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特開2025-42804センサ同期システム及びセンサ同期方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042804
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】センサ同期システム及びセンサ同期方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/06 20060101AFI20250321BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20250321BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20250321BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20250321BHJP
【FI】
G08C15/06 H
G08C17/00 Z
G01S17/87
G01S17/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149949
(22)【出願日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100208591
【弁理士】
【氏名又は名称】井後 智哉
(72)【発明者】
【氏名】石川 光
【テーマコード(参考)】
2F073
5J084
【Fターム(参考)】
2F073AA11
2F073AA19
2F073AA22
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC05
2F073CC09
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073DE17
2F073EE01
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG05
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB01
5J084AB20
5J084AC10
5J084AD01
5J084BA03
5J084BB28
5J084CA12
5J084DA07
5J084DA09
5J084EA20
(57)【要約】
【課題】複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期可能な技術を提供する。
【解決手段】センサ同期システム1は、第1点群情報を生成する第1センサ10と、第1コントローラ11と、第2点群情報を生成する第2センサ20と、第2コントローラ21と、を備える。第1コントローラ11は、第1開始時刻を記録する第1制御部12と、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録する第1解析部13と、を有する。第2コントローラ21は、第2開始時刻を記録する第2制御部22と、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録する第2解析部23と、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する計算部25と、第1センサ10及び第2センサ20の計測の停止を指示し、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部26と、を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、
前記第1センサの計測を制御する第1コントローラと、
前記監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、
前記第2センサの計測を制御する第2コントローラと、を備え、
前記第1コントローラは、
前記第1センサの計測を開始させて、前記第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録する第1制御部と、
前記第1点群情報を取得し、前記第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録する第1解析部と、を有し、
前記第2コントローラは、
前記第2センサの計測を開始させて、前記第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録する第2制御部と、
前記第2点群情報を取得し、前記第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録する第2解析部と、
前記第1開始時刻と前記第1受信時刻との差、及び前記第2開始時刻と前記第2受信時刻との差を用いて、前記第1センサと前記第2センサとの間の遅延時間を計算する計算部と、
前記第1センサ及び前記第2センサの計測の停止を指示し、前記第1センサ及び前記第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、前記遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部と、を有する、
センサ同期システム。
【請求項2】
監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、前記第1センサの計測を制御する第1コントローラと、前記監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、前記第2センサの計測を制御する第2コントローラと、を備えるセンサ同期システムによって実行されるセンサ同期方法であって、
前記第1センサの計測を開始させて、前記第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録し、前記第2センサの計測を開始させて、前記第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録するステップと、
前記第1点群情報を取得し、前記第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録し、前記第2点群情報を取得し、前記第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録するステップと、
前記第1開始時刻と前記第1受信時刻との差、及び前記第2開始時刻と前記第2受信時刻との差を用いて、前記第1センサと前記第2センサとの間の遅延時間を計算するステップと、
前記第1センサ及び前記第2センサの計測の停止を指示するステップと、
前記第1センサ及び前記第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、前記遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示するステップと、を備える、
センサ同期方法。
【請求項3】
監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、
前記第1センサの計測を制御する第1コントローラと、
前記監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、
前記第2センサの計測を制御する第2コントローラと、
前記監視範囲に存在する特定の物体である基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける端末と、を備え、
前記第1コントローラは、
前記第1センサの計測を開始させて、前記第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録する第1制御部と、
前記第1点群情報を取得し、前記第1点群情報を用いて、前記基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を記録する第1解析部と、を有し、
前記第2コントローラは、
前記第2センサの計測を開始させて、前記第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録する第2制御部と、
