(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004109
(43)【公開日】2025-01-14
(54)【発明の名称】改善された皮膚浸透性を有する、アベナンスラミドを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/42 20060101AFI20250106BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20250106BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250106BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20250106BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20250106BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20250106BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20250106BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20250106BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250106BHJP
【FI】
A61K8/42
A61K8/34
A61Q19/00
A61K31/196
A61P17/00
A61K9/08
A61K9/06
A61K9/12
A61K47/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024174344
(22)【出願日】2024-10-03
(62)【分割の表示】P 2022553580の分割
【原出願日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/056120
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,ザビーネ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,イムケ
(72)【発明者】
【氏名】ブルンケ,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヨッペ,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】パラーニ,カルパナ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アベナンスラミドまたは類似体アベナンスラミド化合物の高いバイオアベイラビリティーを実現するために増強した皮膚浸透性を示すアベナンスラミドを含む組成物または慣習的な調製物もしくは製剤を提供する。
【解決手段】アベナンスラミドA、B、C、D、E、F、G、H、Lおよびこれらアベナンスラミドの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアベナンスラミド、ならびに3~12個のC原子を有する直鎖アルカンジオールである、少なくとも1種の浸透促進剤を含む、組成物とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- アベナンスラミドA、B、C、D、E、F、G、H、Lおよびこれらアベナンスラミドの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアベナンスラミド、ならびに
- 3~12個のC原子を有する直鎖アルカンジオールである、少なくとも1種の浸透促進剤
を含むまたはこれらからなる組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のアベナンスラミドが、エンバク種Avena sativaまたはAvena nudaのエンバク供給源から得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
浸透促進剤が、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオール、1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物の総重量に基づき、
- 0.0001~5.0重量%の少なくとも1種のアベナンスラミド;および
- 0.01~10.0重量%の少なくとも1種の浸透促進剤
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
皮膚保護およびスキンケア、頭皮保護および頭皮ケア、ヘアケア、ネイルケアにおける、あるいは皮膚状態、我慢できない肌または敏感な肌、皮膚刺激、皮膚発赤、膨疹、掻痒症(痒み)、皮膚の老化、しわの形成、皮膚体積の減少、肌の弾力の喪失、色素斑、色素異常、乾燥肌、および皮膚の保湿のための乾燥肌の予防および/または処置における、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物の非治療的および化粧品としての使用。
【請求項6】
医薬としての使用のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
バリアに関連した、炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性もしくは過剰増殖性の構成成分を有する皮膚疾患または角質疾患の予防および/もしくは処置、ならびに/またはROS生成の増加に伴う皮膚疾患の予防および/もしくは処置における使用のための、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
皮膚疾患または角質疾患が、アトピー性皮膚炎(神経皮膚炎)、乾癬、ざ瘡様発疹、皮脂欠乏症、乾燥症、湿疹、高脂漏および低脂漏、皮膚炎、酒さ、紅斑、掻痒症、炎症、刺激、線維症、扁平苔癬、ばら色粃糠疹、癜風、自己免疫性の水疱性疾患、じんま疹、血管性浮腫、アレルギー性皮膚反応、創傷治癒、および組織再生からなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
化粧品または薬学的調製物、皮膚科用または角質用調製物を調製するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項10】
化粧品または薬学的調製物であって、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物を含む、化粧品または薬学的調製物。
【請求項11】
皮膚保湿および/または水分保持物質、清涼化剤、オスモライト、角質物質、栄養物質、抗炎症性、抗細菌性もしくは抗真菌性物質、発赤緩和作用もしくは痒み緩和作用を有する物質、鎮痛物質、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される1種もしくは複数の活性物質;ならびに/または抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、界面活性物質、乳化剤、香油、消泡剤、着色剤、着色作用を有する顔料、増粘剤、可塑剤、脂肪、油、ワックスまたは化粧品製剤の他の従来の構成成分、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒もしくはシリコーン誘導体、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される化粧品としてまたは薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項10に記載の化粧品または薬学的調製物。
【請求項12】
液剤、チンキ剤、ローション剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレー剤またはシャンプー剤として提供される、請求項10または11に記載の化粧品または薬学的調製物。
【請求項13】
請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物を調製するための方法であって、
- アベナンスラミドA、B、C、D、E、F、G、H、Lおよびこれらアベナンスラミドの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のアベナンスラミドを用意するステップ、ならびに
- 3~12個のC原子を有する直鎖アルカンジオールである、少なくとも1種の浸透促進剤を前記アベナンスラミドに加えるおよび混合するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、改善された皮膚浸透性を有する、特定のアベナンスラミドおよび少な
くとも1種の浸透促進剤を含むまたはこれらからなる組成物;前記組成物を調製するため
の方法;このような組成物の化粧品または医薬品としての使用;ならびに前記組成物を含
む化粧品または医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
アベナンスラミド(これより以下、Avnsまたは単一のアベナンスラミド化合物に対
してAvnと略記する)は、アミド結合を有するアントラニル酸およびヒドロキシケイ皮
酸部分を含有する低分子量のフェノール系アミドであり、A.sativaもA.nud
aもエンバクにおける自然発生のフェノール系アミドの群である。これらは、真菌などの
病原菌への曝露に応答して植物により生成されるフィトアレキシンと、最初に同定された
。エンバクはおよそ40の異なる種類のAvnsの独特な群を含有し、これらはエンバク
穀粒(grain)と葉の両方に存在する。最も豊富なのは、Avn A(N-(4’-
ヒドロキシシンナモイル)-5-ヒドロキシアントラニル酸)、Avn B(N-(4’
-ヒドロキシ-3’-メトキシシンナモイル)-5-ヒドロキシアントラニル酸)および
Avn C(N-(3’-4’-ジヒドロキシシンナモイル)-5-ヒドロキシアントラ
ニル酸)であり、これらは5-ヒドロキシアントラニル酸のアミドであり、p-クマリン
、フェルラおよびカフェインヒドロキシケイ皮酸をそれぞれ有する。これらAvnsは構
成的に種実に発現し、ほとんどすべての粉砕画分に出現するが、これらの最も高い濃度は
ふすまおよび種実の外層において生じる[Boz H、Czech Journal o
f Food Sciences、2015、33巻(5号):399~404ページ]
。エンバク穀粒中のアベナンスラミド(Avns)の全含有量は、品種および農学的処置
に応じて約2~700mg/kg(0.0002~0.07%)であることが判明した[
Maliarova Mら、Journal of the Brazilian Ch
emical Society、2015、26巻(11号)、2369~2378ペー
ジ]。
【0003】
エンバクからのAvnsの抽出は、様々な溶媒組成物、例えば、純粋または希釈された
エタノールおよびメタノールを使用して行う。異なる時間にわたり室温でまたは制御され
た加熱下で、例えば、ハダカエンバク、50%水性エタノールなどを用いて抽出手順が達
成された[Tong Lら、Journal of Integrative Agri
culture、2014、13巻、1809ページ]。
【0004】
Maliarova、M.ら、Journal of the Brazilian
Chemical Society、2015、26巻(11号)、2369~2378
ページは、ハダカエンバクふすまからのAvnsの抽出についてメタノール、エタノール
およびイソプロパノールの効率を比較した。Avnsの最も高い収率に対する最適条件は
、メタノール濃度70%、抽出温度55℃および抽出時間165分間であった。
【0005】
アベナンスラミドがin vitroとin vivoの両方で優れた抗酸化活性、な
らびに細胞の酸化的機能障害および酸化ストレスに関連した疾患、例えば、神経変性およ
び心血管疾患の発症を予防または制限し得る抗炎症性、抗刺激性、抗アテローム生成性お
よび抗増殖性活性を有し、皮膚刺激、老化、CHDおよびがんに対する追加の保護を提供
することをいくつかの研究が実証したことから、アベナンスラミドの用途は化粧品および
/または治療剤の分野において増大している[Perrelli Aら、Oxidati
ve Medicine and Cellular Longevity、2018、
DOI:10.1155/2018/6015351]。
【0006】
Avnsの抗酸化活性は、典型的な穀物構成成分フェルラ酸、ゲンチシン酸、p-ヒド
ロキシ安息香酸、プロトカテク酸(protocagtechuic acid)、シリ
ング酸、バリニン酸およびバニリンの抗酸化活性より10~30倍高いことが判明した。
Avnsは抗酸化活性が異なり、Avn Cが最も高い活性を有し、Avn BおよびA
vn Aがこれに続く。Avnsを豊富に含むエンバク抽出物はin vitroでLD
L酸化を阻害する。エンバク抗酸化性が、血清コレステロールを低下させ、LDLコレス
テロール酸化および過酸化を阻害し、により心血管の危険性を減少させる潜在能力を有す
ることが動物の研究でもヒト臨床試験でも確認された。エンバクおよびエンバクふすまの
消費は、これらの高い繊維含有量ばかりでなく、Avnsによってもまた結腸がんの危険
性を減少させ得ることを別の研究は示した。さらに、Avnsを豊富に含むエンバク抽出
物は、アテローム動脈硬化症およびNF-kB転写因子の活性化を阻害することが示され
ており、NF-kB転写因子は感染症および炎症の調整剤である[Hueseyin B
oz、Phenolic Amides(Avenanthramides)in Oa
ts-A Review、Czech J.Food Sci.、33巻、2015(5
号)、399~404ページ]。
【0007】
さらに、アベナンスラミドは、痒みまたは聴覚損失の処置および予防において、または
5-リポキシゲナーゼ阻害剤として有益であることが公知である。
【0008】
アベナンスラミド(anvenanthramide)類似体ジヒドロアベナンスラミ
ドD(CAS697235-49-7、INCI名称:ヒドロキシフェニルプロパミド安
息香酸;Symriseにより提供されるSymCalmin(登録商標)中の活性成分
)は肥満細胞脱顆粒を阻害し、ニューロキニン-1受容体との相互作用を介して抗炎症作
用を示すことが公知である。
【0009】
これらの強力な、有益な生物学的活性により、アベナンスラミドは、ヒトおよび動物に
対する経口的適用および/または局所的適用のための、栄養、化粧品および健康的使用に
対して価値のあるおよび極めて興味深い天然の活性成分となっている。
【0010】
他方では、皮膚保護および頭皮保護ならびにスキンケアおよび頭皮ケアにおける、なら
びに/または皮膚病の予防および/もしくは処置における使用のための、活性物質または
