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特開2025-41182渡船の制御システム、渡船の制御方法、及び渡船
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025041182
(43)【公開日】2025-03-26
(54)【発明の名称】渡船の制御システム、渡船の制御方法、及び渡船
(51)【国際特許分類】
   B63H 25/04 20060101AFI20250318BHJP
   B63B 22/02 20060101ALI20250318BHJP
   B63B 35/54 20060101ALI20250318BHJP
   B63B 79/40 20200101ALI20250318BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20250318BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250318BHJP
【FI】
B63H25/04 C
B63H25/04 D
B63H25/04 E
B63B22/02 Z
B63B35/54
B63B79/40
B63B49/00 Z
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023148322
(22)【出願日】2023-09-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】井上 宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の利便性の向上を図る。
【解決手段】渡船の制御システム1は、ユーザの船舶10を係留保管するマリーナ20に設置される渡船の制御システムである。渡船の制御システム1は、コントローラ12と、記憶部13とを備える。記憶部13は、ユーザを識別する識別情報と、渡船30が離着岸する第1位置に関する第1位置情報と、ユーザの船舶10の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する。コントローラ12は、識別情報を受け付けると、渡船30の駆動を許可し、第2位置情報に基づいて第2位置を目的地として設定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の制御システムであって、
コントローラと、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情報と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する記憶部と、
を備え、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定する、
渡船の制御システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第2位置を目的地として設定した後に前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に移動させた後で所定の条件を満たすかを判定し、前記所定の条件を満たす場合は、前記第1位置情報に基づいて前記第1位置を目的地として設定し、前記渡船を前記第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項2に記載の渡船の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記ユーザが使用する通信端末から所定の通知を受けた場合に、前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記渡船の位置情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記コントローラは、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記渡船が前記第2位置から所定距離以上離れているかを判定し、前記渡船が前記所定距離以上離れているときは前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項3に記載の渡船の制御システム。
【請求項6】
前記ユーザが発話した音声を認識する音声認識部をさらに備え、
前記コントローラは、前記音声認識部の検出結果に基づいて前記所定の条件を満たすかを判定する、
請求項3に記載の渡船の制御システム。
【請求項7】
ロープを離したことを検知
前記船舶が前記第2位置から離れたことを検知する検知部をさらに備え、
前記コントローラは、前記渡船が前記第2位置に位置する場合に、前記検知部の検知結果に基づいて前記船舶が前記第2位置から離れたと判定した場合は、前記第1位置情報に基づいて前記第1位置を目的地として設定し、前記渡船を前記第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項8】
前記船舶を係留する浮標と、前記浮標と前記船舶とを接続する接続部材とを含む係留部材をさらに備え、
前記検知部は、前記接続部材が前記船舶から離れたことを検知し、
前記コントローラは、前記接続部材が前記船舶から離れたことを前記検知部が検知した場合に前記船舶が前記第2位置から離れたと判定する、
請求項7に記載の渡船の制御システム。
【請求項9】
前記渡船を撮影して画像データを生成するカメラと、
前記カメラの前記画像データに基づいて前記渡船の乗船者の落水を検知する落水検知部と、
