(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042385
(43)【公開日】2025-03-27
(54)【発明の名称】エレベータの乗場ドアロック装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 13/18 20060101AFI20250319BHJP
B66B 13/22 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
B66B13/18 C
B66B13/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149361
(22)【出願日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】大脇 裕之
(72)【発明者】
【氏名】片山 知
(72)【発明者】
【氏名】能 愛莉
(72)【発明者】
【氏名】山田 真太郎
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307AA02
3F307BA03
3F307CC02
3F307CC11
3F307CC30
(57)【要約】
【課題】乗場ドアが全閉した状態にあることを検出するドア閉検出部が塵埃等の異物を原因として動作不良を引き起こすことを好適に防止することができるエレベータの乗場ドアロック装置を提供する。
【解決手段】乗場ドアロック装置4は、乗場出入口側の構成として、被ロック部60aと、ドア閉検出部のスイッチ61とを備え、乗場ドア側の構成として、被ロック部60aと係合するロック部材42と、スイッチ61の端子に対する操作片58とを備える。スイッチ61は、端子が乗場ドアの閉動作方向と交差する面に沿うように設けられ、操作片58は、乗場ドアの閉動作に伴う並進運動によりスイッチ61の端子に接触して作用するように設けられる。これにより、スイッチ61の端子に塵埃等の異物が堆積しにくくなり、ドア閉検出部の動作不良が防止される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場出入口側の構成として、被ロック部と、ドア閉検出部のスイッチとを備え、横方向に移動することにより乗場出入口を開閉する乗場ドア側の構成として、乗場ドアが全閉した状態で被ロック部と係合するロック部材と、スイッチの端子に対する操作片とを備え、乗場ドアを全閉した状態で固定するためのエレベータの乗場ドアロック装置であって、
スイッチは、端子が乗場ドアの閉動作方向と交差する面に沿うように設けられ、
操作片は、乗場ドアの閉動作に伴う並進運動によりスイッチの端子に接触して作用するように設けられる
エレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項2】
ロック部材は、被ロック部を受け入れ可能な受入凹部を備え、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係合するロック状態と、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係脱可能となるロック解除状態とに状態変化可能に設けられる部材であり、
ロック部材をロック状態からロック解除状態に状態変化させるためのトリガを入力する入力部と、
入力部へのトリガの入力操作として、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力を入力部に伝達する操作機構部とをさらに備える
請求項1に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項3】
ロック部材を係止してロック部材がロック状態からロック解除状態に状態変化するのを規制する規制状態と、ロック部材から外れて規制を解除する規制解除状態とに状態変化可能に設けられるストッパ部材をさらに備え、
入力部は、ストッパ部材に設けられ、
操作機構部は、ストッパ部材と作動的に連結され、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
請求項2に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項4】
操作片は、ロック部材に設けられる
請求項2に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項5】
操作機構部は、エレベータのかごのかごドアが備える乗場ドア係合装置が係合する被係合部を備え、かごドアの開動作に伴ってかごドアから被係合部を介して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
請求項2に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項6】
ロック部材及び操作片は、乗場ドアに取り付けられるベース上に設けられる
請求項1に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のエレベータの乗場ドアロック装置を備える
エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗場ドアを全閉した状態で固定し、正規の操作以外では開かないようにするためのエレベータの乗場ドアロック装置及びこれを備えるエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の乗場ドアロック装置は、特許文献1、2に記載された構造のものが一般的であり、
