(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004688
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】タクシーチケット管理サーバ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250107BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104539
(22)【出願日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】397037410
【氏名又は名称】東武トップツアーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】石井 聡
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タクシーチケットの発行及び利用を電子化し、かつチケット利用後のデータを紙媒体を介さずに取得するタクシーチケット管理サーバ装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】タクシーチケット管理システム1において、会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する管理台帳データを格納するデータベースを有し、出席者が使用するユーザ端末200にネットワークNを介して接続される管理サーバ装置100は、少なくとも、ユーザ端末を使用する出席者を識別する出席者識別情報、ユーザ端末上で出席者が利用するために選択したタクシーチケット情報、出席者が利用したタクシーにおいてユーザ端末によって読み取られたタクシーの識別情報及びタクシーの利用情報とを取得し、少なくとも、出席者識別情報、タクシーチケット情報、タクシーの識別情報及びタクシーの利用情報を互いに関連付けて管理台帳データに登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する管理台帳データを格納するデータベースを有し、前記出席者が使用するユーザ端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバ装置であって、
少なくとも、前記ユーザ端末を使用する前記出席者を識別する出席者識別情報と、前記ユーザ端末上で前記出席者が利用するために選択したタクシーチケット情報と、前記出席者が利用したタクシーにおいて前記ユーザ端末によって読み取られたタクシーの識別情報と、前記タクシーの利用情報とを取得することと、
少なくとも、前記出席者識別情報と、前記タクシーチケット情報と、前記タクシーの識別情報と、前記タクシーの利用情報とを互いに関連付けて前記管理台帳データに登録することと、
を実行するように構成されている管理サーバ装置。
【請求項2】
前記管理台帳データには、前記出席者に付与されたタクシーチケットに関するタクシーチケット情報が含まれ、
前記管理サーバ装置は、
前記出席者に提供される、前記タクシーチケット情報を符号化したコードを生成することと、
前記コードを読み取って前記管理サーバ装置にアクセスしてきた前記ユーザ端末に対して、前記タクシーチケット情報の受取り操作を求める画面を表示させることと、
前記ユーザ端末上で前記タクシーチケット情報の受取り操作が実行されたことを示す情報を取得することと、
前記受取り操作が実行された前記タクシーチケット情報を、利用可能なタクシーチケットとして前記ユーザ端末に提示することと、
をさらに実行するように構成されている、請求項1に記載の管理サーバ装置。
【請求項3】
前記コードを読み取って前記管理サーバ装置にアクセスしてきた前記ユーザ端末が初めて前記サーバ装置にアクセスした際には、前記管理サーバ装置は、
所定のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を通じて、前記SNSにおける前記出席者のSNSアカウント情報の取得認証リクエストを前記ユーザ端末に送信することと、
前記ユーザ端末を使用する前記出席者が前記取得認証リクエストを認証する操作を前記ユーザ端末上で行うことによって前記SNSのサービス提供者から前記管理サーバ装置に提供される前記出席者の前記SNSアカウント情報を取得することと、
前記SNSアカウント情報を前記出席者識別情報として前記管理台帳データに登録することと、
をさらに実行するように構成されている、請求項2に記載の管理サーバ装置。
【請求項4】
前記タクシーの利用情報は、前記タクシーの利用金額と、前記タクシーの利用区間、前記タクシーの乗車日時、当該乗車日時における前記ユーザ端末の位置情報、前記タクシーの利用後の清算日時及び当該清算日時における前記ユーザ端末の位置情報のうちの少なくとも1つとに関する情報を含む、請求項1に記載の管理サーバ装置。
【請求項5】
タクシーチケット情報は、前記タクシーチケットの提供者、最大利用可能金額、有効期間及び利用可能区間のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1に記載の管理サーバ装置。
【請求項6】
管理台帳データには、前記出席者の氏名、所属先及び電話番号のうちの少なくとも1つに関する情報が、前記出席者識別情報に関連付けて登録されている、請求項1に記載の管理サーバ装置。
【請求項7】
会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する管理台帳データを格納するデータベースを有し、前記出席者が使用するユーザ端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバ装置を用いて、会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する方法であって、
前記管理サーバ装置が、少なくとも、前記ユーザ端末を使用する前記出席者を識別する出席者識別情報と、前記ユーザ端末上で前記出席者が利用するために選択したタクシーチケット情報と、前記出席者が利用したタクシーにおいて前記ユーザ端末によって読み取られたタクシーの識別情報と、前記タクシーの利用情報とを取得することと、
前記管理サーバ装置が、少なくとも、前記出席者識別情報と、前記タクシーチケット情報と、前記タクシーの識別情報と、前記タクシーの利用情報とを互いに関連付けて前記管理台帳データに登録することと、
を含む方法。
【請求項8】
前記管理台帳データには、前記出席者に付与されたタクシーチケットに関するタクシーチケット情報が含まれ、
前記方法は、
前記管理サーバ装置が、前記出席者に提供される、前記タクシーチケット情報を符号化したコードを生成することと、
前記管理サーバ装置が、前記コードを読み取って前記管理サーバ装置にアクセスしてきた前記ユーザ端末に対して、前記タクシーチケット情報の受取り操作を求める画面を表示させることと、
前記管理サーバ装置が、前記前記ユーザ端末上で前記タクシーチケット情報の受取り操作が実行されたことを示す情報を取得することと、
前記管理サーバ装置が、前記受取り操作が実行された前記タクシーチケット情報を、利用可能なタクシーチケットとして前記ユーザ端末に提示することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コードを読み取って前記管理サーバ装置にアクセスしてきた前記ユーザ端末が初めて前記サーバ装置にアクセスした際には、前記方法は、
前記管理サーバ装置が、所定のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を通じて、前記SNSにおける前記出席者のSNSアカウント情報の取得認証リクエストを前記ユーザ端末に送信することと、
前記管理サーバ装置が、前記ユーザ端末を使用する前記出席者が前記取得認証リクエストを認証する操作を前記ユーザ端末上で行うことによって前記SNSのサービス提供者から前記管理サーバ装置に提供される前記出席者の前記SNSアカウント情報を取得することと、
前記管理サーバ装置が、前記取得した前記SNSアカウント情報を前記出席者識別情報として前記管理台帳データに登録することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する管理台帳データを格納するデータベースを有し、前記出席者が使用するユーザ端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバ装置を構成するコンピュータに、会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
