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特開2025-4419ガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具
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  • 特開-ガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具 図1
  • 特開-ガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具 図2
  • 特開-ガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具 図3
  • 特開-ガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004419
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20250107BHJP
   F23N 5/26 20060101ALI20250107BHJP
   F23K 5/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
F24C3/12 V
F24C3/12 U
F23N5/26 101C
F23K5/00 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104101
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】599094990
【氏名又は名称】サンタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100210295
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 誠心
(74)【代理人】
【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
(72)【発明者】
【氏名】三浦 貴博
【テーマコード(参考)】
3K068
【Fターム(参考)】
3K068AA01
3K068BB12
3K068BB20
3K068NA07
3K068NA08
(57)【要約】
【課題】ガス加熱調理器具において、ガスコックの操作部による火力の調節をより確実に行うことができ、再着火を安全に行うことができるガスコック開閉度表示板を提供すること。
【解決手段】ガスコック開閉度表示板4は、ガス管が接続されるガスコック本体21と、ガスコック本体21に対して旋回することによってガス流通の開閉を調節する操作部であるレバー23とを有し、ガス加熱調理器具本体10の側面に設けられたガスコック2の近傍において、レバー23の旋回を干渉することなく、ガス加熱調理器具本体10の側面からレバー23の旋回範囲の下方に延出し、レバー23の旋回に対応した開閉度目印を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス管が接続されるガスコック本体と、ガスコック本体に対して旋回することによってガス流通の開閉を調節する操作部とを有し、ガス加熱調理器具本体の側面に設けられたガスコックの近傍において、
操作部の旋回を干渉することなく、ガス加熱調理器具本体の側面から操作部の旋回範囲の下方に延出し、操作部の旋回に対応した開閉度目印を有するガスコック開閉度表示板。
【請求項2】
開閉度目印が、閉鎖位置から全開位置の火力の強弱を文字又は/及び色分け或いは図形で表示されていることを特徴とする請求項1に記載のガスコック開閉度表示板。
【請求項3】
開閉度目印に、ガスが僅かに流通してガス調理器具の火口へ供給されるけれども炎が維持できない危険範囲が表示されていることを特徴とする請求項2に記載のガスコック開閉度表示板。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスコック開閉度表示板を備えることを特徴とするガス加熱調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス管が接続されるガスコック本体と旋回動作でガス流通の開閉を調節する操作部とを有するガス加熱調理器具のガスコックにおいて、その操作部の開閉度を目視できるガスコック開閉度表示板、及び、そのガスコック開閉度表示板を有するガス加熱調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス加熱調理器具において、火口に供給されたガスに着火することと、着火後にガスの燃焼状況を確実に把握して火の取り扱いを安全に行えることが重要な問題である。