組成物の改善された皮膚透過性を有する新規物質または組成物の開発に対して、化粧品お
よび医薬品業界において継続的な必要性が存在する。
【0011】
皮膚の生物学的作用は普通、活性化合物を皮膚へ透過させることが必要となる。
【0012】
皮膚の主要な浸透バリアとして、角質層(SC)は細胞外脂質内に埋め込まれた角質細
胞からなる。
【0013】
治療用薬物濃度に到達するために、角質層へと浸透しなければならない。その構造およ
び生化学的組成物によって、角質層は選択的に透過性である。一般的に言えば、小さなお
よび中程度の親油性分子(500Da未満の分子量およびlog P1~4を有する)は
皮膚に十分に浸透する可能性が高い。これら物理化学的特性を保有しない、巨大分子に基
づく他の薬物は皮膚の低い透過性により主に妨げられ、普通皮膚に浸透するために適切な
浸透増強戦略を必要とする。
【0014】
皮膚の浸透および透過は、横断に対する様々なバリアを有する複雑なプロセスである。
最初に、化粧品としてまたは医薬としての活性物質は、慣習的な調製物または製剤に溶解
して、製剤内側からSC境界面まで拡散することを可能にしなければならない。次いで、
活性物質は製剤および隔壁から受動的に拡散し、辛うじて透過可能なSCへと入る。lo
g Pが増加するにつれて浸透性が増加することは公知である。角質層を浸透することに
より親油性物質が好まれるが、角質層を介した拡散は大部分の親水性および両親媒性物質
にとって律速作用である。より深い皮膚層はより高い親水性を有することから、活性物質
が経皮的に浸透するためには最適な親水性-親油性バランスが必須である。
【0015】
浸透増強活性のために多くの物質が研究され、使用されてきた。多くの有望な部位およ
び作用形態が皮膚浸透促進剤に特定されている。
【0016】
Heuschkel Sら、European Journal of Pharma
ceutics and Biopharmaceutics、72巻、2009、55
2~560ページは、浸透促進剤としてのマイクロエマルジョン中のモデル薬物ジヒドロ
アベナンスラミドD(dihydroavenenthramide)に対する1,2-
アルカンジオールビヒクルの影響について記載している。
【0017】
一方では皮膚浸透性および透過機序の複雑性により、他方では活性物質の化学的および
物理化学的特性または製剤の種類により、経皮的送達に対する皮膚浸透促進剤の作用の有
効な予測が可能ではない。さらに、1種の活性物質と組み合わせた1種の浸透促進化合物
の作用を単に一般化して、別の異なる活性物質に適用することはできない。
【0018】
アベナンスラミドを含む上述のアベナンスラミドまたは調製物は親水性物質であり、し
たがってSCを介して弱い透過性を示す。したがって、意図した標的においてアベナンス
ラミド物質の治療用濃度または局所的バイオアベイラビリティーを達成することは極めて
困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、活性物質、すなわちアベナンスラミドまたは類似体アベナンスラミド化合
物の高いバイオアベイラビリティーを実現するために増強した皮膚浸透性を示すアベナン
スラミドを含む組成物または慣習的な調製物もしくは製剤を提供するのが本発明の目的で
ある。
【0020】
特に、本発明の目標は、1種または複数のアベナンスラミドの皮膚への透過を増強する
ことが可能であり、アベナンスラミドの有益な生物学的活性、組成物または慣習的な製剤
の特性それ自体を妨げない、1種または複数の生分解性の、化粧品としてまたは医薬とし
て十分に認められた、安全な、簡単に使用できるおよび安定した浸透増強物質を含む組成
物を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
驚くことに、皮膚を介したアベナンスラミドの浸透は、浸透促進剤を加えることにより
有意に増強させることができることが判明している。
上述の目的は、本発明の第1の態様に従い、
(i)アベナンスラミドA、B、C、D、E、F、G、HおよびLならびにこれらアベナ
ンスラミドの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアベナンスラミド、なら
びに
(ii)少なくとも1種の浸透促進剤
を含むまたはこれらからなる組成物を提供することにより達成される。
【0022】
第2の態様では、本発明は、化粧品としての、特に皮膚保護およびスキンケア、頭皮保
護および頭皮ケア、ヘアケア、ネイルケアのための、または皮膚状態、我慢できないもし
くは敏感肌、皮膚刺激、皮膚発赤、膨疹、掻痒症(痒み)、皮膚の老化、しわの形成、皮
膚体積の減少、肌の弾力の喪失、色素斑、色素異常、もしくは乾燥肌、すなわち皮膚の保
湿を必要とする乾燥肌の予防および/または処置における、前記組成物の使用に関する。
【0023】
第3の態様では、本発明は、特に皮膚疾患もしくは角質疾患、特にバリアに関連した、
炎症性、免疫アレルギー、アテローム生成性、乾燥性もしくは過剰増殖性の構成成分を有
する皮膚疾患の予防および/もしくは処置、またはROS生成の増加に伴う皮膚疾患の予
防および/もしくは処置における使用のための、医薬としての前記組成物の使用に関する
。
【0024】
第4の態様では、本発明は、化粧品または薬学的調製物/製剤を調製するための前記組
成物の使用に関する。
【0025】
最後に、本発明は、本発明による組成物を調製するための方法に関する。
【0026】
本発明は添付の特許請求の範囲においてより詳細に特定されている。しかし本発明それ
自体、ならびにその好ましい変化形、他の目的および利点はまた、添付の実施例と併せて
以下の詳細な説明からも明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】浸透促進剤の不在下でのジヒドロアベナンスラミドD(DhAvn D)と比較した、Avn A、Avn B、およびAvn Lの浸透挙動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第1の態様による組成物の第1の主要成分は、活性物質としての少なくとも1
種のアベナンスラミドである。
活性物質は、生物活性のある、組成物または調製物中の成分である。
【0029】
「少なくとも1つ」という句は、本記録に使用されている場合、例えば、アベナンスラ
ミドのうちのいずれかの1つまたは1つより多くのアベナンスラミドを含むことができる
組成物を意味する。さらに、「少なくとも1つの」という句は、リストに適用された場合
、リストの中で特定された項目のいずれか1つの組合せを意味する。
【0030】
本発明の文脈の中で、「アベナンスラミド」(アントラニル酸アミド)という一般的用
語は、中でも、フェノール系アルカロイドの群のメンバー、すなわち、主にエンバク(A
vena sativa)に見出されるが、本明細書でこれより以下に詳細に記載されて
いるようなモンシロチョウの卵(Pieris brassicaeおよびP.rapa
e)および菌類に感染したカーネーション(Dianthus caryophyllu
s)にも存在する、自然発生のアベナンスラミド、または本明細書でこれより以下に詳細
に記載されているような非自然的に人工の生成されたアベナンスラミド類似体化合物を意
味すると考えられている。
【0031】
本発明の組成物のアベナンスラミドは、自然に見出され、エンバクから単離および精製
することができる。エンバクの2つの主要な種はAvena sativa L.および
Avena nuda L.である(同義語としてGilletおよびMagneによる
Avena sativa subsp.nuda(L.)およびKornによるAve
na sativa var.nuda(L.)が挙げられる)。アベナンスラミドは末
梢領域、殻、トリコームまたはわらにおいて最も高濃度であるように見える。50種より
多くの明確に異なるアベナンスラミドがエンバク穀粒から単離されている[Collin
s、Journal of Agricultural and Food Chemi
stry、37巻(1989)、60~66ページ]。
【0032】
Avnsは以下の一般式1で表すことができる:
【化1】
【0033】
以下の表1は、一般式1に基づく自然発生のAvnsの例を示す。
【0034】
【0035】
いくつかの研究は、これらアベナンスラミドが抗炎症性、抗酸化性、抗痒み、抗刺激性
および抗アテローム生成の活性を有することを実証している。
【0036】
自然発生の単一のアベナンスラミドまたは上に記載されているようなアベナンスラミド
の混合物は、Avena属の植物からの抽出により、特に任意のエンバク種、新鮮なもし
くは乾燥した、またはその部分、例えば、エンバクAvena sativa種またはA
vena nuda種の粉砕した穀粒、粉砕されていない穀粒、殻、トリコームまたはエ
ンバクわらから得られ、ならびに単離および/または分画される。
【0037】
本発明に従い使用されるアベナンスラミド化合物を有利に抽出するための抽出溶媒(抽
出剤)は、水と有機溶媒の混合物からなる群から選択され、有機溶媒は好ましくは食料品
または化粧品または薬学的調製物に適した溶媒である。言うまでもなくこのような溶媒は
、食品、化粧品または薬学的調製物の調製に対して適切であり、相容性がなくてはならな
い。
【0038】
より好ましい変化形では、抽出溶媒は水とアルコールまたはアセトンの混合物を含む。
アルコールは好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール
、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノールおよび混合物、すなわちこれらの組
合せからなる群から選択される。本発明の抽出ステップに対して最も好ましい抽出溶媒(
抽出剤)はメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールもしくはアセ
トン、または前記溶媒の任意の混合物のそれぞれの組合せであり、それぞれは水との混合
物である。純粋な有機溶媒の使用はトリグリセリドの同時抽出により有利ではない。
【0039】
抽出溶媒中の、水の、有機溶媒に対する混合比、好ましくは水のアルコールに対する混
合比または水のアセトンに対する混合比は、いずれの場合も、生成した抽出溶媒に対して
、10:90~90:10(v/v)の範囲であり、好ましくは20:80~80:20
(v/v)の範囲であり、最も好ましくは30:70~70:30(v/v)の範囲であ
る。
【0040】
特に好ましい抽出溶媒(抽出剤)は、メタノール/水(3:7)、メタノール/水(1
:1)、メタノール/水(7:3)、エタノール/水(3:7)、エタノール/水(1:
1)、エタノール/水(1:4)、エタノール/水(7:3)、イソプロパノール/水(
3:7)、イソプロパノール/水(1:1)、イソプロパノール/水(7:3)、アセト
ン/水(3:7)、アセトン/水(1:1)、アセトン/水(7:3)である。
【0041】
抽出収率を改善するために、エンバク供給源は、30~80℃、好ましくは40~70
℃、より好ましくは50~60℃の範囲の温度で抽出される。粉砕されたエンバク穀粒に
対する抽出収率は、40~70℃の間で温度が増加すると共に増加する。
【0042】
天然の供給源から、単離、および精製されたアベナンスラミド化合物とは別に、自然発
生の単一のアベナンスラミドは、有機合成により生成することができる。当技術分野で公
知の合成の方法は、例えば、米国特許第6,096,770号および米国特許第6,12
7,392号、日本特許第J60019754A号およびハンガリー特許第HU2009
96B号に例示されている。
【0043】
前記調製した合成アベナンスラミド物質は、エンバクから抽出および単離した、対応す
る自然発生のアベナンスラミド化合物と同一である。
【0044】
本発明に従い、アベナンスラミド化合物の定義は、以下の式3で表される類似体化合物
ジヒドロアベナンスラミドD(DhAvn D)(2-(3-(4-ヒドロキシフェニル
-)プロパノイル-)アミド安息香酸)を包含しない。
【化2】
【0045】
よって、ジヒドロアベナンスラミドD(DhAvn D)は上記アベナンスラミドの定
義から除外される。
【0046】
式3で表される類似体アベナンスラミド化合物ジヒドロアベナンスラミドD(2-(3
-(4-ヒドロキシフェニル-)プロパノイル-)アミド安息香酸)はあまり好ましくな
い。
【0047】
上記自然発生のアベナンスラミドに加えて、N-(4’-ヒドロキシシンナモイル)-
3-ヒドロキシアントラニル酸(YAvn I)およびN-(3’-4’-ジヒドロキシ
シンナモイル)-3-ヒドロキシアントラニル酸(YAvn II)を含めて、組換え酵
母中に新規のアベナンスラミド類似体が生成され、これらは、フェノール系エステルの生
合成に関与している主要タンパク質をコードしている2種の植物遺伝子(タバコ由来の4
cl-2およびアーティチョーク由来のhct)を用いてSaccharomyces
cerevisiae株をエンジニアリングすることにより生成された。注目すべきこと
に、YAvn IおよびYAvn IIはAvn AおよびAvn Cと構造的類似点を
それぞれ共有する。
【0048】
一般的に、消費者は、天然調製化合物と人工調製化合物との間の差異を認識している。
本発明の文脈で、天然供給源から得た自然発生のアベナンスラミドまたは合成的に生成さ
れた自然発生のアベナンスラミドが好ましく、同様に使用される。それでもなお、非自然
発生のアベナンスラミドもまた重要となり得る。
【0049】
「アベナンスラミド」という用語は、存在するこれらの様々な異性体、とりわけ自然発
生のtrans-異性体ならびにcis-異性体、例えば、光曝露による光異性化で誘発
された、cis-異性化二重結合(n=1を有する式1または2)または1、もしくは2
つのcis-異性化二重結合(n=2を有する式1または2)を有するアベナンスラミド
なども含むことを意図する。
【0050】
特に、本発明の文脈の中で、アベナンスラミドは、一般式1で表され、表1で定義され
たアベナンスラミド化合物のうちのいずれか1つ、または上に記載されているようなその
任意の異性体である。
【0051】
第1の態様による本発明の好ましい変化形では、組成物は、アベナンスラミドA、B、
C、G、H、K、L、Rおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種
のアベナンスラミドを含む。本発明の別の変化形では、A、B、C、Lおよびこれらの混
合物からなる群から選択される少なくとも1種のアベナンスラミドを含む組成物がより好
ましい。A、B、Lおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のア
ベナンスラミドを含む組成物が最も好ましい。
【0052】
特に好ましいのは、アベナンスラミドAを含む組成物、またはアベナンスラミドBを含
む組成物、またはアベナンスラミドCを含む組成物、またはアベナンスラミドGを含む組
成物、またはアベナンスラミドHを含む組成物、またはアベナンスラミドKを含む組成物
、またはアベナンスラミドLを含む組成物、またはアベナンスラミドRを含む組成物であ
