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特開2025-4326荷重分布センサの検査装置及び検査方法
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  • 特開-荷重分布センサの検査装置及び検査方法 図1
  • 特開-荷重分布センサの検査装置及び検査方法 図2
  • 特開-荷重分布センサの検査装置及び検査方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004326
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】荷重分布センサの検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 25/00 20060101AFI20250107BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G01L25/00 A
G01L5/00 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103935
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】永末 純一
(72)【発明者】
【氏名】菊地 貢
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB05
2F051BA07
(57)【要約】
【課題】導電性シートの破壊箇所が微小であっても、簡便に精度よく導電性シートの検査を行うこと。
【解決手段】実施形態に係る検査装置20は、第1面内に複数平行に配置される駆動側ループ電極11と、第1面と平行な第2面内に駆動側ループ電極11と直交する方向に複数平行に配置される検出側ループ電極12と、第2面上に、押圧力に応じて変形する中間層13を介して設けられる導電性シート14とを含み、駆動側ループ電極11及び検出側ループ電極12の一方を駆動し、他方から電磁結合による信号を検出する荷重分布センサの検査装置であって、導電性シート14上に、駆動側ループ電極11と検出側ループ電極12の電磁結合部を覆うように配置された、導電性シート14よりも抵抗値の低い導電性部材21と、導電性部材21の電磁結合による信号を検出する検出部16とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面内に複数平行に配置される第1ループ電極と、前記第1面上で該第1面と平行な第2面内に前記第1ループ電極と直交する方向に複数平行に配置される第2ループ電極と、前記第2面上に、押圧力に応じて変形する中間層を介して設けられる導電性シートとを含み、前記第1ループ電極及び第2ループ電極の一方を駆動し、他方から電磁結合による信号を検出する荷重分布センサの検査装置であって、
前記導電性シート上に、前記第1ループ電極と前記第2ループ電極の電磁結合部を覆うように配置された、前記導電性シートよりも抵抗値の低い導電性部材と、
前記導電性部材の電磁結合による信号を検出する検出部と、
を備える、
荷重分布センサの検査装置。
【請求項2】
前記導電性部材は、所定の面積で前記導電性シートを覆う、
請求項1に記載の荷重分布センサの検査装置。
【請求項3】
前記導電性部材は、前記荷重分布センサの前記第1ループ電極と前記第2ループ電極とにより画定される測定領域と略等しいか又は小さい面積を有する導電性部材である、
請求項1又は2に記載の荷重分布センサの検査装置。
【請求項4】
前記導電性部材は、前記荷重分布センサの前記第1ループ電極と前記第2ループ電極とにより画定される測定領域よりも小さい面積を有する導電性部材であり、
前記導電性部材を、前記測定領域上でスライド移動させる移動機構をさらに備える、
請求項1又は2に記載の荷重分布センサの検査装置。
【請求項5】
前記導電性部材は、前記導電性シートと同一の材料からなり、前記導電性シートよりも厚い、
請求項1又は2に記載の荷重分布センサの検査装置。
【請求項6】
前記導電性部材は、前記導電性シートよりも抵抗値の低い材料からなる、
請求項1又は2に記載の荷重分布センサの検査装置。
【請求項7】
第1面内に複数平行に配置される第1ループ電極と、前記第1面上で該第1面と平行な第2面内に前記第1ループ電極と直交する方向に複数平行に配置される第2ループ電極と、前記第2面上に、押圧力に応じて変形する中間層を介して設けられる導電性シートとを含み、前記第1ループ電極及び第2ループ電極の一方を駆動し、他方から電磁結合による信号を検出する荷重分布センサの検査方法であって、
前記導電性シート上に、前記第1ループ電極と前記第2ループ電極の電磁結合部を覆うように、前記導電性シートよりも抵抗値の低い導電性部材を配置するステップと、
前記導電性部材の電磁結合による信号を検出するステップと、
を含む、
