性LCフィルタを含む。ここで、スイ
ッチは、第1状態においてハイブリッド弾性LCフィルタ及び非弾性LCフィルタを結合
するべく構成され、スイッチは、第2状態においてハイブリッド弾性LCフィルタ及び第
2非弾性LCフィルタを結合するべく構成される。
【0022】
ハイブリッド弾性LCフィルタはさらに、弾性共振器と並列された第2インダクタを含
み得る。ここで、弾性共振器は、インダクタと直列されたシャント共振器として配列され
る。
【0023】
ハイブリッド弾性LCフィルタはさらに、第2弾性共振器を含み得る。第1弾性共振器
及び第2弾性共振器はシャント共振器としてよい。キャパシタ及びインダクタは弾性共振
器と第2弾性共振器との間のLCタンクとして配列することができる。ハイブリッド弾性
LCフィルタはさらに、第1弾性共振器に直列された第2インダクタと、第2弾性共振器
に直列された第3インダクタとを含み得る。
【0024】
弾性共振器はバルク弾性波共振器としてよい。
【0025】
非弾性LCフィルタのLC回路は、統合受動デバイスダイの統合受動デバイスを含み得
る。ハイブリッド弾性LCフィルタのインダクタは表面実装インダクタとしてよい。ハイ
ブリッド弾性LCフィルタのインダクタは、基板の導電性トレースを含み得る。
【0026】
非弾性LCフィルタ及びハイブリッド弾性LCフィルタを含むカスケード接続フィルタ
の通過帯域は、非弾性LCフィルタによって設定することができる。通過帯域の下限は、
少なくとも3ギガヘルツとしてよい。
【0027】
本開示の他側面は、無線周波数信号をフィルタリングする方法である。方法は、ハイブ
リッド弾性LCフィルタ及び非弾性LCフィルタをスイッチによって結合することを含む
。ハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振器ダイ上の弾性共振器と、当該弾性共振器
ダイの外部にあるキャパシタと、当該弾性共振器ダイの外部にあるインダクタとを含む。
方法はまた、ハイブリッド弾性LCフィルタ及び非弾性フィルタが一緒に結合されている
間に無線周波数信号をフィルタリングすることを含む。
【0028】
方法はさらに、スイッチによってハイブリッド弾性LCフィルタを非弾性LCフィルタ
から結合解除することと、スイッチによってハイブリッド弾性LCフィルタ及び第2非弾
性LCフィルタを結合することとを含み得る。方法はさらに、電力増幅器によって、無線
周波数信号を非弾性LCフィルタに与えることと、低雑音増幅器によって、第2非弾性フ
ィルタが与えるフィルタ信号を増幅することとを含み得る。
【0029】
フィルタリングすることは、ハイブリッド弾性LCフィルタの弾性共振器を使用して、
当該ハイブリッド弾性LCフィルタ及び非弾性LCフィルタを含むフィルタの通過帯域外
の阻止性を与えることを含み得る。
【0030】
無線周波数信号は、3ギガヘルツから5ギガヘルツの範囲にある周波数を有し得る。
【0031】
本開示の他側面は、アンテナと、当該アンテナと通信する無線周波数フロントエンドと
を含む無線通信デバイスである。無線周波数フロントエンドは、アンテナを介した送信を
目的として無線周波数信号をフィルタリングするべく構成されたフィルタを含む。フィル
タは、ハイブリッド弾性LCフィルタと、非弾性LCフィルタと、ハイブリッド弾性LC
フィルタ及び非弾性LCフィルタを選択的に結合するべく構成されたスイッチとを含む。
ハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振器ダイ上の弾性共振器と、当該弾性共振器ダ
イの外部にあるLCコンポーネントとを含む。
【0032】
無線通信デバイスは携帯電話機としてよい。
【0033】
本開示の他側面は、第1サブフィルタと、第1サブフィルタに並列に結合された第2サ
ブフィルタとを含む並列ハイブリッド弾性受動フィルタである。第1サブフィルタは、第
1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含む。第2サブフィルタは、第2弾性
共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含む。第1サブフィルタ及び第2サブフィル
タは、無線周波数信号をフィルタリングするべく一緒に配列される。
【0034】
第1サブフィルタ及び第2サブフィルタは、通過帯域を有する帯域通過フィルタとして
一緒に配列され得る。並列ハイブリッド弾性受動フィルタの周波数応答は、第1サブフィ
ルタに対応する第1サブ通過帯域と、第2サブフィルタに対応する第2サブ通過帯域と、
第1サブ通過帯域と第2サブ通過帯域との間のノッチ周波数におけるノッチとを含む。
【0035】
第1サブフィルタ及び第2サブフィルタは、阻止帯域を有する帯域阻止フィルタとして
一緒に配列され得る。帯域阻止フィルタは、阻止帯域にノッチを有し得る。
【0036】
第1サブフィルタは、弾性共振器を含むバルク弾性波共振器を含み得る。
【0037】
第1非弾性受動コンポーネントは、第1インダクタ及び第2インダクタを含み得る。こ
こで、第1インダクタは弾性共振器に並列され、当該弾性共振器は、第2インダクタに直
列されたシャント共振器として配列される。
【0038】
第1サブ-フィルタはさらに、付加弾性共振器を含み得る。ここで、第1弾性共振器及
び付加弾性共振器はシャント共振器であり、第1非弾性受動コンポーネントは、第1弾性
共振器と付加弾性共振器との間に結合されたLCタンクとして配列されたキャパシタ及び
インダクタを含む。
【0039】
第2非弾性受動コンポーネントは統合受動デバイスを含み得る。
【0040】
第1サブフィルタ及び第2サブフィルタは、異なる通過帯域を有し得る。並列ハイブリ
ッド弾性受動フィルタの通過帯域の下限は、少なくとも2ギガヘルツとしてよい。
【0041】
本開示の他側面は、並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサである
。マルチプレクサは、共通ノードに結合された第1フィルタと、当該共通ノードに結合さ
れた第2フィルタとを含む。第1フィルタは、無線周波数信号をフィルタリングするべく
構成される。第1フィルタは、第2サブフィルタに並列された第1サブフィルタを含む。
第1サブフィルタは、第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含む。第2サ
ブフィルタは、第2弾性共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含む。
【0042】
第1フィルタは帯域通過フィルタとしてよい。第1フィルタの周波数応答は、第1サブ
フィルタに対応する第1サブ通過帯域と、第2サブフィルタに対応する第2サブ通過帯域
と、第1サブ通過帯域と第2サブ通過帯域との間のノッチ周波数におけるノッチとを含む
。第2フィルタは帯域阻止フィルタとしてよい。
【0043】
第1フィルタは、阻止帯域と当該阻止帯域におけるノッチとを有する帯域阻止フィルタ
としてよい。
【0044】
第2フィルタは、他の弾性共振器、及び他の非弾性受動コンポーネントを含み得る。
【0045】
第1フィルタは第1通過帯域を有し得る。第2フィルタは第2通過帯域を有し得る。第
1通過帯域は、第2通過帯域の上側エッジよりも高い周波数に存在する下側エッジを有し
得る。
【0046】
マルチプレクサはさらに、共通ノードに結合された第3フィルタを含み得る。
【0047】
マルチプレクサはさらに、第1フィルタと共通ノードとの間に直列された共有フィルタ
を含み得る。ここで、共有フィルタはまた、第2フィルタと共通ノードとの間に直列され
る。共有フィルタは高域通過フィルタとしてよい。
【0048】
本開示の他側面は、無線周波数フロントエンドと、当該無線周波数フロントエンドと通
信するアンテナとを含む無線通信デバイスである。無線周波数フロントエンドは、無線周
波数信号をフィルタリングするべく構成されたフィルタを含む。フィルタは、第2サブフ
ィルタに並列された第1サブフィルタを含む。第1サブフィルタは、第1弾性共振器及び
第1非弾性受動コンポーネントを含む。第2サブフィルタは、第2弾性共振器及び第2非
弾性受動コンポーネントを含む。
【0049】
本開示の他側面は、ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサである。マ
ルチプレクサは、それぞれの無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された複数の
フィルタと、当該複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有フィル
タと、当該共通ノードに結合された無線周波数フィルタとを含む。複数のフィルタの各フ
ィルタは異なる通過帯域を有する。複数のフィルタの少なくとも第1のフィルタは、複数
の弾性共振器及び一の非弾性受動コンポーネントを含む。
【0050】
複数のフィルタは、第1フィルタ、第2フィルタ及び第3フィルタを含み得る。第1フ
ィルタは、第1通過帯域を有する第1帯域通過フィルタとしてよい。第2フィルタは、第
2通過帯域を有する第2帯域通過フィルタとしてよい。第3フィルタは、第1通過帯域及
び第2通過帯域を含む阻止帯域を有する帯域阻止フィルタとしてよい。
【0051】
共有フィルタは高域通過フィルタとしてよい。無線周波数フィルタは低域通過フィルタ
としてよい。
【0052】
共有フィルタは非弾性LCフィルタとしてよい。共有フィルタは、複数の第2弾性共振
器及び一のLCコンポーネントを含み得る。
【0053】
非弾性受動コンポーネントは、弾性共振器の第1弾性共振器に並列に配列されたインダ
クタを含み得る。
【0054】
弾性共振器は、弾性共振器ダイに埋め込むことができる。非弾性受動コンポーネントは
、弾性共振器ダイの外部にあるインダクタと、当該弾性共振器ダイの外部にあるキャパシ
タとを含み得る。
【0055】
複数のフィルタの第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動コン
ポーネントを含み得る。第1フィルタは第1通過帯域を有し、第2フィルタは第2通過帯
域を有し得る。第1通過帯域及び第2通過帯域は双方とも、2ギガヘルツから5ギガヘル
ツの周波数範囲内としてよい。第1通過帯域及び第2通過帯域は双方とも、2ギガヘルツ
から3ギガヘルツの周波数範囲内としてよい。
【0056】
マルチプレクサは、クアッドプレクサとして配列することができる。
【0057】
本開示の他側面は、アンテナ及び当該アンテナと通信するマルチプレクサを含む無線通
信デバイスである。マルチプレクサは、それぞれの無線周波数信号をフィルタリングする
べく構成された複数のフィルタと、当該複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に
結合された共有フィルタと、当該共通ノードに結合された無線周波数フィルタとを含む。
複数のフィルタは、複数の弾性共振器及び一の非弾性受動コンポーネントを含む第1フィ
ルタを含む。
【0058】
複数のフィルタの第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動コン
ポーネントを含み得る。無線通信デバイスは、共通ノードにおいてキャリアアグリゲーシ
ョンをサポートするべく構成することができる。キャリアアグリゲーションは、第1キャ
リア及び第2キャリアを含み得る。ここで、第1キャリアは、第1フィルタの第1通過帯
域内に存在し、第2キャリアは、第1通過帯域の外側に存在しかつ第2フィルタの第2通
過帯域である。
【0059】
本開示の他側面は、ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサである。マ
ルチプレクサは、異なる無線周波数通過帯域を有する第1フィルタ及び第2フィルタを含
む複数のフィルタと、当該複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共
有高域通過フィルタと、当該共通ノードに結合された低域通過フィルタとを含む。第1フ
ィルタは、複数の第1弾性共振器及び一の第1LC回路を含む。第2フィルタは、複数の
第2弾性共振器及び一の第2LC回路を含む。
【0060】
複数のフィルタはさらに、第1フィルタ及び第2フィルタの通過帯域を含む帯域阻止フ
ィルタを含み得る。
【0061】
本開示の他側面は、高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタである。ハイブ
リッド弾性LCフィルタは、無線周波数信号をフィルタリングするべく構成されたハイブ
リッド受動/弾性フィルタと、当該ハイブリッド受動/弾性フィルタにカスケード接続さ
れた非弾性LCフィルタとを含む。ハイブリッド受動/弾性フィルタは、複数の弾性共振
器及び一の非弾性受動コンポーネントを含む。非弾性LCフィルタは、無線周波数信号の
高調波を抑制するべく構成される。
【0062】
非弾性LCフィルタはノッチフィルタとしてよい。ノッチフィルタの周波数応答は、無
線周波数信号の第2高調波に対応するノッチを有し得る。ノッチフィルタの周波数応答は
、無線周波数信号の異なる高調波に対応する2つのノッチを有し得る。
【0063】
非弾性LCフィルタは、低域通過フィルタとしてよい。
【0064】
非弾性LCフィルタは、統合受動デバイスダイの統合受動デバイスを含み得る。
【0065】
弾性共振器は、バルク弾性波共振器を含み得る。
【0066】
非弾性受動コンポーネントは、第1インダクタ及び第2インダクタを含み得る。弾性共
振器は、第1インダクタに直列にかつ第2インダクタに並列に配列された第1シャント弾
性共振器を含み得る。
【0067】
弾性共振器は、第1シャント弾性共振器及び第2シャント弾性共振器を含み得る。非弾
性受動コンポーネントは、第1シャント弾性共振器と第2シャント弾性共振器との間に結
合されたLCタンクを含み得る。
【0068】
本開示の他側面は、無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された第1フィルタ
と、共通ノードにおいて第1フィルタに結合された第2フィルタとを含むマルチプレクサ
である。第1フィルタは、ハイブリッド受動/弾性フィルタと、当該ハイブリッド受動/
弾性フィルタにカスケード接続された非弾性LCフィルタとを含む。ハイブリッド受動/
弾性フィルタは、複数の弾性共振器及び一の非弾性受動コンポーネントを含む。非弾性L
Cフィルタは、無線周波数信号の高調波を抑制するべく構成される。
【0069】
第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動コンポーネントを含み
得る。第1フィルタは中間帯域フィルタとしてよく、第2フィルタは高帯域フィルタとし
てよい。マルチプレクサはさらに、共通ノードにおいて第1フィルタ及び第2フィルタに
結合された低帯域フィルタを含み得る。
【0070】
非弾性LCフィルタは、統合受動デバイスダイの統合受動デバイスを含み得る。
【0071】
非弾性受動コンポーネントは、第1インダクタ及び第2インダクタを含み得る。弾性共
振器は、第1インダクタに直列にかつ第2インダクタに並列に配列された第1シャント弾
性共振器を含み得る。
【0072】
弾性共振器は、第1シャント弾性共振器及び第2シャント弾性共振器を含み得る。非弾
