(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004223
(43)【公開日】2025-01-14
(54)【発明の名称】計時器の外部部品要素に少なくとも1つの3次元要素を生成するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G04B 19/10 20060101AFI20250106BHJP
G04B 19/28 20060101ALI20250106BHJP
G04B 37/22 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
G04B19/10 Z
G04B19/28 Z
G04B37/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024178615
(22)【出願日】2024-10-11
(62)【分割の表示】P 2022199981の分割
【原出願日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】21216096.4
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519195497
【氏名又は名称】ルバテル・エ・ワイエルマン・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・エンジスト
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク・ジャンルノー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】計時器の外部部品要素上に、少なくとも1つの3次元要素を生成するためのシステムを提供する。
【解決手段】計時器の外部部品要素4の可視面上に、少なくとも1つの3次元要素を生成するためのシステム1は、外部部品要素4の支持プレート3を受け入れるように構成された、第1の部品8aおよび第2の部品8bの可逆的組立てによって形成される金型2であって、金型2は、少なくとも1つの刻印5を含む第1の部品8aを、外部部品要素4の可視面に関連付けることによって形成される少なくとも1つのキャビティ7を備え、各キャビティ7は、注入可能材料を可視面上に注入することによって、オーバモールドから3次元要素10のブランクを生成することを助ける、金型2と、3次元要素10のブランクを仕上げることを助ける、外部部品要素4の可視面上にオーバモールドされたブランクにコーティングを適用するためのデバイス12とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器(100)の外部部品要素(4)の可視面(21a)上に、少なくとも1つの3
次元要素(10)を生成するためのプロセスであって、前記プロセスは、以下のステップ
、すなわち、
- 前記外部部品要素(4)の厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部(18a)を作
成するサブステップを含む、前記外部部品要素(4)を備える支持プレート(3)を設計
するステップであって、前記貫通開口部(18a)は、この貫通開口部(18a)の入口
オリフィスの中心および出口オリフィスの中心を互いに相互接続する回転軸(A)に沿っ
て可変断面を備える、設計ステップと、
- 第1の部品(8a)および第2の部品(8b)の可逆的組立てによって形成される
金型(2)内に、前記外部部品要素(4)を備える前記支持プレート(3)を配置するス
テップ(33)であって、少なくとも1つの刻印(5)を含む前記第1の部品(8a)を
、前記外部部品要素(4)の前記可視面(21a)に関連付けることによって、この金型
(2)内に少なくとも1つのキャビティ(7)を形成するサブステップを備える、配置ス
テップ(33)と、
- 前記外部部品要素(4)の前記可視面(21a)上に、各3次元要素(10)のブ
ランク(20)を構築するステップ(37)であって、前記キャビティ(7)の前記入口
オリフィスを設けられ、前記外部部品要素(4)に配置された前記貫通開口部(18a)
を介して、前記キャビティ(7)内に注入可能材料を注入することによって、オーバモー
ルドするサブステップ(38)を備える、構築ステップ(37)と、
- 前記3次元要素(10)の前記ブランク(20)を仕上げるステップ(42)であ
って、この仕上げステップの、以下のサブステップ、すなわち、
・前記金型(2)の前記第2の部品(8b)から前記第1の部品(8a)を取り外す
サブステップ(44)、または
・前記可視面上にオーバモールドされた3次元要素(10)の少なくとも1つのブラ
ンク(20)を設けられた前記外部部品要素(4)を備える前記支持プレート(3)から
、前記金型(2)を除去するサブステップ(45)のうちの1つを実行した後、前記外部
部品要素(4)にオーバモールドされた前記ブランク(20)にコーティングを適用する
サブステップ(43)を備える、仕上げステップ(42)とを備える、プロセス。
【請求項2】
前記配置ステップ(33)は、前記外部部品要素(4)を備える前記支持プレート(3
)との前記第2の部品(8b)の可逆的組立てのサブステップ(34)を備え、前記サブ
ステップ(34)は、この第2の部品(8b)に配置された注入回路(9)の一端と、前
記外部部品要素(4)の前記貫通開口部(18)の前記入口オリフィスとの接続段階(3
5)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記除去サブステップ(45)は、前記外部部品要素(4)を前記第2の部品(8b)
に接続する注入点(22)を破壊する段階(47)を備えることを特徴とする、請求項1
に記載のプロセス。
【請求項4】
前記オーバモールドサブステップ(38)は、特に、前記キャビティ(7)内に注入可
能材料を注入する段階(39)の開始前から、この材料の注入段階(39)の終了までに
至る期間中、またはこの注入段階(39)の終了後、前記金型(2)の温度を調節する段
階(41)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記オーバモールドサブステップ(38)は、このキャビティ(7)内に前記注入可能