る。
【0053】
別の変化形では、本発明の組成物は、アベナンスラミドA、B、C、G、H、K、L(
非コリンズ略語;CAS番号172549-38-1)(Oまたは2pdとも呼ばれる)
およびRからなる群から選択される2種、3種、4種またはさらにこれよりも多くの異な
るアベナンスラミドの混合物を含む。アベナンスラミドの組合せまたは混合物は、よって
アベナンスラミドの以下の組合せのうちのいずれか1つを含むことができる:
A/B;A/C;A/G;A/H;A/K;A/L;A/R;
B/C;B/G;B/H;B/K;B/L;B/R;
C/G;C/H;C/K;C/L;C/R;
G/H;G/K;G/L;G/R;
H/K;H/L;H/R;
K/L;K/R;および
L/R;
A/B/C;A/B/G;A/B/H;A/B/K;A/B/L;A/B/R;A/C/
G;A/C/H;A/C/K;A/C/L;A/C/R;A/G/H;A/G/K;A/
G/L;A/G/R;A/H/K;A/H/L;A/H/R;A/K/L;A/K/R;
A/L/R;B/C/G;B/C/H;B/C/K;B/C/L;B/C/R;C/G/
H;C/G/K、C/G/L;C/G/R;G/H/K;G/H/L;G/H/R;H/
K/L;H/K/R;K/L/R;A/B/C/G;A/B/C/H;A/B/C/K;
A/B/C/L;A/B/C/R;A/C/G/H;A/C/G/K;A/C/G/L;
A/C/G/R;A/G/H/K;A/G/H/L;A/G/H/R;A/H/K/L;
A/H/K/R;A/K/L/R;B/C/G/H;B/C/G/K;B/C/G/L;
B/C/G/R;C/G/H/K;C/G/H/L;C/G/H/R;G/H/K/L;
G/H/K/RおよびH/K/L/R。
【0054】
しかし、本発明によるアベナンスラミドの最も好ましい混合物はA/B、A/C、A/
L、B/C、B/L、A/B/C、A/B/LおよびA/C/Lである。
【0055】
上記アベナンスラミド化合物またはアベナンスラミドの組合せに加えて、組成物は、ア
ベナンスラミドA、B、C、G、H、K、L(非コリンズ略語;CAS番号172549
-38-1)(Oまたは2pdとも呼ばれる)およびR以外の1種または複数のアベナン
スラミド、例えば、アベナンスラミドD、E、FU、X、Y(2とも呼ばれる)、AA、
CCもしくはOOまたは表1に特定された残りのアベナンスラミド化合物のいずれかをさ
らに含むことができる。
【0056】
少なくとも1種のアベナンスラミドは、天然供給源、例えば、エンバクから単離および
/もしくは分画された単一のアベナンスラミド化合物として、または上に記載されている
ような有機合成により得た、すなわち、単一のアベナンスラミドA、B、C、G、H、K
、LもしくはR化合物として、あるいは前記単一のアベナンスラミド化合物のうちの2種
以上の混合物として、本発明の第1の態様による組成物に加えられる。
【0057】
代わりに、少なくとも1種のアベナンスラミドは、少なくとも1種のアベナンスラミド
A、B、C、G、H、K、LまたはR化合物もしくはその混合物を含むエンバク抽出画分
の形態で本発明の第1の態様による組成物に加えられる。
【0058】
さらなる代替として、少なくとも1種のアベナンスラミドは、前に記載されている単一
のアベナンスラミド化合物として、少なくとも1種のアベナンスラミドA、B、C、G、
H、K、LもしくはR化合物またはその混合物を含むエンバク抽出画分と組み合わせて組
成物に加えられる。
【0059】
組成物中のアベナンスラミドの濃度、すなわち、活性物質または活性成分の濃度は相当
大きく変動する可能性があり、処置される疾患または状態、活性物質または活性成分の性
質および活性、所望の作用、ならびに活性物質または活性成分がその意図した標的に到達
する能力およびスピードを含めた、様々な要素に依存することになる。
【0060】
少なくとも1種のアベナンスラミドまたは上に記載されているようなアベナンスラミド
の混合物は、組成物中に、組成物の総重量に基づき、0.0001~5.0重量%の濃度
または総量で存在し得る。好ましい変化形では、組成物は、少なくとも1種のアベナンス
ラミドまたはアベナンスラミドの混合物を、組成物の総重量に基づき、0.0005~2
.0重量%の濃度または総量で、さらにより好ましくは、0.001~1.0重量%の濃
度または総量で含む。
【0061】
上記特定されたアベナンスラミドは親水性の物質であり、したがってSCを介して弱い
透過性を示す。Avn A、Avn B、Avn Lは、Avn A<Avn B<Av
n Lで、デヒドロアベナンスラミドD(DhAvn D)よりも弱い浸透挙動を有する
。しかし、Avn Cは、デヒドロアベナンスラミドD(DhAvn D)より良好に浸
透する。
【0062】
本発明の第1の態様による組成物の第2の主要成分は少なくとも1種の浸透促進剤であ
る。「浸透促進剤」とは、組成物中の1種もしくは複数の活性物質または活性成分の、皮
膚への(皮膚による送達)または皮膚を介した別の組織への(経皮的)および身体への透
過性の速度を改変して(普通、増加または加速させる)、意図した標的における前記物質
の治療用濃度または局所的バイオアベイラビリティーを達成するために使用される物質を
意味する。
【0063】
本発明の文脈の中で、「少なくとも1種の」という用語は、1種の浸透促進剤のみ、ま
たは1種より多くの浸透促進剤、すなわち、2種、3種、もしくはさらにこれよりも多く
の異なる浸透促進剤を含むことを意図する。
【0064】
「皮膚の活動的送達」とは、活性成分または活性物質が皮膚(表皮および/または真皮
)に浸透し、その有効性および利益をそこへ送達するよう、1種または複数の活性成分ま
たは活性物質を個体の皮膚の表面に投与することを指す。
【0065】
「経皮的ドラッグデリバリー」または「経皮的薬物投与」は、薬物が皮膚組織を通過し
て個体の血流に入るように、薬物を個体の皮膚の表面に投与することを指す。「経皮的」
という用語は、「経粘膜的」薬物投与、すなわち、薬物が粘膜組織を通過して、個体の血
流に入るように、薬物を個体の粘膜(例えば、舌下、口腔内頬側、経膣または直腸)表面
に投与することを含むことを意図する。
【0066】
「局所的ドラッグデリバリー」または「局所的薬物投与」は、例えば、様々な皮膚障害
の処置の場合のように、薬理活性剤の局所的薬物を皮膚または粘膜に送達することを意味
するように、これらの従来の意味でここでは使用されている。経皮的投与とは対照的に、
局所的薬物投与は、多くの場合、全身作用というよりもむしろ局所的作用をもたらすため
に使用される。
【0067】
経皮的ドラッグデリバリーは、初回通過代謝を回避し、長時間持続する薬物放出を提供
するために使用することができる。局所的ドラッグデリバリーは、薬物を処置すべき表面
積に直接塗布することを可能にし、これは処置を局所化し、副作用を最小化するのに有用
となり得る。しかし、身体への毒素の流入を妨げるために進化してきた皮膚は、それを横
断する外来性分子の移動に対して非常に低い透過性を示す。角質層がこのバリアの原因で
ある。角質層は、皮膚の上側の階層(15μm)に埋め込まれたケラチノサイトを有する
脂質が豊富なマトリックスの独特な階層構造を保有する(Bouwstra、1997)
。このバリアを安全におよび可逆的に克服することは、経皮的または局所的送達の分野に
おいて、現在に至るまで続いている基本的問題である。
【0068】
1つの周知の手法は、角質層中の脂質の状態を改変すること、または角質層内の活性物
質もしくは活性成分の溶解度を増加させることにより、角質層を介した活性物質または活
性成分の通過を増強または加速させることができる物質または化学物質を使用することで
ある。
【0069】
皮膚バリアを介して角質層透過性を加速させる物質の能力は、活性物質の物理化学的特
性(例えば、融点、分子量、分子形状、電荷、親油性など)に依存する。所望の皮膚送達
を達成するための浸透促進剤および/または完全な組成物もしくは調製物の最適な選択を
決定するために、新規活性物質について研究を行う必要があり得る。
【0070】
スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、DMSO)、アゾン(例えば、ラウロ
カプラム)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノ
ール(エタノール、またはデカノール)、界面活性剤およびテルペンを含む多くの物質が
浸透増強活性について研究されてきたが、実践で実際に使用されているのはほんのわずか
である。多くの有望な部位および作用形態が皮膚浸透促進剤に対して特定された。
【0071】
化学的浸透促進剤の全体のライブラリーが存在したとしても、一方では皮膚浸透性およ
び透過機序の複雑性、他方では、活性物質の化学的および物理化学的特性によって、皮膚
浸透促進剤の皮膚送達または経皮的送達に対する作用についての有効な予測を行うことが
できず、ならびに1種の活性物質と組み合わせた1種の浸透促進剤化合物の作用は、単に
一般化して、別の異なる活性物質に適用することができない。
【0072】
驚くことに、ジオール、ポリオール、アルコール、ジメチルイソソルビド(INCI名
)、クエン酸トリエチル、ブチレンカーボネート、グリセリンカーボネート、ジプロピレ
ングリコールまたはこれらのいずれかの混合物からなる群から選択される浸透促進剤を組
み合わせることが、アベナンスラミドの皮膚への浸透性および透過性を有意に改善するの
に有益であることが結果的に判明したのである。この作用は以下の実施例により実証され
る。よって、皮膚への浸透性および透過性を増加させることによって、活性物質、すなわ
ちアベナンスラミドのバイオアベイラビリティーは意図した標的において増加し得る。
【0073】
ジオールは2つのヒドロキシル基を含有する化学化合物である。好ましい変化形では、
ジオールは、3~12個のC原子を有する直鎖1,2-アルカンジオール、好ましくは1
,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタンジオール、1,2-
ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydro
lite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナ
ンジオール、1,2-デカンジオールまたは1,2-ドデカンジオール;1,3-ブタン
ジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール
、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)およびその異性体
、ならびにこれらのいずれかの混合物の群から選択される。
【0074】
ポリオールは複数のヒドロキシル基を含有する有機化合物である。好ましい変化形では
、ポリオールは、1,2,3-プロパントリオール(グリセリン)、ソルビトール、フル
クトース、マルトース、およびトレハロースからなる群から選択される。
【0075】
本発明による組成物の好ましい変化形では、浸透促進剤は、ジオール、好ましくは3~
12個のC原子を有する直鎖1,2-アルカンジオール、特に1,2-プロパンジオール
(プロピレングリコール)、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hy
drolite-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2
-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デ
カンジオールもしくは1,2-ドデカンジオール、1,3-ブタンジオール(ブチレング
リコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ
-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)およびその異性体;ポリオール、好まし
くはソルビトール、フルクトース、マルトース、トレハロース;アルコール;ジメチルイ
ソソルビド(INCI名);クエン酸トリエチル;ブチレンカーボネート;グリセリンカ
ーボネート;ジプロピレングリコールまたはこれらのいずれかの混合物からなる群から選
択される。
【0076】
上述の浸透促進剤のうち、3~12個のC原子を有する直鎖1,2-アルカンジオール
およびグリセリンが好ましい。1,2-アルカンジオールのうち1,2-ペンタンジオー
ル、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールが以下の実施例で実証さ
れた通り、特に好ましく、1,2-ヘキサンジオールはこれらのうちで最も好ましい単一
のジオールである。
【0077】
たとえ浸透促進剤のブレンドがより低い濃度で使用されたとしても、以下の実施例によ
り実証されているように、1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールとの混
合物はさらにこれよりも効率的である。
【0078】
さらに、以下の実施例で実証されているように、1,2-ヘキサンジオールおよび1,
2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールのブレンドは、より低い濃度でも1,
2-ペンタンジオールよりも良好に機能した。
【0079】
本発明によると、浸透促進剤はグリセリンを包含しない。よって、グリセリンは上記浸
透促進剤の定義から除外される。
【0080】
浸透促進剤グリセリンはあまり好ましくない。
【0081】
好ましい変化形では、本発明による組成物はグリセリンを浸透促進剤として含有しない
。
【0082】
1,2-アルカンジオールは皮膚保湿特性を保有することが公知であるため、痒みのあ
る皮膚は多くの場合乾燥した、敏感な、またはダメージを受けた皮膚を伴うことから、こ
のような1,2-アルカンジオール浸透促進剤の使用は痒みを軽減することを目標とする
スキンケアおよび頭皮ケア調製物に追加の利益をもたらす。
【0083】
浸透促進剤1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールの組合せもまた最終
調製物において保存剤の性能を増強させ、組成物がより低い保存剤レベルを有することを
可能にし、これは乾燥した、敏感な、またはダメージを受けた皮膚を伴う痒みのある皮膚
に特に有益である。
【0084】
本発明による組成物中に存在する浸透促進剤の量は、組成物の総重量に基づき、0.0
1~10.0重量%の間であることができる。好ましい変化形では、組成物中の浸透促進
剤の濃度は、組成物の総重量に基づき、0.5~7.0重量%のであり、さらにこれより
も好ましくは、組成物の総重量に基づき、0.1~5.0重量%の間であることができる
。
【0085】
本発明による組成物の好ましい変化形では、浸透促進剤は、これらの異なる浸透活性に
応じて、以下の濃度範囲:それぞれ組成物の総重量に基づき、上で定義されたようなC5
ジオールを0.5~6重量%の濃度で、または上で定義されたようなC6ジオールを0.