前記落水検知部が前記乗船者の落水を検知した場合に警告を外部に報知する報知部と
をさらに備える、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項10】
前記渡船の位置情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記コントローラは、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記渡船が前記第1位置から前記第2位置に移動したかを判定し、前記渡船が前記第1位置から前記第2位置に移動したときは、前記自動制御を手動制御に切り替える、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項11】
前記第2位置情報は、前記ユーザの前記船舶を係留する浮標の位置情報を含む、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項12】
障害物検知部をさらに備え、
前記記憶部は、前記第1位置から前記第2位置までの複数のルートを記憶し、
前記障害物検知部は、前記複数のルートのルート上の障害物を検出し、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記障害物検知部の検知結果に基づいて、前記複数のルートから1つのルートを選択する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記ユーザが使用する通信端末から前記通信端末の端末位置情報を受け付けると、前記端末位置情報に基づいて前記通信端末が前記第2位置にあるかを判定し、前記通信端末が前記第2位置にあるときは、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定し、前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記端末位置情報に基づいて前記通信端末が前記第2位置にあると判定した場合、前記渡船が前記第2位置に到着するまでの時間に関する情報を前記通信端末に出力する、
請求項13に記載の渡船の制御システム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記端末位置情報に基づいて前記通信端末が前記第2位置にあると判定した場合、前記渡船の現在地情報及び目的地情報を前記通信端末に出力する、
請求項13に記載の渡船の制御システム。
【請求項16】
前記渡船に配置されるバッテリと、
前記渡船が前記第1位置にあるときに前記バッテリに電力を供給可能な充電装置と、
をさらに備える、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項17】
係留保管された船舶までユーザを運ぶ渡船の制御システムであって、
コントローラと、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する記憶部と、
を備え、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定する、
渡船の制御システム。
【請求項18】
ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の制御方法であって、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶することと、
前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定すること、
を備える、渡船の制御方法。
【請求項19】
前記第2位置を目的地として設定した後に前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行することをさらに備える、
請求項18に記載の渡船の制御方法。
【請求項20】
ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船であって、
コントローラと、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する記憶部と、
を備え、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定する、
渡船。
【請求項21】
前記コントローラは、前記第2位置を目的地として設定した後に前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行することをさらに備える、
請求項20に記載の渡船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渡船の制御システム、渡船の制御方法、及び渡船に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶を係留する係留場の利用を管理するための船舶係留管理サーバが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-049880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、船舶を水上に係留保管するマリーナでは、係留保管されている船舶までマリーナが管理する渡船で行く必要がある。また、マリーナが休日の場合は、自分で渡船を用意する必要がある。
【0005】