性受動コンポーネントは、第1シャント弾性共振器と第2シャント弾性共振器との間に結
合されたLCタンクを含み得る。
【0073】
弾性共振器は、バルク弾性波共振器を含み得る。
【0074】
本開示の他側面は、無線周波数フロントエンドと、当該無線周波数フロントエンドと通
信するアンテナとを含む無線通信デバイスである。無線周波数フロントエンドは、無線周
波数信号をフィルタリングするべく構成されたフィルタを含む。フィルタは、ハイブリッ
ド受動/弾性フィルタと、当該ハイブリッド受動/弾性フィルタにカスケード接続された
LCフィルタとを含む。ハイブリッド受動/弾性フィルタは、複数の弾性共振器及び一の
非弾性受動コンポーネントを含む。非弾性LCフィルタは、無線周波数信号の高調波を抑
制するべく構成される。アンテナは、高調波が抑制された無線周波数信号のフィルタリン
グされたバージョンを送信するべく構成される。
【0075】
無線通信デバイスは携帯電話機として構成してよい。
【0076】
無線通信デバイスはさらに、ベース帯域プロセッサ及び送受信器を含み得る。ここで、
送受信器は、無線周波数フロントエンドと通信し、さらにはベース帯域プロセッサとも通
信する。
【0077】
本開示をまとめる目的で本イノベーションの所定の側面、利点及び新規な特徴が、ここ
に記載されてきた。理解されることだが、そのような利点の必ずしもすべてが、いずれか
の特定の実施形態において達成されるというわけではない。よって、本イノベーションは
、ここに教示される一つの利点又は一群の利点を、ここに教示又は示唆される他の利点を
必ずしも達成することなく、達成又は最適化する態様で、具体化し又は実行することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本開示の複数の実施形態が、添付図面を参照して非限定的な例を介して記載される。
【0079】
図1図1Aは、一実施形態に係るハイブリッド弾性LCフィルタ及びLCフィルタを含むカスケード接続フィルタの模式的なブロック図である。図1Bは、一実施形態に係る電力増幅器とアンテナとの間の信号経路にカスケード接続フィルタを含む無線周波数システムの模式的なブロック図である。図1Cは、一実施形態に係るアンテナと低雑音増幅器との間の信号経路にカスケード接続フィルタを含む無線周波数システムの模式的なブロック図である。
図2図2Aは、一実施形態に係るスイッチを介してLCフィルタに結合されたハイブリッド弾性LCフィルタを含むカスケード接続フィルタ回路の模式的なブロック図である。図2Bは、一実施形態に係るスイッチを介してハイブリッド弾性LCフィルタに結合されたLCフィルタを含むカスケード接続フィルタ回路の模式的なブロック図である。
図3図3Aは、一実施形態に係るカスケード接続フィルタ回路の無線周波数システムの模式的なブロック図である。図3Bは、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ回路を有する無線周波数システムの模式的なブロック図である。図3Cは、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ回路を有する無線周波数システムの模式的なブロック図である。
図4図4Aは、一実施形態に係るカスケード接続フィルタ及び他のフィルタを含むマルチプレクサの模式的なブロック図である。図4Bは、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ及び他のフィルタを含むマルチプレクサの模式的なブロック図である。
図5図5Aは、一実施形態に係るスイッチを介して共通モードに結合されたカスケード接続フィルタ及び他のフィルタを含む模式的なブロック図である。図5Bは、他実施形態に係るスイッチを介して共通モードに結合されたカスケード接続フィルタ及び他のフィルタを含むマルチプレクサの模式的なブロック図である。
図6図6Aは、一実施形態に係るカスケード接続フィルタの模式的な図である。図6Bは、図6Aのカスケード接続フィルタの周波数応答のグラフである。
図7】他実施形態に係るカスケード接続フィルタの模式的な図である。
図8】他実施形態に係るカスケード接続フィルタの模式的な図である。
図9】他実施形態に係るカスケード接続フィルタの模式的な図である。
図10】他実施形態に係るカスケード接続フィルタの模式的な図である。
図11図11Aは、一実施形態に係るハイブリッド共振器の模式的な図である。図11Bは、図11Aのハイブリッド共振器の周波数応答のグラフである。
図12】他実施形態に係るハイブリッド共振器の模式的な図である。
図13】一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタの模式的なブロック図である。
図14】一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタを含むダイプレクサの模式的なブロック図である。
図15】一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタを含むトライプレクサの模式的なブロック図である。
図16】一実施形態に係る共有高域通過フィルタ及びハイブリッド並列帯域通過フィルタを含むトライプレクサの模式的なブロック図である。
図17】一実施形態に係る共有高域通過フィルタ及びハイブリッド帯域通過フィルタを含むクアッドプレクサの模式的なブロック図である。
図18】一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタを含むトライプレクサの模式的なブロック図である。
図19A図18のトライプレクサのシミュレーション結果を示す。
図19B図18のトライプレクサのシミュレーション結果のグラフを、従前の設計と比べて示す。
図20】一実施形態に係るハイブリッド並列帯域阻止フィルタの模式的なブロック図である。
図21】一実施形態に係るハイブリッド並列帯域阻止フィルタの模式的な図である。
図22図21のハイブリッド並列帯域阻止フィルタの周波数応答のグラフである。
図23図23Aは、一実施形態に係る低域通過フィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LCフィルタを含む無線周波数システムの模式的なブロック図である。図23Bは、一実施形態に係る第2高調波ノッチフィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LCフィルタを含む無線周波数システムの模式的なブロック図である。
図24図24Aは、一例の低域通過フィルタの模式的な図である。図24Bは、低域通過フィルタの他例の模式的な図である。図24Cは、一例の第2高調波ノッチフィルタの模式的な図である。図24Dは、一例の高調波ノッチフィルタの模式的な図である。図24Eは、一例の第2高調波ノッチ及び低域通過フィルタの模式的な図である。
図25図25Aは、一実施形態に係る低域通過フィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LCフィルタを含むトライプレクサの模式的なブロック図である。図25Bは、一実施形態に係る第2高調波ノッチフィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LCフィルタを含むトライプレクサの模式的なブロック図である。
図26】一実施形態に係るフィルタを含む送信経路を有する無線周波数モジュールの模式的な図である。
図27】一実施形態に係るフィルタを含む受信経路を有する無線周波数モジュールの模式的な図である。
図28】一実施形態に係るフィルタを含む無線周波数モジュールの模式的な図である。
図29】一実施形態に係るフィルタを含む無線通信デバイスの模式的な図である。
図30】他実施形態に係るフィルタを含む無線通信デバイスの模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
所定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を表す。しかしな
がら、ここに記載のイノベーションは、例えば特許請求の範囲によって画定され及びカバ
ーされる多数の異なる態様で具体化することができる。本記載において、同じ参照番号が
同一の又は機能的に類似の要素を示し得る図面が参照される。理解されることだが、図面
に示される要素は必ずしも縮尺どおりではない。さらに理解されることだが、所定の実施
形態は、図面に示されるよりも多くの要素を含んでよく、及び/又は図面に示される要素
の部分集合を含んでよい。さらに、いくつかの実施形態は、2以上の図面からの特徴の任
意の適切な組み合わせを組み入れてよい。ここに与えられる見出しは、便宜のためにすぎ
ず、必ずしも特許請求の範囲又は意味に影響を与えるわけではない。
【0081】
本開示は、弾性コンポーネント及び非弾性受動コンポーネントを含むフィルタに関する
。所定の実施形態が、LCフィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LCフィル
タに関する。そのようなフィルタは、相対的に広い通過帯域を実現することができ、さら
には厳格な帯域外阻止仕様を満たすことができる。いくつかの実施形態が、互いに並列に
配列された弾性コンポーネント及び非弾性受動コンポーネントを有するフィルタに関する
。そのようなフィルタは、相対的に広い帯域幅と、通過帯域に相対的に近い阻止帯域にお
ける高い阻止性とを、当該通過帯域における高い損失なしに達成することができる。ここ
に開示の実施形態は、ハイブリッド受動/弾性フィルタにカスケード接続された非弾性L
Cフィルタに関する。ここで、非弾性LCフィルタは、ハイブリッド受動/弾性フィルタ
により与えられる無線周波数信号の高調波を抑制するべく配列される。そのようなフィル
タは、自己生成高調波を抑制しながら相対的に高い帯域幅及び高い阻止性を達成すること
ができる。ここに開示される実施形態の複数の特徴の任意の適切な組み合わせを、互いに
組み合わせることができる。様々なアプリケーションにおいて、2つ以上の実施形態を互
いに一緒に実装することができる。
【0082】
LCフィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LCフィルタ
【0083】
第5世代(5G)無線通信技術の進歩に伴い、非弾性広帯域-超高帯域(UHB)フィ
ルタ設計が、新たなキャリアアグリゲーション仕様を満たすことの困難に遭遇している。
新たなキャリアアグリゲーションは一般に、受信器側感度を劣化させ得る多くの相互変調
周波数をもたらす。したがって、キャリアアグリゲーション仕様は、フィルタに対するさ
らに厳格な相互変調歪み(IMD)除去仕様を有し得る。
【0084】
統合受動デバイス(IPD)帯域通過フィルタのようなLC帯域通過フィルタは、広い
帯域幅及び相対的に良好な広い帯域外阻止性という利点を有する。しかしながら、LC帯
域通過フィルタは、通過帯域に近い周波数において特に鋭い阻止性を有するわけではない
。非弾性通過帯域フィルタは、通過帯域エッジの周波数において、弾性波フィルタと比べ
て有意に悪化したロールオフ損失を有し得る。これは一般に、通過帯域に近い阻止帯域に
対して高い阻止性が望まれる場合に好ましくない。
【0085】
弾性共振器フィルタは、LC共振器よりも高い品質係数(Q)に起因して、通過帯域に
近い周波数において高いエッジロールオフ損失なしに高い阻止性を与えることができるの
で、通過帯域に近い阻止帯域において広い帯域幅と鋭い阻止性との双方を達成するべく、
受動非弾性フィルタを、ハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続することができ
る。
【0086】
フィルタの通過帯域に相対的に近い周波数において相対的に鋭い阻止性を有するキャリ
アアグリゲーションIMD除去準拠フィルタを与えるべく、ハイブリッド弾性LCフィル
タを実装することができる。ハイブリッド弾性LCフィルタは、一つ以上のキャパシタ、
一つ以上のインダクタ、及び一つ以上の弾性共振器を含む広帯域フィルタとしてよい。ハ
イブリッド弾性LCフィルタは、弾性共振器、少なくともインダクタ、及び少なくとも一
つのキャパシタを含むハイブリッド共振器を含み得る。
【0087】
ハイブリッド弾性LCフィルタをLCフィルタにカスケード接続することにより、相対
的に低損失の広い通過帯域を与え、さらにはカスケード接続フィルタの通過帯域に相対的
に近い周波数において相対的に鋭い阻止性を与えることができる。LCフィルタは、統合
受動デバイスダイ上に統合受動デバイス(IPD)を含み得る。ハイブリッド弾性LCフ
ィルタは、一つ以上のバルク弾性波共振器を含み得る。カスケード接続フィルタにおける
バルク弾性波共振器とLC回路要素との組み合わせは、相対的に広い通過帯域を与えると
ともに、相対的に厳格な帯域外阻止仕様を満たすこともできる。
【0088】
本開示の複数の側面は、無線周波数信号をフィルタリングするカスケード接続フィルタ
に関する。カスケード接続されたフィルタは、ハイブリッド弾性LCフィルタと、当該ハ
イブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続された非弾性LCフィルタとを含む。ハイ
ブリッド弾性LCフィルタは、複数の弾性共振器、一のキャパシタ、及び一のインダクタ
を含む。非弾性LCフィルタはLC回路を含む。
【0089】
ここに開示されるカスケード接続フィルタは、弾性共振器が使用され得る限りの無線帯
域を含む様々な周波数帯域のために実装することができる。一例として、カスケード接続
フィルタは、所定のアプリケーションにおいて少なくとも2.5ギガヘルツ(GHz)又
は少なくとも3GHzの下限周波数を有する通過帯域を含み得る。カスケード接続フィル
タは、所定のアプリケーションにおいて、約4.5GHz、約6GHz、約8.5GHz
又は約10GHzのような相対的に高い上限通過帯域を有し得る。ここに説明されるカス
ケード接続フィルタは、電力増幅器モジュール、ダイバーシティ受信モジュール、又は任
意の他の適切な無線周波数フロントエンドモジュールに実装することができる。ここに説
明されるカスケード接続フィルタは、以下の設計仕様、すなわち相対的に低い挿入損失(
IL)、相対的に鋭い周波数カットオフ、及び相互変調周波数及び高調波の相対的に強い
抑制、を満たすことができる。
【0090】
図1Aは、一実施形態に係るハイブリッド弾性LCフィルタ12及びLCフィルタ14
を含むカスケード接続フィルタ10の模式的なブロック図である。カスケード接続フィル
タ10は、第1ポートRF及び第2ポートRFを有する。ハイブリッド弾性LCフィ
ルタ12及びLCフィルタ14は、第1ポートRFと第2ポートRFとの間に互いに
直列に配列される。無線周波数信号は、所定のアプリケーションにおいて第1ポートRF
から第2ポートRFへと伝播し得る。無線周波数信号は、様々なアプリケーションに
おいて第2ポートRFから第1ポートRFへと伝播し得る。
【0091】
ハイブリッド弾性LC回路12は、一つ以上の弾性共振器、一つ以上のインダクタ、及
び一つ以上のキャパシタを含む。一つ以上の弾性共振器は、薄膜バルク弾性波共振器(F
BAR)のようなBAW共振器としてよい。例えば、BAW共振器は、2.5GHzを上
