(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042569
(43)【公開日】2025-03-27
(54)【発明の名称】ローションティシューペーパー包装体
(51)【国際特許分類】
A47K 10/42 20060101AFI20250319BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20250319BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
A47K10/42 A
B65D83/08 A
B65D75/62 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208794
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】P 2023149199
(32)【優先日】2023-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195556
【弁理士】
【氏名又は名称】柿沼 公二
(74)【代理人】
【識別番号】100209303
【弁理士】
【氏名又は名称】唐牛 乾
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】村田 剛
(72)【発明者】
【氏名】飯野 里保
(72)【発明者】
【氏名】西浦 睦実
(72)【発明者】
【氏名】清水 美沙
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014LA08
3E014LA09
3E067AA12
3E067AB77
3E067AC03
3E067AC14
3E067AC19
3E067BA12A
3E067BB15A
3E067BB25A
3E067CA07
3E067CA15
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB03
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】包装時に積層体がめくれにくく、一本線の形態のミシン目を開封しやすく、かつ、意図せずにミシン目が開封したり、開封時にミシン目が切れすぎて広がったりすることがないローションティシューペーパー包装体を提供する。
【解決手段】梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有するチューブ型フィルムの包装基材で、ローションティシュー積層体が覆われ、シール部によりローションティシュー積層体が封止されており、包装基材が、ローションティシューペーパーの取り出し口を形成するための一本線のミシン目を有する、ローションティシューペーパー包装体であって、ローションティシュー積層体の高さが20mm以上50mm以下であり、包装基材による包装形式が、ガゼット包装であり、ミシン目における包装基材の引張強度が、3N/50mm以上32N/50mm以下である、ローションティシューペーパー包装体を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有するチューブ型フィルムの包装基材で、ローションティシューペーパーを積層したローションティシュー積層体が覆われ、シール部により前記ローションティシュー積層体が封止されており、前記包装基材が、前記ローションティシューペーパーの取り出し口を形成するための一本線のミシン目を有する、ローションティシューペーパー包装体であって、
前記ローションティシュー積層体の高さが20mm以上50mm以下であり、
前記包装基材による包装形式が、ガゼット包装であり、
前記ミシン目における前記包装基材の引張強度が、3N/50mm以上32N/50mm以下であることを特徴とする、ローションティシューペーパー包装体。
【請求項2】
前記ミシン目のボンド率が6%以上60%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項3】
(前記包装基材の周長/前記ローションティシュー積層体の周長)×100(%)が101%以上113%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項4】
前記包装基材は、最内層に乳白ポリエチレンフィルムの層を有することを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項5】
前記包装基材の灰分が1.5%以上12%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項6】
前記包装基材の灰分に含まれる酸化チタンの含有量が50%以上であることを特徴とする、請求項5に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項7】
前記包装基材の厚さが35μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項8】
前記包装基材のMD方向における引張強度が10N以上32N以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項9】
前記包装基材のMD方向における引裂強度が5N以上16N以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項10】
前記ローションティシュー積層体において、前記ローションティシューペーパーはV字折りされて積層されていることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項11】
前記ローションティシュー積層体に含まれる前記ローションティシューペーパーの組数は80組以上160組以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項12】
前記ローションティシューペーパーにおけるローションの含有量が、10%以上22%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項13】
前記ローションティシューペーパーにおける1プライ当たりのローションの含有量が、1.8g/m2以上3.2g/m2以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項14】
前記ローションティシューペーパーの、前記取り出し口からの引き出し方向における引張強度が、2.3N/25mm以上4.0N/25mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【請求項15】
