(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004567
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】組付治具の検査装置
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20250107BHJP
G01M 13/003 20190101ALI20250107BHJP
【FI】
F17C13/04 301Z
G01M13/003
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104335
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】齋木 厚志
(72)【発明者】
【氏名】姫野 泰博
【テーマコード(参考)】
2G024
3E172
【Fターム(参考)】
2G024AA15
2G024BA08
2G024CA21
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA02
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC05
3E172JA10
(57)【要約】
【課題】組付治具における組付精度の低下を判別できる組付治具の検査装置を提供すること。
【解決手段】検査装置50は、第1検査部材51と、第2検査部材61と、照射装置71と、を備える。第1検査部材51は、検査筒部52と、口金部の雌ねじのねじ山での内径RTを有する第1確認部56と、を備える。第2検査部材61は、本体部62と、突出部64と、突出部64の外周面から突出し、かつOリングでのシール径RSを有する第2確認部65と、検査孔67と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金部の内周面に形成された雌ねじに、バルブアッセンブリの締結部の外周面に形成された雄ねじを螺合して前記口金部に前記バルブアッセンブリを組付ける際に用いられる組付治具であり、前記締結部の軸線方向における前記雄ねじよりも前記締結部の先端に配置されたシール部と前記雌ねじとの干渉を抑制するために用いられる前記組付治具を検査するための組付治具の検査装置であって、
前記組付治具は、
前記口金部の外周に固定される第1治具と、
前記第1治具の外周に取り付けられるとともに、前記バルブアッセンブリに設けられた複数の差込孔のそれぞれに差込可能な複数のガイド棒を備える第2治具と、を備え、
前記差込孔に差し込まれた前記ガイド棒に沿って前記バルブアッセンブリを移動させることで、前記締結部の中心軸線と前記雌ねじの中心軸線とを一致させた状態で前記バルブアッセンブリを移動可能とし、
前記検査装置は、
前記口金部の外径を有し、かつ前記第1治具が固定される検査筒部と、当該検査筒部の中心軸線に向けて前記検査筒部の内周面から突出し、かつ前記雌ねじのねじ山での内径を有する第1確認部と、を備える第1検査部材と、
前記ガイド棒を差込可能とする挿通孔の形成された本体部と、前記本体部から突出し、前記検査筒部に挿入される突出部と、前記突出部の外周面から突出し、かつ前記シール部でのシール径を有する第2確認部と、前記本体部において前記第2確認部の中心軸線を中心とし、かつ前記第2確認部の外周面を投影させた仮想円より外側に設けられた検査孔と、を備える第2検査部材と、
前記本体部から前記突出部の突出する方向に沿って前記検査孔に光を照射する照射装置と、を備えることを特徴とする組付治具の検査装置。
【請求項2】
前記検査孔は、複数の丸孔である請求項1に記載の組付治具の検査装置。
【請求項3】
前記本体部において、前記突出部の外側で円弧状に延びる複数の長孔である請求項1に記載の組付治具の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組付治具の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、水素等の燃料ガスが充填される容器としての高圧タンクが知られている。高圧タンクは、本体の端部に口金部を備える。口金部は、内周面に雌ねじを備える。
【0003】
バルブアッセンブリは、金属製のハウジングに高圧バルブを内蔵する。バルブアッセンブリのハウジングは、雄ねじを含むねじ締結部を備える。また、バルブアッセンブリは、ねじ締結部の端部やねじ締結部の先端部にシール部を備える。
【0004】
そして、ねじ締結部の雄ねじを口金部の雌ねじに螺合することにより、バルブアッセンブリは口金部に締結される。シール部は、口金部の内周面に接触する。この接触は、燃料ガスを高圧タンク内に密封するシール機能を発揮する。
【0005】
