(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025041066
(43)【公開日】2025-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20250318BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023148123
(22)【出願日】2023-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】若林 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 公康
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】 原料を探す工数を低減する。
【解決手段】 本発明に係る情報処理装置は、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報を、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、さらに、原料情報が読み出された場所を示す場所情報を取得する情報取得手段と、取得した原料情報と場所情報とを関連付ける情報関連付け手段と、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける対象受付手段と、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する検索手段と、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する情報出力手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報を、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、さらに、前記原料情報が読み出された場所を示す場所情報を取得する情報取得手段と、
取得した前記原料情報と前記場所情報とを関連付ける情報関連付け手段と、
利用者から、場所の検索対象となる前記原料情報を受け付ける対象受付手段と、
検索対象の前記原料情報に関連付けられた前記場所情報を検索する検索手段と、
検索対象の前記原料情報と、検索された前記場所情報とを出力する情報出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、前記情報読み出し装置から、前記原料情報を読み出した時刻を示す時刻情報を取得し、
前記情報関連付け手段は、前記原料情報、前記場所情報、及び、前記時刻情報を関連付け、
前記対象受付手段は、利用者から、検索対象の前記原料情報、及び、検索対象となる時間範囲を受け付け、
前記検索手段は、検索した前記場所情報において、関連付けられている前記時刻情報が検索対象の前記時間範囲に含まれる前記場所情報を検索し、
前記情報出力手段は、検索対象の前記原料情報、検索された前記場所情報、及び、検索された前記場所情報に関連付けられている前記時刻情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
検索した前記場所情報に、原料が同じ複数の前記原料情報が関連付けられている場合、前記検索手段は、複数の前記原料情報の中から、最も古い前記時刻情報に関連付けられた前記原料情報を検索する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
原料の先入れ先出しが正しく実行されているか否かを判定する原料判定手段をさらに備え、
前記情報出力手段は、原料の先入れ先出しが正しく実行されていない場合に、アラートを出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、容器に貼付された容器タグから読み出された容器を示す容器情報を取得し、
前記原料判定手段は、取得した前記容器情報が前記場所情報に設定されている容器情報に含まれるか否かを判定し、
前記情報出力手段は、取得した前記容器情報が、設定されている前記容器情報に含まれない場合に、アラートを出力する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記原料判定手段は、検索対象の前記原料情報に関連付けられた前記場所情報が、予め前記原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれるか否かを判定し、
前記情報出力手段は、検索対象の前記原料情報に関連付けられた前記場所情報が、予め前記原料情報に設定された保管用の前記場所情報に含まれない場合に、アラートを出力する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記原料タグから前記原料情報を読み出し、前記原料情報と前記場所情報とを、情報処理装置に出力する前記情報読み出し装置と、
検索対象となる前記原料情報を情報処理装置に送信する端末装置と、
を備えた情報処理システム。
【請求項8】
容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、前記原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、
取得した前記原料情報と前記場所情報とを関連付け、
利用者から、場所の検索対象となる前記原料情報を受け付け、
検索対象の前記原料情報に関連付けられた前記場所情報を検索し、
検索対象の前記原料情報と、検索された前記場所情報とを出力する、
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置が、請求項8に記載の情報処理方法を実行し、
情報読み出し装置が、原料タグから前記原料情報を読み出し、前記原料情報と前記場所情報とを、情報処理装置に出力し、
端末装置が、検索対象となる前記原料情報を情報処理装置に送信する、
情報処理方法。
【請求項10】
容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、前記原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得する処理と、
取得した前記原料情報と前記場所情報とを関連付ける処理と、
利用者から、場所の検索対象となる前記原料情報を受け付ける処理と、
検索対象の前記原料情報に関連付けられた前記場所情報を検索する処理と、
検索対象の前記原料情報と、検索された前記場所情報とを出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工場における情報を処理する情報処理装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のタグを用いて工場で製造される現品の製造を管理するシステムが開示されている。特許文献1に記載のシステムは、現品の情報を記憶した現品タグと、工場内の場所の情報を記憶した場所タグと、現品を搬送する移動手段の情報を記憶した移動手段タグと、作業者の情報を記憶した作業者タグとを用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現品の置かれた位置が場所タグの貼付位置と離れた位置でも、現品タグ及び場所タグがリーダーの検出範囲内にある場合、リーダーは、現品タグ及び場所タグから情報を読み出すことができる。そして、この場合、現品の位置は、場所タグの位置と判定される。しかし、現品の位置は、場所タグの位置から離れた位置である。そのため、工場の作業者は、原料を移動する場合などにおいて、原料を探すための工数を必要としていた。
【0005】
