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特開2025-40695建築物、補助部材、およびサッシの施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025040695
(43)【公開日】2025-03-25
(54)【発明の名称】建築物、補助部材、およびサッシの施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20250317BHJP
   E06B 1/62 20060101ALI20250317BHJP
【FI】
E06B1/56 Z
E06B1/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147648
(22)【出願日】2023-09-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】磯部 美佳子
(72)【発明者】
【氏名】中谷 誠
(72)【発明者】
【氏名】一針 建支
(72)【発明者】
【氏名】高橋 靖曜
(72)【発明者】
【氏名】松本 武真
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011KA02
2E011KC04
2E011KC08
2E011KD14
2E011KF01
2E011KG06
2E011LA04
2E011LB02
2E011LD04
2E011LE04
2E011LE13
2E011LF05
(57)【要約】
【課題】入隅部においてサッシを固定する作業の施工性を向上できる建築物、補助部材、およびサッシの施工方法を提供する。
【解決手段】建築物1は、入隅部3を含む外壁2を有する。建築物1は、入隅部3を構成する2つの入隅面6の一方に設けられるサッシ10と、2つの入隅面6の他方に設けられる外壁取付構造体11と、サッシ10の端部10aから突出する突出部12と、2つの入隅面6の間に設けられるスペーサ13と、突出部12をスペーサ13に向かって押さえるように、スペーサ13に取り付けられるねじ部材14と、を備える。ねじ部材14は、平面視で、2つの入隅面6に対して傾斜するように配置される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入隅部を含む外壁を有する建築物であって、
前記入隅部を構成する2つの入隅面の一方に設けられるサッシと、
前記2つの入隅面の他方に設けられる外壁取付構造体と、
前記サッシの端部から突出する突出部と、
前記2つの入隅面の間に設けられるスペーサと、
前記突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記スペーサに打ち込まれるねじ部材と、を備え、
前記ねじ部材は、平面視で、前記2つの入隅面に対して傾斜するように配置される、
建築物。
【請求項2】
前記2つの入隅面の間には、前記ねじ部材によって、前記突出部に押し付けられるように止水部材が配置され、
前記止水部材は、
前記突出部および前記外壁取付構造体に接する止水部と、
前記ねじ部材に接するとともに、前記止水部が取り付けられる目地部と、を有する、
請求項1に記載の建築物。
【請求項3】
前記サッシには、前記サッシが前記2つの入隅面の一方に設けられた状態において、平面視で、前記2つの入隅面に対して傾斜し、かつ、前記外壁取付構造体の端部に面する傾斜部が設けられ、
前記傾斜部と前記外壁取付構造体の端部との間には、シーリング材が充填され、
前記傾斜部は、前記突出部と連続するように構成される、
請求項1に記載の建築物。
【請求項4】
前記スペーサには、前記2つの入隅面の一方から、前記スペーサを通過した後に、前記2つの入隅面の他方にわたるように防水シートが貼り付けられる、
請求項1に記載の建築物。
【請求項5】
前記外壁取付構造体は、前記サッシとは別に設けられる追加サッシであって、
前記追加サッシは、前記追加サッシの端部から突出する追加突出部を有し、
前記ねじ部材は、前記追加突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記スペーサに打ち込まれる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の建築物。
【請求項6】
入隅部を含む外壁を有する建築物において、前記入隅部を構成する2つの入隅面の一方に設けられるサッシに接続される補助部材であって、
前記補助部材が前記サッシに接続され、かつ、前記サッシが2つの前記入隅面の一方に設けられた状態において、平面視で、前記2つの入隅面の一方から、前記2つの入隅面の他方に向かうように前記サッシの延びる方向に対して斜めに突出する突出部と、
前記サッシの端部に接続される接続部と、を有する、
補助部材。
【請求項7】
入隅部を含む外壁を有する建築物において、前記入隅部を構成する2つの入隅面の少なくとも一方にサッシを固定するサッシの施工方法であって、
前記2つの入隅面の間にスペーサを取り付ける工程と、
前記2つの入隅面の一方に、突出部を有する前記サッシの端部を配置する工程と、
平面視で、前記突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記2つの入隅面に対して斜めに、ねじ部材を前記スペーサに打ち込む工程と、を含む、
