(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004143
(43)【公開日】2025-01-14
(54)【発明の名称】表面形状を有するセラミックウエハ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20250106BHJP
B24B 7/22 20060101ALI20250106BHJP
B24B 7/17 20060101ALI20250106BHJP
C04B 41/91 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
H01L21/304 631
B24B7/22 Z
B24B7/17 Z
C04B41/91
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024175535
(22)【出願日】2024-10-07
(62)【分割の表示】P 2022181689の分割
【原出願日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】111130738
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519330098
【氏名又は名称】鴻創應用科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HONG CHUANG APPLIED TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100165663
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100228658
【弁理士】
【氏名又は名称】永原 彩子
(72)【発明者】
【氏名】曾彦凱
(72)【発明者】
【氏名】江柏萱
(72)【発明者】
【氏名】江瑞鳳
(57)【要約】
【課題】 表面形状を有するセラミックウエハ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、表面形状を有するセラミックウエハ及びその製造方法を提供するものであり、前記セラミックウエハは上面と、下面とを有し、前記上面及び前記下面の少なくとも一方が不規則な表面形状を有する。前記上面と前記下面との間の全面厚みのばらつき(total thickness variation、TTV)の値が0.1~100μmの範囲である。本発明の表面形状を有するセラミックウエハは、ウエハ全面の厚みのばらつきを制御することにより、コーティングに寄与するだけではなく、流体の流れを促進することもでき、その後の製造工程においてコーティングの接合力を向上させ、表面の欠陥を減らすことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、下面とを有し、前記上面及び前記下面の双方が不規則ではない表面形状を有し、
前記上面と前記下面との間の全面の厚みのばらつき(total thickness variation、TTV)の値が0.1~100μmの範囲である
表面形状を有するセラミックウエハ。
【請求項2】
前記表面の全面の厚みのばらつきの値は、0.1~10μmの範囲である請求項1に記載の表面形状を有するセラミックウエハ。
【請求項3】
前記表面形状は、表が凸で裏が平面、表が凹で裏が平面、表が凸で裏が凸、表が凹で裏が凸、表が凸で裏が凹、表が凹で裏が凹である請求項1に記載の表面形状を有するセラミックウエハ。
【請求項4】
前記セラミックウエハの材料は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ、酸化ケイ素、炭化ケイ素の窒化物、酸化物又は炭化物である請求項1に記載の表面形状を有するセラミックウエハ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の表面形状を有するセラミックウエハの製造方法であって、
(1)セラミック生素地を高温処理してセラミックシートに加工して製造し、又は(2)表面に薄膜又は回路を有し、再生されるセラミックウエハを用意する工程1、及び、
前記セラミックシート或いは前記再生されるセラミックウエハを載置円板に置き、前記セラミックシートの上面及び下面に対し研削、研磨、エッチング、プラズマ又は機械加工を含む加工処理を施し、表面形状を有するセラミックウエハを形成する工程2
を含む、製造方法。
【請求項6】
前記研削は、片面研削で、前記載置円板の角度を調整することにより、砥石で前記セラミックウエハの表面を研削させ、又は砥石或いは研削ディスクの角度を調整するか、前記砥石の角度形状を制御して前記セラミックウエハの表面を研削させる請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記研削は、両面研削であり、前記セラミックウエハの表面を研削するため、研削ディスクの形状を調整する請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記研磨は、片面研磨であり、前記セラミックウエハの表面を研磨するため、研磨ディスクの角度又は形状を調整する請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
