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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004190
(43)【公開日】2025-01-14
(54)【発明の名称】電力伝送のシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20250106BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20250106BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/40
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024177388
(22)【出願日】2024-10-09
(62)【分割の表示】P 2021552247の分割
【原出願日】2020-03-11
(31)【優先権主張番号】62/817,159
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/934,309
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/944,645
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/956,479
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523090180
【氏名又は名称】ダアナア レゾリューション インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(72)【発明者】
【氏名】モハメダバディ,スルシュ,デフガーニ
(72)【発明者】
【氏名】シャリアザデン,モハメドジャバド
(72)【発明者】
【氏名】ハフセジャニ,エフサン,ハディザデフ
(72)【発明者】
【氏名】ダオン,エフド
(57)【要約】
【解決手段】電源からの電力を受信機へと伝送するためのシステムを提供する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源から電力負荷への電力伝送の方法であって、
前記電源と有線式電気通信状態にある電力伝送システムを設ける工程であって、該電力伝送システムは、前記電力負荷と有線式電気接触状態にある調整可能な位相無線周波数整流器と無線周波数通信状態にある、無線周波数パワーアンプを備えている工程と、
前記パワーアンプにおいて前記直流電源からの電力を無線周波数振動電力信号に変換する工程と、
前記整流器において前記無線周波数振動電力信号を直流電力信号に変換する工程と、
前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記直流電源は、少なくとも1つの太陽光電池を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パワーアンプの直流等価入力抵抗を自動的に調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を自動的に調整することにより電力伝送の効率を自動的に調整する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パワーアンプの振動周波数を変更することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電力伝送システムを設ける工程は、前記調整可能な位相無線周波数整流器と直接有線式無線周波数通信状態にあるパワーアンプを設けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電力伝送システムを設ける工程は、前記調整可能な位相無線周波数整流器とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあるパワーアンプを設ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス通信状態にあるパワーアンプを設けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
直流電源からの電力を電力負荷に供給するための電力伝送システムであって、
前記直流と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される無線周波数パワーアンプと、
前記電力負荷と有線式電気接触状態にあるとともに、前記パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器であって、該整流器は前記パワーアンプから伝送される電力を受信するように構成される調整可能な位相無線周波数整流器と、
前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を自動的に調整するように構成される受信機コントローラと
を備えている電力伝送システム。
【請求項10】
前記電力負荷と有線式通信状態にあり、かつ前記電力負荷と前記整流器との間で電力信号方向に配置される負荷管理システムをさらに備えており、前記負荷管理システムは、前記整流器の入力インピーダンスを自動的に調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項11】
前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラをさらに備えており、前記送信機コントローラは、前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を自動的に調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項12】
前記パワーアンプおよび前記送信機コントローラと通信状態にあるオシレータをさらに備えており、前記送信機コントローラは前記オシレータにより前記振動周波数を調整するように構成される、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項13】
前記パワーアンプは、前記整流器と直接有線式無線周波数通信状態にある、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項14】
前記パワーアンプは、前記整流器とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項15】
前記パワーアンプは、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にある、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項16】
前記直流電源は充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えている、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項17】
前記システムの共振構造は、前記システムの少なくとも1つの導電性機械的負荷支持構造コンポーネントを備えている、請求項9に記載の電力伝送システム。
【請求項18】
前記電源と前記パワーアンプとの間に電気配置される電力調整ユニットをさらに備えており、前記電力調整ユニットは、電力伝送の効率を改善するために前記電源からの電流と電圧のうち少なくとも1つを調整するように構成される、請求項9に記載の電力伝送システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、2019年3月12日出願の米国仮特許出願第62/817,159号、2019年11月12日出願の米国仮特許出願第62/934,309号、2019年12月6日出願の米国仮特許出願第62/944,645号、および2020年1月2日出願の米国仮特許出願第62/956,479号に基づく利益を主張するものであり、これら出願はそれぞれ、全体を参照することで本明細書に引用される。
【0002】
技術分野
本発明は、電力送信機、受信機、および電力伝送のシステムと方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
誘導電力伝送(IPT)では、電力は一般的に、磁界によりワイヤーのコイル間で伝送される。送信コイルにより交流(AC)を発生させると、振動磁界が生じる。この磁界は受信コイルを通り、受信コイル内で交流を誘導する。誘導された交流は直接負荷を発生させるか、または、負荷を発生させるのに適用される直流(DC)に整流することができる。高効率を達成するために、送信コイルと受信コイルは非常に密接していなければならない。例えば、送信機コイルと受信機コイルはわずかなコイル直径(例えばセンチメートル内)のみにより隔てられ、コイルの軸は密接に位置合わせされることがよくみられる。
【0004】
いくつかのIPTシステムでは、共振誘導結合が利用される。共振誘導結合は、共振器の使用によりIPTの効率を増大することができる。共振誘導結合により、非共振誘導結合よりも長距離で高い効率を達成することができる。共振誘導結合では、電力は、一方が送信機内、他方が受信機内にある2つの共振器間で磁界により伝送される。この2つの回路は、同じ共鳴周波数で共振するように調整される。
【0005】
いくつかのIPTシステムでは、磁界により付近の金属に渦電流が生じる場合もある。これにより、相当な温度上昇と火災の危険が生じるおそれがある。遮蔽の提供と誘導結合の改善のためにフェライトプレートを使用してもよいが、このようなシステムではコストが増大するおそれがある。
【0006】
容量性電力伝送(CPT)では、金属プレートなどの2つの電極間で電力を送信するために電界を使用する。一般的に4つの金属プレートが、容量性カプラを形成するためにCPTシステムに使用される。電力送信機として2つのプレートを使用し、電力受信機としてその他2つのプレートが作用すると、少なくとも2つの結合コンデンサが電力潮流ループを生じさせる。送信プレートには交流電圧が送信機により印加される。振動電界により受信機プレート上で交流電位が誘導され、これにより交流電流が負荷回路を流れる。電力伝送範囲を拡張させるために、共振も容量結合とともに使用できる。
【0007】
CPTシステムでは、渦電流損失は減少する場合があるため、使用されるプレートは低コストとなり、システムのコストを削減する。しかし、多くのシステムに伴う問題は、このプレートに高電圧が印加されるおそれがあるというものである。このような高電圧により強力な電界が生じ、結果として相当量の電界が周辺領域に放たれる。
【0008】
CPTおよびIPTのシステムには、容量性または誘導性の補償ネットワークに伴う問題が存在する。現在、CPTとIPT両方のシステムでは、受信機と送信機との間の分離が最小となることが求められる。これには一般的に、補償ネットワーク中の一次側と二次側上に大型のコンデンサとインダクタが必要となる。このような大型要素は生産が難しく、その寄生抵抗によりシステム効率が劇的に低減するおそれがある。加えて、これら補償要素は、電力伝送プロセスに直接関与するものではない。
【0009】
コンポーネントが少数で、および/またはコストを削減した、ワイヤレスの電力送信機と受信機が依然として望まれている。補償ネットワークへの依存の少ない、ワイヤレスの電力送信機と受信機が依然として望まれている。より効率の優れたワイヤレスの電力送信機と受信機が依然として望まれている。位置合わせとその間隔に対する要件の融通性が高くなったワイヤレスの電力送信機が依然として望まれている。
【0010】
消費者製品に関すると電力伝送の分野は、さらに重要なものとなりつつある。自動車分野では、電気ワイヤーハーネスが、自動車の重要でコスト効率の良いサブシステムとなっている。自動車用ワイヤーハーネスの市場は、ここ10年で770億米ドルを超えると推測される。内燃機関自動車のガソリン走行距離、自動車の炭素排出、および電気自動車レンジに焦点を当てた時代では、前述のハーネスのコスト、重量、および電力伝送効率が、自動車の設計において主要な懸念事項になっている。材料とコンポーネントが自動車生産コストの約57%を占めると考えれば、この懸念を理解することができる。
【0011】
バッテリー技術製品は、より高いエネルギー密度のバッテリーを提供するべく着実に改善されつつあるが、これまでよりも付随的なユーザー電子デバイスと電気駆動システムが自動車に一体化されていることから、同時に消費者需要も高まっている。このため、バッテリー、自動車重量、コスト、および電力伝送効率に対する需要がさらに高まっている。1990年代、これまでよりも高電圧のバッテリーシステムが、部分的にはワイヤーハーネス重量の削減を目指して自動車産業に提唱された。
【0012】
ワイヤーハーネスに対する高価な銅の使用量を削減するため相当な努力が重ねられており、安価なアルミニウムの使用に向けた動きがある。このような傾向はさらに、典型的な自動車で約40lbの重量を減らす見込みによって促されている。このようなアルミニウムの使用への傾向自体には問題があり、その原因の一部は、アルミニウムの抵抗が銅の1.58倍であることである。アルミニウムにはまた、接続部が緩んでしまう、クリープとして知られる現象が生じる。さらに、アルミニウムは酸化してしまうため、接続部に関する使用上の注意が必要となる。ワイヤーハーネスの一部態様では依然として銅が必要とされ、銅とアルミニウムとの接続によりガルバニック電位の問題が生じてしまう。
【0013】
高価な銅の含有量を減らし、電圧に対する融通性を提供し、アルミニウムにより生じる問題を回避し、かつ重量を減らす、車両用ワイヤーハーネスに対する代替的な手法が明らかに必要とされる。
【0014】
同時に、電気自動車分野での開発に伴って急速に進歩しつつあるバッテリー技術に追いつくため、電力伝送技術の効率を改善する必要がある。
【0015】
これらの要件は自動車分野に限定されるものではなく、例えば太陽エネルギー電力伝送の分野にも属し、また、幾分の修正を加えて、コンピュータやテレビのディスプレイなど消費者向け家庭用機器にも適用される。変動電圧を伴う電源から電力を最適に抽出する電力調整ユニットが今日では広く使用されているが、このユニットでは一般的に、制御設備の程度が制限されてしまう。このため、電力伝送効率が最適化されなくなる。
【0016】
前述の関連技術とこれに関する制限の例は例示的なものであり、排他的であることを意図したものではない。その他関連技術に対する制限は、本明細書を読み、かつ図面を観察することで当業者に明白になるであろう。
【発明の概要】
【0017】
第1の態様では、二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システムが提供され、該システムは、共振電力信号振動周波数で、調整可能な伝送モード比に従い容量性電力と誘導電力を同時に伝送するように構成されており、前記システムは、送信機アンテナサブシステムおよび電力信号チューナーモジュールを備える送信機サブシステムであって、前記電力信号チューナーモジュールは、該電力信号チューナーモジュールにより前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号を調整することで前記伝送モード比を調整するよう構成される送信機サブシステムと、前記伝送モード比で前記送信機アンテナサブシステムから電力を受信するように構成される受信機アンテナサブシステムを備える受信機サブシステムとを備えている。
【0018】
前記チューナーモジュールは、前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号の電流と電圧との位相差を調整することで電力信号を調整するように構成されてもよい。前記送信機サブシステムはさらに、コントローラと少なくとも1つのセンサとを備えてもよく、前記コントローラは、前記少なくとも1つのセンサからセンサ情報を受信し、該センサ情報に基づき前記電力信号チューナーモジュールにチューニング命令を自動的に提供するように構成され、前記チューナーモジュールは、前記チューニング命令に従い、前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号の電流と電圧との位相差を調整するよう構成される。
【0019】
前記少なくとも1つのセンサは送信機サブシステムに配されてもよい。他の実施形態では、前記少なくとも1つのセンサは前記受信機サブシステム上に配置されてもよく、前記コントローラは前記センサ情報をワイヤレスで受信するように構成されてもよい。前記少なくとも1つのセンサは、電力負荷センサ、送信電力センサ、周囲物体検出器、および、前記送信機アンテナサブシステムと前記受信機アンテナサブシステムとの距離を検出する距離検出器のうち1つを備えてもよい。
【0020】
前記共振電力信号振動周波数は、所定の周波数帯内で自由に変動してもよい。前記所定の周波数帯は、Industrial, Scientific and Medical(ISM)周波数帯であってもよい。前記システムは、前記共振電力信号振動周波数が、前記所定の周波数帯内の対立限界内で変動するのを可能にする程度にデチューンされてもよい。
【0021】
さらなる態様では、共振電力信号振動周波数で、調整可能な伝送モード比に従い電力を二方式で伝送するワイヤレス方法が提供され、該方法は、電力信号チューナーモジュール、および前記共振電力信号振動周波数で共振するように構成される送信機アンテナサブシステムを備える送信機サブシステムを設ける工程と、前記共振電力信号振動周波数で共振するように構成される受信機アンテナサブシステムを備える受信機サブシステムを設ける工程と、前記共振電力信号振動周波数で電力信号を前記チューナーモジュールから前記送信機アンテナサブシステムに提供する工程と、前記電力信号を前記チューナーモジュールから前記送信機アンテナサブシステムに調整することにより伝送モード比を調整する工程と、前記伝送モード比で受信機アンテナサブシステムを介して前記共振電力信号振動周波数で、伝送された電力を受信機サブシステムにおいて受信する工程とを含む。前記伝送モード比を調整する工程は、前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号の電流と電圧との位相差を調整することを含んでもよい。
【0022】
前記送信機サブシステムを設ける工程はさらに、コントローラおよび少なくとも1つのセンサを設けることを含んでもよく、前記電流と電圧との位相差の調整は、前記コントローラにより少なくとも1つのセンサから受信したセンサ情報に基づき、前記コントローラの命令を介して前記チューナーモジュールにより行われてもよい。前記コントローラの命令は、前記コントローラによる前記センサ情報の受信しに際して前記チューナーモジュールへと自動的に出されてもよい。前記チューナーモジュールは、前記位相差を変更するために前記コントローラからの命令を自動的に実行してもよい。
【0023】
前記方法はさらに、前記共振電力信号振動周波数が所定の周波数帯内で変動するのを可能にする工程を含んでもよい。前記所定の周波数帯は、Industrial, Scientific and Medical(ISM)周波数帯であってもよい。送信機サブシステムを設ける工程は、前記共振電力信号振動周波数が、前記所定の周波数帯内の対立限界内で変動するのを可能にする程度にデチューンされる送信機サブシステムを設けることを含んでもよい。
【0024】
さらなる態様では、近接場共振ワイヤレス電力伝送システムが提供され、該システムは、複数の実質的に互いに分離された送信機共振器および各送信機共振器と電力信号通信状態にある対応する送信機モジュールを備える送信サブシステムであって、各送信機モジュールは送信コントローラ、および電力信号振動周波数および電力信号位相を有する電力信号源を含んでおり、各電力信号源は前記対応する送信コントローラにより制御される送信サブシステムと、それぞれが対応する受信機共振器を備える1つ以上の受信機サブシステムと、前記電力信号源に対して可能とされた個々の電力信号振動周波数のソフトウェアルックアップテーブルと、メモリに負荷され、かつ前記送信機モジュールのいずれかのコントローラにより実行されるときに、前記対応する送信機共振器の入力インピーダンスおよび前記対応する送信機共振器による試験信号電力消費のうち1つを送信し、および前記対応する送信機共振器の入力インピーダンスおよび前記対応する送信機共振器による試験信号電力消費のうち1つに基づき、前記対応する電力信号源に対して前記ルックアップテーブルから周波数を選択するという行動を実行するソフトウェアとを備えている。実行時に前記ソフトウェアは、前記対応する送信機共振器により伝送される電力値を測定しつつ、前記対応する電力信号源からの電力信号の位相を調整するという行動を実行してもよい。前記送信機共振器は、接地された遮蔽グリッドにより互いに実質的に分離されてもよい。
【0025】
さらなる態様では、可変共振電力信号振動周波数で多重送信機サブシステムから単一の共振受信機サブシステムに電力を伝送するためのワイヤレス近接場方法が提供され、該方法は、前記多重送信機サブシステムを設ける工程であって、該送信機サブシステムは互いに独立した複数の送信機共振器を備えており、該送信機共振器はそれぞれ事前に設定した周波数帯で複数の事前に設定した電力信号振動周波数のうち1つに独立して設定することができ、前記送信機共振器はすべて共通の送信面を有している工程と、前記送信機共振器の2つ以上に重なる単一の受信機共振器を備える共振受信機サブシステムを前記共通の送信面に近接して配置する工程と、前記送信機共振器それぞれの入力インピーダンス、および前記送信機共振器それぞれにより試験信号から消費される電力のうち、1つを測定する工程と、測定された対応する共振器入力インピーダンス、および対応する送信機共振器により試験信号から消費される電力のうち1つに基づき、相互に独立した複数の送信機共振器の各送信機共振器に、電力のオフ状態および起動状態のうち1つを設定する工程と、起動送信機共振器の測定された入力インピーダンスに基づき、複数の事前に設定した電力振動周波数の中から、各起動送信機共振器に対する電力信号振動周波数を選択する工程と、各起動送信機共振器の電力信号を対応する選択周波数に設定する工程とを含む。前記方法は、各対応する送信機共振器に適用される電力信号の位相を、前記送信機共振器を通る電力伝送が実質的に最大となる位相に調整する工程をさらに含んでもよい。
【0026】
さらなる態様では、可変共振電力信号振動周波数で多重送信機サブシステムから2つ以上の受信機サブシステムに電力を伝送するためのワイヤレス近接場方法が提供され、該方法は、前記多重送信機サブシステムを設ける工程であって、該送信機サブシステムは互いに独立した複数の送信機共振器を備えており、該送信機共振器はそれぞれ事前に設定した周波数帯で複数の事前に設定した電力信号振動周波数のうち1つに独立して設定することができ、前記送信機共振器はすべて共通の送信面を有している工程と、それぞれが前記送信機共振器の2つ以上に重なる単一の受信機共振器を備える2つ以上の共振受信機サブシステム各々を前記共通の送信面に近接して配置する工程と、前記送信機共振器それぞれの入力インピーダンス、および前記送信機共振器それぞれにより試験信号から消費される電力のうち1つを測定する工程と、測定された対応する共振器入力インピーダンス、および対応する送信機共振器により試験信号から消費される電力のうち1つに基づき、相互に独立した複数の送信機共振器の各送信機共振器に、電力のオフ状態および起動状態のうち1つを設定する工程と、起動送信機共振器の測定された入力インピーダンスに基づき、複数の事前に設定した電力振動周波数の中から、各起動送信機共振器に対する電力信号振動周波数を選択する工程と、各起動送信機共振器の電力信号を対応する選択周波数に設定する工程とを含む。前記方法は、各対応する送信機共振器に適用される電力信号の位相を、前記送信機共振器を通る電力伝送が実質的に最大となる位相に調整する工程をさらに含んでもよい。
【0027】
さらなる態様では、光電池からの電力を電力負荷に伝送する近接場ワイヤレスシステムが提供され、該システムは、前記光電池と有線式電気通信状態にある送信モジュールであって、前記光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号に変換するように構成される送信モジュールと、前記送信モジュールと有線式電気通信状態にあるとともに、前記振動周波数で共振するように構成される送信機共振器と、前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信するように配置される受信機共振器と、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある受信機モジュールであって、前記受信機共振器から電力を受信するとともに、前記電力負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にするように構成される受信機モジュールとを備えている。
【0028】
前記送信モジュールは、前記振動周波数で前記光電池から受信される電力を調節するように構成されるパワーアンプを備えていてもよい。前記送信モジュールは、前記パワーアンプに前記振動周波数を提供するように構成されるオシレータを備えていてもよい。前記送信モジュールはコントローラおよび1つ以上のセンサを備えていてもよく、前記コントローラは、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つからの第1の情報に基づき前記振動周波数を変動させるように構成される。前記送信モジュールは、前記コントローラによる制御下で、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つから得た第2の情報に基づき、前記送信モジュールにより前記送信機共振器に提供される電力の少なくとも1つの位相を変更するように構成される送信チューニングネットワークを備えていてもよい。
【0029】
前記システムは、前記光電池と前記送信モジュールとの間に電気接続されるとともに、前記光電池からの電力を、前記送信モジュールと適合可能なフォーマットに適合させるように構成される1つ以上の電力調整ユニットを備えてもよい。前記送信モジュールは小さな信号電子回路を備え、前記電力調整ユニットはさらに、前記小さな信号電子回路に電力を提供するように構成されてもよい。前記送信機共振器は、前記光電池の動的太陽放射受信面と反対側にある、前記光電池の表面の上に配置されてもよい。前記送信機共振器は、前記光電池の動的太陽放射受信面の、少なくとも1つの主要分画である範囲を持つ表面領域を備える。
【0030】
各送信機共振器には、前記受信機共振器の平面領域よりも小さい平面領域があってもよい。前記受信機共振器は、前記共振周波数で容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して、さらなる送信機共振器から電力を受信するように配置かつ構成されてもよい。
【0031】
さらなる実施形態では、光電池のアレイからの電力を電力負荷に伝送する近接場ワイヤレスシステムが提供され、該システムは、第1の複数の送信モジュールであって、各送信モジュールは、前記アレイにおける対応する光電池と有線式電気通信状態にあり、前記対応する光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号に変換するように構成される第1の複数の送信モジュールと、第2の複数の送信機共振器であって、各送信機共振器は、前記第1の複数の送信モジュールの対応する送信モジュールと有線式電気通信状態にあり、前記振動周波数で共振するように構成される第2の複数の送信機共振器と、前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記複数の送信機共振器から電力を受信するように配置される単一の受信機共振器と、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある受信機モジュールであって、前記受信機共振器から電力を受信するとともに、前記電力負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にするように構成される受信機モジュールとを備えている。
【0032】
前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、前記振動周波数で前記対応する光電池から受信される電力を調節するように構成されるパワーアンプを備えていてもよい。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、前記振動周波数を前記対応するパワーアンプに提供するように構成されるオシレータを備えてもよい。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、コントローラおよび1つ以上のセンサをさらに備えてもよく、前記コントローラは、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つからの第1の情報に基づき前記振動周波数を変動させるように構成される。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、対応するコントローラによる制御下で、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つから得た第2の情報に基づき、前記送信モジュールにより対応する送信機共振器に提供される電力の少なくとも1つの位相を変更するように構成される送信チューニングネットワークを備えていてもよい。
【0033】
前記システムは第3の複数の電力調整ユニットを備えてもよく、該第3の複数の電力調整ユニットの各電力調整ユニットは、対応する光電池と対応する送信モジュールとの間に電気接続され、かつ、前記対応する光電池からの電力を、前記対応する送信モジュールと適合可能なフォーマットに適合させるように構成される。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、小さな信号電子回路を備え、対応する電力調整ユニットはさらに、前記小さな信号電子回路に電力を提供するように構成されてもよい。前記第2の複数の送信機共振器の各送信機共振器は、前記対応する光電池の動的太陽放射受信面と反対側にある、前記対応する光電池の表面の上に配置されてもよい。
【0034】
さらなる実施形態では、光電池のアレイからの電力を電力負荷に伝送する近接場ワイヤレスシステムが提供され、該システムは、第1の複数の送信モジュールであって、各送信モジュールは、前記アレイにおける対応する光電池と有線式電気通信状態にあり、前記対応する光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号に変換するように構成される第1の複数の送信モジュールと、第2の複数の送信機共振器であって、各送信機共振器は、前記第1の複数の送信モジュールの対応する送信モジュールと有線式電気通信状態にあり、前記振動周波数で共振するように構成される第2の複数の送信機共振器と、前記振動周波数で共振するように構成される第3の複数の受信機共振器であって、該第3の複数の受信機共振器の各受信機共振器は、容量結合および磁気誘導のうち少なくとも1つを介して、前記第2の複数の送信機共振器の対応する送信機共振器から電力を受信するように配置される第3の複数の受信機共振器と、第4の複数の受信機モジュールであって、各受信機モジュールは、前記第3の複数の受信機共振器の対応する受信機共振器と有線式電気通信状態にあり、前記受信機モジュールは、対応する受信機共振器から電力を受信するとともに、前記電力負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にするように構成される第4の複数の受信機モジュールとを備えている。
【0035】
前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、前記振動周波数で前記対応する光電池から受信される電力を調節するように構成されるパワーアンプを備えていてもよい。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、前記振動周波数を前記対応するパワーアンプに提供するように構成されるオシレータを備えてもよい。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、コントローラおよび1つ以上のセンサをさらに備えてもよく、前記コントローラは、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つからの第1の情報に基づき前記振動周波数を変動させるように構成される。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、対応するコントローラによる制御下で、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つから得た第2の情報に基づき、前記送信モジュールにより対応する送信機共振器に提供される電力の少なくとも1つの位相を変更するように構成される、送信チューニングネットワークを備えていてもよい。
【0036】
前記システムは第5の複数の電力調整ユニットをさらに備えてもよく、該第5の複数の電力調整ユニットの各電力調整ユニットは、太陽電池のアレイの中の対応する光電池と前記第1の複数の送信モジュールの中の対応する送信モジュールとの間に電気接続され、かつ、前記対応する光電池からの電力を、前記対応する送信モジュールと適合可能なフォーマットに適合させるように構成される。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、小さな信号電子回路を備え、前記第5の複数の電力調整ユニットの対応する電力調整ユニットはさらに、前記小さな信号電子回路に電力を提供するように構成されてもよい。前記第2の複数の送信機共振器の各送信機共振器は、前記光電池のアレイの中の対応する光電池の動的太陽放射受信面と反対側にある、前記対応する光電池の表面の上に配置されてもよい。
【0037】
さらなる実施形態では、光電池のアレイからの電力を電力負荷に伝送する近接場ワイヤレスシステムが提供され、該システムは、第1の複数の送信モジュールであって、各送信モジュールは、前記アレイにおける対応する光電池と有線式電気通信状態にあり、前記対応する光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号に変換するように構成される第1の複数の送信モジュールと、第2の複数の送信機共振器であって、各送信機共振器は、前記第1の複数の送信モジュールの対応する送信モジュールと有線式電気通信状態にあり、前記振動周波数で共振するように構成される第2の複数の送信機共振器と、前記複数の送信機共振器よりも数が少なく、かつ前記振動周波数で共振するように構成される第3の複数の受信機共振器であって、該第3の複数の受信機共振器の各受信機共振器は、容量結合および磁気誘導の少なくとも1つを介して、前記第の複数の送信機共振器の一部から電力を受信するように配置される第3の複数の受信機共振器と、第4の複数の受信機モジュールであって、各受信機モジュールは、対応する受信機共振器と有線式電気通信状態にあり、前記受信機モジュールは、対応する受信機共振器から電力を受信するとともに、前記電力負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にするように構成される第4の複数の受信機モジュールとを備えている。
【0038】
前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、前記振動周波数で前記対応する光電池から受信される電力を調節するように構成されるパワーアンプを備えていてもよい。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、前記振動周波数を前記対応するパワーアンプに提供するように構成されるオシレータを備えてもよい。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、コントローラおよび1つ以上のセンサをさらに備えてもよく、前記コントローラは、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つからの第1の情報に基づき前記振動周波数を変動させるように構成される。前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、対応するコントローラによる制御下で、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つから得た第2の情報に基づき、前記送信モジュールにより対応する送信機共振器に提供される電力の少なくとも1つの位相を変更するように構成される、送信チューニングネットワークを備えていてもよい。
【0039】
前記システムは第5の複数の電力調整ユニットを備えてもよく、該第5の複数の電力調整ユニットの各電力調整ユニットは、太陽電池のアレイの中の対応する光電池と前記第1の複数の送信モジュールの中の対応する送信モジュールとの間に電気接続され、かつ、前記対応する光電池からの電力を、前記対応する送信モジュールと適合可能なフォーマットに適合させるように構成される。
【0040】
前記第1の複数の送信モジュールの各送信モジュールは、小さな信号電子回路を備え、前記第5の複数の電力調整ユニットの対応する電力調整ユニットはさらに、前記小さな信号電子回路に電力を提供するように構成されてもよい。前記第2の複数の送信機共振器の各送信機共振器は、前記光電池のアレイの中の対応する光電池の動的太陽放射受信面と反対側にある、前記対応する光電池の表面の上に配置されてもよい。
【0041】
