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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004583
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20250107BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D9/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104356
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吾郷 祐紀
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AB07
2D037AD00
2D037AD14
2D038JA05
2D038JC11
2D038KA02
2D038KA03
2D038KA08
(57)【要約】
【課題】受光部のメンテナンスを容易に実行可能にすること。
【解決手段】実施形態に係るトイレ装置は、便器のボウル部へ排泄される排泄物を検知するトイレ装置であって、前記排泄物を検知するために光を照射する発光部と、光を受光する受光部と、前記受光部と前記ボウル部との間に設けられ、開閉自在な蓋部と、前記蓋部の開閉動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、操作部の操作により前記蓋部を開けて前記受光部を露出させるメンテナンスモードを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器のボウル部へ排泄される排泄物を検知するトイレ装置であって、
前記排泄物を検知するために光を照射する発光部と、
光を受光する受光部と、
前記受光部と前記ボウル部との間に設けられ、開閉自在な蓋部と、
前記蓋部の開閉動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、操作部の操作により前記蓋部を開けて前記受光部を露出させるメンテナンスモードを有する
ことを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記トイレ装置の機能を動作させる操作を受け付けるリモコン装置であり、
前記制御部は、前記リモコン装置への操作により発信されるメンテナンスモード操作信号を、前記蓋部が閉じた状態で前記リモコン装置から受信した場合、前記蓋部を開け、前記蓋部が開いた状態で前記メンテナンスモード操作信号を受信した場合、前記蓋部を閉じる
ことを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
洗浄水を吐水するノズル、
を有し、
前記操作部は、前記ノズルの吐水開始及び止水を制御する操作を受け付けるリモコン装置であり、
前記制御部は、前記メンテナンスモードの状態で、前記リモコン装置への前記ノズルの止水の操作が受け付けられた場合、前記蓋部を閉じる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記メンテナンスモードの状態で、前記便器の上部に配置される便座が閉状態となった場合、前記蓋部を閉じる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器内に排泄された排泄物を検知する技術が提供されている。例えば、排泄物を検知するために光を受光する受光部の前方に設けられた蓋部が、発光部から光を照射する際には開いた状態(開放状態)になり、ノズル使用時等には受光部の被水を抑止するために閉じた状態(閉鎖状態)になるトイレ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-036977公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術のように、蓋部は光の照射に伴い開閉されるため、受光部に汚れがつく懸念がある。そのため、受光部の掃除等のメンテナンスを容易に実行可能にすることが望まれている。
【0005】
開示の実施形態は、受光部のメンテナンスを容易に実行可能なトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係るトイレ装置は、便器のボウル部へ排泄される排泄物を検知するトイレ装置であって、前記排泄物を検知するために光を照射する発光部と、光を受光する受光部と、前記受光部と前記ボウル部との間に設けられ、開閉自在な蓋部と、前記蓋部の開閉動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、操作部の操作により前記蓋部を開けて前記受光部を露出させるメンテナンスモードを有することを特徴とする。
【0007】
実施形態の一態様に係るトイレ装置によれば、光を受光する受光部とボウル部との間に設けられ開閉自在な蓋部の開閉動作を制御する制御部が、操作部の操作により蓋部を開けて受光部を露出させるメンテナンスモードを有することにより、受光部の掃除等のメンテナンスを行うことができる。したがって、トイレ装置は、受光部のメンテナンスを容易に実行可能にすることができる。
【0008】
実施形態の一態様に係るトイレ装置において、前記操作部は、前記トイレ装置の機能を動作させる操作を受け付けるリモコン装置であり、前記制御部は、前記リモコン装置への操作により発信されるメンテナンスモード操作信号を、前記蓋部が閉じた状態で前記リモコン装置から受信した場合、前記蓋部を開け、前記蓋部が開いた状態で前記メンテナンスモード操作信号を受信した場合、前記蓋部を閉じる。
【0009】
実施形態の一態様に係るトイレ装置によれば、メンテナンスモード操作信号を蓋部が閉じた状態でリモコン装置から受信した場合、蓋部を開け、蓋部が開いた状態でメンテナンスモード操作信号を受信した場合、蓋部を閉じることにより、リモコン操作からの信号により蓋部を開閉させる処理(トグル処理)を実行することができる。そのため、トイレ装置は、仮に使用者が蓋部を手動で開けた場合においても、最初の操作で蓋部を閉じることができ、使用者にとって使い勝手が良い。したがって、トイレ装置は、受光部のメンテナンスを容易に実行可能にすることができる。なお、使用者は、トイレ装置が配置されたトイレルームに入室した人であり、そのトイレルームのメンテナンス等を行う人(清掃者)、そのトイレルームで排泄行為を行う人(排泄行為者)等を含む。
【0010】
実施形態の一態様に係るトイレ装置において、洗浄水を吐水するノズル、を有し、前記操作部は、前記ノズルの吐水開始及び止水を制御する操作を受け付けるリモコン装置であり、前記制御部は、前記メンテナンスモードの状態で、前記リモコン装置への前記ノズルの止水の操作が受け付けられた場合、前記蓋部を閉じる。
【0011】
実施形態の一態様に係るトイレ装置によれば、メンテナンスモードの状態で、リモコン装置へのノズルの止水の操作が受け付けられた場合、蓋部を閉じることにより、リモコン操作への使用者の操作に応じて蓋部を閉じることができる。そのため、トイレ装置は、通常、止水操作はトイレ装置の機能の動作の停止のために直感的に操作されることが有り得るが、止水操作によって蓋部を閉じることで直感的な操作を可能とすることができる。したがって、トイレ装置は、受光部のメンテナンスを容易に実行可能にすることができる。
【0012】
実施形態の一態様に係るトイレ装置において、前記制御部は、前記メンテナンスモードの状態で、前記便器の上部に配置される便座が閉状態となった場合、前記蓋部を閉じる。
【0013】
実施形態の一態様に係るトイレ装置によれば、メンテナンスモードの状態で、便器の上部に配置される便座が閉状態となった場合、蓋部を閉じることにより、便座の状態に応じて蓋部を閉じることができる。そのため、トイレ装置は、蓋部を閉じないまま便座が閉じられた場合に、自動で蓋部を閉じることで、より確実に蓋部を閉じることができる。したがって、トイレ装置は、受光部のメンテナンスを容易に実行可能にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
実施形態の一態様によれば、受光部のメンテナンスを容易に実行可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係るトイレシステムの構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る便座装置の構成の一例を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る便座装置の構成の一例を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、ダンパの開閉動作の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9図9は、ダンパトグル制御処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12図12は、ダンパ閉制御処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するトイレ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下では、便座装置2がトイレ装置である場合を一例として説明するが、トイレ装置は、便座装置2である場合に限らず、所望の処理を実行可能であれば任意の構成が採用可能であり、例えば便座5等と別体の装置であってもよい。以下では、受光部130の掃除等のトイレルームRのメンテナンスが行われる際の処理やその処理を行うための構成について説明するが、最初に前提となるトイレシステムなどの各種構成を説明する。
