(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042262
(43)【公開日】2025-03-27
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 21/22 20060101AFI20250319BHJP
G01G 17/00 20060101ALI20250319BHJP
G01G 19/414 20060101ALN20250319BHJP
【FI】
G01G21/22
G01G17/00 C
G01G19/414 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149165
(22)【出願日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】權 俊顯
(72)【発明者】
【氏名】山田 敦
(72)【発明者】
【氏名】横野 周作
(57)【要約】
【課題】計量販売において想定される種々の場面における、設置性、使用性、メンテナンス性等を向上させた計量装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の計量装置Cは、表示部を含む筐体10と、物品を計量する計量部150と、物品を一時的に貯留する貯留部6と、を備え、筐体10の一部は開放可能であり、貯留部6は、筐体10の一部が開放されることにより筐体外に取出し可能に構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を含む筐体と、
物品を計量する計量部と、
物品を一時的に貯留する貯留部と、
を備え、
前記筐体の一部は開放可能であり、
前記貯留部は、前記筐体の一部が開放されることにより筐体外に取出し可能である
ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記筐体の一部は前記表示部であり、前記表示部が回動することにより前記筐体の一部が開放される
ことを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記筐体の底面には、左右一対の高さ調整機能を有する調整脚と、前記左右一対の水平調整脚の後方に配置される所定の基準高さに設定された固定脚とが設けられ、
前記左右一対の調整脚と前記固定脚とは、前記調整脚の各中心と前記固定脚の中心とを結ぶ各線分が、三角形状をなすように配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の計量装置。
【請求項4】
水平器を更に備え、
前記水平器は、前記表示部が解放されることにより露出可能となる
ことを特徴とする請求項3に記載の計量装置。
【請求項5】
前記貯留部の開口部を覆うカバー体を備え、
前記筐体は、前記カバー体を所定位置に案内する案内部を有する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項6】
前記案内部は、
側面視略半円弧形状をなす左右一対の第1案内部材と、
前記第1案内部材の後端から所定間隔離隔した後方位置に設けられるとともに、前方に下り傾斜する斜面を備えた第2案内部材と、を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の計量販売に使用される計量装置、及び、同計量装置を含む商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー豆、小豆、大豆等の粒状物を所定量ずつ払い出すための粒状物払出し装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される従来技術は、貯留部に貯留された所定量の粒状物を受け入れる開口部と受け入れた所定量の粒状物を払い出すための払出口を備えたケーシング内に、所定量の粒状物を受け取るための粒状物受取り部を、開口部に位置する受取位置と、払出口に位置する払出位置とに渡って移動自在に設けて粒状物払出し装置を構成するものである。
しかし、上記従来技術は、計量販売において想定される種々の場面における、設置性、使用性、メンテナンス性等に十分対応しておらず、改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みて、計量販売において想定される種々の場面における、設置性、使用性、メンテナンス性等を向上させた計量装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計量装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
表示部を含む筐体と、物品を計量する計量部と、物品を一時的に貯留する貯留部と、を備え、前記筐体の一部は開放可能であり、前記貯留部は、前記筐体の一部が開放されることにより筐体外に取出し可能であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る商品販売システムの一例を示す斜視概要図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る計量装置を物品供給装置に組付けた外観を示す斜視概要図である。
【
図3】同物品供給装置を分解した様子を示す斜視概要図である。
【
図4】同計量装置におけるカバー体を取り外した状態の外観を示す斜視概要図である。
【
図5】同計量装置を分解した様子を示す側面概要図である。
【
図6】同計量装置における貯留部を取り外した状態の外観を示す斜視概要図である。
【
図7】
図7(a)は、同計量装置を斜め下方から見た斜視概要図であり、
図7(b)は、同計量装置を下方から見た底面概要図である。
【
図8】
図8(a)は、同計量装置の筐体本体部を斜め下から見た外観を示す斜視概要図(一部拡大図を含む)であり、
図8(b)は、同筐体本体部を上側から見た平面概要図である。
【
図9】
図9(a)は、同計量装置の前壁部を裏面側から見た斜視概要図であり、
図9(b)は、同計量装置の前壁部を裏面側から見た概要図である。
【
図10】
図10(a)は、同計量装置におけるカバー体を取り外した状態を斜め上から見た斜視概要図であり、
図10(b)は、同計量装置へのカバー体の取り付け状態を説明する側面概要図(一部拡大図を含む)である。
【
図11】
図11(a)は、本発明の実施形態に係る計量装置を含む商品販売システムのシステム構成図であり、
図10(b)は、同計量装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図12】同商品販売システムの機能ブロックを示す図である。
【
図13】
図13(a)は、本発明に係る他の計量装置のカバー体を取り外した状態を斜め上から見た斜視概要図であり、
図13(b)は、同他の計量装置へのカバー体の取り付け状態を説明する側面概要図(一部拡大図を含む)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る計量装置、及び、同計量装置を含む商品販売システムの一例を説明する。
(商品販売システム)
図1は、本発明の実施形態に係る商品販売システムの一例を示す斜視概要図である。
図1に示すように、商品販売システムAは、物品供給装置Bと、計量装置Cと、情報処理装置Dとを含み構成される。商品販売システムAは、重量を計量して販売される物品(以下、商品と称する場合もある)を取り扱う店舗(例えば、スーパーマーケット等)に導入される。この商品販売システムAは、例えば、
図1に示すように、店舗内の棚Eに配置される。
以下、商品販売システムAを構成する物品供給装置B、計量装置C及び情報処理装置Dについて説明する。
【0009】
<物品供給装置>
図2は、本発明の実施形態に係る計量装置を物品供給装置に組付けた外観を示す斜視概要図である。
図3は、同物品供給装置を分解した様子を示す斜視概要図である。
物品供給装置Bは、
図2に示すように、計量装置Cの上方に組み付けられた状態で配置され、計量装置Cに物品(商品)を供給するように機能する。物品供給装置Bは、
図3に示すように、物品収容部1、物品放出部2、及び支持部3を含み構成されている。