さらなる態様では、光電池からの電力を電力負荷に伝送する方法が提供され、該方法は、送信モジュールにおいて、前記光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記電力を、前記送信モジュールと有線式電気通信状態にあるとともに前記振動周波数で共振するように構成される送信機共振器に伝送する工程と、前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信するように配置される受信機共振器において、電力を受信する工程と、前記電力を、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある受信機モジュール中で受信する工程と、前記電気負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程とを含む。
【0042】
さらなる実施形態では、光電池のアレイからの電力を電力負荷に伝送する方法が提供され、該方法は、第1の複数の対応する送信モジュールの各送信モジュールにおいて、アレイにある前記光電池の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信モジュールの各送信モジュールの電力を、第2の複数の送信機共振器の中から対応する送信機共振器に伝送する工程であって、各共振器は前記振動周波数で共振するように構成される工程と、前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記複数の送信機共振器から電力を受信するように配置される受信機共振器において、電力を受信する工程と、前記電力を、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある受信機モジュール中で受信する工程と、前記電気負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程とを含む。
【0043】
さらなる実施形態では、光電池のアレイからの電力を電力負荷に伝送する方法が提供され、該方法は、第1の複数の対応する送信モジュールの各送信モジュールにおいて、アレイにある前記光電池の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信モジュールの各送信モジュールからの電力を、第2の複数の送信機共振器の中から対応する送信機共振器に伝送する工程であって、各送信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される工程と、各送信機共振器からの電力を、前記振動周波数で共振するように構成される対応する受信機共振器中で受信する工程であって、各受信機共振器はさらに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信するように構成かつ配置される工程と、各受信機共振器からの電力を、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある対応する受信機モジュール中で受信する工程と、前記電気負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程とを含む。
【0044】
さらなる実施形態では、光電池のアレイからの電力を電力負荷に伝送する方法が提供され、該方法は、第1の複数の対応する送信モジュールの各送信モジュールにおいて、アレイにある前記光電池の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信モジュールの各送信モジュールからの電力を、第2の複数の送信機共振器の中から1つの送信機共振器に伝送する工程であって、各送信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される工程と、各送信機共振器からの電力を、前記振動周波数で共振するように構成される第3の複数の受信機共振器の中から任意の近接する受信機共振器中で受信する工程であって、各受信機共振器はさらに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信するように構成かつ配置される工程と、受信した電力を前記第3の複数の受信機共振器の中で共有する工程と、前記電力負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を、前記第3の複数の受信機共振器の1つ以上から対応する1つ以上の受信機モジュールを介して直流の形態にする工程とを含む。前記方法は、前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュールに適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含んでもよい。
【0045】
直流電源からの電力を電力負荷に供給するための電力伝送システムが提供され、該電力伝送システムは、前記電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される無線周波数パワーアンプと、前記電力負荷と有線式電気接触状態にあるとともに、前記パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器であって、該整流器は前記パワーアンプから伝送される電力を受信するように構成される調整可能な位相無線周波数整流器と、前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を調整するように構成される受信機コントローラとを備える。前記整流器は、差動自己同期無線周波数整流器であってもよい。
【0046】
前記受信機コントローラは、前記整流器の電流-電圧位相特徴を自動的に調整するように構成されてもよい。前記電力伝送システムは、前記電力負荷と有線式通信状態にあり、かつ前記電力負荷と前記整流器との間で電力信号方向に配置される負荷管理システムをさらに備えてもよく、前記負荷管理システムは、前記整流器の入力インピーダンスを調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記負荷管理システムは前記整流器の入力インピーダンスを自動的に調整するように構成されてもよい。
【0047】
前記電力伝送システムは、前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラをさらに備えてもよく、前記送信機コントローラは、前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記送信機コントローラは、電力伝送の効率を増大させるために前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を自動的に調整するように構成されてもよい。
【0048】
前記電力伝送システムは、前記パワーアンプおよび前記送信機コントローラと通信状態にあるオシレータをさらに備えてもよい。前記送信機コントローラは前記オシレータにより前記振動周波数を調整するように構成されてもよい。
【0049】
前記パワーアンプは、前記整流器と直接有線式無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプは、前記調整可能な位相無線周波数整流器とのワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記電力伝送システムは、前記パワーアンプと有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器、および前記整流器と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器を備えてもよい。前記送信機共振器と前記受信機共振器は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプは、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器と通信状態にあってもよい。前記パワーアンプは、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にあってもよい。
【0050】
前記直流電源は充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えてもよい。前記負荷はコンピュータモニターを備えてもよい。前記システムの共振構造は、前記システムの少なくとも1つの導電性機械的負荷支持構造コンポーネントを含んでもよい。
【0051】
前記システムは、前記電源と前記電力伝送システムとの間に電気配置される電力調整ユニットをさらに備えてもよく、前記電力調整ユニットは、電力伝送の効率を改善するために前記電源からの電流と電圧のうち少なくとも1つを調整するように構成される。
【0052】
直流電源から電力負荷への電力伝送の方法がさらに提供され、該方法は、前記電源と有線式電気通信状態にある電力伝送システムを設ける工程であって、該電力伝送システムは、前記電力負荷と有線式電気接触状態にある調整可能な位相無線周波数整流器と無線周波数通信状態にある無線周波数パワーアンプを備えている工程と、前記パワーアンプにおいて前記直流電源からの電力を無線周波数振動電力信号に変換する工程と、前記整流器において前記無線周波数振動電力信号を直流電力信号に変換する工程と、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程とを含む。前記調整可能な位相無線周波数整流器を設けることは、差動自己同期無線周波数整流器を設けることを含んでもよい。
【0053】
前記方法は、前記パワーアンプの直流等価入力抵抗を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含んでもよい。前記電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器と前記電力負荷との有線式通信状態で負荷管理システムを設けることを含んでもよい。前記パワーアンプの直流等価入力抵抗を調整することは、前記負荷管理システムを調整することにより前記整流器の入力インピーダンスを調整することを含んでもよい。前記負荷管理システムの調整は、前記負荷管理システムを自動調整することを含んでもよい。
【0054】
前記方法は、前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含んでもよい。前記電力伝送システムを設ける工程は、前記パワーアンプを制御するために前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラを設けることを含んでもよい。前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴の調整は、前記送信機コントローラにより実行されてもよい。前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴の調整は、前記送信機コントローラにより自動的に実行されてもよい。
【0055】
前記方法は、前記パワーアンプの振動周波数を変更することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含んでもよい。
【0056】
前記電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器を制御するために前記整流器と通信状態にある受信機コントローラを設けることを含んでもよい。前記整流器の電流-電圧位相特徴の調整は、前記受信機コントローラにより実行されてもよい。前記整流器の電流-電圧位相特徴の調整は、前記受信機コントローラにより自動的に実行されてもよい。
【0057】
前記電力伝送システムを設ける工程は、前記調整可能な位相無線周波数整流器と直接有線式無線周波数通信状態にあるパワーアンプを設けることを含んでもよい。前記電力伝送システムを設ける工程は、前記調整可能な位相無線周波数整流器とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあるパワーアンプを設けることを含んでもよい。
【0058】
前記電力伝送システムを設ける工程は、前記パワーアンプと有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器、および前記無線周波数整流器と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器を設けることを含んでもよい。前記方法は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある前記送信機共振器および前記受信機共振器を操作する工程をさらに含んでもよい。前記電力伝送システムを設ける工程は、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器と通信状態にあるパワーアンプを設けることを含んでもよい。前記電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス通信状態にあるパワーアンプを設けることを含んでもよい。
【0059】
前記方法はさらに、前記電源と前記電力伝送システムとの間に電気配置される電力調整ユニットを設ける工程と、電力伝送の効率を改善するべく、前記電源からの電流および電圧のうち少なくとも1つを調整するために前記電力調整ユニットを調整する工程とを含んでもよい。
【0060】
直流電源からの電力を電力負荷に伝送する方法が提供され、該方法は、前記電源と有線式電気通信状態にある電力伝送システムを設ける工程であって、該電力伝送システムは、振動周波数で振動可能なオシレータ、送信機コントローラによる制御下にあるパワーアンプおよび送信機チューニングネットワーク、および、受信機コントローラによる制御下にある受信機チューニングネットワークおよび負荷管理システムであって、該負荷管理システムは前記電力負荷と有線式電気通信状態にある受信機チューニングネットワークおよび負荷管理システムを備えている工程と、前記パワーアンプにおいて、前記電源からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信機コントローラによる制御下で、前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介して前記電力信号を前記パワーアンプから前記負荷管理システムに伝送する工程と、電力伝送速度を変更するために、前記振動周波数、前記パワーアンプの入力DC等価抵抗、前記送信機チューニングネットワーク、前記受信機チューニングネットワーク、および前記負荷管理システムのうち少なくとも1つを調整する工程と、前記負荷管理システムが受信した電力を、電力負荷との有線式電気通信状態を介して直流の形態にする工程とを含む。
【0061】
前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介し前記電力信号を伝送する工程は、有線式通信により電力を伝送することを含んでもよい。前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介し前記電力信号を伝送する工程は、ワイヤレス通信により電力を伝送することを含んでもよい。ワイヤレス通信による電力の伝送は、近接場ワイヤレス通信により電力を伝送することを含んでもよい。近接場ワイヤレス通信による電力の伝送は、容量結合と誘導結合のうち少なくとも1つにより電力を伝送することを含んでもよい。
【0062】
直流電源からの電力の伝送は、少なくとも1つの太陽電池から電力を伝送することを含んでもよい。直流電源からの電力の伝送は、少なくとも1つの太陽電池バッテリーから電力を伝送することを含んでもよい。直流電源からの電力の伝送は、変動電圧を伴う電源から電力を伝送することを含んでもよい。
【0063】
別の実施形態では電動システムが提供され、該電動システムは、導電性である第1の部分を持つ機械的負荷支持構造と、電力負荷と、近接場ワイヤレス電力伝送のために構成される少なくとも1つの無線周波数共振器を備える電力伝送システムとを備えており、前記共振器は少なくとも部分的に導電性である第1の部分を備えている。前記電動システムはさらに充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えてもよい。前記電動システムは電気自動車であり、前記機械的負荷支持構造は前記電気自動車のシャーシを備えてもよい。前記電動システムは表示モニターであり、前記機械的負荷支持構造は前記表示モニターのフレームおよび土台のうち少なくとも1つであってもよい。
【0064】
前記電動システムは電源をさらに備えてもよい。前記電力伝送システムは、前記電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される無線周波数パワーアンプと、前記電力負荷と有線式電気接触状態にあるとともに、前記パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器であって、該整流器は前記パワーアンプから伝送される電力を受信するように構成される調整可能な位相無線周波数整流器と、前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を調整するように構成される受信機コントローラとを備えてもよい。
【0065】
別の実施形態では装置が提供され、該装置は、導電性である第1の部分を持つ機械的負荷支持構造と、電源と、電力負荷と、電力伝送システムとを備えており、該電力伝送システムは、前記電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される無線周波数パワーアンプと、前記電力負荷と有線式電気接触状態にあるとともに、前記パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器であって、該整流器は前記パワーアンプから伝送される電力を受信するように構成される調整可能な位相無線周波数整流器と、前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を調整するように構成される受信機コントローラとを備えており、導電性である第1の部分は、前記パワーアンプから、および前記整流器への少なくとも1つで無線周波数信号を搬送するように配置される。
【0066】
前記装置は、前記電力負荷と有線式通信状態にあり、かつ前記電力負荷と前記整流器との間で電力信号方向に配置される負荷管理システムをさらに備えてもよく、前記負荷管理システムは、前記整流器の入力インピーダンスを調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記装置は、前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラをさらに備えてもよく、前記送信機コントローラは、前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記装置は、前記パワーアンプおよび前記送信機コントローラと通信状態にあるオシレータをさらに備えてもよく、前記送信機コントローラは前記オシレータにより前記振動周波数を調整するように構成される。
【0067】
前記パワーアンプは、導電性である第1の部分を介して整流器と直接有線式無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプは、前記整流器とのワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記電力伝送システムは、前記パワーアンプと有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器、および前記整流器と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器を備えてもよく、前記送信機共振器および前記受信機共振器のうち1つは、導電性である前記第1の部分を備えてもよい。前記送信機共振器と前記受信機共振器は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプは、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器と通信状態にあってもよい。前記パワーアンプは、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にあってもよい。前記直流電源は充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えてもよい。
【0068】
典型的な実施形態を参照図面に図示する。本明細書に開示される実施形態と図面は、限定的ではなく例示的なものと考慮されるべきことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】実施形態の一例によるワイヤレス電力伝送システムの概略図である。
図2A】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできるアンテナを表す。
図2B】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできるアンテナを表す。
図2C】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできるアンテナを表す。
図3A】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできるアンテナの側面投影図を表す。
図3B】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできるアンテナの側面投影図を表す。
図4A】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる共振器の一例の側面投影図を表す。
図4B】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる共振器の一例の側面投影図を表す。
図4C】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる共振器の一例の側面投影図を表す。
図4D】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる共振器の一例の側面投影図を表す。
図5】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる共振器の一例の断面図を表す。
図6】実施形態の一例によるワイヤレス電力伝送システムの一次側の概略図である。
図7】実施形態の一例によるワイヤレス電力伝送システムの二次側の概略図である。
図8】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる典型的なパワーアンプの概略図である。
図9】様々な実施形態の例に、それ自体で、または開示される他の要素と組み合わせて使用することのできる典型的な自己同期整流器の概略図である。
図10】一例による送信機共振器に対し電力信号を調整するために使用される、図6のV/Iチューナーの詳細な概略図を示す。
図11】実施形態の一例による共振電力信号振動周波数で、調整可能な伝送モード比に従い二方式で電力を伝送するための近接場共振ワイヤレス方法のフローチャートである。
図12】単一の受信機サブシステムに電力を伝送するための多重送信機近接場共振ワイヤレス電力伝送システムの概略図である。
図13A】単一の受信機サブシステムに電力を伝送するための多重送信機近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを表す。
図13B】単一の受信機サブシステムに電力を伝送するための多重送信機近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを表す。
図14】1より多くの受信機サブシステムに電力を伝送するための多重送信機近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを表す。
図15】可変共振電力信号振動周波数で、電力を多重送信機サブシステムから単一の共振受信機サブシステムに伝送するための、ワイヤレス近接場方法のフローチャートを示す。
図16】可変共振電力信号振動周波数で、電力を多重送信機サブシステムから単一の共振受信機サブシステムに伝送するための、別のワイヤレス近接場方法のフローチャートを示す。
図17】可変共振電力信号振動周波数で、電力を多重送信機サブシステムから1より多くの共振受信機サブシステムに伝送するための、ワイヤレス近接場方法のフローチャートを示す。
図18】可変共振電力信号振動周波数で、電力を多重送信機サブシステムから1より多くの共振受信機サブシステムに伝送するための、別のワイヤレス近接場方法のフローチャートを示す。
図19A】太陽光電池からの電力を電力負荷にワイヤレスで伝送するための、近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを示す。
図19B】太陽光電池からの電力を電力負荷にワイヤレスで伝送するための電力伝送システムを示す。
図20A】多対1の構成で、図19Aの近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを使用するように構成される太陽電池アレイの正面図を示す。
図20B】多対1の構成で、図19Aの近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを使用するように構成される太陽電池アレイの背面図を示す。
図21A】1対1の構成で、図19Aの近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを使用するように構成される太陽電池アレイの正面図を示す。
図21B】1対1の構成で、図19Aの近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを使用するように構成される太陽電池アレイの背面図を示す。
図22A】列に基づく構成(row-based configuration)で、図19Aの近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを使用するように構成される太陽電池アレイの正面図を示す。
図22B】列に基づく構成で、図19Aの近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを使用するように構成される太陽電池アレイの背面図を示す。
図23】太陽光電池からの電力を電力負荷にワイヤレスで伝送する方法のフローチャートの図を示す。
図24】太陽光電池アレイからの電力を電力負荷にワイヤレスで伝送する別の方法のフローチャートの図を示す。
図25】太陽光電池アレイからの電力を電力負荷にワイヤレスで伝送する別の方法のフローチャートの図を示す。
図26】太陽光電池アレイからの電力を電力負荷にワイヤレスで伝送する別の方法のフローチャートの図を示す。
図27A】電力伝送システムの一実施形態を使用する電気自動車の一部の図を示す。
図27B】電力伝送システムの一実施形態を使用する電気自動車の一部の別の図を示す。
図28A】電力伝送システムの一実施形態を使用するコンピュータモニターの図を示す。
図28B】電力伝送システムの別の実施形態を使用するコンピュータモニターを示す。
図29】直流電源からの電力を電力負荷に伝送する方法のフローチャートを示す。
図30】直流電源からの電力を電力負荷に伝送する別の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下の記載全体にわたって、当業者がより完全に理解できるように具体的な詳細が記載される。しかし、周知の要素は、不必要に本開示を不明瞭しないように示されないか、または詳細に記載されていない場合がある。したがって、記載および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味でとらえられるべきである。
【0071】
本発明の一態様は、送信機(一次側とも呼ばれる)と受信機(二次側とも呼ばれる)とを備えるワイヤレス電力伝送システムを提供する。本発明の他の態様は、他のワイヤレス電力伝送システムの一部として利用される場合がある、ワイヤレス電力送信機を提供する。本発明の他の態様は、他のワイヤレス電力伝送システムの一部として利用される場合がある、ワイヤレス電力受信機を提供する。本発明のいくつかの実施形態による送信機は、誘導電力伝送によって、および/または、容量性電力伝送によって、電力を伝送するように構成された共振器を備える場合がある。同様に、本発明のいくつかの実施形態による受信機は、誘導電力伝送によって、および/または、容量性電力伝送によって、電力を受け取るように構成された共振器を含む場合がある。
【0072】
図1は、一次側(12)と二次側(14)とを含む、ワイヤレス電力伝送(WPT)システム(10)の単純化された概略図である。一次側(12)は送信機とも呼ばれる場合があり、二次側(14)は受信機とも呼ばれる場合がある。一次側(12)は送信機モジュール(20)と送信機共振器(30)とを含み、二次側(14)は受信機モジュール(40)と受信機共振器(50)とを含む。
【0073】
送信機モジュール(20)は、入力として、例えば、直流(DC)電力を含む電力を受け取る。示されていないが、送信機モジュール(20)は、例えば、インバータ、送信補償ネットワーク、および/または、本明細書にさらに記載される他のコンポーネントを含む場合がある。送信機モジュール(20)は、出力として、例えば、交流(AC)電力を含む電力を送信機共振器(30)に伝える。
【0074】
送信機共振器(30)は、入力として、送信機モジュール(20)からの電力を受け取り、磁界(31A)(例えば、時変磁界)および/または電界(31B)(例えば、時変電界)を出力する場合がある。いくつかの実施形態では、送信機共振器(30)はIPTのための磁界(31A)を出力する。いくつかの実施形態では、送信機共振器(30)はCPTのための電界(31B)を出力する。いくつかの実施形態では、共振器(30)は、CPTおよびIPTを介して電力を同時に伝送するために、磁界(31A)および電界(31B)を同時に出力する。いくつかの実施形態では、共振器(30)は、CPTのために電界(31B)を出力すること、IPTのために磁界(31A)を出力すること、およびCPTおよびIPTを介して電力を同時に伝送するために磁界(31A)および電界(31B)を同時に出力すること、の間で切り替えることができる。
【0075】
磁界(31A)の存在下において、電流は、IPTのために受信機共振器(50)に誘導される場合がある。電界(31B)の存在下において、交番電位は、受信機共振器(50)(または、その1つ以上のアンテナ)上に誘導される場合がある。
【0076】
電流が磁界(31A)によって受信機共振器(50)に誘導されるとき、そのような電流は受信機モジュール(40)に出力される場合がある。同様に、交番電位が電界(31B)によって受信機共振器(50)上に誘導されるとき、電流は受信機共振器(50)によって受信機モジュール(40)内に流される場合がある。
【0077】
受信機モジュール(40)は、入力として、受信機共振器(50)から電力(例えば、交流電力)を受け取る場合があり、負荷に電力(例えば、直流電力)を出力する場合がある。負荷は、バッテリーまたはスーパーキャパシタなどの蓄電装置の充電である場合がある。非限定的な例として、負荷は、またはバイクシェアフリート(bike-share fleet)の一部であるe-自転車、自動車、ボートなどの電動自転車(e-自転車またはe-バイクとも呼ばれる)の要素を含むか、その要素である場合がある。示されていないが、受信機モジュール(40)は、整流器、受信補償ネットワーク、および/または、本明細書でさらに述べられる他のコンポーネントを含む場合がある。
【0078】
WPTシステム(10)は、様々な理由で、CPTを介して送信機モジュール(20)から受信機モジュール(40)に伝送された電力と、IPTを介して送信機モジュール(20)によって受信機モジュール(40)に伝送された電力との比(「伝送モード比」)を調整するように構成される場合がある。例えば、伝送モード比は、送信機共振器(30)と受信機共振器(50)との間の距離が増大するとき、CPTによって送達される電力の割合を増加させ;生物(例えば、ヒトまたは動物)がWPTシステム(10)の近接内にあるとき、IPTによって送達される電力の割合を増加させ;対象(例えば、金属物体)がWPTシステム(10)の近接内にあるとき、CPTによって送達される電力の割合を増加させ;送信機共振器(30)と受信機共振器(50)との間のアライメントが悪化するとき、CPTによって送達される電力の割合を増加させ;および/または、前述の任意の組み合わせを行うように調整される場合がある。
【0079】
いくつかの実施形態では、伝送モード比は、限定されないが、風力タービンおよび太陽光パネル(例えば、S.Dehghani,S.Abbasian and T.Johnson,“Adjustable Load With Tracking Loop to Improve RF Rectifier Efficiency Under Variable RF Input Power Conditions,” in IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,vol. 64, no. 2, pp. 343-352, Feb. 2016を参照)に時折利用される「観察および摂動」など、最大電力点追従制御技術(maximum power point tracking technique)に従って調整される場合がある。いくつかの実施形態では、伝送モード比は、機械学習されたアルゴリズムに従って調整される場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、WPT効率が不必要に低いとWPTシステム(10)により判断される場合、WPTシステム(10)は、CPT(またはIPT)によって送達される電力の割合を増加させる。CPT(またはIPT)に対する依存性を高めることによってWPT効率が悪影響を受ける場合、WPTシステム(10)は、CPT(またはIPT)に対する依存性を低減させる場合がある。望ましい/最大のWPT効率に達するまで、このプロセスは反復的に繰り返される場合がある。
【0080】
送信機共振器(30)および受信機共振器(50)の各々は、様々な構成で配置された複数のアンテナ(80)を含む場合がある。
【0081】
アンテナ(80)は、CPTおよびIPTのために磁界(31A)と電界(31B)の両方を(個別におよび/または同時に)作り出すことができる高い自己インダクタンスおよび高い自己静電容量を有する、任意の適切なアンテナを含む場合がある。図2A、2B、および2Cは、アンテナ(80)、(180)、(280)の非限定的な例を表す。本明細書における目的のために、「高い自己インダクタンス」は、アンテナがIPTのために適している磁界を生成することができるように十分に大きい自己インダクタンスである。同様に、本明細書における目的のために、「高い自己静電容量」は、アンテナがCPTのために適している電界を生成することができるように十分に大きい自己静電容量である。
【0082】
図2Aは、本発明の一実施形態に従ったアンテナ(80)を示す。アンテナ(80)は、任意の適切な導電性材料も含んでいてもよい。例えば、アンテナ(80)は、銅、金、銀、アルミニウム、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。図2Aから分かるように、アンテナ(80)は、細長い要素(80A)の隣接する巻きが間隙(80B)により分離されるように、一般に平面の長方形の(XY面の)コイルの形状に曲げられているか、または形成されている長方形(例えば、正方形)の断面を有する、細長い要素(80A)を含む。間隙(80B)は、細長い要素(80)の長さに沿って一般に一定に表されているが、これは必須ではない。
【0083】
アンテナ(80)の自己インダクタンスを増加させるために、間隙(80B)の大きさを減少させる場合がある。アンテナ(80)の自己静電容量を増加させるために、細長い要素(80A)の屈曲(例えば、屈曲(82A))の数を増加させる場合があり、細長い要素(80A)の角および縁(例えば、縁(82B))の数を増加させる場合があり、細長い要素(80A)の長さを増加させる場合があり、/または、細長い要素(80A)の厚さ(80C)を増加させる場合がある。
【0084】
図2Bは、本発明の他の実施形態によるアンテナ(180)の他の非限定的な例を示す。アンテナ(180)は、細長い要素(180A)が、一般に平面の長方形のコイルの形状に曲げられるかまたは形成される代わりに、図2Bに示されるように、正方形の角を有する一般に平面のジグザグ形の形状に曲げられるまたは形成される以外は、実質的に同様の第1のアンテナ(80)である。アンテナ(80)のように、細長い要素(180A)の隣接するジグまたはザグは、間隙(180B)によって分離されている。間隙(180B)は、細長い要素(180)の長さに沿って一般に一定に表されているが、これは必須ではない。
【0085】
アンテナ(180)の自己インダクタンスを増加させるために、間隙(180B)の大きさを減少させる場合がある。アンテナ(180)の自己静電容量を増加させるために、細長い要素(180A)の屈曲(例えば、屈曲(182A))の数を増加させる場合があり、細長い要素(180A)の角および縁(例えば、縁(182B))の数を増大させる場合があり、および/または細長い要素(180A)の厚さ(180C)を増大させる場合がある。
【0086】
図2Cは、本発明の他の実施形態によるアンテナ(280)の他の非限定的な例を示す。アンテナ(280)は、細長い要素(280A)が、一般に平面の長方形のコイルの形状に曲げられるかまたは形成される代わりに、セクター要素(280C)が放射状に外側に延在するハブ要素(280A)を有する一般に平面の円形の形状(XY面の)に曲げられるかまたは形成される以外は、実質的に同様の第1のアンテナ(80)である。隣接するセクター要素(280C)は、間隙(280B)により互いに分離されている。
【0087】