前記第2点群情報を取得し、前記第2点群情報を用いて、前記基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を記録する第2解析部と、
前記第1開始時刻と前記第1基準座標時刻との差、及び前記第2開始時刻と前記第2基準座標時刻との差を用いて、前記第1センサと前記第2センサとの間の遅延時間を計算する計算部と、
前記第1センサ及び前記第2センサの計測の停止を指示し、前記第1センサ及び前記第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、前記遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部と、を有する、
センサ同期システム。
【請求項4】
監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、前記第1センサの計測を制御する第1コントローラと、前記監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、前記第2センサの計測を制御する第2コントローラと、前記監視範囲に存在する特定の物体である基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける端末と、を備えるセンサ同期システムによって実行されるセンサ同期方法であって、
前記第1センサの計測を開始させて、前記第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録し、前記第2センサの計測を開始させて、前記第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録するステップと、
前記第1点群情報を取得し、前記第1点群情報を用いて、前記基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を記録し、前記第2点群情報を取得し、前記第2点群情報を用いて、前記基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を記録するステップと、
前記第1開始時刻と前記第1基準座標時刻との差、及び前記第2開始時刻と前記第2基準座標時刻との差を用いて、前記第1センサと前記第2センサとの間の遅延時間を計算するステップと、
前記第1センサ及び前記第2センサの計測の停止を指示するステップと、
前記第1センサ及び前記第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、前記遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示するステップと、を備える、
センサ同期方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ同期システム及びセンサ同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセンサの測定結果を合成する技術が知られている。特許文献1には、複数の測距センサを備えるセンサシステムにおいて、センサ間の座標合わせ処理を行う技術が開示されている。特許文献1に記載の技術は、検出対象領域内を移動する移動体の軌跡を用いて、各センサの検出座標を変換することによって、センサ間の座標合わせ処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-106475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のセンサ間で、機器内部の遅延又は動作のばらつき等が生じ得る。その結果、複数のセンサ間で計測開始のタイミングにずれが生じ得る。
【0005】
本開示は、複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係るセンサ同期システムは、監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、第1センサの計測を制御する第1コントローラと、監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、第2センサの計測を制御する第2コントローラと、を備える。第1コントローラは、第1センサの計測を開始させて、第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録する第1制御部と、第1点群情報を取得し、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録する第1解析部と、を有する。第2コントローラは、第2センサの計測を開始させて、第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録する第2制御部と、第2点群情報を取得し、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録する第2解析部と、第1開始時刻と第1受信時刻との差、及び第2開始時刻と第2受信時刻との差を用いて、第1センサと第2センサとの間の遅延時間を計算する計算部と、第1センサ及び第2センサの計測の停止を指示し、第1センサ及び第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部と、を有する。
【0007】
本開示の一側面に係るセンサ同期方法は、監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、第1センサの計測を制御する第1コントローラと、監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、第2センサの計測を制御する第2コントローラと、を備えるセンサ同期システムによって実行される。センサ同期方法は、第1センサの計測を開始させて、第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録し、第2センサの計測を開始させて、第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録するステップと、第1点群情報を取得し、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録し、第2点群情報を取得し、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録するステップと、第1開始時刻と第1受信時刻との差、及び第2開始時刻と第2受信時刻との差を用いて、第1センサと第2センサとの間の遅延時間を計算するステップと、第1センサ及び第2センサの計測の停止を指示するステップと、第1センサ及び第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示するステップと、を備える。
【0008】
本開示の一側面に係るセンサ同期システム及びセンサ同期方法では、第1センサの計測を開始させた第1開始時刻、及び第1センサから第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻が記録される。また、第2センサの計測を開始させた第2開始時刻、及び第2センサから第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻が記録される。そして、第1開始時刻と第1受信時刻との差、及び第2開始時刻と第2受信時刻との差から、第1センサと第2センサとの間の遅延時間が計算される。第1センサ及び第2センサの計測が停止し、遅延時間分がずれたタイミングで第1センサ及び第2センサの計測が開始される。これにより、第1センサ及び第2センサのずれを遅延時間によって修正することができる。その結果、複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期することができる。
【0009】