2~3重量%の濃度で、または上で定義されたようなC7ジオールを0.1~2重量%の
濃度で、または上で定義されたようなC8ジオールを0.1~1重量%の濃度で、または
上で定義されたようなC10ジオールを0.01~0.5重量%の濃度で使用する。
【0086】
以下の実施例で実証されたように、上記浸透促進剤のうちの1種を加えることはアベナ
ンスラミドA、B、C、G、H、K、L、またはRの浸透性を有意に増強させる。好まし
くは、上記浸透促進剤のうちの1種を加えることは、アベナンスラミドA、B、Cまたは
Lのうちの1種の浸透性を有意に改善する。より好ましくは、上記浸透促進剤のうちの1
種を加えることは、アベナンスラミドA、BまたはLのうちの1種の浸透性を有意に改善
する。アベナンスラミドAに対する透過性のモジュレーションは、浸透促進剤の濃度に応
じて、15%~170%、好ましくは15%~65%の範囲であり、アベナンスラミドB
に対して好ましくは35%~95%の範囲であり、アベナンスラミドLに対して好ましく
は115%~170%の範囲である。
【0087】
本発明による組成物中に様々な化粧品としてまたは医薬としての活性物質、すなわち様
々なアベナンスラミドが異なって保有されることにより、組成物に曝露された皮膚の角質
層において、各組成物は異なる組成の浸透促進剤を必要とする。
【0088】
本発明による組成物の好ましい変化形は、2種またはさらにこれよりも多くの浸透促進
剤の組合せを含む。2種またはさらにこれよりも多くの浸透促進剤を組み合わせることに
よって、組成物中の異なる化粧品としてまたは医薬としての活性物質の浸透性を選択的に
改善することが可能となる。組成物が異なる構造を有する2種の異なるアベナンスラミド
を含む場合、2種の異なる浸透促進剤を組成物中で組み合わせることができ、このうち一
方は第1のアベナンスラミドに対して改善された作用を有し、他方は第2のアベナンスラ
ミドに対して改善された作用を有し、所望の増強を達成するために必要とされる各促進剤
の濃度は、促進剤のいずれかが個々に使用される場合に必要とされる濃度より低くなり得
る。
【0089】
好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せのうちのいず
れか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Bと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Cと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Gと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Hと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Kと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Lと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ;または
・Avn Rと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコー
ル)、もしくはグリセリンのうちの1種もしくは複数との組合せ。
【0090】
より好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せのうちの
いずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Bと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Cと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Gと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Hと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Kと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Lと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ;または
・Avn Rと、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2-ブタン
ジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキサンジ
オール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオ
ール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールもしくは1,2-ドデカンジオ
ール;1,3-ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1
,4-ブタンジオール、もしくは1,1’-オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレン
グリコール)のうちの1種もしくは複数との組合せ。
【0091】
以下を含む組合せが特に良好である:
・Avn Aと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ;
・Avn Bと1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydrolit
e-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジ
オール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオール
もしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-オ
キシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との組
合せ;
・Avn Cと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ;
・Avn Gと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ;
・Avn Hと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ;
・Avn Kと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ;
・Avn Lと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ;または
・Avn Rと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール(Hydroli
te-5)、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタン
ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオー
ルもしくは1,2-ドデカンジオール;1,3-プロパンジオール、もしくは1,1’-
オキシジ-2-プロパノール(ジプロピレングリコール)のうちの1種もしくは複数との
組合せ。
【0092】
特に好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せのうちの
いずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Bと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Cと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Gと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Hと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Kと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;
・Avn Lと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ;ま
たは
・Avn Rと、1,2-ペンタンジオール(Hydrolite-5)、1,2-ヘキ
サンジオール(Hydrolite-6)、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタ
ンジオール、もしくは1,2-ノナンジオールのうちの1種もしくは複数との組合せ。
【0093】
特に好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せのうちの
いずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;
・Avn Bと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;
・Avn Cと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;
・Avn Gと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;
・Avn Hと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;
・Avn Kと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;
・Avn Lと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ;または
・Avn Rと、1,2-ヘプタンジオールとの組合せ。
【0094】
相乗効果により、最も好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下
の組合せのうちのいずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Bと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Cと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Gと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Hと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Kと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Lと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ;または
・Avn Rと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオールのブレンドとの
組合せ。
【0095】
さらに最も好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せの
うちのいずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Bと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Cと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Gと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Hと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Kと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Lと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;または
・Avn Rと、1,2-ペンタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ。
【0096】
さらに最も好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せの
うちのいずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Bと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Cと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Gと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Hと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Kと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Lと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;または
・Avn Rと、1,2-ヘキサンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ。
【0097】
さらに最も好ましい変化形では、本発明の第1の態様による組成物は、以下の組合せの
うちのいずれか1つを含む:
・Avn Aと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Bと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Cと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Gと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Hと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Kと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;
・Avn Lと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ;または
・Avn Rと、1,2-オクタンジオール+1,2-ヘプタンジオールのブレンドとの
組合せ。
【0098】
アベナンスラミドB+1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオール(oct
ancediol)のブレンドとの組合せ、またはアベナンスラミドL+1,2-ペンタ
ンジオール(Hydrolite-5)または1,2-ヘキサンジオール(Hydrol
ite-6)の組合せが特に有利である。
【0099】
例えば、1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールの混合物は1%で使用
された場合、同じ用量で単独で使用された場合の1,2-ヘキサンジオールよりも有効で
あり、以下の実施例で実証されたように、これによって、アベナンスラミドBの透過性は
、62%と比較して、87%増強した。
【0100】
本発明による特に好ましい混合物は、組成物が、組成物の総重量に基づき、
- 0.0001~5.0重量%、好ましくは0.0005~2.0重量%、さらにこれ
よりも好ましくは0.001~1重量%の、アベナンスラミドA、B、C、D、E、F、
G、HおよびLならびにこれらアベナンスラミドの混合物からなる群から選択される少な
くとも1種のアベナンスラミド;ならびに
-0.01~10.0重量%、好ましくは0.5~7.0重量%、さらにこれよりも好ま
しくは0.1~5.0重量%の少なくとも1種の浸透促進剤
を含むまたはこれらからなる混合物である。
【0101】
本発明による組成物中の浸透促進剤の濃度が少なくとも1種のアベナンスラミドもしく
はその類似体の濃度より有意に高い場合、最も良い浸透性作用が得られる。本発明の第1
の態様による特に好ましい混合物は、アベナンスラミドの総量の、浸透促進剤の総量に対
する重量比が1:100~1:1の間、好ましくは1:50~1:1の間、特に好ましく
は1:20~1:1の間である。
【0102】
本発明による組成物、特に好ましい組成物として特徴付けられるものは、相乗的に強化
された皮膚浸透性有効性を保有する。組成物の有効性は驚くことに、1種または複数のア
ベナンスラミドのみを含む組成物の有効性よりも優れている。さらに、浸透促進剤と組み
合わせたアベナンスラミドA、B、C、D、E、F、G、H、Lまたはこれらの混合物に
対する浸透性作用は、以下の実施例で実証されているように、浸透促進剤と組み合わせた
ジヒドロアベナンスラミドDよりもさらに良い。
【0103】
化粧品としてまたは医薬としての活性物質、すなわち上記に特定されたようなアベナン
スラミドは、大変興味深い生物学的利益、例えば、抗炎症性、抗酸化性、抗痒み、抗刺激
性および抗アテローム生成活性を示すが、これらアベナンスラミドは角質層により良好に
浸透することができ、よってこれらの意図した標的により良好に到達することができる。
よって、本発明による組成物はスキンケアおよび頭皮ケアまたは皮膚保護および頭皮保護
に対して、ならびに皮膚病の予防および/または処置において有益である。
【0104】
本発明による組成物はまた特に有効であり、任意の毒物学的または皮膚科学的に重大な
二次的構成成分を含まない。したがって、この組成物は化粧品または薬学的調製物におい
てさらなる懸念なしに使用することができる。
【0105】
一般的に組成物および最終調製物中で使用される物質は、活性および投与に関連する濃
度範囲において、
- 毒物学的に許容されるべきである、
- 皮膚に十分に許容されるべきである、
- 安定しているべきである(特に慣習的な製剤において)、
- 好ましくは無臭であるべきである、および
- 安く生産可能であるべきである(すなわち標準的プロセスを使用し、および/また
は標準的な前駆体から出発して)
ことを覚えておいていただきたい。
【0106】
浸透促進剤の上記に記載されている特性と組み合わせた、アベナンスラミドのこれらの
上述の優れた抗炎症性、抗酸化性、抗痒み、抗刺激性および抗アテローム生成活性により
、本発明による組成物は皮膚保護および頭皮保護ならびにスキンケアおよび頭皮ケアなら
びに皮膚病の予防および/または処置に対してこのように有益である。
【0107】
したがって、本発明の別の態様は、本発明の第1の態様による組成物の、化粧品として
の、特に皮膚保護およびスキンケア、頭皮保護および頭皮ケア、ヘアケア、ネイルケアの
ための、または皮膚状態、我慢できないもしくは敏感肌、皮膚刺激、皮膚発赤、膨疹、掻
痒症(痒み)、皮膚の老化、しわの形成、皮膚体積の減少、肌の弾力の喪失、色素斑、色
素異常、乾燥肌、すなわち皮膚の保湿を必要とする乾燥肌の予防および/もしくは処置に
おける、使用に関する。
【0108】
本発明の別の態様は、医薬として使用するための本発明の第1の態様による組成物に関
する。
【0109】
上述の優れたその特性により、本発明の第1の態様による組成物は、皮膚疾患または角
質疾患、特に、バリアに関連した炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性、乾燥性
もしくは過剰増殖性の構成成分を有する皮膚疾患もしくは角質疾患の予防および/もしく
は処置において、特に有用である。
【0110】
このような皮膚障害または角質障害の例として、アトピー性皮膚炎(神経皮膚炎)、乾
癬、ざ瘡様発疹、皮脂欠乏症、乾燥症、湿疹、高脂漏および低脂漏、皮膚炎、酒さ、紅斑
、掻痒症、炎症、刺激、線維症、扁平苔癬、ばら色粃糠疹、癜風、自己免疫性の水疱性疾
患、じんま疹、血管性浮腫、アレルギー性皮膚反応、創傷治癒、および組織再生が挙げら
れる。
【0111】
特に好ましい変化形では、本発明による少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはそ
の類似体を含む組成物は、掻痒症(痒み)の予防および/または処置に有益となるように
有用である。
【0112】
慢性掻痒症は、様々な皮膚病状態および全身性疾患に伴う一般的な症状であり、場合に
よっては公知の状態が根底にない。慢性掻痒症は、臨床的症状(例えば、罹患した/炎症
性の、または正常な/非炎症性の皮膚および/または二次的ひっかき病変の存在と合わせ
て)および根底にある原因(例えば、皮膚病、全身性、神経系、心身性、混合したまたは
不確定の起源)により分類される。
【0113】
アベナンスラミドの特定の抗酸化作用により、本発明はまた、ROS生成の増加に伴う
皮膚疾患の予防および/もしくは処置における使用のための本発明の第1の態様による組
成物であって、ならびに/またはROS生成の増加に伴う皮膚疾患が、アトピー性皮膚炎
、神経皮膚炎、乾癬、酒さ、ざ瘡様発疹、皮脂欠乏症および乾燥症からなる群から選択さ
れる組成物に関する。
【0114】
これらのそれぞれの目的に対するアベナンスラミドまたはその類似体の使用は、治療有
効量の物質または調製物を添加することにより、物質のそれぞれの治療的活性を付与する
ための方法に対応する。
【0115】
本発明の文脈の中で、組成物の有効量とは、それぞれの活性成分、すなわちアベナンス
ラミドの量であり、利益、例えば、障害、疾患または処置される状態に伴う症状の減少を
示すのに十分な量である。本発明の場合のように、組合せまたは調製物に適用された場合
、この用語は、利益をもたらす、組み合わせた活性物質または活性成分の量を指す。
【0116】
したがって、本発明は、それを必要とする対象において、皮膚疾患または角質疾患を処
置するための方法であって、対象に、皮膚疾患または角質疾患の予防および/または処置
に十分な量の少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体、および少なくとも
1種の浸透促進剤を含むまたはこれらからなる治療有効量の組成物を投与することを含む
、方法に関する。
【0117】
本発明の別の態様は、スキンケア、頭皮ケア、ネイルケアおよびヘアケアのための化粧
品もしくは薬学的調製物を調製するための、ならびに/または前記皮膚状態の予防および
/もしくは処置における、ならびに/または前記皮膚障害もしくは角質障害の予防および
/もしくは処置における本発明の第1の態様による組成物の使用に関する。
【0118】
好ましい変化形では、本発明による化粧品または薬学的調製物は、調製物の総重量に対
して、0.0001~10.0重量%、より多く好ましい0.0005~5重量%、最も
好ましい0.001~1重量%の量で本発明による組成物を含む。
【0119】
本発明の第1の態様による組成物は、従来の化粧品または医薬品に簡単に組み込むこと
ができる。
【0120】
本文脈内で、本発明による組成物を含有する化粧品および/または薬学的調製物は、組
成において従来のものであってもよく、皮膚科用または角質用処置または美容ケアの文脈
で皮膚、頭皮、毛髪および/または爪を処置する役目を果たすことができる。
【0121】
好ましい化粧品および/または薬学的調製物または製品、例えば、活性物質または化粧
品としてまたは薬学的に許容される賦形剤を生成するため、本発明による組成物は、多く
の他の構成成分、任意選択ではさらに相乗的強化物質または補助物質と組み合わせる、お
よびこれらと共に使用することができる。
【0122】
「活性物質」とは、主要な有用性を組成物または製剤に付与する物質または化合物を意
味する。このような活性物質の例として、抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、浸透
促進剤、抗炎症剤、抗細菌性もしくは抗真菌性物質、発赤緩和作用もしくは痒み緩和作用
を有する物質、鎮痛物質または保湿剤が挙げられる。
【0123】
「賦形剤」とは、加工または製造の結果として、化粧品または医薬品を製剤化するため
に使用される不活性物質を指す。
【0124】
皮膚病状態または皮膚疾患は多くの場合、乾燥肌、ひっかいた皮膚、皮膚病変またはさ
らには炎症を伴うので、本発明による組成物を含む組成物または化粧品および/もしくは
薬学的調製物は、特に有利には、皮膚保湿および/もしくは水分保持物質、清涼化剤、オ
スモライト、角質溶解物質、栄養物質、抗炎症性、抗細菌性もしくは抗真菌性物質ならび
に/または発赤緩和作用もしくは痒み緩和作用を有する物質ならびに/または鎮痛物質な
らびに/または保湿剤を含有する。
【0125】
痒みは、皮膚が乾燥した場合、特定の強度と共に生じる。皮膚保湿および/または水分
保持物質の化粧品および/または薬学的調製物における使用は痒みを有意に緩和すること