前記ローションティシューペーパーの、前記取り出し口からの引き出し方向に垂直な方向における引張強度が、0.8N/25mm以上1.5N/25mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のローションティシューペーパー包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローションティシューペーパー包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュー等の薄葉紙は、通常、複数枚を積層したものを包装した形態で販売されている。
【0003】
そのような薄葉紙の販売パッケージは、剛性のある紙による箱型カートンの他に、柔らかい紙やプラスチックフィルムによるソフトパックが販売されており、そのようなソフトパックは持ち運びに便利である。
【0004】
薄葉紙のソフトパックにおけるパッケージの包装形式としては、キャラメル包装やピロー包装がよく用いられている。
キャラメル包装は、包装体の形態(見た目)が良好であり、かつ、包装がタイトであるため、包装体の取り出し口のミシン目を開封する際、手でしっかり包装体を持てるため、ミシン目を開封しやすい。
【0005】
一方、キャラメル包装は、包装体の形態が良好である代わりに、包装が難しい。具体的には、薄葉紙の積層体の高さがある程度一定にならないと、包装時のヒートシールが安定しないため、原反の上巻と下巻では積層体の高さが異なることにより、原反によって包装時に不良品が発生しやすくなることが多かった。
【0006】
また、ピロー包装はキャラメル包装と比較すると、包装が容易である一方で、包装体の形態に劣る。
【0007】
そのようなキャラメル包装による薄葉紙の包装体として、例えば、特許文献1には、複数枚の保湿性シートが積層されたシート積層体と、シート積層体を包装する包装袋とを有し、シート積層体が積層方向に圧縮率50%以上80%以下で圧縮された状態で包装袋に収容されている、シート包装体が開示されている。また、シート積層体がキャラメル包装されている旨も記載されている。
【0008】
一方、ピロー包装による薄葉紙の包装体として、例えば、特許文献2には、積層された複数枚のシートが収容され、長手方向の両端に一対のシール部を有するピロー包装袋と、ピロー包装袋の上面に形成され、ピロー包装袋の長手方向に延びる取出口と、を有し、ピロー包装袋は、紙成分を含む紙層と、紙層の少なくともいずれか一方の面に設けられた熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、を有し、紙成分の比率が50%以上であり、シートのプライ数が1プライのとき、上面の長手方向における一対のシール部間の距離に対して、取出口の長さが80%以上100%以下であり、シートのプライ数が2プライ以上のとき、上面の長手方向における一対のシール部間の距離に対して、取出口の長さが70%以上90%以下である、シート包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2021-113085号公報
【特許文献2】特開2022-115638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、包装体の包装基材としてチューブ型フィルムを用いた場合、包装体の形態が良好である。そのため、取り出し口のミシン目を開封する際、開封しやすい。
しかし、ティシューの積層体が柔らかいローションティシューの場合、チューブ型フィルムに積層体を挿入する際、積層体の上部や下部がフィルムと接触して、めくれて不良品になる場合がある。
【0011】
そのため、積層体の周長に対して、ある一定の範囲で周長を大きくしたフィルムを使用する必要があるが、この場合、包装体の取り出し口のミシン目を開封する際、包装体のタイト性が悪く、手でしっかり包装体を持ちにくくなるため、ミシン目を開封しにくくなる。
【0012】
この場合、ミシン目のボンド率を低くすれば取り出し口のミシン目を開封しやすくなる。しかし、包装基材にチューブ型フィルムを用いる場合、包装時において積層体をフィルムに挿入する時にフィルムを広げる必要があるが、その時にミシン目が意図せず開いてしまい、不良品になることがある。
【0013】
さらに、フィルムの最外層(包装体を手で触る面)に梨地ポリエチレンフィルムを用いた場合、高級感がある一方、フィルムがさらさらして滑りやすく、かつ、中身のティシューがローションティシューであるため、包装体の形態が安定せず、よりミシン目を開封することが困難になるという問題があった。
また、力を強くしてミシン目を開封しようとすると、ミシン目の両端部からミシン目が裂けて(切れて)、取り出し口が大きくなりすぎて使いにくくなる(ドロップバックが発生しやすい)。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、最外層に梨地ポリエチレンフィルムを用いたチューブ型フィルムで、持ち運びに便利なように積層体の高さが一定の範囲のローションティシューペーパーをガゼット包装した包装体において、包装時に積層体がめくれにくく、一本線の形態のミシン目を開封しやすく、かつ、意図せずにミシン目が開封したり、開封時にミシン目が切れすぎて広がったりすることがないローションティシューペーパー包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明者は鋭意検討を行い、少なくとも梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有するチューブ型フィルムの包装基材で、ローションティシューペーパーを積層したローションティシュー積層体が覆われ、シール部によりローションティシュー積層体が封止されており、包装基材が、ローションティシューペーパーの取り出し口を形成するための一本線のミシン目を有する、ローションティシューペーパー包装体において、ローションティシュー積層体の高さを規定し、包装基材による包装形式をガゼット包装とし、更に、ミシン目における包装基材の引張強度を規定することで、包装時に積層体がめくれにくく、一本線の形態のミシン目を開封しやすく、かつ、意図せずにミシン目が開封したり、開封時にミシン目が切れすぎて広がったりすることがないローションティシューペーパー包装体とすることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
【0016】
