IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トキコテクノ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-燃料供給システム 図1
  • 特開-燃料供給システム 図2
  • 特開-燃料供給システム 図3
  • 特開-燃料供給システム 図4
  • 特開-燃料供給システム 図5
  • 特開-燃料供給システム 図6
  • 特開-燃料供給システム 図7
  • 特開-燃料供給システム 図8
  • 特開-燃料供給システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025043010
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】燃料供給システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/32 20100101AFI20250321BHJP
【FI】
B67D7/32 Z
B67D7/32 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150276
(22)【出願日】2023-09-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 繁
(72)【発明者】
【氏名】門脇 純司
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA02
3E083AB15
3E083AB16
3E083AC08
3E083AD17
(57)【要約】
【課題】 携帯端末機の表示部にカメラ画像が表示されているか否かに基づいて燃料供給可否を制御することにより、係員が燃料供給装置の状況をカメラ画像で確認することなく、管理機の操作により燃料供給が可能な状態になってしてしまうことを防止できるようにする。
【解決手段】 車両101に燃料を供給する給油装置21~2nと、給油装置21~2nに対して燃料供給に関する指示を行う携帯端末機8と、給油装置21~2nの近傍を撮影するカメラ31~3nと、を備えている。この上で、携帯端末機8は、カメラ31~3nが撮影したカメラ画像を表示する表示部9と、表示部9にカメラ画像が表示されているか否かを判定する表示状態判定手段10と、表示状態判定手段10による判定結果に基づき給油装置21~2nによる燃料供給可否を制御する制御部11と、を備えている。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給対象に燃料を供給する燃料供給装置と、
前記燃料供給装置に対して燃料供給に関する指示を行う携帯端末機と、
前記燃料供給装置の近傍を撮影するカメラと、
を備え、
前記携帯端末機は、
前記カメラが撮影したカメラ画像を表示する表示部と、
前記表示部に前記カメラ画像が表示されているか否かを判定する表示状態判定手段と、
前記表示状態判定手段による判定結果に基づき前記燃料供給装置による燃料供給可否を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする燃料供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料供給システムであって、
前記携帯端末機には、前記燃料供給装置からの燃料供給に関する指示をするための指示部が設けられ、
前記制御部は、前記表示部が前記カメラ画像を表示していないと前記表示状態判定手段が判定した場合に、前記指示部への指示を無効或いは前記指示部への指示を不能とさせることを特徴とする燃料供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料供給システムであって、
燃料供給所内における前記携帯端末機の位置を検出する位置検出手段を備え、
前記制御部は、前記表示状態判定手段により前記表示部が前記カメラ画像を表示していないと判定され、かつ前記位置検出手段により前記携帯端末機が前記燃料供給装置の近傍に位置していることを検出した場合に、前記燃料供給対象への燃料供給を可能とさせることを特徴とする燃料供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給油対象に燃料を供給する複数の給油機と、表示部を有すると共に各給油機による給油を管理する管理機と、各給油機の近傍を撮影するカメラと、を備えた燃料供給システムが開示されている。この燃料供給システムでは、管理機の表示部に表示されたカメラ画像を係員が目視で確認し、給油機の近傍の給油エリアに異常が無いと判断したときに、確認釦が操作されることにより供給許可を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-10358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したように、特許文献1では、管理機の表示部に表示されたカメラ画像を係員が目視で確認することで、供給許可を行うようにしている。従って、例えば、カメラの故障や通信異常などにより、管理機にカメラ画像が表示されない場合には、係員は、カメラ画像から給油エリアに対し燃料供給を許可して良いかを判定することができないのにも拘わらず、誤って管理機を操作してしまうことにより供給が可能な状態になってしまう虞がある。
【0005】
