(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025043318
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】CVDフォアライン成長を軽減するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20250321BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
C23C16/44 J
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024158279
(22)【出願日】2024-09-12
(31)【優先権主張番号】63/538,762
(32)【優先日】2023-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェレルド・リー・ウィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ・ライサネン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA13
4K030AA14
4K030AA16
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA06
4K030EA01
4K030EA12
4K030HA01
4K030JA10
4K030KA11
4K030KA25
4K030KA41
4K030KA46
5F045AA15
5F045AC01
5F045AC12
5F045AC16
5F045BB14
5F045EE01
5F045EE07
5F045EE19
5F045GB06
(57)【要約】
【課題】CVDフォアライン成長を軽減するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本技術の様々な実施形態は、反応チャンバのフォアラインへのバイパスラインを備えたシステムを提供し得る。システムは、フォアラインに連結されたポンプを含み得る。システムは、バイパスラインの上流に圧力流コントローラを含み得る。バイパスラインは、ポンプ入口でフォアラインに連結され得る。バイパスラインは、コンダクタンスが無制限の流れに対して1%~10%である低流量経路を含み得る。バイパスラインは、バイパスライン内の流体(例えば、ガス)を分解するように構成された分解装置を備えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
反応チャンバと、
前駆体を含有するように構成された第一の容器であって、前記第一の容器が第一のガスラインで前記反応チャンバに連結されている、第一の容器と、
共反応物質を含有するように構成された第二の容器であって、前記第二の容器が前記反応チャンバに連結されている、第二の容器と、
前記反応チャンバに直接連結された第一の端部および対向する第二の端部を備える、フォアラインと、
第一の接合部で前記フォアラインの前記第二の端部に連結された、ポンプと、
前記反応チャンバの入口に連結された第一のセクションと、前記フォアラインに連結された第二のセクションと、を備える第二のガスラインであって、前記第一のセクションおよび前記第二のセクションが、第二の接合部で互いに接続される、第二のガスラインと、
前記第二の容器と前記第二の接合部との間に連結されたマスフローコントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
前記共反応物質が、オゾン、アンモニア、シラン、またはジシランのうちの一つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第二のガスラインの前記第一のセクションが第一のコンダクタンスを有し、前記第二のセクションが第二のコンダクタンスを有し、前記第一のコンダクタンスが前記第二のコンダクタンスと同じである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第二のガスラインの前記第一のセクション内の第一の弁と、前記第二のガスラインの前記第二のセクション内の第二の弁と、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一および第二の弁に制御信号を送信するように構成された制御ユニットをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第二のガスラインの前記第二のセクションに連結され、前記共反応物質を分解するように構成される分解装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記分解装置が触媒またはヒーターのうちの少なくとも一つを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
