(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042203
(43)【公開日】2025-03-27
(54)【発明の名称】保守装置、ネットワーク装置、情報可視化システム、情報生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 43/045 20220101AFI20250319BHJP
G06F 11/30 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
H04L43/045
G06F11/30 140A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149067
(22)【出願日】2023-09-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】阿部 仁紀
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GA12
5B042GA39
5B042JJ15
5B042MC22
5B042MC23
(57)【要約】
【課題】トラフィック情報に関連するイベントが発生する前であっても、可視化装置がトラフィック情報を可視化することを可能にする。
【解決手段】情報可視化システムは、信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、トラフィック情報を情報収集装置から取得し、取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、生成した監視画面を表示する可視化装置と、監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定のファイル形式で記述された可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、該抽出した可視化対象項目をネットワーク装置に通知する保守装置とを含む。ネットワーク装置は、保守装置から通知された可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するトラフィック情報生成部と、
前記トラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得する可視化項目取得部と、
前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化する初期化部とを備えるネットワーク装置。
【請求項2】
前記初期化部は、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報生成部で生成されるトラフィック情報の項目に含まれる項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記初期化部は、前記可視化対象項目に、前記トラフィック情報生成部で生成されるトラフィック情報の項目に含まれない項目が含まれる場合、エラーを出力する、請求項2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記可視化項目取得部は、前記ネットワーク装置の起動時に、前記可視化対象項目を取得する、請求項1又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出する可視化項目抽出部と、
前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知し、前記ネットワーク装置において、前記可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化させる可視化項目出力部とを備える保守装置。
【請求項6】
前記可視化項目抽出部は、前記ネットワーク装置の起動時に、前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する、請求項5に記載の保守装置。
【請求項7】
信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、
前記ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、
前記トラフィック情報を前記情報収集装置から取得し、該取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、該生成した監視画面を表示する可視化装置と、
前記監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定のファイル形式で記述された可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、該抽出した可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する保守装置とを備え、
前記ネットワーク装置は、前記保守装置から通知された可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、情報可視化システム。
【請求項8】
前記ネットワーク装置は、前記可視化対象項目のうち、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれる項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、請求項7に記載の情報可視化システム。
【請求項9】
前記ネットワーク装置は、前記可視化対象項目に、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれない項目が含まれる場合、エラーを出力する、請求項8に記載の情報可視化システム。
【請求項10】
前記保守装置は、前記ネットワーク装置の起動時に、前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する、請求項7又は8に記載の情報可視化システム。
【請求項11】
信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得し、
前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化し、
ネットワーク装置において送受信される信号に基づいて前記トラフィック情報を生成することを有する情報生成方法。
【請求項12】
信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得し、
前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化し、
ネットワーク装置において送受信される信号に基づいて前記トラフィック情報を生成することを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出する可視化項目抽出部と、
前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求するトラフィック情報要求部と、
前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得する結果取得部と、
前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させる結果送信部とを備える保守装置。
【請求項14】
前記可視化項目抽出部は、前記可視化項目ファイルに記述されるトラフィック情報の項目のうち、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれる項目を、前記可視化対象項目として抽出する、請求項13に記載の保守装置。
【請求項15】
前記可視化項目抽出部は、前記可視化対象項目に、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれない項目が含まれる場合、エラーを出力する、請求項14に記載の保守装置。
【請求項16】
前記結果送信部は、更に、前記ネットワーク装置において送受信される信号を監視し、前記トラフィック情報結果に前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記ネットワーク装置が、前記トラフィック情報結果に含まれていない前記可視化対象項目のトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信していたか否かを判断し、前記ネットワーク装置が、前記トラフィック情報結果に含まれていない前記可視化対象項目のトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信していないと判断した場合、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加する、請求項13又は14に記載の保守装置。
【請求項17】
前記結果送信部は、前記ネットワーク装置が、前記トラフィック情報結果に含まれていない前記可視化対象項目のトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信していたと判断した場合、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加しない、請求項16に記載の保守装置。
【請求項18】
信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、
前記ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、
前記トラフィック情報を前記情報収集装置から取得し、該取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、該生成した監視画面を表示する可視化装置と、
請求項13又は14に記載の保守装置とを備える情報可視化システム。
【請求項19】
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、
前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求し、