アンテナ(280)の自己インダクタンスを増加させるために、間隙(280B)の大きさを減少させる場合がある。アンテナ(280)の自己静電容量を増大させるために、セクター(280C)の数を増加させる場合があり、ハブ(280A)および/またはセクター(280C)の角および縁(例えば、縁(282A))の数を増加させる場合があり、および/または、細長いハブ(280A)および/またはセクター(280C)の厚さ(280C)を増加させる場合がある。
【0088】
図2A、2B、および2Cでは、アンテナ(80)、(180)、および(280)の典型的な非限定的な実施形態を示されているが、適切なアンテナ(80)の多くの他の形状および構成が、本明細書に記載される共振器で利用されてもよいことが理解されるだろう。示されるアンテナに対して行われ得る変更の非限定的な例としては、細長い要素(80A)、(180A)の断面の形状を長方形以外(例えば、三角形、円形、六角形など)に変更すること、90°の屈曲(82A)、(182A)を非90°または丸い形に変更すること、あるいは、第1の送信機アンテナ(80)のXY平面形状を、屈曲および角などの非反復パターンを用いて長方形以外または円形に変更することが挙げられる。
【0089】
アンテナ(80)、(180)、(280)が、比較的平坦または平面である(例えば、Z方向で厚さが実質的に変動しない)として本明細書に記載され示されているが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、アンテナ(80)、(180)、(280)は、図3Aおよび3Bに示される円錐形の凹面または円錐形の凸面の形状を有する場合がある。例えば、本明細書のアンテナは、円錐形の螺旋形状(図示されず)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナ(80)は、アンテナ(80)の内側巻線がZ方向でアンテナ(80)の外側巻線から分離するように、長方形の円錐形の螺旋形状を有する。そのような円錐形状により、より広範囲の共鳴周波数で共振器を使用することが可能になる。他の実施形態では、第1の送信機アンテナのZ方向の厚さが他の方法では変わることもある。
【0090】
アンテナ(80)、(180)、(280)は、例えば、CPTのWPTシステムのプレートのものと同様の構成で配置される場合がある。例えば、本発明の一実施形態による2つのアンテナのWPTシステムでは、送信機共振器(30)は、図4Aに示されるように、受信機共振器(50)の第1の受信機アンテナ(52)に平行に配置された第1の送信機アンテナ(32)を含む場合がある。CPTのために、2つのアンテナ(32)と(52)との間の相互の静電容量は、電流が受信側へと前方に流れるための経路を提供し、導電性経路(例えば、グラウンド)は、電流が送信側へと逆流することを可能にする。IPTのために、第1の送信機アンテナ(32)を介して電流を運ぶことによって、第1の受信機アンテナ(52)に電流を誘導することができる磁界(31A)が生成される。CPTのために、電圧を第1の送信機アンテナ(32)に印加して、第1の送信機アンテナ(32)と第1の受信機アンテナ(52)との間の電位差を作成し、それにより、電界(31B)を作成することができる。
【0091】
第1の送信機アンテナ(32)は、磁界(31A)と電界(31B)の両方を(個別におよび/または同時に)作り出すことができる高い自己インダクタンスおよび高い自己静電容量を有する、任意の適切なアンテナを有する場合がある。例えば、第1の送信機アンテナは、アンテナ(80)、(180)、(280)、または本明細書に記載される他の任意のアンテナの1つを含む場合がある。
【0092】
第1の受信機アンテナ(52)は、高い自己インダクタンスおよび高い自己静電容量を有する任意の適切なアンテナを含む場合があり、このアンテナは、磁界(31A)によってその中に誘導された電流を有することができ、かつ、電界(31B)による電位差をその上に有することができる(個別におよび/または同時に)。いくつかの実施形態では、第1の受信機アンテナ(52)は、第1の送信機アンテナ(32)に実質的に類似していてもよい(例えば、第1の受信機アンテナ(52)は、本明細書または他の方法で記載または示されるアンテナのいずれかと同じ特徴を有していてもよい)。いくつかの実施形態では、アンテナ(32)、(52)は、互いに異なっていてもよい(例えば、第1の送信機アンテナ(32)は、アンテナ(80)を含んでいてもよく、第1の受信機アンテナ(52)はアンテナ(180)を含んでいてもよい)。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1の送信機アンテナ(32)のXY平面領域は、第1の送信機アンテナ(32)と第1の受信機アンテナ(52)との間の結合を改善するために、第1の受信機アンテナ(52)のXY平面領域よりも小さい。
【0094】
図4Bは、アンテナ(80)、(180)、(280)の構成の他の実施例を示す。特に、図4Bは、4つの積み重ねられたアンテナ(または4つの垂直なアンテナ)のWPTシステムを示す。送信機共振器(130)および受信機共振器(150)の各々は2本のアンテナを含む。送信機共振器(30)の一方のアンテナおよび受信機共振器(150)の一方のアンテナはともに、電力の前向経路を提供し、送信機共振器(130)の他方のアンテナおよび受信機共振器(150)の他方のアンテナはともに、電力の逆向経路を提供する。
【0095】
IPTのために、送信機のアンテナ(132)、(134)を介して電流を運ぶことによって、第1および第2の受信機アンテナ(152)、(154)に電流を誘導することができる磁界が生成される。CPTのために、電位差を、第1および第2のアンテナ(132)、(134)の間に適用することで、電界(図1において31Bで示される)を生成し、第1および第2の受信機アンテナ(152)、(154)にわたって電位を誘導することができる。
【0096】
図4Bで示されるように、送信機共振器(130)は、スペーサー(138)によりZ方向に分離された、第1の送信機アンテナ(132)と第2の送信機アンテナ(134)とを備える。
【0097】
第1の送信機アンテナ(132)は、高い自己インダクタンスおよび高い自己静電容量を有する任意の適切なアンテナを含み、このアンテナは、磁界(31A)および電界(31B)の両方を(個別におよび/または同時に)作り出すことができる。例えば、第1の送信機アンテナは、アンテナ(80)、(180)、(280)のいずれか1つ、または本明細書に記載される他の任意のアンテナを含む場合がある。
【0098】
スペーサー(138)は、任意の適切な材料を含んでいてもよい。例えば、スペーサー(138)は、空気、誘電材料、フェライト、またはそれらのいくつかの組み合わせを含む場合がある。スペーサー(138)は、電界(31A)を変化させるように選択される誘電率定数を有する場合があり、および/または、磁界(31B)を変化させるように選択される透磁率定数を有する場合がある。スペーサー(138)は、送信機共振器(130)の静電容量を増加させる高誘電率材料を含む場合がある。スペーサー(138)の厚さおよび平面領域は、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)の厚さおよび/または平面領域に依存する場合がある。いくつかの実施形態では、電気分離が望ましい場合があり、低誘電率材料がスペーサー(138)に利用される場合がある(例えば、遮蔽のために)。
【0099】
第2の送信機アンテナ(134)は、高い自己インダクタンスおよび高い自己静電容量を有する任意の適切なアンテナを有する場合があり、このアンテナは、磁界(31A)および電界(31B)を(個別におよび/または同時に)作り出すことができる。いくつかの実施形態では、第2の送信機アンテナ(134)は、第1の送信機アンテナ(132)に実質的に類似していてもよい(例えば、第2の送信機アンテナ(134)は、本明細書または他の方法で記載または示されるアンテナのいずれかと同じ特徴を有していてもよい)。いくつかの実施形態では、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)、ならびに第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)は、互いに異なっていてもよい(例えば、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)に類似していてもよく、第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)がアンテナ(180)に類似していてもよい。)。
【0100】
いくつかの実施形態では、第2の送信機アンテナ(134)のXY平面領域は、第1の送信機アンテナ(132)のXY平面領域とは異なる大きさである場合がある。いくつかの実施形態では、アンテナの各対間の結合を確実にするために、第2の送信機アンテナ(134)のXY平面領域は、第1の送信機アンテナ(132)のXY平面領域よりも小さい場合がある。いくつかの実施形態では、第2の送信機アンテナ(134)のXY平面領域は、第1の送信機アンテナ(132)のXY平面領域よりも大きい場合がある。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1の送信機アンテナ(132)が第2の送信機アンテナ(134)とZ方向で実質的に重ならないように、第2の送信機アンテナ(134)は、第1のアンテナ(132)と大きさおよび/または形状において実質的に相補的である。図5は、送信機共振器(130)の一部のXZ面の断面の概略図を表し、この図では、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)はそれぞれ、図2Bの第1の送信機アンテナ(180)のように実質的に形成される。以上のように、第1の送信機アンテナ(132)の細長い要素(132A)の部分(132A-1)、(132A-2)、(132A-3)は、第2の送信機アンテナ(134)の間隙(134B-1)、(134B-2)、(134B-3)とZ方向で重なり(例えば、第1のアンテナ(132)の細長い要素(132A)の部分(132A-1)を通過するZ方向に配向された線が、第2のアンテナ(134)の間隙(134B-1)を通過する)、および、第2の送信機アンテナ(134)の細長い要素(134A)の部分(134A-1)、(134A-2)、(134A-3)は、第1の送信機アンテナ(132)の間隙(132B-1)、(132B-2)、(132B-3)とZ方向で重なる(例えば、第2のアンテナ(134)の細長い要素(134A)の部分(134A-1)を通過するZ方向に配向された線が、第2のアンテナ(134)の間隙(132B-1)を通過する)。第1の送信機アンテナ(132)および第2のアンテナ(134)の相補的な形状により、送信機共振器(130)が経験する寄生エネルギー損失を減少させることができる。いくつかの実施形態では、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)は、完全には相補的ではないこともあるが、1つ以上の相補的な部分を有する場合がある。
【0102】
受信機共振器(150)は、スペーサー(158)によってZ方向で分離された、第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)を含む。第1の受信機アンテナ(152)は、アンテナ(80)、(180)、(280)、または本明細書に記載されるそれ以外のもののいずれかに実質的に類似する場合がある。第2の受信機アンテナ(154)は、アンテナ(80)、(180)、(280)、または本明細書に記載されるそれ以外のもののいずれかに実質的に類似する場合がある。第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)のように、第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)は、大きさおよび/または形状において相補的(または、部分的に相補的)な場合がある。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)のXY平面領域は、受信機共振器(150)の自己インダクタンスまたは自己静電容量を調整するために、図4Bに示される第1および第2の送信機アンテナのXY平面領域とは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)のXY平面領域は、図2Aに示される第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)のXY平面領域よりも大きい場合がある。そのようなXY平面領域の差異により、受信機共振器(150)が磁界(31A)および/または電界(31B)をより多く捕捉する能力が向上する場合がある。
【0104】
スペーサー(158)は、任意の適切なスペーサを含む場合がある。スペーサー(158)は、スペーサー(138)と同じまたは類似する材料、あるいはスペーサー(138)とは異なる材料を含む場合がある。スペーサー(158)と比較して、スペーサー(138)は、所望の自己静電容量および/または自己インダクタンスを達成するために、より小さなZ方向の寸法を有する場合がある。これにより、一次側(12)と二次側(14)との間の連結の結合係数、および一次側(12)のインピーダンスを効果的に変更することができる。そのような結合定数およびインピーダンスの変化に適応するために、異なる補償ネットワークが一次側(12)および二次側(14)の両方で利用されてもよい。
【0105】
図4Cに示される4つのアンテナの平行構造と比較して、図4Bの積み重ねられた構成は、XY面ではるかにコンパクトである。加えて、すべてのアンテナが中央揃えで配置され得るため、この構成は角度のずれ(angular misalignment)に対して頑強である。具体的には、アンテナが円形の形状である場合、角回転は結合静電容量に対して影響を及ぼさない。しかし、図4Cで示される4つのアンテナの平行構造と比較して、図4Bの積み重ねられた構成の相互コンダクタンスは、相互結合静電容量が増加することにより低下する場合がある。
【0106】
図4Cは、アンテナ(80)、(180)、(280)の構成の他の実施例を示す。具体的には、図4Cは、4つの並行なアンテナ(または4つの水平なアンテナ)のWPTシステムを示す。送信機共振器(230)および受信機共振器(250)の各々は、2つアンテナを含む。送信機共振器(230)の一方のアンテナと受信機共振器(250)の一方のアンテナはともに、電力の前向経路を提供し、送信機共振器(230)の他方のアンテナと受信機共振器(250)の他方のアンテナは、電力の逆向経路を提供する。
【0107】
IPTのために、送信機のアンテナ(232)、(234)を介して電流を運ぶことによって、第1の受信機アンテナ(252)および第2の受信機アンテナ(254)に電流を誘導することができる磁界が生成される。CPTのために、第1のアンテナ(232)と第2のアンテナ(234)との間に電位差を作り出すことで電界(31B)を生成し、第1の受信機アンテナ(252)および第2の受信機アンテナ(254)にわたって電位を誘導することができる。
【0108】
図4Bに示される送信機共振器(130)および受信機共振器(150)と比較して、アンテナの水平な構成を有する送信機共振器(230)および受信機共振器(250)は、共振器のZ方向の寸法に対して制限がある用途において望ましい場合がある。
【0109】
送信機共振器(230)は、スペーサー(238)によってX方向に分離された、第1の送信機アンテナ(232)および第2の送信機アンテナ(234)を備える。X方向に第1の送信機アンテナ(232)および第2の送信機アンテナ(234)を分離することによって、寄生エネルギー損失を減少させることができる。第1の送信機アンテナ(232)および第2の送信機アンテナ(234)は、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)に実質的に類似してもよく、スペーサー(238)はスペーサー(138)に実質的に類似してもよい。送信機共振器(130)のように、第1の送信機アンテナ(232)は、電力を伝送するための前向経路を向上させるために、第2の送信機アンテナ(234)よりも大きいXY平面領域を有する場合がある。
【0110】
スペーサー(238)は、任意の適切な材料を含んでいてもよい。例えば、スペーサー(238)は、空気、誘電材料、フェライトまたはそれらの組み合わせを含む場合がある。スペーサー(238)は、電界(31A)を変化させるように選択された誘電率定数を有する場合があり、および/または、磁界(31B)を変化させるように選択された透磁率定数を有する場合がある。スペーサー(238)は、送信機共振器(230)の静電容量を増加させる高誘電率材料を含む場合がある。スペーサー(238)の厚さおよび平面領域は、第1の送信機アンテナ(232)および第2の送信機アンテナ(234)の厚さおよび/または平面領域に依存する場合がある。いくつかの実施形態では、電気分離が望ましい場合があり、低誘電率材料がスペーサー(238)に利用される場合がある(例えば、遮蔽のために)。
【0111】
受信機共振器(250)は、スペーサー(258)によってX方向に分離された、第1の受信機アンテナ(252)および第2の受信機アンテナ(254)を備える。X方向に第1の受信機アンテナ(252)および第2の受信機アンテナ(254)を分離することによって、寄生エネルギー損失を減少させることができる。第1の受信機アンテナ(252)および第2の受信機アンテナ(254)は、第1の受信機アンテナ(152)および第2の受信機アンテナ(154)に実質的に類似してもよく、スペーサー(258)はスペーサー(138)に実質的に類似してもよい。受信機共振器(150)のように、第1の受信機アンテナ(252)は、第2の受信機アンテナ(254)よりも大きいXY平面領域を有する場合がある。
【0112】
スペーサー(258)は、任意の適切なスペーサを含む場合がある。スペーサー(258)は、スペーサー(238)と同じまたは類似する材料、あるいはスペーサー(238)とは異なる材料を含む場合がある。スペーサー(258)と比較して、スペーサー(238)は、所望の自己静電容量および/または自己インダクタンスを達成するために、より小さなZ方向の寸法を有する場合がある。これにより、一次側(12)と二次側(14)との間の連結の結合係数、および一次側(12)のインピーダンスを効果的に変更することができる。そのような結合定数およびインピーダンスの変化に適応するために、異なる補償ネットワークが一次側(12)および二次側(14)の両方で利用されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、スペーサー(258)のXY平面領域は、送信機共振器(230)または受信機共振器(250)の自己インダクタンスまたは自己静電容量を変更するために、スペーサー(238)のXY平面領域とは異なる場合がある。例えば、スペーサー(258)と比較して、スペーサー(238)は示されるような小さなXY平面領域を有していてもよい。
【0114】
図4Dは、アンテナ(80)、(180)、(280)の構成の他の実施例を示す。具体的には、図4Dは、図4Bの積み重ねられた構成と図4Cの並列構造を組み合わせた、6つのアンテナのWPTシステムを示す。送信機共振器(130)および受信機共振器(150)の各々は、3つのアンテナを備える。第1の送信機アンテナ(332)および第2の送信機アンテナ(334)のうち一方のアンテナと、第1の受信機アンテナ(352)および第2の受信機アンテナ(354)のうち一方のアンテナはともに、電力の前向経路を提供し、第1の送信機アンテナ(332)および第2の送信機アンテナ(334)の他方のアンテナと、第1の受信機アンテナ(352)および第2の受信機アンテナ(354)の他方のアンテナはともに、電力の逆向経路を提供する。第3の送信機アンテナ(336)および第3の受信機アンテナ(356)は、同等の自己静電容量を増加させる補助アンテナとして機能し、電界シールドとして機能する。いくつかの実施形態では、第3の送信機アンテナ(336)および第3の受信機アンテナ(356)はパッシブである(例えば、第3の送信機アンテナ(336)および第3の受信機アンテナ(356)の間に電位差が印加されず、および/または、電流が第3の送信機アンテナ(336)および第3の受信機アンテナ(356)を介して運ばれない)。IPTのために、送信機のアンテナ(332)、(334)、(336)の1つ以上を介して電流を運ぶことによって、第1の受信機アンテナ(352)、(354)、(356)に電流を誘導することができる磁界が生成される。CPTのために、第1の送信機アンテナ(332)、第2の送信機アンテナ(334)、および/または第3の送信機アンテナ(336)に印加されて、第1の送信機アンテナ(332)、第2の送信機アンテナ(334)、および第3の送信機アンテナ(336)の間で電位差が生じ、それによって、電界(31B)が作り出される。
【0115】
送信機共振器(330)は、スペーサー(338)によってX方向に分離された第1の送信機アンテナ(332)および第2の送信機アンテナ(334)と、第2のスペーサー(339)によって、第1の送信機アンテナおよび第2の送信機アンテナおよびスペーサー(338)から分離された第3の送信機アンテナ(336)とを備える。第3の送信機アンテナ(336)は、送信機共振器(330)からの電界の望ましくない漏れを低減する電界シールドを提供する場合がある。第3の送信機アンテナ(336)は、送信機共振器(330)からの磁界の望ましくない漏れを低減する磁界シールドを提供するために、フェライトシートまたはフェライト表面を含んでいる場合がある。電界または磁界の遮蔽または形成は、スペーサー(339)を変更することによって可能な場合がある。
【0116】
第1の送信機アンテナ(332)、第2の送信機アンテナ(334)、および第3の送信機アンテナ(336)は、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)のいずれかと実質的に類似する場合がある。スペーサ(338)および(339)は、スペーサー(138)と実質的に類似する場合がある。送信機振器(130)のように、第1の送信機アンテナ(332)は、第2の送信機アンテナ(334)よりも大きいXY平面領域を有する場合がある。第3の送信機アンテナ(336)は、第1の送信機アンテナ(334)および第2の送信機アンテナ(332)のいずれかよりも大きいXY平面領域を有する場合がある。
【0117】
スペーサ(338)、(339)は、任意の適切な材料を含んでいてもよい。例えば、スペーサ(338)、(339)は、空気、誘電材料、フェライト、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。スペーサ(338)、(339)は、電界(31A)を変化させるように選択された誘電率定数を有する場合があり、および/または、磁界(31B)を変化させるように選択された透磁率定数を有する場合がある。スペーサ(338)、(339)は、送信機共振器(230)の静電容量を増加させる高誘電率材料を含む場合がある。スペーサ(338)、(339)の厚さおよび平面領域は、第1の送信機アンテナ(332)、第2の送信機アンテナ(334)、ならびに第3の送信機アンテナ(336)の厚さおよび/または平面領域に依存する場合がある。いくつかの実施形態では、電気分離が望ましい場合があり、低誘電率材料がスペーサ(338)、(339)に利用される場合がある(例えば、遮蔽のために)。
【0118】
受信機共振器(350)は、スペーサー(358)によってX方向に分離された第1の受信機アンテナ(352)および第2の受信機アンテナ(354)と、第2のスペーサー(359)によって、第1の受信機アンテナおよび第2の受信機アンテナおよびスペーサー(358)から分離された第3の受信機アンテナ(356)とを備える。第3の受信機アンテナ(356)は、受信機共振器(350)からの電界の望ましくない漏れを低減する電界シールドを提供する場合がある。第3の受信機アンテナ(356)は、送信機からの磁界の望ましくない漏れを低減する磁界シールドを提供するために、フェライトシートまたはフェライト表面を含んでいる場合がある。電界または磁界の遮蔽または形成は、スペーサー(359)を変更することによって可能な場合がある。第1の受信機アンテナ(352)、第2の送信機アンテナ(354)、および第3の送信機アンテナ(356)は、第1の受信機アンテナ(152)および第2の送信機アンテナ(154)のいずれかと実質的に類似する場合がある。スペーサ(358)、(359)は、スペーサー(158)と実質的に類似する場合がある。受信機共振器(150)のように、第1の受信機アンテナ(352)は、第2の受信機アンテナ(354)よりも大きいXY平面領域を有する場合がある。第3の受信機アンテナ(356)は、第1の受信機アンテナ(354)および第2の受信機アンテナ(352)のいずれかよりも大きいXY平面領域を有する場合がある。
【0119】
スペーサ(358)、(359)は、任意の適切なスペーサを含んでいてもよい。スペーサ(358)、(359)は、スペーサ(338)、(339)またはスペーサ(338)、(339)と同じまたは類似する、あるいは異なる材料を含む場合がある。スペーサ(358)、(359)と比較して、スペーサ(338)、(339)は、所望の自己静電容量および/または自己インダクタンスを達成するために、より小さなZ方向の寸法を有する場合がある。これにより、一次側(12)と二次側(14)との間の連結の結合係数、および一次側(12)のインピーダンスを効果的に変更することができる。そのような結合定数およびインピーダンスの変化に適応するために、異なる補償ネットワークが一次側(12)および二次側(14)の両方で利用されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、スペーサー(358)のXY平面領域は、送信機共振器(330)または受信機共振器(350)の自己インダクタンスまたは自己静電容量を変更するために、スペーサー(338)のXY平面領域とは異なる場合がある。例えば、スペーサー(358)と比較して、スペーサー(338)は、より小さなX方向の寸法を有する場合がある。いくつかの実施形態では、スペーサー(359)のZ方向の寸法は、送信機共振器(330)または受信機共振器(350)の自己インダクタンスまたは自己静電容量を変更するために、スペーサー(339)のZ方向の寸法とは異なる場合がある。例えば、スペーサー(359)と比較して、スペーサー(339)は、より小さなZ方向の寸法を有する場合がある。これにより、一次側(12)と二次側(14)との間の連結の結合係数、および一次側(12)のインピーダンスを効果的に変更することができる。そのような結合定数およびインピーダンスの変化に適応するために、異なる補償ネットワークが一次側(12)および二次側(14)の両方で利用されてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、磁気シールドが、送信機共振器(30)および受信機共振器(50)の1つ以上のまわりに提供される場合がある。例えば、フェライトが、磁気シールドとして、および近くの金属の物体における望ましくない渦電流を減少するために使用されてもよい。フェライト(または他の適切な材料)をさらに使用して、送信機共振器(30)および/または受信機共振器(50)を周囲の金属物体から分離し、したがって、フェライト(または他の適切な材料)は、共振器のアンテナおよび/または相互インダクタンスの自己インダクタンスを増加させるように機能することができる。
【0122】
図6は、本発明の一実施形態による送信機モジュール(20)と送信機共振器(30)とを備えた、一次側(12)の概略図を示す。送信機共振器(30)は、送信機共振器(30)、(130)、(230)、(330)、または本明細書に記載されるそれ以外のものを含む場合がある。
【0123】
送信機モジュール(20)はコントローラ(22)を含む。コントローラ(22)は、センサ(24)(例えば、負荷検出器(24A)、送信機電力センサ(24B)、周囲物体検出器(24C)、および/または距離検出器(24D))からの様々な入力を受信し、様々なコンポーネント(26)(例えば、オシレータ(26A)、パワーアンプ(26B)、フィルターネットワーク(26C)、整合ネットワーク(26D)、補償ネットワーク(26E)、およびV/Iチューナー(26F))に制御信号を出力するように構成される。
【0124】
負荷検出器(24A)は、二次側(14)に接続された負荷(70)(図7に示される)の存在を検出するように構成される。負荷(70)は、例えば、e-自転車または電気自動車などの電動車両のバッテリー、あるいは電源入力を必要とする任意の他の適切な物品であってもよい。負荷検出器(24A)は、物理センサ(例えば、限定されることなく、光センサ、圧力センサ、赤外線センサ、または近接センサ)、および適切なソフトウェア、またはファームウェアとともに実装される場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、送信機共振器(30)によって消費される電力(例えば、送信機電力センサ(24B)によって測定される)を決定するために、電力(例えば、電流および電圧)が、例えば、地点(24E)で測定される。送信機共振器(30)によって消費される電力の量がベースラインを超えて増加する場合、負荷検出器(24A)は、負荷(70)が存在することを信号でコントローラ(22)に知らせることができる。
【0125】
他の実施形態では、負荷検出器(24A)は、送信機モジュール(20)によって、地点(24E)で経験される送信機共振器(30)の入力インピーダンスを測定するように構成されてもよい。例えば、負荷(70)を駆動するように構成された二次側(14)を含む送信機共振器(30)に近接する共振負荷が存在すると、送信機共振器(30)の入力インピーダンスが変更される。負荷検出器(24A)によってコントローラ(22)に提供されるこのインピーダンスの変化は、送信機共振器(30)に近接して協調受信機が存在するかどうかを判断するために、送信機コントローラ(22)によって使用される場合がある。異なる受信機によって送信機共振器(30)に誘導されたインピーダンスの変化は、非常に明確で非常に特徴的であるため、コントローラ(22)が、送信機共振器(30)に近接する受信機の存在または非存在を検出するだけでなく、例えば、限定されることなく、異なるモデルの携帯電話またはデジタルタブレットなどの受信機の種類を特定することができる。
【0126】
送信機電力センサ(24B)は、時点(24E)で電力を測定(例えば、電流および電圧を測定)して、どれだけの電力が送信機共振器(30)によって消費されているかを決定することができる。そのような情報は、例えば、負荷検出器(24A)によって使用されてもよいし、または、所望の効率的な結合が送信機共振器(30)と受信機共振器(50)との間にあるかどうかを判断するために使用されてもよい。
【0127】
周囲物体検出器(SOD)(24C)は、物体(例えば、ヒトまたは動物などの生物、または金属片またはそれ以外のものなどの無生物)が送信機共振器(30)に近接するかどうかを判断するように構成される。SOD(24C)は、物理センサ(例えば、限定されることなく、光センサ、圧力センサ、赤外線センサ、近接センサ、RADAR、またはLIDAR)を用いて実装されるか、または適切なソフトウェアまたはファームウェアとして実施される場合がある。例えば、IPTの間に送信機共振器(30)によって消費される電力(送信機電力センサ(24B)によって測定される)が低下する場合、SODのソフトウェアは、金属片(または、任意の導電体)が送信機共振器(30)または受信機共振器(50)に近接すると判断することができ、SODは、そのような存在を示す信号をコントローラ(22)に提供することができる。いくつかの実施形態では、送信機共振器(30)または受信機共振器(50)に近接する金属物体が検出される場合、コントローラ(22)は、送信機モジュール(20)に、CPTによって送達される電力の割合を増加させることができる。SOD(24C)によって生物が検出されない場合には、コントローラ(22)は、送信機共振器(30)に供給される電力を(例えば、生物の存在下における調節レベルより上に)増加させるように構成されてもよく、または、SOD(24C)によって近接する生物が検出される場合には、コントローラ(22)は、送信機共振器(30)に供給される電力を調節レベルより下に減少させるように構成されてもよい。
【0128】
距離検出器(24D)は、送信機共振器(30)と受信機共振器(50)との間の距離を決定するように構成される。距離検出器(24D)は、物理センサ(例えば、限定されることなく、光センサ、超音波センサ、赤外線センサ、近接センサ、RADAR、またはLIDAR)とともに実装されるか、または適切なソフトウェアまたはファームウェアによって実施される場合がある。例えば、距離検出器(24D)は、送信機電力センサ(24B)によって測定される送信電力の変化に基づいて、送信機共振器(30)と受信機共振器(50)との間の距離を決定するように構成されてもよい。
【0129】
一実施形態では、1つ以上の温度センサは、送信機共振器(30)または受信機共振器(50)における温度をモニタリングすることができる。温度があらかじめ定められた限界を越える場合、コントローラ(22)は、IPTによって送達される電力の割合を減少させること、送信機共振器(30)に供給される総電力を減少させること、または火災の危険または熱暴走を予防するために送信機共振器(30)への電力供給を止めることを、送信機モジュール(20)に行わせることができる。
【0130】
オシレーター(26A)は、コントローラ(22)の信号に応じて、送信機共振器(30)に送達されている電流の周波数帯、および/または帯域幅、および/またはデューティサイクル(位相)(例えば、5%~50%)を制御するように構成される場合がある。
【0131】
パワーアンプ(26B)は、直流電力を交流電力に変換するために利用される場合がある。パワーアンプ(26B)は、コントローラ(22)の信号に応じて、送信機共振器(30)に提供される電力を調整するために利用される場合がある。具体的には、コントローラ(22)は、パワーアンプ(26B)の反射係数を調整するために、パワーアンプ(26B)に信号を送信することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ(22)は、負荷検出器(24A)が負荷を検出しないときには電源を切る(スリープ状態にする)ように、または、負荷検出器(24A)が負荷を検出するときには電源をつけるように、パワーアンプ(26B)に信号を送信することができる。
【0132】
パワーアンプ(26B)は、オシレーター(26A)から矩形(正弦)波を受け取って、送信機共振器(30)を駆動するのに望ましい固有周波数の正弦波を生成することができる、(シングルエンドモードまたは差動構成の)スイッチングパワーアンプを含む。図8は、送信機(30)で使用することができる例示的なパワーアンプ(26B)の概略図である。パワーアンプ(26B)は、差動クラスFのアンプであってもよい。パワーアンプ(26B)は、3つの入力、すなわち:共振周波数で設定された周波数で能動素子(トランジスタ)(127C)、(127D)を駆動する2つの入力信号(127A)、(127B)と、能動素子の出力電力および動作領域を制御するために使用される直流電圧(127E)とを有する。
【0133】
異なる負荷終端は、パフォーマンス(例えば、出力電力、電力変換効率)を向上させ、不必要な高調波レベルを低減するために使用される。具体的には、第3の高周波終端(127F)は、ドレインノード(127G)で電圧波形を形成するために、直列分岐に配置される。第2の高調波終端(127H)は、ドレインノード(127G)で電圧波形を形成するために、並列分岐に配置される。第1の高調波終端(127I)は、ドレインノード(127G)で電圧波形を形成するために、直列分岐に配置される。第3の高調波終端の影響は、第2および第1の高調波終端(127H)、(127I)において考慮され得る。第2の高調波終端の影響は、第1の高調波終端(127I)において考慮され得る。パワーアンプ(26B)の差動構成に関しては、交流負荷(127J)(出力電力を受け取る)が、直列に配置される。充電率交流負荷(127J)は、送信機共振器(30)、受信機共振器(50)、および/または、それらのアライメントならびに位置の関数であり得る。パワーアンプ(26B)は、電界、磁界、または電界と磁界の任意の組み合わせが送信機共振器(30)によって生成され、受信機共振器(50)によって捕捉され得るように、送信機共振器(30)への十分な電力を生成するように構成され得る。
【0134】
フィルターネットワーク(26C)は、コントローラ(22)の信号に応じて、帯域幅、カットオフ周波数、3dBの周波数、送信機共振器(30)に提供されるゲインなどの周波数応答を調整することができる。フィルターネットワークは、送信機モジュール(20)の効率を増加させるために、送信機モジュール(20)における電力の波形の形状を調整するように構成され得る。
【0135】
整合ネットワーク(26D)は、送信機共振器(30)へのパワーアンプ(26B)の出力を一致させるようにインピーダンスを調整するように構成され得る。
【0136】
