(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004678
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】車両用灯具の制御装置、車両用灯具の制御方法、車両用灯具システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/04 20060101AFI20250107BHJP
B60Q 1/12 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
B60Q1/04 Z
B60Q1/12 100
B60Q1/12 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104522
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】星野 真也
(72)【発明者】
【氏名】藁谷 剛司
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA21
3K339BA22
3K339BA25
3K339CA01
3K339DA01
3K339DA05
3K339DA06
3K339GB01
3K339HA01
3K339JA02
3K339JA22
3K339KA07
3K339KA08
3K339MC43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】運転者の操舵状態に応じた配光を実現できる技術を提供する。
【解決手段】配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための装置であって、前記車両用灯具と接続されたコントローラを備え、前記コントローラは、前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両100から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される第1周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両100の前方の所定範囲に追加ビーム102を照射させるように前記車両用灯具を制御する、車両用灯具の制御装置である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための装置であって、
前記車両用灯具と接続されたコントローラを備え、
前記コントローラは、前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される第1周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両の前方の所定範囲に追加ビームを照射させるように前記車両用灯具を制御する、
車両用灯具の制御装置。
【請求項2】
前記基準値は、日中における前記舵角信号の周波数解析結果において前記第1周波数帯の信号強度の平均的な値として予め求められた値である、
請求項1に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項3】
前記基準値は、前記舵角信号の周波数解析結果において0.3Hzより小さい範囲内で設定される第2周波数帯の信号強度に基づいて設定された値である、
請求項1に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項4】
前記第1周波数帯は0.3Hz~0.6Hzの範囲であり、
前記第2周波数帯は0.1Hz~0.2Hzの範囲である、
請求項3に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項5】
前記所定範囲は、前記車両の前方の5m以上40m以下の範囲で設定される、
請求項1に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項6】
前記所定範囲は、前記車両の走行車線幅以上の幅に設定される、
請求項5に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項7】
前記追加ビームは、前記所定範囲内の基準位置における照度が前記追加ビームを照射せずに前記ロービームを照射した場合に比較して1.2倍以上1.5倍以下となるように照射される、
請求項1に記載の車両用灯具の制御装置。
【請求項8】
配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための方法であって、
前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両の前方の所定範囲において追加ビームを照射させるように前記車両用灯具を制御する、
車両用灯具の制御方法。
【請求項9】
請求項1に記載の車両用灯具の制御装置と、
前記車両用灯具の制御装置によって制御される車両用灯具と、
を含む、車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具の制御装置、車両用灯具の制御方法、車両用灯具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3768624号公報(特許文献1)には、操舵角のパワースペクトルに基づいて修正操舵の程度を表す指数を設定し、当該指数が第1の閾値を超えた際に警報手段によって運転者に警告を発するとともに、当該指数が第2の閾値を超えた際に減速手段によって車速を減少させる、制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る具体的態様は、運転者の操舵状態に応じた配光を実現可能な技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本開示に係る一態様の車両用灯具の制御装置は、