前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得し、
前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、
前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させることを有する情報生成方法。
【請求項20】
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、
前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求し、
前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得し、
前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、
前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させることを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は保守装置、ネットワーク装置、情報可視化システム及び方法、情報生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、特許文献1は、監視システムを開示する。特許文献1に記載の監視システムにおいて、監視部は、サーバ、ネットワークスイッチ、OS、ハイパーバイザ、ミドルウェア、及びソフトウェアなどの監視対象物の状態を監視する。監視部には、例えば、Prometheusと称されるOSS(Open Source Software)の監視ツールが用いられる。監視システムは、監視部から出力されるメッセージに基づいてイベントデータを生成し、生成したイベントデータをイベント記憶部に記憶する。監視システムは、イベント記憶部からイベントデータを読み出し、読み出したイベントデータに応じた情報を所定の出力部に出力することで、ユーザに情報を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、監視対象物が信号の送受信などのイベントが発生した場合に監視部に情報を出力する場合、監視部は、監視対象においてイベントが発生する前は、監視対象から情報を取得することができない。仮に、監視部が取得した情報を、Grafanaなどの可視化装置を用いて可視化しようとすると、可視化装置は、存在しない情報を表示できず、エラーが出力される。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑み、トラフィック情報に関連するイベントが発生する前であっても、可視化装置がトラフィック情報を可視化することを可能にする保守装置、ネットワーク装置、情報可視化システム、情報生成方法、及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、第1の態様として、信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するトラフィック情報生成部と、前記トラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得する可視化項目取得部と、前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化する初期化部とを含むネットワーク装置を提供する。
【0007】
本開示は、第2の態様として、ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出する可視化項目抽出部と、前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知し、前記ネットワーク装置において、前記可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化させる可視化項目出力部とを含む保守装置を提供する。
【0008】
本開示は、第3の態様として、信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、前記ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、前記トラフィック情報を前記情報収集装置から取得し、該取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、該生成した監視画面を表示する可視化装置と、前記監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定のファイル形式で記述された可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、該抽出した可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する保守装置とを含み、前記ネットワーク装置は、前記保守装置から通知された可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、情報可視化システムを提供する。
【0009】
本開示は、第4の態様として、信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得し、前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化し、ネットワーク装置において送受信される信号に基づいて前記トラフィック情報を生成することを含む情報生成方法を提供する。
【0010】
本開示は、第5の態様として、信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得し、前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化し、ネットワーク装置において送受信される信号に基づいて前記トラフィック情報を生成することを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0011】
本開示は、第6の態様として、ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出する可視化項目抽出部と、前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求するトラフィック情報要求部と、前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得する結果取得部と、前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させる結果送信部とを含む保守装置を提供する。
【0012】
本開示は、第7の態様として、信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、前記ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、前記トラフィック情報を前記情報収集装置から取得し、該取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、該生成した監視画面を表示する可視化装置と、上記本開示に係る保守装置とを含む情報可視化システムを提供する。
【0013】
本開示は、第8の態様として、ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求し、前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得し、前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させることを含む情報生成方法を提供する。
【0014】
本開示は、第9の態様として、ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求し、前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得し、前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させることを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る保守装置、ネットワーク装置、情報可視化システム、情報生成方法、及びプログラムは、トラフィック情報に関連するイベントが発生する前であっても、可視化装置がトラフィック情報を可視化することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示に係る第1の情報可視化システムを示すブロック図。
【
図2】第1の情報可視化システムにおける保守装置の構成例を示すブロック図。
【
図3】第1の情報可視化システムにおけるネットワーク装置の構成例を示すブロック図。
【
図4】情報可視化システムにおける動作手順を示すフローチャート。
【
図5】本開示に係る第2の情報可視化システムを示すブロック図。
【
図6】第2の情報可視化システムにおける保守装置の構成例を示すブロック図。
【
図7】情報可視化システムにおける動作手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素及び同様な要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0018】
図1は、本開示に係る第1の情報可視化システムを示す。
図1に示される情報可視化システムを用いて、第1実施形態を説明する。情報可視化システム100は、ネットワーク装置110、情報収集装置120、可視化装置130、及び保守装置140を有する。ネットワーク装置110は、信号の送信及び受信に応じて、トラフィック情報を生成する。ネットワーク装置110は、例えば5GC(5th Generation Core network)のNF(Network Function)である。
【0019】
