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特開2025-42784障害物監視システム、障害物監視装置、障害物監視方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042784
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】障害物監視システム、障害物監視装置、障害物監視方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20250321BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20250321BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20250321BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20250321BHJP
   B60W 30/095 20120101ALI20250321BHJP
【FI】
B61L23/00 A
G08G1/00 X
G08G1/16 C
B60W40/04
B60W30/095
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149921
(22)【出願日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山之内 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】野村 俊之
(72)【発明者】
【氏名】安部 淳一
(72)【発明者】
【氏名】野口 栄実
(72)【発明者】
【氏名】小野 善将
(72)【発明者】
【氏名】藤本 達也
【テーマコード(参考)】
3D241
5H161
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241BB27
3D241BB52
3D241BB54
3D241CC01
3D241CC08
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DC33Z
3D241DC51Z
3D241DC52Z
3D241DC54Z
3D241DC55Z
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM12
5H161NN10
5H161NN12
5H161NN15
5H181AA16
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】移動体に搭載したセンシング手段のセンシング結果に基づいて当該移動体の進行方向の障害物を検出するに際し、移動体の移動速度を確保しつつ障害物の検出確度を向上する技術を提供する。
【解決手段】障害物監視システムは、センシング手段と、第1の障害物検出手段と、前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、を含む。前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段と、
前記センシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出する第1の障害物検出手段と、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視システム。
【請求項2】
前記制御手段が前記第2の制御モードを実行しているとき、前記センシング手段のセンシング結果を入力し、前記第1の障害物検出手段が検出した前記障害物のクラス毎の検出スコアを出力するニューラルネットワークにより構成された第2の障害物検出手段を更に含む、
請求項1に記載の障害物監視システム。
【請求項3】
クラス毎にスコア閾値が設定されており、
前記制御手段は、何れかのクラスにおいて、前記検出スコアが前記スコア閾値を上回った場合、前記移動体を減速し又は停止させる、
請求項2に記載の障害物監視システム。
【請求項4】
前記移動体の移動に支障が出るクラスには前記スコア閾値として第1のスコア閾値が設定され、
前記移動体の移動に支障が出ないクラスには前記スコア閾値として前記第1のスコア閾値よりも高い第2のスコア閾値が設定される、
請求項3に記載の障害物監視システム。
【請求項5】
各クラスにおいて、悪天時のスコア閾値は好天時のスコア閾値よりも低く設定される、
請求項3又は4に記載の障害物監視システム。
【請求項6】
各クラスにおいて、前記移動体の現在移動している移動軌道が曲線であるときのスコア閾値は、前記移動軌道が直線であるときのスコア閾値よりも低く設定される、
請求項3又は4に記載の障害物監視システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の障害物検出手段が検出した前記障害物が前記移動体の移動軌道から外れている場合、前記制御モードの切り替えを行わない、
請求項1に記載の障害物監視システム。
【請求項8】
