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特開2025-41555一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法
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  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図1A
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図1B
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図1C
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図2
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図3
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図4A
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図4B
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図5
  • 特開-一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025041555
(43)【公開日】2025-03-26
(54)【発明の名称】一体型光流体調査モジュール、一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1434 20240101AFI20250318BHJP
   G01N 15/1409 20240101ALI20250318BHJP
   G01N 21/05 20060101ALI20250318BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20250318BHJP
【FI】
G01N15/1434
G01N15/1409 100
G01N21/05
G01N21/64 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024154236
(22)【出願日】2024-09-06
(31)【優先権主張番号】63/537165
(32)【優先日】2023-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー サカイ
(72)【発明者】
【氏名】イルフン タイラー サイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レーザービームをフローセル内のコアストリームに整列させるように構成されている光モジュールを提供する。
【解決手段】一体型光流体調査モジュール100であり、粒子をフローストリーム102内で運ぶための光透過性流路を有するフローセル101、フローセルと一体化されフローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイ113、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラ111a、111b、111cとを備えている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
前記フローセルと一体化され、前記フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
前記線形ファイバアレイに複数の光源を動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を備えている、一体型光流体調査モジュール。
【請求項2】
前記非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、請求項1に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項3】
前記非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、請求項2に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項4】
前記非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を前記焦点に投射するように構成されている、請求項1~3のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項5】
前記線形ファイバアレイの非円形状コア光ファイバは垂直方向に積み重ねられている、請求項1~4のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項6】
前記線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コア光ファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、請求項5に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項7】
前記線形ファイバアレイは、前記フローセルの外面に取り付けられている、請求項1~6のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項8】
前記フローセルと一体化されて前記非円形状コア光ファイバから前記焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を更に備えている、請求項1~7のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項9】
前記集束光学系は前記フローセルに埋め込まれている、請求項8に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項10】
前記集束光学系は複数のマイクロレンズを有している、請求項8又は9に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項11】
前記フローセルと一体化されている光検出器を更に備えている、請求項1~10のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項12】
前記焦点と前記光検出器との間に配置されている光学フィルタを更に備えている、請求項11に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項13】
前記光検出器は、前記フローセルの外面に取り付けられている、請求項11又は12に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項14】
複数の光源、及び
一体型光流体調査モジュール
を備えており、
前記一体型光流体調査モジュールは、
粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
前記フローセルと一体化され、前記フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
前記複数の光源を前記線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を有している、フローサイトメータ。
【請求項15】
試料を分析する方法であって、
(a) 複数の光源、及び一体型光流体調査モジュールを備えているフローサイトメータであって、前記一体型光流体調査モジュールが、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、前記フローセルと一体化され、前記フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、前記複数の光源を前記線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを有している前記フローサイトメータに粒子試料を導入し、
(b) 前記粒子試料をフローサイトメトリで分析する、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フローサイトメトリは、血液試料の細胞又は別のタイプの生体試料若しくは化学的試料の注目する粒子などの生体物質を特性評価し、場合によっては選別するために使用される技術である。フローサイトメータは一般的に、血液試料などの流体試料を受けるための試料リザーバと、シース流体を含むシースリザーバとを備えている。フローサイトメータは、流体試料中の(細胞を含む)粒子を細胞流としてフローセルに運ぶ一方、シース流体をフローセルに更に導く。フローストリームの成分を特性評価するために、フローストリームに光源からの光を照射する。形態又は蛍光標識の存在などのフローストリーム中の生体物質の変化は、観測する光を変化させる場合があり、これらの変化は特性評価及び分離を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来のフローサイトメータでは、光が意図したようにフローセルを照射するように、フローセルは光源及び集光素子と適切に整列する必要がある。フローサイトメータの組立ては、光源及び集光素子とフローセルとの適切な整列を保証するために高度な熟練技術者を必要とする面倒な処理であることが多い。多くの場合、この整列は、フローサイトメータの部品を三次元的に配置するために光源及び/又はフローセルをx-y-zステージに取り付けることにより行われる。加えて、ミラー及び他の光学部品の配置を微調整して、光源から放射される光をフローセルに適切に導く必要がある。このような別々の部品は複雑で機械的な取付けを必要とするため、堅牢性を欠く及び/又はコストが高い場合がある。
【0003】
本発明者らは、レーザビームとフローコアストリームとの整列が信号品質にとって重要であり、利用可能な整列技術には十分な訓練を受けた人、複雑で調整可能な機械部品又は電気機械部品が必要であるため、従来のシステムは、設置及び保守に時間がかかり、コストが高いということを認識している。従って、レーザビームをフローセル内のコアストリームに整列させるように構成されている光モジュールが望ましい。本明細書に記載されている一体型光流体調査モジュール、フローサイトメータ、方法及びキットは、この要望を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様は、一体型光流体調査モジュールを含む。注目する一体型光流体調査モジュールは、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを備えている。場合によっては、非円形状コア光ファイバは、矩形状コア光ファイバ、例えば正方形状光ファイバである。特定の場合、非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている。線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは、一部の実施形態では垂直方向に積み重ねられてもよい。このような実施形態では、線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている。ある場合には、線形ファイバアレイは、フローセルの外面に取り付けられている。ある変形例では、モジュールは、フローセルと一体化されて非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を備えている。集束光学系は、特定の実施形態ではフローセルに埋め込まれてもよい。ある変形例では、集束光学系は複数のマイクロレンズを有している。特定の場合、モジュールは、フローセルと一体化されている光検出器(例えば前方散乱検出器)を備えている。場合によっては、モジュールは、光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを備えている。更なる場合、モジュールは電気線を備えている。特定の場合、モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学マスクを備えている。場合によっては、光検出器はフローセルの外面に取り付けられている。一部の実施形態では、モジュールは、複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラを備えており、複数の光ファイバ集光素子カプラは、場合によっては積み重ねられてもよい(例えば、垂直方向に積み重ねられてもよい)。一部の実施形態に係るモジュールは、試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを更に備えている。場合によっては、モジュールは、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラ、及び/又は、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを備えている。フローセルは、例えばキュベットを有してもよい。ある変形例では、本発明のモジュールは、キュベットの外面に取り付けられているコリメートレンズ(例えばフレネルレンズ)を備えている。一部の実施態様では、コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである。場合によっては、一体型光流体調査モジュールは、N個の非円形状コア光ファイバ、N個の焦点及びN個の光ファイバ光伝達カプラを備えており、Nは2~10の範囲内の整数である。特定の変形例では、フローセルの幅は75mm~125 mmの範囲内である。
【0005】
本発明の態様は、フローサイトメータを更に含む。主題のフローサイトメータは、複数の光源と、(例えば上述されている)本発明の一体型光流体調査モジュールとを備えている。本発明の態様は、試料を分析する方法を更に含む。注目する方法では、本発明のフローサイトメータに粒子試料を導入し、粒子試料をフローサイトメトリで分析する。一体型光流体調査モジュール及び一体型光流体調査モジュールに関連付けられている部品を備えているキットが更に提供される。
【0006】
本発明の態様は、フローサイトメータを組み立てる方法を更に含む。注目する方法では、本発明の一体型光流体調査モジュールをフローサイトメータに配置し、複数の光源を光ファイバ光伝達カプラに動作可能に取り付け、フローサイトメータを組み立てる。場合によっては、方法では更に、モジュールの電気カプラに電気線を動作可能に取り付ける。実施形態では、方法で、複数の光ファイバ集光素子をモジュールの複数の光ファイバ集光素子カプラに動作可能に取り付ける。場合によっては、方法では、フローサイトメータの試料流体ラインをモジュールの試料流体入力カプラに流体的に接続する。ある変形例では、方法で、フローサイトメータのシース流体ラインをモジュールのシース流体入力カプラに流体的に接続する。場合によっては、方法では、フローサイトメータの廃棄ラインをモジュールの流体出力カプラに流体的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、添付図面と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解され得る。図面には、以下の図が含まれる。
【0008】
図1A】本発明のある実施形態に係る一体型光流体調査モジュールを示す図である。
図1B】本発明のある実施形態に係る一体型光流体調査モジュールを示す図である。
図1C】本発明のある実施形態に係る一体型光流体調査モジュールを示す図である。
図2】本発明のある実施形態に係る一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータを示す概略図である。
図3】ある実施形態に係る制御システムを示す図である。
図4A】ある実施形態に係る粒子ソータシステムを示す概略図である。
図4B】ある実施形態に係る粒子ソータシステムを示す概略図である。
図5】ある実施形態に係るコンピューティングシステムを示すブロック図である。
図6】本発明の線形ファイバアレイから得られた照射プロファイルを示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一体型光流体調査モジュールが提供される。注目する一体型光流体調査モジュールは、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを備えている。主題の一体型光流体調査モジュールを備えたフローサイトメータ、及びその使用方法が更に提供される。
【0010】
本発明がより詳細に記載される前に、本発明は、言うまでも無くそれ自体が変わり得るように、記載される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、限定することが意図されていないことを更に理解すべきである。
【0011】
ある範囲の値が与えられる場合、その範囲の上限及び下限の間の、文脈が別段に明示しない限りは下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲内のあらゆる他の記載された値又は介在する値が本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限度を条件として本発明に更に包含される。記載されている範囲が限度の一方又は両方を含む場合、これらの含まれている限度の一方又は両方を除外した範囲も本発明に包含される。
【0012】
本明細書では、数値の前に「約」という用語を付けたある範囲が提示される。「約」という用語は、本明細書では、その用語が先行する正確な数、及びその用語が先行する数に近いか又は近似している数を文字通り裏付けるために使用される。ある数が具体的に記載された数に近いか又は近似しているかを判断する場合、その近いか又は近似している記載されていない数は、具体的に記載されている数が提示されている文脈において、具体的に記載されている数の実質的な等価物を与える数であってもよい。
【0013】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されている専門用語及び科学用語は全て、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されている方法及び材料と同様であるか又は等価なあらゆる方法及び材料が本発明の実施又は試験で更に使用され得るが、代表的で例示的な方法及び材料が記載されている。
【0014】
本明細書に引用されている全ての刊行物及び特許は、個々の刊行物又は特許が、具体的に且つ個別に参照によって夫々組み込まれると示されているかのように参照によって本明細書に組み込まれ、刊行物の引用に関連する方法及び/又は材料を開示して記載すべく、参照によって本明細書に組み込まれる。いかなる刊行物の引用も、出願日以前のその開示のためのものであり、本発明が、先行発明を理由に、そのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なる場合があり、個別に確認する必要があるかもしれない。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されているように、単数形「a」、「an」及び「the 」は、文脈が別段に明示しない限り、複数の指示対象を含むということを留意すべきである。特許請求の範囲は、いかなる任意の要素も排除するように起草されている場合があるということを更に留意すべきである。従って、この記載は、請求項の要素の記載に関する「唯一の(solely)」、「のみの(only)」等の排他的用語の使用、又は「否定的な(negative)」限定の使用のための先行記載として機能すべく意図される。
【0016】