【0003】
例えば特開平6-43042号公報では、火口のガスに確実に着火できたか否かの確認を容易とし、且つ、容器表面の温度を表示して火の取り扱いを注意できるようにした温度表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-43042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飲食店で使用される業務用のガス加熱調理器具においては、調理中の火力調節を客が行うことがある。
【0006】
調理の状況に応じてガスコックの操作部を旋回させて、火力の強弱を調整する。火力を弱くするためにガスコックの操作部を閉じる方向に旋回させるとガスの供給が不充分となって、火口において炎が維持できず消えてしまう場合がある。
【0007】
特に業務用のガス加熱調理器具では、安全性を考慮して火口の周囲が囲繞されているため、炎の様子が視認し難い場合がある。
【0008】
そのため、火力を弱くした際に、炎が消えたことに気づかずに、火口からガスの漏洩したまま放置されてしまうことがある。
【0009】
ガス加熱調理器具内に漏洩したガスが充満し、再点火時に引火して、爆発・火災発生等の危険が生じるという問題があった。
【0010】
上記問題を踏まえて、本願発明は、ガス加熱調理器具において、ガスコックの操作部による火力の調節をより確実に行うことができ、再着火を安全に行うことができるガスコック開閉度表示板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1のガスコック開閉度表示板は、ガス管が接続されるガスコック本体と、ガスコック本体に対して旋回することによってガス流通の開閉を調節する操作部とを有し、ガス加熱調理器具本体の側面に設けられたガスコックの近傍において、操作部の旋回を干渉することなく、ガス加熱調理器具本体の側面から操作部の旋回範囲の下方に延出し、操作部の旋回に対応した開閉度目印を有する。
【0012】
請求項1に係るガスコック開閉度表示板を備えるガス加熱調理器具は、着火後に燃焼の強弱を調節するため操作部を旋回させる際に、開閉度目印に対する操作部の旋回位置でガスコックの開閉度が目視できる。
【0013】
請求項1に係るガスコック開閉度表示板を備えるガス加熱調理器具は、同じガス加熱調理器具本体の側面に設けられているので、操作部の旋回中心とガスコック開閉度表示板との位置関係が変わらないこととなる。そのため、開閉度目印に対する操作部の旋回位置によるガスコックの開閉度の把握精度を高く維持することができる。
【0014】
請求項2のガスコック開閉度表示板は、請求項1の発明に加えて、開閉度目印が、閉鎖位置から全開位置の火力の強弱を文字又は/及び色分け或いは図形で表示されている。
【0015】
請求項2に係るガスコック開閉度表示板を備えるガス加熱調理器具は、請求項1と同様の作用に加えて、上記のような開閉度目印の表示によって、より直感的にガスコックの開閉度と火力の強弱との関係を把握することができる。
【0016】
請求項3のガスコック開閉度表示板は、請求項2の発明に加えて、開閉度目印に、ガスが僅かに流通して火口へ供給されるけれども火力を維持できず消えてしまう範囲を示す危険範囲が表示されている。
【0017】
請求項3に係るガスコック開閉度表示板を備えるガス加熱調理器具は、請求項2と同様の作用に加えて、上記のような開閉度目印の表示によって、ガス漏れが発生する操作部の位置を、より直感的に把握することができる。
【0018】
請求項4のガス加熱調理器具は、請求項1から3のいずれかに記載のガスコック開閉度表示板を備える。
【0019】
請求項4に係るガス加熱調理器具は、請求項1から3のいずれかと同様の作用がある。
【発明の効果】
【0020】
火力はガスコックの開閉度によって決まるので、操作部を旋回によってガス加熱調理器具の火力を容易に調節することができるという効果を有する。
【0021】
さらに、ガス加熱調理器具の火口の周囲が安全性を考慮して囲繞されている等で燃焼の様子が視認し難い場合でも、再着火させる前に、操作部と開閉度目印との重なり位置を確認すれば、火口からガスの漏洩が放置された状態となっていたかどうかを確認することができる。よって、再着火を安全に行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態のガス開閉度表示板を備えるガス加熱調理器具の斜視図である。
図2図1のガスコック近傍の拡大正面図である。
図3図1のガスコック近傍の拡大平面図である。
図4】ガス開閉度表示板の一例を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態のガス開閉度表示板及びガス開閉度表示板を備えるガス加熱調理器具について、図面に基づいて説明する。
