(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004708
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20250107BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20250107BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21V23/00 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104577
(22)【出願日】2023-06-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1-1)発行日 令和5年 4月20日 (1-2)刊行物 あかり専科vol.42,2023-2024第33頁,第433頁,第539頁,第552頁,第634頁 (1-3)公開者 コイズミ照明株式会社 (2-1)ウェブサイトの掲載日 令和5年 5月17日 (2-2)ウェブサイトのアドレス https://webcatalog.koizumi-lt.co.jp/kensaku/item/detail?itemid=AD1259W27等 (2-3)公開者 コイズミ照明株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大串 潤
(72)【発明者】
【氏名】宮本 陸
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA01
(57)【要約】
【課題】照明器具において、被取付面から突出する部分を小さくすることができ、フランジ部等によって陰が生じることを抑制することができるものとする。
【解決手段】埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具1において、フラット型のランプ10と、機能部20と、ランプ10と機能部20とが配置される器具本体30と、を備え、器具本体30は、ランプ10が配置される筒部31と、筒部31の一端側の開口である開口部32と、開口部32から筒部31の軸方向に対して直交する方向に突出するフランジ部33と、機能部20に対応する、フランジ部33に設けられる孔部34と、を有し、開口部32と孔部34とは筒部31の軸方向に対して直交する方向に並んで配置され、開口部42の中心は平面視で器具本体1の中心から偏心した位置に配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具であって、
フラット型のランプと、
機能部と、
前記ランプと前記機能部とが配置される器具本体と、を備え、
前記器具本体は、
前記ランプが配置される筒部と、
前記筒部の一端側の開口である開口部と、
前記開口部から前記筒部の軸方向に対して直交する方向に突出するフランジ部と、
前記機能部に対応する、前記フランジ部に設けられる孔部と、を有し、
前記開口部と前記孔部とは前記筒部の軸方向に対して直交する方向に並んで配置され、
前記開口部の中心は平面視で前記器具本体の中心から偏心した位置に配置される、
照明器具。
【請求項2】
前記器具本体は前記機能部の機能部品が配置される機能部品配置部を有し、
前記筒部と前記機能部品配置部とは、前記筒部の軸方向に対して直交する方向に並んで配置される、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記機能部品配置部は、
前記フランジ部から軸方向に突出して前記機能部品の側方を囲む側壁部と、
前記側壁部の突出する方向の開口を塞ぐカバー部と、を有する、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記カバー部は切欠部を有し、
前記機能部品に接続される電線は前記切欠部を介して前記機能部品配置部の外側に延出する、
請求項3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
天井面等の形成される埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具は種々知られている。前記照明器具には、フラット型のランプと、人感センサや照度センサ等で構成される機能部と、ランプと機能部とが配置される器具本体と、を備え、器具本体は、ランプが配置される筒部と、筒部の一端側の開口である開口部と、開口部から筒部の軸方向に対して直交する方向に突出するフランジ部と、フランジ部に設けられて機能部のセンサ部を覆うフードが配置される孔部と、を有するものが公知となっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記照明器具では、機能部の制御基板等の機能部品がフランジ部内に配置されていることから、フランジ部の厚みは厚く構成されることとなる。このため、天井等の被取付面から突出する部分が大きくなり、フランジ部等によって陰が生じてしまう場合があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、被取付面から突出する部分を小さくすることができ、フランジ部等によって陰が生じることを抑制することができる照明器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
すなわち、本願に開示する照明器具は、
埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具であって、
フラット型のランプと、
機能部と、
前記ランプと前記機能部とが配置される器具本体と、を備え、
前記器具本体は、
前記ランプが配置される筒部と、
前記筒部の一端側の開口である開口部と、
前記開口部から前記筒部の軸方向に対して直交する方向に突出するフランジ部と、
前記機能部に対応する、前記フランジ部に設けられる孔部と、を有し、