当業者が本開示を読むと明らかであるように、本明細書に記載されて例示された個々の実施形態は夫々、別々の構成要素及び特徴を有しており、別々の構成要素及び特徴は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の複数の実施形態のいずれかの特徴から容易に分離されてもよく、又はいずれかの特徴と容易に組み合わされてもよい。全ての記載された方法は、記載された事象の順序で、又は論理的に可能なあらゆる他の順序で実行され得る。
【0017】
システム及び方法は、機能的な説明との文法的流動性のために記載されているか又は記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条に基づいて明示的に説明されない限り、「手段」又は「ステップ」の構成の限定によっていかなる形であれ必ずしも限定されるものと解釈されるべきではなく、均等物の司法理論に基づく特許請求の範囲によって与えられる定義の意味及び均等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条に基づいて明示的に説明される場合、米国特許法第112条に基づいて完全な法定均等物を付与されるべきであることを明確に理解すべきである。
【0018】
一体型光流体調査モジュール
上述されているように、本発明の態様は、一体型光流体調査モジュールを含む。注目する一体型光流体調査モジュールは、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを備えている。「一体型」光流体調査モジュールとは、少なくともフローセル、線形ファイバアレイ、及び、場合によっては光ファイバ光伝達カプラが、分離された別個の要素として存在するのではなく、結合した一体構造を形成するように互いに組み込まれていることを意味する。フローセル及び線形ファイバアレイは、固定位置で取り付けられるように一体化されてもよく、固定位置は、フローセルのコアストリームとコアストリームに関連する収集光学系とを光学的に整列させるように選択される。従って、場合によっては、一体型光流体調査モジュールの部品(例えば、フローセル、線形ファイバアレイなど)は、例えば適切な光学的整列を経時的に維持するように互いに対して固定位置に存在する。場合によっては、一体型光流体調査モジュールの部品(例えば、フローセル、線形ファイバアレイなど)は、部品の一又は複数を損傷することなく容易に分離され得ない。従って、場合によっては、一体型光流体調査モジュールは、例えば部品が最適な整列の状態で既に存在するため無調整式である。ある場合には、主題の一体型光流体調査モジュールは、例えば各部品が互いに対して固定位置に存在し、それによって適切な光学的整列を維持しているため、光学的に整列させるための手動調整の必要性を減らす。場合によっては、本明細書に記載されている一体型光流体調査モジュールの一体化された光学系は、例えばノイズに対して収集される蛍光の量を増やすことによって、フローセル内の粒子によって放射される蛍光の収集に関する効率を高め得る。
【0019】
本明細書に記載されているように、「フローセル」は、粒子をシース流体内で運ぶために液体フローストリームのための流路を有するキュベットなどの部品を指すために従来の意味で記載されている。注目するキュベットは、通路が貫通する容器を有する。流路が構成されるフローストリームは、試料管から注入される液体試料を含んでもよい。場合によっては、フローセルは光透過性流路を有する。このような場合、フローセルは、光の通過を可能にする透明な材料(例えば石英)を含む。場合によっては、フローセルは、一又は複数の調査ポイントで光源からの光で照射されるように構成されている。本明細書に記載されている「調査ポイント」は、例えば分析のために粒子が光源からの光によって照射されるフローセル内の領域を指す。調査ポイントの大きさは、要望通りに様々であってもよい。例えば、0μmが光源によって放射される光の軸芯を表す場合、調査ポイントは、-50μm~50μm、例えば-25μm~40μm、例えば-15μm~30μmの範囲内であってもよい。
【0020】
本発明の一体型光流体調査モジュールの使用中、粒子はフローストリームのコアストリームを通って運ばれてもよい。本明細書に記載されている「コアストリーム」は、粒子がフローセルを通って運ばれるシース流体の流れ(つまりフローストリーム)の一部を表すために従来の意味で言及される。一般に、粒子は、一列に並ぶようにコアストリームを通って運ばれる。コアストリームの大きさ(例えば直径)は、要望通りに様々であってもよい。場合によっては、コアストリームの直径は、分析される粒子の直径と略同一であってもよい。そのため、場合によっては、コアストリームの直径は5μm~25μmの範囲内であり、例えば10μm~20μmの範囲内である。コアストリームの直径は、粒子がシース流体の流れに注入されるときに粒子に加えられる圧力に比例して調整されてもよい。シース流体の流量は一定のままである。このようにして、粒子はシース流体に注入され、流体力学的に集束するため、層流が生成され、粒子が同一の軸芯に沿って略同一の速度で進む。コアストリーム内の粒子が同一の軸芯に沿って進むため、コアストリームの幾何学的形状は直線的な縁部によって画定される。
【0021】
一体型光流体調査モジュールの線形ファイバアレイは、複数の非円形状コア光ファイバを有する。本明細書に記載されている線形ファイバアレイは、構成するファイバを線形に配置する、ファイバの束の端部に形成されているファイバアレイである。光ファイバはクラッド及びコアで構成されてもよい。コアは光を伝えるように構成されている透明な材料で構成された光ファイバの一部である一方、クラッドは光を主にコアに閉じ込める。言い換えれば、コアはクラッドに比べて屈折率が高い。クラッド及びコアは、同一の材料で構成されてもよく又は異なる材料で構成されてもよい。場合によっては、クラッド及びコアはシリカ系ガラス(例えばSiO2)で構成されている。他の実施形態では、透明な材料はポリマー材料を含む。このような実施形態では、透明な材料に、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリスチレン、及びポリ(ペルフルオロブテニルビニルエーテル)(CYTOP) などの一又は複数の材料が含まれてもよいが、これらに限定されない。ある場合には、光ファイバのコアは、コアストリームの方向と平行に延びる対向する縁部、つまり、互いに平行に延びて光ファイバの収集コアの反対側に存在する縁部を有している。言い換えれば、光ファイバのコアの投射面(つまり、光が放射されるコアの領域、図1B参照)は直線的な縁部によって画定される。コアストリームと「平行に延びる」とは、光ファイバのコアの投射面の対向する直線的な縁部が、コアストリーム内で粒子が運ばれる軸芯に対して平行な方向に延びるように配置されることを意味する。対向する平行な縁部はあらゆる適切な長さを有してもよい。場合によっては、長さは5μm~100 μm、例えば10μm~75μm、例えば15μm~50μm、例えば15μm~25μmの範囲内である。
【0022】
線形ファイバアレイの光ファイバコアは、コアストリームの方向と平行に延びる対向する縁部を有することに加えて、コアストリームの方向に垂直に延びる対向する縁部を有する投射面を有してもよい。コアストリームに「垂直に延びる」とは、光ファイバ集光器の集光面の対向する直線的な縁部が、コアストリーム内で粒子が運ばれる軸芯に対して垂直方向に延びることを意味する。対向する垂直な縁部はあらゆる適切な長さを有してもよい。場合によっては、長さは5μm~150 μm、例えば50μm~100 μm、例えば60μm~90μm、例えば70μm~80μmの範囲内である。コアは複数の適切な非円形状を有してもよい。例えば、場合によっては、非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである。このような場合、非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである。
【0023】
場合によっては、非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている。言い換えれば、複雑な整列手順無しで光を導くことに加えて、非円形状コア光ファイバは更に、ビームがフラットトップビームプロファイルで光ファイバから放射されるようにビームを整形する。(「フラットトップ」とも称されることがある)「トップハット」という用語は、照射ビームの光軸に直交する一又は複数の軸芯に沿って略均一なフルエンス(エネルギー密度)を有する照射ビーム(例えば光)を指すために従来の意味で本明細書に使用される。実施形態では、トップハット強度プロファイルを有する光の出力ビームは、水平軸芯に沿って各縁部から中心まで相対強度にほとんど偏差がないか又は全く偏差がなく、注目するトップハット強度プロファイルを有する光のビームは、水平軸芯に沿った縁部での強度の95%~99.9%の範囲内の強度を中心に有し、例えば水平軸芯に沿った縁部での強度の96%~99.5%、例えば98%~99%の範囲内の強度を中心に有する。本明細書に記載されているような非円形状コアファイバは、モードスクランブラの機能を果たすことによってフラットトッププロファイルを生成することができる。言い換えれば、矩形状コアの幾何学的形状により、結合光モードを刺激することができ、それによって均質化された強度分布をもたらすことができる。非円形状コアファイバの性質は、例えば、Hracek, B., & Bauerle, H. (2015). Optik & Photonik, 10(5), 16-18に記載されている。
【0024】
非円形状コア光ファイバは、励起波長光をフローセル内の対応する焦点に投射するように夫々構成されている。「焦点」とは、一又は複数のレーザによって照射されるフローセルの調査ゾーンの特定の領域を意味する。言い換えれば、モジュールは、励起波長光をフローセルの特定の部分に集束させる一方、その光をフローセルの別の望ましくない位置に照射するのを防ぐように構成されている。隣り合う焦点間の距離は、線形ファイバアレイの隣り合う光ファイバのコア間の距離によって少なくとも部分的に決まる。一部の実施形態では、光ファイバのコアの大きさ及び間隔がフローセルのコアストリーム中の粒子を励起するためにフローセルに放射される望ましい寸法に対応するように、非円形状コア光ファイバは線形アレイ構造に組み立てられている。非円形状コア光ファイバはあらゆる適切な構成で配置されてもよい。場合によっては、線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは垂直方向に積み重ねられている。隣り合う非円形状コアファイバ間の距離は、要望通りに様々であってもよい。場合によっては、ファイバは、垂直方向に積み重ねられてファイバのクラッドの厚さ分だけ離れて配置されている。他の場合、例えば焦点をより大きい距離隔てて離すことが望ましい場合、線形ファイバアレイの隣り合う光ファイバのクラッドは、0.01mm~1mm、例えば0.01mm~0.5 mm、例えば0.01mm~0.25mm、例えば0.01mm~0.1 mm、例えば0.01mm~0.05mm、例えば0.01mm~0.025 mmの範囲内の距離隔てて互いに離れている。線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコア間の距離も様々であってもよい。場合によっては、線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、(例えば1つのコアの光投射面の幾何学的中心から隣り合うコアの光投射面まで測定される)0.01mm~1mm、例えば0.05mm~0.5 mm、例えば0.1 mm~0.25mm、例えば0.1 mm~0.15mmの範囲内の距離隔てて互いに離れている。場合によっては、線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.125 mmの距離隔てて互いに離れている。
【0025】
線形ファイバアレイ内の光ファイバの特定の配置は、あらゆる簡便な方法で実現されてもよい。場合によっては、線形ファイバアレイは、光ファイバ間に一定の距離を維持するか又はその距離が無い状態を維持するような大きさ及び形状を有する表面内のV字形状の溝に配置されている光ファイバを有する。他の場合、線形ファイバアレイでは表面内の孔を用いて各ファイバが配置されてもよい。ファイバが適切な孔を通して配置される場合、ファイバはコアストリームに対して適切に整列する。場合によっては、表面はガラスの表面である。他の場合、表面はポリマー(例えばプラスチック)の表面である。更に他の場合、表面は金属の表面である。
【0026】
線形ファイバアレイは、あらゆる簡便な方法でフローセルと一体化されてもよい。場合によっては、線形ファイバアレイはフローセルの外面に取り付けられている。例えば、一部の実施形態では、線形ファイバアレイは接着剤によって取り付けられている。あらゆる簡便な光学接着剤が用いられてもよい。例えば、注目する接着剤には、エポキシ、光硬化性アクリル、エラストマ(例えばシリコーン、シリコーンを含まないシラン)、シアノアクリレート、及び構造用接着剤(例えば、樹脂及び活性剤を含む接着剤)が含まれる。一部の実施形態では、接着剤は、光(例えばUV光)に曝されることにより硬化可能である。ある実施形態では、光学接着剤は透明である。他の場合、線形ファイバアレイの部品はフローセルの壁に埋め込まれている。このような場合、集束光学集合体は、フローセルの表面に取り付けられるのではなく、フローセルの構造に組み込まれてもよい。ある場合には、線形ファイバアレイは、圧入(つまり締まりばめ)などの技術によりフローセルと一体化されている。圧入は、集束光学集合体の部品(例えばレンズ)の形状より僅かに小さい孔をハウジング内に形成する既知の技術である。その後、集束光学集合体の部品及びハウジングは、強制的に共に結合された後、摩擦によって共に保持されてもよい。
【0027】
上述されているように、本発明の一体型光流体調査モジュールは、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるために複数の光ファイバ光伝達カプラを備えている。光ファイバの発光端部は線形ファイバアレイの同一の場所に配置される一方、光ファイバの受光端部は空間的に離れており、光ファイバ光伝達カプラを有している。光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるように構成されているあらゆる適切な結合メカニズムが、これらの光ファイバ光伝達カプラに用いられてもよい。注目する結合には、ねじ結合、ラッチ結合、プッシュプル結合、バヨネット結合、雄雌結合、スナップフィット結合、これらの組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
場合によっては、一体型光流体調査モジュールは、線形ファイバアレイに関連付けられている光ファイバ光伝達カプラに例えば動作可能に取り付けられている複数の光ファイバ光伝達器を更に備えている。本明細書に記載されているように、「光ファイバ光伝達器」は、近位端部及び遠位端部を有する細長い構造体を指し、細長い構造体は、近位端部の光源から遠位端部の集束光学集合体に光を伝達するように構成されている光透過性材料から作製されている。一部の実施形態では、光透過性材料は、シリカ(例えば、溶融シリカ)などのガラス材料を含むが、これに限定されない。他の実施形態では、光透過性材料はポリマー材料を含む。このような実施形態では、光透過性材料は、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリスチレン、及びポリ(ペルフルオロブテニルビニルエーテル)(CYTOP) などの一又は複数の材料を含んでもよいが、これらに限定されない。一部の実施形態では、光ファイバ集光器はシングルモードファイバである。本技術で理解されるように、単一モードファイバは、所与の時間に1つのモードの光を伝える光ファイバである。他の場合では、光ファイバ集光器はマルチモードファイバである。シングルモードファイバとは対照的に、マルチモードファイバは同時的に複数のモードの光を伝搬する。光ファイバ光伝達器の直径は、要望通りに様々であってもよい。一部の実施形態では、対象とする光ファイバ光伝達器の直径は、0.1 mm~3mm、例えば0.2 mm~2.5 mm、0.3 mm~2.2 mm、0.4 mm~2mm、0.5 mm~1.5 mm、例えば0.6 mm~1.2 mmの範囲内である。光ファイバ光伝達コネクタが設けられる場合、光ファイバ光伝達コネクタ自体は、一部の実施形態ではレーザに接続されてもよい。
【0029】
場合によっては、本発明の一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されて非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を更に備えている。集束光学系は、例えば一又は複数のレンズを有してもよい。このような場合、集束光学系は、あらゆる簡便な数のレンズ、例えば1~10のレンズ、2~5のレンズ、例えば2~4のレンズを有してもよい。ある実施形態では、集束光学集合体内の一又は複数のレンズはマイクロレンズである。このような実施形態では、対象とするマイクロレンズはあらゆる簡便な大きさ及び形状を有してもよい。場合によっては、集束光学集合体は、直径が10μm~5mm、例えば50μm~2mm、例えば100 μm~1mmの範囲内のマイクロレンズを有している。場合によっては、対象とするマイクロレンズは球形状である。実施形態では、マイクロレンズは、一側に平面を有し、反対側に球状(例えば凸状)の表面を有する。更なる実施形態では、マイクロレンズは非球面レンズ、すなわち球状又は円筒状ではない寸法のレンズである。複数のマイクロレンズを有する集束光学系の実施形態では、集束光学系の各マイクロレンズは同一であってもよく又は異なってもよい。例えば、マイクロレンズは、励起波長光をフローセルの焦点に集束するために、要望通りに様々な大きさ及び/又は形状を有してもよい。一部の実施形態では、レンズはアレイ状に配置されている。集束光学系の注目するレンズは、ガラス(例えばN-SF10,N-SF11,N-SF57,N-BK7 ,N-LAK21 又はN-LAF35 のガラス)、シリカ(例えば溶融シリカ)、石英、結晶(例えばCaF2結晶)、セレン化亜鉛(ZnSe)、F2、チタン酸ゲルマニウム(Ge)(例えばS-TIH11 )、ホウケイ酸塩(例えばBK7 )又はこれらの組合せを含むが、これらに限定されないあらゆる適切な材料から形成されてもよい。注目するレンズの屈折率は、1~3、例えば1.1 ~2.9 、例えば1.2 ~2.8 、例えば1.3 ~2.7 、例えば1.4 ~2.6 、例えば1.5 ~2.7 、例えば1.6 ~2.6 、例えば1.7 ~2.5 、例えば1.8 ~2.4 、例えば1.9 ~2.3 の範囲内で様々であってもよい。
【0030】
一部の実施形態では、集束光学系の部品(例えばレンズ)は、水平軸芯及び垂直軸芯の一又は複数を横切る光ビームのビームプロファイルを変更してもよい。本明細書に記載されているように、水平軸芯及び垂直軸芯は、光ビームの光軸(つまり、ビーム経路)に直交し、実施形態ではビームプロファイルのX-Y面を形成する軸芯を指す。光の出力ビームの水平軸芯は、フローストリーム(例えばフローサイトメータ内のフローストリーム)の長手軸芯に直交し、光の出力ビームの垂直軸芯はフローストリームの長手軸芯と平行である。一部の実施形態では、注目する集束光学系は、水平軸芯を横切る伝搬光ビームのビームプロファイルを変更する。他の実施形態では、注目するレンズは、垂直軸芯を横切る伝搬光ビームのビームプロファイルを変更する。更に他の実施形態では、注目するレンズは、水平軸芯及び垂直軸芯を横切る伝搬光ビームのビームプロファイルを変更する。これらの実施形態における集束光学系は、回折光学系又は屈折光学系を含んでもよい。一部の実施形態では、集束光学系はバイコニックレンズを有する。他の実施形態では、集束光学系は色消しレンズを有する。
【0031】
