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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042729
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】商品データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20250321BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20250321BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20250321BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
G06F3/01 510
B41J29/00 T
B41J5/30 B
G06F3/16 650
G06F3/16 690
G06F3/16 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149832
(22)【出願日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】内田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】大金 香奈
(72)【発明者】
【氏名】小原 佑真
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP05
2C061AP10
2C061AS06
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ32
2C187AD06
2C187AD20
2C187AG07
2C187BF42
2C187BG39
2C187BG40
2C187BG42
2C187CC13
2C187CD18
2C187CD19
2C187CD24
5E555AA46
5E555BA09
5E555BB09
5E555BC18
5E555CA12
5E555CA22
5E555CA47
5E555CB12
5E555CB64
5E555DA23
5E555DB41
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】所定項目の読み上げ音声を簡便に設定できる。
【解決手段】
商品情報をラベル用紙に印字する商品データ処理装置1であって、呼び出された商品情報に応じて、ラベル用紙に印字する印字項目を示すラベル発行画面G10を表示する表示部31aと、印字項目を音声出力する音声出力手段77と、呼び出された商品情報に対応する印字項目をラベル発行画面において維持したまま、商品情報における印字項目の音声出力手段による音声出力内容を編集可能とする編集手段73と、を備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報をラベル用紙に印字する商品データ処理装置であって、
呼び出された前記商品情報に応じて、前記ラベル用紙に印字する印字項目を示すラベル発行画面を表示する表示部と、
前記印字項目を音声出力する音声出力手段と、
呼び出された前記商品情報に対応する印字項目を前記ラベル発行画面において維持したまま、前記商品情報における前記印字項目の前記音声出力手段による音声出力内容を編集可能とする編集手段と、
を備える商品データ処理装置。
【請求項2】
前記編集手段は、編集する前記印字項目に対応する操作子を操作することで編集可能となる、
請求項1記載の商品データ処理装置。
【請求項3】
前記編集手段は、編集画面において前記音声出力内容の入力を受け付ける第1の編集手段と、元の前記音声出力内容が前記編集画面に表示され、前記音声出力内容の編集を受け付ける第2の編集手段からなる、
請求項1記載の商品データ処理装置。
【請求項4】
音声入力手段をさらに備え、前記編集手段は前記音声入力手段に基づき前記音声出力内容を変更する、
請求項1記載の商品データ処理装置。
【請求項5】
前記編集手段は、前記音声入力手段で入力された音声を文字認識して、前記音声出力内容とする、
請求項4記載の商品データ処理装置。
【請求項6】
前記編集手段は、前記音声入力手段で入力された音声データを前記音声出力手段で出力する、
請求項4記載の商品データ処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の項目を音声出力する商品データ処理装置が知られている。そこで、読み上げ音声を簡便に設定する技術が必要とされている。
【0003】
その点、特許文献1には、値付け画面において特売期間の設定入力を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-67145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、所定項目の読み上げ音声を簡便に設定できる装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品データ処理装置は、商品情報をラベル用紙に印字する商品データ処理装置であって、呼び出された前記商品情報に応じて、前記ラベル用紙に印字する印字項目を示すラベル発行画面を表示する表示部と、前記印字項目を音声出力する音声出力手段と、呼び出された前記商品情報に対応する印字項目を前記ラベル発行画面において維持したまま、前記商品情報における前記印字項目の前記音声出力手段による音声出力内容を編集可能とする編集手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置における商品データの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置における印字項目の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置によって実行される処理の流れを示す処理フロー図である。