(1)本発明の第1の態様は、少なくとも梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有するチューブ型フィルムの包装基材で、ローションティシューペーパーを積層したローションティシュー積層体が覆われ、シール部により前記ローションティシュー積層体が封止されており、前記包装基材が、前記ローションティシューペーパーの取り出し口を形成するための一本線のミシン目を有する、ローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシュー積層体の高さが20mm以上50mm以下であり、前記包装基材による包装形式が、ガゼット包装であり、前記ミシン目における前記包装基材の引張強度が、3N/50mm以上32N/50mm以下であることを特徴とする、ローションティシューペーパー包装体である。
【0017】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ミシン目のボンド率が6%以上60%以下であることを特徴とするものである。
【0018】
(3)本発明の第3の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、(前記包装基材の周長/前記ローションティシュー積層体の周長)×100(%)が101%以上113%以下であることを特徴とするものである。
【0019】
(4)本発明の第4の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記包装基材は、最内層に乳白ポリエチレンフィルムの層を有することを特徴とするものである。
【0020】
(5)本発明の第5の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記包装基材の灰分が1.5%以上12%以下であることを特徴とするものである。
【0021】
(6)本発明の第6の態様は、(5)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記包装基材の灰分に含まれる酸化チタンの含有量が50%以上であることを特徴とするものである。
【0022】
(7)本発明の第7の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記包装基材の厚さが35μm以上100μm以下であることを特徴とするものである。
【0023】
(8)本発明の第8の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記包装基材のMD方向における引張強度が10N以上32N以下であることを特徴とするものである。
【0024】
(9)本発明の第9の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記包装基材のMD方向における引裂強度が5N以上16N以下であることを特徴とするものである。
【0025】
(10)本発明の第10の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシュー積層体において、前記ローションティシューペーパーはV字折りされて積層されていることを特徴とするものである。
【0026】
(11)本発明の第11の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシュー積層体に含まれる前記ローションティシューペーパーの組数は80組以上160組以下であることを特徴とするものである。
【0027】
(12)本発明の第12の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシューペーパーにおけるローションの含有量が、10%以上22%以下であることを特徴とするものである。
【0028】
(13)本発明の第13の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシューペーパーにおける1プライ当たりのローションの含有量が、1.8g/m2以上3.2g/m2以下であることを特徴とするものである。
【0029】
(14)本発明の第14の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシューペーパーの、前記取り出し口からの引き出し方向における引張強度が、2.3N/25mm以上4.0N/25mm以下であることを特徴とするものである。
【0030】
(15)本発明の第15の態様は、(1)に記載のローションティシューペーパー包装体であって、前記ローションティシューペーパーの、前記取り出し口からの引き出し方向に垂直な方向における引張強度が、0.8N/25mm以上1.5N/25mm以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、最外層に梨地ポリエチレンフィルムを用いたチューブ型フィルムで、持ち運びに便利なように積層体の高さが一定の範囲のローションティシューペーパーをガゼット包装した包装体において、包装時に積層体がめくれにくく、一本線の形態のミシン目を開封しやすく、かつ、意図せずにミシン目が開封したり、開封時にミシン目が切れすぎて広がったりすることがないローションティシューペーパー包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明のローションティシューペーパー包装体及びローションティシュー積層体の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明のローションティシューペーパー包装体のミシン目を開封し、形成された取り出し口からローションティシューペーパーを取り出す過程を示す斜視図である。
【
図3】本発明のローションティシューペーパー包装体に包装されるローションティシュー積層体の一例を示す斜視図である。
【
図4】本発明のローションティシューペーパー包装体におけるガゼット包装の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
なお、明細書におけるMD方向及びCD方向とは、それぞれローションティシューペーパー包装体の製造時における製造ライン方向(搬送方向)及び製造ライン方向と直交する方向を意味する。
【0034】
<ローションティシューペーパー包装体>
