(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004310
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】飲料貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
F25D 23/04 20060101AFI20250107BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
F25D23/04 G
F25D23/04 H
F25D23/00 303
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103905
(22)【出願日】2023-06-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和5年6月9日 ウェブサイトのアドレス https://areti.jp/products/s2290 https://www.makuake.com/project/sakalier/
(71)【出願人】
【識別番号】520110010
【氏名又は名称】Areti株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150843
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】イープ・ゼン
(57)【要約】
【課題】様々な形状及び容量の容器に収容された各種の飲料を必要最小限の容量で無駄なく貯蔵可能な飲料貯蔵装置を提供する。
【解決手段】飲料貯蔵装置1は、貯蔵室13及び14と、貯蔵室14に取り付けられ、ボルドーワイン56~58及びブルゴーニュワイン59~61を寝かせた状態でそれぞれ搭載可能な2つの棚17と、貯蔵室13に取り付けられ、3本の日本酒51を立たせた状態で搭載可能であり、シャンパン52~55を寝かせた状態で搭載可能なラック16と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に収容された飲料を貯蔵するための飲料貯蔵装置であって、
前記容器を収容するための少なくとも1つの貯蔵室と、
前記貯蔵室に取り付けられ、複数の前記容器を寝かせた状態で搭載可能な少なくとも1つの棚と、
前記貯蔵室に取り付けられ、複数の前記容器を寝かせた状態又は立たせた状態で搭載可能なラックと、
を備えている飲料貯蔵装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料貯蔵装置において、
前記貯蔵室の内側壁には、複数組の棚受けが取り付け可能に構成され、
前記棚及び前記ラックは、前記複数組の棚受けに取り付けられる飲料貯蔵装置。
【請求項3】
請求項1に記載の飲料貯蔵装置において、
前記飲料貯蔵装置が包装された幅をPWとし、前記飲料貯蔵装置が包装された高さをPHとし、前記飲料貯蔵装置が包装された奥行をPDとした場合、式(1)を満足する飲料貯蔵装置。
PW+PH+PD≦2000mm ・・・(1)
【請求項4】
請求項1に記載の飲料貯蔵装置において、
前記筐体の下面に設けられた複数の脚と、
前記筐体の下面に設けられた複数のキャスターと、を備え、
前記複数の脚又は前記複数のキャスターは、前記筐体の下面からの突出量が調整可能に構成されている飲料貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な形状及び容量の容器に収容されたワインや日本酒等の飲料を貯蔵するために用いられる飲料貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店はもちろん、最近では家庭でも、各種の飲料を貯蔵するためのワインセラー等の飲料貯蔵装置が設置されているところがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたワインセラーには、固定された中仕切りプレートを挟んで、個別に温度管理が可能な上保存室及び下保存室が設けられている。上保存室及び下保存室には、シャンパン型のワインボトルをスムーズに出し入れ可能な高さでピッチが設定された棚受けがそれぞれ設けられ、各棚板が取り外し可能である。
【0004】
上保存室には、寝かせた状態で3本のワインボトルを収納可能な棚板が縦に4段構成で設けられ、最大で計12本のワインボトルが収納可能である。