本開示の目的は、船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の利便性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る渡船の制御システムは、ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の制御システムである。渡船の制御システムは、コントローラと、記憶部とを備える。記憶部は、ユーザを識別する識別情報と、渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情報と、ユーザの船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する。コントローラは、識別情報を受け付けると、渡船の駆動を許可し、第2位置情報に基づいて第2位置を目的地として設定する。
【0007】
本開示に係る渡船の制御システムでは、コントローラは、船舶のユーザを識別する識別情報に基づいて渡船の駆動を許可するので、マリーナが休日の場合でも、ユーザは、マリーナの渡船を利用して係留保管された船舶まで行くことができる。また、マリーナ関係者以外が勝手に渡船を利用することを防止できる。さらに、コントローラは、ユーザの船舶の係留保管位置に対応する位置を渡船の目的地として設定するので、ユーザは、係留保管された船舶まで容易に行くことができる。
【0008】
他の態様に係る渡船の制御システムは、係留保管された船舶までユーザを運ぶ渡船の制御システムである。渡船の制御システムは、コントローラと、記憶部とを備える。記憶部は、ユーザを識別する識別情報と、渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情報と、ユーザの船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する。コントローラは、識別情報を受け付けると、渡船の駆動を許可し、第2位置情報に基づいて第2位置を目的地として設定する。
【0009】
他の態様に係る船舶の制御方法は、ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の制御方法である。渡船の制御方法は、ユーザを識別する識別情報と、渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、ユーザの船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶することと、識別情報を受け付けると、渡船の駆動を許可し、第2位置情報に基づいて第2位置を目的地として設定することを備える。
【0010】
他の態様に係る船舶は、ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船である。渡船は、コントローラと、記憶部とを備える。記憶部は、ユーザを識別する識別情報と、渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情報と、ユーザの船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する。コントローラは、識別情報を受け付けると、渡船の駆動を許可し、第2位置情報に基づいて第2位置を目的地として設定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る渡船の制御システムを示す模式図である。
図2】実施形態に係るマリーナの模式図である。
図3】渡船の制御システムの機能ブロック図である。
図4】コントローラにおける処理形態を示すフローチャートである。
図5】コントローラにおける処理形態を示すフローチャートである。
図6】桟橋を含むマリーナの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1及び図2に示すように、渡船の制御システム1は、ユーザの船舶10を係留保管するマリーナ20に設置される渡船の制御システムである。マリーナ20は、ユーザの船舶10を水上で係留保管する。ここでの「水上」は、例えば、浅橋を用いてマリーナ20がある陸地からユーザの船舶10まで歩いていくことができない位置にある水上を意味する。すなわち、マリーナ20がある陸地から係留保管されたユーザの船舶10までは、地続きになっていない。渡船の制御システム1は、マリーナ20がある陸地から係留保管されたユーザの船舶10まで、及び係留保管されたユーザの船舶10からマリーナ20がある陸地まで渡船30でユーザを運搬する。
【0014】
図2に示すように、マリーナ20では、複数の船舶10が互いに間隔を隔てて係留保管される。図2では、複数の船舶10のうち、1つの船舶のみに符号が付されている。図2では、第1ユーザの船舶10に符号10aが付されている。
【0015】
図3は、渡船の制御システム1の機能ブロック図である。渡船30は、操舵装置31と、スロットルレバー32と、船舶推進器33とを含む。操舵装置31は、渡船30の旋回方向を操作するための装置である。スロットルレバー32は、船舶推進器33のスラストの調整及びスラストの方向を前方と後方とに切り換えるための操作部材である。
【0016】
船舶推進器33は、ECU(Electric Control Unit)34と、駆動ユニット35と、シフトアクチュエータ36とステアリングアクチュエータ37とを含む。
【0017】
ECU34は、CPUなどのプロセッサと、RAMやROMなどのメモリとを含む。ECU34は、船舶推進器33を制御するためのプログラム及びデータを記憶する。ECU34は、駆動ユニット35を制御する。駆動ユニット35は、渡船30を推進させる推進力を発生させる。駆動ユニット35は、図示しないプロペラを回転させる電動モータ35aを含む。駆動ユニット35は、内燃エンジンであってもよい。