図1は、本発明のローションティシューペーパー包装体(以下、単に「包装体」とも言う)及びローションティシュー積層体の一例を示す斜視図である。本発明の包装体1は、少なくとも梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有するチューブ型フィルムの包装基材10で、ローションティシューペーパー21を積層したローションティシュー(以下、単に「積層体」とも言う)積層体11が覆われ、シール部12によりローションティシュー積層体11が封止されている。シール部12は、包装基材10が重なり合った端部に備えられることが好ましい。このとき、
図1に示すように、シール部12は包装体1の両端部から10mm程度の場所に略直線で、かつ各シール部12が略平行になるように形成されることが好ましいが、包装体1の封止性(シール部12の接着性)を確保できるのであれば、これ以外の箇所に形成されていてもよい。
【0035】
さらに、包装体1はローションティシューペーパー21を取り出すための取り出し口14を備える。この取り出し口14は、包装基材10が、ローションティシューペーパー21の取り出し口14を形成するための一本線のミシン目13を有し、使用時において、ミシン目13を切って開封することで形成される。
図2に示すように、形成した取り出し口14からローションティシューペーパー21を順次引き出す(取り出す)ことで、ローションティシューペーパー21を必要な枚数得ることができる。
ミシン目13は、包装基材10において、積層体11の上部を覆う面に、ローションティシューペーパー21の一辺と略平行になるように備えられる。また、積層体11の中央部の上に配置されるように備えられることが好ましい。ミシン目13の全体の長さの下限値は、60mm以上であることが好ましく、70mm以上であることがより好ましく、80mm以上であることが更に好ましい。また、上限値は180mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましく、120mm以下であることが更に好ましい。なお、一本線のミシン目13の長さ方向が、包装基材10のMD方向に平行な方向であることが好ましい。
【0036】
ミシン目13のつなぎ部の長さは、0.2mm以上3.0mm以下であることが好ましい。長さが0.2mm未満であると、包装基材10による包装時にミシン目13が開いてしまう。長さが3.0mmを超えると、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、ミシン目13のつなぎ部の長さは、下限値は0.3mm以上であることがより好ましく、0.5mm以上であることが更に好ましい。上限値は2.0mm以下であることがより好ましく、1.0mm以下であることが更に好ましい。
【0037】
また、ミシン目13の切込線の長さは、0.5mm以上4.5mm以下であることが好ましい。長さが0.5mm未満であると、ミシン目13が開けにくくなる。長さが4.5mmを超えると、包装基材10による包装時にミシン目13が開いてしまう。
なお、ミシン目13の切込線の長さは、下限値は0.7mm以上であることがより好ましく、1.0mm以上であることが更に好ましい。上限値は3.5mm以下であることがより好ましく、2.5mm以下であることが更に好ましい。
【0038】
さらに、ミシン目13のボンド率(ミシン目13のつなぎ部の割合)は、6%以上60%以下であることが好ましい。ボンド率が6%未満であると、包装基材10による包装時にミシン目13が開いてしまう。ボンド率が60%を超えると、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、ミシン目13のボンド率は、下限値は10%以上であることがより好ましく、20%以上であることが更に好ましい。上限値は45%以下であることがより好ましく、35%以下であることが更に好ましい。ミシン目13のつなぎ部の長さ及び切込線の長さは、顕微鏡で測定する。
【0039】
(包装基材)
包装基材10は、少なくとも梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有するチューブ型フィルムである。また、包装基材10は紙を含有していないことが好ましく、かつ、包装基材10に印刷を有していることが好ましい。後述する坪量及び灰分の値は、印刷のインキを含む値とする。
なお、チューブ型フィルムとは、シート状のフィルムをチューブの様に円筒状に形成したフィルムのことである。
【0040】
(チューブ型フィルム)
チューブ型フィルムを構成するフィルムは、少なくとも梨地ポリエチレンフィルムの層を最外層に有する。最外層の材質が梨地ポリエチレンフィルム以外であると、フィルムの触感が劣る。
また、チューブ型フィルムは単層で形成されてもよく複層で形成されてもよいが、複層であることが好ましい。チューブ型フィルムが単層であると、強度に劣るため、ミシン目13が両端から裂けて(切れて)しまう。
最外層以外の層に関しては、フィルムの材質は、通常の紙製品を包装する時に用いられる、プラスチック(熱可塑性樹脂)フィルムを特に限定することなく用いることができ、また、表面加工を行っていてもよいが、美粧性及び滑り難さの観点から、中でも梨地ポリエチレンフィルムであることが好ましい。プラスチックフィルムの材質としては、ポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレン等)、ポリエステル(PET等)、ポリアミド(ナイロン等)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等、従来公知の熱可塑性樹脂を挙げることができ、好ましくはポリエチレンである。
【0041】
具体的な構成としては、チューブ型フィルムが複層で形成される場合、フィルム基材の最外層におけるフィルムの材質が、梨地ポリエチレンであり、最内層における材質が、乳白ポリエチレンフィルムであることが好ましい。最内層が乳白ポリエチレンフィルム以外であると、積層体11の上部や下部が包装時にめくれやすくなる。
【0042】
なお、チューブ型フィルムの最外層である梨地ポリエチレンフィルムにおいて、フィルムを梨地加工する方法は、特に限定されず、従来から公知の方法、エンボスロールやマットロールにチューブ型フィルムの表面を押し当てて凹凸を与える方法や、サンドブラスト法で凹凸を与える方法等を採用することができる。これらの方法は、チューブ型フィルムの成形時に行っても良いが、単層のポリエチレンに対して行って梨地ポリエチレンフィルムを得て、その後、最内層の乳白ポリエチレンフィルム等とラミネートすることが好ましい。また、これらのように表面加工を施すことなく、例えば、ポリマーブレンドを利用する方法や、ポリオレフィン系樹脂ブレンドの積層体を2軸延伸する方法等を採用することもできる。
