IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラシエホールディングス株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004422
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20250107BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20250107BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20250107BHJP
   C11D 7/44 20060101ALI20250107BHJP
   C11D 1/00 20060101ALI20250107BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20250107BHJP
   C11D 3/382 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/10
C11D7/26
C11D7/44
C11D1/00
C11D3/20
C11D3/382
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104107
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ロウ ウェイウェイ
(72)【発明者】
【氏名】仁木 舞子
(72)【発明者】
【氏名】木村 美波
(72)【発明者】
【氏名】佐々野 恵育
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC662
4C083AC792
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD202
4C083AD332
4C083AD432
4C083AD531
4C083AD532
4C083AD641
4C083BB01
4C083CC23
4C083DD27
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE13
4H003AB03
4H003AB10
4H003DA02
4H003DB01
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB46
4H003ED02
4H003FA26
(57)【要約】
【課題】
肌のキメを整える効果に優れ、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善効果に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
下記(A)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物により上記課題を解決する。好ましくは、さらに下記(B)~(D)のいずれか1種以上を含有する皮膚洗浄剤組成物である。
(A)アロエ抽出物、カミツレ抽出物、及びセージ抽出物
(B)アスコルビン酸及び/又はその誘導体
(C)グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上
(D)洗浄効果を有する界面活性剤
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。
(A)アロエ抽出物、カミツレ抽出物、及びセージ抽出物
【請求項2】
さらに下記(B)を含有する請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
(B)アスコルビン酸及び/又はその誘導体
【請求項3】
さらに下記(C)を含有する請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
(C)グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上
【請求項4】
さらに下記(D)を含有する請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
(D)洗浄効果を有する界面活性剤


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌のキメを整える効果に優れ、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善効果に優れた皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗顔料あるいはクレンジング料等の皮膚洗浄組成物は使用時の洗浄力と起泡力を高く設計することが嗜好性の高さに繋がることから、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤を併用する方法に関してこれまでに様々な皮膚洗浄剤(例えば、特許文献1~3を参照)が提案されている。しかし、洗浄力が高いと肌が本来必要としている脂質や水溶性うるおい成分まで洗い流してしまうことで、洗浄後の肌は水分量が低下し、乾燥するという問題が生じる。
【0003】
一方、加齢や外界の刺激によって皮膚の保湿機能が低下すると、皮膚の乾燥及びそれに伴う肌荒れ、肌のハリや弾力低下によるシワ、たるみなどの現象が惹起され、キメが乱れることが知られている。そのため、スキンケア素材を用いることで、肌質及び肌のキメを整え、肌のかさつきを改善し、肌をなめらかにすることは、美容上好ましくないさまざまな皮膚状態の予防のためのケアとして極めて重要である。また、外観上の問題だけでなく、肌のキメが粗い状態を放置すると、皮膚本来の保湿機能やバリア機能の低下を引き起こすことも知られており、洗浄後肌の乾燥に起因するキメの乱れを防止・改善する方法が求められていた。
【0004】
このようなキメの乱れを防止するために様々な化粧料や食品などの方法が提案されている。例えば、洗浄後の肌に乾燥を生じることなくうるおいを保持する皮膚洗浄組成物(例えば、特許文献4を参照)が知られている。また、外的要因に起因する肌荒れを抑え肌のキメを整える場合、肌表皮の新陳代謝の促進に有効な成分、角質層の保護に有効な成分、ヒアルロン酸やコラーゲンの合成を促す成分を含む化粧料が提案されている。このような観点からは、新陳代謝を促進するリノレン酸を安定的に配合した抗老化剤(例えば、特許文献5を参照)、ソルビトール及び/またはマンニトールとグリセリン及び/またはジグリセリンを配合したキメ改善化粧料(例えば、特許文献6を参照)、皮膚浸透指数が2以上であることを特徴とする油性成分を配合したキメ改善化粧料(例えば、特許文献7を参照)、オレイン酸エチルを配合したキメを整える効果に優れた化粧料(例えば、特許文献8を参照)などが提案されている。