材料を注入する段階(39)の前に、前記キャビティ(7)を排気する段階(40)を備
えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記適用サブステップ(43)は、前記外部部品要素(4)にオーバモールドされた前
記3次元要素(10)の前記ブランク(20)の可視外面上に装飾的材料および/または
機能的材料を堆積させる段階(46)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロ
セス。
【請求項7】
製造される前記少なくとも1つの3次元要素(10)に対して、少なくとも1つの元の
部品を使用して、前記第1の部品(8a)に少なくとも1つの刻印(5)を準備するステ
ップ(30)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記支持プレート(3)を設計する前記ステップは、前記外部部品要素(4)の厚さ内
に、少なくとも1つのブラインド開口部(18b)を作成するサブステップを備え、前記
ブラインド開口部(18b)は、前記注入可能材料の入口オリフィスの中心と、この開口
部(18b)の底部の中心とを相互接続するその回転軸(B)に沿って可変断面を備える
ことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
請求項1に記載のプロセスを実施する計時器(100)の外部部品要素(4)の可視面
(21a)上に、少なくとも1つの3次元要素を生成するためのシステム(1)であって
、前記システム(1)は、
- 前記外部部品要素(4)の支持プレート(3)を受け入れるように構成された、第
1の部品(8a)および第2の部品(8b)の可逆的組立てによって形成される金型(2
)であって、前記金型(2)は、少なくとも1つの刻印(5)を含む前記第1の部品(8
a)を、前記外部部品要素(4)の前記可視面(21a)に関連付けることによって形成
される少なくとも1つのキャビティ(7)を備え、各キャビティ(7)は、注入可能材料
を前記可視面(21a)上に注入することによって、オーバモールドから前記3次元要素
(10)のブランク(20)を生成することを助ける、金型(2)と、
- 前記3次元要素(10)のこのブランク(20)を仕上げることを助ける、前記外
部部品要素(4)の前記可視面(21a)上にオーバモールドされた前記ブランク(20
)にコーティングを適用するためのデバイス(12)とを備える、システム(1)。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスを使用して、前記可視面(21a)上に生成することができ
る少なくとも1つの3次元要素を備える計時器用の外部部品要素。
【請求項11】
請求項10に記載の外部部品要素(4)を備える計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器の外部部品要素の可視面上に、少なくとも1つの3次元要素を生成す
るためのプロセスおよびシステムに関する。
【0002】
本発明は、少なくとも1つの3次元要素を備える外部部品要素にも関する。
【0003】
本発明はまた、そのような外部部品要素を含む計時器にも関する。
【背景技術】
【0004】
従来、腕時計の文字盤などの外部部品要素に配置されるように設けられるアップリケな
どの3次元要素は、ほとんどの場合、この文脈では研磨、ニス塗り、または発光顔料でコ
ーティングされるアップリケを形成するレリーフ部品とともに、文字盤の底面の転写、ま
たはシルクスクリーン、または成形技法を実施するプロセスを使用して生成される。これ
らアップリケは、金属板を、打ち抜き/機械加工した後、たとえば熱硬化性接着剤を使用
して接着する技法を実施するプロセスを使用して生成される間に、文字盤に取り付けられ
る部品でもある。
【0005】
高品質の部品を取得しようとする場合、アップリケは、ほとんどの場合、接着、溶接、
またはリベットによって文字盤に固定するための脚部を設けられる。アップリケは、輪郭
に機械加工または打ち抜き技法を実施するプロセスを使用して粗く仕上げられ、次にファ
セッティングによって再加工される。しかしながら、そのようなプロセスの欠点の1つは
、これらアップリケの表面に欠陥が存在する原因となる可能性があるという事実に関連付
けられる。
【0006】
さらに、これら異なるプロセスは、担当するオペレータによる多くのハンドリングを必
要とすることが多く、特に文字盤への配置など、ハンドリングされる部品のサイズが小さ
いため、時間と手間がかかることがわかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高品質な計時器の外部部品要素の可視面上に、少なくとも1つの3次
元要素を生成するためのプロセスおよびシステムを提案することによって、上記の欠点の
すべてまたはいくつかを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的において、本発明は、計時器の外部部品要素の可視面上に、少なくとも1つの
3次元要素を生成するためのプロセスに関し、前記プロセスは、以下のステップ、すなわ
ち、
- 外部部品要素の厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部を作成するサブステップを
含む、外部部品要素を備える支持プレートを設計するステップであって、前記貫通開口部
は、その入口オリフィスの中心および出口オリフィスの中心を互いに相互接続する回転軸
に沿って可変断面を備える、設計ステップと、
- 第1の部品および第2の部品の可逆的組立てによって形成される金型内に、外部部
品要素を備える支持プレートを配置するステップであって、少なくとも1つの刻印を含む
第1の部品を、外部部品要素の可視面に関連付けることによって、この金型内に少なくと
も1つのキャビティを形成するサブステップを備える、配置ステップと、
- 外部部品要素の可視面上に、各3次元要素のブランクを構築するステップであって
、前記キャビティの入口オリフィスを設けられ、前記外部部品要素に配置された貫通開口
部を介して、キャビティ内に注入可能材料を注入することによって、オーバモールドする
サブステップを備える、構築ステップと、
- 3次元要素のブランクを仕上げるステップであって、この仕上げステップの、以下