配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための装置であって、
前記車両用灯具と接続されたコントローラを備え、
前記コントローラは、前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される第1周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両の前方の所定範囲に追加ビームを照射させるように前記車両用灯具を制御する、
車両用灯具の制御装置である。
[2]本開示に係る一態様の車両用灯具の制御方法は、
配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための方法であって、
前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両の前方の所定範囲において追加ビームを照射させるように前記車両用灯具を制御する、
車両用灯具の制御方法である。
[3]本開示に係る一態様の車両用灯具システムは、
前記[1]に記載の車両用灯具の制御装置と、
前記車両用灯具の制御装置によって制御される車両用灯具と、
を含む、車両用灯具システムである。
【0006】
上記構成によれば、運転者の操舵状態に応じた配光が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1(A)は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示すブロック図である。
図1(B)は、コンピュータシステムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、前照灯による照射光について説明するための図である。
【
図3】
図3は、前照灯による照射光の車両進行方向の断面での照度分布を例示する図である。
【
図4】
図4(A)は、舵角信号を模式的に示した図である。
図4(B)は、舵角信号を高速フーリエ変換して得られるパワースペクトルを模式的に示した図である。
【
図5】
図5は、車両用灯具システムの動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1(A)は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示すブロック図である。図示の車両用灯具システムは、コントローラ10、舵角センサ11、一対の前照灯(車両用灯具)12L、12Rを含んで構成されている。この車両用灯具システムは、車両前方へ光照射を行うためのものである。
【0009】
コントローラ10は、各前照灯12L、12Rによる光照射の動作を制御するものである。このコントローラ10は、例えば
図1(B)に示すようなコンピュータシステム、すなわちプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、フラッシュメモリ等の記憶デバイス204、入出力インターフェース205などを備えたコンピュータシステムを用いて構成することができる。本実施形態のコントローラ10は、予め記憶デバイス204に記憶されたプログラム206がプロセッサによって読み出されて実行されることにより、後述する各機能を発揮できる状態となる。
【0010】
舵角センサ11は、車両のハンドルに連動して回転するステアリングの回転角である舵角を検出してその大きさに応じた舵角信号(舵角データ)を出力する。
【0011】
コントローラ10は、プログラム実行によって実現される機能ブロックとしての信号解析部21、配光設定部22、制御信号生成部23を含む。
【0012】
信号解析部21は、舵角センサ11から経時的に出力される舵角信号に対して所定の周波数解析、具体的には高速フーリエ変換を行って所定の周波数域ごとのパワースペクトルを求める(後述の
図4(B)参照)。
【0013】
配光設定部22は、信号解析部21による周波数解析結果に基づいて各前照灯12L、12Rによる照射光の配光パターンを設定する。
【0014】
制御信号生成部23は、配光設定部22によって設定される配光パターンに応じた照射光を各前照灯12L、12Rに形成させるための制御信号を生成し、各前照灯12L、12Rへ供給する。
【0015】
一対の前照灯12L、12Rは、自車両前部の左右の所定位置に搭載されており、コントローラ10から与えられる制御信号に応じて動作して自車両前方へ照射される光を形成する。本実施形態の前照灯ユニット12L、12Rは、配光パターンが可変に設定できるものであり、各々、ロービーム(すれ違い灯)を照射するためのロービームユニット31、ハイビーム(走行灯)を照射するためのハイビームユニット33、後述の
図2に例示するロービーム101の照射範囲内において追加ビーム102を照射するための追加ビームユニット33を含んで構成されている。ハイビームユニット33は、前方車両等の位置に応じて減光範囲(ないし遮光範囲)を形成可能なADBユニットであってもよい。
【0016】
各前照灯12L、12Rとしては公知の種々の構成を採用することができる。例えば、光源バルブと反射鏡や遮蔽板を組み合わせた構成のランプユニットによりハイビーム、ロービーム、追加ビームを形成することができる。また、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子が一方向または二方向に配列されており、各発光素子の点灯状態を個別に制御可能なランプユニットを用いることもできる。また、光源と液晶素子などを備え、液晶素子の各画素の光透過状態を個別に制御可能なランプユニットを用いることもできる。また、レーザダイオードなどの発光素子と、この発光素子から出射する光を走査するミラーデバイス等の走査素子などを備え、発光素子の点消灯のタイミングと走査素子による走査タイミングを制御可能なランプユニットを用いることもできる。
【0017】