【0005】
上記従来技術は、何れもキメの乱れを防止することを目的とする方法として一定の改善がなされているが、皮膚洗浄料を用いる方法に関しては、肌のバリア機能の改善、外部刺激からの肌へのダメージの低減、肌のターンオーバー代謝促進など複合的な要因が適切なバランスで調節される必要があり、毛穴を目立たなくさせる効果や肌荒れを改善する効果を発揮するまでには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-213763号公報
【特許文献2】特開平5-86397号公報
【特許文献3】特開平8-269489号公報
【特許文献4】特開2015-054852号公報
【特許文献5】特開2002-080370号公報
【特許文献6】特開2004-051545号公報
【特許文献7】特開2004-051539号公報
【特許文献8】特開2006-273807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、肌のキメを整える効果に優れ、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善効果に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、アロエ抽出物、カミツレ抽出物、及びセージ抽出物からなる成分に肌のキメを整え、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善効果に優れることを見出し。本発明を完成した。
【0009】
さらに、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有することで肌のキメ及び毛穴目立ち改善が飛躍的に向上し、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上含有することで肌荒れ改善が飛躍的に向上した。また、洗浄効果を有する界面活性剤を含有することで皮膚洗浄力が向上した。
【0010】
すなわち、本発明は、
[1]
下記(A)を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物である。
(A)アロエ抽出物、カミツレ抽出物、及びセージ抽出物
[2]
さらに下記(B)を含有する[1]に記載の皮膚洗浄剤組成物である。
(B)アスコルビン酸及び/又はその誘導体
[3]
さらに下記(C)を含有する[1]又[2]に記載の皮膚洗浄剤組成物である。
(C)グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上
[4]
さらに下記(D)を含有する[1]又は[2]に記載の皮膚洗浄剤組成物である。
(D)洗浄効果を有する界面活性剤
【発明の効果】
【0011】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、肌のキメを整える効果に優れ、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善に優れた効果を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、「肌のキメ」とは肌表面を拡大して観察した場合、縦横斜めに走っている溝(皮溝)とその皮溝に囲まれた丘(皮丘)のことで、「肌のキメを整える」とはその皮溝皮丘が細かく整っている状態をいい、透明感のある綺麗な肌に影響する。「毛穴目立ち改善」とは、皮膚の毛穴を目立ちにくくすることをいい、例えば、毛穴開口を小さくする、角栓を除去する、開口周囲の皮膚を収斂させて毛穴のタルミを改善することなどをいう。「肌荒れ改善」とは、皮膚のバリア機能を改善することをいい、例えば経皮水分蒸散量(TEWL)の増大を抑え、炎症性応答による痒みや色素沈着を改善することなどをいう。
【0013】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0014】
<(A)アロエ抽出物、カミツレ抽出物、セージ抽出物>
本発明で用いる(A)成分は、アロエ抽出物、カミツレ抽出物、及びセージ抽出物からなる組成物である。アロエ抽出物には皮表柔軟化および角層水分量増加による保湿作用、カミツレ抽出物には抗アレルギー作用やUVB吸収による紫外線防御作用、セージ抽出物にはヒスタミン遊離抑制による抗アレルギー作用が知られている。本発明では、これらの植物抽出物を組みあわせることで、肌のキメを整え、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善に優れた効果を奏することを見出した。
【0015】
本発明で用いる(A)成分は、そのまま又は粉砕後、水、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコールや1,3-ブチレングリコール等の多価アルコール、ジエチレングルコールエーテル等の多価アルコールアルキルエーテルその他の極性溶媒、又はそれらの混液にて抽出して得ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明で用いる(A)成分の含有量は、皮膚洗浄剤合計量として好ましくは全組成中0.0001~10%であり、さらに好ましくは0.001~3%である。0.0001%以上であれば、肌のキメを整え、毛穴目立ちを改善し、さらに肌荒れ改善に優れた効果が得られ、10%以下であれば、製剤の安定性が良好でべたつきなどがなく良好な使用感を得られる。
【0017】
<(B)アスコルビン酸及び/又はその誘導体>
本発明で用いる(B)成分は、アスコルビン酸及び/又はその誘導体で、栄養素のビタミンCとしてはたらき、肌の潤い、ツヤ改善、シミやシワの改善、抗酸化作用による老化防止効果が知られている。本発明では、より一層肌のキメを整え、毛穴目立ちを改善する目的で使用する。
【0018】
具体的にはL-アスコルビン酸グルコシド、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸エステルマグネシウム塩、2-O-エチル-L-アスコルビン酸、3-O-エチル-L-アスコルビン酸などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明で用いる(B)成分の含有量は、好ましくは皮膚洗浄剤全組成中0.0001~10質量%(以下、単に%と記する)であり、さらに好ましくは0.001~5%である。0.0001%以上であれば、肌のキメ、毛穴目立ち改善が飛躍的に向上し、10%以下であれば、製剤の安定性や優れた使用感を得られる。