のサブステップ、すなわち、
・金型の第2の部品から第1の部品を取り外すサブステップ、または
・その可視面上にオーバモールドされた3次元要素の少なくとも1つのブランクを設
けられ、外部部品要素を備える支持プレートから、前記金型を除去するサブステップのう
ちの1つを実行した後、外部部品要素にオーバモールドされた前記ブランクにコーティン
グを適用するサブステップを備える、仕上げステップとを備える。
【0009】
他の実施形態では、
- 前記配置ステップは、外部部品要素を備える支持プレートとの第2の部品の可逆的
組立てのサブステップを備え、前記サブステップは、この第2の部品に配置された注入回
路の一端と、外部部品要素の貫通開口部の入口オリフィスとの接続段階を備え、
- 前記除去サブステップは、前記外部部品要素を第2の部品に接続する注入点を破壊
する段階を備え、
- オーバモールドサブステップは、特に、キャビティ内に注入可能材料を注入する段
階の開始前から、この材料の注入段階の終了までに至る期間中、またはこの注入段階の終
了後、前記金型の温度を調節する段階を備え、
- オーバモールドサブステップは、このキャビティ内に注入可能材料を注入する段階
の前に、前記キャビティを排気する段階を備え、
- 適用サブステップは、外部部品要素にオーバモールドされた3次元要素のブランク
の可視外面上に装飾的材料および/または機能的材料を堆積させる段階を備え、
- プロセスは、製造される前記少なくとも1つの3次元要素に対して、少なくとも1
つの元の部品を使用して、第1の部品に少なくとも1つの刻印を準備するステップを備え
、
- 支持プレートを設計するステップは、外部部品要素の厚さ内に、少なくとも1つの
ブラインド開口部を作成するサブステップを備え、前記ブラインド開口部は、注入可能材
料の入口オリフィスの中心と、この開口部の底部の中心とを互いに相互接続するその回転
軸に沿って可変断面を備える。
【0010】
本発明はまた、このプロセスを実施する計時器の外部部品要素の可視面上に、少なくと
も1つの3次元要素を生成するためのシステムに関し、このシステムは、
- 外部部品要素の支持プレートを受け入れるように構成された、第1の部品および第
2の部品の可逆的組立てによって形成される金型であって、この金型は、少なくとも1つ
の刻印を含む第1の部品を、外部部品要素の可視面に関連付けることによって形成される
少なくとも1つのキャビティを備え、各キャビティは、注入可能材料を前記可視面上に注
入することによって、オーバモールドから3次元要素のブランクを生成することを助ける
、金型と、
- 3次元要素のこのブランクを仕上げることを助ける、外部部品要素の可視面上にオ
ーバモールドされた前記ブランクにコーティングを適用するためのデバイスとを備える。
【0011】
本発明はまた、前記プロセスを使用して、可視面上に生成できる少なくとも1つの3次
元要素を備える計時器用の外部部品要素に関する。
【0012】
本発明はまた、そのような外部部品要素を備える計時器にも関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の他の目的、利点、および特徴は、以下に挙げる添付の図面を参照して行われる
以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、計時器の外部部品要素の可視面上に、少なくとも1つの3次元要素を生成するためのシステムの図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、システムの金型の一部の断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、外部部品要素の可視面上に、前記少なくとも1つの3次元要素を生成するためのプロセスに関する論理図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、計時器の文字盤である外部部品要素を備える支持プレートの図であって、可視面上にオーバモールドされた、アップリケのようないくつかの3次元要素ブランクを設けられた、この文字盤の可視面を見ることができる図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による、計時器の文字盤である外部部品要素を備える支持プレートの図であって、図示されていない金型の第2の部品によって本質的に形成されたスプルーに接続された、この文字盤の隠蔽面を見ることができる図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による、金型内に形成された外部部品要素およびスプルーを備える支持プレートの側面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による、外部部品要素にオーバモールドされた異なる3次元要素ブランクの断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による、外部部品要素にオーバモールドされた異なる3次元要素ブランクの断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による、少なくとも1つの3次元要素を設けられた外部部品要素を備える計時器を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、計時器100の外部部品要素4上に少なくとも1つの3次元要素10を生成す
るためのシステム1の概略図を示す。
図1、
図2、
図4から
図9に表されるこの3次元要
素10は、この外部部品要素4の上面とも呼ばれる可視面21a上、すなわちこの外部部
品要素4がこの部品100に取り付けられたとき、計時器100の装着者が見ることがで
きる面21a上に生成される。外部部品要素4のこの面21aは、たとえば、この要素4
が文字盤である場合、この可視面21aの反対側にある、この外部部品要素4の他の面2
1bとは異なり、計時器100に嵌め込まれたときに知覚される可能性を参照して「可視
」と呼ばれる。
【0016】
そのようなシステム1は、計時器100のすべてまたは一部の部品の製造に専用の自動
組立設備(または自動組立ライン)内で実施することができる。そのような状況において
、このシステム1は、この自動組立設備内で少なくとも1つの3次元要素10を備える外
