(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042986
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】アクセサリー装着具
(51)【国際特許分類】
A63H 3/52 20220101AFI20250321BHJP
A63H 3/00 20060101ALI20250321BHJP
A63H 3/48 20060101ALI20250321BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20250321BHJP
A45D 8/00 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
A63H3/52 Z
A63H3/00 S
A63H3/48
A63H3/36 B
A45D8/00 E
A45D8/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150233
(22)【出願日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 千穂
(72)【発明者】
【氏名】深尾 千緒子
(72)【発明者】
【氏名】河野 光彦
(72)【発明者】
【氏名】興梠 弘之
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA12
2C150BC03
2C150CA01
2C150CA18
2C150DC05
2C150DD03
2C150EH04
2C150EH09
2C150EH16
2C150FB14
(57)【要約】
【課題】対象にアクセサリーを簡単に装着することができるアクセサリー装着具を提供すること。
【手段】 弾性力により常態で平面的状態となり且つ前記弾性力に抗する力によって表面側に所定角度で折れ曲がる屈曲状態となるアクセサリー本体と、前記アクセサリー本体の裏面側に設けられ、前記アクセサリー本体が前記平面的状態となるときに人形の所定部位に取付け可能で、前記アクセサリー本体が屈曲状態となるときに前記所定部位から取外し可能な留め具と、を備えたアクセサリーを前記髪に装着するためのアクセサリー装着具であって、前記アクセサリー本体を掴持可能な一対の掴持片と、所定に付勢力によって、掴持される前記アクセサリー本体を屈曲させる当接部材と、前記一対の掴持片を開閉させる掴持片開閉機構と、前記掴持片開閉機構を動作させる操作子と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性力により常態で平面的状態となり且つ前記弾性力に抗する力によって表面側に所定角度で折れ曲がる屈曲状態となるアクセサリー本体と、前記アクセサリー本体の裏面側に設けられ、前記アクセサリー本体が前記平面的状態となるときに対象に取付け可能で、前記アクセサリー本体が屈曲状態となるときに前記対象から取外し可能な留め具と、を備えたアクセサリーを前記対象に装着するためのアクセサリー装着具であって、
開閉可能に構成されるとともに閉方向に付勢され、前記アクセサリー本体を裏面側が露出する形で掴持可能な一対の掴持片と、
前記一対の掴持片で掴持する前記アクセサリー本体の表面に先端が当接し、前記一対の掴持片で掴持する前記アクセサリー本体を屈曲状態とさせる当接部材と、
前記一対の掴持片を開閉させる掴持片開閉機構と、
前記掴持片開閉機構を動作させる操作子と、
を備えた、ことを特徴とするアクセサリー装着具。
【請求項2】
前記操作子の操作によって前記掴持片開閉機構を動作させて前記一対の掴持片を開かせる、ことを特徴とする請求項1に記載のアクセサリー装着具。
【請求項3】
前記掴持片開閉機構は、
前記一対の掴持片を閉方向に付勢する付勢手段と、
所定方向に往復動可能に構成され復動方向に付勢され、前記操作子の操作による往動の際に、前記一対の掴持片の間に割り入り摺接によって前記一対の掴持片を開かせる摺接部材と、
を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のアクセサリー装着具。
【請求項4】
前記掴持片開閉機構は、
一端が前記摺接部材に連結され、他端が支点を構成し、前記一端と前記他端との中間部で前記操作子に係合するプッシュアームを備える、ことを特徴とする請求項3に記載のアクセサリー装着具。
【請求項5】
前記操作子は、押圧によって前記一対の掴持片開閉機構を動作させるプッシュボタンから構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のアクセサリー装着具。
【請求項6】
前記一対の掴持片のそれぞれは、前記摺接部材の移動方向に長尺で、掴持部とは反対側の端に位置する各別の軸に対して回動可能に構成されている、ことを特徴とする請求項5に記載のアクセサリー装着具。
【請求項7】
前記アクセサリー本体の表面縁部は丸められており、前記一対の掴持片が前記表面端部に押し当てられた際に、前記一対の掴持片が前記表面縁部に摺接して開いた後に前記アクセサリー本体を掴持するように構成されている、ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のアクセサリー装着具。