【0017】
<1.トイレシステムの構成>
まず、実施形態に係るトイレシステムの構成について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係るトイレシステムの構成の一例を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、トイレシステム1は、便座装置2と、リモコン10とを備える。図1に示すように、トイレルームRには、床面Fに、洋式大便器(以下「便器」と記載する)7が設置される。なお、以下では、床面FからトイレルームRの空間内に臨む向きを上と記載する。便座装置2は、便器7の上部に設けられる。
【0019】
便器7は、例えば、陶器製である。便器7には、ボウル部8が形成される。ボウル部8は、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器7は、図示のような床置き式に限らず、トイレシステム1を適用可能であれば、どのような形式でもよく、壁掛け式等のような形式であってもよい。便器7には、ボウル部8が臨む開口の端部の全周にわたってリム部9が設けられる。トイレルームRには、例えば、便器7付近に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。
【0020】
例えば、トイレルームRに設けられた洗浄用の洗浄操作部(図示省略)が使用者により操作されると、便器7のボウル部8への洗浄水の供給による便器洗浄が実施される。洗浄操作部は操作レバーや、リモコン10に表示された便器洗浄オブジェクトに対するタッチ操作であってもよい。なお、洗浄操作部は、操作レバーなどのような使用者の手動によって便器洗浄を実施させるものに限らず、着座センサのような使用者を検知するセンサの人体検知によって便器洗浄を実施させるものでもよい。
【0021】
便座装置2は、トイレ装置として機能する。便座装置2は、便器7のボウル部8へ排泄される排泄物を検知するトイレ装置である。便座装置2は、便器7の上部に取り付けられ、本体部3と、便蓋4と、便座5と、洗浄ノズル6とを備える。便座装置2は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される。便座装置2は、洗浄ノズル6が洗浄水を噴射する前にボウル部8に進出するように便器7の上部に載置される。なお、便座装置2は、便器7に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器7と一体化するように取り付けられてもよい。
【0022】
図1に示すように、便座5は、中央に開口50を有する環状に形成され、リム部9に沿って、便器7の開口に重なる位置に配置される。便座5は、使用者が着座する。便座5は、着座した使用者の臀部を支持する着座部として機能する。また、図1に示すように、便蓋4及び便座5は、それぞれの一端部が本体部3に軸支され、本体部3の軸支部分を中心として回動可能(開閉可能)に取り付けられる。なお、便蓋4は、便座装置2に必要に応じて取り付けられ、便座装置2は、便蓋4を有しなくてもよい。
【0023】
洗浄ノズル6は、洗浄用の水を吐水するためのノズルである。洗浄ノズル6は、使用者によるリモコン10の操作に応じて洗浄水を吐水する。洗浄ノズル6は、洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、使用者に向けて洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、局部洗浄用のノズルである。洗浄ノズル6は、電動モータなどの駆動源(図4中のノズルモータ61等)の駆動により、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進退可能に構成される。また、洗浄ノズル6は、図示しない水道管などの水源に接続される。そして、洗浄ノズル6は、図1に示すように、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進出した位置(以下「進出位置」ともいう)にあるときに、水源からの水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。
【0024】
図1では、洗浄ノズル6が進出位置にある状態を示す。なお、洗浄ノズル6は、便器7(ボウル部8等)内の洗浄用にも共用されてもよい。洗浄ノズル6は、使用者の局部を洗浄する局部洗浄モードと、便器7内に水を撒く便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。例えば、洗浄ノズル6は、便座装置2の制御部34(図4参照)による制御に応じて、局部洗浄モードと便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。
【0025】
リモコン10は、各種操作を受け付けるリモコン装置(操作部)である。例えば、リモコン10は、便座装置2の機能を動作させる操作を受け付ける。例えば、リモコン10は、洗浄ノズル6の吐水開始及び止水を制御する操作を受け付ける。リモコン10は、トイレルームR内に設けられる。リモコン10は、使用者が操作可能な位置に設けられる。リモコン10は、使用者が便座5に着座時において、操作可能な位置に設けられる。図1に示す例において、リモコン10は、便座5に着座した使用者から見て右側方の壁面Wに配置される。なお、リモコン10は、便座5に着座した使用者が利用可能であれば、壁面に限らず、種々の態様により配置されてもよい。例えば、リモコン10は、便座装置2と一体に設けられてもよい。
【0026】
リモコン10は、便座装置2と所定のネットワーク(例えばインターネット等)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、便座装置2とリモコン10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。
【0027】
図1には、リモコン10の構成態様の一例を示す。なお、リモコン10は、図1に示す構成に限らず、所望の操作を受け付け可能であれば、任意の構成が採用可能である。図1では、リモコン10は、表示画面11、表示画面11の表示を操作する操作ボタン部12、止スイッチ13、及び止スイッチ13によりその実行が停止される複数の実行スイッチ14等の各種スイッチやボタン等を含む。表示画面11は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。表示画面11は、各種情報を表示する表示装置である。例えば、実行スイッチ14は、吐水を実行させる操作を受け付けるスイッチである。例えば、止スイッチ13は、実行中の吐水を停止する止水操作を受け付けるスイッチである。リモコン10は、これらの構成により各種操作を受け付ける。このように、リモコン10は、表示画面11により使用者の入力を受け付け、使用者への出力も行う。
【0028】
例えば、リモコン10は、表示画面11に表示された情報に対する操作ボタン部12による操作に応じて、使用者による指示を受け付ける。図1のリモコン10中の表示画面11は、メニュー「1.お手入れ」に枠(カーソル)が位置する状態を示しており、この状態で操作ボタン部12の決定が押下された場合、リモコン10は、表示画面11aに示すように、お手入れに関する情報を表示する。例えば、表示画面11中の枠(カーソル)は、操作ボタン部12の上下左右方向が押下されることにより、その方向に対応する位置に移動する。なお、操作ボタン部12による表示画面11に表示された情報の選択については、従来の手法と同様であるため詳細な説明は省略する。図1の表示画面11aでは、メニュー「1.1 センサお掃除」に枠(カーソル)が位置する状態を示しており、この状態で操作ボタン部12の決定が押下された場合、リモコン10は、メンテナンスモード操作信号を便座装置2へ送信する。
【0029】
また、リモコン10は、便座装置2により実行中の制御を止めるための使用者の操作(止水操作等)を、止スイッチ13により受け付ける。例えば、リモコン10は、止スイッチ13が使用者に押下された場合、止スイッチ13が選択されたことを示す止信号を便座装置2へ送信する。また、リモコン10は、便座装置2による局部洗浄の実行を開始するための使用者の操作を、おしり等と表記された実行スイッチ14により受け付ける。リモコン10は、使用者による洗浄ノズル6への指示を受け付ける。
【0030】
なお、リモコン10は、例えばタッチパネル機能により表示画面11を介して使用者からの各種操作を受け付けてもよい。例えば、リモコン10は、上述した使用者の操作を受け付けるオブジェクトを表示画面11に表示し、表示したオブジェクトに対する使用者の接触に応じて、各種処理を実行してもよい。例えば、リモコン10は、上述した使用者の操作を受け付けるスイッチやボタン等を有し、スイッチやボタン等に対する使用者の接触に応じて、各種処理を実行してもよい。なお、上記は一例であり、リモコン10は、各種処理を実行する使用者による操作を受け付けてもよい。