ができる。したがって、本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物
はまた、1種または複数の皮膚保湿および/もしくは水分保持物質と特に有利に組み合わ
せることができる。したがって、本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学
的調製物はまた有利には、以下の保湿および/または水分保持物質を含有することができ
る:乳酸ナトリウム、ウレア、ウレア誘導体、アルコール、グリセロール、ジオール例え
ば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2
-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-
ノナンジオール、1,2-デカンジオールまたは前記ジオールの混合物、特に1,2-ヘ
キサンジオールおよび1,2-オクタンジオールの混合物、コラーゲン、エラスチンまた
はヒアルロン酸、ジアシルアジピン酸塩、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、パンテノ
ール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド、グリコスフィンゴリピド、コ
レステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリン
エステル、アミノ酸、アルファヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)およ
びこれらの誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フ
ルクトース、マンノース、フルクトースおよびラクトース、ポリシュガー、例えば、R-
グルカン、特にエンバク由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ脂
肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソル酸、および藻抽出物。
【0126】
物質に応じて、使用される水分保持調整剤の濃度はすぐに使える化粧品または医薬品最
終生成物の総重量に対して、0.1~10%(m/m)の間であり、好ましくは0.5~
5%(m/m)の間である。これらのデータは、特に、有利に使用されるようなジオール
、例えば、ヘキシレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオー
ル、1,2-オクタンジオールおよび1,2-デカンジオール、ならびに1,2-ヘキサ
ンジオールと1,2-オクタンジオールの混合物に適用される。
【0127】
化粧品および薬学的調製物における清涼化剤の使用は痒みを緩和することができる。本
発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物は、したがって、特に有利
には、1種または複数の清涼化剤と組み合わせることができる。本発明の枠組み内での使
用に対して好ましい個々の清涼化剤が以下に列挙されている。当業者であれば、多くの他
の清涼化剤をこのリストに加えることができる;列挙された清涼化剤は互いに組み合わせ
て使用することもできる:l-メントール、d-メントール、ラセミメントール、メント
ングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メ
ンチル(商標名:Frescolat(登録商標)ML;乳酸メンチルは好ましくはl-
乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテートである)、置換メンチル-3-カルボキ
サミド(例えば、メンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N
-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メントキ
シプロパン(menthoxypropane)-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエ
チルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチ
ルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、ヒドロキシカルボン酸メンチルエステル
(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、コハク酸モノメンチル、2-メルカプ
トシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒ
ドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケター
ル、3-メンチル-3,6-ジ-およびトリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキ
シアセテートおよびイシリン。
【0128】
これらの特定の相乗効果により好ましい清涼化剤は、l-メントール、d-メントール
、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(
登録商標)MGA)、乳酸メンチル(好ましくはl-乳酸メンチル、特にl-メンチルl
-ラクテート(商標名:Frescolat(登録商標)ML))、置換メンチル-3-
カルボキサミド(例えば、メンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロ
ピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-
メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、
2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネートおよびイソプレゴールである。
【0129】
特に好ましい清涼化剤は、l-メントール、ラセミメントール、メントングリセロール
アセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(好まし
くはl-乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテート(商標名:Frescolat
(登録商標)ML))、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエ
チルメンチルカーボネートおよび2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネートである。
【0130】
非常に特に好ましい清涼化剤は、l-メントール、メントングリセロールアセタール(
商標名:Frescolat(登録商標)MGA)および乳酸メンチル(好ましくはl-
乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテート(商標名:Frescolat(登録商
標)ML))である。
【0131】
物質に応じて、使用される清涼化剤の濃度は、すぐに使える化粧品または医薬品最終生
成物の総重量に対して、好ましくは0.01~20重量%の間、特に好ましくは0.1~
5重量%の間である。
【0132】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、1種または複
数のオスモライトとも一緒に使用することができる。ここで述べることができるオスモラ
イトの例として、糖アルコール(ミオイノシトール、マンニトール、ソルビトール)、第
4級アミン、例えば、タウリン、コリン、ベタイン、ベタイングリシン、エクトイン、ジ
グリセロールホスフェート、ホスホリルコリンまたはグリセロホスホリルコリン、アミノ
酸、例えば、グルタミン、グリシン、アラニン、グルタメート、アスパルテートまたはプ
ロリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、無機リン酸塩、および前
記化合物のポリマー、例えば、タンパク質、ペプチド、ポリアミノ酸およびポリオールを
含む群由来の物質が挙げられる。すべてのオスモライトは皮膚保湿作用を同時に有する。
【0133】
好ましくは、角質溶解物質もまた本発明による製剤と組み合わせることができる。角質
溶解化合物として、アルファヒドロキシ酸の大きな群が挙げられる。例えば、サリチル酸
が好ましくは使用される。
【0134】
例えば、乾燥および/または痒みのある皮膚の局所的化粧品または医薬的処置のため、
本発明による組成物を含有する化粧品および/または薬学的調製物において、特に高い割
合の栄養物質もまた、親油性構成成分による経表皮性水の損失を減少させるために特に有
利である。好ましい一実施形態では、化粧品および/または薬学的調製物は、1種または
複数の栄養を与える動物および/または植物脂肪、ならびに油、例えば、オリーブ油、ヒ
マワリ油、精製したダイズ油、パーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油
、マツヨイグサ油、ヤシ油、シアバター、ホホバ油、マッコウクジラ油、タロウ、牛脚油
およびラード、ならびに任意選択で他の栄養を与える構成成分、例えば、8~30個のC
原子を有する脂肪族アルコールを含有する。ここで使用される脂肪族アルコールは、飽和
または不飽和のいずれかおよび直鎖もしくは分枝のいずれかであることができる。本発明
による混合物と特に好ましく組み合わせることができる栄養物質はまた特にセラミドを含
み、セラミドは、ここでは、角質層の水保持能力を著しく改善する、N-アシルスフィン
ゴシン(スフィンゴシンの脂肪酸アミド)またはこのような脂質の合成類似体(いわゆる
擬似セラミド);リン脂質、例えば、ダイズレシチン、卵レシチンおよびセファリン;な
らびにワセリン、パラフィン油およびシリコーン油を意味するものと理解されており、後
者は、中でもジアルキル-およびアルキルアリールシロキサン、例えば、ジメチルポリシ
ロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサンならびにこれらのアルコキシ化および四級
化誘導体を含む。
【0135】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、1種もしくは
複数の抗炎症性物質および/または発赤を緩和する物質、および/または痒みを緩和する
他の物質を含有することができ、この文脈において、発赤および痒みを緩和し、化粧品お
よび/または皮膚病への用途に適切および/または従来から使用されているすべての抗炎
症性活性物質および活性物質を含む。コルチコステロイド種のステロイド系抗炎症性物質
、例えば、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17
-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンま
たはコルチゾンは、抗炎症性化合物または発赤および/もしくは痒みを緩和する化合物と
して有利に使用される。他のステロイド系抗炎症剤をこのリストに加えることもできる。
非ステロイド抗炎症剤を使用することもまた可能である。ここで述べることができる例と
して、オキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム;サリチレート、例えば、
アスピリン、Disalcid(登録商標)、Solprin(登録商標)またはフェン
ドサル;酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、
スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク;フェナム酸、例えば、メフェナム酸、メク
ロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸;プロピオン酸誘導体、例えば、イブプ
ロフェン、ナプロキセンもしくはベノキサプロフェン;またはピラゾール、例えば、フェ
ニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンもしくはアザプロパゾンが挙げら
れる。可能な代替法は、天然の抗炎症性物質または発赤および/または痒みを緩和する物
質を使用することである。植物抽出物、特別な高活性植物抽出画分、さらに植物抽出物か
ら単離した高純度活性物質を使用することができる。特に好ましいのは、カモミール、ア
ロエベラ、Commiphora種、Rubia種、ヤナギ、ヤナギソウ、エンバク、カ
レンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、Pa
ssiflora incarnata、マンサク、ショウガまたはEchinacea
由来の抽出物、画分および活性物質、ならびに純粋物質、例えば、中でも(アルファ-)
ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ボスウェル酸、フィトステロ
ール、グリチルリチン、グラブリジン、ギンゲロール、例えば、[6]-ギンゲロール、
パラドール、例えば、[6]-パラドールおよびリコカルコンAである。これらの製剤は
また、2種以上の抗炎症性活性化合物の混合物を含有することができる。
【0136】
物質に応じて、使用することができる抗炎症性化合物の濃度は、すぐに使える化粧品ま
たは医薬品最終生成物の総重量に対して、0.005~2%(m/m)の間であり、好ま
しくは0.05~0.5%(m/m)の間である。これらのデータは特にビサボロールに
あてはまる。
【0137】
他の抗細菌または抗真菌活性物質もまた本発明による組成物または化粧品および/もし
くは薬学的調製物において特に有利に使用することができ、化粧品および/または医薬品
への用途に適切または慣習的である任意の抗細菌または抗真菌活性物質を使用することが
できる。従来の抗生剤の大きな群に加えて、ここで有利な他の製品として、例えば、特に
トリクロサン、クリンバゾール、オクトキシグリセリン、Octopirox(登録商標
)(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H
)-ピリドン2-アミノエタノール塩)、キトサン、ファルネソール、モノラウリン酸グ
リセロールまたは前記物質の組合せが挙げられ、これらは中でも脇の下の匂い、足の匂い
またはフケに対して使用される。
【0138】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、1種または複
数の鎮痛物質を含有することができ、化粧品および/または医薬品への用途に適切または
慣習的である任意の鎮痛物質、例えば、アルファ-ビサボロール、アズレン、グアイアズ
レン、18-β-グリチルレチン酸、ラウレス-9、トリデセス-9、4-t-ブチルシ
クロヘキサノールを使用することができる。
【0139】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、1種もしくは
複数の化粧品としてまたは薬学的に許容される賦形剤、例えば、このような調製物に従来
から使用されているもの、例えば、抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、界面活性物
質、乳化剤、香油、消泡剤、着色剤、着色作用を有する顔料、増粘剤、可塑剤、脂肪、油
、ワックスまたは化粧品製剤の他の従来の構成成分、例えば、アルコール、ポリオール、
ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体と組み合わせることがで
きる。化粧品および/または医薬品への用途において適切もしくは従来から使用されてい
る、任意の想像できる抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、界面活性物質、乳化剤、
香油、消泡剤、着色剤、着色作用を有する顔料、増粘剤、可塑剤、脂肪、油、ワックス、
または化粧品もしくは医薬製剤の他の従来の構成成分、例えば、アルコール、ポリオール
、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体を本発明に従いここで
使用することができる。
【0140】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた特に有利には1
種もしくは複数の抗酸化剤を含有することができ、化粧品および/または医薬品の用途に
おいて適切または従来から使用されている任意の抗酸化剤を使用することができる。有利
には、抗酸化剤は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン
)およびこれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびこれらの誘導体、
ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびこれら
の誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カ
ロテン、リコピン)およびこれらの誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリ
ポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレ
ドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびこれらのグリコシル
、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミト
イル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびこれ
らの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロ
ピオン酸およびこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、
ヌクレオシドおよび塩)ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミ
ン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ
-チオニンスルホキシミン)(これらは非常に低い許容される用量で)、さらに(金属)
キレート剤、例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン
、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出
物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびこれらの誘導体、不飽和脂肪
酸およびこれらの誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およ
びその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCおよび
その誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシウムアスコルビル、ア
スコルビルアセテート)、トコフェロールおよびこれらの誘導体(例えば、ビタミンEア
セテート)、ビタミンAおよびその誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、さらに
ベンゾイン樹脂のコニフェリル安息香酸塩、ルチン酸およびその誘導体、フェルラ酸(f
errulic acid)およびその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒド
ロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリ
ヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛
およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セ
レンメチオニン)、スチルベンおよびこれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、t
rans-スチルベンオキシド)、ならびに前記活性化合物の誘導体(例えば、塩、エス
テル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)、例えば、本
発明に従い適切であるものからなる群から選択される。
【0141】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた特に有利には、
保存目的のための1種または複数の物質を含有することができ、化粧品および/または医
薬品の用途に適切または慣習的であり、有利には、例えば、中でも安息香酸、そのエステ
ルおよび塩;プロピオン酸およびその塩;サリチル酸およびその塩;2,4-ヘキサン酸
(ソルビン酸)およびその塩;ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド;2-ヒド
ロキシビフェニルエーテルおよびその塩;2-亜鉛スルフィドピリジンN-オキシド;無
機亜硫酸塩および亜硫酸水素塩;ヨウ素酸ナトリウム;クロロブタノール;4-ヒドロキ
シ安息香酸およびその塩およびエステル;デヒドロ酢酸;ギ酸;1,6-ビス(4-アミ
ジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩;エチル水銀-(II)-チ
オサリチル酸のナトリウム塩;フェニル水銀およびその塩;10-ウンデシレン酸および
その塩;5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピ
リミジン;5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;2-ブロモ-2-ニトロ-1
,3-プロパンジオール;2,4-ジクロロベンジルアルコール;N-(4-クロロフェ
ニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)ウレア;4-クロロ-m-クレゾール;2
,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル;4-クロロ-3,5
-ジメチルフェノール;1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,
4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)ウレア);ポリ(ヘキサメチレンビグアナイド
)塩酸塩;2-フェノキシエタノール;ヘキサメチレンテトラミン;1-(3-クロロア
リル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニアアダマンタンクロリド;1-(4-クロロ
-フェノキシ)-1(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノ
ン;1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジ
オン;ベンジルアルコール;Octopirox(登録商標);1,2-ジブロモ-2,
4-ジシアノブタン;2,2’-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロ-フェノール
);ブロモクロロフェン;5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンおよ
び2-メチル-3(2H)イソチアゾリノンと、塩化マグネシウムおよび硝酸マグネシウ
ムの混合物;2-ベンジル-4-クロロフェノール;2-クロロアセトアミド;クロルヘ
キシジン;酢酸クロルヘキシジン;グルコン酸クロルヘキシジン;塩酸クロルヘキシジン
;1-フェノキシ-プロパン-2-オール;N-アルキル(C12~C22)トリメチル
アンモニウムブロミドおよびN-アルキル(C12~C22)トリメチルアンモニウムク
ロリド;4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン;N-ヒドロキシメチル-N-(1
,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-
ヒドロキシメチルウレア;1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよ
びその塩;グルタルアルデヒド5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.