サッシの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建築物、補助部材、およびサッシの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の外壁において、2つのサッシを、サッシ同士が連続するように固定する方法が知られている。特許文献1の技術では、入隅部を構成する2つの外壁のそれぞれに、サッシがビスによって固定される。2つのサッシは、見た目上、入隅部において互いに連続するように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-184818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つのサッシのそれぞれの端部が近接するように配置されることによって、見た目上、2つのサッシが連続するように配置される。入隅部において2つのサッシのそれぞれの端部が近接するように2つのサッシを配置すると、一方のサッシの端部に設けられる固定部が、他方のサッシの端部によって隠れる場合がある。この場合、一方のサッシの端部に設けられる固定部にビスを打ち込むことが難しくなる。
【0005】
入隅部において、一方の外壁にサッシが配置されるとともに、他方の外壁に雨戸の戸袋等が配置される場合もある。入隅部において、サッシを戸袋に近接するように配置しようとすると、サッシの端部に設けられる固定部が戸袋の端部によって隠れる場合がある。この場合も、上記と同様の問題が生じる。
【0006】
入隅部において、一方の外壁に設けられるサッシが、他方の外壁に設けられるサッシ、戸袋などの外壁取付構造体に近接するように配置される場合において、サッシの固定には、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決する建築物は、入隅部を含む外壁を有する建築物であって、前記入隅部を構成する2つの入隅面の一方に設けられるサッシと、前記2つの入隅面の他方に設けられる外壁取付構造体と、前記サッシの端部から突出する突出部と、前記2つの入隅面の間に設けられるスペーサと、前記突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記スペーサに打ち込まれるねじ部材と、を備え、前記ねじ部材は、平面視で、前記2つの入隅面に対して傾斜するように配置される。
【0008】
この構成によれば、ねじ部材が2つの入隅面に対して傾斜するように配置されるため、サッシの端部、および外壁取付構造体の端部を避けながら、ねじ部材をスペーサに打ち込むことができる。このため、建築物は、入隅部においてサッシを固定する作業の施工性を向上できる。
【0009】
(2)上記(1)に記載の建築物において、前記2つの入隅面の間には、前記ねじ部材によって、前記突出部に押し付けられるように止水部材が配置され、前記止水部材は、前記突出部および前記外壁取付構造体に接する止水部と、前記ねじ部材に接するとともに、前記止水部が取り付けられる目地部と、を有する。
【0010】
この構成によれば、止水部材によって、突出部と外壁取付構造体との隙間からの浸水を抑制できる。
【0011】
(3)上記(1)または(2)に記載の建築物において、前記サッシには、前記サッシが前記2つの入隅面の一方に設けられた状態において、平面視で、前記2つの入隅面に対して傾斜し、かつ、前記外壁取付構造体の端部に面する傾斜部が設けられ、前記傾斜部と前記外壁取付構造体の端部との間には、シーリング材が充填され、前記傾斜部は、前記突出部と連続するように構成される。
【0012】
この構成によれば、シーリング材によって、サッシの端部と外壁取付構造体の端部との隙間からの浸水を抑制できる。
【0013】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の建築物において、前記スペーサには、前記2つの入隅面の一方から、前記スペーサを通過した後に、前記2つの入隅面の他方にわたるように防水シートが貼り付けられる。
【0014】
この構成によれば、防水シートによって、2つの入隅面とスペーサとの隙間への浸水を抑制できる。
【0015】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の建築物において、前記外壁取付構造体は、前記サッシとは別に設けられる追加サッシであって、前記追加サッシは、前記追加サッシの端部から突出する追加突出部を有し、前記ねじ部材は、前記追加突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記スペーサに打ち込まれる。
【0016】
この構成によれば、ねじ部材をスペーサに打ち込むことによって、サッシおよび追加サッシを外壁へ固定できる。ねじ部材によってサッシおよび追加サッシを同時に外壁へ固定できるため、サッシおよび追加サッシのそれぞれをビス等によって固定する場合に比べて、施工性が向上する。
【0017】
(6)上記課題を解決する補助部材は、入隅部を含む外壁を有する建築物において、前記入隅部を構成する2つの入隅面の一方に設けられるサッシに接続される補助部材であって、前記補助部材が前記サッシに接続され、かつ、前記サッシが2つの前記入隅面の一方に設けられた状態において、平面視で、前記2つの入隅面の一方から、前記2つの入隅面の他方に向かうように前記サッシの延びる方向に対して斜めに突出する突出部と、前記サッシの端部に接続される接続部と、を有する。