本発明の一実施形態の目的は、管理機の表示部にカメラ画像が表示されているか否かに基づいて燃料供給可否を制御することにより、係員が燃料供給装置の状況をカメラ画像で確認することなく、管理機の操作により燃料供給が可能になってしまうことを防止できるようにした燃料供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、燃料供給対象に燃料を供給する燃料供給装置と、前記燃料供給装置に対して燃料供給に関する指示を行う携帯端末機と、前記燃料供給装置の近傍を撮影するカメラと、を備え、前記携帯端末機は、前記カメラが撮影したカメラ画像を表示する表示部と、前記表示部に前記カメラ画像が表示されているか否かを判定する表示状態判定手段と、前記表示状態判定手段による判定結果に基づき前記燃料供給装置による燃料供給可否を制御する制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、管理機の表示部にカメラ画像が表示されているか否かに基づいて燃料供給可否を制御することができ、係員が燃料供給装置の状況をカメラ画像で確認することなく、管理機の操作により燃料供給が可能な状態になってしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による燃料供給システムを備えた給油所を示す全体図である。
図2】燃料供給システムを模式的に示す構成図である。
図3】表示部に給油レーンの選択釦が表示された携帯端末機を示す説明図である。
図4】表示部に選択した給油レーンのカメラ画像と設定内容が表示された携帯端末機を示す説明図である。
図5】表示部にカメラ画像が表示されていない携帯端末機を示す説明図である。
図6】複数台のカメラと当該カメラに対応する給油レーンの対応関係を示した説明図である。
図7】給油監視装置の制御処理を示す流れ図である。
図8図7の制御処理に続く流れ図である。
図9】携帯端末機の制御処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態による燃料供給システムの代表例として、ガソリン等の液体燃料を供給する給油を管理する給油システムを例に挙げ、図1ないし図9に従って詳細に説明する。
【0010】
図1は、燃料供給システムとしての給油システムを実施した給油所1を模式的に示している。図1において、給油所1の屋外には、燃料供給装置を構成する複数台、例えば、5台の給油装置21~2nが設置されている。この場合、5台の給油装置21~2nを挟んで給油レーンが10レーン設けられている。給油装置21~2nは、給油レーンに停車した燃料供給対象となる車両101の燃料タンクにガソリン等の液体燃料を供給する。給油装置21~2nは、例えば3つの給油系統を備えている。なお、給油装置は、単一の給油系統を備えたものでもよく、2つまたは4つ以上の給油系統を備えたものでもよい。
【0011】
給油装置21~2nは、例えば、ガソリン(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン)、軽油等の燃料を給油するための複数のノズル2Aを備えている。運転者(操作者)は、ノズル2Aを給油装置21~2nに設けられたノズル掛け(図示せず)から取り外し、車両101の給油口に差し込み、ノズル2Aを操作することにより、ガソリン、軽油等の給油を行う。また、給油装置21~2nには、給油ポンプ等(図示せず)を駆動させる制御部2B、油種および給油量が選択される外設機2C1~2Cn等が設けられている。
【0012】
また、給油所1には、複数台、例えば、給油装置21~2nに合わせて5台のカメラ31~3nが設けられている。複数のカメラ31~3nの撮影対象等は、例えば、図6に示す通りである。カメラ31~3nは、対応する給油装置21~2nの稼働状況、例えば、給油レーンの状態、運転者(操作者)による給油装置21~2nの操作状態等を監視するために、給油装置21~2nの近傍を撮影している。カメラ31~3nは、後述の給油監視装置6に無線または有線で接続されている。カメラ31~3nで撮影されたカメラ画像(画像情報)は、給油レーンの情報として給油監視装置6に送信される。
【0013】
給油所1には、管理室4が設けられている。管理室4(屋内)には、例えば、給油装置21~2nによる販売時点情報管理を行うPOSシステム5と、給油装置21~2nに対する給油許可の制御処理等を行う給油監視装置(セルフサービスコントローラ)6と、が設けられている。
【0014】
POSシステム5は、給油監視装置6を介して複数の外設機2C1~2Cnと信号線7により接続されている。そして、POSシステム5は、給油が行われた際の取引情報を管理すると共に、外設機2C1~2Cnにて給油設定が完了した場合に給油監視装置6に設定完了情報を通知することができる。外設機2C1~2Cnは、紙幣識別機、カードリーダライタ、油種選択釦、残高/入金額表示部、帳票印字プリンタ等(いずれも図示せず)から構成されている。即ち、外設機2C1~2Cnは、給油作業を行う運転者(操作者)が自ら操作して、セルフ給油に必要な情報を設定するための機器である。例えば、POSシステム5は、レジスターも兼ねている。
【0015】
給油監視装置6は、後述する携帯端末機8(表示部9)と共に、給油装置21~2nによる給油を管理する。図2に示すように、給油監視装置6は、表示部6Eを備えている。この表示部6Eには、外設機2C1~2Cnにて設定された給油情報(給油レーン、油種、油量等)が表示される設定内容表示領域6Aと、係員により選択・操作される選択・操作釦6Bと、が表示されている。選択・操作釦6Bは、表示部6Eに表示されたタッチセンサーパネルで構成されてなり、複数の給油レーン毎に設けられたレーン選択釦、許可釦、停止釦である。さらに、給油監視装置6は、給油可否に関する制御を行う制御部6Cと、給油装置21~2n、カメラ31~3nや後述する携帯端末機8と通信を行う通信部6Dと、を備えている。また、管理室4内には、カメラ31~3nと通信接続され、カメラ31~3nの画像が表示されるモニタ12が備えられている。