【0031】
トイレシステム1は、後述する各種の構成や処理により、使用者の排泄物(大便)の形状や大きさや質や色等の各種の性状を検知する。トイレシステム1は、光学的な方式により使用者の排便を検知する。すなわち、トイレシステム1は、光学的手段で排泄物(大便)の情報を検知可能なトイレシステムである。トイレシステム1は、測定した結果を基に、使用者のスマートフォン等の端末装置に情報提供を行ってもよい。
【0032】
<2.便座装置の構成>
次に、便座装置2の構成について図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3は、実施形態に係る便座装置の構成の一例を示す斜視図である。具体的には、図2は、センサユニット100のダンパ110が閉じた状態(以下「閉鎖状態」ともいう)である場合を示す図である。また、図3は、センサユニット100のダンパ110を除いた状態を示す図である。
【0033】
図2に示すように、ダンパ110の閉鎖状態においては、センサユニット100のダンパ110以外の構成(図3図5中の発光部120や受光部130等)は、ダンパ110の裏に隠されている。なお、ここでいう閉鎖状態とは、ダンパ110により受光部130に水がかからない状態を示す言葉であり、受光部130に水がかからない箇所を開放した構成も含まれる。ダンパ110の閉鎖状態においては、発光部120や受光部130の前方にダンパ110が位置する。このように、ダンパ110は、閉鎖状態において受光部130の前方に位置する。すなわち、ダンパ110の閉鎖状態においては、発光部120や受光部130から便器7内へ臨む方向には、ダンパ110が位置する。これにより、ダンパ110の閉鎖状態においては、発光部120や受光部130は、本体カバー30及びダンパ110に覆われる。このように、筐体である本体カバー30には、発光部120および受光部130が配置される。なお、図2の例では、ダンパ110が本体カバー30と同様に透過性がない(低い)材料により形成される場合を示すが、ダンパ110は本体カバー30とは異なる材料により形成されてもよい。例えば、ダンパ110(の一部)は透過性材料により形成されてもよいが、この点についての詳細は後述する。
【0034】
また、図2では、洗浄ノズル6(図1参照)が本体カバー30内に収納される位置(以下「収納位置」ともいう)にある状態を示す。図2に示すように、洗浄ノズル6が収納位置にある場合、ノズル用蓋60は閉じられており、洗浄ノズル6は、ノズル用蓋60の裏に隠されている。洗浄ノズル6による洗浄が行われる場合、ノズル用蓋60が開放するとともに、本体カバー30の開口31b(図5参照)から洗浄ノズル6が突出し、洗浄ノズル6は、進出状態に移行する。
【0035】
図3に示すように、ダンパ110が除かれた場合、センサユニット100の発光部120や受光部130は、本体カバー30の開口31から露出する。例えば、ダンパ110が開いた状態(以下「開放状態」ともいう)においては、図3に示すように、発光部120や受光部130の前方にダンパ110が位置しない状態となる。これにより、ダンパ110の開放状態においては、発光部120や受光部130が露出する。そして、ダンパ110の開放状態において、発光部120は、便器7内の排泄物に向けて光を照射可能となり、受光部130は、便器7内の排泄物からの反射光を受光可能となる。上記のように、ダンパ110は、閉鎖状態において受光部130の前方に位置することにより、受光部130の前方を覆い、開放状態において受光部130の前方に位置しないことにより、受光部130の前方を開放する。ダンパ110は、受光部130の前方を覆う位置と、受光部130の前方を開放する位置との間で受光部130に対して開閉自在である。なお、ダンパ110の開放状態についての詳細は後述する。
【0036】
図2に及び図3に示すように、便座装置2は、洗浄ノズル6に隣接する位置にセンサユニット100を配置した構成である。なお、センサユニット100は、洗浄ノズル6に隣接する位置に限らず、種々の位置に配置されてもよいがこの点については後述する。
【0037】
<3.便座装置の機能構成>
次に、便座装置2の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、便座装置2は、便座検知センサ32と、着座検知センサ33と、制御部34と、電磁弁71と、ノズルモータ61と、洗浄ノズル6と、センサユニット100とを備える。なお、図4では、図1で説明した便座装置2の構成の一部(本体部3や便座5や便器7等)についての図示を省略する。
【0038】
例えば、便座検知センサ32や着座検知センサ33や制御部34は便座装置2の本体部3に設けられる。なお、図示を省略するが、便座装置2は、リモコン10と通信する通信装置を有する。例えば、通信装置は、通信回路等によって実現される。そして、通信装置は、所定のネットワークと有線または無線で接続され、リモコン10等の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。また、本体部3には、制御部34外に記憶部を有してもよい。
【0039】
便座検知センサ32は、便座5の状態を検知する機能を有する。例えば、便座検知センサ32は、便座5がリム部9に沿って位置する状態である閉じた状態(「閉状態」ともいう)であるか否かを検知する。例えば、便座検知センサ32は、近接センサであり、便座5の使用者が着座する面の反対面(裏面)とリム部9との近接を検知してもよい。また、例えば、便座検知センサ32は、赤外線投受光式の測距センサであり、便座5の使用者が着座する面の反対面(裏面)とリム部9との間の距離を検知してもよい。なお、上記は一例であり、便座検知センサ32は、上記に限らず、種々の手段により便座5の状態を検知してもよい。便座検知センサ32は、検知信号を制御部34へ出力する。
【0040】
着座検知センサ33は、便座装置2への人の着座を検知する機能を有する。着座検知センサ33は、使用者が便座5に着座したことを検知する。着座検知センサ33は、便座5に対する使用者による着座を検知可能である。着座検知センサ33は、使用者による便座5からの離座を検知する離座検知センサとしても機能する。着座検知センサ33は、便座5に対する使用者の着座状態を検知する。
【0041】
例えば、着座検知センサ33は、荷重センサにより使用者が便座5に着座したことを検知する。例えば、着座検知センサ33は、赤外線投受光式の測距センサであり、人(使用者)が便座5に着座する直前において便座5の付近に存在する人体や、便座5に着座した使用者を検知してもよい。なお、上記は一例であり、着座検知センサ33は、上記に限らず、種々の手段により便座装置2への人の着座を検知してもよい。着座検知センサ33は、着座検知信号を制御部34へ出力する。
【0042】
なお、トイレシステム1は、便座検知センサ32、着座検知センサ33のみに限らず、任意のセンサを有してもよい。例えば、トイレシステム1は、人体を検知する機能を有する人体検知センサを有してもよい。例えば、人体検知センサは、赤外線信号を用いた焦電センサ等により実現される。例えば、人体検知センサは、μ(マイクロ)波センサ等により実現されてもよい。なお、上記は一例であり、人体検知センサは、上記に限らず、種々の手段により人体を検知してもよい。例えば、人体検知センサは、トイレルームR(図1参照)内に入室した人(使用者など)を検知する。人体検知センサは、検知信号を制御部34へ出力する。この場合、制御部34は、人体検知センサによる使用者の入室が検知されたか否かを判定してもよい。例えば、制御部34は、人体検知センサによるトイレルームRへの使用者の入室が検知されたか否かを判定する。
【0043】
制御部34は、各種構成や処理を制御する制御部として機能する。制御部34は、ノズルモータ61や電磁弁71やセンサユニット100を制御する。制御部34は、リモコン10から送信された信号に基づいて、ノズルモータ61や電磁弁71やセンサユニット100を制御する。制御部34は、リモコン10から送信された局部洗浄に関する制御指示の信号に基づいて、ノズルモータ61を制御する。制御部34は、洗浄ノズル6を進退させるためにノズルモータ61を制御する。制御部34は、電磁弁71の開閉を制御する。制御部34は、ダンパ110を開閉させるためにセンサユニット100を制御する。制御部34は、ダンパ110を開放状態にするための制御情報をセンサユニット100に送信する。制御部34は、ダンパ110を閉鎖状態にするための制御情報をセンサユニット100に送信する。制御部34は、発光部120の点灯や消灯を制御するための制御情報をセンサユニット100に送信する。制御部34は、使用者の着座前や十分なデータが取れた場合等、受光部130による受光が必要ないタイミングではダンパ110を閉鎖状態に制御する。
【0044】
制御部34は、受光部130の電子シャッタの機能を制御するための制御情報をセンサユニット100に送信する。なお、受光部130の電子シャッタは、いわゆるレンズシャッタのような機械的なシャッタとは異なり、受光素子132(撮像素子)を電子的に制御して露光を読み出すシャッタ方式である。すなわち、受光部130の電子シャッタは、いわゆる電子式シャッタや電子制御式シャッタである。制御部34は、有線により、ノズルモータ61や電磁弁71やセンサユニット100に制御情報を送信する。なお、制御部34は、無線により、ノズルモータ61や電磁弁71やセンサユニット100に制御情報を送信してもよい。