【0010】
[物品収容部]
物品収容部1は、計量装置Cに供給する物品を収容保管するものである。物品収容部1に収容された物品は、物品放出部2を介して、計量装置Cに放出(供給)される。この物品収容部1は、
図3に示すように、物品収容部1の口部1aを係脱自在に固定支持する略円筒状の取付枠4aを有するジョイント部4を介して、物品放出部2に接続される。
【0011】
物品収容部1の上部には、上方に開口する上部開口(不図示)が形成されており、この上部開口により物品の補充や詰め替えが可能に構成されている。この上部開口には、螺合式の蓋体1bが取り付けられる。
また、物品収容部1の口部1aには、下方に開口する下部開口(不図示)が形成されており、物品収容部1に収容されている物品は、この下部開口を通して下方に配置された物品放出部2に移送される。
【0012】
なお、物品収容部1の構成は、上記の例に限定されない。例えば、そのままの格好で卸売りがされる流通容器(例えば、仕入れたバルク商品)を、ジョイント部4を介して取り付けるように構成してもよい。この場合、流通容器の口部に対応した取付枠4aを有するジョイント部4を使用すればよい。
【0013】
[物品放出部]
物品放出部2は、物品収容部1からの物品を計量装置Cに放出(供給)する機能を有するものであり、操作者(使用者)の操作により、所定量の物品が切り出されて計量装置Cに放出(供給)される。この物品放出部2は、
図3に示しように、筒状の本体21と、ジョイント部4を支える接続部22と、物品案内部23と、操作者が回転操作を行うための第1操作部材24と、この第1操作部材24の回転操作に連動して回動する物品切り出し部25と、を備えている。
【0014】
本体21は、略円筒状に形成されており、その内部には、物品を切り出すための物品切り出し部25が設けられている。また、本体21の上部には、接続部22を支持する支持部材21aが形成され、また、本体21の下部には、切り出された物品を計量装置C側に放出する放出口21bが形成されている。
【0015】
本体21は、例えば、透明の合成樹脂材から形成され、内部が視認できるスケルトン構造とされている。したがって、本体21の内部に配置された物品切り出し部25の可動状態等が視認可能に構成されている。
【0016】
接続部22は、物品収容部1が取り付けられたジョイント部4を下方から支持するとともに、本体21の上部に設けられた支持部材21aに接続される。
また、接続部22の下面には、ブラケット22aを介して一対の物品案内部23が設けられている。
【0017】
一対の物品案内部23は、物品収容部1から送出される物品をこぼれないように物品切り出し部25に案内する部材であり、物品案内部23の幅は、物品切り出し部25の前後方向開口部の長さよりも長くされ、物品がこぼれないようにされている。
また、物品案内部23の上下方向長さは、物品切り出し部25の周壁を覆うような長さに設定されている。
【0018】
物品案内部23は、例えば、シリコーン部材や、エラストマー樹脂で形成されており、物品に傷を与えたりすることなく、防汚性に優れている。ただし、エラストマー樹脂など、同様の弾性や軟性を有する素材で、物品案内部23を形成してもよい。さらに、物品案内部23の表面に粗面処理を施し、その表面に、例えば、コーヒー豆といった物品が貼り付き難くするように構成してもよい。
【0019】
物品切り出し部25は、略円筒状のドラム形状に形成されており、周壁の一部に物品を受け入れる受け入れ開口25aが形成されている。この物品切り出し部25は、本体21の内部に水平軸回りに回転(回動)可能に構成されており、第1操作部材24の操作に伴い、回転するように構成されている。
【0020】
第1操作部材24の操作により、物品切り出し部25の受け入れ開口25aが上側に位置した状態で物品が受け入れられ、また、受け入れ開口25aが下側に位置した状態で物品が放出するように構成されている。この物品切り出し部25は、例えば、擦り切れ一杯で、所定量の物品(例えば、コーヒー豆30gに相当する容量)を収容するように設定されている。
【0021】
また、物品切り出し部25のうち、少なくとも一部は、透明の合成樹脂材から形成され、内部が視認できるスケルトン構造とされており、物品切り出し部25の回転動作の様子が見えるように構成されている。
【0022】
第1操作部材24は、本体21内部に配置された物品切り出し部25を回転(回動)させるように機能する。第1操作部材24の軸部24aの端部が物品切り出し部25の側面25bに連結されており、第1操作部材24を回転操作することで、物品切り出し部25が水平軸回りに回転(回動)可能に構成されている。つまり、この第1操作部材24の操作により、物品切り出し部25は、受け入れ開口25aを上側に位置した状態と、受け入れ開口が下側に位置した状態とに回転(回動)することができ、所定量の物品が放出可能となっている。
【0023】
第1操作部材24の操作に伴う回転は、例えば、ラチェット機構により、一方向にのみ回転するものである。爪・歯車タイプ、ランニング・フェースラタイプ等の形式を用いることができるが、一方向回転を実現できるのであれば、ラチェットだけでなく任意の機構を採用し得る。
【0024】
[支持部]
支持部3は、物品放出部2を支持する部材であり、計量装置Cに着脱自在に設置される。この支持部3は、支持アーム31と、支持アーム31を支持するとともに計量装置Cに着脱自在に取り付けられる支持脚32とを含み構成される。
支持アーム31は、物品放出部2の上部部分である接続部22の縁を一対のアーム部材31aで抱えるようにして支持する。また、支持脚32の下端部は、計量装置Cに着脱自在に取り付け固定される。
【0025】
なお、
図3には、物品供給装置Bを分解した図が示されているが、使用時には、
図2に示すように、各構成部品は組付けられた状態で計量装置Cの上方に配置される。また、ジョイント部4を介して一体的に接続された物品収容部1と物品放出部2とは、一体として、支持部3の支持アーム31から取り外すことができる。具体的には、物品放出部2を上方向に少し移動させてから、水平方向前方へ引き出すことで簡単に取り外しを行うことができる。
【0026】
<計量装置>
次に、計量装置Cついて説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る同計量装置におけるカバー体を取り外した状態の外観を示す斜視概要図である。
図5は、同計量装置を分解した様子を示す側面概要図である。
図6は、同計量装置における貯留部を取り外した状態の外観を示す斜視概要図である。
図7(a)は、同計量装置を斜め下方から見た斜視概要図であり、
図7(b)は、同計量装置を下方から見た底面概要図である。
【0027】
計量装置Cは、物品供給装置Bの下方に配置されており、物品供給装置Bより供給された物品(商品)を計量するように機能する。計量装置Cは、
図5に示すように、フレーム構造(骨格構造)として、カバー体5と、貯留部6と、上側筐体7、下側筐体8及び前壁部9を有する筐体10と、放出案内体11と、左右一対の調整脚12と、固定脚13と、を有する。
また、筐体10の内部には、後述する制御部100(CPU)、記憶装置(ROM110、RAM120)、通信部140及び重量検出部150等が配設される。
【0028】
[カバー体]
カバー体5は、
図4に示すように、略水平状に延びる板状の上壁51と、上壁51の前後の端縁よりそれぞれ下方に延びる板状の前壁52及び後壁53と、上壁51の左右の端縁よりそれぞれ下方に延び、且つ、前壁52及び後壁53の左右の端縁にそれぞれ連接される板状の左右の側壁54と、を含み構成されている。
このカバー体5は、計量装置Cの上側筐体7の第1開口部7a(
図6参照)とともに、貯留部6の受入れ開口6a(開口部)を覆うように被せられる。
【0029】
カバー体5の上壁51には、その前後方向略中央部に上下に貫通する貫通孔51aが形成されるとともに、この貫通孔51aの周縁には、上方の延びる円筒状の受け枠51bが形成されている。この受け枠51bに、物品供給装置Bの本体21の放出口21b(
図3参照)が挿通状態で受け入れられる。本体21の放出口21bから放出(供給)される物品は、貫通孔51aを通して計量装置Cの貯留部6に供給される。
