(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025043366
(43)【公開日】2025-03-31
(54)【発明の名称】反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 21/00 20060101AFI20250324BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20250324BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20250324BHJP
【FI】
G02B21/00
G01N21/17 610
A61B10/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024023150
(22)【出願日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0124023
(32)【優先日】2023-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年2月19日 サイト:https://arxiv.org/abs/2302.09503 〔刊行物等〕 2023年4月20日 〔2023 KPS春季大会〕
(71)【出願人】
【識別番号】314000442
【氏名又は名称】高麗大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】145, Anam-ro Seongbuk-gu Seoul 02841, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】519444052
【氏名又は名称】インスティチュート フォー ベーシック サイエンス
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE FOR BASIC SCIENCE
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崔 院植
(72)【発明者】
【氏名】姜 聲三
(72)【発明者】
【氏名】尹 錫贊
【テーマコード(参考)】
2G059
2H052
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB12
2G059EE02
2G059FF02
2G059GG01
2G059GG08
2G059KK04
2G059MM01
2H052AA08
2H052AC34
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】時間分解光源を使用して得た時間分解反射行列を用いて多重散乱軌跡を追跡した後、これを補正し、生体組織などの散乱媒質の深い場所に位置する内部の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置及び方法を提供する。
【解決手段】光を対象物体に入射する光源部110;対象物体から多重散乱されて戻ってくる光を感知する感知部120;戻ってくる光に基づいて多重散乱成分に基づいた多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する反射行列測定部130;多重散乱追跡アルゴリズムによって入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、それらの逆行列を測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得するアルゴリズム処理部140;及び獲得された物体反射行列に基づいて多重散乱歪曲が補正されたイメージを獲得するイメージ処理部150;を含んでイメージング装置100を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
散乱媒質と前記散乱媒質内の多重散乱成分を透過した光を対象物体に入射する光源部;
前記入射後、前記対象物体から前記多重散乱成分を透過し、反射されて戻ってくる光を感知する感知部;
前記戻ってくる光に基づいて前記多重散乱成分に基づいた多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する反射行列測定部;
多重散乱追跡アルゴリズムによって前記散乱媒質から近似した複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得するアルゴリズム処理部;及び
前記獲得された物体反射行列に基づいて前記多重散乱軌跡による多重散乱歪曲が補正されたイメージを獲得するイメージ処理部;を含むことを特徴とする、イメージング装置。
【請求項2】
前記アルゴリズム処理部は、前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記時間分解反射行列の入力又は出力端にk番目の位相平面までの距離に該当する空間伝播行列(Pk)を掛けることによって、それぞれの位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、前記k番目に該当する複数の入射透過行列及び複数の反射透過行列を獲得することを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項3】
前記アルゴリズム処理部は、前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記複数の位相平面のうち特定の位相平面に対して互いに異なる二つの点に光を集束させた場合を考慮した上で、二つの地点の位相遅延値の差を獲得し、前記獲得した差を前記特定の位相平面に対して獲得される入射透過行列と反射透過行列に適用することを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項4】
前記複数の位相平面のそれぞれは、前記散乱媒質内部の多重散乱成分と関連して透過行列を算出し、前記算出された透過行列に基づいた第1位相平面が設計され、前記設計された第1位相平面上に前記算出された透過行列の逆透過行列に基づいた第2位相平面が設計されることによって、前記散乱媒質の内部に仮想的に位置したり、前記散乱媒質上に位置することを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項5】
前記複数の位相平面の位置は、前記対象物体からの距離を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記測定された電場の強度が基準値より大きい位置として決定されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項6】
前記複数の位相平面の数は、位相平面の数を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記変更される数による計算時間を共に考慮して決定されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項7】
前記反射行列測定部は、各行列成分を前記対象物体の面上の各位置に集中した光とし、入力基準の結果、反射された光における、物体面の共役イメージ平面に置かれたカメラの各位置において出力基準で測定した電場の強度及び位相値として決定された前記時間分解反射行列を測定することを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項8】
前記光源部は、前記対象物体に点照明で前記光を入射し、前記点照明の位置を変更することによって前記対象物体上の入射位置を変更し、
前記感知部は、前記変更された入射位置によって変更された感知ピクセルを感知することを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項9】
前記アルゴリズム処理部は、前記多重散乱追跡アルゴリズムによって前記散乱媒質の前記多重散乱成分に対して前記複数の位相平面と前記複数の位相平面のそれぞれを構成する複数の地点に対する位相値と関連した入射透過行列と反射透過行列のそれぞれに対する各逆行列を算出し、前記算出された各逆行列を前記時間分解反射行列に反映することによって前記対象物体に対する物体反射行列を獲得することを特徴とする、請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項10】
光源部において、散乱媒質と前記散乱媒質内の多重散乱成分を透過した光を対象物体に入射する段階;
感知部において、前記入射後、前記対象物体から前記多重散乱成分を透過し、反射されて戻ってくる光を感知する段階;
反射行列測定部において、前記戻ってくる光に基づいて前記多重散乱成分に基づいた多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する段階;
アルゴリズム処理部において、多重散乱追跡アルゴリズムによって前記散乱媒質から近似した複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得する段階;及び
イメージ処理部において、前記獲得された物体反射行列に基づいて前記多重散乱軌跡による多重散乱歪曲が補正されたイメージを獲得する段階;を含むことを特徴とする、イメージング方法。
【請求項11】
前記多重散乱追跡アルゴリズムによって前記複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得する段階は、
前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記時間分解反射行列の入力又は出力端にk番目の位相平面までの距離に該当する空間伝播行列(Pk)を掛けることによってそれぞれの位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、前記k番目に該当する複数の入射透過行列及び複数の反射透過行列を獲得する段階を含むことを特徴とする、請求項10に記載のイメージング方法。
【請求項12】
前記多重散乱追跡アルゴリズムによって前記複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得する段階は、
前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記複数の位相平面のうち特定の位相平面に対して互いに異なる二つの点に光を集束させた場合を考慮した上で、二つの地点の位相遅延値の差を獲得し、前記獲得した差を前記特定の位相平面に対して獲得される入射透過行列と反射透過行列に適用する段階を含むことを特徴とする、請求項10に記載のイメージング方法。