図2は、前照灯による照射光について説明するための図である。ここでは、自車両を俯瞰した様子が模式的に示されている。図示のように、自車両100からその前方へロービーム101が照射される。図示の例におけるロービーム101の外縁は5lx(ルクス)に相当する位置である。また、舵角信号のパワースペクトルが所定条件を満たした場合には、自車両100からその前方へ追加ビーム102が照射される。この追加ビーム102は、ロービーム101の照射範囲内であって自車両100の前方の所定範囲、具体的には、例えば5m~40mの範囲内(図示の例では5m~35mの範囲内)に照射される。また、追加ビーム102は、自車両100の走行車線を含む範囲に照射される。例えば、追加ビーム102は、走行車線の幅W(例えば3.5m程度)と同じかそれ以上の幅で照射される。
【0018】
図3は、前照灯による照射光の車両進行方向の断面での照度分布を例示する図である。図中、ロービーム101のみを照射した場合の照度を実線で示し、追加ビーム102を照射した場合の照度を点線で示す。上記したように、追加ビーム102は、ロービーム101の照射範囲内であって自車両100の前方の所定範囲(一例として5m~40mの範囲)に照射される。このとき、前方の所定範囲内において、追加ビーム102を照射せずにロービーム101を照射している場合を基準として、それよりも1.2倍~1.5倍の明るさとなるように追加ビーム102が照射される。追加ビーム102を照射した場合の照度が最も大きくなる位置の前方距離d1は、例えば20m~30mに設定することができる。
【0019】
図4(A)は、舵角信号を模式的に示した図である。また、
図4(B)は、舵角信号を高速フーリエ変換して得られるパワースペクトルを模式的に示した図である。
図4(A)に示すように、舵角信号は運転者のハンドル操作に応じて経時的に変化する。本実施形態では、この舵角信号を高速フーリエ変換して周波数毎の信号強度(パワー)を算出する。そして、
図4(B)に示すように、0.1Hz~0.2Hzの周波数帯の信号強度と0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度をそれぞれ集計する。
【0020】
ここで、0.1~0.2Hzの周波数帯の信号強度と0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度をそれぞれ集計する理由について説明する。McLean,Hoffmannらの下記論文によると、運転時の舵角信号の周波数はほとんどが1Hz以下であり、さらに0.1Hz~0.2Hzの周波数帯はプレビューステアリングに対応し、0.3Hz~0.6Hzの周波数帯は補償ステアリングに対応していることが見出されている。このため、本実施形態では、0.1~0.2Hzの周波数帯と0.3Hz~0.6Hzの周波数帯に分けて信号強度を集計することで、運転者の状態を把握し得る情報を得ている。
【0021】
(1) McLean, J.R. and Hoffmann, E.R. (1971). Analysis of drivers’ control movements. Human Factors, 13, 407-418.
(2) McLean, J.R. and Hoffmann, E.R. (1973). The effects of restricted preview on driver steering control and performance. Human Factors, 15, 421-430.
【0022】
また、下記論文によると、運転者の車両の横方向のタスクの要求が増加すると舵角信号のピークが0.3Hz~0.6Hz帯にシフトするという研究結果が示されている。ここでいう「タスク」とは、自車を自車線の中央(もしくは、運転者が走行したい走行軌跡)に留めることである。
【0023】
(3) Blaauw, G.J. (1984). Car driving as a supervisory control task. Soesterberg, The Netherlands: Institute for Perception TNO.
【0024】
つまり、舵角信号には運転者の運転負荷が反映されるため、舵角信号を周波数解析することでドライバーの運転負荷状態を調べることができる。また、舵角信号において0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の成分が増大するということは、事前のステアリング操作(0.1Hz~0.2Hzに現れるプレビューステアリング)では調整量が不十分であったために補償ステアリング量が増大したことを示しており、運転者が自車両の走行位置を正しく認識できていないことが現れているといえる。
【0025】
一方で、自車両の手前の配光が比較的に明るいHIDのランプ搭載の車両とこれよりも手前の配光が暗いタングステンハロゲンのランプ搭載の車両とを比較すると、自車両の手前の配光が明るい方が運転しやすい(すなわち、線形認知がしやすい)という調査結果も公開されている(UMTRIレポート2002-3)。従って、自車両の手前の配光の明るさを担保することで、運転者は、自車両の走行位置を把握しやすくなることが予想される。
【0026】
このため、本実施形態では、補償ステアリングに対応する0.3Hz~0.6Hzの周波数帯における信号強度が所定の閾値を超えた場合において、上記した追加ビーム102(
図2参照)を自車両の前方所定範囲に照射することで、運転者の走行位置の把握をアシストしている。
【0027】
図5は、車両用灯具システムの動作手順を示すフローチャートである。なお、ここに示す各処理については情報処理の結果に矛盾や不整合を生じない限りにおいて、それらの順序を入れ替えることも可能であり、またここでは明示しない他の処理を追加することも可能である。なお、以下の説明ではハイビームについての言及を省略するが、適宜照射されるものとする。
【0028】