【0018】
この構成によれば、接続部によってサッシの端部に補助部材を接続することによって、サッシに突出部を構成できる。サッシの端部に接続された補助部材の突出部を、ねじ部材によって入隅部の入隅面に固定することによって、サッシを2つの入隅面の一方に固定できる。突出部は、サッシの延びる方向に対して斜めに突出するため、入隅部において2つの入隅面の他方に設けられる外壁取付構造体の端部を避けながら、突出部を固定するようにねじ部材を打ち込むことができる。このため、補助部材は、入隅部においてサッシを固定する作業の施工性を向上できる。
【0019】
(7)上記課題を解決するサッシの施工方法は、入隅部を含む外壁を有する建築物において、前記入隅部を構成する2つの入隅面の少なくとも一方にサッシを固定するサッシの施工方法であって、前記2つの入隅面の間にスペーサを取り付ける工程と、前記2つの入隅面の一方に、突出部を有する前記サッシの端部を配置する工程と、平面視で、前記突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記2つの入隅面に対して斜めに、ねじ部材を前記スペーサに打ち込む工程と、を含む。
【0020】
この構成によれば、ねじ部材が2つの入隅面に対して斜めに打ち込まれるため、入隅部においてサッシの端部、および2つの入隅面の他方に設けられる外壁取付構造体を避けながら、ねじ部材を打ち込むことができる。ねじ部材は、2つの入隅面の間に取り付けられるスペーサに打ち込まれるため、ねじ部材を斜めに打ち込んでも、十分な打ち込み深さを確保できる。このため、サッシの施工方法は、入隅部においてサッシを固定する作業の施工性を向上できる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の建築物、補助部材、およびサッシの施工方法は、入隅部においてサッシを固定する作業の施工性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態の建築物の斜視図である。
図2】実施形態の建築物における入隅部の断面図である。
図3図2の入隅部において、2つの入隅面の一方にサッシを固定する施工方法を示す第1の部分拡大図である。
図4図2の入隅部において、2つの入隅面の一方にサッシを固定する施工方法を示す第2の部分拡大図である。
図5図2の入隅部において、2つの入隅面の一方にサッシを固定する施工方法を示す第3の部分拡大図である。
図6図2の入隅部において、2つの入隅面の一方にサッシを固定する施工方法を示す第4の部分拡大図である。
図7】従来の建築物における入隅部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態>
図1から図7を参照して、実施形態に係る建築物1、補助部材30、およびサッシ10の施工方法を説明する。
【0024】
<建築物>
図1および図2に示されるように、建築物1は、外壁2を有する。建築物1の例として、戸建ての住宅、集合住宅、および、公共施設が挙げられる。外壁2は、建築物1の室内A1と室外A2とを仕切る。外壁2は、第1外壁2aおよび第2外壁2bによって構成される。第2外壁2bは、第1外壁2aに交差する。外壁2は、入隅部3を含む。入隅部3は、第1外壁2aと第2外壁2bとの間に位置する。
【0025】
図2は、入隅部3を上から見た断面図である。本実施形態の入隅部3には、隅柱4および下地板5が配置される。下地板5は、外壁2に構成される開口部を囲むように配置される。外壁2に構成される開口部の一例は、建築物1の窓である。入隅部3は、2つの入隅面6を含む。入隅部3は、2つの入隅面6によって構成される。本実施形態における2つの入隅面6は、下地板5のうち、室外A2側を向く面によって構成される。図2の例では、2つの入隅面6は、概ね垂直に交わるように配置される。
【0026】
入隅面6には、後述のようにサッシ10が設けられる。入隅面6のうち、サッシ10が設けられる部分以外の部分には、外装材7が取り付けられる。外装材7は、モルタル材、タイル、および、サイディング材を含む。2つの入隅面6の一方にサッシ10および外装材7が取り付けられることによって、第1外壁2aおよび第2外壁2bの一方が構成される。2つの入隅面6の他方にサッシ10および外装材7が取り付けられることによって、第1外壁2aおよび第2外壁2bの他方が構成される。
【0027】
隅柱4は、断面が正方形または長方形の木材によって構成される。隅柱4の第1側面には、接続合板4Aを介して受材4Bが固定される。受材4Bは、サッシ10または外装材7を受けるための部材である。隅柱4は、平面視で周方向において第1側面に隣接する第2側面を有する。隅柱4の第2側面には、他の接続合板4Aを介して他の受材4Bが固定される。2つの受材4Bのそれぞれには下地板5が取り付けられる。入隅部3において、受材4Bは、下地板5を介してサッシ10または外装材7を受ける。
【0028】
<入隅部における建築物の構成>
図2に示されるように、入隅部3において、建築物1は、サッシ10と、外壁取付構造体11と、突出部12と、スペーサ13と、ねじ部材14と、を備える。
【0029】
サッシ10は、下地板5に取り付けられることによって外壁2の一部を構成する。サッシ10は、上下方向に延びる縦フレーム15と、水平方向に延びる横フレーム16と、を有する。図2の下地板5は、例えば縦フレーム15に沿って延びる。サッシ10は、室内A1に向かって開口する窓枠8にビス等によって固定される。サッシ10および窓枠8によって、外壁2に開口部が構成される。
