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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042755
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】ロボット操作装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/02 20060101AFI20250321BHJP
   B25J 19/06 20060101ALN20250321BHJP
【FI】
B25J13/02
B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149868
(22)【出願日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】石井 淳史
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS12
3C707JU03
3C707JU14
3C707KS39
3C707KV18
3C707MS14
3C707MS16
3C707MS29
3C707MT01
(57)【要約】
【課題】外付け操作ユニットを用いたとしても、物理的なボタンの数が少なく、操作性が高いロボット操作装置を提供する。
【解決手段】ロボット操作装置1は、タッチパネルディスプレイ21を有する携帯端末2と外付け操作ユニット4とを有する。外付け操作ユニット4は、手動操作によるロボットの手動操作方向の正の向きへの移動を指示する正ボタン8と、手動操作方向の負の向きへの移動を指示する負ボタン9と、を有する。携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21又は外付け操作ユニット4に対する入力に基づいて手動操作方向を決定し、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルディスプレイを有する携帯端末と外付け操作ユニットとを有するロボット操作装置であって、
前記外付け操作ユニットは、手動操作による前記ロボットの手動操作方向の正の向きへの移動を指示する正ボタンと、前記手動操作方向の負の向きへの移動を指示する負ボタンと、を有し、
前記携帯端末は、前記タッチパネルディスプレイ又は前記外付け操作ユニットに対する入力に基づいて前記手動操作方向を決定し、前記正ボタン又は前記負ボタンが押下されている間、決定された前記手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令を前記ロボットに送信することを特徴とするロボット操作装置。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記タッチパネルディスプレイに手動操作画面を表示し、前記手動操作画面に表示される操作方向オブジェクトがタッチされると、タッチされた前記操作方向オブジェクトに基づいて前記手動操作方向を切り替えるとともに、切り替えた前記手動操作方向に対応する前記操作方向オブジェクトを強調して表示することを特徴とする請求項1に記載のロボット操作装置。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記タッチパネルディスプレイに手動操作画面を表示し、前記手動操作画面に表示される操作向きオブジェクトがタッチされると、タッチされた前記操作向きオブジェクトに基づいて前記手動操作方向を切り替えるとともに、切り替えた前記手動操作方向に対応する前記操作向きオブジェクトを強調して表示し、更に、前記操作向きオブジェクトがタッチされている間、タッチされている前記操作向きオブジェクトに対応する前記手動操作方向の向きへの移動命令を前記ロボットに送信することを特徴とする請求項1に記載のロボット操作装置。
【請求項4】
前記外付け操作ユニットは、更に、前記ロボットの操作を有効化するイネーブルスイッチと、前記手動操作方向の選択を切り替える選択ボタンと、を有し、
前記携帯端末は、前記イネーブルスイッチが押下されてから所定時間内に前記選択ボタンが押下されると、前記選択ボタンが押下された回数に基づいて前記手動操作方向を決定することを特徴とする請求項1に記載のロボット操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルディスプレイを有する携帯端末を用いたロボット操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットの教示に用いられるロボット操作装置(ティーチペンダントとも言う。)としては、タッチパネルではないディスプレイに情報が表示され、物理的なボタンによって操作するボタン式が知られている。また、ロボット操作装置としては、タッチパネルディスプレイを有する汎用のタブレット端末やスマートフォン等の携帯端末を用いたタッチパネル式(特許文献1参照)も知られている。近年は、ディスプレイの大型化の要求等に応えるため、タッチパネル式が増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-167065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来のタッチパネル式の技術では、タッチパネルディスプレイに表示される仮想的なボタンをタッチした時の感触が無いことや、反応速度が遅くなるといった問題が解消できておらず、操作性が低下する。操作性を向上させるために、タッチパネルディスプレイに物理的なボタンを外付け操作ユニットとして外付けする技術も周知であるが、物理的なボタンが多くなると、携帯性が低下し、コストも増加する。