回る周波数のような高周波数の信号をフィルタリングするべく有利となり得る。一つ以上
の弾性共振器は代替的又は付加的に、一つ以上の弾性表面波(SAW)共振器、一つ以上
の境界弾性波共振器、及び/又は一つ以上のラム波共振器のような任意の他の適切な弾性
波共振器を含み得る。ハイブリッド弾性LCフィルタ12は、弾性共振器を含むダイの外
部にあるキャパシタ及びインダクタを含み得る。ハイブリッド弾性12は、ラダーフィル
タとしてよい。ハイブリッド弾性フィルタ12は、所定のアプリケーションにおいて、固
定フィルタとしてよい。固定フィルタは、いくつかの例においてチューニング可能フィル
タよりも複雑性が低くなるように実装することができる。ハイブリッド弾性LCフィルタ
12は、いくつかのアプリケーションにおいて、チューニング可能としてよい。ハイブリ
ッド弾性LCフィルタ12がチューニング可能な場合、ノッチ及び/又は阻止帯域をチュ
ーニング可能とすることができる。
【0092】
LC回路14は、一つ以上のインダクタ、及び一つ以上のキャパシタを含む。LC回路
14は、パッケージ基板上に実装された一つ以上の統合受動デバイス(IPD)、一つ以
上の表面実装コンポーネント、一つ以上の受動デバイス、又はこれらの任意の適切な組み
合わせを含み得る。いくつかの周波数における表面実装コンポーネントは、パッケージ基
板上に実装されたIPD及び受動デバイスよりも高い品質係数及び低い挿入損失を有し得
る。一つ以上のキャパシタは、明示的なキャパシタ、及び/又は寄生キャパシタとしてよ
い。LC回路14はまた、インピーダンス整合を実装し得る。
【0093】
図1Bは、一実施形態に係る電力増幅器16とアンテナ17との間の信号経路にカスケ
ード接続フィルタ10を含む無線周波数(RF)システム15の模式的なブロック図であ
る。図1Bは、カスケード接続フィルタ10が送信信号経路に含まれ得ることを示す。所
定のアプリケーションにおいて、カスケード接続フィルタ10の第1ポートRFは、電
力増幅器16の出力部に電気的に結合することができる。カスケード接続フィルタ10の
第2ポートRFは、アンテナ17に電気的に結合することができる。いくつかのアプリ
ケーションにおいて、カスケード接続フィルタ10の第1ポートRFは、アンテナ17
に電気的に結合することができる。カスケード接続フィルタ10の第2ポートRFは、
電力増幅器16の出力部に電気的に結合することができる。
【0094】
図1Cは、一実施形態に係るアンテナ17と低雑音増幅器19との間の信号経路にカス
ケード接続フィルタ10を含むRFシステム18の模式的なブロック図である。図1C
、カスケード接続フィルタ10が受信信号経路に含まれ得ることを示す。所定のアプリケ
ーションにおいて、カスケード接続フィルタ10の第1ポートRFは、低雑音増幅器増
幅器19の入力部に電気的に結合することができる。カスケード接続フィルタ10の第2
ポートRFは、アンテナ17に電気的に結合することができる。いくつかのアプリケー
ションにおいて、カスケード接続フィルタ10の第1ポートRFは、アンテナ17に電
気的に結合することができる。カスケード接続フィルタ10の第2ポートRFは、低雑
音増幅器増幅器19の入力部に電気的に結合することができる。
【0095】
図2Aは、一実施形態に係るスイッチ22を介してLCフィルタ14A及び14Nに結
合されたハイブリッド弾性LCフィルタ12を含むカスケード接続フィルタ回路20の模
式的なブロック図である。カスケード接続フィルタ回路20は、複数のLC回路14A~
14N間でハイブリッド弾性LCフィルタ12を共有することができる。スイッチ22は
、カスケード接続フィルタを実装するべくハイブリッド弾性LCフィルタ12を、選択さ
れたLC回路に直列に電気的に接続する。図示のスイッチ22は多投無線周波数スイッチ
である。スイッチ22は、ハイブリッド弾性LCフィルタ12を、選択されたLCフィル
タに電気的に結合することができる。スイッチ22は、任意の適切な数の投を有し、カス
ケード接続フィルタ回路20は、対応する数のLCフィルタ14A~14Nを有する。図
示のLCフィルタ14A及び14Nはそれぞれが、カスケード接続フィルタ回路20の、
対応するポートRF21及びRF2Nそれぞれに結合される。カスケード接続フィルタ回
路20において、ハイブリッド弾性LCフィルタ12は、LCフィルタ14A~14Nの
うちの選択された一つ以上との組み合わせで、通過帯域に相対的に近い周波数において相
対的に鋭い阻止性を実装する。所定のアプリケーションにおいて、ハイブリッド弾性LC
フィルタ12は、それに電気的に結合されたLCフィルタ14A~14Nのうちの選択さ
れた一つ以上の通過帯域に相対的に近い周波数において、阻止性をチューニングするべく
チューニング可能とし得る。
【0096】
図2Bは、一実施形態に係るスイッチ22を介してハイブリッド弾性LCフィルタ12
A及び12Nに結合されたLCフィルタ14を含むカスケード接続フィルタ回路25の模
式的なブロック図である。カスケード接続フィルタ回路20は、複数のハイブリッド弾性
LC回路12A~12N間でLCフィルタ14を共有することができる。スイッチ22は
、カスケード接続フィルタを実装するべくLCフィルタ14を、選択されたハイブリッド
弾性LC回路に直列に電気的に接続することができる。図示のスイッチ22は多投無線周
波数スイッチである。スイッチ22は、LCフィルタ14を、選択されたハイブリッド弾
性LCフィルタに電気的に結合することができる。スイッチ22は、任意の適切な数の投
を有し、カスケード接続フィルタ回路25は、対応する数のハイブリッド弾性LCフィル
タ12A~12Nを有する。図示のハイブリッド弾性LCフィルタ12A及び142はそ
れぞれが、カスケード接続フィルタ回路25の、対応するポートRF11及びRF1N
れぞれに結合される。
【0097】
図3Aは、一実施形態に係るカスケード接続フィルタ回路の無線周波数システム30A
の模式的なブロック図である。無線周波数システム30は、図2Aのカスケード接続回路
20を実装することができる一例のシステムである。図示のように、アンテナ32はハイ
ブリッド弾性LCフィルタ12に結合され、スイッチ22は送信/受信スイッチであり、
LCフィルタ14A及び14Bは、電力増幅器34及び低雑音増幅器36それぞれに接続
される。図2Bのカスケード接続回路25は、無線周波数システム30Aと同様の無線周
波数システムに実装され得る。
【0098】
図3Bは、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ回路を有する無線周波数システム
30Bの模式的なブロック図である。図3Bは、LC回路14A及び14Bが、電力増幅
器34A及び34Bそれぞれを有する異なる送信経路に存在し得ることを示す。したがっ
て、ハイブリッド弾性LCフィルタ12は、(a)電力増幅器34Aとアンテナ32との
間にLCフィルタ14Aを有するカスケード接続フィルタ回路と、(b)電力増幅器34
Bとアンテナ32との間にLCフィルタ14Bを有するカスケード接続フィルタ回路とに
含まれ得る。
【0099】
図3Cは、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ回路を有する無線周波数システム
30Cの模式的なブロック図である。無線周波数システム30Cのカスケード接続フィル
タは、例えば、ダイバーシティ受信アプリケーションに実装することができる。図3C
、LC回路14A及び14Bが、低雑音増幅器36A及び36Bそれぞれを有する異なる
受信経路に存在し得ることを示す。したがって、ハイブリッド弾性LCフィルタ12は、
(a)低雑音増幅器36Aとアンテナ32との間にLCフィルタ14Aを有するカスケー
ド接続フィルタ回路と、(b)低雑音増幅器36Bとアンテナ32との間にLCフィルタ
14Bを有するカスケード接続フィルタ回路とに含まれ得る。
【0100】
図4Aは、一実施形態に係るカスケード接続フィルタ及び他のフィルタを含むマルチプ
レクサ40の模式的なブロック図である。マルチプレクサ40は、共通ノードに結合され
た複数のフィルタを含む。図示のように、LCフィルタ14及びハイブリッド弾性LCフ
ィルタ12を含むカスケード接続フィルタと、他のフィルタ42とが、共通ノードに一緒
に結合される。マルチプレクサ40において、LCフィルタ14は、ハイブリッド弾性L
Cフィルタ12を経由して共通ノードに結合される。マルチプレクサ40は、デュプレク
サとしてよい。2つのフィルタ、3つのフィルタを有するトライプレクサ、4つのフィル
タクアッドプレクサ等としてよい。他のフィルタ42は、任意の適切な数のフィルタを含
んでよい。他のフィルタ42は、一つ以上のLCフィルタ(例えばIPDフィルタ)、一
つ以上の弾性波フィルタ、一つ以上のハイブリッドLCフィルタ等、又はこれらの任意の
適切な組み合わせを含み得る。
【0101】
図4Bは、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ及び他のフィルタを含むマルチプ
レクサ45の模式的なブロック図である。マルチプレクサ45は、図4Aのマルチプレク
サ40と同様であるが、ハイブリッド弾性LCフィルタ12が、LCフィルタ14を経由
して共通ノードに結合される点が異なる。
【0102】
複数のフィルタが、アンテナノードのような共通ノードと、スイッチを経由して通信し
得る。図5Aは、スイッチ52を経由して共通ノードに結合されたカスケード接続フィル
タ及び他のフィルタ42とを含む無線周波数システム50の模式的な図である。カスケー
ド接続フィルタ、他のフィルタ42、及びスイッチ52は、スイッチプレクシングを実装
し得る。スイッチプレクシングは、オンデマンドマルチプレクシングを実装し得る。
【0103】
図5Bは、他実施形態に係るスイッチを介して共通モードに結合されたカスケード接続
フィルタ及び他のフィルタを含む無線周波数システム55の模式的なブロック図である。
無線周波数システム55は、図5Aの無線周波数システム50と同様であるが、ハイブリ
ッド弾性LCフィルタ12及びLCフィルタ14が異なる順序で配列されている点が異な
る。
【0104】
図6Aは、一実施形態に係るカスケード接続フィルタ60の模式的な図である。カスケ
ード接続フィルタ60は、バンド42信号及び/又はバンド43信号及び/又はバンド4
8信号のような3GHzを上回る周波数を有する無線周波数信号を通過させるべく配列さ
れた帯域通過フィルタとしてよい。そのようなアプリケーションにおいて、フィルタ60
の弾性波共振器は、BAW共振器としてよい。フィルタ60は、第5世代(5G)無線シ
ステムアプリケーションにおいて使用することができる。5G技術は、5Gニューラジオ
(NR)とも称してよい。カスケード接続フィルタ60は、LCフィルタ64にカスケー
ド接続されたハイブリッド弾性LCフィルタ62を含む。ハイブリッド弾性LCフィルタ
62は、ハイブリッド弾性LCフィルタ12の一例である。LCフィルタ64は、LCフ
ィルタ14の一例である。
【0105】
ハイブリッド弾性LCフィルタ62は、弾性共振器A61及びA62、インダクタL6
01、L602、L603、L604、L605及びL605、並びにキャパシタC60
1、C602、C603及びC604を含む。弾性共振器A61及びA62は、FBAR
のようなBAW共振器としてよい。いくつかの例において、弾性共振器A61及びA62
は、SAW共振器、温度補償SAW(TCSAW)共振器、境界弾性波共振器、ラム波共
振器等、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。インダクタL601、L60
2、L603、L604、L605及びL605、並びにキャパシタC601、C602
、C603及びC604は、LC/非弾性コンポーネントである。ハイブリッド弾性LC
フィルタ62のLC/非弾性コンポーネントは、弾性共振器A61及びA62を含むダイ
の外部に実装することができる。ハイブリッド弾性LCフィルタ62のLC/非弾性コン
ポーネントは、一つ以上の表面実装技術(SMT)インダクタ及び/又はキャパシタを含
み得る。いくつかの例において、ハイブリッド弾性LCフィルタ62のLC/非弾性コン
ポーネントは、パッケージ基板上に一つ以上のIPD、及び/又は一つ以上の誘導トレー
スを含み得る。
【0106】
図示のように、ハイブリッド弾性LCフィルタ62は、弾性共振器A62に並列された
インダクタL602を有するハイブリッド共振器構造を含む。ここで、インダクタL60
3は、インダクタ及び弾性共振器A62に直列される。このハイブリッド共振器構造に関
する詳細が、図11A及び11Bを参照して与えられる。図示のLCフィルタ62はまた
、弾性共振器A61及びA62がシャント回路におけるインダクタL603及びL606
それぞれに直列に配列された弾性ノード間にLCタンクを含む。ここで、LCタンクは、
キャパシタC604及びインダクタL605を含む。このハイブリッド共振器構造に関す
る詳細が、図12を参照して与えられる。
【0107】
LCフィルタ64は帯域通過フィルタとしてよい。例えば、LCフィルタ64は、バン
ド42/バンド43の帯域通過フィルタとしてよい。LCフィルタ64は、IPDダイ上
のIPD部65と、パッケージ基板上にトレースを含むパッケージ基板部66と、SMT
コンポーネントを含むSMT部67とを含む。IPD部65は、IPDキャパシタC60
5、C606、C607、C608、C609及びC610、並びにIPDインダクタL
608を含む。パッケージ基板部66は、インダクタL609、L610、L611及び
L612として配列された誘導トレースを含む。SMT部67はSMTキャパシタC61
1及びC612を含む。
【0108】
図示のように、LCフィルタ64は、ブリッジキャパシタ、LC共振回路、結合キャパ
シタ及び直列LCタンクを含む。第1ブリッジキャパシタC610は、直列LCタンクに
結合された第1端と、LCフィルタ64の入力ノードに結合された第2端とを有する。直
列LCタンクは、キャパシタC605及びインダクタL608を含む。第1ブリッジキャ
パシタC610は、3つの結合キャパシタC606、C607及びC608に並列される
【0109】
第1LC共振回路はLCシャント共振回路である。図示のように、第1LC共振回路は
、インダクタL612及びキャパシタC612を含む直列LC回路に並列されたシャント
インダクタL611を含む。第2ブリッジキャパシタC609は、直列LCタンクに結合
された第1端と、第1LC共振回路に結合された第2端とを有する。第2ブリッジキャパ
シタC609は、2つの結合キャパシタC606及びC607に並列される。第2LC共
振回路はLCシャント共振回路である。図示のように、第2LC共振回路は、インダクタ
L610及びキャパシタC611を含む直列LC回路に並列されたシャントインダクタL
609を含む。
【0110】
第1結合キャパシタC608は、フィルタの入力部と、第1結合キャパシタC608が
第1LC共振回路及び第2結合キャパシタC607に結合されたノードとの間に結合され
る。第2結合キャパシタC607は、第1結合キャパシタC608と第3結合キャパシタ
C606との間に直列に結合される。第2結合キャパシタC607はまた、第1LC共振
回路と第2LC共振回路との間に結合される。第3結合キャパシタC606が、直列LC
タンクと、第3結合キャパシタC606が第2LC共振回路及び第2結合キャパシタC6