本開示の一側面に係るセンサ同期システムは、監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、第1センサの計測を制御する第1コントローラと、監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、第2センサの計測を制御する第2コントローラと、監視範囲に存在する特定の物体である基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける端末と、を備える。第1コントローラは、第1センサの計測を開始させて、第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録する第1制御部と、第1点群情報を取得し、第1点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を記録する第1解析部と、を有する。第2コントローラは、第2センサの計測を開始させて、第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録する第2制御部と、第2点群情報を取得し、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を記録する第2解析部と、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差を用いて、第1センサと第2センサとの間の遅延時間を計算する計算部と、第1センサ及び第2センサの計測の停止を指示し、第1センサ及び第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部と、を有する。
【0010】
本開示の一側面に係るセンサ同期方法は、監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、第1センサの計測を制御する第1コントローラと、監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、第2センサの計測を制御する第2コントローラと、監視範囲に存在する特定の物体である基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける端末と、を備えるセンサ同期システムによって実行される。センサ同期方法は、第1センサの計測を開始させて、第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録し、第2センサの計測を開始させて、第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録するステップと、第1点群情報を取得し、第1点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を記録し、第2点群情報を取得し、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を記録するステップと、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差を用いて、第1センサと第2センサとの間の遅延時間を計算するステップと、第1センサ及び第2センサの計測の停止を指示するステップと、第1センサ及び第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示するステップと、を備える。
【0011】
本開示の一側面に係るセンサ同期システム及びセンサ同期方法では、第1センサの計測を開始させた第1開始時刻、及び、第1点群情報を用いて、入力された基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻が記録される。また、第2センサの計測を開始させた第2開始時刻、及び、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻が記録される。そして、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差から、第1センサと第2センサとの間の遅延時間が計算される。第1センサ及び第2センサの計測が停止し、遅延時間分がずれたタイミングで第1センサ及び第2センサの計測が開始される。これにより、第1センサ及び第2センサのずれを遅延時間によって修正することができる。その結果、複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態に係るセンサ同期システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、複数のセンサの配置の一例を示す概要図である。
図3図3は、第1実施形態に係るセンサ同期システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図4図4は、第2実施形態に係るセンサ同期システムの構成を概略的に示す図である。
図5図5は、第1点群情報を表示する画面の一例を示す図である。
図6図6は、第2点群情報を表示する画面の一例を示す図である。
図7図7は、第1基準座標時刻の一例を示す図である。
図8図8は、システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図9図9は、センサ同期システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るセンサ同期システム1の構成を概略的に示す図である。 センサ同期システム1は、複数のセンサ間で、計測開始のタイミングを同期する。第1実施形態において、複数のセンサは、共通の原点位置からスキャンを開始する。複数のセンサは、それぞれ監視範囲を監視する。監視範囲は、監視対象となる領域である。監視範囲としては、例えば交差点、合流地点及び道路の途中が挙げられるが、これらに限られない。複数のセンサの計測結果は、結合させて用いることが可能である。
【0016】
センサ同期システム1は、第1センサ10と、第2センサ20と、第1コントローラ11と、第2コントローラ21と、を備える。第1センサ10及び第1コントローラ11は、有線又は無線によって通信可能に接続されている。第2センサ20及び第2コントローラ21は、有線又は無線によって通信可能に接続されている。第1コントローラ11及び第2コントローラ21は、通信回線Nによって通信可能に接続されている。通信回線Nは、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。通信回線Nは、インターネット回線及び移動体通信網等の非専用回線でもよく、専用回線でもよい。センサ同期システム1では、各機器がNTP(Network Time Protocol)等を用いて時刻同期を行っている。すなわち、第1センサ10、第2センサ20、第1コントローラ11及び第2コントローラ21の機器内部の時刻は同期されている。
【0017】
第1センサ10は、監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する装置である。第1センサ10は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ、又は三次元レーザレーダ(3DLR)である。第1センサ10は、監視範囲の一部又は全部を監視する第1監視範囲を有する。第1監視範囲は、第1センサ10のレーザ照射可能な範囲である。第1センサ10は、第1監視範囲に向けてレーザ光を照射する。第1センサ10は、レーザ光の反射光を受光して第1点群情報を生成する。第1点群情報は、第1監視範囲内の計測点情報の集合である。計測点情報は、時刻情報及び位置情報を含む。
【0018】
第2センサ20は、監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する装置である。第2センサ20は、第1センサ10と同様の構成を有する。第2センサ20は、監視範囲の一部又は全部を監視する第2監視範囲を有する。第2監視範囲は、第2センサ20のレーザ照射可能な範囲である。第2監視範囲は、第1監視範囲の一部又は全部と重複する。第2センサ20は、第2監視範囲に向けてレーザ光を照射する。第2センサ20は、レーザ光の反射光を受光して第2点群情報を生成する。第2点群情報は、第2監視範囲内の計測点情報の集合である。
【0019】