【0020】
<(C)グリチルリチン酸及びその誘導体>
本発明で用いる(C)成分は、グリチルリチン酸及びその誘導体である。グリチルレチン酸及びその誘導体は、カンゾウまたはその同属植物の根茎および根から抽出したグリチルリチン等を原料として生成したものであり、一般に炎症、抗アレルギー作用があることが知られている。本発明では、より一層の肌荒れ改善目的で使用する。
【0021】
グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体は、医薬品、医薬部外品、化粧品で通常用いられているものであれば特に制限されず用いることができる。グリチルリチン酸類は、公知の方法により合成してもよく、或いは市販品として入手することもできる。
【0022】
本発明に用いる、グリチルリチン酸又はグリチルレチン酸の誘導体としては、例えば、ステアリル酸等の脂肪酸とのエステル誘導体が挙げられる。グリチルリチン酸又はグリチルレチン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等が挙げられ、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチ
ン酸ステアリル等が挙げられる。また、グリチルリチン酸類は、これらを含有するカンゾウ等の生薬や生薬末、生薬エキスとして本発明の皮膚洗浄剤組成物に配合されていてもよい。グリチルリチン酸類としては、好ましくはグリチルリチン酸の塩であり、より好ましくはグリチルリチン酸のアルカリ金属塩であり、特に好ましくはグリチルリチン酸ジカリウムである。
【0023】
本発明で用いる(C)成分の含有量は、好ましくは全組成中0.001~10%であり、さらに好ましくは0.1~5%である。0.001%以上であれば、十分な肌荒れ改善効果が得られ、10%以下であれば、製剤の安定性や優れた使用感を得られる。
【0024】
<(D)洗浄効果を有する界面活性剤>
本発明で用いる(D)成分は、洗浄効果を有する界面活性剤で、洗浄剤の基材として用いられる。(D)成分は、好ましくは、カルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも一方を含有するアニオン界面活性剤であり、このようなものとしては、好ましくは脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸系界面活性剤が挙げられる。
【0025】
より具体的には、脂肪酸塩としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸を問わず、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸などから1種又は2種以上選択され、特にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が、良好な泡立ち、泡質、安定性を実現する点で好適である。
【0026】
N-アシルアミノ酸系界面活性剤としては、N-ココイルグリシン塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-ミリストイルグルタミン酸塩、N-ラウロイル-N-メチルグリシン塩、N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-β-アラニン塩、N-ラウロイルアスパラギン酸塩、N-ラウロイルセリン塩、及びN-アシルメチルタウリン塩から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0027】
上記N-アシルアミノ酸系界面活性剤の塩部については、アルカリ金属塩、アルカノールアミン及び塩基性アミノ酸塩から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0028】
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、上記(D)成分の配合量は、組成物全量に対し0.1~40%であり、好ましくは3~30%、より好ましくは15~30%である。配合量が0.1%以上であれば、泡立ち、泡質、洗浄力、使用感が良好となり、40%以下であれば、低温析出がなく経時安定性が良好となる。
【0029】
また低温安定性を向上するため、さらに両性界面活性剤を含有させることが好ましい。両性界面活性剤としては、一般的に皮膚洗浄剤組成物に用いられるものであれば限定されないが、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどが挙げられる。
【0030】
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、エタノールおよびパラオキシ安息香酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルなどのパラベン類を実質的に含有しない。これにより、皮膚への刺激を低減させることが可能となる。尚、実質的にとは、全く含まれていないか、若しくは、植物抽出物などの原料中に含まれていることを言う。
【0031】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で
他の成分、例えば、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、高分子、粉体(顔料、色素、樹脂等)、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0032】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0033】
上記粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0034】
上記溶媒としては、例えば精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0035】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0036】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0037】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、常法により製造することができ、洗顔、クレンジング、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング料、マッサージ料等の皮膚洗浄料として好適に使用できる。