補償ネットワーク(26E)は、所望の共振周波数(例えば、受信機共振器の共振周波数)で送信機共振器(30)を駆動するために設けられてもよく、それによって、相互磁束を増大させ、熱生成を減少させ、電力伝送効率を向上させる。補償ネットワーク(26E)は、静電容量を増大するための1つ以上のキャパシタと、インダクタンスを増大するための1つ以上のインダクタとを含む場合がある。補償ネットワーク(26E)は、必要に応じて、静電容量を増加(および/または、インダクタンスを減少)させ、インダクタンスを増大(および/または、静電容量を減少)させるように構成される場合がある。伝送モード比が100%のCPTであるとき、補償ネットワーク(26E)は、任意の既知のCPT補償ネットワークと同様の様式で機能することができる(例えば、補償ネットワーク(26E)は、インダクタンスを増加させるように機能することができる)。同様に、伝送モード比が100%のIPTであるとき、補償ネットワーク(26E)は、任意の既知のIPT補償ネットワークと同様の様式で機能することができる(例えば、補償ネットワーク(26E)は、静電容量を増加させるように機能することができる)。しかし、伝送モードが一部CPTおよび一部IPTである場合、送信機共振器(30)の静電容量は、送信機共振器(30)のインダクタンスを自然に補償し、送信機共振器(30)のインダクタンスは、送信機共振器(30)の静電容量を自然に補償するため、より少ない補償が必要とされる場合がある。例えば、およそ50%のIPTおよび50%のCPT(例えば、1に等しい伝送モード比)では、補償ネットワークは全く必要ではない場合があるか、または、補償ネットワークの使用が実質的に制限され、それによって、WPTシステム(10)の効率を増加させる場合がある。
【0137】
別の例として、およそ40~60%のIPTと40~60%のCPTとの間では、補償ネットワークは全く必要ではない場合があるか、または、補償ネットワークの使用が実質的に制限され、それによって、WPTシステム(10)の効率を増加させる場合がある。このような理由で、補償ネットワーク(26E)は、CPTのWPTシステムおよび/または相当な補償を必要とする純粋なIPTのWPTシステムと比較して、少ないまたは小さいインダクタを含む場合がある。いくつかの実施形態では、送信機共振器(30)の静電容量が十分に低い場合、補償ネットワーク(26E)によって追加の補償が提供される場合がある。同様に、送信機共振器(30)のインダクタンスが十分に低い場合、追加の補償は補償ネットワーク(26E)により提供される場合がある。コントローラ(22)は、例えば、伝送モード比、送信機共振器(30)と受信機共振器(50)との間の距離、送信機共振器(30)によって消費される電力の量、伝送効率などに基づいて、どれくらいの量およびどのような種類の補償が必要であるかを信号で補償ネットワーク(26E)に知らせることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、補償ネットワーク(26E)による補償(例えば、静電容量の増加、またはインダクタンスの増加)の規模は、伝送モード比と1と間の差異の絶対値に比例する。例えば、伝送モード比が1より大きいとき、補償ネットワーク(26E)はインダクタンスを増大させるように機能する場合があり、および、伝送モード比が1より上に増加すると、インダクタンスの増加量は増大する場合がある。同様に、伝送モード比が1未満であるとき、補償ネットワーク(26E)は静電容量を増加させるように機能する場合があり、伝送モード比が1よりも下に減少すると、静電容量の増加が増大する場合がある。
【0139】
V/Iチューナー(26F)の実施形態は、図10でより詳細に示される。整合ネットワーク(26E)(図6において)から受信したV/Iチューナー(26F)の入力信号は、入力信号のための2つの相互に非対称な経路(261A)および(261B)を有するため、スプリッター(262)によって分割される。第1の移相器(264A)および第2の移相器(264B)は、送信機共振器(30)の入力電圧と入力電流との間の位相差を作り出す(図6において)。第1の移相器(264A)は、第1の分相器制御線(263A)を介してコントローラ(22)(図6における)によって制御され、第2の移相器(264B)は、第2の分相器制御線(263B)を介してコントローラ(22)(図6を参照)によって制御される。第1のアクティブスイッチ(266A)および第2のアクティブスイッチ(266B)は、第1の移相器(264A)および第2の移相器(264B)から信号をそれぞれ受信し、第1のアクティブスイッチ制御線(265A)および第2のアクティブスイッチ制御線(265B)を介してコントローラ(22)によってそれぞれ制御される。第1のアクティブスイッチ(266A)および第2のアクティブスイッチ(266B)は、第1の移相器(264A)および第2の移相器(264B)からそれぞれ受信した信号の虚部を調整するように機能する。パッシブ信号成形ネットワーク(268A)および(268B)は、第1の能動スイッチ(266A)および第2のアクティブスイッチ(266B)から、調整された信号をそれぞれ受信する。パッシブ信号成形ネットワーク(268A)および(268B)は、第1のアクティブスイッチ(266A)および第2のアクティブスイッチ(266B)からそれぞれ受信した信号を微調整するように機能し、特に、それらの信号をコンバイナ(269)に通過させる前に、それらの信号中の高調波を低減するように機能する。2つの相互に非対称な経路(261A)および(261B)に沿って提供された信号は、コンバイナ(269)によって組み合わされ、送信機共振器(30)に提供される。他の実施形態では、第1の移相器(264A)および第2の移相器(264B)は、V/Iチューナー(26F)への入力信号を受信する1つの移相器として組み合わされてもよく、組み合わされた移相器は、アクティブスイッチ(266A)および(266B)のために働く2つの別個の出力を有する場合がある。
【0140】
V/Iチューナー(26F)は、コントローラ(22)からの信号に応じて、送信機共振器(30)への入力電流と入力電圧との間の位相差を調整することによって、伝送モード比を調整する。送信機モジュール(20)により見られるインピーダンスの実部は、移相器(264A)および(264B)によって調整され、その虚部はスイッチ(266A)および(266B)によって調整され得る。例えば、10ミリ秒ごとのうちの3ミリ秒ごとにわたる90度の位相シフトにより、30%の磁力伝送および70%の電力伝送をもたすことができる。
【0141】
V/Iチューナー(26F)は、それぞれの送信機アンテナ(例えば、第1のおよび第2の送信機アンテナ(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、または第3の送信機アンテナ(336))を通る電流と、それぞれの送信機アンテナ(例えば、第1のおよび第2の送信機アンテナ(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、または第3の送信機アンテナ(336))に印加された電位とを調整するように構成されてもよい。
【0142】
電流が第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)の両方を通るようにすると、それらは、IPTのための磁界(31A)をそれぞれ生成する。第1の送信機アンテナ(132)に送達された電流と比較して、第2の送信機アンテナ(134)に送達された電流が減少する場合、第1の送信機アンテナ(132)と第2の送信機アンテナ(134)と間に電位差が生成され、CPTのための電界(31B)が生成される。CPTとIPTとの間で調節するために、第2のアンテナ(134)に送達された電流は調節される場合がある(例えば、より少ない電流を第2のアンテナ(134)に通過させると、より少ないIPTが生じ、より多くの電流を第2のアンテナに通過させると、より多くのCPTが生じる)。例えば、IPTを介して電力を伝送することが望まれるとき、I/Vチューナー(26F)は、第1および第2の送信機アンテナをともに接続する短絡として作用し、それによって、電流がその中に流れることを可能にする直列LC共振器を作り出するように構成される場合がある。反対に、CPTによって電力を伝送することが望まれるとき、I/Vチューナー(26F)は、電流を放出する(dumps)開回路として作用し、それによって、第1の送信機アンテナと第2の送信機アンテナと間の電位差を生成するように構成される場合がある。それにより、I/Vチューナー(26F)は、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)が効果的に直列または並列に接続されるかどうかを制御するように構成される場合がある。
【0143】
代替的に、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)が並列に接続されるとき、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)をフローティングして(floated)、磁界(31A)が実質的に生成されないCPTのための電界(31B)を生成することができる。伝送モード比を変更するために(例えば、CPTとIPTとの間を調節するために)、I/Vチューナー(26F)は、(1)CPTを引き起こすために、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)をフローティングすること、(2)IPTを引き起こすために、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)を介して電流を運ぶこと、を交互に繰り返すように、(I/Vチューナー(26F)のマルチプレクサなどによって)構成される場合がある。交互の繰り返しは、ミリ秒で、または10Hzと10kHzとの間の周波数で実施されてもよい。第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)をフローティングすることにより多くの時間を割り当てると、伝送モード比は、よりCPTの方へと偏り、第1の送信機アンテナ(132)および第2の送信機アンテナ(134)を介して電流を運ぶことにより多くの時間を割り当てると、伝送モードはよりIPTの方に偏る。
【0144】
いくつかの実施形態では、素子(26)は、送信機モジュール(20)における個別素子である場合があり、その一方で、他の実施形態では、素子(26)の1つ以上は集積回路設計の一部である場合がある。
【0145】
図7は、本発明の一実施形態による、負荷(70)、および受信機共振器(50)と受信機モジュール(40)とを含む二次側(14)(図1に示される)の模式図である。
【0146】
受信機共振器(50)は、受信機共振器(50)、(150)、(250)、(350)、または本明細書に記載されるそれ以外のもののいずれかを含む。受信機共振器(50)は、例えば、1MHzと1GHzの間などであるがこれらに限定されない、送信機モジュール(20)の発振信号によって設定された周波数で電力を捕捉するように構成される場合がある。いくつかの実施形態では、送信機モジュール(20)の発振信号によって設定された周波数は、約1MHz~約100MHz、約1MHz~約200MHz、約1MHz~約300MHz、約1MHz~約400MHz、約1MHz~約500MHz、約1MHz~約600MHz、約1MHz~約700MHz、約1MHz~約800MHz、約1MHz~約900MHz、約1MHz~約1GHz、約100MHz~約200MHz、約100MHz~約300MHz、約100MHz~約400MHz、約100MHz~約500MHz、約100MHz~約600MHz、約100MHz~約700MHz、約100MHz~約800MHz、約100MHz~約900MHz、約100MHz~約1GHz、約200MHz~約300MHz、約200MHz~約400MHz、約200MHz~約500MHz、約200MHz~約600MHz、約200MHz~約700MHz、約200MHz~約800MHz、約200MHz~約900MHz、約200MHz~約1GHz、約300MHz~約400MHz、約300MHz~約500MHz、約300MHz~約600MHz、約300MHz~約700MHz、約300MHz~約800MHz、約300MHz~約900MHz、約300MHz~約1GHz、約400MHz~約500MHz、約400MHz~約600MHz、約400MHz~約700MHz、約400MHz~約800MHz、約400MHz~約900MHz、約400MHz~約1GHz、約500MHz~約600MHz、約500MHz~約700MHz、約500MHz~約800MHz、約500MHz~約900MHz、約500MHz~約1GHz、約600MHz~約700MHz、約600MHz~約800MHz、約600MHz~約900MHz、約600MHz~約1GHz、約700MHz~約800MHz、約700MHz~約900MHz、約700MHz~約1GHz、約800MHz~約900MHz、約800MHz~約1GHz、または約900MHz~約1GHzである。いくつかの実施形態では、送信機モジュール(20)の発振信号によって設定された周波数は、約1MHz、約100MHz、約200MHz、約300MHz、約400MHz、約500MHz、約600MHz、約700MHz、約800MHz、約900MHz、または約1GHzである。いくつかの実施形態では、送信機モジュール(20)の発振信号によって設定された周波数は、少なくとも約1MHz、約100MHz、約200MHz、約300MHz、約400MHz、約500MHz、約600MHz、約700MHz、約800MHz、または約900MHzである。いくつかの実施形態では、送信機モジュール(20)の発振信号によって設定された周波数は、最大で約100MHz、約200MHz、約300MHz、約400MHz、約500MHz、約600MHz、約700MHz、約800MHz、約900MHz、または約1GHzである。
【0147】
いくつかの用途では、Industrial, Scientific and Medical(ISM)用周波数帯における周波数が好ましい場合がある。本開示のために、ISMバンドは、6.765MHz~6.795MHz;13.553MHz~13.567MHz;26.957MHz~27.283MHz;40.66MHz~40.70MHz;83.996MHz~84.004MHz;167.992MHz~168.008MHz;433.05MHz~434.79MHz;および886MHz~906MHzであると理解されるべきである。他の用途では、公的に予約された用途の帯域、例えば、限定されることなく、警察通信または軍隊の帯域の周波数が好ましい場合がある。受信機共振器(50)は、その周波数で、磁界(31A)または電界(31B)あるいはこれらの2つの界の任意の組み合わせから電力を捕捉するように構成される場合がある。
【0148】
受信機モジュール(40)はコントローラ(42)を含む。コントローラ(42)は、センサ(44)(例えば、受信機電力センサ(44A)および負荷検出器(44B))からの様々な入力を受信し、様々な素子(46)(例えば、補償ネットワーク(46A)、整合ネットワーク(46B)、整流器(46D)、フィルター(46C)、負荷管理(46E))への制御信号を出力するように構成される。
【0149】
受信機電力センサ(44A)は、どれだけの電力が受信機共振器(50)によって受け取られているかを断定するために、時点(44C)で電力(例えば、電流および電圧を測定する)を測定する場合がある。
【0150】
負荷検出器(44B)は負荷(70)の存在を検出するように構成される。負荷検出器(44B)は、物理センサ(例えば、限定されることなく、光センサ、圧力センサ、赤外線センサ、または近接センサ)を用いて、または適切なソフトウェアあるいはファームウェアとして実装され得る。例えば、いくつかの実施形態では、例えば、地点(44D)で負荷(50)によって受け取られている電力を決定するために、電流および電圧が負荷検出器(44B)によって測定される。地点(44D)で測定されている電力の量がベースラインを超えて増加する場合、負荷検出器(44B)は、負荷(70)が存在することを信号でコントローラ(42)に知らせることができる。
【0151】
補償ネットワーク(46A)は、コントローラ(42)からの信号に応じて、受信機共振器(50)の所望の共振周波数を維持し、それによって、送信機共振器(30)から受信機共振器(50)への電力伝送の効率を向上するように構成される場合がある。補償ネットワーク(46A)は、送信機モジュール(20)の補償ネットワーク(26E)のように実質的に機能する場合がある。
【0152】
整合ネットワーク(26D)は、最大の電力伝送を達成するために、共振器(30)の所望のインピーダンスに一致するように整流器(46D)の入力インピーダンスを調整するように構成される場合がある。
【0153】
整流器(46D)は、負荷(70)を提供するために、受信機アンテナ(50)によって受けられた交流電力を、直流電力に変換するように構成される場合がある。
【0154】
フィルター(46C)は、受信機モジュール(40)の全体的な出力効率を向上させるために、コントローラ(42)からの信号に従って、整流器(46D)からの電力出力の波形を成形するように構成される場合がある。
【0155】
負荷管理(46E)は、適切な電圧および電流を負荷(70)に提供するように、および/または、その入力インピーダンス(例えば、整流器(46D)の出力インピーダンス)を調整することによって、整流器(46D)から最大電力を抽出するように構成される場合がある、
【0156】
いくつかの実施形態では、管理(46E)または他のコンポーネントは、データ分析のために適切な情報を提供するために、外部装置(例えば、負荷(70))と(無線または有線で)通信するように構成される場合がある。そのような情報としては、例えば、限定されることなく、負荷(70)の存在、負荷(70)の充電レベル、負荷(70)の充電率、負荷(70)の状態、現在の電圧、容量、および/または負荷(70)を充電するための残り時間が挙げられる。負荷管理(46E)は、一次側(12)と二次側(14)との間の最適なエネルギー伝送を達成するために、そのような情報を利用して(または、そのような情報をコントローラ(42)またはコントローラ(22)に伝えて)、例えば、伝送モード比を調節する場合がある。負荷管理(46E)は、ディスプレイを介してユーザーにそのような情報を提供する場合もある。そのようなディスプレイは、一次側(12)および二次側(14)の1つ以上に構築され得るか、または、例えば、負荷管理(46E)またはコントローラ(22)またはコントローラ(42)と無線(または有線)通信している携帯電話またはタブレット上のアプリケーションなどの、モバイル機器上のソフトウェアを介してアクセス可能であり得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、コンポーネント(46)は、受信機モジュール(40)内の個別素子であるが、他の実施形態では、コンポーネント(46)の1つ以上は集積回路設計の一部である。
【0158】
いくつかの実施形態では、一次側(12)は複数の送信機共振器(30)を含む場合があり、および/または、二次側(14)は複数の受信機共振器(50)を含む場合がある。そのような実施形態では、送信機共振器(30)および/または受信機共振器(50)の各々は、同様の様式で制御される場合がある。他の実施形態では、送信機共振器(30)および/または受信機共振器(50)の各々は、個々に制御される場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、一次側(12)は、(例えば、近くの金属物体のために)より少ない干渉を経験しているか、生物が近くにいないか、または電力をより効率的に伝送している送信機共振器(30)により大きく依存する場合があり、および/または、同様に、二次側(14)は、(例えば、近くの金属物体のために)より少ない干渉を経験しているか、生物が近くにいないか、または電力をより効率的に受け取っている受信機共振器(50)により大きく依存する場合がある。そのような制御は、例えば、送信機モジュール(20)ならびに受信機モジュール(40)および/またはそれらの間の通信によって、提供あるいは促進される場合がある。
【0159】
いくつかの実施形態では、例えば、負荷(70)の存在、負荷(70)の充電レベル、電力伝送効率、負荷(70)の充電率、負荷(70)の状態、現在の電圧、容量、負荷(70)を充電するための残り時間などを共有するために、一次側(12)は、二次側(14)と通信することができる(例えば、コントローラ(22)はコントローラ(42)と通信することができる)。いくつかの実施形態では、そのような情報は、一次側(12)と二次側(14)との間の電力伝送の周波数とは異なる周波数で伝送される場合がある。いくつかの実施形態では、一次側(12)と二次側(14)との間の電力伝送の周波数は、一次側(12)と二次側(14)との間の通信を可能にするために調節される場合がある(例えば、振幅が調節される場合がある)。例えば、一次側(12)および二次側(14)は、Bluetooth(例えば、2.4GHz)、またはGPSの周波数と同様の信号の周波数(例えば、10GHz)を介して通信する場合がある。いくつかの実施形態では、データを個別に集め、データを一次側(12)および/または二次側(14)の間で往復して伝送することができる追加のユニットが存在してもよい。例えば、一次側(12)および/または二次側(14)からのデータをオンラインポータル(例えば、一次側(12)および/または二次側(14)と関連するウェブサイトまたはモバイルアプリケーション)にアップロードするために、Wifiが利用されてもよい。
【0160】
いくつかの実施形態では、2つの受信機(40)間で電力を伝送すること(例えば、ピアツーピアの電力伝送)が望ましい場合がある。例えば、第1の受信機を備えた第1のe-自転車のバッテリーが切れているかまたは低く、かつ、第2の受信機および充電されたバッテリー(少なくとも部分的に充電されたバッテリー)を備えた第2のe-自転車が近くにあるとき、第2のe-自転車から第1のe-自転車に電力を伝送することが望ましい場合がある(例えば、送信機が近くにない場合)。受信機間のそのような電力の伝送を可能にするために、移相器を整流器(46D)に統合し、それによって、受信機が送信機としても機能することが可能になる。
【0161】
図9は、統合された移相器を有する整流器(46D)の模式図である。いくつかの実施形態では、整流器(46D)は別個の移相器を含む。
【0162】
整流器(46D)は、特定の共振周波数で受信機共振器(50)から正弦波(例えば、交流電力)を受け取るように構成され得る、(シングルエンドモードまたは差動構成の)スイッチング自己同期整流器であってもよい。整流器(46D)は差動クラスFの自己同期整流器であってもよい。整流器(46D)は、電界、磁界、または電界と磁界の任意の組み合わせが、受信機共振器(50)によって捕捉され得るように、受信機共振器(50)から十分な電力を捕捉することができる。
【0163】
整流器(46D)は、共振周波数に設定された周波数で能動素子(147B)(例えば、トランジスタ)を駆動する入力(147A)(例えば、交流電力)を有し、直流負荷にわたって出力(147D)(例えば、直流電圧)(能動素子の出力電力、入力インピーダンス、および動作領域を制御するために使用される)を有する。この設計において、異なる負荷終端は、パフォーマンス(例えば、出力電力および電力変換効率)を向上させるために使用される。第3の高調波終端(147D)は、ドレインノード(147E)で電圧波形を形成するために、直列分岐に配置される。第2の高調波終端(147F)は、ドレインノード(147E)で電圧波形を形成するために、並列分岐に配置される。第1の高調波終端(147G)は、ドレインノード(147E)で電圧波形を形成するために、直列分岐に配置される。第3の高調波終端の影響は、第2および第1の高調波終端において考慮される場合がある。第2の高調波終端の影響は、第1の高調波終端において考慮される場合がある。
【0164】
差動構成では、交流電源(147A)は直列に配置される。交流電源(147A)は、受信機共振器(50)によって受け取られる電力、ならびに送信機共振器(30)に対する受信機共振器(50)のアライメントおよび位置の関数であり得る。直流負荷(147C)は、シングルエンドの負荷である場合がある。
【0165】
整流器(46D)は、差動構成では2つの移相器(147H)(しかし、シングルエンド構成では1つの移相器のみ)を備える場合がある。移相器(147H)は、トランジスタ(147B)の交流電源とゲート信号との間の適切な位相差を調整する。ゲート信号と交流電源(147A)との間の位相差は、自己同期整流器のパフォーマンス(例えば、トランジスタの電力変換効率および動作領域)を変更することができる。その相違差は、自己同期整流器(46D)の入力インピーダンス、および/または整流器(46D)の最適の直流負荷(147C)も変更することができる。
【0166】
整流器(46D)は、差動構成では2つのレベルシフター(147I)(しかし、シングルエンド構成では1つのレベルシフターのみ)を備える場合がある。レベルシフター(147I)は、トランジスタ(147B)のゲート信号のために適切な振幅を調整することができる。ゲート信号の振幅レベルは、自己同期整流器のパフォーマンス(例えば、トランジスタの電力変換効率および動作領域)を変更することができる。
【0167】
WPTシステム(10)(本明細書に記載される送信機および/または受信機)は、限定されないが、電動車両、電気ボート、電気飛行機、電動トラック、e-自転車、電動スクーター、電気スケートボードなどの様々な用途に統合することができる。1つの例示的で非限定的な用途はバイクシェアフリートであり、バイクシェアフリートでは、1つ以上の送信機(例えば、一次側(12))を統合する様々なドッキングステーションが提供され、受信機(例えば、二次側(14))とバッテリー(負荷(70))とを備えるe-自転車をドッキングステーションで充電することができる。
【0168】
いくつかの用途では、一次側(12)または二次側(14)は、本明細書に記載されない他のシステムを用いて電力を伝送するように構成される場合があり、それらが本明細書に記載される電力伝送システムで機能するように特に設計されていない場合でも、他のCPTシステムおよび/またはIPTシステムとの互換性を提供するために、伝送モード比をCPTからIPTに調整することができる。
【0169】
多数の例示的な態様および実施形態が上で説明されてきたが、当業者は、それらの特定の変更、順列、追加、および部分的組み合わせを認識するだろう。したがって、以下の添付された請求項および以下に導入される請求項は、本明細書全体の最も広い解釈と一致するような変更、順列、追加、および部分的組み合わせをすべて含むと解釈されるが意図されている。
【0170】
第1の態様では、上述され、図1~10に示されるシステムの各々は、可変共振電力信号振動周波数で調整可能な伝送モード比に従って、容量性電力伝送と誘導電力伝送を同時に行うように構成された、二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム(10)を形成し、システム(10)は、送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)と、電力信号チューナーモジュール(26F)とを備えた送信機サブシステム(12)であって、上記チューナーモジュール(26F)は、そのチューナーモジュール(26F)によって送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)(336)に提供された電力信号を調整することによって、伝送モード比を調整するように構成される、送信機サブシステム(12)と;伝送モード比で、送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)から電力を受け取るように構成された、受信機アンテナサブシステム(52)、(152)、(252)、(352)、(154)、(254)、(354)、(356)を備えた受信サブシステム(14)と、を備える。
【0171】
チューナーモジュール(26F)は、送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)に提供された電力信号の電流と電圧との間の位相差を調整することによって、電力信号を調整するように構成される場合がある。送信機サブシステム(12)はさらに、コントローラ(22)と少なくとも1つのセンサ(24)とを備えてもよく、ここで、コントローラ(22)は、少なくとも1つのセンサ(24)からセンサ情報を受信し、センサ情報に基づいてチューナーモジュール(26F)にチューニング命令を自動的に提供するように構成され、チューナーモジュール(26F)は、チューニング命令に従って、送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)に提供された電力信号の電圧と電流との間の位相差を調整するように構成される。
【0172】
システム(10)は、送信機サブシステム(12)と受信機サブシステム(14)との間の結合の程度に基づいて、所定の帯域内で自由に変動可能な共振周波数で共振する。所定の帯域は、例えば、限定されることなく、公的に指定または予約されたIndustrial, Scientific and Medical(ISM)用帯域または特定のユーザー専用帯域であり得る。システム(10)のQ値は、電力信号振動周波数が、所定の周波数帯の対立限界内で変動するのを可能にする程度に減少されてもよい。Q値が減少すると、システム(10)は、電力伝送のプロセス中に所定の周波数帯内の多数の異なる共振周波数のいずれかを利用することができる。送信機サブシステム(12)と受信機サブシステム(14)との間の結合、および共振受信機サブシステム(14)による電力の関連する吸収は、システム(10)が動作中であるとき、電磁放射線が遠距離領域にはほとんど放射されないことを確実にする。図1~10を参照して本明細書に記載されるような構成は、直前の周波数の態様とともに、システム(10)を、二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システムにする。ワイヤレス電力伝送システム(10)では、電力は、容量性結合または電磁結合、あるいはその両方を介して一次サブシステムから二次サブシステムへと伝送されるが、電磁放射線を介して実質的な程度にまで伝送されないことに留意されたい。
【0173】
前述の図面および図11のフローチャートを参照して記載されるさらなる態様では、可変共振電力信号振動周波数で調整可能な伝送モード比に従って電力を二方式で伝送するための、近接場ワイヤレス通信方法[1000]が提供され、上記方法は、電力信号チューナーモジュール(26F)と、共振電力信号振動周波数で共振するように構成された送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)とを備える送信機サブシステム(12)を設ける工程[1010]と;共振電力信号振動周波数で共振するように構成された、受信機アンテナサブシステム(52)、(152)、(252)、(352)、(154)、(254)、(354)、(356)を備える受信機サブシステム(14)を設ける工程[1020]と;電力信号発振共振周波数で、電力信号をチューナーモジュール(26F)から送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)に提供する工程[1030]と;チューナーモジュール(26F)から送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)への電力信号を調整することによって、伝送モード比を調整する工程[1040]と;伝送モード比で、受信機アンテナサブシステム(52)、(152)、(252)、(352)、(154)、(254)、(354)、(356)を介して、電力信号発振共振周波数で受信機サブシステム(14)において、伝送された電力を受信する工程[1050]と、を含む。伝送モード比を調整する工程[1040]は、送信機アンテナサブシステム(32)、(132)、(232)、(332)、(134)、(234)、(334)、(336)に提供された電力信号の電流と電圧との間の位相差を調整することを含む場合がある。
【0174】
送信機サブシステム(12)を提供する工程[1010]はさらに、コントローラ(22)と少なくとも1つのセンサ(24)とを設けることを含んでいてもよく、電流と電圧との間の位相差を調整することは、コントローラ(22)によって少なくとも1つのセンサ(24)から受信したセンサ情報に基づいて、コントローラ(22)の命令を介してチューナーモジュール(26F)によって行われてもよい。コントローラ(22)の命令は、コントローラ(22)によってセンサ情報を受信する際に、チューナーモジュール(26F)に対して自動的に出されてもよい。チューナーモジュール(26F)は、位相差を変更するために、コントローラ(22)からの命令を自動的に実行してもよい。
【0175】
方法[1000]は、共振電力信号振動周波数を所定の周波数帯内で変動させる工程[1060]をさらに含む場合がある。所定の周波数帯は、Industrial, Scientific and Medical(ISM)周波数帯であってもよい。送信機サブシステムを設ける工程[1010]は、共振電力信号振動周波数が所定の周波数帯内の対立限界内で変動できる程度にデチューンされた送信機サブシステムを設けることを含んでもよい。
【0176】
図12、13A、および13Bと、図1~10を参照して記載されるさらなる実施形態では、多重送信機の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム(10’)は、可変共振電力信号振動周波数で調整可能な伝送モード比に従って、容量性電力伝送と誘導電力伝送を同時に行うように構成される。システム(10’)は、各々が対応する専用の送信機モジュール(20A’)~(20I’)によって駆動される複数の送信機共振器(30A’)~(30I’)を含む、多重送信機サブシステム(12’)を備え、ここで、各送信機共振器および対応する送信機モジュール(例えば、それぞれ(30E’)および(20E’))は、上の記載ならびに図1~10を参照する記載に従う。図12はシステム(10’)の実施形態の概略図であり、図12では、送信機共振器(30A’)~(30I’)が9つの共振器として列で示されるが、それらの正式な空間的位置は示されていない。多重送信機サブシステム(12’)の空間的レイアウトの実施形態は、図13Aおよび13Bに示され、かつ下記に記載される。システム(10’)において、共振受信機サブシステム(14)は、上述され、図1~10によって参照される共振受信機システムと同じまたは実質的に類似してもよい。図12に示される実施形態では、共振受信機サブシステム(14)は、例えば、限定されることなく、携帯電話またはデジタル「タブレット」に実装されてもよい。共振受信機サブシステム(14)は、図13Aにおいて明確にするために破線で表される。一実施形態では、それぞれ動作している送信機共振器(30A’)~(30I’)と、それぞれ対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、上述され図1~10に示される送信機共振器(30)および送信機モジュール(20)と同じまたは実質的に類似する様式で機能し得る。多重送信機サブシステム(12’)の空間的レイアウトの実施形態は、図13Aおよび13Bに表される。図13Bは、図13Aの配向に対して反転した配向の多重送信機サブシステム(12’)の図である。
【0177】
図12、13A、および13Bに示されるシステム(10’)の例示的な実施形態では、多重送信機サブシステム(12’)は、正方形のアレイに配置された9つの対の送信機共振器(30A’)~(30I’)と、対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)を備える。送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、図13Aでは、接地されたベースプレート(35’)によって不明瞭になるが、図13Bでは見ることができる。より全体的な実施形態では、他の数の対の共振器と送信機モジュールが利用されてもよく、共振器アレイは正方形または長方形である必要がない。例として、限定されることなく、共振器アレイは六角形の構成を有していてもよい。いくつかの実施形態では、アレイは、送信機共振器(30A’)~(30I’)を分離および境界付ける、接地された遮蔽グリッドを有するという制約内で、密充填されるのが好ましい。接地された遮蔽グリッド(33’)は、横方向に送信機共振器(30A’)~(30I’)のアレイを画定する。接地された遮蔽グリッド(33’)は、送信機共振器(30A’)~(30I’)のそれぞれの周囲から一定の距離(37’)で配され、送信機共振器(30A’)~(30I’)と接地された遮蔽グリッド(33’)との間の一貫した電界挙動および関連する静電容量を確実にする。「遮蔽距離」との用語は、共振器(30A’)~(30I’)と接地された遮蔽グリッド(33’)との間のこの距離を説明するために本明細書で使用される。
【0178】
一実施形態では、接地された遮蔽グリッド(33’)は、送信機共振器(30A’)~(30I’)の電界が完全に空間的に分離され、それによって空間的に独立することを確実にする。送信機共振器(30A’)~(30I’)は、空間的配向によって相互に分離されるように選択された磁界を有する場合がある。他の実施形態では、接地された遮蔽グリッド(33’)は、送信機共振器(30A’)~(30I’)によって生成された磁界を分離するために、高導電率のフェライト材料で形成されるか、またはそれでコーティングされてもよい。
【0179】
図13Aおよび13Bに示されるように、送信機共振器(30A’)~(30I’)およびそれらの対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、接地されたベースプレート(35’)の反対面上に、互いに実質的に一致して取り付けられ、各送信機共振器(例えば(30E’))は、その対応する送信機モジュール(20E’)と近接する。他の実施形態では、送信機共振器とそれらの対応する送信機モジュールとの間に固定された空間的関係がない場合がある。送信機共振器(30A’)~(30I’)のアレイは、図13Aの送信機共振器(30A’)~(30I’)の集合的な上面によって画定される共通の送信面を共有する。美観および保護のために、送信機共振器(30A’)~(30I’)のアレイは、誘電体プレート(図13Aには示されない)で覆われている場合がある。誘電体プレートは、受信機サブシステム(14)と送信機共振器(30A’)~(30I’)を分離する。
【0180】