3.0)オクタン;3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール;ハイア
ミン;アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド;アルキル(C
8~C18)ジメチルベンジルアンモニウム臭化物;アルキル(C8~C18)ジメチル
ベンジルアンモニウムサッカリネート;ベンジルヘミホルマール;3-ヨード-2-プロ
ピニルブチルカルバメート;またはナトリウム((ヒドロキシメチル)アミノ)アセテー
トなどの保存剤からなる群から選択される任意の保存剤を使用することができる。
【0142】
本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた特に有利には1
種または複数の(金属)キレート剤を含有することができ、化粧品および/または医薬品
の用途に適切または慣習的である任意の金属キレート剤を使用することができる。好まし
い(金属)キレート剤として、α-ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α
-ヒドロキシ酸、例えば、中でもクエン酸、乳酸およびリンゴ酸、ならびにフミン酸、胆
汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジンまたはEDTA、EGTAおよびこれらの
誘導体が挙げられる。
【0143】
組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、特に結晶性または微結晶性
固体、例えば無機マイクロ顔料が調製物に組み込まれる場合、特に有利に1種または複数
のアニオン性、カチオン性、非イオン性および/または両性の界面活性剤を含有すること
ができる。界面活性剤は有機、非極性物質を水中に可溶化することが可能な両親媒性物質
である。界面活性剤分子の親水性部分は普通極性官能基、例えば、-COO-、-OSO
3
-または-SO3
-であり、その一方で疎水性部分は通常非極性炭化水素基である。界
面活性剤は分子の親水性部分のタイプおよび電荷により一般的に分類される。これらは4
つの群:アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤;両性界面活性剤;および非イオ
ン性界面活性剤に分割することができる。
【0144】
アニオン性界面活性剤は通常カルボキシレート、スルフェートまたはスルホネート基を
官能基として含有する。水溶液中で、これらは、酸性または中性媒体中で負荷電の有機イ
オンを形成する。カチオン性界面活性剤は、実質的には独占的に第四級アンモニウム基の
存在により特徴付けられる。水溶液中で、これらは酸性または中性媒体中の正荷電の有機
イオンを形成する。両性界面活性剤はアニオン性基とカチオン性基の両方を含有し、した
がってpH値に応じて、水溶液中でアニオン性またはカチオン性の界面活性剤のように挙
動する。これらは強酸性媒体中で正電荷を有し、アルカリ性媒体中で負電荷を有する。中
性pH領域では、対照的に、これらは両性イオンである。ポリエーテル鎖は非イオン性界
面活性剤の典型である。非イオン性界面活性剤は水性媒体中ではイオンを形成しない。
【0145】
有利に使用することができるアニオン性界面活性剤として以下が挙げられる:アシルア
ミノ酸(およびこれらの塩)、例えば、アシルグルタメート、例えばアシルグルタミン酸
ナトリウム、ジ-TEA-パルミトイルアスパルテートおよびカプリル酸/カプリン酸グ
ルタミン酸ナトリウム;アシルペプチド、例えばパルミトイル加水分解乳タンパク質、コ
コイル加水分解ダイズタンパク質ナトリウムおよびココイル加水分解コラーゲンナトリウ
ム/カリウム;サルコシネート、例えば、ミリストイルサルコシン、ラウロイルサルコシ
ンTEA、ラウロイルサルコシンナトリウムおよびココイルサルコシンナトリウム;タウ
レート、例えばタウリン酸ラウロイルナトリウムおよびタウリン酸メチルココイルナトリ
ウム;ラクチル酸アシル、例えばラクチル酸ラウロイルおよびラクチル酸カプロイル;ア
ラニネート;カルボン酸および誘導体、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム
、マグネシウムアルカノレートおよびウンデシル酸亜鉛;エステルカルボン酸、例えば、
ステアロイルラクチレートカルシウム、ラウレス-6シトレートおよびPEG-4ラウラ
ミドカルボン酸ナトリウム;エーテルカルボン酸、例えばラウレス-13カルボン酸ナト
リウムおよびPEG-6コカミドカルボン酸ナトリウム;リン酸エステルおよび塩、例え
ば、DEA-オレス-10ホスフェートおよびジラウレス-4リン酸;スルホン酸および
塩、例えば、イセチオン酸アシル、例えばココイルイセチオン酸ナトリウム/アンモニウ
ム;アルキルアリールスルホン酸塩;スルホン酸アルキル、例えばココモノグリセリドス
ルホン酸ナトリウム、オレフィン(C12~14)スルホン酸ナトリウム、ラウリルスル
ホ酢酸ナトリウムおよびPEG-3コカミド硫酸マグネシウム;スルホスクシネート、例
えば、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、
スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムおよびスルホコハク酸ウンデシレナミドMEA-二
ナトリウム;および硫酸エステル、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、例えばラウレス硫
酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸M
IPA、ラウレス硫酸TIPA、ミレス硫酸ナトリウムおよびC12~13パレス硫酸ナ
トリウム、および硫酸アルキル、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモ
ニウムおよびラウリル硫酸TEA。
【0146】
有利に使用することができるカチオン性界面活性剤として、アルキルアミン、アルキル
イミダゾール、エトキシ化アミンおよび第四級界面活性剤:
RNH2CH2CH2COO-(pH7において);
RNHCH2CH2COO-B+(pH12において)(式中、B+は任意のカチオン、
例えばNa+である);
エステルクワットが挙げられる。
【0147】
第四級界面活性剤は、4つのアルキル基またはアリール基と共有結合した少なくとも1
個のN原子を含有する。これはpH値に関係なく正電荷をもたらす。アルキルベタイン、
アルキルアミドプロピルベタインおよびアルキルアミドプロピルヒドロキシスルファン(
hydroxysulphaine)が有利である。使用されるカチオン性界面活性剤は
また、好ましくは第四級アンモニウム化合物の群、特に塩化ベンジルトリアルキルアンモ
ニウムまたは臭化ベンジルトリアルキルアンモニウム、例えば、塩化ベンジルジメチルス
テアリルアンモニウム、ならびにアルキルトリアルキルアンモニウム塩、例えば、塩化セ
チルトリメチルアンモニウムまたは臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジ
メチルヒドロキシエチルアンモニウムまたは臭化アルキルジメチルヒドロキシエチルアン
モニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムまたは臭化ジアルキルジメチルアンモニ
ウム、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート、アルキルピ
リジニウム塩、例えば塩化ラウリルピリジニウムまたは塩化セチルピリジニウム、イミダ
ゾリン誘導体およびカチオン性性質の化合物、例えば、アミンオキシド、例えば、アルキ
ルジメチルアミンオキシドまたはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドから選択
することができる。セチルトリメチルアンモニウム塩は特に有利に使用することができる
。
【0148】
有利に使用することができる両性界面活性剤として、アシル/ジアルキルエチレンジア
ミン、例えばアシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、
アルキルアンホ二酢酸二ナトリウム、スルホン酸アンホヒドロキシプロピルアシルナトリ
ウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウムおよびアシルアンホプロピオン酸ナトリウム;N
-アルキルアミノ酸、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピ
オン酸、アルキルイミドジプロピオン酸ナトリウムおよびラウロアンホカルボキシグリシ
ネートが挙げられる。
【0149】
有利に使用することができる非イオン性界面活性剤として、アルコール;アルカノール
アミド、例えば、コカミドMEA/DEA/MIPA、アミンオキシド、例えば、ココア
ミドプロピルアミンオキシド;カルボン酸の酸化エチレン、グリセロール、ソルビタンま
たは他のアルコールとのエステル化により形成されるエステル;エーテル、例えば、エト
キシ化/プロポキシ化アルコール、エトキシ化/プロポキシ化エステル、エトキシ化/プ
ロポキシ化グリセロールエステル、エトキシ化/プロポキシ化コレステロール、エトキシ
化/プロポキシ化トリグリセリドエステル、エトキシ化/プロポキシ化ラノリン、エトキ
シ化/プロポキシ化ポリシロキサン、プロポキシ化ポリオキシエチレン(POE)エーテ
ルおよびアルキルポリグリコシド、例えば、ラウリルグルコシド、デシルグリコシドおよ
びヤシグリコシド;スクロースエステルおよびエーテル;ポリグリセロールエステル、ジ
グリセロールエステル、モノグリセロールエステル;メチルグルコースエステル、ヒドロ
キシ酸のエステルが挙げられる。
【0150】
アニオン性および/または両性界面活性剤と、1種または複数の非イオン性界面活性剤
との組合せの使用もまた有利である。
【0151】
界面活性物質は、本発明による組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物中に
、製剤の総重量に対して1~98%(m/m)の間の濃度で存在することができる。
【0152】
組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、特に有利には、化粧品また
は医薬製剤を調製するために当技術分野で一般的に使用される1種または複数の乳化剤を
含有することができる。水中油型(O/W)乳化剤は、例えば、ポリエトキシル化または
ポリプロポキシル化またはポリエトキシル化およびポリプロポキシル化製品、例えば、脂
肪族アルコールエトキシレート、エトキシ化ウールワックスアルコール、一般式R-O-
(-CH2-CH2-O-)n-R’のポリエチレングリコールエーテル、一般式R-C
OO-(-CH2-CH2-O-)n-Hの脂肪酸エトキシレート、一般式R-COO-
(-CH2-CH2-O-)n-R’のエーテル化脂肪酸エトキシレート、一般式R-C
OO-(-CH2-CH2-O-)n-C(O)-R’のエステル化脂肪酸エトキシレー
ト、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタンエステ
ル、コレステロールエトキシレート、エトキシ化トリグリセリド、一般式R-COO-(
-CH2-CH2-O-)n-OOH(式中、nは5~30の数である)のアルキルエー
テルカルボン酸、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、一般式R-O-(-
CH2-CH2-O-)n-SO3-Hのアルキルエーテル硫酸塩、一般式R-O-(-
CH2-CH(CH3)-O-)n-Hの脂肪族アルコールプロポキシレート、一般式R
-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-R’のポリプロピレングリコールエーテ
ル、プロポキシ化ウールワックスアルコール、エーテル化脂肪酸プロポキシレートR-C
OO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-R’、一般式R-COO-(-CH2-
CH(CH3)-O-)n-C(O)-R’のエステル化脂肪酸プロポキシレート、一般
式R-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-Hの脂肪酸プロポキシレート、
ポリプロピレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、プロポキシ化ソルビタンエステ
ル、コレステロールプロポキシレート、プロポキシ化トリグリセリド、一般式R-O-(
-CH2-CH(CH3)-O-)n-CH2-COOHのアルキルエーテルカルボン酸
、一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-SO3-Hのアルキルエーテ
ル硫酸塩(およびこれらスルフェートをベースとする酸)、一般式R-O-Xn-Ym-
Hの脂肪族アルコールエトキシレート/プロポキシレート、一般式R-O-Xn-Yn-
R’のポリプロピレングリコールエーテル、一般式R-COO-Xn-Yn-R’のエー
テル化脂肪酸プロポキシレート、および一般式R-COO-Xn-Ym-Hの脂肪酸エト
キシレート/プロポキシレートを含む群から有利に選択することができる。
【0153】
本発明に従い、使用されるポリエトキシル化またはポリプロポキシル化またはポリエト
キシル化およびポリプロポキシル化O/W乳化剤は、O/W乳化剤が飽和基RおよびR’
を含有する場合、HLB価値11~18、より特に有利には14.5~15.5を有する
物質を含む群から特に有利に選択される。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/またはR’
を含有する場合、またはイソアルキル誘導体が存在する場合、このような乳化剤の好まし
いHLB価値はまたより低くまたはより高くてもよい。脂肪族アルコールエトキシレート
は、エトキシ化ステアリルアルコール、セチルアルコールおよびセチルステアリルアルコ
ール(セテアリルアルコール)を含む群から有利に選択される。
【0154】
以下の乳化剤が特に好ましい:ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(
ステアレス-13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス
-14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス-15)、
ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス-16)、ポリエチレ
ングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス-17)、ポリエチレングリコー
ル(18)ステアリルエーテル(ステアレス-18)、ポリエチレングリコール(19)
ステアリルエーテル(ステアレス-19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリル
エーテル(ステアレス-20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテ
ル(イソステアレス-12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル
(イソステアレス-13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(
イソステアレス-14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イ
ソステアレス-15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソ
ステアレス-16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソス
テアレス-17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステ
アレス-18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステア
レス-19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレ
ス-20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス-13)、ポリエ
チレングリコール(14)セチルエーテル(セテス-14)、ポリエチレングリコール(
15)セチルエーテル(セテス-15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテ
ル(セテス-16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス-17)
、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス-18)、ポリエチレングリ
コール(19)セチルエーテル(セテス-19)、ポリエチレングリコール(20)セチ
ルエーテル(セテス-20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イ
ソセテス-13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス-
14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス-15)、ポ
リエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス-16)、ポリエチレン
グリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス-17)、ポリエチレングリコール
(18)イソセチルエーテル(イソセテス-18)、ポリエチレングリコール(19)イ