本開示の目的は、原料を探す工数を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態における情報処理装置は、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報を、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、さらに、原料情報が読み出された場所を示す場所情報を取得する情報取得手段と、取得した原料情報と場所情報とを関連付ける情報関連付け手段と、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける対象受付手段と、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する検索手段と、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する情報出力手段と、を備える。
【0007】
本開示の一形態における情報処理システムは、上記の記載の情報処理装置と、原料タグから原料情報を読み出し、原料情報と場所情報とを、情報処理装置に出力する情報読み出し装置と、検索対象となる原料情報を情報処理装置に送信する端末装置と、を備える。
【0008】
本開示の一形態における情報処理方法は、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、取得した原料情報と場所情報とを関連付け、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付け、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索し、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する。
【0009】
本開示の一形態における情報処理方法は、情報処理装置が、上記の情報処理方法を実行し、情報読み出し装置が、原料タグから原料情報を読み出し、原料情報と場所情報とを、情報処理装置に出力し、端末装置が、検索対象となる前記原料情報を前記情報処理装置に送信する。
【0010】
本開示の一形態におけるプログラムは、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得する処理と、取得した原料情報と場所情報とを関連付ける処理と、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける処理と、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する処理と、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、原料を探す工数を低減するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】情報処理装置の動作の一例を示すフロー図である。
【
図3】原料管理部を備える情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】作業管理部を備える情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】ハードウェア構成の一例の構成を示すブロック図である。
【
図6】情報処理システムを利用する工場の一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置を利用する情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示における実施形態について図面を参照して説明する。各図面は、実施形態を説明するためのものである。ただし、実施形態は、図面の記載に限られるわけではない。
【0014】
以下の説明において、情報処理装置は、情報読み出し装置(リーダー)又は情報読み出し書き込み装置(リーダーライター)など、タグの情報を読み出す装置がタグから読み出した情報を用いて動作する。以下の説明では、一例として、リーダーを用いる。リーダーは、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)リーダーであるが、これに限られない。
【0015】
情報処理装置が情報を取得するタグは、例えば、原料を示す原料情報を保存する原料タグであるが、これに限られない。例えば、情報処理装置は、後ほどの説明するように、作業者を示す作業者情報を保存する作業者タグ、又は、容器を示す容器情報を保存する容器タグから情報を取得してもよい。
【0016】
タグは、例えば、IC(integrated circuit)タグ、又は、RFID(Radio Frequency Identification)タグなど無線を介して情報を読み出されるタグであるが、これらに限られない。
【0017】
化学工場などでは、各工程に用いられる原料及び中間物は、容器に入れられて、保管場所及び工程を実行する製造現場に移動される。ただし、中間物は、次に実行される工程の原料でもある。そのため、以下の説明において、原料は、中間物を含むとする。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、情報取得部110と、情報関連付け部120と、対象受付部130と、検索部140と、情報出力部150とを備える。
【0019】
情報取得部110は、原料情報と、場所情報とを取得する。例えば、情報取得部110は、原料情報を、リーダーから取得する。原料情報は、原料を入れている容器に貼付された原料タグが保存している情報であり、容器に入っている原料を示す情報である。原料情報は、例えば、原料の名称、成分、及び、量である。原料情報は、これらに限られず、注意喚起語、又は、原料のグレードなど、他の情報を含んでいてもよい。
【0020】
情報取得部110は、リーダーから場所情報を取得してもよいし、予め記憶部などに保存されている場所情報を取得してもよい。場所情報は、原料情報が読み出された場所を示す情報である。場所情報は、例えば、倉庫内の保管場所、又は、製造途中の中間物のための一時保管場所などであり、タグの情報が読み出された場所を示す情報である。詳細には、場所情報は、例えば、リーダーが情報の読み出しに用いたアンテナの場所を示す情報である。アンテナの場所を示す情報は、直接的に場所を示す情報に限られず、場所を示す情報を取得するための情報でよい。例えば、予め、図示しない保存部などに、アンテナの識別子と、識別子が示すアンテナの設置場所の情報とが保存されていてもよい。この場合、情報取得部110は、アンテナの識別子を取得する。情報取得部110は、アンテナの識別子を用いて、保存されている場所情報を取得する。アンテナがリーダーに設置されているなど、アンテナとリーダーとの距離が短い場合、場所情報は、タグに記録された情報を読み出すリーダーの場所を示す情報でもよい。以下の説明では、一例として、場所情報として、アンテナの場所を示す情報を用いて説明する。例えば、リーダーは、予め、情報の読み出しに用いるアンテナの場所情報を記憶しておき、原料情報を読み出すと、原料情報と場所情報とを出力してもよい。つまり、情報取得部110は、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得する。情報取得部110は、リーダーから、原料情報及び場所情報に加え、リーダーが原料情報を読み出した時刻を示す時刻情報など他の情報を取得してもよい。
【0021】