また、チューブ型フィルムは最外層である梨地フィルムと最内層の乳白フィルムをラミネートして、複層フィルムにすることが好ましい。ラミネートで複層にすることで、一本線のミシン目13を設けても、ミシン目13の両端部からミシン目13が裂けにくく(切れにくく)なる。
【0043】
また、本発明の包装基材10は、チューブ型フィルムの層以外に、他の層を備えていてもよい。他の層としては、例えば、水蒸気バリア層、酸素バリア層、印刷層、印刷適性向上層、オーバープリント層、遮光層等が挙げられる。これら他の層は、例えば、ローションティシュー積層体11に接する側の面や、外気に触れる面に設けることができる。なお、上記に記載した層は、フィルムの層数には、関係しないものとする。
印刷層は、最外層の梨地ポリエチレンフィルムと最内層の乳白ポリエチレンフィルムの間に設けることが好ましい。このようにすることで、フィルムの良好な触感を保ったまま、ローションティシュー積層体11が包装時にめくれにくくなる。
【0044】
本発明の包装基材10の厚さは、35μm以上100μm以下であることが好ましい。厚さが35μm未満であると、ミシン目13が包装時に開いてしまう。厚さが100μmを超えると、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、包装基材10の厚さの下限値は、50μm以上であることがより好ましく、60μm以上であることが更に好ましい。上限値は、90μm以下であることがより好ましく、80μm以下であることが更に好ましい。包装基材10の厚さは、JIS K7130に準拠して測定することができる。
【0045】
包装基材10の周長は、275m以上340m以下であることが好ましい。周長が275m未満であると、積層体11の上部や下部が包装時にめくれやすくなる。周長が340mを超えると、包装体1のタイト性が悪く、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、包装基材10の周長の下限値は、285m以上であることがより好ましく、295m以上であることが更に好ましい。上限値は、330m以下であることがより好ましく、320m以下であることが更に好ましい。包装基材10の周長は、包装基材10を切って、定規で測定することができる。なお、包装基材10の周長は、フィルムのCD方向に沿った方向である。
【0046】
また、包装基材10の灰分は1.5%以上12%以下であることが好ましい。灰分が1.5%未満であると、積層体11の上部や下部が包装時にめくれる。灰分が12%を超えると、包装基材10の強度が弱くなり、包装時にミシン目13が開いてしまう。
なお、包装基材10の灰分の下限値は、2.0%以上であることがより好ましく、2.5%以上であることが更に好ましい。上限値は、10%以下であることがより好ましく、8.0%以下であることが更に好ましい。灰分とは、カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラルの割合を指し、JIS P 8251に準拠して測定することができる。なお、灰分は、次式で求めることになっているが、試験片の絶乾質量は測定せず、包装基材10の試験片を23℃50%で調湿した時の質量を絶乾質量とみなす。
灰分(%)=残渣の質量(g)÷試験片の絶乾質量(g)×100
【0047】
さらに、包装基材10の灰分に含まれる酸化チタンの含有量は50%以上であることが好ましい。酸化チタンの含有量が50%未満であると、積層体11の上部や下部が包装時にめくれる。
なお、包装基材10の灰分に含まれる酸化チタンの含有量は、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。酸化チタンの含有量は、元素分析によって測定することができる。
【0048】
そして、包装基材10のMD方向における引張強度が10N以上32N以下であることが好ましく、また、CD方向における引張強度が8N以上25N以下であることが好ましい。MD方向における引張強度が10N未満であるか、又はCD方向における引張強度が8N未満であると、ミシン目13が包装時に開いてしまう。MD方向における引張強度が32Nを超えるか、又はCD方向における引張強度が25Nを超えると、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、包装基材10のMD方向における引張強度の下限値は15N以上であることがより好ましく、18N以上であることが更に好ましい。上限値は29N以下であることがより好ましく、26N以下であることが更に好ましい。包装基材10のCD方向における引張強度の下限値は12N以上であることがより好ましく、14N以上であることが更に好ましい。上限値は22N以下であることがより好ましく、20N以下であることが更に好ましい。包装基材10の各方向の引張強度はJIS K 7127に準拠して測定し、試験片の幅は10mmとする。
【0049】
また、包装基材10のMD方向における引裂強度が5N以上16N以下であることが好ましく、また、CD方向における引裂強度が7N以上22N以下であることが好ましい。MD方向における引裂強度が5N未満であるか、又はCD方向における引裂強度が7N未満であると、ミシン目13が包装時に開いてしまう。MD方向における引裂強度が16Nを超えるか、又はCD方向における引裂強度が22Nを超えると、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、包装基材10のMD方向における引裂強度の下限値は7N以上であることがより好ましく、9N以上であることが更に好ましい。上限値は14N以下であることがより好ましく、12N以下であることが更に好ましい。包装基材10のCD方向における引裂強度の下限値は10N以上であることがより好ましく、12N以上であることが更に好ましい。上限値は19N以下であることがより好ましく、17N以下であることが更に好ましい。包装基材10の各方向の引裂強度はJIS K 7128-1に準拠して測定する。
【0050】
そして、ミシン目13における包装基材10の引張強度は、3N/50mm以上32N/50mm以下である。ミシン目13における引張強度が3N/50mm未満であると、ミシン目13が包装時に開いてしまう。ミシン目13における引張強度が32N/50mmを超えると、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、ミシン目13における包装基材10の引張強度の下限値は5N/50mm以上であることが好ましく、8N/50mm以上であることがより好ましい。上限値は23N/50mm以下であることが好ましく、16N/50mm以下であることがより好ましい。ミシン目13における包装基材10の引張強度はJIS P 8113に準拠して測定し、引張速度は300mm/minとする。