【0045】
制御部34は、ダンパ110の開閉動作を制御する。例えば、制御部34は、排泄物の検知を行う際処理時には、ダンパ110を開放状態になるように制御する。制御部34は、着座検知センサ33により検知された使用者の着座の後にダンパ110を開放し、着座検知センサ33により使用者の離座が検知されるよりも前にダンパ110を閉鎖する。制御部34は、受光部130が排泄物からの反射光を受光したことに基づいて、ダンパ110を閉鎖する。また、制御部34は、ダンパ110の状態を示す情報を管理する。制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110の状態を示す情報を記憶部に記憶する。
【0046】
制御部34は、リモコン10に対する使用者による洗浄ノズル6を動作させるための指示に連動してダンパ110を閉鎖する。制御部34は、ボウル部8に進出した洗浄ノズル6からの反射光を受光部130が受光したことに基づいて、ダンパ110を閉鎖する。
【0047】
制御部34は、洗浄ノズル6の動作に連動してダンパ110を閉鎖する。制御部34は、洗浄ノズル6を制御するリモコン10に対する使用者の操作を起点にダンパ110を制御する。制御部34は、洗浄ノズル6の動作(ボウル部へのノズルの進出)を検知し、ダンパ110を制御する。
【0048】
制御部34は、便器7への載置時においてダンパ110を上方向に開放するように制御する。制御部34は、洗浄ノズル6の動作時にダンパ110を閉鎖状態にするように制御する。制御部34は、便器7に配設された洗浄ノズル6の動作時に、ダンパ110を閉鎖状態にするように制御する。
【0049】
制御部34は、受光部130の掃除等のメンテナンスを行うためのメンテナンスモードを有する。制御部34は、リモコン10の操作によりダンパ110を開けて受光部130を露出させるメンテナンスモードを有する。例えば、制御部34は、受光部130の掃除等のメンテナンスを行うためのメンテナンスモードと、通常の動作を行う通常モードとを有し、所定の条件を満たす場合、メンテナンスモードに遷移する。制御部34は、リモコン10の操作によりセンサユニット100のお掃除が選択された場合、メンテナンスモードに移行する。なお、制御部34は、通常モード、メンテナンスモード以外にも、洗浄ノズル6が掃除のために、水を出さずに進出状態になるノズル掃除モード等の任意のモードを有してもよい。
【0050】
例えば、制御部34は、リモコン10への操作により発信されるメンテナンスモード操作信号の受信に応じて、モードを切り替える。制御部34は、ダンパ110が閉じた状態でメンテナンスモード操作信号をリモコン10から受信した場合、通常モードからメンテナンスモードに遷移する。制御部34は、ダンパ110が開いた状態でメンテナンスモード操作信号をリモコン10から受信した場合、メンテナンスモードを終了し、メンテナンスモードから通常モードに遷移する。制御部34は、ダンパ110が閉じた状態でリモコン10から受信した場合、ダンパ110を開ける。また、制御部34は、ダンパ110が開いた状態でメンテナンスモード操作信号を受信した場合、ダンパ110を閉じる。
【0051】
制御部34は、メンテナンスモードの状態で、リモコン10への洗浄ノズル6の止水の操作が受け付けられた場合、ダンパ110を閉じる。例えば、制御部34は、メンテナンスモードの状態で、リモコン10への洗浄ノズル6の止水の操作が受け付けられた場合、メンテナンスモードを終了し、メンテナンスモードから通常モードに遷移する。
【0052】
制御部34は、メンテナンスモードの状態で、便器7の上部に配置される便座5が閉状態となった場合、ダンパ110を閉じる。例えば、制御部34は、メンテナンスモードの状態で、便器7の上部に配置される便座5が閉状態となった場合、メンテナンスモードを終了し、メンテナンスモードから通常モードに遷移する。
【0053】
制御部34は、発光部120による光の照射を制御する。制御部34は、発光素子121への通電、及び受光素子132に対する電圧の印加を制御する。制御部34は、受光素子132に対して、電子シャッタを開く制御指示を送り、発光素子121に通電することで、大便からの反射光を受光可能とする受光制御を行う。
【0054】
また、制御部34は、図1に示すような便蓋4や便座5を制御する。制御部34は、リモコン10から送信された信号に基づいて、便蓋4や便座5を制御する。制御部34は、リモコン10から送信された便蓋開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便蓋4を制御する。制御部34は、リモコン10から送信された着座部開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便座5を制御する。制御部34は、有線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信する。なお、制御部34は、無線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信してもよい。
【0055】
制御部34は、便座検知センサ32により便座の状態を判定する。制御部34は、便座検知センサ32による検知に応じて、便座5が閉じた状態であるか否かを判定する。例えば、制御部34は、便座検知センサ32による検知結果が便座5のリム部9への近接を示す場合、便座5が閉じた状態であると判定する。制御部34は、着座検知センサ33による使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部34は、着座検知センサ33による便座5への使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部34は、上述した制御に関する演算を実行する演算処理装置や記憶部等の各種の構成を有する。例えば、演算処理装置は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のプロセッサや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等の種々の手段により実現される。なお、制御部34の構成についての詳細は後述する。
【0056】
電磁弁71は、流体の流れを電磁的方法により制御する弁(バルブ)の機能を有する。電磁弁71は、例えば給水管からの水道水の供給および停止を切り替える。電磁弁71は、制御部34からの指示に応じて開閉の制御を実行する。
【0057】
ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を進退駆動する駆動源(モータ)である。ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を本体部3の本体カバー30に対して進退させる制御を実行する。ノズルモータ61は、制御部34からの指示に応じて洗浄ノズル6を進退させる制御を実行する。
【0058】
センサユニット100は、ダンパ110と、アクチュエータ111と、発光部120と、受光部130とを備える。センサユニット100は、上記に限らず、処理を実行するために必要な各種構成を有する。なお、例えば、センサユニット100は、制御部34との通信、各構成の制御等の処理を実行するセンサ基板を有し、センサ基板により制御部34から受信した信号(情報)に基づいて、アクチュエータ111、発光部120、受光部130に対して動作を指示してもよい。
【0059】
また、センサユニット100は、ダンパ110の状態を検知するダンパ検知センサを有してもよい。例えば、ダンパ検知センサは、ダンパ110が開放状態または閉鎖状態のいずれであるかを検知する。なお、ダンパ検知センサは、ダンパ110が開放状態または閉鎖状態のいずれであるかを検知可能であれば、任意のセンサが採用可能である。例えば、ダンパ検知センサは、アクチュエータ111の状態を検知することにより、ダンパ110が開放状態または閉鎖状態のいずれであるかを検知する。また、センサユニット100は、任意の配置態様が採用可能であり、例えば、便座装置2とは別体であってもよい。
【0060】
ダンパ110は、受光部130とボウル部8との間に設けられ、開閉自在な蓋部である。例えば、ダンパ110は、発光部120や受光部130の前方に位置することが可能であり、蓋として機能する。ダンパ110は、発光部120の発光面が臨む側(前方)に位置することが可能である。ダンパ110は、受光部130の受光面が臨む側(前方)に位置することが可能である。ダンパ110は、センサユニット100が視認される可能性を低減し、使用者のプライバシに配慮した構成とするために、透明ではない素材で形成されることが好ましい。例えば、ダンパ110は、着色により透明ではない状態に形成されてもよい。ダンパ110は、透明ではない材料(塗料)が表面に塗布されてもよい。なお、ダンパ110は、透明ではない構成に限らず、透明であってよい。
【0061】