【請求項13】
前記複数の位相平面のそれぞれは、前記散乱媒質内部の多重散乱成分と関連して透過行列を算出し、前記算出された透過行列に基づいた第1位相平面が設計され、前記設計された第1位相平面上に前記算出された透過行列の逆透過行列に基づいた第2位相平面が設計されることによって、前記散乱媒質の内部に仮想的に位置したり、前記散乱媒質上に位置することを特徴とする、請求項10に記載のイメージング方法。
【請求項14】
前記複数の位相平面の位置は、前記対象物体からの距離を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記測定された電場の強度が基準値より大きい位置として決定され、
前記複数の位相平面の数は、位相平面の数を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記変更される数による計算時間を共に考慮して決定されることを特徴とする、請求項10に記載のイメージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2023年09月18日付の韓国特許出願第10-2023-0124023号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置及び方法に関し、より具体的には、時間分解光源を使用するイメージング装置から得た時間分解反射行列を用いて多重散乱軌跡を追跡した後、これを補正し、生体組織などの散乱媒質の深い場所に位置する内部の対象物体に対するイメージを補正及び復元する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
生体組織の高深度に行くほど、組織の構造が与える多重散乱によってイメージング可能な深さが制限される。
【0004】
これを克服するために、時間分解反射行列を測定することによって多重散乱を抑制する反射行列顕微鏡(Reflection matrix microscopy)が開発された。
【0005】
この方式では、散乱媒質の内部に伝播される光の散乱成分のうち、多重散乱を経験せずに伝播される弾道波(Ballistic wave)のみを選択的に用いる方法が考慮され得る。
【0006】
一方、このような弾道波に歪曲を加える散乱媒質の収差を測定及び補正するCLASS(Closed loop accumulation of single scattering)方法が開発された。
【0007】
反射行列顕微鏡は、散乱媒質の反射行列を測定し、散乱媒質に入射される光の入射角度を変えながら、それぞれの入射ビーム(光)に対応する反射された光の電場の強度及び位相を光の干渉現象を用いて測定する。
【0008】
測定された複素位相イメージは、入力基準(basis)に対する出力基準の行列形態で散乱媒質の反射行列を再構成する。
【0009】
この反射行列から散乱媒質内部の物体イメージを獲得するようになり、入力基準が入射ビーム焦点の位置である場合、共焦点顕微鏡の方式で物体イメージを獲得し、入射ビームの入射角度を基準として用いた場合、CASS(Collective accumulation of single scattering)顕微鏡方式で物体イメージを再構成する。
【0010】
この過程で多重散乱を抑制し、弾道波のみを選択的に用いるようになる。
【0011】
CLASS顕微鏡は、反射行列から収差情報を探し出し、これを後補正することによって、弾道波に印加された収差を除去する方法を用いる。
【0012】
時間分解反射行列を入射角及び反射角を基準にして変換した後、入射角及び反射角度別に追加的な位相遅延値を追加し、最終イメージの強度を極大化することによって、単一散乱に反映されている収差を補正する。
【0013】
入射ビームの基準が焦点の位置である場合、フーリエ(Fourier)変換を通じて入射角及び反射角の基準に変換し、同じ作業を行うことができる。
【0014】
この技術では、入射された光が目標とする物体に到逹する過程で経験する収差と、物体によって反射された光が戻ってくる過程で経験する収差とを確認し、これらを補正に活用する方案が考慮され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第WO2022/012927号パンフレット、「SPECTROMETRIC METROLOGY SYSTEMS BASED ON MULTIMODE INTERFERENCE AND LITHOGRAPHIC APPARATUS」
【特許文献2】韓国特許出願公開第10-2020-0131908号、「オーバレイ計測システム及び方法」
【特許文献3】韓国特許出願公開第10-2023-0062343号、「高深度及び超高解像度イメージングのための波面測定方式の適応光学に基づく顕微鏡システム及びその動作方法」
【特許文献4】韓国特許出願公開第10-2019-0023324号、「多重モード映像の獲得が可能な映像獲得システム」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
既存のCLASS法は、画像再構成のために弾道波の角度依存位相シフトを補正することのみに焦点を当てており、多重散乱波は利用していない。本発明は、時間分解光源を使用するイメージング装置から得た時間分解反射行列を用いて多重散乱軌跡を追跡した後、これを補正し、生体組織などの散乱媒質の深い場所に位置する内部の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置及び方法を提供することを目的とする。
【0017】
本発明は、散乱媒質の時間分解反射行列を獲得した後、多重散乱追跡(Multiple Scattering Tracing、MST)アルゴリズムによる数値反復技法を用いて多重散乱波の軌跡を再構成し、再構成された多重散乱波の軌跡の逆過程を用いて散乱媒質内部の物体イメージに該当する対象イメージを再構成及び補正することを目的とする。
【0018】
本発明は、非標識方式でイメージを獲得するので活用可能な範囲が非常に広く、既存の反射行列顕微鏡で追加的に要求する装備がなく、後処理技術としてデータ測定時間自体には影響を与えないので、速い測定が必要なin-vivo映像獲得に活用され、多様な疾病モデルの研究又は動物実験などで活用できると期待しており、診断及び臨床道具としての活用にまで応用範囲を拡大できるイメージング装置及び方法を提供することを目的とする。
【0019】
本発明は、反射行列データなどのデータを獲得した後、これを補正する後補正方式で事前準備手順なしでデータを直ぐ獲得し、データ測定時間が減少するにつれて、体内で進められる(in-vivo)状態のイメージングで被検体の状態を維持しながら3次元高深度映像を獲得することを目的とする。
【0020】
本発明は、データ測定時間の減少に伴い、測定の深さを変更しながら3次元高深度映像を獲得できるので、医・生命科学的に多様な応用が可能なイメージング装置及び方法を提供することを目的とする。
【0021】
本発明は、ラベリング(Labeling)なしで反射を通じて得た反射行列に適用するアルゴリズムであって、高深度及び高解像度イメージを獲得できるので、臨床に直ぐ応用することができ、生体組織のみならず、半導体などのサンプルの内部を分解せずに内部のイメージを得ることができるので、計測装備への適用も可能なイメージング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一実施例によると、イメージング装置は、散乱媒質と前記散乱媒質内の多重散乱成分を透過した光を対象物体(object)に入射する光源部と、前記入射後、前記対象物体から前記多重散乱成分を透過し、反射されて戻ってくる光を感知する感知部と、前記戻ってくる光に基づいて前記多重散乱成分に基づく多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する反射行列測定部と、多重散乱追跡アルゴリズムによって前記散乱媒質から近似した複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得するアルゴリズム処理部と、前記獲得された物体反射行列に基づいて前記多重散乱軌跡による多重散乱歪曲が補正されたイメージを獲得するイメージ処理部とを含むことができる。
【0023】
前記アルゴリズム処理部は、前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記時間分解反射行列の入力又は出力端にk番目の位相平面までの距離に該当する空間伝播行列(Pk)を掛けることによってそれぞれの位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、前記k番目に該当する複数の入射透過行列及び複数の反射透過行列を獲得することができる。
【0024】
前記アルゴリズム処理部は、前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記複数の位相平面のうち特定の位相平面に対して互いに異なる二つの点に光を集束させた場合を考慮した上で、二つの地点の位相遅延値の差を獲得し、前記獲得した差を前記特定の位相平面に対して獲得される入射透過行列と反射透過行列に適用することができる。
【0025】
前記複数の位相平面のそれぞれは、前記散乱媒質内部の多重散乱成分と関連して透過行列を算出し、前記算出された透過行列に基づいた第1位相平面が設計され、前記設計された第1位相平面上に前記算出された透過行列の逆透過行列に基づいた第2位相平面が設計されることによって、前記散乱媒質の内部に仮想的に位置したり、前記散乱媒質上に位置し得る。
【0026】
前記複数の位相平面の位置は、前記対象物体からの距離を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記測定された電場の強度が基準値より大きい位置として決定され得る。
【0027】
前記複数の位相平面の数は、位相平面の数を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記変更される数による計算時間を共に考慮して決定され得る。
【0028】
前記反射行列測定部は、各行列成分を前記対象物体の面上の各位置に集中した光とし、入力基準の結果、反射された光における、物体面の共役イメージ平面に置かれたカメラの各位置において出力基準で測定した電場の強度及び位相値として決定された前記時間分解反射行列を測定することができる。
【0029】
前記光源部は、前記対象物体に点照明で前記光を入射し、前記点照明の位置を変更することによって前記対象物体上の入射位置を変更することができる。
【0030】
前記感知部は、前記変更された入射位置によって変更された感知ピクセルを感知することができる。