【0030】
カバー体5は、例えば、透明の合成樹脂材から形成され、内部が視認できるスケルトン構造とされている。したがって、カバー体5と、筐体10に配置された貯留部6の受入れ開口6aとの配置関係を視認できるため、カバー体5が貯留部6に当接(接触)していないかどうかを容易に確認することができる。
したがって、例えば、カバー体5と貯留部6とが接触した状態で計量処理がなされること(不正確な計量処理となる。)を防止することができ、重量検出部150(計量部)による計量処理を正確に行うことができる。
【0031】
[貯留部]
貯留部6は、筐体10に着脱自在に設置される。貯留部6は、
図5及び
図6に示すように、上側に受入れ開口6aを有するとともに、下側に開閉部材61により開閉可能となる放出開口(不図示)を有し、下窄まりの筒状に形成されている。この貯留部6は、物品供給装置Bから供給された物品を計量するために、物品を一時的に貯留するように機能する。
【0032】
受入れ開口6aは、物品供給装置Bから供給(放出)された物品を受け入れる開口部である。また、放出開口(不図示)は、受入れ開口6aによって受け入れた物品を開放する開口部であって、受入れ開口6aよりも開口幅が狭く形成されている。
【0033】
放出開口(不図示)は、開閉部材61によって開閉可能に構成されており、この開閉部材61は、前壁部9に設けられた第2操作部材95(
図4参照)の操作(上下方向の移動)に連動する操作伝達部材62により開閉される。
具体的には、
図5の実線で示すように、操作伝達部材62が上側位置(初期位置)にあるときには、開閉部材61は、放出開口(不図示)を覆う位置(放出開口を閉じた位置)に位置し、
図5の点線で示すように、操作伝達部材62が第2操作部材95の操作に連動し押し下げられると、放出開口を開放する位置(放出開口を開けた位置)に位置するように構成されている。
【0034】
また、貯留部6の左右の側面には、係合突起63(図示例では2つ)が設けられており、この係合突起63が重量検出部150(計量部)の左右一対の支持体151(
図6(b)参照)に形成された支持凹部151aに支持されることで、貯留部6に一時貯留された物品の重量が計量される。つまり、貯留部6の係合突起63が重量検出部150の支持体151に支持された状態において、貯留部6と貯留部6に一時貯留された物品の全重量が重量検出部150によって検出(計量)されるように構成されている。
【0035】
また、貯留部6の係合突起63は、重量検出部150の支持体151に形成された支持凹部151aに係脱自在に支持されており、貯留部6は筐体10から着脱可能に構成されている。
なお、貯留部6に設けられる係合突起63の設置数や設置位置は、上記の例に限定されない。また、重量検出部150の支持体151に設けられる支持凹部151aは、貯留部6の係合突起63と係合して支持可能に構成されればよく、その形状は任意である。
【0036】
[筐体]
筐体10は、
図4~
図6に示すように、前壁部9と、上側筐体7と、下側筐体8と、を含み構成され、略直方体状(略箱状)に形成されている。この筐体10の内部空間には、後述する制御部100(CPU)や、記憶装置(ROM110、RAM120)や、通信部140や、重量検出部150等が配設される。
【0037】
〔筐体本体部(上側筐体、下側筐体)〕
上側筐体7及び下側筐体8は、筐体10における筐体本体部を構成する。上側筐体7は、左右両側の上側側壁部71と、後側の上側後壁部72と、上側の上壁部73と、を有する。また、下側筐体8は、左右両側の下側側壁部81と、後側の下側後壁部82と、下側の底壁部83と、を有する。
【0038】
上側筐体7と下側筐体8とは、左右両側の上側側壁部71と左右両側の下側側壁部81とが略面一となるように上下に重ねて配置されるとともに、適宜な止着具(例えば、ネジ等の固定手段や、係止部と被係止部等の係止手段)により着脱自在に組み付けられる。これら上側筐体7と下側筐体8とは、両者が上下に重ねて組み付けられることで筐体本体部を構成する。筐体本体部の前側には、前側開口部10a(
図6参照)が形成され、この前側開口部10aを閉塞あるいは開放するように前壁部9が回動可能に設けられる。
上側筐体7及び下側筐体8は、例えば、合成樹脂材を成形することにより、あるいは、金属板を折り曲げ加工することにより形成することができる。
【0039】
〔上側筐体〕
上側筐体7の上壁部73には、上下に貫通する第1開口部7a(
図6、
図8参照)及び第2開口部7b(
図4、
図8参照)が形成されている。
第1開口部7aは、平面視略矩形状をなし、上壁51の左右方向の一部分である一対の上壁片部73aを残して、上壁部73の略中央位置から前端に延びて形成されている。この第1開口部7aは、上側筐体7と下側筐体8とが組付けられた際、筐体本体部の前側開口部10aと繋がることで一体的な開口部を形成する。この一体的な開口部により、貯留部6を前後方向及び上下方向を含む各方向から取り外したり、装着することができる。
【0040】
第2開口部7bは、平面視略正方形状をなし、第1開口部7aに隣接してその後方側に形成されている。この第2開口部7bには、物品供給装置Bの支持脚32の下端部が差し込まれて支持される。
なお、
図6には、第2開口部7bを保護カバー74で覆っている状態が示されている。計量装置Cは、例えば、その上方に物品供給装置Bを配置することなく、単体としても使用することができ、その場合には、第2開口部7bは、着脱自在な保護カバー74により閉じられる。
【0041】
〔下側筐体〕
下側筐体8の底壁部83(
図7参照)には、上下に貫通する第3開口部8a(
図6参照)が形成されている。この第3開口部8aは、平面視略矩形状をなし、筐体10の前後方向前側の位置に形成されている。第3開口部8aは、貯留部6から送り出された物品を筐体10外に放出する開口をなす。また、第3開口部8aは、その周縁から下方に延びる平面視矩形枠状の枠部材84(
図5参照)が設けられている。この枠部材84は、放出案内体11の上部開口部11aを嵌合状態で取り付けるための取付枠として機能する。
【0042】
また、第3開口部8aの前側には、底壁部83の一部をなす前側下部部材83a(
図6参照)が設けられており、この前側下部部材83aには、水準器14(水平器)及び後述する回動機構をなす第1軸受部85(
図8参照)が設けられている。
【0043】
〔水準器〕
図6に示すように、下側筐体8の前側下部部材83aの上面には、計量装置Cの水平を目視によって確認する水準器14(水平器)が設置されている。この水準器14は、液体中に気泡が封入されており、気泡の位置によってその水平度が検出できる構成となっている。水準器14は、下側筐体8の前側下部部材83aの上面に設けられているので、前壁部9が起立した通常の使用状態では、計量装置Cの外表面に露出することがなく、水準器14を埃等から保護することができる。
【0044】
〔前壁部〕
前壁部9は、
図4に示すように、上方に位置する上面部材91と、左右の側方に位置する一対の側面部材92と、下方に位置する下面部材93と、前側に位置する前面部材94と、を含み構成され、略直方体状(略箱状)に形成されている。この前壁部9は、上側筐体7と下側筐体8とからなる筐体本体部の前方側に、後述する回動機構を介して回動可能に連結される。
【0045】
前壁部9は、起立した位置(
図4参照)と倒伏した位置(
図6参照)との間で回動可能に構成されており、起立した位置で筐体本体部の前側開口部10aを閉塞し、また、倒伏した位置で筐体10の前側開口部10aを開放するように構成されている。
【0046】
また、前壁部9は、計量装置Cの筐体10の一部を構成するとともに、表示部130を有する表示部として、あるいは、表示部130と第2操作部材95とを有する操作表示部として機能する。前壁部9の前面部材94には、
図4に示すように、複数の表示部130や、第2操作部材95が設けられている。
表示部130は、例えば、7セグあるいは液晶パネルで構成され、計量した物品の重量や、単価や、金額等の商品販売に係る各種情報が表示される。
【0047】