【0051】
(ローションティシューペーパー)
図3は、本発明の包装体1に包装されるローションティシュー積層体11の一例を示す斜視図である。以下、ローションティシューペーパー21及びローションティシュー積層体11について詳細に説明する。
【0052】
ローションティシュー積層体11に含まれるローションティシューペーパー21は、薄葉紙に薬液(ローション)を含浸させたものである。なお、ローションティシューペーパー21は1プライであっても2プライであってもよいが、2プライであることが好ましい。
ローションティシューペーパー21におけるローションの含有量は、10%以上22%以下であることが好ましい。ローションの含有量が10%未満であると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。ローションの含有量が22%を超えると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。
なお、ローションティシューペーパー21におけるローションの含有量の下限値は、12%以上であることがより好ましく、14%以上であることが更に好ましい。上限値は、19%以下であることがより好ましく、17%以下であることが更に好ましい。
なお、ローション薬液は、グリセリンおよびシリコーンを含有していることが好ましく、シリコーンは、アミノ変性シリコーンであることがより好ましい。ローション薬液が上記の化合物を含有すると、ローションティシュー積層体11が滑らかになり、包装時に積層体11がめくれにくくなる。
【0053】
また、ローションティシューペーパー21における1プライ当たりのローションの含有量は、1.8g/m2以上3.2g/m2以下であることが好ましい。1プライ当たりのローションの含有量が1.8g/m2未満であると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。1プライ当たりのローションの含有量が3.2g/m2を超えると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。
なお、ローションティシューペーパー21における1プライ当たりのローションの含有量の下限値は、2.1g/m2以上であることがより好ましく、2.4g/m2以上であることが更に好ましい。上限値は、3.0g/m2以下であることがより好ましく、2.7g/m2以下であることが更に好ましい。ローションティシューペーパー21におけるローションの含有量及び1プライ当たりのローションの含有量は、次のように測定する。
ローションティシューペーパー21を5g採取し、乾燥機(105℃)で120分乾燥させ、その後、デシケーターで30分放冷し、質量を測定する。このときの測定質量をM1とする。次に、質量を測定したローションティシューペーパー21及び抽出溶媒(アセトン:エタノール=1:1)150mlを用いて4時間、ソックスレー抽出を行う。得られた抽出物を湯浴上で加熱濃縮し、乾燥機(105℃)で90分乾燥させ、その後デシケーターで30分放冷し、質量を測定する。このときの測定質量をM2とする。そして、得られた2つの測定質量M1,M2を用いて、M2/M1×100(%)を薬液含有量(ローション含有量[%])とする。また、1プライ当たりの坪量×ローション含有量=薬液含有量(1プライ当たりのローション含有量)(g/m2)とする。
【0054】
ローションティシューペーパー21の1プライ当たりの坪量は12g/m2以上20g/m2以下であることが好ましい。坪量が12g/m2未満であると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。坪量が20g/m2を超えると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。
なお、ローションティシューペーパー21の1プライ当たりの坪量の下限値は14g/m2以上であることがより好ましく、16g/m2以上であることが更に好ましい。上限値は19g/m2以下であることがより好ましく、18g/m2以下であることが更に好ましい。ローションティシューペーパー21の1プライ当たりの坪量はJIS P 8124に準拠して測定する。
【0055】
また、ローションティシューペーパー21の紙厚は0.50mm/10枚以上0.90mm/10枚以下であることが好ましい。紙厚が0.50mm/10枚未満であると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。紙厚が0.90mm/10枚を超えると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。
なお、ローションティシューペーパー21の紙厚の下限値は0.55mm/10枚以上であることがより好ましく、0.60mm/10枚以上であることが更に好ましい。上限値は0.82mm/10枚以下であることがより好ましく、0.75mm/10枚以下であることが更に好ましい。
ローションティシューペーパー21の(10枚の)紙厚はシックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。そして、ローションティシューペーパー21が2プライである場合は、2プライのローションティシューペーパー21を5組重ねて、10枚分として測定を行ったものを10枚の紙厚として算出する。また、測定を10回繰り返して(同じ場所を10回測定せず、異なる場所を10か所測定する)、測定結果を平均したものを最終的な紙厚とする。
【0056】
さらに、ローションティシューペーパー21の比容積は3.0cm3/g以上5.7cm3/g以下であることが好ましい。比容積が3.0cm3/g未満であると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。比容積が5.7cm3/gを超えると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。
なお、ローションティシューペーパー21の比容積の下限値は3.3cm3/g以上であることがより好ましく、3.6cm3/g以上であることが更に好ましい。上限値は5.2cm3/g以下であることがより好ましく、4.7cm3/g以下であることが更に好ましい。ローションティシューペーパー21の比容積は、ローションティシューペーパー21の紙厚を坪量で割り、単位g当たりの容積cm3で表す。
【0057】