【請求項8】
前記アクセサリーはゴムによって構成され、前記アクセサリー本体の折れ目には前記アクセサリー本体の縁部に達する切れ目が形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載のアクセサリー装着具。
【請求項9】
前記留め具は、前記一対の留め片から構成され、前記一対の留め片のそれぞれはL字状に構成され、先端同士が所定の隙間をもって対峙している、ことを特徴とする請求項8に記載のアクセサリー装着具。
【請求項10】
前記アクセサリーは髪飾りである、ことを特徴とする請求項9に記載のアクセサリー装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象にアクセサリーを取り付けるためのアクセサリー装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人形の髪に別個に用意した髪飾りを取り付ける遊びが行われている。この髪飾りの例が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来は、髪飾りを人形の髪に取り付けするのに、髪飾りを直接手で持ち、人形の髪に取り付けていた。
しかし、人形の髪飾り等のように比較的に小さいアクセサリーは、その取り扱いが難しく、その取付け作業も煩雑であった。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、対象にアクセサリーを簡単に装着することができるアクセサリー装着具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
弾性力により常態で平面的状態となり且つ前記弾性力に抗する力によって表面側に所定角度で折れ曲がる屈曲状態となるアクセサリー本体と、前記アクセサリー本体の裏面側に設けられ、前記アクセサリー本体が前記平面的状態となるときに対象に取付け可能で、前記アクセサリー本体が屈曲状態となるときに前記対象から取外し可能な留め具と、を備えたアクセサリーを前記対象に装着するためのアクセサリー装着具であって、
開閉可能に構成されるとともに閉方向に付勢され、前記アクセサリー本体を裏面側が露出する形で掴持可能な一対の掴持片と、
前記一対の掴持片で掴持する前記アクセサリー本体の表面に先端が当接し、前記一対の掴持片で掴持する前記アクセサリー本体を屈曲状態とさせる当接部材と、
前記一対の掴持片を開閉させる掴持片開閉機構と、
前記掴持片開閉機構を動作させる操作子と、
を備えた、ことを特徴とするアクセサリー装着具である。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、前記操作子の操作によって前記掴持片開閉機構を動作させて前記一対の掴持片を開かせる、ことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段であって、
前記掴持片開閉機構は、
前記一対の掴持片を閉方向に付勢する付勢手段と、
所定方向に往復動可能に構成され復動方向に付勢され、前記操作子の操作による往動の際に、前記一対の掴持片の間に割り入り摺接によって前記一対の掴持片を開かせる摺接部材と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段であって、前記掴持片開閉機構は、一端が前記摺接部材に連結され、他端が支点を構成し、前記一端と前記他端との中間部で前記操作子に係合するプッシュアームを備える、ことを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第4の手段であって、前記操作子は、押圧によって前記一対の掴持片開閉機構を動作させるプッシュボタンから構成されている、ことを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第5の手段であって、前記一対の掴持片のそれぞれは、前記摺接部材の移動方向に長尺で、掴持部とは反対側の端に位置する各別の軸に対して回動可能に構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第1~第6のいずれかの手段であって、前記アクセサリー本体の表面縁部は丸められており、前記一対の掴持片が前記表面端部に押し当てられた際に、前記一対の掴持片が前記表面縁部に摺接して開いた後に前記アクセサリー本体を掴持するように構成されている、ことを特徴とする。
【0012】
第8の手段は、第7の手段であって、前記アクセサリーはゴムによって構成され、前記アクセサリー本体の折れ目には前記アクセサリー本体の縁部に達する切れ目が形成されている、ことを特徴とする。
【0013】
第9の手段は、第8の手段であって、前記留め具は、前記一対の留め片から構成され、前記一対の留め片のそれぞれはL字状に構成され、先端同士が所定の隙間をもって対峙している、ことを特徴とする。
【0014】