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段と、
前記センシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出する第1の障害物検出手段と、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視装置。
【請求項9】
コンピュータが、
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出し、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行し、
前記第1の制御モードを実行しているときに前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の障害物監視方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、障害物監視システム、障害物監視装置、障害物監視方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両前方に障害物を検出した場合、自車両の退避スペースを探索し、探索した退避スペースに自車両を誘導して停車させる、車両制御システムを開示している。車両前方の障害物を検出する手段として、ステレオカメラ、Radar(Radio Detection and Ranging)装置及びLiDAR(Light Detection And Ranging)装置を例示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/179958号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、移動体に搭載したセンシング手段のセンシング結果に基づいて当該移動体の進行方向の障害物を検出する場合、当該移動体の移動速度と障害物の検出確度はトレードオフの関係にあり、両者を同時に実現することは困難とされている。
【0005】
即ち、移動体を高速で移動させる場合、移動体が障害物を検出してから実際に移動体が障害物に衝突するまでの時間は限られている。このため、障害物を高い確度で検出するには時間が足りない。このため、障害物を誤検出することもあるだろう。障害物を誤検出したことで移動体の移動速度を落とした場合、移動体が目的地に到着する時刻が遅れてしまう。
【0006】
本開示の目的は、移動体に搭載したセンシング手段のセンシング結果に基づいて当該移動体の進行方向の障害物を検出するに際し、移動体の移動速度を確保しつつ障害物の検出確度を向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段と、
前記センシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出する第1の障害物検出手段と、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視システムが提供される。
【0008】
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段と、
前記センシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出する第1の障害物検出手段と、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視装置が提供される。
【0009】
コンピュータが、
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出し、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行し、
前記第1の制御モードを実行しているときに前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、移動体に搭載したセンシング手段のセンシング結果に基づいて当該移動体の進行方向の障害物を検出するに際し、移動体の移動速度を確保しつつ障害物の検出確度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】障害物監視システムのブロック図である。
図2】障害物監視装置のブロック図である。
図3】視野角の説明図である。
図4】閾値テーブルの説明図である。
図5】障害物監視装置の制御フローである。
図6】障害物監視装置が備える処理回路をプロセッサ及びメモリで構成する場合を示す図である。
図7】障害物監視装置が備える処理回路を専用のハードウェアで構成する場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の概要)
以下、本開示の概要を説明する。図1は、障害物監視システム100のブロック図を示している。図1に示すように、障害物監視システム100は、センシング手段101、第1の障害物検出手段102、制御手段103を含む。
【0013】
センシング手段101は、移動体の移動方向における前方をセンシングする。
【0014】
第1の障害物検出手段102は、センシング手段101のセンシング結果に基づいて障害物を検出する。