第2操作部材95は、例えば、操作者(使用者)が手指で操作できる操作レバーとして構成される。図示例においては、上方位置(初期位置)の第2操作部材95を下方に操作移動させると、操作レバーの移動に連動して貯留部6の操作伝達部材62が下方に押し下げられるとともに、ラック・ギヤ等の伝達機構(不図示)を介して開閉部材61が移動(スライド)し、貯留部6の放出開口(不図示)が開放される。
【0048】
〔放出案内体〕
放出案内体11は、
図5に示すように、上方に上部開口部11aを有するとともに、下方に下部開口部11bを有する下窄まりの筒状に形成されている。この放出案内体11は、下側筐体8の第3開口部8a周縁に設けられた枠部材84に嵌合状態で取り付けられることで、貯留部6から放出された物品を下方に案内する物品案内部として機能する。
放出案内体11は、上部開口部11aが第3開口部の枠部材84に外側から嵌り合うように嵌合されるとともに、不図示の係合手段(例えば、係合突部や係止爪と、係合凹部や係合孔との係合)により着脱自在に取り付けられる。
【0049】
また、放出案内体11は、例えば、透明の合成樹脂材から形成され、内部が視認できるスケルトン構造とされている。したがって、計量装置Cから放出される物品の放出状態を容易に視認することができる。
【0050】
なお、放出案内体11は、計量装置Cを棚Eに配置した際、棚Eの載置台(棚板)から前方に飛び出すよう配置され(
図1参照)、放出案内体11の下方に、商品販売用の容器(顧客が自ら用意した容器を含む)を位置させた状態で第2操作部材95を操作すると、その容器に物品が放出される。
【0051】
〔脚部〕
図7に示すように、下側筐体8の底面には、左右一対の調整脚12と、固定脚13とが設けられている。左右一対の調整脚12は、計量装置Cの長手方向(前後方向)の略中央位置であって、左右方向に所定間隔離隔して配置されている。この調整脚12は、例えば、略円板状に形成された接地部12aと、接地部12aの略中心から上方に伸びるネジ軸(不図示)とを含み構成されている。この調整脚12は、下側筐体8の底壁部83に形成されたネジ受け(不図示)に螺合されることにより取り付けられており、これを回転することで、その長さ(高さ)が調整(伸縮)でき、計量装置Cの水平度を調節することができる。
【0052】
固定脚13は、計量装置Cの長手方向(前後方向)の後部側の位置であって、左右方向の略中央に位置して配置されている。この固定脚13は、例えば、下側筐体8の底面から下方に延びる棒状に形成されている。固定脚13の高さは、所定の基準高さに設定されている。棚E等の設置部に配設される計量装置Cは、固定脚13の高さを基準として水平配置される。例えば、棚E等の設置部に、複数の計量装置Cを隣接して設置した場合、各計量装置Cの高さ位置は、この固定脚13の高さ(基準高さ)に規定される。
したがって、複数の計量装置Cを整然とした統一感のある設置が可能となる。
【0053】
また、左右一対の調整脚12と固定脚13とは、
図7(b)の二点鎖線に示すように、各調整脚12の各中心と、固定脚13の中心とを結ぶ各線分(3辺)が、例えば、略二等辺三角形状等の三角形状をなすように配置される。
したがって、計量装置Cは、固定脚13の高さを基準として、左右一対の調整脚12を調整することのみで水平度が調節できるため、所定の基準高さを維持した状態での水平度の調整が容易となる。
また、各調整脚12と固定脚13とは、各調整脚12の各中心と固定脚13の中心とを結ぶ各線分が三角形状をなすように配置されているので、計量装置Cを安定して設置することができる。
【0054】
[筐体本体部への前壁部の取付構造]
次に、筐体本体部への前壁部9の取付構造(回動機構、係止機構)について説明する。
図8(a)は、同計量装置の筐体本体部を斜め下から見た外観を示す斜視概要図(一部拡大図を含む)であり、
図8(b)は、同筐体本体部を上側から見た平面概要図である。また、
図9(a)は、同計量装置の前壁部を裏面側から見た斜視概要図であり、
図9(b)は、同計量装置の前壁部を裏面側から見た概要図である。
【0055】
〔回動機構〕
図8に示すように、下側筐体8の前側下部部材83aには、左右方向に離隔して複数(図示例では、2つ)の第1軸受部85が前側開口部10aから前後方向前側へ突出するように設けられている。この第1軸受部85は、例えば、円筒状に形成されており、連結ピン86を軸支するための左右方向に貫通する軸受孔(不図示)が形成されている。
なお、
図8には、第1軸受部85の軸受孔に連結ピン86を挿通した状態が示されている。
【0056】
また、
図9に示すように、前壁部9の下面部材93には、左右方向に離隔して複数(図示例では、4つ)の第2軸受部96が設けられている。この第2軸受部96は、左右一対の第2軸受部96を一組とし、各組の対をなす第2軸受部96が、筐体10に設けられた各第1軸受部85をそれぞれ左右方向から挟むように配置される。第2軸受部96は、例えば、円板状に形成されており、連結ピン86を軸支するための左右方向に貫通する軸受孔96aが形成されている。
【0057】
前壁部9の各組一対の第2軸受部96は、下側筐体8の各第1軸受部85を左右方向から挟むように配置され、第1軸受部85に形成された軸受孔(不図示)と、第2軸受部96に形成された軸受孔96aとに連結ピン86を挿通して軸支することで、前壁部9は、筐体10に対して回動可能に連結される。
なお、回動機構の構成は、上記の例に限定されず、公知の回動機構を採用することができる。
【0058】
〔係止機構〕
次に、前壁部9を筐体本体部(上側筐体7、下側筐体8)に係止する係止機構について説明する。係止機構は、前壁部9に設けられた係止部材97(
図9(a)参照)と、上側筐体7に設けられた被係止部材87(
図8(a)参照)とにより構成される。
【0059】
前壁部9は、筐体10に対して、前側開口部10aを閉塞する起立位置(
図4参照)で、係止機構により位置固定可能に構成される。前壁部9は、通常の使用状態では係止機構により筐体10に位置固定されて起立状態を維持するとともに、貯留部6を取り外す場合等の必要時には、係止機構の係止を解除して、前壁部9を倒伏位置(
図6参照)に回動させて前側開口部10aを開放することができる。
以下、係止機構の構造の例を説明する。
【0060】
筐体本体部の上側筐体7には、前壁部9に設けられた係止部材97を係止する被係止部材87が設けられている。この被係止部材87は、
図8(a)に示されているように、例えば、上側筐体7の左右の上壁片部73aにおける前端の下面に突出して設けられている。
被係止部材87は、側面視略直角三角形状に形成され、後端面87aは、略鉛直に切り立った面に構成されている。この後端面87aに前壁部9に設けられた係止部材97の略鉛直に延びる係止面97a(
図9(a)参照)が対向した状態で当接して係止される。
【0061】
また、被係止部材87の底面は、後端面87aの下端より前側に上り傾斜するテーパ状のガイド面87bに形成されている。倒伏状態の前壁部9を筐体本体部に対して起立させるように回動させた際、係止部材97の先端部97b(
図9(a)参照)は、被係止部材87のガイド面87b(
図8(a)参照)に案内される。
【0062】
また、
図8(b)に示すように、上側筐体7の左右の上壁片部73aには、被係止部材87の後端面87aに隣接して、上下に貫通する操作孔75が設けられている。前壁部9を回動させる場合、この操作孔75には、係止部材97と被係止部材87との係止状態を解除するための解除ピン(不図示)が挿通される。
具体的には、例えば、筐体10から貯留部6を取り外す場合や、計量装置Cの水平度を確認する場合等において、使用者(操作者)は、操作孔75に解除ピン(不図示)を挿通させて、係止機構の係止を解除することで、起立位置に位置固定されている前壁部9(
図4参照)を、倒伏位置(
図6参照)に回動させて、前側開口部10aを開放することができる。
【0063】
つまり、上側筐体7の被係止部材87に係止されている前壁部9の係止部材97は、操作孔75に挿通された解除ピン(不図示)により下方に押圧されて下方に移動(揺動)することで、被係止部材87の後端面87aと係止部材97の係止面97aとの係止が解除される。
したがって、この係止が解除された状態で、前壁部9を回動させて倒伏状態とするこができる。
【0064】