第10の手段は、第9の手段であって、前記アクセサリーは髪飾りである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第1の手段によれば、屈曲状態でアクセサリーを保持したアクセサリー装着具を対象に押し当て操作子を操作することで、アクセサリー装着具からアクセサリーがリリースされ、アクセサリーが弾性力によって平面的状態となり、留め具によって対象に装着されることになる。
【0016】
第2の手段によれば、操作子の操作による掴持片開閉機構の動作によって、屈曲状態で前記アクセサリー本体を掴持する一対の掴持片を開かせることにより、アクセサリー本体が屈曲状態でリリースされ平面的状態となって、アクセサリーが対象に装着されることになる。
【0017】
第3の手段によれば、操作子の操作を止めると一対の掴持片は元位置に復帰することになる。
【0018】
第4の手段によれば、プッシュアームの支点と作用点の中間部を操作子で操作して摺接部材を動作させているので、小さな操作で大きく摺接部材ひいては一対の掴持片を動作させることができる。
【0019】
第5の手段によれば、操作子がプッシュボタンとなっているので、子供でも簡単に操作子を操作することができる。また、第6の手段によれば、小さな摺接部材の動作で大きく一対の掴持片を動作させることができる。
【0020】
第7の手段によれば、一対の掴持片をアクセサリー本体の表面端部に押し当てるだけで、アクセサリー装着具によってアクセサリーを捕捉することができる。
【0021】
第8の手段によれば、アクセサリーがゴムによって構成されているので、屈曲状態とさせるのに特別なヒンジが不要となる。
【0022】
第9の手段によれば、一対の留め片のそれぞれはL字状に構成され、先端同士が所定の隙間をもって対峙しているので、対象からの取外しが容易となる。
【0023】
第10の手段によれば、操作子を操作することで、簡単に髪飾りを装着できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態の髪飾り装着セットを示す斜視図である。
【
図4】髪飾りに付けられるエクステンションを示す図である。
【
図9】髪飾り装着具の内部機構の分解斜視図である。
【
図10】髪飾り装着具の髪飾り捕捉時の動作を示す図である。
【
図11】髪飾り装着具の髪飾り装着時の動作を示す図である。
【
図12】髪飾りを装着した人形の様子を示す図である。
【
図13】第2実施形態の髪飾り装着セットを示す斜視図である。
【
図19】髪飾り装着具の内部機構の分解斜視図である。
【
図20】髪飾り装着具の髪飾り捕捉時の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態に係るアクセサリー装着具について図面を用いて説明する。
【0026】
[第1実施形態]
《概要》
図1は、第1実施形態に係る髪飾り装着セット100を示した斜視図である。
髪飾り装着セット100は、髪飾り(ビーズ)10、パレット20及び髪飾り装着具30を含んで構成されている。
【0027】
パレット20には、複数の髪飾り10が並べられて収容される。
この状態で、髪飾り装着具30を片手(利き手)で握り、髪飾り装着具30の所定部位をパレット20内の所望の髪飾り10の髪飾り本体11(
図2)の表面に押し当てた後、パレット20から離間させる。すると、当該所望の髪飾り10が髪飾り装着具30によって捕捉される。
次に、髪飾り10を捕捉した髪飾り装着具30を人形の髪に押し当てる。そして、髪飾り装着具30のプッシュボタン35を押すと、髪飾り装着具30から髪飾り10がリリースされ、髪飾り10が人形の髪に取り付けられる(
図12参照)。
【0028】
《詳細》
(髪飾り10)
図2は、髪飾り10の斜視図、
図3は、髪飾り10の上面図、
図4は、エクステンション13を示す図である。
髪飾り10は、ゴム製で、装飾部を構成する髪飾り本体11と、髪飾り本体11ひいては髪飾り10を人形の髪に取り付けるための留め具12と、オプションであるエクステンション13(
図4)を髪飾り本体11に係止するための突起14及び係止リング14cとを備えている。
【0029】
髪飾り本体11は円板状に構成され、表面には、例えば菊の花の模様が刻設されている。髪飾り本体11は、弾性力によって常態で平面的状態となり、弾性力に抗する力によって折り目Fの箇所で表面側に所定角度に折れ曲がる屈曲状態となる。折り目Fの箇所は、他の箇所よりも薄肉となっているとともに、折り目Fの一部には髪飾り本体11の縁部まで達する切れ目Bが形成されている。これによって、髪飾り本体11は折り曲げ易くなっている。
また、髪飾り本体11の表面側の縁部は丸められている。縁部を丸めたのは、髪飾り10に髪飾り装着具30の前端の所定部分を押し付けた際に、髪飾り10を捕捉し易くするためである。
【0030】
留め具12は髪飾り本体11の裏面に形成されている。留め具12は、一対の留め片12a、12aから構成されている。各留め片12aは、鉤形(L字形)となっており、一対の留め片12a、12aの先端同士が所定の隙間をもって対峙するように配置されている。一対の留め片12a、12aの先端同士の間に所定の隙間を形成したのは、人形の髪に取り付けた髪飾り10を取外しし易くするためである。なお、髪飾り装着具30を人形の髪に押し付けた際に、一対の留め片12a、12aの人形の髪に当たる面は、人形の頭の形に合わせて湾曲させてある。