図7】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、ラベル発行画面の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、音声読み上げデータを設定する画面の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、音声出力する印字項目及びその順序を設定する画面の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、音声出力する印字項目を選択する画面の一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、音声出力する印字項目を選択する画面の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、価格の読み上げ設定を行う画面の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、ラベルのプレビュー画面の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、音声出力の態様を設定する画面の一例を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置において表示される画面であって、音声の種類を選択する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●商品データ処理装置1の概要
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る商品データ処理装置1の外観斜視図である。なお、商品データ処理装置1は、商品データを記憶すると共に当該商品データの処理を実行する装置であって、少なくとも商品データに基づいたラベルの印字及び発行する機能を備えており、その名称にかかわらず、包装機、値付け機、計量器等の装置を含む。
【0009】
商品データ処理装置1は、例えば販売店のバックヤードに設置され、各種商品又は商品容器に貼付するラベルを発行する装置であり、基台部10の上面に、操作表示部31と、キー操作部32とを設置し、また基台部10の前面に一対のラベル発行口11、12を設置し、さらに商品計量用の計量部50をケーブル(無線でもよい)で接続して構成されている。
【0010】
●商品データ処理装置1のハードウェア構成
図2は、本実施形態に係る商品データ処理装置1が備えるハードウェア構成の一例を示している。商品データ処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)21などの演算装置、RAM(Random Access Memory)22やROM(Read Only Memory)23などの記憶装置を有しており、インターフェース回路I/Oを介して、操作部30、音声出力部40、計量部50、及び印字部60に接続している。
なお、商品データ処理装置1はこのほか、バーコードや二次元コード等のシンボルコードを読み取るハンディスキャナやCCDカメラなどを備えてもよい。
【0011】
CPU21は、中央演算処理装置であり、ROM23が記憶する制御プログラムとRAM22が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。また、CPU21は、必要な情報をRAM22に記憶させる。
【0012】
RAM22は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、CPU21が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。また、RAM22は、操作者が入力(設定)する値や各種ファイルを記憶する。
【0013】
ROM23は、読み出し専用メモリであり、制御プログラムをはじめとしてCPU21が利用する各種の情報を記憶する。
【0014】
操作部30は、操作表示部31(31a、31b)とキー操作部32とを備え、操作者はこの操作部30により、印字データの編集を行ったり、ラベルの発行操作を行ったりすることができる。
操作表示部31は、液晶表示器31aにタッチパネル31bが積層された構造となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。液晶表示器31aは例えば、メニュー画面に従って各種ファイルの設定を行う各種設定画面や、RAM22に記憶されている商品情報やフォーマット情報等に基づいて、ラベル用紙に印字する内容を示すラベル発行画面G10(図7参照)などの表示を行う。タッチパネル31bは操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。
キー操作部32は、テンキーと印字キーとを備える。例えば、テンキーは数字の入力を受け付け、印字キーは印字指示の入力を受け付ける。このキー操作部32により例えば、液晶表示器31aに表示されたラベル発行画面G10(図7参照)上のタッチ操作に応じて、プレビュー画面中のタッチされた印字項目の指定を受け付けることができる。
【0015】
音声出力部40はスピーカ41を備え、ラベルの印字項目を編集、確認等する際、所定の印字項目を音声出力する。スピーカ41は、商品データ処理装置1が予め備えるものであってもよいし、外部接続されたものであってもよい。
また、複数のスピーカ41を設けると共に人感センサ(又は携帯端末と近距離通信接続されていることを感知する機能)を商品データ処理装置1に備えさせ、商品データ処理装置1の近くに操作者がいると判別されるときには商品データ処理装置1が備えるスピーカ41から音声出力し、商品データ処理装置1の近くに操作者がいないときには外部接続する大型のスピーカ41、あるいは操作者のスマートフォン等の携帯型端末が備えるスピーカ41から音声出力するようにしてもよい。
【0016】
計量部50はロードセル51を備え、商品の重量を計量する。詳細には、ロードセル51は重量検出部とAD変換機によって構成され、A/D変換機が重量検出部から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。これにより例えば、商品重量の計量のほか、容器に入れられた商品について、風袋重量の参照値を参照して計量結果から風袋引き処理を行い、商品重量を求めることもできる。
【0017】
印字部60は第1、第2印字機構部61、62を有している。これら第1、第2印字機構部61、62は、いずれもラベルの印字を行い、印字したラベルをラベル発行口11、12から排出する。