【0015】
制御手段103は、第1の制御モードと第2の制御モードを含む複数の制御モードを選択的に実行する。
【0016】
第1の制御モードは、移動体の移動速度が第1の移動速度であり、センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である制御モードである。
【0017】
第2の制御モードは、移動体の移動速度が第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角よりも狭い第2の視野角である制御モードである。
【0018】
制御手段103は、制御手段103が第1の制御モードを実行しているときに第1の障害物検出手段102が障害物を検出した場合、第2の視野角内に障害物を捉えるように第2の制御モードを実行する。
【0019】
以上の構成によれば、移動体に搭載したセンサのセンシング結果に基づいて当該移動体の進行方向の障害物を検出するに際し、移動体の移動速度を確保しつつ障害物の検出確度を向上することができる。
【0020】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態を説明する。図2は、列車1に搭載された障害物監視装置2のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、障害物監視装置2は、LiDAR装置3、降雨センサ4、加速度センサ5、第1障害物検出部6、第2障害物検出部7、制御部8、を含む。列車1は、障害物監視装置2に加えて、車輪9を駆動するモータ10、車輪9を制動するブレーキ装置11、を更に含む。列車1は、軌条12に沿って走行する。軌条12は、列車1が走行する移動軌道の一具体例である。列車1は、移動体の一具体例である。移動体としては、列車1に限らず、自動車やドローンであってもよい。
【0022】
LiDAR装置3は、列車1の走行方向における前方をセンシングするセンシング手段の一具体例である。本実施形態のLiDAR装置3は、直接ToF(Time of Flight)方式である。即ち、LiDAR装置3は、列車1の走行方向における前方に向けてレーザ光を出射し、その反射光を受光するまでに要する時間を計測することで、列車1の走行方向における前方の三次元点群(point cloud)を生成する。しかし、これに代えて、LiDAR装置3は、列車1の走行方向における前方に向けて出射するレーザ光と、その反射光と、の周波数差に基づいて上記の三次元点群を生成するFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式であってもよい。また、LiDAR装置3は、列車1の走行方向における前方に向けて出射するレーザ光と、その反射光と、の位相差に基づいて上記の三次元点群を生成する間接ToF方式であってもよい。LiDAR装置3は、生成した三次元点群を、列車1の時々刻々と変化する現在地によって補正する。LiDAR装置3は、グローバル座標系で表現された補正後の三次元点群を最新点群記憶部3aに格納する。
【0023】
なお、センシング手段は、LiDAR装置3に限らない。センシング手段は、列車1の走行方向における前方をセンシング可能なものであれば任意の装置を採用し得る。例えば、センシング手段は、Radar装置(Radio Detection And Ranging)、超音波センサ、ステレオカメラ、又は、それらの組み合わせにより三次元点群を生成するように構成してもよい。また、センシング手段は、列車1の走行方向における前方を撮像して得た複数の二次元画像からSfM(Structure from Motion)により三次元点群を生成するように構成してもよい。何れのセンシング手段においても、測定時間を長く確保できればその分、センシング結果の信頼性が向上する性質を有する。
【0024】
降雨センサ4は、現在の天候が雨天か晴天かを検出する天候センサである。降雨センサ4は、センシング結果を制御部8に出力する。
【0025】
加速度センサ5は、列車1に作用する加速度を検出する。加速度センサ5は、センシング結果を制御部8に出力する。
【0026】
第1障害物検出部6は、最新点群記憶部3aに記憶されている三次元点群に基づいて、列車1の走行方向における前方の障害物を検出する。典型的には、第1障害物検出部6は、最新点群記憶部3aに記憶されている三次元点群と、過去点群記憶部3bに記憶されている三次元点群と、を比較し、その差分に基づいて列車1の走行方向における前方の障害物を検出する。過去点群記憶部3bに記憶されている三次元点群とは、列車1が走行する時点よりも過去に生成されて蓄積された三次元点群である。障害物は、例えば、人や動物、置き石、倒木である。
【0027】
第2障害物検出部7は、最新点群記憶部3aに記憶されている三次元点群を入力し、第1障害物検出部6が検出した障害物のクラス毎の検出スコアを出力するニューラルネットワークにより構成されている。ニューラルネットワークの出力層には、第1障害物検出部6が検出した障害物のクラス毎の検出スコアが出力される。検出スコアは、対応する障害物の対応するクラスに属する確率を示す。本実施形態において、当該確率は、0から1までの範囲で表現される。そして、すべてのクラスの検出スコアを足し合わせると1になるように、各クラスの検出スコアはソフトマックス関数により正規化されている。