【0005】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、外付け操作ユニットを用いたとしても、物理的なボタンの数が少なく、操作性が高いロボット操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するための本発明は、タッチパネルディスプレイを有する携帯端末と外付け操作ユニットとを有するロボット操作装置であって、前記外付け操作ユニットは、手動操作による前記ロボットの手動操作方向の正の向きへの移動を指示する正ボタンと、前記手動操作方向の負の向きへの移動を指示する負ボタンと、を有し、前記携帯端末は、前記タッチパネルディスプレイ又は前記外付け操作ユニットに対する入力に基づいて前記手動操作方向を決定し、前記正ボタン又は前記負ボタンが押下されている間、決定された前記手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令を前記ロボットに送信することを特徴とするロボット操作装置である。
【0007】
前記携帯端末は、前記タッチパネルディスプレイに手動操作画面を表示し、前記手動操作画面に表示される操作方向オブジェクトがタッチされると、タッチされた前記操作方向オブジェクトに基づいて前記手動操作方向を切り替えるとともに、切り替えた前記手動操作方向に対応する前記操作方向オブジェクトを強調して表示するようにしても良い。
【0008】
また、前記携帯端末は、前記タッチパネルディスプレイに手動操作画面を表示し、前記手動操作画面に表示される操作向きオブジェクトがタッチされると、タッチされた前記操作向きオブジェクトに基づいて前記手動操作方向を切り替えるとともに、切り替えた前記手動操作方向に対応する前記操作向きオブジェクトを強調して表示し、更に、前記操作向きオブジェクトがタッチされている間、タッチされている前記操作向きオブジェクトに対応する前記手動操作方向の向きへの移動命令を前記ロボットに送信するようにしても良い。
【0009】
また、前記外付け操作ユニットは、更に、前記ロボットの操作を有効化するイネーブルスイッチと、前記手動操作方向の選択を切り替える選択ボタンと、を有し、前記携帯端末は、前記イネーブルスイッチが押下されてから所定時間内に前記選択ボタンが押下されると、前記選択ボタンが押下された回数に基づいて前記手動操作方向を決定するようにしても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、外付け操作ユニットを用いたとしても、物理的なボタンの数が少なく、操作性が高いロボット操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態を示すロボット操作装置の構成の概要を示す平面図
図2図1の携帯端末における手動操作画面の一例を示す図
図3図1のロボット操作装置における処理の流れの一例を示すフローチャート
図4】第2実施形態におけるロボット操作装置の処理の流れの一例を示すフローチャート
図5】第3実施形態におけるロボット操作装置の処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明のロボット操作装置によって操作するロボットは、例えば垂直多関節ロボット等の産業用ロボットである。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態を示すロボット操作装置1の構成の概要を示す平面図である。ロボット操作装置1は、タッチパネルディスプレイ21を有する携帯端末2と、外付け操作ユニット4とを有して主要部が構成されている。また、ロボット操作装置1は、ロボット(不図示)に通信可能に接続され、ロボットを操作する装置である。ロボット操作装置1は、ティーチペンダントともいい、ロボットに作業内容を教示(ティーチング)したり、ロボットに教示した内容を再生させたり、ロボットを手動操作したりするために用いられる。
【0014】
ロボットは、ロボット本体及びロボット制御装置によって構成される。ロボット本体は、複数のアーム及びアーム間を連結する間接軸を有し、各関節軸には駆動モータが設けられる。以下では、関節軸の数が6の垂直多関節ロボットについて説明するが、本発明は、関節軸の数が5以下のロボットや7以上のロボットにも適用可能であり、特に限定されるものではない。また、ロボット本体及びロボット制御装置は、別体でも良いし、一体でも良い。別体の場合、ロボット制御装置は、ロボット本体と通信ケーブル又は無線を介して通信可能に接続される。ロボット制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ及び通信装置等を有し、予めメモリ等に記憶される制御プログラムやロボット操作装置1から受信された命令等に基づき、ロボット本体の駆動モータの回動及び停止を制御することによって、ロボット本体の動作を制御する。
【0015】