そして、ローションティシューペーパー21の、取り出し口14からの引き出し方向における引張強度が2.3N/25mm以上4.0N/25mm以下であることが好ましい。引張強度が2.3N/25mm未満であると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。引張強度が4.0N/25mmを超えると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。
なお、ローションティシューペーパー21の、取り出し口14からの引き出し方向における引張強度の下限値は2.7N/25mm以上であることがより好ましく、3.0N/25mm以上であることが更に好ましい。上限値は3.6N/25mm以下であることがより好ましく、3.5N/25mm以下であることが更に好ましい。引張強度はJIS P 8113に準拠して測定し、引張速度は300mm/minとする。
【0058】
また、ローションティシューペーパー21の、取り出し口14からの引き出し方向に垂直な方向における引張強度が0.8N/25mm以上1.5N/25mm以下であることが好ましい。引張強度が0.8N/25mm未満であると、積層体11の上部や下部がめくれやすくなる。引張強度が1.5N/25mmを超えると、ローションティシューとしての柔らかさに劣る。
なお、ローションティシューペーパー21の、取り出し口14からの引き出し方向に垂直な方向における引張強度の下限値は0.9N/25mm以上であることがより好ましく、1.0N/25mm以上であることが更に好ましい。上限値は1.4N/25mm以下であることがより好ましく、1.3N/25mm以下であることが更に好ましい。ローションティシューペーパー21の、取り出し口14からの引き出し方向における引張強度及び引き出し方向に垂直な方向における引張強度はJIS P 8113に準拠して測定し、引張速度は300mm/minとする。
【0059】
(ローションティシュー積層体11)
ローションティシュー積層体11に含まれるローションティシューペーパー21の折り方は特に限定されないが、V字折りされて積層されていることが好ましい。V字折りされていることにより、積層体11の上部や下部が包装時にめくれにくい包装体1とすることができる。
【0060】
ローションティシュー積層体11の高さは20mm以上50mm以下である。高さが20mm未満であると、後述するローションティシューペーパー21の組数が少なすぎて、すぐに使い切ってしまうため、持ち運びに不便である。高さが50mmを超えると、結果として包装体1が大きくなりすぎて、持ち運びに不便である。
なお、ローションティシュー積層体11の高さの下限値は、26mm以上であることが好ましく、30mm以上であることがより好ましい。上限値は、45mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましい。ローションティシュー積層体11の高さは、次のように測定することができる。
ローションティシューペーパー包装体1の包装基材10を切り、ローションティシュー積層体11を静かに取り出した後、積層体11の短辺方向の中心部に積層体11の長辺方向に沿って、30cmの定規(シンワ測定株式会社製直尺シルバー JIS1級、ステンレス、64g)を置き、積層体11の両端の高さを測定する。同様に、積層体11の長辺方向の中心部に積層体11の短辺方向に沿って、30cmの金尺を置き、積層体11の両端の高さを測定する。これらの4つの値を平均し、最終的な積層体の高さとする。
【0061】
また、ローションティシューペーパー21が2プライの場合、ローションティシュー積層体11に含まれるローションティシューペーパー21の組数は80組以上160組以下である。組数が80組未満であると、ローションティシューペーパー21の組数が少なすぎて、すぐに使い切ってしまうため、持ち運びに不便である。組数が160組を超えると、結果として包装体1が大きくなりすぎて、持ち運びに不便である。
なお、ローションティシュー積層体11に含まれるローションティシューペーパー21の組数の下限値は、100組以上であることが好ましく、110組以上であることがより好ましい。上限値は、150組以下であることが好ましく、130組以下であることがより好ましい。
【0062】
さらに、ローションティシュー積層体11の周長は255mm以上315mm以下であることが好ましい。周長が255mm未満であると、結果としてローションティシューペーパー21の組数が少なくなりすぎて、すぐに使い切ってしまうため、持ち運びに不便である。周長が315mmを超えると、結果として包装体1が大きくなりすぎて、持ち運びに不便である。
なお、ローションティシュー積層体11の周長の下限値は、265mm以上であることがより好ましく、275mm以上であることが更に好ましい。上限値は、305mm以下であることがより好ましく、295mm以下であることが更に好ましい。ローションティシュー積層体11の周長は、次のように測定することができる。
ローションティシューペーパー包装体1の包装基材10を切り、ローションティシュー積層体11を静かに取り出す。積層体11の長辺方向の中心部に積層体11の短辺方向に沿って、30cmの定規(シンワ測定株式会社製直尺シルバー JIS1級、ステンレス、64g)を置き、天面部の長さと積層体11の両端の高さを測定する。天面部の長さ×2+両端の高さ2点の数値を合計して、最終的なローションティシュー積層体11の周長とする。
【0063】
そして、(包装基材10の周長/ローションティシュー積層体11の周長)×100(%)により算出される比率が101%以上113%以下であることが好ましい。比率が101%未満であると、積層体11の上部や下部が包装時にめくれやすくなる。比率が113%を超えると、包装体1のタイト性が悪く、ミシン目13が開けにくくなる。
なお、(包装基材10の周長/ローションティシュー積層体11の周長)×100(%)により算出される比率の下限値は103%以上であることがより好ましく、105%以上であることが更に好ましい。上限値は110%以下であることがより好ましいく、108%以上であることが更に好ましい。
【0064】
(包装形式)
本発明に係る包装体1の包装形式としては、ガゼット包装である。
【0065】
ガゼット包装とは、
図4に示すように、袋の長さ(高さ)に合わせて底となる部分、又は口となる部分の両端を山折り部として内側に織り込んである円筒状に形成され、一方がシール部12で封止された包装基材10の内側に被包装物(積層体11)を挿入口15から挿入し、横一文字にヒートシール等で封止すると共に、この封止された部分において一袋ごとにカットした包装形式である。このガゼット包装は、既知の装置を利用して行うことができる。また、挿入口15の部分における包装基材10を内部に巻き込まないように外側に反転させておいた状態で、積層体11を挿入してもよい。