図14に示すように、乗場出入口側の構成として、乗場出入口周辺の昇降路の内壁面2A’に直接又はブラケット等を介して間接的に取り付けられる、被ロック部材60’の被ロック部60a’と、ドア閉検出部のスイッチ61’とを備え、ドアハンガ230’がドアレール26’に沿って横方向に移動することにより乗場出入口を開閉する乗場ドア23’側の構成として、乗場ドア23’が全閉した状態で被ロック部60a’と係合するロック部材42’と、スイッチ61’に対する操作片58’とを備える。
【0003】
ロック部材42’は、ドアハンガ230’に揺動可能に取り付けられ、乗場ドア23’が全閉した状態において、先端部が鉛直下方に下がるように揺動し、被ロック部60a’と係合する(ロック状態)。操作片58’は、ロック部材42’の先端部に取り付けられ、ロック部材42’がロック状態になると、スイッチ61’の端子62’に接触して作用し、スイッチ61’をOFF(又はON)にする。エレベータの制御部は、スイッチ61’のOFF信号(又はON信号)に基づき、乗場ドア23’が全閉した状態にあると判断する。
【0004】
他方、ロック部材42’は、かごドア(図示しない)が備える乗場ドア係合装置のカム70’がかごドアの開動作に伴ってロック部材42’のローラ48’と係合することにより、先端部が鉛直上方に上がるように揺動し、被ロック部60a’との係合を解除する(ロック解除状態)。操作片58’は、ロック部材42’がロック解除状態になると、スイッチ61’の端子62’から離れ、スイッチ61’をON(又はOFF)にする。エレベータの制御部は、スイッチ61’のON信号(又はOFF信号)に基づき、乗場ドア23’が全閉した状態にないと判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-34092号公報
【特許文献2】特開平3-182493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の乗場ドアロック装置では、スイッチ61’の端子62’が上を向く面に沿うように設けられ、塵埃等の異物が端子62’の上に堆積しやすくなっている。そして、スイッチ61’は、エレベータの駆動装置の安全回路の一部を構成するインターロックスイッチの形態であるため、異物を原因としてスイッチ61’の導通不良や操作片58’及び端子62’の接触不良が発生すると、安全回路が作動し、エレベータの電源供給が遮断され、エレベータが非常停止し、かご内に乗客がいる場合、乗客がかご内に閉じ込められるという不具合が発生するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、乗場ドアが全閉した状態にあることを検出するドア閉検出部が塵埃等の異物を原因として動作不良を引き起こすことを好適に防止することができるエレベータの乗場ドアロック装置及びエレベータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るエレベータの乗場ドアロック装置は、
乗場出入口側の構成として、被ロック部と、ドア閉検出部のスイッチとを備え、横方向に移動することにより乗場出入口を開閉する乗場ドア側の構成として、乗場ドアが全閉した状態で被ロック部と係合するロック部材と、スイッチの端子に対する操作片とを備え、乗場ドアを全閉した状態で固定するためのエレベータの乗場ドアロック装置であって、
スイッチは、端子が乗場ドアの閉動作方向と交差する面に沿うように設けられ、
操作片は、乗場ドアの閉動作に伴う並進運動によりスイッチの端子に接触して作用するように設けられる
エレベータの乗場ドアロック装置である。
【0009】
ここで、本発明に係るエレベータの乗場ドアロック装置の一態様として、
ロック部材は、被ロック部を受け入れ可能な受入凹部を備え、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係合するロック状態と、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係脱可能となるロック解除状態とに状態変化可能に設けられる部材であり、
ロック部材をロック状態からロック解除状態に状態変化させるためのトリガを入力する入力部と、
入力部へのトリガの入力操作として、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力を入力部に伝達する操作機構部とをさらに備える
との構成を採用することができる。
【0010】
また、この場合、
ロック部材を係止してロック部材がロック状態からロック解除状態に状態変化するのを規制する規制状態と、ロック部材から外れて規制を解除する規制解除状態とに状態変化可能に設けられるストッパ部材をさらに備え、
入力部は、ストッパ部材に設けられ、
操作機構部は、ストッパ部材と作動的に連結され、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
との構成を採用することができる。
【0011】
また、この場合、
操作片は、ロック部材に設けられる
との構成を採用することができる。
【0012】
また、本発明に係るエレベータの乗場ドアロック装置の他態様として、
操作機構部は、エレベータのかごのかごドアが備える乗場ドア係合装置が係合する被係合部を備え、かごドアの開動作に伴ってかごドアから被係合部を介して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