【0031】
前記アルゴリズム処理部は、前記多重散乱追跡アルゴリズムによって前記散乱媒質の前記多重散乱成分に対して前記複数の位相平面と前記複数の位相平面のそれぞれを構成する複数の地点に対する位相値と関連した入射透過行列と反射透過行列のそれぞれに対する各逆行列を算出し、前記算出された各逆行列を前記時間分解反射行列に反映することによって前記対象物体に対する物体反射行列を獲得することができる。
【0032】
本発明の一実施例に係るイメージング方法は、光源部において、散乱媒質と前記散乱媒質内の多重散乱成分を透過した光を対象物体に入射する段階と、感知部において、前記入射後、前記対象物体から前記多重散乱成分を透過し、反射されて戻ってくる光を感知する段階と、反射行列測定部において、前記戻ってくる光に基づいて前記多重散乱成分に基づいた多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する段階と、アルゴリズム処理部において、多重散乱追跡アルゴリズムによって前記散乱媒質から近似した複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得する段階と、イメージ処理部において、前記獲得された物体反射行列に基づいて前記多重散乱軌跡による多重散乱歪曲が補正されたイメージを獲得する段階とを含むことができる。
【0033】
前記多重散乱追跡アルゴリズムによって前記複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得する段階は、前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記時間分解反射行列の入力又は出力端にk番目の位相平面までの距離に該当する空間伝播行列(Pk)を掛けることによってそれぞれの位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、前記k番目に該当する複数の入射透過行列及び複数の反射透過行列を獲得する段階を含むことができる。
【0034】
前記多重散乱追跡アルゴリズムによって前記複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、前記獲得された入射透過行列及び前記獲得された反射透過行列の逆行列を前記測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得する段階は、前記多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて前記複数の位相平面のうち特定の位相平面に対して互いに異なる二つの点に光を集束させた場合を考慮した上で、二つの地点の位相遅延値の差を獲得し、前記獲得した差を前記特定の位相平面に対して獲得される入射透過行列と反射透過行列に適用する段階を含むことができる。
【0035】
前記複数の位相平面のそれぞれは、前記散乱媒質内部の多重散乱成分と関連して透過行列を算出し、前記算出された透過行列に基づいた第1位相平面が設計され、前記設計された第1位相平面上に前記算出された透過行列の逆透過行列に基づいた第2位相平面が設計されることによって、前記散乱媒質の内部に仮想的に位置したり、前記散乱媒質上に位置し得る。
【0036】
前記複数の位相平面の位置は、前記対象物体からの距離を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記測定された電場の強度が基準値より大きい位置として決定され、前記複数の位相平面の数は、位相平面の数を変更しながら前記多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、前記変更される数による計算時間を共に考慮して決定され得る。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、時間分解光源を使用するイメージング装置から得た時間分解反射行列を用いて多重散乱軌跡を追跡した後、これを補正し、生体組織などの散乱媒質の深い場所に位置する内部の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置及び方法を提供することができる。
【0038】
本発明は、散乱媒質の時間分解反射行列を獲得した後、多重散乱追跡(Multiple Scattering Tracing、MST)アルゴリズムによる数値反復技法を用いて多重散乱波の軌跡を再構成し、再構成された多重散乱波の軌跡の逆過程を用いて散乱媒質内部の物体イメージに該当する対象イメージを再構成及び補正することができる。
【0039】
本発明は、非標識方式でイメージを獲得するので活用可能な範囲が非常に広く、既存の反射行列顕微鏡で追加的に要求する装備がなく、後処理技術としてデータ測定時間自体には影響を与えないので、速い測定が必要なin-vivo映像獲得に活用され、多様な疾病モデルの研究又は動物実験などで活用できると期待しており、診断及び臨床道具としての活用にまで応用範囲を拡大できるイメージング装置及び方法を提供することができる。
【0040】
本発明は、反射行列データなどのデータを獲得した後、これを補正する後補正方式で事前準備手順なしでデータを直ぐ獲得し、データ測定時間が減少するにつれて、体内で進められる(in-vivo)状態のイメージングで被検体の状態を維持しながら3次元高深度映像を獲得することができる。
【0041】
本発明は、データ測定時間の減少に伴い、測定の深さを変更しながら3次元高深度映像を獲得できるので、医・生命科学的に多様な応用が可能なイメージング装置及び方法を提供することができる。
【0042】
本発明は、ラベリングなしで反射を通じて得た反射行列に適用するアルゴリズムであって、高深度及び高解像度イメージを獲得できるので、臨床に直ぐ応用することができ、生体組織のみならず、半導体などのサンプルの内部を分解せずに内部のイメージを得ることができるので、計測装備への適用も可能なイメージング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置を説明する図である。
【
図2a】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した散乱媒質の多層位相平面近似構造を説明する図である。
【
図2b】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した散乱媒質の多層位相平面近似構造を説明する図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した多層位相平面近似モデルによる反射行列構造を説明する図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した各位相平面の透過行列模式構造を説明する図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るイメージング方法において反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した複数の位相平面設計過程を説明する図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した数値反復モデル構造及び数値反復過程を説明する図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した数値反復モデル構造及び数値反復過程を説明する図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法を説明する図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法を説明する図である。
【
図10a】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションを説明する図である。
【
図10b】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションを説明する図である。
【
図10c】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションを説明する図である。
【
図11a】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明を説明する図である。
【
図11b】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明を説明する図である。
【
図11c】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明を説明する図である。
【
図12a】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明を説明する図である。
【
図12b】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明を説明する図である。
【
図12c】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明を説明する図である。
【
図12d】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明を説明する図である。
【
図13a】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)イメージング結果を説明する図である。
【
図13b】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)イメージング結果を説明する図である。
【
図13c】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)イメージング結果を説明する図である。
【
図13d】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)イメージング結果を説明する図である。
【
図14】本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置の補正及び復元性能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本明細書に開示されている本発明の概念による各実施例に対して、特定の構造的又は機能的説明は、本発明の概念による各実施例を説明するために例示されたものに過ぎなく、本発明の概念による各実施例は、多様な形態で実施可能であり、本明細書に説明した各実施例に限定されない。
【0045】