携帯端末2は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、タッチパネルディスプレイ21及び通信装置等を有する汎用のタブレット端末(コンピュータ)である。また、携帯端末2は、音声を集音するマイク22、携帯端末2の傾きを検知するジャイロセンサ等を有していても良い。
【0016】
以下では、携帯端末2としてタブレット端末を例にして説明するが、携帯端末2は、スマートフォン、ノート型PC(Personal Computer)、ウェアラブルデバイス等、タッチパネルディスプレイ21を有し、操作者が携帯可能なコンピュータであれば良い。また、携帯端末2は、ロボット操作専用の端末でも良いし、汎用の端末でも良い。
【0017】
ロボット操作装置1は、携帯端末2の外周に外付けされるホルダ部3を有する。ホルダ部3は、例えば携帯端末2の右下の角部、右側部及び下側部を固定する第1角固定部31と、携帯端末2の左上の角部を固定する第2角固定部32と、携帯端末2の左下の角部を固定する第3角固定部33と、外付け操作ユニット4と第1角固定部31を連結する連結部34と、を備える。尚、第2角固定部32と第3角固定部33とは、例えば携帯端末2の背面側において紐状の弾性体(不図示)によって連結されている。操作者が、携帯端末2の背面側にある第1角固定部31の突起部(不図示)に紐状の弾性体を掛けることによって、図1に示すように、携帯端末2がホルダ部3に固定される。
【0018】
外付け操作ユニット4は、電子基板(不図示)が組み込まれており、携帯端末2と接続可能な端子(不図示)を有し、図1に示す状態において、携帯端末2の端子と接続されている。これによって、携帯端末2と外付け操作ユニット4が通信可能に接続される。端子の規格は特に限定されるものではなく、USB Type-A、USB Type-C、マイクロUSB等、少なくとも情報伝送が可能なものであれば良い。また、電力伝送が可能な端子であれば、携帯端末2への充電が可能となる。尚、USB規格は長距離の通信が難しいため、LAN(Local Area Network)規格に変換し、長距離の情報伝送を安定的に行えるようにしても良い。
【0019】
外付け操作ユニット4は、不図示のケーブルを介してロボット制御装置と通信可能に接続される。このケーブルは、例えば、IOケーブルとLANケーブルが含まれている。これによって、携帯端末2は、ロボット操作に関する命令をロボット制御装置に送信し、ロボット制御装置からロボット動作に関する情報を受信することが可能となる。尚、外付け操作ユニット4とロボット制御装置の接続は、ケーブルによる有線接続ではなく、無線接続でも良い。
【0020】
外付け操作ユニット4は、非常時にロボットを停止する非常停止スイッチ5と、ロボットの操作を有効化するイネーブルスイッチ6と、手動操作によるロボットの手動操作方向の選択を切り替える選択ボタン7と、手動操作方向の正の向きへの移動を指示する正ボタン8と、手動操作方向の負の向きへの移動を指示する負ボタン9と、を有する。これらのスイッチやボタンは、タッチパネルディスプレイ21に表示される仮想的なスイッチやボタンと異なり、図1に示すように物理的なスイッチやボタンである。
【0021】
非常停止スイッチ5は、非常時にロボット制御装置によるロボット本体の動作を停止するための停止スイッチである。操作者が非常停止スイッチ5を押下すると、ロボットの動作が緊急停止する。イネーブルスイッチ6は、ロボットの誤動作を防止するために安全面に配慮された有効化スイッチである。操作者がイネーブルスイッチ6を押下し、押し込み位置が所定位置にある場合のみ、ロボットの操作が可能となる。イネーブルスイッチ6は、例えば3ポジションのスイッチであり、ロボットの操作中に操作者がイネーブルスイッチ6を更に強く押し込むことによって、ロボットの動作を停止できる。
【0022】
操作者は、例えば左腕でロボット操作装置1を抱え込むように把持し、左の手の平や指でイネーブルスイッチ6を押下することによって、ロボット操作を有効化させる。そして、操作者は、左の手でイネーブルスイッチ6を押さえた状態で、右の指又はタッチペンでタッチパネルディスプレイ21をタッチしたり、右の指で外付け操作ユニット4のスイッチやボタンを押下したりする。外付け操作ユニット4のスイッチやボタンの使用方法については、図3から図5を参照しながら後述する。
【0023】
図2は、図1の携帯端末2における手動操作画面10の一例を示す図である。手動操作画面10は、ロボットの手動操作に用いられる画面である。図2に示す例では、携帯端末2のタッチパネルディスプレイ21に表示される画面全体のうち、各種機能を選択するためのメニュー表示等を除いている。
【0024】
手動操作では、ロボットのツール先端(TCP(Tool Center Point)とも言う。)を直交座標系で操作する直交座標系モード(機械座標系モードとも言う。)と、ロボットの関節の各軸(本実施の形態では第1軸乃至第6軸)を単独で操作する軸単独操作モードの2つのモード(=手動操作モード)がある。直交座標系モードでは、ロボットのツール先端を中心とするX軸、Y軸、Z軸の直交座標が定義される。このモードでは、ロボットは、操作者による指示に従って、X軸、Y軸、Z軸に沿って直線的に移動するか、X軸、Y軸、Z軸を回動軸としてツール先端を固定したまま手首をひねる動作を行う。軸単独操作モードでは、ロボットは、操作者による指示に従って、第1軸乃至第6軸を回動軸として回動する動作を行う。