前記研磨は、両面研磨で、前記セラミックウエハの表面を研磨するため、研磨ディスクの角度又は形状を調整する請求項5に記載の製造方法。
【請求項10】
前記エッチング方法は、乾式エッチング又は湿式エッチングである請求項5に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックウエハに関し、特に、表面形状を有するセラミックウエハに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なウエハの製造の流れには、得られたウエハを研削してウエハの表面を平坦化させ、ウエハの厚みが全面に亙って一定化され、さらに研磨を介して研削後によって生じたウエハ表面の凹凸を取り除いた場合、平坦なウエハが得られることを含む。
【0003】
研削の目的は、ウエハをラッピングし、厚みを許容範囲内に制御することであり、研磨の目的は研削によって生じた欠陥を改善しつつ、ウエハ表面の平坦度、平滑度及び平面度を向上させ、ウエハの表面を平滑にさせることで、パーティクルが付着しにくくするためである。これは、ウエハの欠陥原因の多くがパーティクル、結晶起因ピット、残留物又はスクラッチであるためである。したがって、研削・研磨プロセスはウエハの最終的な厚み及び表面粗さを決定し、ウエハの最終仕上げにも影響を与える。ウエハが厚すぎた場合、放熱の不良が生じ、薄すぎた場合、破損が発生しやすくなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことから分かるように、一般的なウエハの製造工程では、ウエハの表面を平面化しなければならないが、本発明者は半導体の製造工程において、多くの流体(液体又は気体)は厚みむらのウエハ、すなわち表面形状を有するセラミックウエハの表面を通過するとき、流体の流れを助け薄膜の歩留まりを向上するのに役立つことを見出した。
【0005】
本発明は、その後のコーティング工程及びセラミックの接合強度に寄与する表面形状を有するセラミックウエハを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、上面と、下面とを有し、前記上面及び前記下面の少なくとも一方が不規則な表面形状を有し、前記上面と前記下面との間の全面の厚みのばらつき(total thickness variation、TTV)の値が0.1~100μmの範囲である表面形状を有するセラミックウエハを提供することである。
【0007】
本発明の一実施例によれば、前記表面の全面の厚みのばらつきの値は、0.1~10μmの範囲である。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記表面形状は、表が凸で裏が平面、表が凹で裏が平面、表が不規則で裏が平面、表が凸で裏が凸、表が凹で裏が凸、表が不規則で裏が凸、表が凸で裏が凹、表が凹で裏が凹、表が不規則で裏が凹、表が凸で裏が不規則、表が凹で裏が不規則、表が不規則で裏が規則である。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記セラミックウエハの材料は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ、酸化ケイ素、炭化ケイ素の窒化物、酸化物又は炭化物である。
【0010】
本発明の別の目的は、(1)セラミック生素地を高温処理してセラミックシートに加工して製造し、又は(2)表面に薄膜又は回路を有し、再生されるセラミックウエハを用意する工程と、前記セラミックシート或いは前記再生されるセラミックウエハを載置円板に置き、前記セラミックシートの上面及び下面に対し研削、研磨、エッチング、プラズマ又は機械加工を含む加工処理を施し、表面形状を有するセラミックウエハを形成する工程とを含む前記表面形状を有するセラミックウエハの製造方法を提供することである。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記研削は、片面研削で、前記載置円板の角度を調整することにより、砥石で前記セラミックウエハの表面を研削させ、又は砥石或いは研削ディスクの角度を調整するか、前記砥石の角度形状を制御して前記セラミックウエハの表面を研削させる。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記研削は、両面研削であり、前記セラミックウエハの表面を研削するため、研削ディスクの形状を調整する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記研磨は、片面研磨であり、前記セラミックウエハの表面を研磨するため、研磨ディスクの角度又は形状を調整する。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記研磨は、両面研磨で、前記セラミックウエハの表面を研磨するため、研磨ディスクの角度又は形状を調整する。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記エッチング方法は、乾式エッチング又は湿式エッチングである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により提供される利点は、本発明の表面形状を有するウエハは、コーティング工程に寄与でき、かつ流体が厚みむらの表面を通過する時、流体の流れを助けるため、その後の工程中の薄膜の歩留まりを向上させることができる。