図12および13Aでは、共振受信機サブシステム(14)の実施形態は、複数の送信機共振器(30A’)~(30I’)のサブセットが重複するものとして概略的に示される。図12および13Aに従って、重複する送信機共振器は、(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)として示される。図13Aでは、共振受信機サブシステム(14)は、相互に隣接する送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)上の破線の長方形として示される。送信機モジュール(20A’)~(20I’)のいずれかのコントローラは、それらの対応する送信機共振器(30A’)~(30I’)に近接または重複する共振受信機サブシステム(14)の存在または非存在を判定することができ、これらの検出に基づいて、コントローラは、それらの対応する送信機共振器(30A’)~(30I’)への電力信号をオンまたはオフすることができる。
【0181】
送信機モジュール(20A’)~(20I’)のパワーアンプが送信機共振器(30A’)~(30I’)に電力信号を供給し、それにより、送信機共振器(30I’)~(30A’)が電力を伝送し、および送信機モジュール(20A’)、(20B’)、(20C’)、(20F’)、および(20I’)のコントローラにより、送信機共振器(30A’)、(30B’)、(30C’)、(30F’)、および(30I’)に近接するそれらの周波数範囲内の共振受信機が存在しないと判定される場合、それらのコントローラは、送信機共振器(30A’)、(30B’)、(30C’)、(30F’)、および(30I’)への電力信号をオフにすることができる。
【0182】
送信機モジュール(20A’)~(20I’)のパワーアンプが、送信機共振器(30A’)~(30I’)に電力信号を供給せず、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)のコントローラにより、共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)に重複または近接する共振受信機サブシステム(14)が存在すると判定される場合、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)によって送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)へと提供される伝送可能な電力をオンにする。この構成により、共振受信機サブシステム(14)に近接する送信機共振器のみが、電力を消費して共振受信機サブシステム(14)に伝送することが保証される。
【0183】
特定の送信機共振器(30A’)~(30I’)の入力インピーダンスは、特定の送信機共振器に近接する共振受信機サブシステム(14)の存在または非存在を検出するために使用される場合がある。特定の送信機共振器に近接する共振受信機サブシステム(14)の非存在または存在により、送信機共振器の入力インピーダンスは変動する。図6を参照して上に説明されるように、特定の共振受信機サブシステム(14)の影響は、受信機の存在および非存在を検出できるように明確であるだけでなく、送信機共振器の入力インピーダンスに対するその影響によって受信機の種類を特定することができるように特徴的でもある。受信機共振器の大きさは、とりわけ、特定の送信機共振器(30A’)~(30I’)の入力インピーダンスに対して計り知れない影響がある。
【0184】
システム(10’)の一実施形態では、図12および13Bに示される送信機モジュール(20E’)は、共振受信機サブシステム(14)によって重複される4つの送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)の1つと関連する送信機モジュールである。送信機モジュール(20A’)~(20I’)のそれぞれの詳細な構造は、図6および図8において提供される。そのプロセスは、送信機モジュール(20A’)~(20I’)のパワーアンプ(26B)が対応する送信機共振器(30A’)~(30I’)に電力信号を提供しない状態で開始される。
【0185】
ここで、送信機モジュール(20E’)に注目すると、その負荷検出器(24A)は、この実施形態において、送信機共振器(30E’)の入力インピーダンスを測定するように構成される。負荷検出器(24A)は、コントローラ(22)の入力インピーダンスの測定結果を提供する。デフォルト入力インピーダンスの測定値はコントローラ(22)のレジスタに記憶され、送信機共振器(30E’)に近接する共振受信機サブシステムが存在しない場合の送信機共振器(30E’)の入力インピーダンスを表す。図12に示されるような、送信機共振器(30E’)に近接する共振受信機サブシステム(14)の配置により、負荷検出器(24A)によって新たな異なる入力インピーダンス測定がもたらされ、その結果は負荷検出器(24A)によってコントローラ(22)に提供される。コントローラ(22)は、本明細書では「第1の入力送信機共振器のインピーダンス変化」または「一次送信機共振器の入力インピーダンス変化」と呼ばれる、新たな入力インピーダンス測定を、レジスタに記憶されたデフォルトインピーダンス測定値と比較する。この第1の入力インピーダンス変化に基づいて、コントローラ(22)は、受信機共振器、例えば、共振受信機サブシステム(14)の共振器が送信機共振器(30E’)に近接して存在するかどうかについて判断する。送信機共振器(30E’)に近接する受信機共振器の非存在または存在を判断するために、コントローラ(22)は、コントローラ(22)により受信機共振器が存在するとみなされる前に超えなければならない最小の入力インピーダンス変化であらかじめプログラムされる場合がある。
【0186】
受信機共振器、例えば、共振受信機サブシステム(14)の共振器が送信機共振器(30E’)に近接して存在するとコントローラ(22)が判断すれば、コントローラ(22)は「ON」状態をとるようにパワーアンプに命じる。それにより、電力が送信機共振器(30E’)に提供され、次に、電力が共振受信機サブシステム(14)に伝送される。受信機共振器、例えば、共振受信機サブシステム(14)の共振器が送信機共振器(30E’)に近接して存在しないとコントローラ(22)が判断すれば、コントローラ(22)は「OFF」状態をとるようにワーアンプに命じる。それにより、電力が送信機共振器(30E’)に提供されず、電力が共振受信機サブシステム(14)に伝送されない。同じプロセスは、すべての送信機モジュール(20A’)~(20I’)によって、それらの対応する送信機共振器(30A’)~(30I’)に対して独立して行なわれる。その結果、共振受信機サブシステム(14)によって重複される送信機モジュール(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)のパワーアンプがオンにされ、共振受信機サブシステム(14)によって重複されない送信機モジュール(30A’)、(30B’)、(30C’)、(30F’)、および(30I’)のパワーアンプはオフにされる。
【0187】
異なる大きさの受信機共振器が、送信機モジュレーター(20)の負荷検出器(24A)に対して、地点(24A)で劇的に異なるインピーダンスを提示することに留意されたい。所与の受信機共振器が特定の送信機共振器と完全に重複するときと比較した、所与の受信機共振器がその送信機共振器と部分的に重複するときに測定されたインピーダンスの差は、受信機共振器の大きさによるインピーダンスの差ほど劇的には異ならない。これにより、任意の送信機モジュール(20A’)~(20I’)のコントローラ(22)が、対応する送信機共振器(30A’)~(30I’)に近接する小さな受信機共振器と大きな受信機共振器とを区別することができる。
【0188】
実施形態に従って、共振受信機サブシステム、例えば、共振受信機サブシステム(14)によって重複されたそれらの送信機共振器(例えば(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’))間の電力信号周波数および位相の設定は、本明細書に記載される。電力を受け取っている送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)の組み合わせから電力を最大限に効率的に伝送するために、共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)の電力信号が同一の周波数を持つ必要があり、さらには相互に同位相である必要がある。上におよび図1~10を参照して記載される、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)の電力信号の周波数が、許容帯内で異なると仮定すると、図12、13A、および13Bのこの本実施形態における必要条件は、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)の電力信号の周波数が同一になるように調整されること、およびその後、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)からの電力信号が完全に同期されるか同位相であるように、それらの位相がともにロックされることである。
【0189】
一実施形態では、重複される送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)のコントローラ(22)がすべて、それらの対応するオシレーター(26A)を同じ周波数に設定することを確実にするために、送信機モジュール(20A’)~(20I’)のコントローラ(22)はすべて、所定の許容帯、例えば、ISMバンド内で選択された周波数の同一のテーブルが設けられている。特定のそのISMバンド内で、いくつかの個々の周波数が選択され、周波数テーブルに含められる。したがって、そのISMバンド内のテーブル化された周波数の数は有限かつ制限され、テーブル化された周波数は、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)の様々なコントローラ(22)が上述される第1のインピーダンスの差から電力信号の周波数を決定することができるように十分広く空間をあけられる。それらのインピーダンスにおける小さな変動にもかかわらず、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラ(22)はすべて、それぞれのオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)の電力信号について、帯域の許容周波数の中から同じ個々の周波数を選択する。
【0190】
一実施形態では、共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)がすべて、同じ電力信号周波数だけでなく、同じ位相も有することを確実にするために以下の手順が採用され、送信機モジュール(20A’)~(20I’)の各コントローラ(22)のソフトウェアへとプログラムされる。統計的に、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラのうち、独立したコントローラ(22)の第1のものは、まず、その対応するオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)をオンにし、共振受信機サブシステム(14)のその送信機共振器を介して電力を供給する。送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラのうち、他の独立したコントローラ(22)の第2のものは、その対応する送信機共振器の入力インピーダンスを測定し、その対応する負荷検出器(24A)によって、第1の送信機共振器の機能に起因するそのインピーダンスにおける小さな第2の変化を検出する。実際に、第2のコントローラ(22)は、共振受信機サブシステム(14)と第1の送信機共振器との相互作用を介して、第1の送信機共振器のインピーダンスの反射を見ている。第2のコントローラ(22)は、第2のインピーダンスの変化に基づいて、もう一つのコントローラが、まず、そのオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)をオンにすると結論を下すようにプログラムされる。この結論を下すと、その後、第2のコントローラ(22)はそのオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)をオンにし、その送信機電力センサ(24B)を使用して、その対応する送信機共振器によって伝送された電力を測定しながら、電力信号の位相を変動させる。その後、第2のコントローラ(22)は、そのオシレータの位相を変動させ、最大の電力伝送が生じる位相を探し、オシレータの位相をその値に設定する。この様式で決定されたオシレータ位相は、第2の送信機共振器によって伝送された電力信号の位相は、第1の送信機共振器によって共振受信機サブシステム(14)に伝送された電力信号の位相と同等であることを確実にする。一実施形態では、オシレータ位相の設定は、電力信号の位相を完全に等しくするのではく、電力伝送を実質的に最大化することに基づいている。
【0191】
別の実施形態では、さらに、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)が共振受信機サブシステム(14)によって重複されることに基づいて、共振受信機サブシステム(14)の近接性の検出は、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)により消費される試験信号電力に基づく。本実施形態では、低い振幅電力信号は、送信機共振器(30A’)~(30I’)のすべてに対応するオシレータおよびパワーアンプによって最初に維持される。その後、すべての送信機モジュール(20A’)~(20I’)のコントローラ(22)は、それらの対応する送信機電力センサ(24B)を使用して、それらの対応する送信機共振器(30)によって消費される電力を感知する。それらの対応する送信機電力センサ(24B)を使用して、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラ(22)は、それらの対応する送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)を介して電力が消費されていることを感知する。消費された試験信号電力の検出に基づいて、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラ(22)は、それらの対応するパワーアンプ(26B)の全電力をオンにする。「第1の試験信号電力の消費」との用語は、送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)を介して試験信号から消費されたこの電力を説明するために本明細書で使用される。共振受信機サブシステム(14)によって重複されない送信機モジュール(30A’)、(30B’)、(30C’)、(30F’)、および(30I’)のパワーアンプ(26B)の試験電力信号は、適切な試験期間後にオフにされ得る。
【0192】
インピーダンスに基づいた上述の実施形態と同等に、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラ(22)は、共振受信機サブシステム(14)がそれらの対応する送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)に近接して存在するとみなすために、閾値電力消費を必要とする場合がある。
【0193】
一実施形態では、重複される送信機共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)のコントローラ(22)のすべてが、それらの対応するオシレーター(26A)を同じ周波数に設定することを確実にするために、送信機モジュール(20A’)~(20I’)のコントローラ(22)はすべて、所定の許容帯域、例えば、ISMバンド内で選択された周波数の同一のテーブルが設けられている。特定のそのISM帯域内で、いくつかの個々の周波数が選択され、周波数テーブルに含められる。したがって、そのISMバンド内にテーブル化された周波数の数は有限かつ制限されており、テーブル化された周波数は、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)の様々なコントローラ(22)が上述の第1の試験信号電力消費から電力信号周波数を決定することができるように十分広く空間をあけられる。それらの電力消費値における小さな変動にもかかわらず、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラ(22)のすべては、それぞれのオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)の電力信号について、帯域の許容されたものの中から同じ個々の周波数を選択する。
【0194】
一実施形態では、共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’)がすべて、同じ電力信号周波数だけでなく、同じ位相も有することを確実にするために、以下の手順が採用され、送信機モジュール(20A’)~(20I’)の各コントローラ(22)のソフトウェアへとプログラムされる。統計的に、送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラのうち、独立したコントローラ(22)の第1のものは、まず、その対応するオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)をオンにし、その送信機共振器を介して共振受信機サブシステム(14)に電力を供給する。送信機モジュール(20D’)、(20E’)、(20G’)、および(20H’)のコントローラのうち、他の独立したコントローラ(22)の第2のものは、電力を測定する、その対応する送信機共振器の電力消費を測定し、その対応する送信機電力センサ(24B)によって、第1の送信機共振器の機能に起因するその電力消費における小さな第2の変化を検出する。実際に、第2のコントローラ(22)は、共振受信機サブシステム(14)と第1の送信機共振器との相互作用を介して、第1の送信機共振器のインピーダンスの反射を見ている。第2のコントローラ(22)は、電力消費における第2の変化に基づいて、もう1つのコントローラが、最初にそのオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)をオンにしたと結論を下すようにプログラムされる。この結論を下すと、その後、第2のコントローラ(22)はそのオシレータ(26A)およびパワーアンプ(26B)をオンにし、その送信機電力センサ(24B)を使用して、その対応する送信機共振器によって伝送された電力を測定しながら、電力信号の位相を変動させる。その後、第2のコントローラ(22)は、最大の電力伝送が生じる位相を探し、オシレータをその位相に設定する。この様式で設定されたオシレータの位相は、第2の送信機共振器によって共振受信機サブシステム(14)に伝送された電力信号の位相が、第1の送信機共振器によって共振受信機サブシステム(14)に伝送された電力信号の位相と同等であることを確実にする。実施形態では、オシレータの位相の設定は、電力信号の位相を完全に等しくするのではなく、電力伝送を実質的に最大化することに基づいている。
【0195】
一実施形態では、2つの異なる共振受信機サブシステムが、多重送信機サブシステム(12’)に近接し、送信機共振器(30A’)~(30I’)の異なるものまたは組み合
わせと重複するとき、2つの異なる送信機共振器、または2つの共振する受信機システムによって重複される送信機共振器の2つの異なるグループが、同じ周波数または位相で動作したほうがよいという先験的な理由(priori reason)がなく、そうするべき必要条件もない。接地された遮蔽グリッド(33’)は、個別の送信機共振器(30A’)~(30I’)のすべてを互いから分離することによって、この多方向の独立(multi-way independence)を確かなものにする。しかし、1つの特定の共振受信機サブシステムによって重複される送信機共振器は、上述されるように、それらのコントローラによってそれらの対応する電力信号増幅器を能動的に同期させる必要がある。これにより、2つの異なる送信機共振器、または共振器の2つの異なるグループを結果としてもたらすことができ、これらは、帯域の2つの特定の異なる固定された(locked-in)周波数で動作し、特定のグループのすべて信号は相互に同位相である。
【0196】
前述のものにおいて、2つの送信機共振器が同位相の電力信号を有することを確実にし、それによって、最大の電力伝送を確かなものにするために、同じ受信機共振器に電力を伝送する2つの送信機共振器がどのように挙動するようにプログラムされるかが説明されている。2つの隣接した送信機共振器、例えば、図14の(30A’)および(30B’)が、2つの実質的に同様の対応する受信機サブシステム(14A)および(14B)に送信している場合、異なる状況が発生する。送信機共振器(30A’)および(30B’)の両方は、フリンジ電界(fringing fields)を有し、その電界線は、例えば、送信機共振器(30A’)から受信機サブシステム(14B’)に、および、送信機共振器(30B’)から受信機サブシステム(14A)に延在する。一般に、システム(10’)には、例えば、送信機共振器(30A’)の電界が受信機サブシステム(14B)の受信機共振器と相互作用しないようにする特定の物理的な構造はない。
【0197】
一実施形態では、送信機共振器(30A’)と(30B’)が両方とも、送信機共振器(30A’)と(30B’)の両方と重複する同じ大きな受信機共振器のために働く場合(図13Aにおけるように)、送信機共振器(30A’)と(30B’)の両方が同じ位相で同じ周波数の電力信号を実行するため、フリンジ電界は本質的に問題ではい。図14に示される状況の場合には、必要条件は、受信機サブシステム(例えば、隣接する送信機共振器(30B’)からの電力を受け入れることが意図される(14B))と相互作用する、所与の送信機共振器(例えば(30A’))のフリンジ電界により、確実に電力が送信機共振器(30A’)から寄生されないようにすることである。この目標を達成する1つの方法は、2の隣接する送信機共振器(30A’)および(30B’)を互いに位相から180°外れて駆動し、それにより、送信機共振器(30A’)および(30B’)からの重複するフリンジ電界が大部分において相互に相殺されることである。
【0198】
送信機共振器(30A’)と(30B’)の電力信号が位相から180°外れていないとき、送信機共振器(30A’)と(30B’)の一方が送信機共振器(30A’)と(30B’)の他方を寄生として経験しているため、それらの送信機共振器(30A’)と(30B’)のそれぞれのコントローラ(22)は、対応する送信機電力センサ(24B)を使用して、対応する送信機共振器(30A’)と(30B’)によって送信された電力を測定しながら、各々の対応するオシレータからの信号の位相をインクリメントすることができる。その後、コントローラ(22)は、対応する送信機共振器(30A’)、(30B’)を介して最大限伝達された電力を提供する調整されたオシレータの位相を検索し、その後、オシレータの位相をその対応する位相に設定することができる。
【0199】
上述のように、共振受信機システムごとの周波数および位相の構成は、同様のサイズまたは異なるサイズであるかにかかわらず、両方の共振受信機システムが最大限伝送された電力を受けることを確実にする。全体的な実施形態では、多くの送信機共振器が存在してもよく、いくつかの異なる共振受信機サブシステムは電力を受け取ることができ、各共振受信機サブシステムは、グループ内の送信機共振器に対応するコントローラによって選択された周波数および位相で、送信機共振器のそれ自身の対応する個別のグループから電力を受け取る。異なる受信機サブシステムに電力を伝送する隣接する送信機共振器は、隣接する送信機共振器のそれぞれの電力伝送を最大化した結果として、位相から180°外れて動作する場合がある。電力伝送を最大化するプロセスはオシレータの位相を調整する。
様々な送信機モジュールのインピーダンスが、抵抗、インダクタンス、および静電容量におけるわずかな変動を伴う複雑なものであるため、送信機共振器の電力信号が実際には等しい(または正確に180°異なる)場合、最大の電力伝送点における異なるオシレータの位相角は完全には等しくない(または、正確に180°異なる)場合がある。
【0200】
システム(10’)が、一次側と二次側の間に空気間隙を有する1つの回路を含む限り、例えば、送信機電力センサ(24B)による測定に基づいて図6の地点(24E)で送信機共振器において測定または最大化された任意の電力伝送は、例えば、受信機電力センサ(44A)による測定に基づいて図7の地点(44C)で二次回路において測定または最大化されるほうがよい。その測定値は、送信機電力センサ(24B)によって受信機モジュール(40)のコントローラ(42)に提供される場合があり、これは次に、その測定値を、前述の手段の1つによって送信機モジュール(20)のコントローラ(22)に伝送する。
【0201】
多重送信機の近接場共振ワイヤレス電力伝送システムの概念は、可変共振電力信号振動周波数で調整可能な伝送モード比に従って、容量性電力伝送と誘導電力伝送を同時に行うように構成されるシステム(10’)を参照して上で説明されてきた。より全体的な実施形態では、多重送信機の近接場共振ワイヤレス電力伝送システムは、特に、二方式システムである必要はなく、純粋に容量性伝送システムまたは純粋に誘導電力伝送システムであってもよい。
【0202】
図15のフローチャートに示されるさらなる態様では、多重送信機サブシステム(12’)から単一の共振受信機サブシステム(14)へと、可変共振電力信号振動周波数で電力を伝送するためのワイヤレス近接場方法[1100]は、複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)を備える多重送信機サブシステム(12’)を設ける工程[1110]であって、送信機共振器の各々は、対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)よって駆動され、各送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、事前に設定された周波数帯の複数の事前に設定された電力信号振動周波数の1つに独立して設定することができ、送信機共振器(30A’)~(30I’)はすべて、共通の送信面を有する、工程[1110]と;送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および30H)の2つ以上と重複する単一の受信機共振器(50)を備える共振受信機サブシステム(14)を、共通の送信面に近接して配置する工程[1120]と;送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々の入力インピーダンスを測定する工程[1130]と;複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々への電力信号を、対応する測定された共振器入力インピーダンスに基づいて、オフ状態または起動状態の1つに設定する工程[1140]と、を含む。
【0203】
方法[1100]は、起動された送信機共振器(図13Aの共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))のそれぞれの測定された入力インピーダンスに基づいて、複数の事前に設定された電力信号振動周波数の中から、対応する送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’))の電力信号振動周波数を選択する工程[1150]をさらに含む場合がある。
【0204】
方法[1100]は、各起動された送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’))の電力信号を、対応する選択された周波数に設定する工程[1160]をさらに含む場合がある。
【0205】
方法[1100]は、それぞれ対応する送信機共振器(図13Aの共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))に印加された電力信号の位相を、送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’))を介した電力伝送が実質的に最大となる位相に調整する工程[1170]をさらに含む場合がある。
【0206】
図16のフローチャートに示されるさらなる態様では、多重送信機サブシステム(12’)から単一の共振受信機サブシステム(14)へと、可変共振電力信号振動周波数で電力を伝送するためのワイヤレス近接場方法[1200]は、複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)を備える多重送信機サブシステム(12’)を設ける工程[1210]であって、送信機共振器の各々は、対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)によって駆動され、各送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、事前に設定された周波数帯の複数の事前に設定された電力信号振動周波数の1つに独立して設定することができ、送信機共振器(30A’)~(30I’)はすべて、共通の送信面を有する、工程[1210]と;送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H’))の2つ以上と重複する単一の受信機共振器(50)を備える共振受信機サブシステム(14)を、共通の送信面に近接して配置する工程[1220]と;試験信号から送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々によって消費された電力を測定する工程[1230]と;複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々への電力信号を、対応する測定された共振器試験電力消費に基づいて、オフ状態および起動状態の1つに設定する工程[1140]と、を含む。
【0207】
方法[1200]は、起動された送信機共振器(図13Aの共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))の各々によって消費された、測定された試験電力基づいて、複数の事前に設定された電力信号振動周波数の中から、対応する送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))の電力信号振動周波数を選択する工程[1250]をさらに含む場合がある。
【0208】
方法[1200]は、各起動された送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))の電力信号を、対応する選択された周波数に設定する工程[1260]をさらに含む場合がある。
【0209】
方法[1200]は、それぞれ対応する送信機共振器(図13Aの共振器(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))に印加された電力信号の位相を、送信機共振器(図13Aの(30D’)、(30E’)、(30G’)、および(30H))を介した電力伝送が実質的に最大となる位相に調整する工程[1270]をさらに含む場合がある。
【0210】
図17のフローチャートに示されるさらなる態様では、多重送信機サブシステム(12’)から2つ以上の受信機サブシステム(14A)、(14B)(図14における)へと、可変共振電力信号振動周波数で電力を伝送するためのワイヤレス近接場方法[1300]は、複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)(図14における)を備える多重送信機サブシステム(12’)を設ける工程[1310]であって、送信機共振器の各々に対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)(図13Bを参照)によって駆動され、各送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、事前に設定された周波数帯の複数の事前に設定された電力信号振動周波数の1つに独立して設定することができ、送信機共振器(30A’)~(30I’)はすべて、共通の送信面を有する、工程[1310]と;それぞれが送信機共振器(図14の送信機共振器(30A’)、(30B’))の1つ以上と重複する単一の受信機共振器を含む2つ以上の共振受信機サブシステム(14A)、(14B)を、共通の送信面に近接して配置する工程[1320]と;送信機共振器(30A’)、(30B’)の各々の入力インピーダンスを測定する工程[1330]と;複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々への電力信号を、対応する測定された共振器入力インピーダンスに基づいて、オフ状態および起動状態の1つに設定する工程[1340]と、を含む。
【0211】
方法[1300]は、起動された送信機共振器(図14の共振器(30A’)、(30B’))の各々の測定された入力インピーダンスに基づいて、複数の事前に設定された電力信号振動周波数の中から、対応する送信機共振器(30A’)、(30B’)の電力信号振動周波数を選択する工程[1350]をさらに含む場合がある。
【0212】
方法[1300]は、各起動された送信機共振器(30A’)、(30B’)の電力信号を、対応する選択された周波数に設定する工程[1360]をさらに含む場合がある。
【0213】
方法[1300]は、それぞれ対応する送信機共振器(30A’)、(30B’)に印加された電力信号の位相を、送信機共振器(30A’)、(30B’)(図14における)を介した電力伝送が実質的に最大となる位相に調整する工程[1370]をさらに含む場合がある。
【0214】
図18のフローチャートに示されるさらなる態様では、多重送信機サブシステム(12’)から2つ以上の受信機サブシステム(14A)、(14B)(図14における)へと、可変共振電力信号振動周波数で電力を伝送するためのワイヤレス近接場方法[1400]は、複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)(図14における)を備える多重送信機サブシステム(12’)を設ける工程[1410]であって、送信機共振器の各々は、対応する送信機モジュール(20A’)~(20I’)(図13Bを参照)によって駆動され、各送信機モジュール(20A’)~(20I’)は、事前に設定された周波数帯の複数の事前に設定された電力信号振動周波数の1つに独立して設定することができ、送信機共振器(30A’)~(30I’)はすべて、共通の送信面を有する、工程[1410]と;それぞれが送信機共振器(図13の送信機共振器(30A’)、(30B’))の1つ以上と重複する単一の受信機共振器を含む2つ以上の共振受信機サブシステム(14A)、(14B)を、共通の送信面に近接して配置する工程[1420]と;試験信号から送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々によって消費された電力を測定する工程[1430]と;複数の相互に独立した送信機共振器(30A’)~(30I’)の各々への電力信号を、対応する測定された共振器試験電力消費に基づいて、オフ状態および起動状態の1つに設定する工程[1440]と、を含む。
【0215】
方法[1400]は、起動された送信機共振器(図14の共振器(30A’)、(30B’))の各々の測定された入力インピーダンスに基づいて、複数の事前に設定された電力信号振動周波数の中から、対応する送信機共振器(30A’)、(30B’)の電力信号振動周波数を選択する工程[1450]をさらに含む場合がある。
【0216】
方法[1400]は、各起動された送信機共振器(30A’)、(30B’)の電力信号を、対応する選択された周波数に設定する工程[1460]をさらに含む場合がある。
【0217】
方法[1400]は、それぞれ対応する送信機共振器(30A’)、(30B’)に印加された電力信号の位相を、送信機共振器(30A’)、(30B’)(図14における)を介した電力伝送が実質的に最大となる位相に調整する工程[1470]をさらに含む場合がある。
【0218】
図20Aおよび20B、図21Aおよび21B、および図22Aおよび22Bを参照して、ならびに図1図10および図12図14のシステムに基づいて記載されるさらなる態様では、太陽光電池(420)から電力負荷(70”)へと電力をワイヤレスで伝送するための、近接場共振ワイヤレス電力伝送システム(10”)が図19Aの略図計のように示される。アクセントが付けられた付番方式が図19Aにおける標識のために使用され、これにより、図13Aおよび図13Bとの類似性が明確になり、それによって、さらに、図6および図7との類似性が明確になる。この付番スキームによって、直流電力は、電力調整ユニット(PCU)(430)を介して太陽電池(420)から送信機モジュール(20”)に提供される。PCU(430)は、直流電圧および直流電流を、パワーアンプ(26B”)によってさらに伝送され得るレベルに変換することを超えて、送信機モジュール(20”)において、小さな信号電子部品を含む残りのシステムコンポーネントを駆動させるために、適切に調節されたレベルの電圧および電流も提供する。PCU(430)は、太陽電池(420)によって提供される変化する電力と、太陽電池(420)によってPCU(430)に提示された変化する出力インピーダンスとに適合するために、太陽電池(420)に対して適応的に変化する負荷を表す。これにより、PCU(430)が、太陽電池(420)からのその電力における変動にもかかわらず、常に最大可能な割合および温度で、太陽電池(420)から電力を吸収することが可能になる。
【0219】