【0025】
図2に示すように、手動操作画面10は、直交座標系操作部11と軸操作部12とから構成される。直交座標系操作部11は、直交座標系モードでロボットの動作を手動操作するためのオブジェクトを含む。また、軸操作部12は、軸単独操作モードでロボットの動作を手動操作するためのオブジェクトを含む。オブジェクトとは、タッチパネルディスプレイ21に表示される仮想的な画面部品を意味し、外付け操作ユニット4の物理的なスイッチやボタンと異なるものである。
【0026】
直交座標系操作部11及び軸操作部12には、それぞれ、6個の操作方向オブジェクト13及び12個の操作向きオブジェクト14が含まれる。操作方向オブジェクト13は、ロボットの手動操作を行う特定の操作方向(=手動操作方向)に対応付けられている。操作向きオブジェクト14は、特定の手動操作方向における向き(正の向き又は負の向き)に対応付けられている。手動操作方向は、直線的な移動動作の方向を示す直線方向と、ある軸を回動軸とする回転動作の方向を示す回転方向の両方を含む。
【0027】
直交座標系操作部11には、操作方向オブジェクト13として、「X」、「Y」、「Z」、「RX」、「RY」、「RZ」が含まれる。「X」乃至「Z」に対応付けられている方向は、直交座標系モードで直線的にロボットのツール先端を操作する方向であり、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸に沿った直線方向である。「RX」乃至「RZ」に対応付けられている方向は、直交座標系モードでロボットの手首の回動を操作する方向であり、それぞれ、回動軸がX軸、Y軸、Z軸の回動方向である。軸操作部12には、操作方向オブジェクト13として、「J1」、「J2」、「J3」、「J4」、「J5」、「J6」が含まれる。「J1」乃至「J6」に対応付けられている方向は、軸単独操作モードでロボットの関節の各軸の回動を操作する方向であり、それぞれ、回動軸が第1軸乃至第6軸の回動方向である。
【0028】
操作向きオブジェクト14は、特定の操作方向オブジェクト13における「+」(=正の向き)又は「-」(=負の向き)が対応付けられ、特定の操作方向オブジェクト13の周辺に配置される。図2に示す例では、操作方向オブジェクト13を挟んで、右側に「+」の操作向きオブジェクト14、左側に「-」の操作向きオブジェクト14が配置されている。例えば、「X」の操作方向オブジェクト13aは、右側に配置される「+」の操作向きオブジェクト14aと、左側に配置される「-」の操作向きオブジェクト14bが組になっている。そして、これら3つのオブジェクト13a、14a及び14bには、X軸に沿った直線方向が対応付けられている。
【0029】
手動操作画面10において、携帯端末2は、現在選択されている手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する。これによって、操作者は、現在選択されている手動操作方向を視覚で確認できる。強調して表示する方法としては、操作方向オブジェクト13の文字の色を他と異なる色で表示したり、操作方向オブジェクト13の文字の大きさを他よりも大きくしたり、操作方向オブジェクト13の文字を1つだけ枠で囲んだりする等が挙げられるが、操作者が視覚的に確認可能であれば、どのような方法でも良い。図2に示す例では、操作方向オブジェクト13bの「J1」が現在選択されている手動操作方向であり、携帯端末2は、「J1」の文字だけを太枠で囲んで表示している。
【0030】
図3は、図1のロボット操作装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1実施形態では、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に対する入力に基づいて手動操作方向を決定し、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信する。特に、第1実施形態では、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に表示される操作方向オブジェクト13に対する入力に基づいて手動操作方向を決定する。
【0031】
図3に示すように、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に手動操作画面10を表示し(ステップS11)、手動操作画面10に表示される操作方向オブジェクト13がタッチされたか否か確認する(ステップS12)。操作方向オブジェクト13がタッチされた場合(ステップS12のYes)、携帯端末2は、タッチされた操作方向オブジェクト13に基づいて手動操作方向を切り替える(ステップS13)。具体的には、携帯端末2は、タッチされた操作方向オブジェクト13に対応付けられている方向を手動操作方向として決定する。更に、携帯端末2は、切り替えた手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する(ステップS14)。操作方向オブジェクト13がタッチされていない場合(ステップS12のNo)、携帯端末2は、ステップS15に進む。
【0032】