一例では、第1センサ10及び第2センサ20は、3DLRである。この場合、第1センサ10及び第2センサ20はそれぞれ、レーザスキャンを行うための揺動ミラーを備える。揺動ミラーは、計測を開始する前において、原点の位置に戻る。揺動ミラーの原点の位置は、第1センサ10及び第2センサ20間で共通である。これに対し、揺動ミラーの揺動中心位置は、第1センサ10及び第2センサ20間で異なる。したがって、原点の位置から実際にスキャンが始まるまでの時間は、第1センサ10及び第2センサ20間で異なる。すなわち、第1センサ10と第2センサ20との間には、遅延時間が生じ得る。
【0020】
第1コントローラ11は、第1センサ10の計測を制御する装置である。第1コントローラ11は、機能要素として第1制御部12と、第1解析部13と、第1通信部14と、を備える。
【0021】
第1制御部12は、第1センサ10の計測を制御する。第1制御部12は、第1センサ10の計測を開始させる。第1制御部12は、計測の開始時刻である第1開始時刻を所定の記憶装置に記録する。例えば、第1開始時刻は、第1制御部12が第1センサ10の計測を開始するための制御信号を第1センサ10に送信した時刻である。第1制御部12は、第1センサ10の計測を停止させる。
【0022】
第1解析部13は、第1点群情報を第1センサ10から取得する。第1解析部13は、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を所定の記憶装置に記録する。例えば、第1受信時刻は、第1センサ10の計測が開始された後、第1解析部13が第1センサ10から送信される第1点群情報を最初に受信した時刻である。第1解析部13は、第1点群情報の内、最初の計測点情報を判定する。例えば、第1解析部13は、各計測点情報のシリアル番号、計測点情報における角度情報が画角の端であること、又は計測点情報に値が存在すること等に基づいて最初の計測点情報を判定する。
【0023】
第1通信部14は、第2コントローラ21との間で情報を送受信する。第1通信部14は、第1開始時刻及び第1受信時刻を第2コントローラ21に送信する。第1通信部14は、後述する開始信号又は停止信号を第2コントローラ21から受信する。
【0024】
第2コントローラ21は、第2センサ20の計測を制御する装置である。第2コントローラ21は、機能要素として第2制御部22と、第2解析部23と、第2通信部24と、計算部25と、調整部26と、を備える。
【0025】
第2制御部22は、第2センサ20の計測を制御する。第2制御部22は、第2センサ20の計測を開始させる。第2制御部22は、計測の開始時刻である第2開始時刻を所定の記憶装置に記録する。例えば、第2開始時刻は、第2制御部22が第2センサ20の計測を開始するための制御信号を送信した時刻である。第2制御部22は、第2センサ20の計測を停止させる。
【0026】
第2解析部23は、第2点群情報を第2センサ20から取得する。第2解析部23は、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を所定の記憶装置に記録する。例えば、第2受信時刻は、第2センサ20の計測が開始された後、第2解析部23が第2センサ20から第2点群情報を最初に受信した時刻である。第2解析部23は、第2点群情報の内、最初の計測点情報を判定する。例えば、第2解析部23は、各計測点情報のシリアル番号、計測点情報における角度情報が画角の端であること、又は計測点情報に値が存在すること等に基づいて最初の計測点情報を判定する。
【0027】
第2通信部24は、第1コントローラ11との間で情報を送受信する。第2通信部24は、第1開始時刻及び第1受信時刻を第1コントローラ11から受信する。第2通信部24は、後述する開始信号又は停止信号を第1コントローラ11に送信する。
【0028】
計算部25は、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する。例えば、計算部25は、第1開始時刻、第1受信時刻、第2開始時刻及び第2受信時刻を用いて、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する。
【0029】
調整部26は、第1センサ10及び第2センサの計測の停止を指示し、第1センサ10及び第2センサ20の内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する。換言すると、調整部26は、遅延時間をずらして、第1センサ10及び第2センサ20の計測をそれぞれ再開させる。
【0030】
調整部26は、第1センサ10の計測の停止を指示する第1停止信号を出力する。第2通信部24は、第1停止信号を第1コントローラ11に送信する。第1コントローラ11の第1制御部12は、第1停止信号に従って第1センサ10の計測を停止させる。また、調整部26は、第2センサ20の計測の停止を指示する第2停止信号を出力する。第2制御部22は、第2停止信号に従って第2センサ20の計測を停止させる。
【0031】
調整部26は、第1センサ10の計測の開始を指示する第1開始信号を出力する。第2通信部24は、第1開始信号を第1コントローラ11に送信する。第1コントローラ11の第1制御部12は、第1開始信号に従って第1センサ10の計測を開始させる。また、調整部26は、第2センサ20の計測の開始を指示する第2開始信号を出力する。第2制御部22は、第2開始信号に従って第2センサ20の計測を開始させる。調整部26は、第1開始信号及び第2開始信号の出力タイミングを遅延時間分ずらす。
【0032】
図2は、複数のセンサの配置の一例を示す概要図である。複数のセンサは、例えば矩形状の監視範囲Rを監視する。監視範囲Rは、例えば交差点である。一例では、センサ同期システム1は、第1センサ10及び第2センサ20によって監視範囲Rを監視してもよい。
【0033】
別の例では、センサ同期システム1は、3つ以上のセンサによって監視範囲Rを監視してもよい。例えば、センサ同期システム1は、第1センサ10と、第2センサ20と、第3センサ30と、第4センサ40と、を備えてもよい。第3センサ30及び第4センサ40は、例えば第1センサ10と同様の構成であってもよい。第1コントローラ11は、第3センサ30及び第4センサ40を制御してもよい。センサ同期システム1は、第3センサ30及び第4センサ40を制御する一つ又は複数のコントローラを別途備えてもよい。
【0034】
第1センサ10、第2センサ20、第3センサ30及び第4センサ40は、地上に設置された支持部材Pにそれぞれ固定されている。支持部材Pは、例えば、道路の路側において、地上に設けられた柱状構造体である。支持部材Pは、電柱又は倉庫の壁であってもよい。第1センサ10、第2センサ20、第3センサ30及び第4センサ40は、互いに90度ずれた位置に配置されてもよい。第1センサ10及び第3センサ30は、監視範囲Rの対角線上で対向するように配置されてもよい。第2センサ20及び第4センサ40は、監視範囲Rの対角線上で対向するように配置されてもよい。第1コントローラ11、第2コントローラ21及びその他のコントローラは、対応するセンサの近傍に配置されていてもよい。
【0035】
第1センサ10は、監視範囲Rの一部又は全部を監視する第1監視範囲R1を有する。第2センサ20は、監視範囲Rの一部又は全部を監視する第2監視範囲R2を有する。第3センサ30は、監視範囲Rの一部又は全部を監視する第3監視範囲R3を有する。第4センサ40は、監視範囲Rの一部又は全部を監視する第4監視範囲R4を有する。第1監視範囲R1、第2監視範囲R2、第3監視範囲R3及び第4監視範囲R4は、それぞれ重複している。
【0036】
図3を参照しながらセンサ同期システム1による動作方法(センサ同期方法)の一例について説明する。図3は、センサ同期システム1の動作の一例を処理フローM1として示すシーケンス図である。
【0037】
処理フローM1では、予め座標系の統一処理が行われているとして説明する。例えば、センサ同期システム1は、第1センサ10の座標系と、第2センサ20の座標系を緯度経度に統一する。第1センサ10及び第2センサ20はそれぞれ、3つ以上の物体の座標及び緯度経度を計測する。3つ以上の物体は、監視範囲Rに位置する。より具体的には、3つ以上の物体は、第1監視範囲R1及び第2監視範囲R2の両方に位置する。センサ同期システム1は、第1センサ10の計測結果及び第2センサ20の計測結果を用いて座標変換を行う。
【0038】