集束光学系は、要望通りに様々な異なる手段のいずれか1つによりフローセルと一体化されてもよい。例えば、集束光学系はフローセルの外面と安定して関連付けられてもよい。一部の実施形態では、集束光学系は、上述されているような接着剤により取り付けられてもよい。一部の実施形態では、集束光学系の部品(例えば、一又は複数のレンズ)がフローセルの構造に組み込まれてもよい(埋め込まれてもよい)。場合によっては、集束光学系の部品はフローセルの壁に埋め込まれている。このような場合、集束光学系は、フローセルの表面に取り付けられるのではなく、フローセルの構造に組み込まれてもよい。ある場合には、光学集合体のレンズが、圧入(すなわち締まりばめ)によってハウジングの構造に組み込まれてもよい。更なる実施形態では、集束光学系は、光学的接触結合によってフローセルの外面に取り付けられている。本技術分野では公知であるように、光学的接触結合には、2つの表面間に存在する分子間力を利用することによって2つの表面を接合することが含まれる。光学的接触結合に関連する分子間力には、ファンデルワールス力、水素結合、及び双極子間相互作用が含まれる。光学的接触結合を含む本発明の実施形態では、集束光学系の表面及びフローセルの表面は、分子間力がこれらの要素を共に引き寄せ得るように実質的にコンフォーマル(すなわち平坦且つ平滑)であってもよい。
【0032】
一部の実施形態では、本発明の一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されている一又は複数の光検出器を備えている。フローセルと一体化されている光検出器の数は、要望通りに様々であってもよい。場合によっては、一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されている1つの光検出器を備えている。他の場合、一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されている複数の光検出器、例えば2以上の光検出器、例えば3以上の光検出器、例えば4以上の光検出器、例えば5以上の光検出器、例えば6以上の光検出器、例えば7以上の光検出器、例えば8以上の光検出器、例えば9以上の光検出器、例えば10以上の光検出器を備えている。一又は複数の光検出器は、上述されているようなあらゆる適切な技術(例えば、接着剤、圧入など)によりフローセルと一体化されてもよい。特定の場合、光検出器はフローセルの外面に取り付けられている。
【0033】
光検出器は、あらゆる簡便な粒子変調光検出器であってもよい。「粒子変調光」とは、光源からの光を粒子に照射した後、フローストリーム内の粒子から受ける光を意味する。場合によっては、粒子変調光は側方散乱光である。本明細書に記載されているように、側方散乱光は、粒子の表面及び内部構造で屈折して反射する光を指す。更なる実施形態では、粒子変調光は前方散乱光(つまり、主に前方方向に粒子を通過するか又は粒子の周囲を進む光)を含む。更に他の場合には、粒子変調光は蛍光(つまり、励起波長光を照射した後に蛍光色素から放射される光)を含む。
【0034】
一部の実施形態では、一又は複数の粒子変調光検出器は、前方散乱光を検出するように構成されている一又は複数の前方散乱光検出器を有している。例えば、対象とするモジュールは、1つの前方散乱光検出器又は複数の前方散乱光検出器、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上の前方散乱光検出器を有してもよい。ある実施形態では、モジュールは1つの前方散乱光検出器を有している。他の実施形態では、モジュールは2つの前方散乱光検出器を有している。
【0035】
収集された光を検出するためのあらゆる簡便な検出器が、本明細書に記載されている前方散乱光検出器に使用されてもよい。注目する検出器には、検出器の中で特に光センサ又は光検出器、例えばアクティブピクセルセンサ(APS) 、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD) 、ICCD (intensified charge-coupled device)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT) 、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びこれらの組合せが含まれてもよいが、これらに限定されない。ある実施形態では、収集された光を、電荷結合素子(CCD) 、半導体電荷結合素子(CCD) 、アクティブピクセルセンサ(APS) 、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化膜半導体(NMOS)画像センサで測定する。ある実施形態では、検出器は光電子増倍管であり、例えば0.01cm2 ~10cm2 、例えば0.05cm2 ~9 cm2 、例えば0.1 cm2 ~8 cm2 、例えば0.5 cm2 ~7 cm2 、例えば1 cm2 ~5 cm2 の範囲内の夫々の領域のアクティブな検出表面積を有する光電子増倍管である。
【0036】
実施形態では、前方散乱光検出器は、光を連続的に又は別々の間隔で測定するように構成されている。場合によっては、注目する検出器は、収集された光を連続的に測定するように構成されている。他の場合では、注目する検出器は、別々の間隔で測定するように構成されており、例えば0.001 ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1 ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100 ミリ秒毎、例えば1000ミリ秒毎に又は他の間隔で光を測定するように構成されている。
【0037】
一部の実施形態では、モジュールは、フローセルと一又は複数の粒子変調光検出器との間に配置されている一又は複数の波長分離器を有している。「波長分離器」という用語は、本明細書では試料から収集される光を所定のスペクトル領域に分離するように構成されている光学部品を指すために従来の意味で使用されている。一部の実施形態では、モジュールは1つの波長分離器を有している。他の実施形態では、モジュールは、複数の波長分離器、例えば2以上の波長分離器、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば6以上、例えば7以上、例えば8以上、例えば9以上、例えば10以上、例えば15以上、例えば25以上、例えば50以上、例えば75以上、例えば100以上の波長分離器を有している。一部の実施形態では、波長分離器は、所定のスペクトル領域を有する光を通過させて、一又は複数の残りのスペクトル領域の光を反射することにより、試料から収集される光を所定のスペクトル領域に分離するように構成されている。他の実施形態では、波長分離器は、所定のスペクトル領域を有する光を通過させて、一又は複数の残りのスペクトル領域の光を吸収することにより、試料から収集される光を所定のスペクトル領域に分離するように構成されている。更に他の実施形態では、波長分離器は、試料から収集される光を所定のスペクトル領域に空間的に回折するように構成されている。各波長分離器は、一又は複数のダイクロイックミラー、バンドパスフィルタ、回折格子、ビームスプリッタ又はプリズムなどのあらゆる簡便な光分離プロトコルであってもよい。一部の実施形態では、波長分離器はプリズムである。他の実施形態では、波長分離器は回折格子である。ある実施形態では、対象とする光検出システムの波長分離器はダイクロイックミラーである。
【0038】
場合によっては、フローセルに組み込まれる一又は複数の光検出器は、一又は複数の光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを有している。光検出器によって生成される信号を伝達するために(上述されている光検出器などの)光検出器を電気線に結合するように構成されているあらゆる要素、例えばねじ山、バヨネット、締め具、ブラインドメイト接続などが用いられてもよい。場合によっては、モジュールは電気線を更に備えている。電気線は、あらゆる適切な絶縁された導電性材料(例えば銅)で構成されてもよい。
【0039】
場合によっては、一体型光流体調査モジュールは、一又は複数の光検出器によって受ける光を変調するように構成されている一又は複数の光学調整要素を備えている。例えば、場合によっては、モジュールは焦点と光検出器との間に配置されている光学フィルタを備えている。光学フィルタは、試料からの光の少なくとも1つ又は複数の波長(例えば試料を照射するために使用されるレーザの光の波長の一又は複数)の光検出器のアクティブ面への伝搬を制限する、減少させる又は限定するように構成されている。光学フィルタは、光の一又は複数の異なる波長の伝搬を限定してもよく、例えば光の5以上、例えば10以上、例えば25以上、例えば50以上、例えば100以上、例えば200以上、例えば300以上、例えば500以上の異なる波長の伝搬を限定してもよい。例えば、一部の実施形態では、光学フィルタはバンドパスフィルタである。他の実施形態では、光学フィルタはダイクロイックミラーである。加えて又は或いは、本発明のモジュールは焦点と光検出器との間に配置されている光学マスクを備えてもよい。場合によっては、光学マスクは、光の特定の部分(例えばレーザからの入射ビーム)が検出されないように構成されている。
【0040】
フローセルと一体化されている光検出器に加えて又はこのような光検出器の代わりに、一体型光流体調査モジュールは、一又は複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための一又は複数の光ファイバ集光素子カプラを備えてもよい。このような実施形態では、光ファイバ集光素子は、一又は複数の焦点を通って運ばれる粒子が励起波長光で照射された後、このような粒子によって放射される粒子変調光を収集するように構成されている。光ファイバ集光素子カプラは、あらゆる簡便なメカニズムにより一又は複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けてもよい。一部の実施形態では、光ファイバ集光素子がフローセルとの適切な光学的整列を保証するために、たとえあるとしてもほとんど光学調整を必要としないように、光ファイバ集光素子カプラは光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けてもよい。一部の実施形態では、光ファイバ集光素子カプラは、光ファイバ集光素子をフローセルに、例えば接着剤を用いて物理的に結合してもよい。他の実施形態では、光ファイバ集光素子カプラは、光ファイバ集光素子を解放可能に取り付けるように構成されている。適切な結合メカニズムには、例えばねじ、ラッチ、プッシュプル、バヨネット、スナップ、雄雌などが含まれる。
【0041】
光ファイバ集光素子カプラの数は様々であってもよい。場合によっては、一体型光流体調査モジュールは1つの光ファイバ集光素子カプラを備えている。他の場合、一体型光流体調査モジュールは、複数の光ファイバ集光素子カプラ、例えば2以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば3以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば4以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば5以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば6以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば7以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば8以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば9以上の光ファイバ集光素子カプラ、例えば10以上の光ファイバ集光素子カプラを備えている。モジュールが複数の光ファイバ集光素子カプラを備えている場合、複数の光ファイバ集光素子カプラは、互いに対してあらゆる適切な方法で配置されてもよい。一部の実施形態では、光ファイバ集光素子は垂直方向に積み重ねられている。このような実施形態では、各光ファイバ集光素子は特定の焦点から光を収集するように構成されてもよい。
【0042】
ファイバアレイ及び一又は複数の光ファイバ集光素子カプラの両方を含む方法の実施形態では、線形ファイバアレイ及び一又は複数の光ファイバ集光素子カプラは、フローセルに対して互いにあらゆる簡便な位置を占めてもよい。一部の実施形態では、光ファイバ集光素子カプラは、線形ファイバアレイに対してモジュールの反対側でフローセルに取り付けられている。他の実施形態では、光ファイバ集光素子カプラは、線形ファイバアレイに対して直交又は略直交の位置でフローセルに取り付けられている。光ファイバ集光素子カプラに接続されている光ファイバ集光素子が、一又は複数のタイプの粒子変調光(例えば前方散乱光、側方散乱光、蛍光又はこれらの組み合わせ)を収集するために適した位置にあるように、一又は複数の光ファイバ集光素子カプラはモジュール内に配置されてもよい。
【0043】
一部の実施形態では、モジュールは、複数の光ファイバ集光素子に動作可能に取り付けられている一又は複数の光ファイバ集光素子を更に備えている。ある実施形態では、光ファイバ集光素子は、焦点を通って運ばれる粒子が励起波長光で照射された後、このような粒子によって放射される蛍光を収集するように構成されている。一部の実施形態では、光ファイバ集光素子は、シリカ(例えば、溶融シリカ)を含むがこれに限定されないガラス材料などの透明な材料を含む。他の実施形態では、透明な材料はポリマー材料を含む。このような実施形態では、透明な材料は、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリスチレン、及びポリ(ペルフルオロブテニルビニルエーテル)(CYTOP) などの一又は複数の材料を含んでもよいが、これらに限定されない。光ファイバ光伝達器の直径は、要望通りに様々であってもよい。一部の実施形態では、対象とする光ファイバ光伝達器の直径は、0.1 mm~3mm、例えば0.2 mm~2.5 mm、0.3 mm~2.2 mm、0.4 mm~2mm、0.5 mm~1.5 mm、例えば0.6 mm~1.2 mmの範囲内である。一部の実施形態では、主題のモジュールは1つの光ファイバ集光素子を備えている。他の実施形態では、モジュールは複数の光ファイバ集光素子を備えている。例えば、注目するフローサイトメータは、焦点毎及び/又は光ファイバ集光素子カプラ毎に光ファイバ集光素子を有してもよい。そのため、フローサイトメータは、一又は複数の光ファイバ集光素子、例えば2以上、3以上、4以上、5以上、例えば6以上の光ファイバ集光素子を有してもよい。一部の実施形態では、一又は複数の光ファイバ集光素子は、コアストリームと光学的に整列し、コアストリームの方向と平行に延びて対向する縁部を有する集光面を有する。例示的な光ファイバ集光素子は、開示内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2022/0236165 号明細書に記載されている。
【0044】
実施形態では、一体型光流体調査モジュールは、フローストリームと光検出器及び/又は光ファイバ集光素子カプラとの間に配置されているコリメート光学系を備えている。例えば、場合によっては、モジュールはコリメートレンズを備えている。フローセルがキュベットを有している一部の実施形態では、コリメートレンズはキュベットの外面に取り付けられている。コリメートレンズは、光学接着剤などのあらゆる適切な手段によりキュベットの外面に取り付けられてもよい。特定の場合、コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである。場合によっては、コリメートレンズはフレネルレンズである。
【0045】
上述されているように、非円形状コア光ファイバ、焦点及び光ファイバ光伝達カプラの数は、本発明の実施形態内で様々であってもよい。場合によっては、本発明のモジュールは、同数の非円形状コア光ファイバ、焦点及び光ファイバ光伝達カプラを備えている。言い換えれば、一体型光流体調査モジュールは、N個の非円形状コア光ファイバ、N個の焦点及びN個の光ファイバ光伝達カプラを備えており、Nはあらゆる適切な整数である。場合によっては、Nは、2~50の範囲内であり、例えば2~40、例えば2~30、例えば2~20、例えば2~10、例えば2~5、例えば2~4の範囲内である。例えば、Nは、場合によっては1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10であってもよい。これらの要素が設けられている場合、モジュールはN個の光ファイバ集光素子及び/又はN個の光ファイバ光伝達器を更に備えてもよい。
【0046】
流体試料を試料調査領域に伝搬するあらゆる簡便なフローセルが、主題のモジュールに用いられてもよい。一部の実施形態では、フローセルは、円筒状のフローセル、円錐台状のフローセル、又は、長手軸芯を画定する近位円筒状部分と、長手軸芯に直交するオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐台状部分とを有するフローセルである。
【0047】
場合によっては、モジュールは、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを備えている。流体出力カプラは、フローセルからフローストリームを収集して運ぶように構成されているあらゆる部品であってもよい。場合によっては、流体出力カプラは、廃棄ライン(例えば管類)が接続されてもよいように構成されているコネクタを遠位端部に有している。あらゆる適切なコネクタが含まれてもよい。例示的なコネクタには、例えばクイックディスコネクトコネクタ、ねじ付きコネクタ、ルアーコネクタ、マルチポートコネクタ、トリクランプ式取付具、及びパンクチャシール滅菌取付具が含まれる。適切なクイックディスコネクトコネクタには、スナップ式(ボールラッチ)コネクタ、バヨネットコネクタ、ねじ付きコネクタ、非ラッチコネクタ、シングルシャットオフコネクタ、ダブルシャットオフコネクタ、非シャットオフコネクタ、ドライブレークコネクタ、ローラロックコネクタ、ピンロックコネクタ、リングロックコネクタ、及びカムロックコネクタが含まれるが、これらに限定されない。廃棄ラインは、液体を廃棄リザーバなどの別の場所に運んでもよい。モジュールが真空駆動流体で使用するように構成されている一部の実施形態では、流体出力カプラは出口取付具で構成されている。注目する出口取付具は、細長い構造と、フローセルの遠位端部からのフローストリームを受けるために細長い構造の近位端部に設けられている開口部とを有している。場合によっては、出口取付具は、出口取付具とフローセル(例えばフローセルのキュベット)との間の界面での泡の形成を減らすように構成されている。適切な出口取付具が、記載内容が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2023/0046207 号明細書に記載されている。
【0048】
実施形態では、モジュールは、試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを更に備えている。場合によっては、例えば、試料流体入力カプラは、試料流体がフローセルのオリフィスに供給され得るようにフローセルのオリフィスと界面になるオリフィスを有してもよい。加えて、一部の実施形態では、試料流体入力カプラは、試料流体源に接続されている流体ライン(例えば管類)に試料流体入力カプラを流体的に連結するように構成されているコネクタを有している。あらゆる適切なコネクタが含まれてもよい。例示的なコネクタには、例えばクイックディスコネクトコネクタ、ねじ付きコネクタ、ルアーコネクタ、マルチポートコネクタ、トリクランプ式取付具、及びパンクチャシール滅菌取付具が含まれる。適切なクイックディスコネクトコネクタには、スナップ式(ボールラッチ)コネクタ、バヨネットコネクタ、ねじ付きコネクタ、非ラッチコネクタ、シングルシャットオフコネクタ、ダブルシャットオフコネクタ、非シャットオフコネクタ、ドライブレークコネクタ、ローラロックコネクタ、ピンロックコネクタ、リングロックコネクタ、及びカムロックコネクタが含まれるが、これらに限定されない。場合によっては、試料流体入力カプラは試料注入針であるか又は試料注入針を含んでいる。このような場合、試料注入針は、コアストリームを生成すべく、近位端部にある試料注入ラインから遠位端部にあるフローセルに試料流体を送達するために試料注入針を貫通する通路を有している。場合によっては、試料注入針は、一定以上で変化する流量条件下でそのままのコアストリームを維持するように構成されて配置されている。使用に適合され得る試料注入針は、開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第18/215402号明細書に記載されている。
