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  • 特開-ワイヤハーネス及びクランプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004307
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス及びクランプ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20250107BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20250107BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20250107BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20250107BHJP
【FI】
H02G3/30
F16B2/08 B
F16B19/00 Q
B60R16/02 623D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103899
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 晋一
【テーマコード(参考)】
3J022
3J036
5G363
【Fターム(参考)】
3J022DA01
3J022DA15
3J022EA15
3J022EB14
3J022EC02
3J022EC14
3J022EC22
3J022ED13
3J022ED30
3J022FA05
3J022FB03
3J022FB12
3J022GB42
3J022GB45
3J036AA03
3J036BA01
3J036DA12
3J036DB04
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA16
(57)【要約】
【課題】配索材に対するクランプの位置ずれを防止して、適正な作業性を確保することができるワイヤハーネス及び、クランプを提供することを目的とする。
【解決手段】車体の取付パネル50に形成された貫通孔51に嵌合するクリップ11と、平板状に形成されて平板の長手方向Xに沿って配索材Wが配索される配索部12と、を備え、配索部12は、クリップ11と反対側の他方の面31Bに配索材Wの配索面となる基体部31と、基体部31の長手方向Xの両端にそれぞれ設けられ、固定バンド2が取り付けられる袖部32と、を有し、基体部31の他方の面31Bは、袖部32に対して、高さ方向Zに異なる高さ位置に設けられ、基体部31の他方の面31Bに配索材Wを配索し、かつ、袖部32に固定バンド2を巻き付けた状態で、配索材Wを袖部32と固定バンド2とで挟んで固定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配索材と、
前記配索材を支持するクランプと、
前記配索材に前記クランプを固定する固定部材と、を備え、
前記クランプは、車体に形成された貫通孔に嵌合するクリップと、
平板状に形成されて平板の長手方向に沿って前記配索材が配索される配索部と、を備え、
前記配索部は、前記平板における前記クリップと反対側の面に前記配索材の配索面が形成される基体部と、前記基体部の前記長手方向の両端にそれぞれ設けられ、前記固定部材が取り付けられる袖部と、を有し、前記基体部の前記配索面は、前記袖部に対して、前記長手方向に交差する高さ方向に異なる位置に設けられ、前記配索面に前記配索材を配索し、かつ、前記袖部に前記固定部材を巻き付けた状態で、前記配索材を前記袖部と前記固定部材とで挟んで固定していることを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記袖部は、前記長手方向及び前記高さ方向にそれぞれ交差する幅方向の長さが、前記基体部の前記幅方向の長さよりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記袖部は、前記長手方向及び前記高さ方向にそれぞれ交差する幅方向の長さが、前記配索材の直径の1/2以上に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記袖部は、前記長手方向の端部に、前記長手方向及び前記高さ方向にそれぞれ交差する幅方向に延在するリブを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
車体に形成された貫通孔に嵌合するクリップと、
平板状に形成されて平板の長手方向に沿って配索材が配索される配索部と、を備え、