本発明の概念による各実施例は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るので、各実施例を図面に例示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、これは、本発明の概念による各実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物、又は代替物を含む。
【0046】
「第1」又は「第2」などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、前記各構成要素は、前記各用語によって限定されてはならない。前記各用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、例えば、本発明の概念による権利範囲から離脱しない状態で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、これと同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0047】
一つの構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及したときは、その他の構成要素に直接連結されていたり、又は接続されている場合もあるが、中間に他の構成要素が存在する場合もあると理解しなければならない。その一方で、一つの構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いたり、「直接接続されて」いると言及したときは、中間に他の構成要素が存在しない場合と理解しなければならない。各構成要素の間の関係を説明する各表現、例えば、「~間に」と「直ぐ~の間に」又は「~に直接隣り合う」なども同様に解釈しなければならない。
【0048】
本明細書で使用した用語は、特定の実施例を説明するために使用されたものに過ぎなく、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、ステージ、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在すると指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステージ、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせなどの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0049】
他の方式で定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使用される事前に定義されている各用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならなく、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈しない。
【0050】
図1は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置を説明する図である。
【0051】
図1は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置の構成要素を例示する。
【0052】
図1を参考にすると、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置100は、光源部110、感知部120、反射行列測定部130、アルゴリズム処理部140及びイメージ処理部150を含み、イメージング装置100の構成は制御部160に基づいて制御される。
【0053】
一例として、イメージング装置100は、散乱媒質の内部で起こる多重散乱の軌跡を追跡し、これを内部物体イメージングに活用する。
【0054】
例えば、イメージング装置100は、ラベリングなしで目標物体及び散乱媒質の反射信号を通じて得た反射行列データに後処理で適用するアルゴリズムとして、反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いる。
【0055】
イメージング装置100は、高深度及び高解像度イメージを獲得することができ、臨床に応用することができ、生体組織のみならず、半導体などのサンプルの内部を分解せずに内部のイメージを得ることができるので、計測装備として活用され得る。
【0056】
例えば、イメージング装置100は、多様な形態の時間分解軸外ホログラム顕微鏡又は反射行列顕微鏡に全て適用可能なアルゴリズムとして、反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いることができる。
【0057】
本発明の一実施例によると、光源部110は、パルスレーザーを提供するソース提供部であり得る。
【0058】
例えば、対象物体は、生体組織が散乱媒質であって、内部で多重散乱成分による屈折率の変化が大きい構造の映像化に最も容易に適用することができ、その例として、中枢神経系、脳神経組織、血管などがある。
【0059】
生体組織の高深度に行くほど、組織の構造が与える散乱軌跡によって解像度が低くなるが、イメージング装置100は、多重散乱が発生する部分である散乱媒質の内部での多重散乱軌跡による誤差を補正することによって、高次逆散乱問題に対する補正を行うことができる。
【0060】
例えば、散乱媒質は、生体組織及び頭蓋骨のように、内部に光を散乱できる多重散乱成分を含む全ての媒質を含むことができる。
【0061】
本発明の一実施例に係る感知部120は、入射後、対象物体から多重散乱成分を透過し、反射されて戻ってくる光を感知することができる。
【0062】
例えば、光源部110は、対象物体に点照明で光を入射し、点照明の位置を変更することによって対象物体上の入射位置を変更することができる。
【0063】
一方、感知部120は、変更された入射位置によって変更された感知ピクセルを感知することができる。
【0064】
本発明の一実施例によると、反射行列測定部130は、対象物体から散乱媒質を透過して戻ってくる光に基づいて多重散乱成分に基づく多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定することができる。
【0065】
一例として、反射行列測定部130は、各行列成分を対象物体の面上の各位置に集中した光とし、入力基準の結果、反射された光における、物体面の共役イメージ平面に置かれたカメラの各位置において出力基準で測定した電場の強度及び位相値として決定された時間分解反射行列を測定することができる。
【0066】
本発明の一実施例によると、アルゴリズム処理部140は、多重散乱追跡アルゴリズムによって散乱媒質から近似した複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、獲得された入射透過行列及び獲得された反射透過行列の逆行列を測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得することができる。
【0067】
例えば、複数の位相平面は、散乱媒質を仮想の複数の位相平面に近似し、複数の位相平面の位相マップを探すのに活用される。
【0068】
例えば、多重散乱追跡アルゴリズムは、測定された反射行列を仮想の複数の位相平面に近似し、測定された反射行列を説明できる複数の位相平面の位相マップを探し出すアルゴリズムであり得る。
【0069】
言い換えると、本発明の多重散乱追跡アルゴリズムは、それぞれ異なる照明を入射させたとき、散乱媒質を通過した光の強度と位相マップを測定することによって反射行列を構成した後、散乱媒質を仮想の多重位相平面に近似し、測定された反射行列から仮想の位相平面の位相マップを探し出すアルゴリズムであり得る。
【0070】
一例として、アルゴリズム処理部140は、多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて時間分解反射行列の入力又は出力端にk番目の位相平面までの距離に該当する空間伝播行列(Pk)を掛けることによって、それぞれの位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、k番目に該当する複数の入射透過行列及び複数の反射透過行列を獲得することができる。
【0071】
例えば、k番目は、特定の数を示すことができ、自然数に該当し得る。
【0072】
例えば、複数の位相平面が5個で、kは、1乃至5のうち一つに該当することができ、該当の数字に限定されることなく変更可能である。
【0073】
本発明の一実施例に係るアルゴリズム処理部140は、多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて複数の位相平面のうち特定の位相平面に対して互いに異なる二つの点に光を集束させた場合を考慮した上で、二つの地点の位相遅延値の差を獲得し、獲得した差を特定の位相平面に対して獲得される入射透過行列と反射透過行列に適用することができる。
【0074】
一例として、アルゴリズム処理部140は、多重散乱追跡アルゴリズムによって散乱媒質の多重散乱成分に対して複数の位相平面と複数の位相平面のそれぞれを構成する複数の地点に対する位相値と関連した入射透過行列と反射透過行列のそれぞれに対する各逆行列を算出し、算出された各逆行列を時間分解反射行列に反映することによって対象物体に対する物体反射行列を獲得することができる。
【0075】
例えば、複数の位相平面のそれぞれは、散乱媒質内部の多重散乱成分と関連して透過行列を算出し、算出された透過行列に基づいた第1位相平面が設計され、設計された第1位相平面上に前記算出された透過行列の逆透過行列に基づいた第2位相平面が設計されることによって、散乱媒質の内部に仮想的に位置したり、散乱媒質上に位置し得る。
【0076】
複数の位相平面の設計は、
図5を用いて補充して説明する。
【0077】
複数の位相平面の位置は、対象物体からの距離を変更しながら多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、測定された電場の強度が基準値より大きい位置として決定され得る。
【0078】
複数の位相平面の位置決定と関連して、
図12bを用いて補充して説明する。
【0079】
複数の位相平面の数は、位相平面の数を変更しながら多重散乱追跡アルゴリズムを適用することによる電場の強度を測定した後、変更される数による計算時間を共に考慮して決定され得る。
【0080】
複数の位相平面の数の決定と関連して、
図12cを用いて補充して説明する。
【0081】