しかし、バルブアッセンブリのねじ締結部を口金部に締結する際、ねじ締結部が偏心したり、傾いたりして口金部に挿入されると、ねじ締結部に設けたシール部が口金部の雌ねじに接触して、シール部が損傷する虞がある。このようなシール部の損傷を抑制するため、ねじ締結部の偏心や傾きを抑制する組付治具を用いることが考えられる。このような組付治具としては、ねじ締結部の偏心や傾きを抑制すべく、ねじ締結部の中心軸線が雌ねじの中心軸線に一致するようにバルブアッセンブリをガイドするものが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、組付治具の繰り返し使用等によって、組付治具の変形や摩耗が生じてしまうと、組付治具によるガイド機能が低下して、組付治具による組付精度が低下してしまう。その結果、組付治具を用いてもバルブアッセンブリのシール部が口金部の雌ねじに接触してしまう。このため、組付治具における組付精度の低下を判別する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するための組付治具の検査装置は、口金部の内周面に形成された雌ねじに、バルブアッセンブリの締結部の外周面に形成された雄ねじを螺合して前記口金部に前記バルブアッセンブリを組付ける際に用いられる組付治具であり、前記締結部の軸線方向における前記雄ねじよりも前記締結部の先端に配置されたシール部と前記雌ねじとの干渉を抑制するために用いられる前記組付治具を検査するための組付治具の検査装置であって、前記組付治具は、前記口金部の外周に固定される第1治具と、前記第1治具の外周に取り付けられるとともに、前記バルブアッセンブリに設けられた複数の差込孔のそれぞれに差込可能な複数のガイド棒を備える第2治具と、を備え、前記差込孔に差し込まれた前記ガイド棒に沿って前記バルブアッセンブリを移動させることで、前記締結部の中心軸線と前記雌ねじの中心軸線とを一致させた状態で前記バルブアッセンブリを移動可能とし、前記検査装置は、前記口金部の外径を有し、かつ前記第1治具が固定される検査筒部と、当該検査筒部の中心軸線に向けて前記検査筒部の内周面から突出し、かつ前記雌ねじのねじ山での内径を有する第1確認部と、を備える第1検査部材と、前記ガイド棒を差込可能とする挿通孔の形成された本体部と、前記本体部から突出し、前記検査筒部に挿入される突出部と、前記突出部の外周面から突出し、かつ前記シール部でのシール径を有する第2確認部と、前記本体部において前記第2確認部の中心軸線を中心とし、かつ前記第2確認部の外周面を投影させた仮想円より外側に設けられた検査孔と、を備える第2検査部材と、前記本体部から前記突出部の突出する方向に沿って前記検査孔に光を照射する照射装置と、を備えることを要旨とする。
【0009】
検査装置では、検査筒部の外周に第1治具が固定されると、第1検査部材によって、口金部の外周に第1治具を固定した状態を再現できる。また、検査筒部の内周には、第1確認部によって、口金部の雌ねじを再現できる。そして、第1治具の外周に第2治具が取り付けられた状態で、その第2治具のガイド棒を第2検査部材の挿通孔に差し込むと、ガイド棒にバルブアッセンブリを取り付けた状態を再現できる。そして、ガイド棒に沿って第2検査部材を移動させて、突出部を検査筒部に挿入すると、第2確認部によってシール部を再現できる。
【0010】
第1検査部材及び第2検査部材を中心軸線の延びる方向に見たとき、第1確認部の内周面と第2確認部の外周面との間には隙間が形成される。このとき、組付治具の組付精度が低下していなければ、組付治具を原因とした、突出部の傾きや偏心は発生していない。すると、第1確認部の中心軸線と、第2確認部の中心軸線とが一致するため、隙間を通じて検査孔の光を視認できる。よって、組付治具による組付精度の低下が発生していないと判別できる。
【0011】
一方、組付治具の組付精度が低下していると、突出部の傾きや偏心が発生している。すると、第1確認部の中心軸線と、第2確認部の中心軸線とが一致しなくなるため、隙間を通じて検査孔の光が視認しにくくなる場合が発生する。よって、組付治具による組付精度の低下が発生していると判別できる。したがって、検査装置を用いることで、組付治具における組付精度の低下を容易に判別できる。
【0012】
組付治具の検査装置において、前記検査孔は、複数の丸孔であってもよい。
これによれば、組付治具の組付精度が低下して、突出部が傾いたり、偏心したりした場合、複数の検査孔のうちのいずれかの視認性が低下する。これにより、どの方向に突出部が傾いたり、偏心したかを容易に確認できる。
【0013】
組付治具の検査装置について、前記本体部において、前記突出部の外側で円弧状に延びる複数の長孔であってもよい。
これによれば、複数の検査孔は、円弧状に延びるため、突出部が傾いたり、偏心したりしていると、その突出部によって長孔の一部が隠れる。これにより、どの方向に突出部が傾いたり、偏心したりしているかを容易に確認できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、組付治具における組付精度の低下を判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、バルブアッセンブリの組付治具を示す部分破断断面図である。