システムであって、
反応チャンバと、
前記反応チャンバに直接連結された第一の端部および対向する第二の端部を備えるフォアラインと、
前記フォアラインの前記第二の端部に連結されたポンプと、
前駆体を含有するように構成された第一の容器であって、前記第一の容器が第一のガスラインで前記反応チャンバに連結されている、第一の容器と、
共反応物質を含有するように構成された第二の容器であって、前記第二の容器が前記反応チャンバに連結されている、第二の容器と、
前記反応チャンバの入口に連結された第一のセクション、前記フォアラインに連結された第二のセクション、および前記フォアラインに連結された第三のセクションを備える第二のガスラインであって、前記第一のセクションおよび前記第二のセクションが接合部で互いに接続され、前記第二および第三のセクションが互いに平行である、第二のガスラインと、
前記第二の容器と前記接合部との間に連結された圧力流コントローラと、を備える、システム。
【請求項9】
前記第二のガスラインの前記第一のセクション内の第一の弁と、前記第二のガスラインの前記第二のセクション内の第二の弁と、前記第二のガスラインの前記第三のセクション内の第三の弁と、をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記接合部と前記第三の弁との間の前記第三のセクションに連結された流量制限器をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
制御信号を前記第一、第二、および第三の弁に送信するように構成された制御ユニットをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記共反応物質が、オゾン、アンモニア、シラン、またはジシランのうちの一つである、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第一のセクションが第一のコンダクタンスを有し、前記第二のセクションが第二のコンダクタンスを有し、前記第三のセクションが第三のコンダクタンスを有し、前記第三のコンダクタンスが前記第一のコンダクタンスよりも95%小さい、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポンプがドライ真空ポンプである、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
システムであって、
反応チャンバと、
前記反応チャンバに直接連結された第一の端部および対向する第二の端部を備えるフォアラインと、
第一の接合部で前記フォアラインの前記第二の端部に連結されたポンプと、
前駆体を含有するように構成された第一の容器であって、前記第一の容器が第一のガスラインで前記反応チャンバに連結されている、第一の容器と、
共反応物質を含有するように構成された第二の容器であって、前記第二の容器が前記反応チャンバに連結されている、第二の容器と、
前記反応チャンバの入口に連結された第一のセクションと、前記第一の接合部に連結された第二のセクションとを備える第二のガスラインであって、前記第一のセクションおよび前記第二のセクションが、第二の接合部で互いに接続される、第二のガスラインと、を備える、システム。
【請求項16】
前記第二の容器と前記第二の接合部との間に連結された圧力流コントローラをさらに備え、
前記第二のガスラインが、前記第二の接合部と前記フォアラインとの間に連結された第三のセクションをさらに備え、前記第二および第三のセクションが互いに平行である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ポンプがドライ真空ポンプである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第一のセクションが第一のコンダクタンスを有し、前記第二のセクションが第二のコンダクタンスを有し、前記第三のセクションが第三のコンダクタンスを有し、前記第三のコンダクタンスが前記第一のコンダクタンスよりも95%小さい、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記第二のガスラインの前記第一のセクション内の第一の弁と、前記第二のガスラインの前記第二のセクション内の第二の弁と、前記第二のガスラインの前記第三のセクション内の第三の弁と、をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記第二の接合部と前記第三の弁との間の前記第三のセクションに連結された流量制限器をさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年9月15日に出願され、「METHODS AND SYSTEM FOR MITIGATING CVD FORELINE GROWTH」と題された、米国仮特許出願第63/538,762号の非仮特許出願であり、その優先権および利益を主張し、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は概して、CVDフォアライン成長を軽減するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本開示は、圧力コントローラを利用して用量を計量すること、バイパス終端をポンプ入口に隣接して再配置すること、および/またはフォアラインに到達する前に、もしくはフォアライン内でガスを分解することに関する。