少なくとも、前記ユーザ端末を使用する前記出席者を識別する出席者識別情報と、前記ユーザ端末上で前記出席者が利用するために選択したタクシーチケット情報と、前記出席者が利用したタクシーにおいて前記ユーザ端末によって読み取られたタクシーの識別情報と、前記タクシーの利用情報とを取得することと、
少なくとも、前記出席者識別情報と、前記タクシーチケット情報と、前記タクシーの識別情報と、前記タクシーの利用情報とを互いに関連付けて前記管理台帳データに登録することと、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記管理台帳データには、前記出席者に付与されたタクシーチケットに関するタクシーチケット情報が含まれ、
前記コンピュータに、
前記出席者に提供される、前記タクシーチケット情報を符号化したコードを生成することと、
前記コードを読み取って前記管理サーバ装置にアクセスしてきた前記ユーザ端末に対して、前記タクシーチケット情報の受取り操作を求める画面を表示させることと、
前記前記ユーザ端末上で前記タクシーチケット情報の受取り操作が実行されたことを示す情報を取得することと、
前記受取り操作が実行された前記タクシーチケット情報を、利用可能なタクシーチケットとして前記ユーザ端末に提示することと、
をさらに実行させる、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記コードを読み取って前記管理サーバ装置にアクセスしてきた前記ユーザ端末が初めて前記サーバ装置にアクセスした際に、
前記コンピュータに、
所定のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を通じて、前記SNSにおける前記出席者のSNSアカウント情報の取得認証リクエストを前記ユーザ端末に送信することと、
前記ユーザ端末を使用する前記出席者が前記取得認証リクエストを認証する操作を前記ユーザ端末上で行うことによって前記SNSのサービス提供者から前記管理サーバ装置に提供される前記出席者の前記SNSアカウント情報を取得することと、
前記取得した前記SNSアカウント情報を前記出席者識別情報として前記管理台帳データに登録することと、
をさらに実行させる、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会合への出席者等に旅費の限度額をもった実費支給として提供されるタクシーチケットを管理するタクシーチケット管理サーバ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製薬会社は、自社の医薬品の適正使用情報の提供を目的とした講演会や、新薬の開発に伴う説明会等を、医療関係者、特に医師を対象として開催することが多い。その際、製薬会社は規約に則り受講希望者に対して講演会場までの往復の交通費を負担することがある。交通費の負担は、例えばタクシーチケットといったチケットやクーポン等を事前に配布することで行なわれる。従来の手法では一般的に、タクシーチケットは、タクシーチケット発行会社で作成され、タクシーチケットの依頼元へ送付される。タクシーチケットの依頼元は、講演会を開催する製薬会社である場合もあるし、その製薬会社から講演会の運営を委託された、旅行会社やイベント運営会社といった受託業者である場合もある。
【0003】
タクシーチケットは、依頼元から最終的に受講希望者へ配布される。配布されたタクシーチケットは、講演会を受講すること以外の目的でも使用することが可能であるため、コンプライアンス遵守の観点から、配布したタクシーチケットが、その講演会への受講目的で使用されていることが把握できるような管理が要求されている。そこで、依頼元は、タクシーチケットごとに固有の番号であるチケット番号単位で、講演会名、講演会の開催日、受講依頼を受けた担当者氏名等をリスト化した管理台帳を作成する。管理台帳は、コンピュータ上で管理できるようにデータ化されることが多い。
【0004】
タクシーチケットが配布された受講者は、講演会への行きおよび/ または帰りの交通手段としてタクシーを利用することができ、その運賃の支払いにタクシーチケットを利用することができる。使用されたタクシーチケットは、タクシー会社を経由してタクシーチケット発行会社で処理される。タクシーチケット発行会社は、例えば1ヶ月分をまとめて、チケット番号ごとの利用日および利用金額などが記載された明細とともに、合計利用金額を依頼元へ請求する。依頼元は、チケット番号に基づいて、利用されたタクシーチケットと、タクシーチケット発行会社からの請求内容との対応付けを行い、その対応付けの結果にしたがって適宜の処理を行う。
【0005】
以上のような一連の流れにおいて、依頼元にとって最も煩雑な作業は、管理台帳の作成およびタクシーチケット利用後にタクシーチケット発行会社からの請求内容と管理台帳との対応付けである。特に、依頼元が受託業者である場合、年間15万枚以上のタクシーチケットを取り扱うこともあり、その作業だけでも膨大な量となる。また、量が多くなればなるほど、人為的なミスも発生しやすい。
【0006】
特許文献1は、このような課題に対処する1つの手段として、会合特定データ及び参加者特定データを含むデータを固有のチケット番号が予め印刷されたタクシーチケットに印刷しておき、印刷されたデータを読み取り装置で読み取ることによって、会合特定データ及び参加者特定データを含むデータとチケット番号とをデータ化することを開示している。特許文献1に開示された手段によれば、利用されたタクシーチケットと、タクシーチケット発行会社からの請求内容との対応付けとデータ入力処理とをシステム化することで、それらに要する作業の手間と時間を抑えることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された手法によればタクシーチケットは紙媒体に印刷して発行されかつ利用されるため、利用されたタクシーチケットを回収する必要がある。さらに、個々のチケットに印刷されたデータを読み取る作業は依然として必要である。
【0009】
一方、タクシーチケットの発行及び利用を電子化するために、タクシーチケットの発行及び利用に関する処理を行う専用のアプリケーションソフトウェアをユーザ端末に導入し、それらのユーザ端末における処理を管理装置によって管理するという運用を行うことが考えられるが、そのようなシステムを構築し、かつ保守管理を含めた運用を行うためには、金銭的及び人的に多くのコストを要する。
【0010】
本発明は、専用のアプリケーションソフトウェアをユーザ端末に導入することなくタクシーチケットの発行及び利用を電子化し、かつチケット利用後のデータを、紙媒体を介さずに取得することを可能にするタクシーチケット管理サーバ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、会合への出席者に提供されるタクシーチケットを管理する管理台帳データを格納するデータベースを有し、出席者が使用するユーザ端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバ装置が提供される。管理サーバ装置は、少なくとも、ユーザ端末を使用する出席者を識別する出席者識別情報と、ユーザ端末上で出席者が利用するために選択したタクシーチケット情報と、出席者が利用したタクシーにおいてユーザ端末によって読み取られたタクシーの識別情報と、タクシーの利用情報とを取得することと、少なくとも、出席者識別情報と、タクシーチケット情報と、タクシーの識別情報と、タクシーの利用情報とを互いに関連付けて管理台帳データに登録することと、を実行するように構成されている。
【0012】
本発明の他の特徴事項および利点は、例示的且つ非網羅的に与えられている以下の説明及び添付図面から理解することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、専用のアプリケーションソフトウェアをユーザ端末に導入することなく、タクシーチケットの発行及び利用を電子化し、かつチケット利用後のデータを紙媒体を介さずに取得することを可能にするタクシーチケット管理サーバ装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係るタクシーチケット管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示した管理サーバ装置の機能ブロック構成図である。
【
図3】
図2に示した管理サーバ装置のデータベースに格納される管理台帳データの詳細項目を示す図である。
【
図4】