【0016】
次に、給油監視装置6の表示、制御について説明する。まず、給油監視装置6は、給油所1内の給油装置21~2n、POSシステム5の設定状況(設定情報)を通信部6Dにより取得し、その設定情報を設定内容表示領域6Aに表示する。また、給油監視装置6は、POSシステム5の設定が完了し、給油装置21~2nの複数のノズル2Aのうち、POSシステム5の外設機2C1~2Cnで設定された油種と同一の油種が設定されているノズル2Aが運転者によりノズル掛けから外された場合(給油装置21~2nからノズル外れの情報を受信した場合)に給油準備完了とする(設定内容表示領域6Aに表示されている当該給油装置21~2nに対応する給油レーンが給油待ちであることを表示させる)。
【0017】
この上で、管理室4内の係員は、モニタ12に表示されたカメラ31~3nによって撮影された給油レーンの画像、もしくは管理室4内から給油レーンを目視することにより、当該給油レーンの安全を確認する。上記の給油作業を行っている給油レーンの安全が確認されたら、係員は、レーン選択釦により給油作業を行っているレーンを選択して許可釦を操作することにより、この給油装置21~2nに対して給油許可を出すことができる。具体的には、この給油作業では、制御部6Cから当該給油装置21~2nに対し、給油許可信号が送信され、給油許可信号を受信した給油装置21~2nの制御部2Bは、給油ポンプを駆動させる。つまり、給油を可能な状態にさせる。
【0018】
給油監視装置6の通信部6Dは、信号線7を介して、給油装置21~2nやカメラ31~3nに接続され、カメラ31~3nから取得(受信)した画像情報を携帯端末機8に送信する。このとき、給油監視装置6と給油装置21~2n、カメラ31~3nとは、信号線7によるLAN(Local Area Network)によって相互に接続されている。なお、通信方式は、例えば、SS-LAN通信、Ethernet通信、Wi-Fi通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-SUN通信、LTE通信、LPWA通信、ZigBee通信、WirelessHART通信、EnOcean通信等、どのような通信方式であっても構わない。これにより、通信部6Dと給油装置21~2n、カメラ31~3nとは、相互に各種の信号の送信と受信が可能となっている。また、通信部6Dは、無線方式の通信手段によって携帯端末機8(通信部17)に接続されている。
【0019】
携帯端末機8は、給油所1の係員(給油管理者)により所持される。係員は、給油所1内で、携帯端末機8を用いて、給油装置21~2nによる給油の監視、管理を行う。係員は、例えば、車両101の運転者が給油客として給油装置21~2nを用いて車両101(燃料タンク)に給油を行うときに、給油の許可、不許可(停止)を給油装置21~2nに指示する。携帯端末機8と給油監視装置6との間は、無線方式の通信手段(通信部6D、通信部17)によって接続されている。なお、携帯端末機8と給油監視装置6との間は、必要に応じて有線で接続できるように構成してもよい。
【0020】
携帯端末機8は、給油監視装置6と共に管理機の役割を有する。携帯端末機8は、例えば、携帯可能なタブレット端末、スマートフォンによって構成されている。また、携帯端末機8は、通信部17により給油監視装置6との間で信号の送信および受信が可能となっている。また、携帯端末機8は、後述の表示部9、表示状態判定手段10、制御部11、画像処理部16等を備えている。
【0021】
携帯端末機8は、演算装置(CPU)および記憶手段としての記憶装置(メモリ)を備えた携帯型コンピュータである。携帯端末機8の記憶装置には、図7ないし図9に示す表示状態判定手段10、制御部11に関わる処理フローを実行するための処理プログラムが記憶(格納)されている。
【0022】
制御部11は、後述する表示部9の選択・操作釦9Bによる選択、操作に応じて、表示部9の表示内容の切換や給油に関する制御(給油許可や給油停止)を行う。また、画像処理部16は、給油監視装置6(通信部6D)から送信され、通信部17により取得されたカメラ31~3nにて撮影されたカメラ画像(画像情報)を表示部9に表示させる。また、画像処理部16は、記憶装置(図示せず)に記憶された複数のカメラ31~3nと給油レーンとの対応関係(図6参照)に基づき、後述するレーン選択釦9B1,9B2で選択されたレーンに対応するカメラ31~3nのカメラ画像をカメラ画像表示領域9Cに表示させる。
【0023】
携帯端末機8の表示部9は、液晶パネル、有機ELパネル等からなるタッチ式のモニタによって形成されている。表示部9に表示される内容は、給油監視装置6のモニタに表示される内容と同一のものでも良いし、給油装置21~2nの給油管理可能な画面構成であれば、これに限らない。なお、本発明においては、携帯端末機8の表示部9に表示される画面を用いて説明する。
【0024】
