(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004036
(43)【公開日】2025-01-14
(54)【発明の名称】配管接続機構、配管接続方法、及び配管接続装置
(51)【国際特許分類】
F16L 13/00 20060101AFI20250106BHJP
F16L 21/00 20060101ALI20250106BHJP
F16L 1/12 20060101ALI20250106BHJP
E21B 17/01 20060101ALI20250106BHJP
E21B 17/02 20060101ALI20250106BHJP
B23P 11/02 20060101ALN20250106BHJP
【FI】
F16L13/00
F16L21/00 C
F16L21/00 D
F16L1/12 X
E21B17/01
E21B17/02
B23P11/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024165794
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2020050978の分割
【原出願日】2020-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2019178946
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591126987
【氏名又は名称】第一熱処理工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】竹内 和則
(72)【発明者】
【氏名】望月 幸司
(72)【発明者】
【氏名】岩本 駿介
(72)【発明者】
【氏名】曽根 光彰
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝司
(72)【発明者】
【氏名】上野 英生
(72)【発明者】
【氏名】山本 克洋
(57)【要約】 (修正有)
【課題】船上で配管を接続する際、長尺管の総重量に対して配管の接続を維持する。
【解決手段】長尺管の配管接続機構は、複数の配管30、34と、各配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、各配管の前記端から延長するように、各配管の外面に固定された接続管32とを有する。前記接続管の最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しようとする配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、温度50℃より高く450℃以下の温度範囲で前記接続管の前記最小内径部分を加熱して熱膨張させることにより、前記内径寸法は前記接続しようとする配管の外径よりも大きくなって前記接続しようとする配管が前記接続管に嵌合できるように、前記内径寸法は設定されている。前記接続管には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺管の配管接続機構であって、
複数の配管であって、
第1の配管と、
前記第1の配管に連結される第2の配管と、
を有する複数の配管と、
前記第2の配管と連結される側の前記第1の配管の端を含んだ部分の外面を覆い、前記第1の配管の前記端から前記第2の配管の方向に延長するように、前記第1の配管と前記第2の配管の連結部の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管と、を備え、
前記接続管の前記最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記第2の配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、温度50℃より高く450℃以下の温度範囲で前記接続管の前記最小内径部分を加熱して熱膨張させることにより、前記内径寸法は前記第2の配管の外径よりも大きくなって前記第2の配管が前記接続管に嵌合できるように、前記内径寸法は設定され、
前記接続管は、横方向から受ける大きな力に対して、前記複数の配管を補強し、横方向から受ける力の大きさによって、前記接続管の長さを調節することにより、前記複数の配管全体の重量を調整することを特徴とする配管接続機構。
【請求項2】
前記接続管には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる、請求項1に記載の配管接続機構。
【請求項3】
前記第2の配管の外面は、前記接続管に嵌合する側の端に向かって当該端まで外径が連続的に縮小するテーパー面を有している、請求項1又は2に記載の配管接続機構。
【請求項4】
前記接続管の内面は、前記最小内径部分から前記第2の配管の側に向かって前記接続管の内径が連続的に拡大するテーパー面を有している、請求項1~3のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項5】
前記テーパー面の前記接続管の管軸方向に沿った長さの、前記第1の配管及び前記第2の配管の管厚さに対する比は、1~20である、請求項3または4に記載の配管接続機構。
【請求項6】
前記テーパー面の少なくとも一部における外径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記接続管の対向する位置の内径よりも大きく、前記テーパー面の残りの部分における外径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記接続管の内径以下であり、前記接続管の加熱により、前記接続管の前記対向する位置における内径は、前記テーパー面の前記少なくとも一部における外径より大きくなる、請求項3に記載の配管接続機構。
【請求項7】
前記テーパー面の少なくとも一部における内径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記第2の配管の対向する位置における外径よりも小さく、前記テーパー面の残りの部分における内径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記第2の配管の外径以上であり、前記接続管の加熱により、前記テーパー面の前記少なくとも一部における内径は、前記第2の配管の前記対向する位置における外径よりも大きくなる、請求項4に記載の配管接続機構。
【請求項8】
前記第1の配管及び前記第2の配管の炭素当量は0.43質量%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項9】
前記第1の配管及び前記第2の配管の引っ張り降伏強度が555[N/mm2]以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項10】
前記長尺管は、少なくとも10本以上の前記第1の配管及び前記第2の配管を前記接続管によって接続され、
前記第1の配管及び前記第2の配管のそれぞれの質量は、100kg~10000kgであり、前記第1の配管及び前記第2の配管のそれぞれの管厚さは5mm~100mmである、請求項1~9のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項11】
前記接続管の50℃~450℃間の線膨張係数は、前記配管の-80℃~50℃の線膨張係数よりも20%以上大きい、請求項1~10のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項12】
前記接続管の前記最小内径部分の加熱に加えて、前記第2の配管の端を含む部分を温度0℃未満に冷却して当該部分の外径を収縮させることにより、前記内径寸法は、前記第2の配管の外径よりも大きくなって前記第2の配管が前記接続管に嵌合できるように、前記内径寸法は設定され、前記最小内径部分の加熱温度と前記第2の配管の端を含む部分の冷却温度の温度差を50℃~400℃とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項13】
前記接続管の内面の管断面形状は、楕円であり、前記第2の配管の外面の管断面も、楕円である、請求項1~12のいずれか1項に記載の配管接続機構。
【請求項14】
前記楕円の短径の、長径に対する比は、0.9以上1.0未満である、請求項13に記載の配管接続機構。
【請求項15】
長尺管の配管接続方法であって、
第1の配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、前記第1の配管の少なくとも一方の端から延長するように、予め前記第1の配管の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管の一部を加熱するステップであって、前記最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記第1の配管に連結される第2の配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、前記最小内径部分を、温度50℃より高く450℃以下の温度範囲で加熱して熱膨張させることにより、前記最小内径部分の前記内径寸法を、前記第2の配管の外径よりも大きくするステップと、
前記第2の配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するステップと、
前記第2の配管を挿入した後の前記接続管の温度を-80℃~50℃の温度範囲に戻すステップと、を含み、
前記接続管に挿入するステップは繰り返し行われ、
前記接続管が、横方向から受ける大きな力に対して、前記複数の配管を補強し、横方向から受ける力の大きさによって、前記接続管の長さを調節することにより、前記長尺管全体の重量を調整することを特徴とする配管接続方法。
【請求項16】
前記接続管には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる、請求項15に記載の配管接続方法。
【請求項17】
前記最小内径部分の前記内径寸法を、前記第2の配管の外径よりも大きくするステップは、前記接続管を外面側から加熱することを含み、