【0018】
シフトアクチュエータ36は、スロットルレバー32の操作に応じて、電動モータ35aによるプロペラの回転方向を変化させる。ステアリングアクチュエータ37は、操舵装置31の操作に応じて、船舶推進器33の舵角を変化させる。
【0019】
渡船の制御システム1は、サーバ3を備える。サーバ3は、例えば、渡船30を管理するコンピュータとして用いられる。サーバ3は、例えば、マリーナ20の管理運営会社によって管理される。サーバ3は、船舶10のユーザが使用する少なくとも1つの通信端末15と無線通信可能に構成される。本実施形態では、サーバ3は、インターネットINを介して、少なくとも1つの通信端末15と通信可能に構成される。サーバ3は、例えば、渡船の制御システムに用いられるアプリケーションを介して少なくとも1つの通信端末15と通信可能に構成させる。少なくとも1つの通信端末15は、例えば、スマートフォンやタブレットなどの通信端末である。本実施形態では、少なくとも1つの通信端末15は、複数の通信端末15を含む。図1では、第1ユーザが使用する通信端末15に符号15aが付されている。
【0020】
サーバ3は、コントローラ12と、記憶部13とを含む。コントローラ12は、CPUなどのプロセッサと、RAM,ROMなどのメモリとを含む。
【0021】
コントローラ12は、渡船30に配置される操船コントローラ14を制御する。コントローラ12は、操船コントローラ14を介して渡船30を制御する。操船コントローラ14は、コントローラ12と通信可能に構成させる。操船コントローラ14は、CPUなどのプロセッサと、RAMやROMなどのメモリとを含む。操船コントローラ14は、渡船30を制御するようにプログラムされている。操船コントローラ14は、船舶推進器33を制御するためのプログラム及びデータを記憶する。操船コントローラ14は、操舵装置31、スロットルレバー32、及び船舶推進器33と有線、或いは無線を介して接続されている。操船コントローラ14は、ECU34を介してシフトアクチュエータ36及びステアリングアクチュエータ37を制御する。操船コントローラ14は、スロットルレバー32の操作量に応じて、電動モータ35aの回転速度を制御する。
【0022】
記憶部13は、各種情報及び各種プログラムを記録する。記憶部13は、例えば、ハードディスク及び/又はSSD等の記録媒体を含む。記憶部13は、コントローラ12或いは操船コントローラ14に含まれていてもよい。記憶部13は、識別情報と、第1位置情報と、第2位置情報とを記憶する。識別情報は、船舶10をマリーナ20に係留保管しているユーザであることを識別するための情報である。識別情報は、マリーナ20に係留保管されている船舶10に対応して個別に設定される。識別情報は、例えば、所定の桁数で構成される英数字の文字列に関する情報である。
【0023】
第1位置情報は、渡船30が離着岸する第1位置に関する位置情報である。渡船30は、図2に実線で示す第1位置で係留される。第1位置は、マリーナ20のある陸地に隣接している。
【0024】
第2位置情報は、ユーザの船舶10の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する位置情報である。第2位置情報は、ユーザの船舶10を係留する浮標46a(後述する)の位置情報を含む。第2位置情報は、識別情報に紐づけられている。図2では、第1ユーザの船舶10に符号10aが付されている。
【0025】
記憶部13は、第1位置から第2位置までの複数のルートRを記憶する。図2に示すように、例えば、第1位置から船舶10aの係留保管位置に対応する第2位置までの複数のルートRは、第1ルートR1と、第2ルールR2とを含む。
【0026】
渡船の制御システム1は、位置検出部41と、音声認識部42と、障害物検知部43と、バッテリ44と、充電装置45と、少なくとも1つの係留部材46と、検知部47とを備える。
【0027】
位置検出部41は、渡船30に配置されている。位置検出部41は、例えば、GPS受信部である。位置検出部41は、GPS衛星から渡船30の位置情報を取得する。位置検出部41は、操船コントローラ14と通信可能に接続されている。操船コントローラ14は、位置検出部41からの信号により、渡船30の位置を取得する。
【0028】
音声認識部42は、渡船30に配置されている。音声認識部42は、例えば、マイクロフォンから取得したユーザの音声を検出して、検出結果を操船コントローラ14に出力する。
【0029】
障害物検知部43は、例えば、マリーナ20に配置されるカメラを含む。カメラは、ユーザの船舶10が係留保管される保管領域を撮影するように構成される。障害物検知部43は、カメラで撮影された画像データに基づいて、複数のルートRのルート上の障害物を検出して、検出結果をコントローラ12に出力する。障害物検知部43は、例えば、複数のルートRのルート上に他の船舶がいる場合は、障害物として検出する。
【0030】
バッテリ44は、渡船30に配置される。バッテリ44は、操船コントローラ14や船舶推進器33に電力を供給する。
【0031】
充電装置45は、渡船30が第1位置にあるときにバッテリ44に電力を供給可能である。充電装置45は、バッテリ44を無線充電可能である。充電装置45は、例えば、非接触充電パッドを含む。なお、充電装置45は、バッテリ44を有線で充電可能な構成であってもよい。
【0032】