携帯端末機8の表示部9には、図3に示すように、給油装置21~2nに対応する複数の給油レーンの稼働状況と、図4に示すように、複数の給油レーンのうち、特定した一の給油レーンの稼働状況(カメラ31~3nが撮影したカメラ画像を含む)と、が表示される。そして、複数の給油装置21~2nに対応する給油レーンの稼働状況を一括して表示するのが一覧画面(図3に示す画面)となる。一方、複数の給油エリアのうち、特定した一の給油レーンの稼働状況(運転者の行動、ノズルの取り扱い、給油レーンを撮影したカメラ画像等)と設定された油種や給油量とを表示するのが詳細画面(図4に示す画面)となる。
【0025】
図3ないし図5に示すように、表示部9には、設定内容表示領域9A、選択・操作釦9Bのレーン選択釦9B1,9B2、一斉停止釦9B3、停止釦9B4、許可釦9B5、リターン釦9B6、条件表示領域9B7、カメラ画像表示領域9C等が表示されている。
【0026】
設定内容表示領域9Aは、図3に示すように、待機時は一覧画面状態とし、給油レーンの番号、POSシステム5の設定情報を表示すると共に、レーン選択釦9B1,9B2を備える。レーン選択釦9B1,9B2は、給油レーンに対応しており、レーン選択釦9B1,9B2を係員が操作(タッチ)することで、選択釦操作信号(画面の切換え信号等)が給油監視装置6に送信される。レーン選択釦9B1,9B2には、給油中を示す三角形のアイコン、給油待ちを示すアイコン、給油の一時停止を示すアイコン等を表示することができる。これにより、選択・操作釦9Bのレーン選択釦9B1,9B2を操作して給油準備が終了した給油装置21~2nを選択することによって、設定内容表示領域9Aへの表示内容を図4に示すような詳細画面に切換えることができる。
【0027】
図3の一覧画面は、表示部9のレーン選択釦9B1,9B2を操作することで図4の詳細画面に切換えることができる。一方、図4の詳細画面は、表示部9のリターン釦9B6を操作することで図3の一覧画面に切換えることができる。また、携帯端末機8は、係員が表示部9をタッチすることで、給油許可信号、画面の切換え信号等を給油監視装置6に送信することができる。
【0028】
図3の一覧画面には、例えば、10レーンの給油レーンに対応するレーン選択釦9B1~9Bn、例えば、車両101に給油作業を行っている2つの給油レーン(例えば、第1レーン、第2レーン)のレーン選択釦9B1,9B2と、給油装置21~2nの給油動作を一斉に停止する一斉停止釦9B3と、給油装置21~2nのうち、選択した給油装置の給油動作を停止する停止釦9B4と、許可釦9B5と、を表示することができる。
【0029】
図4の詳細画面には、例えば、レーン選択釦9B1,9B2で選択された給油レーンに対応するカメラ31,32で撮影した第1レーン、第2レーンのカメラ画像が中央のカメラ画像表示領域9Cに表示されている。これにより、係員は、カメラ画像表示領域9Cを確認することにより、選択した給油レーンの給油に関する状況を把握することができる。また、詳細画面には、一斉停止釦9B3、停止釦9B4、許可釦9B5、リターン釦9B6の他に、油種、給油量等の条件表示領域9B7を表示することができる。カメラ画像表示領域9Cには、給油状況を示す文字やアイコンを表示することもできる。
【0030】
ここで、許可釦9B5は、図4の詳細画面において、操作されることにより、給油許可操作を行った旨(情報)を給油監視装置6に送信することで、給油装置21~2nに対して給油許可を出すことができる。給油許可を出すと、設定内容表示領域9Aは、一覧画面に戻る。また、図3の一覧画面であっても、許可釦9B5は、例えば、係員が給油作業を目視で確認できる位置に居て、カメラ31~3nが撮影したカメラ画像を見ることなく、正しい給油作業が行われていることが確認できる場合に操作することができる。この場合の係員(携帯端末機8)の位置は、後述のビーコン14によって把握することができる。係員(携帯端末機8)の位置は、ビーコン以外にもGPS、給油装置等に設けられた識別コードを携帯端末機で読み込むことによる位置検出等を利用して把握してもよい。
【0031】
表示状態判定手段10は、携帯端末機8に設けられている。表示状態判定手段10は、携帯端末機8の表示部9のカメラ画像表示領域9Cにカメラ31~3nが撮影したカメラ画像が表示されているか否かを判定する。ここで、カメラ画像表示領域9Cにカメラ31~3nが撮影したカメラ画像が表示されない理由について述べる。理由1としては、カメラ31~3nは、撮影した画像データを送信しているが、通信環境の不具合(給油監視装置6の通信部6Dもしくは携帯端末機8の通信部17の通信不能(応答が無い))によって携帯端末機8が画像データを受信できない。具体的には、携帯端末機8(通信部17)とカメラ31~3nとは、所定時間ごとに通信の送受信を行っており、通信が不通になった(カメラ31~3nから信号が送信されない、もしくは受信できない)場合にカメラ画像が受信できないことになり、表示状態判定手段10は、カメラ画像が表示されないと判定する。
【0032】
なお、携帯端末機8(通信部17)は、給油監視装置6(通信部6D)を介しカメラ31~3nの画像データを受信してもよく、その場合には、携帯端末機8と給油監視装置6の通信部6Dとの通信が不通になったことにより、表示状態判定手段10は、カメラ画像が表示されないと判定してもよい。
【0033】
また、理由2としては、表示部9の故障によりカメラ画像を表示することができない。例えば、携帯端末機8内に電池容量を算出する電池容量算出手段(図示せず)を設け、表示部9にてカメラ画像が表示された場合とカメラ画像が表示されない場合の電池容量の変化から表示部9が故障したと判定してもよい。或いは、表示部9の表示画素数を検出し、所定の画素数を検出していない状態、具体的には、画面が真っ黒な状態(例えば、画面全体の8割以上が同じ画素数で構成された状態が数秒間続いた状態)では、表示部9が故障したと判定してもよい。携帯端末機8に給油レーンのカメラ画像が表示されない理由としては、これらの事象が考えられる。これ以外にも、バッテリ切れ等の他の事象が考えられる。