荷重分布センサの検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重分布センサの検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検出面への圧力による電磁結合の度合いの変化を利用する圧力分布検出装置が開示されている。この圧力分布検出装置は、基板の対向する面にそれぞれ配置される複数の駆動側ループ状配線、検出側ループ状配線と、検出側ループ状配線上に順に設けられるクッション材及び導電性シートを備えている。駆動側ループ状配線と検出側ループ状配線とは、それぞれ電磁結合するように構成されている。この電磁結合の度合いの変化を検出することで、圧力分布が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-63526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、電磁誘導方式の荷重分布センサの故障モードの一つとして導電性シートの疲労破壊がある。このような導電性シートの破壊箇所を検査する場合、導電性シート上には略全面に保護板が設けられるため、目視により検出することは難しい。
【0005】
また、このような荷重センサは一般に検出面が広いため、荷重分布センサに端から順に荷重をかけて、荷重値の変化に基づき検査を行うと、膨大な時間がかかるという問題がある。さらに、導電性シートの疲労破壊による破壊箇所は微小であるため、荷重値の変化が小さく、精度よく見つけることは困難である。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、導電性シートの破壊箇所が微小であっても、簡便に精度よく検査を行うことが可能な荷重分布センサの検査装置及び検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る荷重分布センサの検査装置は、第1面内に複数平行に配置される第1ループ電極と、前記第1面上で該第1面と平行な第2面内に前記第1ループ電極と直交する方向に複数平行に配置される第2ループ電極と、前記第2面上に、押圧力に応じて変形する中間層を介して設けられる導電性シートとを含み、前記第1ループ電極及び第2ループ電極の一方を駆動し、他方から電磁結合による信号を検出する荷重分布センサの検査装置であって、前記導電性シート上に、前記第1ループ電極と前記第2ループ電極の電磁結合部を覆うように配置された、前記導電性シートよりも抵抗値の低い導電性部材と、前記導電性部材の電磁結合による信号を検出する検出部とを備えるものである。
【0008】
本発明の第2態様に係る荷重分布センサの検査装置において、前記導電性部材は、所定の面積で前記導電性シートを覆う。
【0009】
本発明の第3態様に係る荷重分布センサの検査装置において、前記導電性部材は、前記荷重分布センサの前記第1ループ電極と前記第2ループ電極とにより画定される測定領域と略等しいか又は小さい面積を有する導電性部材である。
【0010】
本発明の第4態様に係る荷重分布センサの検査装置において、前記導電性部材は、前記荷重分布センサの前記第1ループ電極と前記第2ループ電極とにより画定される測定領域よりも小さい面積を有する導電性部材であり、前記導電性部材を、前記測定領域上でスライド移動させる移動機構をさらに備える。
【0011】
本発明の第5態様に係る荷重分布センサの検査装置において、前記導電性部材は、前記導電性シートと同一の材料からなり、前記導電性シートよりも厚い。
【0012】
本発明の第6態様に係る荷重分布センサの検査装置において、前記導電性部材は、前記導電性シートよりも抵抗値の低い材料からなる。
【0013】
本発明の第7態様に係る荷重分布センサの検査方法は、第1面内に複数平行に配置される第1ループ電極と、前記第1面上で該第1面と平行な第2面内に前記第1ループ電極と直交する方向に複数平行に配置される第2ループ電極と、前記第2面上に、押圧力に応じて変形する中間層を介して設けられる導電性シートとを含み、前記第1ループ電極及び第2ループ電極の一方を駆動し、他方から電磁結合による信号を検出する荷重分布センサの検査方法であって、前記導電性シート上に、前記第1ループ電極と前記第2ループ電極の電磁結合部を覆うように、前記導電性シートよりも抵抗値の低い導電性部材を配置するステップと、前記導電性部材の電磁結合による信号を検出するステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導電性シートの破壊箇所が微小であっても、簡便に精度よく検査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る荷重分布センサの検査装置を説明する図である。
図2】トレッドミルに荷重分布センサを適用した例を示す図である。
図3】荷重分布センサの概略構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0017】
実施形態は、電磁誘導方式の荷重分布センサの検査装置に関する。まず、図3を参照して、荷重分布センサの概略構成について説明する。図3は、荷重分布センサの概略構成を説明する図である。図3では、特許文献1に記載の荷重分布センサの積層構造を一部分解して図示している。
【0018】
図3に示すように、荷重分布センサ10は、駆動側ループ電極11、検出側ループ電極12、中間層13、導電性シート14、駆動部15、検出部16を含む。駆動側ループ電極11は、第1面内に複数平行に配置されている。検出側ループ電極12は、第1面上で該第1面と平行な第2面内に複数平行に配置される。検出側ループ電極12は、駆動側ループ電極11とそれぞれ直交する。
【0019】