少なくとも1つの係留部材46は、ユーザの船舶10を係留保管するための部材である。本実施形態では、少なくとも1つの係留部材46は、複数の係留部材46を含む。複数の係留部材46は、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。複数の係留部材46のそれぞれは、ユーザの船舶10を係留する浮標46aと、浮標46aとユーザの船舶10とを接続する接続部材46bとを含む。なお、図2では、複数の係留部材46のうち、第1ユーザの船舶10を係留する係留部材のみに符号が付されている。
【0033】
浮標46aは、水面から露出している。本実施形態では、浮標46aは、水面に浮かんでいる。浮標46aは、例えば、水底に固定される錨に接続されており、錨によって水上における位置が固定されている。
【0034】
接続部材46bは、浮標46aに固定されている。接続部材46bは、例えば、環状の金属部材である。ユーザの船舶10から延びるロープ或いは鎖を接続部材46bに固定することで、ユーザの船舶10は、所定位置で係留される。なお、接続部材46bは、浮標46aに固定されたロープであってもよい。この場合、浮標46aに固定されたロープにユーザの船舶10を固定することで、ユーザの船舶10が所定位置で係留されてもよい。
【0035】
コントローラ12は、渡船30が第1位置にあるときに、通信端末15からの入力に応じて識別情報を受け付けると(図4のS11)、受信した識別情報が記憶部13に記憶されている識別情報と合致するか否かを判定する(図4のS12)。コントローラ12は、識別情報が正しいと判定した場合、操船コントローラ14を制御して、渡船30の駆動を許可し、受け付けた識別情報に紐づく第2位置情報に基づいて第2位置を渡船30の目的地として設定する(図4のS13)。
【0036】
例えば、コントローラ12は、第1ユーザの通信端末15aからの入力に応じて第1ユーザの識別情報を受け付ける。コントローラ12は、第1ユーザの識別情報が正しいと判定した場合、操船コントローラ14を制御して、渡船30の駆動を許可し、第1ユーザの船舶10aの係留保管位置に対応する第2位置(図2の一点鎖線で模式的に示す位置付近)を目的地として設定する。
【0037】
コントローラ12は、識別情報を受け付けると、障害物検知部43の検出結果に基づいて、複数のルートRから1つのルートを選択する(図4のS14)。コントローラ12は、障害物検知部43の検出結果に基づいて、例えば、複数のルートRの各ルートにおける目的地(ここでは第2位置)までの到着予定時間を算出し、目的地までの到着予定時間が最も早いルートを選択する。
【0038】
なお、コントローラ12は、渡船30の駆動を許可する場合、通信端末15から通信端末15の端末位置情報を受け付けて、通信端末15が第1位置、或いは第1位置に近い位置にあると判定した場合に、渡船30の駆動を許可して第2位置を渡船30の目的地として設定することが好ましい。また、コントローラ12は、渡船30が第1位置にないときに、通信端末15からの入力に応じて識別情報を受け付けた場合、他のユーザが渡船30を利用して可能性が高いので、現在実行している自動制御を優先して実行する。
【0039】
コントローラ12は、第2位置を目的地として設定した後に渡船30を第1位置から第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する(図4のS15)。渡船30の自動制御は、操船コントローラ14を介して実行される。コントローラ12は、例えば、渡船30に設けられるボタンなどの操作部の操作に応じて、渡船30を第1位置から第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する。コントローラ12は、例えば、設定した目的地、目的地までのルート、及び到着予定時間などを通信端末15に出力する。コントローラ12は、渡船30に設けられるディスプレイ38に設定した目的地、目的地までのルート、及び到着予定時間などを表示させるように構成されてもよい。
【0040】
コントローラ12は、渡船30の自動制御を実行している間、渡船30に配置されるランプを点灯させて、自動制御を実行していることを外部に報知してもよい。
【0041】
コントローラ12は、渡船30の駆動を許可する場合に、渡船の乗員にライフジャケットの装着を促す警告を発してもよい。コントローラ12は、ディスプレイ38にライフジャケットの装着を促す警告を表示させてもよい。コントローラ12は、ライフジャケットの警告に関する応答を例えば、操作部を介してユーザから受けた後で、自動制御を実行してもよい。コントローラ12は、音声でライフジャケットの装着に関する警告を発してもよい。
【0042】
コントローラ12は、位置検出部41の検出結果に基づいて渡船30が第1位置から第2位置に移動したかを判定する(図4のS16)。コントローラ12は、渡船30が第1位置から第2位置に移動したと判定したときは、操船コントローラ14による自動制御を手動制御に切り替える(図4のS17)。これにより、ユーザは、渡船30の操舵装置31を手動で操作して、渡船30を船舶10の搭乗口に寄せることができる。
【0043】
コントローラ12は、渡船30を第1位置から第2位置に移動させた後で所定の条件を満たすかを判定する(図4のS18)。コントローラ12は、所定の条件を満たすと判定した場合は、第1位置情報に基づいて第1位置を目的地として設定し、渡船30を第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する(図4のS19)このとき、コントローラ12は、障害物検知部43の検出結果に基づいて、例えば、複数のルートRの各ルートにおける第1位置までの到着予定時間を算出し、第1位置までの到着予定時間が最も早いルートを選択してもよい。
