(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042265
(43)【公開日】2025-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、秘匿対象情報表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20250319BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20250319BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20250319BHJP
【FI】
G06F21/60
G06Q10/00
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149169
(22)【出願日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安倍 美枝子
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】秘匿対象情報と、秘匿対象情報に係る項目と、を並べて表示することで、ユーザに秘匿対象情報が何に係る情報であるかを容易に把握させ、且つ、他人に開示したくない秘匿対象情報を容易に隠し、適切なタイミング及び場所で秘匿対象情報を容易に確認する。
【解決手段】サーバ10は、秘匿対象情報を二次元コードに置換し、二次元コードと、秘匿対象情報に係る項目と、をPC20に並べて表示する。サーバ10は、表示された二次元コードを読み取る読取部を備える携帯端末30において、二次元コードが読み取られた場合に、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証画面を携帯端末30に表示する。サーバ10は、認証画面においてユーザにより入力された認証情報によってユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、少なくとも1つの秘匿対象情報を携帯端末30に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報のうちの少なくとも1つの秘匿対象情報を、前記秘匿対象情報を含む情報である二次元コードに置換し、前記二次元コードと、前記秘匿対象情報に係る項目と、を表示手段に並べて表示させる第1の表示制御手段と、
前記表示された二次元コードを読み取る読取部を備えるユーザ端末において、前記読取部によって前記二次元コードが読み取られた場合に、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証画面を前記ユーザ端末に表示させる第2の表示制御手段と、
前記認証画面においてユーザにより入力された認証情報によってユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、前記少なくとも1つの秘匿対象情報を前記ユーザ端末に表示させる第3の表示制御手段と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の表示制御手段は、前記複数の情報のうち、前記秘匿対象情報として設定された全ての情報を同じ前記二次元コードに置換して前記表示手段に表示させ、
前記第3の表示制御手段は、前記複数の情報のうち、前記秘匿対象情報として設定された全ての情報を前記ユーザ端末に表示させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の表示制御手段は、複数の情報のうち、前記秘匿対象情報として設定された全ての情報のそれぞれを互いに異なる前記二次元コードに置換して前記表示手段に表示させ、
前記第3の表示制御手段は、前記複数の情報のうち、前記読み取られた二次元コードに対応する秘匿対象情報として設定された情報のみを前記ユーザ端末に表示させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記二次元コードは、秘匿対象情報を表示するサイトのURLを含み、
前記第2の表示制御手段は、前記URLにより接続されたユーザ端末に前記認証画面を表示させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記情報処理装置とは別の表示端末である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末は、前記認証画面においてユーザにより入力された認証情報を前記情報処理装置に送信するための通信部を備える、前記ユーザが所持する携帯端末である請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置と、
前記認証画面においてユーザにより入力された認証情報を前記情報処理装置に送信するための通信部を備える前記ユーザ端末と、を備えるシステム。
【請求項8】
請求項5に記載の情報処理装置と、
前記認証画面においてユーザにより入力された認証情報を前記情報処理装置に送信するための通信部を備える前記ユーザ端末と、前記表示端末と、を備えるシステム。
【請求項9】
複数の情報のうちの少なくとも1つの秘匿対象情報を、前記秘匿対象情報を含む情報である二次元コードに置換し、前記二次元コードと、前記秘匿対象情報に係る項目と、を表示手段に並べて表示させる第1の表示制御工程と、
前記表示された二次元コードを読み取る読取部を備えるユーザ端末において、前記読取部によって前記二次元コードが読み取られた場合に、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証画面を前記ユーザ端末に表示させる第2の表示制御工程と、
前記認証画面においてユーザにより入力された認証情報によってユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、前記少なくとも1つの秘匿対象情報を前記ユーザ端末に表示させる第3の表示制御工程と、を含む秘匿対象情報表示方法。
【請求項10】
コンピュータを、
複数の情報のうちの少なくとも1つの秘匿対象情報を、前記秘匿対象情報を含む情報である二次元コードに置換し、前記二次元コードと、前記秘匿対象情報に係る項目と、を表示手段に並べて表示させる第1の表示制御手段、
前記表示された二次元コードを読み取る読取部を備えるユーザ端末において、前記読取部によって前記二次元コードが読み取られた場合に、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証画面を前記ユーザ端末に表示させる第2の表示制御手段、