前記接続管の温度を、-80℃~50℃の温度範囲に戻すステップは、前記接続管を外面側から冷却することを含む、請求項15又は16に記載の配管接続方法。
【請求項18】
前記第2の配管を、熱膨張させた前記接続管に挿入する前に、前記第2の配管の端を含む部分の外径を、温度-80℃未満に冷却して収縮させるステップ、を含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【請求項19】
前記第2の配管の外径を、前記最小内径部分の前記内径寸法よりも小さくするステップは、前記第2の配管の内部に挿入して前記第2の配管の内面に沿って冷却媒体配管を前記第2の配管の前記端に誘導して前記冷却媒体配管から冷却媒体を前記端の内面に供給することで、前記第2の配管の前記端を、前記配管の内面側から冷却することを含む、請求項18に記載の配管接続方法。
【請求項20】
前記第2の配管の外径を、前記最小内径部分の前記内径寸法よりも小さくするステップは、前記第2の配管の前記端に、前記第2の配管の外面側から冷却媒体を供給することを含む、請求項18に記載の配管接続方法。
【請求項21】
前記第2の配管の前記端を含む部分を-80℃~50℃の温度範囲に戻すステップは、前記第2の配管の内部に挿入して前記第2の配管の内面に沿って加熱媒体配管を前記第2の配管の前記端に誘導して前記加熱媒体配管から加熱媒体を前記端の内面に供給することで、前記第2の配管の前記端を、前記第2の配管の内面側から加熱することを含む、請求項18~20のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【請求項22】
前記第2の配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するとき、前記第2の配管の端まで外径が連続的に縮小するテーパー面を外面に有する一方の端の側を前記接続管に挿入する、請求項15~21のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【請求項23】
前記接続管の内面は、前記最小内径部分から前記第2の配管の側に向かって前記接続管の内径が連続的に拡大するテーパー面を有している、請求項15~21のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【請求項24】
前記接続管の加熱温度と前記第2の配管の端を含む部分の冷却後の温度の温度差を50℃~400℃にする、請求項15~23のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【請求項25】
前記接続管の内面の管断面形状は、楕円であり、前記第2の配管の外面の管断面形状も、楕円であり、
前記第2の配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するとき、前記第2の配管の前記楕円の短軸の向きを、前記接続管の前記楕円の短軸の向きに合わせて挿入する、請求項15~24のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【請求項26】
前記第2の配管を前記接続管に挿入する前の前記接続管の内面の管断面形状は、真円であり、前記第2の配管の外面の管断面も、真円であり、
前記第2の配管を前記接続管に挿入した後、前記接続管及び接続した前記第2の配管の、管軸方向に直交する方向の外側から圧縮応力を加えて楕円にするステップと、を含む請求項15~25のいずれか1項に記載の配管接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底と、水面との
間で延在させる長尺管の配管接続機構、配管接続方法、及び配管を接続する配管接続装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
海水よりは若干軽い重質油を、自噴圧力に乏しい海底油田から効率的に引き上げるため
に気泡リフト技術が原油生産に広く利用されている。この気泡リフト技術では、ライザー
管内部の液体中に、質量が相対的に無視できるほど小さい気体を注入することによって、
その体積割合分だけ管内の液柱圧力を下げ、ライザー管の下端部において、ライザー管の
外部の海水による圧力や油層圧力による押し込み力を発生させ、気泡の浮上力を利用して
、所定の対象物質を水面に引き上げる。海底に貯留されるレアアース等を含んだ泥や、比
重の大きい鉱物などにおいても、細かく砕いて海水等と混ぜたスラリーとすることで例え
ば、海底6000m等の深海から上記気泡リフト技術を有効に使用できると考えられる。
【0003】
上記気泡リフト技術に用いるライザー管は、海面から海底数千メートルまで略直線状に
延びるため、多数の配管を連結して構成される。このような配管は、船舶に搭載され、船
上で、この配管を連結してライザー管をつくる必要がある。
従来のライザー管をつくるための配管の接続方法として、接続しようとする2つの配管
の一方の配管の外面及び他方の配管の内面にねじ部を形成し、外面のねじ部と内面のねじ
部を螺合により接続する方法が挙げられる。一方、海面から海底数千メートルまで延びる
ライザー管における配管の数は、非常に多く、ライザー管の総重量は非常に大きい。ライ
ザー管は海面中で浮力を受けてライザー管上部の海面近傍の配管同士の接続部分で作用す
る鉛直方向の合力、すなわち引張荷重は上記総重量に比べて軽減されるとしても、その合
力は非常に大きいため、配管の接続部分の力学強度を考慮して、配管の肉厚を薄くし、ラ
イザー管上部が受ける鉛直方向の合力を小さくしなければならない。しかし、配管にねじ
部を設けて配管同士を接続する上記接続方法では、海面側の配管のねじ部に鉛直方向の大
きな力がかかり、さらに、海流等によりライザー管は横方向からの大きな力を受けること
により、薄肉化した配管のねじ部が設けられた部分が上記合力に耐えられず、損傷する場
合がある。
【0004】
一方、管状金属製部材の接続方法に関して以下の技術が知られている(特許文献1)。
当該技術では、同心状の小径の管部材と、大径の管部材であるフランジ部とを用意する
。大径のフランジ部の内径は、小径の管部材の外径と同等かわずかに小さい。大径のフラ
ンジ部と小径の管部材との間で温度差を設け、この温度差による熱膨張を利用して、大径
のフランジ部の孔の内径を、小径の管部材の外径より大きくして嵌め合わせにより接続さ
せる。すなわち、当該技術は焼き嵌めの技術である。また、当該技術では、2つのパイプ
同士を直接接続せず、フランジ部に設けられた孔にパイプを挿入して嵌め合わせることに
より、パイプ同士を、フランジ部を介して間接的に接続する(特許文献1の
図1~3参照
)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、フランジ部を介してパイプ同士を接続する上記技術を、海面から海底数千メー
トルまで延びるライザー管に適用した場合、配管同士を接続するために、配管に接続され
たフランジ部同士をボルト等で螺合することになるので、ライザー管の総重量は非常に大
きくなる。特に、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底と、水面
との間で延在させる長尺管、特に、大水深となって鉛直方向に3000m以上延びる管で
は、ライザー管の力学的強度を確保するため管厚さが厚くなり、総重量は非常に大きくな
る。これに対して、ライザー管本体の周囲に浮力体を設置することにより、水中における
ライザー管の総重量を軽減できるが、浮力体を設置すると、浮力体自体の質量も加わり、
ライザー管と浮力体の総質量は大きくなるため、ライザー管に働く引張荷重は、浮力体の
動揺で生じる慣性力の影響により、軽減できない。また、大水深になると、水面上から浮
力体や船等によりライザー管を吊り下げること自体が困難になる。
【0007】
そこで、本発明は、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底と、
水面との間で延在させる長尺管の引張荷重に対して配管の力学的強度を確保することがで
きる配管接続機構、配管接続方法、及び配管を接続する配管接続装置を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底と、
水面との間で延在させる長尺管の配管接続機構である。当該配管接続機構は、
複数の配管と、
各配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、各配管の前記端から延長するように、各
配管の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管と、を備える。
前記接続管の前記最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しようと
する配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、温度50℃より高く450℃以下の温度範
囲で前記接続管の前記最小内径部分を加熱して熱膨張させることにより、前記内径寸法は
前記接続しようとする配管の外径よりも大きくなって前記接続しようとする配管が前記接
続管に嵌合できるように、前記内径寸法は設定される。
前記接続管には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオ
ーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。
【0009】
本発明の他の一態様も、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底
と、水面との間で延在させる長尺管の配管接続機構である。当該配管接続機構は、
複数の配管と、
各配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、各配管の前記端から延長するように、各
配管の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管と、を備える。
前記接続管の前記最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しようと