【0017】
図面を参照しつつ例を挙げて本発明の技術の実施を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例に係る異なる表面形状を有するセラミックウエハの概略図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る片面研削方法の概略図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る両面研削方法の概略図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る片面研磨方法の概略図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る両面研磨方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の各態様は、図面に示される構成、手段、及び特徴に限定されないことを理解されたい。
【0020】
一般的な慣行によると図面上の各種特徴及び構成要素は、実際の寸法比率で描かれていないが、本発明に関連する具体的特徴及び構成要素を提示するために最適な方法で描かれている。また、異なる図面の間において同一又は類似の符号で類似の構成要素及び部材を表す。
【0021】
以下の実施形態は、本発明を過度に限定すると見なされるべきではない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本明細書で論じられる実施例を修正及び変化することができ、かかる修正や変化も本発明の範囲に網羅される。
【0022】
本明細書で使用される「1つ」及び「1種」という用語は、本明細書における構成要素が1個又は2個以上(すなわち、少なくとも1個)を示している。
【0023】
本発明により提供される表面形状を有するセラミックウエハは、上面と、下面とを有し、前記上面及び前記下面の少なくとも一方が不規則な表面形状を有し、前記上面と前記下面との間の全面の厚みのばらつき(total thickness variation、TTV)の値が0.1~100μmの範囲であり、例えば0.2μm~100μmの範囲、0.5μm~100μmの範囲、1.5μm~100μmの範囲、3.5μm~100μmの範囲、5.5μm~100μmの範囲、9.5μm~100μmの範囲、15μm~100μmの範囲、35μm~100μmの範囲、55μm~100μmの範囲、0.2μm~50μmの範囲、0.2μm~60μmの範囲、0.1μm~80μmの範囲、0.1μm~90μmの範囲、0.1μm~55μmの範囲、0.1μm~30μmの範囲、0.1μm~20μmの範囲、0.1μm~15μmの範囲、0.1μm~10μmの範囲、0.2μm~15μmの範囲、0.2μm~25μmの範囲、0.2μm~40μmの範囲、0.1μm~1μmの範囲、0.1μm~0.8μmの範囲、0.1μm~0.6μmの範囲、0.1μm~0.4μmの範囲又は0.1μm~0.2μmの範囲であるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、前記表面の全面の厚みのばらつきの値は、0.1~10μmの範囲であり、例えば0.2μm~10μmの範囲、0.5μm~10μmの範囲、0.8μm~10μmの範囲、1μm~10μmの範囲、3μm~10μmの範囲、5μm~10μmの範囲、7μm~10μmの範囲、9μm~10μmの範囲、1μm~6μmの範囲、3μm~7μmの範囲、4μm~8μmの範囲、5μm~9μmの範囲、6μm~7μmの範囲、6μm~8μmの範囲、6μm~9μmの範囲、7μm~8μmの範囲、7μm~9μmの範囲又は8μm~9μmの範囲であるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書に記載の「全面の厚みのばらつき(total thickness variation,TTV)」は、ウエハの最も厚い部分と最も薄い部分との厚みの差である。具体的に言えば、ウエハが基準面に密着している場合、ウエハの基準面から厚みの最大値と最小値の差である。
【0025】
図1を参照すると、前記セラミックウエハ100の上面は、セラミックウエハ100の表面(以下、「表」と略する。)で、前記セラミックウエハ100の下面はセラミックウエハ100の裏面(以下、「裏」と略する。)であり、前記上面及び前記下面の少なくとも一方が不規則な表面形状を有する。好ましい実施形態において、前記上面は、凹面、凸面又は不規則状を呈し、前記下面は平面、凹面又は凸面を呈する。したがって、前記セラミックウエハ100の形状は、表が凸で裏が平面(A)、表が凹で裏が平面(B)、表が不規則で裏が平面(C)、表が凸で裏が凸(D)、表が凹で裏が凸(E)、表が不規則で裏が凸(F)、表が凸で裏が凹(G)、表が凹で裏が凹(H)、表が不規則で裏が凹(I)、表が凸で裏が不規則(J)、表が凹で裏が不規則(K)、表が不規則で裏が規則(L)であることを含むがこれらに限定されない。前記表面形状を有するセラミックウエハ100は、その後のコーティング工程に寄与し、セラミック接合強度を高める。