前記認証画面により入力された認証情報によってユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、前記少なくとも1つの秘匿対象情報を前記ユーザ端末に表示させる第3の表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、システム、秘匿対象情報表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社員の給与明細情報を、勤務先の給与情報Webサイトから確認できる会社が多くなっている。例えば、給与明細情報を閲覧する社員(閲覧社員)が当該給与明細情報を提供するサイトのURL(Uniform Resource Locator)をPC(Personal Computer)又は携帯端末の装置に入力することで、給与明細情報を入力元の装置に表示するWebサービスが知られている(非特許文献1参照)。非特許文献1には、当該サイトのURLを含むQR(Quick Response)コード(登録商標)も印刷されている。当該QRコードを携帯端末で読み取ることで当該URLを入力できる。
【0003】
また、発送者から受領者へ移送物の配送を支援し、発送者と受領者の所在情報(氏名、住所)を秘密にする配送システムが知られている(特許文献1参照)。この配送システムにおいて、発送者端末が、受領者端末から得た受領者匿名コードを送り状の配達先にバーコードで印字し、発送者匿名コードを送り状の発送元にバーコードで印字する。配送経路内端末で当該バーコードを読み取ることにより、正常時に配達先の所在情報のみを配達先に印字し、配達先不明の場合に発送元の所在情報を発送元に印字する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】SMC株式会社 総務部 著、「CWS操作マニュアル_給与・賞与明細および源泉徴収票照会・発行サービス」、第3版、2013年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のWebサービスでは、会社のPCの画面に閲覧社員の給与明細情報を表示したとき、周りに他の社員がいる状態だと、当該給与明細情報が他の社員に見えてしまう。また、閲覧社員に急ぎの呼び出しなどがあり、PCに閲覧社員の給与明細情報の画面を表示したまま閲覧社員が離席してしまうなど、情報の保護が確立されていないケースがある。
【0007】
また、上記配送システムでは、秘匿したい情報を送り状にバーコード印刷し、秘匿を解除した所在情報も送り状に印字するため、印刷の負担が大きい。会社のPCに閲覧社員の給与明細情報を表示するシステムでは、印刷装置が無いケースもある。
【0008】
本発明の課題は、秘匿対象情報と、秘匿対象情報に係る項目と、を並べて表示することで、ユーザに秘匿対象情報が何に係る情報であるかを容易に把握させ、且つ、他人に開示したくない秘匿対象情報を容易に秘匿し、適切なタイミング及び場所で秘匿対象情報を容易に確認することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題の解決のために、本発明の情報処理装置は、複数の情報のうちの少なくとも1つの秘匿対象情報を、前記秘匿対象情報を含む情報である二次元コードに置換し、前記二次元コードと、前記秘匿対象情報に係る項目と、を表示手段に並べて表示させる第1の表示制御手段と、前記表示された二次元コードを読み取る読取部を備えるユーザ端末において、前記読取部によって前記二次元コードが読み取られた場合に、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証画面を前記ユーザ端末に表示させる第2の表示制御手段と、前記認証画面においてユーザにより入力された認証情報によってユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、前記少なくとも1つの秘匿対象情報を前記ユーザ端末に表示させる第3の表示制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、秘匿対象情報と、秘匿対象情報に係る項目と、を並べて表示することで、ユーザに秘匿対象情報が何に係る情報であるかを容易に把握させることができ、且つ、他人に開示したくない秘匿対象情報を容易に隠すことができ、適切なタイミング及び場所で秘匿対象情報を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態の給与情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】(a)は、社員アカウントマスタテーブルの構成を示す図である。(b)は、給与開示設定マスタテーブルの構成を示す図である。
【
図6】(a)は、勤務状況情報の構成を示す図である。(b)は、支給情報の構成を示す図である。(c)は、その他情報の構成を示す図である。(d)は、振込先情報の構成を示す図である。
【
図8】給与情報提供処理を示すフローチャートである。
【
図10】社員アカウント情報設定画面を示す図である。
【
図14】(a)は、ライブ画像表示画面を表示する携帯端末を示す図である。(b)は、第2ログイン画面を表示する携帯端末を示す図である。(c)は、秘匿対象画面を表示する携帯端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0013】
まず、
図1~
図4を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1は、本実施の形態の給与情報提供システム1の概略構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、PC20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、携帯端末30の機能構成を示すブロック図である。
【0014】
本実施の形態の給与情報提供システム1は、所定の会社(「〇〇社」とし、以下、単に会社とする)に設けられ、当該会社内の社員に給与情報を提供する情報処理システムである。
【0015】
図1に示すように、給与情報提供システム1は、情報処理装置としてのサーバ10と、表示手段、表示端末としてのPC20と、ユーザ端末としての携帯端末30と、を備える。給与情報提供システム1の各装置は、通信ネットワークNを介して通信接続されている。
【0016】