情報収集装置120は、ネットワーク装置110からトラフィック情報を収集する。情報収集装置120の機能は、例えばOSSであるPrometheusなどの監視ツールがコンピュータ装置上で実行されることで実現され得る。情報収集装置120は、定期的に、例えば1分などの所定時間周期で、ネットワーク装置110からトラフィック情報を収集する。情報収集装置120は、収集したトラフィック情報を図示されない記憶装置に格納する。
【0020】
可視化装置130は、情報収集装置120からトラフィック情報を取得し、取得したトラフィック情報を可視化する。例えば、ユーザは、ネットワーク装置110が生成するトラフィック情報の項目の一覧の中から、監視画面において可視化するトラフィック情報の項目を選択する。ユーザは、選択したトラフィック情報の項目を、可視化対象のトラフィック情報の項目として可視化装置130に設定する。
【0021】
可視化装置130は、情報収集装置120に可視化対象のトラフィック情報を問い合わせる。可視化装置130は、例えば可視化対象のトラフィック情報を、定期的に、例えば3分などの所定時間周期で情報収集装置120に問い合わせる。情報収集装置120は、問い合わせされたトラフィック情報を保持している場合、トラフィック情報を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。情報収集装置120は、問い合わせされたトラフィック情報を保持していない場合、情報なしを、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。
【0022】
可視化装置130は、例えば、取得したトラフィック情報に応じたグラフ、文字、及び図形などを表示装置の画面上表示することで、トラフィック情報を可視化する。可視化装置130の機能は、例えば、OSSであるGrafanaなどの可視化ツールがコンピュータ装置上で実行されることで実現され得る。
【0023】
保守装置140は、ネットワーク装置110の保守及び管理に用いられる装置である。本実施形態において、保守装置140は、可視化装置130において可視化されるトラフィック情報の項目をネットワーク装置110に出力する。ネットワーク装置110は、保守装置140から入力されるトラフィック情報の項目を、初期値0で初期化する。ネットワーク装置110は、例えば起動時に初期化を実行する。初期化後、ネットワーク装置110は、信号の送信及び受信に応じて、トラフィック情報を生成する。
【0024】
図2は、保守装置140の構成例を示す。保守装置140は、可視化項目抽出部141、及び可視化項目出力部142を有する。保守装置140には、例えばNE-OPS(Network Element Operation System)装置が用いられ得る。保守装置140は、物理的には、例えば1以上のプロセッサと1以上のメモリとを含む装置として構成され得る。保守装置140内の各部の機能は、1以上のプロセッサが、1以上のメモリから読み出された命令に従って動作することで実現され得る。
【0025】
可視化項目抽出部141は、可視化項目ファイル150を取得する。可視化項目ファイル150は、可視化装置130において可視化されるトラフィック情報の項目が記述されたファイルである。可視化項目ファイル150は、例えば、Grafanaのダッシュボード、すなわちトラフィック情報を可視化する画面をエクスポートすることで生成される。可視化装置130は、例えば、ユーザ操作に応じて、可視化されるトラフィック情報の項目がJSON(JavaScript Object Notation)の記述形式で記述されたファイルを、可視化項目ファイル150として出力する。
【0026】
可視化項目抽出部141は、取得した可視化項目ファイルを解析し、可視化装置130が可視化するトラフィック情報の項目を抽出する。例えば、可視化項目ファイル150が「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を含んでいるとする。その場合、可視化項目抽出部141は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を抽出する。可視化項目出力部142は、可視化項目抽出部141で抽出されたトラフィック情報の項目を、ネットワーク装置110に出力する。
【0027】
図3は、ネットワーク装置110の構成例を示す。可視化項目取得部111、初期化部112、及びトラフィック情報生成部113を有する。ネットワーク装置110は、物理的には、例えば1以上のプロセッサと1以上のメモリとを含む装置として構成され得る。ネットワーク装置110内の各部の機能は、1以上のプロセッサが、1以上のメモリから読み出された命令に従って動作することで実現され得る。
【0028】
可視化項目取得部111は、保守装置140から出力される可視化対象のトラフィック情報の項目を取得する。可視化項目取得部111は、例えばネットワーク装置110の起動時に、可視化対象のトラフィック情報の項目を保守装置140に問い合わせる。保守装置140の可視化項目出力部142(
図2を参照)は、問い合わせに対する応答として、可視化項目抽出部141で抽出されたトラフィック情報の項目を、ネットワーク装置110に出力する。
【0029】
初期化部112は、可視化項目取得部111で取得されたトラフィック情報の項目を初期値0で初期化する。この初期化は、例えばネットワーク装置110の起動時に、1度だけ実施される。ネットワーク装置110は、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報の項目の一覧を保持していいてもよい。その場合、初期化部112は、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報のうち、可視化項目取得部111で取得されたトラフィック情報の項目を初期値0で初期化してもよい。
【0030】
初期化部112は、可視化項目取得部111で取得されたトラフィック情報の項目が、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報の項目の一覧に含まれていない場合、そのトラフィック情報の項目は初期値0で初期化しない。その場合、初期化部112は、保守装置140にエラーを出力する。ネットワーク装置110は、例えば、オープンソースソフトウェアのアラート管理システムであるAlertmanagerを経由して、保守装置140にエラーを通知する。保守装置140は、表示画面上にエラーを表示し、ネットワーク管理者などのユーザにエラーを通知する。この場合、ユーザは、設定ミスなどに起因して、可視化装置130において、ネットワーク装置110で生成されないトラフィック情報の項目が可視化対象のトラフィック情報の項目として設定されていることを知ることができる。
【0031】
トラフィック情報生成部113は、ネットワーク装置110が送信した信号、及びネットワーク装置110が受信した信号に関連するイベントが発生した場合、トラフィック情報を生成する。例えば、ネットワーク装置110が5GCにおけるSMF(Session Management Function)であり、SMFがAMF(Access and Mobility Management Function: subscriber)からNsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestを受信した場合を考える。その場合、トラフィック情報生成部113は、信号タイプ、それに付随するパラメータなどのラベル、引数、及びドメイン名などを含むトラフィック情報を生成する。トラフィック情報生成部113は、生成するトラフィック情報の項目が初期値0で初期化されていた場合は、初期値0を生成したトラフィック情報で上書きする。
【0032】
本実施形態において、情報収集装置120(
図1を参照)は、イベントが発生していないトラフィック情報の項目については、ネットワーク装置110から初期値0を収集する。ネットワーク装置110においてイベントが発生し、従ってトラフィック情報生成部113がトラフィック情報を生成した場合、情報収集装置120は、トラフィック情報生成部113で生成されたトラフィック情報を収集する。仮に、ネットワーク装置110において何らかの問題が発生し、トラフィック情報の初期化が実施されなかった場合で、かつトラフィック情報の生成も実施されなかった場合、情報収集装置120は、そのトラフィック情報を収集できない。
【0033】
続いて、動作手順を説明する。
図4は、情報可視化システム100における動作手順を示す。情報可視化システム100における動作手順は、情報生成方法を含む。ユーザは、可視化装置130に対して、監視画面において可視化するトラフィック情報、すなわち監視対象のトラフィック情報の項目名を入力とした計算式を、可視化装置130に与え、可視化画面であるダッシュボードを作成する。ユーザは、可視化装置130を操作し、ダッシュボードのメニューから、監視画面において可視化するトラフィック情報を、可視化項目ファイル150にエクスポートする。
【0034】
保守装置140の可視化項目抽出部141は、可視化項目ファイル150を取得する(ステップA1)。可視化項目抽出部141は、取得した可視化項目ファイル150から、可視化対象のトラフィック情報の項目を抽出する(ステップA2)。可視化項目抽出部141は、例えば可視化項目ファイル150が「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を含む場合、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を可視化対象のトラフィック情報の項目として抽出する。
【0035】
ネットワーク装置110の可視化項目取得部111(
図3を参照)は、起動時に、保守装置140に可視化対象のトラフィック情報の項目を要求する。可視化項目取得部111は、保守装置140の可視化項目出力部142から可視化対象のトラフィック情報の項目を取得する(ステップA3)。初期化部112は、ステップA3で取得されたトラフィック情報の項目を、初期値0で初期化する(ステップA4)。初期化部112は、ステップA4では、例えば、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を初期値0で初期化する。初期化部112は、ステップA4では、ネットワーク装置110が生成する可能性がトラフィック情報の項目のうち、可視化対象のトラフィック情報の項目を、初期値0で初期化してもよい。初期化後、トラフィック情報生成部113は、イベント発生に応じて、トラフィック情報を生成する。