【0018】
●商品データ処理装置1のソフトウェア構成
図3は、本実施形態に係る商品データ処理装置1が備えるソフトウェア構成の一例を示している。商品データ処理装置1は、情報記憶部71、重量情報取得部72、設定処理部73、印字処理部74、表示処理部75、入力処理部76、及び音声出力処理部77を備える。
【0019】
情報記憶部71は、各種の情報を記憶する記憶部であり、各種の情報には例えば、商品データ、実績データ、印字項目データ、及び設定データが含まれる。
なお、これらの情報記憶部71に記憶されるデータは、インターネット等を介して通信可能に構成されたクラウドサーバに登録されていてもよい。
【0020】
商品データは、商品に関するデータであり、図4の例に示されるとおり、互いに関連付けられた品番(商品番号)、品名、単価、加工日、消費期限、原産地等の情報で構成される。
このほか、商品データには、商品の計量区分が含まれる。計量区分には例えば、単位重量当りの単価と計量値に基づいて販売価格が決定される不定貫(不定貫商品)、単位数量当りの単価と単位重量から換算される販売数量に基づいて販売価格が決定される定貫(定貫商品)、単位数量当りの単価と販売数量に基づいて販売価格が決定される定額(定額商品)といった区分がある。商品は、この計量区分に応じて価格の算出方法が異なる。
【0021】
実績データは、ラベル発行実績に関するデータであって、発行したラベルの情報によって構成され、当該ラベル発行実績からは、ラベルを発行した商品の内容や数量のほか、印字内容を把握できる。
【0022】
印字データは、ラベルに印字するデータであり、印字を行う印字項目とその内容によって構成される。図5は、印字項目の一例を示しており、この例では印字項目として、品番(商品番号)、単価/値段、日時、広告文、産地名称(原産地等)、イメージ、内容量・内容量単位、上下限重量、コメント、保存温度、個体識別番号/ロット番号、添加物、バーコード、店名、製造者、風袋、品名、加工日時、賞味日時(消費期限)等がある。
なお、印字データには、印字項目に限らず、ラベルフォーマットなどの印字内容に関するもののほか、包装条件や包装の設定に関する情報などが含まれていてもよい。また、印字データは、操作者等によって編集でき、編集があった場合にはそのことを示すフラグが立てられるようになっていてもよい。
【0023】
設定データは、印字項目を音声出力する際の設定に関するデータである。設定データには例えば、ラベルに印字する印字項目のうち音声出力する印字項目、印字項目を音声出力する順序、印字項目の音声読み上げデータ、出力態様などが含まれる。すなわち、印字項目は、音声出力内容を定めるデータの1例である。
【0024】
音声出力する印字項目は、ラベルに印字する印字項目のうちから、操作者が任意に選択して設定したものによって構成されてもよいし、予め決められているものであってもよい。また、音声出力する印字項目は、商品ごとあるいは商品の分類ごとに異なるものであってもよい。
【0025】
なお、音声出力する印字項目について、所定の印字項目については、音声出力する内容を詳細に設定できるようになっていてもよい。例えば、商品の価格に係る印字項目について、税抜き又は税込みのいずれかの設定を登録できるようにし、設定に応じて税抜き又は税込みの価格を音声出力してもよい。また、同様に商品の価格に係る印字項目について、商品の計量区分に応じて、定貫商品については価格を音声出力し、不定貫商品については単価を音声出力してもよい。
【0026】
印字項目を音声出力する順序は、音声出力する印字項目が複数ある場合に適用される。この順序は、操作者が任意に設定した順序であってもよいし、予め決められた順位に基づいたものであってもよい。
【0027】
印字項目の音声読み上げデータは、漢字や英字等で表記された商品の読み仮名であり、印字項目の内容とは別に、当該印字項目に対する音声出力内容を定めるデータである。音声出力の際、音声読み上げデータが設定されている印字項目については、当該設定されている音声読み上げデータに基づく音声が、印字項目よりも優先的に出力される。音声読み上げデータは、テキストデータ又は音声データであってよい。なお、上述の例に代えて、全ての印字項目にあらかじめ音声読み上げデータが記憶されている構成であってもよい。この場合、音声読み上げデータには、適宜の音声読み上げ機能により所定の規則に応じて生成される印字項目の読み上げテキストが、読みが一意に定まる態様、例えば平仮名又は片仮名で格納される。
【0028】
音声読み上げデータとして、1個の印字項目にテキストデータと音声データの両方が紐づけられて記憶されていてもよい。また、音声読み上げデータは、1個の印字項目に複数のテキストデータ又は複数の音声データが紐づけられて記憶されていてもよい。例えば、音声読み上げデータとして、複数言語のテキストデータ又は音声データが記憶されていてもよい。この場合例えば、後述する言語選択ボタンG12(図7参照)により使用言語が設定されると、当該言語に対応する音声読み上げデータが音声出力される。また、商品データ処理装置1の操作者の識別情報にあらかじめ使用言語が対応付けて記憶されていて、操作者の識別情報を認識させると、当該識別情報に対応付けられている使用言語に設定が変更されてもよい。識別情報の認識は、IDとパスワードによるログインや、IDカードの読取等適宜の操作が採用できる。
【0029】
また、品番など、複数の数字が並列して含まれている印字項目について、数字の読み上げ態様を選択的に設定できるようになっていてもよい。例えば、印字項目は、数字の読み上げ態様を、桁まで音声出力するいわゆる「桁読み」か、数字の読みのみを順に音声出力するいわゆる「棒読み」かを登録できる。数字の読み上げ態様は、商品データ処理装置1全体の設定を一括設定できてもよいし、商品ごと又は印字項目ごと等で設定できてもよい。
【0030】
出力態様は例えば、音声の高低、出力スピード、音声の種類、音質のほか、音声の出力有無を含む。この出力態様は例えば、商品データや印字項目、所定の条件等によって任意に設定することができる。これにより例えば、以下のような設定が可能である。
【0031】