する配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、温度50℃より高く450℃以下の温度範
囲で前記接続管の前記最小内径部分を加熱して熱膨張させることにより、前記内径寸法は
前記接続しようとする配管の外径よりも大きくなって前記接続しようとする配管が前記接
続管に嵌合できるように、前記内径寸法は設定される。
前記水面から最も遠い接続管の管軸方向の長さは、前記水面に最も近い接続管の管軸方
向の長さに比べて短い。
【0010】
前記接続管の管軸方向の長さは、前記水面から離れるにつれて、連続的にあるいは段階
的に短くなる、ことが好ましい。
【0011】
前記接続しようとする配管の外面は、前記接続管に嵌合する側の端に向かって当該端ま
で外径が連続的に縮小するテーパー面を有している、ことが好ましい。
【0012】
前記接続管の内面は、前記最小内径部分から前記接続しようとする配管の側に向かって
前記接続管の内径が連続的に拡大するテーパー面を有している、ことが好ましい。
【0013】
前記テーパー面の前記接続管の管軸方向に沿った長さの、前記配管の管厚さに対する比
は、1~20である、ことが好ましい。
【0014】
前記テーパー面の少なくとも一部における外径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で
、前記接続管の対向する位置の内径よりも大きく、前記テーパー面の残りの部分における
外径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記接続管の内径以下であり、前記接続管
の加熱により、前記接続管の前記対向する位置における内径は、前記テーパー面の前記少
なくとも一部における外径より大きくなる、ことが好ましい。
【0015】
前記テーパー面の少なくとも一部における内径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で
、前記接続しようとする配管の対向する位置における外径よりも小さく、前記テーパー面
の残りの部分における内径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記接続しようとす
る配管の外径以上であり、前記接続管の加熱により、前記テーパー面の前記少なくとも一
部における内径は、前記接続しようとする配管の前記対向する位置における外径よりも大
きくなる、ことが好ましい。
【0016】
前記配管及び前記接続管の炭素等量は0.43質量%以上である、ことが好ましい。
【0017】
前記配管及び前記接続管の引っ張り降伏強度が555[N/mm]以上である、ことが
好ましい。
【0018】
前記長尺管は、少なくとも10本以上の前記配管を前記接続管によって接続して、鉛直
方向に延在し、
前記配管のそれぞれの質量は、100kg~10000kgであり、前記配管それぞれ
の管厚さは5mm~100mmである、ことが好ましい。
【0019】
前記接続管の50℃~450℃間の線膨張係数は、前記配管の-80℃~50℃の線膨
張係数よりも20%以上大きい、ことが好ましい。
【0020】
前記接続管の前記最小内径部分の加熱に加えて、前記接続しようとする配管の端を含む
部分を温度0℃未満に冷却して当該部分の外径を収縮させることにより、前記内径寸法は
、前記接続しようとする配管の外径よりも大きくなって前記接続しようとする配管が前記
接続管に嵌合できるように、前記内径寸法は設定され、前記最小内径部分の加熱温度と前
記接続しようとする配管の端を含む部分の冷却温度の温度差を50℃~400℃とする、
ことが好ましい。
【0021】
前記接続管の内面の管断面形状は、楕円であり、前記接続しようとする配管の外面の管
断面も、楕円である、ことが好ましい。
【0022】
前記楕円の短径の、長径に対する比は、0.9以上1.0未満である、ことが好ましい
。
【0023】
本発明の他の一態様は、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底
と、水面との間で延在させる長尺管の配管接続方法である。当該配管接続方法は、
配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、前記配管の少なくとも一方の端から延長す
るように、前記配管の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管の一部を加熱する
ステップであって、前記最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しよ
うとする配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、前記最小内径部分を、温度50℃より
高く450℃以下の温度範囲で加熱して熱膨張させることにより、前記最小内径部分の前
記内径寸法を、前記接続しようとする配管の外径よりも大きくするステップと、
前記接続しようとする配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するステップと、
前記接続しようとする配管を挿入した後の前記接続管の温度を、-80℃~50℃の温
度範囲に戻すステップと、を含む。
前記接続管には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオ
ーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。
【0024】
前記最小内径部分の前記内径寸法を、前記接続しようとする配管の外径よりも大きくす
るステップは、前記接続管を外面側から加熱することを含み、
前記接続管の温度を、-80℃~50℃の温度範囲に戻すステップは、前記接続管を外
面側から冷却することを含む、ことが好ましい。
【0025】
前記接続しようとする配管を、熱膨張させた前記接続管に挿入する前に、前記接続しよ
うとする配管の端を含む部分の外径を、温度-80℃未満に冷却して収縮させるステップ
、を含む、ことが好ましい。
【0026】
本発明の他の一態様も、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底
と、水面との間で延在させる長尺管の配管接続方法である。当該配管接続方法は、
配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、前記配管の少なくとも一方の端から延長す
るように、前記配管の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管を介して前記配管
に接続しようとする配管の端を含む部分を冷却するステップであって、前記最小内径部分
は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、前記接続しようとする配管の外径よりも小さい
内径寸法を有し、前記接続しようとする配管の前記端を含む部分を、温度-80℃未満に
冷却させて収縮させることにより、前記接続しようとする配管の外径を、前記最小内径部
分の前記内径寸法よりも小さくするステップと、
収縮した前記接続しようとする配管を前記接続管に挿入するステップと、
前記接続しようとする配管を挿入した後の前記接続しようとする配管の前記端を含む部
分の温度を、-80℃~50℃の温度範囲に戻すステップと、を含む。
前記接続管には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオ
ーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。
【0027】
前記接続しようとする配管の外径を、前記最小内径部分の前記内径寸法よりも小さくす
るステップは、前記接続しようとする配管の内部に挿入して前記接続しようとする配管の
内面に沿って冷却媒体配管を前記接続しようとする配管の前記端に誘導して前記冷却媒体
配管から冷却媒体を前記端の内面に供給することで、前記接続しようとする配管の前記端
を、前記配管の内面側から冷却することを含む、ことが好ましい。
【0028】
前記接続しようとする配管の外径を、前記最小内径部分の前記内径寸法よりも小さくす
るステップは、前記接続しようとする配管の前記端に、前記接続しようとする配管の外面
側から冷却媒体を供給することを含む、ことが好ましい。
【0029】
前記接続しようとする配管の前記端を含む部分を-80℃~50℃の温度範囲に戻すス
テップは、前記接続しようとする配管の内部に挿入して前記接続しようとする配管の内面
に沿って加熱媒体配管を前記接続しようとする配管の前記端に誘導して前記加熱媒体配管
から加熱媒体を前記端の内面に供給することで、前記接続しようとする配管の前記端を、
前記配管の内面側から加熱することを含む、ことが好ましい。
【0030】
本発明の他の一態様も、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底
と、水面との間で延在させる長尺管の配管接続方法である。当該配管接続方法は、
配管の一方の端を含んだ部分の外面を覆い、前記配管の少なくとも一方の端から延長す
るように、前記配管の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管の一部を加熱する
ステップであって、前記最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しよ
うとする配管の外径よりも小さい内径寸法を有し、前記最小内径部分を、温度50℃より
高く450℃以下の温度範囲で加熱して熱膨張させることにより、前記最小内径部分の前
記内径寸法を、前記接続しようとする配管の外径よりも大きくするステップと、
前記接続しようとする配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するステップと、
前記接続しようとする配管を挿入した後の前記接続管の温度を-80℃~50℃の温度
範囲に戻すステップと、を含む。
前記接続管に挿入するステップは繰り返し行われ、
前記接続管に挿入するステップで用いる前記接続管の管軸方向の長さを、前記接続管に
挿入するステップの繰り返し回数が増えるにしたがって、連続的にあるいは段階的に長く
する。
【0031】