【0036】
情報収集装置120は、トラフィック情報をネットワーク装置110から周期的に収集する(ステップA5)。情報収集装置120は、ステップA5では、ネットワーク装置110において発生したイベントに関連するトラフィック情報を取得する。情報収集装置120が取得するトラフィック情報は、可視化装置130で可視化されないトラフィック情報を含み得る。情報収集装置120は、ステップA5では、可視化対象のトラフィック情報のうち、イベント未発生のトラフィック情報については、初期値0を取得する。
【0037】
可視化装置130は、周期的に、可視化するトラフィック情報のデータを情報収集装置120に問い合わせる(ステップA6)。情報収集装置120は、問合せを受けたトラフィック情報を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。可視化装置130は、ダッシュボードにおいて、情報収集装置120から受信したトラフィック情報を可視化する(ステップA7)。
【0038】
可視化装置130がイベント発生済みのトラフィック情報を問い合わせた場合、情報収集装置120は、ステップA6において、発生したイベントに関連するトラフィック情報を可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、ステップA7において、発生したイベントに関連するトラフィック情報をダッシュボードに表示する。可視化装置130がイベント未発生のトラフィック情報を問い合わせた場合、情報収集装置120は、ステップA6において、初期値0を可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、ステップA7において、ダッシュボードに初期値0を表示する。
【0039】
可視化装置130が、初期化されておらず、かつネットワーク装置110において生成されていないトラフィック情報を問い合わせた場合、情報収集装置120は、ステップA6において、データなし、又は値なしを可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、ステップA7において、ダッシュボードにトラフィック情報を表示しない。可視化装置130は、トラフィック情報が表示されない場合、エラーを出力してもよい。
【0040】
以下、具体例を用いて説明する。まず、ケース1-1を説明する。ケース1-1は、可視化対象のトラフィック情報の項目について、ネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されていないケースである。ケース1-1において、可視化項目ファイル150は「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を含む。保守装置140は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を可視化対象項目として抽出し、ネットワーク装置110に可視化対象項目を通知する。
【0041】
ネットワーク装置110は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」に初期値0を設定し、その項目の情報を初期値0で初期化する。情報収集装置120は、ネットワーク装置110からトラフィック情報を収集し、収集したトラフィック情報を保持する。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」については、初期値0を取得する。
【0042】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について保持している値0を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。可視化装置130は、procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_totalの情報を表示する監視画面において、値0を表示する。
【0043】
次いで、ケース1-2を説明する。ケース1-2は、可視化対象のトラフィック情報の項目について、ネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されているケースである。ネットワーク装置110において、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」が初期値0に設定される点は、上記ケース1-1と同様であるとする。
【0044】
ネットワーク装置110は、信号送受信のイベント発生後、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を、例えば値5で上書きする。上書きされる値は、送受信された信号に応じて変化し得る。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について、ネットワーク装置110から値5を取得し、取得した値5を保持する。
【0045】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について保持している値5を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。可視化装置130は、procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_totalの情報を表示する監視画面において、値5を表示する。
【0046】
続いて、ケース1-3を説明する。ケース1-3は、設定ミスで可視化装置130にトラフィック情報の項目名に誤りがあるケースである。可視化項目ファイル150は「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count)」を含む。保守装置140は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」を可視化対象項目として抽出し、ネットワーク装置110に可視化対象項目を通知する。
【0047】
ネットワーク装置110は、可視化対象項目が、生成する可能性があるトラフィック情報の項目の一覧に含まれるか否かを判断する。ここでは、ネットワーク装置110が生成する可能性があるトラフィック情報の一覧に「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」が含まれていないとする。その場合、ネットワーク装置110は、その項目に初期値0を設定しない。また、ネットワーク装置110は、エラーを出力し、生成しないトラフィック情報の項目「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」が可視化項目ファイル150に含まれていることをネットワーク管理者などに通知してよい。
【0048】
情報収集装置120は、ネットワーク装置110からトラフィック情報を収集し、収集したトラフィック情報を保持する。情報収集装置120が収集するトラフィック情報には、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」の情報は含まれていない。可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、問い合わされた項目のトラフィック情報を保持していない。このため、情報収集装置120は、データなしを、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、監視画面において、表示エラーを表示する。
【0049】
続いて、ケース1-4を説明する。ケース1-4は、ネットワーク装置110において何らかの問題が発生し、可視化対象項目の初期化が実施されないケースである。ケース1-4において、可視化項目ファイル150は「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を含む。保守装置140は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を可視化対象項目として抽出し、ネットワーク装置110に可視化対象項目を通知する。
【0050】
ネットワーク装置110は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」に初期値0を設定しようとする。しかしながら、ネットワーク装置110において何らかの問題が発生し、この初期化は実施されなかったとする。また、ネットワーク装置110は、イベント発生後、すなわち信号の送受信後に、何らかの問題に起因して、トラフィック情報を生成しなかったとする。その場合、情報収集装置120が収集するトラフィック情報に、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報は含まれない。
【0051】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、問い合わされた項目のトラフィック情報を保持していないため、データなしを、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、監視画面において、表示エラーを表示する。
【0052】
本実施形態では、保守装置140は、可視化項目ファイル150から、可視化装置130の監視画面の生成に使用される可視化対象のトラフィック情報の項目を抽出する。保守装置140は、抽出した可視化対象のトラフィック情報の項目、すなわち可視化対象項目をネットワーク装置110に通知する。ネットワーク装置110は、保守装置140から可視化対象項目を取得し、可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する。
【0053】