したがって、本発明は、時間分解光源を使用するイメージング装置から得た時間分解反射行列を用いて多重散乱軌跡を追跡した後、これを補正し、生体組織などの散乱媒質の深い場所に位置する内部の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置及び方法を提供することができる。
【0082】
また、本発明は、散乱媒質の時間分解反射行列を獲得した後、多重散乱追跡(Multiple Scattering Tracing、MST)アルゴリズムによる数値反復技法を用いて多重散乱波の軌跡を再構成し、再構成された多重散乱波の軌跡の逆過程を用いて散乱媒質内部の物体イメージに該当する対象イメージを再構成及び補正することができる。
【0083】
図2a及び
図2bは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した散乱媒質の多層位相平面近似構造を説明する図である。
【0084】
図2aは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した散乱媒質の多層位相平面近似構造と関連して、散乱媒質の多重散乱形態による散乱歪曲問題を解決するための多層位相平面近似構造を例示する。
【0085】
図2aを参考にすると、従来の散乱媒質の多重散乱形態による散乱歪曲問題を有している構造の模式
図200では、光が散乱媒質202を透過し、対象物体201に入射する過程(θ
in)及び光が反射されて戻ってくる過程(θ
o)で多重散乱成分203によって多重散乱歪曲問題が発生し、その歪曲は、散乱入力(θ
M
in)と散乱出力(θ
M
o)を考慮しない。
【0086】
このような問題は、散乱媒質202を多層で構成された位相平面の集合に近似し、高次逆散乱問題を解決しなければならない。
【0087】
本発明の一実施例に係る多層位相平面近似構造の模式
図210では、光が散乱媒質212を透過し、対象物体211に入射する過程(θ
in)及び光が反射されて戻ってくる過程(θ
o)で多重散乱成分203によって多重散乱歪曲問題が発生し、その歪曲は、散乱入力(θ
M
in)と散乱出力(θ
M
o)に対して複数の位相平面(Z
1乃至Z
N)に近似し、高次逆散乱問題は、それぞれの位相平面の位相値を探し出して単純化する。
【0088】
言い換えると、本発明の一実施例に係るイメージング装置は、散乱媒質212内の複数の位相平面で多重散乱成分213による散乱を最小化し、散乱入力(θM
in)と散乱出力(θM
o)に対する歪曲を補正することによって光が入射する過程(θin)及び光が反射されて戻ってくる過程(θo)でイメージングすることによって、散乱媒質212の多重散乱成分213による歪曲を補正する。
【0089】
図2bは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した散乱媒質の多層位相平面近似構造と関連して、散乱媒質の多重散乱形態による散乱歪曲問題を解決するための多層位相平面近似構造を立体化して例示する。
【0090】
図2bを参考にすると、本発明の一実施例に係る多層位相平面近似構造の立体
図220は、対象物体221が散乱媒質222の内部又はその下側に位置し、多層位相平面223を適用した構造であり得る。
【0091】
本発明の一実施例に係る多層位相平面近似構造の立体
図220は、イメージング装置が対象物体221に対して光学的イメージングを行うにおいて、散乱媒質222による多重散乱によって生じる散乱歪曲を多層位相平面223を通じて補正する形態を例示する。
【0092】
例えば、多層位相平面は、仮想的に設計される散乱歪曲を補正するための位相値を獲得する構成であってもよく、実際の位相フィルターであってもよい。
【0093】
図3は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した多層位相平面近似モデルによる反射行列構造を説明する図である。
【0094】
図3は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した多層位相平面近似モデルによる反射行列構造を例示する。
【0095】
図3を参考にすると、本発明の一実施例に係る反射行列構造300において、入射透過行列、反射透過行列及び物体反射行列の近似を示す。
【0096】
一例として、反射行列構造300において、理解を促進するために、物体Oが中央に位置し、入射と反射が反映された各位相平面が両側に位置するが、散乱媒質の内部又はその下側に物体Oが位置し、散乱媒質の内部に複数の位相平面が位置することによって入射及び反射が同一の空間で起こる。
【0097】
反射行列構造300と関連して、時間分解反射行列Rは、それぞれの位相平面の各透過行列と、イメージングしようとする物体の反射行列に該当する物体反射行列との積に近似し得る。
【0098】
物体反射行列の近似には、下記の数式1が活用され得る。
【0099】
【0100】
数式1において、Rは、時間分解反射行列を示すことができ、Tinは、入射透過行列を示すことができ、TT
outは、反射透過行列を示すことができ、Oは、物体反射行列を示すことができる。
【0101】
入射透過行列は、散乱媒質の表面でイメージングしようとする物体がある深さまでの入射過程での透過行列を示すことができる。
【0102】
反射透過行列は、光が反射されて戻ってくる過程の透過行列に該当し得る。
【0103】
図4は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した各位相平面の透過行列模式構造を説明する図である。
【0104】
図4は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した各位相平面の透過行列模式構造を例示する。
【0105】
図4を参考にすると、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した各位相平面の透過行列模式構造400において、位相平面(Z
k)、位相平面(Z
k+1)及び位相平面(Z
k-1)を透過する各位相平面の透過行列(T
k)は、各平面の内部空間の位相遅延値と空間伝播行列(propagation matrix)との積として決定される。
【0106】
例えば、空間伝播行列と関連して、k番目の位相平面からk-1番目の位相平面までの空間伝播行列(Pk-1,k)として表現することができる。
【0107】
例えば、位相遅延値と関連して、各位相平面の伝達関数(transfer function)が活用され得る。
【0108】
図5は、本発明の一実施例に係るイメージング方法において反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した複数の位相平面設計過程を説明する図である。
【0109】
図5は、本発明の一実施例に係るイメージング方法において反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した複数の位相平面設計過程を例示する。
【0110】
図5を参考にすると、段階(S501)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、散乱媒質510の内部又はその下側に位置する対象物体500を決定する。
【0111】
散乱媒質510は、内部に多重散乱成分511を含んでいる。
【0112】
段階(S502)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、散乱媒質510の内部に、複数の位相平面設計と関連して透過行列Tに基づいて第1位相平面520を構成する。
【0113】
段階(S503)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、散乱媒質510の内部に、複数の位相平面設計と関連して逆透過行列(T-1)に基づいて第2位相平面521を構成する。
【0114】
段階(S504)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、対象物体500に対するイメージを獲得するとき、散乱媒質510の内部に多重散乱成分511が除去された状態に対するイメージを獲得する。
【0115】
本発明の一実施例に係る第1位相平面520と第2位相平面521は、結合されることによって一つの位相平面をなす。
【0116】
図6及び
図7は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した数値反復モデル構造及び数値反復過程を説明する図である。
【0117】
図6は、本発明の一実施例に係るイメージング方法において反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した数値反復モデル構造及び数値反復過程を例示する。
【0118】
本発明の一実施例に係るイメージング方法は、散乱媒質内部の物体のイメージ情報を獲得するためには、数式1の逆散乱問題を解決し、物体の反射行列を獲得しなければならない。
【0119】
これによって、イメージング方法は、反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連して、位相平面の数字がNである場合、入射及び反射過程で2N個の平面を通過し、反射面を含むと、数式1は、(2N+1)次の高次逆散乱問題に該当し得る。
【0120】
上述した問題を解決するために、イメージング方法において反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した数値反復モデル構造及び数値反復過程を例示する。
【0121】
図6を参考にすると、段階(S601)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、初期反射行列の入出力構造で初期時間反射行列を測定する。
【0122】
段階(S601)で説明すると、イメージング方法は、測定された時間分解反射行列Rのそれぞれの行列成分が物体面の各位置に集中した照明をし、入力基準の結果、反射された光における、物体面の共役イメージ平面に置かれたカメラの各位置において出力基準で測定した電場の強度及び位相値として決定され得る前記時間分解反射行列を測定する。
【0123】
段階(S601)において、イメージング方法は、時間分解反射行列(Rzo,zo)を獲得する。
【0124】
例えば、時間分解反射行列は、対象物体に該当する平面(zo)に対して入力(入射)と出力(反射)を決定する。
【0125】
段階(S602)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、特定の位相平面にアクセスした場合の入出力構造で位相平面にアクセスする。
【0126】