【背景技術】
【0003】
堆積を実施する半導体処理設備は、処理設備の望ましくない領域におけるCVD成長に悩まされる場合がある。特に、前駆体が共反応物質と共にパルスされるALDプロセスでは、共反応物質が前駆体と共存することに起因して、フォアラインにおいて過剰なCVD成長が観察される場合がある。このCVD成長は、フォアラインの内側壁への接着が悪い低密度の粉末を形成する場合があり、壁から定期的に剥離し、ポンプに運ばれ、ポンプの故障を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本技術の様々な実施形態は、反応チャンバのフォアラインへのバイパスラインを備えたシステムを提供し得る。システムは、フォアラインに連結されたポンプを含み得る。システムは、バイパスラインの上流に圧力流コントローラを含み得る。バイパスラインは、ポンプ入口でフォアラインに連結され得る。バイパスラインは、コンダクタンスが1%~10%である低流量経路を含み得る。
【0005】
一態様によれば、システムは、反応チャンバと、前駆体を含有するように構成された第一の容器であって、第一の容器が第一のガスラインで反応チャンバに連結される、第一の容器と、共反応物質を含有するように構成された第二の容器であって、第二の容器が反応チャンバに連結される、第二の容器と、反応チャンバに直接的に連結された第一の端部および対向する第二の端部を備えるフォアラインと、フォアラインの第二の端部に第一の接合部で連結されたポンプと、反応チャンバの入口に連結された第一のセクションおよびフォアラインに連結された第二のセクションを備える第二のガスラインであって、第一のセクションおよび第二のセクションは、第二の接合部で互いに接続される、第二のガスラインと、第二の容器と第二の接合部との間に連結されたマスフローコントローラと、を備える。
【0006】
一実施形態では、共反応物質は、オゾン、アンモニア、シラン、またはジシランのうちの一つである。
【0007】
一実施形態では、第二のガスラインの第一のセクションは第一のコンダクタンスを有し、第二のセクションは第二のコンダクタンスを有し、第一のコンダクタンスは第二のコンダクタンスと同じである。
【0008】
一実施形態では、共反応物質は高圧ガス状態を有する。
【0009】
一実施形態では、システムは、第二のガスラインの第一のセクション内の第一の弁と、第二のガスラインの第二のセクション内の第二の弁とをさらに備える。
【0010】
一実施形態では、システムは、制御信号を第一および第二の弁に送信するように構成された制御ユニットをさらに備える。
【0011】
一実施形態では、ポンプはドライ真空ポンプである。
【0012】
一実施形態では、システムは、第二のガスラインの第二のセクションに連結され、かつ共反応物質を分解するように構成された分解装置をさらに備える。分解装置は、触媒および/またはヒーターを含むことができる。
【0013】
別の態様では、システムは、反応チャンバと、反応チャンバに直接連結された第一の端部および対向する第二の端部を備えるフォアラインと、フォアラインの第二の端部に連結されたポンプと、前駆体を含有するように構成された第一の容器であって、第一の容器が第一のガスラインで反応チャンバに連結される、第一の容器と、共反応物質を含有するように構成された第二の容器であって、第二の容器が反応チャンバに連結される、第二の容器と、反応チャンバの入口に連結された第一のセクション、フォアラインに連結された第二のセクション、およびフォアラインに連結された第三のセクションを備える第二のガスラインであって、第一のセクションおよび第二のセクションは接合部で互いに接続され、かつ第二および第三のセクションは互いに平行である、第二のガスラインと、第二の容器と第二の接合部との間に連結された圧力流コントローラと、を備える。
【0014】
一実施形態では、システムは、第二のガスラインの第一のセクション内の第一の弁と、第二のガスラインの第二のセクション内の第二の弁と、第二のガスラインの第三のセクション内の第三の弁と、をさらに備える。
【0015】
一実施形態では、システムは、接合部と第三の弁との間に連結された流量制限器をさらに備える。
【0016】
一実施形態では、システムは、制御信号を第一、第二、および第三の弁に送信するように構成された制御ユニットをさらに備える。
【0017】