前記開口部と前記孔部とは前記筒部の軸方向に対して直交する方向に並んで配置され、
前記開口部の中心は平面視で前記器具本体の中心から偏心した位置に配置されるものである。
【0008】
本願に開示する照明器具において、
前記器具本体は前記機能部の機能部品が配置される機能部品配置部を有し、
前記筒部と前記機能部品配置部とは、前記筒部の軸方向に対して直交する方向に並んで配置されることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、
前記機能部品配置部は、
前記フランジ部から軸方向に突出して前記機能部品の側方を囲む側壁部と、
前記側壁部の突出する方向の開口を塞ぐカバー部と、を有することが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、
前記カバー部は切欠部を有し、
前記機能部品に接続される電線は前記切欠部を介して前記機能部品配置部の外側に延出することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、被取付面から突出する部分を小さくすることができ、フランジ部等によって陰が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る照明器具1について、
図1から
図5を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具1は、例えば天井面に形成される埋込孔に埋め込まれるように取り付けられる照明器具である。なお、照明器具1は、天井面に限らず、壁面(傾斜面も含む)に取り付けてブラケットライトとして使用することも可能である。以下の説明では、照明器具1の光を照射する側を照明器具1の照射面側とし、照明器具1における被取付面に対向する側を照明器具1の取付面側(照射面側の反対側)として説明する。また、照明器具1の取付面側とは、照明器具1の背面側(裏面側)である。また、照明器具1が被取付面に取付けられた状態において、被取付面に直交する方向を照明器具1の上下方向とした場合、照明器具1の取付面側を上方とし、照明器具1の照射面側の直下方向を下方として説明する。照明器具1の上下方向に対して直交する方向を照明器具1の径方向として説明する。また、以下の説明において、下方から照明器具1等を見た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具1等を見た状態を側面視とする。照明器具1等の断面形状を見た状態を断面視とする。また、
図4における線αは上下方向と平行であって後述する器具本体30の中心を通る仮想の線を示し、線βは上下方向と平行であって器具本体30の開口部32の中心を通る仮想の線を示す。
【0014】
図1に示すように、照明器具1の外形は略円柱形状に構成される。なお、照明器具1の外形形状は、本実施形態に限定されるものではなく、略円柱形状以外に、例えば、平面視で、楕円形状、正方形状、長方形状、多角形状や扇形、またはそれらを組み合わせた形状にすることもできる。
【0015】
図1から
図4に示すように、照明器具1は、ランプ10、端子台11、端子台取付板12、ソケット15、カバー16、一対の取付バネ17・17、機能部20、器具本体30、を主に備える。
【0016】
ランプ10は、フラット型のランプの一例であるGX53形の口金部構造を有するランプであり、後述する器具本体30の筒部31内に配置される。ランプ10は、略円柱形状に構成される。ランプ10は、略円板形状に構成される。ランプ10は、その軸方向の一端側が光の照射方向となるように構成され、その軸方向の他端に後述するソケット15の中央の開口部に挿通される略円柱状の凸部を有して構成される。なお、ランプ10はGX53であることに限定されない。ランプ10及びソケット15は、GX53形口金に対応したものに限らず、GH76p形口金やGH69h形口金に対応したものでもよい。
【0017】
機能部20は照明器具1において光を照射する以外の各種の機能(例えば人を検知する機能)を行う。機能部20は、例えば、人感センサ、無線通信機、カメラ、スピーカー、プロジェクタ等で構成される。本実施形態では機能部20は以下において人感センサであるものとして説明するがこれに限定されるものではない。機能部20は機能部品21を有する。機能部品21は、機能部20を構成する部品であり、本実施形態では、人感センサのセンサ部、センサ部を覆うフード、制御基板等で構成される。
【0018】
器具本体30は、筒部31、開口部32、フランジ部33、孔部34、機能部品配置部40等を有する。筒部31は上下方向を軸方向とする略円柱形状に構成される。開口部32は筒部31の下端(一端)の開口である。フランジ部33は開口部32から筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に突出する。フランジ部33は略円盤形状に構成される。孔部34は、フランジ部33に設けられる貫通孔であり、機能部20の位置、形状、機能等に対応して形成される。孔部34は後述する機能部品配置部40内と連通する。孔部34は機能部20のフード(機能部品21)が下方に露出するように構成される。なお、孔部34は、機能部20が露出する構成に限定されず、孔部34内に機能部20が配置される構成であっても良いものとする。
【0019】
機能部品配置部40には機能部20が配置される。機能部品配置部40は、側壁部41、カバー部42、を有する。側壁部41はフランジ部33の上面から上方(筒部31の軸方向他端側)に突出する。側壁部41は上端が開口する筒状に構成される。側壁部41内には、制御基板等の機能部20の機能部品21が収納される。側壁部41は制御基板等の機能部20の機能部品21の側方を囲む。カバー部42は、有底筒状に構成される部材であり、側壁部41の上端の開口(突出する方向の開口)を覆って塞ぐ。
【0020】
筒部31の上端(他端)には、端子台11が配置される端子台取付板12が設けられる。端子台11は外部電源の電線と接続される。端子台取付板12は平板状の部材に折り曲げ加工等を施すことによって構成され、ネジ等の固定部材によって筒部31に固定される。