この一対の留め片12a、12aは、髪飾り本体11が平面的状態にあるときには一対の留め片12a、12aの先端同士が接近する位置を取り、髪飾り本体11が屈曲状態にあるときには一対の留め片12a、12aの先端同士が離間する位置を取る。
【0031】
突起14は円柱状で髪飾り本体11の裏面に形成されている。突起14の先端外周には半径方向外方に僅かに張り出す鍔部14bが形成されている。この突起14には、エクステンション13の髪束を2つ折りして結んで形成されたループ13aが掛けられる(
図4参照)。そして、エクステンション13は、突起14に予め固定された係止リング14cによって突起14からの離脱が防止される。
なお、突起14から係止リング14cが取り外せる構造となっていてもよい。そして、
係止リング14cを突起14に嵌合させることで、髪飾り本体11にエクステンション13やその他のチャームを取り付けたり、係止リング14cを突起14から取り外すことで、エクステンション13やその他のチャームを髪飾り本体11から取り外したりすることができるようにしてもよい。
【0032】
(パレット20)
図5は、パレット20の上面図である。
パレット20は、平板状で平面視長方形となっている。そして、パレット20の表面には、パレット20の短手方向半部に3個の凹部21、21、21がパレット20の長手方向に沿って並設されている。各凹部21は、パレット20の長辺側に開口している(
図1参照)。また、各凹部21内には、上平面視T字状の突起22が形成されている。突起22は、パレット20の短辺に平行な突起部分22aと、パレット20の長辺に平行な突起部分22bとから構成されている。このうち突起部分22aは一対の留め片12a、12aの先端の隙間と略同じ幅となっており、突起部分22aを一対の留め片12a、12aで挟持させることにより、髪飾り10を固定できるようにされている。
【0033】
(髪飾り装着具30)
図6は、髪飾り装着具30の上面側斜視図、
図7は、髪飾り装着具30の下面側斜視図、
図8は、髪飾り装着具30の分解斜視図である。
1.筐体31
髪飾り装着具30の筐体31は、上側筐体31aと下側筐体31bとから構成されている。筐体31には、一対のフックアーム32、32、プッシュバーホルダ(摺接部材)33、プッシュアーム34及びプッシュボタン35が設けられている。プッシュバーホルダ33、プッシュアーム34及び後述のコイルばね32b、34dは、プッシュボタン35の操作によって、一対のフックアーム32、32を開閉動作させるプッシュアーム開閉機構を構成する。
また、筐体31には髪飾り本体11を屈曲状態とさせるプッシュバー36が設けられている。
【0034】
2.一対のフックアーム32、32
図9は、髪飾り装着具30の内部機構の分解斜視図である。
一対のフックアーム32、32は、髪飾り本体11を掴持して髪飾り10を保持するためのものである。
一対のフックアーム32、32は左右に互いに対峙して配置されている。各フックアーム32は、上下方向に長尺で、筐体31に支持された上端の軸32aを中心に回動可能に構成されている。各フックアーム32の先端部(下端部)は、内側に凹部32cが形成されている。この凹部32cによって、髪飾り本体11を掴持する。また、各フックアーム32、32は、各別のコイルばね32bによって、先端部が近づく方向に付勢されている。なお、各フックアーム32、32の内側には、後述のプッシュバーホルダ33と摺接可能な摺接部32dが形成されている。摺接部32dは、一対のフックアーム32、32が髪飾り本体11を掴持した状態では、後述のプッシュバーホルダ33の移動方向に対して傾斜した形となっている。
この一対のフックアーム32、32は、軸32aを中心に回動することによって開閉し、この開閉に伴って、髪飾り本体11を掴持したり、リリースしたりする。
【0035】
3.プッシュバーホルダ33
プッシュバーホルダ33は、一対のフックアーム32、32を動作させるためのものである。
このプッシュバーホルダ33は、一対のフックアーム32、32の間に配置されている。プッシュバーホルダ33は、上下方向に往復動可能に設けられている。このプッシュバーホルダ33は、下動(往動)の際に上記摺接部32dに摺接して、一対のフックアーム32、32を上記コイルばね32bの付勢力に抗して開かせる。なお、プッシュバーホルダ33には、空洞部33cが形成されている。
プッシュバーホルダ33の後側は、プッシュアーム34との連結部33aとなっている。連結部33aの左右両側には、それぞれ、前後方向に延在し連結部33aの後端に達する係合溝33b(左側の係合溝33bは図示せず)が形成されている。
プッシュバーホルダ33の下端の左右角部は、プッシュバーホルダ33の下動に伴って、対応する摺接部32dに摺接する摺接部を構成している。プッシュバーホルダ33の下端の左右角部は、面取りされ、対応する摺接部32dと相補的形状を有する傾斜面となっている。これによって、髪飾り10をリリースする際の後述のプッシュバー36による押出し力が過度に大きくならず適度な大きさとなるように調整されている。
【0036】
4.プッシュアーム34