部部品要素4の製造および確実な分配に役立つ。
【0017】
計時器100は、ともに組み立てられた外部部品要素4と時計構成要素(図示せず)と
からなる。この文脈において、外部部品要素4は、計時器100が、装着者としても知ら
れるユーザによって装着されたときに、計時器100の可視または観察可能な要素となる
ことができる。時計構成要素に関して言えば、外部部品要素4は、時計ムーブメントを形
成する要素、この計時器100に含まれる接合部および/またはリングを、非制限的かつ
非網羅的に備える。したがって、これら条件下では、各外部部品要素4は、時計ムーブメ
ントを取り囲み、腕時計にその外観、視覚的魅力、およびスタイルを与える計時器100
の要素の中にあることが理解される。たとえば、この外部部品要素4は、非限定的および
非網羅的に、文字盤、フランジ、ベゼルなどとできる。
【0018】
図9を参照して説明される実施形態では、外部部品要素4は、ここでは計時器100の
文字盤であり、3次元要素10は、この文字盤のアップリケであることに留意されたい。
【0019】
上述したように、この外部部品要素4は、(
図4から
図8において見える)可視面21
aの反対側の面である、底面とも呼ばれるいわゆる隠蔽面21bも備える。
【0020】
図1および
図2を参照して示すように、このシステム1は、非網羅的かつ非限定的に、
- 少なくとも1つの外部部品要素4を備える支持プレート3を受け入れることができ
る、第2の部品8bとの第1の部品8aの可逆的組立てによって形成される金型2と、
- 注入可能材料をこの金型2に注入するためのデバイス11と、
- 外部部品要素4上にオーバモールドされた3次元要素10のブランクにコーティン
グを適用するためのデバイス12と、
- 製造される3次元要素10に関して、元の部品、すなわち「マスタ」部品を設計す
るために、特に紫外線投影光リソグラフィ、深紫外(DUV)投影光リソグラフィ、液浸
リソグラフィ、二重露光リソグラフィ、極紫外線リソグラフィ、および/またはナノイン
プリントリソグラフィであるリソグラフィ技法を特に実施する、デバイス13と、
- 元の部品から前記少なくとも1つの3次元要素10を準備するために、特にNiシ
ムまたはBMG複製技法を実施する、デバイス14と、
- 前記金型2を排気するためのデバイス15、および/または、この金型2の内部の
温度を調節するためのデバイス16と、
- 少なくとも1つの外部部品要素4の支持プレート3を除去して金型2内に配置する
ためのデバイス17とを備える。
【0021】
この構成では、この金型2は、第2の部品8bとの第1の部品8aの組立てによって形
成される台を備え、外部部品要素4を備える支持プレート3を配置することができる。プ
レート3は、単一の外部部品要素4、または代わりにいくつかの外部部品要素4を備える
ことができることが理解される。
【0022】
この金型2では、第2の部品8bは、そのような支持プレート3を受け入れるように構
成された受入面を備える。より具体的には、支持プレート3は、外部部品要素4の隠蔽面
21bが、この受入面のすべてまたは一部と対向または接触するように、第2の部品8b
の受入面に取り付けられる。この構成では、外部部品要素4の可視面21aは、その一部
について、第1の部品8aの内面に面し、接触している。言い換えれば、支持プレート3
、したがって外部部品要素4は、この金型2の第1の部品8aと第2の部品8bとの間に
挟まれながら、この金型2の台に配置される。
【0023】
金型2のこの第1の部品8aの内面は、外部部品要素4の可視面21a上にオーバモー
ルドされる3次元要素10に関して、単一の刻印5または複数の刻印5をおのおの備える
ことができる。これら刻印5はおのおの、第1の部品8aのこの平坦な内面に画定された
中空形状を有する。
【0024】
外部部品要素4の可視面21aは、オーバモールドゾーン6とも呼ばれるゾーン6を備
え、このゾーン6は、3次元要素10の前記ブランク20の設計に寄与するように、注入
可能材料が注入されるキャビティ7を前記刻印5で形成するように画定される。このキャ
ビティ7は、前記ブランク20の最終形状を画定し、したがって、刻印5と、外部部品構
成要素4の可視面21aの対応するゾーン6との協働によって生成される3次元要素10
の最終形状を画定する。したがって、この構成では、このゾーン6は、第1の部品8aと
外部部品要素4とがともに組み立てられるとき、前記刻印5に面して配置される。金型2
は、この第1の部品8aが含む刻印5と同数の、および/または、外部部品要素4が備え
るオーバモールドゾーン6と同数の、キャビティ7を備えることに留意されたい。
【0025】
これに関連して、システム1が、前記金型2の内部の温度を調節するためのデバイス1
6を設けられている場合、第1の部品8aは、基本的に各刻印5の下に配置される、この
第1の部品8aの本体に画定された注入回路(図示せず)を備えることができる。そのよ
うな回路は、温度調節デバイス16に接続され、温度調節デバイスは、この回路内で冷却
流体または加熱流体の循環を生成することができる。
【0026】
支持プレート3に含まれる外部部品要素4では、可視面21aと隠蔽面21bとが平面
であることが好ましい。これら可視面21aおよび隠蔽面21bはそれぞれ、外部部品要
素4の上面および底面とも呼ばれる。この金型2において、この外部部品要素4の可視面
21aは、この第1の部品8aが第2の部品8bと組み立てられるとき、第1の部品8a
の内面と接触することができる。この構成において、外部部品要素4は、これら第1の部
品8aと第2の部品8bとの間に挟まれて、この金型2内に配置されることが理解される
。
【0027】
図2を参照して示すように、この外部部品要素4はまた、外部部品要素4の隠蔽面21
bを、第2の部品8bの受入面に接続する、貫通チャネルまたは貫通孔とも呼ばれる少な
くとも1つの貫通開口部18aを備え、この貫通開口部18aは、金型2のキャビティ7
に開口している、出口オリフィスと呼ばれる第1の端部と、外部部品要素4の隠蔽面21
bに開口している、入口オリフィスと呼ばれる第2の端部とを備える。外部部品要素4は
、金型2が備えるキャビティ7と少なくとも同数の貫通開口部18aを備えていると理解
される。
【0028】
図7および
図8を参照して示すように、外部部品要素4が文字盤である場合、注入可能