コントローラ10の配光設定部22は、信号解析部21によって求められた舵角信号の周波数毎の信号強度を取得し、0.3Hz~0.6Hzの周波数帯(第1周波数帯)の信号強度が所定の閾値を超えていない場合には(ステップS11;NO)、配光設定部22は、現状の配光パターン、すなわちロービームが照射され、追加ビームは照射されていない状態を維持するように配光パターンを設定する(ステップS12)。その後、ステップS11へ戻る。
【0029】
ここで、ステップS11における閾値は、例えば以下のようにして設定することができる。一例としては、閾値は、平時(例えば日中)における0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度の平均的な値を実験等によって求め、その結果に基づく値とすることができる。他の一例としては、同時期に求められた0.1Hz~0.2Hzの周波数帯(第2周波数帯)の信号強度を閾値として用いることができる。つまり、第1周波数帯の信号強度>第2周波数帯の信号強度という関係が成立しているかどうかを判定基準とすることができる。
【0030】
配光設定部22は、0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度が所定の閾値を超えている場合には(ステップS11;YES)、前照灯による照射光の配光パターンの設定を、ロービームに加えて追加ビームを照射するように切り替える(ステップS13)。これにより、追加ビーム102が照射される。
【0031】
その後、配光設定部22は、0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度が所定の閾値を超えている状態が継続している場合には(ステップS14;YES)、追加ビームを照射する状態を維持するように配光パターンを設定する(ステップS15)。その後ステップS14に戻る。つまり、0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度が所定の閾値を超えている状態が継続している間は追加ビームの照射が継続される。
【0032】
他方、0.3Hz~0.6Hzの周波数帯の信号強度が所定の閾値を超えている状態が継続しなくなくなった場合には(ステップS14;NO)、配光設定部22は、配光パターンの設定を元の状態、すなわち追加ビームが照射されずロービームが照射される状態に戻す(ステップS16)。その後、ステップS11へ戻る。
【0033】
以上のような実施形態によれば、補償ステアリング量が増大した場合、すなわち運転者が自車両の走行位置を正しく認識できていないと推測される場合にはロービームに加えて自車両の前方所定範囲に追加ビームが照射されるので、運転者の操舵状態に応じた配光が実現可能となる。
【0034】
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では舵角信号の周波数帯を第1周波数帯としての0.3Hz~0.6Hzと第2周波数帯としての0.1Hz~0.2Hzに分けていたが、各数値は一例であってこれらにのみ限定されない。具体的には、第1周波数帯は0.3Hz~0.6Hzの範囲内で、例えば0.3Hz~0.5Hzなどに設定してもよいし、第2周波数帯は0.3Hzより小さい範囲で適宜設定することが可能である。
【0035】
本開示は、以下に付記する特徴を有する。
(付記1)
配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための装置であって、
前記車両用灯具と接続されたコントローラを備え、
前記コントローラは、前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される第1周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両の前方の所定範囲に追加ビームを照射させるように前記車両用灯具を制御する、
車両用灯具の制御装置。
(付記2)
前記基準値は、日中における前記舵角信号の周波数解析結果において前記第1周波数帯の信号強度の平均的な値として予め求められた値である、
付記1に記載の車両用灯具の制御装置。
(付記3)
前記基準値は、前記舵角信号の周波数解析結果において0.3Hzより小さい範囲内で設定される第2周波数帯の信号強度に基づいて設定された値である、
付記1に記載の車両用灯具の制御装置。
(付記4)
前記第1周波数帯は0.3Hz~0.6Hzの範囲であり、
前記第2周波数帯は0.1Hz~0.2Hzの範囲である、
付記3に記載の車両用灯具の制御装置。
(付記5)
前記所定範囲は、前記車両の前方の5m以上40m以下の範囲で設定される、
付記1~4の何れかに記載の車両用灯具の制御装置。
(付記6)
前記所定範囲は、前記車両の走行車線幅以上の幅に設定される、
付記5に記載の車両用灯具の制御装置。
(付記7)
前記追加ビームは、前記所定範囲内の基準位置における照度が前記追加ビームを照射せずに前記ロービームを照射した場合に比較して1.2倍以上1.5倍以下となるように照射される、
付記1~6の何れかに記載の車両用灯具の制御装置。
(付記8)
配光を可変に設定可能な車両用灯具の動作を制御するための方法であって、
前記車両用灯具にロービームを照射させるよう制御するとともに、車両から取得した舵角信号の周波数解析結果において0.3Hz以上0.6Hz以下の範囲内で設定される周波数帯の信号強度が基準値を超えた場合に前記車両の前方の所定範囲において追加ビームを照射させるように前記車両用灯具を制御する、
車両用灯具の制御方法。
(付記9)
付記1~7の何れかに記載の車両用灯具の制御装置と、
前記車両用灯具の制御装置によって制御される車両用灯具と、
を含む、車両用灯具システム。
【符号の説明】
【0036】
10:コントローラ、11:舵角センサ、21:信号解析部、22:配光設定部、23:制御信号生成部、31:ロービームユニット、32:ハイビームユニット、33:追加ビームユニット、100:自車両、101:ハイビーム、102:追加ビーム