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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004391
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20250107BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20250107BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20250107BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06Q50/30
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104053
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】池谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】野本 雅史
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,オラル
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC12
5H181MC19
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、車両に関連するユーザの意図に応じて車両の走行に関するデータを第三者へ提供することを可能にすることである。
【解決手段】情報処理装置は、車両から走行に関する第1データを受信する。また、情報処理装置は、ユーザによって設定された所定の条件であって、第三者への提供が許可された第1データの範囲又は第三者への提供が不許可とされた第1データの範囲を示す所定の条件を取得する。そして、情報処理装置は、第1データのうち、所定の条件に基づいて抽出された第三者への提供が許可されたデータを第三者サーバに送信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から走行に関する第1データを受信することと、
前記車両に関連するユーザによって設定された所定の条件であって、第三者への提供が許可された前記第1データの範囲又は前記第三者への提供が不許可とされた前記第1データの範囲を示す所定の条件を取得することと、
前記第1データのうち、前記所定の条件に基づいて抽出された前記第三者への提供が許可されたデータを第三者サーバに送信することと、
を実行する制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記車両に乗車中の前記ユーザによって前記車両の車載端末に対して入力され、
前記所定の条件が、前記ユーザが乗車中の前記車両の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の前記第1データを前記第三者に提供することを許可する又は不許可とすることを示しており、
前記制御部は前記所定の条件を前記車載端末から受信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の条件が、前記車両の走行日時によって規定されている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件が、前記車両の走行領域によって規定されている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の条件が、前記車両の走行ルートにおける出発地、到着地、又は経由地によって規定されている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の走行に関するデータを収集する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサデータ管理システムが開示されている。特許文献1に開示されたセンサデータ管理システムでは、センサデータを管理するサーバが、匿名化ポリシー設定ファイルの定義内容に従い、センサデータのうち指定されたデータ項目を指定された条件により個別に匿名化する匿名化処理を実行する。また、匿名化処理によって生成された匿名化センサデータを含むセンサデータの任意のデータ項目の組み合わせが他のサーバに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-241098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、車両に関連するユーザの意図に応じて車両の走行に関するデータを第三者へ提供することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る情報処理装置は、
車両から走行に関する第1データを受信することと、
前記車両に関連するユーザによって設定された所定の条件であって、第三者への提供が許可された前記第1データの範囲又は前記第三者への提供が不許可とされた前記第1データの範囲を示す所定の条件を取得することと、
前記第1データのうち、前記所定の条件に基づいて抽出された前記第三者への提供が許可されたデータを第三者サーバに送信することと、
を実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、車両に関連するユーザの意図に応じて車両の走行に関するデータを第三者へ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。
図2図2は、車両から管理サーバに送信される走行データのテーブル構成の一例を示す図である。
図3図3は、管理サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
図4図4は、不許可条件データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図5図5は、管理サーバから第三者サーバに対してデータ送信が行われる際に制御部によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
図6図6は、変形例に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