材料を備えるこの貫通開口部18aが、3次元要素10の脚部23aを形成するのに役立
つことに留意されたい。この脚部23aは、特に、この3次元要素10を、外部部品要素
4の本体に固定するような形状に構成されている。さらに、前記刻印5を用いてキャビテ
ィ7を形成するために設けられたゾーン6は、この貫通開口部18aに加えて、外部部品
要素4の可視面21aに画定された入口オリフィスを備える、ブラインド孔とも呼ばれる
ブラインド開口部18bを備えることができる。注入可能材料を備えるそのようなブライ
ンド開口部18bは、外部部品要素4の本体内にこの3次元要素10を固定するような形
状に特に構成された3次元要素10の別の脚部23bを形成するのに役立つ。
【0029】
これに関連して、これら貫通開口部18aおよびブラインド開口部18bの本体は、こ
れら開口部18a,18bの長手方向軸A,Bに垂直な一組の軸方向断面S1,S2,S
3,S4から形成される。この構成では、貫通開口部18aは、入口オリフィスの中心と
、出口オリフィスの中心とを相互接続する、回転軸Aとも呼ばれる長手方向軸Aに沿って
延在し、ブラインド開口部18bに関して、貫通開口部18aはまた、注入可能材料の入
口オリフィスの中心と、この開口部18bの底部の中心とを相互接続する、回転軸Bとも
呼ばれる長手方向軸Bに沿って延在する。これら長手方向軸A,Bは、互いに実質的に平
行または厳密に平行である。この構成では、
- 貫通開口部18aは、入口オリフィスと出口オリフィスとの間に、少なくとも1つ
の軸方向断面S1,S3を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面
、入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、および出口オリフィスを備える軸方
向断面の表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- 貫通開口部18aは、入口オリフィスと出口オリフィスとの間に、少なくとも1つ
の軸方向断面S1,S3を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面
、または入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、または出口オリフィスを備え
る軸方向断面の表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- 貫通開口部18aは、入口オリフィスと出口オリフィスとの間に、少なくとも1つ
の軸方向断面S1,S3備え、その表面エリアは、
・出口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に大きいかまたは実質
的に大きい、および/または
・入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に小さいかまたは実質
的に小さく、
- ブラインド開口部18bは、入口オリフィスと底部との間に、少なくとも1つの軸
方向断面S2,S4を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面、入
口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、および底部を備える軸方向断面の表面エ
リアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- ブラインド開口部18bは、入口オリフィスと底部との間に、少なくとも1つの軸
方向断面S2,S4を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面、ま
たは入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、または底部を備える軸方向断面の
表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- ブラインド開口部18bは、入口オリフィスと底部との間に、少なくとも1つの軸
方向断面S2,S4を備え、その表面エリアは、
・出口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に大きい、または実質
的に大きい、および/または、
・入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に小さい、または実質
的に小さいことが留意される。
【0030】
したがって、この構成では、貫通開口部18aは、入口オリフィスの中心と、出口オリ
フィスの中心とを互いに相互接続する回転軸に沿って可変断面を備えることが理解される
。同様に、ブラインド開口部18bは、注入可能材料の入口オリフィスの中心と、この開
口部の底部の中心とを互いに相互接続する回転軸に沿って可変断面を備える。この文脈で
は、各断面は、回転軸A,Bに対して横方向であることに留意されたい。ここでの断面は
、ブラインド開口部または貫通開口部の断面部平面部の表面、直径および/または寸法に
関連することに留意されたい。
【0031】
これに関連して、たとえば
図7において、貫通開口部18aおよびブラインド開口部1
8bは、本質的に円錐台形状、または、本体が、異なる断面を有する2つの部分を備える
チューブの形状と同様の形状、または
図8に表されるように異なる直径を有することがで
きる。
【0032】
前述したように、金型2は、少なくとも1つのキャビティ7を備えている。このキャビ
ティ7は、第1の部品8aの内面に含まれる刻印5と、外部部品要素4の可視面21aの
対応するゾーン6との組立てによって形成される。ゾーン6は、外部部品要素4に配置さ
れた貫通開口部18aを備え、この貫通開口部は、その出口オリフィスを介してキャビテ
ィ7に開口する。この貫通開口部18aは、その入口オリフィスを介して、金型2の第2
の部品8bに画定された注入回路9を介して、注入可能材料注入デバイス11に接続/連
結される。この構成では、キャビティ7がブラインド開口部18bも備える場合、この開
口部の入口オリフィスは、外部部品要素4の可視面21aのオーバモールドゾーン6に画
定されることに留意されたい。
【0033】
この構成では、貫通開口部18aの入口オリフィス内で凝固する注入可能材料の部分は