【0028】
制御部8は、低信頼度測定モード8aと高信頼度測定モード8bを含む複数の測定モードを選択的に実行する。測定モードは、制御モードの一具体例である。低信頼度測定モード8aは、第1の制御モードの一具体例である。高信頼度測定モード8bは、第2の制御モードの一具体例である。本実施形態では、複数の測定モードは、低信頼度測定モード8a及び高信頼度測定モード8bを含む。複数の測定モードは、例えば、中信頼度測定モードなどの他の測定モードを含んでもよい。
【0029】
低信頼度測定モード8aは、列車1の走行速度が第1の走行速度であり、LiDAR装置3のセンシング視野角(FoV: Field of View)が第1の視野角である測定モードである。高信頼度測定モード8bは、列車1の走行速度が第1の走行速度よりも低い第2の走行速度であり、LiDAR装置3のセンシング視野角が第1の視野角よりも狭い第2の視野角である測定モードである。図3は、制御部8が低信頼度測定モード8aを実行するときの第1の視野角FV1と、制御部8が高信頼度測定モード8bを実行するときの第2の視野角FV2と、を示している。図3に示すように、第2の視野角FV2は、第1の視野角FV1よりも内側の視野である。第1の視野角FV1は、第2の視野角FV2を含む。
【0030】
そして、制御部8は、制御部8が低信頼度測定モード8aを実行しているときに第1障害物検出部6が障害物を検出した場合、第2の視野角FV2内に障害物を捉えるように高信頼度測定モード8bを実行する。即ち、制御部8が高信頼度測定モード8bを実行するとき、LiDAR装置3は第1障害物検出部6が検出した障害物を集中的にスキャンすることになる。これにより、LiDAR装置3は、第1障害物検出部6が検出した障害物に対応する三次元点群の点群密度を高めることができる。また、制御部8が高信頼度測定モード8bを実行するとき、列車1の走行速度が第2の走行速度となっているので、第1障害物検出部6が検出した障害物をLiDAR装置3がスキャンするのに費やせる時間を長く確保することができる。この意味でも、LiDAR装置3は、第1障害物検出部6が検出した障害物に対応する三次元点群の点群密度を高めることができる。
【0031】
図2に戻り、制御部8は、閾値テーブル8cを有している。制御部8は、障害物の種別や天候状況、軌条12の形状に応じて列車1の走行を制御する際に閾値テーブル8cを参照する。
【0032】
図4には、閾値テーブル8cの数値を例示している。図4に示すように、閾値テーブル8cは、クラス毎のスコア閾値を規定している。複数のクラス(種別、カテゴリ)は、列車1の走行に支障が出る有害クラス群20と、列車1の走行に支障が出ない無害クラス群21と、に大別される。有害クラス群20には、クラスA1からクラスA5が属している。無害クラス群21には、クラスB1からクラスB5が属している。クラスA1からクラスA5は、例えば人や置き石、倒木である。クラスB1からクラスB5は、例えば動物である。そして、無害クラス群21に属する各クラスのスコア閾値は、有害クラス群20に属する各クラスのスコア閾値よりも高く設定されている。
【0033】
各クラスのスコア閾値は、天候状況や軌条12の形状に応じて更に細かく設定されている。即ち、例えば、クラスA1のスコア閾値に着目すると、クラスA1のスコア閾値は以下のように設定されている。
・好天時であって軌条12が曲線であるときスコア閾値は0.60に設定されている。
・好天時であって軌条12が直線であるときスコア閾値は0.70に設定されている。
・悪天時であって軌条12が曲線であるときスコア閾値は0.40に設定されている。
・悪天時であって軌条12が直線であるときスコア閾値は0.50に設定されている。
【0034】
そして、制御部8は、何れかのクラスにおいて、検出スコアがスコア閾値を上回った場合、列車1を減速し又は停止させる。
【0035】
上記の通り、悪天時のスコア閾値は好天時のスコア閾値よりも低く設定される。図4の例では、悪天時のスコア閾値は好天時のスコア閾値よりも0.2ポイント低く設定されている。即ち、悪天時はLiDAR装置3が単位時間あたりに生成可能な三次元点群の点数が少なくなる問題がある。換言すれば、悪天時は、LiDAR装置3によるセンシングの信頼性が落ちる。従って、悪天時は第2障害物検出部7が出力する検出スコアの信頼性が低下していると考えられるので、好天時と比較して、列車1と障害物との衝突防止が優先される、即ち、列車1を減速又は停止し易くする。
【0036】
また、列車1の現在走行している軌条12が曲線であるときのスコア閾値は、列車1の現在走行している軌条12が直線であるときのスコア閾値よりも低く設定される。図4の例では、列車1の現在走行している軌条12が曲線であるときのスコア閾値は、列車1の現在走行している軌条12が直線であるときのスコア閾値よりも0.1低く設定されている。即ち、列車1の現在走行している軌条12が曲線である場合は軌条12のトラッキングが難しく、第2障害物検出部7が出力する検出スコアの信頼性が低下することが考えられる。従って、列車1の現在走行している軌条12が曲線である場合は、列車1の現在走行している軌条12が直線である場合と比較して、列車1と障害物との衝突防止が優先される、即ち、列車1を減速又は停止し易くする。