【0005】
一方、下保存室では、中仕切りプレートの下に、寝かせた状態で3本のワインボトルを収納可能な棚板が縦に3段構成で設けられている。また、下保存室の下部奥には、コンプレッサー等が収納された収納庫が設けられている。下保存室では、収納庫前にワインボトル3本を斜めに配置することができ、最大で計12本のワインボトルが収納可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6347076号公報(段落0014~段落0017、
図1-1及び
図1-2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
飲料貯蔵装置に貯蔵される飲料には、前記したワインや日本酒の他、ビール、清涼飲料などがある。
ワインボトルの形状には、前記シャンパン型の他、ボルドー型、ブルゴーニュ型、ライン型・モーゼル型、アルザス型、ボックスボイテル型などがある。
【0008】
ボルドー型は「いかり肩」の形状、ブルゴーニュ型は「なで肩」の形状をしている。シャンパン型には、ブルゴーニュ型に似た一般的なタイプや、ボトルネックが細く底がすぼまったもの、ボトルネックが長くボトル下部がずっしりと太くなったものなどがある。
【0009】
ライン型・モーゼル型は、ブルゴーニュ型よりもさらに肩の部分が急斜面になったスリムな形状をしている。アルザス型は、ライン型・モーゼル型に似ているが、より細長いスマートな形状をしている。ボックスボイテル型は、ボトルネックから下がふっくらと円状に膨らんでいる。
【0010】
また、ワインボトルの容量には、例えば、200ml、375ml、750ml、1500ml、3000ml、6000ml、9000mlなど様々ある。
【0011】
ここで、容量が750mlである一部のワインボトルの高さ及び底部直径の一例について表1に示す。
【0012】
【0013】
一方、日本酒は、瓶の形状はほぼ同じであるが、瓶の容量、高さ及び底部直径は、表2に示すように異なっている。
【0014】
【0015】
また、ビールは、瓶及び缶の形状はほぼ同じであるが、容量については、瓶が大瓶(容量:633ml)、中瓶(容量:500ml)及び小瓶(容量:334ml)等の7種類、缶が超ミニ缶(容量:135ml)、ミニ缶(容量:250ml)、レギュラー缶(容量:350ml)及びロング缶(容量:500ml)等の8種類がある。
このように、飲料貯蔵装置に貯蔵される飲料の容器は形状及び容量が様々である。
【0016】
ところが、特許文献1に記載されたワインセラーでは、シャンパン型のワインボトルをスムーズに出し入れ可能な高さでピッチが設定された棚受けが設けられ、各棚板が取り外し可能となっているに過ぎない。
【0017】
このため、特許文献1に記載されたワインセラーでは、シャンパン型より大きなワインボトルが収容できない一方、シャンパン型より小さなワインボトルを収容する場合には余った空間ができて無駄が生じてしまう。
【0018】
前記した課題は、ワイン以外の他の飲料を収容する場合についても同様である。例えば、前記ワインセラーでは、一升瓶の日本酒が収容できない場合、仮に一升瓶の日本酒が収容できたとしても、ワイン等の他の飲料の収容本数がその分減少する場合などがある。
【0019】
本発明は、様々な形状及び容量の容器に収容された各種の飲料を必要最小限の容量で無駄なく貯蔵可能な飲料貯蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る飲料貯蔵装置は、容器に収容された飲料を貯蔵するための飲料貯蔵装置であって、前記容器を収容するための少なくとも1つの貯蔵室と、前記貯蔵室に取り付けられ、複数の前記容器を寝かせた状態で搭載可能な少なくとも1つの棚と、前記貯蔵室に取り付けられ、複数の前記容器を寝かせた状態又は立たせた状態で搭載可能なラックと、を備えている。
【0021】
本発明に係る飲料貯蔵装置において、前記貯蔵室の内側壁には、複数組の棚受けが取り付け可能に構成され、前記棚及び前記ラックは、前記複数組の棚受けに取り付けられる。
【0022】
本発明に係る飲料貯蔵装置において、前記飲料貯蔵装置が包装された幅をPWとし、前記飲料貯蔵装置が包装された高さをPHとし、前記飲料貯蔵装置が包装された奥行をPDとした場合、式(1)を満足する。
PW+PH+PD≦2000mm ・・・(1)
【0023】