との構成を採用することができる。
【0013】
また、本発明に係るエレベータの乗場ドアロック装置の別の態様として、
ロック部材及び操作片は、乗場ドアに取り付けられるベース上に設けられる
との構成を採用することができる。
【0014】
また、本発明に係るエレベータは、
上記いずれかのエレベータの乗場ドアロック装置を備える
エレベータである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スイッチは、端子が乗場ドアの閉動作方向と交差する面に沿うように設けられ、操作片は、乗場ドアの閉動作に伴う並進運動によりスイッチの端子に接触して作用するように設けられる。これにより、スイッチの端子に塵埃等の異物が堆積しにくくなる。このため、本発明によれば、乗場ドアが全閉した状態にあることを検出するドア閉検出部が塵埃等の異物を原因として動作不良を引き起こすことを好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図2は、エレベータの一部断面側面図である。
【
図3】
図3は、乗場ドアが全閉した状態にある乗場出入口を昇降路内から見た正面図である。
【
図4】
図4は、乗場ドアが全開した状態にある乗場出入口の正面図である。
【
図5】
図5(a)は、本実施形態に係る乗場ドアロック装置であって、ロック状態にある乗場ドアロック装置を昇降路内から見た正面図である。
図5(b)は、ロック解除状態にある乗場ドアロック装置の正面図である。
【
図6】
図6(a)は、かごドアが備える乗場ドア係合装置であって、開状態にある乗場ドア係合装置を乗場から見た正面図である。
図6(b)は、閉状態にある乗場ドア係合装置の正面図である。
【
図7】
図7(a)は、本実施形態に係る乗場ドアロック装置が備えるドア閉検出部であって、ON状態にあるドア閉検出部の正面図である。
図7(b)は、OFF状態にあるドア閉検出部の正面図である。
図7(c)は、別例に係るドア閉検出部の正面図である。
【
図8】
図8(a)~(d)は、乗場ドアが全閉した状態から開動作を始める過程における乗場ドアロック装置の状態変化の説明図である。
【
図9】
図9(a)~(d)は、乗場ドアが閉動作により全閉した状態となる過程における乗場ドアロック装置の状態変化の説明図である。
【
図10】
図10(a)~(h)は、乗場ドアが閉動作により全閉した状態となる過程におけるドア閉検出部の状態変化の説明図である。
【
図11】
図11(a)は、他実施形態1に係る乗場ドアロック装置であって、ロック状態にある乗場ドアロック装置を昇降路内から見た正面図である。
図11(b)は、ロック解除状態にある乗場ドアロック装置の正面図である。
【
図12】
図12(a)は、他実施形態2に係る乗場ドアロック装置を昇降路内から見た正面図である。
図12(b)は、乗場から見た正面図である。
【
図13】
図13(a)は、他実施形態3に係る乗場ドアロック装置を昇降路内から見た正面図である。
図13(b)は、乗場から見た正面図である。
【
図14】
図14(a)は、従来の乗場ドアロック装置であって、ロック状態にある乗場ドアロック装置を昇降路内から見た正面図である。
図14(b)は、ロック解除状態にある乗場ドアロック装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る乗場ドアロック装置を備えるエレベータの一実施形態について説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すように、エレベータ1は、昇降路2と、かご3とを備える。昇降路2は、階層を有する建物内において上下方向に延びる。かご3は、駆動機構の駆動により、昇降路2内を昇降し、駆動機構の駆動停止により、指定された階床に停止する。
【0019】
かご3は、かごドア30と、ドア開閉装置31とを備える。かごドア30は、横方向に移動してかご3の前面の開口(かご出入口)を開閉して人の乗り降りを可能とする。かごドア30には、両開き式と片開き式とがある。ドア開閉装置31は、かごドア30を開閉動作させるための装置で、たとえばかご3の前面上部に配置される。
【0020】
これに対し、各階床の乗場20は、三方枠21と、乗場ドア装置22とを備える。三方枠21は、壁面に形成され、枠内がかご3の開口に対応した大きさの開口(乗場出入口)となる。
図3及び
図4に示すように、乗場ドア装置22は、乗場ドア23と、ドア支持構造24とを備える。乗場ドア23は、横方向に移動して三方枠21内の開口21Aを開閉して人の乗り降りを可能とする。乗場ドア23にも、かごドア30に対応して、両開き式と片開き式とがある。乗場ドア23は、通常は弾性力が付勢されて閉となっており、階床に停止したかご3のかごドア30の開動作に従動して弾性付勢に抗して開かれ、かごドア30の閉動作に伴って弾性付勢により閉じられる。ドア支持構造24は、乗場ドア23の開閉動作を可能としつつ、乗場ドア23を支持する構造体である。
【0021】
ドア支持構造24は、ドアレール26と、敷居27とを備える。ドアレール26は、帯状に形成され、昇降路2の内壁面2Aに取り付けられる横長の板状のベースプレート25に左右方向に設けられる。乗場ドア23は、ドアハンガ230を備える。ドアハンガ230は、1対のローラ231,231を備える。ローラ231,231は、ドアレール26の上縁部に載置される。これにより、乗場ドア23は、ドアレール26に沿って左右方向にスライド可能な状態で、ドアレール26に吊り下げられる。ドアレール26は、乗場ドア23の開閉動作を可能としつつ、乗場ドア23の上部を支持する構造体である。他方、敷居27は、開口21Aの下縁に沿って、かつ、両端が開口21Aの下縁よりも左右に広がるように、昇降路2の内壁面2Aに左右方向に設けられる。敷居27は、乗場ドア23の開閉動作を可能としつつ、乗場ドア23の下部を支持する構造体である。