【0034】
制御部11は、表示状態判定手段10による判定結果に基づき給油装置21~2nによる燃料供給の可否を制御する(燃料供給が可能な状態もしくは不可な状態にする)ことができる。制御部11は、表示部9のカメラ画像表示領域9Cがカメラ31~3nが撮影したカメラ画像を表示していないと表示状態判定手段10が判定した場合に、指示部としての許可釦9B5への指示を無効、或いは許可釦9B5への指示を不能とさせる制御を行う。なお、制御部11は、管理室4にあるPOSシステム5や給油装置21~2nに設けることもできる。
【0035】
制御部11による許可釦9B5への指示を無効、或いは許可釦9B5への指示を不能とさせる制御とは、携帯端末機8の表示部9に許可釦9B5を表示させない制御、携帯端末機8の許可釦9B5が操作されても許可信号を送信しない制御、携帯端末機8の許可釦9B5が操作され、携帯端末機8から許可信号が送信されても、受信側にて当該信号を無効にしたり、信号を受信しても給油を許可(ポンプ駆動)させたりしない制御、携帯端末機8が給油許可待ち状態になることで携帯端末機8から給油許可操作が可能となる場合において、携帯端末機8を給油許可待ち状態にさせない制御、を含むものである。これらの制御以外でも、給油許可を無効にできる制御であればよい。
【0036】
また、制御部11は、表示状態判定手段10により表示部9のカメラ画像表示領域9Cがカメラ31~3nが撮影したカメラ画像を表示していないと判定され、かつ後述のビーコン14により携帯端末機8が給油装置21~2nの近傍に位置している(給油装置近傍のビーコン14から照射された電波を携帯端末機8が受信した)ことを検出した場合に、車両101への燃料供給を可能とさせる制御を行う。さらに、制御部11は、表示状態判定手段10によりカメラ31~3nのカメラ画像を表示していないと判定され、かつ、後述のビーコン13により携帯端末機8が給油所内に位置していない場合に、異常報知を行い、給油制御を中止する制御も行う。
【0037】
図1に示すように、モニタ12は、管理室4内の給油監視装置6の近傍に設けられている。モニタ12は、カメラ31~3nと通信接続されており、カメラ31~3nが撮影したカメラ画像を含む情報が表示される。これにより、管理室4内にいる係員は、モニタ12を見ることで、カメラ31~3nで撮影されている給油レーンの状況を把握することができ、例えば、給油許可待ち状態の給油レーンにおいて、運転者(操作者)が給油ノズルを車両101の給油口へ確実に挿入されているか等の安全を確認して、給油監視装置6の許可釦を操作することにより、給油を開始させることができる。また、モニタ12には、携帯端末機8と同様の画面を表示することもできる。なお、管理室4内から係員が給油レーンを目視にて確認できる場合には、モニタ12を確認することなく、許可釦を操作することにより給油を開始させることも可能であり、その場合には、モニタ12を備えなくてもよい。
【0038】
図1図2に示すように、ビーコン13,14,15は、給油所1に適宜に配設され、給油所1内における携帯端末機8の位置を検出する位置検出手段を構成している。具体的には、ビーコン13,14,15から所定範囲内に電波が照射され、携帯端末機8の通信部17にて電波を受信した場合には、携帯端末機8の制御部11は、所定エリア内(例えば、給油装置21~2nの近傍)に位置していると判断する。施設内ビーコンとしてのビーコン13は、給油所1の広範囲に配置されている(もしくは広範囲に電波を照射させる)。これにより、ビーコン13は、携帯端末機8を所持した係員が給油所1内に居ることを検知することができる。
【0039】
給油装置近傍ビーコンとしてのビーコン14は、給油所1の屋外で、給油装置21~2n、カメラ31~3nの近傍に配置されている。これにより、ビーコン14は、携帯端末機8を所持した係員が給油装置21~2nの近傍に居ることを検知することができる。換言すると、ビーコン14は、携帯端末機8を所持して許可を発行する係員が、カメラ31~3nが撮影したカメラ画像と同等の状況を目視で確認できる位置に居ることを検知することができる。
【0040】
管理室内ビーコンとしてのビーコン15は、給油所1の屋内に配置されている。これにより、ビーコン15は、携帯端末機8を所持した係員が管理室4内に居ることを検知することができる。また、携帯端末機8の制御部11は、通信部17にてビーコン13,14,15から電波を受信した場合には、給油監視装置6へ当該情報を送信する。具体的には、ビーコン13からの電波を携帯端末機8の通信部17が受信した場合には、給油監視装置6へ携帯端末機8が給油所1内に位置しているという情報を、通信部17を介して送信する。これにより、給油監視装置6は、携帯端末機8の位置情報を取得できる。
【0041】
次に、本実施形態による給油監視装置6の制御部6Cを用いた給油作業の一例について説明する。なお、図7図8に示す流れ図のステップは、それぞれ「S」という表記を用い、例えばステップ1を「S1」として示す。
【0042】
まず、来店した給油客、例えば、運転者は、車両101に給油を行うためにPOSシステム5の外設機2C1~2Cnを操作する。運転者による外設機2C1~2Cnの操作が完了すると、制御部6Cは、図7図8に示す制御処理を開始する。
【0043】