【0030】
サッシ10は、2つの入隅面6の一方に設けられる。サッシ10は、延設部17を有する。延設部17は、サッシ10が2つの入隅面6の一方に設けられた状態(以下、サッシ取付状態)において、平面視で、縦フレーム15から入隅面6に沿って延びるように構成される。
【0031】
図6に示されるように、サッシ10には、突出部12が設けられる。突出部12は、サッシ10から連続するように構成される。突出部12は、サッシ10の端部10aから突出する。具体的には、突出部12は、横方向において、サッシ10において突出部12を除く部分における最も外側の端から突出する。サッシ10の突出部12は、サッシ10において横方向で最も外側に位置する。横方向は、サッシ10の横フレーム16が延びる方向である。サッシ10の端部10aは、横方向において、2つの入隅面6の他方に近い方の端部である。
【0032】
突出部12は、サッシ取付状態において、平面視で、2つの入隅面6の一方から、2つの入隅面6の他方に向かうように、サッシ10の延びる方向に対して斜めに突出する。平面視におけるサッシ10の延びる方向は、上記の横方向と同じ方向である。
【0033】
図2および図6に示されるように、外壁取付構造体11は、2つの入隅面6の他方に設けられる。外壁取付構造体11は、サッシ10とは別に設けられる追加サッシ18である。追加サッシ18は、2つの入隅面6の他方に設けられる点以外は、サッシ10と同様の構成を有する。追加サッシ18は、追加突出部19を有する。追加突出部19は、追加サッシ18の端部18aから突出する。追加突出部19は、突出部12と同様の構成を有する。追加サッシ18の端部18aは、横方向において、サッシ10が設けられる2つの入隅面6の一方に近い方の端部である。
【0034】
サッシ10の突出部12および外壁取付構造体11である追加サッシ18の追加突出部19は、スペーサ13、および、ねじ部材14によって、下地板5に固定される。サッシ10の端部10aと追加サッシ18の端部18aとは、見た目上、サッシ10および追加サッシ18が連続するように、互いに近接する状態に配置される。
【0035】
図2および図6に示されるように、スペーサ13は、2つの入隅面6の間に設けられる。スペーサ13は、2つの入隅面6に取り付けられてもよく、2つの入隅面6のいずれか一方のみに取り付けられてもよい。スペーサ13は、打込面20を有する。打込面20には、ねじ部材14が打ち込まれる。スペーサ13は、打込面20が室外A2側を向くように2つの入隅面6に配置される。一例では、スペーサ13は、2つの入隅面6の一方に接触し、かつ、2つの入隅面6の他方に接触するように構成される。そして、打込面20は、スペーサ13が2つの入隅面6に接触した状態において、室外A2側を向くように構成される。
【0036】
図2および図6に示されるように、ねじ部材14は、突出部12をスペーサ13に向かって押さえるように、スペーサ13に打ち込まれる。加えて、ねじ部材14は、追加突出部19をスペーサ13に向かって押さえるように、スペーサ13に打ち込まれる。ねじ部材14は、例えばビスである。ねじ部材14であるビスの頭部は、突出部12および追加突出部19をスペーサ13に向かって押さえる。
【0037】
ねじ部材14は、平面視で、第1外壁2aおよび第2外壁2bに対して傾斜するように配置される。ねじ部材14は、平面視で、2つの入隅面6に対して傾斜するように配置される。ねじ部材14は、平面視で、サッシ10の横フレーム16に対して傾斜するように配置される。ねじ部材14は、スペーサ13から下地板5まで打ち込まれる。ねじ部材14は、スペーサ13から隅柱4まで打ち込まれてもよく、スペーサ13のみに打ち込まれてもよい。
【0038】
図6に示されるように、建築物1は、止水部材21を備える。止水部材21は、ねじ部材14によって、突出部12に押し付けられるように2つの入隅面6の間に配置される。加えて、止水部材21は、ねじ部材14によって、追加突出部19に押し付けられる。止水部材21は、サッシ10の突出部12と追加サッシ18の追加突出部19との隙間を塞ぐように、2つの入隅面6の間に配置される。止水部材21は、止水部22と、目地部23と、を有する。止水部22は、例えば樹脂製の水密材である。止水部22は、突出部12および外壁取付構造体11に接する。目地部23は、例えばアルミ製の目地である。
【0039】
目地部23は、ねじ部材14に接する。目地部23は、ねじ部材14がスペーサ13に打ち込まれたときに、ねじ部材14であるビスの頭部に接する。目地部23には、止水部22が取り付けられる。具体的には、目地部23の裏面に止水部22が取り付けられる。目地部23の裏面は、止水部材21が突出部12に押し付けられるように配置された状態において、突出部12に向く面である。一例では、止水部材21は、目地部23の裏面に止水部22が取り付けられたものとして構成される。
【0040】
図6に示されるように、建築物1は、防水シート24を備える。防水シート24は、2つの入隅面6の一方から、スペーサ13を通過した後に、2つの入隅面6の他方にわたるようにスペーサ13に貼り付けられる。具体的には、防水シート24は、2つの入隅面6、および打込面20に貼り付けられる。防水シート24は、2つの入隅面6の一方とスペーサ13の打込面20との隙間、および、スペーサ13の打込面20と2つの入隅面6の他方との隙間を塞ぐように貼り付けられる。防水シート24は、例えば気密防水テープである。