即ち、第一の例において、商品データに即して、所定の商品の印字項目については他の商品とは異なる出力態様で印字項目を音声出力できる。例えば、「生鮮食品」に分類される商品の印字項目のみ、他の商品の場合よりも低く、遅いスピードで音声出力するなど、所定の商品分類に分類される商品の印字項目のみ、他の商品分類の商品の印字項目の場合とは異なる出力態様で印字項目を音声出力してもよい。また、同様に、特売商品などの特定の商品の印字項目のみ、他の商品とは異なる出力態様で印字項目を音声出力してもよい。さらに、商品の計量区分に応じて、定貫商品の重量に係る印字項目は音声出力し、不定貫商品の重量に係る印字項目は音声出力しないようにしてもよい。
【0032】
第二の例において、所定の印字項目のみ、他の印字項目とは異なる出力態様で音声出力できる。例えば、価格に係る印字項目のみを他の印字項目に比して遅い出力スピードで音声出力してもよい。
【0033】
第三の例において、所定の条件等に該当するか否かによって出力態様を変えることができる。例えば、商品の重量値が所定の閾値を超えること、消費期限までの期間が所定の期間よりも長い又は短いこと、印字項目の内容が前回のラベル発行時から変更されたこと(変更されたことは、実績データに基づいて判別可能である)、あるいは印字項目が編集されたこと等を条件として、通常とは異なる出力態様で印字項目を音声出力してもよい。
【0034】
なお、音声の種類は、例えば男性、女性、あるいは喜怒哀楽のそれぞれをあらわす音声などである。
【0035】
なお、情報記憶部71にはこのほか、音声出力のための音源、商品の価格を算出するために必要な税率、商品データ処理装置1が設置されている店舗の店舗情報など、ラベル発行や音声出力の際に使用し得る情報が適宜に記憶される。
【0036】
重量情報取得部72は、商品重量として計量部50による計量値を取得する。
なお、計量値を取得する場合、計量値は、商品データ処理装置1自らが備える計量部50によらず、商品データ処理装置1にネットワーク等を介して外部接続された計量装置等から取得することもできる。また、商品重量は置数入力により取得することもできる。
【0037】
設定処理部73は、操作者から受け付けたラベルの印字項目や音声出力に関する設定を情報記憶部71の設定データに登録する機能部であり、この処理により設定が反映される。
なお、音声出力の設定は、全ての商品を対象として一括して行うこともできるし、商品ごとに行うこともできる。全ての商品を対象として一括して行う場合でも、商品の分類や内容に応じて、音声出力の態様や音声出力する印字項目を適宜に設定することもできる。
設定処理部73は、特許請求の範囲における編集手段の例である。
【0038】
印字処理部74は、印字部60を制御して、商品の情報をラベルに印字してラベルの発行処理を実行する。
【0039】
表示処理部75は、操作表示部31を制御して、データの表示処理を実行する。この表示処理部75により、例えば発行するラベルのプレビュー画面を表示することができる。
【0040】
入力処理部76は、操作表示部31を制御して、データの入力を受け付ける処理を実行する。この入力処理部76により、例えば操作者から印字項目や音声出力の設定入力を受け付けることができる。入力処理部76は、音声入力手段の例である。
【0041】
また、入力処理部76は、印字項目に対応付けられる音声読み上げデータの入力を受け付ける。音声読み上げデータは、テキストデータの他、音声データであってもよい。
【0042】
音声出力処理部77は、音声出力部40を制御して、ラベルを発行する商品の印字項目の音声出力を実行する。この音声出力処理部77は、設定データを参照し、設定データに従って印字項目の音声出力を実行する。
参照される設定データにおいては、例えばハイフンとダッシュが区別して音声出力されるようにあらかじめ登録されている。
【0043】
音声出力処理部77は、登録されているデータに応じて異なる設定データを参照して音声出力を実行してもよい。例えば、音声出力処理部77は、印字項目に音声読み上げデータが対応付けて登録されている場合には、音声読み上げデータに従って音声出力を行い、音声読み上げデータが登録されていない場合には、印字項目として登録されているテキストデータに従って音声出力を行ってもよい。このような構成によれば、通常の読み上げ機能によっては印字項目として登録されているテキストデータが誤読されてしまうような場合であっても、音声読み上げデータを優先して出力することで、正しい読み上げを実現することができる。
【0044】
なお、音声出力処理部77は、音声読み上げデータがテキストデータである場合、すなわち音声読み上げテキストが登録されている場合には当該テキストを読み上げて音声出力を行う。また、音声出力処理部77は、音声読み上げデータが音声データである場合、当該音声データをそのまま音声出力する。音声出力処理部77は、音声読み上げデータとしてテキストデータと音声データの両方が登録されている場合には、あらかじめ設定された一方を優先して出力するようになっていてもよい。例えば、音声出力処理部77は、音声データを優先して出力するものとしてもよい。
【0045】
また、音声出力処理部77は、音声読み上げテキストに数字が含まれている場合に、操作者の属性に応じて数字の読み上げ態様を異ならせてもよい。例えば、音声出力処理部77は、操作者が日本語話者か日本語以外の話者であるか、又は操作者が日本人か外国人か、等に応じて、数字の読み上げ態様を切り替えてもよい。操作者の属性は、上述した操作者の識別情報の認識操作により取得される。また、音声出力処理部77は、選択されている使用言語に応じて、数字の読み上げ態様を切り替えて出力してもよい。このような構成によれば、日本語スキルが不足しているために桁読みが理解できないような操作者であっても、棒読みの音声を聞いて印字項目の内容を確認できる。
【0046】
なお、印字項目の音声出力を行うタイミングは任意のものとすることができるが、例えば、品番呼出等により商品データを呼び出した時、ラベル発行画面等において印字項目の編集を行った時、手動操作により印字項目の音声出力の要求を受け付けた時に実行される。また、音声読み上げデータが登録又は編集された場合に、音声出力が実行される。
【0047】