情報関連付け部120は、リーダーから取得した原料情報と場所情報とを関連付ける。情報関連付け部120は、関連付けた原料情報及び場所情報を、例えば、図示しない保存部に保存してよい。この場合、情報処理装置10の各構成は、その保存部に保存された原料情報、及び、場所情報を用いてもよい。ただし、各構成は、情報関連付け部120から原料情報、及び、場所情報を取得してもよい。情報取得部110が時刻情報など他の情報を取得している場合、情報関連付け部120は、時刻情報など他の情報を、原料情報及び場所情報に関連付けてもよい。
【0022】
対象受付部130は、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける。対象受付部130は、例えば、利用者が操作する端末装置から、検索対象となる原料情報を取得する。この場合の詳細は、例えば、次のとおりである。ある原料を保管場所から所定の工程の作業場所に移動したい場合、利用者は、その原料を入れている容器の保管場所を知ることが必要である。そこで、利用者は、端末装置を操作して、その原料を示す原料情報、つまり、場所の検索対象となる原料情報を、情報処理装置10の対象受付部130に送信する。このように、対象受付部130は、場所の検索対象となる原料情報として、利用者が場所を検索したい原料を示す原料情報を受け付ける。情報関連付け部120が、時刻情報など他の情報を、原料情報及び場所情報に関連付けている場合、対象受付部130は、利用者から、原料情報に加え、検索対象となる時間範囲など、他の情報を指定する情報を受け付けてもよい。
【0023】
検索部140は、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する。詳細には、検索部140は、情報関連付け部120が関連付けた原料情報及び場所情報を用いて、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する。例えば、原料情報及び場所情報が保存部に保存されている場合、検索部140は、保存されている情報を用いてもよい。時刻情報など他の情報が原料情報及び場所情報に関連付けられ、利用者から原料情報に加え、時間範囲など他の情報を指定する情報を受け付けた場合、検索部140は、原料情報と他の情報との両方に関連付けられた場所情報を検索してもよい。例えば、時間範囲が指定された場合、検索部140は、原料情報に関連付けられた場所情報において、時刻情報が指定された時間範囲に含まれる場所情報を検索してもよい。検索部140は、原料情報を含む3つ以上の情報に関連付けられた場所情報を検索してもよい。
【0024】
工場などでは、配管及び設備の配置などの関係で、各場所において実行される工程が、定まっている場合がある。そこで、検索部140は、予め保存されている場所と工程との対応関係を用いて、検索した場所情報に対応する工程を示す工程情報を検索してもよい。
【0025】
情報出力部150は、対象受付部130が受け付けた検索対象の原料情報と、検索部140により検索された場所情報とを出力する。例えば、情報出力部150は、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを、利用者が原料情報を入力した端末装置に出力してもよい。検索部140が原料情報と時刻情報など他の情報との両方に関連付けられた場所情報を検索した場合、情報出力部150は、検索対象の原料情報と、検索された場所情報と、原料情報が読み出された時刻情報など他の情報とを出力してもよい。検索部140が工程情報を検索している場合、情報出力部150は、場所情報に加え、又は、場所情報に替えて、工程情報を出力してもよい。
【0026】
情報出力部150は、時刻情報などの情報を用いて、場所の情報を関連付けて出力してもよい。例えば、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が複数の場合、情報出力部150は、時刻情報の順に場所情報を接続した原料動線を出力してもよい。
【0027】
図面を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。
図2は、情報処理装置10の動作の一例を示すフロー図である。情報取得部110は、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、リーダーから取得する(ステップS201)。情報関連付け部120は、取得した原料情報と場所情報とを関連付ける(ステップS202)。対象受付部130は、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける(ステップS203)。検索部140は、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する(ステップS204)。情報出力部150は、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する(ステップS205)。
【0028】
このように、情報処理装置10は、情報取得部110と、情報関連付け部120と、対象受付部130と、検索部140と、情報出力部150とを備える。情報取得部110は、容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得する。情報関連付け部120は、取得した原料情報と場所情報とを関連付ける。対象受付部130は、利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける。検索部140は、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する。情報出力部150は、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する。
【0029】
原料の場所を検索する場合、利用者は、情報処理装置10に検索対象の原料を示す原料情報を出力するという簡単な作業により、場所情報を取得できる。このように、情報処理装置10は、原料を探す利用者の工数を低減する。
【0030】
場所情報の取得元として所定の場所に貼付されたタグを用いる場合、アンテナとそのタグとの距離は、最大で、リーダーの最大検出範囲となる。さらに、原料タグ及びアンテナの距離も、最大で、リーダーの最大検出範囲となる。そのため、場所情報の取得元としてタグを用いると、原料タグと場所情報で示される場所との距離は、最大で、リーダーの最大検出範囲の二倍となる。この距離を短くするためには、リーダーの最大検出範囲を狭くすることが想定される。しかし、リーダーの最大検出範囲を狭くすることは、原料タグの検出範囲も狭くなるため、避けることが望ましい。
【0031】
一方、情報処理装置10は、例えば、場所情報として、原料タグから情報の読み出しに用いられたアンテナの場所を示す情報を用いる。そのため、原料タグの場所と場所情報が示す場所との距離は、最大に離れた場合でも、リーダーの最大検出範囲である。このように、情報処理装置10は、原料の場所をより正確に示すことができる。その結果、利用者は、情報処理装置10を用いて、原料を探す工数を低減できる。
【0032】
紙のリストなどを用いる場合、利用者は、原料の位置を見つけるために多くの工数を必要としている。一方、情報処理装置10を利用すると、利用者は、検索対象の原料情報を情報処理装置10に送信するという簡単な操作で、原料の場所の取得できる。このように、情報処理装置10は、紙のリストを用いる場合に比べ、原料を探す工数を低減する。あるいは、紙のリストを用いて原料をトレースする場合、利用者は、複数の紙のリストを用いてトレースすることが必要である。この場合、複数のリストを用いるため、利用者の工数がさらに必要であり、エラーが発生する可能性もより高くなる。一方、情報処理装置10は、自動的に、原料動線を生成できる。そのため、情報処理装置10が生成した原料動線などを用いると、利用者は、原料のトレーサビリティの工数を削減でき、さらに、トレーサビリティの信頼性を向上できる。そして、トレーサビリティの信頼性を向上させることにより、利用者は、製品などの品質保証レベルを向上できる。このように、情報処理装置10は、原料の位置の判定を容易にし、原料のトレーサビリティの信頼性を向上させ、製造におけるエビデンスを提供するなどの効果を提供する。