S1では、POSシステム5の外設機2C1~2Cnから設定完了信号を受信したか否かを、「YES」と判定されるまで繰り返す。S1で「YES」と判定されたらS2に移行する。このS2では、対象となる外設機2C1~2Cnに対応する給油監視装置6の設定内容表示領域6Aに対して、金額、数量、油種等の設定内容を表示する。続く、S3では、S2の設定内容を携帯端末機8に送信する。このときに、携帯端末機8は、例えば、給油作業を行っている給油レーンが第1レーンと第2レーンの場合、待機状態では図3に示す一覧表示状態となっている。
【0044】
次に、運転者は、給油を行うために給油装置21~2nに設けられたノズル2Aをノズル掛けから外し、車両101の給油口に挿入する。そこで、S4では、給油装置21~2nのノズルスイッチからノズル2Aが外れた信号を受信したか否かを、「YES」と判定されるまで繰り返す。S4で「YES」と判定されたらS5に移行する。このS5では、給油装置21~2nから外されたノズル2Aの供給油種と外設機2C1~2Cnに設定された油種とが一致しているか否かを、「YES」と判定されるまで繰り返す。S5で「YES」と判定されたらS6に移行する。
【0045】
ここで、給油監視装置6は、外設機2C1~2Cnの設定内容と給油装置21~2nのノズル2Aの油種が一致してS5で「YES」と判定されたら給油準備完了(給油待ち状態)となる。このときに、S6では、給油監視装置6の設定内容表示領域6Aに指定レーンを給油許可待ちとする。
【0046】
S7では、給油監視装置6にてカメラ31~3nからのカメラ画像のデータを受信する。続く、S8では、給油監視装置6のモニタ12にカメラ画像が正しく表示されたか否かを判定する。具体的には、カメラ31~3nと給油監視装置6との通信不能により、給油監視装置6にてカメラ画像のデータを受信できないような事態が発生したか否かを判定する。S8で「YES」(正しく表示できた)と判定された場合にはS9に移行する。このS9では、携帯端末機8が施設内に位置しているか否かを、「YES」と判定されるまで繰り返す。S9で「YES」と判定されたら、携帯端末機8を所持して許可を発行する係員が、給油所1内に居ることが確認できる。従って、S10に移って、携帯端末機8を給油許可待ちにする。即ち、携帯端末機8に許可待ち指示信号を送信する。よって、携帯端末機8の表示部9には、給油監視装置6がカメラ31~3nより取得したカメラの画像が表示されており、給油所1内にいる係員は表示部9に表示されたカメラの画像から給油状況を確認することができる。
【0047】
一方、S8で「NO」を判定されたら、S11に移行する。このS11では、携帯端末機8が給油装置21~2nの近傍に位置しているか否かを判定する。S11で「YES」と判定されたら、携帯端末機8を所持して許可を発行する係員が、給油レーンを目視できる給油装置21~2nの近傍に居ることが確認できる。従って、S10に移って、携帯端末機8を給油許可待ちにする。よって、携帯端末機8がビーコン14の電波を受信したことにより、係員は給油装置21~2nの近傍に居ると判断できる。従って、携帯端末機8の表示部9には、カメラ31~3nの画像が表示されていないものの、係員は、目視により給油状況を確認することができるので、携帯端末機8を用いて給油可能とすることができる。
【0048】
また、S11で「NO」を判定されたら、S12に移行する。このS12では、携帯端末機8が管理室4内に位置しているか否かを判定する。S12で「YES」と判定されたら、携帯端末機8を所持して許可を発行する係員が、管理室4内(屋内)に居ることが確認できる。従って、S10に移って、携帯端末機8を給油許可待ちにする。さらに、S12で「NO」を判定されたら、S8以降の制御を繰り返す。ここで、管理室4内に係員が居ることにより、管理室4内から給油装置21~2nを目視により確認、もしくは管理室4内に設けられたカメラ31~3nの画像が表示されたモニタ12を確認することで給油状況を確認することができ、給油監視装置6を用いて給油可能とすることができる。
【0049】
次に、S13では、管理室4内(屋内)に配置された給油監視装置6の許可釦9B5が操作されたか否か、即ち、許可釦9B5の釦操作信号を受信したか否かを判定する。S13で「YES」と判定されたら、管理室4内のモニタ12を確認した他の係員が運転者の作業に問題が無いと判断したものであるから、S14に移って給油装置21~2nに給油許可信号を送信する。そして、S14で給油装置21~2nに給油許可信号を送信したら、S15に移行する。
【0050】
一方、S13で「NO」を判定されたら、S16に移行する。このS16では、携帯端末機8にて許可釦9B5が操作されたか否か、即ち、携帯端末機8から選択・操作釦9Bによる釦操作信号を受信したか否かを判定する。S16で「NO」と判定されたら、S13の判定を繰り返す。また、S16で「YES」と判定されたら、S14に移って、給油装置21~2nに給油許可信号を送信する。
【0051】
そして、S15では、ノズル2Aが給油装置21~2nのノズル掛けに掛けられたか否かを、「YES」と判定されるまで繰り返す。このS15で「YES」と判定されたら給油作業が終了する。
【0052】
次に、本実施形態による携帯端末機8の表示制御について、図9を用いて説明する。なお、図7図8と同様に図のステップは、それぞれ「S」という表記を用い、例えばステップ21を「S21」として示す。
【0053】
S21では、表示部9に図3に示す一覧画面を表示させて、S22に移行する。このS22では、給油監視装置6から給油に関する設定情報を受信したか否かを判定する。このS22で「YES」と判定した場合には、S23に移行し、受信した設定情報を更新表示させてS24に進む。また、S22で「NO」と判定した場合には、設定情報が更新されるまで繰り返す。