【0049】
実施形態では、モジュールは、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを更に備えている。例えば、シース流体入力カプラは、シース流体がフローセルのオリフィスに供給され得るようにフローセルのオリフィスと界面になるオリフィスを有してもよい。加えて、シース流体入力カプラは、シース流体源に接続されている流体ライン(例えば管類)にシース流体入力カプラを流体的に連結するように構成されているコネクタを有している。あらゆる適切なコネクタが含まれてもよい。例示的なコネクタには、例えばクイックディスコネクトコネクタ、ねじ付きコネクタ、ルアーコネクタ、マルチポートコネクタ、トリクランプ式取付具、及びパンクチャシール滅菌取付具が含まれる。適切なクイックディスコネクトコネクタには、スナップ式(ボールラッチ)コネクタ、バヨネットコネクタ、ねじ付きコネクタ、非ラッチコネクタ、シングルシャットオフコネクタ、ダブルシャットオフコネクタ、非シャットオフコネクタ、ドライブレークコネクタ、ローラロックコネクタ、ピンロックコネクタ、リングロックコネクタ、及びカムロックコネクタが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
図1A図1Cは、本発明のある実施形態に係る一体型光流体調査モジュールを示す。図1Aに示されているように、一体型光流体調査モジュール100 は、フローストリーム102 (すなわち、フローストリーム102 のコアストリーム)内で粒子を運ぶように構成されているフローセル101 を備えている。一体型光流体調査モジュール100 は、複数の光ファイバ光伝達カプラ111a, 111b, 111cを備えている。各光ファイバ光伝達カプラは、光ファイバ光伝達器に動作可能に取り付けられるように構成されてもよく、光ファイバ光伝達器自体はレーザに連結されてもよい。代替の実施形態では、光ファイバ光伝達カプラ111a~111cは、レーザに直接(すなわち中間の光ファイバ無しで)結合されてもよい。フローセル101 と一体化されている線形ファイバアレイ113 が更に図示されており、線形ファイバアレイは、フローセル101 のフローストリーム102 内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有している。光は、光ファイバ光伝達カプラ111a, 111b, 111cを介して光ファイバ112a, 112b, 112cを通って線形ファイバアレイ113 に伝搬する。図1Aの実施形態では、モジュール100 は、フローセル101 と一体化されているレンズ114 の形態で示されている集束光学系を更に備えており、集束光学系は、非円形状コア光ファイバからの励起波長光を焦点に中継するように構成されている。或いは、集束光学系は複数のマイクロレンズを有してもよい。
【0051】
図1Bは、線形ファイバアレイ113 の発光面を示す図である。図1Bに示されているように、線形ファイバアレイ113 は、非円形状コア光ファイバ116a、非円形状コア光ファイバ116b、及び非円形状コア光ファイバ116cの垂直積層体115 を有している。非円形状コア光ファイバ116aは、光ファイバ光伝達カプラ111aで受けるレーザ光が光ファイバ112aに沿って伝搬し、非円形状コア光ファイバ116aで放射されるように、光ファイバ112a及び光ファイバ光伝達カプラ111aと連続している。非円形状コア光ファイバ116bは、光ファイバ光伝達カプラ111bで受けるレーザ光が光ファイバ112bに沿って伝搬し、非円形状コア光ファイバ116bで放射されるように、光ファイバ112b及び光ファイバ光伝達カプラ111bと連続している。非円形状コア光ファイバ116cは、光ファイバ光伝達カプラ111cで受けるレーザ光が光ファイバ112cに沿って伝搬し、非円形状コア光ファイバ116cで放射されるように、光ファイバ112c及び光ファイバ光伝達カプラ111cと連続している。非円形状コア光ファイバ116a、非円形状コア光ファイバ116b及び非円形状コア光ファイバ116cは、コア117a、コア117b及びコア117cを夫々有している。図1Bの実施形態では、コア117a, 117b, 117cは矩形状であり、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている。隣り合う非円形状コア光ファイバのコアは距離d隔てて離れており、距離dは、この場合、非円形状コア光ファイバ116a, 116b, 116cの各々のクラッド厚さ(つまり、コア117a, 117b, 117cを夫々囲む非円形状コア光ファイバ116a, 116b, 116cの部分)によって決定される。この配置では、ファイバ出力は、夫々のレーザ励起ビームの所望のコアストリーム位置に機械的且つ光学的に一致する。
【0052】
図1Cはフローセル101 の実施形態を示す。線形ファイバアレイ113 は、図1A及び図1Bに関して上述されているように励起波長光を投射する。この光はレンズ114 を通過する。非円形状コア光ファイバ116aは、フローセル101 のフローストリーム102 内の焦点126aに励起波長光を投射する。非円形状コア光ファイバ116bは、フローセル101 のフローストリーム102 内の焦点126bに励起波長光を投射する。非円形状コア光ファイバ116cは、フローセル101 のフローストリーム102 内の焦点126cに励起波長光を投射する。焦点126a~126c内の粒子に照射することにより、主に前方方向に伝搬する前方散乱光が生成される。前方散乱検出器123 はフローセル101 と一体化されており、この前方散乱光を検出するように構成されている。フローセル101 と一体化されている光学マスク121 及び光学フィルタ122 が更に図示されている。電気線125 を前方散乱検出器123 に動作可能に取り付けるための電気カプラ124 が前方散乱検出器123 に取り付けられている。前方散乱光に加えて、焦点126a~126c内の粒子に照射することにより、側方散乱光及び/又は蛍光が生成される。光ファイバ集光素子120a, 120b, 120cをフローセル101 に動作可能に夫々取り付けるために光ファイバ集光素子カプラ119a, 119b, 119cの垂直積層体119 が設けられている。光ファイバ集光素子カプラ119a, 119b, 119cに動作可能に取り付けられている光ファイバ集光素子120a, 120b, 120cは、焦点126a, 126b, 126cからの蛍光及び/又は側方散乱光を伝達するように夫々構成されてもよい。この光は、必要に応じて一又は複数の光検出器に伝達されてもよい。
【0053】
フローサイトメータ
本発明の態様は、フローサイトメータを含む。注目するフローサイトメータは、複数の光源と、(例えば上述されている)本発明の一体型光流体調査モジュールとを備えている。フローサイトメータの光源の数は様々であってもよい。場合によっては、光源の数は2~10の範囲内であり、例えば2~5、例えば2~4の範囲内である。あらゆる簡便な光源が、本明細書に記載されている光源として用いられてもよい。一部の実施形態では、光源はレーザである。実施形態では、レーザは、連続波レーザなどのあらゆる簡便なレーザであってもよい。例えば、レーザはダイオードレーザであってもよく、例えば紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ及び近赤外ダイオードレーザであってもよい。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであってもよい。場合によっては、レーザは、ガスレーザ、例えばヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2 レーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF) エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF) エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノンフッ素(XeF) エキシマレーザ、又はこれらの組合せである。他の場合では、対象とするフローサイトメータは、色素レーザ、例えばスチルベンレーザ、クマリンレーザ又はローダミンレーザを備えている。更に他の場合では、注目するレーザは、金属蒸気レーザ、例えばヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びこれらの組合せを含む。更に他の場合では、対象とするフローサイトメータは、固体レーザ、例えばルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAG レーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YCa4O(BO3)3レーザ、Nd:YCOB レーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAG レーザ、イッテルビウムYAG レーザ、Yb2O3 レーザ、又はセリウムドープレーザ、及びこれらの組合せを備えている。
【0054】
ある実施形態に係るレーザ光源は、一又は複数の光学調整部品を更に有してもよい。ある実施形態では、光学調整部品は光源とフローセルとの間に配置されており、光源からの照射の空間幅又は照射の他の特性、例えば照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度及び焦点を変更できるあらゆるデバイスを含んでもよい。光学調整プロトコルには、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長分離器、ピンホール、スリット、コリメーションプロトコル及びこれらの組合せを含むがこれらに限定されない光源の一又は複数の特性を調整するあらゆる簡便なデバイスが含まれてもよい。ある実施形態では、注目するフローサイトメータは、一又は複数の集束レンズを備えている。集束レンズは、一例では縮小レンズであってもよい。更に他の実施形態では、注目するフローサイトメータは光ファイバを備えている。
【0055】
光源はフローセルからあらゆる適切な距離に配置されてもよく、例えば光源及びフローセルは、0.005 mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1 mm以上、例えば0.5 mm以上、例えば1mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上、離れており、例えば100 mm以上の距離隔てて離れている。加えて、光源は、フローセルに対してあらゆる適切な角度に、例えば10度~90度、例えば15度~85度、例えば20度~80度、例えば25度~75度、例えば30度~60度の範囲内の角度に、例えば90度の角度に配置されてもよい。
【0056】
一部の実施形態では、注目する光源は、フローストリームへの別々の照射のためにレーザ光を与えるように構成されている複数のレーザ、例えば2以上のレーザ、例えば3以上のレーザ、例えば4以上のレーザ、例えば5以上のレーザ、例えば10以上のレーザを有しており、例えばフローストリームへの別々の照射のためにレーザ光を与えるように構成されている15以上のレーザを有している。フローストリームを照射するための光の所望の波長に応じて、各レーザは、200 nm~1500nm、例えば250 nm~1250nm、例えば300 nm~1000nm、例えば350 nm~900 nm、例えば400 nm~800 nmの範囲内の様々な特定の波長を有してもよい。ある実施形態では、注目するレーザに、405 nmレーザ、488 nmレーザ、561 nmレーザ及び635 nmレーザの内の一又は複数が含まれてもよい。
【0057】
一体型光流体調査モジュールの線形ファイバアレイの光ファイバ光伝達カプラは、レーザによって出力される光が線形ファイバアレイの適切な光ファイバに進むように、レーザと直接インタフェース接続されるように構成されてもよい。実施形態では、本発明のフローサイトメータは、一体型光流体調査モジュールの光ファイバ集光素子カプラに動作可能に取り付けられている光ファイバ集光素子を備えている。光ファイバ集光素子に関する詳細は、本発明の一体型光流体調査モジュールに関連して上述されている。
【0058】
本発明のフローサイトメータは、光ファイバ集光素子に動作可能に取り付けられている光検出器を備えてもよい。光検出器は、光ファイバ集光素子によって伝達される粒子変調光を検出して、その光の特性(例えば強度)に基づき信号を生成するように構成されている。例えば、一又は複数の粒子変調光検出器は、光(すなわち、粒子の表面及び内部構造で屈折して反射する光)の側方散乱波長を検出するための一又は複数の側方散乱光検出器を有してもよい。一部の実施形態では、モジュールは1つの側方散乱光検出器を有している。他の実施形態では、モジュールは、複数の側方散乱光検出器、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上の側方散乱光検出器を有している。
【0059】
収集された光を検出するためのあらゆる簡便な検出器が、本明細書に記載されている側方散乱光検出器に使用されてもよい。注目する検出器には、検出器の中で特に光センサ又は光検出器、例えばアクティブピクセルセンサ(APS) 、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD) 、ICCD (intensified charge-coupled device)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT) 、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又は量子ドットフォトダイオード、及びこれらの組合せが含まれてもよいが、これらに限定されない。ある実施形態では、収集された光を、電荷結合素子(CCD) 、半導体電荷結合素子(CCD) 、アクティブピクセルセンサ(APS) 、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化膜半導体(NMOS)画像センサで測定する。ある実施形態では、検出器は光電子増倍管であり、例えば0.01cm2 ~10cm2 、例えば0.05cm2 ~9 cm2 、例えば0.1 cm2 ~8 cm2 、例えば0.5 cm2 ~7 cm2 、例えば1 cm2 ~5 cm2 の範囲内の夫々の領域のアクティブな検出表面積を有する光電子増倍管である。
【0060】
実施形態では、主題のモジュールは、一又は複数の蛍光波長の光を検出するように構成されている蛍光光検出器を更に有している。他の実施形態では、モジュールは、複数の蛍光光検出器、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、5以上、10以上、15以上、例えば20以上の蛍光光検出器を有している。
【0061】
収集された光を検出するためのあらゆる簡便な検出器が、本明細書に記載されている蛍光光検出器に使用されてもよい。注目する検出器には、検出器の中で特に光センサ又は光検出器、例えばアクティブピクセルセンサ(APS) 、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD) 、ICCD (intensified charge-coupled device)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT) 、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又は量子ドットフォトダイオード、及びこれらの組合せが含まれてもよいが、これらに限定されない。ある実施形態では、収集された光を、電荷結合素子(CCD) 、半導体電荷結合素子(CCD) 、アクティブピクセルセンサ(APS) 、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化膜半導体(NMOS)画像センサで測定する。ある実施形態では、検出器は光電子増倍管であり、例えば0.01cm2 ~10 cm2、例えば0.05 cm2~9 cm2 、例えば0.1 cm2 ~8 cm2 、例えば0.5 cm2 ~7 cm2 、例えば1 cm2 ~5 cm2 の範囲内の夫々の領域のアクティブな検出表面積を有する光電子増倍管である。
【0062】
対象とするモジュールが複数の蛍光光検出器を有する場合、各蛍光光検出器は同一であってもよく、又は蛍光光検出器の集合体が異なるタイプの検出器の組合せであってもよい。例えば、対象とするモジュールが2つの蛍光光検出器を有する場合、一部の実施形態では、第1の蛍光光検出器はCCD 型デバイスであり、第2の蛍光光検出器(又は画像センサ)はCMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1の蛍光光検出器及び第2の蛍光光検出器の両方がCCD 型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器及び第2の蛍光光検出器の両方がCMOS型デバイスである。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器はCCD 型デバイスであり、第2の蛍光光検出器は光電子増倍管(PMT) である。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器はCMOS型デバイスであり、第2の蛍光光検出器は光電子増倍管である。更に他の実施形態では、第1の蛍光光検出器及び第2の蛍光光検出器の両方が光電子増倍管である。
【0063】
本開示の実施形態では、注目する蛍光光検出器は、一又は複数の波長、例えば2以上の波長、例えば5以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長で収集された光を測定するように構成されており、例えば400以上の異なる波長でフローストリーム中の試料から放射される光を測定するように構成されている。一部の実施形態では、本明細書に記載されているようなモジュールの2以上の検出器が、収集された光の同一の波長又は重なり合う波長を測定するように構成されている。
【0064】
一部の実施形態では、注目する蛍光光検出器は、ある範囲の波長(例えば200nm~1000nm)に亘って収集される光を測定するように構成されている。ある実施形態では、注目する検出器は、ある範囲の波長に亘って光のスペクトルを収集するように構成されている。例えば、モジュールは、200nm~1000nmの波長範囲の内の一又は複数に亘って光のスペクトルを収集するように構成されている一又は複数の検出器を有してもよい。更に他の実施形態では、注目する検出器は、一又は複数の特定の波長でフローストリーム中の試料から放射される光を測定するように構成されている。例えば、モジュールは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nmの内の一又は複数、及びこれらのあらゆる組合せで光を測定するように構成されている一又は複数の検出器を有してもよい。ある実施形態では、一又は複数の検出器は、蛍光アッセイで試料と共に使用されるフルオロフォアなどの特定のフルオロフォアと対になるように構成されてもよい。
【0065】
