(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004454
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】業務依頼支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250107BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104148
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】奥田 俊文
(72)【発明者】
【氏名】金井 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】三谷 健太
(72)【発明者】
【氏名】九津見 修
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴大
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】特定の部署に対して業務を依頼する場合に、業務の依頼などを円滑に行うことを可能にする。
【解決手段】複数の社員Uが複数の部署Dに分けられ、各社員Uが通信端末2を介して支援サーバ3と通信自在に接続され、支援サーバ3に、各部署Dに所属する社員Uの識別情報と該社員Uの通信端末2の識別情報とを記憶するとともに、各社員Uの権限に関する情報を記憶する社員情報データベースと、社員Uから入力された依頼したい業務内容と依頼先部署Dとを含む依頼情報を記憶し、所定の権限を有する社員Uからのアクセスに応じて、該社員Uが所属する部署Dを依頼先部署Dとする依頼情報の業務内容を含む情報を該社員Uに提供する支援タスクと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが複数のグループに分けられ、各ユーザが通信端末を介して支援サーバと通信自在に接続され、
前記支援サーバに、
各グループに所属するユーザの識別情報と該ユーザの通信端末の識別情報とを記憶するとともに、各ユーザの権限に関する情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
ユーザから入力された依頼したい業務内容と依頼先グループとを含む依頼情報を記憶し、所定の権限を有するユーザからのアクセスに応じて、該ユーザが所属するグループを依頼先グループとする前記依頼情報の業務内容を含む情報を該ユーザに提供する支援手段と、
を備えることを特徴とする業務依頼支援システム。
【請求項2】
前記支援手段は、前記所定の権限を有するユーザから前記業務内容を担当する担当ユーザの識別情報が入力されると、該識別情報を前記業務内容と関連付けて記憶し、
ユーザからのアクセスに応じて、該ユーザを担当ユーザとする業務内容を含む情報を該ユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の業務依頼支援システム。
【請求項3】
前記支援手段は、前記担当ユーザから入力された前記業務内容の処理状況を記憶し、
ユーザからのアクセスに応じて、該ユーザに関連する業務内容の処理状況を該ユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項2に記載の業務依頼支援システム。
【請求項4】
前記支援手段は、前記担当ユーザから入力された前記業務内容に関する完了報告を記憶し、
前記担当ユーザと同じグループに属して所定の権限を有するユーザからのアクセスに応じて、前記完了報告を該ユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項2に記載の業務依頼支援システム。
【請求項5】
前記支援手段は、前記所定の権限を有するユーザから入力された前記完了報告に対する承認サインを記憶し、