【0022】
乗場ドア装置22は、乗場ドアロック装置4を備える。乗場ドアロック装置4は、乗場ドア23を全閉した状態で固定し、正規の操作以外では開かないようにするための装置である。
図5に示すように、乗場ドアロック装置4は、乗場ドア23側の構成として、装置本体40を備え、乗場出入口21A側の構成として、被ロック部60aを備える。
【0023】
装置本体40は、乗場ドア23(ドアハンガ230又は乗場ドア23の上部)に取り付けられる。被ロック部60aは、乗場出入口21A周辺の昇降路2の内壁面2A(ドア支持構造24のベースプレート25、ドアレール26、又は、昇降路2の内壁面2Aに直接又はブラケット等を介して間接的)に取り付けられる被ロック部材60の一部である。被ロック部材60は、断面が円形の棒材を両端が基部となるように屈曲されるたとえばU字状の部材である。被ロック部60aは、被ロック部材60の先端部における軸体である。装置本体40は、縦に配置され、被ロック部60aは、乗場ドア23の左右の開閉動作方向と直交する方向かつ水平方向に沿って配置される。
【0024】
装置本体40は、ベースプレート(ベース)41と、ロック部材42と、ストッパ部材44と、揺動体46と、リンク機構50とを備える。ベースプレート41は、平板状であり、乗場ドア23に取り付けられる。ベースプレート41は、横長の長方形状であり、1つの角部に切欠部41aを有する。ロック部材42は、先端側がベースプレート41の切欠部41aに位置するように、ベースプレート41の第1部位の支持軸41bを介してベースプレート41に回転可能に支持される。ストッパ部材44は、ベースプレート41の第2部位の支持軸41cを介してベースプレート41に回転可能に支持される。揺動体46は、ベースプレート41の第3部位の支持軸41dを介してベースプレート41に回転可能に支持される。支持軸41b~41dは、ベースプレート41の表面から直交方向に突出して設けられるため、ロック部材42、ストッパ部材44及び揺動体46は、ベースプレート41の表面に沿って回転可能となる。リンク機構50は、一端部がストッパ部材44に回転可能に取り付けられ、他端部が揺動体46に回転可能に取り付けられ、ストッパ部材44及び揺動体46を作動的に連結する。
【0025】
ロック部材42は、受入凹部42aを備える。受入凹部42aは、先端側にて開放される切欠き状の凹部である。受入凹部42aは、被ロック部60aを受け入れ可能な大きさに形成される。受入凹部42aは、幅よりも奥行が長く、奥行方向に長尺な凹部である。
【0026】
ロック部材42は、ベースプレート41上のストッパ53及びストッパ部材44と接触することにより回転範囲が規制され、第1角度位置と第2角度位置との間で回転(揺動)可能、すなわち、第1状態と第2状態とに状態変化可能となる。ロック部材42は、第1状態から第2状態に状態変化するようにバネ43により弾性付勢される(図中の矢印方向)。
【0027】
第1状態は、受入凹部42aが乗場ドア23の開閉動作方向(開動作方向及び閉動作方向、
図5では、紙面の右方向が開動作方向、左方向が閉動作方向、以下同様)に対して直交状態となる(受入凹部42aの中心線と乗場ドア23の開閉動作方向とが直交する状態となる)ことにより、乗場ドア23の開動作方向において受入凹部42aと被ロック部60aとが係合する状態(ロック状態)である。
【0028】
第2状態は、受入凹部42aが乗場ドア23の開閉動作方向に対して傾斜状態となる(受入凹部42aの中心線と乗場ドア23の開閉動作方向とが傾斜する状態となる)ことにより、乗場ドア23の開動作方向において受入凹部42aと被ロック部60aとが係脱可能となる状態(ロック解除状態)である。
【0029】
ストッパ部材44は、ベースプレート41上のストッパ54と接触することにより回転範囲が規制され、第1角度位置と第2角度位置との間で回転(揺動)可能、すなわち、第1状態と第2状態とに状態変化可能となる。ストッパ部材44は、第2状態から第1状態に状態変化するようにバネ45により弾性付勢される(図中の矢印方向)。
【0030】
第1状態は、ロック部材42を係止してロック部材42が第1状態から第2状態に状態変化するのを規制し、ロック部材42を第1状態に維持する状態(規制状態)である。
【0031】
第2状態は、ロック部材42から外れて規制を解除し、ロック部材42を第1状態から第2状態に状態変化可能にする状態(規制解除状態)である。
【0032】
ストッパ部材44は、入力部44aを備える。入力部44aは、ストッパ部材44の端部であり、ストッパ部材44を弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化させるためのトリガを入力する部分である。
【0033】
揺動体46は、ベースプレート41上のストッパ55と接触することにより回転範囲が規制され、第1角度位置と第2角度位置との間で回転(揺動)可能、すなわち、第1状態と第2状態とに状態変化可能となる。揺動体46は、第2状態から第1状態に状態変化するようにバネ49により弾性付勢される(図中の矢印方向)。
【0034】
第1状態は、ストッパ部材44の第1状態に対応する状態である。第2状態は、ストッパ部材44の第2状態に対応する状態である。
【0035】
揺動体46は、揺動体46の回転中心である支持軸41dに第1ローラ47を備え、支持軸41dから離れた部位に第2ローラ48を備える。