一実施形態では、共反応物質は、オゾン、アンモニア、シラン、またはジシランのうちの一つである。
【0018】
一実施形態では、第一のセクションは第一のコンダクタンスを有し、第二のセクションは第二のコンダクタンスを有し、第三のセクションは第三のコンダクタンスを有し、第三のコンダクタンスは第一のコンダクタンスおよび/または第二のコンダクタンスよりも95%小さい。
【0019】
一実施形態では、ポンプはドライ真空ポンプとすることができる。
【0020】
さらに別の態様では、システムは、反応チャンバと、反応チャンバに直接的に連結された第一の端部および対向する第二の端部を備えるフォアラインと、第一の接合部でフォアラインの第二の端部に連結されたポンプと、前駆体を含有するように構成された第一の容器であって、第一の容器が第一のガスラインで反応チャンバに連結される、第一の容器と、共反応物質を含有するように構成された第二の容器であって、第二の容器が反応チャンバに連結される、第二の容器と、反応チャンバの入口に連結された第一のセクションおよび第一の接合部に連結された第二のセクションを備える第二のガスラインと、を備え、第一のセクションおよび第二のセクションは、第二の接合部で互いに接続される。
【0021】
一実施形態では、システムは、第二の容器と第二の接合部との間に連結された圧力流コントローラをさらに備える。第二のガスラインは、第二の接合部とフォアラインとの間に連結された第三のセクションをさらに備える。第二のセクションおよび第三のセクションは、互いに平行とすることができる。
【0022】
一実施形態では、ポンプはドライ真空ポンプとすることができる。
【0023】
一実施形態では、第一のセクションは第一のコンダクタンスを有し、第二のセクションは第二のコンダクタンスを有し、第三のセクションは第三のコンダクタンスを有し、第三のコンダクタンスは第一のコンダクタンスおよび/または第二のコンダクタンスよりも95%小さい。
【0024】
一実施形態では、システムは、第二のガスラインの第一のセクション内の第一の弁と、第二のガスラインの第二のセクション内の第二の弁と、第二のガスラインの第三のセクション内の第三の弁とをさらに備える。
【0025】
一実施形態では、システムは、第二の接合部と第三の弁との間の第三のセクションに連結された流量制限器をさらに備える。
【0026】
本技術のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される時に、詳細な説明を参照することによって得られてもよい。以下の図では、同様の参照番号は、図全体を通して、同様の要素および工程を指す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本技術の一実施形態による、システムを代表的に図示する。
【
図2】
図2は、本技術の代替的な実施形態によるシステムを典型的に図示する。
【
図3】
図3は、本技術の代替的な実施形態によるシステムを典型的に図示する。
【
図4】
図4は、本技術の代替的な実施形態によるシステムを典型的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本技術は、機能ブロックの構成要素、および様々な処理ステップに関して記述されてもよい。こうした機能ブロックは、特定された機能を実施するように、および様々な結果を達成するように構成される、任意の数の構成要素によって実現されてもよい。例えば、本技術は、様々な反応チャンバ、弁、弁マニホールド、ガスラインコネクタ、および容器を採用してもよい。図中の図示した実施形態のいずれかの構成要素は、システム内の構成要素の任意の適切な組み合わせで組み合わせおよび/または配置することができる(すなわち、本開示に従って、第一の図では一実施形態に図示するが第二の図では図示しない構成要素も第二の図に実装することができる)。
【0029】
図1~4を参照すると、例示的なシステム100は、反応チャンバ105、第一の容器115、第二の容器110、フォアライン130、およびポンプ120を備えてもよい。
【0030】
様々な実施形態では、反応チャンバ105は、ウエハなどの基材上に膜を堆積させるように構成されてもよい。反応チャンバ105は、任意の所望の堆積プロセスのために構成されてもよい。
【0031】
様々な実施形態では、第一の容器115は、第一の化学物質(例えば、前駆体)を含有するか、またはその他の方法で保持するように構成されてもよい。第一の化学物質は、固体、液体、またはガスの形態であってもよい。一部の事例では、第一の容器115は、第一の化学物質をガスに昇華させるように構成されてもよい。例えば、第一の容器115は、発熱体および/または昇華器を備えてもよい。
【0032】
様々な実施形態では、第二の容器110は、第二の化学物質(例えば、共反応物質)を含有するか、またはその他の方法で保持するように構成されてもよい。第二の化学物質は、オゾン、アンモニア、シラン、またはジシランなどの高圧ガス状態を有する化学物質を含んでもよい。第二の容器110は、第二の化学物質をガスに昇華させるように構成されてもよい。例えば、第二の容器110は、発熱体および/または昇華器を備えてもよい。