プッシュアーム34は、プッシュバーホルダ33を動作させるためのものである。
プッシュアーム34は、プッシュバーホルダ33の後方に配置されている。プッシュアーム34は、前後方向に長尺で、後端の軸34aを介して筐体31に支持されている。これにより、プッシュアーム34は、軸34aを中心に上下方向に所定範囲で回動する。プッシュアーム34の前端側には二股に分かれた連結片34b、34bが設けられている。各連結片34bの内側には円柱形のピン34cが付設されている。このピン34cは、対応する上記係合溝33bに係合している。これによって、プッシュアーム34とプッシュバーホルダ33とが連結される。
このプッシュアーム34は、コイルばね34dによって上方に付勢されている。
【0037】
5.プッシュボタン35
プッシュボタン35は、プッシュアーム34を動作させるための操作子である。
プッシュボタン35は、プッシュアーム34の前後方向の中間部上に配置されている。そして、プッシュボタン35の頭部は、上側筐体31aの孔31c(
図8)から突出している。この突出部分を押圧することによって、上記プッシュアーム34を下方に回動させる。
【0038】
6.プッシュバー36
プッシュバー36は、一対のフックアーム32、32で掴持する髪飾り本体11を屈曲させる働きをする。
プッシュバー36は円柱形で下端部にはテーパ36aが形成されている。プッシュバー36は、下端が、一対のフックアーム32、32で掴持される髪飾り10の髪飾り本体11の表面中央に当接される。一方、プッシュバー36の上端部には係合部36bが付設され、係合部36bは、プッシュバーホルダ33の空洞部33c内に設置されている。そして、係合部36bと空洞部33cの天井との間にはコイルばね36cが設置され、プッシュバー36はプッシュバーホルダ33から下方に突出する方向に付勢されている。このプッシュバー36の付勢力は、一対のフックアーム32、32で髪飾り本体11を掴持した状態でプッシュバー36によって押し出されることがない程度に設定されている。
【0039】
(動作)
先ず、髪飾り10の捕捉時の髪飾り装着具30の動作を説明する。
図10(A)~
図10(C)は、髪飾り10の捕捉時の髪飾り装着具30の動作を説明するための図である。
今、パレット20に髪飾り10が並べられて複数収容されているものとする。
髪飾り装着具30を片手で握り、一対のフックアーム32、32の先端を、パレット20に並べられた所望の髪飾り10の髪飾り本体11の表面に押し当てる(
図10(A))。この時、プッシュバー36の先端も、髪飾り本体11の表面の縁部に押し当てられる。
そして、髪飾り装着具30を尚も強く押し当てると、髪飾り本体11の表面側の縁部は丸められているため、一対のフックアーム32、32は、先端が髪飾り本体11の当該縁部に摺接して開いてゆく。この時、プッシュバー36がコイルばね36cの付勢力に抗して少し上昇する。そして、一対のフックアーム32、32の先端が髪飾り本体11の下端を通り過ぎると、今度は、一対のフックアーム32、32が各コイルばね32bの付勢力によって、閉じる方向に動作し、髪飾り本体11が一対のフックアーム32、32によって掴持される(
図10(B))。
その後、髪飾り装着具30を持ち上げると、髪飾り本体11の表面がコイルばね36cの付勢力でプッシュバー36によって下方に押されるので、髪飾り本体11が折り曲げられ、一対のフックアーム32、32によって掴持される(
図10(C))。
【0040】
次に、髪飾り10の装着時の髪飾り装着具30の動作を説明する
図11(A)及び
図11(B)は、髪飾り装着時の髪飾り装着時の動作を説明するための図である。
一対のフックアーム32、32によって髪飾り10を保持した髪飾り装着具30を人形の髪に押し当てる(
図11(A))。髪飾り装着具30を押し当てると留め具12が髪に深く入り込み、そこで、プッシュボタン35を押すと、一対のフックアーム32、32が開き、髪飾り10が髪飾り装着具30からリリースされる。そして、リリースされた髪飾り10の髪飾り本体11は、弾性力によって、平面的状態となり留め具12が閉じて人形の髪に取り付けられる(
図11(B))。
図12には、複数の髪飾り10が人形の髪に取り付けられた状態が示されている。
【0041】
(第1実施形態の効果)
以上の第1実施形態の主たる効果を説明すれば次の通りである。
ずなわち、この髪飾り装着具30によれば、髪飾り10を保持した髪飾り装着具30の所定部位を人形の髪に押し当てプッシュボタン35を押圧することで、髪飾り装着具30から髪飾り10がリリースされ、髪飾り本体11が弾性力によって平面的状態となり、留め具12によって髪飾り10が人形の髪に取り付けられることになる。
【0042】
また、この髪飾り装着具30によれば、プッシュバー36が所定の付勢力で髪飾り本体11の表面に押し当てられているので、一対のフックアーム32、32が髪飾り10を掴持したときに、髪飾り本体11を屈曲状態とすることができる。
【0043】
また、この髪飾り装着具30によれば、プッシュボタン35の押圧によって髪飾り10がリリースされるので、操作が簡単となり、子供でも簡単に髪飾り10を人形に装着することができる。
【0044】