、以下に説明するように、特に外部部品要素4の第2の部品8bからの取り外し中に破壊
されるように画定される注入点22を形成する。実際、この注入点22は、この金型2に
形成されたスプルー19に連結することによって、支持プレート3を、したがって、外部
部品要素4を、第2の部品8b上に保持するのに役立つ。この注入点22は、好ましくは
、貫通開口部18aの入口オリフィスに位置する。言い換えれば、この注入点22は、こ
の3次元要素10の貫通開口部18aに形成された脚部23aの端部または基部に位置す
る。
【0034】
図6に見られるこのスプルー19は、貫通開口部18a内での注入可能材料の固化によ
って形成される第1の部品と、第2の部品8bに配置された注入回路9内での注入可能材
料の固化によって形成される第2の部品とを備えることに留意されたい。
【0035】
さらに、この構成では、刻印5は、外部部品要素4が文字盤である場合、アップリケな
どの3次元要素10の可視部分を形成し、その部品のための外部部品要素4の対応するゾ
ーン6は、このアップリケの脚部23a,23bを使用して、文字盤との、このアップリ
ケの連結部分を形成するのに役立つことが理解される。
【0036】
すでに述べたように、この金型2では、第2の部品8bは、支持プレート3の組立面と
、および/または、外部部品要素4の隠蔽面21bと、可逆的に組み立てられるように設
けられている。この第2の部品8bは、第1の端部で注入デバイス11に、第2の端部で
支持プレート3の外部部品要素4の各貫通開口部18aに接続された、前記少なくとも1
つの注入可能材料の注入回路9を備える。システム1が、前記金型2を排気するためのデ
バイス15を設けられている場合、一端において外部部品要素4の貫通開口部18aに、
また、他端においてこの排気デバイス15に接続された第2の部品8bの本体内に真空回
路を画定することができ、前記デバイス15は、金型2の各キャビティ7内に空気空間を
生じさせることができることに留意されたい。この構成では、第2の部品8bの機能のう
ちの1つの機能は、材料を注入するために、注入可能材料の、貫通開口部18aへのルー
ティングを提供し、適用可能な場合、金型2のキャビティ7を排気するのに役立つことが
理解される。
【0037】
このシステム1において、外部部品要素4上にオーバモールドされた3次元要素10の
ブランク20上に、コーティングを適用するためのデバイス12は、金属のタイプの装飾
的材料、および/または、機能的材料を備えるコーティングを、この3次元要素10のブ
ランク20の外面24に適用/堆積することができる。そのようなデバイス12は、この
装飾的材料および/または機能的材料を放出するための機関、および/または、そのよう
な材料を気化させるための機関、および/または、そのような材料を含むコーティング/
フィルムを気化させるための機関を特に設けられた印刷モジュールを備えることができる
。気化機関は、直流カソードスパッタリング機関、または頭字語HIPIMSとしてよく
知られている高出力インパルスマグネトロンスパッタリング機関であり得ることに留意さ
れたい。ブランク20上に、コーティングの「高温転写」と呼ばれるものなど、他の技法
を使用できることに留意されたい。
【0038】
このシステム1において、装飾的材料は、インクから、または金属または金属合金から
形成することができる。この装飾的材料は、この3次元要素10のブランク20に適用さ
れることによって、3次元要素10の視覚的外観を変更するのに役立つ。機能的材料に関
しては、たとえば、
- 半導体または絶縁性である電気伝導性、
- 半導電性、
- エレクトロルミネッセンス、
- フォトルミネッセンス(たとえば、紫外線への反応)、
- 燐光、
- 「Xクロミズム」(フォトクロミック、エレクトロクロミック、サーモクロミック
、イオノクロミック、メカノクロミックなど)、
- 電気活性化、
- 磁気、
- などに関連付けられる物理的および/または化学的な機能特性を3次元要素10に
与えることが意図される。
【0039】
このシステム1では、注入可能材料は、たとえば、有機および/または複合材料、また
は金属またはセラミック材料、または熱変形性、熱硬化性、または熱可塑性材料である。
例として、この材料は以下の要素、すなわち、
- SLN(燐光)タイプの荷電プラスチックおよび着色および/または蛍光顔料、
- 着色顔料の有無に関わらず、セラミックを充填したポリマ、
- アルミニウム粉末、金属粉末などの金属/光沢外観を与えるための添加剤、
- (技術的な理由または化学/ガルバニックまたは他の後処理のために)ポリマを導
電化するための添加剤、
- 素材(真珠層、石など)を模した審美的な仕上げを与える添加剤、
- 特定の機械的特性および/またはトライボロジ特性を与える添加剤、
- 「Bulk Metallic Glass」の頭字語でよく知られているBMG
、
- ステンレス材料、
- 焼結可能金属材料、
- セラミック、
- シリコン、および/または
- これら要素の互いとの1つまたは別の組合せ、またはそれらいくつかの互いとの組
合せを備えることができる。
【0040】
この構成では、そのようなシステム1は、外部部品要素4の可視面21a上に同時にオ
ーバモールドされるいくつかの3次元要素10を製造することを可能にできることが理解
される。この目的のために、第1の部品8aは、いくつかの刻印5を備え、特に、外部部
品要素4を使用して、この外部部品要素4の可視面21a上にオーバモールドされた一連
の3次元要素10を取得するのに役立つ。あるいは、第1の部品8aは、外部部品要素4
の可視面21a上にオーバモールドされた3次元要素10のブランクに対して単一の刻印
5を備えることができることが理解される。
【0041】
図3を参照して示すように、このシステム1は、計時器100の外部部品要素4の可視
面21a上に、前記少なくとも1つの3次元要素10を生成するためのプロセスを実施す
る。
【0042】
そのようなプロセスは、外部部品要素4を備える支持プレート3を設計するステップを
備える。前記ステップは、支持プレートブランクの本体の厚さ内に、いくつかの貫通孔を
生成するサブステップを備え、前記貫通孔は、そのようなプレートブランクに、外部部品
要素4の縁部を画定する。この構成では、外部部品要素4は、2つの貫通孔の間におのお