次に、携帯端末2は、外付け操作ユニット4の正ボタン8又は負ボタン9が押下状態か否か確認する(ステップS15)。正ボタン8又は負ボタン9が押下状態の場合(ステップS15のYes)、携帯端末2は、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定済の手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信し(ステップS16)、ステップS15から処理を繰り返す。より詳細には、携帯端末2は、正ボタン8が押下されている間、手動操作方向の正の向きへの移動命令をロボットに送信し、負ボタン9が押下されている間、手動操作方向の負の向きへの移動命令をロボットに送信する。正ボタン8又は負ボタン9が押下状態ではない場合(ステップS15のNo)、携帯端末2は、ステップS12から処理を繰り返す。
【0033】
携帯端末2は、ステップS16の処理を実行する時点で手動操作方向を決定していない場合、手動操作方向が未決定であることを通知するエラーメッセージを手動操作画面10に表示し、操作者に対して手動操作方向の選択を促しても良い。
【0034】
また、少なくとも携帯端末2がステップS16の処理を実行する際、イネーブルスイッチ6によってロボットの操作が有効化されている必要がある。すなわち、ロボットの操作が有効化されていない場合、携帯端末2は、ステップS16の処理を実行しない。
【0035】
以上の通り、第1の実施形態によれば、手動操作において、操作者は物理的なボタンである正ボタン8及び負ボタン9によってロボットを操作できる。よって、操作者にボタンを押下している感触が伝わり、操作者はボタンを押下していることが触覚で分かるとともに、反応速度が速くなる。また、外付け操作ユニット4に配置される物理的なボタンは、安全面の要請から必須となる非常停止スイッチ5及びイネーブルスイッチ6を除き、少なくとも正ボタン8及び負ボタン9があれば良い。このことから、物理的なボタンの数が少なく、コストが抑制できるとともに、正ボタン8及び負ボタン9を大きくすることができ、手動操作時の操作性が高まる。
【0036】
尚、図3に示す処理の流れの他に、携帯端末2は、外付け操作ユニット4の選択ボタン7が押下されると、ステップS13のように、手動操作方向を切り替え、ステップS14のように、切り替えた手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する。具体的には、携帯端末2は、選択ボタン7の押下回数に従って、「X」→「Y」→「Z」→「RX」→「RY」→「RZ」→「J1」→「J2」→「J3」→「J4」→「J5」→「J6」の順に手動操作方向を切り替える。例えば、まだ手動操作方向が決定されていない場合、選択ボタン7が2回押下されると、携帯端末2は、2番目の「Y」を手動操作方向に決定する。また、例えば、現在の手動操作方向が「Y」に決定されている場合、選択ボタン7が3回押下されると、携帯端末2は、「Y」から3番目の「RY」を手動操作方向に決定する。
【0037】
また、直交座標系モードでは、X軸、Y軸、Z軸に沿って直線的にロボットを移動させるものとしたが、X軸、Y軸、Z軸のうちのいずれか2軸又は3軸を混合して移動させることも可能である。この場合、「X」乃至「Z」の操作方向オブジェクト13は、ドラッグ&ドロップが可能なオブジェクトとして手動操作画面10に配置される。例えば、携帯端末2は、「X」の操作方向オブジェクト13がドラッグされ、「Y」の操作方向オブジェクト13の上にドロップされると、XY平面上の方向を手動操作方向とすることを受け付ける。そして、XY平面上の方向を特定するために、携帯端末2は、X軸とY軸の混合比率を決定するためのオブジェクトを手動操作画面10に表示する。このオブジェクトは、例えば、左右にスライド可能なスライダオブジェクトであり、最も左端の位置をX軸が100%、Y軸が0%、中心の位置をX軸が50%、Y軸が50%、最も右端の位置をX軸が0%、Y軸が100%とし、混合比率を連続的に調整できるものとする。
【0038】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態におけるロボット操作装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。尚、第2実施形態において用いる部材の説明は、第1実施形態と同じものは、説明を簡略化するためその説明を省略する。
第2実施形態では、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に対する入力に基づいて手動操作方向を決定し、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信する。特に、第2実施形態では、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に表示される操作向きオブジェクト14に対する入力に基づいて手動操作方向を決定する。
【0039】