ステップS1において、センサ同期システム1は、複数のセンサの計測を開始し、計測を開始した時刻を記録する。例えば、第1コントローラ11の第1制御部12は、第1センサ10の計測を開始させる。第1制御部12は、第1開始時刻を所定の記憶装置に記録する。第2コントローラ21の第2制御部22は、第2センサ20の計測を開始させる。第2制御部22は、第2開始時刻を所定の記憶装置に記録する。
【0039】
ステップS2において、センサ同期システム1は、複数のセンサの点群情報を取得し、点群情報を最初に取得した受信時刻を記録する。例えば、第1コントローラ11の第1解析部13は、第1点群情報を第1センサ10から取得する。第1解析部13は、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を所定の記憶装置に記録する。第2コントローラ21の第2解析部23は、第2点群情報を第2センサ20から取得する。第2解析部23は、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を所定の記憶装置に記録する。
【0040】
ステップS3において、センサ同期システム1は、第1開始時刻及び第1受信時刻を連携する。例えば、第1コントローラ11の第1通信部14は、第1開始時刻及び第1受信時刻を第2コントローラ21に送信する。第2コントローラ21の第2通信部24は、第1開始時刻及び第1受信時刻を第1コントローラ11から受信する。
【0041】
ステップS4において、センサ同期システム1は、複数のセンサ間の遅延時間を計算する。例えば、第2コントローラ21の計算部25は、第1開始時刻、第1受信時刻、第2開始時刻及び第2受信時刻を用いて、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する。より具体的には、計算部25は、第1受信時刻と第1開始時刻との差、及び第2受信時刻と第2開始時刻との差を用いて、遅延時間を計算する。遅延時間は、例えば第1センサ10を基準にすると、以下の式により計算することができる。
遅延時間=(第1受信時刻-第1開始時刻)-(第2受信時刻-第2開始時刻)
【0042】
一例では、第1センサ10を基準にした遅延時間が正数の場合、第1センサ10は第2センサ20よりも遅延時間分遅く計測を開始していると言える。換言すると、第2センサ20は第1センサ10よりも遅延時間分早く計測を開始していると言える。別の例では、第1センサ10を基準にした遅延時間が負数の場合、第2センサ20は第1センサ10よりも遅延時間分遅く計測を開始していると言える。換言すると、第1センサ10は第2センサ20よりも遅延時間分速く計測を開始していると言える。
【0043】
ステップS5において、センサ同期システム1は、複数のセンサの計測の停止を指示する。例えば、第2コントローラ21の調整部26は、第1センサ10の計測の停止を指示する第1停止信号を出力する。第2通信部24は、第1停止信号を第1コントローラ11に送信する。第1通信部14は、第1停止信号を第2コントローラ21から受信する。また、調整部26は、第2センサ20の計測の停止を指示する第2停止信号を出力する。
【0044】
ステップS6において、センサ同期システム1は、複数のセンサの計測を停止させる。例えば、第1制御部12は、第1停止信号に従って第1センサ10の計測を停止させる。第2制御部22は、第2停止信号に従って第2センサ20の計測を停止させる。
【0045】
ステップS7において、センサ同期システム1は、複数のセンサの計測の開始を指示する。例えば、調整部26は、第1センサ10の計測の開始を指示する第1開始信号を出力する。第2通信部24は、第1開始信号を第1コントローラ11に送信する。第1通信部14は、第1開始信号を第2コントローラ21から受信する。また、調整部26は、第2センサ20の計測の開始を指示する第2開始信号を出力する。
【0046】
調整部26は、遅延時間に対応して、第1開始信号及び第2開始信号の出力タイミングを調整する。一例では、第1センサ10が第2センサ20よりも遅延している場合、調整部26は、第1開始時刻の出力よりも遅延時間分を遅らせて第2開始時刻を出力する。別の例では、第2センサ20が第1センサ10よりも遅延している場合、調整部26は、第2開始時刻の出力よりも遅延時間分を遅らせて第1開始時刻を出力する。
【0047】
ステップS8において、センサ同期システム1は、複数のセンサの計測を開始させる。例えば、第1制御部12は、第1開始信号に従って第1センサ10の計測を開始させる。また、第2制御部22は、第2開始信号に従って第2センサ20の計測を開始させる。
【0048】
第1センサ10が計測を開始する時刻と、第2センサ20が計測を開始する時刻とは、遅延時間分ずれる。一例では、第1センサ10が第2センサ20よりも遅延している場合、第1センサ10が先に計測を開始し、遅延時間分だけ遅れて第2センサ20が計測を開始する。別の例では、第2センサ20が第1センサ10よりも遅延している場合、第2センサ20が先に計測を開始し、遅延時間分だけ遅れて第1センサ10が計測を開始する。
【0049】
第1センサ10及び第2センサ20が同期した状態で計測を開始する。所定のタイミングで計測した画角分の第1点群情報及び第2点群情報は、切り出して結合することが可能である。同期した状態の計測によって、同じ画角の計測が可能になる。これにより、第1点群情報と第2点群情報との結合の精度が向上する。このような結合された点群によれば、監視範囲の計測精度が向上する。
【0050】
以上説明したように、本開示の一側面に係るセンサ同期システム1は、監視範囲Rの計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサ10と、第1センサ10の計測を制御する第1コントローラ11と、監視範囲Rの計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサ20と、第2センサ20の計測を制御する第2コントローラ21と、を備える。第1コントローラ11は、第1センサ10の計測を開始させて、第1センサ10の計測の開始時刻である第1開始時刻を記録する第1制御部12と、第1点群情報を取得し、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録する第1解析部13と、を有する。第2コントローラ21は、第2センサ20の計測を開始させて、第2センサ20の計測の開始時刻である第2開始時刻を記録する第2制御部22と、第2点群情報を取得し、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録する第2解析部23と、第1開始時刻と第1受信時刻との差、及び第2開始時刻と第2受信時刻との差を用いて、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する計算部25と、第1センサ10及び第2センサ20の計測の停止を指示し、第1センサ10及び第2センサ20の内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部26と、を有する。
【0051】
本開示の一側面に係るセンサ同期方法は、監視範囲の計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサと、第1センサの計測を制御する第1コントローラと、監視範囲の計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサと、第2センサの計測を制御する第2コントローラと、を備えるセンサ同期システム1によって実行される。センサ同期方法は、第1センサの計測を開始させて、第1センサの計測の開始時刻である第1開始時刻を記録し、第2センサの計測を開始させて、第2センサの計測の開始時刻である第2開始時刻を記録するステップと、第1点群情報を取得し、第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻を記録し、第2点群情報を取得し、第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻を記録するステップと、第1開始時刻と第1受信時刻との差、及び第2開始時刻と第2受信時刻との差を用いて、第1センサと第2センサとの間の遅延時間を計算するステップと、第1センサ及び第2センサの計測の停止を指示するステップと、第1センサ及び第2センサの内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示するステップと、を備える。