【0036】
リンク機構50は、第1リンク51及び第2リンク52の2つのリンクからなる2節リンクである。第1リンク51の一端部は、ストッパ部材44の入力部44aに回転可能に取り付けられ、第1リンク51の他端部に第2リンク52の一端部が回転可能に取り付けられ、第2リンク52の他端部が揺動体46に回転可能に取り付けられる。なお、リンクの数は、2つでなく、3つ又は4つ以上であってもよい。
【0037】
これにより、揺動体46が弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化すると、ストッパ部材44も弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化し、他方、揺動体46が弾性付勢により第2状態から第1状態に状態変化すると、ストッパ部材44も弾性付勢により第2状態から第1状態に状態変化する。しかも、リンク機構50は、複数のリンクからなるリンクであるため、揺動体46の状態変化量とストッパ部材44の状態変化量に差異があるとしても、揺動体46及びストッパ部材44が相手の状態変化を阻害することはない。
【0038】
揺動体46の第1ローラ47及び第2ローラ48は、エレベータ1のかご3のかごドア30が備える乗場ドア係合装置7が係合する部分である。
図6に示すように、乗場ドア係合装置7は、ムーバブルカムと呼ばれ、1対のカム(第1カム70、第2カム71)を備える。カム70,71は、上下方向に沿って長尺で上端部及び下端部の幅が拡開してテーパ状となる。カム70,71は、これらの間隔(幅)が広い第1状態と、間隔(幅)が狭くなる第2状態とに状態変化可能となる。より詳しくは、第1カム70は、固定され、第2カム71は、1対の平行リンク72により第1カム70に接離するように平行移動可能となる。また、第2カム71には、揺動体73の先端部が回転可能に取り付けられる。揺動体73は、ローラ74を備え、かごドア30が全閉した状態で、かご本体側に取り付けられるブラケット75とローラ74とが当接することにより、カム70,71を第1状態に維持する。他方、かごドア30が開動作を始め、ローラ74がブラケット75から離れると、第2カム71が自重により下方に移動し、カム70,71は第2状態に状態変化する。そして、かごドア30が開動作を始めて第2状態になると、第1カム70は、揺動体46の第2ローラ48と接触、係合し、揺動体46を弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化させる。
【0039】
このように、かごドア30は、乗場ドア23側に突出する係合部(第1カム70)を備え、乗場ドア23は、かごドア30側に突出する被係合部(第2ローラ48)を備え、かご3が乗場20に到来してかごドア30が開動作を始めると、係合部と被係合部とが係合し、かごドア30と乗場ドア23とが作動的に連結され、乗場ドア23が従動して開動作を始める。
【0040】
図5に戻り、乗場ドアロック装置4は、乗場ドア23側の構成として、操作片58を備え、乗場出入口21A側の構成として、スイッチ61を備える。操作片58は、ロック部材42が設けられる乗場ドア23と同じ乗場ドア23(ドアハンガ230又は乗場ドア23の上部)に設けられる。より詳しくは、操作片58は、ロック部材42に取り付けられる。操作片58は、先端側がロック部材42の外形線から突出するように、そして、ロック部材42が第1状態にあるときに中心線が水平方向(乗場ドア23の閉動作方向)に沿うように、ロック部材42に取り付けられる。スイッチ61は、乗場出入口21A周辺の昇降路2の内壁面2A(ドア支持構造24のベースプレート25、ドアレール26、又は、昇降路2の内壁面2Aに直接又はブラケット等を介して間接的)に取り付けられる。より詳しくは、スイッチ61は、被ロック部材60の近傍に配置される。
【0041】
図7に示すように、スイッチ61は、インターロックスイッチの形態であり、1対の端子(第1端子62、第2端子63、接点ともいう)を備える。スイッチ61は、端子62,63が乗場ドア23の閉動作方向と交差する面(鉛直面)に沿うように設けられる。端子62,63は、帯板状の金属材を用いて構成されるため、鉛直面に沿うことで、板面が縦になる(水平方向から見た面の面積が鉛直方向から見た面の面積よりも大きくなる)ように配置される。端子62,63は、帯板状の金属材を用いて構成されることで、弾性及び可撓性を有して弾発する。
【0042】
スイッチ61は、操作片58の先端に鉛直面に沿うように配置される導体(コンタクト)59が端子62,63に跨って接触して押圧状態で作用することで、導通し、ONとなる。各階床の乗場ドアロック装置4のスイッチ61は、一筆書きの配線で繋がっており、エレベータ1の駆動装置の安全回路を構成する。全てのスイッチ61,…が導通して安全回路に電流が流れているときは、エレベータ1の制御部は、全ての階床の乗場ドア23,…が全閉した状態にあると判断する。他方、安全回路の電流が遮断されたときは、エレベータ1の制御部は、いずれかのスイッチ61が導通していない状態にあり、いずれかの階床の乗場ドア23が全閉した状態にないと判断し、エレベータ1の電源供給を遮断し、エレベータ1の駆動装置を作動不能にする。
【0043】
操作片58の先端は、後述の理由により、中央が凸となる曲面で構成される。導体59もこれに併せて曲面状に形成され、操作片58の先端に埋設されるか先端面に取り付けられる。導体59は、幅を有する帯状であってもよいし、2次元的に広がる面状であってもよい。
【0044】