【0041】
図6に示されるように、サッシ10には、傾斜部25が設けられる。傾斜部25は、サッシ10の端部10aに設けられる。傾斜部25は、サッシ取付状態において、平面視で、2つの入隅面6に対して傾斜するようにサッシ10に設けられる。さらに、傾斜部25は、サッシ取付状態において、外壁取付構造体11の端部11aに面するようにサッシ10に設けられる。
【0042】
追加サッシ18にも、サッシ10と同様の傾斜部25が設けられる。追加サッシ18に設けられる傾斜部25は、サッシ10の傾斜部25に面するように構成される。ねじ部材14は、平面視で、サッシ10に設けられる傾斜部25と追加サッシ18に設けられる傾斜部25との間に配置される。止水部材21は、平面視で、止水部材21の両端部のそれぞれがサッシ10および追加サッシ18のそれぞれの傾斜部25に接するように、サッシ10および追加サッシ18のそれぞれの傾斜部25の間に配置される。サッシ10に設けられる傾斜部25は、突出部12と連続するように構成される。追加サッシ18に設けられる傾斜部25は、追加突出部19と連続するように構成される。追加サッシ18に設けられる傾斜部25は、外壁取付構造体11の端部11aを構成する。
【0043】
図6に示されるように、建築物1は、シーリング材26を備える。傾斜部25と外壁取付構造体11の端部11aとの間には、シーリング材26が充填される。本実施形態では、シーリング材26は、サッシ10および追加サッシ18のそれぞれの傾斜部25の間を封止する。さらに、サッシ10および追加サッシ18のそれぞれの傾斜部25の間には、シーリング材26を充填するためのバックアップ材27が配置されてもよい。
【0044】
<補助部材>
建築物1は、補助部材30を備える。補助部材30は、サッシ10の端部10aに取り付けられる。補助部材30は、上述の突出部12をサッシ10に設けるための部材である。補助部材30は、建築物1において、サッシ10に接続される。補助部材30は、突出部12と、接続部31と、を有する。接続部31は、サッシ10の端部10aに接続される。
【0045】
補助部材30の突出部12は、次のように構成される。突出部12は、補助部材30がサッシ10に接続され、かつ、サッシ取付状態において、平面視で、2つの入隅面6の一方から他方に向かうようにサッシ10の延びる方向に対して斜めに突出する。
【0046】
接続部31は、平面視で、サッシ10の縦フレーム15に沿うように延びるように構成される。接続部31は、例えばサッシ10の縦フレーム15にビス等によって接続される。接続部31によって補助部材30がサッシ10の端部10aに接続されることによって突出部12がサッシ10に固定される。
【0047】
補助部材30は、傾斜部25を有する。補助部材30の傾斜部25は、上述したサッシ10に設けられる傾斜部25を構成する。補助部材30がサッシ10に接続されることによって、傾斜部25がサッシ10に設けられる。傾斜部25は、接続部31と連続するように構成される。傾斜部25は、サッシ取付状態において、平面視で、接続部31に対して傾斜するように設けられる。傾斜部25は、突出部12と連続するように構成される。突出部12は、サッシ取付状態において、平面視で、傾斜部25から概ね垂直に突出する。
【0048】
補助部材30は、支持部32を有する。支持部32は、突出部12を接続部31に対して支持するように構成される。支持部32は、補助部材30がサッシ10に接続される状態において、サッシ10の延設部17に接するように構成される。支持部32は、接続部31と連続するように構成される。支持部32は、サッシ取付状態における平面視で、接続部31に対して垂直に設けられる。
【0049】
<入隅部におけるサッシの施工方法>
図3から図6を参照して、サッシ10の施工方法について説明する。
サッシ10の施工方法は、建築物1において、入隅部3を構成する2つの入隅面6の少なくとも一方にサッシ10を固定する施工方法である。
【0050】
施工方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を含む。第1工程は、2つの入隅面6の間にスペーサ13を取り付ける工程である。第2工程は、2つの入隅面6の一方に、突出部12を有するサッシ10の端部10aを配置する工程である。第3工程は、平面視で、突出部12をスペーサ13に向かって押さえるように、2つの入隅面6に対して斜めに、ねじ部材14をスペーサ13に打ち込む工程である。
【0051】
施工方法は、準備工程を含む。準備工程は、第1工程の前、または第1工程と第2工程との間に行われる。準備工程は、サッシ10の端部10aに補助部材30を取り付ける工程である。準備工程において、サッシ10の端部10aに補助部材30の接続部31がビス等によって接続されることによって、突出部12がサッシ10に設けられる。
【0052】
図3に示されるように、第1工程において、2つの入隅面6の間にスペーサ13が設けられる。スペーサ13の形状および大きさは、2つの入隅面6とサッシ10との位置関係に応じて調整される。スペーサ13は、2つの入隅面6とサッシ10との位置関係に応じて予め加工されていてもよく、入隅面6に取り付けられた後に加工されてもよい。スペーサ13が入隅面6に取り付けられた後に、スペーサ13の打込面20に防水シート24が貼り付けられる。防水シート24は、2つの入隅面6とスペーサ13との隙間を塞ぐように配置される。