【
図2】
図2は、組付治具及びバルブアッセンブリを示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、検査装置の使用状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、組付精度の低下していないときの結果を示す図である。
【
図7】
図7は、組付精度の低下しているときの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、組付治具の検査装置を具体化した一実施形態を
図1~
図7にしたがって説明する。まず、高圧タンクについて説明する。
<高圧タンク>
図1に示すように、高圧タンク10は、略円筒状のタンク本体部11と、口金部12と、を備える。高圧タンク10の内部には、例えば、燃料ガスとしての水素ガスが充填される。なお、高圧タンク10の内部には、燃料ガス以外の例えば、圧縮ガスや液化ガスが充填されてもよい。タンク本体部11の内部には、充填空間S1が画定されている。充填空間S1には、水素ガスが充填される。
【0017】
口金部12は、金属製である。口金部12は、略円筒状である。口金部12は、タンク本体部11の軸線方向の端部に設けられている。口金部12は、円孔状の貫通孔12hを画定する。口金部12は、雌ねじ13と、シール面14と、を備える。雌ねじ13は、口金部12における貫通孔12hを画定する面である、口金部12の内周面に形成されている。雌ねじ13の中心軸線L1は、口金部12の中心軸線と一致する。雌ねじ13のねじ山での内径RTは、製造上の製造公差を持つ値である。雌ねじ13の製造公差がプラス側で最大になると、内径RTは最小になるとともに、雌ねじ13の製造公差がマイナス側で最大になると、内径RTは最大になる。シール面14は、口金部12における雌ねじ13よりもタンク本体部11の内部寄りに位置する。シール面14は、円筒面である。
【0018】
高圧タンク10には、口金部12の雌ねじ13を介してバルブアッセンブリ20がねじ込まれる。これにより、バルブアッセンブリ20が口金部12に対して着脱可能な状態で締結される。そして、バルブアッセンブリ20を介して図示しない水素供給源から水素ガスが高圧タンク10の内部に充填される。
【0019】
<バルブアッセンブリ>
図1及び
図2に示すように、バルブアッセンブリ20は、ハウジング21と、バルブ22と、締結部23と、雄ねじ24と、Oリング27と、ノズル28と、を備える。
【0020】
ハウジング21は、板状である。ハウジング21には、円孔状の差込孔25が2つ形成されている。2つの差込孔25の各々は、ハウジング21を板厚方向に貫通する。2つの差込孔25の中心点は、仮想円C上に位置している。仮想円Cは、2つの差込孔25の中心点同士を繋ぐ直線を直径とする円である。仮想円Cの中心点は、締結部23の中心軸線L2上に位置する。2つの差込孔25の各々には、後述する組付治具1が備えるガイド棒44が差し込み可能である。
【0021】
バルブ22は、ハウジング21に内蔵されている。バルブ22は、電磁式の開閉弁である。バルブ22は、口金部12の貫通孔12hを開閉する。バルブ22は、高圧タンク10の充填空間S1に水素ガスを充填する際に、開状態となる。また、バルブ22は、高圧タンク10の充填空間S1への水素ガスの充填が終わると、閉状態となる。
【0022】
締結部23は、ハウジング21の中央部から略円筒状に突出する。締結部23の軸線方向は、ハウジング21の板厚方向と一致する。締結部23の外周面には雄ねじ24が形成されている。雄ねじ24は、口金部12の雌ねじ13に螺合される。
【0023】
シール部としてのOリング27は、締結部23の軸線方向において、雄ねじ24よりも締結部23の先端寄りに配置されている。なお、シール部は、Oリング27以外にもVリングなど、他のシールリングであってもよい。Oリング27は、バルブアッセンブリ20が口金部12に締結された状態で、口金部12のシール面14に着座する。これにより、Oリング27は、口金部12のシール面14と締結部23の外周面との間を軸シールする。バルブアッセンブリ20において、Oリング27の外径を、シール径RSとする。このシール径RSは、雌ねじ13の内径RTよりも小さく、かつシール面14の内径より僅かに大きい。シール径RSは、Oリング27や締結部23に起因した製造公差を持つ値である。製造公差がプラス側で最大になると、シール径RSは最大になるとともに、製造公差がマイナス側で最大になると、シール径RSは最小になる。
【0024】
ノズル28は、締結部23の先端から突出している。ノズル28は、締結部23を介して高圧タンク10の内部とバルブ22とを連通する。
上述したバルブアッセンブリ20を高圧タンク10の口金部12に組み付ける際には、組付治具1が用いられる。以下、組付治具1について説明する。
【0025】
<組付治具>