【0033】
様々な実施形態では、フォアライン130は、反応チャンバ105に連結されてもよく、反応チャンバ105から過剰な化学物質を排出するように構成されてもよい。例えば、フォアラインは、反応チャンバ105の底面の開口部に連結された第一の端部と、対向する第二の端部とを備えてもよい。フォアライン130は、金属材料、例えばステンレス鋼などの任意の適切な材料から形成されてもよい。
【0034】
様々な実施形態では、ポンプ120は、反応チャンバ105の排気を容易にするように構成されてもよい。例えば、ポンプ120の入口は、フォアライン130の第二の端部に連結されてもよい。ポンプ120の入口およびフォアライン130の接続点は、第一の接合部と呼ばれてもよい。ポンプ120は真空ポンプを備えてもよい。ポンプ120の出口は、ガスを廃棄ライン(図示せず)に排出してもよい。
【0035】
様々な実施形態では、システム100は、第一の容器115を反応チャンバ105の入口に連結するように構成された第一のガスライン135をさらに備えてもよい。第一のガスライン135は、ステンレス鋼などの任意の適切な材料から形成されてもよい。第一のガスラインは、任意の数のカップリング、コネクタ、ガスライン部分などを備えてもよい。
【0036】
様々な実施形態では、システム100は、第二のガスラインをさらに備えてもよい。第二のガスラインは、ステンレス鋼などの任意の適切な材料から形成されてもよい。例示的な実施形態では、第二のガスラインは、ガスを反応チャンバ105に送達するように構成された第一のセクション140(すなわち、主送達ライン)を備える。例えば、第一のセクション140の第一の端部は、第二の容器110に連結してもよく、またはそれ以外の方法で接続してもよく、第一のセクション140の第二の端部は、反応チャンバ105の入口に連結してもよく、またはそれ以外の方法で接続してもよい。
【0037】
例示的な実施形態では、第二のガスラインは、第二のセクション(例えば、第一のバイパスライン)、例えば、第二のセクション145Aまたは145Bをさらに備えてもよい。第二のセクションは、第一の端部および対向する第二の端部を備えてもよい。第二のセクション145Aの第一の端部は、第二の接合部165(または任意の他の適切な位置)で第一のセクション140に接続されてもよく、第二のセクション145Aの第二の端部は、第一の接合部に接続されてもよい。第二のセクション145Bの第一の端部は、第二の接合部165(または任意の他の適切な位置)で第一のセクション140に接続されてもよく、第二のセクション145Bの第二の端部は、フォアライン130に接続されてもよい。
【0038】
例示的な実施形態では、かつ
図2を参照すると、第二のガスラインは、第三のセクション200(例えば、第二のバイパスライン)をさらに備えてもよい。第三のセクション200は、セクション接合部165(または任意の他の適切な位置)に連結された第一の端部と、フォアライン130に連結された第二の端部とを備えてもよい。
【0039】
様々な実施形態では、システム100は、ガスラインを通るガスの流量を制限または許容するための様々な弁を備えてもよい。例えば、システム100は、第一のガスライン135内の第一の弁160、第一のセクション140内の第二の弁150、および第二のセクション(例えば、第二のセクション145Aまたは145B)内の第三の弁155を備えてもよい。
【0040】
第一の弁160は、反応チャンバ105の入口と第一の容器115の出口との間に配置されてもよい。第一の弁160は、任意の適切なタイプの弁を備えてもよい。例示的な実施形態では、第一の弁160は、制御信号に応答するダイアフラム弁を備えてもよい。制御信号は、弁を開閉してもよい。
【0041】
第二の弁150は、第二の接合部165と反応チャンバ105の入口との間に配置されてもよい。第二の弁150は、任意の適切なタイプの弁を備えてもよい。例示的な実施形態では、第二の弁150は、制御信号に応答するダイアフラム弁を備えてもよい。制御信号は、弁を開閉してもよい。
【0042】
第三の弁155は、第一の接合部とセクション接合部165との間に、または第二の接合部とフォアライン130との間に配置されてもよい。第二の弁150は、任意の適切なタイプの弁を備えてもよい。例示的な実施形態では、第三の弁155は、制御信号に応答するダイアフラム弁を備えてもよい。制御信号は、弁を開閉してもよい。
【0043】
さらに、例示的な実施形態では、第三のセクション200は、第四の弁205および/または制限器210を備えてもよい。第四の弁205および制限器210は、第二の接合部165とフォアライン130との間に配置されてもよい。制限器210は、第四の弁205の上流に配置されてもよい。第四の弁205は、任意の適切なタイプの弁を備えてもよい。例示的な実施形態では、第四の弁205は、制御信号に応答するダイアフラム弁を備えてもよい。制御信号は、弁を開閉してもよい。