07に結合されるノードとの間に結合される。図示の直列LCタンクは並列LC回路であ
る。
【0111】
図6Bは、図6Aのカスケード接続フィルタ60の周波数応答のグラフである。図示の
曲線は、図6Aのカスケード接続フィルタ60の周波数応答を表す。段状の線は、設計仕
様又はフィルタマスクを表す。図6Bにおける曲線は、図6Aのカスケード接続フィルタ
60の周波数応答が、9GHzを除いて設計仕様を満たすことを示す。図示のように、フ
ィルタ応答は、シャント弾性共振器A61及びA62によりもたらされた2つのヌルを有
する。周波数応答は、通過帯域の両エッジに相対的に鋭いロールオフを有する。図6A
非弾性LCフィルタ64は、相対的に大きな帯域幅を与えることができる。周波数応答は
、図示の周波数応答における3.1GHz近辺から4.2GHzの相対的に広い帯域幅を
有する。したがって、図6Aのカスケード接続フィルタ60は、少なくとも1GHzの帯
域幅を有し得る。いくつかの他実施形態において、非弾性LCフィルタにカスケード接続
されたハイブリッド弾性LCフィルタを有するカスケード接続フィルタは、約3.3GH
z~4.2GHzの帯域幅、又は約4.4GHz~5GHzの帯域幅のような、弾性共振
器結合係数により決定されるものよりも有意に広い範囲にある帯域幅を有し得る。
【0112】
図6Aのカスケード接続フィルタ60は、ハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード
接続された非弾性LCフィルタの一例である。ここに説明される原理及び利点は、様々な
他のフィルタトポロジーに実装することができる。フィルタトポロジーのいくつかの例が
図7~10に示される。これらのフィルタは、例えば5Gアプリケーションに使用するこ
とができる。これらのフィルタは、FBARのような弾性共振器と、インダクタ及びキャ
パシタとを含む。インダクタ及びキャパシタは、一つ以上のIPD、一つ以上の表面実装
インダクタ、一つ以上の表面実装キャパシタ、パッケージ基板上の一つ以上の誘導トレー
ス等、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。図7~10のフィルタの例は、
様々なアプリケーション及び設計仕様のためのフィルタを示す。これらのフィルタの特徴
の任意の適切な組み合わせは、互いに一緒に、及び/又はここに説明される任意の他の原
理及び利点に従って、実装することができる。
【0113】
図7は、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ70の模式的な図である。カスケー
ド接続フィルタ70は、LCフィルタ74にカスケード接続されたハイブリッド弾性LC
フィルタ72を含む。ハイブリッド弾性LCフィルタ72は、ハイブリッド弾性LCフィ
ルタ12の一例である。LCフィルタ74は、LCフィルタ14の一例である。カスケー
ド接続フィルタ70は、例えば、受信フィルタとしてよい。カスケード接続フィルタ70
は、所定のアプリケーションにおいて、3.4GHzから3.7GHzの通過帯域を有し
得る。
【0114】
ハイブリッド弾性LCフィルタ72は、弾性共振器A71、A72、A73、A74、
A75及びA76、キャパシタC701、C702及びC703、並びにインダクタL7
01、L702、L703、L704、L705、L706、L707、L708及びL
709を含む。弾性共振器A71~A76はBAW共振器としてよい。キャパシタC70
1~C703はSMTキャパシタとしてよい。インダクタL701~L709は、SMT
インダクタとパッケージ基板の導電性トレースとの組み合わせを含み得る。
【0115】
図示のLCフィルタ74は、キャパシタC704及びC705、並びにインダクタL7
10及びL711を含む。所定の実施形態において、LCフィルタ74は、IPDダイ上
のIPDキャパシタ及びインダクタによって実装することができる。いくつかの他実施形
態において、LCフィルタ74は、IPDダイ上のSMTキャパシタ及びインダクタによ
って実装することができる。
【0116】
図8は、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ80の模式的な図である。カスケー
ド接続フィルタ80は、LCフィルタ84にカスケード接続されたハイブリッド弾性LC
フィルタ82を含む。ハイブリッド弾性LCフィルタ82は、ハイブリッド弾性LCフィ
ルタ12の一例である。LCフィルタ84は、LCフィルタ14の一例である。一実施形
態において、カスケード接続フィルタ80は、3.3GHz近辺から4.2GHzの通過
帯域を有する帯域通過フィルタとしてよい。他実施形態によれば、カスケード接続フィル
タは、3.4GHzから3.7GHzの通過帯域を有し得る。カスケード接続フィルタ8
0は、例えば、受信フィルタとしてよい。
【0117】
ハイブリッド弾性LCフィルタ82は、弾性共振器A81、A82、A83、A84及
びA85、キャパシタC801及びC802、並びにインダクタL801、L802、L
803、L804、L805及びL806を含む。弾性共振器A81~A85はBAW共
振器としてよい。キャパシタC801及びC802はSMTキャパシタとしてよい。イン
ダクタL801~L805は、SMTインダクタとパッケージ基板の導電性トレースとの
組み合わせを含み得る。インダクタL802及びL803と弾性共振器A81、A82及
びA83とを含むハイブリッド共振器は、図11A及び11Bを参照して記載されるハイ
ブリッド共振器と同様に機能することができる。インダクタL802~L805、キャパ
シタC802、及び弾性共振器A81~A85を含むハイブリッドラダー構造は、図12
を参照して記載されるハイブリッドラダー構造と同様に機能することができる。
【0118】
図示のLCフィルタ84は、キャパシタC803、C804、C805、C806及び
C807と、インダクタL806、L807、L808及びL809とを含む。LCフィ
ルタ84は、一つ以上のIPD、一つ以上のSMTコンポーネント、基板上の一つ以上の
導電性トレース、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。
【0119】
図9は、他実施形態に係るカスケード接続フィルタ90の模式的な図である。カスケー
ド接続フィルタ90は、LCフィルタ94にカスケード接続されたハイブリッド弾性LC
フィルタ92を含む。ハイブリッド弾性LCフィルタ92は、ハイブリッド弾性LCフィ
ルタ12の一例である。LCフィルタ94は、LCフィルタ14の一例である。所定の実
施形態において、カスケード接続フィルタ90は、弾性共振器とグランドとの間に結合さ
れたシャントインダクタを除く表面実装受動コンポーネントを含み得る。ここで、そのよ
うなシャントインダクタは、パッケージ基板上のプリントトレースとすることができる。
よって、そのような実施形態において、カスケード接続フィルタ90は、統合受動デバイ
ス(IPD)を含まない。カスケード接続フィルタ90は、所定の側面において、アンテ
ナスイッチと低雑音増幅器との間に結合された受信フィルタとすることができる。カスケ
ード接続フィルタ90は、従前設計と比べて挿入損失を改善することができる。カスケー
ド接続フィルタ90は、例えば、受信フィルタとしてよい。
【0120】
ハイブリッド弾性LCフィルタ92は、弾性共振器A91、A92及びA93、キャパ
シタC901、C902、C903及びC904、並びにインダクタL901、L902
、L903及びL904を含む。弾性共振器A91~A93はBAW共振器としてよい。
キャパシタC901~C904はSMTキャパシタとしてよい。インダクタL901~L
904は、SMTインダクタとパッケージ基板の導電性トレースとの組み合わせを含み得
る。
【0121】
図示のLCフィルタ94は、キャパシタC903、C904及びC905と、インダク
タL905、L906、L907及びL908とを含む。LCフィルタ94は、一つ以上
のIPD、一つ以上のSMTコンポーネント、基板上の一つ以上の導電性トレース、又は
これらの任意の適切な組み合わせを含み得る。一実施形態において、LCフィルタ94は
、SMTインダクタ及びキャパシタからなる。
【0122】
図10は、他実施形態に係るカスケード接続フィルタの模式的な図である。カスケード
接続フィルタ100は、LCフィルタ104にカスケード接続されたハイブリッド弾性L
Cフィルタ102を含む。ハイブリッド弾性LCフィルタ102は、ハイブリッド弾性L
Cフィルタ12の一例である。LCフィルタ104は、LCフィルタ14の一例である。
所定の実施形態において、カスケード接続フィルタ100は、IPD、表面実装受動コン
ポーネント、積層材上の誘導トレース、及びFBARを含み得る。カスケード接続フィル
タ100は、所定の側面において、アンテナスイッチと低雑音増幅器との間に結合された
受信フィルタとすることができる。カスケード接続フィルタ100は、約3.3GHzか
ら4.2GHzの通過帯域を有する帯域通過フィルタとしてよい。カスケード接続フィル
タ100は、所定の実施形態において、受信フィルタである。
【0123】
ハイブリッド弾性LCフィルタ102は、弾性共振器A101、A102及びA103
、キャパシタC1001及びC1002、並びにインダクタL1001、L1002、L
1003、L1004、L1005及びL1006を含む。弾性共振器A91~A93は
BAW共振器としてよい。キャパシタC1001及びC1002は、SMTキャパシタ及
び/又はIPDキャパシタを含み得る。インダクタL1001~L1006は、一つ以上
のSMTインダクタ、一つ以上のIPDインダクタ、パッケージ基板上の一つ以上の導電
性トレース、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。一実施形態において、イ
ンダクタL1001~L1006は、少なくともSMTインダクタと、少なくとも一つの
IPDインダクタと、パッケージ基板上の少なくとも一つの導電性トレースとを含む。
【0124】
インダクタL1002及びL1003と弾性共振器A102とを含むハイブリッド共振
器は、図11A及び11Bを参照して記載されるハイブリッド共振器と同様に機能するこ
とができる。インダクタL1005及びL1006と弾性共振器A103とを含むハイブ
リッド共振器は、図11A及び11Bを参照して記載されるハイブリッド共振器と同様に
機能することができる。インダクタL802~L806、キャパシタC1002、及び弾
性共振器A102~A103を含むハイブリッドラダー構造は、図12を参照して記載さ
れるハイブリッドラダー構造と同様に機能することができる。
【0125】
図示のLCフィルタ104は、キャパシタC1003、C1004、C1005、C1
006及びC1007と、インダクタL1007、L1008、L1009及びL101
0とを含む。LCフィルタ104は、一つ以上のIPD、一つ以上のSMTコンポーネン
ト、基板上の一つ以上の導電性トレース、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得
る。一実施形態において、LCフィルタ104は、少なくともSMTコンポーネントと、
少なくとも一つのIPDと、パッケージ基板上の少なくとも一つの導電性トレースとを含
む。
【0126】
ここに説明されるハイブリッド弾性LCフィルタは、弾性波共振器及び非弾性受動コン
ポーネントを含む様々なハイブリッド共振器を含み得る。複数例のハイブリッド共振器が
図11A~12を参照して説明される。これらのハイブリッド共振器は、ここに説明さ
れる任意の適切な実施形態に関連して実装することができる。
【0127】
図11Aは、一実施形態に係るハイブリッド共振器110の模式的な図である。ハイブ
リッド共振器110は、弾性共振器112、第1インダクタ114及び第2インダクタ1
16を含む。弾性共振器112は、シャント共振器として配列される。弾性共振器112
は、例えばFBARとしてよい。弾性共振器112は、任意の他の適切な弾性共振器とし
てよい。弾性共振器112は、第1インダクタ114に並列される。弾性共振器112は
、第2インダクタ116に直列される。インダクタ114及び116と弾性共振器112
との組み合わせは、伝送損失への有意な影響なしに、通過帯域に相対的に近い一対のノッ
チをもたらし得る。ノッチは、通過帯域の下限又は上限から約1.1GHzから8.5G
Hzの範囲にあり得る。
【0128】
図11Bは、図11Aのハイブリッド共振器110の周波数応答のグラフである。周波
数応答は、図11Aを参照して説明された一対のノッチを示す。周波数応答はまた、シミ
ュレーションされたハイブリッド共振器110が、有意な伝送損失を導入しないことを示
す。
【0129】
図12は、他実施形態に係るハイブリッド共振器120の模式的な図である。ハイブリ
ッド共振器120はハイブリッドラダー構造である。ハイブリッド共振器120は、第1
直列シャント回路、LCタンク及び第2直列シャント回路を含む。第1直列シャント回路
は、第1弾性共振器122及び第1インダクタ123を含む。第2直列シャント回路は、
第2弾性共振器124及び第2インダクタ125を含む。LCタンクは、第3インダクタ
127に並列されたキャパシタ126を含む。ハイブリッド共振器120は、弾性ノード
間にLCタンクを含む。これは、共振器間インピーダンス整合と、ハイブリッド共振器1
20を含むフィルタの周波数応答における遠端ノッチとの双方を与えることができる。ハ
イブリッド共振器120はハイブリッドラダー構造を含む。ハイブリッド共振器120は
、例えば、低域通過フィル及び/又は高域通過フィルタのために使用することができる。
ハイブリッド共振器120はハイブリッドラダートポロジーである。
【0130】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタ
【0131】
5G無線通信技術の進展に伴い、新たなキャリアアグリゲーション(CA)仕様が、フ
ィルタのための厳格な相互変調歪み(IMD)除去を特定し得る。そのような新たなCA
は、従前のCAよりも多くのマルチプレクシングフィルタを含み得る。CA IMD除去
準拠フィルタに、通過帯域近くの周波数における鋭い阻止性を与えるべく、弾性支援フィ
ルタを、相対的に低い損失、広い通過帯域を与え、通過帯域近くの周波数において相対的
に鋭い阻止性を有するハイブリッド弾性LC共振器のようなハイブリッド共振器によって
設計することができる。弾性共振器は、相対的に高い電力が適用されると高調波を生成し
得る。弾性表面波デバイス又はバルク弾性波デバイスにより生成される高調波は、高い周
波数帯域へと漏れ、及び/又は標準仕様を超える放射を有し得る。
【0132】
CA準拠マルチプレクシングフィルタにエッジ帯域周波数における鋭い阻止性を与える
べく、ハイブリッド弾性LC広フィルタを、通過帯域アームの一部又はすべてに含めるこ
とができる。フィルタ弾性ダイ及び受動コンポーネントの使用を低減及び/又は最小化す
るべく、ハイブリッド弾性LCフィルタ、統合受動デバイス(IPD)フィルタ、又は受
動低域通過(LP)若しくは高域通過(HP)フィルタのいずれかを、2つ以上の通過帯
域アームにより共有することができる。加えて、帯域通過フィルタ(BPF)の(例えば