近年、多くの車両から走行に関するデータ(以下、「走行データ」と称する場合もある。)を収集し、収集された走行データをビッグデータとして活用する取り組みが行われている。しかしながら、各車両に関連するユーザが、全ての走行データをビッグデータとして提供することを許容するとは限らない。つまり、車両に関連するユーザが、走行データうちの少なくとも一部のデータについて、第三者への提供を許容しない場合がある。ここで、第三者は、収集された走行データをビッグデータとして活用する者である。そこで、本開示は、車両に関連するユーザの意図に応じて走行データを第三者へ提供することを可能にする技術を提供する。
【0009】
本開示に係る情報処理装置は制御部を備える。制御部は車両から第1データを受信する。第1データは走行データである。第1データは、車両に搭載された各種センサによって車両の走行中に取得されてもよい。また、制御部は、車両に関連するユーザによって設定された所定の条件を取得する。所定の条件は、第三者への提供がユーザによって許可された第1データの範囲又は第三者への提供がユーザによって不許可とされた第1データの範囲を示す。ユーザは所定の条件を任意のタイミングで設定することができる。なお、制御部は、ユーザが所定の条件を入力した端末(例えば、車両に搭載された車載端末)から、所定の条件を受信してもよい。
【0010】
また、制御部は、車両から受信した第1データの中から、第三者への提供がユーザによって許可されたデータ(以下、「許可データ」と称する場合もある。)を所定の条件に基づいて抽出する。このとき、所定の条件が、第三者への提供がユーザによって許可された第1データの範囲を示しているのであれば、制御部は、第1データの中から所定の条件を満たすデータを許可データとして抽出する。一方、所定の条件が、第三者への提供がユーザによって不許可とされた第1データの範囲を示しているのであれば、制御部は、第1データの中から所定の条件を満たすデータを除いたデータを許可データとして抽出する。
【0011】
そして、制御部は、抽出された許可データを第三者サーバに送信する。第三者サーバは、走行データをビッグデータとして活用する第三者に関連するサーバ装置である。なお、制御部は、車両から受信した第1データを、そのままの状態ではなく、何らかの加工処理を施した状態で第三者サーバに送信してもよい。
【0012】
本開示によれば、車両から受信した第1データの中からユーザの意図に応じた許可データを抽出して第三者へ提供することができる。
【0013】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、及び、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
<実施形態>
(システム概略)
図1は、本実施形態に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。データ提供システム1は、複数の車両10から走行データを収集し、収集した走行データを第三者に提供するためのシステムである。データ提供システム1は、複数の車両10、管理サーバ100、及び第三者サーバ200を含む。管理サーバ100は、複数の車両10から走行データを収集するサーバ装置である。第三者サーバ200は、車両10の走行データをビッグデータとして活用する第三者に関連するサーバ装置である。なお、本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0015】
複数の車両10、管理サーバ100、及び第三者サーバ200は、ネットワークによって相互に接続されている。ここで、ネットワークとしては、例えば、インターネット等の
公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。また、ネットワークは、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
【0016】
各車両10は、走行データを取得するための各種センサを備える。そして、各車両10は、走行中に取得した走行データを管理サーバ100に所定のタイミングで送信する。例えば、各車両10は、走行中に所定の間隔で周期的に走行データを管理サーバ100に送信してもよい。
【0017】
図2は、各車両10から管理サーバ100に送信される走行データのテーブル構成の一例を示す図である。図2に示すように、走行データは、車両IDフィールド、日時フィールド、位置フィールド、速度フィールド、及び加速度フィールド等を有する。車両IDフィールドには、走行データの送信元である車両10を特定するための識別情報である車両IDが入力される。日時フィールドには、車両10において走行データが取得された日時についての情報が入力される。位置フィールドには、車両10の位置情報が入力される。速度フィールドには、車両10の速度情報が入力される。加速度フィールドには、車両10の加速度情報が入力される。また、走行データには、車両10のスタートボタン(又は、イグニッションスイッチ)のON及びOFFに関する情報が含まれていてもよい。また、走行データには、車両10に搭載されたカメラによって撮像された画像情報が含まれていてもよい。なお、走行データは、必ずしも、車両10に搭載されたセンサによって取得されたデータでなくてもよい。本実施形態においては、走行データが、本開示に係る「第1データ」に相当する。
【0018】
また、管理サーバ100は、第三者の要求に応じて、車両10の走行データを第三者サーバ200に送信する。これにより、第三者は、ビッグデータとして活用する走行データの提供を受けることができる。ただし、各車両10のユーザが、管理サーバ100に送信された車両10の走行データの全てを第三者へ提供することを許容していない場合がある。ここで、車両10のユーザは、例えば、車両10の運転者または車両10の所有者である。そこで、本実施形態では、各車両10のユーザによって、予め不許可条件が設定されている。不許可条件は、第三者への提供がユーザによって不許可とされた走行データの範囲を示す条件である。不許可条件は、例えば、車両10の走行日時、車両10の走行領域、或いは、車両10の走行ルートにおける出発地、到着地、又は経由地によって規定される。なお、本実施形態においては、不許可条件が、本開示に係る「所定の条件」に相当する。
【0019】
管理サーバ100には、各ユーザによって設定された不許可条件が記憶されている。そして、車両10から受信した走行データの中から不許可条件を満たすデータを除いたデータを許可データとして抽出する。その上で、管理サーバ100は、許可データを第三者サーバに送信する。
【0020】
(管理サーバの構成)