上述されているように、本発明の一体型光流体調査モジュールの実施形態では、フローストリームをフローセルに注入するための試料流体入力カプラ、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラ、及び/又は、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラが設けられている。フローサイトメータは、シース流体及び試料流体を試料流体入力カプラ及びシース流体入力カプラに供給するためのあらゆる適切な一又は複数のメカニズムを有してもよい。例えば、試料流体入力カプラは、試料流体リザーバに流体的に接続されている試料流体ライン(例えば管類)に流体的に接続されてもよい。同様に、シース流体入力カプラは、シース流体リザーバに流体的に接続されているシース流体ラインに流体的に接続されてもよい。同様に、フローサイトメータは、フローストリームからの廃棄物を管理するためのあらゆる適切な一又は複数のメカニズムを有してもよい。流体出力カプラは、廃棄リザーバに流体的に接続されている廃棄ラインに流体的に接続されてもよい。主題のフローサイトメータでの使用に適合され得る流体管理システムは、開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2022/0341838 号明細書に記載されている。
【0066】
適切なフローサイトメトリシステムには、これらの開示が参照によって本明細書に組み込まれるOrmerod (ed.), Flow Cytometry: A Practical Approach, Oxford Univ. Press (1997);Jaroszeski et al. (eds.), Flow Cytometry Protocols, Methods in Molecular Biology No. 91, Humana Press (1997);Practical Flow Cytometry, 3rd ed., Wiley-Liss (1995);Virgo, et al. (2012) Ann Clin Biochem. Jan;49(pt 1):17-28;Linden, et. al., Semin Throm Hemost. 2004 Oct;30(5):502-11;Alison, et al. J Pathol, 2010 Dec; 222(4):335-344;及びHerbig, et al. (2007) Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 24(3):203-255に記載されているフローサイトメトリシステムが含まれてもよいが、これらに限定されない。場合によっては、注目するフローサイトメトリシステムには、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ、及び、BD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ、BD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)III セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソータ、BD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソータ、BD Biosciences FACSDiscover(商標)セルソータなどが含まれる。
【0067】
一部の実施形態では、主題のシステムは、これらの開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第10663476号明細書、米国特許第10620111号明細書、米国特許第10613017号明細書、米国特許第10605713号明細書、米国特許第10585031号明細書、米国特許第10578542号明細書、米国特許第10578469号明細書、米国特許第10481074号明細書、米国特許第10302545号明細書、米国特許第10145793号明細書、米国特許第10113967号明細書、米国特許第10006852号明細書、米国特許第9952076号明細書、米国特許第9933341号明細書、米国特許第9726527号明細書、米国特許第9453789号明細書、米国特許第9200334号明細書、米国特許第9097640号明細書、米国特許第9095494号明細書、米国特許第9092034号明細書、米国特許第8975595号明細書、米国特許第8753573号明細書、米国特許第8233146号明細書、米国特許第8140300号明細書、米国特許第7544326号明細書、米国特許第7201875号明細書、米国特許第7129505号明細書、米国特許第6821740号明細書、米国特許第6813017号明細書、米国特許第6809804号明細書、米国特許第6372506号明細書、米国特許第5700692号明細書、米国特許第5643796号明細書、米国特許第5627040号明細書、米国特許第5620842号明細書、米国特許第5602039号明細書、米国特許第4987086号明細書、米国特許第4498766号明細書に記載されているフローサイトメトリシステムなどのフローサイトメトリシステムである。フローサイトメータが粒子ソータである一部の実施形態では、粒子ソータは画像対応粒子ソータである。画像対応粒子ソータは、開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第63/431803号及び米国仮特許出願第63/465057号に記載されている。
【0068】
図2は、本発明のある実施形態に係る一体型光流体調査モジュール220 を備えたフローサイトメータを示す概略図である。一体型光流体調査モジュール220 は、フローセル205 、線形ファイバアレイ204 、複数のマイクロレンズを有する集束光学系206 、キュベット207 、コリメートレンズ208 、光ファイバ集光素子カプラ209a~209c、光学マスク210 、光学フィルタ211 、前方散乱検出器212 、シース流体入力カプラ213 、試料流体入力カプラ214 、及び流体出力カプラ215 を有している。図2に示されているフローサイトメータは、光ファイバ光伝達コネクタ202a, 202b, 202cを介して光ファイバ203a, 203b, 203cに動作可能に夫々取り付けられているレーザ201a, 201b, 201cを備えている。光ファイバ203a~203cは線形ファイバアレイ204 で終端をなし、線形ファイバアレイ204 はフローセル205 と一体化されており、フローセル205 のキュベット207 内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている(例えば図1Bに関連して上述されている)複数の非円形状コア光ファイバを有している。図2の実施形態では、光流体調査モジュール220 は、キュベット207 の外面に取り付けられているコリメートレンズ208 を有している。コリメートレンズ208 は、キュベット207 から放射される粒子変調光を平行にするように構成されている。キュベット207 からの前方散乱光は、光学マスク210 及び光学フィルタ211 を通過した後、前方散乱検出器212 に進む。側方散乱光及び/又は蛍光は、光ファイバ集光素子カプラ209a~209cに動作可能に取り付けられている光ファイバ集光素子(不図示)によって収集され得る。試料流体は、試料流体入力カプラ214 を介してフローセル205 に供給されてもよく、試料流体入力カプラ自体は、試料流体リザーバに流体的に接続されている試料流体ライン(例えば管類)に流体的に接続されてもよい。シース流体は、シース流体入力カプラ213 を介してフローセル205 に供給されてもよく、シース流体入力カプラ自体は、シース流体リザーバに流体的に接続されているシース流体ラインに流体的に接続されてもよい。フローセルから放出されるシース流体(例えば廃棄流体)は、流体出力カプラ215 を介して取り除かれてもよい。廃棄ラインが、流体出力カプラ215 に流体的に接続されてもよく、流体出力カプラ215 は、廃棄リザーバ内に廃棄流体を堆積させてもよい。
【0069】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ290 によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ295 に記憶されてコントローラ/プロセッサ290 によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ290 は、検出器からの出力信号を受信するために検出器に連結されており、レーザ201a~201c、流体流パラメータなどを制御するためにフローサイトメータの電気部品及び電気機械部品に更に連結されてもよい。入出力(I/O)機能部297 がシステムに更に設けられてもよい。メモリ295 、コントローラ/プロセッサ290 及びI/O機能部297 は、フローサイトメータの一体部分として完全に設けられてもよい。このような実施形態では、ディスプレイが、フローサイトメータのユーザに実験データを提示するためにI/O機能部297 の一部を更に形成してもよい。或いは、メモリ295 及びコントローラ/プロセッサ290 及びI/O機能部297 の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの一又は複数の外部デバイスの一部であってもよい。一部の実施形態では、メモリ295 及びコントローラ/プロセッサ290 の一部又は全ては、フローサイトメータと無線又は有線で通信することができる。メモリ295 及びI/O機能部297 と併せてコントローラ/プロセッサ290 は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0070】
フローサイトメータ実験に使用される蛍光色素パネルの様々な蛍光分子は、夫々の特有の波長帯域の光を放射する。実験に使用される特定の蛍光標識、及び蛍光標識の関連する蛍光放射帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように選択されてもよい。I/O機能部297 は、蛍光標識のパネル、及び複数のマーカを有する複数の細胞集団(各細胞集団が複数のマーカの部分集合を有する)を有するフローサイトメータ実験に関するデータを受信するように構成され得る。I/O機能部297 は、一又は複数のマーカを一又は複数の細胞集団に割り当てる生体データ、マーカ濃度データ、発光スペクトルデータ、標識を一又は複数のマーカに割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データを受信するように更に構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データがメモリ295 に更に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ290 は、マーカに対する標識の一又は複数の割り当てを評価するように構成され得る。
【0071】
一部の実施形態では、主題のフローサイトメータは、2017年3月28日に出願された米国特許出願公開第2017/0299493号明細書(その開示が、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているような、密閉された粒子選別モジュールを用いて粒子を選別するように構成されている粒子選別システムである。ある実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)を、2019年12月23日に出願された米国特許出願公開第2020/0256781号明細書(その開示が、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているような複数の選別決定ユニットを有する選別決定モジュールを使用して選別する。一部の実施形態では、試料の成分を選別するためのシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許出願公開第2017/0299493号明細書(その開示が、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているような偏向板を有する粒子選別モジュールを備えている。
【0072】
図3は、生体事象を分析して表示するためのプロセッサ300 などの制御システムの一例の機能ブロック図である。プロセッサ300 は、生体事象のグラフ表示を制御するための様々な処理を実行するように構成され得る。
【0073】
フローサイトメータ又は選別システム302 が、生体事象データを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータがフローサイトメトリ事象データ(例えば粒子変調光データ)を生成することができる。フローサイトメータ302 は、生体事象データをプロセッサ300 に供給するように構成され得る。データ通信チャネルが、フローサイトメータ302 とプロセッサ300 との間に設けられ得る。生体事象データは、データ通信チャネルを介してプロセッサ300 に供給され得る。
【0074】
プロセッサ300 は、フローサイトメータ302 から生体事象データを受信するように構成され得る。フローサイトメータ302 から受信する生体事象データは、フローサイトメトリ事象データを含み得る。プロセッサ300 は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフ表示をディスプレイデバイス306 に供給するように構成され得る。プロセッサ300 は、例えば第1のプロットに重ねて、ディスプレイデバイス306 によって表示される生体事象データの集団の周囲にゲート(例えば第1のゲート)として注目領域をレンダリングするように更に構成され得る。一部の実施形態では、ゲートは、1つのパラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描画される一又は複数の図示の注目領域の論理的な組合せとすることができる。一部の実施形態では、ディスプレイは、粒子パラメータ又は飽和検出器データを表示するために使用され得る。
【0075】
プロセッサ300 は、ゲート内のディスプレイデバイス306 上の生体事象データを、ゲート外の生体事象データ内の他の事象とは異ならせて表示するように更に構成され得る。例えば、プロセッサ300 は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲート外の生体事象データの色とは異ならせてレンダリングするように構成され得る。ディスプレイデバイス306 は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインタフェースを提供するように構成されている他の電子デバイスとして実装され得る。
【0076】
プロセッサ300 は、ゲートを識別するゲート選択信号を第1の入力デバイスから受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスはマウス310 として実装され得る。マウス310 は、(例えばカーソルが所望のゲートにあるときに所望のゲート上を又は所望のゲート内をクリックすることによって)ディスプレイデバイス306 に表示されるか又はディスプレイデバイス306 を介して操作されるゲートを識別するゲート選択信号をプロセッサ300 に送信することが可能である。一部の実施態様では、第1のデバイスは、キーボード308 として、又は入力信号をプロセッサ300 に供給するための他の手段、例えばタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器若しくは音声認識システムとして実装され得る。一部の入力デバイスは複数の入力機能を含み得る。このような実施態様では、入力機能は夫々入力デバイスとみなされ得る。例えば、図3に示されているようにマウス310 は右マウスボタン及び左マウスボタンを含むことができ、右マウスボタン及び左マウスボタンはトリガ事象を夫々生成し得る。
【0077】
トリガ事象により、プロセッサ300 は、データの表示方法、データのどの部分を実際にディスプレイデバイス306 に表示するかを変更する、及び/又は粒子選別のための注目する集団の選択などの更なる処理への入力を提供することが可能である。
【0078】
一部の実施形態では、プロセッサ300 は、マウス310 によってゲート選択が開始されたときを検出するように構成され得る。プロセッサ300 は、ゲート処理を容易にするためにプロットの視覚化を自動的に変更するように更に構成され得る。この変更を、プロセッサ300 によって受信する生体事象データの特定の分布に基づき行うことが可能である。一部の実施形態では、プロセッサ300 は、(例えば上述されているように)第2のゲートが生成されるように第1のゲートを拡張する。
【0079】
プロセッサ300 は記憶デバイス304 に接続され得る。記憶デバイス304 は、プロセッサ300 から生体事象データを受信して記憶するように構成され得る。記憶デバイス304 は、プロセッサ300 からフローサイトメトリ事象データを受信して記憶するように更に構成され得る。記憶デバイス304 は、プロセッサ300 による、フローサイトメトリ事象データなどの生体事象データの検索を可能にするように更に構成され得る。
【0080】
ディスプレイデバイス306 は、プロセッサ300 から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット及びプロットの区分の概要を示すゲートを含み得る。ディスプレイデバイス306 は、フローサイトメータ302 、記憶デバイス304 、キーボード308 及び/又はマウス310 からの入力と併せて、プロセッサ300 から受信する入力に応じて表示される情報を変更するように更に構成され得る。
【0081】
一部の実施態様では、プロセッサ300 は、選別のための例示的な事象を受信するためにユーザインタフェースを生成することができる。例えば、ユーザインタフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するためのメカニズムを含み得る。例示的な事象若しくは画像、又は例示的なゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部についての最初の組の事象に基づいて提供され得る。
【0082】
図4Aは、本明細書に提示されている一実施形態に係る粒子選別システム400 (例えばフローサイトメータ302 )を示す概略図である。一部の実施形態では、粒子選別システム400 は細胞選別システムである。図4Aに示されているように、液滴形成トランスデューサ402 (例えば圧電発振器)が流体管401 に連結されており、流体管401 は、ノズル403 に連結され得るか、ノズル403 を含み得るか又はノズル403 であり得る。流体管401 内で、シース流体404 が、粒子409 を含む試料流体406 を移動流体カラム408 (例えばストリーム)に流体力学的に集束させる。移動流体カラム408 内で、粒子409 (例えば細胞)は1列に並べられて、照射源412 (例えばレーザ)によって照射される、(例えばレーザストリームが交差する)監視領域411 を横切る。液滴形成トランスデューサ402 の振動によって、移動流体カラム408 は複数の液滴410 に分裂し、液滴の一部は粒子409 を含む。
【0083】
動作中、検出ステーション414 (例えば事象検出器)が、注目する粒子(又は注目する細胞)が監視領域411 を横切るときを識別する。検出ステーション414 は、タイミング回路428 に入力供給し、次いで、タイミング回路528 は、フラッシュ電荷回路430 に入力供給する。時限液滴遅延(△t)によって通知される液滴分裂ポイントでは、注目する液滴が電荷を運ぶように、フラッシュ電荷が移動流体カラム408 に与えられ得る。注目する液滴は、選別される一又は複数の粒子又は細胞を含み得る。その後、偏向板(不図示)を作動させて、帯電した液滴を収集管又はマルチウェル若しくはマイクロウェルの試料プレートなどの容器に偏向させることによって、帯電した液滴を選別することができ、ウェル又はマイクロウェルは特に注目する液滴と関連付けられ得る。図4Aに示されているように、液滴はドレイン容器438 内に収集され得る。
【0084】