また、端子62,63は、
図7(a)、(b)に示すように、縦方向に沿って配置される形態、
図7(c)に示すように、横方向に沿って配置される形態、あるいは、斜め方向に沿って配置される形態、のいずれの形態であってもよい。
【0045】
本実施形態に係る乗場ドアロック装置4を備えるエレベータ1の構成は、以上のとおりである。次に、乗場ドアロック装置4の作動について説明する。
【0046】
図8(a)は、ロック部材42の第1状態(ロック状態)を表す。すなわち、乗場ドア23が全閉した状態において、受入凹部42aに被ロック部60aを受け入れるロック部材42は、ストッパ部材44に係止され、第1状態(ロック状態)に維持される。このとき、受入凹部42aが乗場ドア23の開動作方向(
図8では、紙面の右方向)に対して直交状態となることにより、受入凹部42aが被ロック部60aを拘束し、乗場ドア23の開動作方向において受入凹部42aと被ロック部60aとが係合する。このため、ロック部材42の第1状態(ロック状態)では、乗場ドア23の開動作方向においてロック部材42と被ロック部60aとの相対変位が規制され、乗場ドア23は、全閉した状態で乗場出入口21Aに固定(ロック)される。
【0047】
図8(b)~(d)は、ロック部材42の第2状態(ロック解除状態)を表す。すなわち、乗場ドア23が全閉した状態において、ストッパ部材44にトリガ(ストッパ部材44を弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化させる外力、具体的には、かごドア30の乗場ドア係合装置7の第1カム70がかごドア30の開動作に伴って揺動体46の第2ローラ48と接触、係合し、揺動体46を弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化させる力)が入力されることにより、受入凹部42aに被ロック部60aを受け入れるロック部材42は、ストッパ部材44による係止が解除される。このとき、受入凹部42aが乗場ドア23の開動作方向に対して傾斜状態となることにより、受入凹部42aによる被ロック部60aの拘束が解除され、乗場ドア23の開動作方向において受入凹部42aと被ロック部60aとが係脱可能となる。このため、ロック部材42の第2状態(ロック解除状態)では、乗場ドア23の開動作方向においてロック部材42と被ロック部60aとの相対変位が許容され、乗場ドア23は、固定が解除され、かごドア30の開動作に伴って開動作を始める。
【0048】
反対に、全開した状態にある乗場ドア23をかごドア30の閉動作に伴って閉じるときは、
図9(a)~(c)に示すように、ロック部材42は、被ロック部60aと接触し、乗場ドア23を閉じる力の反力を被ロック部60aから受け、弾性付勢に抗して第2状態(ロック解除状態)から第1状態(ロック状態)に状態変化し、第1状態(ロック状態)に復帰する。そして、かごドア30が全閉状態になり、かごドア30の乗場ドア係合装置7のカム70,71が揺動体46を開放することにより、ストッパ部材44は、弾性付勢により第2状態からロック部材42を係止する第1状態に復帰する。これにより、ロック部材42は、再び第1状態(ロック状態)に維持される(
図9(d))。
【0049】
また、乗場ドア23が閉動作により全閉した状態となる過程において、操作片58は、
図10に示すように、(乗場ドア23の閉動作に伴うロック部材42の回転に伴う回転運動Aをしつつ、)乗場ドア23の閉動作に伴う並進運動Xにより、スイッチ61の端子62,63に接触して押圧状態で作用することとなる。
【0050】
なお、回転運動Aが加わっても、操作片58の先端がスイッチ61の端子62,63に滑らかに接触するよう、上述のとおり、操作片58の先端は、中央が凸となる曲面で構成される。
【0051】
以上のとおり、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、スイッチ61及び操作片58で構成される、乗場ドア23が全閉した状態にあることを検出するドア閉検出部を備え、スイッチ61は、端子62,63が乗場ドア23の閉動作方向と交差する面に沿うように設けられ、操作片58は、乗場ドア23の閉動作に伴う並進運動Xによりスイッチ61の端子62,63に接触して作用するように設けられる。これにより、スイッチ61の端子62,63に塵埃等の異物が堆積しにくくなる。このため、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、ドア閉検出部が塵埃等の異物を原因として動作不良を引き起こすことを好適に防止することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、ロック部材42、ストッパ部材44及び被ロック部60aで構成されるロック機構部を備え、ストッパ部材44がロック部材42の係止を解除しない限りは、ロック部材42が第1状態(ロック状態)から第2状態(ロック解除状態)に状態変化することはない。しかも、ストッパ部材44は、ロック部材42を係止する第1状態を維持するように弾性付勢される。これにより、乗場ドアロック装置4に衝撃等の外力が加わったとしても、不用意にロック状態が解除されることはない。このため、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、ドア閉検出部が衝撃等の外力を原因として意図せず瞬間的にOFFとなってしまうことを好適に防止することができる。