図1に示したユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】本実施形態のタクシーチケット管理システムによるタクシーチケットの管理方法を説明するフローチャートの一例である。
【
図6】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、出席者が有するSNSアカウントをシステム管理者のSNSアカウントへ関連付けることの許可を求める認証画面の一例を示す図である。
【
図7】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、SNS上でのシステム管理者と出席者とのメッセージ交換画面の一例を示す図である。
【
図8】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、未受取のチケット情報と、「受け取る」ボタンとを含む画面の一例を示す図である。
【
図9】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、チケット受け取り時に受取者の名前の入力を求める画面の一例を示す図である。
【
図10】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、出席者が利用可能なチケットの一覧を表示する画面の一例を示す図である。
【
図11】MR担当者の端末に表示される、出席者がチケットを受領したことを通知するチケット受領確認ページを表示する画面の一例を示す図である。
【
図12】MR担当者の端末に表示される、出席者がチケットをまだ受領していないことを通知するチケット受領確認ページを表示する画面の一例を示す図である。
【
図13】タクシー乗車時に出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、端末位置情報を管理サーバ装置に提供する許可を求める画面の一例を示す図である。
【
図15】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、タクシーからの降車時に利用料金の入力を利用者の端末と運転手の端末とのどちらの端末で行うかを表示する画面の一例を示す図である。
【
図16】タクシー乗車後に出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図17】タクシー降車時に出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図18】出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、利用時に選択されたチケットの詳細情報に関するテキスト情報と、利用区間及び利用金額の入力をそれぞれ受け付ける入力欄とを表示する画面の一例を示す図である。
【
図19】出席者のユーザ端末の表示操作部に利用金額の支払い操作後に表示される支払い確認画面の一例を示す図である。
【
図20】チケット利用後に出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される、出席者が利用可能なチケットの一覧を表示する画面の一例を示す図である。
【
図21】タクシー降車時に出席者のユーザ端末の表示操作部に表示される画面の他の例を示す図である。
【
図22】運転手端末の表示操作部に表示される、システム管理者のSNS画面の一例を示す図である。
【
図23】運転手端末の表示操作部に表示される、利用時に選択されたチケットの詳細情報に関するテキスト情報と、利用区間及び利用金額の入力をそれぞれ受け付ける入力欄とを表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係るタクシーチケット管理システム(以下、「管理システム」とも称する。)の概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示す本実施形態の管理システム1は、管理サーバ装置100とユーザ端末200とを含む。管理サーバ装置100とユーザ端末200とは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の等の通信ネットワークNを介して通信可能に構成されている。本実施形態においては、管理サーバ装置100とユーザ端末200との間での情報およびデータの通信にはSNS(Social networking service)を利用する。
【0018】
管理サーバ装置100は、システム1の管理者(タクシーチケットの発行者でもあり得る)によって管理・運用される情報処理装置である。管理サーバ装置100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。あるいは、管理サーバ装置100は、第三者が提供する情報処理サービスによってその一部又は全部の機能が実現されてもよい。
【0019】
ユーザ端末200は、システム1の管理者が提供するタクシーチケットを利用する会合への出席者が各々所持・管理して利用する、スマートフォンや携帯電話、PDA、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置である。
【0020】
図2は、
図1に示した管理サーバ装置100の機能ブロック構成図である。
図2に示すように、管理サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入力部140と、表示部150とを備えている。
【0021】
通信部110は、通信ネットワークを介してユーザ端末200と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の種々の通信プロトコルを採用することが可能である。
【0022】
記憶部120は、制御部130の各種制御処理や各機能を実行するためのプログラム、入力データ、中間生成データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージ等から構成される。また、記憶部120は、他の端末との通信内容を一時的に記憶する。さらに記憶部120は、会合への出席者氏名、及び/又は、ユーザ端末200を使用する出席者を識別する出席者識別情報(一例として、後述するSNSユーザID)に関連付けられたタクシーチケット情報等を含む管理台帳データが記憶されたデータベース122を含んでいる。データベース122に記憶される管理台帳データに含まれる情報の詳細については、
図3を参照して後述する。
【0023】
記憶部120はさらに、ユーザ端末200上に表示される画面を構成するアイコン等のグラフィック表現を行うためのデータ、その画面を構成する各情報を表示するために必要なテキストデータ、画面のレイアウトを決定するためのレイアウト決定用データ、入力内容を基に記憶情報を更新するプログラム等、各種データまたはプログラムを格納することができる。
【0024】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、管理サーバ装置100の処理動作を制御するものであり、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130は、特に、
図5を参照して説明するような管理サーバ装置100が行う処理やその機能を実現するように動作する。
【0025】
入力部140は、システム管理者が各種データ(例えば、管理台帳データに含まれる情報等)を入力することに用いることが可能なものであり、例えばキーボードやマウス等によって実現される。
【0026】
表示部150は、制御部130からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)等によって実現される。
【0027】
図3は、
図2に示した管理サーバ装置100のデータベース122に格納される管理台帳データの詳細項目の一例を示す図である。
【0028】
一例として
図3に示すように、管理台帳データは、包括チケット番号、出席者の氏名、出席者の所属施設、出席者の電話番号、出席者のSNSユーザID、出席者のSМS送信用電話番号、招待会合、タクシーチケットの提供者である製薬会社の担当MR(医療情報担当者)の電話番号を含む。管理台帳データはさらに、各包括チケット番号に関連付けられる情報として、1以上のチケット整理番号と、各チケット整理番号にそれぞれ関連付けられたチケット情報(タクシーチケットの提供者である製薬会社、最大利用可能金額、有効期間、利用可能区間)、チケット受取確認情報(未受取り/受取済み)、利用済み情報(未利用/利用済み)、利用タクシーID、利用区間(乗車場所、降車場所)、利用金額、乗車時の端末位置情報に関する情報、乗車日時、降車時の端末位置情報に関する情報、降車時の精算日時(降車日時)に関する情報項目を含む。管理台帳データは、これらの一部の項目が省略されてもよいし、他の項目をさらに含んでもよい。管理台帳データにおいて、これらの項目の情報は包括チケット番号に関連付けられる。作成された管理台帳データは、管理サーバ装置100の記憶部120のデータベース122に格納され、かつ適宜更新される。