検出システム416 (例えば液滴境界検出器)は、注目する粒子が監視領域411 を通過するときに液滴駆動信号の位相を自動的に決定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7679039号明細書に記載されており、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。検出システム416 によって、機器は液滴中の検出された各粒子の位置を正確に計算することが可能である。検出システム416 は、振幅信号420 及び/又は位相信号418 を供給することができ、これらの信号は、次に(増幅器422 を介して)振幅制御回路426 及び/又は周波数制御回路424 に供給される。その後、振幅制御回路426 及び/又は周波数制御回路424 は液滴形成トランスデューサ402 を制御する。振幅制御回路426 及び/又は周波数制御回路424 は制御システム内に設けられ得る。
【0085】
一部の実施態様では、選別電子機器(例えば検出システム416 、検出ステーション414 及びプロセッサ440 )は、検出された事象と検出された事象に基づく選別決定結果とを記憶するように構成されているメモリと連結され得る。選別決定結果は、粒子に関する事象データに含まれ得る。一部の実施態様では、検出システム416 及び検出ステーション414 は、1つの検出ユニットとして実装され得るか、又は事象測定値が検出システム416 若しくは検出ステーション414 の一方によって収集されて非収集要素に提供され得るように通信可能に連結され得る。
【0086】
図4Bは、本明細書に提示されている一実施形態に係る粒子選別システムを示す概略図である。図4Bに示されている粒子選別システム400 は偏向板452 及び偏向板454 を備えている。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷が与えられ得る。このため、分析のために粒子409 を含む液滴410 のストリームが生成される。粒子は、一又は複数の光源(例えばレーザ)を用いて照射されて、光散乱情報及び蛍光情報が生成され得る。粒子についての情報は、(図4Bに示されていない)選別電子機器又は他の検出システムなどによって分析される。偏向板452 及び偏向板454 は、帯電した液滴を引き付けるか又は反発させて、液滴を目的の収集容器(例えば472 、474 、476 又は478 の内の1つ)に向かって導くために独立して制御され得る。図4Bに示されているように、偏向板452 及び偏向板454 は、粒子を第1の経路462 に沿って容器474 に向かって導くか又は第2の経路468 に沿って容器478 に向かって導くように制御され得る。粒子が注目する粒子ではない(例えば、指定された選別範囲内の散乱情報又は照射情報を示さない)場合、偏向板は、粒子が流路464 に沿って進み続けることを可能にしてもよい。このような帯電していない液滴は、吸引器470 などを介して廃棄物容器に流れ込んでもよい。
【0087】
選別電子機器は、測定値の収集を開始して、粒子に関する蛍光信号を受信し、粒子を選別するために偏向板をどのように調整するかを決定するために含まれ得る。図4Bに示されている実施形態の例示的な実施態様として、Becton, Dickinson and Company (Franklin Lakes, NJ)によって市販されているBD FACSAria(商標)ラインのフローサイトメータが含まれる。
【0088】
図5は、ある実施形態に係る例示的なコンピューティングデバイス500 の一般的な構成を示す。図5に示されているコンピューティングデバイス500 の一般的な構成には、コンピュータのハードウェア及びソフトウェアの部品の配置が含まれる。しかしながら、有効な開示を提供するために、これらの一般的な従来の要素の全てが、必ずしも示される必要はない。図示されているように、コンピューティングデバイス500 は、処理ユニット510 、ネットワークインタフェース520 、コンピュータ可読媒体ドライブ530 、入出力デバイスインタフェース540 、ディスプレイ550 、及び入力デバイス560 を備えており、これら全ては、通信バスを経由して互いに通信してもよい。ネットワークインタフェース520 は、一又は複数のネットワーク又はコンピューティングシステムへの接続性を提供してもよい。従って、処理ユニット510 は、ネットワークを介して他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信してもよい。処理ユニット510 は、メモリ570 との間で更に通信してもよく、入出力デバイスインタフェース540 を介して、任意のディスプレイ550 のための出力情報を更に提供してもよい。例えば、解析システムの非一時的なメモリに実行命令として記憶されている解析ソフトウェア(例えば、データ解析ソフトウェア又はプログラム、例えばFlowJo(登録商標))が、フローサイトメトリの事象データをユーザに表示することができる。入出力デバイスインタフェース540 は、任意の入力デバイス560 、例えばキーボード、マウス、デジタルペン、マイクロホン、タッチスクリーン、ジェスチャ認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスから入力を更に受け付けてもよい。
【0089】
メモリ570 は、一又は複数の実施形態を実施するために処理ユニット510 が実行する(一部の実施形態ではモジュール又は構成要素としてグループ化される)コンピュータプログラム命令を含んでもよい。メモリ570 は一般に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的若しくは非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでいる。メモリ570 は、コンピューティングデバイス500 の一般的な管理及び動作で処理ユニット510 によって使用するためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム572 を記憶してもよい。データはデータ記憶デバイス590 に記憶されてもよい。メモリ570 は、本開示の態様を実施するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含んでもよい。
【0090】
試料を分析する方法
上述されているように、本発明の態様は、試料を分析する方法を含む。注目する方法では、(a) 複数の光源と本発明の一体型光流体調査モジュールとを備えているフローサイトメータに粒子試料を導入し、(b) 粒子試料をフローサイトメトリで分析する。
【0091】
分析される試料は、ユーザが関心を持つあらゆる試料であり得る。ある実施形態では、試料は生物学的成分を含むか又は生体試料である。「生体試料」という用語は、有機体全体、例えば原核細胞、真核細胞、植物、菌類、又は動物の組織、細胞若しくは成分のサブセット由来であるか又は有機体全体、例えば原核細胞、真核細胞、植物、菌類、又は動物の組織、細胞若しくは成分のサブセットを含む試料を指すために従来の意味で使用され、動物の組織、細胞若しくは成分のサブセットは、場合によっては血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、羊水臍帯血、尿、膣液又は精液で見い出されてもよい。そのため、「生体試料」は、天然の有機体又はその組織のサブセット、並びにホモジェネート;単離、精製又は濃縮された生物学的粒子(例えばDNA 、RNA 、タンパク質、細胞内小器官など);及び、有機体又はその組織のサブセットから調製された溶解物又は抽出物の両方を指し、例えば血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、気道、消化管、心臓血管、尿生殖路、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、器官を含むが、これらに限定されない。生体試料は、健康な組織及び罹患組織(例えば癌性、悪性、壊死など)の両方を含むあらゆるタイプの有機体の組織であってもよい。ある実施形態では、生体試料は液体試料、例えば血液又はその誘導体、例えば血漿、涙、尿、精液などであり、場合によっては、試料は、静脈穿刺又は指先穿刺から得られる血液などの全血を含む血液試料である(血液は、アッセイ前に防腐剤、抗凝固剤などのあらゆる試薬と組み合わされてもよく又は組み合わされなくてもよい)。
【0092】
ある実施形態では、試料源は「哺乳動物」又は「哺乳類」であり、これらの用語が、食肉目(例えばイヌ及びネコ)、齧歯目(例えばマウス、モルモット及びラット)及び霊長目(例えばヒト、チンパンジー及びサル)を含む哺乳綱に属する生物を記載すべく広く使用される。場合によっては、対象はヒトである。本方法は、両方の性別及びあらゆる発達段階(つまり新生児、幼児、年少者、青年、成人)のヒト対象から得られる試料に適用されてもよく、ある実施形態では、ヒト対象は年少者、青年又は成人である。本開示の実施形態は、ヒト対象からの試料に適用されてもよいが、本方法は、鳥類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜及びウマなどを含むが、これらに限定されない他の動物対象(すなわち「非ヒト対象」)からの試料に対して更に実施されてもよいことを理解すべきである。
【0093】
注目する細胞が、特定の蛍光標識を注目する細胞に付着させることによって識別される表現型特性など様々なパラメータに従って特徴付けられる対象であってもよい。一部の実施形態では、システムは、標的細胞を含むと決定された分析液滴を偏向させるように構成されている。様々な細胞が、主題の方法を用いて特徴付けられてもよい。注目する標的細胞には、幹細胞、T細胞、樹状細胞、B細胞、顆粒球、白血病細胞、リンパ腫細胞、ウイルス細胞(例えばHIV 細胞)、NK細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、及び赤血球細胞が含まれるが、これらに限定されない。注目する標的細胞には、簡便な親和剤又はその共役体によって取り込まれるか又は標識が付与されてもよい簡便な細胞表面マーカ又は抗原を有する細胞が含まれる。例えば、標的細胞は、細胞表面抗原、例えばCD11b 、CD123 、CD14、CD15、CD16、CD19、CD193 、CD2 、CD25、CD27、CD3 、CD335 、CD36、CD4 、CD43、CD45RO、CD56、CD61、CD7 、CD8 、CD34、CD1c、CD23、CD304 、CD235a、T細胞受容体α/β、T細胞受容体γ/δ、CD253 、CD95、CD20、CD105 、CD117 、CD120b、Notch4、Lgr5(N末端)、SSEA-3、TRA-1-60抗原、ジシアロガングリオシドGD2 及びCD71を含んでもよい。一部の実施形態では、標的細胞は、HIV 含有細胞、Treg細胞、抗原特異的T細胞集団、腫瘍細胞、又は、全血、骨髄若しくは臍帯血からの造血前駆細胞(CD34+) から選択される。
【0094】
注目する方法では更に、研究、臨床試験又は治療で粒子を使用してもよい。一部の実施形態では、主題の方法で、標的とする流体又は組織の生体試料から調製された個々の細胞を得る。例えば、主題の方法では、癌などの疾患のための研究検体又は診断検体として使用される流体又は組織の試料から細胞を得る。同様に、主題の方法では、治療に使用される流体又は組織の試料から細胞を得る。細胞療法プロトコルは、例えば細胞及び組織を含む生存可能な細胞物質を調製し、治療処置として対象に導入してもよいプロトコルである。フローサイトメトリで選別された試料の投与によって処置され得る症状には、血液疾患、免疫系障害、臓器損傷などが含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
一般的な細胞療法プロトコルには、試料収集、細胞単離、遺伝子改変、培養、インビトロでの増殖、細胞採取、試料量の削減、試料洗浄、生体保存、保管、及び対象への細胞の導入の工程が含まれてもよい。対象の組織源から生存可能な細胞及び組織を収集して、細胞及び/又は組織の試料を生成することにより、プロトコルを開始してもよい。例えば対象への細胞動員剤の投与、対象からの採血、対象からの骨髄の除去などを含むあらゆる適切な手順で試料を収集してもよい。試料を収集した後、例えば遠心分離に基づく方法、フィルタに基づく方法、水簸、磁気分離法、蛍光活性化細胞選別(FACS)などを含む複数の方法により細胞濃縮を行ってもよい。場合によっては、濃縮された細胞が、あらゆる簡便な方法、例えばヌクレアーゼを介した遺伝子編集により遺伝子改変されてもよい。遺伝子改変細胞はインビトロで培養され、活性化され、増殖され得る。場合によっては、細胞が保存、例えば凍結保存され、今後の使用のために保管される。使用する際、細胞を解凍し、次に患者に投与する、例えば細胞を患者に注入してもよい。
【0096】
フローサイトメータを組み立てる方法
本発明の態様は、フローサイトメータを組み立てる方法を更に含む。注目する方法では、(a) 複数の光源を備えているフローサイトメータに一体型光流体調査モジュールを配置し、(b) 複数の光ファイバ光伝達カプラを複数の光源に動作可能に取り付けて、フローサイトメータを組み立てる。上記に詳細に記載されているように、本開示の一体型光流体調査モジュールは、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを備えている。
【0097】
上述されているように、一体型光流体調査モジュールの実施形態では、フローセルと一体化されている光検出器と、光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラとが設けられている。ある場合には、フローサイトメータを組み立てる際、電気線を電気カプラに動作可能に取り付ける。加えて、一体型光流体調査モジュールの実施形態では、複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラが設けられている。場合によっては、フローサイトメータを組み立てる際、複数の光ファイバ集光素子を複数の光ファイバ集光素子カプラに動作可能に取り付ける。モジュールが、フローストリームをフローセルに注入するための試料流体入力カプラを有している場合、開示されている方法の一部の実施態様では、フローサイトメータの試料流体ラインを試料流体入力カプラに流体的に接続する。モジュールが、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを有している場合、開示されている方法の一部の実施態様では、フローサイトメータのシース流体ラインをシース流体入力カプラに流体的に接続する。モジュールが、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを有している場合、開示されている方法の一部の実施態様では、フローサイトメータの廃棄ラインを流体出力カプラに流体的に接続する。
【0098】
しかしながら、本明細書に開示されているフローサイトメータを組み立てる方法には、機械的な取付け及び整列が含まれない。言い換えれば、一体型光流体調査モジュールがフローサイトメータ内に配置され、一体型光流体調査モジュールの一体化された性質によって関連する部品(例えば、レーザ、光ファイバ集光素子、電気線など)に接続されると、光学部品は既に正確な光学的整列をなしている。場合によっては、本発明の方法により、組立て及び/又は整列時間は、一体化された光学系を含まない従来の方法より20%以下、例えば30%以下、例えば50%以下、例えば60%以下になる。
【0099】
キット
上述されているように、本発明の態様はキットを更に含む。注目するキットは、(例えば上述されている)一体型光流体調査モジュールを備えている。主題のキットの実施形態では、1つの一体型光流体調査モジュールが備えられている。ある場合には、キットは、複数の一体型光流体調査モジュールを備えている。このような場合、主題のキット内の一体型光流体調査モジュールの数は2~20の範囲内であり、例えば2~10、例えば2~5の範囲内である。
【0100】
キットは、フローサイトメータの組立てに有用な一又は複数の他の部品を更に備えてもよい。場合によっては、キットは、フローセルと一体化されている光検出器によって生成される信号を送信するための一又は複数の電気線を備えている。場合によっては、キットは、複数の電気線、例えば2以上の電気線、例えば3以上の電気線、例えば4以上の電気線、例えば5以上の電気線を備えている。一部の実施形態に係るキットは、複数の光ファイバ集光素子を備えている。例えば、光ファイバ集光素子の数は2~20の範囲内であってもよく、例えば2~10の範囲内であってもよい。場合によっては、キットは、モジュールに動作可能に取り付けられてもよい試料流体ライン、シース流体ライン及び/又は廃棄ラインなどの流体部品を備えている。
【0101】
キットは、主題の方法を実施するための使用説明書を更に備えてもよい。これらの使用説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在してもよく、これらの使用説明書の内の一又は複数がキット内に存在してもよい。これらの使用説明書が備えられてもよい一形態は、適切な媒体又は基板上に印刷された情報であり、例えば、情報が印刷されている一又は複数の紙片、キットの包装体、添付文書等である。これらの使用説明書の更に別の形態は、情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えばディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在してもよいこれらの使用説明書の更に別の形態は、離れた場所で情報にアクセスするためにインターネットを介して使用されてもよいウェブサイトアドレスである。
【0102】
有用性
主題の一体型光流体調査モジュール、フローサイトメータ、及び方法は、生体試料中の分析物(例えば、細胞、粒子)のパラメータを決定する際に分解能及び精度を向上させることが望ましい様々な用途に使用される。例えば、本発明は、フローサイトメータの組立てを容易にするため、すなわち、面倒な組立て及び調整を必要としないために使用されてもよい。従って、主題の一体型光流体調査モジュール、フローサイトメータ、及び方法は、通常、骨の折れる機械的な取付け及び整列を含む複雑なフローサイトメータの組立てを簡素化することが望ましい場合に使用される。その結果、主題の一体型光流体調査モジュール、フローサイトメータ、及び方法は、フローサイトメータの組立てコストを削減し、フローサイトメトリから得られた結果の堅牢性を高めるために使用されてもよい。一部の実施形態では、本発明は、モジュール式のフローサイトメータの部品を備えることが望ましい場合、すなわち、注目する機能性を達成するために必要に応じて部品を様々なモジュールに交換することができるように使用されてもよい。更なる場合、本発明は、フローサイトメータの収集効率を高めることが望ましい場合に使用されてもよい。
【0103】
本開示は、多くの種類の分析物、特に医学的診断又は患者のケアのためのプロトコルに関連する分析物を特性評価するために用いられることができ、分析物は、タンパク質(結合していないタンパク質、及び細胞などの構造体の表面に結合したタンパク質の両方を含む)、核酸、ウイルス粒子などを含むが、これらに限定されない。更に、試料は、インビトロ源又はインビボ源から得られることができ、試料は診断試料であり得る。
【0104】
下記は、例として示されており、限定するものではない。
【0105】
実験
図1Bに示されているように配置された線形ファイバアレイによって放射される光に関する照射プロファイルを得た。得られた照射プロファイルが図6に示されている。図6に示されているように、照射は均一で規則的な間隔があり、線形ファイバアレイがコアストリームの照射での使用に適していることが示されている。
【0106】
添付の特許請求の範囲に関わらず、本開示は下記の付記により更に定義される。
【0107】
付記1.粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を備えている、一体型光流体調査モジュール。
【0108】
付記2.非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、付記1に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0109】