音声出力処理部77は、印字項目又は音声読み上げデータの一部を音声出力してもよい。例えば、商品データが呼び出された際の音声出力においては、直前に呼び出されていた商品データの印字項目又は音声読み上げデータと、音声出力の契機となった商品の印字項目又は音声読み上げデータと、を比較し、差分のみを読み上げてもよい。例えば、「牛ロース」が呼び出された後に「牛ロース(2枚)」が呼び出された場合には、「にまい」のみを音声出力してもよい。音声出力処理部77は、品番におけるサブコードの有無を参照し、メインコードが共通し、かつサブコードを有する品番が呼び出された場合に、音声読み上げデータの差分のみを読み上げてもよい。サブコードを有する品番の商品情報には、あらかじめメインデータとの差分データが格納されていてもよい。また、印字項目又は音声呼び上げデータが編集された場合に、編集前後の差分のみを読み上げてもよい。このような構成によれば、操作者は、音声出力により変更点をより明確に把握できる。
【0048】
また、音声出力処理部77により音声が出力されている際には、音声が出力されていることが分かるマーク、「発話中」といったメッセージ、あるいは音量等に応じた波形などを表示してもよい。また、音声出力途中であっても、ラベル発行操作が受け付けられた時にはラベル発行が実行可能になっていてもよく、この場合、音声出力を止めてもよいし、音声出力し続けてもよい。一方で、ラベル発行確認時は所定の印字項目の音声を最後まで出力しないうちはラベル発行が受け付けられないように設定できるようになっていてもよい。これによりミスなくラベル発行を促すことができる。
【0049】
●処理の流れ
図6は、商品データ処理装置1によって実行される処理の流れの一例を示している。
品番呼出によるラベル発行画面の展開、あるいはラベル発行画面上での印字項目の設定変更が行われると(S101)、これをトリガーとして音声出力処理部77は情報記憶部71を参照して設定データを読み込む(S102)。
【0050】
音声出力処理部77は、設定データに音声読み上げデータが登録されているか判別する(S103)。音声読み上げデータが登録されている場合、音声読み上げデータを音声出力する(S104)。音声読み上げデータの登録がない場合、印字項目を音声出力する(S105)。複数の印字項目が音声出力するデータとして登録されている場合には、音声読み上げデータの有無を印字項目ごとに判別し、所定の順序で音声出力する。なお、音声の種類や音量などについても、設定に応じて出力される。
【0051】
音声出力が終了し、操作者からラベルの発行要求が受け付けられると(S106)、商品データ処理装置1は印字処理部74によりラベルを発行する(S107)。一方、音声出力された後、ラベルの発行前に他の商品情報が呼び出された時、あるいは印字項目の設定が変更された時には(S108でY)、改めて設定データが読み込まれ、所定の印字項目の音声出力が実行される。
【0052】
これにより、所定の印字項目が音声によって確認された上でラベルが発行される。
なお、音声出力が設定された印字項目が全て読み上げられるまで、ラベル発行に進むことを禁止するように制御してもよい。また、発行の直前においては任意の設定により、ラベルのプレビューを表示するようにしてもよく、この場合、プレビューにおいても所定の印字項目を音声出力するようにしてもよい。
【0053】
●画面例
図7は、所定の商品のラベル発行画面G10の一例である。
なお、所定の商品の印字データは例えば、当該所定の商品を識別可能な品番に基づき、情報記憶部71から呼び出される。
画面上には、所定の商品(図示の例では「刺身盛り」)の印字データを構成する印字項目が編集可能に表示されている。また、各印字項目の内容を反映したラベルイメージが表示されている。これにより、印字項目を編集するとどのようなラベルが発行されるかを直感的に把握できる。
【0054】
本実施形態において、音声出力処理部77は、品番から商品が呼び出され、ラベル発行画面G10が表示されるのに応じて所定の印字項目を音声出力する。また、音声出力処理部77は、いずれかの印字項目あるいは音声出力の対象となっている印字項目が設定変更されるのに応じて、所定の印字項目を音声出力することもできる。
印字項目が音声出力される際には、設定データが参照され、設定されている順序や出力態様によって音声が出力される。
【0055】
例えば、図示の例において、印字項目中、「品名」、「価格」、「広告文」がこの順で音声出力の対象となっている場合には、「刺身盛り」、「定額580円」、「お買い得」と順に音声出力される。なお、この商品は、計量区分が「定額」であるため、価格が音声出力される際には「定額」の音声が価格「580円」に付される。また、同様に、商品に対しても例えば、「刺身盛り」を「品名 刺身盛り」といったように、印字項目の名称を商品の頭に付けて音声出力するよう設定できるようになっていてもよい。
【0056】
なお、ラベル発行画面G10において、音声出力の対象となっている印字項目に対し、他の印字項目と区別可能な態様の識別効果、例えば、色や枠の表示などを設けてもよい。また、音声出力される順序についても、各印字項目に対して順序を示す番号を表示するようにしてもよい。これにより、当該ラベル発行画面において音声出力されている際、その印字項目がどの順番で音声出力されているかを認識しながら、音声出力されている印字項目を確認できる。
【0057】
さらに、ラベル発行画面G10の下部には、言語選択ボタンG12が配設されていてもよい。言語選択ボタンG12は、少なくとも、音声出力処理部77による音声出力の言語の選択を受け付ける。言語選択ボタンG12により言語が選択されると、印字項目に対応付けられている複数の音声読み上げデータのうち、選択された言語のデータが音声出力されるようになっている。
【0058】
図7に示すラベル発行画面G10において、品名表示欄G11の右部には、音声読み上げデータの登録ボタンB10が表示されている。この登録ボタンB10は、印字項目に対応して設けられている操作子の1例であり、同図においては品名に対応して設けられている。なお、音声読み上げデータが登録可能な他の印字項目についても、各印字項目の表示領域の右下部等に、登録ボタンが設けられていてよい。登録ボタンB10を押下すると、ラベル発行画面G10において呼び出されている商品情報を保持したまま、図8に示すポップアップ画面G20がラベル発行画面G10の一部に重畳して表示される。なお、ポップアップ画面G20は、ラベル発行画面G10の品名表示欄G11のうち少なくとも品名が表示されている領域には表示されず、ポップアップ画面G20が表示された状態であっても品名が露出するようになっている。この構成によれば、品名を確認しながら音声読み上げデータの登録・編集作業を行うことができる。
【0059】