【0044】
コントローラ12は、渡船30を第1位置から第2位置に移動させた後で、通信端末15からの通知、位置検出部41の検出結果、音声認識部42の検出結果、或いは検知部47の検出結果に基づいて、所定の条件を満たすかを判定する。
【0045】
コントローラ12は、通信端末15から所定の通知を受けた場合、所定の条件を満たすと判定する。コントローラ12は、例えば、アプリケーションを介して通信端末15から船舶10aに搭乗した旨の通知を受けた場合に、渡船30を第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する。
【0046】
コントローラ12は、位置検出部41の検出結果に基づいて渡船30が第2位置から所定距離以上離れているかを判定し、渡船30が所定距離以上離れていると判定した場合、所定の条件を満たすと判定する。例えば、ユーザが船舶10aに乗船した後で、渡船30を蹴りだして渡船30を第2位置から離すことで、渡船30を第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行させることが可能になる。なお、この条件では、風などの影響を受けて、渡船30が第2位置から離れて意図せずに渡船30を自動的に第1位置に移動させる自動制御が実行される可能性がある。このため、コントローラ12は、位置検出部41の検出結果に基づく所定の条件を満たすか否かの判定は必須の構成でなくてもよい。
【0047】
コントローラ12は、音声認識部42の検出結果に基づいて、ユーザが船舶10aに搭乗したか否かを判定する。コントローラ12は、例えば、音声認識部42が「乗船完了」といった音声を認識した場合に、所定の条件を満たすと判定する。
【0048】
検知部47は、例えば、浮標46aに配置される検知センサである。検知部47は、船舶10aが第2位置から離れたことを検知する。検知部47は、接続部材46bが船舶10aから離れたことを検知する。検知部47は、例えば、接続部材46bに固定されたユーザの船舶10から延びるロープ或いは鎖が接続部材46bから取り外されたことを検知する。検知部47は、例えば、操船コントローラ14を介して検知結果をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、接続部材46bが船舶10aから離れたことを検知部47が検知した場合、所定の条件を満たすと判定する。
【0049】
渡船の制御システム1は、カメラ51と、落水検知部52、報知部53とを備える。カメラ51は、渡船30を撮影して画像データを生成する。カメラ51は、渡船30に配置されている。カメラ51は、渡船30の前方、後方、左側方、及び右側方を撮影する。落水検知部52は、カメラ51の画像データに基づいて渡船30の乗船者の落水を検知する。コントローラ12は、落水検知部52の検知結果に基づいて、乗船者が落水したかを判定する。
【0050】
コントローラ12は、落水検知部52が乗船者の落水を検知した場合に報知部53を介して警告を外部に報知する。報知部53は、渡船30に配置されるスピーカーを含む。報知部53は、スピーカーを介して外部に報知音を出力する。コントローラ12は、落水検知部52が乗船者の落水を検知した場合に例えばマリーナ20の管理運営会社に報知する。コントローラ12は、落水検知部52が乗船者の落水を検知した場合、渡船30の自動制御を解除してもよい。
【0051】
船舶10のユーザは、通信端末15を用いて、渡船30を第2位置に呼び出すことが可能である。ユーザは、アプリケーションを用いて、通信端末15の端末位置情報をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、通信端末15から通信端末15の端末位置情報を受け付けると(図5のS21)、通信端末15の端末位置情報に基づいて通信端末15が第2位置にあるかを判定する(図5のS22)。コントローラ12は、通信端末15が第2位置にあると判定した場合、渡船30が第1位置にあるかを判定する(図5のS23)。コントローラ12は、渡船30が第1位置にあると判定した場合、第2位置情報に基づいて第2位置を目的地として設定し、渡船30を第1位置から第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する(図5のS24)。このとき、コントローラ12は、障害物検知部43の検出結果に基づいて、複数のルートRから1つのルートを選択する。
【0052】
コントローラ12は、端末位置情報に基づいて通信端末15が第2位置にあると判定した場合、渡船30が第2位置に到着するまでの時間に関する情報を通信端末15に出力する。ユーザは、例えば、アプリケーションを介して渡船30の到着時間を確認することができる。
【0053】
コントローラ12、端末位置情報に基づいて通信端末15が第2位置にあると判定した場合、渡船30の現在地情報及び目的地情報を通信端末15に出力する。ユーザは、例えば、アプリケーションを介して渡船30の現在地情報及び目的地情報を確認することができる。
【0054】
なお、コントローラ12は、渡船30が第1位置にないと判定した場合は、現在実行している自動制御の終了後に、渡船30を第1位置から第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行してもよい。
【0055】
コントローラ12は、渡船30が第1位置から2位置に移動した後で、渡船30に設けられるボタンなどの操作部の操作に応じて、渡船30を第2位置から第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する。