【0029】
管理台帳データに登録される上記項目の情報のうち、包括チケット番号、出席者の氏名、出席者の所属施設、出席者の電話番号、出席者のSМS送信用電話番号、招待会合、担当MRの電話番号、チケット情報(タクシーチケットの提供者である製薬会社、最大利用可能金額、有効期間、利用可能区間)は、システム管理者が予め入手している情報、あるいはシステム管理者が自ら設定する情報をシステム管理者が管理サーバ装置100の入力部140を用いて予め入力する。これらの情報の管理サーバ装置100への入力は、例えば、予め生成された各情報項目を含むデータを管理サーバ装置100へインポート処理することによって行うことが可能である。そして、管理サーバ装置100にて出席者の管理画面アクセス情報、担当MRの確認画面アクセス情報、チケット整理番号が付与及び紐づけされる。それらの情報は管理サーバ装置100より管理者がエクスポートすることができ、管理台帳データに付加的に記憶される。
【0030】
一方、利用タクシーID、利用区間(乗車場所、降車場所)、利用金額、乗車時の端末位置情報に関する情報、乗車日時、降車時の端末位置情報、降車時の精算日時(降車日時)に関する情報は、後述する処理においてユーザ端末200から送信される。管理サーバ装置100は、通信部110でそれらの情報を受信し、データベース122の管理台帳データの対応する項目に登録する。また、出席者のSNSユーザIDに関する情報は、後述する処理においてSNSのサービス提供者のサーバ(不図示)から送信される。本実施形態の管理システムでは、出席者のSNSユーザIDは出席者を識別する出席者識別情報としての役割も有する。管理サーバ装置100は、通信部110でそれらの情報を受信し、データベース122の管理台帳データの対応する項目に登録する。さらに、チケット受取確認情報(未受取り/受取済み)、利用済み情報(未利用/利用済み)は、後述するように所定の処理が実行された後に管理サーバ装置100の制御部130によって更新される。
【0031】
図4は、
図1に示したユーザ端末200のハードウェア構成を示す図である。
図4に示すように、ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240と、カメラ250とを備えている。なお、当該構成は一例であり、その他の構成を備えていてもよい。更なる構成として、ユーザ端末200は例えば、ユーザ端末200の位置情報を検出する不図示の位置検出センサ(例えば、GPS(Global Positioning System)センサ)を備えていてもよい。
【0032】
通信部210は、ネットワークを介して管理サーバ装置100と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP等の種々の通信プロトコルを採用することが可能である。
【0033】
表示操作部220は、ユーザによる操作入力に応答して、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示したり、表示された選択ボタンの選択操作を行ったりするために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がスマートフォンやタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより、制御部240によって動作制御が行われる。
【0034】
記憶部230は、制御部240の各種制御処理や各機能を実行するためのプログラム、入力データ、中間生成データ等を記憶するものであり、RAMやROM、その他ストレージ等から構成される。また、記憶部230は、他の端末との通信内容を一時的に記憶する。記憶部230には、特に、
図5を参照して説明するユーザ端末200が行う処理を制御部240に実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0035】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。制御部240は、特に、
図5を参照して説明するようなユーザ端末200が行う処理やその機能を実現するように動作する。
【0036】
カメラ250は、表示操作部220によるユーザ操作に従って、制御部240によって動作が制御される。本実施形態においては、ユーザ端末200のカメラ250は、主に、後述するようにシステム管理者から提供される一次元や二次元のコード(以下、単に「コード」と称することもある。)や、利用したタクシー車内に掲示されているコードを読み取ることに用いられる。記憶部230には、カメラ250で読み取ったコードを解読するコードリーダー・アプリケーションソフトウェアプログラムも記憶されている。
【0037】
次に、本実施形態の管理システム1を用いたタクシーチケットの管理方法を説明する。
図5は、本実施形態のタクシーチケット管理システムによるタクシーチケットの管理方法を説明するフローチャートの一例である。
【0038】
最初にステップS1において、管理サーバ装置100の制御部130は、システムの管理者(チケット発行者でもあり得る)による入出力部140を介した入力操作に従い、タクシーチケットの発行及び利用を管理するための管理台帳データを生成する。
【0039】
本実施形態における管理台帳データは、一例として
図3を参照して説明したように包括チケット番号、出席者の氏名、出席者の所属施設、出席者の電話番号、出席者のSNSユーザID、出席者のSМS送信用電話番号、招待会合、出席者の管理画面アクセス情報、タクシーチケットの提供者である製薬会社の担当MR(医療情報担当者)の電話番号、担当MRの確認画面アクセス情報、1以上のチケット整理番号、各チケット整理番号にそれぞれ関連付けられたチケット情報(タクシーチケットの提供者である製薬会社、最大利用可能金額、有効期間、利用可能区間)、チケット受取確認情報(未受取り/受取済み)、利用済み情報(未利用/利用済み)、利用タクシーID、利用区間(乗車場所、降車場所)、利用金額、乗車時の端末位置情報に関する情報、乗車日時、降車時の端末位置情報に関する情報及び降車時の精算日時(降車日時)に関する情報項目を含む。制御部130は、作成された管理台帳データを管理サーバ装置100の記憶部120のデータベース122に格納し、かつ適宜更新する。
【0040】
管理台帳データに登録される上記項目の情報のうち、包括チケット番号、出席者の氏名、出席者の所属施設、出席者の電話番号、招待会合、出席者の管理画面アクセス情報、担当MRの電話番号、担当MRの確認画面アクセス情報、チケット整理番号、チケット情報(タクシーチケットの提供者である製薬会社、最大利用可能金額、有効期間、利用可能区間)は、システム管理者が予め入手している情報、あるいはシステム管理者が自ら設定する情報をシステム管理者が管理サーバ装置100の入力部140を用いて予め入力する。これらの情報の管理サーバ装置100への入力は、例えば、予め生成された各情報項目を含むデータを管理サーバ装置100へインポート処理することによって行うことが可能である。
【0041】
一方、利用タクシーID、利用区間(乗車場所、降車場所)、利用金額、乗車時の端末位置情報に関する情報、乗車日時、降車時の端末位置情報、降車時の精算日時(降車日時)に関する情報は、後述する処理においてユーザ端末200等から送信される。管理サーバ装置100は、通信部110でそれらの情報を受信し、データベース122の管理台帳データの対応する項目に登録する。また、出席者のSNSユーザIDに関する情報は、後述する処理においてSNS提供者のサーバ(不図示)から送信される。管理サーバ装置100は、通信部110でそれらの情報を受信し、データベース122の管理台帳データの対応する項目に登録する。さらに、チケット受取確認情報(未受取り/受取済み)、利用済み情報(未利用/利用済み)は、後述するように所定の処理が実行された後に管理サーバ装置100の制御部130によって更新される。
【0042】
次にステップS2において、管理サーバ装置100の制御部130は、会合出席者が自身のユーザ端末200でタクシーチケットへアクセスするための出席者管理画面アクセス情報をユーザ端末200に対して送信する。
【0043】