ユーザからのアクセスに応じて、該ユーザに関連する業務内容の完了報告であって承認サインを有する完了報告を該ユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項4に記載の業務依頼支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同じ企業内などで行われる業務の依頼を支援するための業務依頼支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、企業内における業務上の依頼やその報告は、電子メール(以下、単に「メール」という)で行われることが多く、その場合、業務依頼のメールを受信するのが各組織・部署の所属長である場合が多く、以下のような対応を行う必要があった。すなわち、まず、所属長が受信したメールを実際に業務・作業を行う担当者に転送し、次に、担当者がメールの指示に基づいて業務・作業を実施して所属長に報告する。そして、所属長が報告内容を確認、承認し、担当者が業務依頼者に業務結果を報告する、などの対応が必要であった。
【0003】
一方、代理購入サービスにおける発注業務の簡素化などを図る、という商品の代理購入方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、商品購入者の端末から購入希望商品を特定する情報を代理購入業者のサーバに送信すると、サーバから調達請負者の端末に調達希望商品リストを送信する。そして、このリストを見た調達請負者が請負を希望する商品を特定する情報をサーバに送信すると、この情報を最先に送信した端末に対してサーバが調達業務を委託する旨の情報を送信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のようにメールで業務を依頼する場合、依頼を受けた所属長が担当者のメールアドレスを指定してメールを転送したり、期限を管理するための期限表を別途作成したりしなければならず、手間と時間を要していた。また、担当者が業務依頼者に報告書を送る際には、所属長の承認を受ける必要があるが、所属長の業務状況などによっては承認を受けるのに手間と時間を要する場合があった。
【0006】
このような事情から、同じ企業内などにおける業務の依頼やその業務の遂行などを円滑に行えるようにする、技術が求められていた。一方、特許文献1の方法では、複数の調達請負者のなかから調達希望商品に適した調達請負者を選択したりすることが可能ではあるが、特定の部署などに対して業務・作業を依頼する場合には適用することができない。
【0007】
そこで本発明は、特定のグループに対して業務を依頼する場合に、業務の依頼などを円滑に行うことを可能にする業務依頼支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数のユーザが複数のグループに分けられ、各ユーザが通信端末を介して支援サーバと通信自在に接続され、前記支援サーバに、各グループに所属するユーザの識別情報と該ユーザの通信端末の識別情報とを記憶するとともに、各ユーザの権限に関する情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、ユーザから入力された依頼したい業務内容と依頼先グループとを含む依頼情報を記憶し、所定の権限を有するユーザからのアクセスに応じて、該ユーザが所属するグループを依頼先グループとする前記依頼情報の業務内容を含む情報を該ユーザに提供する支援手段と、を備えることを特徴とする業務依頼支援システムである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の業務依頼支援システムにおいて、前記支援手段は、前記所定の権限を有するユーザから前記業務内容を担当する担当ユーザの識別情報が入力されると、該識別情報を前記業務内容と関連付けて記憶し、ユーザからのアクセスに応じて、該ユーザを担当ユーザとする業務内容を含む情報を該ユーザに提供する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の業務依頼支援システムにおいて、前記支援手段は、前記担当ユーザから入力された前記業務内容の処理状況を記憶し、ユーザからのアクセスに応じて、該ユーザに関連する業務内容の処理状況を該ユーザに提供する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2に記載の業務依頼支援システムにおいて、前記支援手段は、前記担当ユーザから入力された前記業務内容に関する完了報告を記憶し、前記担当ユーザと同じグループに属して所定の権限を有するユーザからのアクセスに応じて、前記完了報告を該ユーザに提供する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の業務依頼支援システムにおいて、前記支援手段は、前記所定の権限を有するユーザから入力された前記完了報告に対する承認サインを記憶し、ユーザからのアクセスに応じて、該ユーザに関連する業務内容の完了報告であって承認サインを有する完了報告を該ユーザに提供する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、業務を依頼したいユーザが業務内容と依頼先グループとを含む依頼情報を支援サーバに入力すると、支援サーバに依頼情報が記憶される。