Wi-Fiの2.4GHzにおける)高い帯域のアームに特定の鋭い阻止性を与えるべく
、並列ハイブリッド弾性LCフィルタを含めることができる。いくつかの例において、並
列ハイブリッド弾性LCフィルタは、受動非弾性フィルタのような他のフィルタにカスケ
ード接続することができる。
【0133】
並列ハイブリッド弾性LCサブフィルタを有するハイブリッド弾性LCフィルタが開示
される。一実施形態において、並列弾性LCフィルタは、無線周波数信号をフィルタリン
グするべく構成された第1サブフィルタと、第1サブフィルタに並列に結合された第2サ
ブフィルタとを含む。第1サブフィルタは、第1弾性共振器及び第1LCコンポーネント
を含む。第2サブフィルタは、第2弾性共振器及び第2LCコンポーネントを含む。並列
ハイブリッド弾性LCフィルタは、共通ノードに一緒に結合された複数のフィルタを含む
マルチプレクサに実装することができる。並列ハイブリッド弾性フィルタは、ここに開示
される弾性LC回路の任意の適切な原理及び利点を実装することができる。一つの例とし
て、並列ハイブリッド弾性LCフィルタは、図11Aのハイブリッド共振器110を含み
得る。もう一つの例として、並列ハイブリッド弾性LCフィルタは、図12のハイブリッ
ドラダー構造120を含み得る。
【0134】
並列ハイブリッド弾性LCフィルタは帯域通過フィルタとしてよい。並列ハイブリッド
弾性LCフィルタは帯域阻止フィルタとしてよい。並列ハイブリッド弾性LCフィルタは
、高帯域経路に存在してよい。そのようなフィルタは、設計複雑性を低減及び/又は最小
化することができる。加えて、そのようなフィルタは、所定のアプリケーションにおいて
、わずかな数の受動コンポーネントとともに、及び/又は小さな物理的面積で、実装する
ことができる。ここに説明される並列ハイブリッド受動フィルタは、特定の周波数(例え
ばWi-Fi周波数帯域)における望ましい阻止性のような、高帯域経路のための設計仕
様を満たし得る。これにより、送信経路と受信経路とが同時に高帯域経路を共有すること
ができる。
【0135】
並列ハイブリッド弾性LCフィルタは、相対的に広い帯域幅、及び特定の周波数帯域に
おいて強力な阻止性を与えることができる。並列ハイブリッド弾性LCフィルタは、互い
並列されて他の周波数帯域の強力な阻止性を与えるべく配列された異なる周波数帯域用の
ハイブリッドフィルタを含み得る。一つの例として、並列バンド40及びバンド41のハ
イブリッド弾性LC帯域通過フィルタが、バンド40及びバンド41信号を通過させる十
分に広い帯域幅を与える一方で、2.4GHzのWi-Fi周波数帯域を強力に阻止する
ことができる。いくつかの実施形態において、受動非弾性フィルタは、高帯域経路におい
て広い帯域幅と鋭い阻止性の双方を達成するべく並列ハイブリッド弾性LCフィルタにカ
スケード接続することができる。所定の実施形態によれば、並列ハイブリッド弾性LCフ
ィルタ、及び共通ノードに結合された2つの他のフィルタによってトライプレクサを達成
することができる。例えば、低帯域(LB)/中間帯域(MB)/高帯域(HB)のため
のトライプレクサは、バンド41フィルタに並列されたバンド40フィルタを含むハイブ
リッド弾性LCフィルタによって実装されたLBフィルタ、MBフィルタ及びHBフィル
タを含み得る。そのようなトライプレクサは実効的には、システムレベルのキャリアアグ
リゲーションアプリケーションに有利なクアッドプレクサとして役割を果たすことができ
る。
【0136】
図13は、一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタ130の模式的なブロ
ック図である。並列ハイブリッド帯域通過フィルタ130は、互いに並列に配列された第
1帯域通過フィルタ132及び第2帯域通過フィルタ134を含む。第1帯域通過フィル
タ132及び第2帯域通過フィルタ134は、無線周波数信号をフィルタリングするべく
配列される。第1帯域通過フィルタ132は、第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポ
ーネントを含むハイブリッド弾性受動フィルタである。第1非弾性受動コンポーネントは
、少なくともインダクタ及びキャパシタを含み得る。第2帯域通過フィルタ134は、第
2弾性共振器及び第2非弾性受動コンポーネントを含むハイブリッド弾性受動フィルタと
してよい。第2非弾性受動コンポーネントは、少なくともインダクタ及びキャパシタを含
み得る。第1帯域通過フィルタ132は第1通過帯域を有し、第2帯域通過フィルタ13
4は第2通過帯域を有する。互いに並列された2つのフィルタを含むことにより、並列フ
ィルタの帯域幅を、当該並列フィルタに含まれる個々のフィルタのそれぞれよりも増大さ
せることができる。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ130は、第1通過帯域及び第2
通過帯域を含む帯域幅を有する。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ130の周波数応答
は、第1通過帯域と第2通過帯域との間の通過帯域にノッチを有し得る。ノッチは、例え
ば、2.4GHzのWi-Fi帯域のために存在し得る。並列ハイブリッド帯域通過フィ
ルタ130のためのシンボル135もまた、図13に示される。
【0137】
複数の実施形態が、高帯域フィルタ用の並列ハイブリッド弾性LCフィルタを参照して
説明されているにもかかわらず、ここに説明される適切な原理及び利点のいずれも、中間
帯域フィルタ、低帯域フィルタ、又はここに説明される特徴から利益がもたらされ得る任
意の他のフィルタに適用することができる。
【0138】
ここに説明される並列ハイブリッド弾性LCフィルタは、電力増幅器モジュール、ダイ
バーシティ受信モジュール、又は任意の他の適切な無線周波数フロントエンドモジュール
に実装することができる。
【0139】
ここに説明される並列ハイブリッド弾性受動フィルタは、共通ノードに一緒に結合され
た複数のフィルタを含むマルチプレクサに実装することができる。そのようなマルチプレ
クサは、ダイプレクサ、トライプレクサ、クアッドプレクサ等を含み得る。マルチプレク
サにおいて、任意の適切な数のフィルタを、共通ノードに一緒に結合することができる。
複数のフィルタを、スイッチプレクシング機能を実装するべく多投無線周波数スイッチを
介して共通ノードに一緒に結合することができる。並列ハイブリッド弾性受動フィルタを
含むマルチプレクサのいくつかの例が、図14~16を参照して記載される。図13の並
列ハイブリッド弾性フィルタ130を含むマルチプレクサの例は、並列ハイブリッド弾性
フィルタ130の任意の適切な原理及び利点に従って実装することができる。
【0140】
図14は、一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタ130を含むダイプレ
クサ140の模式的なブロック図である。ダイプレクサ140は、ハイブリッド並列帯域
通過フィルタ130及び第2フィルタ144を含む。図示のように、並列ハイブリッド弾
性フィルタ130は高帯域フィルタとしてよく、第2フィルタ144は中間帯域フィルタ
としてよい。並列ハイブリッド弾性フィルタ130及び第2フィルタ144は、図示され
るアンテナノードANTのような共通ノードに一緒に結合することができる。第2フィル
タ144は、ハイブリッド弾性受動フィルタ、非弾性LCフィルタ又は弾性波フィルタと
してよい。第2フィルタ144は帯域阻止フィルタとしてよい。帯域阻止フィルタの阻止
帯域は、第1帯域通過フィルタ132の第1通過帯域、及び/又は第2帯域通過フィルタ
134の第2通過帯域の一部又はすべてを含み得る。
【0141】
図15は、一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタ130を含むトライプ
レクサ150の模式的なブロック図である。トライプレクサ150は、ハイブリッド並列
帯域通過フィルタ130、第2フィルタ154及び第3フィルタ156を含む。図示のよ
うに、並列ハイブリッド弾性フィルタ130は高帯域フィルタとしてよく、第2フィルタ
154は中間帯域フィルタとしてよく、第3フィルタ156は低帯域フィルタとしてよい
。並列ハイブリッド弾性フィルタ130及び第2フィルタ156は、図示されるアンテナ
ノードANTのような共通ノードに一緒に結合することができる。第2フィルタ154は
、高域通過及び帯域阻止のフィルタとしてよい。高域通過及び帯域阻止のフィルタの阻止
帯域は、第1帯域通過フィルタ132の第1通過帯域、及び/又は第2帯域通過フィルタ
134の第2通過帯域の一部又はすべてを含み得る。第2フィルタ154は、ハイブリッ
ド弾性LCフィルタ、非弾性LCフィルタ又は弾性波フィルタとしてよい。第3フィルタ
156は低域通過フィルタとしてよい。第3フィルタ156は、ハイブリッド弾性LCフ
ィルタ、非弾性LCフィルタ又は弾性波フィルタとしてよい。第3フィルタ156は、第
2フィルタ154及びハイブリッド並列帯域通過フィルタ130それぞれの通過帯域を下
回る周波数を通過させることができる。
【0142】
図16は、一実施形態に係る共有高域通過フィルタ162及びハイブリッド並列帯域通
過フィルタ130を含むトライプレクサ160の模式的なブロック図である。トライプレ
クサ160は、図15のトライプレクサ150と同様であるが、共有高域通過フィルタ1
62が、ハイブリッド並列帯域通過フィルタ130及び第2フィルタ144の双方にカス
ケード接続されている点と、第2フィルタ144が帯域阻止フィルタである点が異なる。
したがって、共有高域通過フィルタ162は、並列ハイブリッド弾性フィルタ130と共
通ノードとの間に結合される。共有高域通過フィルタ162はまた、第2フィルタ144
と共通ノードとの間に結合される。共有高域通過フィルタ162は、例えばLCフィルタ
又はハイブリッド弾性LCフィルタとしてよい。一実施形態において、共有高域通過フィ
ルタ162は、非弾性受動フィルタとしてよい。そのような共有高域通過フィルタ162
は、並列ハイブリッド弾性フィルタ130と一緒になって、相対的に広い帯域幅、及び高
帯域経路に対する相対的に鋭い阻止性を達成することができる。
【0143】
図17は、一実施形態に係る共有高域通過フィルタ162及びハイブリッド帯域通過フ
ィルタを含むクアッドプレクサ170の模式的なブロック図である。クアッドプレクサ1
70は、図16のトライプレクサ160と同様であるが、第1帯域通過フィルタ132及
び第2帯域通過フィルタ134それぞれに対して別個の端子が設けられている点が異なる
。これにより、キャリアアグリゲーションオプションの点で自由度を与えることができる
。クアッドプレクサ170において、第1帯域通過フィルタ132及び第2帯域通過フィ
ルタ134は、異なる周波数帯域内の信号を受信してそれぞれの信号をフィルタリングす
ることができる。
【0144】
図17は、ハイブリッド弾性受動フィルタを含むマルチプレクサの一例である。第1帯
域通過フィルタ132及び第2帯域通過フィルタ134は、異なる通過帯域を有し、双方
ともが共有高域通過フィルタ162を経由して共通ノード(図17のアンテナノードAN
T)に結合される。第1帯域通過フィルタ132及び/又は第2帯域通過フィルタ134
は、弾性共振器及び非弾性受動コンポーネントを含み得る。非弾性受動コンポーネントは
、弾性波共振器を含むダイの外部にあるインダクタ及びキャパシタを含み得る。非弾性受
動コンポーネントは、複数の弾性共振器のうちの一の弾性共振器に並列されたインダクタ
を含み得る。第1帯域通過フィルタ132及び/又は第2帯域通過フィルタ134は、こ
こに開示されるハイブリッド弾性受動フィルタの特徴の任意の適切な組み合わせを含み得
る。所定の実施形態において、第1帯域通過フィルタ132及び第2帯域通過フィルタ1
34はそれぞれが、2ギガヘルツから3ギガヘルツの周波数範囲内の通過帯域のような、
2ギガヘルツから5ギガヘルツの周波数範囲内の通過帯域を有する。
【0145】
帯域阻止フィルタ144は、共有高域通過フィルタ162を経由して共通ノードに結合
される。帯域阻止フィルタ144は、第1帯域通過フィルタ132及び第2帯域通過フィ
ルタ134の通過帯域を含む阻止帯域を含む。低域通過フィルタ156は共通ノードに結
合される。
【0146】
クアッドプレクサ170によれば、図16のトライプレクサ160と比べて所定のキャ
リアアグリゲーション性能を改善することができる。例えば、クアッドプレクサを含む無
線通信デバイスは、共通ノードにおいて第1キャリア及び第2キャリアを含むキャリアア
グリゲーションをサポートすることができる。この例において、第1キャリアは、第1帯
域通過フィルタ132の通過帯域内かつ第2帯域通過フィルタ134の通過帯域外に存在
し、第2キャリアは、第1帯域通過フィルタ132及び第2帯域通過フィルタ134それ
ぞれの通過帯域の双方の外側に存在する。第1キャリアを第2帯域通過フィルタ134に
よってフィルタリングしないことにより、クアッドプレクサ170における挿入損失の劣
化が、トライプレクサ160と比べて少なくなり得る。
【0147】
図18は、一実施形態に係るハイブリッド並列帯域通過フィルタ182を含むトライプ
レクサ180の模式的な図である。図18において、ハイブリッド並列帯域通過フィルタ
を有する一例のマルチプレクサが示される。図示のように、トライプレクサ180は、ハ
イブリッド並列帯域通過フィルタ182、ハイブリッド弾性LCフィルタ184、非弾性
LCフィルタ186及び高調波ノッチフィルタ188を含む。
【0148】
ハイブリッド並列帯域通過フィルタ182は、ハイブリッド並列帯域通過フィルタ13
0の一例である。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ182は、トライプレクサ180に
おける高帯域フィルタである。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ182は、弾性波共振
器及びインダクタの一例のフィルタトポロジーである。図示のように、高帯域信号が、イ
ンダクタL1801及びL1802を経由してハイブリッド並列帯域通過フィルタ182
に与えられる。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ182は、弾性共振器A1801、A
1802、A1803、A1804、A1805、A1806、A1807、A1808
、A1809及びA1810、並びにインダクタL1803、L1804及びL1805
を含む第1サブフィルタを含む。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ182はまた、弾性
共振器A1811、A1812、A1813、A1814、A1815、A1816、A
1817、A1818、A1819及びA1820、並びにインダクタL1806及びL
1807を含む第2サブフィルタも含む。ハイブリッド並列帯域通過回路182は、図1
8に示されない複数の寄生容量を含む。ただし、これらの寄生容量は、ハイブリッド並列
帯域通過フィルタ182のLC回路の一部である。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ1
82のインダクタは、一つ以上のSMTインダクタ、及び/又は基板の一つ以上の導電性