【0037】
また、有害クラス群20に属するクラスA1からクラスA5の検出スコアが少しでも高くなった場合、即ち、第1障害物検出部6が検出した障害物が列車1の走行に支障が出るクラスに分類される可能性が少しでも高まったとき、制御部8は、列車1を速やかに減速し又は停止させる。これに対し、無害クラス群21に属するクラスB1からクラスB5の検出スコアが高まったとき、即ち、第1障害物検出部6が検出した障害物が列車1の走行に支障が出ないクラスに分類される可能性が高まったとき、制御部8は、列車1の走行を優先すべく、列車1を減速したり、列車1を停止させたりしない。これにより、列車1と障害物との衝突を防止しつつ、列車1の定時運行を可及的に維持することができる。
【0038】
なお、本実施形態において、制御部8は、降雨センサ4のセンシング結果に基づいて、現在列車1が走行している地点における天候を判定する。しかし、これに代えて、制御部8は、気象情報を提供する外部サーバにアクセスすることで、現在列車1が走行している地点における天候を判定してもよい。
【0039】
また、本実施形態において、制御部8は、加速度センサ5のセンシング結果に基づいて、列車1の現在走行している軌条12が曲線であるか直線であるか判定する。しかし、これに代えて、制御部8は、列車1の現在地を示す現在地情報と、軌条12の軌道を含む地図情報と、に基づいて列車1の現在走行している軌条12が曲線であるか直線であるか判定してもよい。
【0040】
また、本実施形態において、制御部8は、モータ10を駆動する図示しないモータドライバに駆動指令を出力したり、ブレーキ装置11を駆動する図示しないブレーキドライバに駆動指令を出力することで、列車1の走行速度を制御する。
【0041】
次に、障害物監視装置2の動作フローを説明する。図5には、障害物監視装置2の制御フローを示している。
【0042】
S100:
まず、制御部8は、低信頼度測定モード8aを実行する。
【0043】
S110:
次に、制御部8は、第1障害物検出部6が障害物を検出したか判定する。第1障害物検出部6が障害物を検出した場合(S110:YES)、制御部8は、処理をS120に進める。一方、第1障害物検出部6が障害物を検出しなかった場合(S110:NO)、制御部8は、処理をS100に戻す。
【0044】
S120:
次に、制御部8は、第1障害物検出部6が検出した障害物が軌条12上か判定する。第1障害物検出部6が検出した障害物が軌条12から外れている場合(S120:NO)、制御部8は、処理をS100に戻す。一方、第1障害物検出部6が検出した障害物が軌条12上である場合(S120:YES)、制御部8は、処理をS130に進める。
【0045】
S130:
次に、制御部8は、低信頼度測定モード8aに代えて高信頼度測定モード8bを実行する。これにより、列車1が減速すると共に第1障害物検出部6が検出した障害物をLiDAR装置3が集中的にスキャンすることになる。
【0046】
S140:
次に、第2障害物検出部7は、最新点群記憶部3aに記憶された三次元点群に基づいて第1障害物検出部6が検出した障害物のクラス分類を実行する。
【0047】
S150:
次に、制御部8は、雨天センサ4及び加速度センサ5のセンシング結果に基づいて現在の天候及び軌条12の形状を判定する。そして、制御部8は、閾値テーブル8cを参照して、何れかのクラスにおいて検出スコアがスコア閾値を上回ったか判定する。何れかのクラスにおいて検出スコアがスコア閾値を上回ったと判定した場合(S150:YES)、制御部8は、処理をS160に進める。一方、何れのクラスにおいも検出スコアがスコア閾値を上回っていないと判定した場合(S150:NO)、制御部8は、処理をS100に戻す。
【0048】
例えば、第1障害物検出部6が検出した障害物がクラスA2に分類される確率である検出スコアが0.6となり、現在の天候が悪天であって、現在列車1が走行している軌条12が直線である場合、上記の検出スコアがスコア閾値である0.54を上回る。この場合、制御部8は、処理をS150からS160に進める。
【0049】
また、第1障害物検出部6が検出した障害物がクラスB4に分類される確率である検出スコアが0.7となり、現在の天候が好天であって、現在列車1が走行している軌条12が曲線である場合、上記の検出スコアがスコア閾値である0.72を下回る。この場合、制御部8は、処理をS150からS100に戻す。
【0050】
S160:
次に、制御部8は、列車1を減速し、又は、停止させて処理を終了する。これにより、列車1と障害物との衝突を緩和し、又は、回避することができる。
【0051】
以上に、本開示の好適な実施形態を説明した。上記実施形態は以下の特徴を有している。
【0052】