駆動側ループ電極11、検出側ループ電極12は、例えば、基板(不図示)の対向する面にそれぞれ配置される。なお、図3に示す例では、駆動側ループ電極11が基板の裏面に、検出側ループ電極12が基板の表面に配置されているが、逆に配置されていても良い。また、駆動側ループ電極11、検出側ループ電極12が1枚の基板の両面にそれぞれ配置される例に限定されない。例えば、駆動側ループ電極11、検出側ループ電極12がそれぞれ形成された2枚の基板を積層してもよく、基板を用いずに空中配線等により各ループ電極を配置しても良い。
【0020】
駆動側ループ電極11、検出側ループ電極12には、各ループ電極の交差する位置に合わせて、それぞれコイル状パターンが形成されている。これらのコイル状パターンは電磁結合するように構成され、電磁結合部17が形成される。電磁結合部17は、荷重分布センサ10の測定領域内にマトリクス状に配置される。なお、電磁結合部の構成は、従来の種々の構成が適用可能である。
【0021】
検出側ループ電極12上には、導電性シート14が配置されている。導電性シート14は、導電性を有する膜であり、例えばアルミニウム箔や銅箔等からなる。導電性シート14としては、例えば、0.1~0.2mmの厚さのアルミニウム箔を用いることができる。導電性シート14は、荷重分布センサ10の測定領域の略全面に設けられている。
【0022】
なお、ここでは図示していないが、導電性シート14上の略全面に、荷重測定の際に直接踏まれることを目的とした保護板が設けられている。このような保護板の材料としては、例えば、ターポリンなどの防水シート等を用いることができる。ターポリンは、繊維の布を軟質の合成樹脂フィルムでサンドイッチした複合シートである。また、保護板は、アクリル板やポリカーボネート板等で形成されてもよい。
【0023】
検出側ループ電極12と導電性シート14との間には、中間層13が配置されている。なお、駆動側ループ電極11が基板の表面に設けられる場合には、駆動側ループ電極11と導電性シート14との間に中間層13が配置されることになる。中間層13は、押圧力に応じて変形するクッション材である。中間層13は、例えば、ウレタンフォーム等の電磁結合に影響を及ぼさない絶縁性材料が用いられる。
【0024】
駆動側ループ電極11には駆動部15が接続され、検出側ループ電極12には検出部16が接続されている。駆動部15は、複数の駆動側ループ電極11を交流電流により順次駆動する。検出部16は、各電磁結合部17の電磁結合の度合いの変化を順次検出する。なお、駆動部15、検出部16は、従来の種々の構成を適用可能である。
【0025】
このような荷重分布センサ10では、駆動側ループ電極11を駆動すると、電磁結合部17の電磁結合により、検出側ループ電極12に交流起電力が誘起される。この起電力の大きさは、電磁結合の度合いによって変化する。電磁結合の度合いは、電磁結合部17と導電性シート14との距離によって変化する。
【0026】
導電性シート14に荷重が加えられ、導電性シート14が電磁結合部17に近づくと、検出側ループ電極12から検出される電流が変化する。荷重分布センサ10は、複数の検出側ループ電極12からの電流を順次検出することで、荷重値とその位置を検出する。
【0027】
このように、荷重分布センサ10では、駆動側ループ電極11と検出側ループ電極12の電磁結合部17において荷重の測定が行われる。このため、荷重分布センサ10の測定領域は、駆動側ループ電極11と検出側ループ電極12とにより画定されることとなる。
【0028】
このような荷重分布センサ10において、導電性シート14が疲労破壊等により破壊されると、本来検出されるべき値とは異なる値が出力されてしまう。実施形態に係る荷重分布センサ10の検査装置は、導電性シート14の破壊箇所を検出するものである。
【0029】
図1は、実施形態に係る荷重分布センサ10の検査装置を説明する図である。図1では、荷重分布センサ10の測定領域のサイズが、縦590mm、横1600mmである例が示されている。また、一例として、荷重分布センサ10の一方の長辺の中央近傍に駆動部15、検出部16が集約して設けられている。なお、これらのサイズや形状、配置位置等は、図示の例に限定されるものではない。
【0030】
荷重分布センサ10上には、導電性部材21が配置されている。導電性部材21は、導電性シート14上に、駆動側ループ電極11と検出側ループ電極12の電磁結合部17を覆うように所定の面積で配置されている。図1に示す例では、縦500mm、横500mmの大きさの導電性部材21が用いられる。
【0031】
導電性部材21は、導電性シート14よりも抵抗値が低い。例えば、導電性シート14が0.1~0.2mmの厚さのアルミニウム箔により形成されている場合、導電性部材21としては、同様の厚みの、アルミニウムよりも抵抗値が低い、銀、金、銅等からなる金属板を用いることができる。
【0032】
なお、導電性部材21の材料として導電性シート14と同じ材料を用い、導電性部材21の厚みを導電性シート14の厚みよりも厚くすることで、導電性部材21の抵抗値を導電性シート14よりも小さくすることも可能である。例えば、導電性シート14が0.1~0.2mmの厚さのアルミニウム箔により形成されている場合、導電性部材21としては、導電性部材21よりも厚い、1~5mm程度のアルミニウムからなる金属板を用いることができる。
【0033】