本発明に係る飲料貯蔵装置において、前記筐体の下面に設けられた複数の脚と、前記筐体の下面に設けられた複数のキャスターと、を備え、前記複数の脚又は前記複数のキャスターは、前記筐体の下面からの突出量が調整可能に構成されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、様々な形状及び容量の容器に収容された各種の飲料を必要最小限の容量で無駄なく貯蔵することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る飲料貯蔵装置に各種飲料を貯蔵し、扉を取り除いた状態の一例を示す正面図である。
【
図8】
図1に示す飲料貯蔵装置を構成するラックの構造の一例を示す斜視図である。
【
図9】
図1に示す飲料貯蔵装置を構成する棚の構造の一例を示す斜視図である。
【
図10】
図1に示す飲料貯蔵装置を構成するキャスターを使用可能とした状態の一例を示す部分拡大右側面図である。
【
図11】
図1に示す飲料貯蔵装置を設置した状態の一例を示す部分拡大右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
1.一実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係る飲料貯蔵装置1に各種飲料を貯蔵し、扉15を取り除いた状態の一例を示す正面図である。
【0027】
また、
図2は飲料貯蔵装置1の正面図、
図3は飲料貯蔵装置1の背面図、
図4は飲料貯蔵装置1の左側面図である。さらに、
図5は飲料貯蔵装置1の右側面図、
図6は飲料貯蔵装置1の平面図、
図7は飲料貯蔵装置1の底面図である。
【0028】
飲料貯蔵装置1は、筐体11と、中仕切り部12と、上貯蔵室13と、下貯蔵室14と、扉15と、ラック16と、複数の棚17とを備えている。
【0029】
筐体11は、中空の直方体形状であって、前面が開口している。筐体11は、例えば、スチール等により構成される外壁と、合成樹脂等により構成される内壁との間に、発泡スチロール、ウレタンフォーム、グラスウール等の断熱材料が詰め込まれて構成されている。
【0030】
中仕切り部12は、筐体11の上下方向のほぼ中央に固定され、上貯蔵室13と下貯蔵室14とを区画している。中仕切り部12には、タッチ式の操作パネル12Aが配置されている。
【0031】
操作パネル12Aは、主電源をオン/オフするためのスイッチ、上貯蔵室13及び下貯蔵室14内の照明を個別にオン/オフするためのスイッチ、上貯蔵室13及び下貯蔵室14内の温度を個別に調整するためのアップ/ダウンボタン、上貯蔵室13及び下貯蔵室14内の現在の温度を表示するための表示器等から構成されている。
【0032】
上貯蔵室13及び下貯蔵室14の内側壁には、それぞれ、一対の棚受け21及び22が複数組所定間隔で取り付けられている。
図1の例では、上貯蔵室13には、棚受け21
1及び22
1の組、棚受け21
2及び22
2の組、並びに、棚受け21
3及び22
3、計3組の棚受け21及び22が所定間隔で取り付けられ、3段の棚17が取り付け可能に構成されている。
【0033】
一方、下貯蔵室14には、棚受け214及び224の組、棚受け215及び225の組、並びに、棚受け216及び226、計3組の棚受け21及び22が所定間隔で取り付けられ、3段の棚17が取り付け可能に構成されている。
【0034】
上貯蔵室13は、例えば、0℃~10℃の範囲内で1℃単位の温度調整が可能である。一方、下貯蔵室14は、例えば、10℃~20℃の範囲内で1℃単位の温度調整が可能である。
【0035】
扉15は、右端が一対のピボット蝶番18A及び18Bを介して筐体11に取り付けられ、正面から見て右側に開閉可能な右開きタイプである。なお、扉15は、使用者が一対のピボット蝶番18A及び18Bを筐体11の左端に付け替えることにより、正面から見て左側に開閉可能な左開きタイプに変更可能に構成されている。扉15は、枠体15Aと、枠体15Aに嵌め込まれた化粧板15Bと、扉15を開閉するための取っ手15Cとから構成されている。
【0036】
枠体15Aは、合成樹脂、木、金属等、貯蔵された飲料を保温するための断熱性を有する各種材料により構成されている。一方、化粧板15Bは、合成樹脂、木、金属、ガラス等、貯蔵された飲料を保温するための断熱性を有する各種材料により構成されている。
【0037】
化粧板15Bをガラスにより構成する場合、視認性が良好であり、断熱性及びインテリア性に優れた3層構造のフルフラットガラスを用いることが好ましい。例えば、外層を4mm厚の灰色強化ガラス、中間層を3mm厚の透明ガラス、内層を4mm厚の透明強化ガラスとし、外層と中間層との間及び、中間層と内層との間にそれぞれ中空層を設けることにより、中空層に存在する空気が断熱材料として機能し、熱の移動を防ぎ、夏の結露を低減でき、紫外線によるワイン等の飲料の劣化を予防できる。