の含まれるこのプレートの部品によって、ブランクプレートの本体の残りに保持される。
【0043】
次に、この設計ステップは、外部部品要素4の厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部
18aを作成するサブステップを備え、前記貫通開口部18aは、入口オリフィスの中心
と、出口オリフィスの中心とを互いに相互接続するその回転軸Aに沿って可変断面を備え
る。貫通開口部18aのそのような構成は、この貫通開口部18aに含まれる注入可能材
料によって形成される3次元要素10の脚部23aの形状を画定することに寄与する。し
たがって、この脚部23aは、特に、この3次元要素10を、外部部品要素4の本体に固
定するような形状に構成される。さらに、そのような開口部18aは、外部部品要素4の
隠蔽面21bを、金型の第2の部品8bを受け入れる面に後で接続するために設けられる
ことに留意されたい。
【0044】
この設計ステップは、その後、この外部部品要素4の上面に少なくとも1つのコーティ
ングを適用するサブステップを備える。この上面は、この設計ステップの後に支持プレー
トにおいて取得される外部部品要素4の可視面に対応することに留意されたい。このサブ
ステップ中に、この可視面上にいくつかのコーティングを適用できる。
【0045】
次に、この設計ステップは、外部部品要素4の厚さ内に、少なくとも1つのブラインド
開口部18bを作成するサブステップを備え、前記ブラインド開口部18bは、注入可能
材料の入口オリフィスの中心と、この開口部の底部の中心とを互いに相互接続するその回
転軸Bに沿って可変断面を備える。ブラインド開口部18bのそのような構成は、このブ
ラインド開口部18bに含まれる注入可能材料によって形成される3次元要素10の脚部
23bの形状を画定することに寄与する。したがって、この脚部23bは、特に、この3
次元要素10を、外部部品要素4の本体に固定するような形状に構成される。
【0046】
そのようなプロセスは、製造される前記少なくとも1つの3次元要素10に対して少な
くとも1つの元の部品を使用して、第1の部品8aに少なくとも1つの刻印5を準備する
ステップ30を備える。このステップ30は、生成する3次元要素10と同数の刻印5を
生成するのに役立ち、そのような刻印5は、同じ外部部品要素4上にオーバモールドされ
ると理解される。このステップ30は、「マスタ」とも呼ばれる元の部品からの刻印5の
生成を提供する。この元の部品は、生成される3次元要素10の形状と同様の形状を有す
る。このステップ30の実施は、生成されるべき刻印5と同数の元の部品を必要とするこ
とに留意されたい。
【0047】
これに関連して、準備ステップ30は、リソグラフィ技法を使用して実施された前記元
の部品を設計するサブステップ31を備える。このリソグラフィ技法は、ここでは詳細に
説明されない先行技術から知られている以下の技法、すなわち、紫外光投影リソグラフィ
、DUV投影光リソグラフィ、液浸リソグラフィ、二重露光リソグラフィ、極紫外線リソ
グラフィ、ナノインプリントリソグラフィから選択される。
【0048】
次に、この準備ステップ30は、元の部品のネガ形状を再生することによって外部部品
要素4を生成することを目的として、元の部品を複製するサブステップ32を備える。特
に、このサブステップ32は、ここでは詳細に説明されない先行技術から知られているN
iシムまたはBMG(「Bulk Metallic Glass」の頭字語)技法の実
施を提供する。
【0049】
その後、プロセスは、外部部品要素4を備える支持プレート3の金型2における配置ス
テップ33を含み、前記金型2は、第1の部品8aおよび第2の部品8bの可逆的組立て
によって形成される。このステップ33の間、支持プレート3は、これら第1の部品8a
および第2の部品8bの可逆的組立てによって画定される台に配置される。そのような配
置ステップ33は、この外部部品要素4を備える支持プレート3との第2の部品8bの可
逆的組立サブステップ34を備える。このサブステップ34は、この第2の部品8bに配
置された注入回路9の一端と、外部部品要素4の貫通開口部18aの入口オリフィスとの
接続段階35を備える。そのようなサブステップ34は、この第2の部品8bに配置され
た注入回路9の端部と、外部部品要素4に画定された貫通開口部18aとの間、特にこの
開口部18aの入口オリフィスとの間の最適な接続を行うのに役立つ。この回路9は、外
部部品要素4が備える、貫通開口部18aの入口オリフィスと、同数の端部を含むことが
理解される。入口オリフィスは、外部部品要素4の隠蔽面21bに含まれることに留意さ
れたい。そのような配置ステップ33はまた、少なくとも1つの刻印5を含む第1の部品
8aを、外部部品要素4の可視面21aに関連付けることによって、この金型2に、少な
くとも1つのキャビティ7を形成するサブステップ36を備える。各キャビティ7は、3
次元要素10のブランク20の準備/形成のために画定されることに留意されたい。言い
換えれば、金型2のこのキャビティ7は、金型2の第1の部品8aの少なくとも1つの刻
印5を、この金型2の外部部品要素の可視面21aに関連付けることによって形成される
ことにより、ここで生成される3次元要素10のブランク20の体積および形状に対応す
る空間を画定する。
【0050】
次に、プロセスは、外部部品要素4の可視面21a上における3次元要素10に対して
、前記少なくとも1つのブランク20を構築するステップ37を備える。このステップ3
7は、キャビティ7の入口オリフィスを設けられた前記外部部品要素4に配置された貫通
開口部18aを介して、注入可能材料を前記キャビティ7に注入することによるオーバモ
ールドサブステップ38を備える。このサブステップ38の目的は、外部部品要素4の可
視面21aの対応するゾーン6において、3次元要素10のブランク20のオーバモール
ドを実行することである。そのようなサブステップ38は、この材料を注入するためのデ
バイス11から、注入可能材料のこのキャビティ7への注入段階39を備える。これに関
連して、注入デバイス11からの注入可能材料は、第2の部品8bに画定された注入可能
材料の注入回路9と、この注入可能材料の注入回路9をキャビティ7へ接続する外部部品
要素4に含まれる貫通開口部18aとを通過することによって、前記キャビティ7へ導入