【実施例0038】
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。実施例及び比較例に記載の官能特性試験は下記の方法にて実施した。
【0039】
表1及び表2に記載の実施例1~7,比較例1~10に示す組成にて皮膚洗浄剤組成物を調製し、下記官能特性試験を実施した。その結果を表1及び表2に併せて示す。
<官能特性試験>
専門パネル20名により、実施例及び比較例に記載の皮膚洗浄剤組成物を2週間連用し、肌のキメ、毛穴の目立ち、肌荒れ改善の各項目を官能試験によって5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
【0040】
(1)肌のキメ評価
5点:連用によって肌の手触りが良く、全体として透明感のある印象を与える
4点:連用によって肌の手触りがやや良く、やや透明感のある印象を与える
3点:連用によって全体として肌の透明感を感じられない
2点:連用によってややうすい皮がめくれている、ややくすんだ印象を与える
1点:連用によって広範囲にうすい皮がめくれている、全体的にくすんだ印象を与える
(2)毛穴の目立ち評価
5点:連用によって毛穴の外観が著しくなめらかになったように感じた
4点:連用によって毛穴の外観がややなめらかになったように感じた
3点:連用によって毛穴の外観がわずかになめらかになったように感じた
2点:連用によって毛穴の外観がわずかに粗く、ガサガサになったように感じた
1点:連用によって毛穴の外観が粗く、ガサガサになったように感じた
(3)肌荒れ改善評価
5点:連用によってかさつかず、赤みもなく、全体として滑らかな表面を作っている
4点:連用によってややかさつかず、赤みもなく、やや滑らかな表面を作っている
3点:連用によって肌表面がカサカサに乾き、やや赤みがある
2点:連用によって肌表面がカサカサに乾き、明らかに赤味がある
1点:連用によって肌表面がカサカサに乾き、広範囲に赤みがある
【0041】
判定
◎:平均点が4.5点以上
○:3.5以上、4.5点未満
△:2.5以上、3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表1、2の結果から、各実施例の皮膚洗浄剤組成物は、各比較例のものと対比して、何れも優れた性能を有していた。一方比較例では、肌のキメ、毛穴の目立ち、肌荒れ改善の何れかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0045】
以下、本発明に係る皮膚洗浄剤組成物の処方例を示す。
【0046】
処方例1(洗顔料)
(成分名) (質量%)
1.ミリスチン酸 25.0
2.ステアリン酸 8.0
3.ラウリルヒドロキシスルタイン 2.0
4.水酸化カリウム 6.5
5.塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液 0.3
6.アスコルビン酸2-グルコシド 2.0
7.グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
8.イソプロピルメチルフェノール 0.1
9.カミツレ花エキス 0.2
10.セージエキス 0.2
11.ハトムギ種子抽出物 0.3
12.シャクヤク根エキス 0.05
13.加水分解コンキオリン 0.05
14.アロエエキス 0.1
15.酒石酸 0.1
16.クエン酸ナトリウム 0.1
17.グリセリルグルコシド 1.0
18.ヒアルロン酸Na 0.3
19.ラベンダー油 0.015
20.オレンジ油 0.2
21.ベルガモットオイル 0.015
22.フェノキシエタノール 適 量
23.安息香酸ナトリウム 適 量
24.エデト酸四ナトリウム 適 量
25.精製水 残 余
【0047】
処方例2(洗顔ジェル)
(成分名) (質量%)
1.N-ラウロイルサルコシンナトリウム 10.0
2.N-ココイルメチルタウリンナトリウム 3.0
3.ラウリン酸 3.0
4.ミリスチン酸 1.5
5.(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー 5.0
6.水酸化カリウム 1.8
7.塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液 0.15
8.L-アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム 0.2
9.グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
10.イソプロピルメチルフェノール 0.1
11.アロエエキス 0.2
12.カミツレ花エキス 0.1
13.セージエキス 0.1
14.レモン果実エキス 0.05
15.コメヌカエキス 0.05
16.水溶性コラーゲン 1.0
17.スクワラン 2.0
18.グリセリン 3.0
19.1,3-BG 2.0
20.フェノキシエタノール 0.3
21.安息香酸ナトリウム 0.2
22.酒石酸 0.5
23.エデト酸四ナトリウム 適 量
24.ハッカ油 適 量
25.ラベンダー油 適 量
26.ローズマリ油 適 量
27.精製水 残 余
【0048】
処方例3(泡洗顔料)
(成分名) (質量%)
1.N-ココイルグリシンカリウム 3.0
2.N-ココイルメチルタウリンナトリウム 3.0
3.N-ココイルアラニンTEA 2.0
4.ラウリルヒドロキシスルタイン 2.0
5.L-アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム 0.2
6.グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
7.イソプロピルメチルフェノール 0.1
8.アロエエキス 0.2
9.カミツレ花エキス 0.1
10.レモン果実エキス 0.1
11.セージエキス 0.05
12.コメヌカエキス 0.05
13.ハトムギ種子抽出物 0.3
14.シャクヤク根エキス 0.05
15.ザクロ果皮エキス 0.05
16.ハマメリス葉エキス 0.05
17.水溶性コラーゲン 1.0
18.ヒアルロン酸Na 0.3
19.グリセリルグルコシド 2.0
20.グリセリン 3.0
21.1,3-BG 2.0
22.クエン酸 0.05
23.クエン酸ナトリウム 0.1
24.ラベンダー油 0.015
25.オレンジ油 0.2
26.ベルガモットオイル 0.015
27.フェノキシエタノール 適 量
28.安息香酸ナトリウム 適 量
29.エデト酸四ナトリウム 適 量
30.精製水 残 余