次に、管理サーバ100の構成について説明する。図3は、管理サーバ100の構成を概略的に示すブロック図である。管理サーバ100は、制御部110、記憶部120、及び通信モジュール130を備えている。制御部110は、管理サーバ100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit
)等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、及び、ROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置を含む。なお、CPUはプロセッサ・リソースの一例である。また、RAM及びROMはメモリ・リソースの一例である。制御部110は、各種プログラム及び各種データに基づいて任意の情報処理を実行することができる。ただし、制御部110の一部または全部の機能はASIC、FPGA等のハードウェア回路によ
って実現されてもよい。
【0021】
記憶部120は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の任意の記憶装置によって構成される。記憶部120は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、又は、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。記憶部120には、制御部110によって実行されるプログラム、及びプログラムの実行に利用される各種データが記憶されている。
【0022】
記憶部120には、各車両10から受信した走行データ121を格納するデータベースが構築されている。このデータベースには、走行データ121が車両10毎に記憶されている。さらに、記憶部120には、各車両10のユーザによって設定された不許可条件122を格納するデータベース(不許可条件データベース)が構築されている。
【0023】
図4は、不許可条件データベースのテーブル構成の一例を示す図である。図4に示すように、不許可条件データベースは、ユーザIDフィールド、車両IDフィールド、及び不許可条件フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。車両IDフィールドには、ユーザに対応する車両10を特定するための識別情報である車両IDが入力される。不許可条件フィールドには、ユーザによって設定された不許可条件が入力される。
【0024】
ここで、(1)不許可条件が車両10の走行日時によって規定されている場合、ユーザが走行データの第三者への提供を不許可とする期間(以下、「不許可期間」と称する場合もある。)に関する情報が不許可条件フィールドに入力される。この場合、不許可条件フィールドに入力された不許可期間中に車両10において取得された走行データの第三者への提供が禁止される。また、(2)不許可条件が車両10の走行領域によって規定されている場合、ユーザが走行データの第三者への提供を不許可とする領域(以下、「不許可領域」と称する場合もある。)に関する情報が不許可条件フィールドに入力される。この場合、不許可条件フィールドに入力された不許可領域を走行中の車両10において取得された走行データの第三者への提供が禁止される。
【0025】
また、(3)不許可条件が車両10の車両の走行ルートにおける出発地、到着地、又は経由地によって規定されている場合、ユーザが走行データの第三者への提供を不許可とする走行ルート(以下、「不許可ルート」と称する場合もある。)に関する情報が不許可条件フィールドに入力される。例えば、ユーザが不許可条件を出発地として設定したのであれば、当該出発地が不許可ルートとして不許可条件フィールドに入力される。この場合、不許可条件フィールドに入力された出発地を出発した車両10の走行中に車両10において取得された走行データの第三者への提供が禁止される。また、ユーザが不許可条件を到着地として設定したのであれば、当該到着地が不許可ルートとして不許可条件フィールドに入力される。この場合、不許可条件フィールドに入力された到着地に到着した車両10の走行中に車両10において取得された走行データの第三者への提供が禁止される。また、ユーザが不許可条件を経由地として設定したのであれば、当該経由地が不許可ルートとして不許可条件フィールドに入力される。この場合、不許可条件フィールドに入力された経由地を経由した車両10の走行中に車両10において取得された走行データの第三者への提供が禁止される。
【0026】
なお、車両10の走行ルートにおける出発地、到着地、又は経由地は、走行データに含まれるスタートボタン(又は、イグニッションスイッチ)のON及びOFFに関する情報に基づいて特定することができる。そして、一の出発地(スタートボタン又はイグニッションスイッチがONにされた地点)から一の到着地(スタートボタン又はイグニッション
スイッチがOFFにされた地点)までの走行ルートを一の走行ルート(所謂1トリップ)として規定することができる。
【0027】
また、各ユーザは、自身に関連するユーザ端末に不許可条件を入力してもよい。そして、管理サーバ100は、各ユーザの不許可条件に関する情報を各ユーザのユーザ端末から受信してもよい。この場合、管理サーバ100は、各ユーザ端末から受信した不許可条件に関する情報を不許可条件データベースに格納する。
【0028】
通信モジュール130は、管理サーバ100をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信モジュール130は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。なお、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0029】
(情報処理のフロー)
次に、管理サーバ100において実行される情報処理のフローについて図5に基づいて説明する。図5は、管理サーバ100から第三者サーバ200に対してデータ送信が行われる際に制御部110によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。なお、本フローは、データ送信の対象となる車両10(以下、「対象車両」と称する場合もある)に関する走行データ121が記憶部120に構築されたデータベースに格納されている状態で実行される。また、第三者サーバ200からデータ提供依頼を受信した時に、制御部110が本フローを実行してもよい。また、制御部110が所定期間経過毎に本フローを実行してもよい。
【0030】