される。したがって、注入可能材料は、その後、3次元要素10のこのブランク20を形
成することを目的として、刻印5に面して配置された外部部品要素4の可視面21aの対
応するゾーン6をオーバモールドすることによって、キャビティ7に画定された全容積を
占有する。
【0051】
そのようなオーバモールドステップ38は、以下の段階、すなわち、
- このキャビティ7に注入可能材料を注入する段階39を実行する前に、前記キャビ
ティ7を排気する段階40、および/または、
- 特に、キャビティ7へ注入可能材料を注入する段階39の開始前から、この材料の
注入段階39の終了までに至る期間中、またはこの注入段階39のこの終了後、キャビテ
ィ7の温度を調節する段階41を備えることができる。
【0052】
排気40および温度調節41のそのような段階は、このブランク20の可視外面に存在
可能なあらゆる欠陥の存在を除去するために、外部部品要素4におけるオーバモールド中
に、3次元要素10のブランク20の構造均一性を確保することを目的としている。その
ような欠陥は、たとえば、ブランク20の可視外面上の溶接線の存在からなり、キャビテ
ィ7内への注入可能材料の2つの流れの合流後に形成される。そのような溶接線は、6,
8,または0の数字の形状を有するアップリケに関して、3次元要素10のブランク20
に存在することが多い。
【0053】
排気段階40の実施中、キャビティ7内に存在する流体、たとえば、空気などの気体は
、注入段階39を実行する前にキャビティ7から排出される。
【0054】
キャビティ7の温度調節段階41を実行するとき、キャビティ7内の温度は、注入段階
39を実行する前に、この材料を注入するためのデバイス11からの注入可能材料の温度
よりも高いか、または実質的に高い温度に加熱される。その後、注入可能材料の注入段階
39が実行される、すなわち完了すると、キャビティ7は直ちに冷却される。
【0055】
次に、プロセスは、3次元要素10の前記少なくとも1つのブランクの仕上げステップ
42を備える。このステップ42は、外部部品要素4上にオーバモールドされたこの3次
元要素10の前記ブランク20へ、コーティングを適用するサブステップ43を備える。
そのような適用サブステップ43は、この仕上げステップ42の以下のサブステップ、す
なわち、
・金型2の第2の部品8bから第1の部品8aを取り外すサブステップ44、または
・この外部部品要素4の可視面上にオーバモールドされた3次元要素10の前記少なく
とも1つのブランク20を設けられた外部部品要素4を備える支持プレート3から、前記
金型2を除去するサブステップ45を実行した後に実施される。
【0056】
実際、これら2つのサブステップ44,45の一方または他方の後、適用サブステップ
43は、この外部部品要素4上にオーバモールドされた3次元要素10の各ブランク20
の可視外面上への装飾的材料および/または機能的材料の堆積段階46を備える。たとえ
ば、この堆積段階46は、金属組成物を備える装飾的材料のブランク20の、この外面に
おける適用を提供できる。その後、そのような堆積段階46は、頭字語HIPIMSでよ
く知られている、直流カソードスパッタリングまたは高出力インパルスマグネトロンスパ
ッタリングを実施する技術にしたがって実行できる。
【0057】
金型2の第2の部品8bから第1の部品8aを取り外すサブステップ44に続いて適用
サブステップ43が実行される場合、堆積段階46は、金型2の第2の部品8bにまだ適
合/固定されている支持プレート3を用いて実行されることに留意されたい。さらに、こ
の文脈では、この堆積段階46に続いて、プロセスは、金型2からの支持プレート3の除
去サブステップ45の実施を提供する。
【0058】
このプロセスでは、除去サブステップ45は、3次元要素10のブランク20または3
次元要素10を備える、支持プレート3および/または外部部品要素4を、第2の部品8
bへ連結する注入点22を破壊する段階47を備える。この段階47は、第2の部品8b
に対するこのプレートの回転運動または並進運動を引き起こすことを目的として、この外
部部品要素4を備える支持プレート3に力を加え、したがって、この注入点22の破壊を
引き起こすサブ段階48を備える。注入点22が破壊されると、貫通開口部18aに形成
された3次元要素10の脚部の基部は、外部部品要素4の隠蔽面21bと実質的に同じ高
さになるか、または、この隠蔽面21bと厳密に同じ高さになることに留意されたい。
【0059】
支持プレート3が、この第2の部品8bから除去されると、計時器に取り付けるために
、または、次に、残りの可視面21a上に、すなわち、3次元要素10によって隠蔽され
ていないこの面21aの部分に、コーティング層を適用することによって仕上げるために
、外部部品要素4が、支持プレート3から分離される。
【0060】
さらに、上述したように、各外部部品要素4は、いくつかの3次元要素10を備えるこ
とができ、これら条件下では、3次元要素10と同数の注入点22を備えることができる
ことに留意されたい。
【0061】
したがって、本発明は、計時器の外部部品要素4の可視面21a上に、少なくとも1つ
の3次元要素10を生成するのに役立つ。
【符号の説明】
【0062】
1 システム
2 金型
3 支持プレート
4 外部部品要素
5 刻印
6 ゾーン
7 キャビティ
8a 第1の部品
8b 第2の部品
9 注入回路
11 注入デバイス
12 適用デバイス
13 設計デバイス
14 準備デバイス
15 排気デバイス
16 調節デバイス
17 配置デバイス
18 貫通開口部
18a 貫通開口部
18b ブラインド開口部
19 スプルー
20 ブランク
21a 可視面
21b 隠蔽面
22 注入点
23a 脚部
23b 脚部
24 外面
30 準備ステップ
31 設計サブステップ
32 複製サブステップ
33 配置ステップ
34 可逆的組立サブステップ
35 接続段階
36 形成サブステップ
37 構築ステップ
38 オーバモールドサブステップ
39 注入段階
40 排気段階
41 温度調節段階
42 仕上げステップ
43 適用サブステップ
44 取外しサブステップ
45 除去サブステップ
46 堆積段階
47 破壊段階
48 破壊サブ段階
100 計時器
A 長手方向軸、回転軸
B 長手方向軸、回転軸
S1 軸方向断面
S2 軸方向断面
S3 軸方向断面
S4 軸方向断面
【外国語明細書】