オシレータ((26A”))は、既に上述したように、無線電力伝送に適合する周波数でパワーアンプ(26B”)を変調するために使用されてもよい。パワーアンプ(26B”)は、図8に示されるアンプ(26B)と同じ設計であってもよく、PCU(430)からの電力はVDDの代わりにDC電圧(127E)として供給される。代替的な実施形態では、パワーアンプ(26B”)には、無線システムの分野で周知であるように、それ自体で発振を維持する回路が適切に設けられても良く、それによってオシレータ(26A”)を省略することができる。
【0220】
電力は、図19Aにおいて、図6の信号調整コンポーネントとチューニングコンポーネント(26C、26D、26E、および26F)の統合体である、送信チューニングネットワーク(28”)を介して送信機共振器(30”)に伝送されてもよい。送信機共振器(30”)は、太陽電池(420)の動的太陽放射受信面の範囲の少なくとも1つの主要分画であり得る範囲を、表面領域を有してもよい。送信機モジュール(20”)のこれらのコンポーネントはすべて、図6の送信機モジュール(20)の対応するコンポーネントがコントローラ(22”)の制御下にあるように、コントローラ(22)の制御下にある。明確にするために、送信機モジュール(20”)のすべてのコンポーネントが図19Aにおいて示されるとは限らない。センサおよび検出器(図6の24A、24B、24Cおよび24D)は、同等の形態で、送信機モジュール(20”)に存在して、コントローラ(22”)に接続されてもよく、図6と同じ役割を果たすこともある。
【0221】
電力は、送信機共振器(30”)および受信機共振器(50”)を介して送信機モジュール(20”)から受信機モジュール(40”)に無線伝送されてもよい。受信機モジュール(40”)から、電力はDC負荷(70”)に伝送されてもよい。送信機共振器(30”)と受信機共振器(50”)との間の電力の送信は、図6から10に関連して記載されるように、近接場ワイヤレス伝送によるものであってもよい。図20のように、近接場ワイヤレス電力伝送は二方式であることに限定されず、純粋に容量性であってもよく、または、純粋に誘導性であってもよい。
【0222】
受信機モジュール(40”)は図7のレシーバー(40)と同じコンポーネントを有することもある。明確にするために、それらのコンポーネントの減少させたセットを図19Aに示す。図7のセンサ(44A)および検出器(44B)は、図19Aにおいて同等の形態では示されていないが、存在することもある。図19Aの受信機チューニングネットワーク(48”)は、補償ネットワーク(46A)、マッチングネットワーク(46B)、整流器(46D)、およびフィルター(46C)の統合体であってもよい。電力は、受信機チューニングネットワーク(48”)から負荷管理(46E”)に伝送されてもよく、両方ともを受信機コントローラ(42”)の制御下にあってもよい。
【0223】
図19Aを参照して、および、図1図10のシステムに基づいて説明すると、この例示的な実施形態では太陽光電池(420)である電力源から電力負荷(70”)に電力を無線伝送するための、近接場共振無線電力伝送システム10”が提示される。図19Aのラベルには、二重にアクセントを付けた番号付けシステムが使用されており、図6および図7との類似性が明確になるようになっている。この番号付けによって、DC電力は、太陽電池(420)から電力調整ユニット(PCU)(430)を介して送信モジュール(20”)に供給される。PCU(430)は、DC電圧とDC電流を、パワーアンプ(26B”)によるさらなる伝送のために無線周波数信号への変換に適したレベルに変換されることに加えて、例えば、送信モジュール(20”)内の小信号電子コンポーネントを含むシステムコンポーネントの残りの部分を駆動するために、適切に調整されたレベルの電圧および電流を提供する。PCU(430)は、太陽電池(420)によって提供される可変電力と、太陽電池(400)によってPCU(430)に提示される可変出力インピーダンスとに適応するために、太陽電池(420)に対して適応的に変動する負荷を表す。これにより、PCU(430)は、太陽電池(420)からのその電力の変動にもかかわらず、いつでもどの温度でも可能な限り最大の割合で太陽電池(420)からの電力を吸収することができる。
【0224】
オシレータ(26A”)は、すでに上述したように、無線電力伝送に適合する周波数でパワーアンプ(26B”)を変調するために使用されてもよい。パワーアンプ(26B”)は、図8に示されるアンプ(26B)と同じ設計であってよく、PCU(430)からの電力はVDDの代わりにDC電圧(127E)として供給される。代替的な実施形態では、パワーアンプ(26B”)には、無線システムの分野で周知であるように、それ自体で発振を維持する回路が適切に設けられても良く、それによってオシレータ(26A”)を省略することができる。
【0225】
電力は、図19Aにおいて、図6の信号調整コンポーネントとチューニングコンポーネント(26C、26D、26E、および26F)の統合体である、送信チューニングネットワーク(28”)を介して送信機共振器(30”)に伝送されてもよい。送信機共振器(30”)は、太陽電池(420)の動的太陽放射受信面の範囲の少なくとも1つの主要分画であり得る範囲の表面領域を有してもよい。送信機モジュール(20”)のこれらのコンポーネントはすべて、図6の送信機モジュール(20)の対応するコンポーネントがコントローラ(22”)の制御下にあるように、コントローラ(22)の制御下にある。明確にするために、送信機モジュール(20”)のすべてのコンポーネントが図19Aにおいて示されるとは限らない。センサおよび検出器(図6の24A、24B、24C、および24D)は、同等の形態で、送信機モジュール(20”)に存在して、コントローラ(22”)に接続されてもよく、図6に関連してすでに記載されたものと同じ役割を果たすこともある。
【0226】
電力は、送信機共振器(30”)および受信機共振器(50”)を介して送信機モジュール(20”)から受信機モジュール(40”)に無線伝送されてもよい。受信機モジュール(40”)から、電力はDC負荷(70”)に伝送されてもよい。送信機共振器(30”)と受信機共振器(50”)との間の電力の送信は、図6から10に関連して記載されるように、近接場ワイヤレス伝送によるものであってもよい。図19Aのように、近接場ワイヤレス電力伝送は二方式であることに限定されず、純粋に容量性であってもよく、または、純粋に誘導性であってもよい。
【0227】
受信機モジュール(40”)は図7のレシーバー(40)と同じコンポーネントを有することもある。明確にするために、それらのコンポーネントの減少させたセットを図19Aに示す。図7のセンサ(44A)および検出器(44B)は、図19Aにおいて同等の形態では示されていないが、存在することもある。図19Aの受信機チューニングネットワーク(48”)は、補償ネットワーク(46A)、マッチングネットワーク(46B)、整流器(46D)、およびフィルター(46C)の統合体であってもよい。電力は、受信機チューニングネットワーク(48”)から負荷管理(46E”)に伝送されてもよく、両方とも受信機コントローラ(42”)の制御下にあってもよい。
【0228】
図7により詳細に示されている整流器(46D)に関して、このデバイスの入力インピーダンスは、デバイスの出力によって経験される負荷に直接依存する。
【0229】
動作時、近接場共振無線電力伝送システム(10”)は、図1および図6図10の近接場共振無線電力伝送システム(10)と同様に機能してもよく、各パワーアンプ(26B”)の印加電圧VDDが電力調整ユニット(PCU)(430)からの電力信号に置き換えられ、これが今度は、この実施形態では太陽電池(420)である関連電源からその電力を受け取るという点が異なる。
【0230】
別の実施形態では、電力調整ユニット(430)は、図19Aに示されるシステムから省略されてもよく、電力移送システム(10”)は、その代わりに、電力調整システムとしても機能するように構成または操作される。これは、図6の電力センサ(24B)によって測定される電力レベルに基づいて、パワーアンプ(26B”)の入力DC等価抵抗を調整するように、例えば、限定されないが、ソフトウェアで、コントローラ(22”)を構成することによって達成され得る。「入力DC等価抵抗」という用語は、パワーアンプ(26B)のDC端子におけるDC電圧対DC電流の比を表すために使用される。コントローラ(22”)は、電力測定値に基づいて調整を行うことになるが、パワーアンプ(26B”)の入力インピーダンスが太陽電池(420)の出力インピーダンスと一致するとき、伝送された電力の最大電力点が達成されることになると予想される。この実施形態では、システム(10”)は、産業界で「最大電力点追従制御装置(maximum power point tracker)」として知られているものとして機能しており、電力の供給が調節されていなかった場合に得られることになる速度よりも、電力を消費する負荷に適した速度で電力が常に伝送されることを保証する。別の実施形態では、コントローラ(22”)は、この実施形態では太陽電池(420)である電源の出力インピーダンスを測定し、その後、太陽電池(420)の測定された出力インピーダンスに基づいてパワーアンプ(26B”)の入力インピーダンスを調整するように構成されてもよい。
【0231】
パワーアンプ(26B”)の入力インピーダンスの調整の他に、コントローラ(22”)は、送信機チューニングネットワーク(28”)の設定およびオシレータ(26A”)の周波数のうちの1つ以上を調整してもよい。さらに、送信機コントローラ(22”)は、送信機モジュール(20および20”)の回路をより詳細に示している図6に示される負荷検出器(24A)による測定値に基づいて、すでに上述した調整を行ってもよい。負荷検出器(24A)は、図6のポイント(24E)において、負荷(70”)の影響を感知する。
【0232】
受信機コントローラ(42”)は、受信機電力センサ(44A)および負荷検出器(44B)(ともに図7に示す)による測定値に基づいて、電力伝送の効率を改善するために、受信機チューニングネットワーク(48”)および負荷管理システム(46E”)の設定のうちの1つ以上を調整してもよい。
【0233】
システム(10”)の電力調整機能を検討する際に、システムの電力伝送機能が図19Aのようにエアギャップを越えて近接場ワイヤレス伝送に限定されなければならない先験的な理由はないことが理解されよう。したがって、別の実施形態では、図19Aのシステム(10”)の要素に基づいて、電力調整ユニット(410)が図19Bに示されている。送信機チューニングネットワーク(28”)は、適切な非エアギャップ接続(60”)を介して受信機チューニングネットワーク(48”)と直接電気通信している。この通信は、無線周波数電力信号を介しており、システム内およびシステムによって伝送される電力を構成している。適切なリアクタンスの電子コンポーネントは、送信機モジュール(20”)におけるあらゆるDC電圧および電流レベルを、受信機モジュール(40”)におけるそのようなレベルから切り離すために周知の構成で採用されてもよい。送信機共振器(30”)および受信機共振器(50”)はこの実施形態には存在せず、送信機チューニングネットワーク(28”)と受信機チューニングネットワーク(48”)との間の直接通信接続によって不要となっている。
【0234】
図19Aおよび図19Bの電力伝送システムの電力調整システムとしての機能は、特に図19Bを考慮することでよりよく理解できることができ、この図では、送信機共振器(30”)と受信機共振器(50”)が存在しないことで、電力調整の概念が単純化されているが、これらは(図19Aのように)これらの共振器が存在する場合にも同様に適用される。図19Aおよび図19Bのシステムは、受信モジュール(40”)に伝送され、それによって負荷(70”)伝送される電力を調整するために、動作中に調整することができる4つの独立した制御パラメータを有する。典型的な商用電力調整ユニットは、その出力電圧をソース電圧のそれよりも上昇させるという理由から、一般に「昇圧コンバータ」として知られている。これらのデバイスは2つの制御パラメータしか持っていない。
【0235】
受信機モジュール(40”)に伝送され、それによって負荷(70”)に伝送される電力を調整するために、動作中に調整され得る第1の独立した制御パラメータは、パワーアンプ(26B”)の振動周波数であり、これはオシレータ(26A”)のコントローラ(22A”)によって調整可能である。
【0236】
受信モジュール(40”)に伝送され、およびそれによって負荷(70”)に伝達されている電力を調整するために、動作中に調整され得る第2の独立した制御パラメータは、受信モジュール(40”)の整流器(46D)の出力負荷である。その出力負荷は、今度は、整流器(46D)の入力インピーダンス、それによって受信機モジュール(40”)の入力インピーダンスを直接決定する。これは、順に、送信機モジュール(20”)によって経験される負荷であり、パワーアンプ(26B”)の入力DC等価抵抗を直接決定する。整流器(46D)の出力負荷の操作は、受信機コントローラ(42”)の制御下で、受信機モジュール(40”)の負荷管理システム(46E”)(図19A参照)を介して行われる。この第2の独立した制御パラメータは、受信機モジュールの特性であるが、電源が経験する負荷を本質的に制御する。このパラメータを操作するための制御点は、受信機モジュール(40”)の負荷管理システム(46E”)である。
【0237】
受信モジュール(40”)に伝送され、それによって負荷(70”)に伝送され電力を調整するために動作中に調整することができる第3および第4の独立した制御パラメータは、受信機モジュール(40”)の整流器(46D)の特性(図7参照)およびパワーアンプ(26B”)の特性(図19A)であり、性質は似ているが、相互に完全に独立している。整流器(46D)とパワーアンプ(26B”)の両方は多端子増幅デバイスを備え、各デバイスの第3の端子に印加される電圧信号によって多端子デバイスを介する2つの端子間の電流の通過の変調に依存している。整流器(46D)パワーアンプ(26B”)のそれぞれで使用することができる最も単純な多端子増幅デバイスは、トランジスタである。これにより、デバイスによってまたはデバイス内で生成される電圧信号と電流信号との間に位相差が存在することができる。その電圧-電流の位相差は、印加電圧を介して調整可能である。整流器(46D)は、その電圧-電流の位相差が受信機コントローラ(42”)を介して調整することができる調整可能な位相無線周波数整流器であってもよい。パワーアンプ(26B”)の場合、電圧-電流位相差は、送信機コントローラ(22”)を介して調整されてもよい。整流器(46D)は通常、差動自己同期無線周波数整流器を備えることができる。整流器(46D)は特に、差動クラスF自己同期無線周波数整流器を備えることができる。
【0238】
図19Aおよび19Bの例は、太陽電池から、ひいては太陽電池アレイから電力を伝送することに基づいており、太陽電池(420)によって送出される電力は、日光に応じてゼロまで急激に変化する可能性がある。電力と発生電圧の両方の観点から、出力の変動に悩まされる電源が他にも数多くある。その中には、発電用タービン、風力発電機、および各種バッテリーやアキュムレータなどがある。風力発電機は発電量が大きく変化し、各種バッテリーは広範な電力消耗曲線を有することがある。システムの電力伝送の効率を考えると、これらのシステム(10”)および(410)のいずれかは、例えば、限定されないが、遅い開回路電圧減衰曲線を有する市販のバッテリーから電力を受け取るように構成されてもよい。負荷管理システム(46E”)は、上で既に説明されたように、パワーアンプ(26B”)の入力直流等価抵抗を変更するように構成されてもよく、コントローラ(22”および42”)は、要求される電圧が、送信された電力、およびシステム(10”および410)のパラメータの調整能によってそれ以上維持できなくなるまで、要求される電圧値を負荷(70”)に与えるように構成されてもよい。
【0239】
図19Aとそれに関連する説明文は、単一の太陽電池(420)から単一の負荷(70”)、典型的にはバッテリーへの近接場ワイヤレス伝送に対応している。より大きな太陽電池電力システムの実用的な実装では、電池のアレイが典型的に採用されるため、図12図13A、および図13Bを参照して記載されるものと同様の電力伝送スキームを採用することができ、複数の送信機サブシステムおよび典型的には単一の受信機サブシステムが存在する。この状況は、それぞれソーラーパネル(400)の分解した正面図および背面図である図20Aおよび図20Bに示されており、ソーラーパネルは、1つの太陽電池(420)あたり1つの近接場ワイヤレス電力伝送サブシステムを有する透明なソーラーカバー(440)を有し、それによって、一例として、60個の近接場ワイヤレス電力伝送サブシステム(16)を備え、各伝送サブシステム(16)は、図19Aを参照して説明されるような送信機共振器(30”)、送信機モジュール(20”)、および電力調整ユニット(430)を備える。混乱を避けるために、送信サブシステム(16)は、図19Aではラベル付けされていないが、以下でさらに記載されるように、図20B、21B、および22Bでは示され、ラベル付けされている。
【0240】
一実施形態では、複数の太陽電池で構成されるソーラーパネルの個々の太陽電池を電力伝送および管理システムに結合することで、電池レベルの電力管理が可能となる。それぞれの個々の電池で電力管理を行うことで、各電池に集電を最適化することができ、その結果、ソーラーパネルシステム全体の効率を向上させることができる。そのような実施形態では、個々の電池の故障や電池間の接続不良による影響が軽減される。個々の電池レベルでの集電により、雨や日陰などの理想的ではない条件でも、または、ソーラーパネルの一部をゴミが覆っている場合でも、最大限の電力を得ることができる。
【0241】
混乱を避けるために、図20Bでは1つの近接場ワイヤレス電力伝送サブシステム(16)のみがラベル付けされている。図20Aおよび20Bでは、各送信サブシステム(16)の送信機共振器(30”)は、その対応する太陽電池(420)の背面に配置されてもよい。図20Aでパネルの前面から見ると、太陽電池の平坦な領域は、起動されたな太陽放射受信およびエネルギー変換半導体デバイス自体を表しており、それに応じて(420)とラベル付けされており、一方で、図20Bで背面から見ると、デバイスの平坦な領域は、送信機共振器を表しており、それに応じて(30”)とラベル付けされている。送信機共振器(30”)は、太陽電池(420)の動的太陽放射受信面の範囲の少なくとも1つの主要分画であり得る範囲の表面領域を有してもよい。各近接場ワイヤレス電力伝送サブシステム(16)の送信モジュール(20”)および電力調整ユニット(430)は、図20Bにおいて一緒に統合され、(450)とラベル付けされている。混乱を避けるために、統合されたコンポーネント(450)は、図19Aではラベル付けされていないが、以下にさらに記載されるように、図20B、21B、および22Bでは、ユニットとして示され、ラベル付けされている。単一の受信機共振器(50”)は、ソーラーパネル(400)のフレーム(460)に嵌め込まれてもよい。単一の受信機モジュール(40”)は、受信機共振器(50”)の背面に直接取り付けられてもよい。
【0242】
動作時、近接場共振無線電力伝送システム(10”)は、図12図13A、および図13Bの近接場共振無線電力伝送システム(10)と同様に機能することができるが、パワーアンプ(26B”)の1つ1つに印加された電圧VDDが電力調整ユニット(PCU)(430)からの電力信号に置き換えられ、これが、関連する太陽電池(420)からその電力を受け取るという点が異なる。
【0243】
図20Aおよび20Bのシステムの別の実施形態では、フレーム(460)は、すべての送信機共振器(30”)からの電力を受信するための適切な受信機共振器となるように構成されてもよく、受信機モジュール(40”)はフレーム(460)上に配置されてもよい。この実施形態では、フレーム内のプレートは共振器ではなく、非導電性材料の単純なフラットシートであってもよい。
【0244】
別の実施形態では、それぞれ図21Aおよび21Bで正面図および背面図で示されているソーラーパネル(400’)は、各近接場ワイヤレス電力伝送サブシステムに、1つの近接場ワイヤレス電力受信サブシステムに対して電力を伝送させる。フレーム(460Iは、不透明なプレート(470)によって充填されているように示されているが、プレート(470)は、近接場電気回路または磁気回路のいずれかの一部でなくてもよい。明確にするために、図20Aおよび20Bのように、送信側には同じコンポーネント番号を採用する。受信側では、図19Aの番号付けを採用している。ここでも、混乱を避けるために、1つの受信側のデバイスだけを表示している。
【0245】
動作時、図21Aおよび図21Bのソーラーパネル配置(400’)は、同相となることができるようにハードワイヤ(図示せず)で連結された個々の送信機モジュール(20”)を有しており、それによって伝送時の電力損失を最小限に抑えることができる。他の実施形態では、送信機モジュール(20”)は独立していて、図14図17、および図18で説明されるように機能してもよい。
【0246】
さらに別の実施形態では、それぞれ図22Aおよび22Bで正面図および背面図でソーラーパネル配列(400”)として示されているように、例えば、25の太陽電池のアレイが示されており、それぞれ5個の電池(420)の5列で配置されている。各太陽電池(420)は、その後部に、送信機共振器(30”)と、その対応する送信機モジュール(20”)および電力調整ユニット(430)を含むユニット(450)とを有している。アレイの下部および上部で、ならびに、各2列の太陽電池の間に、太陽電池(420)の平面に対して実質的に垂直な平面に配置された受信機共振器(50”)があり、各受信機共振器(50”)は、その対応する受信機モジュール(40”)と有線電気通信状態にある。これまでのソーラーパネルの実施態様と同様に、各コンポーネントの1つの例がラベル付けされている。図20Aおよび20B、ならびに図21Aおよび21Bで示される実施形態と同様に、ソーラーパネル配列(400”)は、いくつかの実施形態では、フレーム(460)も有することがある。明確にするために、フレーム(460)は図22Aおよび22Bには示されていない。
【0247】
動作時、システム(400”)の特定の列にある太陽電池(420)の送信機共振器(30”)は、その上と下の両方の受信機共振器(50”)に電力を送信する。しかしながら、この実施形態では、共振的に結合され、および、収集された電力を共有する様々な最近傍受信機共振器(50”)のさらなる機構がある。したがって、アレイのすべての受信機共振器(50”)によって集められた電力は、さまざまな受信機モジュール(40”)のいずれか1つまたは複数を介してタップ接続することができる。特に、すべての受信機モジュール(40”)によって収集された電力は、例として、最底部の受信機モジュール(40”)のみを介してタップ接続されてもよい。任意の共振器(50”)上の受信機モジュール(40”)のいずれか1つは、太陽電池(420)の列の電力を収集する受信機モジュールとして機能することができるが、その関連する共振器(50”)を介して、その近接にある別の共振器(50”)に収集した電力を送信する送信機モジュールとしても機能することができる。この動作は、最底部の受信モジュール(40”)に電力を伝送するために、アレイの下で繰り返されてもよい。
【0248】
図22Aおよび22Bのシステムの別の実施形態では、図22Aおよび22Bの太陽電池アレイの平面的な周囲を囲む、図20Aおよび20Bのフレーム(460)と同様のフレームは、受信モジュール(40”)を支える受信機共振器であってもよく、様々な共振器(50”)から電力を受け取ってもよい。このようにして、アレイ内のすべての太陽電池(420)によって生成された総電力は、共振器フレーム(460)によって受け取られ、受信機モジュール(40”)を介してさらなる電気伝送のためにタップ接続されてもよい。
【0249】
個々の太陽電池レベルでの電力収集は、有線接続で達成されてもよい。しかし、ソーラーパネルでの無線伝送システムの使用は、配線の削減を可能にし、したがって製造コストの削減を可能にする。
【0250】
図23のフローチャートを参照して記載されるさらなる態様では、光電池(420)から電力負荷(70”)に電力を伝送するための方法[1500]が提供され、この方法は、送信モジュール(20”)において、前記光電池(420)からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程[1510]と、前記電力を、前記送信モジュール(20”)と有線式電気通信状態にあるとともに前記振動周波数で共振するように構成される送信機共振器(30”)に伝送する工程[1520]と、前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器(30”)から電力を受信するように配置される受信機共振器(50”)において、電力を受信する工程[1530]と、前記電力を、前記受信機共振器(50”)と有線式電気通信状態にある受信機モジュール(40”)で受信する工程[1540]と、前記電気負荷(70”)との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程[1550]とを含む。前記方法は、前記電力を振動電力信号へと変換する前に、光電池(420)からの電力の電圧と電流を、送信モジュール(20”)に適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含んでもよい。
【0251】
図19A図24のフローチャートとを参照して記載された方法のさらなる実施形態では、光電池(420)のアレイ(400)からの電力を電力負荷(70”)に伝送するための方法[1600]が提供され、この方法は、第1の複数の対応する送信モジュール(20”)の各送信モジュールにおいて、アレイ(400)の前記光電池(420)の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程[1610]と、前記送信モジュール(20”)の各送信モジュールの電力を、第2の複数の送信機共振器(30”)の中から対応する送信機共振器(70”)に伝送する工程であって、各共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記複数の送信機共振器(30”)から電力を受信するように配置される受信機共振器(50”)において、電力を受信する工程[1630]と、前記電力を、前記受信機共振器(50”)と有線式電気通信状態にある受信機モジュール(40”)で受信する工程[1640]と、前記電気負荷(70”)との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程[1650]とを含む。前記方法は、前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池(420)からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュール(20”)に適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含んでもよい。受信機共振器(50”)において、電力を受信する工程[1630]は、光電池のアレイ(400)の平面外周部のまわりに配置された受信機共振器で電力を受信することもある。
【0252】
図19A図25のフローチャートとを参照して記載された方法のさらなる実施形態では、光電池(420)のアレイ(400’)からの電力を電力負荷(70”)に伝送するための方法[1700]が提供され、この方法は、第1の複数の対応する送信モジュール(20”)の各送信モジュールにおいて、アレイ(400’)の前記光電池(420)の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程[1710]と、前記送信モジュール(20”)の各送信モジュールからの電力を、第2の複数の送信機共振器(30”)の中から対応する送信機共振器(30”)に伝送する工程[1720]であって、各送信機共振器(30”)は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、各送信機共振器(30”)からの電力を、前記振動周波数で共振するように構成される対応する受信機共振器(50”)中で受信する工程[1730]であって、各受信機共振器(50”)はさらに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器(30”)から電力を受信するように構成かつ配置される、工程と、各受信機共振器(50”)からの電力を、前記受信機共振器(50”)と有線式電気通信状態にある対応する受信機モジュール(40”)中で受信する工程[1740]と、前記電気負荷(70”)との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程[1750]とを含む。前記方法は、前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池(420)からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュール(20”)に適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含んでもよい。
【0253】
図19A図26のフローチャートとを参照して記載されたさらなる実施形態では、光電池(420)のアレイ(400”)からの電力を(図19Aの)電力負荷(70”)に伝送するための方法[1800]が提供され、この方法は、第1の複数の対応する送信モジュール(20”)の各送信モジュールにおいて、アレイ(400”)の前記光電池(420)の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程[1810]と、前記送信モジュール(20”)の各送信モジュールからの電力を、第2の複数の送信機共振器(30”)の中からの送信機共振器(30”)に伝送する工程[1820]であって、各送信機共振器(30”)は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、各送信機共振器(30”)からの電力を、前記振動周波数で共振するように構成される第3の複数の受信機共振器(50”)の中からの任意の近接する受信機共振器(30”)中で受信する工程[1830]であって、各受信機共振器はさらに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信[1830]するように構成かつ配置される、工程と、受信した電力を前記第3の複数の受信機共振器(50”)の中で共有する工程[1840]と、有線式電気通信を介して、前記第3の複数の受信機共振器(50”)の1つ以上から受信した電力を、対応する1つ以上の受信機モジュールを介して直流の形態にする工程[1850]とを含む。前記方法は、前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池(420)からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュール(20”)に適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含んでもよい。
【0254】
図27Aは、導電性シャーシ(510)を有する電気自動車における拡張近接場ワイヤレス電力分配システムの代表的な部分(500)を示している。図19Aの一般的なシステム(10”)のこの実施形態では、電源は太陽電池(420)ではなく充電式バッテリー(520)であり、負荷(70”)は図19Aのようにバッテリーではなく電気モーター(530)である。図14Aに示すシステムは随意に、図19Aのように電力調整ユニット(430)を含んでいてもよい。他の実施形態では、送信機モジュールは、図19Bを参照して上で説明されたように、電力調整を提供するように共同で機能してもよい。
【0255】
図27Aに示され、以下でより詳細に記載されるシステムは、容量性電力伝送、誘導性電力伝送、または二方式電力伝送によって動作してもよい。図4Bおよび図19Aを参照すると、送信機共振器(30”)は、導電性アンテナ(132および134)の間に挟まれた誘電体素子(138)を備える。図4Bおよび図19Aを参照すると、受信機共振器(50”)は、導電性アンテナ(152および154)の間に挟まれた誘電体素子(158)を備える。送信機モジュール(20”)は、アンテナ(132)に直接取り付けられた状態で示されており、このアンテナは、バッテリー(520)のフレームまたはホルダーとしても機能する。送信機モジュール(20”)は、バッテリー(520)と送信機共振器(30”)との間で電気的に接続されてもよい。受信機モジュール(40”)は、電気モーター(530)に直接取り付けられた状態で示されている。受信機モジュール(40”)は、受信機共振器(50”)とモーター(530)との間で電気的に接続されてもよい。
【0256】
図27Bは、導電性シャーシ(510)を有する電気自動車における拡張近接場ワイヤレス電力分配システムの代表的な部分(500’)を示している。図19Aの一般的なシステム(10”)のこの実施形態では、電源は再度、図27Aのように、太陽電池(420)ではなく充電式バッテリー(520)であり、負荷(70”)は図19Aのようにバッテリーではなく電気モーター(530)である。図27Bに示すシステムは随意に、図19Aのように電力調整ユニット(430)を含んでいてもよい。他の実施形態では、送信機モジュール(20”)および受信機モジュール(40”)は、図19Bを参照して上で説明されたように、電力調整を提供するように共同で機能してもよい。
【0257】
図27Bに示され、以下でより詳細に記載されるシステムは、容量性電力伝送、誘導性電力伝送、または二方式電力伝送によって動作してもよい。図4Bおよび図19Aを参照すると、送信機共振器(30”)は、導電性アンテナ(132および134)の間に挟まれた誘電体素子(138)を備える。図4Bおよび図19Aを参照すると、受信機共振器(50”)は、誘電体素子(158)および導電性アンテナ(152)を備え、図27Aのアンテナ(154)は、本実施形態では共振器(50”)には存在しない。送信機モジュール(20”)は、アンテナ(132)に直接取り付けられた状態で示されており、このアンテナは、バッテリー(520)のフレームまたはホルダーとしても機能する。送信機モジュール(20”)は、バッテリー(520)と送信機共振器(30”)との間で電気的に接続されてもよい。受信機モジュール(40”)は、電気モーター(530)に直接取り付けられた状態で示されている。この実施形態では、受信機モジュール(40”)は、モーター(530)とシャーシ(510)との間に電気的に接続されてもよい。この配置では、シャーシ(510)とアンテナ(152)との間に、適切に高い効率で電力を伝送するための十分な結合がある。システムの電気的に導電性の機械的コンポーネント、すなわち、例えば、システムにおいて負荷を支える構造的機能を有するコンポーネントは、電力伝送システムの共振構造の一部を形成してもよい。
【0258】
図27Aおよび27Bに示す実施形態では、特に、車両の車輪の1つを駆動する電気モーター(530)に供給される電力に焦点が当てられているが、同等の配置は、すべてが送信機モジュール(20”)によって電力が供給される複数の適切に適合された受信モジュール(40”)を使用して、車両の任意の電気サブシステムに実装されてもよい。
【0259】
バッテリーから車両の電気サブシステムへの電力伝送のための図27Aおよび図27Bの配置は、車両の製造時に困難をもたらし、かなりの製造コストの原因となっている非常に複雑な自動車用ワイヤーハーネスの大部分を不要にする。図27Aおよび図27Bの実施形態は、車両の他の電気サブシステムへの拡張とともに、「拡張近接場ワイヤレス電力分配システム」と表現されることもある。
【0260】
この配置は、電気自動車の他の車輪を超えて、ヘッドライト、および、限定されないが、室内灯、ダッシュボードのディスプレイ、計器、デジタル電子機器、ナビゲーションシステム、警告システムなどを含む他の車両付属品にまで拡大することができる。適用対象は電気自動車にも限定されない。それは、必要な時に必要な場所で電力を供給するために、ハイブリッド車または内燃機関車両に適用可能である。また、電力を必要とする任意の電気システムを採用する他の車両にも同様に適用することができる。例としては、限定されないが、電動および非電動の自転車、航空機、船舶、およびその他の車載電源を採用する車両などが挙げられる。バッテリーまたは電源は、車両に搭載されていることに限定される必要はない。図1図11図19A図19B、および図27A図27Bに関して説明された原理は、静止した電源、例えば、限定されないが、移動する車両に電力を供給するための固定レールから電力を供給する必要がある静止および車両システムにも適用される。
【0261】
図28Aは、デスクの卓上(620)に配置されたコンピュータモニター(610)に電力を供給するための電力供給システム(600)における、図19Aの一般的なシステム(10”)の別の実施形態を示しており、電力は図1およびより詳細には図6の通りに、適切なソースから一次側(12)を介して供給される。システム(600)では、図19Aの送信モジュール(20”)および送信共振器(30”)はともに一次側(12)に組み込まれている。システム(600)の配置では、図19Aの通りに、受信機共振器(50”)はモニター(610)の土台を形成している。図19Aの受信機モジュール(40”)は、モニター(610)の土台に組み込まれてもよい。代替的に、図19Aの受信機モジュール(40”)は、モニター(610)自体の内部に組み込まれてもよい。図4Bを参照すると、アンテナ(152)は、モニター(610)の土台の底部を形成し、誘電体(158)によってアンテナ(154)から分離されている。
【0262】