【0053】
図4に示されるように、第2工程において、2つの入隅面6の一方に、サッシ10の端部10aが配置される。また、2つの入隅面6の他方に、外壁取付構造体11の端部11aが配置される。本実施形態の外壁取付構造体11は、サッシ10と同様に構成される追加サッシ18である。追加サッシ18の端部18aにも準備工程において補助部材30が取り付けられているため、2つの突出部12がスペーサ13の打込面20に沿うように延びるように配置される。
【0054】
図5に示されるように、第3工程において、ねじ部材14がスペーサ13に打ち込まれる。ねじ部材14は、平面視で、2つの突出部12をスペーサ13に向かって押さえるように、2つの入隅面6に対して斜めに打ち込まれる。第3工程においてねじ部材14を回転させる工具は、2つの傾斜部25の間に挿入されることによって、ねじ部材14であるビスの頭部に係合する。
【0055】
第3工程においてねじ部材14がスペーサ13に打ち込まれる際に、止水部材21が2つの傾斜部25の隙間を塞ぐように配置される。目地部23がねじ部材14によって押えられることによって、止水部22が2つの突出部12に押し付けられる。ねじ部材14がスペーサ13に打ち込まれるほど、止水部材21の止水部22が2つの突出部12に向かって押さえられるため、止水部材21によって2つの突出部12の隙間が塞がれる。
【0056】
図6に示されるように、施工方法は、第4工程を含む。第4工程は、2つの入隅面6の一方のサッシ10と、2つの入隅面6の他方の外壁取付構造体11との間をシーリングする工程である。第4工程において、2つの傾斜部25の間にバックアップ材27が挿入された後に、2つの傾斜部25の間にシーリング材26が充填される。
【0057】
<実施形態の作用>
本実施形態の第1の作用を説明する。
図7は、従来の建築物40の外壁41に含まれる入隅部42の構成を例示する。2つの入隅面43のそれぞれに、ビスによってサッシ44の固定部45が固定されることによって、サッシ44が固定されている。入隅面43と固定部45との隙間からの浸水を抑制するために、防水シート46が、入隅面43から固定部45にわたって貼り付けられる。入隅部42において、固定部45にビスを打ち込む作業、および防水シート46を張り付ける作業を行うために、従来の建築物40では、2つのサッシ44の端部44aが離れて配置される。2つのサッシ44の端部44aの隙間を埋めるために、2つのサッシ44の間には、壁47が配置されている。2つのサッシ44の端部44aと壁47との間には、防水のためにシーリング材48が充填されている。
【0058】
外壁41において、壁47を設けずに2つのサッシ44の端部44aを近接させることによって、サッシ44によって構成される開口部を大きくできる。しかし、2つのサッシ44の端部44a同士が近接していると、2つのサッシ44のそれぞれの固定部45にビスを打ち込む作業を行うためのスペースが十分に確保できない。例えば、一方のサッシ44の固定部45にビスを打ち込む場合に、他方のサッシ44の端部44aが、ビス、およびビスを打ち込むための工具と干渉する虞がある。
【0059】
建築物1では、サッシ10の端部10aを入隅面6に固定するねじ部材14が、入隅面6に対して傾斜するように配置される。ねじ部材14は、ねじ部材14がサッシ10の端部10a、および外壁取付構造体11の端部11aを避けるように、スペーサ13に打ち込まれる。ねじ部材14に係合する工具を2つの入隅面6の間に斜めに挿入することによって、工具がねじ部材14に係合できるため、サッシ10の端部10a、および外壁取付構造体11の端部11aが工具と干渉し難い。このため、入隅部3においてサッシ10の端部10aと外壁取付構造体11の端部11aとが近接していても、サッシ10を外壁2に好適に固定できる。
【0060】
本実施形態の第2の作用を説明する。
従来の建築物40では、2つのサッシ44の固定部45にビスを打ち込む必要がある。建築物1では、1つのねじ部材14を打ち込むことによって、2つのサッシ10の端部10aのそれぞれを入隅面6に固定できる。サッシ10の施工方法によって、ビスを打ち込む作業を少なくできる。
【0061】
本実施形態の第3の作用を説明する。
従来の建築物40では、壁47を設けずに2つのサッシ44を近接させても、2つのサッシ44の間において向き合う面が無いため、シーリング材48を充填する場所が確保できない。建築物1では、補助部材30によって傾斜部25がサッシ10に構成される。建築物1では、サッシ10に構成される傾斜部25によってシーリング材26を受けることができる。さらに追加サッシ18にも傾斜部25が構成されることによって、入隅部3において2つのサッシ10の傾斜部25が向き合うため、2つの傾斜部25の間にシーリング材26を充填できる。また、従来の建築物40ように2つのサッシ44の間に壁47を配置する場合、外壁41において2箇所にシーリング材48が充填されていたが、建築物1では、シーリング材26を充填する箇所が、サッシ10と追加サッシ18との間の1箇所のみでよい。
【0062】
本実施形態の第4の作用を説明する。
突出部12および傾斜部25は、サッシ10に補助部材30を接続することによってサッシ10に設けられる。このため、既存のサッシ44でも、補助部材30を取り付けることによってサッシ10の施工方法によって施工できる。補助部材30は、ビス等によって取り付けできるため、既存のサッシ44への取り付けは比較的容易である。