ユーザ端末200に対して送信される出席者管理画面アクセス情報は、一例として、管理台帳データに登録されたアクセス情報(例えば、出席者管理画面のURL(Uniform Resource Locator))を符号化した一次元コードあるいは二次元コード等の形態で表現され、より具体的にはQRコード(登録商標)等の二次元コードの形態で表現される。出席者管理画面のURLは、管理サーバ装置100や、第三者が提供する情報管理サービスにおいて各々の出席者毎に作成されて管理されている個々の出席者専用の出席者管理画面のURLである。あるいは、出席者管理画面アクセス情報は、出席者管理画面のURLを示す文字列からなるテキストデータであってもよい。
【0044】
管理サーバ装置100は、管理台帳データにおいて出席者にチケット情報が新たに生成された場合に、その生成されたチケット情報に関連付けられている出席者のユーザ端末200に対して出席者管理画面アクセス情報が自動的に送信されるように構成されていてもよく、あるいは、チケット情報が新たに生成された後にシステム管理者が入力部140で送信操作を行うことによって当該出席者のユーザ端末200に出席者管理画面アクセス情報が送信されるように構成されていてもよい。
【0045】
管理サーバ装置100の制御部130は、例えば、当該出席者に関連付けて管理台帳データに登録されている出席者SMS送信用電話番号を参照して、出席者管理画面のURLのテキストデータからなる出席者管理画面アクセス情報を、管理台帳データに登録されている当該出席者のSMS送信用電話番号宛にショートメッセージサービス(SMS)を介して送信する。あるいは、出席者管理画面アクセス情報(例えば、QRコードの形態で表現される)を印刷した紙等の物理的な媒体の形態で、当該出席者に出席者管理画面アクセス情報を提供してもよい。
【0046】
次にステップS3において、出席者はステップS2で提供された出席者管理画面アクセス情報(例えば、出席者管理画面URLのテキストデータあるいはQRコード)を自身のユーザ端末200を用いて読み取り、出席者管理画面アクセス情報が示す出席者管理画面URLにユーザ端末200でアクセスする。ユーザ端末200はコードリーダー・アプリケーションソフトウェアを備えており、出席者管理画面アクセス情報がコードで提供された場合には、ユーザ端末200のカメラ250で撮像したコードをそのアプリケーションソフトウェアによって画像認識することにより、コードによって符号化されている出席者管理画面アクセス情報(例えば、出席者管理画面URL)を復号して解読する。そしてユーザ端末200は、ネットワークNを介して、管理サーバ装置100等が管理する当該URLの出席者管理画面(例えば、ウェブページ)にアクセスする。
【0047】
次にステップS4において、管理サーバ装置100の制御部130は、当該ユーザ端末200からのアクセスが初回アクセスか否かを判定する。この判定処理は、例えば、管理サーバ装置100のデータベース122において出席者管理画面アクセス情報へのアクセス記録を記憶しておき、過去に当該出席者管理画面アクセス情報へのアクセスがあったか否かを制御部130が判定することにより実行される。ステップS4においてユーザ端末200からのアクセスが初回アクセスであると制御部130が判定した場合(Y)は、処理はステップS5に進む。
【0048】
ステップS5において、管理サーバ装置100の制御部130は、所定のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)において、システム管理者(チケット発行者)のSNSアカウントとの関連付けを求める処理を実行する。より具体的には、管理サーバ装置100の制御部130は、ステップS4においてユーザ端末200からのアクセスが初回アクセスであると判定すると、当該ユーザ端末200のアクセス先を、当該SNSにおけるシステム管理者(チケット発行者)のアカウントへの認証ページにリダイレクトする。すると、ユーザ端末200の表示操作部220には
図6に示すような認証画面が表示される。
【0049】
図6は、ユーザ端末の表示操作部に表示される、出席者が有するSNSアカウントをシステム管理者のSNSアカウントへ関連付けることの許可を求める認証画面の一例を示す図である。認証画面には、ユーザ端末200を使用する出席者が有する当該SNSのアカウントをシステム管理者(チケット発行者)のSNSアカウントへ関連付けることの許可(当該SNSにおいて当該出席者のアカウント登録済みのプロフィール情報(当該出席者のユーザID、ユーザ名、電話番号等)を、当該SNSを通じてシステム管理者に通知する許可、及び、当該SNSでのメッセージの送受信の許可を含む)を求める表示がなされる。アカウントの関連付けの許可を求めることは、一部のSNSにおいては「友達申請」等と称されている。
【0050】
本実施形態において利用され得るSNSには、例えば、LINE株式会社が提供するコミュニケーションアプリ「LINE(登録商標)」が含まれるが、これに限定されない。このようなSNSは今日においては一般に広く普及しており、多くのユーザが自身の端末にSNS用のアプリケーションソフトウェアをインストール済みである。そのため、そのように広く普及したSNSアプリケーションソフトウェアを本実施形態の少なくとも一部の処理(例えば、本人認証処理等)に活用することで、専用のアプリケーションソフトウェアを新たに開発して運用する必要を無くすことができる。
【0051】
当該出席者がユーザ端末200の表示操作部220に表示された「許可する」ボタンをタッチすると、当該SNSにおいてシステム管理者のSNSアカウントとの関連付けが実行され、当該出席者の登録済みプロフィール情報が当該SNSプロバイダからシステム管理者の管理サーバ装置100に通知される。管理サーバ装置100の制御部130は、当該SNSプロバイダから取得した当該出席者の出席者SNSユーザIDを、アクセスに用いられた出席者管理画面アクセス情報に関連付けて、データベース122の管理台帳データに登録する。
【0052】
ステップS5において、管理サーバ装置100の制御部130は、
図7に示すように、当該出席者のユーザ端末200表示操作部220に表示される当該SNS上でのシステム管理者と当該出席者とのメッセージ交換画面に、当該出席者宛のメッセージ301を表示させ、メッセージ交換画面の下側に固定表示されるメニュー領域内に、本システム1により当該出席者に付与され当該出席者が所持するチケットを確認するためのボタン302と、コードの読み取りを開始するためのボタン303と、タクシー会社一覧を閲覧するためのボタン304とを表示させる。メッセージ交換画面の下側に固定表示されるこのようなメニュー領域は、LINE株式会社が提供するコミュニケーションアプリLINE(登録商標)では「リッチメニュー」と称される。
【0053】
当該出席者は、ユーザ端末200の表示操作部220に表示されたメニュー領域内の各ボタン302,303をタッチ操作することで、当該出席者が所持するチケットの確認と、コードの読取りに関する操作を選択して実行することが可能である。
【0054】
また、当該出席者は、ユーザ端末200の表示操作部220のメニュー領域に表示されたタクシー会社一覧ボタン304をタッチすることで、利用可能なタクシー会社の一覧を表示させることが可能である。一例として、タクシー会社一覧ボタン304をタッチするとユーザ端末200の表示操作部220にタクシー利用地域(地方分類→都道府県→市区町村)の階層的な選択画面を表示し、出席者がその選択画面上でタクシー利用地域を選択すると、その地域内のタクシー会社一覧が表示操作部220に表示されるようになっていてもよい。タクシー会社一覧に表示される各タクシー会社には、予約受付電話番号と、オンライン予約が可能である場合にはオンライン予約受付ボタンとがタクシー会社の社名テキストの近傍に表示される。これらタクシー会社一覧に関する情報(タクシー会社名、予約受付電話番号、連携先のオンライン予約受付サイト)は、例えば、管理サーバ装置100の記憶部120に記憶しておき、出席者によるユーザ端末200の表示操作部220への入力操作に応じて管理サーバ装置100の制御部130がユーザ端末200へタクシー会社一覧に関する情報を提供し、ユーザ端末200が表示操作部220に表示する。
【0055】
なお、タクシー会社の予約受付電話番号をユーザ端末200が表示操作部220にハイパーテキスト形式で表示することにより、出席者がユーザ端末200の表示操作部220に表示された予約受付電話番号の領域をタッチすることで、ユーザ端末200でその予約受付電話番号宛に通話発信を行って電話でタクシー予約を行うことができる。
【0056】