サーバ10は、PC20に給与情報を提供する給与情報サイトと、携帯端末30に給与情報のうちの秘匿対象情報を提供する秘匿対象情報サイトと、を提供するWebサーバである。サーバ10は、給与情報サイトとして、PC20に対して、ログインした社員の給与情報を表示させるとともに、当該ログインした社員以外の社員などに秘匿したい給与情報(秘匿対象情報)を二次元コードに変換して表示させる。サーバ10は、秘匿対象情報サイトとして、携帯端末30に対して、当該二次元コードを用いて再度ログインしたログイン社員用に秘匿対象情報を表示させる。
【0017】
PC20は、会社の各社員の自席に設置されたデスクトップPC、パームトップPCなどの情報処理装置である。ここでは、所定社員(山田太郎)の席に設置されたPC20を代表して説明するが、他の社員のPC20についても同様である。また、所定社員以外の社員などの人物は、所定社員のPC20の画面を覗くことが可能な環境にあるものとする。PC20は、サーバ10の端末装置として機能し、サーバ10から送信された表示情報を表示し、当該表示情報に応じて所定社員から操作入力された操作情報をサーバ10に送信する。
【0018】
携帯端末30は、PC20を使用する各社員が所持するスマートフォン、タブレットPCなどの携帯端末である。ここでは、所定社員が所持するスマートフォンの携帯端末30を代表して説明するが、他の社員の携帯端末30についても同様である。携帯端末30は、サーバ10の端末装置として機能し、サーバ10から送信された表示情報を表示し、当該表示情報に応じてユーザから操作入力された操作情報をサーバ10に送信する。
【0019】
通信ネットワークNは、例えばインターネットである。また、通信ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、専用線などを含んでいてもよい。
【0020】
ついで、
図2を参照して、サーバ10の内部の機能構成(回路構成)を説明する。
図2に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、を備える。サーバ10の各部は、(システム)バス17を介して互いに接続されている。CPU11は、第1の表示制御手段、第2の表示制御手段、第3の表示制御手段として機能する。
【0021】
CPU11は、サーバ10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0022】
操作部12は、キーボードと、マウスなどのポインティングデバイスとを有し、会社の管理者からのキー操作及び位置操作の入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0023】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリである。RAM13は、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0024】
表示部14は、LCD(liquid Crystal Display)や、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有する。表示部14は、CPU11などから入力される各種の表示情報に従い、表示パネルに各種表示情報を表示する。
【0025】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15は、後述する情報登録処理を実行するための情報登録プログラムP1と、後述する給与情報提供処理を実行するための給与情報提供プログラムP2と、を記憶する。さらに、記憶部15には、社員アカウントマスタテーブル50と、給与開示設定マスタテーブル60と、給与情報D1と、を記憶する。給与情報D1は、勤務状況情報70と、支給情報80と、その他情報90と、振込先情報100と、を有する。記憶部15に記憶された情報は、詳細に後述する。
【0026】
通信部16は、ネットワークカードなどで構成され、通信ネットワークNに接続され有線通信を行う有線通信部である。CPU11は、通信部16を介して、PC20、携帯端末30などの外部機器と情報の送受信を行う。ただし、通信部16は、無線LANなどの無線通信方式で通信ネットワークNに接続される無線通信部としてもよい。
【0027】
ついで、
図3を参照して、PC20の内部の機能構成(回路構成)を説明する。
図3に示すように、PC20は、CPU21と、操作部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、を備える。PC20の各部は、(システム)バス27を介して互いに接続されている。
【0028】
CPU21、操作部22、RAM23、表示部24、記憶部25、通信部26は、それぞれ、サーバ10のCPU11、操作部12、RAM13、表示部14、記憶部15、通信部26と同様の構成であるので、異なる部分を主として説明する。
【0029】
CPU21は、PC20の各部を制御する。操作部22は、所定社員からの操作入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。
【0030】
記憶部25は、ブラウザを実行するためのブラウザプログラムP3を記憶する。ブラウザは、サーバ10などのWebサーバに接続するためのソフトウェアである。ブラウザは、Webサーバから受信した表示情報としてのウェブページを表示したり、表示情報に応じて所定社員から操作入力を受け付けて操作情報などをWebサーバに送信するなどの機能を有する。
【0031】
CPU21は、通信部26を介して、サーバ10などの外部機器と通信を行う。
【0032】
ついで、
図4を参照して、携帯端末30の内部の機能構成(回路構成)を説明する。
図4に示すように、携帯端末30は、CPU31と、操作部32と、RAM33と、表示部34と、記憶部35と、通信部36と、読取部としての撮像部37と、を備える。携帯端末30の各部は、(システム)バス38を介して互いに接続されている。
【0033】
CPU31、RAM33、表示部34は、それぞれ、サーバ10のCPU11、RAM13、表示部14と同様の構成であるので、異なる部分を主として説明する。
【0034】
CPU31は、携帯端末30の各部を制御する。操作部32は、タッチパネルを有し、所定社員からのタッチ操作入力を受け付け、その操作情報をCPU31に出力する。
【0035】
記憶部35は、フラッシュメモリなどで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部35は、ブラウザを実行するためのブラウザプログラムP4を記憶する。
【0036】
通信部36は、無線LANなどの無線通信方式のアンテナ、発振部、変復調部、増幅部、信号処理部などを有する。通信部36は、CPU31の指示に従って、通信ネットワークN上のアクセスポイント又は基地局との無線通信を行う。CPU31は、通信部36の無線通信を介して、通信ネットワークN上のサーバ10などの外部機器と通信を行う。