前記配索部は、前記平板における前記クリップと反対側の面に前記配索材の配索面が形成される基体部と、前記基体部の前記長手方向の両端にそれぞれ設けられ、固定部材が取り付けられる袖部と、を有し、前記基体部の前記配索面は、前記袖部に対して、前記長手方向に交差する高さ方向に異なる位置に設けられ、前記配索面に前記配索材を配索し、かつ、前記袖部に前記固定部材を巻き付けた状態で、前記配索材を前記袖部と前記固定部材とで挟んで固定することを特徴とするクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス及びクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に配設されるワイヤハーネスとして、車体パネルに形成された貫通孔に取付けられるクランプと、このクランプに支持される電線などの配索材と、この配索材をクランプに固定するバンドとを備えた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-192266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術のクランプは、平板状の基板と、この基板の長さ方向の両端にそれぞれ第一屈曲片及び第二屈曲片とを備え、これら第一屈曲片及び第二屈曲片を配索材の外形に沿わせて変形させつつ、第一屈曲片及び第二屈曲片から配索材の周囲にテープ部材を巻き付けて固定している。この構成では、配索材とクランプとの接触面積が少なくなることにより、配索材とクランプとの固定が不十分な状態になり、配索材に対するクランプの位置ずれを起こしやすい。このため、車両にワイヤハーネスを組付ける際に、上記した貫通孔とクランプとの位置が合わず組付け困難となり、作業性の面で改善の余地が残されている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、配索材に対するクランプの位置ずれを防止して、適正な作業性を確保することができるワイヤハーネス及び、クランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、配索材と、配索材を支持するクランプと、配索材にクランプを固定する固定部材と、を備え、クランプは、車体に形成された貫通孔に嵌合するクリップと、平板状に形成されて平板の長手方向に沿って配索材が配索される配索部と、を備え、配索部は、平板におけるクリップと反対側の面に配索材の配索面が形成される基体部と、基体部の長手方向の両端にそれぞれ設けられ、固定部材が取り付けられる袖部と、を有し、基体部の配索面は、袖部に対して、長手方向に交差する高さ方向に異なる位置に設けられ、配索面に配索材を配索し、かつ、袖部に固定部材を巻き付けた状態で、配索材を袖部と固定部材とで挟んで固定していることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るクランプは、車体に形成された貫通孔に嵌合するクリップと、平板状に形成されて平板の長手方向に沿って配索材が配索される配索部と、を備え、配索部は、平板におけるクリップと反対側の面に配索材の配索面が形成される基体部と、基体部の長手方向の両端にそれぞれ設けられ、固定部材が取り付けられる袖部と、を有し、基体部の配索面は、袖部に対して、長手方向に交差する高さ方向に異なる位置に設けられ、配索面に配索材を配索し、かつ、袖部に固定部材を巻き付けた状態で、配索材を袖部と固定部材とで挟んで固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のワイヤハーネス、及び、クランプによれば、配索部は、平板におけるクリップと反対側の面に配索材の配索面が形成される基体部と、基体部の長手方向の両端にそれぞれ設けられ、固定部材が取り付けられる袖部と、を有し、基体部の配索面は、袖部に対して、長手方向に交差する高さ方向に異なる位置に設けられ、配索面に配索材を配索し、かつ、袖部に固定部材を巻き付けた状態で、配索材を袖部と固定部材とで挟んで固定するため、配索材に対するクランプの位置ずれを防止することができる。このため、車両にワイヤハーネスを組付ける際に適正な作業性を確保することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成の一部を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係るワイヤハーネスを取付パネルに取り付ける前の状態を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係るワイヤハーネスを取付パネルに取り付けた後の状態を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係るワイヤハーネスのクランプの斜視図である。
図5図5は、本実施形態に係るワイヤハーネスを、配索材の軸線に垂直な面で切断した側断面図であり、固定バンドを締めた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
図1は、本実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成の一部を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るワイヤハーネスを取付パネルに取り付ける前の状態を示す図である。図3は、本実施形態に係るワイヤハーネスを取付パネルに取り付けた後の状態を示す図である。図4は、本実施形態に係るワイヤハーネスのクランプの斜視図である。図5は、本実施形態に係るワイヤハーネスを、配索材の軸線に垂直な面で切断した側断面図であり、固定バンドを締めた状態を示す図である。これら図1から図3において、ワイヤハーネスは、固定バンドを占める前の状態を示している。
【0012】