これに対し、上記従来の乗場ドアロック装置では、衝撃等の外力でロック部材42’が浮いてしまうという事態が発生するおそれがあり、この場合、スイッチ61’が意図せず瞬間的にOFFとなり、安全回路が作動し、エレベータの電源供給が遮断され、エレベータが非常停止し、かご3内に乗客がいる場合、乗客がかご3内に閉じ込められるという不具合が発生するおそれがある。本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、このような不具合の発生を好適に防止することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、操作片58は、乗場ドア23の閉動作に伴うロック部材42の回転に伴う回転運動Aをしつつ、乗場ドア23の閉動作に伴う並進運動Xにより、スイッチ61の端子62,63に接触して押圧状態で作用する。これにより、端子62,63と操作片58の先端の導体59とが摺接する。このため、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、そもそも端子62,63に塵埃等の異物が堆積しにくくなることに加え、付着した異物をスクレーパ作用で除去することができ、ドア閉検出部が塵埃等の異物を原因として動作不良を引き起こすことをさらに好適に防止することができる。特に、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4のように、操作片58が端子62,63に対し、上方からアプローチするように回転運動Aする場合は、より効果的である。
【0054】
また、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、揺動体46及びリンク機構50で構成される操作機構部を備え、ストッパ部材44は、操作機構部を介してかごドア30の開閉動作により操作される。このため、本実施形態に係る乗場ドアロック装置4によれば、駆動装置を要せず、簡易な構造とすることができる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0056】
上記実施形態においては、操作片58は、ロック部材42に取り付けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、
図11に示すように、操作片58は、ロック部材42とは別に設けることができる。一例として、操作片58は、ベースプレート41に取り付けられる。この場合、操作片58は、並進運動Xのみを行う。また、この場合、ロック機構部は、上記実施形態に係るもの(ロック部材42、ストッパ部材44及び被ロック部60aで構成されるもの)ではなく、たとえば上記従来の乗場ドアロック装置に係るもの(ロック部材42’及び被ロック部60a’で構成されるもの)であってもよい。
【0057】
また、上記実施形態においては、操作片58は、ロック部材42に取り付けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。操作片は、ロック部材と一体に設けられる、すなわち、ロック部材の一部が操作片となるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態においては、ストッパ部材44を第1状態から第2状態に状態変化させる操作機構部は、揺動体46及びリンク機構50で構成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、
図12に示すように、操作機構部は、これらに加え、解除ブラケット56を備えるものであってもよい。解除ブラケット56は、揺動体46又はストッパ部材44に取り付けられ(あるいはこれらの一部であってもよい)、先端側が乗場ドア23(の上部)に表裏を貫通するように形成される開口孔23aの近傍に位置する。先端がL字状になった解錠キー(図示しない)を乗場20(乗場ドア23の表)から開口孔23aに挿し込み、時計回りに捻ると、解錠キーの先端が解錠ブラケット56に当接し、さらに捻ることにより、解錠ブラケット56と共にストッパ部材44を第1状態から第2状態に状態変化させることができる。
【0059】
あるいは、
図13に示すように、操作機構部は、これらに加え、回転軸57aと、リンク機構57bとを備えるものであってもよい。回転軸57aは、乗場ドア23(の上部)に表裏を貫通するように形成される開口孔23aの奥側に位置し、乗場20から開口孔23aを介して回転操作可能に設けられる。より詳しくは、回転軸57aの開口孔23a側の端部には、工具の先端部と軸回り方向において係合可能となるよう、四角形、六角形、プラス形状、マイナス形状、楕円形等の非円形状の孔又は突起(図示しない)が形成され、乗場20から開口孔23aに挿入される工具により回転操作される。リンク機構57bは、2節リンク、3節リンク等の複数のリンクからなり、一端部が回転軸57aに固定され、他端部が揺動体46又はストッパ部材44に回転可能に取り付けられる。この場合、ストッパ部材44の原動力(乗場ドア23の開動作に際して与えられる外力)は、工具の回転力である。
【符号の説明】
【0060】