【0038】
図8は、飲料貯蔵装置1を構成するラック16の構造の一例を示す斜視図である。ラック16は、本実施形態では、底部直径が85mm前後のワインボトル又は四合瓶等に収容されたワイン、日本酒又は焼酎等を寝かせた状態で計4本を棚部16A~16Dに搭載可能に構成されている。また、ラック16は、本実施形態では、一升瓶又は一升瓶と同等の高さ及び底部直径を有する瓶等に収容された日本酒、焼酎又はワイン等を立たせた状態で計3本を前横材16Eと後横材16Fとの間に搭載可能に構成されている。
【0039】
ラック16は、例えば、複数の棒材又はパイプ材を溶接等の接合技術を用いて接合したり、複数の棒材又はパイプ材を結合部材を用いて結合したりして構成されている。ラック16を上貯蔵室13に設置する場合、使用者は、
図1に示すように、側横材16Gを棚受け21
3に掛けるとともに、側横材16Hを棚受け22
1に掛け、側横材16Iを棚受け22
3に掛ける。
【0040】
ラック16は、例えば、スチール、ステンレスやアルミニウム・マグネシウム系合金等の各種材料により構成されている。
【0041】
図9は、飲料貯蔵装置1を構成する棚17の構造の一例を示す斜視図である。棚17は、本実施形態では、底部直径が85mm前後のワインボトル又は四合瓶等に収容されたワイン、日本酒又は焼酎等を寝かせた状態で計3本を搭載可能に構成されている。
【0042】
棚17は、例えば、複数の棒材又はパイプ材を溶接等の接合技術を用いて接合したり、複数の棒材又はパイプ材を結合部材を用いて結合したりして構成されている。棚17を下貯蔵室14に設置する場合、使用者は、例えば、
図1に示すように、側横材17Aを棚受け21
4に掛けるとともに、側横材17Bを棚受け22
4に掛け、側横材17Aを棚受け21
5に掛けるとともに、側横材17Bを棚受け22
5に掛ける。
【0043】
棚17は、例えば、スチール、ステンレスやアルミニウム・マグネシウム系合金等の各種材料により構成されている。
【0044】
図3に示すように、筐体11の背面に裏板19が取り付けられ、筐体11の下部背面側にコンプレッサー20が設置されている。
【0045】
[筐体11の下面における構造]
筐体11の下面には、
図7に示すように、前面側両端近傍に脚31及び32が設けられ、背面側両端近傍に脚33及び34が設けられている。また、筐体11の下面には、前面側中央に自在キャスター41が設けられ、背面側両端近傍に固定キャスター42及び43が設けられている。
【0046】
脚31~34は、軸外周に形成された雄ネジと、筐体11の下面に穿設された孔内周に形成された雌ネジとの螺合状態を変更させることにより、筐体11の下面からの突出量が調整可能に構成されている。作業者は、飲料貯蔵装置1を移動する場合には、
図10に示すように、脚31~34を床面に接触させないように、脚31~34を回転させて脚31~34の筐体11の下面からの突出量を最小とする。
【0047】
一方、飲料貯蔵装置1を床に設置する場合には、作業者は、
図11に示すように、自在キャスター41、固定キャスター42及び43を床面に接触させないように、脚31~34を回転させて脚31~34の筐体11の下面からの突出量を調整し、脚31~34の各下端と自在キャスター41、固定キャスター42及び43の各下端との距離を距離Dとする。距離Dは、例えば、5mm程度が好ましい。
【0048】
自在キャスター41は、360度いずれの方向にも進行方向が変更可能な旋回機能付きである。固定キャスター42及び43は、進行方向が筐体11の前面から背面へ向かう方向に固定されているため、直進性が良好である。
【0049】
[飲料貯蔵装置1の寸法及び貯蔵の一例]
本実施形態に係る飲料貯蔵装置1の寸法は、例えば、以下の通りである。ここで、飲料貯蔵装置1の幅をWとし、飲料貯蔵装置1の高さをHとし、前記飲料貯蔵装置1の奥行をDとする。W、H及びDの意味は、後述する例1及び例2においても同様である。
W:330mm
H:1040mm
D:475mm
W+H+D=1845mm
【0050】
また、飲料貯蔵装置1を配送するために、飲料貯蔵装置1の各寸法(W、H及びD)よりもそれぞれ40mmだけ大きい直方体の包装材料(例えば、緩衝材及び段ボール)を用いて包装することを想定する。
【0051】