一方、所定の権限を有するユーザが支援サーバにアクセスすると、このユーザのグループに依頼された業務内容などがこのユーザに提供される。このように、業務を依頼したいユーザも業務の依頼を受けるユーザもともに、任意の時に支援サーバにアクセスするだけで、業務を依頼したり業務の依頼を受けたりすることが可能となる。
【0014】
しかも、業務の依頼を受けるユーザは、支援サーバにアクセスするだけで、依頼されたすべての業務内容などを確認することが可能となる。また、所定の権限を有するユーザだけが自グループに依頼された業務内容などを確認できるため、所定の権限を有するユーザがまず業務内容を確認したり、業務内容に適した担当者を選定したりして、円滑に業務を遂行することが可能となる。このようにして、特定のグループに対して業務を依頼する場合に、業務の依頼やその遂行を円滑に行うことが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、所定の権限を有するユーザが業務内容の担当ユーザの識別情報を支援サーバに入力すると、この識別情報が業務内容と関連付けて支援サーバに記憶される。一方、ユーザが支援サーバにアクセスすると、このユーザが担当すべき業務内容などがこのユーザに提供される。このように、所定の権限を有するユーザも業務の担当を受けるユーザもともに、任意の時に支援サーバにアクセスするだけで、担当ユーザを決めたり担当すべき業務内容を確認したりすることが可能となる。しかも、所定の権限を有するユーザは、担当ユーザの識別情報を支援サーバに入力するだけでよく、従来のように担当者のメールアドレスを指定してメールを転送したりする必要がない。このようにして、特定のユーザに対して業務を依頼する場合に、業務の依頼やその遂行を円滑に行うことが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、担当ユーザが業務内容の処理状況を支援サーバに入力すると、この処理状況が支援サーバに記憶される。一方、ユーザが支援サーバにアクセスすると、このユーザに関連する業務内容、例えば、このユーザが依頼した業務内容やこのユーザのグループが依頼された業務内容の処理状況が、このユーザに提供される。このように、担当ユーザも処理状況を知りたいユーザもともに、任意の時に支援サーバにアクセスするだけで、処理状況をアップデートしたり処理状況を確認したりすることが可能となる。つまり、従来のように、期限を管理するための期限表を別途作成したりする必要がなく、業務の遂行などを円滑に進めることが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、担当ユーザが業務内容の完了報告を支援サーバに入力すると、この完了報告が支援サーバに記憶される。一方、担当ユーザと同じグループに属して所定の権限を有するユーザが支援サーバにアクセスすると、完了報告がこのユーザに提供される。このように、担当ユーザも所定の権限を有するユーザもともに、任意の時に支援サーバにアクセスするだけで、完了報告をアップデートしたり完了報告を確認したりすることが可能となる。しかも、完了報告を確認できるのは、担当ユーザと同じグループに属して所定の権限を有するユーザだけであるため、このユーザよりも先に他のユーザが完了報告を見ることなどを防止し、業務の遂行などを円滑に進めることが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、所定の権限を有するユーザが完了報告に対する承認サインを支援サーバに入力すると、完了報告に対する承認サインが支援サーバに記憶される。一方、ユーザが支援サーバにアクセスすると、このユーザに関連する業務内容、例えば、このユーザが依頼した業務内容の完了報告であって承認サインを有する完了報告がこのユーザに提供される。このように、完了報告を承認するユーザも完了報告を受けるユーザもともに、任意の時に支援サーバにアクセスするだけで、完了報告を承認したり承認済の完了報告を確認したりすることが可能となる。このように、承認された完了報告だけを依頼元のユーザに提供したりすることが可能となり、業務の遂行などを円滑に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の実施の形態に係る業務依頼支援システムを示す概略構成図である。