バルブアッセンブリ20の組付治具1は、口金部12の内周面に形成された雌ねじ13に、バルブアッセンブリ20の締結部23の外周面に形成された雄ねじ24を螺合して口金部12にバルブアッセンブリ20を組付ける際に用いられる。そして、組付治具1は、Oリング27と雌ねじ13との干渉を抑制するために用いられる。
【0026】
図1及び
図2に示すように、組付治具1は、第1治具30と第2治具40と、を備える。
第1治具30は、口金部12の外周に固定される。第1治具30は、略円筒状の第1ボディ31を備える。第1ボディ31は、当該第1ボディ31の先端に規制突条33を備える。規制突条33は、第1ボディ31の内周面から環状に突出する。規制突条33の内径は、口金部12の外径より小さく、かつ口金部12の内径と同じである。なお、規制突条33の内径は、口金部12の外径より小さければ、口金部12の内径より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0027】
第1ボディ31には、第1貫通孔31a、取付孔31b及び装着溝36が形成されている。第1治具30の中心軸線は、第1中心軸線L10である。また、第1中心軸線L10の延びる方向は、第1治具30の軸線方向である。第1貫通孔31aは、第1治具30の軸線方向へ円孔状に第1ボディ31を貫通する。第1貫通孔31aには、口金部12が挿通される。
【0028】
取付孔31bは、第1治具30を口金部12に固定するための雌ねじ孔である。装着溝36は、第1ボディ31の外周面に形成されている。装着溝36の外周面360は、第1ボディ31の外周面でもある。
【0029】
第1ボディ31は、2つの第1ボディ形成体37を一体に組み付けて略円筒状に形成されている。2つの第1ボディ形成体37の各々は、略半円筒状である。2つの第1ボディ形成体37は、第1ボディ31を2等分した半割体である。2つの第1ボディ形成体37の各々は固定ねじ39によって連結されている。2つの第1ボディ形成体37から固定ねじ39を抜き取ることにより、第1ボディ31は、2つの第1ボディ形成体37に分割できる。
【0030】
<第2治具>
第2治具40は、第1治具30の外周に取り付けられる。第2治具40は、板状の第2ボディ41を備える。第2ボディ41の板厚Tは、装着溝36の開口幅Wより僅かに小さい。
【0031】
第2ボディ41には、第2貫通孔41a及び複数の嵌合穴43が形成されている。
第2貫通孔41aは、第2ボディ41の板厚方向へ円孔状に第2ボディ41を貫通する。第2貫通孔41aの中心軸線は、第2中心軸線L20である。また、第2中心軸線L20の延びる方向は、第2ボディ41の板厚方向である。第2貫通孔41aの直径は、装着溝36での第1ボディ31の外径より僅かに大きい。
【0032】
第2貫通孔41aを画定した第2ボディ41の内周面410は、装着溝36の外周面360に対して摺動可能である。第2ボディ41の内周面410と、装着溝36の外周面360との間に隙間は形成されていない。したがって、第1治具30の第1中心軸線L10と、第2貫通孔41aの第2中心軸線L20とは同軸上に位置する。
【0033】
2つの嵌合穴43は、第2中心軸線L20を中心とする円上に配置されている。両嵌合穴43には、ガイド棒44がそれぞれ差し込まれて嵌合される。したがって、第2治具40は、2本のガイド棒44を備えている。ガイド棒44は、金属製の丸棒である。両ガイド棒44は、互いに平行に延びている。両ガイド棒44の軸線は、第2ボディ41から第2中心軸線L20に対して平行に延びている。各ガイド棒44は、バルブアッセンブリ20に設けられた複数の差込孔25のそれぞれに差込可能である。
【0034】
第2ボディ41は、2つの第2ボディ形成体45を一体に組み付けて略板状に形成されている。2つの第2ボディ形成体45の各々は、第2ボディ41を2等分した半割体である。2つの第2ボディ形成体45の一方は、連結用係合片46を有するとともに、2つの第2ボディ形成体45の他方は、連結用係合突起47を有する。
【0035】
第2治具40は、2つの第2ボディ形成体45を組み付けることにより、第1治具30に取り付けられる。2つの第2ボディ形成体45の各々は、第1治具30の外側に配置される。連結用係合突起47に対する連結用係合片46の係合により、第2ボディ41及び第2貫通孔41aが形成されるとともに、第2治具40が第1治具30に取り付けられる。連結用係合突起47に対する連結用係合片46の係合を解除することにより、第2ボディ41は2つの第2ボディ形成体45に分割可能である。
【0036】
<組付治具によるバルブアッセンブリの組み付け方法>
次に、組付治具1を用いたバルブアッセンブリ20の組み付け方法を説明する。2つの第1ボディ形成体37を固定ねじ39によって一体に組付けて、第1治具30が形成されているものとする。また、連結用係合突起47に対する連結用係合片46の係合は解除され、第2治具40は、2つの第2ボディ形成体45に分解されているものとする。
【0037】
図1に示すように、作業者は、規制突条33に口金部12の先端が当接するまで、第1貫通孔31aに口金部12を挿通する。このとき、口金部12の外周面と、第1貫通孔31aを画定する第1ボディ31の内周面との間に隙間は形成されていない。したがって、雌ねじ13の中心軸線L1と、第1治具30の第1中心軸線L10とは同軸上に位置している。