また、イメージング方法は、多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて反射行列の入力又は出力端にk番目の位相平面までの距離に該当する空間伝播行列(Pk)を掛けることによって、それぞれの位相平面にアクセスすることができる。
【0127】
空間伝播行列で対象物体に該当する平面(zo)に対して入力(入射)を決定し、アクセス対象である位相平面(z3)を出力(反射)として決定する。
【0128】
その結果として得られた行列は、特定の位相平面のそれぞれの位置に集束された照明(光)による物体の反射イメージを再構成するのに活用することができる。
【0129】
照明の集束面が物体面と離れているので、このとき、物体に照明された光の波面は、球面波の形態に該当し得る。
【0130】
段階(S603)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、相関関係による該当の位相平面の位相マップ獲得方法による入出力構造で位相移動(phase shift)を獲得及び補正する。
【0131】
段階(S603)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、該当の位相平面の互いに異なる二つの点に集束させた場合を考慮すると、第1球面波と第2球面波によって照明された物体のイメージを再構成する場合、これらの二つのイメージは、絵画に示したように、重複した領域の共通した物体イメージ情報による相関関係を有することができる。
【0132】
このとき、相関関係値の位相値は、位相平面上の二つの地点の位相遅延値の差に該当するようになる。
【0133】
この過程を該当の位相平面の全ての位置で繰り返す場合、該当の位相平面の位相遅延マップを探し出すことができる。
【0134】
位相遅延値の差を反映した空間伝播行列は、下記の数式2で獲得することができる。
【0135】
【0136】
数式2において、Pは、空間伝播行列を示すことができ、pは、位相平面の特定の位置での位相値を示すことができ、zは、位相平面を示すことができ、i及びjは、自然数を示すことができる。
【0137】
このような過程を入射及び反射過程の2N個の平面に対して数値反復的に行う場合、数式1の散乱媒質入射過程での透過行列(Tin)と反射過程での透過行列(Tout)を得ることができる。
【0138】
最終的に求められた透過行列の逆行列を反射行列の両側に掛けることによって、下記の数式3のように物体反射行列を求めることができる。
【0139】
【0140】
数式2において、Rは、時間分解反射行列を示すことができ、Tinは、入射透過行列を示すことができ、TT
outは、反射透過行列を示すことができ、Oは、物体反射行列を示すことができる。
【0141】
本発明の一実施例によると、イメージング方法は、獲得された物体の反射行列を通じて最終的な物体のイメージを獲得することができる。
【0142】
図7は、本発明の一実施例に係るイメージング方法において反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムと関連した数値反復モデル構造及び数値反復過程と関連して、
図6の段階(S603)を補充して説明する。
【0143】
図7を参考にすると、電場イメージ関数700と電場イメージ関数710を示し、電場イメージ関数700と電場イメージ関数710に対して反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて物体反射行列720及び物体反射行列730を獲得し、物体反射行列720と物体反射行列730との間の相関関係値の位相値は、位相平面上の二つの地点の位相遅延値の差740を導出する。
【0144】
電場イメージ関数700は、位相平面の第1地点と関連し、電場イメージ関数710は、位相平面の第2地点と関連し得る。
【0145】
電場イメージ関数700に基づいたイメージ701は、対象物体イメージと多重散乱を含んでいる。
【0146】
電場イメージ関数710に基づいたイメージ711は、対象物体イメージと多重散乱を含んでいる。
【0147】
イメージ701とイメージ711は、第1地点と第2地点との差による解像度の差を示している。
【0148】
解像度の差は、位相平面上の二つの地点の位相遅延値による差として見なすことができる。
【0149】
イメージ701からイメージ702を除外することによって対象物体イメージ703を獲得し、イメージ711からイメージ712を除外することによって対象物体イメージ713を獲得する。
【0150】
差740は、第k位相平面に対する伝達関数に各位置の位相値を反映した差に該当し得る。
【0151】
図8及び
図9は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法を説明する図である。
【0152】
図8は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法において、時間分解反射行列から多重散乱軌跡を追跡した後、これを補正し、生体組織などの散乱媒質の深い場所の内部の対象イメージを獲得する手順を例示する。
【0153】
以下では、説明の便宜のために、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法を記載する。
【0154】
図8を参考にすると、段階(S801)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、対象物体に光を入射する。
【0155】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、散乱媒質と散乱媒質内の多重散乱成分を透過した光を対象物体に入射する。
【0156】
段階(S802)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、対象物体から戻ってくる光を感知する。
【0157】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、入射後、対象物体から多重散乱成分を透過し、反射されて戻ってくる光を感知する。
【0158】
段階(S803)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、時間分解反射行列を測定する。
【0159】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、戻ってくる光に基づいて多重散乱成分に基づいた多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する。
【0160】
段階(S804)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、時間分解反射行列から物体反射行列を獲得する。
【0161】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、獲得された入射透過行列及び獲得された反射透過行列の逆行列を測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得することができる。
【0162】
段階(S805)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、物体反射行列に基づいて多重散乱歪曲が補正されたイメージを獲得する。
【0163】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、物体反射行列に基づいて多重散乱軌跡による多重散乱歪曲が補正されたイメージで対象物体に対するイメージを獲得する。
【0164】
図9は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法において多重散乱追跡アルゴリズムを行う手順を例示する。
【0165】
以下では、説明の便宜のために、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング方法を記載する。
【0166】
図9を参考にすると、段階(S901)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、時間分解反射行列を測定する。
【0167】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、戻ってくる光に基づいて多重散乱成分に基づいた多重散乱軌跡が反映された時間分解反射行列を測定する。
【0168】
段階(S902)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、第i位相平面に接近して位相関数を獲得し、位相を訂正する。
【0169】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法として、
【0170】
段階(S903)における本発明の一実施例に係るイメージング方法は、最後の位相平面までの収斂の有無を判断する。
【0171】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、最後の位相平面まで接近し、位相訂正を完了すると段階S904に進行し、最後の位相平面でない場合は段階(S902)に戻る。
【0172】
段階(S904)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、入射透過行列、反射透過行列及び物体反射行列を獲得する。
【0173】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、散乱媒質から近似した複数の位相平面に対して数値反復的にアクセスを行い、入射透過行列及び反射透過行列を獲得し、獲得された入射透過行列及び獲得された反射透過行列の逆行列を測定された時間分解反射行列に反映することによって物体反射行列を獲得することができる。
【0174】
段階(S905)において、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、物体反射行列に基づいて物体イメージを再構成する。
【0175】
すなわち、本発明の一実施例に係るイメージング方法は、物体反射行列に基づいて多重散乱軌跡による多重散乱歪曲が補正されたイメージで対象物体に対するイメージを再構成して獲得する。
【0176】
図10a乃至
図10cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションを説明する図である。
【0177】
図10a乃至
図10cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションと関連した模式図及び結果を例示する。