前記接続しようとする配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するとき、前記接続しよう
とする配管の端まで外径が連続的に縮小するテーパー面を外面に有する一方の端の側を前
記接続管に挿入する、ことが好ましい。
【0032】
前記接続管の内面は、前記最小内径部分から前記接続しようとする配管の側に向かって
前記接続管の内径が連続的に拡大するテーパー面を有している、ことが好ましい。
【0033】
前記接続管の加熱温度と前記接続しようとする配管の端を含む部分の冷却後の温度の温
度差を50℃~400℃にする、ことが好ましい。
【0034】
前記接続管の内面の管断面形状は、楕円であり、前記接続しようとする配管の外面の管
断面形状も、楕円であり、
前記接続しようとする配管を熱膨張させた前記接続管に挿入するとき、前記接続しよう
とする配管の前記楕円の短軸の向きを、前記接続管の前記楕円の短軸の向きに合わせて挿
入する、ことが好ましい。
【0035】
前記接続しようとする配管を前記接続管に挿入する前の前記接続管の内面の管断面形状
は、真円であり、前記接続しようとする配管の外面の管断面も、真円であり、
前記接続しようとする配管を前記接続管に挿入した後、前記接続管及び接続した前記配
管の、管軸方向に直交する方向の外側から圧縮応力を加えて楕円にするステップと、を含
む、ことが好ましい。
【0036】
本発明の他の一態様は、複数の配管を連結させて、水底あるいは水底より下にある地底
と、水面との間で延在させる長尺管の配管を接続する配管接続装置である。当該配管接続
装置は、
接続配管の接続を受ける配管であって、前記被接続配管の端を含んだ部分の外面を覆い
、前記端から延長するように、前記被接続配管の外面に固定された接続管を備えた被接続
配管を、立接させた状態で把持する被接続配管把持部と、
前記接続配管を立接させた状態で把持する、前記被接続配管把持部の上方に設けられた
接続配管把持部と、
前記接続配管の端を前記接続管に近づけるために、前記接続配管把持部を前記被接続配
管把持部に対して移動させる移動機構と、
前記接続配管と前記被接続配管の接続のために、前記接続管の最小内径部分を加熱して
熱膨張させる処理、及び、前記接続配管の端を冷却して前記接続配管の端の外径を縮小さ
せる処理の少なくとも一方を行う熱処理装置と、を備える。
【0037】
前記接続配管把持部が前記接続配管と接触して把持する把持接触面積は、前記被接続配
管把持部が前記被接続配管と接触して把持する把持接触面積に比べて大きい、ことが好ま
しい。
【0038】
前記接続把持部と前記被接続把持部の互いに対向する対向面には、前記接続配管把持部
と前記被接続配管把持部との間の向きのずれあるいは位置ずれの有無を計測する計測ユニ
ットが設けられる、ことが好ましい。
【0039】
前記接続管の外周を覆うように配置される、前記接続配管把持部に向かって拡径した管
状拡径部材を備える、ことが好ましい。
【0040】
前記接続管を前記被接続配管に接続して固定するために、前記接続管の外周を覆うよう
に把持して前記被接続配管に接続する接続管把持部を備え、
前記接続管把持部は、前記被接続配管の最上端部に移動して前記接続管を前記被接続配
管に接続するとき、前記接続管の外周が周方向に沿って回転するように、0超1回転/秒
以下の回転速度を前記接続管に付与する回転機構を備える、ことが好ましい。
【0041】
前記接続配管把持部は、接続前の前記接続配管の外周を覆うように把持し、さらに、前
記接続配管把持部は、前記移動機構が前記接続管把持部を前記被接続配管把持部に近づけ
て前記接続配管を前記接続管に接続させるとき、前記接続配管の外周が周方向に沿って回
転するように0超1回転/秒以下の回転速度を前記接続配管に付与する回転機構を備える
、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0042】
上述の配管接続機構、配管接続方法、及び配管接続装置によれば、長尺管の引張荷重に
対して配管の力学的強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】一実施形態の配管接続機構及びライザー管の配管接続方法を適用した資源回収システムの概略図である。
【
図2】一実施形態の配管接続機構の接続形態の一例を概略説明する図である。
【
図3】一実施形態の配管接続機構で用いる接続管と配管の端の一例を詳細に示す図である。
【
図4】一実施形態の配管接続機構で用いる接続管と配管の端の他の一例を詳細に示す図である。
【
図5】
図3及び
図4に示す接続管と配管の端の例の変形例を詳細に示す図である。
【
図6】一実施形態の配管接続機構で用いる配管及び接続管の断面形状の一例を説明する図である。
【
図7】(a),(b)は、一実施形態の配管接続方法の一例を説明する図である。
【
図8】(a),(b)は、他の一実施形態の配管接続方法の一例を説明する図である。
【
図9】(a),(b)は、一実施形態の配管接続方法を行う配管接続装置の概要を説明する図である。
【
図10】一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
【
図11】一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
【
図12】一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
【
図13】一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
【
図14】一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
【
図15】一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本実施形態の長尺管の配管接続機構及び長尺管の配管接続方法について詳細に説
明する。なお、長尺管は、複数の管を接続して少なくとも400m以上の長さの管である
。長尺管は、例えば、管の延在方向を略鉛直方向にして使用される。以下説明する長尺管
として、水底あるいは水底より下にある固形状物質あるいは液体状物質を水面に引き上げ
るライザー管の他に、水面上の液体状物質あるいは固形状物質を水底あるいは水底近くに
供給する管にも適用することができる。
図1は、一実施形態のライザー管の配管接続機構及びライザー管の配管接続方法を適用
した資源回収システムの概略図である。
以下説明する実施形態では、海洋において、掘削船を用いて海底の資源を引き上げる例
を説明するが、適用される場所は、海洋に限定されず、湖、河川でも適用することができ
る。
【0045】
図1に示すリフトシステム10は、水面(海面)に浮かぶ掘削船12で、海底または海
底下方にある資源を引き上げるのに使用される。リフトシステム10は、ライザー管20
と、リフト装置22と、捕集装置26と、処理装置28と、を主に備える。
【0046】
リフトシステム10では、海底、湖底、川底等の水底、又は、水底より下方の砂、堆積
物、鉱物等の固形状物質または液体状物質を含むスラリーを、ライザー管20を通して水
面まで引き上げるために、ライザー管20にリフト装置22が設けられる。ライザー管2
0は、リフト装置22の機能によるライザー管20内の減圧効果によって、ライザー管2
0の下側端から、捕集装置26により採集した堆積物を周囲の水と共にライザー管20内
に吸引し、水あるいは気体と共に水面上に引き上げることができる。なお、リフト装置2
2は、高圧ジェット水を海面側に向かって吐出させるジェットポンプであってもよく、ラ
イザー管20内の気体を供給して気泡を形成させ、気泡の浮上力を利用してスラリーを海
面に揚げる気泡リフト装置であってもよく、また、ジェットポンプおよび気泡リフト装置
の両方の組み合わせであってもよい。ジェットポンプおよび気泡リフト装置を組み合わせ
る場合、気泡リフト装置は、ライザー管20の途中に設けられ、ライザー管20の下端か
ら気泡リフト装置までは、ライザー管20の下端近傍に設けられたジェットポンプの揚力
によりスラリーを揚げるように構成されることが好ましい。
【0047】
掘削船12は、自動船位保持システムを備えたドリル機構を備えた船舶である。リフト
システム10のライザー管20として、掘削船12が用いるライザー管を利用する。この
掘削船12のライザー管は、掘削時にドリリングマッドを回収するため使用される。
ライザー管20は、水底から採集した固形状物質あるいは液体状物質を含むスラリーを
水面上に引き上げるための管である。ライザー管は、例えば、内径50cm、長さ27m
程度の配管を後述する接続形態で多数連結して構成される。ライザー管20には、下端の
側には、捕集装置26が接続されている。
【0048】
捕集装置26は、海底あるいは海底の下方にある物質を捕集する装置である。捕集装置
26の構成は特に限定されないが、たとえば、吸引能力を有するケーソンを海底に接触さ
せて海底あるいは海底内部に押し込ませ、海底あるいは海底内部にある堆積物を吸引する
。ケーソンの内側空間には、高圧水を噴射させるノズルがあり、この内側空間に取り込ま
れた堆積物を高圧水により微粒子状あるいは液状にし(流動化し)、固形状物質または液
体状物質を含んだスラリーとする。この吸引された固形状物質または液体状物質は、捕集
装置26と接続されたライザー管20の下方端に供給される。また、ケーソンに代えて公
知の吸引ヘッドを用いることもできる。
このようなケーソンあるいは吸引ヘッドの例として、特開2018-532918号公
報に記載の吸引ケーソンが挙げられる。
【0049】
ライザー管20は、複数の配管と、接続管と、を備える。ライザー管20は複数の配管
を連結して構成されている。
図2は、ライザー管20を構成する複数の配管の接続形態を、配管30,34同士の接
続形態を一例として概略説明する図である。
配管30には、配管30の一方の端30aを含んだ部分に、この部分の外面を覆い、端
30aから延長するように、配管30の外面に固定された、最小内径部分を有する接続管
32が設けられる。
この配管30に、接続しようとする配管34が接続管32に挿入されて接続される。
ここで、接続管32は、配管30の管軸方向に沿った長さの0%超50%以下、例えば
1%以上20%以下の長さを有し、接続管32の長さの1%超80%以下の範囲の部分が
、配管30の外面を覆っている。接続管32の配管30への固定は、溶接により接合され