図4に示すように、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に手動操作画面10を表示し(ステップS21)、手動操作画面10に表示される操作向きオブジェクト14がタッチされたか否か確認する(ステップS22)。操作向きオブジェクト14がタッチされた場合(ステップS22のYes)、携帯端末2は、タッチされた操作向きオブジェクト14に基づいて手動操作方向を切り替える(ステップS23)。より詳細には、携帯端末2は、タッチされた操作向きオブジェクト14に対応付けられている方向を手動操作方向として決定する。更に、携帯端末2は、切り替えた手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する(ステップS24)。操作向きオブジェクト14がタッチされていない場合(ステップS22のNo)、携帯端末2は、ステップS27に進む。
【0040】
次に、携帯端末2は、操作向きオブジェクト14がタッチ状態か否か確認する(ステップS25)。操作向きオブジェクト14がタッチ状態の場合(ステップS25のYes)、携帯端末2は、操作向きオブジェクト14がタッチされている間、タッチされている操作向きオブジェクトに対応する手動操作方向の向きへの移動命令をロボットに送信する(ステップS26)。具体的には、携帯端末2は、「+」の操作向きオブジェクト14がタッチされている間、ステップS23において決定された手動操作方向の正の向きへの移動命令をロボットに送信し、「-」の操作向きオブジェクト14がタッチされている間、ステップS23において決定された手動操作方向の負の向きへの移動命令をロボットに送信する。操作向きオブジェクト14がタッチ状態ではない場合(ステップS25のNo)、携帯端末2は、ステップS27に進む。
【0041】
次に、携帯端末2は、外付け操作ユニット4の正ボタン8又は負ボタン9が押下状態か否か確認する(ステップS27)。正ボタン8又は負ボタン9が押下状態の場合(ステップS27のYes)、携帯端末2は、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定済の手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信し(ステップS28)、ステップS27から処理を繰り返す。具体的には、携帯端末2は、正ボタン8が押下されている間、手動操作方向の正の向きへの移動命令をロボットに送信し、負ボタン9が押下されている間、手動操作方向の負の向きへの移動命令をロボットに送信する。正ボタン8又は負ボタン9が押下状態ではない場合(ステップS27のNo)、携帯端末2は、ステップS22から処理を繰り返す。
【0042】
携帯端末2は、ステップS26又はS28の処理を実行する時点で手動操作方向を決定していない場合、手動操作方向が未決定であることを通知するエラーメッセージを手動操作画面10に表示し、操作者に対して手動操作方向の選択を促しても良い。
【0043】
また、少なくとも携帯端末2がステップS26又はS28の処理を実行する際、イネーブルスイッチ6によってロボットの操作が有効化されている必要がある。すなわち、ロボットの操作が有効化されていない場合、携帯端末2は、ステップS26又はS28の処理を実行しない。
【0044】
以上の通り、第2の実施形態によれば、手動操作において、操作者は物理的なボタンである正ボタン8及び負ボタン9によってロボットを操作できる。このことから、操作者にボタンを押下している感触が伝わり、操作者はボタンを押下していることが触覚で分かるとともに、反応速度が速くなる。また、外付け操作ユニット4に配置される物理的なボタンは、安全面の要請から必須となる非常停止スイッチ5及びイネーブルスイッチ6を除き、少なくとも正ボタン8及び負ボタン9があれば良い。よって、物理的なボタンの数が少なく、コストが抑制できるとともに、正ボタン8及び負ボタン9を大きくすることができ、手動操作時の操作性が高まる。更に、操作者は、仮想的な操作向きオブジェクト14と、物理的な正ボタン8及び負ボタン9の両方によって操作できる。このことにより、操作向きオブジェクト14によってロボットを大まかに操作した後、正ボタン8及び負ボタン9によってロボットを細かく操作することができ、手動操作時の操作性が更に高まる。
【0045】
尚、第1実施形態と同様に、図4に示す処理の流れの他に、携帯端末2は、外付け操作ユニット4の選択ボタン7が押下されると、ステップS23のように、手動操作方向を切り替え、ステップS24のように、切り替えた手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する。
【0046】
また、ロボット操作装置1は、第1実施形態と第2実施形態における携帯端末2の処理を選択的に組み合わせた構成を採用することができる。すなわち、携帯端末2は、手動操作画面10を表示した後、操作方向オブジェクト13がタッチされた場合、図3に示す処理を実行し、操作向きオブジェクト14がタッチされた場合、図4に示す処理を実行するようにしても良い。
【0047】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態におけるロボット操作装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。尚、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、部材の説明は、第1実施形態と同じものは、説明を簡略化するためその説明を省略する。