【
図2】
図1の業務依頼支援システムの支援サーバを示す概略構成ブロック図である。
【
図3】
図2の支援サーバの社員情報データベースのデータ構成を示す図である。
【
図4】
図2の支援サーバの支援タスクの起動画面を示す図である。
【
図5】
図2の支援サーバの新規依頼タスクの画面を示す図である。
【
図6】
図2の支援サーバの請負タスクの画面を示す図である。
【
図7】
図2の支援サーバの依頼済タスクの画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明の実施の形態に係る業務依頼支援システム1を示す概略構成図である。この業務依頼支援システム1は、1つの同じプラットフォーム上で業務を依頼したり依頼を受けたりするためのシステムである。ここで、この実施の形態では、1つの同じ企業内での業務の依頼や請負を支援する場合について主として説明するが、その他の組織内や複数の組織間での業務の依頼や請負にも適用可能である。また、企業内の複数の社員(ユーザ)Uが複数の部署(グループ)Dに分けられて所属し、主に部署D間で業務の依頼や請負を行うものとする。
【0022】
この業務依頼支援システム1は、各社員Uが各自に割り当てられた通信端末2を介して、支援サーバ3と通信自在に接続されている。
【0023】
通信端末2は、汎用のパーソナルコンピューターで構成され、キーボードやマウスなどの入力部やディスプレイ・表示部、支援サーバ3などと通信するための通信部などを備える。また、後述する支援サーバ3の支援タスク33にアクセスするためのプログラムがインストールされ、表示部に表示された所定のアイコンをクリックすることで、このプログラムが起動するようになっている。
【0024】
支援サーバ3は、
図2に示すように、主として、社員情報データベース(ユーザ情報記憶手段)31と、業務情報データベース(業務情報記憶手段)32と、支援タスク(支援手段)33と、これらを制御などする中央処理部36と、を備える。この支援サーバ3は、この実施の形態では、一体で構成され当該企業内に配置されているが、複数のサーバやコンピュータで構成したり、クラウドコンピュータで構成したり、支援タスク33の一部または全部を通信端末2に備えるようにしてもよい。
【0025】
社員情報データベース31は、各部署Dに所属する社員Uに関する情報を記憶するデータベースである。具体的には、
図3に示すように、社員ID311ごとに、端末ID312、所属313、役職314、その他315が記憶されている。社員ID311には、この社員Uの識別情報、つまり、氏名や社員番号などが記憶され、端末ID312には、この社員Uが使用する通信端末2の識別情報、つまり、機器番号やIPアドレスなどが記憶されている。
【0026】
所属313には、この社員Uが所属する部署Dの識別情報、つまり、部署名や部署番号などが記憶され、役職314には、この社員Uの権限に関する情報が記憶されている。具体的には、この社員Uの役職(部署Dの所属長か、他の社員Uの上長かなど)や、この社員Uが支援サーバ3に対してアクセスする際にどのような権限を有するか(どのような情報にアクセス可能か)などが記憶されている。
【0027】
業務情報データベース32は、後述する支援タスク33において、社員Uから入力された依頼情報や業務内容の処理状況などを記憶するデータベースである。
【0028】
支援タスク33は、各社員Uの通信端末2に共通のプラットフォームを提供し、業務の依頼や請負などを支援するタスク・プログラムである。まず、上記のように、通信端末2で所定のアイコンがクリックされると起動され、
図4に示すような初期画面(メニュ画面)を通信端末2の表示部に表示する。
【0029】
次に、社員Uが新しい業務・作業を依頼する際に、この画面の「業務依頼」の「新規」がクリックされると、
図2の新規依頼タスク341を起動する。また、社員Uが既に依頼した業務に関する情報を確認等したい際に、「業務依頼」の「依頼済」がクリックされると、