付記3.非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、付記2に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0110】
付記4.非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている、付記1~3のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0111】
付記5.線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは垂直方向に積み重ねられている、付記1~4のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0112】
付記6.線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、付記5に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0113】
付記7.線形ファイバアレイは、フローセルの外面に取り付けられている、付記1~6のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0114】
付記8.フローセルと一体化され、非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を更に備えている、付記1~7のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0115】
付記9.集束光学系はフローセルに埋め込まれている、付記8に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0116】
付記10.集束光学系は複数のマイクロレンズを有している、付記8又は9に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0117】
付記11.フローセルと一体化されている光検出器を更に備えている、付記1~10のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0118】
付記12.光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを更に備えている、付記11に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0119】
付記13.電気線を更に備えている、付記12に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0120】
付記14.焦点と光検出器との間に配置されている光学フィルタを更に備えている、付記11~13のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0121】
付記15.焦点と光検出器との間に配置されている光学マスクを更に備えている、付記11~14のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0122】
付記16.光検出器は前方散乱検出器である、付記11~15のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0123】
付記17.光検出器は、フローセルの外面に取り付けられている、付記11~16のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0124】
付記18.複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラを更に備えている、付記1~17のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0125】
付記19.光ファイバ集光素子カプラは、垂直方向に積み重ねられている、付記18に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0126】
付記20.複数の光ファイバ集光素子を更に備えている、付記18又は19に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0127】
付記21.試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを更に備えている、付記1~20のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0128】
付記22.シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを更に備えている、付記1~21のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0129】
付記23.フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを更に備えている、付記1~22のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0130】
付記24.フローセルはキュベットを有している、付記1~23のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0131】
付記25.キュベットの外面に取り付けられているコリメートレンズを更に備えている、付記24に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0132】
付記26.コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである、付記25に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0133】
付記27.コリメートレンズはフレネルレンズである、付記25又は26に記載の一体型光流体調査モジュール。
【0134】
付記28.N個の非円形状コア光ファイバ、
N個の焦点、及び
N個の光ファイバ光伝達カプラ
を備えており、
Nは2~10の範囲内の整数である、付記1~27のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0135】
付記29.フローセルの幅は、75mm~125 mmの範囲内である、付記1~28のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【0136】
付記30.複数の光源、及び
一体型光流体調査モジュール
を備えており、
一体型光流体調査モジュールは、
粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を有している、フローサイトメータ。
【0137】
付記31.非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、付記30に記載のフローサイトメータ。
【0138】
付記32.非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、付記31に記載のフローサイトメータ。
【0139】
付記33.非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている、付記30~32のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0140】
付記34.線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは垂直方向に積み重ねられている、付記30~33のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0141】
付記35.線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、付記34に記載のフローサイトメータ。
【0142】
付記36.線形ファイバアレイは、フローセルの外面に取り付けられている、付記30~35のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0143】
付記37.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されて非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を有している、付記30~36のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0144】
付記38.集束光学系はフローセルに埋め込まれている、付記37に記載のフローサイトメータ。
【0145】
付記39.集束光学系は複数のマイクロレンズを有している、付記37又は38に記載のフローサイトメータ。
【0146】
付記40.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されている光検出器を有している、付記30~39のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0147】
付記41.一体型光流体調査モジュールは、光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを有している、付記40に記載のフローサイトメータ。
【0148】
付記42.電気線を更に備えている、付記41に記載のフローサイトメータ。
【0149】
付記43.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学フィルタを有している、付記40~42のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0150】
付記44.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学マスクを有している、付記40~43のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0151】
付記45.光検出器は前方散乱検出器である、付記40~44のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0152】
付記46.光検出器は、フローセルの外面に取り付けられている、付記40~45のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0153】
付記47.一体型光流体調査モジュールは、複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラを有している、付記30~46のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0154】
付記48.光ファイバ集光素子カプラは、垂直方向に積み重ねられている、付記47に記載のフローサイトメータ。
【0155】
付記49.複数の光ファイバ集光素子を更に備えている、付記47又は48に記載のフローサイトメータ。
【0156】
付記50.複数の光ファイバ集光素子に動作可能に夫々取り付けられている複数の光検出器を更に備えている、付記49に記載のフローサイトメータ。
【0157】
付記51.一体型光流体調査モジュールは、試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを有している、付記30~50のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0158】
付記52.一体型光流体調査モジュールは、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを有している、付記30~51のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0159】
付記53.一体型光流体調査モジュールは、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを有している、付記30~52のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0160】
付記54.フローセルはキュベットを有している、付記30~53のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0161】
付記55.一体型光流体調査モジュールは、キュベットの外面に取り付けられているコリメートレンズを有している、付記54に記載のフローサイトメータ。
【0162】
付記56.コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである、付記55に記載のフローサイトメータ。
【0163】
付記57.コリメートレンズはフレネルレンズである、付記55又は56に記載のフローサイトメータ。
【0164】
付記58.一体型光流体調査モジュールは、
N個の非円形状コア光ファイバ、
N個の焦点、及び
N個の光ファイバ光伝達カプラ
を有しており、Nは2~10の範囲内の整数である、付記30~57のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0165】
付記59.フローセルの幅は、75mm~125 mmの範囲内である、付記30~58のいずれか1つに記載のフローサイトメータ。
【0166】
付記60.試料を分析する方法であって、
(a) 複数の光源、及び一体型光流体調査モジュールを備えているフローサイトメータであって、一体型光流体調査モジュールが、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを有しているフローサイトメータに粒子試料を導入し、
(b) 粒子試料をフローサイトメトリで分析する、方法。
【0167】
付記61.非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、付記60に記載の方法。
【0168】
付記62.非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、付記61に記載の方法。
【0169】
付記63.非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている、付記60~62のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
付記64.線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは垂直方向に積み重ねられている、付記60~63のいずれか1つに記載の方法。
【0171】
付記65.線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、付記64に記載の方法。
【0172】
付記66.線形ファイバアレイは、フローセルの外面に取り付けられている、付記60~65のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
付記67.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されて非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を有している、付記60~66のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
付記68.集束光学系はフローセルに埋め込まれている、付記67に記載の方法。
【0175】
付記69.集束光学系は複数のマイクロレンズを有している、付記67又は68に記載の方法。
【0176】
付記70.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されている光検出器を有している、付記60~69のいずれか1つに記載の方法。
【0177】
付記71.一体型光流体調査モジュールは、光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを有している、付記70に記載の方法。
【0178】
付記72.フローサイトメータは電気線を更に備えている、付記71に記載の方法。
【0179】
付記73.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学フィルタを有している、付記60~72のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
付記74.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学マスクを有している、付記70~73のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
付記75.光検出器は前方散乱検出器である、付記70~74のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
付記76.光検出器は、フローセルの外面に取り付けられている、付記70~75のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
付記77.一体型光流体調査モジュールは、複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラを有している、付記60~76のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
付記78.光ファイバ集光素子カプラは、垂直方向に積み重ねられている、付記77に記載の方法。
【0185】
付記79.フローサイトメータは、複数の光ファイバ集光素子を更に備えている、付記77又は78に記載の方法。
【0186】
付記80.フローサイトメータは、複数の光ファイバ集光素子に動作可能に夫々取り付けられている複数の光検出器を更に備えている、付記79に記載の方法。
【0187】
付記81.一体型光流体調査モジュールは、試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを有している、付記60~80のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
付記82.一体型光流体調査モジュールは、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを有している、付記60~81のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
付記83.一体型光流体調査モジュールは、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを有している、付記60~82のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
付記84.フローセルはキュベットを有している、付記60~83のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
付記85.一体型光流体調査モジュールは、キュベットの外面に取り付けられているコリメートレンズを有している、付記84に記載の方法。
【0192】
付記86.コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである、付記85に記載の方法。
【0193】
付記87.コリメートレンズはフレネルレンズである、付記85又は86に記載の方法。
【0194】
付記88.一体型光流体調査モジュールは、
N個の非円形状コア光ファイバ、
N個の焦点、及び
N個の光ファイバ光伝達カプラ
を有しており、Nは2~10の範囲内の整数である、付記60~87のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