ダンパ110は、受光部130の前方に設けられ、開閉自在である。ダンパ110は、アクチュエータ111により開放状態と閉鎖状態とに遷移可能であり、発光部120や受光部130の前方に位置したり、発光部120や受光部130を露出させたりする。ダンパ110は、使用者の着座前や十分なデータが取れた場合等、受光部130による受光が必要ないタイミングでは閉鎖状態になっている。これにより、ダンパ110は、汚れにより、受光部130による検知精度の低下を抑制することができる。
【0062】
ダンパ110は、便器7への載置時において上方向に開放する。ダンパ110は、洗浄ノズル6の動作時に閉鎖状態である。ダンパ110は、便器7に配設された洗浄ノズル6の動作時に、閉鎖状態である。
【0063】
アクチュエータ111は、ダンパ110を開放状態や閉鎖状態にする駆動源(モータ)である。アクチュエータ111は、制御部34からの指示に応じてダンパ110を開放状態にしたり、閉鎖状態にしたりする制御を実行する。アクチュエータ111は、使用者の着座前や十分なデータが取れた場合等、受光部130による受光が必要ないタイミングではダンパ110を閉鎖状態にする。
【0064】
アクチュエータ111は、便器7への載置時においてダンパ110を上方向に開放する。アクチュエータ111は、洗浄ノズル6の動作時にダンパ110を閉鎖状態にする。アクチュエータ111は、便器7に配設された洗浄ノズル6の動作時に、ダンパ110を閉鎖状態にする。
【0065】
発光部120は、光を照射する。発光部120は、光を照射する発光素子121を有する。発光部120は、使用者によって排泄される排泄物に対して光を照射する。発光部120は、使用者によって排泄される大便に対して光を照射する。発光部120は、落下中の大便に対して光を照射する。
【0066】
発光部120は、光を照射する発光素子121が設けられる。発光部120は、前方に光を照射する発光素子121が設けられる。発光部120は、使用者によって排泄される排泄物に向けて前方に光を照射する発光素子121が設けられる。
【0067】
発光部120は、前方に光を照射する。発光部120は、複数の発光素子121を備える。発光部120は、光を照射する発光素子121を複数備える。発光部120には、同一波長の光を照射する発光素子121が複数設けられる。発光部120は、使用者によって排泄される落下中の大便に対して光を照射する。発光部120は、異なる波長の光を照射するための複数の発光素子121を備える。
【0068】
受光部130は、光を受光する。受光部130は、レンズ131や光を受光する受光素子132を有する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する排泄物からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する落下中の大便からの反射光を受光する。
【0069】
受光部130は、光を受光する受光素子132が設けられる。受光部130は、受光素子132の前方に光を集光するためのレンズ131を備える。受光素子132の周囲には、受光素子132の前方以外からの光の入射を抑制するためのカバーが設けられてもよい。例えば、受光素子132の周囲には、前方に配置されたレンズ131を通過する光以外が受光素子132に入射することを抑制するためのカバーが設けられてもよい。
【0070】
受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する落下中の大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。
【0071】
<4.蓋部(ダンパ)の開閉>
ここで、センサユニット100のダンパ110の開閉について、図5を用いて説明する。図5は、ダンパの開閉動作の一例を示す図である。具体的には、図5は、ダンパ110が開放状態と閉鎖状態との間を遷移する動作の一例を示す図である。ダンパ110は、アクチュエータ111の駆動により、開放状態と閉鎖状態との間を遷移する。なお、図5においては、ダンパ110の位置に応じて、ダンパ110-1~110-4として説明するが、特に区別して説明を行う場合以外は、単に「ダンパ110」とする。また、図5では、ダンパ110の開閉を示すため、本体カバー30の一部のみを図示し、洗浄ノズル6用の開口31bを覆うノズル用蓋60等の図示も省略する。図5に示すように、本体カバー30には、センサユニット100用の開口31と洗浄ノズル6用の開口31bの2つの開口が設けられる。センサユニット100用の開口31は、ダンパ110で覆われることが可能である。また、洗浄ノズル6用の開口31bは、ノズル用蓋60で覆われることが可能である。例えば、開口31bは便器7の後方側の中央部に設けられ、開口31は開口31bに隣接する位置に設けられる。
【0072】
図5に示すダンパ110-1は、閉鎖状態のダンパ110を示す。閉鎖状態におけるダンパ110-1は、発光部120や受光部130の前方に位置する。このように、閉鎖状態におけるダンパ110-1は、受光部130とボウル部8との間に位置する。ダンパ110-1は、本体カバー30と略面一の状態となり、発光部120や受光部130の前方を覆う。このように、筐体である本体カバー30は、発光部120や受光部130よりも前方に位置する。
【0073】
ダンパ110は、トイレルームRの使用者の便座5への着座前や、洗浄ノズル6の動作時や、排便に関する検知、受光部130の掃除等のメンテナンス等が終了した場合等において、ダンパ110-1の位置に位置し、閉鎖状態になる。これにより、ダンパ110は、発光部120や受光部130の露出を抑制し、発光部120や受光部130がトイレルームRに入室時の使用者に視認可能となったり、発光部120や受光部130に水がかかったりすること等を抑制する。
【0074】
ダンパ110は、制御部34によるアクチュエータ111の制御により、ダンパ110-1の位置に位置し、閉鎖状態になる。そして、ダンパ110は、制御部34によるアクチュエータ111の制御により、閉鎖状態から開放状態に遷移する。ダンパ110は、ダンパ110-1、110-2、110-3、110-4の順に位置を遷移させ、閉鎖状態から開放状態に遷移する。例えば、ダンパ110は、トイレルームRの使用者の便座5への着座後や、洗浄ノズル6の動作の終了時等において、ダンパ110は、閉鎖状態のダンパ110-1から開放状態のダンパ110-4に遷移する。例えば、ダンパ110は、メンテナンスモードになった際に開放状態のダンパ110-4の位置になる。
【0075】
ダンパ110は、本体カバー30の開口31の上端に隣接する一端部側を軸として、本体カバー30に対して開閉動作を行う。ダンパ110は、一端部側を軸として回転動作をすることにより、一端部に対向する他端部を下から上へ位置を移動させる。このように、図5の例では、ダンパ110は、本体カバー30に対して回転動作をすることにより、閉鎖状態のダンパ110-1から開放状態のダンパ110-4に遷移する。
【0076】
ダンパ110-2、110-3は、閉鎖状態のダンパ110-1から開放状態のダンパ110-4に遷移するまでの間の途中の状態を示す。このように、ダンパ110-1から、ダンパ110-2、110-3、110-4と、徐々にダンパ110の他端部が上方へ移動することにより、発光部120や受光部130が露出する。具体的には、ダンパ110の他端部が上方へ移動することにより、発光部120の発光素子121や受光部130のレンズ131等が本体カバー30の開口31から露出する。
【0077】
上記のように、開放状態のダンパ110-4が発光部120や受光部130の前方において上方に位置することにより、発光部120や受光部130への外光(トイレルームR内の照明等)の影響を抑制したり、発光部120や受光部130への上方からの水などがかかったりすることを抑制することができる。
【0078】
また、ダンパ110は、制御部34によるアクチュエータ111の制御により、開放状態から閉鎖状態に遷移する。なお、開放状態から閉鎖状態への遷移は、上述した閉鎖状態から開放状態への遷移と逆の動作であり詳細な説明を省略するが、ダンパ110は、ダンパ110-4、110-3、110-2、110-1の順に位置を遷移させ、開放状態から閉鎖状態に遷移する。ダンパ110は、一端部側を軸として回転動作をすることにより、他端部を上から下へ位置を移動させる。例えば、ダンパ110は、トイレルームRの使用者の便座5への離座後や、洗浄ノズル6の動作時や、排便に関する検知、受光部130の掃除等のメンテナンス等が終了した場合等において、ダンパ110は、開放状態のダンパ110-4から閉鎖状態のダンパ110-1に遷移する。
【0079】
なお、図5の例では、ダンパ110は、本体カバー30の開口31の上端に隣接する一端部側を軸として、本体カバー30に対して開閉動作を行い、上下方向に開閉動作を行うが、ダンパ110の構成は図5の例に限らず、種々の態様であってもよい。例えば、ダンパ110は、本体カバー30の開口31の上端側の設けられた収納部に収納される構成であってもよい。例えば、ダンパ110は、何枚もの細長い部材を連接したシャッタ(鎧戸)のように構成されてもよい。また、例えば、ダンパ110は、本体カバー30の開口31の横方向の端部に隣接する一端部側を軸として、本体カバー30に対して開閉動作を行い、横方向に開閉動作を行ってもよい。また、例えば、ダンパ110は、複数のパーツに分離可能であり、片開きの構成に限らず、両開きの構成であってもよい。
【0080】
<5.他の構成例>