図8は、音声読み上げデータの登録・編集を受け付けるポップアップ画面G20の例である。当該画面から、音声読み上げテキストを文字入力することができる。また、商品データ処理装置1にマイク等の音声入力手段を設け、同画面において音声入力を受け付けてもよい。その場合、ポップアップ画面G20には、マイクアイコン等が表示され、マイクアイコンを選択することで音声入力を受け付けるようになっていてもよい。入力された音声は適宜の文字認識技術により文字情報に変換され、音声読み上げテキストとして登録されてもよい。また、入力された音声は、音声データとしてそのまま記憶されてもよい。
【0060】
なお、登録ボタンB10は、新規登録ボタンB11(第1の編集手段による編集を開始する操作子の例である。)および編集ボタンB12(第2の編集手段による編集を開始する操作子の例である。)により構成され、選択されるボタンに応じて、出現するポップアップ画面G20のプレビュー領域G21に表示される内容が異なるようになっていてもよい。新規登録ボタンB11が選択された場合、プレビュー領域G21は空欄で表示され、音声読み上げデータを1から設定するようになっている。編集ボタンB12が選択された場合、プレビュー領域G21には、現状出力されている音声のテキストデータが表示され、当該テキストデータを編集できる。このテキストデータは、例えば印字項目のデータがそのまま表示されたものである。また、印字項目に、音声読み上げテキストが登録されている場合には、当該テキストが表示される。このような構成によれば、音声読み上げの一部が誤っている場合等に、当該テキストデータを編集して音声読み上げテキストを作成すればよいため、入力作業が簡便である。
【0061】
また、ラベル発行画面G10から音声読み上げデータを設定できる構成によれば、ラベル発行作業中において誤読を発見した場合に、呼び出されている商品の音声読み上げテキストを登録することができるため、呼び出されている商品情報をラベル発行画面G10において維持した状態で音声読み上げデータの設定が可能である。すなわち、メニュー画面に戻って再度商品呼び出しを行うといった操作が不要になり、音声読み上げデータの登録が簡便である。また、画面G20を閉じることで、商品情報が呼びされたラベル発行画面G10に戻ることができるので、ラベルの発行作業をスムースに再開できる。
【0062】
なお、上述の例では、ポップアップ画面G20は音声読み上げデータの登録又は編集を受け付ける態様を例に説明したが、これに限られず、音声読み上げデータ以外の、音声出力処理部77による印字項目の音声出力設定を適宜編集可能となっていてもよい。
【0063】
なお、上述の例に代えて、又は加えて、画面G10に報告ボタンが配設されていてもよい。報告ボタンは、音声読み上げテキストが誤っている旨の通知を、管理者に通知する操作子である。通知は、例えば商品データ処理装置1とネットワークを介して接続される適宜の管理者端末に送信される。また、通知は、商品データ処理装置1の画面上に適宜の態様で表示されてもよい。例えば、報告ボタンが選択された商品のラベル発行画面G10に適宜のマーク等が表示されてもよい。また、報告ボタンが押下されると、商品データ処理装置1に表示される管理者用画面にその旨が表示されてもよい。このような構成によれば、ラベルを発行しようとする操作者が発見した音声読み上げテキストの誤りを、管理者に簡便に伝達できる。操作者が音声読み上げテキストの編集作業に精通していない場合や、ラベル発行作業に忙しい場合であっても、誤りを発見した旨を管理者に伝達することで、管理者による音声読み上げテキストの修正作業を促すことができる。
【0064】
また、上述の例に代えて、音声読み上げデータは商品データ処理装置1で入力可能である一方、受け付けたデータは仮編集状態又は仮登録状態となり、そのデータを最終的に情報記憶部71に反映させ、いわゆる本編集状態又は本登録状態とするかどうかは、管理者による適宜の管理者端末からの入力により決定される態様であってもよい。また、商品データ処理装置1で入力されたデータを管理者端末から閲覧し、編集できるようになっていてもよい。このような構成によれば、情報記憶部71への反映可否を管理者が決定することができるので、データベースをより正確にすることもできる。
【0065】
また、上述の例では、ポップアップ画面G20は登録ボタンB10の選択に応じて表示されるものとしたが、これに代えて、又は加えて、呼び出された商品が所定条件を満たす場合においてポップアップ画面G20がラベル発行画面G10に自動的に重畳して表示される構成であってもよい。所定条件は例えば、ラベル発行画面G10において呼び出されている商品が、商品データの登録後初めて呼び出された場合、一度も音声出力されたことのない商品である場合、又は音声読み上げデータが登録されていない商品の場合等である。この場合、ラベル発行画面G10において商品の印字データが表示され、音声出力がなされるとともに、ポップアップ画面G20が表示される。
【0066】
さらに、上述の所定条件において、ポップアップ画面G20に代えて、出力された音声の成否を操作者等が選択入力可能な適宜の選択画面が表示されてもよい。この選択画面は、例えば「音声は正しく読み上げられましたか」とのメッセージとともに、各印字項目に対して「正しい」又は「読み間違い」を選択入力する操作子、および再度の音声出力を命令する「もう一度聞く」との操作子が表示されている。「読み間違い」ボタンを選択すると、当該印字項目の音声出力データを編集可能なポップアップ画面G20に移行する。このポップアップ画面G20は、「読み間違い」ボタンを選択すると直ちに表示される構成の他、全ての印字項目に対する入力が完了すると、「読み間違い」ボタンが選択された印字項目に対するポップアップ画面G20が順次表示されてもよい。編集を受け付ける印字項目の順序は、読み上げられる順序と同一であってよい。また、編集画面には、全ての音声出力が正しかった場合に選択する「全て正しい」ボタンが配設されていてもよい。
【0067】
また、「読み間違い」ボタンが選択された印字項目に関して、報告ボタンを選択した場合と同様の処理、すなわち管理者端末への通知が行われてもよい。また、この選択画面には、全ての印字項目に対し成否を入力し終わった後に選択することで、選択内容を確定する「確認完了」との操作子が表示されている。なお、確認完了ボタンに代えて、全ての印字項目に対し成否の入力が完了すると、選択内容が確定してもよい。
【0068】