1…エレベータ、2…昇降路、2A…内壁面、20…乗場、21…三方枠、21A…開口(乗場出入口)、22…乗場ドア装置、23…乗場ドア、23a…開口孔、230…ドアハンガ、231…ローラ、24…ドア支持構造、25…ベースプレート、26…ドアレール、27…敷居、3…かご、30…かごドア、31…ドア開閉装置、4…乗場ドアロック装置、40…装置本体、41…ベースプレート(ベース)、41a…切欠部、41b…支持軸、41c…支持軸、41d…支持軸、42…ロック部材(ロック機構部)、42a…受入凹部、43…バネ、44…ストッパ部材(ロック機構部)、44a…入力部、45…バネ、46…揺動体(操作機構部)、47…第1ローラ、48…第2ローラ(被係合部)、49…バネ、50…リンク機構(操作機構部)、51…第1リンク、52…第2リンク、53~55…ストッパ、56…解除ブラケット、57a…回転軸(操作機構部)、57b…リンク機構(操作機構部)、58…操作片(ドア閉検出部)、59…導体、60…被ロック部材、60a…被ロック部(ロック機構部)、61…スイッチ(ドア閉検出部)、62…第1端子、63…第2端子、7…乗場ドア係合装置、70…第1カム(係合部)、71…第2カム、72…平行リンク、73…揺動体、74…ローラ(被係合部)、75…ブラケット(係合部)、A…回転運動、X…並進運動
【手続補正書】
【提出日】2025-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場出入口側の構成として、被ロック部と、ドア閉検出部のスイッチとを備え、横方向に移動することにより乗場出入口を開閉する乗場ドア側の構成として、乗場ドアが全閉した状態で被ロック部と係合するロック部材と、スイッチの端子に対する操作片とを備え、乗場ドアを全閉した状態で固定するためのエレベータの乗場ドアロック装置であって、
スイッチは、端子が乗場ドアの閉動作方向と交差する面に沿うように設けられ、
操作片は、乗場ドアの閉動作に伴う並進運動によりスイッチの端子に接触して作用するように設けられる
エレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項2】
ロック部材は、被ロック部を受け入れ可能な受入凹部を備え、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係合するロック状態と、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係脱可能となるロック解除状態とに状態変化可能に設けられる部材であり、
乗場ドア側の構成として、
ロック部材をロック状態からロック解除状態に状態変化させるためのトリガを入力する入力部と、
入力部へのトリガの入力操作として、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力を入力部に伝達する操作機構部とをさらに備える
請求項1に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項3】
乗場ドア側の構成として、ロック部材を係止してロック部材がロック状態からロック解除状態に状態変化するのを規制する規制状態と、ロック部材から外れて規制を解除する規制解除状態とに状態変化可能に設けられるストッパ部材をさらに備え、
入力部は、ストッパ部材に設けられ、
操作機構部は、ストッパ部材と作動的に連結され、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
請求項2に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項4】
操作片は、ロック部材に設けられる
請求項2に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項5】
操作機構部は、エレベータのかごのかごドアが備える乗場ドア係合装置が係合する被係合部を備え、かごドアの開動作に伴ってかごドアから被係合部を介して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
請求項3に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項6】
ロック部材及び操作片は、乗場ドアに取り付けられるベース上に設けられる
請求項1に記載のエレベータの乗場ドアロック装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のエレベータの乗場ドアロック装置を備える
エレベータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
ここで、本発明に係るエレベータの乗場ドアロック装置の一態様として、
ロック部材は、被ロック部を受け入れ可能な受入凹部を備え、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係合するロック状態と、乗場ドアの開動作方向において受入凹部と被ロック部とが係脱可能となるロック解除状態とに状態変化可能に設けられる部材であり、
乗場ドア側の構成として、
ロック部材をロック状態からロック解除状態に状態変化させるためのトリガを入力する入力部と、
入力部へのトリガの入力操作として、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力を入力部に伝達する操作機構部とをさらに備える
との構成を採用することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、この場合、
乗場ドア側の構成として、ロック部材を係止してロック部材がロック状態からロック解除状態に状態変化するのを規制する規制状態と、ロック部材から外れて規制を解除する規制解除状態とに状態変化可能に設けられるストッパ部材をさらに備え、
入力部は、ストッパ部材に設けられ、
操作機構部は、ストッパ部材と作動的に連結され、乗場ドアの開動作に際して与えられる外力に基づいてストッパ部材を規制状態から規制解除状態に状態変化させる
との構成を採用することができる。