ここで、飲料貯蔵装置1が包装された幅をPWとし、飲料貯蔵装置1が包装された高さをPHとし、飲料貯蔵装置1が包装された奥行をPDとする。PW、PH及びPDの意味は、後述する例1及び例2においても同様である。
【0052】
PW:370mm
PH:1080mm
PD:515mm
PW+PH+PD=1965mm
【0053】
図1の例では、上貯蔵室13には、ラック16の前横材16Eと後横材16Fとの間に、一升瓶に収容された3本の日本酒51が前後方向に立たせた状態でそれぞれ貯蔵されている。
図1には、正面側の1本の日本酒51だけが示されている。
【0054】
また、上貯蔵室13には、ラック16の棚部16A~16Dに、容量750mlのシャンパン型ワインボトルに収容されたシャンパン52~55がそれぞれ貯蔵されている。
【0055】
一方、下貯蔵室14には、上段の棚17に、容量750mlのボルドー型ワインボトルに収容されたボルドーワイン56~58がそれぞれ貯蔵されている。また、下貯蔵室14には、下段の棚17に、容量750mlのブルゴーニュ型ワインボトルに収容されたブルゴーニュワイン59~61がそれぞれ貯蔵されている。
【0056】
さらに、下貯蔵室14の床面には、容量750mlのボルドー型ワインボトルに収容された9本のボルドーワイン56~58が3行3列に立たせた状態でそれぞれ貯蔵されている。
図1には、正面側の3本のボルドーワイン56~58だけが示されている。
【0057】
また、
図1には示していないが、下貯蔵室14の下部奥には、
図3に示すコンプレッサー20の前部及び上部との隔壁が設けられ、下段の棚17と上部隔壁との間に空間が形成されている。前記空間には、レギュラー缶(容量:350ml)に収容された3本の缶ビールが左右方向に寝かせた状態でそれぞれ貯蔵されている。
【0058】
つまり、飲料貯蔵装置1における飲料の最大収容本数は、
図1の例では、一升瓶が3本、容量750mlのシャンパン型ワインボトルが4本、容量750mlのボルドー型ワインボトルが12本、容量750mlのブルゴーニュ型ワインボトルが3本、容量350mlのビール缶が3缶であり、計25本である。
【0059】
[従来の飲料貯蔵装置の寸法及び貯蔵の一例]
一方、従来の飲料貯蔵装置の寸法及び包装された場合の寸法は、例えば、以下の通りである。
(例1)
W:450mm
H:1410mm
D:425mm
W+H+D=2285mm
【0060】
PW:490mm
PH:1450mm
PD:465mm
PW+PH+PD=2405mm
【0061】
例1の飲料貯蔵装置における飲料の最大収容本数は、例えば、容量750mlのワインボトルが24本である。
【0062】
(例2)
W:380mm
H:1150mm
D:476mm
W+H+D=2006mm
【0063】
PW:420mm
PH:1190mm
PD:516mm
PW+PH+PD=2126mm
【0064】
例2の飲料貯蔵装置における飲料の最大収容本数は、例えば、一升瓶の日本酒が5本、四合瓶の日本酒が16本である。
【0065】
つまり、本実施形態に係る飲料貯蔵装置1が包装された場合の寸法は、以下に示す式(1)を満たしているが、例1及び例2の飲料貯蔵装置が包装された場合の寸法は式(1)を満たしていない。
PW+PH+PD≦2000mm ・・・(1)
【0066】
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る飲料貯蔵装置1は、貯蔵室13及び14と、2つの棚17と、ラック16と、を備えている。ラック16は、貯蔵室13に取り付けられ、3本の日本酒51を立たせた状態で搭載可能であり、シャンパン52~55を寝かせた状態で搭載可能である。各棚17は、貯蔵室14に取り付けられ、ボルドーワイン56~58及びブルゴーニュワイン59~61を寝かせた状態でそれぞれ搭載可能である。
【0067】
また、本実施形態に係る飲料貯蔵装置1は、貯蔵室13及び14の内側壁には、複数組の棚受け211~216及び221~226が取り付け可能に構成され、ラック16及び各棚17は、複数組の棚受け211~216及び221~226に取り付けられる。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、様々な形状及び容量の容器に収容された各種の飲料を必要最小限の容量で無駄なく貯蔵することができる。
【0069】
さらに、本実施形態に係る飲料貯蔵装置1は、飲料貯蔵装置が包装された幅をPWとし、飲料貯蔵装置が包装された高さをPHとし、飲料貯蔵装置が包装された奥行をPDとした場合、式(1)を満足する。