【0063】
<実施形態の効果>
実施形態の効果を説明する。
(1)建築物1は、サッシ10と、外壁取付構造体11と、突出部12と、スペーサ13と、ねじ部材14と、を備える。突出部12は、サッシ10の端部10aから突出する。スペーサ13は、2つの入隅面6の間に設けられる。ねじ部材14は、突出部12をスペーサ13に向かって押さえるように、スペーサ13に打ち込まれる。ねじ部材14は、平面視で、2つの入隅面6に対して傾斜するように配置される。
【0064】
この構成によれば、ねじ部材14が2つの入隅面6に対して傾斜するように配置されるため、サッシ10の端部10a、および外壁取付構造体11の端部11aを避けながら、ねじ部材14をスペーサ13に打ち込むことができる。このため、建築物1は、入隅部3においてサッシ10を固定する作業の施工性を向上できる。
【0065】
ねじ部材14は、2つの入隅面6の間に取り付けられるスペーサ13に打ち込まれるため、2つの入隅面6に対してねじ部材14を斜めに打ち込んでも、十分な打ち込み深さを確保できる。このため、スペーサ13およびねじ部材14によってサッシ10を好適に固定できる。
【0066】
(2)2つの入隅面6の間には、止水部材21が配置される。止水部材21は、止水部22と、目地部23と、を有する。止水部22は、突出部12および外壁取付構造体11に接する。目地部23は、ねじ部材14に接するとともに、止水部22が取り付けられる。
【0067】
この構成によれば、止水部材21によって、突出部12と外壁取付構造体11との隙間からの浸水を抑制できる。
【0068】
(3)サッシ10には、傾斜部25が設けられる。傾斜部25は、サッシ取付状態において、平面視で、2つの入隅面6に対して傾斜するようにサッシ10に設けられる。さらに、傾斜部25は、サッシ取付状態において、外壁取付構造体11の端部11aに面するようにサッシ10に設けられる。シーリング材26は、傾斜部25と外壁取付構造体11の端部11aとの間に充填される。サッシ10に設けられる傾斜部25は、突出部12と連続するように構成される。
【0069】
この構成によれば、シーリング材26によって、サッシ10の端部10aと外壁取付構造体11の端部11aとの隙間からの浸水を抑制できる。止水部材21およびシーリング材26によって、2つの傾斜部25の隙間からの浸水を好適に抑制できる。
【0070】
(4)スペーサ13には、2つの入隅面6の一方から、スペーサ13を通過した後に、2つの入隅面6の他方にわたるように防水シート24が貼り付けられる。
【0071】
この構成によれば、防水シート24によって、2つの入隅面6とスペーサ13との隙間への浸水を抑制できる。
【0072】
(5)外壁取付構造体11は、サッシ10とは別に設けられる追加サッシ18である。追加サッシ18は、追加突出部19を有する。ねじ部材14は、追加突出部19をスペーサ13に向かって押さえるように、スペーサ13に打ち込まれる。
【0073】
この構成によれば、ねじ部材14をスペーサ13に打ち込むことによって、サッシ10および追加サッシ18を外壁2に固定できる。ねじ部材14によってサッシ10および追加サッシ18を同時に外壁2へ固定できるため、サッシ10および追加サッシ18のそれぞれをビス等によって固定する場合に比べて、施工性が向上する。
【0074】
(6)補助部材30は、サッシ10に接続される。補助部材30は、突出部12と、接続部31と、を有する。突出部12は、サッシ取付状態において、平面視で、2つの入隅面6の一方から、2つの入隅面6の他方に向かうようにサッシ10の延びる方向に対して斜めに突出する。接続部31は、サッシ10の端部10aに接続される。
【0075】
この構成によれば、接続部31によってサッシ10の端部10aに補助部材30を接続することによって、サッシ10に突出部12を構成できる。サッシ10の端部10aに接続された補助部材30の突出部12を、ねじ部材14によって入隅部3の入隅面6に固定することによって、サッシ10を2つの入隅面6の一方に固定できる。突出部12は、サッシ10の延びる方向に対して斜めに突出するため、入隅部3において2つの入隅面6の他方に設けられる外壁取付構造体11の端部11aを避けながら、突出部12を固定するようにねじ部材14を打ち込むことができる。このため、補助部材30は、入隅部3においてサッシ10を固定する作業の施工性を向上できる。
【0076】
(7)施工方法は、入隅部3を含む外壁2を有する建築物1において、入隅部3を構成する2つの入隅面6の少なくとも一方にサッシ10を設ける方法である。施工方法は、2つの入隅面6の間にスペーサ13を取り付ける工程と、2つの入隅面6の一方に、突出部12を有するサッシ10の端部10aを配置する工程と、平面視で、突出部12をスペーサ13に向かって押さえるように、2つの入隅面6に対して斜めに、ねじ部材14をスペーサ13に打ち込む工程と、を含む。
【0077】
この構成によれば、ねじ部材14が2つの入隅面6に対して斜めに打ち込まれるため、入隅部3においてサッシ10の端部10a、および2つの入隅面6の他方に設けられる外壁取付構造体11を避けながら、ねじ部材14を打ち込むことができる。ねじ部材14は、2つの入隅面6の間に取り付けられるスペーサ13に打ち込まれるため、ねじ部材14を斜めに打ち込んでも、十分な打ち込み深さを確保できる。このため、施工方法は、入隅部3においてサッシ10を固定する作業の施工性を向上できる。
【0078】
<変形例>