また、管理サーバ装置100と、タクシー会社あるいは組合が運営している外部のオンライン配車管理サイトとをAPI(Application Programming Interface)連携等の手段を用いて連携させることにより、出席者がユーザ端末200を介して外部オンライン配車管理サイト上でタクシー予約を行うことができる。より具体的には、出席者がユーザ端末200の表示操作部220に表示されたオンライン予約受付ボタンをタッチすると管理サーバ装置100の制御部130によりユーザ端末200の表示操作部220に表示される入力画面で予約リクエスト情報(例えば、利用者名、利用者電話番号、利用日時、乗車場所、降車場所等)を入力し、その予約情報を外部オンライン予約受付サイト側に送信する。外部オンライン配車管理サイトのシステムもしくはオペレータは、受信した予約リクエスト情報の受付可否を判断して、判断結果(予約完了又は予約不可)に関する情報をユーザ端末200に送信する。このように、出席者はユーザ端末200を用いてオンラインでタクシー予約リクエストと予約確認を行うことができる。
【0057】
ステップS4においてユーザ端末200からのアクセスが初回アクセスでないと制御部130が判定した場合(N)、又は、ステップS5の処理の後に、処理はステップS6に進む。
【0058】
ステップS6において、管理サーバ装置100の制御部130は、
図8に示すように、管理台帳データにおいて当該出席者に関連付けられているチケット情報のうち受取確認情報が「未受取」であるチケット情報と、「受け取る」ボタンと、チケットの受取り操作を促すメッセージとを、当該出席者のユーザ端末200の表示操作部220に表示させる。当該出席者が表示操作部220上の「受け取る」ボタンをタッチ操作すると、その操作情報がユーザ端末200から管理サーバ装置100に送信される。
【0059】
管理サーバ装置100の制御部130は、その操作情報に応答して、
図9に示すように、当該出席者のユーザ端末200の表示操作部220に名前入力画面を表示する。出席者がユーザ端末200の表示操作部220に名前を入力し、「チケットを受け取る」ボタンをタッチ操作すると、その操作情報がユーザ端末200から管理サーバ装置100に送信される。管理サーバ装置100の制御部130はそれに応答して、当該チケット情報に関連付けられた受取確認情報を「受取済み」に更新する。加えて、管理サーバ装置100の制御部130は、入力された名前をそのチケットの受取者として当該チケット情報に関連付けてデータベース122に記憶させる。チケットの受取者の名前を当該チケット情報に関連付けてデータベース122に記憶させておくことにより、タクシーチケットを受け取った者が招待した出席者であるかどうかをシステム1の管理者が事後的に確認することが可能となる。
【0060】
なお、上記のようにチケットの受取者の名前を当該チケット情報に関連付けてデータベース122に記憶させておく機能は、出席者のSMS送信用電話番号の誤登録等の原因により出席者管理画面アクセス情報が他人に対して送信され、その他人がチケットを受け取ってしまうケースに備えて、タクシーチケットを受け取った者が招待した出席者であるかどうかを推定する補助となり得るものであるが、担当MRから出席者に対面で紙媒体等を介して出席者管理画面アクセス情報(QRコード)が提供され、そのQRコードを用いてアクセスしてチケットを受け取った場合にも、この機能が適用されてもよい。
【0061】
そして、管理サーバ装置100の制御部130は、
図10に示すように、当該出席者が利用可能なチケット(管理台帳データにおいて当該出席者に受取確認情報「受取済み」として関連付けられている利用可能チケット情報)の一覧を当該出席者のユーザ端末200の表示操作部220に表示させる。ユーザ端末200の表示操作部220に表示される利用可能なチケットは、出席者のタッチ操作に応じて選択可能である。なお、利用可能なチケットの一覧を表示する画面には、例えば
図10に示すように、使用済みや有効期限切れ等の無効なチケットを表示させるボタンを表示し、そのボタンのタッチ操作に応じて、使用済みチケットや有効期限切れチケット等の無効なチケットの一覧を表示させることができるようになっていてもよい。また、利用可能なチケットの一覧を表示する画面には、例えば
図10に示すように、利用したタクシー車内に掲示されているコードを読み取る動作を開始するための「QRコードを読み取る」ボタンが表示されていてもよい。
【0062】
上記のように出席者がユーザ端末200でチケットの受け取り操作を実行すると、管理サーバ装置100の制御部130は、そのチケットに関連付けられた担当MRの電話番号宛に、担当MR確認画面アクセス情報(例えば、担当MR確認画面のURL)のテキストデータをショートメッセージサービス(SMS)を介して送信する。自身のスマートフォン等の端末で担当MR確認画面アクセス情報を受信した担当MRが担当MR確認画面アクセス情報にアクセスすると、管理サーバ装置100の制御部130は、担当MRの端末の表示部に
図11に示すようなチケット受領確認ページを表示させる。これにより、担当MRは自身が発行手配したタクシーチケットが招待した出席者によって受領されたことを確認することができる。一方、出席者がユーザ端末200でチケットの受け取り操作を未だ実行していない状態では、担当MRの端末の表示部には
図12に示すようなチケット受領確認ページが表示され、チケットが未だ受領されていないことを確認することができる。
【0063】
次にステップS7において、招待された会合への出席のためにタクシーに乗車した出席者は、ユーザ端末200上でSNSアプリケーションソフトウェアを起動させて、
図7に示したように表示操作部220上のシステム管理者と当該出席者とのメッセージ交換画面内に表示される「QRコードをスキャンする」ボタン303をタッチ操作するか、もしくは、
図7に示したメッセージ交換画面内の「所持チケットを確認」ボタン302をタッチ操作した後に遷移する
図10に示した画面内の「QRコードを読み取る」ボタンをタッチ操作して、コードリーダー・アプリケーションソフトウェアを起動させて、利用したタクシー内に掲示されているコードをユーザ端末200のカメラ250で読み取る。タクシー内に掲示されているコードには、そのタクシーの固有識別情報が含まれている。
【0064】
ユーザ端末200は、コードリーダー・アプリケーションソフトウェアでタクシー内に掲示されているコードを読み取ると、
図13に示すように、タクシー乗車時にユーザ端末200の表示操作部220の「タクシーに乗車する」ボタンをタッチ操作することを出席者に促す画面を表示する。そして、出席者がユーザ端末200上で「タクシーに乗車する」ボタンをタッチ操作すると、ユーザ端末200は、
図14に示すように、端末位置情報を管理サーバ装置100に提供する許可を求める画面を表示操作部220上に表示する。出席者がユーザ端末200の表示操作部220上で「OK」ボタンをタッチ操作すると、ユーザ端末200は管理サーバ装置100へアクセスし、タクシーの固有識別情報と、「OK」ボタンをタッチ操作した時点でのユーザ端末200の位置情報とその日時情報を管理サーバ装置100へ送信する。「OK」ボタンをタッチ操作した時点でのユーザ端末200の位置情報は乗車位置情報であり、その日時情報は乗車日時情報である。管理サーバ装置100の制御部130は、送信されたタクシーの固有識別情報を、コードを読み取った出席者のユーザ端末200がSNS提供者のサーバへのログインに用いているSNSユーザIDに関連付けて、少なくとも一時的に記憶部120に記憶させる。
【0065】
なお、出席者が
図14に示す画面で「OK」ボタンではなく「許可しない」ボタンを選択した場合は、出席者が端末位置情報を管理サーバ装置100に提供することに同意していないため、ユーザ端末200は上記情報のうちタクシーの固有識別情報のみを管理サーバ装置100へ送信する。この場合は、ユーザ端末200は以降の処理においても端末位置情報を管理サーバ装置100に提供しないので、乗車位置情報と降車位置情報は管理サーバ装置100へ提供されない。
【0066】
上述したように出席者がユーザ端末200の表示操作部220上で「OK」ボタンもしくは「許可しない」ボタンをタッチ操作すると、ユーザ端末200は次に、
図15に示すように、タクシーからの降車時に利用料金の入力を出席者の端末と運転手の端末とのどちらの端末で行うかを表示する画面を表示操作部220上に表示する。タクシー車内に掲示されているコードはその車両において選択される利用料金の入力方法に関する情報を含んでおり、支払いを行う端末がどちらの端末であるかはタクシー車両での支払い方法に応じて適切に表示されるようになっている。例えば、