【0037】
撮像部37は、光学系と、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子とを有するデジタルカメラ部である。撮像部37は、CPU31の指示に従い、光学素子を介して被写体を撮像して撮像素子により被写体の画像データを生成し、生成した画像データをCPU31などに出力する。
【0038】
つぎに、
図5(a)~
図6(d)を参照して、サーバ10に記憶される情報を説明する。
図5(a)は、社員アカウントマスタテーブル50の構成を示す図である。
図5(b)は、給与開示設定マスタテーブル60の構成を示す図である。
図6(a)は、勤務状況情報70の構成を示す図である。
図6(b)は、支給情報80の構成を示す図である。
図6(c)は、その他情報90の構成を示す図である。
図6(d)は、振込先情報100の構成を示す図である。
【0039】
図5(a)を参照して、サーバ10の記憶部15に記憶される社員アカウントマスタテーブル50を説明する。社員アカウントマスタテーブル50は、会社の各社員の個人情報及び個人認証情報を格納するデータテーブルである。社員アカウントマスタテーブル50は、社員番号51、社員名52、住所53、電話番号54、ログインID55、パスワード56などのカラムを有する。
【0040】
社員番号51は、会社の各社員の識別情報である。社員名52は、社員番号51の社員の名称である。住所53は、社員番号51の社員の住所である。電話番号54は、社員番号51の社員の電話番号である。
【0041】
ログインID55は、社員番号51の社員のログインIDである。ログインID55は、サーバ10が実行する後述する給与情報提供処理においてPC20からログインするユーザを認証するためのログインIDであり、かつ携帯端末30からログインするユーザを認証するためのログインIDでもある。
【0042】
図5(b)を参照して、記憶部15に記憶される給与開示設定マスタテーブル60を説明する。給与開示設定マスタテーブル60は、会社の各社員の給与情報D1の各情報を、当該各社員本人以外の人物に秘匿する秘匿対象情報とするか否かの設定情報を格納するデータテーブルである。
【0043】
給与情報D1は、会社の各社員の勤務や給与に関する情報である。給与情報D1の勤務状況情報70(
図6(a))は、会社の各社員の勤務状況に関する情報を格納するデータテーブルである。給与情報D1の支給情報80(
図6(b))は、会社の各社員に支給された給与の支給額及び控除額に関する情報を格納するデータテーブルである。給与情報D1のその他情報90(
図6(c))は、支給情報80に含まれないその他の控除、購買に関する情報を格納するデータテーブルである。給与情報D1の振込先情報100(
図6(d))は、会社の各社員に支給された給与の支払先の金融機関に関する情報を格納するデータテーブルである。
【0044】
給与開示設定マスタテーブル60は、社員番号61と、勤務状況情報62と、支給情報63と、その他情報64と、振込先情報65と、のカラムを有する。社員番号61は、会社の各社員の識別情報である。勤務状況情報62は、社員番号61の社員について、勤務状況情報70を本人及び本人以外の人物に開示するか(秘匿対象情報としないか)(=1)本人(本人のログインID)にのみ開示するか(秘匿対象情報とするか)(=2)の設定フラグ情報である。支給情報63は、社員番号61の社員について、支給情報80を本人及び本人以外の人物に開示するか(=1)本人にのみ開示するか(=2)の設定フラグ情報である。
【0045】
その他情報64は、社員番号61の社員について、その他情報90を本人及び本人以外の人物に開示するか(=1)本人にのみ開示するか(=2)の設定フラグ情報である。振込先情報65は、社員番号61の社員について、振込先情報100を本人及び本人以外の人物に開示するか(=1)本人にのみ開示するか(=2)の設定フラグ情報である。
【0046】
図6(a)を参照して、記憶部15に記憶される給与情報D1の勤務状況情報70を説明する。勤務状況情報70は、社員番号71、年月72、出勤日数73、有給取得日数74、有給残日数75、出勤率76などのカラムを有する。
【0047】
社員番号71は、会社の各社員の識別情報である。年月72は、社員番号71の会社員が会社に所属する年月のうちの各年月を示す情報である。出勤日数73は、社員番号71の会社員が年月72の年月に出勤した日数である。有給取得日数74は、社員番号71の会社員が年月72の年月にとった有給休暇の日数である。有給残日数75は、社員番号71の会社員が年月72の年月に有給取得日数74の有給休暇をとった後の年間の有給休暇の残日数である。出勤率76は、年月72の年月の全労働日に対する社員番号71の会社員の出勤日の割合である。
【0048】
図6(b)を参照して、記憶部15に記憶される給与情報D1の支給情報80を説明する。支給情報80は、社員番号81、年月82、差引支給額83と、支給額に関する情報としての、総支給額84、基本給85、●●手当86などと、控除額に関する情報としての、控除額87、□□控除88などと、のカラムを有する。
【0049】
社員番号81は、会社の各社員の識別情報である。年月82は、社員番号81の会社員が会社に所属する年月のうちの各年月を示す情報である。差引支給額83は、社員番号81の会社員の年月82の年月の給与の総支給額から総控除額を差し引いた最終的な支給額である。総支給額84は、社員番号81の会社員の年月82の年月の給与の各支給額を総計した総支給額である。基本給85は、社員番号81の会社員の年月82の年月の基本給の金額である。●●手当86は、社員番号81の会社員の年月82の年月の所定の手当(●●手当)の金額である。控除額87は、社員番号81の会社員の年月82の給与から控除される支給情報80の各控除の総額である。□□控除88は、社員番号81の会社員の年月82の年月の給与から控除される所定の控除(□□控除)の金額である。
【0050】
図6(c)を参照して、記憶部15に記憶される給与情報D1のその他情報90を説明する。その他情報90は、社員番号91、年月92と、保険控除内容としての、▲▲保険料93などと、社販購買詳細としての、時計購入代金94などと、のカラムを有する。
【0051】
社員番号91は、会社の各社員の識別情報である。年月92は、社員番号91の会社員が会社に所属する年月のうちの各年月を示す情報である。▲▲保険料93は、社員番号91の会社員の年月92の年月の給与から控除される所定の保険料(▲▲保険料)の金額である。時計購入代金94は、社員番号91の会社員の年月92の年月の給与から差し引かれる時計購入代金の金額である。