本実施形態では、ネットワーク装置110は、生成する全てのトラフィック情報ではなく、保守装置140から通知された可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する。このようにすることで、ネットワーク装置110においてイベントが発生せず、ネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されていない場合でも、情報収集装置120は、初期値0を収集することができる。可視化装置130は、イベント未発生の場合は、初期値0のトラフィック情報を取得する。このため、イベント未発生であっても、可視化装置130はトラフィック情報を可視化することができる。
【0054】
一般に、Prometheusなどの情報収集装置120は、測定対象を区別するために、メトリクス名と、ラベルとを使用する。ラベルは、ラベル名とラベル値とのペアを持つ。例えば、5GC NFの1つのであるSMFのメトリクスは、S-NSSAI(Sub Network Slice Selection Assist Information)、DNN((Data Network Name)、及びresponse Codeなどのラベルを持つ。このようなメトリクスを用いることで、Prometheusは、ラベルをフィルタリングし、例えば「sst=1,sd=000001のスライスに対してresponse Code=201を持つ信号の送信トラフィック数」といった測定対象を区別することができる。ラベルは、受信したメッセージや設定に応じて生成されるため、非常の多くの組み合わせを有する。仮に、ネットワーク装置110において、全ての組み合わせのラベルを網羅した全てのトラフィック情報を0で初期化したとすると、データ量の観点から負荷が大きい。本実施形態において、初期化されるトラフィック情報は、可視化装置130において可視化されるトラフィック情報に限られる。従って、本実施形態は、負荷の増大を抑制しつつ、イベント未発生のトラフィック情報の可視化を可能とする。
【0055】
また、情報収集装置120又は可視化装置130が存在しない情報を値0として扱った場合、可視化装置130は、イベント未発生であっても、値0で情報を表示することはできる。しかしながら、その場合、ユーザは、設定ミスで可視化装置130が存在しない情報を参照しようとしているのか、それともネットワーク装置110において信号の送受信がないのかを判別することができない。
【0056】
本実施形態において、ネットワーク装置110は、可視化項目ファイル150から抽出された可視化対象項目のうち、ネットワーク装置110が生成する可能性があるトラフィック情報の項目の一覧に含まれるトラフィック情報の項目を初期値0で初期化できる。その場合、ネットワーク装置110において生成されない項目名が可視化装置130から指定された場合、その項目名のトラフィック情報はネットワーク装置110において初期値0で初期化されない。別の言い方をすると、設定ミスで可視化装置130が存在しない情報を参照しようとしている場合、その情報は、ネットワーク装置110において初期化されない。そのような場合、可視化装置130は情報収集装置120から情報なしを取得する。このため、本実施形態では、ユーザは、設定ミスで可視化装置130が存在しない情報を参照しようとしているのか、それともネットワーク装置110において信号の送受信がないのかを判別することができる。ネットワーク装置110において、何らかの問題で初期化が実施されない場合も、同様に、可視化装置130は情報収集装置120から情報なしを取得する。このため、ユーザは、ネットワーク装置110における問題発生を検知できる。
【0057】
図5は、本開示に係る第2の情報可視化システムを示す。
図5を用いて第2実施形態を説明する。
図5に示される情報可視化システム100aは、情報収集装置120が保守装置140aを介してネットワーク装置110からトラフィック情報を取得する点において、
図1に示される情報可視化システム100と相違する。本実施形態におけるネットワーク装置110の構成は、
図3に示されるネットワーク装置110の構成から、初期化部112が省略された構成と同様な構成でよい。
【0058】
図6は、保守装置140aの構成例を示す。保守装置140aは、可視化項目抽出部141、トラフィック情報要求部144、結果取得部145、及び結果送信部146を有する。可視化項目抽出部141の動作及び機能は、第1実施形態において説明した可視化項目抽出部141の機能と同様でよい。
【0059】
本実施形態において、情報収集装置120は、ネットワーク装置110のトラフィック情報を要求するトラフィック情報の取得要求を、保守装置140に送信する。トラフィック情報要求部144は、情報収集装置120から受信したトラフィック情報の取得要求を、ネットワーク装置110に転送する。ネットワーク装置110は、トラフィック情報生成部113(
図3を参照)において生成したトラフィック情報を、保守装置140に送信する。結果取得部145は、転送した取得要求に対する応答として、ネットワーク装置110からトラフィック情報を取得する。以下の説明において、結果取得部145が取得するトラフィック情報は、トラフィック情報結果とも呼ばれる。
【0060】
結果送信部146は、ネットワーク装置110から取得されたトラフィック情報結果に、可視化項目抽出部141が抽出した可視化対象のトラフィック情報の項目が含まれるか否かを判断する。結果送信部146は、トラフィック情報結果に、可視化対象のトラフィック情報の項目が含まれていないと判断した場合、含まれていないトラフィック情報の項目を、初期値0でトラフィック情報結果に追加する。その場合、結果送信部146は、初期値0のトラフィック情報の項目が追加されたトラフィック情報結果を、情報収集装置120に送信する。結果送信部146は、トラフィック情報結果に、可視化対象のトラフィック情報の項目が全て含まれていた場合、取得されたトラフィック情報結果を、そのまま情報収集装置120に送信する。
【0061】
例えば、可視化項目ファイル150に「項目A」及び「項目B」のトラフィック情報の項目が含まれており、可視化項目抽出部141が「項目A」及び「項目B」を可視化対象のトラフィック情報の項目として抽出したとする。また、結果取得部145が、ネットワーク装置から、計100項目のトラフィック情報を、トラフィック情報結果として取得したとする。結果送信部146は、100項目のトラフィック情報を含むトラフィック情報に、「項目A」及び「項目B」が含まれるか否かを判断する。結果送信部146は、トラフィック情報結果に「項目A」及び「項目B」が含まれると判断した場合、100項目のトラフィック情報を含むトラフィック情報を、情報収集装置120に送信する。
【0062】
結果送信部146は、例えばトラフィック情報結果に「項目A」のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、トラフィック情報結果に、「項目A」のトラフィック情報を追加する。このとき、結果送信部146は、「項目A」のトラフィック情報を初期値0でトラフィック情報結果に追加する。結果送信部146は、初期値0の「項目A」のトラフィック情報が追加された、例えば計101項目のトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を、情報収集装置120に送信する。
【0063】
本実施形態において、保守装置140aは、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報の項目の一覧を保持していいてもよい。その場合、可視化項目抽出部141は、可視化項目ファイル150から抽出したトラフィック情報の項目が、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報に含まれるか否か判断してもよい。可視化項目抽出部141は、抽出したトラフィック情報の項目が、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報に含まれていない場合、エラーを出力してもよい。保守装置140は、表示画面上にエラーを表示し、ネットワーク管理者などのユーザにエラーを通知する。この場合、ユーザは、設定ミスなどに起因して、可視化装置130において、ネットワーク装置110で生成されないトラフィック情報の項目が可視化対象のトラフィック情報の項目として設定されていたことを知ることができる。
【0064】
また、可視化項目抽出部141は、抽出したトラフィック情報の項目が、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報に含まれていない場合、そのトラフィック情報の項目を、抽出したトラフィック情報の項目から除外してもよい。例えば、可視化項目ファイル150に「項目A」及び「項目B」のトラフィック情報の項目が含まれている場合で、ネットワーク装置110では「項目A」のトラフィック情報は生成さないとする。その場合、可視化項目抽出部141は、「項目B」を可視化対象のトラフィック情報の項目として抽出する。結果送信部146は、トラフィック情報結果に、「項目B」のトラフィック情報が含まれるか否かを判断する。この場合、結果送信部146は、ネットワーク装置110において生成されない「項目A」のトラフィック情報をトラフィック情報結果に追加しない。
【0065】
続いて、動作手順を説明する。
図7は、情報可視化システム100aにおける動作手順を示す。情報可視化システム100aにおける動作手順は、情報生成方法を含む。ユーザは、可視化装置130に対して、監視画面において可視化するトラフィック情報、すなわち監視対象のトラフィック情報の項目名を入力とした計算式を、可視化装置130に与え、可視化画面であるダッシュボードを作成する。ユーザは、可視化装置130を操作し、ダッシュボードのメニューから、監視画面において可視化するトラフィック情報を、可視化項目ファイル150にエクスポートする。
【0066】
保守装置140の可視化項目抽出部141は、可視化項目ファイル150を取得する(ステップB1)。可視化項目抽出部141は、取得された可視化項目ファイル150から、可視化対象のトラフィック情報の項目を抽出する(ステップB2)。ステップB1及びB2の動作は、
図4におけるステップA1及びステップA2の動作と同様でよい。可視化項目抽出部141は、ステップB2では、可視化項目ファイル150に含まれる項目のうち、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報の項目に含まれる項目を、可視化対象のトラフィック情報の項目として抽出してもよい。可視化項目抽出部141は、抽出した可視化対象のトラフィック情報の項目を図示されない記憶装置に保存する。