導電性部材21は導電性シート14よりも抵抗値が低いため、導電性シート14よりも電磁誘導による渦電流が発生しやすい。したがって、導電性部材21を、導電性シート14を覆うように配置すると、電磁結合部17のコイル状パターンに交流電流を流すことで発生した誘導磁界によって、導電性シート14の破壊箇所で導電性部材21に発生する渦電流は、導電性シート14が破壊されていない箇所で導電性シート14に発生する渦電流よりも大きくなる。
【0034】
この渦電流の大きさの違いに起因して、導電性シート14の破壊箇所の検出側ループ電極12に誘起される交流起電力の値が、破壊されていない箇所よりも大きくなる。このため、導電性シート14の破壊箇所では、検出部16により検出される検出値が、導電性シート14の破壊されていない箇所と比較して大きくなる。すなわち、検出部16は、検査装置20における導電性部材21の電磁結合による信号を検出する検出部としての機能を兼ね備える。
【0035】
ここで、実施形態に係る荷重分布センサ10の検査方法について説明する。この検査方法は、導電性シート14上に、駆動側ループ電極11と検出側ループ電極12の電磁結合部17を覆うように、導電性シート14よりも抵抗値の低い導電性部材21を配置するステップと、検出部16にて導電性部材21の電磁結合による信号を検出するステップを含む。
【0036】
このように、実施形態では、荷重分布センサ10に実際に荷重をかけて検査を行うのではなく、導電性部材21の電磁誘導による検出値の変化を利用することで、導電性シート14の破壊箇所を特定する検査を行うことができる。荷重分布センサ10を覆うように配置して、検出部16から出力される検出値の変化を観察することで、導電性シート14の破壊箇所が微小であっても、簡便に精度よく検査を行うことが可能となる。
【0037】
また、実施形態では、縦500mm、横500mmの大きさの導電性部材21を荷重分布センサ10の測定領域上を縦横にスライドさせて、測定領域全面の導電性シート14の検査を実行する。これにより、短時間で、荷重分布センサ10の測定領域の略全面の導電性シート14の破壊箇所を特定することができる。
【0038】
なお、導電性部材21の大きさについては特に限定されるものではない。例えば、駆動側ループ電極11と検出側ループ電極12により画定される測定領域と略等しい大きさの導電性部材21を用いて、測定領域全面を一括で検査することも可能である。
【0039】
また、導電性部材21は、測定領域よりも小さい面積であってもよい。検査装置20では導電性部材21の電磁誘導による検出値の変化を用いて導電性シート14の破壊箇所を検査するため、導電性部材21は、隣接する複数の電磁結合部17を覆うように、所定の面積で導電性シート14を覆えばよい。また、荷重分布センサ10の測定領域の縦の長さと等しい長さの帯状の導電性部材21を、荷重分布センサ10の一端から他端に向かって一方向にスライドさせてもよい。
【0040】
また、導電性部材21の形状は、板状に限定されない。導電性部材21の電磁誘導による検出値の変化を測定可能とするために導電性シート14上を所定の面積で覆うものであれば、導電性部材21の形状は、円柱状や角柱状等であってもよい。この場合、導電性部材21を周方向に回転させて、荷重分布センサ10上を移動させることができる。
【0041】
なお、検査装置20は、導電性部材21を荷重分布センサ10の測定領域上でスライド移動させるための移動機構を備えていてもよい。移動機構の具体的な構造は、特に限定されるものではないが、例えば、操作者の操作によって手動で動かされるものであってもよいし、バネ等を用いて弾性的に力を付与するものであってもよいし、所定のアクチュエータにより動作するものであってもよい。
【0042】
上述の荷重分布センサ10は、歩行訓練装置100のトレッドミル101に適用される。図2は、トレッドミル101に荷重分布センサ10を適用した例を示す図である。トレッドミル101は、訓練者の歩行を促す装置である。
【0043】
トレッドミル101は、リング状のベルト102の他、図示しないプーリーやモータを備える。モータによりプーリーを回転させることで、リング状のベルト102を解連鎖セル。歩行訓練を行う訓練者は、ベルト102に乗り、ベルト102の移動に合わせて歩行動作を行う。荷重分布センサ10は、ベルト102の下方に配置される。荷重分布センサ10は、訓練者の足から受ける荷重の分布を検出する。
【0044】
このような荷重分布センサ10の導電性シート14の検査を行う場合には、ベルト102上に導電性部材21を配置して、導電性シート14を覆うようにすることができる。これにより、導電性部材21の電磁誘導による検出値の変化を観察することで、荷重分布センサ10が歩行訓練装置100に組み込まれた状態で、導電性シート14の検査を行うことも可能である。
【0045】
また、ベルト102を駆動することで、ベルト102上に配置された導電性部材21を、荷重分布センサ10上をベルト102とともに移動させることができる。この場合、別途導電性部材21をスライド移動させるための移動機構を設ける必要がない。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 荷重分布センサ
11 駆動側ループ電極
12 検出側ループ電極
13 中間層
14 導電性シート
15 駆動部
16 検出部
17 電磁結合部
20 検査装置
21 導電性部材
100 歩行訓練装置
101 トレッドミル
102 ベルト
図1
図2
図3