図15に例示したメッセージ「降車時の利用料金入力を行う端末は●●です。」は、「●●」の部分には出席者端末と運転手端末とのいずれかが挿入されて表示される。
【0067】
出席者の端末で利用料金を払うタイプのタクシー車両の車内に掲示されているコードをユーザ端末200で読んだ場合は、ユーザ端末200は次に、
図16に示すように、出席者がタクシー乗車中であり、タクシー降車時にユーザ端末200の表示操作部220の「タクシーから降車する」ボタンをタッチ操作することを出席者に促す画面を表示する。画面には「メニューに戻る」ボタンが表示されており、このボタンがタッチ操作されるとユーザ端末200は表示操作部220上の画面を
図7に示した画面に戻す。
【0068】
次にステップS8において、乗車したタクシーが目的地に到着してタクシーから降車する出席者は、ユーザ端末200上でSNSアプリケーションソフトウェアを起動させて、
図7に示したように表示操作部220上のシステム管理者と当該出席者とのメッセージ交換画面内に表示される「QRコードをスキャンする」ボタン303をタッチ操作するか、もしくは、
図7に示したメッセージ交換画面内の「所持チケットを確認」ボタン302をタッチ操作した後に遷移する
図10に示した画面内の「QRコードを読み取る」ボタンをタッチ操作して、コードリーダー・アプリケーションソフトウェアを起動させて、利用したタクシー内に掲示されているコードをユーザ端末200のカメラ250で再度読み取る。上述したように、タクシー内に掲示されているコードには、そのタクシーの固有識別情報が含まれている。
【0069】
ユーザ端末200は、コードリーダー・アプリケーションソフトウェアでタクシー内に掲示されているコードを読み取ると、
図16に示したように、タクシー降車時にユーザ端末200の表示操作部220の「タクシーから降車する」ボタンをタッチ操作することを出席者に促す画面を表示する。そして、出席者がユーザ端末200上で「タクシーから降車する」ボタンをタッチ操作すると、ユーザ端末200は管理サーバ装置100へアクセスし、タクシーの固有識別情報を管理サーバ装置100へ送信する。なお、管理サーバ装置100の制御部130は、送信されたタクシーの固有識別情報を、送信元のユーザ端末200がSNS提供者のサーバへのログインに用いているSNSユーザIDに関連付けて、少なくとも一時的に記憶部120に記憶させる。
【0070】
管理サーバ装置100の制御部130は、出席者のSNSユーザIDに関連付けられている、当該出席者が利用可能なチケット(管理台帳データにおいて当該出席者に受取確認情報「受取済み」として関連付けられている利用可能チケット情報)の一覧を、ユーザ端末200の表示操作部220に表示させる(
図17参照)。
図17は、上記のステップS7において料金収受方法が出席者のユーザ端末200で金額を入力するタイプの車両のタクシー車内に掲示されたコードを読んだ場合にユーザ端末200の表示操作部220上に表示される画面を示している。なお、料金収受方法が運転手の端末で金額を入力するタイプの車両のタクシー車内に掲示されたコードを読んだ場合の処理については後述する。
【0071】
次にステップS9において、出席者がユーザ端末200の表示操作部220で利用対象のチケットのボタンを選択するタッチ操作を行うと、その操作情報が管理サーバ装置100に送信される。管理サーバ装置100の制御部130はそれに応答して、選択されたチケットに関連付けられている「招待会合」及び「チケット情報」に基づいて、
図18に例示的に示すように、選択されたチケットの詳細情報に関するテキスト情報401と、利用区間及び利用金額の入力をそれぞれ受け付ける入力欄402,403とをユーザ端末200の表示操作部220に表示させる。利用区間の入力欄402には、「チケット情報」に含まれている利用区間(
図18に示す例では、乗車地「自宅」と降車地「会場」)がデフォルトで入力された状態で表示されてもよい。利用区間がデフォルトで入力された状態で表示される場合は、非アクティブ化した状態で変更できないようになっていても良い。
【0072】
出席者は、タクシーの利用区間(デフォルト入力が無い場合)と、タクシー運転手から提示されたタクシー利用代金とをユーザ端末200の表示操作部220に表示された利用区間入力欄402と利用金額入力欄403とにそれぞれ入力する。タクシーの利用区間の入力は、例えば、利用区間入力欄402の乗車地の欄又は降車地の欄をタッチ操作するとそれぞれ表示される複数の選択候補の中から選択することによって行うことが可能である。
【0073】
そして、出席者が表示操作部220上の
図18に示す画面に表示された「OK」ボタン404をタッチ操作すると、ユーザ端末200の表示操作部220には、
図19に例示するような支払い完了確認画面が表示される。支払い完了確認画面には、支払先のタクシー会社及び乗車利用したタクシーの車番、支払い金額等が表示される。また、支払い完了確認画面の上側領域にも、支払い完了確認を示す表示が上下反転させて表示される。これにより、タクシーを利用した出席者が管理システム1上で支払い完了できたことを視覚的に確認できるとともに、タクシー車内の後部座席に乗車した出席者が前方の運転席の運転手に向けて出席者がユーザ端末200を提示したときに、その運転手が支払い完了を視覚的に容易に確認できる。
【0074】
さらに、ユーザ端末200は、利用区間、利用代金、乗車位置情報、乗車日時情報、降車位置情報、及び清算日時情報(「OK」ボタンのタッチ操作日時であり、降車日時でもある)を管理サーバ装置100に送信する。乗車位置情報は、上述したように出席者がタクシー乗車後にユーザ端末200の表示操作部220上の
図14を参照して説明した画面の「OK」ボタンをタッチ操作した日時にユーザ端末200の位置検出センサ(不図示)によって検出されたユーザ端末200の位置情報であり、乗車日時情報はそのタッチ操作した日時である。また、降車位置情報は、
図18に示した表示画面における表示操作部220上の「OK」ボタン404がタッチ操作された清算日時と同じ日時にユーザ端末200の位置検出センサ(不図示)によって検出されたユーザ端末200の位置情報であり、降車日時情報は清算日時情報でもある。
【0075】
なお、出席者によるユーザ端末200の表示操作部220上での利用区間及び利用代金の入力操作及び「OK」ボタンのタッチ操作は、正確な情報が入力されていることを第三者によって確認するために、タクシー運転手による目視確認の下で行われることが好ましい。
【0076】
また、管理サーバ装置100は、ユーザ端末200での情報入力後に
図18に示した画面の「OK」ボタンのタッチ操作が行われて送信された各種情報を受信すると、清算完了信号をユーザ端末200に送信するように構成され、ユーザ端末200は、清算完了信号を受信すると特定の音の発音や特定画面の表示を実行するように構成されていてもよい。これにより、ユーザ端末200を操作した出席者及びタクシー運転手は、管理サーバ装置100での清算処理が正常に終了したことを聴覚的にも認識することが可能となる。
【0077】
あるいは、管理サーバ装置100は、ユーザ端末200での情報入力後に
図18に示した画面の「OK」ボタンのタッチ操作が行われて送信された各種情報を受信すると、受信した利用区間、利用代金、乗車位置情報、乗車日時情報、降車位置情報、及び清算日時情報(降車日時情報)が、タクシーチケット情報に定められた最大利用可能金額、有効期間、利用可能区間の各条件を満たすか否かを判定し、それらの1つでも条件を満たさないと判定した場合には、清算不能信号をユーザ端末200に送信するように構成されてもよい。ユーザ端末200は、清算不能信号を受信すると、表示操作部220に例えば「タクシーチケット情報の条件を満たさないため清算できません」等のテキストを表示する。この場合は本システム1によるタクシー料金の支払いができないため、出席者は現金あるいは自身の任意の決済手段(クレジットカード払い等)によってタクシー料金の支払いを行う。
【0078】
最後にステップS10において、管理サーバ装置100の制御部130は、ステップS9においてユーザ端末200から受信した利用代金と、利用区間、乗車位置情報、乗車日時情報、降車位置情報及び清算日時情報(降車日時情報)のうちの少なくとも1つとを、タクシー利用情報として利用時に選択されたチケットに関連付けてデータベース122の管理台帳データに登録する。また、制御部130は、ユーザ端末200がSNS提供者のサーバへのログインに用いている出席者のSNSユーザIDと関連付けて少なくとも一時的に記憶部120に記憶させていた上記のタクシー識別情報を、利用時に選択されたチケットに関連付けてデータベース122の管理台帳データに登録する。さらに、制御部130は、データベース122の管理台帳データにおいて、利用時に選択されたチケットに関連付けられている利用済み情報を「利用済み」に更新する。すると、ユーザ端末200の表示操作部220にその後に表示される画面には、当該出席者が利用可能なチケットの一覧として、