てもよいし、嵌合により接合されてもよい。
【0050】
このように、配管30と接続しようとする配管34は、接続管32を介して接続される
。したがって、図示されないが、配管34の、配管30と接続する側と反対側の端を含ん
だ部分には、接続管32と同様の接続管が設けられ、他の配管と連結されるように構成さ
れている。なお、配管30,34及び接続管32は、金属製材料で構成されている。
【0051】
配管34は、接続管32を介して配管30と接続されるように構成される。具体的には
、接続管32の最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しようとする
配管34の外径よりも小さい内径寸法を有する。この内径寸法は、少なくとも温度50℃
より高く450℃以下の温度範囲で接続管32の最小内径部分を加熱して熱膨張させるこ
とにより、接続しようとする配管34の外径よりも大きくなって接続管30に嵌合するこ
とができるように設定されている。すなわち、焼き嵌めの技術が用いられる。接続管32
の最小内径部分は、接続管32の内径が、接続管32の内面の他のいずれの部分の内径よ
りも小さい部分の他に、接続管32の内面の内径が一定である場合の内面全体も含まれる
。接続管32の最小内径部分の加熱の温度の上限を450℃とするのは、接続管32の加
熱温度と接続しようとする配管34の温度との間の温度差の上限を400℃とするためで
ある。加熱の温度を450℃超にすると、接続管32の強度が低下するといった不都合が
生じる。
【0052】
なお、接続管32の最小内径部分の加熱は、接続管32に電気を流して接続管32自体
を発熱させる通電加熱を行ってもよいし、高周波誘導加熱を行ってもよいし、赤外線加熱
装置を用いた加熱を行ってもよい。
【0053】
このような接続管32の金属材料として、オーステナイト系ステンレス鋼(例えば、S
US304)あるいはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。オース
テナイト・フェライト系ステンレス鋼は、二相系ステンレス鋼(例えば、SUS329J
4L)であり、オーステナイト相とフェライト相からなるステンレス鋼である。オーステ
ナイト・フェライト系ステンレス鋼は、例えばSUS304のようなオーステナイト系ス
テンレス鋼よりNi含有量が低い。
これらの金属材料は、引っ張り降伏強度が高い高強度鋼であり、複数の配管を連結させ
て、水底あるいは水底より下にある地底と、水面との間で延在させ、水面に近い部分ほど
自重に由来する引張荷重の影響を大きく受ける長尺管に好適である。特に、接続管は、水
面に近いほど下方への引張荷重が大きくなるので、接続管は塑性変形したり、破断するこ
とがないように、高い引っ張り降伏強度が求められる。
【0054】
このように、配管30と配管34との接続に接続管32を用い、配管34と接続管32
とを焼き嵌めの技術で接続することにより、従来のフランジによる接合に比べて軽量化す
ることができ、さらに、ライザー管20自体の接合に、溶接接合を用いないので、従来の
ライザー管の材料に比べて高強度な材料を使用することができ、配管の管厚さを薄くでき
る。このため、ライザー管20の総重量を抑えることができ、さらに、疲労亀裂が発生し
やすい溶接部がないため、ライザー管20の引張荷重に対して配管34の接続部分の力学
的強度を確保することができる。
【0055】
一実施形態によれば、複数の接続管32のうち、水面から最も遠い接続管の管軸方向の
長さは、水面に最も近い接続管の管軸方向の長さに比べて短い、ことが好ましい。管軸方
向とは、接続管が延びている管長手方向をいう。したがって、
図3,4に示す形態の場合
、配管30,34の管長手方向である。特に、接続管32の管軸方向の長さは、水面から
離れるにつれて、連続的にあるいは段階的に短くなることが好ましい。水深の深い位置に
ある接続管32ほど、接続管32が受ける引張荷重は小さくなるので、接続管32の管軸
方向の長さを短くして配管の接続の強さを弱くすることができる。これにより、ライザー
管20の総重量を抑えることができるので、水深の浅い位置にある接続管32が受ける引
張荷重を小さくすることができ、水深の浅い位置にある接続管32の管軸長さの増大を抑
制することができる。
【0056】
図3は、接続管32と配管30,34の端の一例を詳細に示す図である。
図3に示すよ
うに、接続管32の内面における内径寸法は一定である一方、接続しようとする配管34
の外面は、接続管32に嵌合する側の端34aに向かって端34aまで配管34の外径が
連続的に縮小するテーパー面34bを有している。配管34の外径が連続的に縮小するテ
ーパー面34bの部分の配管34の内径は変化しない。焼き嵌めの技術を用いて配管34
が接続管32に挿入されるとき、テーパー面34bがない場合、加熱されて拡径した接続
管32の内径寸法は、配管34の外形寸法に比べてわずかに大きいだけなので、配管34
の端34aを含む領域を接続管32にスムーズにかつ迅速に挿入することは難しい。テー
パー面34bが設けられていない場合の接続しようとする配管の外径寸法と接続管32の
最内径寸法との差の、接続管32の最内径寸法に対する比は、0%超10%未満、好まし
くは、0.001%以上8%以下、と非常に小さいので、スムーズかつ迅速な挿入は難し
い。特に、揺れの大きい海洋上、例えば船上で接続作業を行うので、配管34の接続間3
2への挿入をスムーズかつ迅速に行うことは一層難しくなる。端34aを含む部分にテー
パー面34bを設けることにより、配管34の接続管32への挿入がスムーズかつ迅速に
行うことができる。しかも、テーパー面34bにより、接続管32内で、接続管32の奥
行方向に直交する方向において配管34を正確に位置決めすることができる。
【0057】
図4は、接続管32と配管30,34の端の他の一例を詳細に示す図である。
図4に示
すように、配管34の外径寸法は一定である一方、接続管32の内面は、最小内径部分か
ら接続しようとする配管34の側に向かって接続管32の内径が接続管32の開口端まで
連続的に拡大するテーパー面32aを有している。
焼き嵌めの技術を用いて配管34が接続管32に挿入されるとき、テーパー面32aが
ない場合、加熱されて拡径した接続管32の内径寸法は、配管34の外形寸法に比べてわ
ずかに大きいだけなので、配管34の端34aを含む領域を接続管32にスムーズかつ迅
速に挿入することは難しい。特に、揺れの大きい海洋上、例えば船上で接合を行うので、
配管34の挿入をスムーズかつ迅速に行うことは一層難しくなる。接続管32の開口端を
含む領域から内面にテーパー面32aを設けることにより、配管34の接続管32への挿
入がスムーズかつ迅速に行うことができる。しかも、テーパー面32aにより、接続管3
2の奥行方向に進むほど内径が小さくなるので、接続管34内で、奥行き方向に直交する
方向において配管34を正確に位置決めすることができる。
【0058】
なお、
図4に示す例では、接続管32の配管30の側の内面にもテーパー面32aを有
するが、接続管32は、陸上で溶接や焼き嵌めを行って予め配管30に固定されているの
で、必ずしも配管30の側にテーパー面32aは設けられなくてもよい。
【0059】
図5は、
図3及び
図4に示す接続管32と配管30,34の端の例の変形例を詳細に示
す図である。
図5に示すように、配管34には、
図3に示す例と同様に、テーパー面34bが設けら
れているが、さらに、接続管32の内面には、接続管32の最小内径部分から配管34の
側に向かって接続管32の内径が連続的に拡大するテーパー面32aが設けられている。
これにより、配管34の端34aを含む領域を接続管32にスムーズにかつ迅速に挿入す
ることができる。
テーパー面32a及びテーパー面34bは、温度-80℃~50℃の温度範囲で、お互
いに当接するように、テーパー面32a及びテーパー面34bの管軸方向Xに対する傾斜
角度が設定されていることが好ましい。
さらに、テーパー面32a及びテーパー面34bにより、接続管32の奥行方向に進む
ほど内径が小さくなるので、接続管34内で、奥行き方向に直交する方向において配管3
4を正確に位置決めすることができるとともに、奥行き方向に関しても配管34を正確に
位置決めすることができる。
【0060】
このとき、テーパー面32a及びテーパー面34b同士が接合するように、テーパー面
32a及びテーパー面34bの管軸方向Xに対する傾斜角度が同じであり、テーパー面3
2a及びテーパー面34bの管軸方向の長さも互いに同じであることが好ましい。
テーパー面32aの内径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接合しようとする配
管34の対応するテーパー面34bの対応位置の外径寸法よりも小さい内径寸法を有し、
この内径寸法は、少なくとも温度50℃より高く450℃以下の温度範囲でテーパー面3
2aを加熱して熱膨張させることにより、上記外径寸法よりも大きくなり接続管32のテ
ーパー面34bの部分に配管34のテーパー面34bが嵌合することができるように、設
定されていることが好ましい。
これにより、テーパー面32a,34b同士が焼き嵌めにより嵌合するので、接続管3
2を介した配管30と配管34の接続をより強固にすることができる。
【0061】
なお、
図5に示す例では、接続管32の配管30の側の内面にもテーパー面32aが設
けられるが、接続管32の配管30の側の内面には必ずしもテーパー面32aは設けられ
なくてもよい。
【0062】
一実施形態によれば、
図3に示すテーパー面34b、
図4に示すテーパー面32aの接
続管32の管軸方向に沿った長さl[mm]の、配管34の管厚さt[mm]に対する比
は、1~20であることが、配管34を接続管32にスムーズにかつ短時間に挿入するこ
とができる点から好ましい。配管34の管厚さt[mm]は、配管34にテーパー面34
bが設けられていない部分の厚さである。
【0063】
また、一実施形態によれば、接続管32の材料の線膨張係数(50℃~450℃間の線
膨張係数)は、接続しようとする配管34の材料の線膨張係数(-80℃~50℃間の線
膨張係数)に対して5%以上高いことが、上述の焼き嵌めの技術を適切に用い、ライザー
管20に作用する鉛直方向の合力である引張荷重(ライザー管20の総重量-ライザー管