第3実施形態では、携帯端末2は、外付け操作ユニット4に対する入力に基づいて手動操作方向を決定し、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信する。特に、第3実施形態では、携帯端末2は、外付け操作ユニット4のイネーブルスイッチ6及び選択ボタン7に対する入力に基づいて手動操作方向を決定する。
【0048】
図5に示すように、携帯端末2は、タッチパネルディスプレイ21に手動操作画面10を表示し(ステップS31)、イネーブルスイッチ6でロボットの操作が有効化されたか否か、すなわちイネーブルスイッチ6が所定の位置まで押し込まれたか否か確認する(ステップS32)。携帯端末2は、イネーブルスイッチ6でロボットの操作が有効化された場合(ステップS32のYes)、ステップS33に進み、イネーブルスイッチ6でロボットの操作が有効化されていない場合(ステップS32のNo)、ステップS32から処理を繰り返す。
【0049】
次に、携帯端末2は、イネーブルスイッチ6が押下されてから所定時間内に選択ボタン7が押下されたか否か確認する(ステップS33)。所定時間は、例えば1秒程度である。所定時間内に選択ボタン7が押下された場合(ステップS33のYes)、携帯端末2は、選択ボタン7が押下された回数に基づいて手動操作方向を決定し(ステップS34)、決定した手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する(ステップS35)。所定時間内に選択ボタン7が押下されていない場合(ステップS33のNo)、携帯端末2は、ステップS36に進む。
【0050】
ここで、ステップS34について詳細に説明する。例えば、携帯端末2は、選択ボタン7の押下回数に従って、「X」→「Y」→「Z」→「RX」→「RY」→「RZ」→「J1」→「J2」→「J3」→「J4」→「J5」→「J6」の順に操作方向オブジェクト13の選択を切り替えていき、手動操作方向を決定する。例えば、選択ボタン7が3回押下されると、携帯端末2は、3番目の「Z」の操作方向オブジェクト13に選択を切り替え、「Z」を手動操作方向に決定する。
【0051】
また、例えば、選択ボタン7が長押しされる、すなわち選択ボタン7が所定時間以上押下されると、携帯端末2は、直交座標系操作部11と軸操作部12の選択の切替を行う。より詳細には、携帯端末2は、選択ボタン7が長押しされると、現在選択中の操作方向オブジェクト13が直交座標系操作部11に属する場合、軸操作部12に含まれる特定の操作方向オブジェクト13(例えば、先頭の「J1」)に選択を切り替え、現在選択中の操作方向オブジェクト13が軸操作部12に属する場合、直交座標系操作部11に含まれる特定の操作方向オブジェクト13(例えば、先頭の「X」)に選択を切り替える。操作者は、この長押しの機能を使うことによって、選択ボタン7の押下回数を削減できる場合がある。
【0052】
次に、携帯端末2は、外付け操作ユニット4の正ボタン8又は負ボタン9が押下状態か否か確認する(ステップS36)。正ボタン8又は負ボタン9が押下状態の場合(ステップS36のYes)、携帯端末2は、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、ステップS34において決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信し(ステップS37)、ステップS36から処理を繰り返す。より詳細には、携帯端末2は、正ボタン8が押下されている間、手動操作方向の正の向きへの移動命令をロボットに送信し、負ボタン9が押下されている間、手動操作方向の負の向きへの移動命令をロボットに送信する。正ボタン8又は負ボタン9が押下状態ではない場合(ステップS36のNo)、携帯端末2は、ステップS32から処理を繰り返す。
【0053】
携帯端末2は、ステップS37の処理を実行する時点で手動操作方向を決定していない場合、手動操作方向が未決定であることを通知するエラーメッセージを手動操作画面10に表示し、操作者に対して手動操作方向の選択を促しても良い。
【0054】
また、少なくとも携帯端末2がステップS37の処理を実行する際、イネーブルスイッチ6によってロボットの操作が有効化されている必要がある。すなわち、ロボットの操作が有効化されていない場合、携帯端末2は、ステップS37の処理を実行しない。
【0055】
以上の通り、第3の実施形態によれば、手動操作において、操作者は物理的なボタンである正ボタン8及び負ボタン9によってロボットを操作できる。このことから、操作者にボタンを押下している感触が伝わり、操作者はボタンを押下していることが触覚で分かるとともに、反応速度が速くなる。また、外付け操作ユニット4に配置される物理的なボタンは、安全面の要請から必須となる非常停止スイッチ5及びイネーブルスイッチ6を除き、少なくとも選択ボタン7、正ボタン8及び負ボタン9があれば良い。このことから、物理的なボタンの数が少なく、コストが抑制できるとともに、正ボタン8及び負ボタン9を大きくすることができ、手動操作時の操作性が高まる。更に、操作者は、ロボットの操作を有効化するために必要なイネーブルスイッチ6の操作をトリガーとして手動操作方向を選択できるので、手動操作方向の選択時の操作が簡略化できる。
【0056】