付記89.フローセルの幅は、75mm~125 mmの範囲内である、付記60~88のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
付記90.フローサイトメータを組み立てる方法であって、
(a) 粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを有する一体型光流体調査モジュールを、複数の光源を備えるフローサイトメータに配置し、
(b) 複数の光ファイバ光伝達カプラを複数の光源に動作可能に取り付けて、フローサイトメータを組み立てる、方法。
【0197】
付記91.非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、付記90に記載の方法。
【0198】
付記92.非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、付記91に記載の方法。
【0199】
付記93.非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている、付記90~92のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
付記94.線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは垂直方向に積み重ねられる、付記90~93のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
付記95.線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、付記94に記載の方法。
【0202】
付記96.線形ファイバアレイは、フローセルの外面に取り付けられる、付記90~95のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
付記97.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されて非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成される集束光学系を有する、付記90~96のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
付記98.集束光学系はフローセルに埋め込まれる、付記97に記載の方法。
【0205】
付記99.集束光学系は複数のマイクロレンズを有する、付記97又は98に記載の方法。
【0206】
付記100.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化される光検出器を更に有する、付記90~99のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
付記101.一体型光流体調査モジュールは、光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを有する、付記100に記載の方法。
【0208】
付記102.電気線を電気カプラに動作可能に取り付ける、付記101に記載の方法。
【0209】
付記103.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置される光学フィルタを有する、付記100~102のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
付記104.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置される光学マスクを有する、付記100~103のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
付記105.光検出器は前方散乱検出器である、付記100~104のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
付記106.光検出器は、フローセルの外面に取り付けられる、付記100~105のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
付記107.一体型光流体調査モジュールは、複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラを有する、付記90~106のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
付記108.光ファイバ集光素子カプラは、垂直方向に積み重ねられる、付記107に記載の方法。
【0215】
付記109.複数の光ファイバ集光素子を複数の光ファイバ集光素子カプラに動作可能に取り付ける、付記107又は108に記載の方法。
【0216】
付記110.一体型光流体調査モジュールは、試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを有する、付記90~109のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
付記111.フローサイトメータの試料流体ラインを試料流体入力カプラに流体的に接続する、付記110に記載の方法。
【0218】
付記112.一体型光流体調査モジュールは、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを有する、付記90~111のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
付記113.フローサイトメータのシース流体ラインをシース流体入力カプラに流体的に接続する、付記112に記載の方法。
【0220】
付記114.一体型光流体調査モジュールは、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを有する、付記90~113のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
付記115.フローサイトメータの廃棄ラインを流体出力カプラに流体的に接続する、付記114に記載の方法。
【0222】
付記116.フローセルはキュベットを有する、付記90~115のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
付記117.一体型光流体調査モジュールは、キュベットの外面に取り付けられているコリメートレンズを有する、付記116に記載の方法。
【0224】
付記118.コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである、付記117に記載の方法。
【0225】
付記119.コリメートレンズはフレネルレンズである、付記117又は118に記載の方法。
【0226】
付記120.一体型光流体調査モジュールは、
N個の非円形状コア光ファイバ、
N個の焦点、及び
N個の光ファイバ光伝達カプラ
を有し、Nは2~10の範囲内の整数である、付記90~119のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
付記121. フローセルの幅は、75mm~125 mmの範囲内である、付記90~120のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
付記122.一体型光流体調査モジュールを備えており、
一体型光流体調査モジュールは、
粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
フローセルと一体化され、フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
複数の光源を線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を有している、キット。
【0229】
付記123.非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、付記122に記載のキット。
【0230】
付記124.非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、付記123に記載のキット。
【0231】
付記125.非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を焦点に投射するように構成されている、付記122~124のいずれか1つに記載のキット。
【0232】
付記126.線形ファイバアレイの非円形状コアファイバは垂直方向に積み重ねられている、付記122~125のいずれか1つに記載のキット。
【0233】
付記127.線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コアファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、付記126に記載のキット。
【0234】
付記128.線形ファイバアレイは、フローセルの外面に取り付けられている、付記122~127のいずれか1つに記載のキット。
【0235】
付記129.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されて非円形状コア光ファイバから焦点に励起波長光を中継するように構成される集束光学系を有している、付記122~128のいずれか1つに記載のキット。
【0236】
付記130.集束光学系はフローセルに埋め込まれている、付記129に記載のキット。
【0237】
付記131.集束光学系は複数のマイクロレンズを有している、付記129又は130に記載のキット。
【0238】
付記132.一体型光流体調査モジュールは、フローセルと一体化されている光検出器を更に有している、付記122~131のいずれか1つに記載のキット。
【0239】
付記133.一体型光流体調査モジュールは、光検出器に電気線を動作可能に取り付けるための電気カプラを更に有している、付記132に記載のキット。
【0240】
付記134.電気線を更に備えている、付記133に記載のキット。
【0241】
付記135.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学フィルタを有している、付記132~134のいずれか1つに記載のキット。
【0242】
付記136.一体型光流体調査モジュールは、焦点と光検出器との間に配置されている光学マスクを有している、付記132~135のいずれか1つに記載のキット。
【0243】
付記137.光検出器は前方散乱検出器である、付記132~136のいずれか1つに記載のキット。
【0244】
付記138.光検出器は、フローセルの外面に取り付けられている、付記132~137のいずれか1つに記載のキット。
【0245】
付記139.一体型光流体調査モジュールは、複数の光ファイバ集光素子をフローセルに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ集光素子カプラを有している、付記122~138のいずれか1つに記載のキット。
【0246】
付記140.光ファイバ集光素子カプラは、垂直方向に積み重ねられている、付記139に記載のキット。
【0247】
付記141.複数の光ファイバ集光素子を更に備えている、付記139又は140に記載のキット。
【0248】
付記142.一体型光流体調査モジュールは、試料流体をフローセルに注入するための試料流体入力カプラを有している、付記122~141のいずれか1つに記載のキット。
【0249】
付記143.一体型光流体調査モジュールは、シース流体をフローセルに注入するためのシース流体入力カプラを有している、付記122~142のいずれか1つに記載のキット。
【0250】
付記144.一体型光流体調査モジュールは、フローセルからのフローストリームを受けるための流体出力カプラを有している、付記122~143のいずれか1つに記載のキット。
【0251】
付記145.フローセルはキュベットを有している、付記122~144のいずれか1つに記載のキット。
【0252】
付記146.一体型光流体調査モジュールは、キュベットの外面に取り付けられているコリメートレンズを有している、付記145に記載のキット。
【0253】
付記147.コリメートレンズは射出圧縮成形マイクロレンズである、付記146に記載のキット。
【0254】
付記148.コリメートレンズはフレネルレンズである、付記146又は147に記載のキット。
【0255】
付記149.一体型光流体調査モジュールは、
N個の非円形状コア光ファイバ、
N個の焦点、及び
N個の光ファイバ光伝達カプラ
を有しており、Nは2~10の範囲内の整数である、付記122~148のいずれか1つに記載のキット。
【0256】
付記150.フローセルの幅は、75mm~125 mmの範囲内である、付記122~149のいずれか1つに記載のキット。
【0257】
付記151.複数の一体型光流体調査モジュールを備えている、付記122~150のいずれか1つに記載のキット。
【0258】
上記の発明は、理解し易くするために例証及び例示としてある程度詳細に記載されているが、当業者には、本発明の教示に鑑みて、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、いくつかの変更及び修正がなされてもよいことは容易に明らかである。
【0259】
従って、前述の内容は本発明の本質を単に示しているだけである。本明細書に明示的に説明されていないか又は示されていないが、本発明の本質を具体化して本発明の趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を当業者が考案し得ることは明らかである。更に、本明細書に述べられている全ての例及び条件的な用語は、本発明の本質と本技術分野を進展させるために本発明者らにより与えられた概念とを理解する際に読み手を支援することを本質的に意図するものであり、このように具体的に述べられた例及び条件に限定するものではないと解釈されるべきである。更に、本発明の本質、態様及び実施形態並びに本発明の具体的な例を述べている本明細書における全ての記載は、本発明の構造的且つ機能的な等価物の両方を含むことを意図するものである。加えて、このような等価物は、現時点で既知の等価物及び今後開発される等価物、すなわち構造に関わらず同一の機能を行う開発される全ての要素の両方を含むことを意図するものである。更に、このような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に開示されている記載は一般に公開されることが意図されているわけではない。
【0260】
従って、本発明の範囲は、本明細書に提示され記載されている例示的な実施形態に限定されないことが意図されている。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。特許請求の範囲に関して、米国特許法第112 条(f)又は米国特許法第112 条(6) は、「ための手段"means for"」又は「ためのステップ"step for"」という厳密な表現が請求項のこのような限定の始まりで記載されているときのみ、請求項における限定について行使されると明確に定められており、このような厳密な表現が請求項の限定で使用されない場合、米国特許法第112 条(f) 又は米国特許法第112 (6)は行使されない。
【0261】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119 条(e) に従って、2023年9月7日に出願された米国仮特許出願第63/537165 号明細書の出願日の優先権を主張しており、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
前記フローセルと一体化され、前記フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
前記線形ファイバアレイに複数の光源を動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を備えている、一体型光流体調査モジュール。
【請求項2】
前記非円形状コア光ファイバは矩形状コア光ファイバである、請求項1に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項3】
前記非円形状コア光ファイバは正方形状コア光ファイバである、請求項2に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項4】
前記非円形状コア光ファイバは、トップハットプロファイルを有する励起波長光を前記焦点に投射するように構成されている、請求項1~3のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項5】
前記線形ファイバアレイの非円形状コア光ファイバは垂直方向に積み重ねられている、請求項1~のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項6】
前記線形ファイバアレイの隣り合う非円形状コア光ファイバのコアは、0.1 mm~0.3 mmの距離隔てて互いに離れている、請求項5に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項7】
前記線形ファイバアレイは、前記フローセルの外面に取り付けられている、請求項1~のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項8】
前記フローセルと一体化されて前記非円形状コア光ファイバから前記焦点に励起波長光を中継するように構成されている集束光学系を更に備えている、請求項1~のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項9】
前記集束光学系は前記フローセルに埋め込まれている、請求項8に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項10】
前記集束光学系は複数のマイクロレンズを有している、請求項8に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項11】
前記フローセルと一体化されている光検出器を更に備えている、請求項1~のいずれか1つに記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項12】
前記焦点と前記光検出器との間に配置されている光学フィルタを更に備えている、請求項11に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項13】
前記光検出器は、前記フローセルの外面に取り付けられている、請求項11に記載の一体型光流体調査モジュール。
【請求項14】
複数の光源、及び
一体型光流体調査モジュール
を備えており、
前記一体型光流体調査モジュールは、
粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、
前記フローセルと一体化され、前記フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、
前記複数の光源を前記線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラと
を有している、フローサイトメータ。
【請求項15】
試料を分析する方法であって、
(a) 複数の光源、及び一体型光流体調査モジュールを備えているフローサイトメータであって、前記一体型光流体調査モジュールが、粒子をフローストリーム内で運ぶための光透過性流路を有するフローセルと、前記フローセルと一体化され、前記フローセル内の対応する焦点に励起波長光を投射するように夫々構成されている複数の非円形状コア光ファイバを有する線形ファイバアレイと、前記複数の光源を前記線形ファイバアレイに動作可能に取り付けるための複数の光ファイバ光伝達カプラとを有している前記フローサイトメータに粒子試料を導入し、
(b) 前記粒子試料をフローサイトメトリで分析する、方法。
【外国語明細書】
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6