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  • 特開-車載用冷却装置 図1
  • 特開-車載用冷却装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042072
(43)【公開日】2025-03-27
(54)【発明の名称】車載用冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F01P 5/10 20060101AFI20250319BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
F01P5/10 A
B60K11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023148886
(22)【出願日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島村 悟
(72)【発明者】
【氏名】小林 翼
(72)【発明者】
【氏名】奥野 博之
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AA02
3D038AC15
3D038AC22
(57)【要約】
【課題】冷却水ポンプの振動を抑制する。
【解決手段】冷媒冷却回路と、バッテリ冷却回路と、冷却水ポンプ22、32と、ファンシュラウド45と、を備える車載用冷却装置100であって、冷却水ポンプ22、32は、回転軸22a、32aが同一直線上で、回転方向が互いに逆方向となるようにファンシュラウド45に取付けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水が循環する複数の冷却回路と、
各前記冷却回路に冷却水を循環させる複数の冷却水ポンプと、
前記複数の冷却水ポンプが取付けられるベースと、を備える車載用冷却装置であって、
各前記冷却水ポンプは、隣接する冷却水ポンプの回転軸が同一直線上で、回転方向が互いに逆方向となるように前記ベースに取付けられていること、
を特徴とする車載用冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の冷却水ポンプを備える車載用冷却装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却水ポンプで冷却水を循環させて内燃機関や空調装置の冷媒を冷却する冷却装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-241990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、モータで走行する電気自動車が多く用いられている。電気自動車には、モータやPCU、空調装置の冷媒等を冷却する複数の冷却回路が設けられている。複数の冷却回路には、それぞれ冷却水を循環させる冷却水ポンプが設けられている。この場合、冷却水ポンプの回転時に冷却水ポンプの振動がボデーに伝わり車内の騒音レベルが高くなる場合があった。
【0005】
そこで、本開示は、冷却水ポンプの振動を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載用冷却装置は、冷却水が循環する複数の冷却回路と、各前記冷却回路に冷却水を循環させる複数の冷却水ポンプと、前記複数の冷却水ポンプが取付けられるベースと、を備える車載用冷却装置であって、各前記冷却水ポンプは、隣接する冷却水ポンプの回転軸が同一直線上で、回転方向が互いに逆方向となるように前記ベースに取付けられていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、複数の冷却水ポンプが回転する際に回転による慣性力を互いに打消し合うので、冷却水ポンプの振動を抑制し、車室内の騒音レベルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の車載用冷却装置の構成を示す系統図である。
図2】冷却水ポンプが取りつけられたファンシュラウドの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態の車載用冷却装置100について説明する。図1に示すように、車載用冷却装置100は、空調用の冷凍回路10を循環する冷媒を冷却する冷媒冷却回路20と、バッテリ31を冷却するバッテリ冷却回路30の2つの冷却回路を備えている。
【0010】
空調用の冷凍回路10は、圧縮機11で圧縮した冷媒を、コンデンサ12の冷媒流路12aと、減圧弁13、15と、エバポレータ14の冷媒流路14aと、チラー16の冷媒流路16aとに循環させる。また、冷媒冷却回路20は、冷却水ポンプ22で冷却水をコンデンサ12の冷却水流路12bと、ラジェータ21の冷却水流路21aに循環させる。バッテリ冷却回路30は、冷却水ポンプ32で冷却水をバッテリ31の冷却水流路31aと、ラジェータ33の冷却水流路33aと、チラー16の冷却水流路16bに循環させてバッテリ31を冷却する。また、バッテリ冷却回路30はラジェータ33に冷却水を通流させないように流路を切り換える切り換え弁34を備えている。
【0011】
コンデンサ12は、圧縮機11で圧縮された高温、高圧の冷媒と冷却水との熱交換器であり、高温、高圧の冷媒を冷却して液体の冷媒とする。また、コンデンサ12の冷却水流路12bに流入した冷却水は、冷媒との熱交換により温度が上昇する。冷却水はラジェータ21で外気と熱交換して冷却されて冷却水ポンプ22に還流する。コンデンサ12で液体になった冷媒は、減圧弁13で減圧されて低温となり、エバポレータ14の冷媒流路14aに流入する。低温の冷媒は、エバポレータ14で車室内の空気と熱交換して空気を冷却して圧縮機11に還流する。また、コンデンサ12で液体となった冷媒の一部は減圧弁15で減圧されてチラー16の冷媒流路16aを通流して圧縮機11に還流する。冷媒は、チラー16でバッテリ冷却回路30を循環する冷却水を冷却する。
【0012】
冷媒冷却回路20のラジェータ21と、バッテリ冷却回路30のラジェータ33は、車両の前方に設けられたラジェータサポート40に取付けられている。ラジェータ21、33の後方には、ファンシュラウド45が取付けられている。ファンシュラウド45の中央には、ラジェータファン42が取付けられている。
【0013】
図2に示すように、ファンシュラウド45は、ラジェータファン42のインペラと略同一径の円形開口が設けられた金属製の板状部材である。ファンシュラウド45には、2つの冷却水ポンプ22、32が取付けられている。従って、ファンシュラウド45は冷却水ポンプ22、32が取付けられるベースである。
【0014】
図2に示すように、2つの冷却水ポンプ22、32は、冷却水ポンプ22、32の回転軸22a、32aが同一の直線50の上になるようにファンシュラウド45に隣接して取付けられている。また、図2中の矢印91、92に示すように、2つの冷却水ポンプ22、32の回転方向は互いに逆方向となっている。つまり、冷却水ポンプ22、32は、回転軸22a,32aが同一直線上で、回転方向が互いに逆方向となるようにファンシュラウド45に取付けられている。この際、冷却水ポンプ22、32は、互いに背中合わせとなるように取付けてもよい。
【0015】
これにより、2つの冷却水ポンプ22、32が回転した際に、回転による慣性力を互いに打消し合うので、冷却水ポンプ22、32の振動を抑制し、車室内の騒音レベルを低減することができる。
【0016】
以上の説明では、車載用冷却装置100は、冷媒冷却回路20と、バッテリ冷却回路30の2つの冷却回路と2つの冷却水ポンプ22、32を備えることとして説明したがこれに限らない。複数の冷却回路と複数の冷却水ポンプを備えていれば、例えば、3つの冷却回路と3つの冷却水ポンプを備え、3つの冷却水ポンプがファンシュラウド45に取付けられるように構成してもよい。この場合、3つの冷却水ポンプは、隣接する冷却水ポンプの回転軸が同一直線上で、回転方向が互いに逆方向となるようにファンシュラウド45に取付けられる。
【0017】
また、複数のポンプは、隣接する冷却水ポンプの回転軸が同一直線上で、回転方向が互いに逆方向となるように取付けられていれば、ファンシュラウド45以外の部材に取付けられてもよい。
【符号の説明】
【0018】
10 冷凍回路、11 圧縮機、12 コンデンサ、12a、14a、16a 冷媒流路、12b、16b、21a、31a、33a 冷却水流路、13、15 減圧弁、14 エバポレータ、16 チラー、20 冷媒冷却回路、21、33 ラジェータ、22、32 冷却水ポンプ、22a、32a 回転軸、30 バッテリ冷却回路、31 バッテリ、34 切り換え弁、40 ラジェータサポート、42 ラジェータファン、45 ファンシュラウド、100 車載用冷却装置。
図1
図2