20の浮力)に耐えるような配管同士の接続を実現する上で好ましい。接続管32の材料
の線膨張係数(50℃~450℃間の線膨張係数)は、接続しようとする配管34の材料
の線膨張係数(-80℃~50℃間の線膨張係数)に対して20%以上高いことがより好
ましく、30%以上高いことが特に好ましい。ライザー管20の配管を従来の溶接継手で
接続した場合、炭素当量が大きいと母材および円周溶接部の靱性の低下を招き易いことか
ら、強度向上のための炭素当量を抑える必要があるが、本実施形態の配管接続機構で接続
される配管30,34には溶接継手を用いないため、配管30,34の炭素当量を抑える
ことなく、0.43質量%以上とすることができ、高強度化が容易に達成することができ
る。接続管32も、高強度化のために、炭素当量は0.43質量%以上であることが好ま
しい。
なお、炭素当量Ceq(質量%)は、Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40
+Cr/5+Mo/4+V/14 (C,Mn,Si,Ni,Cr,Mo,Vはそれぞれ
、含有する炭素、マンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、バナジウムの質量%である
)で表わすことができる。
ライザー管20の各配管30,34及び接続管32には、力学強度を確保する点から引
っ張り降伏強度が555[N/mm2]以上とすることが好ましい。このとき、配管30
,34に、例えば、線膨張係数が12×10-6[/℃]である調質マルテンサイト鋼(
例えば、SCM440H QT材)を用いる時、接続管32には、例えば、線膨張係数が
16×10-6[/℃]であるオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304)
を用いるとよい。
【0064】
ライザー管20(長尺管)は、例えば、少なくとも10本以上の配管30,34を接続
管32によって接続して、鉛直方向に延在し、配管30,34のそれぞれの質量は、10
0kg~10000kgであり、配管それぞれの管厚さは5mm~100mmである。こ
のように大きな質量の配管を10本以上接続し、水面近くに位置する比較的管厚さが薄い
配管が配管の質量に由来する大きな引張荷重を受けても、引っ張り降伏強度の高い材料を
用いるので配管30,34は塑性変形しにくい。また、接続管32は、従来のフランジ部
を備える接続機構に比べて質量が小さいので、引張荷重を抑制することができる。
配管30,34それぞれの一本の長さは、例えば3000mm~30000mmである
。
【0065】
一実施形態によれば、接続管32の最小内径部分の加熱に加えて、接続しようとする配
管34の端34aを含む部分を、温度-80℃未満に冷却して上記部分の外径を収縮させ
ることにより、最小内径部分の内径寸法を、配管34の外径寸法より大きくして配管34
を接続管32に嵌合することができるように接続管32の最小内径部分の内径寸法は、設
定され、接続管32の最小内径部分の加熱温度と配管34の端を含む部分の冷却温度の温
度差を50℃~400℃とする、ことが好ましい。これにより、接続管32の最小内径部
分の内面と配管34の端を含む部分の外面との間に比較的大きな隙間を設けることができ
、配管34をスムーズにかつ迅速に接続管32に挿入することができる。
【0066】
なお、配管34の端34aを含む部分の冷却は、液体窒素に漬すことにより、あるいは
液体窒素等の冷却媒体を配管34の端34aを含む部分に吹き付けることにより、冷却し
てもよいし、ペルティエ素子を用いて冷却してもよいし、磁気冷却(磁気冷凍)法により
冷却してもよい。
【0067】
なお、接続管32の内面と接合する配管34の端を含む外面の接合部分の表面、及び配
管34の接合部分と接合する接続管32の内面の接合部分の表面は、摩擦力を向上させる
ために、粗面化処理面であることが好ましい。
【0068】
一実施形態によれば、
図3に示すテーパー面34bの少なくとも一部における外径は、
温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続管32の対向する位置の内径よりも大きく、テ
ーパー面の残りの部分における外径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続管32
の対向する内径以下であり、接続管32の加熱により、接続管32の上記対向する位置に
おける内径は、テーパー面34bの上記少なくとも一部における外径より大きくなる、こ
とが好ましい。
また、一実施形態によれば、
図4に示すテーパー面32aの少なくとも一部における内
径は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しようとする配管34の対向する位置の
外径よりも小さく、テーパー面32aの残りの部分における内径は、温度-80℃~50
℃の温度範囲で、接続しようとする配管34の外径以上であり、接続管32の加熱により
、テーパー面32aの上記少なくとも一部における内径は、配管34の対向する位置にお
ける外径よりも大きくなる、ことが好ましい。テーパー面34b,32aの少なくとも一
部においても焼き嵌め技術を適用して、嵌合する部分を広げることができるので、摩擦力
、ひいてはライザー管20の総重量に対して配管の接続を十分に維持することができる。
【0069】
図6は、一実施形態の配管及び接続管の断面形状の一例を説明する図である。
図6に示
すように、一実施形態によれば、接続管32の内面の管断面形状は、楕円であり、接続し
ようとする配管34の外面の管断面も、楕円であることが、接続管32に対して、配管3
4が配管34の中心軸周りに回転する回転ずれの発生を抑制することがきる点から好まし
い。同様に、配管30の外面の管断面も、楕円であることが好ましい。接続管32の内面
及び配管34の外面の管断面形状が真円である場合、配管34に回転動作が生じると、配
管34と接続管32の間で回転ずれが生じ、管軸方向Xの摩擦力が低下して、ライザー管
20の鉛直方向の合力である引張荷重(ライザー管20の総重量-ライザー管20の浮力
)により配管34から接続管32が抜け易くなくなる場合がある。
楕円の短径の、長径に対する比は、0.9以上1.0未満であることが、回転ずれを抑
制することができる点から好ましい。短径の、長径に対する比を0.9未満にすると、配
管34の外面の曲率半径が大きく変動するので、水深数1000メートルにおける高圧の
環境において配管が受ける圧縮圧力も場所によって変動し、これにより圧縮応力の最大と
なる部分でこの圧縮応力が配管34の力学強度を上回る場合が生じ、配管34の破損が生
じ易くなる。
楕円形状の断面は、例えば、真円の断面形状を有する配管34を真円の断面形状を有す
る接続管32に嵌合した状態で、配管34及び接続管32の管軸方向に直交する方向の両
側から圧縮応力を加えて塑性変形させることにより得てもよいし、嵌合する前の配管34
及び接続管32の断面がすでに楕円形状であってもよい。
【0070】
このようなライザー管20等の長尺管の接続機構は、以下の長尺管の配管接続方法によ
り得ることができる。
(1)配管30の一方の端30aを含んだ部分の外面を覆い、配管30の少なくとも一方
の端30aから延長するように、配管30の外面に固定された、最小内径部分を有する接
続管32の一部を加熱する。加熱する対象の最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温
度範囲で、接続しようとする配管34の外径よりも小さい内径寸法を有する。この最小内
径部分を、温度50℃より高く450℃以下の温度範囲で加熱して熱膨張させることによ
り、最小内径部分の内径寸法を、接続しようとする配管34の外径よりも大きくする。
(2)次に、接続しようとする配管34を、熱膨張させた接続管32に挿入する。
(3)配管34の挿入された接続管32の温度を-80℃~50℃の温度範囲に戻す。接
続管30の温度を-80℃~50℃の温度範囲に戻す方法は、風冷、水冷、風冷及び水冷
を組み合わせた冷却を挙げることができる。水冷の場合、例えば、配管30,34と接続
管32の接続部分に固定治具を用いて拘束し、拘束した状態で、海水に漬してあるいは海
水や冷却媒体を吹き付けて冷却した後、固定治具を取り除く。
接続管32には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオ
ーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。
【0071】
上記(1)において、内径寸法を、接続しようとする配管34の外径よりも大きくする
とき、接続管32を外面側から加熱し、上記(3)において、接続管32の温度を、-8
0℃~50℃の温度範囲に戻すとき、接続管32を外面側から冷却することが好ましい。
【0072】
また、ライザー管20等の長尺管の接続機構は、上記配管接続方法とは異なる以下の長
尺管の配管接続方法により得ることができる。
(4)配管30の一方の端30aを含んだ部分の外面を覆い、配管30の少なくとも一方
の端30aから延長するように、配管30の外面に固定された、最小内径部分を有する接
続管32を介して、配管30に接続しようとする配管34の端を含む部分を冷却する。こ
の最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温度範囲で、接続しようとする配管34の外
径よりも小さい内径寸法を有し、接続しようとする配管34の端を含む部分を、温度-8
0℃未満に冷却させることにより、接続しようとする配管34の外径を、最小内径部分の
内径寸法よりも小さくする。
(5)次に、収縮した接続しようとする配管34を、接続管32に挿入する。
(6)接続しようとする配管34を挿入した後の接続しようとする配管34の端を含む部
分の温度を、-80℃~50℃の温度範囲に戻す。
接続管32には、調質マルテンサイト鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、あるいはオ
ーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が用いられる。
【0073】
図7(a),(b)は、一実施形態の配管接続方法の一例を示す図である。
図7(a)