【0052】
このように、同じ社員の同じ年月の差引支給額83は、総支給額84から、控除額87と、保険控除内容(▲▲保険料93など)、社販購買詳細(時計購入代金94など)と、を差し引いた金額となる。
【0053】
図6(d)を参照して、記憶部15に記憶される給与情報D1の振込先情報100を説明する。振込先情報100は、社員番号101、年月102、金融機関名103、支店名104、口座番号105、振込額106のカラムを有する。
【0054】
社員番号101は、会社の各社員の識別情報である。年月102は、社員番号101の会社員が会社に所属する年月のうちの各年月を示す情報である。金融機関名103は、社員番号101の会社員の年月102の年月の給与の振込先の金融機関の名称である。支店名104は、金融機関名103の金融機関の支店の名称である。口座番号105は、金融機関名103の金融機関の支店名104の支店における社員番号101の会社員の年月102の年月の給与の振込先の口座番号である。振込額106は、社員番号101の会社員の年月102の年月の給与の振込額である。振込額106は、差引支給額83に対応する。
【0055】
つぎに、
図7~
図14(c)を参照して、給与情報提供システム1の動作を説明する。
図7は、情報登録処理を示すフローチャートである。
図8は、給与情報提供処理を示すフローチャートである。
図9は、給与情報開示設定画面400を示す図である。
図10は、社員アカウント情報設定画面500を示す図である。
図11は、第1ログイン画面600を示す図である。
図12は、年月選択画面700を示す図である。
図13は、給与明細画面800を示す図である。
図14(a)は、ライブ画像表示画面900を表示する携帯端末30を示す図である。
図14(b)は、第2ログイン画面1000を表示する携帯端末30を示す図である。
図14(c)は、秘匿対象画面1100を表示する携帯端末30を示す図である。
【0056】
まず、
図7を参照して、サーバ10で実行される情報登録処理を説明する。情報登録処理は、給与情報提供処理に用いる情報として、会社の社員に関する情報をあらかじめ登録する処理である。
【0057】
サーバ10において、操作部12を介して、会社の管理者から情報登録処理の実行指示が入力される。CPU11は、当該実行指示をトリガとして、記憶部15に記憶された情報登録プログラムP1に従い、情報登録処理を実行する。
【0058】
まず、CPU11は、操作部12を介して、会社の管理者から会社の社員の給与情報の開示に関する設定情報の入力を受け付け、入力された設定情報を給与開示設定マスタテーブル60に記憶して登録する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、CPU11は、
図9に示す給与情報開示設定画面400の表示情報を生成して表示部14に表示する。
【0059】
給与情報開示設定画面400は、社員番号入力欄401、勤務状況情報開示設定領域410、支給情報開示設定領域420、その他情報開示設定領域430、振込先情報開示設定領域440を有する。
【0060】
社員番号入力欄401は、設定対象の社員の社員番号の入力欄である。勤務状況情報開示設定領域410は、設定対象の社員の勤務状況情報の開示設定の入力を受け付ける領域であり、勤務状況情報の内容の表示欄と、入力欄411と、を有する。入力欄411は、設定対象の社員の勤務状況情報を当該社員本人及び本人以外の人物に開示する「1」と、本人のみに開示する「2」とのいずれかの入力を受け付ける。支給情報開示設定領域420は、設定対象の社員の支給情報の開示設定の入力を受け付ける領域であり、支給情報の内容の表示欄と、入力欄421と、を有する。入力欄421は、設定対象の社員の支給情報を当該社員本人及び本人以外の人物に開示する「1」と、本人のみに開示する「2」とのいずれかの入力を受け付ける。
【0061】
その他情報開示設定領域430は、設定対象の社員のその他情報の開示設定の入力を受け付ける領域であり、その他情報の内容の表示欄と、入力欄431と、を有する。入力欄431は、設定対象の社員のその他情報を当該社員本人及び本人以外の人物に開示する「1」と、本人のみに開示する「2」とのいずれかの入力を受け付ける。振込先情報開示設定領域440は、設定対象の社員の振込先情報の開示設定の入力を受け付ける領域であり、振込先情報の表示欄と、入力欄441と、を有する。入力欄441は、設定対象の社員の振込先情報を当該社員本人及び本人以外の人物に開示する「1」と、本人のみに開示する「2」とのいずれかの入力を受け付ける。
【0062】
社員番号入力欄401、入力欄411,421,431,441に入力された情報は、それぞれ、社員番号61、勤務状況情報62、支給情報63、その他情報64、振込先情報65の同一レコードに記憶される。
【0063】
CPU11は、操作部12を介して、会社の管理者からステップS11での設定対象の社員のアカウント情報の設定情報の入力を受け付け、入力された設定情報を社員アカウントマスタテーブル50に記憶して登録する(ステップS12)。情報登録処理は、終了する。ステップS12では、例えば、CPU11は、
図10に示す社員アカウント情報設定画面500の表示情報を生成して表示部14に表示する。
【0064】
社員アカウント情報設定画面500は、社員番号入力領域501、社員名入力領域502、住所入力領域503、電話番号入力領域504、ログインID入力領域505、パスワード入力領域506を有する。社員番号入力領域501は、設定対象の社員の社員番号の入力領域である。社員番号入力領域501は、例えば、ステップS11の設定対象の社員の社員番号がデフォルトで入力済になっている。
【0065】
社員名入力領域502は、設定対象の社員の社員名の入力領域である。住所入力領域503は、設定対象の社員の住所の入力領域である。電話番号入力領域504は、設定対象の社員の電話番号の入力領域である。ログインID入力領域505は、設定対象の社員のログインIDの入力領域である。パスワード入力領域506は、設定対象の社員の(初期)パスワードの入力領域である。
【0066】
社員番号入力領域501、社員名入力領域502、住所入力領域503、電話番号入力領域504、ログインID入力領域505、パスワード入力領域506に入力された情報は、それぞれ、社員番号51、社員名52、住所53、電話番号54、ログインID55、パスワード56の同一レコードに記憶される。例えば、情報登録処理が繰り返されることにより、給与開示設定マスタテーブル60、社員アカウントマスタテーブル50に全社員の情報が登録される。なお、ステップS11,S12の実行順が逆である構成としてもよい。
【0067】