【0033】
[変形例]
情報処理装置10の変形例について説明する。
【0034】
(1)時刻情報関連
上記の通り、情報処理装置10は、時刻情報を用いてもよい。例えば、情報取得部110は、リーダーから、原料情報を読み出した時刻を示す時刻情報を取得してもよい。そして、情報関連付け部120は、原料情報、場所情報、及び、時刻情報を関連付けてもよい。そして、対象受付部130は、利用者から、検索対象の原料情報、及び、検索対象となる時間範囲を受け付けてもよい。そして、検索部140は、検索した場所情報において、関連付けられている時刻情報が検索対象の時間範囲に含まれる場所情報を検索してもよい。そして、情報出力部150は、原料情報、場所情報、及び、時刻情報を出力してもよい。例えば、同じ原料を入れた容器が複数ある場合、利用者は、容器を保管場所に保管した時刻情報を用いて、必要となる原料の場所情報を取得できる。
【0035】
先入れ先出しとは、先に搬入された原料を先に搬出するということである。つまり、先入れ先出しで原料を使用する場合、利用者は、最も古い時刻に保管された原料から使用すること必要である。そこで、情報処理装置10は、先入れ先出しに関連する動作を実行してもよい。例えば、検索部140が検索した場所情報の場所に、原料が同じ複数の原料情報が関連付けられている場合、検索部140は、複数の原料情報の中から、最も古い時刻情報に関連付けられた原料情報を検索してもよい。この場合、原料情報は、複数の原料情報において、それぞれの原料情報を区別するため情報を含んでもいてもよい。例えば、原料情報は、シリアルナンバーなど原料の識別子を含んでもいてもよい。あるいは、情報出力部150は、原料情報及び場所情報に加え、原料を区別するため情報を出力してもよい。例えば、情報取得部110が、後ほど説明する容器情報を取得し、容器情報が容器を区別する情報を含む場合、情報出力部150は、原料情報及び場所情報に加え、容器情報を出力してもよい。利用者は、出力された情報を用いて最も古い原料から使用することにより、原料の先入れ先出しを実現できる。
【0036】
(2)原料管理
情報処理装置10は、原料の保管場所、又は、原料を移動先など、原料の場所などの良否を判定する原料判定部160を備えていてもよい。
図3は、原料判定部160を備える情報処理装置11の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置11は、情報処理装置10の構成に加え、原料判定部160を備えている。
【0037】
例えば、原料判定部160は、原料の先入れ先出しが正しく実行されているか否かを判定してもよい。この場合の動作の一例を説明する。前提として、同じ場所に、同じ原料が複数保管されているとする。ただし、原料情報は、それぞれ、異なる時刻情報に関連付けられているとする。先入れ先出しが正しく実行された場合、場所情報が変化した原料情報に関連付けられた時刻情報が示す時刻は、場所情報が変化しない他の原料情報に関連付けられた時刻情報が示す時刻のいずれよりも前の時刻となる。一方、場所情報が変化した原料情報に関連付けられた時刻情報が示す時刻が、場所情報が変化しない他の原料情報に関連付けられた時刻情報が示す時刻の少なくとも一つより後の時刻の場合、原料の先入れ先出しが、正しく実行されていない。
【0038】
そこで、原料判定部160は、例えば、次のような判定動作を実行する。いずれか一つの原料情報に関連する場所情報が変化した場合、原料判定部160は、場所情報が変化した原料情報の時刻情報と、場所情報が変化しない原料情報の時刻情報とを比較する。具体的には、原料判定部160は、場所情報が変化した原料情報に関連付けられた時刻情報が示す時刻が、場所情報が変化しない他の原料情報に関連付けられた時刻情報が示す全ての時刻より前であるか否かを判定する。そして、情報出力部150は、原料の先入れ先出しが正しく実行されていない場合に、アラートを出力してもよい。例えば、原料判定部160が、場所情報が変化した原料情報に関連付けられた時刻情報が示す時刻が、場所情報が変化しない他の原料情報に関連付けられた時刻情報の少なくとも一つより後である判定した場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。以下、この場合のアラートを、先入先出アラートとする。例えば、情報出力部150は、利用者の端末装置、又は、管理システムなど、所定の装置又はシステムに、先入先出アラートを出力する。
【0039】
原料判定部160は、先入れ先出しに限らず、原料に関する他の状態を判定してもよい。例えば、原料判定部160は、原料の経路を判定してもよい。例えば、原料判定部160は、原料について設定された経路と、原料動線とを比較して、経路と原料動線が一致しているか否かを判定してもよい。そして、原料動線が設定されている経路と一致しない場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。この場合のアラートを、経路アラートとする。例えば、情報出力部150は、所定の装置又はシステムに経路アラートを出力する。
【0040】
化学工場などの工程では、その工程において原料を入れる容器が決まっている場合がある。そこで、原料判定部160は、工程において原料を入れる容器を判定してもよい。ただし、製造する製品が変化しない場合、各場所において実行される工程が、定まっている。そこで、以下では、容器の判定の一例として、場所情報を用いる場合について説明する。例えば、容器は、原料タグに加え、容器を示す容器情報を保存する容器タグが貼付されていてもよい。容器情報は、例えば、容器の名称、種類、材質、及び、容量である。容器情報は、これらに限られず、購入日時、又は、製造メーカ名など、他の情報を含んでいてもよい。さらに、場所情報は、その場所で使用する容器を示す容器情報が関連付けられている。情報取得部110は、原料情報などと伴に、容器タグから読み出された容器情報を取得する。そして、原料判定部160は、容器情報が場所情報において適切であるか否かを判定する。例えば、原料判定部160は、情報取得部110が取得した容器情報が、場所情報に予め設定されている容器情報に含まれているか否かを判定してもよい。そして、取得した容器情報が、場所情報に設定されている容器情報に含まれないと判定された場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。この場合のアラートを、容器アラートとする。例えば、情報出力部150は、所定の装置又はシステムに容器アラートを出力する。上記の説明では、場所情報を用いたが、原料判定部160は、工程情報を用いて判定してもよい。例えば、工程情報は、その工程において使用される容器情報が関連付けられていてもよい。この場合、原料判定部160は、場所と工程との対応情報を用いて、場所情報から工程情報を求め、求めた工程情報に対応する工程情報に関連付けられた容器を判定してもよい。この場合も、情報出力部150は、容器アラートを出力してもよい。
【0041】
危険物などの原料は、保管位置が定められている場合がある。そこで、原料判定部160は、原料情報と場所情報とに基づいて、原料が適切な場所に保管されているか否かを判定してもよい。例えば、原料判定部160は、原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報それぞれについて設定された保管用の場所情報に含まれるか否かを判定してもよい。そして、原料情報に関連付けられた場所情報が予め設定された場所情報に含まれていない場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。この場合のアラートを、保管場所アラートとする。例えば、情報出力部150は、所定の装置又はシステムに保管場所アラートを出力する。