【0026】
本明細書に記載の「セラミックウエハ」は、多結晶又は単結晶材料で、その成分がセラミック又は半導体材料である。ここで「セラミック」とは、金属と非金属の化合物を高温処理した非金属無機質固体材料をいい、これにはケイ酸塩、酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、ホウ化物などを含み、好ましくは窒化アルミニウム、アルミナ、炭化ケイ素及び窒化ケイ素から成る群から選択されるものを含むが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、前記セラミックウエハの材料は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ、酸化ケイ素、炭化ケイ素の窒化物、酸化物又は炭化物である。セラミックは、高誘電率、絶縁性、高熱伝導率、耐熱性及び良好な放熱性を持ち、特に高湿度下で安定した性能を備え、電子製品の製造に適合し、またセラミックウエハは加工性が良く、高い精度を有するウエハサイズを製造することができる。
【0027】
本明細書に記載の「単結晶又は多結晶材料」とは、単結晶方位材料及び多結晶方位材料を指す。その相違点は、溶融した単体物質が凝固する時、原子がダイヤモンド格子で多数の結晶核を配列し、前記結晶核が同じ結晶面方位の結晶粒に成長した場合単結晶材料を形成し、これとは対照的に結晶核が結晶面方位の異なる結晶粒に成長した場合、多結晶材料を形成する。
【0028】
また、本発明は、
(1)セラミック生素地を高温処理してセラミックシートに加工して製造し、又は(2)表面に薄膜又は回路を有し、再生されるセラミックウエハを用意する工程1、及び
前記セラミックシート或いは前記再生されるセラミックウエハを載置円板に置き、前記セラミックシートの上面及び下面に対し研削、研磨、エッチング、プラズマ又は機械加工を含む加工処理を施し、表面形状を有するセラミックウエハを形成する工程2
を含む、前記表面形状を有するセラミックウエハの製造方法も提供する。
【0029】
工程1の(1)セラミック生素地を生成する製造方法は、セラミック粒子から製造工程を経てセラミック生素地を形成する工程を含み、前記セラミック生素地は高温処理及び加工された後で、セラミックシートを形成する。
【0030】
本明細書に記載のウエハの加工処理種類には、化学加工、機械加工及び化学機械加工が含まれる。
【0031】
図2を参照すると、好ましい実施形態において、本発明の研削方法は片面研削200であり、具体的に言えば、セラミックウエハ220を、載置円板230を設けた高速回転テーブルに置き、前記セラミックウエハ220を載置円板230の回転中心に固定させてから回転し、載置円板230を砥石210に押し付けさせ、砥石210でセラミックウエハ220の一表面をゆっくりと研削加工する。ここで、片面研削は、前記載置円板230の角度を調整して、砥石210で前記セラミックウエハ220の表面を研削(A)するか、又は砥石210の角度を調整或いは前記砥石210の角度形状を制御(B)して、前記セラミックウエハ220の表面を研削することで、セラミックウエハ220の表面形状を制御する。片面研削を使用する場合、均一性を高めるため、セラミックウエハの裏面にUV接着剤、ホットメルト接着剤を貼り付ける或いはコーティング材を塗布することができる。
【0032】
本明細書に記載の「載置円板」は、真空チャック又はチャックであり得、前記真空チャックはセラミックウエハと載置円板との間に真空を形成することによって、セラミックウエハを吸着し、前記チャックはセラミックウエハを囲繞して掴むことで、前記セラミックウエハを適切な位置に固定する。
【0033】
図3を参照すると、好ましい実施形態において、本発明の研削方法は、両面研削300であり、具体的に言えば、セラミックウエハ320を、下部研削ディスク330を設けた高速回転テーブルに置き、前記セラミックウエハ320を下部研削ディスク330の回転中心に固定させ、上部研削ディスク310及び下部研削ディスク330を前記セラミックウエハ320に密着させ、同時に両面加工を行う。ここで、両面研削は、研削ディスク(A)の角度又は研削ディスク上の研削歯(図示せず)(B)の形状を調整して、前記セラミックウエハ320の表面を研削することで、前記セラミックウエハ320の表面形状を制御する。
【0034】
図4を参照すると、好ましい実施形態において、本発明の研磨方法は片面研磨400であり、具体的に言えば、セラミックウエハ420を、研磨ディスク430を設けた高速回転テーブルに置き、前記セラミックウエハ420を研磨ディスク430の回転中心に固定させてから回転し、研磨ディスク430を砥石410に押し付けさせ、研磨ディスク430でセラミックウエハ420の一表面をゆっくりと研磨する。ここで、片面研磨は、研磨ディスク430の角度(A)又は研磨ディスク430の形状(B)を調整して、前記セラミックウエハ420の表面を研磨し、研磨ディスク430の角度或いは形状を調整することにより、前記セラミックウエハ420の表面形状を制御できる。
【0035】