なお、前壁部9を筐体本体部(上側筐体7、下側筐体8)に係止する係止機構は、上記の例に限定されない。例えば、前壁部9と筐体本体部とを磁力による吸引力により磁気係止するように構成してもよい。
【0065】
[カバー体の案内機構(案内部)]
次に、筐体10に対するカバー体5の案内機構(案内部)について説明する。
図10(a)は、同計量装置におけるカバー体を取り外した状態を斜め上から見た斜視概要図であり、
図10(b)は、同計量装置へのカバー体の取り付け状態を説明する側面概要図(一部拡大図を含む)である。
【0066】
筐体10の上側筐体7には、カバー体5を前後方向後方側に案内する左右一対の第1案内部材76と、カバー体5を前後方向前側に案内する第2案内部材77と、からなるカバー体5の案内機構が設けられている。この案内機構は、カバー体5を所定の装着位置に案内する案内部として機能する。
【0067】
〔案内部(第1案内部材)〕
第1案内部材76は、
図6及び
図10(a)に示すように、上側筐体7の左右の上壁片部73aの後端に第1開口部7aを挟むように配置されている。第1案内部材76の後端76aの位置は、第1開口部7aの後端縁の位置と略同一か、あるいは、第1開口部7aの後端縁の位置よりもわずかに後方に位置している。
【0068】
この第1案内部材76は、側面視略半円弧形状をなし、かつ、上方に突出する板状に形成されている。第1案内部材76の上面は、略円弧状に湾曲した湾曲面をなし、カバー体5を装着する際に、カバー体5の後壁53の下端53aを前後方向後方側に案内する案内面として機能する。
また、この第1案内部材76は、側面視略半円弧形状の後端76aにおける接線が上壁部73の上面に対して略垂直をなすことから、所定の装着位置に装着されたカバー体5の前後方向前側への移動を抑制することもできる。
【0069】
なお、第1案内部材76の形状は上記の例に限定されない。カバー体5の後壁53を所定の位置に案内することのできる形状、構造であればよい。例えば、第1案内部材76の上面を、下方に下り傾斜となる斜面(平面)に形成してもよい。
【0070】
〔案内部(第2案内部材)〕
第2案内部材77は、
図6及び
図10(a)に示すように、上側筐体7の上壁部73に、第1開口部7aの後端縁に対向するように配置され、第1案内部材76の後端76aから所定間隔離隔した後方位置に設けられている。この第2案内部材77は、
図10(b)に示すように、側面視略直角三角形状をなす三角柱状に形成され、斜面77a(上面)が前後方向前側(前方)に下り傾斜するように設けられている。第2案内部材77の斜面77a(上面)は、カバー体5を装着する際に、カバー体5の後壁53の下端53aを前後方向前方側に案内する案内面として機能する。
なお、案内面としての下り傾斜する斜面77aは、平面状や、上側突状の円弧面状(湾曲面状)や、下側突状の円弧面状(湾曲面状)に形成することができる。
【0071】
また、
図10(b)に示すように、第1案内部材76の後端76aと第2案内部材77の前端77a1との前後方向の間隔は、カバー体5の後壁53の厚みと略同一か、あるいは僅かに大きく構成されているため、第1案内部材76や第2案内部材77により所定の装着位置に案内されたカバー体5は、後壁53の下端53aが第1案内部材76の後端76aと第2案内部材77の前端77a1との間で位置決めされた状態で安定して装着される。
【0072】
以上の構成によれば、計量装置Cにカバー体5を装着する場合、第1案内部材76や第2案内部材77によりカバー体5を円滑に装着位置に案内することができる。
また、カバー体5は、筐体10の所定の装着位置に位置決めされることから、装着されたカバー体5に予期しない振動や不用意な外力が生じても、カバー体5の後壁53が前方側にずれて貯留部6と干渉(当接)すること防ぐことができる。したがって、例えば、カバー体5と貯留部6とが接触した状態で計量処理がなされること(不正確な計量処理となる。)を防止することができ、重量検出部150(計量部)による計量処理を正確に行うことができる。
さらに、カバー体5の後壁53が前方側にずれて第1開口部7aの後方側に隙間(覆われてない部分)が生じることも防止できるので衛生的である。
【0073】
〔移動規制部〕
また、
図6及び
図10(a)に示すように、筐体10の上側筐体7には、カバー体5の前後方向前側への移動を規制する移動規制部78が設けられている。この移動規制部78は、第1開口部7aの後端に沿って上方に突出する突出壁として形成されている。この突出壁からなる移動規制部78は、上述した案内機構により所定の装着位置に案内されたカバー体5の前後方向前側への移動を防止するように機能する。
【0074】
計量装置Cの使用時に、カバー体5に不用意な外力が生じても、カバー体5の後壁53が移動規制部78により前側への移動が防止され、前側にずれて貯留部6と干渉(当接)すること防止することができる。なお、この移動規制部78は省いて構成してもよい。
【0075】
(計量装置及び情報処理装置の情報処理の構成)
次に、計量装置C及び情報処理装置Dの情報処理に係る構成について説明する。
図11(a)は、本発明の実施形態に係る計量装置を含む商品販売システムのシステム構成図であり、
図10(b)は、同計量装置のハードウェア構成を示す図である。
図12は、同商品販売システムの機能ブロックを示す図である。
【0076】
図11(a)に示されるように、商品販売システムにおいて、複数の計量装置Cがネットワークを通じて情報処理装置Dに接続される。図において、情報処理装置Dは一台として示されているが、複数台で構成することも可能である。ここで、ネットワークは店舗内LANであり、有線又は無線で接続されている。また、図示は省略するが、ストアコントローラ、POS、店員端末(取引状況管理装置:監視端末、モバイル端末など)が接続されてもよく、さらには、マスタ関連の処理がSaaS(Software as a Service)により実現されるように構成しても良い。
【0077】
計量装置Cは、
図11(b)に示されるように、制御部100(CPU)、ROM110,RAM120等の記憶装置、表示部130、通信部140、重量検出部150を備える。
制御部100(CPU)は、計量装置Cの各構成要素を統括的に制御する。制御部100は、例えば、制御用プログラムを実行することにより、計量装置Cの各機能をコンピュータに実現させる。ROM110は、制御用プログラムなどを記憶する。また、RAM120には、情報処理装置Dとの接続時や電源導入時に、商品取引に係る各種情報が記憶される。
【0078】
また、制御部100には、インターフェース回路を介して、前壁部9に設けられた表示部130が接続されるほか、通信部140及び重量検出部150が接続されている。
表示部130は、例えば、7セグあるいは液晶パネルで構成され、計量した物品の重量や、単価や、金額等の商品販売に係る各種情報が表示される。
【0079】
通信部140は、情報処理装置Dとの接続を実現する一又は複数の通信手段によって実現される。例えば、情報処理装置Dとの相互接続は、有線又は無線のLANによって実現される。なお、通信部140が有線LANによって実現される場合、計量装置Cの電源は、外部電源と接続する情報処理装置DからPOE(Power over Ethernet)給電によって確保してもよい。ただし、このことは計量装置Cが直接、外部電源と接続して、あるいは内部バッテリーによって給電することを妨げるものではない。
【0080】
重量検出部150は、物品供給装置Bから計量装置Cに供給された物品を、例えば、ロードセルによる重量検出方式で計量する計量部として機能する。この重量検出部150には、貯留部6が着脱可能に取り付けられており、これにより、重量検出部150は貯留部6内に投入された物品を計量する。計量結果等は、表示部130に表示される。
【0081】
(計量装置及び情報処理装置の情報処理の態様)
次に、計量装置C及び情報処理装置Dの情報処理の態様について説明する。
図12は、計量装置C及び情報処理装置Dから構成されるシステムの機能ブロックを示す図である。
【0082】
[計量装置]
図12に示すように、計量装置Cは、その機能として、計量制御手段C1、識別子情報記憶部C2、単位重量記憶部C3、算出手段C4、出力手段C5、表示制御手段C6を備える。
【0083】