【0056】
上述した渡船の制御システム1では、コントローラ12は、船舶10のユーザを識別する識別情報に基づいて渡船30の駆動を許可するので、マリーナ20が休日の場合でも、ユーザは、マリーナ20の渡船30を利用して係留保管された船舶10まで行くことができる。また、マリーナ関係者以外が勝手に渡船30を利用することを防止できる。さらに、コントローラ12は、ユーザの船舶10の係留保管位置に対応する位置を渡船30の目的地として設定するので、ユーザは、係留保管された船舶10まで容易に行くことができる。
【0057】
また、コントローラ12は、渡船30を目的地まで自動的に移動させる自動制御するので、マリーナ20に係留保管された他人の船舶に間違って行くことを防止できる。また、他人のボートに勝手に乗り込むことを防止できる。
【0058】
<他の実施形態>
前記実施形態では、船舶推進器33の駆動ユニット35は、電動モータ35aでプロペラを回転させていたが、船舶推進器33は、駆動ユニット35は、内燃エンジン或いは内燃エンジンと電動モータとのハイブリッドシステムであってもよい。船舶推進器33の数は、複数であってもよい。サーバ3は、渡船30に配置されてもよい。
【0059】
前記実施形態では、渡船30を自動的に移動させる自動制御を実行していたが、ユーザの手動操作により、渡船30が第1位置から第2位置、或いは第2位置から第1位置へ移動する構成であってもよい。
【0060】
前記実施系形態では、ユーザの船舶10を係留保管するマリーナ20において渡船の制御システム1を採用していた。しかしながら、渡船の制御システム1は、マリーナ20に設置させる渡船に限らず水上の特定の位置に係留保管された船舶までユーザを運ぶ渡船に採用されてもよい。
【0061】
図6に示すように、マリーナ20は、少なくとも1つの桟橋60を含んでもよい。水上に浮かぶ少なくとも1つの桟橋60を設けたマリーナ20aにおいて、渡船の制御システムを採用してもよい。ユーザの船舶10は、少なくとも1つの桟橋60に係留保管されてもよい。この場合、少なくとも1つの桟橋60は、マリーナ20がある陸地から離れており、少なくとも1つの桟橋60を用いてユーザの船舶10まで歩いていくことはできない。
【0062】
図6に示す例では、少なくとも1つの桟橋60は、複数の桟橋60a~60cを含む。複数の桟橋60a~60cのそれぞれには、複数の船舶10が係留保管される。記憶部13は、複数の桟橋60a~60cのそれぞれに設定される渡船30の着岸位置に関する桟橋位置情報を記憶する。すなわち、ユーザの船舶10の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報は、ユーザの船舶10が係留保管される桟橋の桟橋位置情報に対応する。桟橋位置情報は、識別情報に紐づけられている。
【符号の説明】
【0063】
10:船舶、12:コントローラ、13:記憶部、15:通信端末、41:位置検出部、42:音声認識部、43:障害物検知部、44:バッテリ、45:充電装置、46:係留部材、46a:浮標、46b:接続部材、47:検知部、51:カメラ、52:落水検知部、53:報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2025-01-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の制御システムであって、
コントローラと、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情報と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する記憶部と、
を備え、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定する、
渡船の制御システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第2位置を目的地として設定した後に前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に移動させた後で所定の条件を満たすかを判定し、前記所定の条件を満たす場合は、前記第1位置情報に基づいて前記第1位置を目的地として設定し、前記渡船を前記第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項2に記載の渡船の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記ユーザが使用する通信端末から所定の通知を受けた場合に、前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項3に記載の渡船の制御システム。
【請求項5】
前記渡船の位置情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記コントローラは、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記渡船が前記第2位置から所定距離以上離れているかを判定し、前記渡船が前記所定距離以上離れているときは前記所定の条件を満たすと判定する、
請求項3に記載の渡船の制御システム。
【請求項6】
前記ユーザが発話した音声を認識する音声認識部をさらに備え、
前記コントローラは、前記音声認識部の検出結果に基づいて前記所定の条件を満たすかを判定する、
請求項3に記載の渡船の制御システム。
【請求項7】