さらに、この髪飾り装着具30によれば、梃子として機能するプッシュアーム34の支点と作用点の中間部をプッシュボタン35で押圧することでプッシュバーホルダ33を動作させているので、小さな操作で大きくプッシュバーホルダ33ひいては一対のフックアーム32、32を動作させることができる。
【0045】
また、この髪飾り装着具30によって装着される髪飾り10は、ゴムの弾性によって屈曲可能に構成されているので、特別なヒンジが不要となる。
【0046】
また、この髪飾り装着具30によって装着される髪飾り10は、一対の留め片12a、12aのそれぞれがL字状に構成され、先端同士が所定の隙間をもって対峙しているので、人形の髪からの取外しが容易となる。
【0047】
[第2実施形態]
《概要》
図13は、第2実施形態に係る髪飾り装着セット200を示した斜視図である。
髪飾り装着セット200は、髪飾り(ビーズ)60、パレット70及び髪飾り装着具80を含んで構成されている。なお、「髪飾り60」という場合には、下記髪飾り60A~60Gを総称するものとする。
【0048】
この髪飾り装着セット200は、第1実施形態の髪飾りセット100と次の点で大きく異なっている。
すなわち、第1実施形態の髪飾り装着具30では、プッシュバー36が、プッシュバーホルダ33に保持されるとともにプッシュバーホルダ33に対して上下動可能に構成され、プッシュバーホルダ33に対して下方に突出する方向にコイルばね36cによって付勢されている。これに対して、第2実施形態の髪飾り装着具80では、第1実施形態の髪飾り装着具30のプッシュバー36に相当する当接バー86(
図19参照)が固定して設けられている。
【0049】
《詳細》
(髪飾り60)
図14は、髪飾り60A~60Gの上面図、
図15は、髪飾り60A~60Gの底面図である。
髪飾り60A~60Gは、ゴム製で、装飾部を構成する髪飾り本体61と、髪飾り本体61ひいては髪飾り60A~60Gを人形の髪に取り付けるための留め具62と、を備えている。このうち髪飾り60Gは、弧状部64を備えており、弧状部64には、エクステンション13(
図4参照)が係止される。
図14及び
図15では、便宜上エクステンション13は省略されている。
【0050】
髪飾り本体61は板状に構成されている。そして、髪飾り60Aの髪飾り本体61の表面には蝶の模様、髪飾り60Bの髪飾り本体61の表面にはハートの模様、髪飾り60Cの髪飾り本体61の表面にはリボンの模様、髪飾り60Dの髪飾り本体61の表面にはコスモスの模様、髪飾り60Eの髪飾り本体61の表面にはダイヤの模様、髪飾り60Fの髪飾り本体61の表面には氷の結晶の模様、髪飾り60Gの髪飾り本体61の表面には菊の模様が刻設されている。
【0051】
髪飾り本体61は、弾性力によって常態で平面的状態となり、弾性力に抗する力によって左右中央の折り目の箇所で表面側に所定角度に折れ曲がる屈曲状態となる。折り目の箇所の厚さは、他の箇所よりも薄肉となっている。また、髪飾り60A、60B、60D~60Gの髪飾り本体61の折り目の一部には髪飾り本体61の縁部まで達する切れ目Bが形成されている。これによって、髪飾り本体61は折り曲げ易くなっている。
また、髪飾り本体61の表面側の縁部は丸められている。縁部を丸めたのは、髪飾り60A~60Gの表面に髪飾り装着具80の前端の所定部分を押し付けた際に、髪飾り60A~60Gを捕捉し易くするためである。
【0052】
留め具62は髪飾り本体61の裏面に形成されている。留め具62は、一対の留め片62a、62aから構成されている。各留め片62aは、第1実施形態の各留め片12aと同様に、鉤形(L字形)となっていて、一対の留め片62a、62aの先端同士が所定の隙間をもって対峙するように配置されている。なお、髪飾り装着具80を人形の髪に押し付けた際に、一対の留め片62a、62aの人形の髪に当たる面は、人形の頭の形に合わせて湾曲させてある。
この一対の留め片62a、62aは、髪飾り本体61が平面的状態にあるときには一対の留め片62a、62aの先端同士が接近する位置を取り、髪飾り本体61が屈曲状態にあるときには一対の留め片62a、62aの先端同士が離間する位置を取る。
【0053】
なお、髪飾り60Gの弧状部64には、図示はしないが、エクステンション13(
図4参照)の髪束が通された後重ねられて糸留めされている。
【0054】
(パレット70)
図16は、パレット70の上面側斜視図、
図17は、パレット70の下面側斜視図である。
パレット70は、厚手板状で一方向に長尺となっている。そして、パレット70の表面には、3個の凹部71、71、71がパレット70の長手方向に沿って並設されている。各凹部71は、パレット70の一の長辺側に開口している。また、各凹部71内には、上面視H字状の突起72が形成されている。突起72は、パレット70の長辺に平行に所定間隔で配置されたVブロック状の突起部分72a、72cと、Vブロック状の突起部分72a、72cの間に配置されパレット70の短辺に平行な突起部分72bとから構成されている。このうち突起部分72bは一対の留め片62a、62aの先端の隙間と略同じ幅となっており、突起部分72bを一対の留め片62a、62aで挟持させることにより、髪飾り60を固定できるようにされている。また、突起部分72a、72cは、髪飾り本体61の下面の縁部分が当接する部分であり、パレット70に髪飾り60が装着された状態では、髪飾り本体61は平面的状態にある。