ついで、
図8を参照して、サーバ10で実行される給与情報提供処理を説明する。給与情報提供処理は、会社の社員の要求に応じて、秘匿対象情報を含まない給与情報をPC20に表示し、秘匿対象情報を携帯端末30に表示して提供する処理である。
【0068】
あらかじめ、給与情報を閲覧したい所定社員(例えば、山田太郎)が自席のPC20を使用する。PC20において、操作部22を介して、所定社員からブラウザの起動指示が入力される。CPU21は、当該ブラウザの起動指示に応じて、記憶部25に記憶されているブラウザプログラムP3に従い、ブラウザを実行する。
【0069】
CPU21は、ブラウザ上で、操作部22を介して、所定社員からサーバ10の給与情報提供処理を行う給与情報サイトのURLの入力を受け付け、通信部26を介して、給与情報提供処理の要求をサーバ10に送信する。サーバ10において、通信部16を介して、給与情報提供処理の要求がPC20から受信される。CPU11は、給与情報提供処理の要求の受信をトリガとして、記憶部15に記憶されている給与情報提供プログラムP2に従い、給与情報提供処理を実行する。
【0070】
ここで、サーバ10のCPU11は、ブラウザ用の表示情報をPC20に表示させる場合に、通信部16を介して、当該表示情報をPC20に送信する。PC20のCPU21は、通信部26を介して、表示情報をサーバ10から受信し、当該表示情報を表示部24のブラウザ上に表示する。以下、この一連の処理の流れを、サーバ10のCPU11が、ブラウザ用の表示情報をPC20の表示部24に表示することとして記載する。
【0071】
また、PC20のCPU21は、ブラウザ上で、操作部22を介して、所定社員から操作入力を受け付け、通信部26を介して、操作情報をサーバ10に送信する。サーバ10のCPU11は、通信部16を介して、操作情報をPC20から受信する。以下、この一連の処理の流れを、サーバ10のCPU11が、PC20の操作部22を介して所定社員からの操作情報の入力を受け付けることとして記載する。
【0072】
図8に示すように、まず、CPU11は、第1ログイン画面情報を生成してPC20の表示部24に表示する(ステップS21)。ステップS21では、例えば、
図11に示す第1ログイン画面600が表示される。第1ログイン画面600は、ログインID入力欄601と、パスワード入力欄602と、ログインボタン603と、を有する。
【0073】
ログインID入力欄601は、給与情報サイトのログイン用の所定社員のログインIDの入力欄である。パスワード入力欄602は、ログインID入力欄601のログインIDに対応するパスワードの入力欄である。ログインボタン603は、ログインID及びパスワードの入力完了によるログイン実行指示を受け付けるボタンである。
【0074】
そして、CPU11は、操作部22を介して、所定社員からログインID及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS22)。ステップS22では、例えば、ログインID入力欄601へのログインIDの入力と、パスワード入力欄602へのパスワードの入力と、ログインボタン603のクリック入力と、が行われる。CPU11は、記憶部15の社員アカウントマスタテーブル50を参照し、入力されたログインID及びパスワードの組合せが、ログインID55、パスワード56の同一レコードにあるか否かにより、ログイン認証を行う。CPU11は、ログイン認証が成功したか否かを判別する(ステップS23)。
【0075】
ログイン認証が失敗した場合(ステップS23;NO)、処理はステップS22に移行される。ログイン認証が成功した場合(ステップS23;YES)、CPU11は、ログイン社員の閲覧対象の給与情報の年月選択画面情報を作成し、作成した年月選択画面情報を表示部24に表示する(ステップS24)。ステップS24では、例えば、
図12に示す年月選択画面700が表示される。年月選択画面700は、社員名表示領域701と、年月選択領域702と、を有する。社員名表示領域701は、ログイン社員の社員名の表示欄である。年月選択領域702は、閲覧対象の年月の文字列の選択入力を受け付ける領域である。
【0076】
CPU11は、操作部22を介して、ログイン社員からの年月選択領域702の年月のクリックによる年月選択情報の入力を受け付ける(ステップS25)。そして、CPU11は、記憶部15の給与情報D1、給与開示設定マスタテーブル60を参照し、ログイン社員の給与明細画面情報を生成し、作成した給与明細画面情報を表示部24に表示する(ステップS26)。
【0077】
ステップS26では、例えば、
図13に示す給与明細画面800が表示される。給与明細画面800は、社員名表示領域810と、年月表示領域820と、勤務状況情報表示領域830と、支給情報表示領域840と、その他情報表示領域850と、振込先情報表示欄860と、を有する。
【0078】
社員名表示領域810は、ログイン社員の社員名の表示領域である。年月表示領域820は、ステップS26で入力された年月の表示領域である。勤務状況情報表示領域830は、勤務状況情報70に基づく、ログイン社員の勤務状況情報の表示領域である。ここでは、給与開示設定マスタテーブル60のログイン社員の社員番号61に対応する勤務状況情報62が1(開示)になっているため、勤務状況情報表示領域830において、全ての勤務状況情報が表示されている。勤務状況情報表示領域830は、例えば、ログイン社員の社員番号71及び選択された年月72に対応する出勤日数73などの勤務状況情報が表示されている。
【0079】
支給情報表示領域840は、支給情報80に基づく、ログイン社員の勤務状況情報の表示領域である。ここでは、給与開示設定マスタテーブル60のログイン社員の社員番号61に対応する支給情報62が2(本人のみに開示)になっている。このため、支給情報は、秘匿対象情報として支給情報表示領域840で非開示にされる。支給情報表示領域840は、支給情報に係る項目840a,840b,840c,840dと、二次元コード841と、を有する。項目840aは、支給情報を示す「支給情報」の文字列である。項目840bは、支給情報が差引支給額の項目を有することを示す「差引支給額」の文字列である。項目840cは、支給情報が支給額の項目を有することを示す「支給額」の文字列である。項目840dは、支給情報が控除額の項目を有することを示す「控除額」の文字列である。二次元コード841は、後述する秘匿対象画面へ遷移するためのURLを含めてエンコードされたQRコードなどの二次元コードである。このように、支給情報表示領域840の支給情報は、二次元コード841に置換されて秘匿されている。
【0080】