【0044】
第三のセクション200を備える様々な実施形態では、第二のセクション145Bは存在しない場合がある。様々な実施形態では、第三のセクション200がない場合があるが、流量制限器を第二のセクション145Bに連結することができる。
【0045】
一実施形態では、また
図1、3、および4を参照すると、システム100は、マスフローコントローラ125をさらに備えてもよい。マスフローコントローラ125は、第二の容器110の出口と第二の接合部165との間の第二のガスラインに連結されてもよい。特に、マスフローコントローラ125は、第二の接合部165の上流に配置されてもよい。様々な実施形態では、マスフローコントローラ125に加えて、またはその定位置に、圧力流コントローラ(例えば、圧力流コントローラ215に類似)があってもよい。
【0046】
別の実施形態では、かつ
図2を参照すると、システム100は、第二のガスラインの流量およびコンダクタンスを調節するように構成された圧力流コントローラ(PFC)215をさらに備えてもよい。PFC 215は、第二の容器110の出口と第二の接合部165との間の第二のガスラインに連結されてもよい。特に、PFC 215は、第二の接合部165の上流に配置されてもよい。PFC 215は、例えば、所望の圧力設定値に設定されるように構成可能であり得る(例えば、比較的高い設定点圧力は、より大きな流量につながることがあり、比較的低い設定点圧力は、より少ない流量につながることがある)。PFC 215は、圧力に従ってガス流を調節する任意の好適なタイプのPFCであってもよい。様々な実施形態では、PFC 215に加えて、またはその代わりに、マスフローコントローラ(例えば、マスフローコントローラ125に類似)があってもよい。
【0047】
様々な実施形態では、システム100は、制御ユニット170をさらに備えてもよい。制御ユニット170は、システム100の任意の他の好適な構成要素と電子通信することができる(例えば、弁制御信号を生成して送信する、ならびに/またはマスフローコントローラおよび/もしくはPFCを制御するため)。制御ユニットはまた、PFC 215の設定点を設定するために使用されてもよい。
【0048】
動作中、システム100は、原子層堆積(ALD)プロセスを実施してもよい。例えば、システム100は、アルゴンなどの不活性ガスを用いたパルスの合間に、前駆体および共反応物質を用いたパルスのシーケンス、ならびにパージ工程を実行してもよい。
【0049】
従来のシステムでは、フォアラインへの共反応物質の全流量(例えば、第二のガスラインのパージ中、および/または前駆体のパルスもしくはパージ中)は、前駆体とのCVD反応をフォアライン内(例えば、フォアラインの側壁上)に生じ得る。これは、この蓄積が側壁から剥離してポンプに入ることがあり、ポンプを故障させる場合があるため、望ましくない。
【0050】
本技術の実施形態は、CVDフォアラインの蓄積を軽減し得る。例えば、動作時、また
図1を参照すると、共反応物質のパルス中、第二の弁150は開いており、第三の弁155は閉じている。共反応物質のパージおよび/または前駆体のパルスおよびパージ中、第二の弁150は閉じ、第三の弁155は開いている。パージ中、ガスは、第二のセクション145Aを通ってポンプ120の入口に(例えば、第一の接合部に)直接的に流れ、したがって、フォアライン130の大部分またはすべてを回避し、したがって、フォアライン130のほとんどの全長に沿ってCVDの蓄積を軽減または防止する。第二のセクション145Aは、ポンプ120の入口で、またはその近くでフォアライン130に連結することができ、および/または第二のセクション145Aは、フォアライン130に連結されるポンプ入口とは別の入口でポンプ120に連結することができる。
【0051】
別の例として、
図3および
図4を参照すると、第二のガスラインおよび/またはフォアライン130の第二のセクションの少なくとも一部分は、共反応物質を分解するように構成された分解装置を備えることができる。例えば、第二のガスラインの第二のセクション145Bは、第二のセクション145Bの少なくとも一部分に沿って(例えば、第二の接合部165とフォアライン130との間に)配置される分解装置183を備えることができる。分解装置は、フォアライン130に到達する前に共反応物質を分解するように構成されることができる。別の例として、フォアライン130は、フォアライン130の少なくとも一部分に沿って配置される分解装置186を備えることができる(例えば、共反応物質および/またはその中の前駆体などの任意の他のガスを分解するため)。分解装置はまた、第二のガスラインの第二のセクションおよびフォアライン130の少なくとも一部分に沿って配置されてもよい。したがって、分解装置内で共反応物質を分解することによって、共反応物質と前駆体との間の反応が低減または防止され、フォアライン130内の膜形成および/または蓄積を軽減または防止する。