【0054】
S24では、表示部9に表示されたレーン選択釦9B1,9B2が操作されたか否かを判定し、「YES」(操作された)と判定した場合には、S25に移行し、「NO」(操作されない)と判定した場合には、レーン選択釦9B1,9B2が操作されるまで判定を繰り返す。S25では、S24で選択されたレーンの詳細画面(図4に示すような図)を表示部に表示させてS26に移行する。
【0055】
S26では、カメラ31~3nからカメラ画像のデータを受信する。続く、S27では、表示部9のカメラ画像表示領域9Cにカメラ画像が正しく表示されたか否かを判定する。具体的には、携帯端末機8(通信部17)とカメラ31~3nとの通信不能により、携帯端末機8にてカメラ画像のデータを受信できないような事態が発生したか否かを判定する。S27で「YES」(正しく表示された)と判定された場合は、S28に移行し、「NO」(正しく表示されていない)と判定された場合は、S29に移行する。なお、カメラ31~3nの画像データは、給油監視装置6を介し携帯端末機8が受信してもよく、この場合において、給油監視装置6と携帯端末機8とが通信不能になった場合に、カメラ画像のデータを受信できないと判断してもよい。
【0056】
S28では、携帯端末機8(通信部17)が施設内のビーコン13からの電波を受信したか否かを判定し、「YES」(受信した)と判定した場合には、S31に移行する。一方、S28で「NO」(受信していない)と判定した場合には、S29に移行する。ここで、電波を受信した場合は、給油所1内にいる係員の携帯端末機8の表示部9には、選択したレーンに対応するカメラ31~3nのカメラ画像が表示されていることになる。そして、係員は、表示部9に表示されたカメラ画像から選択したレーンの給油状況を把握でき、当該レーンに対し、給油許可を出して良いか否か(許可釦9B5を操作して良いか否か)を判断することができる。
【0057】
また、S29では、携帯端末機8(通信部17)が給油装置21~2nの近傍のビーコン14からの電波を受信したか否かを判定し、「YES」(受信した)と判定した場合には、S31に移行する。一方、S29で「NO」(受信していない)と判定した場合には、S30に移行する。ここで、電波を受信した場合は、係員は選択したレーンの給油装置21~2nの近傍に位置していることになる。そして、係員は、表示部9に表示されたカメラ画像、もしくは携帯端末機8にてカメラ画像が表示部9に正しく表示されていない場合には、当該レーンを目視にて確認することで、給油許可を出して良いか否か(許可釦9B5を操作して良いか否か)を判断することができる。
【0058】
S30では、携帯端末機8(通信部17)が管理室4内のビーコン15からの電波を受信したか否かを判定し、「YES」(受信した)と判定した場合には、S31に移行する。一方、S30で「NO」(受信していない)と判定した場合には、S32に移行する。ここで、ビーコン15からの電波を受信した場合は、管理室4内に係員が居ることになり、係員は、表示部9に表示されたカメラ画像もしくは携帯端末機8の表示部9にカメラ画像が正しく表示されていない場合には、対応のレーンを目視またはモニタ12に表示されたカメラの画像を確認することで、当該レーンに対し給油許可を出して良いか否か(許可釦9B5を操作して良いか否か)を判断することができる。
【0059】
S31では、表示部9に表示された許可釦9B5が操作されたか否かを判定し、「YES」(操作された)と判定した場合には、本制御を終了する。一方、S31で「NO」(操作されていない)と判定した場合には、S27に戻り、S27以降の処理を繰り返す。ここで、S31で「YES」(操作された)と判定した場合には、給油監視装置6に釦操作信号を送信する。釦操作信号を受信した給油監視装置6は、対応の給油装置21~2nに対して給油許可信号を送信し、給油が行われる。
【0060】
さらに、S30までの制御では、携帯端末機8の表示部9にカメラの画像が表示されず、また、ビーコン13,14,15による電波受信状況から、選択したレーンを目視もしくはモニタ12によって確認ができる位置に係員がいないと判定できる。そこで、S32では、携帯端末機8の表示部9の許可釦9B5を不活性状態(許可釦9B5を押しても許可信号を発信させない状態)とし、S33に移行する。続く、S33では、携帯端末機8から異常を報知(例えば表示部9に「管理室4内に戻ってください」と表示)させて、制御を終了する。
【0061】
かくして、本実施形態によれば、車両101に燃料を供給する給油装置21~2nと、給油装置21~2nに対して燃料供給に関する指示を行う携帯端末機8と、給油装置21~2nの近傍を撮影するカメラ31~3nと、を備えている。この上で、携帯端末機8は、カメラ31~3nが撮影したカメラ画像を表示する表示部9と、表示部9にカメラ画像が表示されているか否かを判定する表示状態判定手段10と、表示状態判定手段10による判定結果に基づき給油装置21~2nによる燃料供給可否を制御する制御部11と、を備えている。
【0062】
従って、通常は、携帯端末機8の表示部9のカメラ画像表示領域9Cに表示されたカメラ31~3nの画像を係員が目視で確認することで、供給許可を行う。しかし、カメラ画像表示領域9Cにカメラ画像が表示されない場合がある。この場合には、係員は、カメラ画像から給油エリアの異常、例えば、ノズル2Aの取り間違い、挿入不良等を目視で確認できないから、誤って供給許可を指示してしまう虞がある。
【0063】