【0055】
なお、パレット70の各凹部71の床には、突起部分72bを間にして一対のスリット73、73が形成されている。この一対のスリット73、73には、パレット70に装着した髪飾り60の一対のフックアーム82、82の先端部が遊嵌される。このように一対のスリット73、73に一対のフックアーム82、82を遊嵌させることにより、パレット70に髪飾り60の着脱する際の髪飾り60の不安定さを減少させることができる。
【0056】
(髪飾り装着具80)
図18は、髪飾り装着具80の分解斜視図、
図19は、髪飾り装着具80の内部機構の分解斜視図である。
1.筐体31
髪飾り装着具80の筐体81は、上側筐体81aと下側筐体81bとから構成されている。筐体81には、一対のフックアーム82、82、摺接ブロック(摺接部材)83、プッシュアーム84及びプッシュボタン85が設けられている。摺接ブロック83、プッシュアーム84及び後述のコイルばね82b、84dは、プッシュボタン85の操作によって、一対のフックアーム82、82を開閉動作させるプッシュアーム開閉機構を構成する。
また、筐体81には髪飾り本体61を屈曲状態とさせる当接バー86が設けられている。
【0057】
2.一対のフックアーム82、82
一対のフックアーム82、82は、髪飾り本体61を掴持して髪飾り60を保持するためのものである。
一対のフックアーム82、82は左右に互いに対峙して配置されている。各フックアーム82は、上下方向に長尺で、筐体81に支持された上端の軸82aを中心に回動可能に構成されている。各フックアーム82の先端部(下端部)は、内側に凹部82cが形成されている。この凹部82cによって、髪飾り本体61を掴持する。また、各フックアーム82、82は、各別のコイルばね82bによって、先端部が近づく方向に付勢されている。なお、各フックアーム82の内側には、後述の摺接ブロック83と摺接可能な摺接部82dが形成されている。摺接部82dは、一対のフックアーム82、82が髪飾り本体61を掴持した状態では、後述の摺接ブロック83の移動方向に対して傾斜した形となっている。
この一対のフックアーム82、82は、軸82aを中心に回動することによって開閉し、この開閉に伴って、髪飾り本体61を掴持したり、リリースしたりする。
【0058】
3.摺接ブロック83
摺接ブロック83は、一対のフックアーム82、82を動作させるためのものである。
この摺接ブロック83は、一対のフックアーム82、82の間に配置されている。摺接ブロック83は、上下方向に往復動可能に設けられている。この摺接ブロック83は、下動(往動)の際に上記摺接部82dに摺接して、一対のフックアーム82、82を上記コイルばね82bの付勢力に抗して開かせる。
摺接ブロック83の後側は、プッシュアーム84との連結部83aとなっている。連結部83aの左右両側には、それぞれ、前後方向に延在し連結部83aの後端に達する係合溝83b(左側の係合溝83bは図示せず)が形成されている。
摺接ブロック83の下端の左右角部は、摺接ブロック83の下動に伴って、対応する摺接部82dに摺接する摺接部を構成している。摺接ブロック83の下端の左右角部は、面取りされ、対応する摺接部82dと相補的形状を有する傾斜面となっている。
【0059】
4.プッシュアーム84
プッシュアーム84は、摺接ブロック83を動作させるためのものである。
プッシュアーム84は、摺接ブロック83の後方に配置されている。プッシュアーム84は、前後方向に長尺で、後端の軸84aを介して筐体81に支持されている。これにより、プッシュアーム84は、軸84aを中心に上下方向に所定範囲で回動する。プッシュアーム84の前端側には二股に分かれた連結片84b、84bが設けられている。各連結片84bの内側には円柱形のピン84cが付設されている。このピン84cは、対応する上記係合溝83bに係合している。これによって、プッシュアーム84と摺接ブロック83とが連結される。
このプッシュアーム84は、コイルばね84dによって上方に付勢されている。
【0060】
5.プッシュボタン85
プッシュボタン85は、プッシュアーム84を回動させるための操作子である。
プッシュボタン85は、プッシュアーム84の前後方向の中間部上に配置されている。そして、プッシュボタン85の頭部は、上側筐体81aの孔81c(
図18)から突出している。この突出部分を押圧することによって、上記プッシュアーム84を下方に回動させる。
【0061】
6.当接バー(当接部材)86
当接バー86は、一対のフックアーム82、82で掴持する髪飾り本体61の表面に当接して当該髪飾り本体61を折り曲げる働きをする。
当接バー86は板状で下端部には楔状の傾斜面86aが形成されている。当接バー86は、下端が、一対のフックアーム82、82で掴持される髪飾り60の髪飾り本体61の表面中央に当接される。一方、当接バー86の上端部には取付け板86bが付設されている。取付け板66bは、上面視H字状に形成されている。当接バー86は、取付け板86bが上側筐体81aと下側筐体81bに挟持された形で、筐体81に固定されている。なお、取付け板86bが上側筐体81aと一対のフックアーム82、82とによって挟持された形で、筐体81に固定されていてもよい。