計量制御手段C1は、物品供給装置Bから計量装置Cに投入された物品の重量を、重量検出部150により検出すると共に、重量の安定を判断する制御手段である。この計量制御手段C1によって計量装置C内の物品の重量が検出された上で、重量が安定したと判断されると、算出手段C4での値の算出が実行される。
【0084】
識別子情報記憶部C2は、計量装置Cの識別子を記憶する。この識別子は、計量装置Cごとにユニークな情報として割り当てられるものであり、かかる識別子により、複数の計量装置Cから所定の計量装置Cが一意に特定される。
識別子は、情報処理装置Dに初めて接続される場合、あるいは、システムの起動時に再接続される場合等に、各計量装置Cが情報処理装置Dに送信要求信号を送出して、情報処理装置Dが割り当てた各識別子であって、複数の計量装置Cそれぞれの記憶手段に格納されるものである。
【0085】
単位重量記憶部C3は、物品供給装置Bから供給される取扱商品についての単位重量を記憶する。単位重量は、物品供給装置Bの物品切り出し部25の1回分の収容量に対応する重量であるが、情報処理装置Dに初めて接続される場合、あるいは、電源投入されて再接続される場合等に、情報処理装置Dに送信要求信号を送出して、情報処理装置Dに記憶されている情報が引き継がれて格納される。
【0086】
算出手段C4は、安定した重量であると計量制御手段C1が判断した重量値を、単位重量記憶部C3が記憶している単位重量で除算した算出値として求める。
【0087】
出力手段C5は、算出手段C4により得られた算出値と識別子の情報を、情報処理装置Dへ出力する。表示制御手段C6は、計量制御手段C1や算出手段C4等から取得した情報(例えば、重量、単価、金額等)を、前壁部9に設けられた表示部130に表示させる。なお、金額(販売価格)は、単価と算出手段C4が求めた算出値に基づいて算出される。
【0088】
[情報処理装置]
図12に示すように、情報処理装置Dは、その機能として、物品情報記憶部D1、設定情報記憶部D2、特定処理部D3、抽出処理部D4、表示制御部D6、情報処理部D7、通信処理部D8、発行処理部D9を備える。なお、選定処理部D5は、特定処理部D3の代替手段である。
【0089】
物品情報記憶部D1は、物品の名称や単価など、商品(物品)の基本情報を記憶する記憶部である。物品情報記憶部D1に記憶されるデータ項目には、例えば、物品識別情報、物品名、販売モード区分、単価、単位重量が含まれる。なお、物品情報記憶部D1に記憶される情報は、店舗内に設置されている管理装置から得る、あるいは、店舗外に存在するクラウドサーバ等からSaaS(Software as a Service)として得るような態様であってもよい。なお、販売モード区分は、カップ売り等の多段階の定量販売であるか、はかり売り(計量販売)であるかの別を判断するための区分である。
【0090】
設定情報記憶部D2は、計量装置Cを識別可能な識別子の情報と、計量装置Cによって提供される物品の物品識別情報とを関連付けた設定情報を記憶している。設定情報記憶部D2を参照することにより、所定の計量装置Cによって顧客に提供される物品を特定できる。
【0091】
特定処理部D3は、計量装置Cから、識別子と算出値を受信した際、当該識別子と算出値に基づき、設定情報記憶部D2を参照して当該識別子及び算出値に関連付けられた(例えば、「コーヒー豆3杯分」といった物品に対応する)物品識別情報を特定する。
【0092】
抽出処理部D4は、所定の処理の実行に必要な情報を各記憶部から抽出する処理を実行する。抽出処理部D4は、例えば、特定処理部D3によって特定された物品について、物品情報記憶部D1を参照して物品の名称や単価等に係る物品情報を抽出する。
【0093】
選定処理部D5は、特定処理部D3の代替手段である。選定処理部D5は、計量装置Cから、識別子と算出値を受信した際、当該識別子に基づき、設定情報記憶部D2を参照して当該識別子に関連付けられた(例えば、「コーヒー豆」といった)物品識別情報を特定する。その後、当該物品識別情報と算出値に基づいて、(例えば、「コーヒー豆3杯分」といった物品に対応する)販売用コードを選定する。
【0094】
表示制御部D6は、情報処理装置Dの表示画面に各種の情報を表示させる。表示させる情報には、抽出処理部D4によって物品情報記憶部D1から抽出された情報、物品の販売価格に係る情報が含まれる。
また、表示制御部D6は、これらの情報が適宜に加工、編集され、選択可能な情報として構成されたプリセットボタン、物品の登録完了を受け付けるタッチボタン、精算用ラベルの発行要求を受け付けるタッチボタンなども表示画面に表示させる。
【0095】
情報処理部D7は、精算用ラベルに印刷する内容に係る印刷情報を生成する。このとき生成される印刷情報には少なくとも、物品の販売価格に係る情報のほか、物品情報記憶部D1に記憶されている物品の名称等の情報、計量装置Cによる物品の計量結果に係る情報等、物品の精算に必要な精算情報が含まれる。
情報処理部D7によって生成された印刷情報は発行処理部D9に送信される。印刷情報、あるいは当該印刷情報に含まれる精算情報は、一次元あるいは二次元のコードにコード化することができる。なお、情報処理装置Dが選定処理部D5を具備する場合は、選定された販売用コードをそのまま利用することができる。
【0096】
通信処理部D8は、所定の通信プロトコルに従い、発行処理部D9とのデータの送受信、及び計量装置Cとのデータの送受信を実行する。情報処理装置Dは、当該通信処理部D8により、計量装置Cから識別子と算出値を受信したり、発行処理部D9に対して印刷情報を送信したりすることができる。
なお、通信処理部D8はさらに、上位の装置等と、有線又は無線LAN等によるデータの送受信を実行するものであってもよい。また、インターネット等のネットワークを介して、外部のサーバとのデータの送受信を実行するものであってもよい。
【0097】
発行処理部D9は、不図示のプリンタ(印字部)を駆動して、情報処理部D7によって生成された印刷情報を所定の媒体に印刷させ、精算用ラベルを発行させる。
【0098】
情報処理装置Dは、これらの機能部のほか、表示画面に展開するGUIのレイアウト等に関する設定ファイルなども備える。
【0099】
(操作手順及び処理内容)
次に、商品販売システムの操作手順及び処理内容について説明する。
使用者(例えば、客)が、
図1に示す棚Eの載置台(棚板)に陳列された物品供給装置B(
図2、
図3参照)の第1操作部材24を一回転操作すると、物品切り出し部25に収納された物品(例えば、1カップ分の物品)が計量装置C(
図4、5参照)の貯留部6内へ移動する。重量検出部150によって重量値が検出され、また、検出された重量値を単位重量で除算した算出値が求められる。実施形態においては、単位重量は30gに設定されているので、一回転操作が行われ、暫く経ってから、算出値「1」が得られる。
【0100】
その後、第1操作部材24を、一回転、さらに一回転と、操作していくと、その都度、算出値は、「2」、「3」と増加していくことになる。それぞれの値は、一時記憶されると共に、表示部130に表示される。また、切り出された物品の重量を併せて表示してもよい。
【0101】
次に、計量装置Cの第2操作部材95(レバー)を押下げると、貯留部6内の物品が下方へ移動し、例えば、持ち帰り用の購入用容器(カップ)に向けて放出される。貯留部6内の物品がすべて移動し、レバーが起点に戻り、計量装置Cの検出する質量が(所定の閾値設定の下で)ゼロになったと判断されると、計量装置Cから情報処理装置Dへデータが送信される。データ内容は、識別子の情報と、カウント数(算出値)であるが、重量値が併せて送信されるように構成してもよい。また、金額を併せて送信するように構成したり、さらには、重量値と金額を併せて送信するように構成してもよい。
【0102】
続いて、客は、情報処理装置Dの設置場所に移動し、情報処理装置Dを操作して精算用ラベルを発行させる。
【0103】
以上が、販売時の計量装置Cの通常処理であるが、この他にも、計量装置Cが実行する処理として、初期設定としての(カップ売り、はかり売り等の)販売モード区分の設定処理や、例えば、システムの起動時に実行される識別子及び単位重量情報の送信要求処理が存在する。
【0104】