【0038】
作業者は、規制部材35を取付孔31bに挿入した後、固定ねじ34を取付孔31bにねじ込む。なお、規制部材35は、樹脂製である。すると、第1治具30は、口金部12の外周に固定される。
【0039】
次に、作業者は、第2治具40を第1治具30に取り付けて、装着溝36の外周面360に対して第2ボディ41の内周面410を摺動可能な状態とする。その結果、口金部12の外周に第1治具30が固定されるとともに、装着溝36の外周面360に対して第2ボディ41の内周面410が摺動可能に取り付けられる。この取付状態において、装着溝36の外周面360及び第2ボディ41の内周面410は、雌ねじ13の中心軸線L1に対して同心円状に配置される。
【0040】
次に、作業者は、ガイド棒44を第2治具40の嵌合穴43に嵌合する。その後、作業者は、各ガイド棒44をハウジング21の差込孔25に差し込む。すると、口金部12における雌ねじ13の中心軸線L1と、バルブアッセンブリ20における締結部23の中心軸線L2とが一致する。また、ガイド棒44は、各中心軸線L1,L2に対して平行に延びる。
【0041】
次に、作業者は、差込孔25に差し込まれたガイド棒44に沿ってバルブアッセンブリ20を移動させる。すると、ノズル28及び締結部23は、規制突条33の内側を通過して口金部12の内側に入り込む。さらに、ノズル28及び締結部23は、それぞれの先端から雌ねじ13の内側に入り込んで、雌ねじ13の内側を通過する。そして、Oリング27も雌ねじ13の内側に入り込んで、雌ねじ13の内側を通過する。
【0042】
バルブアッセンブリ20は、ガイド棒44により、締結部23の中心軸線L2と雌ねじ13の中心軸線L1とが一致した状態を維持したまま高圧タンク10に向けて移動する。したがって、組付治具1は、差込孔25に差し込まれたガイド棒44に沿ってバルブアッセンブリ20を移動させることで、締結部23の中心軸線L2と雌ねじ13の中心軸線L1とを一致させた状態でバルブアッセンブリ20を移動可能とする。その結果、締結部23は、ガイド棒44による案内によって、偏心することなく、雌ねじ13の内側を通過する。このため、締結部23に装着されたOリング27も、偏心することなく、雌ねじ13の内側を通過していく。よって、Oリング27は、雌ねじ13に干渉することが抑制される。したがって、組付治具1は、締結部23の軸線方向における雄ねじ24よりも締結部23の先端に配置されたOリング27と雌ねじ13との干渉を抑制するために用いられる。
【0043】
作業者は、締結部23の雄ねじ24が、口金部12の雌ねじ13に接触するまで、バルブアッセンブリ20の締結部23を高圧タンク10の口金部12に挿入する。
次に、作業者は、締結部23の中心軸線L2を回転中心としてバルブアッセンブリ20を回転させる。バルブアッセンブリ20の回転は、ガイド棒44によって第2治具40に伝わる。第1治具30は、回転が規制されているため、第2ボディ41の内周面410は、装着溝36の外周面360を摺動する。その結果、バルブアッセンブリ20と一体となって第2治具40が回転する。そして、バルブアッセンブリ20が回転することにより、締結部23の雄ねじ24は、雌ねじ13にねじ込まれていく。
【0044】
そして、Oリング27が雌ねじ13の内側から外に出ると、Oリング27は、シール面14に接触する。作業者は、Oリング27とシール面14の接触による抵抗を認識すると、バルブアッセンブリ20の回転を止める。
【0045】
その後、作業者は、第2治具40を第1治具30から取り外すとともに、第1治具30を口金部12から取り外す。作業者は、バルブアッセンブリ20を締結部23の中心軸線L2を回転中心としてさらに回転させることにより、バルブアッセンブリ20を口金部12に対して本締めする。すると、締結部23のOリング27が、口金部12のシール面14に着座する。
【0046】
<バルブアッセンブリの組付治具の検査装置>
図5に示すように、バルブアッセンブリ20の組付治具1の検査装置50は、第1検査部材51と、第2検査部材61と、照射装置71と、を備える。
【0047】
<第1検査部材>
図3及び
図5に示すように、第1検査部材51は、検査筒部52と、検査筒部52から突出するフランジ54と、検査筒部52に一体の第1確認部56と、を備える。
【0048】
フランジ54は、検査筒部52の軸線方向の第1端52aから突出する。フランジ54を板厚方向に見ると、フランジ54は四角形状である。第1確認部56は、検査筒部52の内周面52bから、当該検査筒部52の中心軸線L3に向けて環状に突出する。また、第1確認部56は、中心軸線L3の延びる方向に沿って幅を有する。
【0049】