【0062】
(動作)
先ず、髪飾り60の捕捉時の髪飾り装着具80の動作を説明する。
図20(A)及び
図20(B)は、髪飾り60の捕捉時の髪飾り装着具80の動作を説明するための図である。
今、パレット70に髪飾り60が並べられて複数収容されているものとする。
髪飾り装着具80を片手で握り、一対のフックアーム82、82の先端を、パレット70に並べられた所望の髪飾り60の髪飾り本体61の表面に押し当てる(
図20(A))。この時、当接バー86の先端が髪飾り本体61の表面に押し当てられ、突起部分72a、72cのV字溝に沿って折り曲げられる。
その折り曲げと同時に、髪飾り本体61の表面側の縁部は丸められているため、髪飾り本体61の当該縁部が一対のフックアーム82、82の先端に摺接して、一対のフックアーム82、82を開かせる。そして、一対のフックアーム82、82の先端が髪飾り本体61の下端を通り過ぎると、今度は、一対のフックアーム82、82が各コイルばね82bの付勢力によって、閉じる方向に動作し、髪飾り本体61が一対のフックアーム82、82によって掴持される(
図20(B))。
【0063】
次に、髪飾り60の装着時の髪飾り装着具80の動作を説明する
一対のフックアーム82、82によって髪飾り60を保持した髪飾り装着具80を人形の髪に押し当てる。髪飾り装着具80を押し当てると留め具62が髪に深く入り込み、そこで、プッシュボタン85を押すと、一対のフックアーム82、82が開き、髪飾り60が髪飾り装着具80からリリースされる。そして、リリースされた髪飾り60の髪飾り本体61は、弾性力によって、平面的状態となり留め具62が閉じて人形の髪に取り付けられる。
【0064】
(第2実施形態の効果)
この髪飾り装着具80によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。その他、当接バー86を固定しているため、第1実施形態のようなコイルばね36cが不要となり、その分、部品点数が少なくなる。また、コイルばね36cによる不意な髪飾り60の押出しを防止することができる。
【0065】
《変形例》
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0066】
例えば、上記実施形態の髪飾り装着具30(又は80)によれば、操作子であるプッシュボタン35(又は85)を直動させているが、操作子を所定の軸を中心に回動させ、この回動運動をプッシュバーホルダ33(又は摺接ブロック83)の直線運動に変換するように構成してもよい。或いは、操作子をスライド式とし、この操作子の動作をそれに直交するプッシュバーホルダ33(又は摺接ブロック83)の直線運動とするように構成してもよい。さらには、操作子とプッシュバーホルダ33(又は摺接ブロック83)を一体化させてもよい。
【0067】
また、上記実施形態の髪飾り装着具30(又は80)によれば、各別の軸32a(又は82a)を中心に回動する一対のフックアーム32、32(又は82、82)で髪飾り10(又は60)を掴持するようにしたが、一の直線上で互いに接近及び離間する一対の掴持片で髪飾り10(又は60)を掴持するように構成してもよい。
【0068】
さらに、上記実施形態の髪飾り装着具30によれば、一対のフックアーム32、32を動作させるプッシュバーホルダ33と、髪飾り本体11を折り曲げるプッシュバー36とを連結させたが、一対のフックアーム32、32を動作させる部分とプッシュバー36とを連結させず、互いに独立して動作させる構成としてもよい。
【0069】
また、上記実施形態の髪飾り10によれば、一対の留め片12a、12aが形成されている側、及び、突起14が形成されている側のうち、一対の留め片12a、12aが形成されている側(半体よりも大きめの部分)を屈曲させるようにしたが、エクステンション13を取り付ける突起14を設けずに、全体を屈曲させるようにすることもできる。また、突起14と髪飾り本体11との結合部分を折り目Fから偏倚させ、全体を屈曲させるようにすることもできる。または、一対のフックアーム32、32で掴持する部分だけ、例えば一部の花弁だけが屈曲されるように構成してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、髪飾り10及び髪飾り装着具30を説明したが、髪飾り以外のアクセサリーやアクセサリー装着具にも適用できる。例えば、人形の洋服を掴持して取り付けられるバッジやブローチなどのアクセサリーを装着する場合にも適用できる。また、人形以外、人が身に着けるアクセサリーのように人形のアクセサリーに比べて大きいアクセアアリーにも適用できる。
【符号の説明】
【0071】
10、60 髪飾り
11、61 髪飾り本体
12a、62a 留め片
20、70 パレット
30、80 髪飾り装着具
32、82 フックアーム
32a、32a 軸
33 プッシュバーホルダ
34、84 プッシュアーム
34a、84a 軸
35、85 プッシュボタン
36 プッシュバー
83 摺接ブロック
86 当接バー
100、200 髪飾り装着セット