また、上述の、呼び出された商品が所定条件を満たす場合にラベル発行画面G10に重畳したポップアップ画面が表示される構成において、当該商品データ処理装置1、又は操作者の識別情報に紐づく設定として、単価や値段等の数字の読み上げに関し、桁読みとするか棒読みとするかを設定の上再度音声出力させるポップアップ画面が表示されてもよい。このポップアップ画面は、上述の選択画面と同一タイミングに表示されてもよいし、選択画面に数字の読み上げ設定が合わせて表示されていてもよいし、選択画面による設定の完了後に別途表示されてもよい。
【0069】
なお、言語選択ボタンG12により音声出力言語が設定される構成の場合、登録ボタンB10が選択されると、ポップアップ画面G20において当該設定された言語の音声読み上げデータの登録および編集を受け付けるようになっていてもよい。
【0070】
図9は、メインメニューから遷移して表示される、音声読み上げテキストの編集画面G30の一例を示している。操作者は、当該編集画面G30から音声読み上げテキストの内容を編集できる。なお、音声読み上げテキストは全ての印字項目に対して設定されるとは限らず、操作者等が登録した項目に対してのみ設定される。
【0071】
図示の例では、商品名「刺身盛り」として表示される商品に対し、「刺身もり」というテキストが設定されている。ここで行われた設定は、印字データ及び/又は商品データに反映される。これにより、例えば「刺身盛り」が「さしみざかり」といったように誤って音声出力されることなく、正しい読み方で音声出力される。なお、この例は、「刺身」の文字が自動音声で正しく音声出力される一方、「盛り」の部分が正しく音声出力されない例であり、「盛り」の部分のみ平仮名を登録している。このように、自動音声で正しく音声出力される部分は漢字のままで入力する設定となっていれば、必要な部分だけに注意して仮名入力すればよいので、効率よく設定できる。ただし、これにかかわらず、全てのテキストを平仮名で入力、設定することもできる。
【0072】
図10は、音声出力する印字項目の設定画面G40の一例を示している。
画面上には、順序を示す番号と共に、音声出力する印字項目を選択できるようになっている。
印字項目の選択では、例えば、所定の印字項目の欄を選択すると、図11の画面G50に示すように、選択可能な印字項目が候補として表示される。なお、図示の例では「なし」となっていた4番目の印字項目を選択した場合を示している。操作者は候補の中から設定する印字項目を選択する。この設定画面での設定により、設定された印字項目が所定の順序で音声出力されることになる。
【0073】
図12は、価格の音声出力の態様を設定する画面G60の一例を示している。これにより、税込みの価格あるいは税抜きの価格のいずれで価格を音声出力するかを選択できる。
【0074】
図13は、発行するラベルのプレビュー画面G70であり、当該画面G70では印字項目を確認することができる。画面G70には、表示を拡大する拡大ボタンや表示を縮小するボタンと、ラベルの発行を中止する中止ボタンなどが設けられており、適宜にラベルを拡大又は縮小して内容を確認できる。
【0075】
このプレビュー画面G70において、操作者の操作に応じて所定の印字項目を音声出力してもよい。
例えば、ラベルの発行にあたって確認が必要な印字項目を設定しておき(音声出力の対象として設定されている印字項目であってもよい)、当該印字項目に二重丸のマークを付し、その表示範囲を橙色の枠で囲んで表示する。また、確認項目の確認を促すメッセージ「ラベルイメージの確認をしてください。◎の付いた対象エリアをすべてタッチしてください。」を表示する。
操作者がマークの付された所定の印字項目をタッチ操作すると、当該所定の印字項目が音声出力され、操作者は内容を確実に確認できる。なお、音声出力によって所定の印字項目が確認されると、二重丸のマークを削除したり、その表示範囲の色を変えるなどしたりして、確認が済んだことが分かるようにしてもよい。
なお、商品データの呼び出し時に音声出力する印字項目とその順序は、ラベルイメージを表示した時又はラベル発行確認前に音声出力する印字項目とその順序と同じであってもよいし、異なるように設定できるようになっていてもよい。
また、このプレビュー画面G70においても、操作者の操作によらず、プレビューの表示に合わせて所定の印字項目を音声出力してもよい。
【0076】
図14は、音声の出力態様を設定する画面G80の一例を示している。
この画面G80上では、音声、声質、ピッチシフト、話速、音量の各項目を設定変更できる。なお、音声の項目では、音声の種類を選ぶことができる。図15は、音声の種類を選択する画面G90の一例を示しており、種類の異なる音声1~5のいずれかを任意に選択できるようになっている。選択に応じて設定される音声は例えば、女性、男性、児童、若年、老年といった性別や年齢の種類に応じた音声のほか、怒り、はにかみ、うれしい、普通、悲しいといった感情の要素に応じた音声など、細かく分類されていてもよい。
【0077】
また、音量調整ボタン、音の種類を選択する選択ボタンや、左右のスピーカの音量をテストするボタンなどが設けられてなる設定画面がさらに表示され、画面操作により音声に関する設定が可能になっていてもよい。
なお、外部接続したスピーカ自体に設けられた操作手段からの音量設定を受け付けて音量を調整できるようになっていてもよい。また、外部接続するスピーカは例えば、操作者が所持するスマートフォン等の携帯型端末のスピーカとすることもでき、この場合、商品データ処理装置1はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により当該携帯型端末と通信を行うことができる。
【0078】
なお、音量について、印字項目を出力する際の音量と、他の操作音の音量とは、同じ設定となるようになっていてもよいが、別個に設定できるようになっていてもよい。別個に設定できるようにする場合には、操作音用の音量調整画面と、印字項目の音声出力用音量調整画面とを設けるなど、それぞれの音量調整ボタン等を設けるとよい。
また、印字項目の音声出力は外部スピーカによるものとし、印字項目以外のその他の操作音等の音声出力は商品データ処理装置1によるものとしてもよい。
【0079】
なお、以上の本実施形態においては、ラベル発行時や印字項目の編集の際に印字項目の音声出力を行うものとしたが、他の実施形態においては、印字処理の実行中、あるいは印字処理が終了するタイミングでラベルの発行処理又は印字処理の進捗状況や終了をアナウンスする音声を出力し、印字状況を操作者に報知するようにしてもよい。