トレースを含み得る。ハイブリッド並列帯域通過フィルタ182の弾性共振器は、一つ以
上のFBARのような一つ以上のBAW共振器を含み得る。
【0149】
ハイブリッド弾性LCフィルタ184は、弾性共振器、インダクタ及びキャパシタを含
む。図示のように、ハイブリッド弾性LCフィルタ184は、弾性共振器A1821、A
1822、A1823、A1824、A1825、A1826、A1827、A1828
及びA1829、インダクタL1808、L1809、L1810、L1811及びL1
812、並びにキャパシタC1801及びC1802を含む。ハイブリッド弾性LCフィ
ルタ184は、ここに開示されるハイブリッド弾性LCフィルタの任意の適切な原理及び
利点に従って実装することができる。ハイブリッド弾性LCフィルタ184は、トライプ
レクサ180における中間帯域フィルタである。
【0150】
非弾性LCフィルタ186は、トライプレクサ180における低帯域フィルタである。
非弾性LCフィルタ186は低域通過フィルタとしてよい。そのような低域通過フィルタ
は、例えば図24A及び/又は24Bの低域通過フィルタの任意の適切な原理及び利点に
従って実装することができる。
【0151】
高調波ノッチフィルタ188は、高調波をフィルタリングして除去するべく無線周波数
信号の高調波においてノッチを与えることができる。高調波ノッチフィルタ188は、例
えば図24Dの低域通過フィルタの任意の適切な原理及び利点に従って実装することがで
きる。図示の高調波ノッチフィルタ188は、キャパシタC1803、C1804、C1
805及びC1806、並びにインダクタL1813及びL1814を含む。高調波ノッ
チフィルタ188は、2つの高調波周波数においてノッチを与えることができる。
【0152】
図19Aは、図18のトライプレクサ180のシミュレーション結果を示す。図19A
は、トライプレクサ180のフィルタ182、184及び186の通過帯域を示す。低域
通過フィルタ186は、実線曲線で示される通過帯域を有する。中間帯域フィルタ184
は、第1破線曲線で示される通過帯域を有する。並列ハイブリッド弾性帯域通過フィルタ
182は、異なる破線曲線で示される通過帯域を有する。並列ハイブリッド弾性帯域通過
フィルタ182は、その通過帯域の中間部にノッチを有する。このノッチは、並列ハイブ
リッド弾性帯域通過フィルタ182が通過させるべく配列される2つの異なる周波数帯域
間の周波数範囲に対応し得る。シミュレーション結果は、従前の設計と比べて、トライプ
レクサ180における中間帯域フィルタ及び高帯域フィルタにわたって分離性が改善され
ることを示す。9:1の負荷プルを有する図18のトライプレクサ180のシミュレーシ
ョンには、合理的な挿入損失が存在する。
【0153】
図19Bは、図18のトライプレクサ180のシミュレーション結果のグラフを、従前
の設計と比べて示す。これらのシミュレーション結果は、トライプレクサ180によって
、従前の設計と比べて挿入損失及び分離性の双方が改善されることを示す。
【0154】
ここに説明される並列ハイブリッド弾性フィルタの複数の実施形態が帯域通過フィルタ
に関するにもかかわらず、ここに説明される並列ハイブリッド弾性フィルタの任意の適切
な原理及び利点は、帯域阻止フィルタに適用することができる。並列ハイブリッド弾性帯
域阻止フィルタは、独立型フィルタとして、又はマルチプレクサにおいて、実装すること
ができる。複数例の並列ハイブリッド弾性帯域阻止フィルタが、図20~22を参照して
説明される。
【0155】
図20は、一実施形態に係るハイブリッド並列帯域阻止フィルタ200の模式的なブロ
ック図である。ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ200は、他のフィルタの通過帯域の
密接に近いところで、有意に帯域内損失を劣化させ得るLCノッチフィルタを使用するこ
となしに、相対的に広い帯域阻止性をもたらすことができる。
【0156】
並列ハイブリッド帯域阻止フィルタ200は、互いに並列に配列された第1帯域阻止フ
ィルタ202及び第2帯域阻止フィルタ204を含む。第1帯域阻止フィルタ202及び
第2帯域阻止フィルタ204は、無線周波数信号をフィルタリングするべく配列される。
第1帯域阻止フィルタ202は、第1弾性共振器及び第1非弾性受動コンポーネントを含
むハイブリッド弾性受動フィルタである。第1非弾性受動コンポーネントは、少なくとも
インダクタ及びキャパシタを含み得る。第2帯域阻止フィルタ204は、第2弾性共振器
及び第2非弾性受動コンポーネントを含むハイブリッド弾性受動フィルタである。第2非
弾性受動コンポーネントは、少なくともインダクタ及びキャパシタを含み得る。第1帯域
阻止フィルタ202は第1阻止帯域を有し、第2帯域阻止フィルタ204は第2阻止帯域
を有する。互いに並列された2つのフィルタを含むことにより、並列ハイブリッド帯域阻
止フィルタ200の阻止帯域は、当該並列フィルタに含まれる個々のフィルタ202又は
204のそれぞれと比べて増加する。
【0157】
ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ200は、第1阻止帯域及び阻止通過帯域を含む阻
止帯域を有する。ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ200の周波数応答は、第1阻止帯
域と第2阻止帯域との間のその阻止帯域にノッチを有し得る。並列ハイブリッド帯域通過
フィルタ205のためのシンボル305もまた、図20に示される。
【0158】
図21は、一実施形態に係るハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210の模式的な図で
ある。ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210は、図20のハイブリッド並列帯域阻止
フィルタ200の一例である。ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210は、弾性波共振
器及びインダクタの一例のフィルタトポロジーである。ハイブリッド並列帯域阻止フィル
タ210は、図21に示されない複数の寄生容量を含む。ただし、これらの寄生容量は、
ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210のLC回路の一部である。
【0159】
図示のように、無線周波数信号が、インダクタL2101及びL2102を経由してハ
イブリッド並列帯域阻止フィルタ210に与えられる。ハイブリッド並列帯域阻止フィル
タ210は、弾性共振器A2101、A2102、A2103、A2104及びA210
5、並びにインダクタL2103、L2104、L2105、L2106及びL2107
を含む第1サブフィルタ212を含む。ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210はまた
、弾性共振器A216、A217、A218、A219及びA220を含む第2サブフィ
ルタ214、インダクタL2108、L2109及びL2110、並びにキャパシタC2
101も含む。ハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210のインダクタは、一つ以上のS
MTインダクタ、及び/又は基板の一つ以上の導電性トレースを含み得る。ハイブリッド
並列帯域阻止フィルタ210の弾性共振器は、一つ以上のFBARのような一つ以上のB
AW共振器を含み得る。
【0160】
図22は、図21のハイブリッド並列帯域阻止フィルタ210の周波数応答のグラフで
ある。図22における周波数応答は、並列ハイブリッド弾性帯域阻止フィルタ210によ
って相対的に広い阻止帯域が達成できることを示す。
【0161】
高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタ
【0162】
5G無線通信技術の進展に伴い、新たなキャリアアグリゲーション(CA)が、フィル
タのための厳格な相互変調歪み(IMD)除去を特定し得る。CA IMD除去準拠フィ
ルタに、通過帯域近くの周波数における鋭い阻止性を与えるべく、弾性支援フィルタを、
相対的に低い損失、広い通過帯域を与え、通過帯域近くの周波数において相対的に鋭い阻
止性を有するハイブリッド弾性LC共振器のようなハイブリッド共振器によって設計する
ことができる。弾性共振器は、相対的に高い電力が適用されると高調波を生成し得る。表
面弾性デバイス又はバルク弾性デバイスにより生成された高調波は、高周波数帯域へと漏
れ、及び/又は規格のための仕様を超える放射を有し得る。
【0163】
弾性共振器フィルタが相対的高い電力で高調波を生成し得るので、ハイブリッド弾性L
Cフィルタ阻止を達成することと、共振器が生成する高調波を抑制することとの双方のた
めに、受動非弾性フィルタをハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続することが
できる。したがって、自己生成高調波を抑制しながら相対的に広い帯域幅及び相対的に高
い阻止性を達成するべく、統合受動デバイス(IPD)フィルタのような非弾性LCフィ
ルタをハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続することができる。
【0164】
ここに説明されるハイブリッド弾性LCフィルタ及び/又はマルチプレクサは、一つ以
上の高調波周波数を抑制するべく高調波抑制フィルタを含み得る。高調波抑制フィルタは
、低域通過フィルタ及び/又はノッチフィルタとしてよい。開示の高調波抑制フィルタは
非弾性フィルタを含む。例えば、高調波抑制フィルタは、IPDフィルタとしてよい。高
調波抑制フィルタは、ハイブリッド弾性LCフィルタにカスケード接続される。これらの
カスケード接続フィルタは、電力増幅器とアンテナポートとの間に結合することができる
。例えば、高調波抑制フィルタは、アンテナポートとハイブリッド弾性LCフィルタとの
間に結合することができる。
【0165】
本開示の複数の側面は、高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタに関する。
ハイブリッド弾性LCは、無線周波数信号をフィルタリングするべく構成されたハイブリ
ッド受動/弾性フィルタと、当該無線周波数信号の高調波を抑制するべく構成された非弾
性LCフィルタとを含む。ハイブリッド受動/弾性フィルタは、複数の弾性共振器及び一
の非弾性受動コンポーネントを含む。非弾性LCフィルタは、ハイブリッド受動/弾性フ
ィルタにカスケード接続される。
【0166】
非弾性LCフィルタはノッチフィルタとしてよい。ノッチフィルタの周波数応答は、無
線周波数信号の第2高調波に対応するノッチを有し得る。ノッチフィルタの周波数応答は
、無線周波数信号の第3高調波に対応するノッチを有し得る。非弾性LCフィルタは、低
域通過フィルタとしてよい。非弾性LCフィルタは、統合受動デバイスダイの統合受動デ
バイスを含み得る。
【0167】
ハイブリッド受動/弾性フィルタは、ここに開示されるハイブリッド共振器のいずれか
の任意の適切な原理及び利点に従って実装することができる。例えば、ハイブリッド受動
/弾性フィルタは、図11Aのハイブリッド共振器、及び/又は図12のハイブリッド共
振器を含み得る。弾性共振器は、バルク弾性共振器を含み得る。
【0168】
高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタは、独立型フィルタのような様々な
アプリケーションにおいて、無線周波数信号をフィルタリングするべく配列された複数の
フィルタを含むマルチプレクサ、及び携帯電話機のような無線通信デバイスにおいて、実
装することができる。ここに説明される高調波抑制を備えた並列ハイブリッド弾性LCフ
ィルタは、電力増幅器モジュール、ダイバーシティ受信モジュール、又は任意の他の適切
な無線周波数フロントエンドモジュールに実装することができる。
【0169】
図23Aは、フィルタ230を含む無線周波数システムの模式的なブロック図である。
フィルタ230は、一実施形態に係る低域通過フィルタ234にカスケード接続されたハ
イブリッド弾性LCフィルタ232を含む。無線周波数システムはまた、電力増幅器23
1及びアンテナ234を含む。図示のように、ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、
電力増幅器231からの無線周波数信号を受信することができる。電力増幅器231から
の無線周波数信号は、相対的に高い電力を有し得る。ハイブリッド弾性LCフィルタ23
2の弾性共振器は、一つ以上の高調波を生成し得る。低域通過フィルタ234は、そのよ
うな高調波をフィルタリングして除去することができる。したがって、フィルタ230は
、高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタとなる。図示のように、低域通過フ
ィルタ234は、ハイブリッド弾性LCフィルタ232の出力部とアンテナ234との間
に結合される。アンテナ234は、電力増幅器231により与えられた無線周波数信号の
フィルタリング済みバージョンを送信することができる。
【0170】
ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、弾性共振器及び非弾性受動コンポーネントを
含み得る。弾性共振器は、FBARのような一つ以上のバルク弾性波共振器、一つ以上の
SAW共振器、一つ以上の境界波共振器、一つ以上のラム波共振器等、又はこれらの任意
の適切な組み合わせを含み得る。ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、一つ以上のイ
ンダクタ及び一つ以上キャパシタを含むLC回路を含み得る。一つ以上のキャパシタは、
一つ以上のIPDキャパシタ、一つ以上の表面実装キャパシタ、一つ以上の寄生キャパシ
タ等、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。一つ以上のインダクタは、一つ
以上のIPDインダクタ、一つ以上の表面実装導体、パッケージ基板の導電性トレースと
して実装された一つ以上のインダクタ等、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得
る。ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、ここに開示されるハイブリッド弾性LCフ
ィルタの任意の適切な原理及び利点に従って実装することができる。いくつかの例におい
て、ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、図11Aのハイブリッド共振器110を含
み得る。ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、所定のアプリケーションにおいて図1
2のハイブリッドラダー構造120を含み得る。
【0171】
所定のアプリケーションにおいて、ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、3.3G