図2の依頼済タスク342を起動する。さらに、社員Uが自部署?または自分に依頼された業務を確認等したい際に、「業務請負」がクリックされると、
図2の請負タスク35を起動する。また、
図2の依頼タスク34は、新規依頼タスク341と依頼済タスク342を制御などするためのタスクである。以下、業務の依頼、請負などの一般的な流れに従って、各タスク341、342、35について説明する。
【0030】
新規依頼タスク341は、まず、
図5に示すような依頼情報シート(この時点ではブランクシート)を通信端末2の表示部に表示する。この依頼情報シートは、依頼したい業務内容や依頼先部署D(業務を行ってもらいたい部署?)を含む依頼情報を入力するためのシートであり、依頼件名や依頼内容(業務内容であり複数の設問を入力可)、期限、対象箇所(依頼先部署Dであり複数可)および起案者、確認者、承認者などを入力可能となっている。そして、社員Uによって依頼情報シートに依頼情報が入力されると、この依頼情報(依頼情報シートの入力情報)や依頼情報を入力した社員Uの識別情報および部署Dの識別情報、入力日などを業務情報データベース32に記憶する。
【0031】
ここで、確認者欄と承認者欄へのサイン・署名(承認サイン)は、依頼情報を入力した社員Uと同じ部署Dに属する上長Uや所属長U(所定の権限を有する社員U)が依頼情報シートを読み出して記入することで記憶される。この際、承認サインを要する旨のメッセージを上長Uや所属長Uの通信端末2に送信するようにしてもよい。このような新規依頼タスク341は、誰でも起動(アクセス)できるようにしてもよいし、所定の権限を有する社員Uのみが起動できるようにしてもよい。
【0032】
請負タスク35は、起動(アクセス)する社員Uの権限によって処理内容が異なる。まず、所定の権限を有する社員U、例えば、業務の担当者を決定する権限を有する部署?の所属長Uがアクセスした場合には、この所属長(社員)Uが所属する部署Dを依頼先部署Dとする依頼情報の業務内容を含む情報をこの所属長Uに提供する。すなわち、まず、
図6(a)に示すように、この部署?に依頼されている全業務のリスト(請負リスト)をこの所属長Uの通信端末2に表示する。
【0033】
このリストには、各業務の件名(依頼情報シートにおける依頼件名)、依頼元(依頼した部署?)、期限、対応者(担当社員U)、処理状況(進捗状況)などを含む。ここで、業務に対する担当社員Uが決まっていない場合には、「対応者」欄および「処理状況」欄には、「未設定」を表示する。
【0034】
この表示状態において、特定の件名がクリックされると、
図6(b)に示すように、この件名に該当する依頼情報シートに基づく請負情報シートを所属長Uの通信端末2に表示する。このようにして、所属長Uは、自部署Dに依頼された業務に関する情報を知得することができる。ここで、請負情報シートには、依頼情報シートの依頼件名や依頼内容(後述する報告内容を入力可)、期限、対象箇所を含みに、さらに、対応者、処理状況、起案者、確認者、承認者などを入力可能となっている。
【0035】
そして、対応者(担当社員U)が決まっていない件名の請負情報シートにおいて、所属長Uが業務内容を担当する担当社員Uの識別情報を入力すると、この識別情報を業務内容・件名と関連付けて、つまり、この請負情報シートの情報として業務情報データベース32に記憶する。この際、この請負情報シートの「処理状況」欄には、「未着手」を記憶する。
【0036】
一方、担当社員Uとして選定される可能性がある社員(所定の権限を有しない一般社員)Uが請負タスク35をアクセスすると、この社員Uを担当社員Uとする業務内容を含む情報をこの社員Uに提供する。すなわち、「対応者」欄にこの社員Uの識別情報が記憶されている、請負リストおよび請負情報シートをこの社員Uの通信端末2に表示する。このようにして、社員Uは、自分に依頼された業務に関する情報を知得することができる。
【0037】
次に、この担当社員Uが依頼された業務に着手し、業務の進み具合に応じて、請負情報シートの「処理状況」欄に業務内容の処理状況を入力すると、この処理状況を業務内容・件名と関連付けて、つまり、この請負情報シートの情報として業務情報データベース32に記憶する。ここで、処理状況をどのように入力してもよいが、処理済の程度をパーセンテージで表したり、処理状況を文字で説明したりしてもよい。
【0038】