【0080】
より具体的には、ラベルの印字処理が終了する所定枚数前の状態に達したとき、ラベルの印字処理が完了したとき、開始から所定枚数だけ印字処理が実行されたとき、印字処理の進捗が全体の所定割合以上に達したとき、それぞれの状況に応じた音声を出力する。
これにより、操作者にラベルの発行状況を報知して状況を認識させることができる。特に、ラベルの発行枚数が一定値以上である場合や、垂れ流し発行において所定の設定値(所定の長さ)以上である場合には、操作者が商品データ処理装置1から離れてしまうこともあるところ、音声を出力することによって離れたところにいる操作者に対しても確実に状況を報知できる。
また、操作者が遠くにいたときにでもすぐ対応したほうがよい所定のエラーや、ラベルが足りなくなったときなどは、音声出力によって当該所定のエラーが発生している旨又はラベルがなくなった旨を音声出力するようにしてもよい。
なお、このようなラベルの発行処理状況のアナウンスに関する音声は、他の音声と態様を変えてもよい。また、このような音声は、商品データ処理装置1とは別の端末、例えば商品データ処理装置1と通信可能に接続された端末であって、操作者が保持する可搬型端末等から出力させてもよい。
【0081】
また、商品データ処理装置1にマイク等の音声入力手段を設け、入力された音声を認識可能に構成してもよい。音声出力処理部77による音声出力の後、操作者にマイクで同じ内容を発声することを促すように音声又は表示で報知すると共に、操作者が発した音声をマイクで集音し、音声認識により内容が一致したときには確認成功の判定をくだすようになっていてもよい。この場合、印字項目のデータを変更するときは、内容が一致したら変更完了とする一方、一致するまで変更を完了しないようにしてもよい。また、最初にラベル発行するときは、内容が一致したらラベル発行完了とする一方、一致するまでは発行禁止としてもよい。なお、音声認識処理は商品データ処理装置1が実行するものであってもよいし、商品データ処理装置1に接続されたサーバ等の他の装置が実行するものであってもよい。
【0082】
また、本実施形態では、スーパーマーケット等の販売店における商品の情報を印字するラベルを対象としたが、これにかかわらず、他の実施形態においては、物流等、所定の対象物にラベルを貼付する必要のあるシーンについて本発明は適用可能である。
【0083】
また、上述した商品データ処理装置1が有したソフトウェア資源は、適宜の設計によりいずれかのハードウェア資源に分散又は集約させることができるし、ハードウェア資源も物理的に一体をなす装置あるいは別体をなす装置として構成することもできる。これにより例えば、ソフトウェア資源はその一部又は全てを、中央集権的な上位の装置やコントローラにもたせるように構成することもできるし、所定のネットワークによって接続された外部のサーバにもたせることもできる。また、ラベルを実際に発行するプリンタと、発行を指示するための表示操作部とが別体になっていて、これらが近傍にあってもよいし遠隔にあってもよく、音声を出力するスピーカは(マイクがある場合はマイクも含めて)操作表示部31から聞こえる範囲内に設置されてもよい。
【0084】
また、商品データ処理装置1としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することにより上述の商品データ処理装置1としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0085】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。即ち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0086】
●実施形態総括
本発明は、商品データ処理装置に関する。
【0087】
所定の項目を音声出力する商品データ処理装置が知られている。そこで、読み上げ音声を簡便に設定する技術が必要とされている。
【0088】
その点、特開平10-67145号公報には、値付け画面において特売期間の設定入力を行う技術が記載されている。
【0089】
本発明は、所定項目の読み上げ音声を簡便に設定できる装置を提供することを目的の一つとする。
【0090】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品データ処理装置は、商品情報をラベル用紙に印字する商品データ処理装置であって、呼び出された前記商品情報に応じて、前記ラベル用紙に印字する印字項目を示すラベル発行画面を表示する表示部と、前記印字項目を音声出力する音声出力手段と、呼び出された前記商品情報に対応する印字項目を前記ラベル発行画面において維持したまま、前記商品情報における前記印字項目の前記音声出力手段による音声出力内容を編集可能とする編集手段と、を備える。
【0091】
前記編集手段は、編集する前記印字項目に対応する操作子を操作することで編集可能となるものとしてもよい。
【0092】
前記編集手段は、編集画面において前記音声出力内容の入力を受け付ける第1の編集手段と、元の前記音声出力内容が前記編集画面に表示され、前記音声出力内容の編集を受け付ける第2の編集手段からなるものとしてもよい。
【0093】
音声入力手段をさらに備え、前記編集手段は前記音声入力手段に基づき前記音声出力内容を変更するものとしてもよい。
【0094】
前記編集手段は、前記音声入力手段で入力された音声を文字認識して、前記音声出力内容とするものとしてもよい。
【0095】
前記編集手段は、前記音声入力手段で入力された音声データを前記音声出力手段で出力するものとしてもよい。
【0096】
本発明によれば、所定項目の読み上げ音声を簡便に設定できる。
【符号の説明】
【0097】
1 :商品データ処理装置
30 :操作部
31 :操作表示部
32 :キー操作部
40 :音声出力部
41 :スピーカ
50 :計量部
51 :ロードセル
60 :印字部
61 :第1印字機構部
62 :第2印字機構部
71 :情報記憶部
72 :重量情報取得部
73 :設定処理部(編集手段)
74 :印字処理部
75 :表示処理部
76 :入力処理部(音声入力手段)
77 :音声出力処理部(音声出力手段)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15