Hz~4.2GHzの通過帯域を有し得る。いくつかの他のアプリケーションによれば、
ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、4.4GHz~5GHzの通過帯域を有し得る
。ハイブリッド弾性LCフィルタ232は、様々な実施形態において、(a)キャリアア
グリゲーション伝送ブロッカー、及び(b)連続波帯域外ブロッカーのための阻止を与え
ることができる。
【0172】
低域通過フィルタ234は、カットオフ周波数を下回る信号を通過させ、カットオフ周
波数を上回る信号を抑制することができる。したがって、低域通過フィルタ234のカッ
トオフ周波数は、ハイブリッド弾性LCフィルタ232からの無線周波数信号を通過させ
るとともに当該無線周波数信号の一つ以上の高調波を抑制するように選択することができ
る。例えば、カットオフ周波数は、無線周波数信号の周波数を上回りかつ当該無線周波数
信号の第2高調波を下回る周波数に設定し得る。所定の実施形態において、ハイブリッド
弾性LCフィルタ232は帯域通過フィルタであり、低域通過フィルタ234のカットオ
フ周波数は、当該帯域通過フィルタの通過帯域を上回り、かつ、当該帯域通過フィルタが
通過させる無線周波数信号の第2高調波を下回る。
【0173】
低域通過フィルタ234は、非弾性LCフィルタとしてよい。低域通過フィルタ234
は、一つ以上のキャパシタ及び一つ以上のインダクタを含み得る。低域通過フィルタ23
4は、一つ以上のIPD、一つ以上の表面実装受動コンポーネント、パッケージ基板上の
一つ以上の誘導トレースのようなパッケージ基板の一つ以上の受動コンポーネント等、又
はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。低域通過フィルタ232のための複数例
の回路トポロジーが、図24A及び24Bを参照して説明される。
【0174】
図23Bは、フィルタ235を含む無線周波数システムの模式的なブロック図である。
フィルタ235は、一実施形態に係る高調波ノッチフィルタ236にカスケード接続され
たハイブリッド弾性LCフィルタ232を含む。図23Bの無線周波数システムは、図2
3Aの無線周波数システムと同様であるが、図23Aのフィルタ230が図23Bにおい
てはフィルタ234に置換されている点が異なる。フィルタ235は、図23Aのフィル
タ230と同様であるが、図23Aのフィルタ230からの低域通過フィルタ234の代
わりに高調波ノッチフィルタ236が含まれる点が異なる。図示のように、高調波ノッチ
フィルタ236は、ハイブリッド弾性LCフィルタ232の出力部とアンテナ234との
間に結合される。
【0175】
高調波ノッチフィルタ236は、ハイブリッド弾性LCフィルタ232からの無線周波
数信号の一つ以上の対応高調波をフィルタリングして除去するべく、その周波数応答に一
つ以上のノッチを有し得る。ハイブリッド弾性LCフィルタ232の弾性共振器により生
成される第2高調波が、最も目立つ高調波である。したがって、高調波ノッチフィルタ2
36は、第2高調波における周波数応答にノッチを有する第2高調波ノッチフィルタとな
り得る。高調波ノッチフィルタ236は、一つ以上の他の高調波においてノッチを有し得
る。所定の実施形態において、ハイブリッド弾性LCフィルタ232にカスケード接続さ
れた高調波ノッチフィルタは、任意の適切な高調波に2つ以上のノッチを有し得る。一例
として、高調波ノッチフィルタは、第2高調波及び第3高調波においてノッチを有し得る
。ハイブリッド弾性LCフィルタ232により与えられる無線周波数信号の高調波におけ
るノッチにより、高調波ノッチフィルタ236は、ハイブリッド弾性LCフィルタ232
の弾性共振器により生成される高調波を抑制することができる。
【0176】
高調波ノッチフィルタ236は、一つ以上のキャパシタ及び一つ以上のインダクタを含
む非弾性LCフィルタとしてよい。高調波ノッチフィルタ236は、一つ以上のIPD、
一つ以上の表面実装受動コンポーネント、パッケージ基板上の一つ以上の誘導トレースの
ようなパッケージ基板の一つ以上の受動コンポーネント等、又はこれらの任意の適切な組
み合わせを含み得る。高調波ノッチフィルタ236及び/又は他の適切な高調波ノッチフ
ィルタのための複数例の回路トポロジーが、図24C及び24Dを参照して説明される。
【0177】
図24Aは、一例の低域通過フィルタ240の模式的な図である。低域通過フィルタ2
40は、図23Aの低域通過フィルタ234の一例である。低域通過フィルタ240は、
カットオフ周波数を上回る周波数をフィルタリングして除去するべく配列された直列イン
ダクタL1及びシャントキャパシタC1を含む。直列インダクタL1のインダクタンス、
及びシャントキャパシタC1のキャパシタンスは一緒になって、低域通過フィルタ240
におけるカットオフ周波数を設定することができる。
【0178】
図24Bは、他例の低域通過フィルタ242の模式的な図である。低域通過フィルタ2
42は、図23Aの低域通過フィルタ234の一例である。低域通過フィルタ242は、
直列インダクタL1~LN、及びシャントキャパシタC1~CNを含む。直列インダクタ
L1~LNのインダクタンス、及びシャントキャパシタC1~CNのキャパシタンスが一
緒になって、低域通過フィルタ242におけるカットオフ周波数を設定することができる
【0179】
図24Cは、一例の高調波ノッチフィルタ243の模式的な図である。高調波ノッチフ
ィルタ243は、図23Bの低域通過フィルタ236の一例である。高調波ノッチフィル
タ243はシャント直列LC回路を含む。シャント直列LC回路のインダクタLs及びキ
ャパシタC1は、ノッチの周波数を設定することができる。インダクタLs及びキャパシ
タC1の異なるインピーダンスが一緒になって、異なる周波数のそれぞれにノッチを生成
することができる。ノッチは、任意の適切な高調波周波数によって与えることができる。
例えば、ノッチは、高調波ノッチフィルタ243に与えられる無線周波数信号の第2高調
波に設定することができる。他例として、ノッチは、高調波ノッチフィルタ243に与え
られる無線周波数信号の第3高調波に設定することができる。
【0180】
図24Dは、一例の高調波ノッチフィルタ244の模式的な図である。高調波ノッチフ
ィルタ244は、図23Bの低域通過フィルタ236の一例である。高調波ノッチフィル
タ244は、2つのシャント直列LC回路を含む。第1シャント直列LC回路は、キャパ
シタC1及びインダクタLs1を含む。第2シャント直列LC回路は、キャパシタC2及
びインダクタLs2を含む。2つのシャント直列LC回路は、第2高調波及び第3高調波
のような異なる高調波においてノッチを与えることができる。したがって、図示の高調波
ノッチフィルタ244は、2つの異なる高調波においてノッチを与えることができる。各
シャント直列LCのインピーダンスは、各ノッチの対応周波数を設定することができる。
他の高調波ノッチフィルタは、3つ以上の高調波においてノッチを与えることができる。
【0181】
図24Eは、一例の高調波ノッチ及び低域通過フィルタ245の模式的な図である。高
調波ノッチ及び低域通過フィルタ245は、高調波における周波数応答にノッチを含む低
域通過フィルタを与えることができる。シャント直列LC回路は、高調波ノッチを与える
ことができる。シャント直列LC回路は、キャパシタC1及びインダクタLsを含む。直
列インダクタL1は、シャントキャパシタC2と一緒になって低域通過フィルタ特性を与
えることができる。
【0182】
ここに説明される高調波抑制を備えたハイブリッド弾性LCフィルタは、共通ノードに
一緒に結合された複数の無線周波数フィルタを含むマルチプレクサに実装することができ
る。複数例のマルチプレクサが、ダイプレクサ、トライプレクサ、クアッドプレクサ等を
含み得る。マルチプレクサにおいて、任意の適切な数のフィルタを、共通ノードに一緒に
結合することができる。複数のフィルタを、スイッチプレクシング機能を実装するべく多
投無線周波数スイッチを介して共通ノードに一緒に結合することができる。高調波抑制を
備えたハイブリッド弾性LCフィルタを含むいくつかの例のマルチプレクサが、図25A
~25Bを参照して記載される。これらの例の実施形態においてマルチプレクサはトライ
プレクサであるが、そのような実施形態に関連付けられる原理及び利点は、任意の他の適
切なマルチプレクサに適用することができる。他の適切なマルチプレクサには、ダイプレ
クサ、クアッドプレクサ等が含まれる。
【0183】
図25Aは、トライプレクサ250の模式的なブロック図である。トライプレクサ25
0は、一実施形態に係る低域通過フィルタ234にカスケード接続されたハイブリッド弾
性LCフィルタ232を含む。トライプレクサ250は、図23Aのフィルタ230、高
帯域フィルタ252、及び低帯域フィルタ254を含む。フィルタ230、高帯域フィル
タ252及び低帯域フィルタ254は、共通ノードにおいて一緒に結合される。共通ノー
ドは、トライプレクサ250におけるアンテナノードである。フィルタ230は、トライ
プレクサ250における中間帯域フィルタである。高帯域フィルタ252は、帯域通過フ
ィルタ又は高域通過フィルタとしてよい。高帯域フィルタ252は、高帯域無線周波数信
号をフィルタリングするべく配列される。高帯域フィルタ252は、ここに説明される任
意の適切な原理及び利点に従って実装されたハイブリッド弾性LCフィルタとしてよい。
一つの例として、高帯域フィルタは、並列ハイブリッド弾性受動フィルタを含んでよい。
いくつかの他実施形態において、高帯域フィルタ252は、非弾性LC回路要素のような
任意の他の適切な回路要素によって実装することができる。低帯域フィルタ254は、低
域通過フィルタ又は帯域通過フィルタとしてよい。低帯域フィルタ254は、低帯域無線
周波数信号をフィルタリングするべく配列される。低帯域フィルタ254は、ここに説明
される任意の適切な原理及び利点に従って実装されたハイブリッド弾性LCフィルタとし
てよい。いくつかの他実施形態において、低帯域フィルタ254は、非弾性LC回路要素
のような任意の他の適切な回路要素によって実装することができる。
【0184】
図25Bは、トライプレクサ255の模式的なブロック図である。トライプレクサ25
5は、一実施形態に係る高調波ノッチフィルタ236にカスケード接続されたハイブリッ
ド弾性LCフィルタ232を含む。トライプレクサ255は、図25Aのトライプレクサ
250と同様であるが、フィルタ230の代わりにフィルタ235が含まれる点が異なる
。フィルタ235は、ハイブリッド弾性LCフィルタ232により与えられる無線周波数
信号における高調波を抑制するべく配列された高調波ノッチフィルタ236を含む。高調
波ノッチフィルタ236は、いくつかのアプリケーションにおいて、2つ以上の高調波に
対してノッチを与えることができる。所定の実施形態において、マルチプレクサのフィル
タが、低域通過及び高調波ノッチフィルタにカスケード接続されたハイブリッド弾性LC
フィルタを含み得る。
【0185】
無線周波数モジュール
【0186】
ここに開示されるフィルタは、様々なパッケージ状モジュールに実装することができる
。ここに開示されるフィルタ及び/又はマルチプレクサの任意の適切な原理及び利点を実
装することができるいくつかの例のパッケージ状モジュールが以下に開示される。当該例
のパッケージ状モジュールは、図示の回路素子を封入するパッケージを含み得る。無線周
波数コンポーネントを含むモジュールを、無線周波数モジュールと称してよい。図示の回
路素子は、共通パッケージ基板上に配置することができる。パッケージ基板は、例えば、
積層基板としてよい。図26~28は、所定の実施形態に係る例示のパッケージ状モジュ
ール模式的なブロック図である。当該パッケージ状モジュールの特徴の任意の適切な組み
合わせを相互に一緒に実装することができる。図26~28の当該例のパッケージ状モジ
ュールにおいてフィルタが示されるが、そのようなフィルタはいずれも、適切なマルチプ
レクサに実装することができる。
【0187】
図26は、一実施形態に係るフィルタ262を含む送信経路を有する無線周波数モジュ
ール260の模式的な図である。図示のモジュール260は、フィルタ262、電力増幅
器263及び無線周波数スイッチ264を含む。電力増幅器を含む無線周波数モジュール
を、電力増幅器モジュールと称してよい。電力増幅器263は、無線周波数信号を増幅す
る。無線周波数スイッチ264は多投無線周波数スイッチとしてよい。無線周波数スイッ
チ264は、電力増幅器263の出力をフィルタ262に電気的に結合することができる
。フィルタ262は、送信無線周波数信号をフィルタリングするべく配列された送信フィ
ルタである。フィルタ262は、ここに開示されるフィルタの特徴の任意の適切な組み合
わせを含み得る。いくつかの他例において、無線周波数スイッチが、送信信号経路を電力
増幅器263の入力部に選択的かつ電気的に接続することができる。
【0188】
図27は、一実施形態に係るフィルタ272を含む受信経路を有する無線周波数モジュ
ール270の模式的な図である。図示のモジュール270は、フィルタ272、低雑音増
幅器増幅器274及び無線周波数スイッチ274を含む。フィルタ272は、受信無線周
波数信号をフィルタリングするべく配列された受信フィルタである。フィルタ272は、
ここに開示されるフィルタの特徴の任意の適切な組み合わせを含み得る。低雑音増幅器2
74は、フィルタ272により与えられたフィルタリング済み受信無線周波数信号を増幅
することができる。無線周波数スイッチ274は、低雑音増幅器274の出力を受信経路
に電気的に結合することができる。所定の実施形態において、無線周波数スイッチ276
は、低雑音増幅器274の出力を一つ以上の選択された受信経路に選択的かつ電気的に結
合するべく配列された多投無線周波数スイッチとしてよい。そのような実施形態において
、無線周波数分割器(図示せず)を、低雑音増幅器274と無線周波数スイッチ276と
の間に結合することができる。
【0189】
図28は、一実施形態に係るフィルタ282を含む無線周波数モジュール280の模式
的な図である。図示のモジュール280は、一つ以上のフィルタ282、無線周波数スイ
ッチ284、電力増幅器263、及び低雑音増幅器274を含む。一つ以上のフィルタ2
82は、ここに開示されるフィルタの特徴の任意の適切な組み合わせを含み得る。無線周
波数スイッチ284は、一つ以上のフィルタ282を電力増幅器263及び/又は低雑音
増幅器274に電気的に結合することができる。
【0190】
無線通信デバイス
【0191】
ここに説明されるフィルタは、無線通信デバイスにおいて無線周波数信号をフィルタリ
ングすることができる。複数例の無線通信デバイスが、図29及び30を参照して説明さ
れる。
【0192】
図29は、一実施形態に係る無線周波数フロントエンド292にフィルタ293を含む
無線通信290デバイスの模式的な図である。無線通信デバイス290は、任意の適切な
無線通信デバイスでよい。例えば、無線通信デバイス290は、スマートフォンのような
携帯電話機としてよい。図示のように、無線通信デバイス290は、アンテナ191、フ
ィルタ293を含むRFフロントエンド292、送受信器294、プロセッサ295、メ
モリ297及びユーザインタフェイス197を含む。アンテナ291は、RFフロントエ