ソセチルエーテル(イソセテス-19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエ
ーテル(イソセテス-20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレ
ス-12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス-13)、ポリ
エチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス-14)、ポリエチレングリコー
ル(15)オレイルエーテル(オレス-15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリ
ルエーテル(ラウレス-12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル
(イソラウレス-12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(
セテアレス-13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテ
アレス-14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレ
ス-15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス-
16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス-17
)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス-18)、
ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス-19)および
ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス-20)。
【0155】
脂肪酸エトキシレートもまた以下の群から有利に選択される:ポリエチレングリコール
(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレング
リコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエ
チレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート
、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)
イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレング
リコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート
、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)
イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレング
リコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート
、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)
イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレング
リコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレアート、ポリ
エチレングリコール(13)オレアート、ポリエチレングリコール(14)オレアート、
ポリエチレングリコール(15)オレアート、ポリエチレングリコール(16)オレアー
ト、ポリエチレングリコール(17)オレアート、ポリエチレングリコール(18)オレ
アート、ポリエチレングリコール(19)オレアートおよびポリエチレングリコール(2
0)オレアート。
【0156】
ラウレス-11カルボン酸ナトリウムを、エトキシ化アルキルエーテルカルボン酸また
はその塩として有利に使用することができる。ラウレス-14硫酸ナトリウムはアルキル
エーテル硫酸塩として有利に使用することができる。ポリエチレングリコール(30)コ
レステリルエーテルは、エトキシ化コレステロール誘導体として有利に使用することがで
きる。ポリエチレングリコール(25)ダイズステロールもまた有用と証明されている。
【0157】
ポリエチレングリコール(60)マツヨイグサグリセリドはエトキシ化トリグリセリド
として有利に使用することができる。
【0158】
ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルはまた、ポリエチレングリコール
(20)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(21)ラウリン酸グリセリル
、ポリエチレングリコール(22)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(2
3)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(6)(カプリル酸/カプリン酸)
グリセリル、ポリエチレングリコール(20)オレイン酸グリセリル、ポリエチレングリ
コール(20)イソステアリン酸グリセリルおよびポリエチレングリコール(18)(オ
レイン酸/ヤシ油脂肪酸)グリセリルを含む群から有利に選択される。
【0159】
ソルビタンエステルも同様に、ポリエチレングリコール(20)モノラウリン酸ソルビ
タン、ポリエチレングリコール(20)モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリ
コール(20)モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノ
パルミチン酸ソルビタンおよびポリエチレングリコール(20)モノオレイン酸ソルビタ
ンを含む群から有利に選択される。
【0160】
有利なW/O乳化剤として以下を使用することができる:8~30個の炭素原子を有す
る脂肪族アルコール;8~24個、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および
/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のモノグリセロールエス
テル;8~24個、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和
、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のジグリセロールエステル;8~24個
、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/ま
たは非分枝アルコールのモノグリセロールエーテル;8~24個、特に12~18個のC
原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールの
ジグリセロールエーテル;8~24個、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和お
よび/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のプロピレングリコ
ールエステル;ならびに8~24個、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和およ
び/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のソルビタンエステル
。
【0161】
特に有利なW/O乳化剤として、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸
グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン
酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸プロピレングリ
コール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコ
ール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノラ
ウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸ソルビタン、モノイソオレイン酸ソルビタン、ジス
テアリン酸スクロース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、チミルアルコ
ール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス-2)、モノラウ
リン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリルおよびモノカプリル酸グリセリルが挙げら
れる。
【0162】
本発明による組成物はまた、ヘアケアおよび頭皮ケア製品のための香水組成物の構成成
分として使用することができ、特にこれらは特定の有効性があるため、追加の痒み緩和ま
たは抗アレルギー特性を、例えば、香りをつけた最終製品に付与することができる。特に
好ましい香水組成物は、(a)知覚的に有効量の香水、(b)痒みを調整する、抗アレル
ギー性および/または減感作量の、アントラニル酸アミドと抗フケ剤の相乗的に有効な混
合物、ならびに(c)任意選択で、1種もしくは複数の賦形剤および/または添加剤を含
む。少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体、または少なくとも1種のア
ベナンスラミドもしくはその類似体を含む調製物を含む組成物は、特有の弱い匂いを有す
るのみ、またはさらには完全に無臭であることが特に有利と証明されている。これらが香
水組成物に使用されるようになったのは、特にこの特性によるところである。
【0163】
本発明による製剤と組み合わせることが特に好ましい、他の化粧品としておよび薬学的
に許容される賦形剤、基剤および助剤に関して、関連する開示が参照により本明細書に組
み込まれているWO2007/062957およびWO2003/069994における
詳細な説明を参照することができる。
【0164】
活性物質、すなわちアベナンスラミドを送達するための本発明による組成物は、従来の
化粧品または皮膚科用もしくは角質用調製物、例えば、中でもポンプスプレー剤、エアゾ
ールスプレー剤、クリーム剤、シャンプー剤、軟膏剤、チンキ剤、ローション剤、ネイル
ケア製品(例えば、マニキュア液、マニキュア液リムーバー、爪バルサム)などに難なく
組み込むことができる。本文脈内で、少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類
似体、または少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体を含む調製物を含む
化粧品および/または皮膚科用もしくは角質用組成物は、そうでなければ組成物中に従来
から存在していてもよいものであり、美容ケアまたは皮膚科用もしくは角質用処置という
文脈の中で皮膚、毛髪および/または爪を処置するために使用することができる。
【0165】
化粧品または薬学的調製物が溶液またはローション剤である場合、使用することができ
る溶媒として以下が挙げられる:水または水溶液;脂肪油、脂肪、ワックスおよび他の天
然および合成の脂肪体、好ましくは脂肪酸と低いC数を有するアルコールとのエステル、
例えば、イソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロール、または脂肪族ア
ルコールと、低いC数を有するアルカン酸とのエステル、または脂肪酸とのエステル;低
いC数を有するアルコール、ジオールまたはポリオール、およびこれらのエーテル、好ま
しくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレン
グリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルまたはモノエチルエーテルおよび類似の生成物。上述の溶媒の混合物が特に使用され
る。アルコール性溶媒の場合、水は追加の構成物質であることができる。
【0166】
化粧品または医薬製剤はまた、局所的用途に適した形態、例えば、ローション剤、水性
もしくは水性-アルコール性ゲル、ベシクル分散剤、または単純もしくは複雑な乳剤とし
て(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W)、液体、半液体もしくは固体、例え
ば、ミルク、クリーム剤、ゲル剤、クリーム剤-ゲル剤、ペースト剤またはスティック剤
へと製剤化することもでき、任意選択でエアゾール剤としてパッケージされてもよいし、
ムースもしくはスプレーの形態を取ることもできる。このような製剤は通常の方法により
調製される。
【0167】
乳剤を調製するために、油相は、以下の物質の群から有利に選択することができる:鉱
油、ミネラルワックス;脂肪油、脂肪、ワックスならびに他の天然および合成脂肪体、好
ましくは脂肪酸と低いC数を有するアルコール、例えば、イソプロパノール、プロピレン
グリコールもしくはグリセロールとのエステル、または脂肪族アルコールと、低いC数を
有するアルカン酸とのもしくは脂肪酸とのエステル;安息香酸アルキル;シリコーン油、
例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン
およびその混合した形態。
【0168】
有利には、3~30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/または不飽和、分枝および
/または直鎖アルカンカルボン酸と、3~30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/
または不飽和、分枝および/または直鎖アルコールとのエステル、芳香族カルボン酸と、
3~30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/または不飽和、分枝および/または直
鎖アルコールとのエステルの群からのものを使用することができる。好ましいエステル油
として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロ
ピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オ
レイン酸n-デシル、イソオクチルステアリン酸塩、ステアリン酸イソノニル、イソノナ
ン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシルラウリン酸、ス
テアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイ
ル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシルならびにこのようなエス
テルの合成、半合成および天然混合物、例えばホホバ油が挙げられる。
【0169】
加えて、油相は、分枝および非分枝炭化水素およびワックス、シリコーン油、ジアルキ
ルエーテルを含む群から有利に選択することができ、この群は飽和または不飽和、分枝ま
たは非分枝アルコール、さらに脂肪酸トリグリセリド、具体的には8~24個、特に12
~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝
アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルを含む。脂肪酸トリグリセリドは、合成
、半合成および天然油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ナ
タネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、パーム核油などを含む群から有利に選択する
ことができる。このような油およびワックス構成成分の任意の混合物もまた有利に使用す
ることができる。場合によっては、油相の唯一の脂質成分としてワックス、例えば、パル
ミチン酸セチルを使用することも有利である。有利には、油相は、2-エチルヘキシルイ
ソステアレート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、イソエイコ
サン、2-ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル、C12~15安息香酸アルキル、カプリル酸-
カプリン酸トリグリセリドおよびジカプリリルエーテルを含む群から選択される。C12
~15安息香酸アルキルと2-エチルヘキシルイソステアレートの混合物、C12~15
安息香酸アルキルとイソトリデシルイソノナノエートの混合物ならびにC12~15安息
香酸アルキル、2-エチルヘキシルイソステアレートおよびイソトリデシルイソノナノエ
ートの混合物が特に有利である。炭化水素パラフィン油、スクワランおよびスクアレンも
また有利に使用することができる。油相はまた有利には、環式もしくは直鎖シリコーン油
を含有することができ、またはこのような油から完全になることもできるが、ただし他の
油相構成成分がシリコーン油に加えて好ましくは使用される。シクロメチコン(例えば、
デカメチルシクロペンタシロキサン)をシリコーン油として有利に使用することができる
。しかし、他のシリコーン油もまた有利に使用することができ、これには、例えば、ウン
デカメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびポリ(メチルフェニル
シロキサン)が含まれる。シクロメチコンおよびイソトリデシルイソノナノエートとシク
ロメチコンおよび2-エチルヘキシルイソステアレートの混合物もまた特に有利である。