これに対し、本実施形態では、表示状態判定手段10が表示部9にカメラ画像が表示されているか否かを判定した上で、制御部11が表示状態判定手段10による判定結果に基づき給油装置21~2nによる燃料供給可否を制御(給油許可指示)することができる。この結果、本実施形態は、カメラ画像を表示する携帯端末機8において、カメラ31~3nの故障、通信異常等でカメラ画像が無い場合は、許可を与えるレーンの安全性を確認しない状態で許可を発行してしまう誤操作ができてしまうが、それを防止することができる。
【0064】
また、携帯端末機8の表示部9には、給油装置21~2nからの燃料供給に関する指示をするための許可釦9B5が設けられている。この上で、制御部11は、表示部9がカメラ画像を表示していないと表示状態判定手段10が判定した場合に、許可釦9B5への指示を無効或いは許可釦9B5への指示を不能とさせる制御を行う。これにより、携帯端末機8の表示部9にカメラ31~3nの撮影画像を表示できない場合には、携帯端末機8から燃料供給が許可できないので、安全性を向上することができる。
【0065】
一方、給油所1内における携帯端末機8の位置を検出するビーコン13,14,15を備えている。また、制御部11は、表示状態判定手段10により表示部9がカメラ画像を表示していないと判定され、かつビーコン13,14,15により携帯端末機8が給油装置21~2nの近傍に位置していることを検出した場合に、車両101への燃料供給を可能とさせる制御を行う。これにより、携帯端末機8にカメラ31~3nの撮影画像が正しく表示されない場合であっても、携帯端末機8を所持した係員が給油装置21~2nの近傍に居ることで燃料供給を許可させることができるので、係員の燃料供給に関する作業性を向上することができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、カメラ31~3nの故障時は、携帯端末機8から許可が発行できない状態となる。しかし、給油装置21~2nの近傍に配置したビーコン14を受信することで、携帯端末機8を所持した係員が給油装置21~2nの近傍に居ることを検知でき、この位置から運転者の給油操作を直視して判定することで、携帯端末機8からの許可操作を可能にすることができ、カメラ故障時でも安全に許可発行を行うことができる。
【0067】
なお、実施形態では、5台の給油装置21~2nと10レーンの給油レーンを備えた給油所1を例に挙げて説明している。しかし、本発明は、これに限らず、1台の給油装置、1レーンの給油レーンを備えた給油所に適用してもよく、2台~4台の給油装置、2レーン~9レーンの給油レーンを備えた給油所に適用してもよく、6台以上の給油装置、11レーン以上の給油レーンを備えた給油所に適用してもよい。また、上述の実施形態では、1個の携帯端末機8を備えた給油所1を例に挙げて説明したが、本発明は、2個以上の携帯端末機を備えた給油所に適用してもよい。
【0068】
また、実施形態では、携帯端末機8によって各種の操作を行った場合を例示している。しかし、本発明では、携帯端末機8と一緒に給油監視装置6によって各種の操作を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、実施形態では、ガソリン等の液体燃料を車両101へ供給する給油装置21~2nを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、CNGやLPG等の燃料を車両等に供給する燃料供給機が備えられた燃料供給所に適用してもよい。
【0070】
次に、上記実施形態に含まれる燃料供給システムとして、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
【0071】
第1の態様としては、燃料供給対象に燃料を供給する燃料供給装置と、前記燃料供給装置に対して燃料供給に関する指示を行う携帯端末機と、前記燃料供給装置の近傍を撮影するカメラと、を備え、前記携帯端末機は、前記カメラが撮影したカメラ画像を表示する表示部と、前記表示部に前記カメラ画像が表示されているか否かを判定する表示状態判定手段と、前記表示状態判定手段による判定結果に基づき前記燃料供給装置による燃料供給可否を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。
【0072】
第2の態様としては、第1の態様において、前記携帯端末機には、前記燃料供給装置からの燃料供給に関する指示をするための指示部が設けられ、前記制御部は、前記表示部が前記カメラ画像を表示していないと前記表示状態判定手段が判定した場合に、前記指示部への指示を無効或いは前記指示部への指示を不能とさせることを特徴としている。
【0073】
第3の態様としては、第1の態様において、燃料供給所内における前記携帯端末機の位置を検出する位置検出手段を備え、前記制御部は、前記表示状態判定手段により前記表示部が前記カメラ画像を表示していないと判定され、かつ前記位置検出手段により前記携帯端末機が前記燃料供給装置の近傍に位置していることを検出した場合に、前記燃料供給対象への燃料供給を可能とさせることを特徴としている。
【符号の説明】
【0074】
1 給油所(燃料供給所)
1~2n 給油装置(燃料給油装置)
1~3n カメラ
8 携帯端末機
9 表示部
9B5 許可釦(指示部)
10 表示状態判定手段
11 制御部
13~15 ビーコン(位置検出手段)
101 車両(燃料供給対象)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9