なお、上述したトイレシステム1の装置構成や各装置の配置は上記に限らず、種々の構成や配置であってもよい。例えば、上述した例では、ダンパ110は、全体が透過性がない(低い)材料により形成されるが、ダンパ110の一部は透過性を有してもよい。また、センサユニット100は、所望の検知が可能であれば、任意の位置に配置されてもよい。例えば、センサユニット100は、便器7のリム部9と便座5の間に配置されてもよい。この場合、センサユニット100は、便座5の使用者が着座する面の反対面(裏面)に取り付けられてもよい。また、例えば、便座装置2とセンサユニット100とは別体であってもよく、センサユニット100は、リム部9に取り付けられてもよい。
【0081】
<6.処理例>
ここから、上述した内容を前提として、各種の処理例についての詳細を説明する。以下では、トイレシステム1を処理主体として記載する場合、その処理は、トイレシステム1に含まれる装置構成に応じて、便座装置2、リモコン10等のいずれの装置が行ってもよい。
【0082】
まず、図6を用いて、トイレシステム1におけるダンパ110の開閉制御に関する処理概要を説明する。図6は、実施形態に係る処理の手順の一例を示すフローチャートである。例えば、図6は、ダンパ110の開閉処理及び処理分岐の一例を示すフローチャートである。
【0083】
図6では、トイレシステム1は、リモコン信号であるダンパ開閉信号を受信したか否かに応じて処理を分岐させる(ステップS101)。例えば、トイレシステム1は、制御部34がリモコン10からのメンテナンスモード操作信号であるリモコン信号(ダンパ110の開閉信号)を受信したか否かに応じて処理を分岐させる。
【0084】
トイレシステム1は、リモコン信号(ダンパ開閉信号)を受信した場合(ステップS101:Yes)、ダンパトグル制御処理を実行する(ステップS102)。例えば、制御部34は、リモコン10からのリモコン信号(ダンパ110の開閉信号)を受信した場合、ダンパ110のトグル制御処理を実行する。例えば、制御部34は、図1中のリモコン10の表示画面11に表示された「1.1 センサお掃除」が選択された場合にリモコン10から送信されるリモコン信号(ダンパ110の開閉信号)を受信した場合、ダンパ110のトグル制御処理を実行する。
【0085】
トイレシステム1は、リモコン信号(ダンパ開閉信号)を受信していない場合(ステップS101:No)、止信号を受信したか否かに応じて処理を分岐させる(ステップS103)。例えば、トイレシステム1は、リモコン10からのリモコン信号(ダンパ110の開閉信号)を受信していない場合、制御部34がリモコン10からの止信号を受信したか否かに応じて処理を分岐させる。
【0086】
トイレシステム1は、止信号を受信した場合(ステップS103:Yes)、ダンパ閉制御処理を実行する(ステップS104)。例えば、制御部34は、リモコン10からの止信号を受信した場合、ダンパ110を閉じる制御処理を実行する。例えば、制御部34は、図1中のリモコン10の止スイッチ13が押下(選択)された場合にリモコン10から送信されるリモコン信号(止信号)を受信した場合、ダンパ110を閉じる制御処理を実行する。
【0087】
トイレシステム1は、止信号を受信していない場合(ステップS103:No)、便座閉を検知したか否かに応じて処理を分岐させる(ステップS105)。例えば、トイレシステム1は、リモコン10からの止信号を受信していない場合、制御部34が便座5の閉状態を検知したか否かに応じて処理を分岐させる。
【0088】
トイレシステム1は、便座閉を検知した場合(ステップS105:Yes)、ダンパ閉制御処理を実行する(ステップS106)。例えば、制御部34は、便座5の閉状態を検知した場合、ダンパ110を閉じる制御処理を実行する。
【0089】
トイレシステム1は、便座閉を検知していない場合(ステップS105:No)、ダンパ制御処理を実行することなく処理を終了する。例えば、制御部34は、便座5の閉状態を検知していない場合、ダンパ110の制御処理を実行することなく処理を終了する。
【0090】
<6-1.第1の処理シーケンス>
次に、第1の処理シーケンスについて図7を参照して説明する。図7は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、図7は、リモコンによるお掃除操作時のシーケンス図を示す。
【0091】
図7に示す利用者Uは、トイレシステム1が適用されたトイレルームRの使用者に対応する。具体的には、利用者Uは、例えばトイレルームRの清掃者であり、利用者Uは、トイレルームRの清掃者と読み替えてもよい。また、リモコン10は、トイレシステム1が適用されたトイレルームRに設けられ、利用者Uに操作される操作部に対応する。また、制御部34は、トイレシステム1の各種制御を実行するメインコントローラに対応する。また、センサユニット100は、ダンパ110の開閉等の処理を実行するセンサ基板を有する。
【0092】
リモコン10は、利用者Uによるお掃除開始操作を受け付ける(ステップS201)。そして、リモコン10は、ダンパ開閉信号をリモコン信号として制御部34に送信する(ステップS202)。
【0093】
制御部34は、ダンパ開閉信号の受信に応じて、ダンパ110のトグル制御処理を実行する(ステップS203)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を参照し、ダンパ110の状態の判定結果に応じて、ダンパ110をトグル制御する。図7では、制御部34は、ダンパ110が閉鎖状態であると判定し、ダンパ110の状態を反転、すなわち、状態を閉鎖状態から開放状態に切り替えるように、ダンパ開命令をセンサユニット100に送信する(ステップS204)。
【0094】
ダンパ開命令を受信したセンサユニット100は、ダンパ110の状態を開放状態に遷移させ、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS205)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110を開放状態に移行させ、ダンパ110が開放状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0095】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS206)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が開放状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を開放状態に更新する。
【0096】
例えば、利用者Uがセンサユニット100の掃除を終えたら、お掃除終了操作が実施される。そして、リモコン10は、利用者Uによるお掃除終了操作を受け付ける(ステップS207)。そして、リモコン10は、ダンパ開閉信号をリモコン信号として制御部34に送信する(ステップS208)。
【0097】
制御部34は、ダンパ開閉信号の受信に応じて、ダンパ110のトグル制御処理を実行する(ステップS209)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を参照し、ダンパ110の状態の判定結果に応じて、ダンパ110をトグル制御する。図7では、制御部34は、ダンパ110が開放状態であると判定し、ダンパ110の状態を反転、すなわち、状態を開放状態から閉鎖状態に切り替えるように、ダンパ閉命令をセンサユニット100に送信する(ステップS210)。
【0098】
ダンパ閉命令を受信したセンサユニット100は、ダンパ110の状態を閉鎖状態に遷移させ、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS211)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110を閉鎖状態に移行させ、ダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0099】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS212)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を閉鎖状態に更新する。
【0100】
上述したように、トイレシステム1では、使用者がリモコン10を操作して、センサお掃除の信号であるメンテナンスモード操作信号(リモコン信号)を便座装置2に対して送信する。そして、トイレシステム1では、便座装置2がセンサユニット100のダンパ110の開閉をトグルさせる制御を行う。例えば、トイレシステム1では、便座装置2がセンサお掃除の信号であるメンテナンスモード操作信号(リモコン信号)を受けた時、便座装置2は、お掃除開始時と同様に、センサユニット100のダンパ110の開閉をトグルさせる制御を行う。このように、トイレシステム1では、センサお掃除の信号を受けた際にはトグル制御を行なうので、後述する手でふたを開けられた場合等であっても、最初の操作でダンパ110を閉じることができる。
【0101】
<6-2.第2の処理シーケンス>