【0042】
原料判定部160は、複数の原料相互の関連性に基づいて原料の保管を判定してもよい。例えば、原料によっては、同じ場所での保管、又は、近接した場所での保管が禁止されている場合がある。そこで、原料判定部160は、同じ保管情報に関連付けられている複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成するか否かを判定してもよい。この場合の判定において、原料判定部160は、例えば、予め保存部などに保存されている、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組の情報を用いればよい。そして、同じ保管情報に関連付けられている複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成する場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。この場合のアラートを、近接保管アラートとする。例えば、情報出力部150は、所定の装置又はシステムに近接保管アラートを出力する。
【0043】
(3)作業者関係
情報処理装置10は、原料を入れた容器の移動などの作業を実行する作業者を示す作業者情報を用いてもよい。例えば、情報取得部110は、原料情報などと伴に、作業者が携帯する作業者タグから読み出された作業者情報を、リーダーから取得してもよい。この場合、情報関連付け部120は、原料情報、場所情報、及び、作業者情報を関連付ける。検索部140は、検索対象の原料情報に関連付けされた場所情報、及び、作業者情報を検索する。そして、情報出力部150は、原料情報、場所情報、及び、作業者情報を出力する。利用者は、出力された情報から、場所情報が示す場所において作業した作業者を把握できる。例えば、工場における原料を用いた製造工程をトレースする場合、利用者は、出力された場所情報に加え、作業者情報を用いてより詳細なトレースを実行できる。作業者情報は、例えば、作業者の名前、及び、社員番号である。作業者情報は、これらに限られず、所属、又は、役職など、他の情報を含んでいてもよい。
【0044】
情報処理装置10は、作業者が実行した工程又は作業者が作業した場所などを判定する作業判定部170を備えていてもよい。
図4は、作業判定部170を備える情報処理装置12の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置12は、情報処理装置10の構成に加え、作業判定部170を備えている。情報処理装置12は、原料判定部160を備えていてもよい。
【0045】
作業判定部170は、原料情報及び場所情報に関連付けられた作業者情報の判定を実行する。工場などでは、各場所において実行される工程が、定まっている場合がある。そして、製品を管理するための情報としては、場所情報より工程情報の方が重要な情報となる場合がある。そこで、以下の説明では、作業判定部170は、工程情報を用いるとする。
【0046】
工程は、資格の保有者など、作業者が限定されている場合がある。そこで、作業判定部170は、工程情報が示す工程において作業可能な作業者を示す作業者情報を用いて、作業者が適切であるか否かを判定してもよい。例えば、作業判定部170は、作業者情報が示す作業者が、場所情報に関連付けられた工程情報が示す工程において作業可能か作業不可かを判定する。そして、作業者が、工程情報が示す工程において作業不可の場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。この場合のアラートを、作業者アラートとする。情報出力部150は、所定の装置又はシステムに作業者アラートを出力する。
【0047】
製品の製造工程は、適切な実行の順序がある。そして、工程は、通常、場所が固定である。そこで、作業判定部170は、例えば、作業者情報に関連付けられた原料情報、場所情報、及び、時刻情報から求められた作業者動線と、予め作業者に設定されている適切な動線と一致しているか否かを判定する。あるいは、作業判定部170は、作業者動線に対応する工程順と、予め作業者に設定されている適切な工程順とが一致しているか否かを判定してもよい。そして、作業者動線又は工程順が一致しない場合、情報出力部150は、アラートを出力してもよい。この場合のアラートを、工程順アラートとする。例えば、情報出力部150は、所定の装置又はシステムに工程順アラートを出力する。
【0048】
[ハードウェア構成]
次に、情報処理装置10ないし12のハードウェア構成について説明する。情報処理装置10ないし12の各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。あるいは、情報処理装置10ないし12において、各構成部は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。例えば、情報処理装置10ないし12は、クラウドコンピューティングを利用して構成されてもよい。あるいは、情報処理装置10ないし12において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。あるいは、情報処理装置10ないし12は、中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)と、メモリと、ネットワークインターフェース(NI: Network Interface)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。メモリは、例えば、読み取り専用メモリ(ROM: Read Only Memory)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM: Random Access Memory)とであるが、これらに限られない。
【0049】
図5は、情報処理装置10ないし12のハードウェア構成の一例であるコンピュータ600の構成を示すブロック図である。コンピュータ600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、記憶装置640と、NI650とを含む。
【0050】
CPU610は、ROM620及び記憶装置640の少なくとも一方からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、記憶装置640と、NI650とを制御する。そして、CPU610を含むコンピュータ600は、これらの構成を制御して、
図1、3、及び、4に示されている各構成の機能を実現する。各構成は、情報取得部110と、情報関連付け部120と、対象受付部130と、検索部140と、情報出力部150と、原料判定部160と、作業判定部170とである。このように、コンピュータ600は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せとして、機能を実現してもよい。
【0051】
CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記録媒体690が含むプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU610は、NI650を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は記憶装置640に保存して、保存したプログラムに基づいて動作してもよい。