は、配管34の長手方向に直交する平面で切断した配管34及び冷却媒体配管35の断面
を示し、
図7(b)は、配管34の中心を含む、配管34の長手方向に平行な平面で切断
した配管34及び冷却媒体配管35の断面を示す。
接続しようとする配管34の外径を、接続管32の最小内径部分の内径寸法よりも小さ
くするとき、
図7(a),(b)に示すように、接続しようとする配管34の管内部に挿
入して接続しようとする配管34の内面に沿って冷却媒体配管35を接続しようとする配
管34の端に誘導して冷却媒体配管35から冷却媒体Cを端の内面に供給することで、接
続しようとする配管34の端を、配管34の内面側から冷却することが好ましい。
冷却媒体配管35が、配管34の中心に位置するように、冷却媒体配管35の外側に径
方向に延びる複数の腕35aと、腕35aそれぞれの先端に設けられた複数の回転体35
bと、を備える。腕35a及び回転体35bは、冷却媒体配管35の長手方向の複数の箇
所(
図7(b)に示す例では3箇所)に設けられる。回転体35bはいずれも、配管34の
内面と接する程度の長さを有する。したがって、冷却媒体配管35は、配管34の内部の
略中心を通りながら配管34の端に誘導される。冷却媒体Cは、温度-80℃未満に冷却
させることから、例えば、液体窒素が好適に用いられる。
【0074】
なお、
図7(a),(b)に示す例では、接続しようとする配管34の外径を、接続管
32の最小内径部分の内径寸法よりも小さくするとき、配管34の端の内面に冷却媒体を
供給して、内面側から冷却するが、配管34の端に、配管34の外面側から冷却媒体を供
給して外面側から冷却することも好ましい。
【0075】
図8(a),(b)は、他の一実施形態の配管接続方法の一例を示す図である。
図8(
a)は、配管34の長手方向に直交する平面で切断した配管34及び加熱媒体配管36の
断面を示し、
図8(b)は、配管34の中心を含む、配管34の長手方向に平行な平面で
切断した配管34及び加熱媒体配管36の断面を示す。
冷却した配管34の端を含む部分を-80℃~50℃の温度範囲に戻すとき、配管34
の内部に挿入して配管34の内面に沿って加熱媒体配管36を配管34の端に誘導して加
熱媒体配管36から加熱媒体Hを端の内面に供給することで、配管34の端を、配管34
の内面側から加熱することが好ましい。
加熱媒体配管36が、配管34の中心に位置するように、加熱媒体配管36の外側に径
方向に延びる複数の腕36aと、腕36aそれぞれの先端に設けられた複数の回転体36
bと、を備える。腕36a及び回転体36bは、加熱媒体配管36の長手方向の複数の箇
所(
図8(b)に示す例では3箇所)に設けられる。回転体36bはいずれも、配管34の
内面と接する程度の長さを有する。したがって、加熱媒体配管36は、配管34の内部の
略中心を通りながら配管34の端に誘導される。加熱媒体Hは、温度-80℃~50℃に
加熱することから、例えば、水や海水等が好適に用いられる。
【0076】
なお、上記方法は配管の接続方法であるが、配管の分離回収は、配管の接続するときに
膨張のために加熱した部分は冷却し、収縮のために冷却した部分は加熱するとよい。
【0077】
一実施形態によれば、配管34を接続管32に挿入すること繰り返し行って長尺管を作
製するとき、配管34を挿入する接続管32の管軸方向の長さを、接続管32に挿入する
繰り返し回数が増えるにしたがって、連続的にあるいは段階的に長くする。水底と水面と
の間で延在させるように長尺管(例えば、ライザー管20)を作製するとき、配管34を
接続管32に挿入、接続しながら、水面下に沈めていくので、最初に接続した接続管32
は、水底あるいは地底近くに位置する。一方、最後に接続した接続管32は、水面近くに
位置する。水面近くに位置する接続管32は、長尺管のほぼ総重量に由来した大きな引張
荷重を受けるので接続管32の接続の強さを高めるために接続管32の管軸方向の長さを
長くする必要がある。一方、水底近くに位置する接続管32は、長尺管のほぼ総重量の極
一部に由来した小さな引張荷重しか受けないので接続管32の管軸方向の長さを短くして
接続の強さを弱くしても接続に影響を与えない。水底近くに位置する接続管32の管軸方
向の長さを短くすることで、長尺管の総重量を抑制することができるので、水面近くに位
置する接続管32の受ける引張荷重を小さくすることができる。このため、配管34を挿
入する接続管32の管軸方向の長さを、接続管32に挿入する繰り返し回数が増えるにし
たがって、連続的にあるいは段階的に長くする、ことが好ましい。
【0078】
このとき、接続管32の内面は、
図5に示すように、最小内径部分から接続しようとす
る配管34の側に向かって接続管32の内径が連続的に拡大するテーパー面32aを有し
ていることが好ましい。
【0079】
また、長尺管の配管接続方法として、以下の方法も挙げられる。
(1)配管30の一方の端30aを含んだ部分の外面を覆い、配管30の少なくとも一方
の端30aから延長するように、配管30の外面に固定された、最小内径部分を有する接
続管32の一部を加熱する。加熱する対象の最小内径部分は、温度-80℃~50℃の温
度範囲で、接続しようとする配管34の外径よりも小さい内径寸法を有する。この最小内
径部分を、温度50℃より高く450℃以下の温度範囲で加熱して熱膨張させることによ
り、最小内径部分の内径寸法を、接続しようとする配管34の外径よりも大きくする。
(2)次に、接続しようとする配管34を熱膨張させた接続管32に挿入する。
(3)配管34の挿入された接続管32の温度を-80℃~50℃の温度範囲に戻す。接
続管32の温度を-80℃~50℃の温度範囲に戻す方法は、風冷、水冷、風冷及び水冷
を組み合わせた冷却を挙げることができる。水冷の場合、例えば、配管30,34と接続
管32の接続部分に固定治具を用いて拘束し、拘束した状態で、海水に漬してあるいは冷
却媒体を吹き付けて冷却したのち、固定治具を取り除く。
接続管32の内面は、最小内径部分から接続しようとする配管34の側に向かって接続
管32の内径が接続管32の開口端まで連続的に拡大するテーパー面32aを有する。
【0080】
さらに、上記配管接続方法において、接続しようとする配管34を熱膨張させた接続管
32に挿入する前に、配管34の端を含む部分の外径を、温度-80℃未満に冷却して収
縮させることが好ましい。このとき、接続管32の加熱温度と接続しようとする配管34
の端を含む部分の冷却後の温度の温度差を50℃~400℃にする、ことが好ましい。
【0081】
また、
図8に示すように、接続管32の内面の管断面形状は、楕円であり、接続しよう
とする配管の外面の管断面も、楕円である。このとき、接続しようとする配管34を、熱
膨張させた接続管32に挿入するとき、配管34の楕円の短軸の向きを、接続管32の楕
円の短軸の向きに合わせて挿入する、ことが好ましい。これにより、配管34の、接続管
32に対する管軸方向X周りの回転ずれを抑制することができる。
【0082】
また、接続しようとする配管34を接続管32に挿入する前の接続管32の内面の管断
面形状は真円であり、接続しようとする配管34の外面の管断面も真円であり、接続しよ
うとする配管34を接続管30挿入した後、接続管30及び配管34の管軸方向Xに直交
する方向の外側から圧縮応力を加えて楕円にしてもよい。これにより、配管34の、接続
管32に対する管軸周りの回転ずれを抑制することができる。
【0083】
図9(a),(b)は、一実施形態の配管接続方法を行う配管接続装置の概要を説明す
る図である。
図9(a),(b)に示す例では、熱処理装置52を用いて接続管32を加熱し、熱処
理装置54を用いて配管34の端を含む部分を冷却し、さらに、熱処理装置56を用いて
配管30と配管34の接続後の接続管32を冷却する例である。以下、接続しようとする
配管34を接続配管34といい、配管34の接続を受ける配管30を被接続配管30とい
う。
熱処理装置56は、例えば、加熱媒体の吹き付け装置あるいは赤外線等の熱線照射装置
である。
【0084】
配管接続装置40は、例えば、揺れの大きい海洋上、例えば船上に接地される。配管接
続装置40は、被接続配管把持部46と、被接続配管把持部50と、移動機構42と、熱
処理装置52,54,56とを備える。移動機構42は、図示されない制御装置による制
御によって支柱42aに沿って移動するように構成される。被接続配管把持部46は、支
柱42aと腕44を介して接続されている。被接続配管把持部46は、配管30の外面に
対して把持、非把持が自在に制御可能に構成される。接続配管把持部50は、支柱42a
と腕48を介して接続されている。接続配管把持部50は、配管34の外面に対して把持
、非把持が自在に制御可能に構成される。被接続配管把持部46及び接続配管把持部50
は、例えば、油圧式把持機構あるいはエア式把持機構が用いられる。
【0085】
被接続配管把持部46は、被接続配管30を立接させた状態で把持するように構成され
る。
接続配管把持部50は、被接続配管把持部46の上方に設けられ接続配管34を立接さ
せた状態で把持するように構成される。接続管把持部50は、例えば、接続配管34の一
方の端をクレーン等により宙づりにした状態で他方の端(下方の端)近傍を把持する。
移動機構42は、接続配管34の端を接続管32に近づけるために、接続配管把持部5
0を被接続配管把持部46に対して移動させるように構成される。
熱処理装置52,54,56は、接続配管34と被接続配管30の接続のために、接続
管32の最小内径部分を加熱して熱膨張させる処理、及び、接続配管34の端を冷却して
接続配管34の端の外径を縮小させる処理の少なくとも一方を行うように構成される。
【0086】
なお、熱処理装置52は、接続管32の最小内径部分を、例えば50℃より高く450
℃以下の温度に加熱するように構成され、熱処理装置54は、接続配管34の端を、例え
ば-80℃未満の温度に冷却するように構成され、熱処理装置56は、接続管32の最小
内径部分の温度を、例えば-80℃~50℃の温度に戻すように構成される。
【0087】
図9(a)に示すように、接続管32が熱処理装置52で加熱され、接続配管34の端
を含む部分が熱処理装置54で冷却された状態から、
図9(b)に示すように、移動機構
42の移動により、接続配管把持部50が被接続配管把持部46に下降することで、接続