【0052】
本開示の一側面に係るセンサ同期システム1及びセンサ同期方法では、第1センサ10の計測を開始させた第1開始時刻、及び第1センサ10から第1点群情報を最初に取得した第1受信時刻が記録される。また、第2センサ20の計測を開始させた第2開始時刻、及び第2センサ20から第2点群情報を最初に取得した第2受信時刻が記録される。そして、第1開始時刻と第1受信時刻との差、及び第2開始時刻と第2受信時刻との差から、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間が計算される。第1センサ10及び第2センサ20の計測が停止し、遅延時間分がずれたタイミングで第1センサ10及び第2センサ20の計測が開始される。これにより、第1センサ10及び第2センサ20のずれを遅延時間によって修正することができる。その結果、複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期することができる。
【0053】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係るセンサ同期システム1Aの構成を概略的に示す図である。 センサ同期システム1Aは、スキャンの開始位置が異なる複数のセンサ間、又は別機種の複数のセンサ間で、計測開始のタイミングを同期する。以下、センサ同期システム1Aについて、第1実施形態に係るセンサ同期システム1とは異なる点を主に説明する。センサ同期システム1Aは、第1センサ10Aと、第2センサ20Aと、第1コントローラ11Aと、第2コントローラ21Aと、端末50と、を備える。
【0054】
端末50は、センサ同期システム1Aのユーザによって用いられる一つ又は複数のコンピュータである。端末50は、例えばパーソナルコンピュータ等であるがこれに限られない。端末50は、例えば第1コントローラ11A及び第2コントローラ21Aに接続される。端末50は、第1点群情報及び第2点群情報を表示装置上に表示する。端末50は、第1点群情報及び第2点群情報の内、基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける。基準物体は、監視範囲Rに存在する特定の物体である。基準物体は、監視範囲R内に一時的に存在する物体であってもよい。基準物体としては、車両、信号機又は白線等が挙げられるが、これらに限られない。基準座標は、例えば基準物体の中心位置であるがこれに限られない。
【0055】
第1センサ10A及び第2センサ20Aは、スキャンの開始位置が互いに異なる。一例では、第1センサ10A及び第2センサ20Aは、垂直画角で30度のスキャン範囲を有する。第1センサ10Aは、垂直画角において0度からスキャンを開始する。第2センサ20Aは、垂直画角において10度からスキャンを開始する。別の例では、第1センサ10A及び第2センサ20Aは、別機種のセンサである。
【0056】
第1コントローラ11Aは、第1解析部13の代わりに第1解析部13Aを備える。第1解析部13Aは、第1点群情報を第1センサ10から取得する。第1解析部13Aは、第1点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を所定の記憶装置に記録する。例えば、第1基準座標時刻は、第1センサ10Aの計測が開始された後、第1解析部13Aが第1センサ10から送信される第1点群情報の内、基準座標に近似する座標を検出した時刻である。一例では、第1解析部13Aは、第1点群情報の内、基準座標に最も近い座標の計測点情報を受信した時刻を第1基準座標時刻として判定する。第1通信部14は、第1開始時刻及び第1基準座標時刻を第2コントローラ21に送信する。
【0057】
第2コントローラ21Aは、第2解析部23及び計算部25の代わりに第2解析部23A及び計算部25Aを備える。第2解析部23Aは、第2点群情報を第2センサ20から取得する。第2解析部23Aは、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を所定の記憶装置に記録する。例えば、第2基準座標時刻は、第2センサ20Aの計測が開始された後、第2解析部23Aが第2センサ20から送信される第2点群情報の内、基準座標に近似する座標を検出した時刻である。一例では、第2解析部23Aは、第2点群情報の内、基準座標に最も近い座標の計測点情報を受信した時刻を第2基準座標時刻として判定する。
【0058】
計算部25Aは、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する。例えば、計算部25は、第1開始時刻、第1基準座標時刻、第2開始時刻及び第2基準座標時刻を用いて、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する。
【0059】
図5及び図6を参照して、基準物体の入力の一例を説明する。図5は、第1点群情報を表示する画面の一例を示す図である。図6は、第2点群情報を表示する画面の一例を示す図である。図5に示される画面V1及び図6に示される画面V2は、端末50上に表示される。第2実施形態では、第1センサ10及び第2センサ20が互いに90度ずれた位置に配置されている。したがって、第1点群情報及び第2点群情報も互いに90度ずれる。
【0060】
画面V1において、端末50は、ユーザからの基準座標C1の入力を受け付ける。画面V1において、基準物体は車両を示す。基準座標C1は、基準物体の中心位置を示す。端末50は、第1点群情報の内、基準物体を示す点群の中心を指定するユーザからの入力を受け付ける。
【0061】
画面V2において、端末50は、ユーザからの基準座標C2の入力を受け付ける。画面V2において、基準物体は車両を示す。画面V1及びV2に示される基準物体は同一の車両である。基準座標C2は、基準物体の中心位置を示す。端末50は、第2点群情報の内、基準物体を示す点群の中心を指定するユーザからの入力を受け付ける。
【0062】
図7は、第1基準座標時刻の一例を示す図である。図7において、第1点群情報がX座標及びY座標に沿って示されている。X座標は、第1センサ10のスキャンの横方向に対応する。Y座標は、第1センサ10のスキャンの上下方向に対応する。
【0063】
一例では、第1センサ10は、30度の垂直画角を有する。0度が上下方向における上端に位置し、30度が上下方向における下端に位置する。第1センサ10は、0度の位置から30度の位置に向けてスキャンする。第1センサ10は、スキャンが30度の位置に達すると折り返す。第1センサ10は、30度の位置から0度の位置に向けてスキャンする。第1センサ10は、スキャンが0度の位置に達すると折り返す。すなわち、第1センサ10は、上下方向に折り返しながらスキャンする。
【0064】
図7において、基準座標C1のX座標及びY座標は、(10m,-10m)である。基準座標C1に最も近い座標P1のX座標及びY座標は、(9.5m,-10.2m)である。例えば、第1解析部13Aは、基準座標C1に最も近い座標P1の計測点情報を受信した時刻を第1基準座標時刻として判定する。図7は、第1基準座標時刻の一例を示すが、第2基準座標時刻も同様に判定が可能である。
【0065】
図8を参照しながらセンサ同期システム1Aによる動作方法(センサ同期方法)の一例について説明する。図8は、センサ同期システム1Aの動作の一例を処理フローM2として示すシーケンス図である。処理フローM2は、処理フローM1と同様に、予め座標系の統一処理が行われているとして説明する。
【0066】
ステップS11において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサの計測を開始し、計測を開始した時刻を記録する。例えば、第1コントローラ11Aの第1制御部12は、第1センサ10Aの計測を開始させる。第1制御部12は、第1開始時刻を所定の記憶装置に記録する。第2コントローラ21Aの第2制御部22は、第2センサ20Aの計測を開始させる。第2制御部22は、第2開始時刻を所定の記憶装置に記録する。
【0067】
ステップS12において、センサ同期システム1Aは、基準座標の入力を受け付ける。例えば、端末50は、図5に示される画面V1及び図6に示される画面V2を表示する。画面V1において、端末50は、ユーザからの基準座標C1の入力を受け付ける。画面V2において、端末50は、ユーザからの基準座標C2の入力を受け付ける。