検査筒部52において、第1確認部56以外の内周面52bでの内径R1は、口金部12における雌ねじ13以外の部分での内径と略同じである。検査筒部52の内周面52bでの内径R1は、口金部12における雌ねじ13以外の部分での内径と異なっていてもよい。検査筒部52の外周面52cでの外径R2は、口金部12における外周面での外径と同じである。このため、検査筒部52は、口金部12の外径を有している。検査筒部52の外周面52cには、口金部12に対する固定方法と同じ方法によって第1治具30を固定できる。
【0050】
検査筒部52において、第1確認部56での内径R3は、上記した雌ねじ13のねじ山での内径である。詳細には、第1確認部56での内径R3は、内径RTのうち、雌ねじ13の製造公差がプラス側で最大になるときの内径RTと同じ値に設定されている。
【0051】
<第2検査部材>
図4及び
図5に示すように、第2検査部材61は、本体部62と、突出部64と、第2確認部65と、検査孔67と、を備える。
【0052】
本体部62は、円板状であるが、本体部62の形状は任意である。本体部62には、円孔状の挿通孔63が2つ形成されている。2つの挿通孔63の各々は、本体部62を板厚方向に貫通する。2つの挿通孔63の中心点は、バルブアッセンブリ20の仮想円Cと同径の検査側仮想円C1上に位置している。検査側仮想円C1は、2つの挿通孔63の中心点を繋ぐ直線を直径とする円である。2つの挿通孔63の各々は、組付治具1が備えるガイド棒44を差込可能とする。
【0053】
突出部64は、本体部62の中央部から略円柱状に突出する。突出部64の中心軸線L4の延びる方向は、本体部62の板厚方向と一致する。第2確認部65は、突出部64の外周面から環状に突出するとともに、突出部64の軸線方向に幅を有する。第2確認部65の中心軸線は、突出部64の中心軸線L4と一致する。このため、第2確認部65の中心軸線を「中心軸線L4」と記載する。
【0054】
突出部64の直径T1は、締結部23の直径と略同じである。なお、突出部64の直径T1は、締結部23の直径と異なっていてもよいが、以下に説明する第2確認部65の直径T2よりも小さい。したがって、第2確認部65の直径T2は、突出部64の直径T1より大きい。また、第2確認部65の直径T2は、第1確認部56の内径RTより小さい。そして、第2確認部65の直径T2は、上記したOリング27におけるシール径RSのうち、製造公差がプラス側で最大になるときのシール径RSと同じ値に設定されている。したがって、第2検査部材61は、Oリング27でのシール径RSを有する第2確認部65を備えている。
【0055】
検査装置50の使用時、上記突出部64は、第1検査部材51の検査筒部52の先端側から挿入される。第1検査部材51の検査筒部52に、突出部64を挿入した状態で、第1検査部材51の軸線方向から検査筒部52内を視認したとき、第1確認部56の内側に第2確認部65が位置するようになっている。
【0056】
検査孔67は、本体部62に複数形成されている。複数の検査孔67の各々は、丸孔である。複数の検査孔67の各々は、本体部62を板厚方向に貫通する。複数の検査孔67は、突出部64の基端を囲むように等間隔おきに配置されている。
【0057】
第2確認部65の外周面を本体部62に投影したとき、第2確認部65の外周面に沿って形成される仮想円Nを想定する。この仮想円Nは、第2確認部65の中心軸線L4を中心とし、かつ第2確認部65の外周面を投影させたときに形成される仮想円である。複数の検査孔67の各々は、仮想円Nに沿って等間隔おきに配置されている。また、複数の検査孔67の各々は、仮想円Nに沿っている。
【0058】
<照射装置>
照射装置71は、第2検査部材61の検査孔67に向けて光を照射する。照射装置71は、本体部62から突出部64の突出する方向に沿って検査孔67に光を照射する。照射装置71から照射された光は、複数の検査孔67の全てに照射される。
【0059】
<検査装置による検査方法>
作業者は、検査筒部52の外周面52cに、口金部12に対する固定方法と同じ方法によって第1治具30を固定する。すると、第1検査部材51によって、口金部12の外周に第1治具30を固定した状態を再現できる。また、検査筒部52の内周には、第1確認部56によって、口金部12の雌ねじ13が再現される。詳細には、第1確認部56によって、雌ねじ13と同じ内径RTの孔が再現される。
【0060】
次に、作業者は、第2治具40を第1治具30に取り付けて、第1治具30の装着溝36の外周面360に対して第2ボディ41の内周面410を摺動可能な状態とする。その結果、第1検査部材51における検査筒部52の外周に第1治具30が固定されるとともに、その第1治具30の装着溝36の外周面360に対して第2ボディ41の内周面410が摺動可能に取り付けられる。すると、口金部12の外周に第1治具30が固定されるとともに、第1治具30に第2治具40が取り付けられた状態が再現できる。
【0061】
次に、作業者は、ガイド棒44を第2治具40の嵌合穴43に嵌合して、ガイド棒44を嵌合穴43に差し込む。その後、作業者は、各ガイド棒44を、第2検査部材61の挿通孔63に挿通する。すると、第2検査部材61により、ガイド棒44にバルブアッセンブリ20を取り付けた状態を再現できる。