配管34の端を含む部分を接続管32内に挿入する。この後、熱処理装置56が接続管3
2を冷却することにより、接続管32の内径が収縮し、接続管32は、接続配管34を締
め付ける。これにより、被接続配管30と接続配管34とを接続管32を介して接続する
ことができる。
このように接続配管30及び被接続配管34を立設した状態で接続配管30と被接続配
管34を接続することができるので、揺れの大きい海洋上、例えば船上でも配管の接続を
行いながら、ライザー管を海底に向けて延ばす処理を容易に行うことができる。
【0088】
このとき、接続配管把持部50が接続配管34と接触して把持する把持接触面積は、被
接続配管把持部46が被接続配管30と接触して把持する把持接触面積に比べて大きいこ
とが好ましい。
図10は、一実施形態の配管接続装置40の一例を示す図である。
接続配管把持部50aが接続配管34と接触して把持する把持部分は、被接続配管把持
部46が被接続配管30と接触して把持する把持部分に比べて大きい。すなわち、接続配
管把持部50aの把持接触面積は、被接続配管把持部46の把持接触面積に比べて大きい
。接続配管把持部50aと移動機構42を接続する腕48aには、図示されないが接続配
管把持部50aの被接続配管30の管軸方向に対する向きを調整する向き調整機構が設け
られている。向き調整機構により、接続配管把持部50aの向きを調整することにより、
接続配管34の管軸方向を、被接続配管30の管軸方向に一致させることができる。これ
により、接続配管34を滑らかに接続管32に挿入させることができる。
しかし、
図9(a)に示す接続配管把持部50の向きが適切であるとしても、接続配管
把持部50による接続配管34の把持が適切でなく、接続配管34の管軸方向が、被接続
配管30の管軸方向に対して僅かに傾斜した方向にある状態で接続配管34を把持する場
合もある。このため、接続配管把持部50aの把持接触面積を、被接続配管把持部46の
把持接触面積に比べて大きくすることにより、接続配管34を斜めに把持することを防止
できる。このため、把持接触面積の大きい接続配管把持部50aの向きを適切に調整する
ことで、被接続配管34の管軸方向を被接続配管30の管軸方向に一致させることができ
る。
【0089】
図11は、一実施形態の配管接続装置の一例を示す図である。
図11に示す配管接続装
置40は管状拡径部材60を備える。管状拡径部材60は、接続配管把持部50に向かっ
てラッパ状に拡径しており、接続管32の外周を覆うように配置される。管状拡径部60
を設けることにより、接続配管34が接続管32に近づいた場合、管状拡径部材60は、
接続配管34を接続管32に円滑に誘導することができる。接続配管把持部50は、接続
配管34を立接した状態で把持するので、接続配管34の開口が接続管32の開口に対し
て適正な位置にあるとは限らない。このため、接続配管把持部50が下降するとき、管状
拡径部材60に誘導されて接続管32の開口に到達することができる。
【0090】
図12は、一実施形態の配管接続装置40の一例を示す図である。
図12に示す例では
、腕48b,48cを介して移動機構42と接続されている接続配管把持部50b,50
cが接続配管34と接触して把持する把持部分の面積の合計は、被接続配管把持部46が
被接続配管30と接触して把持する把持部分の面積に比べて大きい。このため、上記向き
調整機構により接続配管把持部50b,50cの向きを調整することにより、接続配管3
4の管軸方向を、被接続配管30の管軸方向に一致させることができる。これにより、接
続管32に、接続配管34を滑らかに挿入させることができる。
【0091】
図13は、一実施形態の配管接続装置の一例を示す図である。
図13に示す例では、接
続配管把持部50と被接続配管把持部46とが対向する対向面には、接続配管把持部50
と被接続配管把持部46との間の向きのずれあるいは位置ずれの有無を計測する計測ユニ
ット62が設けられる。接続配管把持部50と被接続配管把持部46との間の向きのずれ
とは、把持部の開口の向く向きが一致していないことをいい、位置ずれは、上記開口の中
心位置が一致していないことをいう。計測ユニット62は、レーザ光Lを照射するレーザ
照射装置62aと、レーザ光Lを受光するフォトダイオード62bとを含む。フォトダイ
オード62bで受光されたレーザ光Lの、被接続配管把持部46の対向面上の位置の情報
を示す出力信号を出力する。図示されない処理装置は、出力信号を取得して、レーザ光L
の照射位置が目標位置にあるか否かを判定する。これにより、上記向きのずれあるいは上
記位置ずれの有無を判定することができる。
図13では、計測ユニット62は2か所に設けられるが、3箇所以上に設けられること
で、正確に上記向きのずれあるいは上記位置ずれの有無を調べることができる。
【0092】
上記向きのずれあるいは位置ずれがある場合、上述した向き調整機構により、接続配管
把持部50の向きを調整し、あるいは、腕48に設けられる図示されない位置調整機構を
駆動して、接続配管把持部50の位置を調整する。これにより、接続配管34の管軸方向
を被接続管30の管軸方向に一致させ、かつ、接続配管34の開口の位置を、被接続管3
0の開口に対して適正な位置に位置決めすることができる。
フォトダイオード62bに替えて、レーザ光Lの照射位置が目標位置にあるか否かを目
視して判定できるための目標マーカを用いることができる。レーザ光Lの照射位置が目標
マーカの位置からずれている場合、上述したように、マニュアル入力により、向き調整機
構あるいは位置調整機構を調整すればよい。
【0093】
接続管32の内径面および被接続配管30の最上端部の外径面は機械加工に一定の公差
をもって仕上げられているが、公差内における、接続管32の内径や被接続配管30の外
径の寸法の変動は避けられない。また、船の横揺れや縦揺れ等に起因して、これから接続
しようとしている接続管32の下端面の幾何学的な中心と被接続配管30の最上端面の幾
何学的な中心のわずかな位置ずれは避けられない。また、これから接続しようとしている
接続配管34の下端面の幾何学的中心と接続管32の最上端面の幾何学的な中心のわずか
な位置ずれは避けられない。
【0094】
このような位置ずれが避けられない状況においても接続管32と被接続配管30を、あ
るいは、接続配管34と接続管30を、スムーズに接続するための好ましい形態として、
図14あるいは
図15に示す形態が挙げられる。これらの形態では、接続管32を被接続
配管30に接続するとき、あるいは、接続配管34を接続管32に接続するとき、接続管
32あるいは接続配管34に周方向に沿った回転を与える。回転を与えることにより、接
続をスムーズに行うことができる。
【0095】
図14は、一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
図14に示すように、接続
管把持部70は、接続前の接続管32の外周を覆うように把持し、かつ、0超1回転/秒
以下の回転速度を接続管32に付与しながら、被接続配管把持部46によって把持されて
いる被接続配管30の最上端部まで移動する機構を配管接続装置40に設けることが好ま
しい。すなわち、配管接続装置40は、接続管32を被接続配管30に接続して固定する
ために、接続管32の外周を覆うように把持して被接続配管30に接続する接続管把持部
70を備える。接続管把持部70は、被接続配管30の最上端部に移動して接続管32を
被接続配管30に接続するとき、接続管32の外周が周方向に沿って回転するように、0
超1回転/秒以下の回転速度を接続管32に付与する回転機構を備える、ことが好ましい
。回転機構は、例えば、接続管把持部70の接続管32に接触して把持する部分が、回転
ローラのローラ面であり、回転ローラは、図示されない駆動機構により回転駆動される。
【0096】
図15は、一実施形態の配管接続装置の例を示す図である。
図15に示す接続配管把持
部71は、
図12に示す移動機構42に設けられている。接続配管把持部71は、接続配
管34の外周を覆うように把持し、かつ、
図12に示す移動機構42が接続配管34を接
続管32の最上端部まで移動し接続配管34を接続管32に接続させるとき、0超1回転
/秒以下の回転速度を接続配管34に付与する回転機構を備えることが好ましい。すなわ
ち、接続配管把持部71は、接続前の接続配管34の外周を覆うように把持し、さらに、
接続配管把持部71は、
図12に示す移動機構42が接続配管把持部71を被接続配管把
持部46に近づけて接続配管34を接続管32に接続させるとき、接続配管34の外周が
周方向に沿って回転するように0超1回転/秒以下の回転速度を接続配管34に付与する
回転機構を備える、ことが好ましい。この回転機構は、例えば、接続配管把持部71の接
続配管34に接触して把持する部分が、回転ローラのローラ面であり、回転ローラは、図
示されない駆動機構により回転駆動される。
【0097】
以上説明したように、配管接続装置40は、接続配管30及び被接続配管34を立設し
た状態で接続配管30と被接続配管34を接続することができるので、揺れの大きい海洋
上、例えば船上でも配管の接続を行いながら、ライザー管を海底に向けて延ばす処理を容
易に行うことができる。
【0098】
以上、本発明の配管接続機構、配管接続方法、及び配管接続装置について詳細に説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種
々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0099】
10 リフトシステム
12 掘削船
20 ライザー管
22 リフト装置
26 捕集装置
28 処理装置
30,34 配管
30a,34a 端
30b,32a,34b テーパー面
32 接続管
35 冷却媒体配管
35a,36a 腕
35b,36b 回転体
36 加熱媒体配管
40 配管接続装置
42 移動機構
42a 支柱
44,48,48a,48b,48c 腕
46 被接続配管把持部
50 被接続配管把持部
50a 接続配管把持部
52 熱処理装置(50℃より高く450℃以下の加熱)
54 熱処理装置(-80℃未満に冷却)
56 熱処理装置(50℃より高く450℃以下の加熱温度を-80℃~50℃に戻す)
60 管状拡径部材
62 計測ユニット
62a レーザ照射装置
62b フォトダイオード
70 接続管把持部
71 接続配管把持部