【0052】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、プログラマブルROM(P-ROM: Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、ダイナミックRAM(D-RAM: Dynamic-RAM)である。記憶装置640は、コンピュータ600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置640は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD: Solid State Drive)、又は、ディスクアレイ装置である。
【0053】
ROM620及び記憶装置640は、不揮発性(non-transitory)の記録媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記録媒体である。そして、CPU610は、ROM620、記憶装置640、及び、RAM630に記憶されているプログラムに基づいて動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記録媒体及び揮発性記録媒体のどちらを用いても動作可能である。CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630及び記憶装置640の少なくとも一方を、プログラム及びデータの一時的な記憶媒体として使用してもよい。
【0054】
NI650は、ネットワークを介した図示しない外部の装置とのデータのやり取りを中継する。NI650は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN: Local Area Network)カードである。NI650は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0055】
このように構成されたコンピュータ600は、情報処理装置10ないし12における各構成の動作を実行して、情報処理装置10ないし12としての機能を実現する。
【0056】
[情報処理システム]
情報処理装置10ないし12を利用する情報処理システムの例を説明する。以下、説明の煩雑さを避けるため、情報処理装置10を用いる。以下の説明において、情報処理システムは、情報処理装置10に替えて、情報処理装置11又は12を含んでもよい。
【0057】
図6は、情報処理システムを利用する工場の一例を示す図である。
図6に示されている工場は、例えば、化学工場である。
図6において、原料を入れている容器は、まず、原料置場に置かれる。製造場所Aにおいて原料から中間物Aを生成する工程を実行する場合、作業者は、原料を入れている容器を、原料置場から製造場所Aに移動する。製造場所Aでの工程が終了すると、作業者は、中間物Aを入れた容器を、製造現場Aから中間物A置場に移動する。そして、製造現場Bにおいて中間物Aから中間物Bを生成する工程を実行する場合、作業者は、中間物Aを入れた容器を、中間物A置場から製造場所Bに移動する。製造現場Bの工程は、中間物Aを原料として、中間物Bを生成する工程である。製造場所Bでの工程が終了すると、作業者は、中間物Bを入れた容器を、製造現場Bから中間物B置場に移動する。そして、製造現場Cにおいて中間物Bから製品を生成する工程を実行する場合、作業者は、中間物Bを入れた容器を、中間物B置場から製造場所Cに移動する。製造現場Cの工程は、中間物Bを原料として、製品を生成する工程である。製造場所Cでの工程が終了すると、作業者は、製品を入れた容器を、製造現場Cから製品置場に移動する。
【0058】
このような化学工場での製造管理として、例えば、管理者は、原料及び作業者のリスト作成し、リストを参照して原料の場所を探す。一方、情報処理装置10を利用すると、利用者は、下記のように、原料の場所を探す工数を低減することができる。
【0059】
図7は、上記のような工場において、情報処理装置10を利用する情報処理システム30の構成の一例を示す図である。
図7の情報処理システム30は、情報処理装置10と、容器310と、タグ320と、アンテナ330と、リーダー・ライター340と、端末装置350と、ネットワーク360とを備えている。
【0060】
タグ320は、原料を入れている容器310に貼付され、容器310に入っている原料を示す原料情報を保存している。タグ320は、原料タグの一例であり、例えばICタグである。
【0061】
リーダー・ライター340は、電波を用いて、タグ320から情報を受信するアンテナ330の場所情報を保存している。そして、リーダー・ライター340は、アンテナ330を用いてタグ320が保存している原料情報を読み出すと、ネットワーク360を介して、情報処理装置10に、原料情報と場所情報とを出力する。リーダー・ライター340は、情報読み出し装置の一例である。情報処理システム30は、リーダー・ライター340に替えて、書き込み機能を備えていないリーダーを用いてもよい。
【0062】
端末装置350は、利用者が操作する装置であり、ネットワーク360を介して、情報処理装置10に、場所の検索対象となる原料情報を送信する。端末装置350は、ネットワーク360を介して、情報処理装置10から、送信した原料情報に対応した場所情報を取得してもよい。
【0063】
情報処理装置10は、すでに説明したように動作する。つまり、情報取得部110は、リーダー・ライター340から、原料情報と場所情報とを取得する。情報関連付け部120は、原料情報と場所情報とを関連付ける。対象受付部130は、端末装置350から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける。検索部140は、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する。そして、情報出力部150は、検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを、端末装置350に出力する。
【0064】
ネットワーク360は、上記のような装置又は機器における情報のやり取りを実現する通信路であり、情報のやり取りを実現できれば、構成などは限られない。例えば、ネットワーク360は、インターネット、イントラネット、又は、専用回線でもよい。
【0065】
このような情報処理システム30において、利用者は、端末装置350に検索対象の原料情報を入力するという簡単な操作で、情報処理装置10から原料の位置の取得できる。このように、情報処理装置10を含む情報処理システム30を利用すると、利用者は、原料を探す工数を低減することができる。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0067】
(付記1)
容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報を、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、さらに、原料情報が読み出された場所を示す場所情報を取得する情報取得手段と、
取得した原料情報と場所情報とを関連付ける情報関連付け手段と、
利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける対象受付手段と、
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する検索手段と、
検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する情報出力手段と、
を備える情報処理装置。
【0068】
(付記2)
情報取得手段は、情報読み出し装置から、原料情報を読み出した時刻を示す時刻情報を取得し、