その後、例えば、担当社員Uと同じ部署Dの所属長Uが請負タスク35にアクセスすると、「処理状況」欄に最新の処理状況が記入された、
図6(a)の請負リストや
図6(b)の請負情報シートを所属長Uの通信端末2に表示する。このようにして、依頼先部署Dの社員Uからのアクセスに応じて、この社員Uに関連する業務内容の処理状況をこの社員Uに提供する。
【0039】
一方、依頼元部署D(業務を依頼した部署?)の社員Uが依頼済タスク342を起動・アクセスすると、まず、
図7(a)に示すように、この部署?が依頼した業務のリストを通信端末2に表示する。この実施の形態では、依頼元部署Dの所定の権限を有する社員U(例えば、所属長U)がアクセスした場合には、この部署?が依頼した全業務のリスト(部署別依頼リスト)を表示し、所定の権限を有しない社員Uがアクセスした場合には、この社員Uが依頼した(起案者である)全業務のリスト(社員別依頼リスト)を表示する。
【0040】
このリストには、各業務の件名(依頼情報シートにおける依頼件名)、対象箇所、期限、報告箇所、完了率(処理状況)などを含む。ここで、対象箇所が複数の部署Dを対象とする場合、報告箇所を(報告した部署数)/(全対象部署数)で表し、完了率を報告箇所のパーセンテージで表す。また、対象箇所が1つの部署Dの場合、報告箇所には依頼先部署?を表し、完了率には上記の請負情報シートの処理状況を表す。このようにして、依頼元部署Dの社員Uからのアクセスに応じて、この社員Uに関連する業務内容の処理状況をこの社員Uに提供する。
【0041】
一方、依頼先部署Dの担当社員Uが依頼された業務を完了し、上記の請負情報シートの「依頼内容・報告内容」欄に業務内容に関する完了報告(設問への報告)を入力するとともに、「処理状況」欄に業務完了を入力すると、この入力情報を業務内容・件名と関連付けて、つまり、この請負情報シートの情報として業務情報データベース32に記憶する。
【0042】
その後、例えば、担当社員Uの部署Dの上長Uや所属長Uが請負タスク35にアクセスすると、「依頼内容・報告内容」欄に完了報告が入力され「処理状況」欄に業務完了が入力された請負情報シートを通信端末2に表示する。このようにして、担当社員Uと同じ部署Dに属して所定の権限を有する社員Uからのアクセスに応じて、この社員Uに関連する業務内容の完了報告をこの社員Uに提供する。そして、上長Uや所属長Uが完了報告を見て確認者欄や承認者欄にサイン・署名(承認サイン)を記入すると、このサインを業務内容・件名と関連付けて、つまり、この請負情報シートの情報として業務情報データベース32に記憶する。
【0043】
次に、依頼元部署Dの社員Uが依頼済タスク342にアクセスし、
図7(a)のリスト(社員Uの権限に応じた部署別依頼リストまたは社員別依頼リスト)の特定の件名をクリックすると、
図7(b)に示すように、この件名に該当する依頼情報シートに基づく依頼内容シートをこの社員Uの通信端末2に表示する。ここで、依頼内容シートには、依頼情報シートの依頼件名や依頼内容、期限、対象箇所を含みに、さらに、「報告一覧表示」ボタン、「統計情報表示」ボタン、「ダウンロード」ボタンなどを含む。
【0044】
そして、「報告一覧表示」ボタンがクリックされると、
図7(c)の依頼報告シートに示すように、この業務内容・件名の完了報告であって依頼先部署Dの上長Uや所属長Uのサインを有する完了報告を、該当する請負情報シートから取得して通信端末2に表示する。この際、対象箇所つまり依頼先部署Dが複数の場合、各依頼先部署Dからの完了報告を表示する。このようにして、社員Uからのアクセスに応じて、この社員Uに関連する業務内容の完了報告であって承認サインを有する完了報告をこの社員Uに提供する。また、「統計情報表示」ボタンがクリックされると、処理状況や完了報告などの統計的情報を通信端末2に表示し、「ダウンロード」ボタンがクリックされると、これらの情報を通信端末2にダウンロードする。
【0045】
以上のように、この業務依頼支援システム1によれば、業務を依頼したい社員Uが業務内容や依頼先部署Dなどの依頼情報を支援サーバ3に入力すると、支援サーバ3に依頼情報が記憶される。一方、所定の権限を有する社員Uが支援サーバ3にアクセスすると、この社員Uの部署Dに依頼された業務内容などがこの社員Uに提供される。このように、業務を依頼したい社員Uも業務の依頼を受ける社員Uもともに、任意の時に支援サーバ3にアクセスするだけで、業務を依頼したり業務の依頼を受けたりすることが可能となる。