PW+PH+PD≦2000mm ・・・(1)
【0070】
したがって、飲料貯蔵装置1を配送する際の料金を低く抑えることができる。何故なら、配送業者は、一般に、配送料金を配送物、すなわち、商品本体が包装された幅、高さ及び奥行の合計(PW+PH+PD)に基づいて設定しており、前記式(1)を満足する場合と満足しない場合とでは配送料金が大きく異なってしまうからである。
【0071】
また、本実施形態に係る飲料貯蔵装置1は、筐体11の下面に設けられた脚31~34と、筐体11の下面に設けられたキャスター41~43と、を備え、脚31~34は、筐体11の下面からの突出量が調整可能に構成されている。
【0072】
したがって、本実施形態によれば、重量及び容積が大きい飲料貯蔵装置1の移動及び設置を少ない人数で容易に行うことができる。
【0073】
2.応用例
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0074】
[第1応用例]
前記一実施形態では、ラック16は
図8に示す形状を有し、上貯蔵室13だけに取り付ける例を示したが、これに限定されない。ラック16は、搭載される容器の形状又は容量あるいは搭載本数に応じて異なる形状を有するものを複数予め用意していても良い。また、ラック16は、下貯蔵室14の形状に合わせた形状をしていても良い。さらに、ラック16を手前に引き出せるように構成しても良い。
【0075】
このように構成すれば、ラック16を交換するだけで使用者の需要に柔軟に対応できる。また、前後方向に立たせた状態で収容されている背面側の容器を容易に取り出すことができたり、寝かせた状態で収容されている容器に貼られたラベルを容易に確認することができたりする。
【0076】
[第2応用例]
前記一実施形態では、上貯蔵室13及び下貯蔵室14を設ける例を示したが、これに限定されず、貯蔵室は、1つだけ設けても良く、3つ以上設けても良い。
【0077】
[第3応用例]
前記一実施形態では、上貯蔵室13及び下貯蔵室14の内側壁に一対の棚受け211~216及び221~226を所定間隔で設ける例を示したが、これに限定されない。例えば、一対の棚受け21及び22を取り付け及び取り外し可能に構成するとともに、上貯蔵室13及び下貯蔵室14の内側壁に、一対に棚受け21及び22が取り付け及び取り外し可能な孔を所定間隔で形成しても良い。
【0078】
このように構成すれば、飲料を収容する瓶や缶の形状や容量に応じて棚17同士の間隔を自由に変更することができ、形状及び容量が異なる容器に収容された複数種類の飲料を無駄なく多数収容することができる。
【0079】
[第4応用例]
前記一実施形態では、脚31~34は、軸外周に形成された雄ネジと、筐体11の下面に穿設された孔内周に形成された雌ネジとの螺合状態を変更させることにより、筐体11の下面からの突出量が調整可能に構成されている例を示したが、これに限定されない。
【0080】
例えば、飲料貯蔵装置1を移動する場合は脚31~34を取り外し、飲料貯蔵装置1を設置する場合は脚31~34にアダプタを取り付けて自在キャスター41並びに固定キャスター42及び43を床面から浮くように、筐体11の下面からの脚31~34の突出量を調整可能に構成しても良い。
【0081】
あるいは、脚31~34の長さを常時同じとし、飲料貯蔵装置1を移動する場合、自在キャスター41並びに固定キャスター42及び43の筐体11の下面からの突出量が脚31~34よりも大きくなるように構成しても良い。
【0082】
[その他の応用例]
前記一実施形態では、飲料はワイン、日本酒、焼酎であり、容器は瓶や缶である例を示したが、これに限定されない。飲料は、酒類だけでなく、清涼飲料水、乳酸菌飲料、牛乳等でも良く、容器は瓶や缶だけでなく、プラスチックボトルや紙パック等でも良い。
【符号の説明】
【0083】
1…飲料貯蔵装置、11…筐体、12…中仕切り部、12A…操作パネル、13…上貯蔵室、14…下貯蔵室、15…扉、15A…枠体、15B…化粧板、15C…取っ手、16…ラック、16A~16D…棚部、16E…前横材、16F…後横材、16G~16I,17A,17B…側横材、17…棚、18A,18B…ピボット蝶番、19…裏板、20…コンプレッサー、21,211~216,22,221~226…棚受け、31~34…脚、41…自在キャスター、42,43…固定キャスター、51…日本酒、52~55…シャンパン、56~58,62~64…ボルドーワイン、59~61…ブルゴーニュワイン。