【0024】
ガス加熱調理器具1は、ガスが供給されることによって、ガス加熱調理器具本体10に収容されたバーナーでガスが燃焼し加熱調理が可能となっている。
【0025】
ガス加熱調理器具本体10には、ガスコック2、着火装置3及びガスコック開閉度表示板4が設けられている。
【0026】
ガスコック2は、ガスコック本体21、プラグ22、及び、操作部にあたるレバー23とを有する。
【0027】
ガス加熱調理器具本体10の側面外方にガスコック本体21が位置し、ガスコック本体21はガス加熱調理器具1の内部に設けられるバーナーの火口にガスを供給するガス管との接続口を備える。
【0028】
ガスコック本体21には、旋回動作でガス流通の開閉を調節するプラグ22がガスコック本体21内の弁箱にすり合せて組立てられ、ガスコック本体21から突出したプラグ22の回転軸の上部水平方向にレバー23が突設されており、90度の範囲でレバー23の旋回を操作して、ガスコック2の開閉度の調整を行えるものとなっている。
【0029】
ガス加熱調理器具本体10の側面のガスコック2の近傍には、着火装置3が付随されている。
【0030】
ガスコック本体21の周辺において、ガスコック開閉度表示板4がガス加熱調理器具本体10の側面から延出して取り付けられている。
【0031】
ガスコック開閉度表示板4は、プラグ22の回転及びレバー23の旋回を干渉しないように、レバー23の旋回範囲の下方に延出している。
【0032】
図4のガスコック開閉度表示板4の一例に示すように、レバー23の旋回範囲に応じてガス流通の開閉度合いを示す開閉度目印がレバー23の旋回範囲の直下に表示されている。
【0033】
開閉度目印はレバー23の旋回範囲のする直下から放射線状に伸びて表示してもよく、或いは、ガスコック開閉度表示板4において、レバー23の旋回範囲の直下を囲む範囲に表示してもよい。
【0034】
レバー23とガスコック開閉度表示板4とを平面視すると、レバー23と開閉度目印との重なりが上方から目視できる位置関係と成っている。
【0035】
図4に示すように、ガスコック開閉度表示板4の開閉度目印は、閉鎖位置の「閉」から全開位置の「開」、その中間の火の強弱等を文字又は/及び色分け或いは図形で表示してある。
【0036】
さらに、「閉」と「弱」の間には、ガスが僅かに流通して火口へ供給されるけれど、火力を維持できずに消えてしまう範囲を示す危険範囲が識別可能な目印で表示されている。
【0037】
着火後の火力の調節は上記の危険範囲にレバー23が位置しないように「強」と「弱」の表示の範囲内を目印としてレバー23を操作すれば、適宜選択した火力を得られ安全に調理を行うことができるものとなる。
【0038】
このように、ガスコック開閉度表示板4の開閉度目印に対するレバー23の旋回位置で、レバー23の開閉度が目視できるので、レバー23の旋回に対応した調節後の開閉度を目視で確認でき、カス加熱調理器具が囲繞されている等で燃焼の様子が視認し難い場合でも安全かつ容易に燃焼の状況を推測して判断できるものである。
【0039】
図4に示すように、ガスコック開閉度表示板4の開閉度目印には、開閉・強弱のみならず、火力を維持できず消えてしまう範囲を示す危険範囲を特別に加えて表示している。これにより、火力を弱くし過ぎて火が消えてしまった結果、火口からガスが漏洩しつづけてしまうという危険な状況が発生することを防止できるものである。
【0040】
上記実施態様では、操作部が本体から突出したプラグ22の上部水平方向に突出したレバー23である場合について説明したが、棒状のレバーに限定されるものではない。操作部は、摘まんで回転操作ができる形状等の別のガスの流通の開閉を調節する操作部であってもよい。
【0041】
上記実施態様では、図4に示すガスコック開閉度表示板4の開閉度目印について説明したが、これに限定されるものではない。開閉度目印は、例えば、操作部が平面視で開閉度目印と重なり合う基準と成る突起部や目印線等で表示されていてもよい。
【0042】
上記実施態様では、操作部の旋回軸が垂直方向に延びる場合について説明したがこれに限定されるものではない。操作部の旋回軸は、例えば水平方向に延びる場合でもよく、開閉度目印のガスコック開閉度表示板4も操作部の旋回範囲に応じて設置してもよい。
【0043】
さらに、ガスコック開閉度表示板4の開閉度目印は、文字又は/及び色分け或いは図形に限定されず、目視又は手又は指で触れて認識できるものであってもよい。
【0044】
以上、本発明を図面に基づいて説明した実施の形態における具体的構成は一例であり、同様の作用効果を得られる他の構成又は手段を排除するものではない。
【符号の説明】
【0045】
1 ガス加熱調理器具
2 ガスコック
3 着火装置
4 ガスコック開閉度表示板
10 ガス加熱調理器具本体
21 ガスコック本体
22 プラグ
23 レバー
図1
図2
図3
図4