【0066】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0067】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0068】
<実施例1>
(包装基材)
フィルム基材として複層(三層)構造となったフィルム(最外層は梨地ポリエチレンフィルム、最内層は乳白ポリエチレンフィルム、これらを押し出しラミネートにより接着させたもの)を用意し、そのまま包装基材として用いた。なお、フィルムは、印刷を設けた。包装基材の坪量、厚さ及び密度を測定した結果を表1に示す。
【0069】
(ローションティシューペーパー包装体(ガゼット包装))
包装基材として、周長306mm(CD方向、正面幅113mm、折りこみ幅20mmずつ)×ピッチ260mm(MD方向)のフィルムを用いて包装を行った(実施例3の場合)。この包装基材であるフィルムの中に、ローションティシューペーパーを120組積層したローションティシュー積層体を入れ、ガゼット包装により封止して、ローションティシューペーパー包装体を得た。なお、チューブ状のフィルム(包装基材)で紙製品を包み包装する形式とした。また、ローションティシュー積層体を挿入した後にピッチ方向の余りをカットして包装体を作製した。
なお、ローションティシューペーパー包装体においては、包装後に包装基材の周長A及びローションティシュー積層体の周長Bを測定し、測定したA及びBからA/B×100を計算して、Bに対するAの比率(A/B(%))を算出した。
【0070】
(包装時におけるミシン目の切れにくさ)
作製したローションティシューペーパー包装体100個について、包装時におけるミシン目の切れにくさを評価した。評価基準は以下のとおりである。
4:包装時にミシン目が少しでも切れた包装体の割合が1%未満であった
3:包装時にミシン目が少しでも切れた包装体の割合が1%以上2%未満であった
2:包装時にミシン目が少しでも切れた包装体の割合が2%以上5%未満であった
1:包装時にミシン目が少しでも切れた包装体の割合が5%以上であった
【0071】
(ティシュー取り出し口の開封時におけるミシン目の切れやすさ)
作製したローションティシューペーパー包装体について、ティシュー取り出し口の開封時におけるミシン目の切れやすさをモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
4:ミシン目が切れやすいと評価したモニターが28人以上
3:ミシン目が切れやすいと評価したモニターが25人以上27人以下
2:ミシン目が切れやすいと評価したモニターが22人以上24人以下
1:ミシン目が切れやすいと評価したモニターが21人以下
【0072】
(持ち運びの便利さ)
作製したローションティシューペーパー包装体について、持ち運びの便利さをモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
4:包装体が小さすぎず、大きすぎず、持ち運びやすいと評価したモニターが28人以上
3:包装体が小さすぎず、大きすぎず、持ち運びやすいと評価したモニターが25人以上27人以下
2:包装体が小さすぎず、大きすぎず、持ち運びやすいと評価したモニターが22人以上24人以下
1:包装体が小さすぎず、大きすぎず、持ち運びやすいと評価したモニターが21人以下
【0073】
(包装時におけるティシュー積層体のめくれにくさ)
作製したローションティシューペーパー包装体について、ティシュー積層体のめくれにくさを評価した。評価基準は以下のとおりである。
4:包装時にローションティシューペーパーがほとんどめくれず、スムーズに包装できた
3:包装時にローションティシューペーパーがわずかにめくれたが、包装できた
2:包装時にローションティシューペーパーがめくれたが、問題ない程度であった
1:包装時にローションティシューペーパーが多数めくれ、劣るものとなった
【0074】
(ミシン目の両端部の切れにくさ)
作製したローションティシューペーパー包装体について、ミシン目を開封した時のミシン目の両端部の切れにくさ(裂けにくさ)をモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:ミシン目の両端部が切れやすいと評価したモニターが3名以下であった。
×:ミシン目の両端部が切れやすいと評価したモニターが4名以上であった。
【0075】
(包装基材の触感)
作製したローションティシューペーパー包装体について、包装体の表面を手で触ったときの包装基材の触感をモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:包装基材の触感が滑らかかつ高級感があり、良好であると評価したモニターが27名以上であった
×:包装基材の触感が滑らかかつ高級感があり、良好であると評価したモニターが26名以下であった
【0076】
(実施例2)~(実施例23)、(比較例1)~(比較例13)
実施例2~23及び比較例1~13も実施例1と同様にして、表1~3に示す物性を有する包装基材を作製し、これを用い、実施例1と同様にして、ローションティシューペーパー包装体(ガゼット包装)を作製して、上記の各評価を行った。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
表1~3に示される結果から明らかなように、実施例1~23の包装体はいずれも包装時にミシン目が切れにくく、積層体もめくれにくいものであり、かつ、ミシン目を開封しやすく、開封時にミシン目が切れすぎないものであり、さらに、持ち運びしやすく、包装基材の触感にも優れるものであった。それに対して、比較例1~13はいずれも包装時におけるミシン目の切れにくさ及び積層体のめくれにくさ、引き出し時におけるミシン目の開封しやすさ、開封時におけるミシン目の両端部の切れにくさ、持ち運びのしやすさ、並びに包装基材の触感のいずれかに劣るものであった。
以上より、本実施例によれば、本発明は、最外層に梨地ポリエチレンフィルムを用いたチューブ型フィルムで、持ち運びに便利なように積層体の高さが一定の範囲のローションティシューペーパーをガゼット包装した包装体において、包装時に積層体がめくれにくく、一本線の形態のミシン目を開封しやすく、かつ、意図せずにミシン目が開封したり、開封時にミシン目が切れすぎて広がったりすることがないローションティシューペーパー包装体を提供することができることが確認された。