次に、第2の処理シーケンスについて図8を参照して説明する。図8は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、図8は、リモコンによるお掃除操作時のシーケンス図を示す。なお、図7等で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0102】
利用者Uは、閉鎖状態のダンパ110を手で開放状態にすることにより掃除を開始する(ステップS301)。例えば、利用者Uは、ダンパ110を手で引っ張って開けることにより、ダンパ110を開放状態にする。この場合、センサユニット100は、ダンパ検知センサによりダンパ110が開放状態になったことを検知する(ステップS302)。
【0103】
ダンパ110が開放状態になったことを検知したセンサユニット100は、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS303)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110が開放状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0104】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS304)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が開放状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を開放状態に更新する。
【0105】
例えば、利用者Uがセンサユニット100の掃除を終えたら、お掃除終了操作が実施される。そして、リモコン10は、利用者Uによるお掃除終了操作を受け付ける(ステップS305)。そして、リモコン10は、ダンパ開閉信号をリモコン信号として制御部34に送信する(ステップS306)。
【0106】
制御部34は、ダンパ開閉信号の受信に応じて、ダンパ110のトグル制御処理を実行する(ステップS307)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を参照し、ダンパ110の状態の判定結果に応じて、ダンパ110をトグル制御する。図8では、制御部34は、ダンパ110が開放状態であると判定し、ダンパ110の状態を反転、すなわち、状態を開放状態から閉鎖状態に切り替えるように、ダンパ閉命令をセンサユニット100に送信する(ステップS308)。
【0107】
ダンパ閉命令を受信したセンサユニット100は、ダンパ110の状態を閉鎖状態に遷移させ、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS309)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110を閉鎖状態に移行させ、ダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0108】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS310)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を閉鎖状態に更新する。
【0109】
上述したように、トイレシステム1では、例えばリモコン10からの信号自体はダンパ110を開くとき及び閉じるときで同じ信号が用いられ、制御部34(メインコントローラ)側でダンパ110の開閉状況を判定して、センサユニット100に送信する命令を切り替える(使い分ける)。図8では、ダンパ110が直前に手で開けられたことから、制御部34は、ダンパ閉の命令をセンサユニット100に送信する。
【0110】
通常、リモコン10に対する操作に応じてセンサユニット100のダンパ110を開き、掃除を開始することを想定しているが、使用者によってはリモコン10を介さずに、直接手で引っ張ってダンパ110を開ける操作(手動操作)を行うケースもある。このような場合には、制御としてはダンパ110を開放状態にしていないのに、ダンパ110が開放状態に状態となる。そこで、トイレシステム1では、ダンパ110の状態を検知し、制御としてはダンパ110の状態を変更していなくても、使用者の手動などによる状態の変化も検知可能とすることで、使用者がダンパ110を手で引っ張って開けた場合であっても、適切に処理することができる。
【0111】
<6-3.ダンパトグル制御処理>
ここで、ダンパトグル制御処理について図9を参照して説明する。図9は、ダンパトグル制御処理の一例を示すフローチャートである。例えば、図9に示すダンパトグル制御処理は、図6中のステップS102の処理に対応する。なお、上述した内容と同様の点については適宜説明省略する。
【0112】
図9では、トイレシステム1は、ダンパ110の現在の開閉状況を判定する(ステップS401)。例えば、トイレシステム1は、制御部34が管理するダンパ110の状態(ダンパ110の現状態)に応じて処理を分岐させる。
【0113】
トイレシステム1は、ダンパ110が開放状態である場合(ステップS401:開)、ダンパ閉要求を送信する(ステップS402)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報が開放状態を示す場合、センサユニット100にダンパ110を閉鎖状態にすることを要求する情報を送信する。
【0114】
トイレシステム1は、ダンパ110が閉鎖状態である場合(ステップS401:閉)、ダンパ開要求を送信する(ステップS403)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報が閉鎖状態を示す場合、センサユニット100にダンパ110を開放状態にすることを要求する情報を送信する。
【0115】
<6-4.第3の処理シーケンス>
次に、第3の処理シーケンスについて図10を参照して説明する。図10は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、図10は、止信号によるお掃除終了時のシーケンス図を示す。なお、図7等で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。例えば、図10中のステップS501~S506は、図7中のステップS201~S206と同様であるため説明を省略する。
【0116】
リモコン10は、利用者Uによる止スイッチ13の押下を、お掃除終了操作として受け付ける(ステップS507)。そして、リモコン10は、止信号をリモコン信号として制御部34に送信する(ステップS508)。
【0117】
制御部34は、止信号の受信に応じて、ダンパ110の閉制御処理を実行する(ステップS509)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を参照し、ダンパ110が開放状態であると判定し、ダンパ110の閉制御処理を実行する。制御部34は、ダンパ閉命令をセンサユニット100に送信する(ステップS510)。
【0118】
ダンパ閉命令を受信したセンサユニット100は、ダンパ110の状態を閉鎖状態に遷移させ、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS511)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0119】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS512)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を閉鎖状態に更新する。
【0120】
上述したように、トイレシステム1では、ダンパ110が開いた状態で止信号を受信した場合、制御部34は、掃除終了時の操作であると認識して、ダンパ110を閉じる制御を行う。これにより、利用者(使用者)の直感的な操作で掃除を終えることができ、トイレシステム1は、利用者の利便性向上させることができる。
【0121】
このように、トイレシステム1では、使用者の操作により止スイッチ13が押下された場合、リモコン10が止信号を便座装置2に対して送信する。ここで、止スイッチ13を押下する等の「止」の操作はおしり洗浄を停止させる場合などに用いるスイッチになっているが、便座装置2に関する動作を止めるために直感的に操作されることが多いスイッチでもある。そのため、トイレシステム1では、センサお掃除中に使用者が「止」の操作を行った場合、便座装置2はトグル制御ではなく、センサユニット100のダンパ110を閉じる制御を行う。
【0122】
<6-5.第4の処理シーケンス>
次に、第4の処理シーケンスについて図11を参照して説明する。図11は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、図11は、ダンパ110を手で閉じることによるお掃除終了時のシーケンス図を示す。なお、図7等で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。例えば、図11中のステップS601~S606は、図7中のステップS201~S206と同様であるため説明を省略する。
【0123】