【0178】
図10aは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションと関連したシミュレーションモデルの模式図を例示する。
【0179】
図10aを参考にすると、模式
図1000は、散乱媒体1002の下側に解像度対象物体1001を置き、散乱媒体1002を透過し、対象物体1001に入射してから反射される光に基づいた反射行列を測定する。
【0180】
散乱媒体1002内には、4個の位相平面からなる初期散乱媒質と対象物体による反射行列を数値シミュレーションを通じて構成している。ここで、数値シミュレーションは、
図5で説明した位相平面設計と関連する。
【0181】
図10bは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションと関連して、シミュレーションモデルに適用される位相平面の位相マップと復元結果を例示する。
【0182】
図10bを参考にすると、数値シミュレーションに適用されるシミュレーション位相マップ1010と、シミュレーション位相マップ1010を多重散乱追跡アルゴリズムで復元した復元位相マップ1011とを開示する。
【0183】
シミュレーション位相マップ1010と復元位相マップ1011とを比較すると、反射行列に多重散乱追跡アルゴリズムを適用して各位相平面の位相マップを再構成することによって、初期位相マップの形態をほとんど復元できることを確認することができる。
【0184】
図10cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの数値シミュレーションと関連して、多重散乱追跡アルゴリズムの適用結果を例示する。
【0185】
図10cを参考にすると、イメージ1020は、数値シミュレーションで得た初期反射行列Rに基づいてイメージを例示し、イメージ1021は、復元された対象物体の反射行列のイメージを例示し、イメージ1022は、初期散乱媒質によって歪曲された初期物体の共焦点イメージを例示し、イメージ1023は、多重散乱追跡アルゴリズムによって復元された物体のイメージを例示する。
【0186】
初期反射行列は、散乱媒質のために非対角成分に強い信号強度が分布している。
【0187】
しかし、多重散乱追跡アルゴリズムを通じて復元された場合、ほとんどの多重散乱が除去され、対角成分にのみ信号が分布している。
【0188】
また、イメージ1022及びイメージ1023に示したように、多重散乱によって歪曲されたイメージが、多重散乱追跡アルゴリズムの適用後に確実に復元されることが分かる。
【0189】
図11a乃至
図11cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明を説明する図である。
【0190】
図11a乃至
図11cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明と関連した模式図及び結果を例示する。
【0191】
図11aは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明と関連して、散乱媒質として用いられた多層構造のタマネギ細胞(onion tissue)とその下側に置かれた解像度対象物体の模式図を例示する。
【0192】
図11aを参考にすると、模式
図1100は、多層構造を有する厚いタマネギ組織1102の下側に解像度対象物体1101を置き、対物レンズ1103を通じて入射してから反射される光に基づいた反射行列を測定する。
【0193】
模式
図1100は、厚いタマネギ組織1102が持つシーメンススター(Siemens star)パターンの対象物体1101をイメージングする実験を行う環境を示す。
【0194】
このとき、散乱媒質として使用されたタマネギ組織1102は、5重の細胞層からなっており、合計1mm程度の厚さを有していた。
【0195】
図11bは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明と関連して、多重散乱追跡アルゴリズムを適用して復元したイメージと、多重散乱追跡アルゴリズムを適用していない共焦点イメージとを例示する。
【0196】
図11bを参考にすると、共焦点イメージ1110は、サンプルの反射行列から再構成された物体の共焦点イメージであって、多重散乱追跡アルゴリズムが適用されていないイメージを示すことができる。
【0197】
一方、復元イメージ1111は、本発明の一実施例に係る多重散乱追跡アルゴリズムによって復元された対象物体のイメージを示すことができる。
【0198】
共焦点イメージ1110は、物体対象のイメージがタマネギ組織の多重散乱及び収差によって深刻に歪曲されたことが分かる。
【0199】
その一方で、復元イメージ1111は、多重散乱追跡アルゴリズムに基づいて対象物体のイメージが確実に復元されたことを確認させる。
【0200】
図11cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムのタマネギを用いた実験的証明と関連して、多重散乱追跡アルゴリズムを適用して復元したイメージを例示する。
【0201】
図11cを参考にすると、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを適用するために、解像度対象物体から250μm、400μm、600μm、800μm、1000μmだけ離れた位置に位相平面があると仮定し、復元された各平面の位相マップを復元する。
【0202】
第1位相平面1120の距離は250μmで、第2位相平面1121の距離は400μmで、第3位相平面1122の距離は600μmで、第4位相平面1123の距離は800μmで、第5位相平面1124の距離は1000μmである。
【0203】
解像度対象物体の近くにある三つの位相平面の位相マップは、各層のタマネギ細胞イメージをうまく示している。
【0204】
これは、多重散乱追跡アルゴリズムが復元した位相平面が、実際のタマネギ組織構造を確実に反映していることを証明している。
【0205】
第4位相平面1123と第5位相平面1124の場合、タマネギ細胞層の形態を確実に確認できないが、これは、該当の層の位相復元解像度がタマネギ細胞をイメージするのに不足したために生じた結果であり得る。
【0206】
図12a乃至
図12dは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明を説明する図である。
【0207】
図12a乃至
図12dは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明と関連した模式図及び結果を例示し、多層構造ではない一般的な生体組織での多重散乱追跡アルゴリズムの具現可能性を実証する。
【0208】
図12aは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明と関連して、散乱媒質として用いられたマウスの頭蓋骨とその下側に置かれた解像度対象物体の模式図を例示する。
【0209】
図12aを参考にすると、模式
図1200は、200μm厚のマウスの頭蓋骨組織1202の下側に解像度対象物体1201を置き、対物レンズ1203を通じて入射してから反射される光に基づいた反射行列を測定する。
【0210】
模式
図1200の場合、
図11aで説明した模式
図1100の場合とは異なり、このサンプルが多層構造ではないので、位相平面の位置及び必要な平面の個数を先に確認する必要性が存在する。
【0211】
図12bは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明と関連して、サンプルが多層構造でない場合に位相平面の位置を確認するための実験結果を例示する。
【0212】
図12bを参考にすると、グラフ1210は、位相平面層(layer)の位置による結果であって、単一位相平面を仮定し、該当の位相平面の対象物体からの距離(位置)を変えながら、多重散乱追跡アルゴリズムを適用して電場の強度を測定した結果を示す。
【0213】
グラフ1210は、位相平面層の位置によるイメージの強度の総和を距離の関数でプロットした結果を示す。
【0214】
グラフ1210において、陰影で表示した領域において信号の強度分布が位置することが分かり、これは、該当の位置に頭蓋骨組織が分布していることを示すことができる。
【0215】
図12cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明と関連して、サンプルが多層構造ではない場合に位相平面の数を確認するための実験結果を例示する。
【0216】
図12cを参考にすると、グラフ1220は、位相平面層(layer)の数の変化に基づいて多重散乱追跡アルゴリズムを適用しながら電場の強度を測定した結果を示す。
【0217】
すなわち、グラフ1220は、グラフ1210に基づいた領域(100μm~300μmの領域)の内部に位置した0個から最大8個までの位相平面を仮定し、多重散乱追跡アルゴリズムを適用した後で信号強度の分布をプロットした結果を示した。
【0218】
グラフ1220は、位相平面の個数が増加するほど信号強度が増加するが、5個程度で信号強度の増加が鈍化することを確認させる。
【0219】
これは、該当の頭蓋骨組織が5個程度の位相平面にうまく近似することを意味している。
【0220】
また、信号強度が最大600倍まで増加するが、これは、弾道波ではない多重散乱をイメージングに活用したために可能な結果であり得る。
【0221】
図12dは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムの生体組織を用いた実験的証明と関連した共焦点イメージと復元イメージを例示する。
【0222】
図12dを参考にすると、共焦点イメージ1230は、サンプルの反射行列から再構成された物体の共焦点イメージであって、多重散乱追跡アルゴリズムが適用されていないイメージを示すことができる。
【0223】
一方、復元イメージ1231は、本発明の一実施例に係る多重散乱追跡アルゴリズムによって復元された対象物体のイメージを示すことができる。
【0224】
共焦点イメージ1230と復元イメージ1231とを比較すると、非多層構造の厚い頭蓋骨組織の多重散乱にもかかわらず、対象物体のイメージを確実に復元していることを証明しており、これは、多重散乱追跡アルゴリズムが、多層構造ではない一般的な生体組織に適用できることを示している。
【0225】
図13a乃至
図13dは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)イメージング結果を説明する図である。
【0226】