情報関連付け手段は、原料情報、場所情報、及び、時刻情報を関連付け、
対象受付手段は、利用者から、検索対象の原料情報、及び、検索対象となる時間範囲を受け付け、
検索手段は、検索した場所情報において、関連付けられている時刻情報が検索対象の時間範囲に含まれる場所情報を検索し、
情報出力手段は、検索対象の原料情報、検索された場所情報、及び、検索された場所情報に関連付けられている時刻情報を出力する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0069】
(付記3)
検索した場所情報に、原料が同じ複数の原料情報が関連付けられている場合、検索手段は、複数の原料情報の中から、最も古い時刻情報に関連付けられた原料情報を検索する、
付記2に記載の情報処理装置。
【0070】
(付記4)
原料の先入れ先出しが正しく実行されているか否かを判定する原料判定手段をさらに備え、
情報出力手段は、原料の先入れ先出しが正しく実行されていない場合に、アラートを出力する、
付記2又は3に記載の情報処理装置。
【0071】
(付記5)
情報取得手段は、容器に貼付された容器タグから読み出された容器を示す容器情報を取得し、
原料判定手段は、取得した容器情報が場所情報に設定されている容器情報に含まれるか否かを判定し、
情報出力手段は、取得した容器情報が、設定されている容器情報に含まれない場合に、アラートを出力する、
付記4に記載の情報処理装置。
【0072】
(付記6)
原料判定手段は、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれるか否かを判定し、
情報出力手段は、検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれない場合に、アラートを出力する、
付記4又は5に記載の情報処理装置。
【0073】
(付記7)
原料判定手段は、同じ場所情報に関連付けられた複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成するか否かを判定し、
情報出力手段は、同じ場所情報に関連付けられた複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成する場合に、アラートを出力する、
付記4ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0074】
(付記8)
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が複数の場合、原料判定手段は、原料情報について設定された経路と、時刻情報の順に原料情報に関連付けられた場所情報を接続した原料動線とが一致しているか否かを判定し、
情報出力手段が、経路と原料動線とが一致していない場合に、アラートを出力する、
付記4ないし7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0075】
(付記9)
情報取得手段は、情報読み出し装置から、作業者が携帯する作業者タグから読み出された作業者を示す作業者情報を取得し、
情報関連付け手段は、作業者情報、原料情報、及び、場所情報を関連付け、
検索手段は、検索対象の原料情報に関連付けされた場所情報、及び、作業者情報を検索し、
情報出力手段は、原料情報、場所情報、及び、作業者情報を出力する、
付記1ないし8もいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0076】
(付記10)
検索手段は、場所情報に関連付けられた、場所情報が示す場所において実行される工程を示す工程情報を検索し、
情報出力手段は、検索対象の原料情報、場所情報、及び、工程情報を出力する、
付記9に記載の情報処理装置。
【0077】
(付記11)
作業者情報が示す作業者が、場所情報に関連付けられた工程情報が示す工程について作業可能か作業不可かを判定する作業者判定手段をさらに備え、
情報出力手段は、作業不可の場合に、アラートを出力する、
付記10に記載の情報処理装置。
【0078】
(付記12)
作業者判定手段は、作業者が経由した工程順が、作業者に設定されている工程順と一致しているか否かを判定し、
情報出力手段は、一致していない場合に、アラートを出力する、
付記11に記載の情報処理装置。
【0079】
(付記13)
付記1ないし12のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
原料タグから原料情報を読み出し、原料情報と場所情報とを、情報処理装置に出力する情報読み出し装置と、
検索対象となる原料情報を情報処理装置に送信する端末装置と、
を備えた情報処理システム。
【0080】
(付記14)
容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得し、
取得した原料情報と場所情報とを関連付け、
利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付け、
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索し、
検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する、
情報処理方法。
【0081】
(付記15)
情報読み出し装置から、原料情報を読み出した時刻を示す時刻情報を取得し、
原料情報、場所情報、及び、時刻情報を関連付け、
利用者から、検索対象の原料情報、及び、検索対象となる時間範囲を受け付け、
検索した場所情報において、関連付けられている時刻情報が検索対象の時間範囲に含まれる場所情報を検索し、
検索対象の原料情報、検索された場所情報、及び、検索された場所情報に関連付けられている時刻情報を出力する、
付記14に記載の情報処理方法。
【0082】
(付記16)
検索した場所情報に、原料が同じ複数の原料情報が関連付けられている場合、複数の原料情報の中から、最も古い時刻情報に関連付けられた原料情報を検索する、
付記15に記載の情報処理方法。
【0083】
(付記17)
原料の先入れ先出しが正しく実行されているか否かを判定し、
原料の先入れ先出しが正しく実行されていない場合に、アラートを出力する、
付記15又は16に記載の情報処理方法。
【0084】
(付記18)
容器に貼付された容器タグから読み出された容器を示す容器情報を取得し、
取得した容器情報が場所情報に設定されている容器情報に含まれるか否かを判定し、
取得した容器情報が、設定されている容器情報に含まれない場合に、アラートを出力する、
付記17に記載の情報処理方法。
【0085】
(付記19)
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれるか否かを判定し、
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれない場合に、アラートを出力する、
付記17又は18に記載の情報処理方法。
【0086】
(付記20)
同じ場所情報に関連付けられた複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成するか否かを判定し、
同じ場所情報に関連付けられた複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成する場合に、アラートを出力する、
付記17ないし19のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【0087】
(付記21)
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が複数の場合、原料情報について設定された経路と、時刻情報の順に原料情報に関連付けられた場所情報を接続した原料動線とが一致しているか否かを判定し、