【0052】
様々な実施形態では、分解装置は、それぞれのガスライン(例えば、共反応物質および/または前駆体)を通って流れるガスを分解するための任意の好適な構造または装置とすることができる。例えば、分解装置は、ヒーター装置(例えば、第二のガスラインおよび/またはフォアライン130の第二のセクションに連結される、および/またはその周りに配置されるヒーター)を備えることができる。ヒーター装置は、それぞれのガス経路(例えば、第二のガスラインおよび/またはフォアライン130の第二のセクション)内のガス(例えば、共反応物質)を加熱して、熱分解を介してそれを通って流れるガスを分解するように構成されることができる。ヒーター装置は、ガス(例えば、共反応物質)を少なくとも部分的に、または実質的に、または完全に分解させることができる温度にガスを加熱するように構成されることができる。例えば、ガスを分解するために、それぞれのガスの半減期が10秒未満、5秒未満、2秒未満、1秒未満、および/または0.5秒未満になるように加熱温度を選択することができる。オゾンを含むガスについては、例えば、ガスが加熱される温度は、約200℃または少なくとも200℃、200℃超、200~400℃、200~300℃などにすることができる。シランおよび/またはジシランを含むガスについては、例えば、ガスが加熱される温度は、約200℃または少なくとも200℃または300℃、200~400℃、200~300℃、300~400℃などにすることができる。アンモニアを含むガスについては、例えば、ガスが加熱される温度は、約400℃または少なくとも400℃、400~700℃、400~600℃、400~500℃などにすることができる。(この文脈では、「約」は、プラス・マイナス50℃を意味する。)
【0053】
別の例として、分解装置は、触媒分解を介してそれぞれのガス経路(例えば、第二のガスラインおよび/またはフォアライン130の第二のセクション)内のガスを受容および分解するように構成された触媒装置(例えば、触媒床)を備えることができる。触媒装置は、触媒を収容する本体を備えることができる。触媒は、ガスを少なくとも部分的に分解するように構成された任意の好適な材料または化合物とすることができ、共反応物質または他の分解されるガスに基づいて選択されることができる。例えば、ガスを分解するために、触媒は、それぞれのガスの半減期が10秒未満、5秒未満、2秒未満、1秒未満、および/または0.5秒未満になるように選択されることができる。
【0054】
例えば、オゾンを含む共反応物質については、触媒は金属および/または金属酸化物を含むことができる。金属は、白金、パラジウム、ルテニウム、銅、タングステン、銅、銀、スズ、ニッケル、鉄、金、イリジウム、ロジウム、セリウム、マンガン、コバルト、チタン、亜鉛、バナジウム、クロム、モリブデン、および/またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の適切な金属(例えば、遷移金属)とすることができる。金属酸化物は、前述のいずれかの酸化物(例えば、酸化マンガン)を含むことができる。触媒は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの他の酸化物材料(例えば、セラミック材料)を含むことができる。触媒は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、および/または酸化チタンによって支持される酸化マンガンなどの別の材料(例えば、セラミック材料)によって支持される金属または金属酸化物を含むことができる。触媒は、炭素または炭素材料(例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、および/または同種のもの)を含むことができる。オゾンを含む共反応物質の触媒は、オゾンを(例えば、酸素(O2)に)分解することができ、これはフォアライン130の前駆体とは反応しない場合があり、それによってフォアライン130の蓄積を軽減または防止することができる。
【0055】
様々な実施形態では、分解装置は、それぞれのガス(例えば、触媒およびヒーター)を分解するための複数の構成要素を含むことができる。
【0056】
別の例として、