なお、販売モード区分の範疇としては、例えば、カップ売りモード、はかり売りモード、1匙売りモード、体積売りモードなどがある。設定処理については、電源ON時、計量装置Cが、販売モード区分と識別子を併せて、情報処理装置D側から設定情報として取得すれば良い。その場合、情報処理装置Dの物品情報記憶部D1、特定処理部D3ないし選定処理部D5にて記憶・管理されるPLU(Price Look Up)品番情報に、販売モード区分の設定を行うリクエストを送出した計量装置Cの識別子を照合し、販売モード区分が正しければ設定情報を返信し、正しくなければエラー情報を返信し、結果は計量装置Cにおいても表示される。
【0105】
(計量装置のメンテナンス)
次に、計量装置Cのメンテナンスについて説明する。計量装置Cを含む商品販売システムは、例えば、
図1に示すように、店舗内の棚Eに配置されている。棚Eには、複数の計量装置Cが、それぞれ、複数の物品供給装置Bの下方に配置された状態で隣接配置されている。そのため、隣接配置される各装置間のスペースが狭く、この配置状態で計量装置Cの筐体10内部や貯留部6をメンテナンス(掃除、部品交換等を含む)するのは困難である。
しかし、本発明に係る本実施形態の計量装置Cは、計量装置Cの筐体10の一部(前壁部9)が開放可能とされ、さらに筐体10の一部(前壁部9)を開放した状態で貯留部6が取り外し可能に構成されているため、計量装置Cのメンテナンス(掃除、部品交換等を含む)を容易に行うことができる。
以下、計量装置Cのメンテナンス時の手順について説明する。
【0106】
〔手順1〕
物品供給装置Bは、
図1に示すように、計量装置Cの上部に配置されているので、先ずは、物品供給装置Bを計量装置Cから取り外す。この場合、物品供給装置Bは、物品収容部1と物品放出部2とが一体として組み付けられているので、これら一体化された物品収容部1と物品放出部2とを、計量装置Cに取り付け固定されている支持部3から取り外す。
【0107】
具体的には、支持部3の支持アーム31から、物品放出部2を取り外す。支持アーム31は、物品放出部2の接続部22の縁を抱えるようにして物品放出部2を支持しているので、物品放出部2を上方向に少し移動させて水平方向前方へ引き出すことで簡単に取り外しを行うことができる。
なお、この取り外しにより、物品放出部2から物品収容部1を外して、物品が充填された他の物品収容部と交換することができる。
【0108】
〔手順2〕
次に、計量装置Cのカバー体5を取り外す。カバー体5は、計量装置Cの上側筐体7の第1開口部7aとともに、貯留部6の受入れ開口6a(開口部)を覆うように被せられているので、例えば、左右の側壁54を掴んで持ち上げるだけで容易に取り外すことができる。
【0109】
〔手順3〕
次に、上側筐体7に設けられた操作孔75(
図8参照)に解除ピン(不図示)を挿通させて下方に押圧する。上側筐体7の被係止部材87に係止されている前壁部9の係止部材97(
図9参照)は、解除ピンにより下方に押圧されて下方に移動(揺動)することで、被係止部材87の後端面87aと係止部材97の係止面97aとの係止が解除される。この状態で、前壁部9の上面部材91を手前に引くことで、前壁部9を倒伏位置に回動させることができる。
起立位置に位置固定されている前壁部9(
図4参照)は、
図6に示すように、倒伏状態となり、筐体本体部の前側開口部10aを開放した状態となる。
なお、前側開口部10aが開放されると水準器14が露出するので、この水準器14を確認しつつ調整脚12を回転させて計量装置Cの水平度を調整することができる。
【0110】
〔手順4〕
前壁部9が倒伏状態となると、前側開口部10aは、上側筐体7の第1開口部7aと繋がることで一体的な拡大された開口部を形成するので、この状態で貯留部6を前後方向や上下方向を含む各方向から取り外すことができる。
その後、例えば、計量装置Cの筐体10内部や、取り外した貯留部6の清掃及びメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0111】
なお、その後、計量装置Cと物品供給装置とを元の配置に戻す場合には、逆の手順とすればよい。その場合、被係止部材87のガイド面87b(
図8(a)参照)は、後端面87aの下端より前側に上り傾斜するテーパ面とされているので、倒伏状態の前壁部9を筐体本体部に対して起立させるように回動させた際、前壁部9の上面部材91の縁部に設けられた係止部材97の先端部97b(
図9(a)参照)は、被係止部材87のガイド面87bに案内されて、係止状態へと移行することができる。
【0112】
以上のとおり、本発明に係る本実施形態の計量装置Cは、筐体10の一部(前壁部9)が開放可能とされ、さらに筐体10の一部(前壁部9)を開放した状態で貯留部6が取り外し可能に構成されているため、計量装置Cのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0113】
次に、本発明に係る他の計量装置の案内部の例について、図面を参照しつつ説明する。
【0114】
(第2の実施形態)
図13(a)は、本発明に係る他の計量装置のカバー体を取り外した状態を斜め上から見た斜視概要図であり、
図13(b)は、同他の計量装置へのカバー体の取り付け状態を説明する側面概要図(一部拡大図を含む)である。この
図13に示す他の計量装置C’は、上述した計量装置Cの第1案内部材76及び第2案内部材77からなる案内部の構成のみを変更したものであるため、その変更部分について説明し、上述した計量装置Cと同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0115】
第2の実施形態の計量装置C’は、平面視矩形状の平板状のベース部材200と、このベース部材200に設けられた第1案内部材210及び第2案内部材220と、からなる案内機構(案内部)を計量装置C’の上壁部73に設けて構成したものである。第1案内部材210は、カバー体5の後壁53を前後方向後方側に案内し、第2案内部材220は、カバー体5の後壁53を前後方向前側に案内し、カバー体5を所定の装着位置に案内する案内部として機能する。
【0116】
〔案内部(第1案内部材)〕
第1案内部材210は、ベース部材200の前端部から略垂直に立ち上がる平板状の第1壁部材210aと、この第1壁部材210aの上縁部から前方側に上り傾斜状に延設される平板状の第1傾斜部材210bとを有する。この第1案内部材210は、カバー体5を装着する際に、カバー体5の後壁53の下端53aを前後方向後方側に案内する案内面として機能する。
また、第1案内部材210は、第1壁部材210aがベース部材200に対して略垂直に立ち上がるように構成されていることから、所定の装着位置に装着されたカバー体5の前後方向前側への移動を抑制することもできる。
なお、案内面としての第1傾斜部材210bは、上側突状の円弧面状(湾曲面状)や、下側突状の円弧面状(湾曲面状)に形成してもよい。
【0117】
〔案内部(第2案内部材)〕
第2案内部材220は、第1案内部材210の後方に隣接して設けられており、ベース部材200から垂直に立ち上がる平板状の第2壁部材220aと、この第2壁部材220aの上縁部から後方側に上り傾斜状に延設される平板状の第2傾斜部材220bとを有する。
第2案内部材220の第2傾斜部材220bは、カバー体5を装着する際に、カバー体5の後壁53の下端53aを前後方向前方側に案内する案内面として機能する。
なお、案内面としての第2傾斜部材220bは、上側突状の円弧面状(湾曲面状)や、下側突状の円弧面状(湾曲面状)に形成してもよい。
【0118】
また、
図13に示すように、第1案内部材210の後端210cと第2案内部材220の前端220cとの前後方向の間隔は、カバー体5の後壁53の厚みと略同一か、あるいは僅かに大きく構成されているため、第1案内部材210や第2案内部材220により所定の装着位置に案内されたカバー体5は、後壁53の下端53aが第1案内部材210の後端210cと第2案内部材220の前端220cとの間で位置決めされた状態で安定して装着される。
【0119】
以上の構成によれば、計量装置Cにカバー体5を装着する場合、第1案内部材210や第2案内部材220によりカバー体5を円滑に装着位置に案内することができる。