上記実施形態は、建築物、補助部材、およびサッシの施工方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。建築物、補助部材、およびサッシの施工方法は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例を示す。
【0079】
・下地板5が省略されてもよい。本変形例では、入隅面6は、接続合板4Aおよび受材4Bのうち、室外A2側を向く面によって構成されてもよい。
【0080】
・入隅部3において、2つの入隅面6は、0度より大きく90度未満、または90度よりも大きく180度未満の角度において交差するように配置されてもよい。
【0081】
・外壁取付構造体11は、追加サッシ18以外にも、外壁パネル、または雨戸の戸袋等であってもよい。
【0082】
・突出部12の形状は、任意に変更されてもよい。例えば、ねじ部材14が延びる方向において2つの突出部12が重なるように、2つの突出部12のそれぞれがサッシ10の端部10aから突出してもよい。ねじ部材14は、2つの突出部12のそれぞれに設けられる貫通孔を挿通することによって、2つの突出部12のそれぞれをスペーサ13に向かって押さえるように構成されてもよい。
【0083】
・建築物1から止水部材21が省略されてもよい。本変形例では、ねじ部材14であるビスの頭部が、突出部12に直接接していてもよい。
【0084】
・建築物1から、シーリング材26が省略されてもよい。
【0085】
・建築物1から、防水シート24が省略されてもよい。
【0086】
・補助部材30は、突出部12と接続部31とを有していれば、他の構成は省略されてもよい。本変形例では、突出部12が、平面視で接続部31と直接連続していてもよい。
【0087】
・補助部材30が省略されてもよい。本変形例では、突出部12が、サッシ10の端部10aに直接設けられてもよい。または、サッシ10の延設部17の先端に突出部12が設けられてもよい。
【0088】
本明細書には以下の技術が開示される。
[付記1]
入隅部を含む外壁を有する建築物であって、前記入隅部を構成する2つの入隅面の一方に設けられるサッシと、前記2つの入隅面の他方に設けられる外壁取付構造体と、前記サッシの端部から突出する突出部と、前記2つの入隅面の間に設けられるスペーサと、前記突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記スペーサに打ち込まれるねじ部材と、を備え、前記ねじ部材は、平面視で、前記2つの入隅面に対して傾斜するように配置される、建築物。
【0089】
[付記2]
前記2つの入隅面の間には、前記ねじ部材によって、前記突出部に押し付けられるように止水部材が配置され、前記止水部材は、前記突出部および前記外壁取付構造体に接する止水部と、前記ねじ部材に接するとともに、前記止水部が取り付けられる目地部と、を有する、付記1に記載の建築物。
【0090】
[付記3]
前記サッシには、前記サッシが前記2つの入隅面の一方に設けられた状態において、平面視で、前記2つの入隅面に対して傾斜し、かつ、前記外壁取付構造体の端部に面する傾斜部が設けられ、前記傾斜部と前記外壁取付構造体の端部との間には、シーリング材が充填され、前記傾斜部は、前記突出部と連続するように構成される、付記1に記載の建築物。
【0091】
[付記4]
前記スペーサには、前記2つの入隅面の一方から、前記スペーサを通過した後に、前記2つの入隅面の他方にわたるように防水シートが貼り付けられる、付記1に記載の建築物。
【0092】
[付記5]
前記外壁取付構造体は、前記サッシとは別に設けられる追加サッシであって、前記追加サッシは、前記追加サッシの端部から突出する追加突出部を有し、前記ねじ部材は、前記追加突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記スペーサに打ち込まれる、付記1から4のいずれか1つに記載の建築物。
【0093】
[付記6]
入隅部を含む外壁を有する建築物において、前記入隅部を構成する2つの入隅面の一方に設けられるサッシに接続される補助部材であって、前記補助部材が前記サッシに接続され、かつ、前記サッシが2つの前記入隅面の一方に設けられた状態において、平面視で、前記2つの入隅面の一方から、前記2つの入隅面の他方に向かうように前記サッシの延びる方向に対して斜めに突出する突出部と、前記サッシの端部に接続される接続部と、を有する、補助部材。
【0094】
[付記7]
入隅部を含む外壁を有する建築物において、前記入隅部を構成する2つの入隅面の少なくとも一方にサッシを固定するサッシの施工方法であって、前記2つの入隅面の間にスペーサを取り付ける工程と、前記2つの入隅面の一方に、突出部を有する前記サッシの端部を配置する工程と、平面視で、前記突出部を前記スペーサに向かって押さえるように、前記2つの入隅面に対して斜めに、ねじ部材を前記スペーサに打ち込む工程と、を含む、サッシの施工方法。
【符号の説明】
【0095】
1…建築物、2…外壁、3…入隅部、6…入隅面、10…サッシ、11…外壁取付構造体、12…突出部、13…スペーサ、14…ねじ部材、18…追加サッシ、19…追加突出部、21…止水部材、22…止水部、23…目地部、24…防水シート、25…傾斜部、26…シーリング材、30…補助部材、31…接続部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7