その他情報表示領域850は、その他情報90に基づく、ログイン社員のその他情報の表示領域である。ここでは、給与開示設定マスタテーブル60のログイン社員の社員番号61に対応するその他情報64が1(開示)になっているため、その他情報表示領域850において、全てのその他情報が表示されている。その他情報表示領域850は、例えば、ログイン社員の社員番号91及び選択された年月92に対応する▲▲保険料93などの勤務状況情報が表示されている。
【0081】
振込先情報表示欄860は、振込先情報100に基づく、ログイン社員の振込先情報の表示領域である。ここでは、給与開示設定マスタテーブル60のログイン社員の社員番号61に対応する振込先情報65が2(本人のみに開示)になっている。このため、振込先情報は、秘匿対象情報として振込先情報表示欄860で非開示にされる。振込先情報表示欄860は、振込先情報に係る項目860a,860b,860c,860d,860eと、二次元コード861と、を有する。項目860aは、振込先情報を示す「振込先情報」の文字列である。項目860bは、振込先情報が金融機関名の項目を有することを示す「金融機関名」の文字列である。項目860cは、振込先情報が支店名の項目を有することを示す「支店名」の文字列である。項目860dは、振込先情報が口座番号の項目を有することを示す「口座番号」の文字列である。項目860eは、振込先情報が振込額の項目を有することを示す「振込額」の文字列である。二次元コード861は、後述する秘匿対象画面へ遷移するためのURLを含めてエンコードされたQRコードなどの二次元コードである。二次元コード861は、二次元コード841と同じであるものとする。このように、振込先情報表示欄860の振込先情報は、二次元コード841に置換されて秘匿されている。
【0082】
ログイン社員は、表示部24に表示中の給与明細画面において、二次元コードで秘匿されている給与情報を閲覧したい場合、自身が所持する携帯端末30を使用して、二次元コードを読み取る。具体的には、CPU31は、操作部32を介してログイン社員から撮影開始指示の入力を受け付け、撮像部37により撮像されたライブの被写体の画像を含むライブ画像表示画面情報を作成して表示部34に表示する。例えば、
図14(a)に示すように、ライブ画像表示画面900が表示される。ライブ画像表示画面900は、被写体としての二次元コード841又は861のライブ画像を含む。CPU31は、操作部32を介してログイン社員から撮影実行指示の入力を受け付け、撮像部37により被写体(二次元コード)の画像データを生成し、生成した画像データをデコードして秘匿対象情報サイトのURLを取得する。
【0083】
CPU31は、URLを取得した場合に、記憶部35のブラウザプログラムP4に基づいてブラウザを起動する。CPU31は、通信部36を介して、取得したURLを用いて秘匿対象情報サイトへの接続用の秘匿対象情報の表示要求をサーバ10に送信する。
【0084】
サーバ10のCPU11は、通信部36を介する携帯端末30からの秘匿対象情報の表示要求の受信有無に基づき、秘匿対象情報の表示要求があるか否かを判別する(ステップS27)。秘匿対象情報の表示要求がない場合(ステップS27;NO)、給与情報提供処理が終了される。
【0085】
秘匿対象情報の表示要求がある場合(ステップS27;YES)、CPU11は、第2ログイン画面情報を生成して携帯端末30の表示部34に表示する(ステップS28)。ステップS28では、例えば、
図14(b)に示す第2ログイン画面1000が表示される。第2ログイン画面1000は、ログインID入力欄1001と、パスワード入力欄1002と、ログインボタン1003と、を有する。
【0086】
ログインID入力欄1001は、秘匿対象情報サイトのログイン用の所定社員のログインIDの入力欄である。パスワード入力欄1002は、ログインID入力欄1001のログインIDに対応するパスワードの入力欄である。ログインボタン1003は、ログインID及びパスワードの入力完了によるログイン実行指示を受け付けるボタンである。
【0087】
そして、CPU11は、操作部32を介して、所定社員のログインID及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS29)。ステップS29では、例えば、ログインID入力欄1001へのログインIDの入力と、パスワード入力欄1002へのパスワードの入力と、ログインボタン1003のクリック入力と、が行われる。CPU11は、記憶部15の社員アカウントマスタテーブル50を参照し、入力されたログインID及びパスワードの組合せが、ログインID55、パスワード56の同一レコードにあるか否かにより、ログイン認証を行う。CPU11は、ログイン認証が成功したか否かを判別する(ステップS30)。
【0088】
ログイン認証が失敗した場合(ステップS30;NO)、処理はステップS29に移行される。ログイン認証が成功した場合(ステップS30;YES)、CPU11は、記憶部15の給与情報D1、給与開示設定マスタテーブル60を参照し、ログイン社員の秘匿対象画面情報を生成し、作成した秘匿対象画面情報を表示部34に表示する(ステップS31)。給与情報提供処理は、終了する。
【0089】
ステップS31では、例えば、
図14(c)に示す秘匿対象画面1100が表示される。秘匿対象画面1100は、社員名表示領域1110と、年月表示領域1120と、支給情報表示領域1130と、振込先情報表示領域1140と、を有する。
【0090】
社員名表示領域1110は、ログイン社員の社員名の表示領域である。年月表示領域1120は、ステップS26で入力された年月の表示領域である。支給情報表示領域1130は、支給情報80に基づく、ログイン社員の秘匿対象情報としての支給情報の表示領域である。支給情報表示領域1130は、例えば、ログイン社員の社員番号81及び選択された年月82に対応する、差引支給額83と、総支給額84などの支給額と、控除額87などの控除額と、の項目及びその内容を含む支給情報が表示されている。
【0091】
振込先情報表示領域1140は、振込先情報100に基づく、ログイン社員の秘匿対象情報としての振込先情報の表示領域である。振込先情報表示領域1140は、例えば、ログイン社員の社員番号101及び選択された年月102に対応する金融機関名103などの振込先情報が表示されている。
【0092】