また、カバー体5は、筐体10の所定の装着位置に位置決めされることから、装着されたカバー体5に予期しない振動や不用意な外力が生じても、カバー体5の後壁53が前方側にずれて貯留部6と干渉(当接)すること防ぐことができる。したがって、例えば、カバー体5と貯留部6とが接触した状態で計量処理がなされること(不正確な計量処理となる。)を防止することができ、重量検出部150(計量部)による計量処理を正確に行うことができる。
さらに、カバー体5の後壁53が前方側にずれて第1開口部7aの後方側に隙間(覆われてない部分)が生じることも防止できるので衛生的である。
【0120】
(他の変形例)
上述した計量装置は、その一部の構成を適宜に変更することが可能である。
【0121】
上記実施形態の計量装置C、C’において、前壁部9は、上側筐体7と下側筐体8とからなる筐体本体部の前方側に、回動機構を介して水平軸回りに回動可能に連結することで、筐体10の前側開口部10aを開放するように構成したが、この例に限定されない。この場合、例えば、前壁部9を、筐体本体部の前方側に垂直軸回りに回動可能に連結し、筐体10の前側開口部10aを開放するように構成してもよい。
【0122】
また、上記実施形態の計量装置C、C’は、筐体10の一部をなす前壁部9を回動可能に構成し、前側開口部10aを開放することで、貯留部6を筐体外に取出し可能に構成したが、この例に限定されない。この場合、例えば、筐体10の上側側壁部71の一部を垂直軸回り、あるいは水平軸回りに回動可能に構成し、この上側側壁部71の一部を開放することで、貯留部6を筐体外に取出し可能に構成してもよい。
【0123】
また、上記実施形態の計量装置C、C’は、
図4、
図10及び
図13に示すように、貯留部6の受入れ開口6aが、上側筐体7に形成された第1開口部7aから上方から突出するように配置されているが、この例に限定されない。例えば、貯留部6の受入れ開口6aが、上側筐体7に形成された第1開口部7aから上方から突出することなく、筐体10の内部に収まるように構成してもよい。この場合、例えば、前壁部9を回動させて筐体10の前側開口部10aを開放した場合に、カバー体5を取り外すことなく貯留部6を前後方向前方側に引き出すことが可能となる。
【0124】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0125】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品の計量販売に使用される計量装置、及び、同計量装置を含む商品販売システムに関する。
[背景技術]
コーヒー豆、小豆、大豆等の粒状物を所定量ずつ払い出すための粒状物払出し装置が知られている(例えば、特開2000-255503号公報)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
従来技術は、貯留部に貯留された所定量の粒状物を受け入れる開口部と受け入れた所定量の粒状物を払い出すための払出口を備えたケーシング内に、所定量の粒状物を受け取るための粒状物受取り部を、開口部に位置する受取位置と、払出口に位置する払出位置とに渡って移動自在に設けて粒状物払出し装置を構成するものである。
しかし、上記従来技術は、計量販売において想定される種々の場面における、設置性、使用性、メンテナンス性等に十分対応しておらず、改善の余地があった。
【0126】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みて、計量販売において想定される種々の場面における、設置性、使用性、メンテナンス性等を向上させた計量装置を提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、表示部を含む筐体と、物品を計量する計量部と、物品を一時的に貯留する貯留部と、を備え、前記筐体の一部は開放可能であり、前記貯留部は、前記筐体の一部が開放されることにより筐体外に取出し可能であることを特徴とする計量装置である。
上記構成によれば、計量装置は、筐体の一部が開放可能とされ、さらに筐体の一部を開放した状態で貯留部が取り外し可能に構成されているため、計量装置のメンテナンス(掃除、部品交換等を含む)を容易に行うことができる。
【0127】
(2)本実施形態の一態様は、上記(1)に記載の計量装置において、前記筐体の一部は前記表示部であり、前記表示部が回動することにより前記筐体の一部が開放されるものである。
上記構成によれば、上記構成によれば、計量装置は、筐体の一部である表示部が開放可能とされ、さらに表示部を開放した状態で貯留部が取り外し可能に構成されているため、計量装置のメンテナンス(掃除、部品交換等を含む)を容易に行うことができる。
【0128】
(3)本実施形態の一態様は、上記(1)または(2)に記載の計量装置において、前記筐体の底面には、左右一対の高さ調整機能を有する調整脚と、前記左右一対の水平調整脚の後方に配置される所定の基準高さに設定された固定脚とが設けられ、前記左右一対の調整脚と前記固定脚とは、前記調整脚の各中心と前記固定脚の中心とを結ぶ各線分が、三角形状をなすように配置されるものである。
上記構成によれば、棚等の設置部に配設される計量装置は、固定脚の高さを基準として水平配置される。例えば、棚等の設置部に、複数の計量装置を隣接して設置した場合、各計量装置Cの高さ位置は、この固定脚の高さ(基準高さ)に規定されるので、複数の計量装置Cを整然とした統一感のある設置が可能となる。
また、計量装置は、固定脚の高さを基準として、左右一対の調整脚12を調整することのみで水平度が調節できるため、所定の基準高さを維持した状態での水平度の調整が容易となる。
また、各調整脚と固定脚とは、各調整脚の各中心と固定脚の中心とを結ぶ各線分が三角形状をなすように配置されているので、計量装置を安定して設置することができる。
【0129】
(4)本実施形態の一態様は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の計量装置において、水平器を更に備え、前記水平器は、前記表示部が解放されることにより露出可能となるものである。
上記構成によれば、水平器は、通常の使用状態では、計量装置の外表面に露出することがなく、水平器を埃等から保護することができる。
【0130】
(5)本実施形態の一態様は、上記(1)から(4)のいずれかに記載の計量装置において、前記貯留部の開口部を覆うカバー体を備え、前記筐体は、前記カバー体を所定位置に案内する案内部を有するものである。
上記構成によれば、上記構成によれば、計量装置にカバー体を装着する場合、案内部によりカバー体を円滑に装着位置に案内することができる。
【0131】
(6)本実施形態の一態様は、上記(5)に記載の計量装置において、前記案内部は、側面視略半円弧形状をなす左右一対の第1案内部材と、前記第1案内部材の後端から所定間隔離隔した後方位置に設けられるとともに、前方に下り傾斜する斜面を備えた第2案内部材と、を有するものである。
上記構成によれば、計量装置にカバー体を装着する場合、第1案内部材や第2案内部材によりカバー体を円滑に装着位置に案内することができる。また、カバー体は、筐体の所定の位置に位置決めされることから、装着されたカバー体5に予期しない振動や不用意な外力が生じても、カバー体5の後壁53が前方側にずれて貯留部6と干渉(当接)すること防ぐことができる。したがって、例えば、カバー体と貯留部とが接触した状態で計量処理がなされること(不正確な計量処理となる。)を防止することができ、重量検出部(計量部)による計量処理を正確に行うことができる。
【0132】
なお、上記(1)~(6)に記載の各態様は、適宜組み合わされて計量装置及び計量販売システムとして構成することができる。
【符号の説明】
【0133】
5:カバー体
6:貯留部
7:上側筐体(筐体)
8:下側筐体(筐体)
9:前壁部(筐体、表示部)
10:筐体
12:調整脚
13:固定脚
14:水準器(水平器)
76:第1案内部材(案内部)
77:第2案内部材(案内部)
130:表示部
150:重量検出部(計量部)
210:第1案内部材(案内部)
220:第2案内部材(案内部)
A:商品販売システム
B:物品供給装置
C:計量装置
C’:計量装置
D:情報処理装置