【0067】
情報収集装置120は、周期的に保守装置140にトラフィック情報の取得を要求する(ステップB3)。保守装置140のトラフィック情報要求部144は、トラフィック情報の取得要求をネットワーク装置110に転送する(ステップB4)。結果取得部145は、ネットワーク装置110から、トラフィック情報結果を取得する(ステップB5)。結果取得部145は、ステップB5では、ネットワーク装置110において発生したイベントに関連するトラフィック情報を取得する。
【0068】
結果送信部146は、ステップB5で取得されたトラフィック情報結果に、ステップB2で抽出された可視化対象のトラフィック情報の項目が含まれているか否かを判断する(ステップB6)。結果送信部146は、ステップB6において、トラフィック情報結果に可視化対象のトラフィック情報の項目が全て含まれていると判断した場合、ステップB5で取得されたトラフィック情報結果を、情報収集装置120に送信する(ステップB7)。
【0069】
結果送信部146は、ステップB6において、トラフィック情報結果に含まれていない可視化対象のトラフィック情報の項目があると判断した場合、その項目について初期値0をトラフィック情報結果に追加する(ステップB8)。結果送信部146は、その後、ステップB7に進み、初期値0のトラフィック情報が追加されたトラフィック情報結果を、情報収集装置120に送信する。
【0070】
可視化装置130は、周期的に、可視化するトラフィック情報のデータを情報収集装置120に問い合わせる(ステップB9)。情報収集装置120は、問合せを受けたトラフィック情報を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。可視化装置130は、ダッシュボードにおいて、情報収集装置120から受信したトラフィック情報を可視化する(ステップB10)。ステップB9及びステップB10の動作は、
図4におけるステップA6及びステップA7の動作と同様でよい。
【0071】
情報収集装置120は、可視化装置130がイベント発生済みのトラフィック情報を問い合わせた場合、ステップB9において、発生したイベントに関連するトラフィック情報を可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、ステップB9において、発生したイベントに関連するトラフィック情報をダッシュボードに表示する。情報収集装置120は、可視化装置130がイベント未発生のトラフィック情報を問い合わせた場合、ステップB9において、保守装置140において追加された初期値0を可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、ステップB10において、ダッシュボードに初期値0を表示する。
【0072】
情報収集装置120は、可視化装置130がネットワーク装置110において生成されないトラフィック情報を問い合わせた場合、ステップB9において、データなし、又は値なしを可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、ステップB10において、ダッシュボードにトラフィック情報を表示しない。可視化装置130は、トラフィック情報が表示されない場合、エラーを出力してもよい。
【0073】
以下、具体例を用いて説明する。まず、ケース2-1を説明する。ケース2-1は、可視化対象のトラフィック情報の項目について、ネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されていないケースである。ケース2-1において、可視化項目ファイル150は「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を含む。保守装置140は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を可視化対象項目として抽出する。
【0074】
情報収集装置120は、保守装置140に対してトラフィック情報を要求する。保守装置140は、ネットワーク装置110にトラフィック情報を要求し、ネットワーク装置110からトラフィック情報結果を取得する。保守装置140は、トラフィック情報結果に、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」が含まれるか否かを判断する。ここでは、トラフィック情報結果は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報を含んでいないとする。その場合、情報収集装置120は、トラフィック情報結果に、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を初期値0で追加する。情報収集装置120は、保守装置140から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報が追加されたトラフィック情報結果を取得する。
【0075】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について保持している値0を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。可視化装置130は、procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_totalの情報を表示する監視画面において、値0を表示する。
【0076】
次いで、ケース2-2を説明する。ケース2-2は、可視化対象のトラフィック情報の項目について、ネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されているケースである。ネットワーク装置110において、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」が可視化対象項目として抽出される点は、上記ケース2-1と同様であるとする。
【0077】
ネットワーク装置110は、信号送受信のイベント発生後、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」のトラフィック情報を生成する。その値は、例えば5であるとする。情報収集装置120は、保守装置140に対してトラフィック情報を要求する。保守装置140は、ネットワーク装置110にトラフィック情報を要求し、ネットワーク装置110からトラフィック情報結果を要求に対する応答として取得する。トラフィック情報結果は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報を含み、その値は5である。その場合、保守装置140は、ネットワーク装置110から取得したトラフィック情報結果を、情報収集装置120に送信する。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について、保守装置140から値5を取得し、取得した値5を保持する。
【0078】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について保持している値5を、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。可視化装置130は、procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_totalの情報を表示する監視画面において、値5を表示する。
【0079】
続いて、ケース2-3を説明する。ケース2-3は、設定ミスで可視化装置130にトラフィック情報の項目名に誤りがあるケースである。可視化項目ファイル150は「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count)」を含む。保守装置140は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」を可視化対象項目として抽出する。
【0080】
保守装置140は、抽出した可視化対象項目が、ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報の項目の一覧に含まれるか否かを判断する。ネットワーク装置110において生成される可能性があるトラフィック情報の一覧に、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」が含まれていない場合、保守装置140はエラーを出力する。また、保守装置140は、可視化項目ファイル150から抽出された可視化対象項目から、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」を除外する。その場合、可視化対象項目は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」を含まない。
【0081】
情報収集装置120は、保守装置140に対してトラフィック情報を要求する。保守装置140は、ネットワーク装置110にトラフィック情報を要求し、ネットワーク装置110からトラフィック情報結果を要求に対する応答として取得する。トラフィック情報結果は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」の情報を含まない。しかしながら、保守装置140において、可視化対象項目から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」が除外されている。このため、保守装置140は、ネットワーク装置110から取得したトラフィック情報結果を情報収集装置120に送信する。ケース2-3では、情報収集装置120が取得するトラフィック情報結果は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count」の情報を含まない。