図2を参照すると、PFC 215は、反応チャンバ105への共反応物質の所望の流量を達成するために、所望の圧力設定点に設定されてもよい。例示的な実施形態では、第三のセクション200は、第一のセクション140を通るコンダクタンスに対して1%~10%、または約5%のコンダクタンスを有するように設定されてもよい(例えば、第三のセクション200の低いコンダクタンスは、流路を通る制限のない流量に対するものであり得る)(この文脈では、「約」はプラス・マイナス3%を意味する)。第三のセクション200を通るコンダクタンスは、制限器210および/または第四の弁205によって設定(例えば、制限)されることができる。したがって、第三のセクションは、第二のガスラインの第一のセクションおよび/または第二のセクションのコンダクタンスよりも95%小さいコンダクタンスを有してもよい。この場合、第二の弁150および/または第三の弁155が閉じられ、第四の弁205が開かれることに応答して(例えば、共反応物質が反応チャンバ105に提供されていない時間中に)、第三のセクション200を通るこの比較的制限されたおよび/または低い共反応物質の流量は、フォアライン130に対する共反応物質の量を減少させる。したがって、共反応物質と前駆体との間の反応は、低減または防止され、フォアライン130内の膜形成および/または蓄積を軽減または防止する。
【0057】
様々な実施形態では、第三のセクション200は、第三のセクション200の少なくとも一部分に沿って配置される分解装置(
図3および
図4に関連して説明した分解装置に類似)を備えることができる。
【0058】
前述の記述では、技術は、特定の例示的な実施形態を参照しながら、記述されている。示され、かつ記述された特定の実装は、技術およびその最良の形態の例示であり、本技術の範囲をいかなるやり方でも別の方法で限定することを意図しない。実際、簡潔のために、従来の製造、接続、調製、ならびに方法およびシステムの他の機能的態様は、詳細に記述されていない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の、例示的な機能的関係および/または工程を表すことを意図する。多くの代替的または追加的な機能的関係または物理的接続が、実際のシステムに存在してもよい。
【0059】
本技術は、特定の例示的な実施形態を参照しながら、記述されている。しかしながら、様々な修正および変更が、本技術の範囲から逸脱することなく、行われてもよい。記述および図は、制限的なものではなく、例示の様態にあると見なされ、全てのそのような修正は、本技術の範囲内に含まれることが意図される。したがって、技術の範囲は、単に、上述した特定の例のみではなく、記述される一般的な実施形態、およびその法的均等物によって、判断されるべきである。例えば、任意の方法、またはプロセスの実施形態に列挙された工程は、別の方法で明示的に指定されない限り、任意の順序で実行されてもよく、特定の実施例に提示される明示的な順序に限定されない。さらに、任意の装置の実施形態に列挙された構成要素および/または要素は、本技術と実質的に同じ結果を生成するために、様々な順列で組み立てられてもよく、または別の方法で動作可能に構成されてもよく、したがって、特定の実施例に列挙された特定の構成に限定されない。
【0060】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上述されている。何らかの利益、利点、問題に対する解決策、または何らかの特定の利益、利点、もしくは解決策を生じさせもしくはより顕著にならせる場合がある何らかの要素は、しかしながら、重要な、必要とされる、または必須の特徴または構成要素として解釈されない。
【0061】
「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」という用語、またはその任意の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、構成物、または装置が、列挙されたそれらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、構成物、または装置に固有の、他の要素も含んでもよいように、非限定的包含を参照することを意図している。具体的に列挙されていないものに加えて、本技術の実践において使用される上述の構造、配置、用途、割合、要素、材料、または構成要素の、その他の組み合わせおよび/または修正は、特定の環境、製造仕様、設計パラメータ、またはその他の動作要件に、それらの一般原理から逸脱することなく、変更されてもよく、または別の方法で具体的に適合されてもよい。
【0062】
本技術は、例示的な実施形態を参照しながら、上述されている。しかしながら、本技術の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に、変更および修正を加えてもよい。これらおよび他の変更または修正は、以下の特許請求の範囲で表される通り、本技術の範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0063】
100 システム
105 反応チャンバ
110 第二の容器
115 第一の容器
120 ポンプ
125 マスフローコントローラ
130 フォアライン
135 第一のガスライン
140 第一のセクション
145A、145B 第二のセクション
165 第二の接合部、セクション接合部
183、186 分解装置
200 第三のセクション
210 制限器
215 圧力流コントローラ
【外国語明細書】