障害物監視装置2は、障害物監視システムの一具体例である。障害物監視装置2は、LiDAR装置3(センシング手段)、第1障害物検出部6(第1の障害物検出手段)、制御部8(制御手段)を含む。LiDAR装置3は、列車1(移動体)の走行方向(移動方向)における前方をセンシングする。第1障害物検出部6は、LiDAR装置3のセンシング結果に基づいて障害物を検出する。制御部8は、低信頼度測定モード8a(第1の制御モード)と高信頼度測定モード8b(第2の制御モード)を含む複数の測定モード(制御モード)を選択的に実行する。そして、制御部8は、制御部8が低信頼度測定モード8aを実行しているときに第1障害物検出部6が障害物を検出した場合、第2の視野角FV2内に障害物を捉えるように高信頼度測定モード8bを実行する。以上の構成によれば、列車1に搭載したLiDAR装置3のセンシング結果に基づいて当該列車1の走行方向の障害物を検出するに際し、列車1の移動速度を確保しつつ列車1の検出確度を向上することができる。
【0053】
障害物監視装置2は、更に、第2障害物検出部7(第2の障害物検出手段)を含む。第2障害物検出部7は、制御部8が高信頼度測定モード8bを実行しているとき、LiDAR装置3のセンシング結果を入力し、第1障害物検出部6が検出した障害物のクラス毎の検出スコアを出力するニューラルネットワークにより構成されている。以上の構成によれば、障害物のクラス分類の高い信頼性を実現できる。なお、三次元点群に基づいてクラス分類するニューラルネットワークとして、PointNet、PointNet++、VoteNetを採用し得る。また、二次元画像と三次元点群をセンサヒュージョンすることで物体検出の信頼性を向上してもよい。
【0054】
また、図4に示すように、閾値テーブル8cにおいて、クラス毎にスコア閾値が設定されている。制御部8は、何れかのクラスにおいて、検出スコアがスコア閾値を上回った場合、列車1を減速し又は停止させる。以上の構成によれば、クラス毎に列車1の運行を優先するか列車1と障害物との衝突回避を優先するか、列車1の走行制御をきめ細かく調整することができる。
【0055】
また、列車1の走行に支障が出るクラスにはスコア閾値として第1のスコア閾値が設定される。列車1の走行に支障が出ないクラスにはスコア閾値として第1のスコア閾値よりも高い第2のスコア閾値が設定される。以上の構成によれば、列車1の走行に対する支障の有無に応じて、列車1の運行を優先するか列車1と障害物との衝突回避を優先するか、列車1の走行制御をきめ細かく調整することができる。
【0056】
また、各クラスにおいて、悪天時のスコア閾値は好天時のスコア閾値よりも低く設定される。以上の構成によれば、悪天時に列車1を減速又は停止し易くなるので、列車1と障害物との衝突防止が優先される。
【0057】
また、各クラスにおいて、列車1の現在移動している軌条12(移動軌道)が曲線であるときのスコア閾値は、軌条12が直線であるときのスコア閾値よりも低く設定される。以上の構成によれば、軌条12が曲線であるとき列車1を減速又は停止し易くなるので、列車1と障害物との衝突防止が優先される。
【0058】
また、制御部8は、第1障害物検出部6が検出した障害物が列車1の軌条12から外れている場合(S120:NO)、制御モードの切り替えを行わない。以上の構成によれば、不必要に列車1を減速させることがないので、列車1の定時運行を優先することができる。
【0059】
続いて、障害物監視装置2のハードウェア構成について説明する。障害物監視装置2において、第1障害物検出部6、第2障害物検出部7、制御部8は、処理回路により実現される。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
【0060】
図6は、障害物監視装置2が備える処理回路をプロセッサおよびメモリで構成する場合の例を示す図である。処理回路がプロセッサ1000およびメモリ1001で構成される場合、障害物監視装置2の処理回路の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ1001に格納される。処理回路では、メモリ1001に記憶されたプログラムをプロセッサ1000が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路は、障害物監視装置2の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1001を備える。また、これらのプログラムは、障害物監視装置2の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
【0061】
ここで、プロセッサ1000は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。また、メモリ1001には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0062】
図7は、障害物監視装置2が備える処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の例を示す図である。処理回路が専用のハードウェアで構成される場合、図7に示す処理回路1002は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。障害物監視装置2の各機能を機能別に処理回路1002で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路1002で実現してもよい。
【0063】
なお、障害物監視装置2の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0064】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0065】