【0082】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、問い合わされた項目のトラフィック情報を保持していないため、データなしを、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、監視画面において、表示エラーを表示する。ケース2-3では、可視化装置130と保守装置140との双方において、可視化装置130において設定ミスがあることを検知できる。
【0083】
ここで、本実施形態において、保守装置140は、ネットワーク装置110が送受信する信号を監視し、送受信信号のリスト、すなわちネットワーク装置110が送受信した信号のリストを生成してもよい。保守装置140において、送受信信号のリストは、結果送信部146が生成してもよい。結果送信部146は、トラフィック情報結果に含まれていない可視化対象のトラフィック情報の項目がある場合、送受信信号のリストを用いて、ネットワーク装置110がそのトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信したか否かを判断してもよい。結果送信部146は、送受信信号のリストに代えて、又はこれに加えて、信号の送受信に関連して生成されるトラフィック情報の項目のリストを作成してもよい。
【0084】
結果送信部146は、トラフィック情報結果に含まれていない、可視化対象のトラフィック情報の項目について、送受信信号のリストを用いて、ネットワーク装置110がその項目に関連する信号を送信又は受信していたか否かを判断してもよい。結果送信部146は、トラフィック情報結果に含まれておらず、かつ、送受信信号のリストに関連する信号の送受信が含まれていないトラフィック情報の項目を、初期値0でトラフィック情報結果に追加する。結果送信部146は、トラフィック情報結果に含まれておらず、かつ、送受信信号のリストに関連する信号の送受信が含まれているトラフィック情報の項目については、その項目をトラフィック情報結果に追加しない。
【0085】
具体的に、上記ケース2-1及び2-2と同様に、可視化項目ファイル150が「sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を含む場合を考える。保守装置140は、可視化項目ファイル150から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を可視化対象項目として抽出する。また、保守装置140は、ネットワーク装置110において送受信される信号を監視し、送受信信号のリストを生成する。
【0086】
情報収集装置120は、保守装置140に対してトラフィック情報を要求する。保守装置140は、ネットワーク装置110にトラフィック情報を要求し、ネットワーク装置110からトラフィック情報結果を要求に対する応答として取得する。保守装置140は、トラフィック情報結果に、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」が含まれるか否かを判断する。ここでは、トラフィック情報結果は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報を含んでいないとする。
【0087】
保守装置140は、トラフィック情報結果に含まれていない可視化対象のトラフィック情報の項目がある場合、送受信信号のリストに、そのトラフィック情報の項目に関連する信号が含まれるか否かを判断する。ここでは、送受信信号のリストに、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」に関連する信号が含まれていたとする。その場合、保守装置140は、トラフィック情報結果に「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報を追加せずに、トラフィック情報結果をそのまま情報収集装置120に送信する。情報収集装置120が取得するトラフィック情報結果は、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報を含まない。
【0088】
可視化装置130は、「query = sum(procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total)」を情報収集装置120に送信し、可視化するトラフィック情報のデータを問い合わせる。情報収集装置120は、問い合わされた項目のトラフィック情報を保持していないため、データなしを、問合せに対する応答として可視化装置130に送信する。その場合、可視化装置130は、監視画面において、表示エラーを表示する。
【0089】
仮に、送受信信号のリストに、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」に関連する信号が含まれていなかったとする。その場合、保守装置140は、トラフィック情報結果に、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」を初期値0で追加する。情報収集装置120は、保守装置140から「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」の情報が追加されたトラフィック情報結果を取得する。可視化装置130は、情報収集装置120から、「procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_total」について値0を取得する。その場合、可視化装置130は、procedure_registration_type_mobility_attempt_per_slice_count_totalの情報を表示する監視画面において、値0を表示する。
【0090】
本実施形態では、情報収集装置120は、保守装置140を介して、ネットワーク装置110からトラフィック情報を取得する。保守装置140は、ネットワーク装置110から取得されるトラフィック情報結果に、可視化項目ファイル150から抽出される可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断する。保守装置140は、トラフィック情報結果に可視化対象項目の情報が含まれない場合、その項目の情報として初期値0が追加されたトラフィック情報結果を情報収集装置120に送信する。このようにすることで、第1実施形態と同様に、ネットワーク装置110においてイベントが発生せず、ネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されていない場合でも、情報収集装置120は、初期値0を収集することができる。可視化装置130は、イベント未発生の場合は、初期値0のトラフィック情報を取得する。このため、イベント未発生であっても、可視化装置130はトラフィック情報を可視化することができる。
【0091】
本実施形態において、保守装置140は、可視化項目ファイル150から抽出された可視化対象項目が、ネットワーク装置110が生成する可能性があるトラフィック情報の項目の一覧に含まれるか否かを判断できる。保守装置140は、トラフィック情報結果に可視化対象項目の情報が含まれない場合で、かつ、可視化対象項目がネットワーク装置110が生成する可能性があるトラフィック情報の項目の一覧に含まれる場合に、初期値0をトラフィック情報結果に追加できる。その場合、可視化装置130から、ネットワーク装置110において生成されない項目名が指定された場合でも、その項目名のトラフィック情報は保守装置140においてトラフィック情報結果に追加されない。このため、本実施形態においても、ユーザは、設定ミスで可視化装置130が存在しない情報を参照しようとしているのか、それともネットワーク装置110において信号の送受信がないのかを判別することができる。
【0092】
さらに、保守装置140は、ネットワーク装置110において送受信される信号を監視し、トラフィック情報結果に含まれないトラフィック情報の項目に関連する信号がネットワーク装置110において送信又は受信されたか否かを判断することができる。保守装置140は、トラフィック情報結果に可視化対象項目の情報が含まれない場合で、かつ、ネットワーク装置110がその可視化対象項目に関連する信号を送信又は受信してなかった場合に、初期値0をトラフィック情報結果に追加できる。保守装置140は、ネットワーク装置110がトラフィック情報結果に含まれない可視化対象項目に関連する信号を送信又は受信していた場合は、初期値0をトラフィック情報結果に追加しない。この場合、情報収集装置120は、信号の送受信があり、従って本来はネットワーク装置110において生成されているトラフィック情報の項目については、初期値0を取得しない。このようにすることで、ユーザは、何らかの問題が生じてネットワーク装置110においてトラフィック情報が生成されなかったのか、或いはイベント未発生でトラフィック情報が生成されていないかを判別できる。
【0093】
なお、上記各実施形態において、情報可視化システムにおける各装置は、必ずしも独立した個別の装置として構成される必要はない。情報可視化システムにおいて、いくつかの装置は、物理的には同一の装置を用いて実現されていてもよい。例えば、
図1において、情報収集装置120と、可視化装置130とは、必ずしも独立して個別の装置として構成されている必要はなく、これら装置は、単一の装置上に構成されていてもよい。また、情報可視化システムにおいて、各装置は、必ずしも単一の装置として構成されている必要はない。情報可視化システムにおいて、いくつかの装置は、物理的に分離された複数の装置を用いて構成されていてもよい。
【0094】
上記実施形態において、情報収集装置120、可視化装置130、及び保守装置140の機能の少なくとも一部は、コンピュータ上で実行されるプログラムにより実現され得る。プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、Compact Disc (CD)、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0095】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、上述した実施の形態は、一部又は全部を相互に組み合わせて用いてもよい。
【0096】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0097】