モニター(610)のハウジングおよび構造フレーム(630)は、少なくとも部分的に導電性であってもよく、アンテナ(154)から受機信モジュール(40”)(図19A参照)を介して、図19Aの負荷共振器(70”)を表すモニター(610)の回路に電力信号を電気的に供給するための1つの連続した導体として機能してもよい。アンテナ(152)からモニター(610)の回路への他の電気コネクタは、アンテナ(152)からモニター(610)の台座まで延びている。他の実施形態では、モニター(610)のハウジングおよび構造フレーム(630)はおそらく非導電性ポリマーであり、別の導体がアンテナ(154)から図19Aの負荷共振器(70”)を表すモニター(610)の回路まで延びている。
【0263】
図28Bのコンピュータモニター(610)に電力を供給するための電源システム(600’)の別の実施形態に示されるように、モニター(610)の土台は、アンテナ(152)と誘電体(158)のみを備えることもある。この実施形態では、モニターのハウジングまたはフレーム(630)の金属導電部が、アンテナ(154)の代わりにアンテナとして機能し、ハウジングまたはフレーム(630)は、十分に効率的な電力伝送を提供するために、誘電体(158)の下にあるアンテナ(152)と十分な結合を有している。図19Aの受信機モジュール(40”)は、モニター(610)の土台に組み込まれてもよい。代替的に、図19Aの受信機モジュール(40”)は、モニター(610)自体の内部に組み込まれてもよい。モニター(610)のハウジングおよび構造フレーム(630)は、受信モジュール(40”)を介して、図19Aの負荷共振器(70”)を表すモニター(610)の回路に、電力信号を供給するための1つの連続した電気導体として機能してもよい。
【0264】
システム(600)は随意に、図19Aのような電力調整ユニット(430)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、送信モジュール(20”)および受信モジュール(40”)は、近接場ワイヤレス電力伝送を使用するものの、図19Aを参照して説明したような電力調整を提供するように共同で機能してもよい。図28Aの近接場ワイヤレス電力伝送システムは、モニター(610)に電力を供給するための煩雑な電力ケーブルの必要性を排除し、システムの機械的構造要素を電力伝送配置における一体的な電気/電子コンポーネントとして採用している。
【0265】
図29のフローチャートおよび図19Aならびに図19Bのシステムを参照して記載されたように、直流電源(420)から電力負荷(70”)に電力を伝送するための方法[2000]が提供され、この方法は、電源(420)と有線式電気通信状態にある電力伝送システム(10”、410)を提供する工程[2010]であって、電力伝送システム(10”、410)が、振動周波数で振動することができるオシレータ(26A”)と、両方とも送信機コントローラ(22”)の制御下にある、パワーアンプ(26B”)および送信機チューニングネットワーク(28”)と、両方とも受信機コントローラ(42”)の制御下にある、受信機チューニングネットワーク(48”)および負荷管理システム(46E”)であって、前記負荷管理システム(46E”)が前記電力負荷(70”)と有線式電気通信状態にある、受信機チューニングネットワークおよび負荷管理システムとを備えている、工程と、前記パワーアンプ(26B”)において、前記電源(420)からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換[2020]する工程と、前記送信機コントローラの制御下で、前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介して、前記電力信号を前記パワーアンプ(26B”)から前記負荷管理システム(46E”)に伝送する工程[2030]と、電力伝送速度を変更するために、前記振動周波数、前記パワーアンプ(26B”)の入力DC等価抵抗、前記送信機チューニングネットワーク(28”)、前記受信機チューニングネットワーク(48”)、および前記負荷管理システム(46E”)のうち少なくとも1つを調整する工程[2040]と、前記負荷管理システム(46E”)が受信した電力を、電力負荷(70”)と有線式電気通信状態を介して直流の形態にする工程[2050]とを含む。
【0266】
前記送信機チューニングネットワーク(28”)および前記受信機チューニングネットワーク(48”)を介して、前記電力信号を伝送する工程[2030]は、有線通信または無線通信により電力を伝送することを含んでいてもよい。ワイヤレス通信によって電力を伝送することは、近接場ワイヤレス通信により電力を伝送することを含んでもよい。近接場ワイヤレス通信によって電力を伝送することは、容量結合と誘導結合のうち少なくとも1つにより電力を伝送することを含んでもよい。直流電源(420)からの電力を伝送することは、少なくとも1つの太陽電池(420)から電力を伝送することを含んでもよい。直流電源からの電力を伝送することは、少なくとも1つのバッテリーからの電力を伝送することを含んでもよい。直流電源からの電力を伝送することは、変動電圧を伴う電源からの電力を伝送することを含んでもよい。
【0267】
図30のフローチャートおよび図19Aならびに図19Bのシステムをさらに深く参照して記載された別の実施形態では、直流電源(420)から電力負荷(70”)に電力を伝送するための方法[2100]が提供され、前記方法は、電源(420)と有線式電気通信状態にある電力伝送システム(10”、410)を提供する工程[2110]であって、前記電力伝送システム(10”,410)は、電力負荷(70”)と有線式電気接触状態にある調整可能な位相無線周波数整流器(46D)(図7参照)と無線周波数通信状態にある無線周波数パワーアンプ(26B”)を含む、工程と、前記パワーアンプ(26B”)において前記直流電源(420)からの電力を無線周波数振動電力信号に変換する工程[2120]と、前記整流器(46D)において前記無線周波数振動電力信号を直流電力信号に変換する工程[2130]と、前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程[2140]とを含む。前記調整可能な位相無線周波数整流器を設けることは、差動自己同期無線周波数整流器(46D)を設けることを含んでもよい。
【0268】
前記方法[2100]は、前記パワーアンプ(26B”)の直流等価入力抵抗を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含んでもよい。前記電力伝送システム(10”、410)を設ける工程[2110]は、前記整流器(46D)と前記電力負荷(70”)との間で有線式通信状態にある負荷管理システム(46E”)を設けることを含んでもよい。前記パワーアンプ(26B”)の直流等価入力抵抗を調整することは、前記負荷管理システム(46E”)を調整することにより前記整流器(46D)の入力インピーダンスを調整することを含んでもよい。前記負荷管理システム(46E”)の調整は、前記負荷管理システム(46E”)を自動調整することを含んでもよい。
【0269】
前記方法[2100]は、前記パワーアンプ(26B”)の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含んでもよい。前記電力伝送システム(10”、410)を設ける工程[2110]は、前記パワーアンプ(26B”)を制御するために前記パワーアンプ(26B”)と通信状態にある送信機コントローラ(22”)を設けることを含んでもよい。前記パワーアンプ(26B”)の電流-電圧位相特徴の調整は、前記送信機コントローラ(22”)により実行されてもよい。前記パワーアンプ(26B”)の電流-電圧位相特徴の調整は、前記送信機コントローラ(22”)により自動的に実行されてもよい。
【0270】
前記方法[2100]は、前記パワーアンプ(26B”)の振動周波数を変更することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含んでもよい。
【0271】
電力伝送システム(10”,410)を設ける工程[2110]は、整流器(46D)を制御するために、整流器(46D)と通信状態にある受信機コントローラ(42”)を提供することを含んでもよい。前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴の調整は、前記受信機コントローラ(42”)により実行されてもよい。前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴の調整は、前記受信機コントローラ(42”)により自動的に実行されてもよい。
【0272】
電力伝送システム(10”,410)を設ける工程[2110]は、(図19Bの接続部(60”)を介して)調整可能な位相無線周波数整流器(46D)と直接有線式無線周波数通信状態にあるパワーアンプ(26B”)を提供することを含んでもよい。前記電力伝送システム(10”,410)を設ける工程[2110]は、前記調整可能な位相無線周波数整流器(46D)とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあるパワーアンプ(26B”)を設けることを含んでもよい。
【0273】
前記電力伝送システム(10”,410)を設ける工程[2110]は、前記パワーアンプ(26B”)と有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器(30”)、および前記無線周波数整流器(46D)と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器(50”)を設けることを含んでもよい。前記方法[2100]は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある、前記送信機共振器(30”)と前記受信機共振器(50”)を操作する工程をさらに含んでもよい。前記電力伝送システム(10”,410)を設ける工程[2110]は、前記整流器(46D)と容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つの状態にあるパワーアンプ(26B”)を設けることを含んでもよい。前記電力伝送システム(10”,410)を設ける工程[2110]は、前記調整可能な整流器(46D)と二方式のワイヤレス近接場通信状態にあるパワーアンプ(26B”)を設けることを含んでもよい。
【0274】
方法[2100]はさらに、前記電源(420)と前記電力伝送システム(10”)との間に電気的に配置される電力調整ユニット(430)を設ける工程と、電力伝送の効率を改善するべく、前記電源(420)からの電流および電圧のうち少なくとも1つを調整するために前記電力調整ユニット(430)を調整する工程とを含む。
【0275】
図19Aおよび図19Bのシステムのより詳細な検討に基づき、および、図7を参照して、直流電源(420)から電力負荷(70”)に電力を供給するための一般化された電気伝送システム(10”,410)は、前記電源(420)と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源(420)からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される、無線周波数パワーアンプ(26B”)と、前記電力負荷(70”)と有線式電気接触状態にあるとともに、前記パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器であって、前記位相無線周波数整流器は前記パワーアンプ(26B”)から伝送される電力を受信するように構成される、調整可能な位相無線周波数整流器と、前記整流器(46D)と通信状態にある受信機コントローラ(42”)であって、前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプ(26B”)から前記整流器(46D)への電力伝送の効率を調整するように構成される、受信機コントローラ(42”)とを備える。前記受信機コントローラ(42”)は、前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴を自動的に調整するように構成されてもよい。前記整流器は、差動自己同期無線周波数整流器であってもよい。
【0276】
前記電力伝送システム(10”,410)は、前記電力負荷(70”)と有線式通信状態にあり、かつ、前記電力負荷(70”)と前記整流器(46D)との間で電力信号方向に配置される、電力信号負荷管理システム(46E”)をさらに備えてもよく、前記負荷管理システム(46E”)は、前記整流器(46D)の入力インピーダンスを調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。負荷管理システム(46E”)は整流器(46D)の入力インピーダンスを自動的に調整するために構成されてもよい。
【0277】
前記電力伝送システム(10”,410)は、前記パワーアンプ(26B”)と通信状態にある送信機コントローラ(22”)をさらに備えてもよく、前記送信機コントローラ(22”)は、前記パワーアンプ(26B”)の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記送信機コントローラ(22”)は、電力伝送の効率を増大させるために前記パワーアンプ(26B”)の電流-電圧位相特徴を自動的に調整するように構成されてもよい。
【0278】
電力伝送システム(10”,410)は、オシレータ(26B”)および送信機コントローラ(22”)と通信状態にあるオシレータ(26A”)をさらに備えていてもよい。前記送信機コントローラ(22”)は前記オシレータ(26A”)を介して前記振動周波数を調整するように構成されてもよい。
【0279】
パワーアンプ(26B”)は、(図19Bの接続部(60”)を介して)調整可能な位相無線周波数整流器(46D)と直接有線式無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプ(26B”)は、前記調整可能な位相無線周波数整流器(46D)とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記電力伝送システム(10”,410)は、前記パワーアンプ(26B”)と有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器(30”)、および前記整流器(46D)と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器(50”)を備えてもよい。前記送信機共振器(30”)と前記受信機共振器(50”)は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプ(26B”)は、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器(46D)と通信状態にあってもよい。前記パワーアンプ(26B”)は、前記整流器(46D)と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にあってもよい。
【0280】
前記電力伝送システムは、前記電源(420)と前記パワーアンプ(26B”)との間に電気的に配置される電力調整ユニット(430)をさらに備えてもよく、前記電力調整ユニット(430)は、電力伝送の効率を改善するために前記電源(420)からの電流と電圧のうち少なくとも1つを調整するように構成される。
【0281】
別の実施形態では、図19A図19B図27Aおよび図27B、ならびに図28Aおよび図28Bに関連して記載された別の実施形態では、電動システムは、導電性である第1の部分を持つ機械的負荷支持構造(510,630)と、電力負荷と、近接場ワイヤレス電力伝送のために構成された、少なくとも1つの無線周波数共振器(30”,50”)を備える電力伝送システム(10”,410)とを備えており、前記共振器は少なくとも部分的に導電性である第1の部分を備えている。前記電動システムはさらに充電式バッテリー(520)を備え、前記電力負荷は電気モーター(530)を備えてもよい。前記電動システムは電気自動車(500,500’)であり、前記機械的負荷支持構造は前記電気自動車のシャーシ(510)を備えてもよい。前記電動システムは表示モニター(610)であり、前記機械的負荷支持構造は前記表示モニターのフレーム(630)および土台のうち少なくとも1つであってもよい。
【0282】
前記電動システムは電源をさらに備えてもよい。前記電力伝送システムは、電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される、無線周波数パワーアンプ(26B”)と、電力負荷(70”)と有線式電気接触状態にあり、かつ、パワーアンプ(26B”)と無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器(46D)と、パワーアンプ(26B”)から伝送された電力を受信するように構成された整流器(46D)と、前記整流器(46D)と通信状態にある受信機コントローラ(42”)であって、前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプ(26B”)から前記整流器(46D)への電力伝送の効率を調整するように構成される、受信機コントローラ(42”)とを備える。
【0283】
別の実施形態では、図19Aおよび図19B図27Aおよび図27B、ならびに図28Aおよび図28Bに描かれているように、装置は、導電性である第1の部分を持つ機械的負荷支持構造(510,630)と、電源と、電力負荷(70”,530,610)と、電力伝送システム(10”,410)とを備え、前記電力伝送システム(10”,410)は、電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される、無線周波数パワーアンプ(26B”)と、電力負荷(70”)と有線式電気接触状態にあり、かつ、パワーアンプ(26B”)と無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器(46D)と、パワーアンプ(26B”)から伝送された電力を受信するように構成された整流器(46D)と、前記整流器(46D)と通信状態にある受信機コントローラ(42”)であって、前記整流器(46D)の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプ(26B”)から前記整流器(46D)への電力伝送の効率を調整するように構成される、受信機コントローラ(42”)とを備え、導電性である第1の部分は、前記パワーアンプ(26B”)から、および前記整流器(46D)への少なくとも1つで無線周波数信号を伝達するように配置される。
【0284】
前記装置は、前記電力負荷(70”)と有線式通信状態にあり、かつ、前記電力負荷(70”)と前記整流器(46D)との間で電力信号方向に配置される、電力信号負荷管理システム(46E”)をさらに備えてもよく、前記負荷管理システム(46E”)は、前記整流器(46D)の入力インピーダンスを調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記装置は、前記パワーアンプ(26B”)と通信状態にある送信機コントローラ(22”)をさらに備えてもよく、前記送信機コントローラ(22”)は、前記パワーアンプ(26B”)の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される。前記装置は、前記パワーアンプ(26B”)および前記送信機コントローラ(22”)と通信状態にあるオシレータ(26A”)をさらに備えてもよく、前記送信機コントローラ(22”)は前記オシレータ(26A”)により前記振動周波数を調整するように構成される。
【0285】
前記パワーアンプ(26B”)は、導電性である第1の部分を介して整流器(46D)と直接有線式無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプ(26B”)は、前記整流器(46D)とのワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記電力伝送システム(10”,410)は、前記パワーアンプ(26B”)と有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器(30”)、および前記整流器(46D)と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器(50”)を備えてもよく、前記送信機共振器(30”)および前記受信機共振器(50”)のうち1つは、導電性である前記第1の部分を備えてもよい。前記送信機共振器(30”)と前記受信機共振器(50”)は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあってもよい。前記パワーアンプ(26B”)は、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器(46D)と通信状態にあってもよい。前記パワーアンプ(26B”)は、前記整流器(46D)と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にあってもよい。前記直流電源は充電式バッテリー(520)を備え、前記電力負荷は電気モーター(530)を備えてもよい。
【0286】
現在の好ましい実施形態
1.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを提供し、該システムは、可変共振電力信号振動周波数で、容量性電力伝送と誘導電力伝送との調整可能な伝送モード比に従い、容量性電力と誘導電力を同時に伝送するように構成されており、前記システムは、送信機アンテナサブシステムおよび電力信号チューナーモジュールを備える送信機サブシステムであって、前記電力信号チューナーモジュールは、該電力信号チューナーモジュールにより前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号を調整することで前記伝送モード比を調整するよう構成される、送信機サブシステムと、前記伝送モード比で前記送信機アンテナから電力を受信するように構成される受信機アンテナサブシステムを備える受信機サブシステムとを備えている、二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
2.前記電力信号チューナーモジュールは、前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号の電流と電圧との位相差を調整することで電力信号を調整するように構成される、段落1に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
3.前記送信機サブシステムはさらに、コントローラと少なくとも1つのセンサとを備えており、前記コントローラは、前記少なくとも1つのセンサからセンサ情報を受信し、該センサ情報に基づき前記電力信号チューナーモジュールにチューニング命令を自動的に提供するように構成され、前記チューナーモジュールは、前記チューニング命令に従い、前記送信機アンテナサブシステムに提供される電力信号の電流と電圧との位相差を調整するよう構成される、段落2に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
4.前記少なくとも1つのセンサは前記送信機サブシステム上に配置される、段落3に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
5.前記少なくとも1つのセンサは前記受信機サブシステム上に配置され、前記コントローラは前記センサ情報をワイヤレスで受信するように構成される、段落3に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
6.前記少なくとも1つのセンサは電力負荷センサを備える、段落3-5のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
7.前記少なくとも1つのセンサは送信電力センサを備える、段落3-6のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
8.前記少なくとも1つのセンサは周囲物体検出器を備える、段落3-7のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
9.前記少なくとも1つのセンサは、前記送信機アンテナサブシステムと前記受信機アンテナサブシステムとの距離を検出する距離検出器を備える、段落3-8のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
10.前記可変共振電力信号振動周波数は、所定の周波数帯内で自由に変動する、段落1-9のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
11.前記所定の周波数帯は1MHzと1GHzの間である、段落10に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
12.前記システムは、前記可変共振電力信号振動周波数が、前記所定の周波数帯内の対立限界内で変動するのを可能にする程度にデチューンされる、段落10に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
13.1つの現在の好ましい実施形態では、本発明はワイヤレス電力伝送システムを提供し、前記ワイヤレス電力伝送システムは、送信機モジュールおよび送信機共振器を備える一次側であって、前記送信機モジュールは、電流値と電圧値を前記送信機共振器に調節し、それにより前記送信機共振器から振動磁界と振動電界を生成することにより、容量性電力伝送と誘導電力伝送との伝送モード比を調整するように構成される、一次側と、受信機モジュールおよび受信機共振器を備える二次側であって、前記受信機共振器は、前記送信機共振器により生じる振動電界と振動磁界内に配されると電流を発生させるように構成され、前記受信機モジュールは前記電流を前記送信機共振器から負荷に送信する、二次側とを備えている、ワイヤレス電力伝送システム。
14.前記送信機共振器と前記受信機共振器は、少なくとも1本のアンテナを備えている、段落13に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
15.前記少なくとも1本のアンテナはコイル形状である、段落14に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
16.前記少なくとも1本のアンテナはジグザグ形状である、段落14に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
17.前記少なくとも1本のアンテナは角張った隅部分をさらに備える、段落15または16に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
18.前記少なくとも1本のアンテナは円形である、段落14に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
19.前記少なくとも1本のアンテナは実質的に平らである、段落3から5のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
20.少なくとも2本のアンテナを備える、段落14-19のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
21.前記少なくとも2本のアンテナはスペーサにより区切られる、段落20に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
22.前記スペーサは、空気、誘電体材料、フェライト、またはそれらの組み合わせを含む、段落21に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
23.1つの現在の好ましい実施形態では、本発明はワイヤレス電力伝送システムを提供し、前記ワイヤレス電力伝送システムは、送信サブシステムを備え、該送信サブシステムは、1つ以上の送信機共振器と、電力信号出力を前記1つ以上の送信機共振器に対し制御するための1つ以上の送信機モジュールであって、各送信機モジュールはコントローラを備えている、送信機モジュールとを備えており、前記1つ以上の送信機モジュールは前記1つ以上の送信機共振器と電気通信状態にある。
24.前記1つ以上の送信機共振器の各送信機共振器は、1つ以上の送信機ペアを形成するために前記1つ以上の送信機モジュールのうち1つの送信機モジュールにつなげられる、段落60に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
25.前記1つ以上の送信機ペアは互いに電気分離される、段落61に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
26.前記1つ以上の送信機ペアは、前記1つ以上の送信機ペア間に電気通信がなくなるように、接地された遮蔽グリッドにより互いに電気分離される、段落62に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
27.各送信機モジュールの送信コントローラが、つなげられた送信機共振器の入力インピーダンスを測定するための負荷検出器を備える、段落60-63のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
28.前記送信コントローラは、前記つなげられた送信機の測定された入力インピーダンスに基づき前記電力信号の周波数を変動させる、段落64に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
29.前記1つ以上の送信モジュールの各送信コントローラは、前記電力信号の出力の位相を変動させるためのチューナーモジュールを備えている、段落65に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
30.前記1つ以上の送信機共振器は、送信面を形成するように構成される、段落60-66のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
31.それぞれが1つ以上の受信機共振器を備える、1つ以上の受信機サブシステムをさらに備えている、段落60-67のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
32.各送信機モジュールの前記送信コントローラは、つなげられた1つ以上の送信機共振器の入力インピーダンスを測定するための負荷検出器を備え、前記負荷検出器は、前記1つ以上の受信機共振器が前記1つ以上のつなげられた送信機共振器に近接するときに前記入力インピーダンスの変化を検出する、段落68に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
33.前記送信コントローラは、つなげられた送信機の測定された入力インピーダンスに基づき前記電力信号の周波数を変動させる、段落69に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
34.前記コントローラは、前記電力信号の位相を変動させるためのチューナーモジュールを備えている、段落70に記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
35.電力は、共振周波数で、前記送信サブシステムの1つ以上の送信機共振器から、前記1つ以上の受信機サブシステムの1つ以上の受信機共振器に伝送される、段落68-71のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
36.電力は、近接場磁気誘導により、前記送信サブシステムの1つ以上の送信機共振器から、前記1つ以上の受信機サブシステムの1つ以上の受信機共振器に伝送される、段落68-72のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
37.電力は、近接場電気容量により、前記送信サブシステムの1つ以上の送信機共振器から、前記1つ以上の受信機サブシステムの1つ以上の受信機共振器に伝送される、段落68-73のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
38.各送信モジュールの送信コントローラの負荷検出器は、つなげられた1つの送信機共振器の入力インピーダンスを測定する、段落69-74のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
39.各送信モジュールの送信コントローラの負荷検出器は、つなげられた2つの送信機共振器の入力インピーダンスを測定する、段落69-74のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
40.各送信モジュールの送信コントローラの負荷検出器は、つなげられた3つの送信機共振器の入力インピーダンスを測定する、段落69-74のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
41.各送信モジュールの送信コントローラの負荷検出器は、つなげられた4つ以上の送信機共振器の入力インピーダンスを測定する、段落69-74のいずれか1つに記載の二方式近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
42.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、ワイヤレス伝送システムの電力信号を変動させる方法を提供し、前記方法は、1つ以上の送信機共振器で構成される送信面を設ける工程と、前記1つ以上の送信機共振器の各送信機共振器の入力インピーダンスをモニタリングする工程と、前記入力インピーダンスに基づき、電力信号出力を前記1つ以上の送信機共振器の各送信機共振器に対して制御する工程とを含む、方法。
43.前記1つ以上の送信機共振器に対してベースラインインピーダンスを較正する工程をさらに含む、段落79に記載の方法。
44.前記入力インピーダンスがベースラインインピーダンス未満であるときに前記1つ以上の送信機共振器の1つの送信機共振器にオフ状態を割り当てる工程、または、前記入力インピーダンスがベースラインインピーダンスを超えるときに前記1つの送信機共振器に起動状態を割り当てる工程のいずれかをさらに含む、段落80に記載の方法。
45.前記電力信号出力の周波数を、前記起動状態に割り当てられる前記1つ以上の送信機共振器に設定する工程をさらに含む、段落81に記載の方法。
46.前記起動状態に割り当てられる前記1つ以上の送信機共振器の電力出力信号の位相を最大電力伝送位相に調整する工程をさらに含み、このときに前記送信機共振器を介した電力伝送は実質的に最大である、段落82に記載の方法。
47.前記送信面に近接する1つ以上の受信機共振器を設ける工程をさらに含む、段落79-83のいずれか1つに記載の方法。
48.1つの現在の好ましい実施形態では、本発明は近接場共振ワイヤレス電力伝送システムを提供し、前記近接場共振ワイヤレス電力伝送システムは、複数の実質的に互いに分離された送信機共振器、および各送信機共振器と電力信号通信状態にある対応する送信機モジュールを備える、送信サブシステムであって、各送信機モジュールは、送信コントローラと、電力信号振動周波数および電力信号位相を有する電力信号源とを含んでおり、各電力信号源は前記対応する送信コントローラにより制御される、送信サブシステムと、それぞれが対応する受信機共振器を備える1つ以上の受信機サブシステムと、前記電力信号源に対して可能とされた個々の電力信号振動周波数のソフトウェアルックアップテーブルと、 メモリに負荷され、かつ前記送信機モジュールのいずれかのコントローラにより実行されるときに、前記対応する送信機共振器の入力インピーダンスおよび前記対応する送信機共振器による試験信号電力消費のうち1つを送信し、および 前記対応する送信機共振器の入力インピーダンスおよび前記対応する送信機共振器による試験信号電力消費のうち1つに基づき、前記対応する電力信号源に対して前記ルックアップテーブルから周波数を選択するという行動を実行するソフトウェアとを備えている、近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
49.実行時に前記ソフトウェアは、前記対応する送信機共振器により伝送される電力値を測定しつつ、前記対応する電力信号源からの電力信号の位相を調整するという行動を実行する、段落85に記載の近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
50.送信機共振器は、接地された遮蔽グリッドにより実質的に互いに分離されている、段落85または86に記載の近接場共振ワイヤレス電力伝送システム。
51.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は電力を1つ以上の光電池から電力負荷に伝送するための近接場ワイヤレスシステムを提供し、前記近接場ワイヤレスシステムは、1つ以上の光電池と電気通信状態にある1つ以上の送信モジュールであって、各送信モジュールは、前記1つ以上の光電池のうち1つからの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する用に構成される、1つ以上の送信モジュールと、前記1つ以上の送信モジュールと電気通信状態にある1つ以上の送信機共振器であって、各送信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、1つ以上の送信機共振器と、1つ以上の受信機共振器であって、各受信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成されるとともに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記1つ以上の送信機共振器から電力を受信するように配置される、1つ以上の受信機共振器と、前記受信機共振器と電気通信状態にある1つ以上の受信機モジュールであって、各受信機モジュールは、前記1つ以上の受信機共振器のうち少なくとも1つから電力を受信し、前記受信機共振器から受信した電力を直流電圧にして、該直流電圧を前記電力負荷に送信するように構成される、1つ以上の受信機モジュールとを備えている、近接場ワイヤレスシステム。