【0062】
次に、作業者は、ガイド棒44に沿って第2検査部材61を移動させる。すると、突出部64及び第2確認部65は、規制突条33の内側を通過して検査筒部52に挿入される。そして、本体部62が規制突条33に接触するまで第2検査部材61を移動させると、第2確認部65は、第1確認部56の内側に位置する。このとき、第2確認部65によって、バルブアッセンブリ20におけるOリング27を再現できる。詳細には、第2確認部65によって、シール径RSが再現される。
【0063】
次に、作業者は、照射装置71を点灯させて、第2検査部材61の本体部62から突出部64側に向けて光を照射する。そして、作業者は、検査装置50を、第1検査部材51のフランジ54側から視認する。なお、作業者は、検査装置50を撮像して、撮像されたデータを視認してもよい。
【0064】
<組付精度の判別>
さて、ガイド棒44が真っ直ぐに延びていれば、第2検査部材61は、ガイド棒44により、突出部64の中心軸線L4と、検査筒部52の中心軸線L3とが一致した状態を維持したまま第1検査部材51に向けて移動する。また、装着溝36での外周面360に摩耗等が発生していなければ、第1治具30の第1中心軸線L10と、第2治具40の第2中心軸線L20とが一致している。この場合も、第2検査部材61は、ガイド棒44により、突出部64の中心軸線L4と、検査筒部52の中心軸線L3とが一致した状態を維持したまま第1検査部材51に向けて移動する。つまり、組付治具1の組付精度が低下していなければ、突出部64の偏心や、傾きは発生していない。このため、突出部64の中心軸線L4と、検査筒部52の中心軸線L3とが一致した状態を維持したまま、第2検査部材61は、第1検査部材51に向けて移動する。
【0065】
この場合、
図5に示すように、第2確認部65の外周面と、第1確認部56の内周面との間には、隙間Sが形成される。隙間Sにおける径方向への寸法は、隙間Sの周方向の全体に亘ってほぼ一定となる。そして、作業者は、検査筒部52の内側を中心軸線L3,L4の延びる方向に沿ってフランジ54側から見る。
【0066】
突出部64の偏心や傾きが発生していないとき、全ての検査孔67は、第2確認部65の外周面と、第1確認部56の内周面との間に位置している。この場合、
図6に示すように、作業者は、照射装置71によって照射された光について、全ての検査孔67を通じて視認できる。検査孔67は円孔状であるため、作業者は、円形状の光を視認できる。そして、複数ある検査孔67のうちの1つでも視認しにくくなっていなければ、作業者は、組付治具1における組付精度の低下が発生していないと判別する。
【0067】
一方、例えば、ガイド棒44が曲がっていると、第2検査部材61がガイド棒44に沿って移動しても、突出部64の中心軸線L4と、検査筒部52の中心軸線L3とが一致しなくなる。つまり、曲がったガイド棒44により、第2検査部材61の突出部64が傾いてしまう。また、例えば、装着溝36の外周面360に偏摩耗等が発生すると、突出部64の中心軸線L4と、検査筒部52の中心軸線L3とが一致しなくなる。この場合、偏摩耗等を原因として、突出部64が偏心してしまう。
【0068】
上記したように、突出部64の偏心や傾きが発生しているとき、
図7に示すように、隙間Sにおける径方向への寸法は、隙間Sの周方向の一部で狭くなるとともに、180度反対側では広くなる。また、隙間Sにおける径方向への寸法は、隙間Sの周方向全体で異なる。そして、隙間Sの狭くなった箇所では、第2確認部65によって検査孔67のほとんど又は全部が隠れる。この場合、作業者は、照射装置71によって照射された光について視認しにくくなる。それ以外の検査孔67については、作業者は、円形状の光として視認できる。この場合、作業者は、組付治具1の組付精度が低下していると判別する。
【0069】
なお、突出部64の傾きや偏心の度合いによって、1つの検査孔67の全体が隠れたり、一部が隠れたりする。組付治具1の組付精度が低下しているか否かの判別基準は、作業者によって適宜決定すればよい。
【0070】
<実施形態の効果>
上記実施形態では、以下の作用効果を得ることができる。
(1)検査装置50に組付治具1を組付けることにより、口金部12の雌ねじ13とバルブアッセンブリ20の雄ねじ24とを締結する際の状態を再現できる。さらに、検査装置50の第1確認部56及び第2確認部65により、組付治具1を用いたときの口金部12の雌ねじ13と、バルブアッセンブリ20のOリング27との位置関係を再現できる。そして、照射装置71によって検査孔67に光を照射したときの検査孔67での光の視認の仕方によって、組付治具1の組付精度の低下を判別できる。よって、検査装置50を用いることで、組付治具1における組付精度の低下を容易に判別できる。
【0071】