図5を参照すると、好ましい実施形態において、本発明の研磨方法は、両面研磨500であり、具体的に言えば、セラミックウエハ520を、下部研磨ディスク530を設けた高速回転テーブルに置き、前記セラミックウエハ520を下部研磨ディスク530の回転中心に固定させ、上部研磨ディスク510及び下部研磨ディスク530を前記セラミックウエハ520に密着させ、同時に両面加工を行う。ここで、両面研磨は、研磨ディスク530の角度(A)又は形状(B)を調整して、前記セラミックウエハ520の表面を研磨し、上下部研磨ディスクの角度或いは形状を調整することにより、セラミックウエハの表面に異なる形状を有させる。
【0036】
好ましい実施形態において、本発明のエッチング方法は、乾式エッチング又は湿式エッチングであり、前記セラミックウエハをエッチング液に浸漬して、表面に形状を有するようにセラミックウエハをエッチングする。好ましい実施形態において、本発明もセラミックウエハの表面にプラズマダメージを与える方法により、表面形状を有するセラミックウエハを形成することができる。
【実施例0037】
以下の本発明の各態様の非限定的な実施例は、主に本発明の各態様及び奏する効果を説明するために提供される。
【0038】
以下は、表面形状を有するセラミックウエハの非限定的な製造方法を提供する。上記に開示された方法に類似する方法で、3つの非限定的な実施例の表面形状を有するセラミックウエハ(実施例1~3)及び3つの比較例の表面形状を有するセラミックウエハ(比較例1~3)を製造する。しかし、実施例1~3及び比較例1~3を製造する具体的な方法は1つ又は複数の点で、上記に開示された方法とは異なる。
【0039】
(表面欠陥の測定)
ここで、本発明は、上記セラミックウエハの表面欠陥を測定する。具体的に言えば、測定の流れは、セラミックウエハにコーティングを施した後、顕微鏡で欠陥の個数、大きさ、形状を検査し、測定した。
【0040】
実施例1~3及び比較例1~3を評価して、これらの表面形状を有するセラミックウエハの特性を判断した。表1は、 実施例1~3及び比較例1~3の属性概要及びこれらの表面形状を有するセラミックウエハのコーティング後の欠陥状態を示している。
【0041】
【0042】
前記測定結果によると、実施例1は300個程度の表面欠陥があり、実施例2は10個の表面欠陥があり、実施例3は15個の表面欠陥があり、比較例1~3と比較した場合、欠陥の数及び欠陥の大きさが少ない。
【0043】
本発明の具体的実施例の測定結果によれば、セラミックウエハ全面の厚みのばらつきを制御することによって、本発明により提供されるセラミックウエハはコーティング後の表面欠陥が良好に改善され、セラミックウエハ全体の歩留まりを向上させることができることが分かる。
【0044】
要するに、本発明の表面形状を有するセラミックウエハの表面は、不規則状を有し、全面の厚みのばらつき(TTV)が0.1~100μmの範囲である場合、コーティング工程に寄与し、かつ流体が厚みむらの表面を通過するとき、流体の流れを助け、その後の製造工程中のセラミック接合強度を高めることができる。
【0045】
本明細書において提供される全ての範囲は、所定の範囲内の各特定の範囲、及び所定の範囲間のサブ範囲の組み合わせを含むことが意図されている。また、本明細書に明確に記載されるあらゆる範囲は、特に明示されていない限り、その終点を含む。したがって、1~5の範囲には、特に1、2、3、4、及び5と、2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などのサブ範囲が含まれる。
【0046】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許出願案件は、参照により本明細書に組み込まれ、ありとあらゆる目的のために、個々の刊行物又は特許出願案件は、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている。本明細書と、参照により本明細書に組み込まれている刊行物または特許出願案件との間に矛盾がある場合、本明細書が優先される。
【0047】
本明細書で使用される「備える」、「有する」及び「含む」という用語は、オープンエンドで非限定的な意味を有する。「1つの」及び「該」という用語は、文脈上明らかに単数形であることが示されない限り、複数形も同様に含むことを意図する場合がある。「1つ以上」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、したがって単一の特徴又は混合物/組み合わせを含むことができる。
【0048】
明細書記載の実施例以外で、又は特に明記されていない限り、成分の量及び/又は反応条件を表す全ての数値は、全ての場合に「約」という用語で修飾できる。これは、示された数値の±5%以内を意味する。本明細書で使用する場合、「基本的に含まない」又は「実質的に含まない」という用語は、特定の特徴が約2%未満であることを意味する。本明細書に明確に記載されている全ての要素又は特徴は、特許請求の範囲から否定的に除外することができる。
【0049】
以上、本発明を詳細に説明したが、以上の述べるものは本発明の好ましい実施例のみであって、本発明の実施範囲はこれに限定されることがなく、本発明の特許請求の範囲に基づいて行う均等な変化と潤色をなし得ることは本発明の保護範囲内に含めるものであるのが勿論である。