52.前記1つ以上の送信モジュールはそれぞれ、前記振動周波数で前記1つ以上の光電池から受信した電力を調節するように構成されるパワーアンプを備えている、段落1に記載の近接場ワイヤレスシステム。
53.前記1つ以上の送信モジュールはそれぞれ、前記振動周波数を前記パワーアンプに提供するように構成されるオシレータを備えている、段落24に記載の近接場ワイヤレスシステム。
54.前記1つ以上の送信モジュールはそれぞれ、コントローラと1つ以上のセンサとを備えており、前記コントローラは、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つから得た第1の情報に基づき前記振動周波数を変動させるように構成される、段落1-25のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
55.前記1つ以上の送信モジュールはそれぞれ、前記コントローラによる制御下で、前記1つ以上のセンサのうち少なくとも1つから得た第2の情報に基づき、前記送信モジュールにより前記1つ以上の送信機共振器に提供される電力の少なくとも1つの位相を変更するように構成される、段落26に記載の近接場ワイヤレスシステム。
56.前記1つ以上の光電池と前記1つ以上の送信モジュールとの間に電気接続される1つ以上の電力調整ユニットを備えており、各電力調整ユニットは、前記1つ以上の光電池のうち少なくとも1つからの電力を、前記1つ以上の送信モジュールと適合可能なフォーマットに適合させるように構成される、段落1-27のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
57.前記1つ以上の送信モジュールの各送信モジュールは小さな信号電子回路を備え、前記電力調整ユニットはさらに、前記小さな信号電子回路に電力を提供するように構成される、段落28に記載の近接場ワイヤレスシステム。
58.前記1つ以上の送信機共振器は、前記1つ以上の光電池のうち少なくとも1つの動的太陽放射受信面と反対側にある、前記1つ以上の光電池のうち少なくとも1つの表面の上に配置される、段落1-29のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
59.前記1つ以上の送信機共振器は、前記1つ以上の光電池のうち少なくとも1つの動的太陽放射受信面の、少なくとも1つの主要分画である表面領域を備える、段落30に記載の近接場ワイヤレスシステム。
60.各送信機共振器には第1の平面領域があり、各受信機共振器には第2の平面の領域があり、前記第2の平面領域は前記第1の平面領域よりも大きい、段落1-31のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
61.前記1つ以上の受信機共振器の各受信機共振器は、前記共振周波数で容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して、前記1つ以上の送信機共振器の1より多くから電力を受信するように配置かつ構成される、段落1-32のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
62.前記1つ以上の送信モジュールは、有線接続を介して前記1つ以上の光電池と電気通信状態にある、段落1-33のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
63.前記1つ以上の送信モジュールは、有線接続を介して前記1つ以上の送信機共振器と電気通信状態にある、段落1-34のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
64.前記1つ以上の受信機モジュールは、有線接続を介して前記1つ以上の受信機共振器と電気通信状態にある、段落1-35のいずれか1つに記載の近接場ワイヤレスシステム。
65.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、光電池から電力負荷まで電力を伝送する方法を提供し、前記方法は、送信モジュールにおいて、前記光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記電力を、前記送信モジュールと有線式電気通信状態にあるとともに前記振動周波数で共振するように構成される送信機共振器に伝送する工程と、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器からの電力を受信機共振器中で受信する工程であって、前記受信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、前記受信機共振器からの電力を、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある受信機モジュール中で受信する工程と、前記電力を直流の形態にする工程と、前記電力を有線式電気通信を介して前記電力負荷に送信する工程とを含む、方法。
66.前記電力を振動電力信号へと変換する前に、前記光電池からの電力の電圧と電流を、前記送信モジュールに適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含む、段落37に記載の方法。
67.電力を光電池のアレイから電力負荷に伝送する方法であって、複数の対応する送信モジュールの各送信モジュールにおいて、前記光電池のアレイにある複数の光電池の各光電池から電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信モジュールの各送信モジュールにある電力を、複数の送信機共振器の対応する送信機共振器に伝送する工程であって、各送信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記複数の送信機共振器からの電力を受信機共振器中で受信する工程であって、前記受信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、前記電力を、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある受信機モジュール中で受信する工程と、前記電力を直流の形態にする工程と、前記電力を有線式電気通信を介して前記電力負荷に送信する工程とを含む、方法。
68.前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュールに適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含む、段落39に記載の方法。
69.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、光電池のアレイから電力負荷まで電力を伝送するための方法を提供し、前記方法は、第1の複数の対応する送信モジュールの各送信モジュールにおいて、アレイにある前記光電池の各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信モジュールの各送信モジュールからの電力を、第2の複数の送信機共振器の対応する送信機共振器に伝送する工程であって、各送信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、各送信機共振器からの電力を、前記振動周波数で共振するように構成される対応する受信機共振器中で受信する工程であって、各受信機共振器はさらに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信するように構成かつ配置される、工程と、各受信機共振器からの電力を、前記受信機共振器と有線式電気通信状態にある対応する受信機モジュール中で受信する工程と、前記電気負荷との有線式電気通信を介して、受信した電力を直流の形態にする工程とを含む、方法。
70.前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュールに適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含む、段落41に記載の方法。
71.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、光電池のアレイから電力負荷まで電力を伝送するための方法を提供し、前記方法は、複数の対応する送信モジュールの各送信モジュールにおいて、前記光電池のアレイにある各光電池からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信モジュールの各送信モジュールからの電力を、複数の送信機共振器の1つの送信機共振器に伝送する工程であって、各送信機共振器は前記振動周波数で共振するように構成される、工程と、各送信機共振器からの電力を、前記振動周波数で共振するように構成される複数の受信機共振器の任意の近接する受信機共振器中で受信する工程であって、各受信機共振器はさらに、容量結合と磁気誘導のうち少なくとも1つを介して前記送信機共振器から電力を受信するように構成かつ配置される、工程と、受信した電力を前記複数の受信機共振器中で共有する工程と前記複数の受信機共振器の1つ以上の受信機共振器にある受信した電力を直流の形態にする工程と、直流の形態にある前記電力を有線式電気通信を介して前記電力負荷に送信する工程とを含む、方法。
72.前記電力を振動電力信号へと変換する前に、各光電池からの電力の電圧と電流を、対応する送信モジュールに適合される電圧と電流に変換する工程をさらに含む、段落43に記載の方法。
73.電力を複数の光電池から電力負荷に伝送するための光起電力収集システムであって、前記複数の光電池の1つ以上の光電池と電気通信状態にある1つ以上の電力調整ユニットと、前記1つ以上の電力調整ユニットと電気通信状態にある少なくとも1つの受信機モジュールであって、各電力調整ユニットは、前記1つ以上の光電池からの電力を、前記受信機モジュールと適合可能なフォーマットに適合させるように構成され、前記受信機モジュールは、前記電力調整ユニットからの電力を、前記電力負荷と適合可能なフォーマットに適合させるように構成される、少なくとも1つの受信機モジュールとを備えている、光起電力収集システム。
74.各光電池に1つの電力調整ユニットが設けられる、段落45に記載の光起電力収集システム。
75.前記1つ以上の電力調整ユニットは、有線接続を介して前記1つ以上の光電池と電気通信状態にある、段落45または46に記載の光起電力収集システム。
76.前記少なくとも1つの受信機モジュールは、有線接続を介して前記1つ以上の電力調整ユニットと電気通信状態にある、段落45-47のいずれか1つに記載の光起電力収集システム。
77.前記少なくとも1つの受信機モジュールは、有線接続を介して前記つの電力負荷と電気通信状態にある、段落45-48のいずれか1つに記載の光起電力収集システム。
78.前記1つ以上の電力調整ユニットと前記少なくとも1つの受信機モジュールと電気通信状態にある1つ以上のパワーアンプをさらに備えている、段落45-49のいずれか1つに記載の光起電力収集システム。
79.前記1つ以上のパワーアンプは、有線接続を介して前記1つ以上の電力調整ユニットと電気通信状態にあり、前記1つ以上のパワーアンプは、有線接続を介して前記少なくとも1つの受信機モジュールと電気通信状態にある、段落50に記載の光起電力収集システム。
80.前記パワーアンプは、前記1つ以上の電力調整ユニットから受信した直流電力を交流電力に変換する、段落50または51に記載の光起電力収集システム。
81.前記パワーアンプは、前記交流電力を前記少なくとも1つの受信機モジュールに送信する、段落52に記載の光起電力収集システム。
82.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、複数の光電池から電力負荷まで電力を伝送する方法を提供し、前記方法は、前記複数の光電池からの電力を1つ以上の電力調整ユニットに送信する工程と、前記電力を前記電力負荷と適合可能なフォーマットにする工程と、前記電力を前記電力負荷に送信する工程とを含む。
83.前記電力を前記電力負荷と適合可能なフォーマットにする工程は、前記電力を直流電力に変換することを含む、段落54に記載の方法。
84.前記電力を前記電力負荷と適合可能なフォーマットにする工程は、前記電力を交流電力に変換することを含む、段落54に記載の方法。
85.前記電力を1つ以上の受信機モジュールと適合可能なフォーマットにする工程と、前記電力を前記電力負荷と適合可能なフォーマットにする工程の前に、前記電力を1つ以上の受信機モジュールに送信する工程とを含む、段落54-56のいずれか1つに記載の方法。
86.前記電力を前記1つ以上の受信機モジュールと適合可能なフォーマットにする工程は、前記電力を交流電力に変換することを含む、段落57に記載の方法。
87.前記電力を前記1つ以上の受信機モジュールと適合可能なフォーマットにする工程は、前記電力を直流電力に変換することを含む、段落57に記載の方法。
88.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、直流電源から電力負荷まで電力を伝送するための方法を提供し、前記方法は、前記電源と有線式電気通信状態にある電力伝送システムを設ける工程であって、該電力伝送システムは、振動周波数で振動可能なオシレータと、送信機コントローラによる制御下にあるパワーアンプおよび送信機チューニングネットワークと、受信機コントローラによる制御下にある受信機チューニングネットワークおよび負荷管理システムであって、該負荷管理システムは前記電力負荷と有線式電気通信状態にある、受信機チューニングネットワークおよび負荷管理システムとを備えている、工程と、前記パワーアンプにおいて、前記電源からの電力を、振動周波数を持つ振動電力信号へと変換する工程と、前記送信機コントローラによる制御下で、前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介して前記電力信号を前記パワーアンプから前記負荷管理システムに伝送する工程と、電力伝送速度を変更するために、前記振動周波数、前記パワーアンプの入力DC等価抵抗、前記送信機チューニングネットワーク、前記受信機チューニングネットワーク、および前記負荷管理システムのうち少なくとも1つを調整する工程と、 前記負荷管理システムが受信した電力負荷を、有線式電気通信状態を介して直流の形態にする工程とを含む、方法。
89.前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介し前記電力信号を伝送する工程は、有線式通信により電力を伝送することを含む、段落88に記載の方法。
90.前記送信機チューニングネットワークおよび前記受信機チューニングネットワークを介し前記電力信号を伝送する工程は、ワイヤレス通信により電力を伝送することを含む、段落88に記載の方法。
91.ワイヤレス通信による電力の伝送は、近接場ワイヤレス通信により電力を伝送することを含む、段落90に記載の方法。
92.近接場ワイヤレス通信による電力の伝送は、容量結合と誘導結合のうち少なくとも1つにより電力を伝送することを含む、段落91に記載の方法。
93.直流電源からの電力の伝送は、少なくとも1つの太陽電池から電力を伝送することを含む、段落88-92のいずれか1つに記載の方法。
94.直流電源からの電力の伝送は、少なくとも1つのバッテリーから電力を伝送することを含む、段落88-93のいずれか1つに記載の方法。
95.直流電源からの電力の伝送は、変動電圧を伴う電源から電力を伝送することを含む、段落88-94のいずれか1つに記載の方法。
96.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は、直流電源から電力負荷までの電力伝送のための方法を提供し、前記方法は、前記電源と有線式電気通信状態にある電力伝送システムを設ける工程であって、該電力伝送システムは、前記電力負荷と有線式電気接触状態にある調整可能な位相無線周波数整流器と無線周波数通信状態にある、無線周波数パワーアンプを備えている、工程と、前記パワーアンプにおいて前記直流電源からの電力を無線周波数振動電力信号に変換する工程と、前記整流器において前記無線周波数振動電力信号を直流電力信号に変換する工程と、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程とを含む、方法。
97.前記調整可能な位相無線周波数整流器を設けることは、差動自己同期無線周波数整流器を設けることを含む、段落96に記載の方法。
98.前記パワーアンプの直流等価入力抵抗を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含む、段落96または97に記載の方法。
99.前記電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器と前記電力負荷との有線式通信状態で負荷管理システムを設けることを含む、段落97に記載の方法。
100.前記パワーアンプの直流等価入力抵抗を調整することは、前記負荷管理システムを調整することにより前記整流器の入力インピーダンスを調整することを含む、段落99に記載の方法。
101.前記負荷管理システムの調整は、前記負荷管理システムを自動調整することを含む、段落100に記載の方法。
102.前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含む、段落96に記載の方法。
103.前記電力伝送システムを設ける工程は、前記パワーアンプを制御するために前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラを設けることを含む、段落102に記載の方法。
104.前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴の調整は、前記送信機コントローラにより実行される、段落103に記載の方法。
105.前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴の調整は、前記送信機コントローラにより自動的に実行される、段落104に記載の方法。
106.前記パワーアンプの振動周波数を変更することにより電力伝送の効率を調整する工程をさらに含む、段落96に記載の方法。
107.電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器を制御するために前記整流器と通信状態にある受信機コントローラを設けることを含む、段落96に記載の方法。
108.前記整流器の電流-電圧位相特徴の調整は、前記受信機コントローラにより実行される、段落107に記載の方法。
109.前記整流器の電流-電圧位相特徴の調整は、前記受信機コントローラにより自動的に実行される、段落108に記載の方法。
110.前記電力伝送システムを設ける工程は、前記調整可能な位相無線周波数整流器と直接有線式無線周波数通信状態にあるパワーアンプを設けることを含む、段落96に記載の方法。
111.前記電力伝送システムを設ける工程は、前記調整可能な位相無線周波数整流器とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にあるパワーアンプを設ける工程を含む、段落96に記載の方法。
112.前記電力伝送システムを設ける工程は、前記パワーアンプと有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器、および前記無線周波数整流器と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器を設ける工程を含む、段落96に記載の方法。
113.互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある前記送信機共振器と前記受信機共振器を操作する工程をさらに含む、段落112に記載の方法。
114.前記電力伝送システムを設ける工程は、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器と通信状態にあるパワーアンプを設けることを含む、段落96に記載の方法。
115.前記電力伝送システムを設ける工程は、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス通信状態にあるパワーアンプを設けることを含む、段落96に記載の方法。
116. 前記電源と前記パワーアンプとの間に電気配置される電力調整ユニットを設ける工程と 電力伝送の効率を改善するべく、前記電源からの電流および電圧のうち少なくとも1つを調整するために前記電力調整ユニットを調整する工程とをさらに含む、段落96に記載の方法。
117.1つの現在の好ましい実施形態において、電力を直流電源から電力負荷に供給するための電力伝送システムであって、前記電力伝送システムは、前記電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される、無線周波数パワーアンプと、電力負荷と有線式電気接触状態にあり、かつ、パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器と、パワーアンプから伝送された電力を受信するように構成された整流器と、前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を調整するように構成される、受信機コントローラとを備える、電力伝送システム。
118.前記受信機コントローラは、前記整流器の電流-電圧位相特徴を自動的に調整するように構成される、段落117に記載の電力伝送システム。
119.前記電力負荷と有線式通信状態にある負荷管理システム、および前記電力負荷と前記整流器との間に配置される電力信号をさらに備えており、前記負荷管理システムは、前記整流器の入力インピーダンスを調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される、段落117に記載の電力伝送システム。
120.前記負荷管理システムは前記整流器の入力インピーダンスを自動的に調整するように構成される、段落119に記載の電力伝送システム。
121.前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラを更に備えており、前記送信機コントローラは、前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される、段落117に記載の電力伝送システム。
122.前記送信機コントローラは、電力伝送の効率を増大させるために前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を自動的に調整するように構成される、段落121に記載の電力伝送システム。
123.前記パワーアンプおよび前記送信機コントローラと通信状態にあるオシレータをさらに備えており、前記送信機コントローラは前記オシレータにより前記振動周波数を調整するように構成される、段落117に記載の電力伝送システム。
124.前記パワーアンプは、前記整流器と直接有線式無線周波数通信状態にある、段落117に記載の電力伝送システム。
125.前記パワーアンプは、前記整流器とワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある、段落117に記載の電力伝送システム。
126.前記電力伝送システムは、前記パワーアンプと有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器、および前記整流器と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器を備えている、段落117に記載の電力伝送システム。
127.前記送信機共振器と前記受信機共振器は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある、段落126に記載の電力伝送システム。
128.前記パワーアンプは、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器と通信状態にある、段落117に記載の電力伝送システム。
129.前記パワーアンプは、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にある、段落117に記載の電力伝送システム。
130.前記直流電源は充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えている、段落117に記載の電力伝送システム。
131.前記電力負荷は表示モニターを備えている、段落117に記載の電力伝送システム。
132.前記システムの共振構造は、前記システムの構造要素を抱える少なくとも1つの導電性機械的負荷を備えている、段落117に記載の電力伝送システム。
133.前記電源と前記パワーアンプとの間に電気配置される電力調整ユニットを更に備えており、前記電力調整ユニットは、電力伝送の効率を改善するために前記電源からの電流と電圧のうち少なくとも1つを調整するように構成される、段落117に記載の電力伝送システム。
134.1つの現在の好ましい実施形態において、本発明は電動システムを提供し、前記電動システムは、導電性である第1の部分を持つ機械的負荷支持構造と、電力負荷と、近接場ワイヤレス電力伝送のために構成される少なくとも1つの無線周波数共振器を備える電力伝送システムとを備えており、前記共振器は少なくとも部分的に導電性である第1の部分を備えている、電動システム。
135.前記電動システムはさらに充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えている、段落134に記載の電動システム。
136.前記電動システムは電気自動車であり、前記機械的負荷支持構造は前記電気自動車のシャーシを備えている、段落135に記載の電動システム。
137.前記電動システムは表示モニターであり、前記機械的負荷支持構造は前記表示モニターのフレームおよびベースのうち少なくとも1つである、段落134に記載の電動システム。
138.電源をさらに備えている、段落134に記載の電動システム。
139.前記電力伝送システムは、前記電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される、無線周波数パワーアンプと、電力負荷と有線式電気接触状態にあり、かつ、パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器と、パワーアンプから伝送された電力を受信するように構成された整流器と、前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を調整するように構成される、受信機コントローラとを備える、段落138に記載の電動システム。
140.1つの現在の好ましい実施形態では、本発明は装置を提供し、前記装置は、導電性である第1の部分を持つ機械的負荷支持構造と、電源と、電力負荷と、電力伝送システムとを備えており、該電力伝送システムは、前記電源と有線式電気通信状態にあるとともに、前記電源からの直流電圧を、振動周波数を持つ交流電圧信号に変換するように構成される、無線周波数パワーアンプと、電力負荷と有線式電気接触状態にあり、かつ、パワーアンプと無線周波数通信状態にある調整可能な位相無線周波数整流器と、パワーアンプから伝送された電力を受信するように構成された整流器と、前記整流器と通信状態にある受信機コントローラであって、前記整流器の電流-電圧位相特徴を調整することにより前記パワーアンプから前記整流器への電力伝送の効率を調整するように構成される、受信機コントローラとを備えており、導電性である第1の部分は、前記パワーアンプから、および前記整流器へと少なくとも1つで無線周波数信号を搬送するように配置される、装置。
141.前記電力負荷と有線式通信状態にある負荷管理システム、および前記電力負荷と前記整流器との間に配置される電力信号をさらに備えており、前記負荷管理システムは、前記整流器の入力インピーダンスを調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される、段落140に記載の装置。
142.前記パワーアンプと通信状態にある送信機コントローラをさらに備えており、前記送信機コントローラは、前記パワーアンプの電流-電圧位相特徴を調整することにより電力伝送の効率を増大させるように構成される、段落140に記載の装置。
143.前記パワーアンプおよび前記送信機コントローラと通信状態にあるオシレータをさらに備えており、前記送信機コントローラは前記オシレータにより前記振動周波数を調整するように構成される、段落140に記載の装置。
144.前記パワーアンプは、導電性である第1の部分を介して整流器と直接有線式無線周波数通信状態にある、段落140に記載の装置。
145.前記パワーアンプは、前記整流器とのワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある、段落140に記載の装置。
146.前記電力伝送システムは、前記パワーアンプと有線式無線周波数通信状態にある送信機共振器、および前記整流器と有線式無線周波数通信状態にある受信機共振器を備えており、前記送信機共振器および前記受信機共振器のうち1つは導電性である前記第1の部分を備えている、段落140に記載の装置。
147.前記送信機共振器と前記受信機共振器は、互いにワイヤレス近接場無線周波数通信状態にある、段落146に記載の装置。
148.前記パワーアンプは、容量性近接場ワイヤレス無線周波数通信および誘導性近接場ワイヤレス無線周波数通信のうち少なくとも1つで、前記整流器と通信状態にある、段落140に記載の装置。
149.前記パワーアンプは、前記整流器と二方式近接場ワイヤレス無線周波数通信状態にある、段落140に記載の装置。
150.前記直流電源は充電式バッテリーを備え、前記電力負荷は電気モーターを備えている、段落140に記載の装置。
【0287】
多くの例示的な態様および実施形態が上に記載されてきたが、当業者であれば、その特定の変更、順列、追加、および下位の組み合わせを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲およびこれ以降に紹介する特許請求の範囲は、本明細書全体の最も広い解釈と一致するようなすべての変更、順列、追加、および下位の組み合わせを含むように解釈されることが意図されている。用語の解釈
【0288】
文脈上明らかに他の方法が要求されない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、以下の用語を使用する。
【0289】
「備える、含む(comprise)」、「comprising」などの用語は、排他的または網羅的な意味の反対で、包括的な意味で解釈される。つまり、「限定されないが、~を含む」という意味で解釈される。
【0290】
「つなげられた(coupled)」またはその任意の変形は、2つ以上の要素間の直接または間接のいかなる接続または結合を意味し、要素間の結合または接続は物理的、論理的、またはそれらの組み合わせであってもよく、一体的に形成される要素は、接続または結合されているものとみなされることがある。
【0291】
「有線」、「有線接続を介して」、またはそれらの変形は、システムのコンポーネント間で、コンポーネントを介して、またはコンポーネントにわたって電流を流すことを可能にする導電性媒体、中間回路、またはその他の手段を介した任意の物理的接続を意味する。
【0292】
「電気通信(electric communication)」、「電気通信(electrical communication)」、またはその変形は、システムのコンポーネント間またはコンポーネントにわたる、電気信号の伝送に適した、配線接続された(hardwired)、ワイヤレス、またはその組み合わせによる、任意の通信、結合、インターフェース、またはその他の手段を意味する。
【0293】
「本明細書」、「以上」、「以下」、および同様の意味を持つ言葉は、本明細書を説明するために使用される場合、本明細書の特定の部分ではなく、本明細書を全体として指すものとする。
【0294】
「または」は、2つ以上の項目のリストに言及する場合、その単語の以下の解釈:リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、リスト内の項目の任意の組み合わせのすべてを包含する。
【0295】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、任意の適切な複数形の意味も含む。
【0296】
「垂直」、「側方」、「水平」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「内向き」、「外向き」、「垂直」、「側方」、「左」、「右」、「前」、「後ろ」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」などの方向を示す言葉は、本明細書および任意の添付の請求項(存在する場合)で使用されるとき、記載されて図示された装置の特定の向きに依存する。本明細書に記載される主題は、様々な代替的な方向性を想定することができる。したがって、これらの方向の用語は厳密に定義されておらず、狭義に解釈されてはならない。
【0297】
本発明の実施形態は、本明細書に記載されている様々な動作を含む。これらの動作は、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実行されてもよい。
【0298】
特定の実施形態は、機械可読媒体に格納された命令を含み得るコンピュータプログラム製品として実装されてもよい。これらの命令は、説明された動作を実行するように汎用プロセッサまたは専用プロセッサをプログラムするために使用されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェアまたは処理アプリケーション)で情報を格納するための任意のメカニズムを含む。機械可読媒体は、限定されないが、磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスク);光記憶媒体(例えば、CD-ROM);光磁気記憶媒体;リードオンリーメモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);消去可能なプログラム可能なメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM);フラッシュメモリ;または、電子命令を格納するのに適した他のタイプの媒体を含む。
【0299】
加えて、いくつかの実施形態は、機械可読媒体が1つを超えるコンピュータシステムに格納され、かつ/または1つを超えるコンピュータシステムによって実行される、分散コンピューティング環境で実施されてもよい。加えて、コンピュータシステム間で伝送される情報は、コンピュータシステムを接続する通信媒体を介して出し入れされてもよい。
【0300】
本発明の様々な実施形態の実装に使用されるコンピュータ処理コンポーネントは、マイクロプロセッサまたは中央処理装置、コントローラ、グラフィックス処理ユニット(Graphical Processing Unit(GPU))、セルコンピュータなどの1つ以上の汎用処理装置を含む。代替的に、そのようなデジタル処理コンポーネントは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上の特殊用途向け処理デバイスを含んでもよい。特定の実施形態では、例えば、デジタル処理装置は、コアユニットおよび複数のマイクロエンジンを含む複数のプロセッサを有するネットワークプロセッサであってもよい。さらに、デジタル処理装置は、汎用処理装置と専用処理装置の任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0301】
本明細書の方法の操作は特定の順序で示され、説明されているが、各方法の操作の順序は、特定の操作が逆の順序で実行されるように、または特定の操作が少なくとも部分的に他の操作と同時に実行されるように、変更されてもよい。別の実施形態では、異なる操作の指示またはサブ操作は、断続的および/または交互に行われてもよい。
【0302】
コンポーネント(例えば、ソフトウェアモジュール、プロセッサ、アセンブリ、デバイス、回路など)が上記で言及される場合、特に示されない限り、そのコンポーネントへの言及(「手段」への言及を含む)は、本発明の図示された例示的な実施形態において機能を実行する開示された構造と構造的に等価ではないコンポーネントを含む、記載されたコンポーネントの機能を実行する(すなわち、機能的に等価である)任意のコンポーネントをそのコンポーネントの等価物として含むものと解釈されなければならない。
【0303】
説明のために、システム、方法、および装置の具体的な例が本明細書に記載されてきた。これらはあくまでも例示に過ぎない。本明細書で提供される技術は、上記の例示システム以外のシステムにも適用可能である。本発明の実施の範囲内で、多くの変更、修正、追加、省略、および並べ替えが可能である。本発明は、特徴、要素、および/または行為を同等の特徴、要素、および/または行為で置き換えること、異なる実施形態からの特徴、要素、および/または行為を混合して合わせること、本明細書に記載された実施形態からの特徴、要素、および/または行為を他の技術の特徴、要素、および/または行為と組み合わせること、ならびに/あるいは、記載された実施形態から組みの特徴、要素、および/または行為の組み合わせを省略することによって得られるバリエーションを含む、当業者にとって明らかになる記載された実施形態のバリエーションを含んでいる。

図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図28A
図28B
図29
図30