前記船舶が前記第2位置から離れたことを検知する検知部をさらに備え、
前記コントローラは、前記渡船が前記第2位置に位置する場合に、前記検知部の検知結果に基づいて前記船舶が前記第2位置から離れたと判定した場合は、前記第1位置情報に基づいて前記第1位置を目的地として設定し、前記渡船を前記第1位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項8】
前記船舶を係留する浮標と、前記浮標と前記船舶とを接続する接続部材とを含む係留部材をさらに備え、
前記検知部は、前記接続部材が前記船舶から離れたことを検知し、
前記コントローラは、前記接続部材が前記船舶から離れたことを前記検知部が検知した場合に前記船舶が前記第2位置から離れたと判定する、
請求項7に記載の渡船の制御システム。
【請求項9】
前記渡船を撮影して画像データを生成するカメラと、
前記カメラの前記画像データに基づいて前記渡船の乗船者の落水を検知する落水検知部と、
前記落水検知部が前記乗船者の落水を検知した場合に警告を外部に報知する報知部と
をさらに備える、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項10】
前記渡船の位置情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記コントローラは、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記渡船が前記第1位置から前記第2位置に移動したかを判定し、前記渡船が前記第1位置から前記第2位置に移動したときは、前記自動制御を手動制御に切り替える、
請求項に記載の渡船の制御システム。
【請求項11】
前記第2位置情報は、前記ユーザの前記船舶を係留する浮標の位置情報を含む、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項12】
障害物検知部をさらに備え、
前記記憶部は、前記第1位置から前記第2位置までの複数のルートを記憶し、
前記障害物検知部は、前記複数のルートのルート上の障害物を検出し、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記障害物検知部の検知結果に基づいて、前記複数のルートから1つのルートを選択する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記ユーザが使用する通信端末から前記通信端末の端末位置情報を受け付けると、前記端末位置情報に基づいて前記通信端末が前記第2位置にあるかを判定し、前記通信端末が前記第2位置にあるときは、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定し、前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行する、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記端末位置情報に基づいて前記通信端末が前記第2位置にあると判定した場合、前記渡船が前記第2位置に到着するまでの時間に関する情報を前記通信端末に出力する、
請求項13に記載の渡船の制御システム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記端末位置情報に基づいて前記通信端末が前記第2位置にあると判定した場合、前記渡船の現在地情報及び目的地情報を前記通信端末に出力する、
請求項13に記載の渡船の制御システム。
【請求項16】
前記渡船に配置されるバッテリと、
前記渡船が前記第1位置にあるときに前記バッテリに電力を供給可能な充電装置と、
をさらに備える、
請求項1に記載の渡船の制御システム。
【請求項17】
係留保管された船舶までユーザを運ぶ渡船の制御システムであって、
コントローラと、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する記憶部と、
を備え、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定する、
渡船の制御システム。
【請求項18】
ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船の制御方法であって、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶することと、
前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定すること、
を備える、渡船の制御方法。
【請求項19】
前記第2位置を目的地として設定した後に前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行することをさらに備える、
請求項18に記載の渡船の制御方法。
【請求項20】
ユーザの船舶を係留保管するマリーナに設置される渡船であって、
コントローラと、
前記ユーザを識別する識別情報と、前記渡船が離着岸する第1位置に関する第1位置情と、前記ユーザの前記船舶の係留保管位置に対応する水上の第2位置に関する第2位置情報とを記憶する記憶部と、
を備え、
前記コントローラは、前記識別情報を受け付けると、前記渡船の駆動を許可し、前記第2位置情報に基づいて前記第2位置を目的地として設定する、
渡船。
【請求項21】
前記コントローラは、前記第2位置を目的地として設定した後に前記渡船を前記第1位置から前記第2位置に自動的に移動させる自動制御を実行することをさらに備える、
請求項20に記載の渡船。