本フローでは、先ず、S101において、対象車両のユーザによって設定された不許可条件122が不許可条件データベースから取得される。つまり、対象車両の車両IDに対応する不許可条件122が不許可条件データベースから取得される。次に、S102において、対象車両に関する走行データ121の中から許可データが抽出される。つまり、記憶部120のデータベースに格納された対象車両に関する走行データ121の中から、S101で取得された不許可条件を満たすデータを除いたデータが抽出される。次に、S103において、S102で抽出された対象車両に関する許可データが第三者サーバ200に送信される。このとき、制御部110は、記憶部120のデータベースに格納された走行データ121に対して、第三者の要求に応じた加工処理を施した上で、許可データを第三者サーバ200に送信してもよい。
【0031】
上記のようなフローによれば、対象車両のユーザが第三者への提供を許容していない走行データが管理サーバ100から第三者サーバ200へ送信されるのを制限することができる。つまり、対象車両のユーザの意図に応じて対象車両の走行データを第三者へ提供することができる。
【0032】
なお、本実施形態においては、各車両10のユーザによって、不許可条件に代えて許可条件が予め設定されていてもよい。許可条件は、第三者への提供がユーザによって許可された走行データの範囲を示す条件である。許可条件も、例えば、車両10の走行日時、車両10の走行領域、或いは、車両の走行ルートにおける出発地、到着地、又は経由地によって規定される。この場合、管理サーバ100の記憶部120には、各車両10のユーザによって設定された許可条件を格納するデータベース(許可条件データベース)が構築される。そして、管理サーバ100の制御部110は、記憶部120に構築されたデータベースに格納された対象車両に関する走行データ121の中から許可条件を満たすデータのみを許可データとして抽出する。また、制御部110は、抽出された対象車両に関する許可データを第三者サーバ200に送信する。この場合、許可条件が、本開示に係る「所定
の条件」に相当する。
【0033】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例について説明する。図6は、データ提供システム1において、上記の実施形態とは異なるデータの流れを示す図である。本変形例においては、車両10が車載端末11を搭載している。車載端末11は、車両10に乗車中のユーザによって入力操作が可能な端末である。車載端末11は、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶装置、並びに通信モジュールを有するコンピュータである。車載端末11はネットワークによって管理サーバ100と接続されている。なお、本変形例においても、上記の実施形態と同様、車両10の走行データが管理サーバ100に送信される。
【0034】
本変形例では、車両10に乗車中のユーザが車載端末11に不許可条件を入力する。このとき、ユーザは、車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者に提供することを不許可とする場合、その旨を不許可条件として車載端末11に入力する。なお、このときのユーザによる車載端末11への入力操作は、例えば、車両10のスタートボタン(又は、イグニッションスイッチ)がONにされたタイミングで実施されてもよい。すなわち、ユーザによる車載端末11への入力操作は、車両10の現在の走行の開始地点において実行されてもよい。また、ユーザによる車載端末11への入力操作は、例えば、車両10のスタートボタン(又は、イグニッションスイッチ)がOFFにされたタイミングで実施されてもよい。すなわち、ユーザによる車載端末11への入力操作は、車両10の現在の走行の終了地点において実行されてもよい。また、車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者に提供することを、不許可とするか否か又は許可するか否かをユーザが選択するための画像が車載端末11に表示されてもよい。
【0035】
車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者に提供することを不許可とする旨がユーザによって車載端末11に入力されると、車載端末11から管理サーバ100に不許可指令が送信される。不許可指令は、車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者サーバ200に送信することを不許可とする指令である。車載端末11から管理サーバ100に送信される不許可指令には、ユーザのユーザID及び車両10の車両IDが含まれている。
【0036】
管理サーバ100は、車両10から不許可指令を受信すると、車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者サーバ200に送信することを不許可とすることを不許可条件データベースに入力する。これにより、車両10の現在の走行ルートの出発地から到着地までの間に車両10によって取得される走行データを第三者サーバ200に送信することを不許可とする不許可条件が不許可条件データベースに入力される。
【0037】
なお、車両10に乗車中のユーザが、車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者に提供することを許可とする旨を車載端末11に入力してもよい。この場合、車載端末11から管理サーバ100に許可指令が送信される。許可指令は、車両10の現在の走行の開始地点から終了地点までの間の走行データを第三者サーバ200に送信することを許可する指令である。そして、管理サーバ100においては、車両10の現在の走行ルートの出発地から到着地までの間に車両10によって取得される走行データを第三者サーバ200に送信することを許可する許可条件が許可条件データベースに入力される。
【0038】
本変形例によれば、車両10のユーザは、車両10の走行毎(1トリップ毎)に、当該
走行における走行データを第三者に提供することを許可するか否かを設定することが可能となる。
【0039】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0040】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0041】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0042】
1・・・データ提供システム
10・・車両
11・・車載装置
100・・管理サーバ
110・・制御部
120・・記憶部
121・・走行データ
122・・不許可条件
130・・通信モジュール
200・・第三者サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6