【0170】
本発明による、乳剤の形態を取る組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物の
水相は有利には、低いC数を有するアルコール、ジオールまたはポリオール、ならびにこ
れらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グ
リセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の生成物、さらに低いC
数を有するアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2-プロパンジオ
ールおよびグリセロール、ならびに特に1種または複数の増粘剤を含むことができ、増粘
剤は有利には、特に二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびこれらの誘導体、例
えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む群か
ら、特に有利には、ポリアクリレートを含む群から、好ましくはポリアクリレート、いわ
ゆるカーボポール、例えば、タイプ980、981、1382、2984および5984
カーボポールを含む群から有利に選択することができる1種または複数の増粘剤を、それ
ぞれこれら自体でまたは組み合わせて、含むことができる。
【0171】
高い含有量の処置物質は普通、皮膚の局所的処置のために化粧品または薬学的調製物に
おいて有利である。好ましい変化形に従い、調製物は、1種または複数の動物および/ま
たは植物処置脂肪および油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、精製されたダイズ油、パ
ーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油、マツヨイグサ油、ヤシ油、シア
バター、ホホバ油、マッコウクジラ油、牛脂、牛脚油およびラード、および任意選択で他
の処置構成物質、例えば、C8~C30脂肪族アルコールを含有する。ここで使用される
脂肪族アルコールは、飽和または不飽和および直鎖または分枝の脂肪族アルコールであり
、例として、デカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ド
デセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコー
ル、リシノレイルアルコール、エルカアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリ
ルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキ
ジルアルコール、カプリルアルコール、カプリックアルコール、リノレイルアルコール、
リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにこれらのゲルベアルコールを
挙げることができる。このリストは、所望する場合、構造的、化学的に関連した他のアル
コールを含むように拡張することができる。脂肪族アルコールは、好ましくは天然脂肪酸
から生じ、普通脂肪酸の対応するエステルから還元により調製される。自然発生の脂肪お
よび脂肪油から還元により形成される脂肪族アルコール画分、例えば、牛脂、ピーナッツ
油、ナタネ油、綿実油、ダイズ油、ヒマワリ油、パーム核油、あまに油、トウモロコシ油
、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、ココアバターおよびココア脂肪もまた使用することがで
きる。
【0172】
本発明による化粧品または薬学的調製物と好ましく組み合わせることができる処置物質
として、以下もまた挙げることができる:セラミド、N-アシルスフィンゴシンと考えら
れているもの(スフィンゴシンの脂肪酸アミド)またはこのような脂質の合成類似体(い
わゆる擬似セラミド)であり、これらは角質層の水保持能力を明確に改善する;リン脂質
、例えばダイズレシチン、卵レシチンおよびセファリン;Vaseline、パラフィン
およびシリコーン油、後者は中でもジアルキル-およびアルキルアリール-シロキサン、
例えば、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン、ならびにこれら
のアルコキシ化されたおよび四級化された誘導体を含む。
【0173】
加水分解した動物および/または植物タンパク質もまた、本発明による組成物を含有す
る化粧品または薬学的調製物に有利に加えることができる。この関連で有利な例として、
特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、ダイズタンパク質、エンバクタ
ンパク質、マメタンパク質、アーモンドタンパク質および小麦タンパク質画分または対応
する加水分解タンパク質、ならびにこれらの脂肪酸との縮合物、さらに四級化加水分解タ
ンパク質が挙げられ、加水分解植物タンパク質の使用が好ましい。
【0174】
化粧品または薬学的調製物はまた、化粧品としてまたは薬学的に許容される担体、例え
ば、当技術分野で一般的に使用される以下のうちの1種を含むことができる(これらに限
定されない):ラクトース、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デン
プン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、
微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ剤、メチルセル
ロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ス
テアリン酸マグネシウム、鉱油など。化粧品または薬学的製剤はまた、上記構成成分に加
えて、滑沢剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁液、保存剤などを含むことができ
る。適切な薬学的に許容される担体および製剤は、Remington’s Pharm
aceutical Sciences(第19版、1995)に詳細に記載されている
。
【0175】
使用のため、組成物または化粧品または医薬品、すなわち皮膚科用または角質用調製物
は、十分な量で、および化粧品または医薬品で慣習的であるような方式で、皮膚、頭皮、
毛髪および/または爪に適用される。
【0176】
最後に、本発明は、本発明による組成物を調製するための方法であって、
- 少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体を用意するステップ、ならび
に
- 少なくとも1種の浸透促進剤を前記アベナンスラミドまたはその類似体に加えるおよ
び混合するステップ
を含む、方法に関する。
【0177】
こうして得た組成物は、最終の、すなわち慣習的な調製物または製剤に加えることがで
きる。
【0178】
代わりに、本発明による組成物の個々の構成物質は、最終製剤に別々に加えることがで
きる。
【0179】
本発明は具体的に示され、好ましい変化形を参照して記載されているが、本発明の趣旨
および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更を加えることがで
きることを当業者であれば理解している。さらに、本発明は、すべての可能な変化形にお
いて、他に具体的に指摘されていない限り、上記に記載されている要素の任意の組合せを
包含する。
【0180】
加えて、本発明の特徴または態様がマーカッシュ群の点から記載されているが、当業者
であれば、本発明はまたマーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバーまたは下位群
という点からここに記載されていることを認識している。
【0181】
本発明は、以下の実施例を参照してここで詳細に記載されるが、これら実施例は単に本
発明の例示であるので、本発明の内容は以下の実施例により、または以下の実施例に限定
されるわけではない。
【実施例0182】
実施例に使用されているアベナンスラミド(Avn)は、公知のプロセス、例えば、W
O2004/047833に詳述されている公知のプロセスに従い合成された。
【0183】
より正確な定量分析だけのため、以下の実施例で使用されるアベナンスラミドの濃度は
、本発明による組成物中のアベナンスラミド(avenathramide)の濃度より
高い。
【0184】
実施例1:Avn Aの透過挙動の調査
【0185】
Skin PAMPA(商標)(並行人工膜透過性アッセイ)モデルを使用して、化粧
品製剤から、角質層を模倣した人工膜を横断するAvn Aの透過性を評価した。
【0186】
皮膚の主要な浸透バリアとして、角質層(SC)は細胞外脂質内に埋め込まれた角質細
胞からなる。Skin PAMPA(商標)膜の脂質混合物は、SCとして、類似の量の
セルトラミド(certramide)(合成セラミド類似体)、ステアリン酸およびコ
レステロールからなる。Skin PAMPA(商標)のサンドイッチは2個の96ウェ
ルプレートからなり、1つのプレートが多孔質脂質を含浸したフィルターを含有するプレ
ートの下にぴったりと位置するように形成されている。下側プレートのウェルに製剤を充
填し、上側プレートのウェルに受容体溶液を充填した。次いでプレートをスタックし、イ
ンキュベートした。Skin PAMPA(商標)モデルを使用して、半固体製剤を評価
し、ex vivo透過性試験と十分相関することが見出された。Skin PAMPA
(商標)システムが非イオン性界面活性剤を含有する乳剤と有利に相容性があることも実
証されている。
【表2】
【0187】
生成方法:
A相およびB相を別々に70℃に加熱する;B相中にC相を分散する;BC相をA相に
加え、ULTRA TURRAX(登録商標)撹拌棒を使用して乳化させる(2分間);
翼付き撹拌棒を使用して冷却させる;中和のためにD相を加える。製剤はまとめて調製し
た。活性物質は対応する添加剤中に事前に溶解し、製剤に加えた(翼付き撹拌棒で15分
間撹拌)。
【0188】
代わりに、対応するアベナンスラミドをグリセリンまたはエタノールまたはこれらの混
合物中で予め溶解させ、対応するジオールを乳剤の水相に加えることも可能である。両方
の組込み方式とも同じ結果を導く。
【0189】
受容体溶液:
180mlの緩衝液を20mlエタノール(緩衝液:20mmol/lクエン酸、pH
5.5)と混合した;
0.84gの無水クエン酸をおよそ180gの水に溶解した;
30%水酸化ナトリウム溶液を使用して、pHを5.5に調節した;
pH調節に続いて、溶液に水を200gまで充填した。
【0190】
試料の調製:
240分後、およそ180μlの各Skin PAMPA(商標)試料をHPLCミク
ロ-バイアルに移した。
【0191】
HPLC分析用条件:
装置:Agilent HP1100、Waters Empower3SR3に連結
カラム:Waters XBridge(登録商標)C18、3.5μm、3.0×50
mm
カラム温度:30℃
移動相A:水+0.1%ギ酸
移動相B:メタノール
流量:1.02ml/分
注入量:25μl
波長:304nm
勾配表:
時間[分] Aの% Bの%
初期値 65.0 35.0
6.00 50.0 50.0
6.05 65.0 35.0
8.00 65.0 35.0
【0192】
結果は以下の表に要約されている。
【0193】
【0194】
結果は、1,2-ジオールの添加がAvn Aの透過性を強力に増加させることを明確
に示している。Hydrolite-5(1,2-ペンタンジオール)によるモジュレー
ションは濃度依存性であり、3%用量で19%の増加および5%用量で59%の増加をも
たらした。Hydrolite-6(1,2-ヘキサンジオール)はAvn Aの透過性
を2%用量で46%増強したので、3%用量でのHydrolite-5による19%の
改善と比較して、Hydrolite-5よりもさらに効率的であった。
【0195】
1,2-アルカンジオールは皮膚保湿特性を保有し、痒みのある皮膚は多くの場合乾燥
した、敏感な、またはダメージを受けた皮膚を伴うので、痒みを軽減することを目標とす
るスキンケアおよび頭皮ケア製剤に追加の利益をもたらす。
【0196】
これらはまた製剤に軽いおよび洗練された皮膚への感触を付与し、これによって製剤は
ユーザーにはるかに受け入れられやすくなる。
【0197】
実施例2:Avn Lの透過挙動の調査
【0198】
Skin PAMPA(商標)(並行人工膜透過性アッセイ)モデルを使用して、化粧
品製剤から、角質層を模倣した人工膜を横断するAvn Lの透過性を上に記載されてい
るように評価した。
【0199】
【0200】
結果は以下の表に要約されている。
【0201】
【0202】
結果は、1,2-ジオールの添加はAvn Lの透過性を強力に増加させることを明確
に示している。3%用量でのHydrolite-5(1,2-ペンタンジオール)によ
るモジュレーションは125%の増加をもたらした。1%用量でのHydrolite-
6(1,2-ヘキサンジオール)は、Avn Lの透過性を160%増強したので、3%
用量でのHydrolite-5よりもさらに効率的であった。
【0203】
実施例3:Avn Bの透過挙動の調査
【0204】
Skin PAMPA(商標)(並行人工膜透過性アッセイ)モデルを使用して、化粧
品製剤から、角質層を模倣した人工膜を横断するAvn Bの透過性を上に記載されてい
るように評価した。
【0205】
実施例1および2とは異なり、今回は、各Skin PAMPA(商標)試料のHPL
C分析用の受容体溶液試料をちょうど120分間後に採取した。
【0206】
【0207】
結果は以下の表に要約されている。
【0208】
【0209】
結果は、1,2-ジオールの添加がAvn Bの透過性を強力に増加させることを明確
に示している。Hydrolite-6(1,2-ヘキサンジオール)によるモジュレー
ションは濃度依存性であり、1%用量で62%の増加および2%用量で76%の増加をも
たらした。
【0210】
SymDiol68、1,2-ヘキサンジオール(Hydrolite-6)と1,2
-オクタンジオール(Hydrolite-8)の1:1混合物は、Avn Bの透過性
を、62%と比較して、87%増強したので、同じ用量でのHydrolite-6単独
よりも1%用量でさらに効率的であった。
【0211】
SymDiol68はまた製剤中の保存剤を増強し、製剤がより低いレベルの保存剤を
有することを可能にする。痒みは乾燥した、敏感な、またはダメージを受けた皮膚に付随
することが多いので、これは特に、Avnを塗布することにより沈静化しようとする、痒
みのある皮膚に有益である。
【0212】
実施例4:浸透促進剤の不在下で、ジヒドロアベナンスラミド(dihydroaven
antramide)D(DhAvn D)と比較した、Avn A、Avn B、Av
n C、およびAvn Lの透過挙動の比較(時間経過による1mlの受容体液体当たり
のAvnsまたはDhAvnDの量(μg))
【0213】
Skin PAMPA(商標)(並行人工膜透過性アッセイ)モデルを使用して、化粧
品製剤から、角質層を模倣した人工膜を横断するAvn A、Avn B、Avn Cお
よびAvn Lの皮膚透過性を、ジヒドロアベナンスラミドD(DhAvnD)と比較し
て、上に記載されているように評価した。
【表8】
【0214】
生成方法:
A相およびB相を別々に70℃に加熱する;B相中にC相を分散する;BC相をA相に
加え、ULTRA TURRAX(登録商標)撹拌棒を使用して乳化させる(2分間);
翼付き撹拌棒を使用して冷却させる;中和のためにD相を加える。製剤はまとめて調製し
た。活性物質はグリセリンもしくは水またはこれらの混合物中に事前に溶解し、製剤に加
えた(翼付き撹拌棒で15分間撹拌)。
【0215】
試料の調製:
60、120および240分後、およそ180μlの各Skin PAMPA(商標)
試料をHPLCミクロ-バイアルに移し、HPLCで分析した。
【0216】
結果は以下の表9に要約されている。
【0217】
【0218】
結果は
図1に要約されている。
図1から明らかなように、Avn A、Avn B、A
vn Lは、Avn A<Avn B<Avn Lで、DhAvn Dよりも弱い浸透挙
動を有する。しかし、Avn CはDhAvn Dより良好に浸透する。
【0219】
実施例5:1,2-ペンタンジオール(Hydrolite5)の存在下で、ジヒドロア
ベナンスラミドD(DhAvn D)(3%重量%)と比較したAvn Lの浸透挙動の
モジュレーション
【0220】
Skin PAMPA(商標)(並行人工膜透過性アッセイ)モデルを使用して、3%
1,2-ペンタンジオールの存在下、化粧品製剤から、角質層を模倣した人工膜を横断す
るAvn Lの透過性を、ジヒドロアベナンスラミドD(DhAvn D)と比較して、
上に記載されているように評価した。
【0221】
【0222】
結果は以下の表11に要約されている。
【0223】
【0224】
1,2-ペンタンジオール(Hydrolite 5)のジヒドロアベナンスラミドD
への添加は240分後、浸透性の57%の増強を結果として生じている。1,2-ペンタ
ンジオール(Hydrolite 5)のアベナンスラミドLへの添加は、浸透性の12
5%もの増強を結果として生じている。
【0225】
実施例6:製剤例
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
上記香油PO1、PO2、PO3、PO4、またはPO5は、各事例において別々に作
業し、以下に提示された調製物を得た。
【0232】
化粧品調製物/製剤(量はすべての調製物/製剤に対しての重量%)
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
【0258】
【0259】
【0260】
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【表68-1】
【表68-2】
【表68-3】
【表68-4】
【表68-5】
【表68-6】