本実施形態のワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる配索材Wを有し、この配索材Wをコネクタ等を介して各機器に接続するようにしたものである。図1に示すように、ワイヤハーネスWHは、例えば導電性を有する配索材Wと、この配索材Wを支持するクランプ1と、このクランプ1の長手方向の両端にそれぞれ設けられ、配索材Wにクランプ1を固定する固定バンド2(固定部材)と、を備える。ワイヤハーネスWHは、この他、さらにコルゲートチューブやプロテクタ等の外装部材、電気接続箱等の種々の構成部品を含んで構成されてもよい。また、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び第3方向のうち、第1方向を「長手方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「高さ方向Z」という。長手方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、典型的には、相互に直交する。ここでは、長手方向Xは、上述したクランプ1の長手方向に相当する。また、幅方向Yは、クランプ1の後述する配索部12の幅方向に相当し、高さ方向Zは、この配索部12の高さ方向に相当する。
【0013】
配索材Wは、例えば、金属棒、電線、電線束等によって構成される。金属棒は、導電性を有する棒状部材の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものである。電線は、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部(芯線)の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものである。電線束は、これら電線を束ねたものである。図1の例では、ワイヤハーネスWHは、一の配索材Wを備えているが、これに限るものではなく、複数の配索材を備えた構成であってもよい。
【0014】
クランプ1は、車体に形成された貫通孔に嵌合するクリップ11と、上記した配索材Wが配索される配索部12と、を備える。本実施形態では、クリップ11と配索部12とは、同一の樹脂材料(例えば、ポリプロピレンやナイロンなどの熱可塑性樹脂)により一体的に成形されている。この構成によれば、配索材Wを支持する配索部12を簡易に製造することが可能となる。
【0015】
クリップ11は、配索部12の長手方向Xの中央部に設けられる。クリップ11は、配索部12の長手方向Xに長軸が延びる楕円形状の台座20と、この台座20から高さ方向Zに突出する支柱21と、この支柱21の先端にそれぞれ接合される一対の腕部22と、を備える。これら腕部22は、支柱21の先端から台座20側に向けて上記した長手方向Xに拡幅するようそれぞれ延び、支柱21との接合部を支点として弾性変形可能となっている。また、腕部22の先端には、それぞれ係止段部22Aが設けられている。図2及び図3に示すように、クリップ11が車体の取付パネル50に形成された貫通孔51を挿入されると、腕部22の係止段部22Aが貫通孔51の周縁に係止することにより、クリップ11が貫通孔51に嵌合される。
【0016】
配索部12は、平板状に形成されて該平板の長手方向Xに沿って配索材Wを配索する。具体的には、配索部12は、図4に示すように、平板状に形成された基体部31と、この基体部31の長手方向Xの両端にそれぞれ設けられる袖部32とを備える。この袖部32は、固定バンド2(図1参照)が取り付けられて配索材Wを固定する部位である。袖部32は、クリップ11側の面32Aの両端にそれぞれ幅方向Yに延在するリブ33を備える。このリブ33は、クリップ11側の面32Aよりも高さ方向Zに突出しており、袖部32から固定バンド2が脱落することを防止する。また、袖部32は、クリップ11側の面32Aと反対側に位置する固定面32Bを有し、この固定面32Bに配索材Wが固定バンド2により固定される。
【0017】
固定バンド2は、いわゆる結束バンドである。この固定バンド2は、図1に示すように、袖部32にそれぞれ取り付けられて、配索部12(袖部32)を配索材Wに固定する。固定バンド2は、本体部41と、この本体部41から延びるバンド42とを備える。本体部41には、バンド42が貫通可能な孔部(不図示)が形成され、この孔部内に内面から係止爪(不図示)が突出している。バンド42の表面には、本体部41に形成された係止爪と係合する係止溝が連続的に設けている。本実施形態では、固定バンド2は、本体部41に対してバンド42を挿し込む方向では、係止爪と係止溝との係合が解除されて挿し込むことが許容される。これに対して、本体部41に対してバンド42を抜き出す方向では、係止爪が係止溝に係合して解除されないため、バンド42の抜き出し(緩める動作)ができない。
【0018】
ところで、配索部12は、上記したように平板状に形成された基体部31を備えている。この基体部31の一方の面31Aには、長手方向Xの中央部にクリップ11が設けられている。また、基体部31の他方の面31B(クリップと反対側の面)は、配索材Wが配索される配索面となる。この他方の面31Bは、図4に示すように、袖部32の固定面32Bに対して、高さ方向Zに異なる位置に形成される。より具体的には、袖部32の固定面32Bと、基体部31の他方の面31Bとは、階段状に形成されており、袖部32の固定面32Bは、基体部31の他方の面31Bよりも、高さ方向Zにクリップ11に近い位置に形成される。
【0019】
また、袖部32は、基体部31よりも幅狭に形成されている。すなわち、図4に示すように、袖部32の幅方向Yの長さL1は、基体部31の幅方向Yの長さL2よりも小さく形成されている。より具体的には、図5に示すように、袖部32の幅方向Yの長さL1は、配索材Wの直径Dの1/2以上に設定されており、さらには、配索材Wの直径D以下に設定することが望ましい。すなわち、袖部32の幅方向Yの長さL1と、配索材Wの直径Dとは、D/2≦L1≦Dの関係を満たすことが望ましい。