ンド292により与えられたRF信号を送信することができる。そのようなRF信号は、
キャリアアグリゲーション信号を含み得る。アンテナ291は、受信したRF信号を、処
理を目的としてRFフロントエンド292に与え得る。そのようなRF信号は、キャリア
アグリゲーション信号を含み得る。
【0193】
RFフロントエンド292は、一つ以上の電力増幅器、一つ以上の低雑音増幅器、RF
スイッチ、受信フィルタ、送信フィルタ、デュプレクスフィルタ、マルチプレクサ、周波
数マルチプレクシング回路、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。RFフロントエ
ンド292は、任意の適切な通信規格に関連づけられたRF信号を送信及び受信すること
ができる。フィルタ293は、ここに説明されるフィルタの任意の適切な原理及び利点に
従って実装することができる。例えば、フィルタ293は、図1~25Bのいずれかを参
照して説明された特徴の任意の適切な組み合わせを実装し得る。RFフロント292の2
つ以上のフィルタは、ここに開示される任意の適切な原理及び利点に従って実装すること
ができる。
【0194】
RF送受信器294は、増幅及び/又は他の処理を目的としてRF信号をRFフロント
エンド292に与えることができる。送受信器294はまた、RFフロントエンド292
の低雑音増幅器が与えるRF信号を処理することもできる。送受信器294はプロセッサ
295と通信する。プロセッサ295は、ベース帯域プロセッサとしてよい。プロセッサ
295は、無線通信デバイス290のための任意の適切なベース帯域処理機能を与えるこ
とができる。メモリ296には、プロセッサ295がアクセス可能である。メモリ296
は、無線通信デバイス290のための任意の適切なデータを記憶することができる。プロ
セッサ295はまた、ユーザインタフェイス297とも通信する。ユーザインタフェイス
297は、ディスプレイのような任意の適切なユーザインタフェイスとしてよい。
【0195】
図30は、一実施形態に係る無線周波数フロントエンド292におけるフィルタ293
とダイバーシティ受信モジュール302における第2フィルタ303とを含む無線通信デ
バイス300の模式的な図である。無線通信デバイス300は図29の無線通信デバイス
290と同様であるが、無線通信デバイス300がさらにダイバーシティ受信機能を含む
点が異なる。図30に示されるように、無線通信デバイス300は、ダイバーシティアン
テナ301と、ダイバーシティアンテナ301が受信した信号を処理するべく構成されて
フィルタ303を含むダイバーシティモジュール302と、無線周波数フロントエンド2
92及びダイバーシティ受信モジュール302双方と通信する送受信器304とを含む。
フィルタ303は、ここに説明されるフィルタの任意の適切な原理及び利点に従って実装
することができる。例えば、フィルタ303は、図1~25Bのいずれかを参照して説明
された特徴の任意の適切な組み合わせを実装し得る。ダイバーシティ受信モジュール30
2の2つ以上のフィルタを、ここに開示される任意の適切な原理及び利点に従って実装す
ることができる。
【0196】
むすび
【0197】
ここに説明される原理及び利点はいずれも、上述したシステム、モジュール、チップ、
フィルタアセンブリ、フィルタ、無線通信デバイス及び方法だけでなく、他の適切なシス
テム、モジュール、チップ、フィルタアセンブリ、フィルタ、無線通信デバイス及び方法
にも適用することができる。上述した様々な実施形態の要素及び動作は、さらなる実施形
態を与えるべく組み合わせることができる。ここに説明される原理及び利点はいずれも、
約450MHzから8.5GHzの範囲のような、約30kHzから300GHzの範囲
にある周波数を有する信号を処理するべく構成された無線周波数回路に関連して実装する
ことができる。
【0198】
本開示の複数の側面は、様々な電子デバイスに実装することができる。電子デバイスの
例は、消費者用電子製品、チップ及び/又はパッケージ状無線周波数モジュールのような
消費者用電子製品の部品、電子試験機器、アップリンク無線通信デバイス、パーソナルエ
リアネットワーク通信デバイス等を含み得るがこれらに限られない。消費者電子製品の例
は、スマートフォンのような携帯電話機、スマートウォッチ又はイヤーピースのような装
着可能コンピューティングデバイス、電話機、テレビ、コンピュータモニタ、コンピュー
タ、ルータ、モデム、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレッ
トコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、自動車電子システムのよ
うな車載電子システム、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、デジタル音楽プレーヤ
ー、デジタルカメラのようなカメラ、携帯メモリーチップ、家庭電化製品等を含み得るが
これらに限られない。さらに、電子デバイスは、未完成の製品を含んでよい。
【0199】
とりわけ「できる」、「し得る」、「してよい」、「かもしれない」、「例えば」、「
のような」等のようなここに記載の条件付き言語は一般に、特にそうでないことが述べら
れ、又は使用の文脈上そうでないことが理解される場合を除き、所定の実施形態が所定の
特徴、要素及び/又は状態を含む一方で他の実施形態がこれらを含まないことを伝えるよ
うに意図される。ここで一般に使用される用語「結合」は、互いに直接結合されるか又は
一つ以上の中間要素を介して結合されるかのいずれかとなり得る2つ以上の要素を言及す
る。同様に、ここで一般に使用される単語「接続」は、直接接続されるか又は一つ以上の
中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2つ以上の要素を言及する。加えて
、単語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の単語は、本アプリケーションにおいて
使用される場合、本アプリケーション全体を言及し、本アプリケーションの任意の固有部
分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な
説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2つ以上の項目のリストを言
及する用語「又は」及び「若しくは」は、当該用語の以下の解釈のすべてをカバーする。
すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目
の任意の組み合わせである。
【0200】
所定の実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は、例示により提示されたにす
ぎないので、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載され
た新規なデバイス、フィルタ、フィルタアセンブリ、チップ、方法、装置及びシステムは
、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法、装置及び
システムの形態における様々な省略、置換及び変更を、本開示の要旨から逸脱することな
くなし得る。例えば、ここに記載される複数の回路ブロックを、削除、移動、追加、細分
化、結合及び/又は修正することができる。これらの回路ブロックはそれぞれが、様々な
異なる態様で実装することができる。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の
範囲及び要旨に収まる任意のそのような形態又は修正をカバーすることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【手続補正書】
【提出日】2024-10-16
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
ハイブリッド弾性LCフィルタ62は、弾性共振器A61及びA62、インダクタL601、L602、L603、L604、L605及びL606、並びにキャパシタC601、C602、C603及びC604を含む。弾性共振器A61及びA62は、FBARのようなBAW共振器としてよい。いくつかの例において、弾性共振器A61及びA62は、SAW共振器、温度補償SAW(TCSAW)共振器、境界弾性波共振器、ラム波共振器等、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。インダクタL601、L602、L603、L604、L605及びL606、並びにキャパシタC601、C602、C603及びC604は、LC/非弾性コンポーネントである。ハイブリッド弾性LCフィルタ62のLC/非弾性コンポーネントは、弾性共振器A61及びA62を含むダイの外部に実装することができる。ハイブリッド弾性LCフィルタ62のLC/非弾性コンポーネントは、一つ以上の表面実装技術(SMT)インダクタ及び/又はキャパシタを含み得る。いくつかの例において、ハイブリッド弾性LCフィルタ62のLC/非弾性コンポーネントは、パッケージ基板上に一つ以上のIPD、及び/又は一つ以上の誘導トレースを含み得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサであって、
それぞれの無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された複数のフィルタと、
前記複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有フィルタと、
前記共通ノードに結合された無線周波数フィルタと
を含み、
前記複数のフィルタの各フィルタは異なる通過帯域を有し、
前記複数のフィルタの少なくとも第1のフィルタは、複数の弾性共振器及びの非弾性受動コンポーネントを含み、
前記一の非弾性受動コンポーネントは、前記複数の弾性共振器のうちの2つの間に直列に接続された一のLC回路を含む、マルチプレクサ。
【請求項2】
前記複数のフィルタは、前記第1のフィルタ、第2のフィルタ及び第3のフィルタを含む、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項3】
前記第1のフィルタは第1通過帯域を有する第1帯域通過フィルタであり、
前記第2のフィルタは第2通過帯域を有する第2帯域通過フィルタである、請求項2のマルチプレクサ。
【請求項4】
前記第3のフィルタは、前記第1通過帯域及び前記第2通過帯域を含む阻止帯域を有する帯域阻止フィルタである、請求項3のマルチプレクサ。
【請求項5】
前記共有フィルタは高域通過フィルタである、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項6】
前記無線周波数フィルタは低域通過フィルタである、請求項5のマルチプレクサ。
【請求項7】
前記共有フィルタは非弾性LCフィルタである、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項8】
前記共有フィルタは、複数の第2弾性共振器を含む、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項9】
前記一の非弾性受動コンポーネントは、前記複数の弾性共振器のうちの第1弾性共振器に並列に配列されたインダクタを含む、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項10】
前記複数の弾性共振器は一の弾性共振器ダイの上に実装され、
前記一のLC回路は、
前記一の弾性共振器ダイの外部にあるインダクタと、
前記一の弾性共振器ダイの外部にあるキャパシタと
を含む、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項11】
前記複数のフィルタの第2のフィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動コンポーネントを含む、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項12】
前記第1のフィルタは第1通過帯域を有し、
前記第2のフィルタは第2通過帯域を有し、
前記第1通過帯域及び前記第2通過帯域は双方とも、2ギガヘルツから5ギガヘルツの周波数範囲内に存在する、請求項11のマルチプレクサ。
【請求項13】
前記第1のフィルタは第1通過帯域を有し、
前記第2のフィルタは第2通過帯域を有し、
前記第1通過帯域及び前記第2通過帯域は双方とも、2ギガヘルツから3ギガヘルツの周波数範囲内に存在する、請求項11のマルチプレクサ。
【請求項14】
前記マルチプレクサはクアッドプレクサとして配列される、請求項1のマルチプレクサ。
【請求項15】
無線通信デバイスであって、
アンテナと、
前記アンテナと通信するマルチプレクサと
を含み、
前記マルチプレクサは、
それぞれの無線周波数信号をフィルタリングするべく構成された複数のフィルタと、
前記複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有フィルタと、
前記共通ノードに結合された無線周波数フィルタと
を含み、
前記複数のフィルタは、複数の弾性共振器及びの非弾性受動コンポーネントを含む第1フィルタを含み、
前記一の非弾性受動コンポーネントは、前記複数の弾性共振器のうちの2つの間に直列に接続された一のLC回路を含む、無線通信デバイス。
【請求項16】
前記複数のフィルタの第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2非弾性受動コンポーネントを含む、請求項15の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記無線通信デバイスは、前記共通ノードにおいてキャリアアグリゲーションをサポートするべく構成され、
前記キャリアアグリゲーションは、第1キャリア及び第2キャリアを含み、
前記第1キャリアは、前記第1フィルタの第1通過帯域内に存在し、
前記第2キャリアは、前記第1通過帯域と前記第2フィルタの第2通過帯域との外側に存在する、請求項16の無線通信デバイス。
【請求項18】
並列ハイブリッド弾性受動フィルタを有するマルチプレクサであって、
異なる無線周波数通過帯域を有する第1フィルタ及び第2フィルタを含む複数のフィルタと、
前記複数のフィルタのそれぞれと共通ノードとの間に結合された共有高域通過フィルタと、
前記共通ノードに結合された低域通過フィルタと
を含み、
前記第1フィルタは、複数の第1弾性共振器及び一の第1LC回路を含み、
前記第2フィルタは、複数の第2弾性共振器及び一の第2LC回路をみ、
前記一の第1LC回路は、前記複数の第1弾性共振器のうちの2つの間に直列に接続される、マルチプレクサ。
【請求項19】
前記複数のフィルタはさらに、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタの通過帯域を含む阻止帯域を有する帯域阻止フィルタを含む、請求項18のマルチプレクサ。
【請求項20】
前記異なる無線周波数通過帯域は双方とも、2ギガヘルツから5ギガヘルツの周波数範囲内に存在する、請求項18のマルチプレクサ。
【外国語明細書】