【0046】
しかも、業務の依頼を受ける社員Uは、支援サーバ3にアクセスするだけで、依頼されたすべての業務内容などを確認することが可能となる。また、所定の権限を有する社員Uだけが自部署Dに依頼された業務内容などを確認できるため、所定の権限を有する社員Uがまず業務内容を確認したり、業務内容に適した担当者を選定したりして、円滑に業務を遂行することが可能となる。このようにして、特定の部署Dに対して業務を依頼する場合に、業務の依頼やその遂行を円滑に行うことが可能となる。
【0047】
また、所定の権限を有する社員Uが業務内容の担当社員Uの識別情報を支援サーバ3に入力すると、この識別情報が業務内容と関連付けて支援サーバ3に記憶される。一方、社員Uが支援サーバ3にアクセスすると、この社員Uが担当すべき業務内容などがこの社員Uに提供される。このように、所定の権限を有する社員Uも業務の担当を受ける社員Uもともに、任意の時に支援サーバ3にアクセスするだけで、担当社員Uを決めたり担当すべき業務内容を確認したりすることが可能となる。しかも、所定の権限を有する社員Uは、担当社員Uの識別情報を通信端末2に表示されている請負情報シートに入力するだけでよく、従来のように担当者のメールアドレスを指定してメールを転送したりする必要がない。このようにして、特定の社員Uに対して業務を依頼する場合に、業務の依頼やその遂行を円滑に行うことが可能となる。
【0048】
また、担当社員Uが業務内容の処理状況を支援サーバ3の請負情報シートに入力すると、この処理状況が支援サーバ3に記憶される。一方、社員Uが支援サーバ3にアクセスすると、この社員Uに関連する業務内容、例えば、この社員Uが依頼した業務内容やこの社員Uの部署Dが依頼された業務内容の処理状況が、この社員Uに提供される。このように、担当社員Uも処理状況を知りたい社員Uもともに、任意の時に支援サーバ3にアクセスするだけで、処理状況をアップデートしたり処理状況を確認したりすることが可能となる。つまり、従来のように、期限を管理するための期限表を別途作成したりする必要がなく、業務の遂行などを円滑に進めることが可能となる。
【0049】
また、担当社員Uが業務内容の完了報告を支援サーバ3の請負情報シートに入力すると、この完了報告が支援サーバ3に記憶される。一方、担当社員Uと同じ部署Dに属して所定の権限を有する社員Uが支援サーバ3にアクセスすると、完了報告がこの社員Uに提供される。このように、担当社員Uも所定の権限を有する社員Uもともに、任意の時に支援サーバ3にアクセスするだけで、完了報告をアップデートしたり完了報告を確認したりすることが可能となる。しかも、完了報告を確認できるのは、担当社員Uと同じ部署Dに属して所定の権限を有する社員Uだけであるため、この社員Uよりも先に他の社員Uが完了報告を見ることなどを防止し、業務の遂行などを円滑に進めることが可能となる。
【0050】
また、所定の権限を有する社員Uが完了報告に対する承認サインを支援サーバ3の請負情報シートに入力すると、完了報告に対する承認サインが支援サーバ3に記憶される。一方、社員Uが支援サーバ3にアクセスすると、この社員Uに関連する業務内容、例えば、この社員Uが依頼した業務内容の完了報告であって承認サインを有する完了報告(依頼報告シート)がこの社員Uに提供される。このように、完了報告を承認する社員Uも完了報告を受ける社員Uもともに、任意の時に支援サーバ3にアクセスするだけで、完了報告を承認したり承認済の完了報告を確認したりすることが可能となる。このように、承認された完了報告だけを依頼元の社員Uに提供したりすることが可能となり、業務の遂行などを円滑に進めることが可能となる。
【0051】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、依頼情報シート、請負情報シート、依頼内容シートおよび依頼報告シートなどを介して情報の入力、記憶および表示・提供などをしているが、これらのシートなどを介さずに必要な情報を入力、記憶および表示・提供などするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 業務依頼支援システム
2 通信端末
3 支援サーバ
31 社員情報データベース(ユーザ情報記憶手段)
32 業務情報データベース(業務情報記憶手段)
33 支援タスク(支援手段)
U 社員(ユーザ)
D 部署(グループ)