【0021】
筒部31内にはソケット15等が配置される。ソケット15はランプ10を取り付け可能に構成される。ソケット15は、筒部11の底部に設けられるボス部にネジを用いて固定される。ソケット15は、略円環形状に構成され、中央に開口部を有する。ソケット15の開口部にはランプ10の凸部が挿入される。ランプ10は、ソケット15に取り付けられることによって、ソケット16を介して筒部31内に設けられる。
【0022】
カバー16は、有底略筒状の部材であり、開口部32に蓋をするように筒部31の下端部に設けられる。カバー16の下端面は透光性を有し、ランプ10から照射される光はカバー16の下端面を介して下方に照射される。なお、カバー16は、必須の構成ではなく、必要に応じて適宜設けることができる。取付バネ17は、照明器具1を埋込孔に取り付けるための部材であり、弾性を有する。本実施形態の照明器具1では、取付バネ17は筒部31の外側に設けられたバネ取付部36に設けられる。取付バネ17はネジ等の固定部材によってバネ取付部36に固定される。取付バネ17は筒部31から側方に延出するように構成される。なお、取付バネ17が三個以上備える構成であっても良いものとする。また、取付バネ17及びバネ取付部36の位置は、
図2に示す位置に限らず、必要に応じて他の位置に設定することができる。
【0023】
開口部32と孔部34とは筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に並んで配置される。筒部31と機能部品配置部40とは、筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に並んで配置される。筒部31と機能部品配置部40とは、平面視で重ならないように配置される。筒部31と機能部品配置部40とは、側面視で重なるように配置される。開口部32の中心は平面視で器具本体30の中心から偏心した位置に配置される。
【0024】
以上のように、機能部20における機能部品21の制御基板等は、フランジ部33に収納されず、機能部品配置部40の側壁部41内に収納される。そして、開口部32と孔部34とは筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に並んで配置され、開口部32の中心は平面視で器具本体30の中心から偏心した位置に配置される。このため、フランジ部33の厚みを比較的薄く(軸方向の長さを短く)構成することができる。したがって、天井等の被取付面から突出する部分を小さくすることができ、フランジ部33等によって陰が生じることを抑制することができる。また、機能部品21の制御基板等は、フランジ部33に収納されないことから、フランジ部33を比較的肉薄状に構成することができ、上下方向に対する大型化を抑制することができる。また、天井面からフランジ部の突出する部分が小さくなることで、部屋の内装の意匠性が損なわれることを抑制する。
【0025】
また以上のように、筒部31と機能部品配置部40とは筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に並んで配置されて、ランプ10と機能部20とが筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に並んで配置される。このため、筒部31と機能部品配置部40とが軸方向に並んで配置されてランプ10と機能部20とが筒部31の軸方向に並んで配置されるものに比べて、器具本体30へのランプ10及び機能部20等の組み立て性を向上させることができる。
また、ランプ10と機能部20とが、筒部31の軸方向に対して直交する方向(側方)に並んで配置されて、平面視で重ならないように配置されることから、ランプ10から生じる熱による機能部20への影響を低減させることができる。
また、ランプ10が挿入される器具本体30の開口部32の中心(線βの位置)が、器具本体30の中心(線αの位置)から偏在している。器具本体30の中心と開口部32の中心が一致するような構成とした場合、筒部31と機能部20を並んで配置すると器具本体30を側方に大型化させなければならない。そのため、器具本体30の中心と開口部32の中心を偏在させることで、器具本体30の左右方向の寸法を増大させること抑制する。これにより、照明器具1の大型化を抑制することができる。
【0026】
また以上のように、機能部品配置部40は、フランジ部33から筒部31の軸方向に突出して制御基板等の機能部20の機能部品21の側方を囲む側壁部41と、側壁部41の突出する方向の開口を塞ぐカバー部43と、を有する。このため、機能部品配置部40内の気密性を確保して、照明器具1が配置される室内の気密性が低下することを抑制することができる。
【0027】
図5に示すように、機能部品配置部40は切欠部43を有する。切欠部43は機能部20の機能部品21に接続される電線(不図示)に対応し、当該電線は切欠部43を介して機能部品配置部40の外側に延出する。切欠部43は機能部20の機能部品21に接続される電線が挿通可能に構成される。切欠部43はカバー部42に形成される。切欠部43は照明器具1の中心側に開口する。切欠部43は筒部31の側壁に対向するように構成される。
【0028】
以上のように、機能部20の機能部品21に接続される電線は切欠部43を介して機能部品配置部40の外側に延出する。このように、機能部20の機能部品21に接続される電線が機能部品配置部40の上部に配置されるカバー部42から機能部品配置部40の外側に延出することとなり、機能部20等の組み立て性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 照明器具
10 ランプ
11 端子台
12 端子台取付板
15 ソケット
16 下面カバー
17 取付バネ
20 機能部
21 機能部品
30 器具本体
31 筒部
32 開口部
33 フランジ部
34 孔部
35 切欠部
40 機能部品配置部
41 側壁部
42 カバー部
43 切欠部