各図面は、1又はそれ以上の実施形態を説明するための単なる例示である。各図面は、1つの特定の実施形態のみに関連付けられるのではなく、1又はそれ以上の他の実施形態に関連付けられてもよい。当業者であれば理解できるように、いずれか1つの図面を参照して説明される様々な特徴又はステップは、例えば明示的に図示または説明されていない実施形態を作り出すために、1又はそれ以上の他の図に示された特徴又はステップと組み合わせることができる。例示的な実施形態を説明するためにいずれか1つの図に示された特徴またはステップのすべてが必ずしも必須ではなく、一部の特徴またはステップが省略されてもよい。いずれかの図に記載されたステップの順序は、適宜変更されてもよい。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段と、
前記センシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出する第1の障害物検出手段と、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視システム。
(付記2)
前記制御手段が前記第2の制御モードを実行しているとき、前記センシング手段のセンシング結果を入力し、前記第1の障害物検出手段が検出した前記障害物のクラス毎の検出スコアを出力するニューラルネットワークにより構成された第2の障害物検出手段を更に含む、
付記1に記載の障害物監視システム。
(付記3)
クラス毎にスコア閾値が設定されており、
前記制御手段は、何れかのクラスにおいて、前記検出スコアが前記スコア閾値を上回った場合、前記移動体を減速し又は停止させる、
付記2に記載の障害物監視システム。
(付記4)
前記移動体の移動に支障が出るクラスには前記スコア閾値として第1のスコア閾値が設定され、
前記移動体の移動に支障が出ないクラスには前記スコア閾値として前記第1のスコア閾値よりも高い第2のスコア閾値が設定される、
付記3に記載の障害物監視システム。
(付記5)
各クラスにおいて、悪天時のスコア閾値は好天時のスコア閾値よりも低く設定される、
付記3又は4に記載の障害物監視システム。
(付記6)
各クラスにおいて、前記移動体の現在移動している移動軌道が曲線であるときのスコア閾値は、前記移動軌道が直線であるときのスコア閾値よりも低く設定される、
付記3又は4に記載の障害物監視システム。
(付記7)
前記制御手段は、前記第1の障害物検出手段が検出した前記障害物が前記移動体の移動軌道から外れている場合、前記制御モードの切り替えを行わない、
付記1に記載の障害物監視システム。
(付記8)
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段と、
前記センシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出する第1の障害物検出手段と、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記制御手段が前記第1の制御モードを実行しているときに前記第1の障害物検出手段が前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視装置。
(付記9)
コンピュータが、
移動体の移動方向における前方をセンシングするセンシング手段のセンシング結果に基づいて障害物を検出し、
前記移動体の移動速度が第1の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が第1の視野角である第1の制御モードと、前記移動体の移動速度が前記第1の移動速度よりも低い第2の移動速度であり、前記センシング手段のセンシング視野角が前記第1の視野角よりも狭い第2の視野角である第2の制御モードと、を含む複数の制御モードを選択的に実行し、
前記第1の制御モードを実行しているときに前記障害物を検出した場合、前記第2の視野角内に前記障害物を捉えるように前記第2の制御モードを実行する、
障害物監視方法。
(付記10)
コンピュータに、付記9に記載の障害物監視方法を実行させるプログラム。
【0067】
付記1に従属する付記2~付記7に記載した要素(例えば構成及び機能)の一部または全ては、付記8、付記9、付記10に対しても付記2~付記7と同様の従属関係により従属し得る。任意の付記に記載された要素の一部または全ては、様々なハードウェア、ソフトウェア、ソフトウェアを記録するための記録手段、システム、及び方法に適用され得る。
【符号の説明】
【0068】
1 列車
2 障害物監視装置
3 LiDAR装置
3a 最新点群記憶部
3b 過去点群記憶部
4 雨天センサ
5 加速度センサ
6 第1障害物検出部
7 第2障害物検出部
8 制御部
8a 低信頼度測定モード
8b 高信頼度測定モード
8c 閾値テーブル
9 車輪
10 モータ
11 ブレーキ装置
12 軌条
20 有害クラス群
21 無害クラス群
FV1 第1の視野角
FV2 第2の視野角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7