経路と原料動線とが一致していない場合に、アラートを出力する、
付記17ないし20のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【0088】
(付記22)
情報読み出し装置から、作業者が携帯する作業者タグから読み出された作業者を示す作業者情報を取得し、
作業者情報、原料情報、及び、場所情報を関連付け、
検索対象の原料情報に関連付けされた場所情報、及び、作業者情報を検索し、
原料情報、場所情報、及び、作業者情報を出力する、
付記14ないし21もいずれか1項に記載の情報処理方法。
【0089】
(付記23)
場所情報に関連付けられた、場所情報が示す場所において実行される工程を示す工程情報を検索し、
検索対象の原料情報、場所情報、及び、工程情報を出力する、
付記22に記載の情報処理方法。
【0090】
(付記24)
作業者情報が示す作業者が、場所情報に関連付けられた工程情報が示す工程について作業可能か作業不可かを判定し、
作業不可の場合に、アラートを出力する、
付記23に記載の情報処理方法。
【0091】
(付記25)
作業者が経由した工程順が、作業者に設定されている工程順と一致しているか否かを判定し、
一致していない場合に、アラートを出力する、
付記24に記載の情報処理方法。
【0092】
(付記26)
情報処理装置が、付記13ないし25のいずれか1項に記載の情報処理方法を実行し、
情報読み出し装置が、原料タグから原料情報を読み出し、原料情報と場所情報とを、情報処理装置に出力し、
端末装置が、検索対象となる原料情報を情報処理装置に送信する
情報処理方法。
【0093】
(付記27)
容器に貼付された原料タグから読み出された原料を示す原料情報と、原料情報が読み出された場所を示す場所情報とを、タグに記録された情報を読み出す情報読み出し装置から取得する処理と、
取得した原料情報と場所情報とを関連付ける処理と、
利用者から、場所の検索対象となる原料情報を受け付ける処理と、
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報を検索する処理と、
検索対象の原料情報と、検索された場所情報とを出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0094】
(付記28)
情報読み出し装置から、原料情報を読み出した時刻を示す時刻情報を取得する処理と、
原料情報、場所情報、及び、時刻情報を関連付ける処理と、
利用者から、検索対象の原料情報、及び、検索対象となる時間範囲を受け付ける処理と、
検索した場所情報において、関連付けられている時刻情報が検索対象の時間範囲に含まれる場所情報を検索する処理と、
検索対象の原料情報、検索された場所情報、及び、検索された場所情報に関連付けられている時刻情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記27に記載のプログラム。
【0095】
(付記29)
検索した場所情報に、原料が同じ複数の原料情報が関連付けられている場合、複数の原料情報の中から、最も古い時刻情報に関連付けられた原料情報を検索する処理、
をコンピュータに実行させる付記28に記載のプログラム。
【0096】
(付記30)
原料の先入れ先出しが正しく実行されているか否かを判定する処理と、
原料の先入れ先出しが正しく実行されていない場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記28又は29に記載のプログラム。
【0097】
(付記31)
容器に貼付された容器タグから読み出された容器を示す容器情報を取得する処理と、
取得した容器情報が場所情報に設定されている容器情報に含まれるか否かを判定する処理と、
取得した容器情報が、設定されている容器情報に含まれない場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記30に記載のプログラム。
【0098】
(付記32)
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれるか否かを判定する処理と、
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が、予め原料情報に設定された保管用の場所情報に含まれない場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記30又は31に記載のプログラム。
【0099】
(付記33)
同じ場所情報に関連付けられた複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成するか否かを判定する処理と、
同じ場所情報に関連付けられた複数の原料情報の少なくとも一部が、同じ保管場所、又は、近接した保管場所での保管が禁止されている原料情報の組を形成する場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記30ないし32のいずれか1項に記載のプログラム。
【0100】
(付記34)
検索対象の原料情報に関連付けられた場所情報が複数の場合、原料情報について設定された経路と、時刻情報の順に原料情報に関連付けられた場所情報を接続した原料動線とが一致しているか否かを判定する処理と、
経路と原料動線とが一致していない場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記30ないし33のいずれか1項に記載のプログラム。
【0101】
(付記35)
情報読み出し装置から、作業者が携帯する作業者タグから読み出された作業者を示す作業者情報を取得する処理と、
作業者情報、原料情報、及び、場所情報を関連付ける処理と、
検索対象の原料情報に関連付けされた場所情報、及び、作業者情報を検索する処理と、
原料情報、場所情報、及び、作業者情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記14ないし21もいずれか1項に記載のプログラム。
【0102】
(付記36)
場所情報に関連付けられた、場所情報が示す場所において実行される工程を示す工程情報を検索する処理と、
検索対象の原料情報、場所情報、及び、工程情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記35に記載のプログラム。
【0103】
(付記37)
作業者情報が示す作業者が、場所情報に関連付けられた工程情報が示す工程について作業可能か作業不可かを判定する処理と、
作業不可の場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記33に記載のプログラム。
【0104】
(付記38)
作業者が経由した工程順が、作業者に設定されている工程順と一致しているか否かを判定する処理と、
一致していない場合に、アラートを出力する処理と、
をコンピュータに実行させる付記37に記載のプログラム。
【0105】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0106】
10 情報処理装置
11 情報処理装置
12 情報処理装置
110 情報取得部
120 情報関連付け部
130 対象受付部
140 検索部
150 情報出力部
160 原料判定部
170 作業判定部
30 情報処理システム
310 容器
320 タグ
330 アンテナ
340 リーダー・ライター
350 端末装置
360 ネットワーク
600 コンピュータ
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 記憶装置
650 NI
690 記録媒体