利用者Uは、開放状態のダンパ110を手で閉鎖状態にすることにより掃除を終了する(ステップS607)。この場合、センサユニット100は、ダンパ検知センサによりダンパ110が閉鎖状態になったことを検知し、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS608)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0124】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS609)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を閉鎖状態に更新する。
【0125】
リモコン10は、利用者Uによる止スイッチ13の押下を、お掃除終了操作として受け付ける(ステップS610)。そして、リモコン10は、止信号をリモコン信号として制御部34に送信する(ステップS611)。
【0126】
制御部34は、止信号の受信に応じて、ダンパ110の閉制御処理を実行する(ステップS612)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を参照し、ダンパ110が閉鎖状態であると判定し、その判定結果に応じたダンパ110の閉制御処理を実行する。この場合、制御部34は、ダンパ110が既に閉鎖状態であるため、ダンパ閉命令をセンサユニット100に送信せず、ダンパ110の閉制御処理を終了する。
【0127】
上述したように、トイレシステム1では、お掃除開始した後、ダンパ110を手で閉められること等によりダンパ110が閉鎖状態になった場合、制御部34は、その後に止め操作をされてもダンパ110を閉じる制御はしない。一般的に、通常動作で止信号を受信するシーンは多くあり、トイレシステム1では、その度にダンパを閉じる動作が実行されることを抑制することでの異音発生を抑制することができる。
【0128】
<6-6.ダンパ閉制御処理>
ここで、ダンパ閉制御処理について図12を参照して説明する。図12は、ダンパ閉制御処理の一例を示すフローチャートである。例えば、図12に示すダンパトグル制御処理は、図6中のステップS104の処理及びS106の処理に対応する。なお、上述した内容と同様の点については適宜説明省略する。
【0129】
図9では、トイレシステム1は、ダンパ110の現在の開閉状況を判定する(ステップS701)。例えば、トイレシステム1は、制御部34が管理するダンパ110の状態(ダンパ110の現状態)に応じて処理を分岐させる。
【0130】
トイレシステム1は、ダンパ110が開放状態である場合(ステップS701:開)、ダンパ閉要求を送信する(ステップS702)。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報が開放状態を示す場合、センサユニット100にダンパ110を閉鎖状態にすることを要求する情報を送信する。
【0131】
トイレシステム1は、ダンパ110が閉鎖状態である場合(ステップS701:閉)、ダンパ閉要求を送信することなく処理を終了する。例えば、制御部34は、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報が閉鎖状態を示す場合、センサユニット100にダンパ110を閉鎖状態にすることを要求する情報を送信することなく処理を終了する。
【0132】
<6-7.第5の処理シーケンス>
次に、第5の処理シーケンスについて図13を参照して説明する。図13は、トイレシステムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、図13は、便座閉によるお掃除終了時のシーケンス図を示す。なお、図7等で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。例えば、図13中のステップS801~S806は、図7中のステップS201~S206と同様であるため説明を省略する。
【0133】
制御部34は、利用者Uにより便座5が閉状態にされたことを、お掃除終了操作として受け付ける(ステップS807)。そして、制御部34は、便座5が閉状態になったことを検知する(ステップS808)。
【0134】
制御部34は、便座5が閉状態になったことに応じて、ダンパ110の閉制御処理を実行する(ステップS809)。制御部34は、ダンパ閉命令をセンサユニット100に送信する(ステップS810)。
【0135】
ダンパ閉命令を受信したセンサユニット100は、ダンパ110の状態を閉鎖状態に遷移させ、制御部34へのダンパ開閉状態通知を行う(ステップS811)。例えば、センサユニット100は、ダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を制御部34へ送信する。
【0136】
ダンパ開閉状態通知を受信した制御部34は、ダンパ110の開閉状態を更新する(ステップS812)。例えば、制御部34は、センサユニット100から受信したダンパ110が閉鎖状態になったことを示す情報を基に、記憶部に記憶されたダンパ110の状態を示す情報を閉鎖状態に更新する。
【0137】
例えば、受光部130等の掃除は、便座5を開いた状態で行う。また、掃除の後で、ダンパ110の閉じ忘れがあると、次回のトイレ利用時に受光部130に汚れが付着してしまう虞がある。そこで、トイレシステム1では、ダンパ110の閉じ忘れによる汚れ付着を防止するために、便座5が閉状態になったことを検知したら、ダンパ110を閉じる制御を行う。また、利用者U(清掃者)等としても、お掃除終了後に便座5を閉じるだけでよいのでお掃除後にリモコン操作をする手間が省ける。そのため、トイレシステム1は、利便性を向上させることができる。
【0138】
このように、トイレシステム1では、便座5が下されたこと、すなわち、便座5が開いた状態(立ち上げた状態)から閉状態に切り替えられたことをトリガとして、センサユニット100のダンパ110を閉じる制御を行う。例えば、受光部130の掃除のときは、便座5を開いた状態で掃除を実施することが想定されている。しかし、掃除のあと、ダンパ110を閉じるのを忘れた、閉じ方が分からなかったなどの理由で、そのまま開いた状態にされる可能性が考えられる。このように、ダンパ110が開いた状態のまま放置されると、ダンパ110の目的である汚れ付着防止を果たせなくなってしまう虞がある。そこで、トイレシステム1では、便座5の開閉状態をセンシング(監視)し、便座5が開から閉に切り替わったら、センサユニット100のダンパ110を閉じる制御を行う。これにより、トイレシステム1は、ダンパ110の目的である汚れ付着防止を果たすことを可能にし、受光部130のメンテナンスを容易に実行可能にすることができる。
【0139】
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0140】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0141】
上述してきた各実施形態及び変形例について、以下のような構成であってもよいが、以下には限られない。
(1)
便器のボウル部へ排泄される排泄物を検知するトイレ装置であって、
前記排泄物を検知するために光を照射する発光部と、
光を受光する受光部と、
前記受光部と前記ボウル部との間に設けられ、開閉自在な蓋部と、
前記蓋部の開閉動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、操作部の操作により前記蓋部を開けて前記受光部を露出させるメンテナンスモードを有する
ことを特徴とするトイレ装置。
(2)
前記操作部は、前記トイレ装置の機能を動作させる操作を受け付けるリモコン装置であり、
前記制御部は、前記リモコン装置への操作により発信されるメンテナンスモード操作信号を、前記蓋部が閉じた状態で前記リモコン装置から受信した場合、前記蓋部を開け、前記蓋部が開いた状態で前記メンテナンスモード操作信号を受信した場合、前記蓋部を閉じる
ことを特徴とする(1)に記載のトイレ装置。
(3)
洗浄水を吐水するノズル、
を有し、
前記操作部は、前記ノズルの吐水開始及び止水を制御する操作を受け付けるリモコン装置であり、
前記制御部は、前記メンテナンスモードの状態で、前記リモコン装置への前記ノズルの止水の操作が受け付けられた場合、前記蓋部を閉じる
ことを特徴とする(1)または(2)に記載のトイレ装置。
(4)
前記制御部は、前記メンテナンスモードの状態で、前記便器の上部に配置される便座が閉状態となった場合、前記蓋部を閉じる
ことを特徴とする(1)~(3)のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【符号の説明】
【0142】
R トイレルーム
1 トイレシステム
2 便座装置(トイレ装置)
3 本体部
30 本体カバー
31 開口
31b 開口
32 便座検知センサ
33 着座検知センサ
34 制御部
4 便蓋
5 便座
6 洗浄ノズル(ノズル)
60 ノズル用蓋
7 洋式大便器(便器)
71 電磁弁
8 ボウル部
9 リム部
10 リモコン(リモコン装置)
11 表示画面
100 センサユニット
110 ダンパ(蓋部)
111 アクチュエータ
120 発光部
121 発光素子
130 受光部
131 レンズ
132 受光素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13