図13aは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)のイメージング結果と関連して、生きているマウスの頭蓋骨及びその向こう側の頭脳皮質イメージングのための模式図を例示する。
【0227】
図13aを参考にすると、本発明の一実施例に係る模式
図1300は、対象物体1301に該当するマウスの頭脳皮質を散乱媒体1302に該当する頭蓋骨の向こう側でイメージングするために、対物レンズ1303を用いて対象物体1301の特定の地点に光を入射する。
【0228】
図13bは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)のイメージング結果であって、多重散乱追跡アルゴリズムを適用した反射行列顕微鏡を用いたマウスの頭蓋骨及び頭脳皮質の深さ方向の断面模式図を例示する。
【0229】
図13bを参考にすると、模式
図1310は、対象物体1311である脳(brain)と、散乱媒質1312に該当する頭蓋骨(skull)とを図式化する。
【0230】
本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムによって複数の位相平面が散乱媒質1312内に位置し、散乱媒質1312の多重散乱成分による散乱軌跡によって生じる多重散乱歪曲を補償する。
【0231】
例えば、複数の位相平面は、対象物体1311を基準にして第1位相平面(z1)乃至第5位相平面(z5)で構成される。
【0232】
複数の位相平面の数は、散乱媒質1312の多重散乱成分による複雑度に比例する。
【0233】
すなわち、複数の位相平面の数は、複雑度が高いほど増加し、その数が増加するほど改善度が増加するが、計算時間も共に増加し得るので、最大効率に対応するように決定され得る。
【0234】
図13cは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)のイメージング結果であって、多重散乱追跡アルゴリズムの適用前後の反射行列顕微鏡を用いたマウスの頭蓋骨及び頭脳皮質の深さ方向断面(cross-section)イメージを例示する。
【0235】
図13cを参考にすると、イメージ1320によると、多重散乱追跡アルゴリズムを適用する前の共焦点イメージは、頭蓋骨内部の60μm以降で信号強度が急激に減少している。
【0236】
その一方で、多重散乱追跡アルゴリズムを適用した後は、300μmの深さまで具体的な内部形態が露出している。
【0237】
また、多重散乱追跡アルゴリズムを適用した後の多面イメージから、頭蓋骨と頭脳皮質表面との境界が200μmの深さ付近に形成されていることが分かる。
【0238】
図13dは、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いた生体内(in-vivo)のイメージング結果と関連して、深さ別に反射行列から再構成された共焦点イメージと、多重散乱追跡アルゴリズムを用いた復元イメージとを比較して例示する。
【0239】
図13dを参考にすると、散乱媒質内の深さを4個に区分し、x-y平面の共焦点イメージ1330と、本発明の一実施例に係る復元イメージ1331とを比較する。
【0240】
共焦点イメージ1330と復元イメージ1331の前側の三列のイメージは、頭蓋骨の内部イメージを示し、最後の列は、頭脳皮質の内部イメージを示している。
【0241】
共焦点イメージ1330の場合、80μmの深さでは、既に細胞の具体的な各構造が多重散乱によって歪曲されて確実に見えていない。
【0242】
その一方で、復元イメージ1331の場合、頭蓋骨の下端部である175μmの領域まで頭蓋骨内部の骨細胞(Osteocytes)及び各細胞から伸びていく小管(canaliculi)の形態をうまく示している。
【0243】
また、復元イメージ1331の場合、270μmの深さの頭脳皮質層の神経束をうまく示している。
【0244】
すなわち、本発明は、生きている生物体のin-vivoイメージングに活用可能であり、既存の共焦点顕微鏡に比べて、多重散乱追跡アルゴリズム方法がより優れた性能を示し得ることが分かる。
【0245】
したがって、本発明は、非標識方式でイメージを獲得するので活用可能な範囲が非常に広く、既存の反射行列顕微鏡で追加的に要求する装備がなく、後処理技術としてデータ測定時間自体には影響を与えないので、速い測定が必要なin-vivo映像獲得に活用され、多様な疾病モデルの研究又は動物実験などで活用できると期待しており、診断及び臨床道具としての活用にまで応用範囲を拡大できるイメージング装置及び方法を提供することができる。
【0246】
また、本発明は、反射行列データなどのデータを獲得した後、これを補正する後補正方式で事前準備手順なしでデータを直ぐ獲得し、データ測定時間が減少するにつれて、体内で進められる(in-vivo)状態のイメージングで被検体の状態を維持しながら3次元高深度映像を獲得することができる。
【0247】
図14は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置の補正及び復元性能を説明する図である。
【0248】
図14は、本発明の一実施例に係る反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて散乱媒質内の対象イメージを補正及び復元するイメージング装置の補正及び復元性能を従来技術と比較して例示する。
【0249】
図14を参考にすると、イメージ1400乃至イメージ1430は、反射行列顕微鏡の各イメージング方式別の性能比較結果として例示される。
【0250】
イメージ1400は、共焦点顕微鏡イメージを示し、イメージ1410は、CLASS顕微鏡イメージを示し、イメージ1420は、共役(conjugate)-CLASSイメージを示し、イメージ1430は、反射行列ベースの多重散乱追跡アルゴリズムを用いて補正及び復元されたイメージを示すことができる。
【0251】
イメージ1430は、
図13で説明した補正及び復元されたイメージであり得る。
【0252】
イメージ1400乃至イメージ1430を比較するとき、本発明が相対的に優れた性能を示すことを一目で確認することができる。
【0253】
これは、他のイメージング方法が、深さによって幾何級数的に減少する弾道波を使用する一方で、本発明は、多重散乱をイメージング信号として活用できるために可能な結果であって、優れた復元及び補正性能を示す。
【0254】
したがって、本発明は、データ測定時間の減少に伴い、測定深さを変更しながら3次元高深度映像を獲得できるので、医・生命科学的に多様な応用が可能なイメージング装置及び方法を提供することができる。
【0255】
また、本発明は、ラベリングなしで反射を通じて得た反射行列に適用するアルゴリズムであって、高深度及び高解像度イメージを獲得できるので、臨床に直ぐ応用することができ、生体組織のみならず、半導体などのサンプルの内部を分解せずに内部のイメージを得ることができるので、計測装備への適用も可能なイメージング装置を提供することができる。
【0256】
以上で説明した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組み合わせで具現され得る。例えば、各実施例で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピューター、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、又は命令(instruction)を実行し、これに応答できる他のいずれかの装置のように、一つ以上の汎用コンピューター又は特殊目的コンピューターを用いて具現され得る。処理装置は、運営体制(OS)及び前記運営体制上で行われる一つ以上のソフトウェアアプリケーションを行うことができる。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データに接近し、データを記憶、操作、処理及び生成することもできる。理解の便宜のために、処理装置は、一つが使用されることを説明した場合もあるが、該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、処理装置が複数個の処理要素(processing element)及び/又は複数の類型の処理要素を含み得ることが分かる。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサ又は一つのプロセッサ及び一つのコントローラを含むことができる。また、並列プロセッサ(parallel processor)などの、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0257】
ソフトウェアは、コンピュータープログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、又はこれらのうち一つ以上の組み合わせを含むことができ、望み通りに動作するように処理装置を構成したり、独立的に又は結合的に(collectively)処理装置に命令を下すことができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈したり、処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素(component)、物理的装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピューター記憶媒体又は装置、又は伝送される信号波(signal wave)に永久的に又は一時的に具体化(embody)され得る。ソフトウェアは、ネットワークで連結されたコンピューターシステム上に分散され、分散された方法で記憶又は実行されることもある。ソフトウェア及びデータは、一つ以上のコンピューター判読可能な記録媒体に記憶され得る。
【0258】
以上のように、各実施例を限定された図面によって説明したが、該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の記載から多様な修正及び変形が可能である。例えば、説明した各技術が説明した方法と異なる順に行われたり、及び/又は説明したシステム、構造、装置、回路などの各構成要素が説明した方法と異なる形態で結合又は組み合わされたり、他の構成要素又は均等物によって代置又は置換されたとしても適切な結果が達成され得る。
【0259】
そのため、他の各具現、他の各実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0260】
100 イメージング装置
110 光源部
120 感知部
130 反射行列測定部
140 アルゴリズム処理部
150 イメージ処理部
160 制御部