以上、本実施の形態によれば、サーバ10は、CPU11を備える。CPU11は、複数の給与情報のうちの少なくとも1つの秘匿対象情報を、秘匿対象情報を含む情報である二次元コードに置換し、当該二次元コードと、当該秘匿対象情報に係る項目と、をPC20の表示部24に並べて表示させる。秘匿対象情報に係る項目は、例えば、支給情報に係る項目840a~840c、振込先情報に係る項目860a~860eである。携帯端末30は、表示された二次元コードを読み取る撮像部37を備える。CPU11は、携帯端末30において、撮像部37によって二次元コードが読み取られた場合に、所定社員の認証情報の入力を受け付ける第2ログイン画面を携帯端末30の表示部34に表示させる。CPU11は、第2ログイン画面において所定社員により入力された認証情報によって所定社員の認証を行い、認証が成功した場合に、少なくとも1つの秘匿対象情報を携帯端末30の表示部34に表示させる。給与情報提供システム1は、サーバ10と、第2ログイン画面において所定社員により入力された認証情報をサーバ10に送信するための通信部36を備える携帯端末30と、PC20と、を備える。
【0093】
このため、給与明細画面800において、秘匿対象情報と、秘匿対象情報に係る項目と、を並べて表示することで、所定社員に秘匿対象情報が何に係る情報であるかを容易に把握させることができる。且つ、PC20の周辺にいる他人に開示したくない秘匿対象情報をPC20の表示画面から容易に隠すことができる。所定社員は、携帯端末30により適切なタイミング及び場所で秘匿対象情報を容易に確認できる。また、ログイン認証が成功した所定社員のみに、秘匿対象情報を表示部34に表示するので、たとえ他人が二次元コードを盗撮したとしても、ログインできない当該他人の秘匿対象情報の閲覧を防ぐことができる。
【0094】
CPU11は、複数の給与情報のうち、秘匿対象情報として設定された全ての給与情報を同じ二次元コードに置換してPC20の表示部24に表示させる。CPU11は、複数の給与情報のうち、秘匿対象情報として設定された全ての給与情報を携帯端末30の表示部34に表示させる。このため、全ての秘匿対象情報に対応する1つの二次元コードを読み取って全ての秘匿対象情報を表示して閲覧でき、所定社員の操作入力負担を軽減できる。
【0095】
二次元コードは、秘匿対象情報を表示する秘匿対象情報サイトのURLを含む。CPU11は、前記URLにより接続された携帯端末30に第2ログイン画面を表示させる。このため、所定社員が秘匿対象情報サイトのURLを入力する負担を軽減できる。
【0096】
PC20は、サーバ10とは別の表示端末である。このため、例えば、会社の各社員の自席の各PC20において、各PC20の周辺にいる他人に開示したくない秘匿対象情報を各PC20の表示画面から容易に隠すことができる。
【0097】
携帯端末30は、第2ログイン画面において所定社員により入力された認証情報をサーバ10に送信するための通信部36を備える、所定社員が所持する携帯端末である。このため、ログイン社員は、携帯端末30により適切なタイミング及び場所で秘匿対象情報をより容易に確認できる。
【0098】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDD、SSDなどの記憶部15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、他の不揮発性メモリ、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0099】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、システム、秘匿対象情報表示方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施の形態では、サーバ10と、PC20と、が別の装置である構成としたが、これに限定されるものではない。サーバ10と、PC20と、が同一の装置である構成(給与情報提供システム1が、サーバ10と、携帯端末30と、を備える構成)としてもよい。このため、装置構成を簡単にできる。同一のサーバ10は、例えば、会社の複数の社員が共用で使用可能な装置とし、ブラウザプログラムを記憶し、ブラウザを実行可能であるものとする。サーバ10のCPU11は、1人の所定社員が使用する場合に、記憶部15にあらかじめ記憶されたブラウザプログラムに従ってブラウザを起動する。CPU11は、当該ブラウザに対して給与情報提供処理を実行し、第1ログイン画面情報、給与情報画面情報を、表示手段としての表示部14に表示する。CPU11は、第2ログイン画面情報、秘匿対象画面情報を携帯端末30の表示部34に表示する。
【0101】
また、上記実施の形態では、
図13の給与明細画面800において、二次元コード841と、二次元コード861とが同じである構成としたが、これに限定されるものではない。二次元コード841と、二次元コード861とが、別々のURLを含む別の二次元コードであるものとしてもよい。例えば、二次元コード841は、秘匿対象情報としての支給情報のみを表示するための秘匿対象情報サイトへ接続するためのURLを含む。二次元コード861は、秘匿対象情報としての振込先情報のみを表示するための秘匿対象情報サイトへ接続するためのURLを含む。つまり、サーバ10のCPU11は、複数の給与情報のうち、秘匿対象情報として設定された全ての給与情報のそれぞれを互いに異なる二次元コード841,861に置換してPC20の表示部24に表示させる。CPU11は、複数の給与情報のうち、読み取られた二次元コードに対応する秘匿対象情報として設定された情報のみを携帯端末30の表示部34に表示させる。このため、秘匿対象情報のうち、閲覧したい秘匿対象情報のみに対応する二次元コードを読み取って閲覧したい秘匿対象情報のみを表示して閲覧できる。なお、例えば、二次元コード861についても、金融機関名、支店名、口座番号、振込額について、これらの各秘匿対象情報のみを表示するための各秘匿対象情報サイトのURLを含む互いに異なる二次元コードとして表示する構成としてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、会社の社員の給与情報から秘匿対象情報を設定する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、給与情報以外の各個人の個人情報から少なくとも1つの秘匿対象情報を設定する構成としてもよい。
【0103】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0104】
1 給与情報提供システム
10 サーバ
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
17 バス
20 PC
21 CPU
22 操作部
23 RAM
24 表示部
25 記憶部
26 通信部
27 バス
30 携帯端末
31 CPU
32 操作部
33 RAM
34 表示部
35 記憶部
36 通信部
37 撮像部
38 バス
N 通信ネットワーク