(2)検査装置50を用いることで、組付治具1を用いて実際に口金部12にバルブアッセンブリ20を組付けることなく、組付治具1の組付精度の低下を判別できる。よって、口金部12にバルブアッセンブリ20を締結した後に、雌ねじ13との干渉によってOリング27が損傷していないか否かの検査や、Oリング27の損傷があった場合には、口金部12とバルブアッセンブリ20との締結を解除してのバルブアッセンブリ20の交換などの後作業を必要としなくて済む。
【0072】
(3)検査装置50では、第1確認部56と第2確認部65とで、雌ねじ13とOリング27との位置関係を再現できる。そして、この第1確認部56と第2確認部65との位置関係は、隙間Sでの寸法関係によって再現できる。ここで、隙間Sは、検査筒部52の内部に再現されるため、隙間Sそのものの視認性は低いが、隙間Sと検査孔67とを対応付けつつ、照射装置71によって検査孔67に光を照射可能とした。これにより、検査孔67から漏れる光によって、検査孔67を視認できるため、隙間Sの視認性を高めることができる。その結果として、第1確認部56と第2確認部65との位置関係を視認できるため、組付精度の判別を精度良く行うことができる。
【0073】
(4)検査孔67は、円孔状であるとともに、突出部64の周囲に複数配置されている。このため、組付治具1の組付精度が低下して、突出部64が傾いたり、偏心したりした場合、複数の検査孔67のうちのいずれかの視認性が低下する。これにより、どの方向に突出部64が傾いたり、偏心したりしたかを容易に確認できる。
【0074】
(5)第1確認部56の内径RTは、雌ねじ13の製造公差がプラス側で最大になるときの内径RTと同じ値に設定されている。また、第2確認部65の直径T2は、Oリング27におけるシール径RSのうち、製造公差がプラス側で最大になるときのシール径RSと同じ値に設定されている。このため、検査装置50では、雌ねじ13の製造公差がプラス側で最大で、かつOリング27の製造公差がプラス側で最大の状態を再現できる。つまり、検査装置50は、雌ねじ13とOリング27が最も干渉しやすい状態を再現できる。このため、検査装置50による検査で、組付精度の低下がないと判別できれば、その組付治具1を用いることで、口金部12とバルブアッセンブリ20とを、雌ねじ13にOリング27を干渉させることなく締結できる。
【0075】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0076】
○
図8に示すように、検査孔67は、突出部64の外側で仮想円Nに沿って円弧状に延びる複数の長孔であってもよい。この場合、複数の検査孔67は、仮想円Nに沿って延びるため、突出部64が傾いたり、偏心したりしていると、その突出部64によって長孔の一部が隠れる。これにより、どの方向に突出部64が偏心したかを容易に確認できる。
【0077】
○検査孔67の数は、1つでもよい。この場合、検査孔67は、突出部64の外側で仮想円Nに沿って、ほぼ円形状に延びる。
○検査孔67の数は、適宜変更してもよい。
【0078】
○第1確認部56の内径RT、及び第2確認部65の直径T2は、製造公差の範囲内で適宜変更してもよい。
例えば、第1確認部56の内径RTは、雌ねじ13の製造公差がプラス側で最大になるときの内径RTと同じ値に設定されている。一方、第2確認部65の直径T2は、Oリング27におけるシール径RSのうち、製造公差がマイナス側で最小になるときのシール径RSと同じ値に設定されていてもよい。
【0079】
又は、第1確認部56の内径RTは、雌ねじ13の設計上の中央値に設定されるとともに、第2確認部65の直径T2は、シール径RSにおける設計上の中央値に設定されていてもよい。
【0080】
○第1検査部材51は、フランジ54を備えていなくてもよい。
○第2検査部材61において、第2確認部65によってシール径RSを再現できれば、第2確認部65を設けるための突出部64の形状や太さは、適宜変更してもよい。例えば、突出部64は四角柱状であったり、円筒状であったりしてもよい。
【0081】
○第1検査部材51において、第1確認部56によって雌ねじ13の内径RTを再現できれば、第1確認部56は、軸線方向に幅をほとんど持たない突条であってもよいし、その他の形状であってもよい。また、第1確認部56は、環状でなくて、周方向に間隔を空けて形成された形状であってもよい。
【0082】
○第2検査部材61において、第2確認部65によってシール径RSを再現できれば、第2確認部65は、軸線方向に幅をほとんど持たない突条であってもよいし、その他の形状であってもよい。また、第2確認部65は、環状でなくて、周方向に間隔を空けて形成された形状であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
C1…検査側仮想円、1…バルブアッセンブリの組付治具、12…口金部、13…雌ねじ、20…バルブアッセンブリ、23…締結部、24…雄ねじ、25…差込孔、27…シール部としてのOリング、30…第1治具、40…第2治具、44…ガイド棒、50…検査装置、51…第1検査部材、52…検査筒部、56…第1確認部、61…第2検査部材、62…本体部、63…挿通孔、64…突出部、65…第2確認部、67…検査孔、71…照射装置。