【0068】
ステップS13において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサの点群情報を取得し、基準座標に近似する座標を検出した基準座標時刻を記録する。例えば、第1コントローラ11Aの第1解析部13Aは、第1点群情報を第1センサ10から取得する。第1解析部13Aは、第1点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を所定の記憶装置に記録する。第2コントローラ21Aの第2解析部23Aは、第2点群情報を第2センサ20から取得する。第2解析部23Aは、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を所定の記憶装置に記録する。
【0069】
ステップS14において、センサ同期システム1Aは、第1開始時刻及び第1基準座標時刻を連携する。例えば、第1通信部14は、第1開始時刻及び第1基準座標時刻を第2コントローラ21Aに送信する。第2コントローラ21Aの第2通信部24は、第1開始時刻及び第1基準座標時刻を第1コントローラ11Aから受信する。
【0070】
ステップS15において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサ間の遅延時間を計算する。例えば、第2コントローラ21Aの計算部25Aは、第1開始時刻、第1基準座標時刻、第2開始時刻及び第2基準座標時刻を用いて、第1センサ10Aと第2センサ20Aとの間の遅延時間を計算する。より具体的には、計算部25Aは、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差を用いて、遅延時間を計算する。遅延時間は、例えば第1センサ10Aを基準にすると、以下の式により計算することができる。
遅延時間=(第1基準座標時刻-第1開始時刻)-(第2基準座標時刻-第2開始時刻)
【0071】
一例では、第1センサ10Aを基準にした遅延時間が正数の場合、第1センサ10Aは第2センサ20Aよりも遅延時間分遅く計測を開始していると言える。換言すると、第2センサ20Aは第1センサ10Aよりも遅延時間分早く計測を開始していると言える。別の例では、第1センサ10Aを基準にした遅延時間が負数の場合、第2センサ20Aは第1センサ10Aよりも遅延時間分遅く計測を開始していると言える。換言すると、第1センサ10Aは第2センサ20Aよりも遅延時間分速く計測を開始していると言える。
【0072】
ステップS16において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサの計測の停止を指示する。例えば、第2コントローラ21Aの調整部26は、第1センサ10Aの計測の停止を指示する第1停止信号を出力する。第2通信部24は、第1停止信号を第1コントローラ11Aに送信する。第1通信部14は、第1停止信号を第2コントローラ21Aから受信する。また、調整部26は、第2センサ20Aの計測の停止を指示する第2停止信号を出力する。
【0073】
ステップS17において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサの計測を停止させる。例えば、第1制御部12は、第1停止信号に従って第1センサ10Aを停止させる。第2制御部22は、第2停止信号に従って第2センサ20Aを停止させる。
【0074】
ステップS18において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサの計測の開始を指示する。例えば、調整部26は、第1センサ10Aの計測の開始を指示する第1開始信号を出力する。第2通信部24は、第1開始信号を第1コントローラ11Aに送信する。第1通信部14は、第1開始信号を第2コントローラ21Aから受信する。また、調整部26は、第2センサ20Aの計測の開始を指示する第2開始信号を出力する。
【0075】
調整部26は、遅延時間に対応して、第1開始信号及び第2開始信号の出力タイミングを調整する。一例では、第1センサ10Aが第2センサ20Aよりも遅延している場合、調整部26は、第1開始時刻の出力よりも遅延時間分を遅らせて第2開始時刻を出力する。別の例では、第2センサ20Aが第1センサ10Aよりも遅延している場合、調整部26は、第2開始時刻の出力よりも遅延時間分を遅らせて第1開始時刻を出力する。
【0076】
調整部26は、遅延時間に対応して、第1開始信号及び第2開始信号の出力タイミングを調整する。一例では、第1センサ10Aが第2センサ20Aよりも遅延している場合、調整部26は、第1開始時刻の出力よりも遅延時間分を遅らせて第2開始時刻を出力する。別の例では、第2センサ20Aが第1センサ10Aよりも遅延している場合、調整部26は、第2開始時刻の出力よりも遅延時間分を遅らせて第1開始時刻を出力する。
【0077】
ステップS19において、センサ同期システム1Aは、複数のセンサの計測を開始させる。例えば、第1制御部12は、第1開始信号に従って第1センサ10Aを開始させる。また、調整部26は、第2制御部22は、第2開始信号に従って第2センサ20Aを開始させる。
【0078】
第1センサ10Aの計測が開始する時刻と、第2センサ20Aの計測が開始する時刻とは、遅延時間分ずれる。一例では、第1センサ10Aが第2センサ20Aよりも遅延している場合、第1センサ10Aが先に計測を開始し、遅延時間分だけ遅れて第2センサ20Aが計測を開始する。別の例では、第2センサ20Aが第1センサ10Aよりも遅延している場合、第2センサ20Aが先に計測を開始し、遅延時間分だけ遅れて第1センサ10Aが計測を開始する。
【0079】
センサ同期システム1Aでは、センサ同期システム1と同様に第1点群情報及び第2点群情報の結合を行うことが可能である。
【0080】
以上説明したように、本開示の一側面に係るセンサ同期システム1Aは、監視範囲Rの計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサ10と、第1センサ10の計測を制御する第1コントローラ11と、監視範囲Rの計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサ20と、第2センサ20の計測を制御する第2コントローラ21と、監視範囲Rに存在する特定の物体である基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける端末50と、を備える。第1コントローラ11は、第1センサ10の計測を開始させて、第1センサ10の計測の開始時刻である第1開始時刻を記録する第1制御部12と、第1点群情報を取得し、第1点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を記録する第1解析部13と、を有する。第2コントローラ21は、第2センサ20の計測を開始させて、第2センサ20の計測の開始時刻である第2開始時刻を記録する第2制御部22と、第2点群情報を取得し、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を記録する第2解析部23と、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差を用いて、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算する計算部25と、第1センサ10及び第2センサ20の計測の停止を指示し、第1センサ10及び第2センサ20の内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示する調整部26と、を有する。
【0081】