[付記1]
信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するトラフィック情報生成部と、
前記トラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得する可視化項目取得部と、
前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化する初期化部とを備えるネットワーク装置。
【0098】
[付記2]
前記初期化部は、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報生成部で生成されるトラフィック情報の項目に含まれる項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、付記1に記載のネットワーク装置。
【0099】
[付記3]
前記初期化部は、前記可視化対象項目に、前記トラフィック情報生成部で生成されるトラフィック情報の項目に含まれない項目が含まれる場合、エラーを出力する、付記2に記載のネットワーク装置。
【0100】
[付記4]
前記可視化項目取得部は、前記ネットワーク装置の起動時に、前記可視化対象項目を取得する、付記1から3の何れか1項に記載のネットワーク装置。
【0101】
[付記5]
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出する可視化項目抽出部と、
前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知し、前記ネットワーク装置において、前記可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化させる可視化項目出力部とを備える保守装置。
【0102】
[付記6]
前記可視化項目抽出部は、前記ネットワーク装置の起動時に、前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する、付記5に記載の保守装置。
【0103】
[付記7]
信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、
前記ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、
前記トラフィック情報を前記情報収集装置から取得し、該取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、該生成した監視画面を表示する可視化装置と、
前記監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定のファイル形式で記述された可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、該抽出した可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する保守装置とを備え、
前記ネットワーク装置は、前記保守装置から通知された可視化対象項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、情報可視化システム。
【0104】
[付記8]
前記ネットワーク装置は、前記可視化対象項目のうち、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれる項目のトラフィック情報を初期値0で初期化する、付記7に記載の情報可視化システム。
【0105】
[付記9]
前記ネットワーク装置は、前記可視化対象項目に、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれない項目が含まれる場合、エラーを出力する、付記8に記載の情報可視化システム。
【0106】
[付記10]
前記保守装置は、前記ネットワーク装置の起動時に、前記抽出された可視化対象項目を前記ネットワーク装置に通知する、付記7から9の何れか1項に記載の情報可視化システム。
【0107】
[付記11]
信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得し、
前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化し、
ネットワーク装置において送受信される信号に基づいて前記トラフィック情報を生成することを有する情報生成方法。
【0108】
[付記12]
信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから抽出された、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を取得し、
前記取得された可視化対象項目のトラフィック情報を、初期値0で初期化し、
ネットワーク装置において送受信される信号に基づいて前記トラフィック情報を生成することを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0109】
[付記13]
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出する可視化項目抽出部と、
前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求するトラフィック情報要求部と、
前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得する結果取得部と、
前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させる結果送信部とを備える保守装置。
【0110】
[付記14]
前記可視化項目抽出部は、前記可視化項目ファイルに記述されるトラフィック情報の項目のうち、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれる項目を、前記可視化対象項目として抽出する、付記13に記載の保守装置。
【0111】
[付記15]
前記可視化項目抽出部は、前記可視化対象項目に、前記ネットワーク装置で生成されるトラフィック情報の項目に含まれない項目が含まれる場合、エラーを出力する、付記14に記載の保守装置。
【0112】
[付記16]
前記結果送信部は、更に、前記ネットワーク装置において送受信される信号を監視し、前記トラフィック情報結果に前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記ネットワーク装置が、前記トラフィック情報結果に含まれていない前記可視化対象項目のトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信していたか否かを判断し、前記ネットワーク装置が、前記トラフィック情報結果に含まれていない前記可視化対象項目のトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信していないと判断した場合、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加する、付記13から15の何れか1項に記載の保守装置。
【0113】
[付記17]
前記結果送信部は、前記ネットワーク装置が、前記トラフィック情報結果に含まれていない前記可視化対象項目のトラフィック情報に関連する信号を送信又は受信していたと判断した場合、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加しない、付記16に記載の保守装置。
【0114】
[付記18]
信号の送受信に応じてトラフィック情報を生成するネットワーク装置と、
前記ネットワーク装置からトラフィック情報を収集する情報収集装置と、
前記トラフィック情報を前記情報収集装置から取得し、該取得したトラフィック情報に基づいて監視画面を生成し、該生成した監視画面を表示する可視化装置と、
付記13から17の何れか1項に記載の保守装置とを備える情報可視化システム。
【0115】
[付記19]
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、
前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求し、
前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得し、
前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、
前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させることを有する情報生成方法。
【0116】
[付記20]
ネットワーク装置において信号の送受信に応じて生成されるトラフィック情報に基づいて可視化装置において生成される監視画面の生成に使用されるトラフィック情報が所定の記述形式で記述される可視化項目ファイルから、可視化対象のトラフィック情報の項目である可視化対象項目を抽出し、
前記ネットワーク装置に、前記トラフィック情報の送信を要求し、
前記ネットワーク装置から、前記ネットワーク装置において生成されたトラフィック情報を含むトラフィック情報結果を取得し、
前記トラフィック情報結果に、前記抽出された可視化対象項目の情報が含まれるか否かを判断し、
前記トラフィック情報結果に、前記可視化対象項目のトラフィック情報が含まれていないと判断した場合、前記可視化対象項目のうち、前記トラフィック情報結果に含まれていないトラフィック情報の項目の情報を、初期値0でトラフィック情報結果に追加し、該初期値0が追加されたトラフィック情報を前記可視化装置に取得させることを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0117】
100:情報可視化システム
110:ネットワーク装置
111:可視化項目取得部
112:初期化部
113:トラフィック情報生成部
120:情報収集装置
130:可視化装置
140:保守装置
141:可視化項目抽出部
142:可視化項目出力部
144:トラフィック情報要求部
145:結果取得部
146:結果送信部
150:可視化項目ファイル