第3実施形態においては、携帯端末2は、ステップS31において手動操作画面10を表示する際、又はステップS32においてイネーブルスイッチ6による有効化を確認した際、手動操作方向を初期化する、すなわち手動操作方向が決定されていない状態にすることが望ましい。これによって、イネーブルスイッチ6による有効化を行うたびに手動操作方向を決定することになり、操作者が変更になったり、休憩から戻ってきたりした場合等において、過去の手動操作方向をそのまま利用することがなくなり、誤操作を防止できる。
【0057】
尚、ロボット操作装置1は、第1実施形態乃至第3実施形態における携帯端末2の処理を選択的に組み合わせた構成を採用することができる。すなわち、携帯端末2は、手動操作画面10を表示した後、操作方向オブジェクト13がタッチされた場合、図3に示す処理を実行し、操作向きオブジェクト14がタッチされた場合、図4に示す処理を実行し、イネーブルスイッチ6による有効化を確認した場合、図5に示す処理を実行するようにしても良い。
【0058】
また、ステップS31とS32の処理の順番を逆にしても良い。すなわち、携帯端末2は、イネーブルスイッチ6による有効化を確認した後、タッチパネルディスプレイ21に手動操作画面10を表示しても良い。
【0059】
<第4実施形態>
第4実施形態では、携帯端末2は、外付け操作ユニット4及び携帯端末2のマイク22に対する入力に基づいて手動操作方向を決定し、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信する。
【0060】
携帯端末2は、イネーブルスイッチ6が押下されてから所定時間内(例えば1秒程度)にマイク22から音声の入力を検知すると、音声認識処理によって音声データをテキストデータに変換し、テキストデータに基づいて手動操作方向を決定し、決定した手動操作方向に対応する操作方向オブジェクト13を強調して表示する。例えば、操作者が、イネーブルスイッチ6を押下してロボットの操作を有効化し、マイク22に向かって「J1」と発声すると、携帯端末2は、音声データをテキストデータ「J1」に変換し、「J1」を手動操作方向に決定し、「J1」の操作方向オブジェクト13を強調して表示する。
【0061】
また、携帯端末2は、選択ボタン7が長押し(=所定時間以上押下)されてから所定時間内にマイク22から音声の入力を検知すると、同様の処理を実行するようにしても良い。
【0062】
更に、携帯端末2は、手動操作方向を決定した後、マイク22から特定の音声が入力されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信するようにしても良い。例えば、携帯端末2は、操作者が母音「ア」を発声し続けている間、決定された手動操作方向の正の向きへの移動命令をロボットに送信し、操作者が母音「イ」を発声し続けている間、決定された手動操作方向の負の向きへの移動命令をロボットに送信するようにしても良い。
【0063】
<第5実施形態>
第5実施形態では、携帯端末2は、外付け操作ユニット4及び携帯端末2のジャイロセンサに対する入力に基づいて手動操作方向を決定し、正ボタン8又は負ボタン9が押下されている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信する。
【0064】
携帯端末2は、上下左右の向きを指す4つの矢印オブジェクトを手動操作画面10に表示する(不図示)。各矢印オブジェクトは、「X」、「Y」、「Z」、「RX」、「RY」、「RZ」、「J1」、「J2」、「J3」、「J4」、「J5」又は「J6」のいずれかの文字が付され、その文字の操作方向が対応付けられる。例えば、上向きの矢印オブジェクトが「X」、左向きの矢印オブジェクトが「Y」、右向きの矢印オブジェクトが「J1」、下向きの矢印オブジェクトが「J2」に対応付けられる。この対応付けの組み合わせは、別の設定画面において設定可能である。
【0065】
携帯端末2は、ジャイロセンサが上下左右いずれかの向きに所定角度(例えば45度)以上の傾きを検知すると、その向きに対応付けられている操作方向を手動操作方向として決定し、決定した手動操作方向を手動操作画面10に表示する。
【0066】
また、携帯端末2は、手動操作方向を決定した後、ジャイロセンサが特定の向きに所定角度以上の傾きを検知し続けている間、決定された手動操作方向の正の向き又は負の向きへの移動命令をロボットに送信するようにしても良い。例えば、携帯端末2は、ジャイロセンサが上向きに所定角度以上の傾きを検知し続けている間、決定された手動操作方向の正の向きへの移動命令をロボットに送信し、ジャイロセンサが下向きに所定角度以上の傾きを検知し続けている間、決定された手動操作方向の負の向きへの移動命令をロボットに送信するようにしても良い。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るロボット操作装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0068】
1………ロボット操作装置
2………携帯端末
3………ホルダ部
4………外付け操作ユニット
5………非常停止スイッチ
6………イネーブルスイッチ
7………選択ボタン
8………正ボタン
9………負ボタン
10………手動操作画面
11………直交座標系操作部
12………軸操作部
13、13a、13b………操作方向オブジェクト
14、14a、14b………操作向きオブジェクト
21………タッチパネルディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5