図20に示すように更新された内容が表示される。
図20に示す画面では、利用済みのチケットが非アクティブ化を示すグレーアウトで表示されて選択できないようになっている。
【0079】
以上により、管理システム1の管理サーバ装置100及びユーザ端末200による、タクシーチケットの発行及び利用に関する処理が終了する。
【0080】
その後、システム管理者は管理サーバ装置100を操作して、記憶部120に記憶された管理台帳データに基づき、例えば、製薬会社ごとに当月の全ユーザの利用実績リスト(出席者氏名、会合、利用区間、利用金額、利用日時を含み得る)を作成し、各製薬会社に対して当月分の全体利用金額を請求することができる。また、システム管理者は管理サーバ装置100を操作して、記憶部120に記憶された管理台帳データに基づき、例えば、タクシー会社ごとに当月の全ユーザの利用実績リスト(利用区間、利用金額、利用日時を含み得る)を作成し、各タクシー会社に対して当月分の全体利用金額を報告するとともにその全体利用金額を支払うことができる。
【0081】
上記では、出席者の端末で利用料金を払うタイプのタクシー車両の車内に掲示されているコードをユーザ端末200で読んだ場合の処理について説明した。続いて以下に、運転手の端末で利用料金を払うタイプのタクシー車両の車内に掲示されているコードをユーザ端末200で読んだ場合の処理について、主に出席者の端末で利用料金を払うタイプのタクシー車両の場合の処理と異なる点を説明する。
【0082】
乗車した車両が利用料金の入力をタクシー運転手の端末で行うタイプの場合は、出席者がタクシーから降車する時に、出席者のユーザ端末200によってタクシー内に掲示されたコードを再度読み取る操作(上記のステップS8参照)を行う際に、運転手から「チケットのQRコードを表示させて下さい。」等の声がけを出席者に行うことにより、出席者に対して、ステップS9において説明したようにユーザ端末200の表示操作部220に利用対象のチケットのボタンを表示させて選択する操作を行うことが促される。
【0083】
運転手の端末で利用料金を払うタイプのタクシー車両の車内に掲示されているコードをユーザ端末200で読んだ場合には、
図5に示したフローチャートにおけるステップS9において出席者がユーザ端末200の表示操作部220に利用対象のチケットのボタンを表示させてそれを選択するタッチ操作を行うと、その操作情報がユーザ端末200から管理サーバ装置100に送信され、管理サーバ装置100の制御部130はそれに応答して、
図21に例示的に示すように、選択されたチケットに関連付けられている「招待会合」及び「チケット情報」へアクセスするための情報と、ユーザ端末200が出席者の乗車時に取得していた乗車位置情報及び乗車日時情報とを含むコードを、ユーザ端末200の表示操作部220に表示させる。
図21に示す例では、そのコードは、選択された利用対象のチケットのボタンの上に重なる位置に表示されている。
【0084】
一方、タクシー運転手が、運転手端末上でSNSアプリケーションソフトウェアを起動させて、
図22に示すように運転手用の端末の表示操作部上の画面内に表示される「降車する」ボタンをタッチ操作すると、運転手端末上でコードリーダー・アプリケーションソフトウェアが起動する。タクシー運転手は、出席者のユーザ端末200の表示操作部220に
図21に示すように表示されているコードを運転手端末のカメラで読み取る。これにより、運転手端末は、読み取ったコードに含まれている、選択されたチケットに関連付けられている「チケット情報」へアクセスするための情報(アクセス情報)、乗車位置情報及び乗車日時情報を取得する。
【0085】
なお、タクシー運転手が使用する運転手端末も、
図4を参照して説明したユーザ端末200と同様の構成を備え、システム管理者(チケット発行者)の所定のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)への事業者登録が行われている。運転手端末は、少なくともタクシー会社等の事業者の固有の識別情報である事業者コードと、その運転手端末が備えられるタクシー車両の固有のタクシー識別情報である車両番号とが、その運転手のSNSユーザIDに関連付けられて管理サーバ装置100のデータベース122に記憶されることで事業者登録が行われる。
【0086】
運転手端末の表示操作部上の画面内に表示される「降車する」ボタンをタッチ操作すると、その操作情報とアクセス情報とが運転手端末から管理サーバ装置100に送信され、管理サーバ装置100の制御部130は、
図23に示すように、選択されたチケットの詳細情報に関するテキスト情報501と、利用区間及び利用金額の入力をそれぞれ受け付ける入力欄502,503とを運転手端末の表示操作部上に表示させる。利用区間の入力欄502には、「チケット情報」に含まれている利用区間がデフォルトで入力された状態で表示されることが好ましい。
【0087】
タクシー運転手が、運転手端末の表示操作部に表示された利用金額入力欄503にタクシー利用代金を入力し、運転手が表示操作部上の
図23に示す画面に表示された「OK」ボタン504をタッチ操作すると、支払い操作が完了する。このときタクシー運転手は、「OK」ボタン504をタッチ操作する前に運転手端末を出席者に提示して、利用金額入力欄503に入力されたタクシー利用代金の金額について出席者から確認を得ることが好ましい。「OK」ボタン504がタッチ操作されると、運転手端末は、利用されたチケットのチケット情報に関連付けられる情報として、利用区間、利用代金、乗車位置情報、乗車日時情報、降車位置情報、清算日時情報(「OK」ボタンのタッチ操作日時であり、降車日時でもある)を管理サーバ装置100に送信する。降車位置情報は、運転手端末によって取得される降車時の位置情報である。
【0088】
利用料金の入力を運転手端末で行う場合においても、
図5のステップS10に関して上記に説明した処理と同様に、管理サーバ装置100の制御部130は、運転手端末から受信した利用代金と、利用区間、乗車位置情報、乗車日時情報、降車位置情報及び清算日時情報(降車日時情報)のうちの少なくとも1つとを、タクシー利用情報として利用時に選択されたチケットに関連付けてデータベース122の管理台帳データに登録する。また、制御部130は、運転手のSNSユーザIDに関連付けられて管理サーバ装置100のデータベース122に登録されているタクシー識別情報を、利用時に選択されたチケットに関連付けてデータベース122の管理台帳データに登録する。さらに、制御部130は、データベース122の管理台帳データにおいて、利用時に選択されたチケットに関連付けられている利用済み情報を「利用済み」に更新する。その後にユーザ端末200の表示操作部220に表示される画面には、
図20を参照して上記に説明したように、当該出席者が利用可能なチケットの一覧において、利用済みのチケットが、非アクティブ化を示すグレーアウト状態で選択できないように表示される。
【0089】
以上説明したように、本実施形態のシステム1によれば、システム1の処理の一部(例えば、出席者の本人確認処理)を第三者が提供するSNSを介して実行することができるので、専用のアプリケーションソフトウェアをユーザ端末200に導入することなく、タクシーチケットの発行及び利用を電子化して管理することができる。
【0090】
さらに、利用したタクシーのID、利用区間、利用代金、利用日時等のタクシー利用情報が、タクシーチケットを利用した出席者のユーザ端末200から管理サーバ装置100に送信され、それらの情報が管理サーバ装置100のデータベース122に格納された管理台帳データにおいて、当該出席者氏名、出席者のSNSユーザID、及び利用したタクシーチケット情報の少なくとも1つと関連付けて登録されるので、出席者のチケット利用に関するデータを紙媒体を介さずに取得することができる。したがって、システム管理者は、管理サーバ装置100を用いて、管理台帳データに取集されたそれらの情報に基づき、タクシーチケットの発行依頼者(例えば、製薬会社)毎に請求すべきタクシー利用実績金額を集計して各発行依頼者への請求書を作成したり、タクシー会社毎に支払うべきタクシー利用実績金額を集計して各タクシー会社への利用実績報告書を作成したりすることが可能になる。
【0091】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 タクシーチケット管理システム
100 管理サーバ装置
200 ユーザ端末
N 通信ネットワーク