【0020】
本実施形態では、配索材Wは、配索部12の基体部31の長手方向Xに沿って配索された後、基体部31の両端に設けられた袖部32に固定バンド2によって順次固定される。この構成によれば、配索材Wは、図2及び図3に示すように、階段状に形成された配索部12の基体部31と袖部32の形状に沿って延在し、基体部31の他方の面31Bに配索されるとともに、この他方の面31Bに対して、高さ位置の異なる袖部32の固定面32Bに固定される。このため、配索材Wは、矩形状(階段状)に形づけられて配索部12(クランプ1)に配索されて固定されるため、配索材Wに対するクランプ1の位置ずれを防止することができる。
【0021】
また、本実施形態では、袖部32の幅方向Yの長さL1は、基体部31の幅方向Yの長さL2よりも小さく形成されている。このため、図5に示すように、配索部12に配索材Wを配索させた状態で、固定バンド2を袖部32の外側に巻き付けて該固定バンド2を締めて固定すると、固定バンド2と配索材Wとの接触面積が増加するため、配索材Wを強固にクランプ1に固定することができる。さらに、固定バンド2は、本体部41に対してバンド42を抜き出す方向では、係止爪が係止溝に係合して解除されないため、クランプ1を配索材Wに固定した状態が保持される。このため、車両にワイヤハーネスWHを組付ける際に、取付パネル50の貫通孔51に対するクランプ1のクリップ11の位置を正確に規定することができ、適正な作業性を確保することができる。
【0022】
以上、本実施形態のワイヤハーネスWH、及び、クランプ1は、車体の取付パネル50に形成された貫通孔51に嵌合するクリップ11と、平板状に形成されて平板の長手方向Xに沿って配索材Wが配索される配索部12と、を備え、配索部12は、クリップ11と反対側の他方の面31Bに配索材Wの配索面となる基体部31と、基体部31の長手方向Xの両端にそれぞれ設けられ、固定バンド2が取り付けられる袖部32と、を有し、基体部31の他方の面31Bは、袖部32に対して、高さ方向Zに異なる高さ位置に設けられ、基体部31の他方の面31Bに配索材Wを配索し、かつ、袖部32に固定バンド2を巻き付けた状態で、配索材Wを袖部32と固定バンド2とで挟んで固定している。このため、配索材Wは、階段状に形成された配索部12の基体部31と袖部32の形状に沿って延在することにより、矩形状(階段状)に形づけられてクランプ1に固定されることにより、配索材Wに対するクランプ1の位置ずれを防止することができる。従って、本実施形態のワイヤハーネスWH、及び、クランプ1は、取付パネル50の貫通孔51に対するクランプのクリップ11の位置を正確に規定することができ、車両にワイヤハーネスWHを組付ける際に、配索材に対するクランプの位置ずれを防止して、適正な作業性を確保することができる、という効果を奏する。
【0023】
本実施形態のワイヤハーネスWH、及び、クランプ1では、袖部32は、幅方向Yの長さL1が、基体部31の幅方向Yの長さL2よりも小さく形成されるため、配索部12に配索材Wを配索させた状態で、固定バンド2を配索材W及び袖部32の外側に巻き付けて該固定バンド2を締めて固定すると、固定バンド2と配索材Wとの接触面積が増加するため、配索材Wを強固にクランプ1に固定することができる。
【0024】
本実施形態のワイヤハーネスWH、及び、クランプ1では、袖部32は、幅方向Yの長さL1が、配索材Wの直径Dの1/2以上に設定されている。このため、袖部32の剛性を確保しつつ、固定バンド2を配索材W及び袖部32の外側に巻き付けて該固定バンド2を締めて固定する際の固定バンド2と配索材Wとの接触面積が増加するため、配索材Wを強固にクランプ1に固定することができる。
【0025】
本実施形態のワイヤハーネスWH、及び、クランプ1では、袖部32は、長手方向Xの端部に、幅方向Yに延在するリブ33を備えるため、配索材Wとともに袖部32の外側に巻き付けた固定バンド2の脱落を防止できる。
【0026】
なお、上述した本発明の実施形態に係るワイヤハーネス、及び、クランプは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記した説明では、基体部31の他方の面31Bは、袖部32の固定面32Bに対して、高さ方向Zに異なる位置に形成する例として、袖部32の固定面32Bを基体部31の他方の面31Bよりも、高さ方向Zにクリップ11に近い位置に形成した構成を例示したが、これに限らず、袖部32の固定面32Bを基体部31の他方の面31Bよりも、高さ方向Zにクリップ11から遠い位置に形成してもよい。また、上記した説明では、クランプの配索部を配索材に固定する固定部材として、固定バンドを例示したが、これに限るものではなく、例えば、配索部の外側に粘着テープ(固定部材)を巻き付けて固定してもよい。また、上記した説明では、配索材は、導電性を有する電線等であるものとして説明したがこれに限るものではない。
【符号の説明】
【0027】
1 クランプ
2 固定バンド(固定部材)
11 クリップ
12 配索部
31 基体部
31A 一方の面
31B 他方の面(配索面)
32 袖部
32B 固定面
33 リブ
50 取付パネル
51 貫通孔
D 直径
W 配索材
WH ワイヤハーネス
X 長手方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5