本開示の一側面に係るセンサ同期方法は、監視範囲Rの計測を行い、第1点群情報を生成する第1センサ10と、第1センサ10の計測を制御する第1コントローラ11と、監視範囲Rの計測を行い、第2点群情報を生成する第2センサ20と、第2センサ20の計測を制御する第2コントローラ21と、監視範囲Rに存在する特定の物体である基準物体の座標位置を示す基準座標の入力を受け付ける端末50と、を備えるセンサ同期システム1Aによって実行される。センサ同期方法は、第1センサ10の計測を開始させて、第1センサ10の計測の開始時刻である第1開始時刻を記録し、第2センサ20の計測を開始させて、第2センサ20の計測の開始時刻である第2開始時刻を記録するステップと、第1点群情報を取得し、第1点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻を記録し、第2点群情報を取得し、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻を記録するステップと、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差を用いて、第1センサ10と第2センサ20との間の遅延時間を計算するステップと、第1センサ10及び第2センサ20の計測の停止を指示するステップと、第1センサ10及び第2センサ20の内、遅延している一方のセンサの計測の開始を指示し、遅延時間をずらして他方のセンサの計測の開始を指示するステップと、を備える。
【0082】
本開示の一側面に係るセンサ同期システム1A及びセンサ同期方法では、第1センサ10Aの計測を開始させた第1開始時刻、及び、第1点群情報を用いて、入力された基準座標に近似する座標を検出した第1基準座標時刻が記録される。また、第2センサ20の計測を開始させた第2開始時刻、及び、第2点群情報を用いて、基準座標に近似する座標を検出した第2基準座標時刻が記録される。そして、第1開始時刻と第1基準座標時刻との差、及び第2開始時刻と第2基準座標時刻との差から、第1センサ10Aと第2センサ20Aとの間の遅延時間が計算される。第1センサ10A及び第2センサ20Aの計測が停止し、遅延時間分がずれたタイミングで第1センサ10A及び第2センサ20Aの計測が開始される。これにより、第1センサ10A及び第2センサ20Aのずれを遅延時間によって修正することができる。その結果、複数のセンサ間で計測開始のタイミングを同期することができる。
【0083】
[ハードウェア構成]
図9は、センサ同期システム1、1Aに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。図9は、第1コントローラ11、11A、第2コントローラ21、21A及び端末50として機能するコンピュータ100を示す。コンピュータ100は、プロセッサ101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信制御部104と、入力装置105と、出力装置106とを有する。第1コントローラ11、11A、第2コントローラ21、21A及び端末50は、これらのハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとにより構成された1又は複数のコンピュータ100によって構成される。
【0084】
第1コントローラ11、11A、第2コントローラ21、21A及び端末50が複数のコンピュータ100によって構成される場合には、これらのコンピュータ100はローカルで接続されてもよいし、インターネット又はイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されてもよい。
【0085】
プロセッサ101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU(Central Processing Unit)である。主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、ハードディスク及びフラッシュメモリなどにより構成される記憶媒体である。補助記憶部103は、一般的に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。通信制御部104は、ネットワークカード又は無線通信モジュールにより構成される。第1コントローラ11、11A、第2コントローラ21、21A及び端末50における他の装置との通信機能の少なくとも一部は、通信制御部104によって実現されてもよい。入力装置105は、キーボード、マウス、タッチパネル、及び、音声入力用マイクなどにより構成される。出力装置106は、ディスプレイ及びプリンタなどにより構成される。
【0086】
補助記憶部103は、予め、プログラム110(センサ同期プログラム)及び処理に必要なデータを格納している。プログラム110は、第1コントローラ11、11A、第2コントローラ21、21A及び端末50の各機能要素をコンピュータ100に実行させる。プログラム110によって、例えば、上述したセンサ同期方法に係る処理がコンピュータ100において実行される。例えば、プログラム110は、プロセッサ101又は主記憶部102によって読み込まれ、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、及び出力装置106の少なくとも1つを動作させる。例えば、プログラム110は、主記憶部102及び補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0087】
プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記憶媒体に記録された上で提供されてもよい。プログラム110は、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0088】
例えば、センサ同期システム1は少なくとも一つのプロセッサ101を備える。センサ同期システム1によるセンサ同期方法は、少なくとも一つのプロセッサ101によって実行される。同様に、センサ同期システム1Aは少なくとも一つのプロセッサ101を備える。センサ同期システム1Aによるセンサ同期方法は、少なくとも一つのプロセッサ101によって実行される。
【0089】
[変形例]
本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0090】
上記実施形態では、複数のセンサが2つである場合を説明したが、3つ以上のセンサであってもよい。この場合であっても、各センサ間の遅延時間を計算し、各センサに対する開始信号の出力タイミングを調整することによって、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0091】
複数のセンサは、開始及び停止を制御できない機種であってもよい。例えば、複数のセンサは、電源がONになった時点で計測を開始する機種であってもよい。この場合、複数のセンサのそれぞれは、電源のON及びOFFを制御する外付けスイッチをさらに有していてもよい。第1制御部12又は第2制御部22は、遅延時間をずらして、外付けスイッチを制御してもよい。この場合であっても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0092】
第2実施形態では、基準物体の中心位置を指定するユーザからの入力を受け付けたが、これに限られない。例えば、第1センサ10A及び第2センサ20Aのレーザ光の照射方向によって、基準物体の中心位置を検出できない場合がある。この場合、第1解析部13A及び第2解析部23Aは、基準物体のサイズを推定してもよい。基準物体が車両であり、第1センサ10Aが車両の前面を計測し、第2センサ20Aが車両の側面を計測していると仮定する。この場合、第1解析部13Aは、車両のサイズを幅2m、長さ4m等のように仮定し、車両の中心位置として、前面の中心位置から2m後方の座標とする。第2解析部23Aは、車両中心位置として、側面の中心位置から1m後方の座標とする。これにより、第1点群情報及び第2点群情報において、基準座標を合わせることができる。
【符号の説明】
【0093】
1,1A センサ同期システム
10,10A 第1センサ
11,11A 第1コントローラ
12 第1制御部
13,13A 第1解析部
14 第1通信部
20,20A 第2センサ
21,21A 第2コントローラ
22 第2制御部
23,23A 第2解析部
24 第2通信部
25,25A 計算部
26 調整部
30 第3センサ
40 第4センサ
50 端末
R 監視範囲
R1 第1監視範囲
R2 第2監視範囲
R3 第3監視範囲
R4 第4監視範囲

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9