(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004742
(43)【公開日】2025-01-15
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20250107BHJP
A61K 36/752 20060101ALI20250107BHJP
A61K 36/756 20060101ALI20250107BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250107BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20250107BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20250107BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20250107BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K36/752
A61K36/756
A61Q19/00
A61Q19/08
A61Q19/10
A61Q5/12
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047963
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2023104576
(32)【優先日】2023-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000162021
【氏名又は名称】共栄化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩野 英生
(72)【発明者】
【氏名】道善 聡
(72)【発明者】
【氏名】井口 将
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂豊
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB112
4C083AB352
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC622
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC692
4C083AC782
4C083AC852
4C083AC932
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD272
4C083AD302
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD432
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD592
4C083AD632
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC07
4C083CC23
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE21
4C083EE28
4C088AB62
4C088MA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】天然物由来で生体安全性にすぐれ、潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる効果、開いた毛穴を修復する効果、生体内の酸化型アスコルビン酸還元酵素を活性化する効果、皮膚のハリの低下抑制及びシワを予防・改善する効果を有する有効成分を配合した皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ダイダイ(Citrus aurantium)果皮の抽出物及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)のいずれか1種又は2種以上の植物の抽出物を有効成分とする皮膚外用剤。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミカン科に属するダイダイ(Citrus aurantium)及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)のいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする皮膚の潤い感、透明感及びツヤの向上用の皮膚外用剤。
【請求項2】
ミカン科に属するダイダイ(Citrus aurantium)及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)のいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする酸化型アスコルビン酸還元酵素の活性化剤。
【請求項3】
ミカン科に属するダイダイ(Citrus aurantium)及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)のいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする皮膚のハリの低下抑制及びシワを予防及び改善する皮膚外用剤。
【請求項4】
ミカン科に属するダイダイ(Citrus aurantium)及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)のいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする毛穴改善用皮膚外用剤。
【請求項5】
ミカン科に属するダイダイ(Citrus aurantium)の抽出物及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)の抽出物を有効成分とする皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミカン科(Rutaceae)に属する1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化又は不調は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下等の内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症等の外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。皮膚の老化又は不調としては、例えば、シワ、タルミ、ハリの低下、乾燥、バリア機能の低下、色素沈着又はくすみ等が挙げられ、それぞれの皮膚の状態に応じて、シワ改善剤、保湿剤、シミ予防剤等が提案されている。
【0003】
従来、皮膚の老化又は不調を予防又は改善する成分としては、例えば、ビタミンA,E等の抗酸化剤や保湿剤(例えば、アミノ酸、有機酸、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン、ヘパリン類似物質等)が提案されているが、皮膚外用剤に配合する際に、安定性、有効性又は安全性の点で課題がある。また、例えば、植物等の天然物由来の成分の利用も提案されているが、有効性の点で課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07-118132号
【特許文献2】特開平08-295621号
【特許文献3】特開2000-096050号
【特許文献4】特開2001-114634号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、有効性の高い新たな植物由来成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、ミカン科に属する植物の抽出物に皮膚の潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる効果、生体内で酸化されて生じた「酸化型アスコルビン酸」を還元する酵素を活性化する効果、表皮細胞賦活効果、線維芽細胞賦活効果、並びにコラーゲン合成促進効果を有することを見出した。
【0006】
従来、ミカン科植物を皮膚外用剤に使用することは、例えば、特許文献1~4により知られているが、皮膚の潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる効果、酸化型アスコルビン酸を還元する酵素を活性化する効果、表皮細胞賦活効果、線維芽細胞賦活効果、並びにコラーゲン合成促進効果を有することについては、知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ミカン科に属するダイダイ(Citrus aurantium)及びキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)のいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする皮膚の潤い感、透明感及びツヤの向上用の皮膚外用剤である。
また、本発明は、ミカン科に属するダイダイ及びキハダのいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする酸化型アスコルビン酸還元酵素の活性化剤である。
また、本発明は、ミカン科に属するダイダイ及びキハダのいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする皮膚のハリの低下抑制又はシワの予防及び改善用の皮膚外用剤である。
また、本発明は、ミカン科に属するダイダイ及びキハダのいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とする毛穴改善用の皮膚外用剤である。
また、本発明は、ミカン科に属するダイダイの抽出物及びキハダの抽出物を有効成分とする皮膚外用剤である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ダイダイの抽出物及びキハダのうちのいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とすることで、潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる効果を有する皮膚外用剤を提供することができる。
【0009】
また、本発明によれば、ダイダイの抽出物及びキハダのうちのいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とすることで、酸化型アスコルビン酸を還元する酵素を活性化して、抗酸化力等を発揮する還元型アスコルビン酸に戻し、活性酸素等による皮膚への影響を抑制し、外用によって皮膚に与えられたアスコルビン酸(誘導体を含む)の効果を高めることができる皮膚外用剤を提供することができる。
【0010】
また、本発明によれば、ダイダイの抽出物及びキハダのうちのいずれか1種又は2種の植物の抽出物を有効成分とすることで、真皮細胞の活性化し、また、皮膚のハリの低下を抑制し、シワを予防・改善する皮膚外用剤を提供することができる。
【0011】
また、本発明によれば、ダイダイの抽出物を有効成分とすることで、表皮細胞のエネルギー代謝を促進し、それにより、皮膚のターンオーバーを整え、また、開いた毛穴を修復する皮膚外用剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る抽出物のNF-κB活性化抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に使用可能なミカン科(Rutaceae)植物は、ダイダイ(Citrus aurantium L.)又はキハダ(Phellodendoron amurense Ruprecht)である。
【0014】
使用部位としては、ダイダイの場合は、その果実、果皮、果肉、種子、花、葉、茎等が挙げられ、キハダの場合は樹皮等が挙げられる。
【0015】
抽出物の調製は、まず、抽出に使用する部位を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能であるが、浸漬法以外にも超臨界抽出法を用いることも可能である。
【0016】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類;n-ヘキサン、トルエン、クロロホルム等の炭化水素系溶媒等が挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
【0017】
上記抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の有効性、さらには、皮膚刺激性の観点から、また、皮膚外用剤(化粧品、医薬部外品、外用医薬品等)への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類等の親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3-ブチレングリコール,グリセリン)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3-ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられる。
【0018】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と低級アルコール又は多価アルコールであれば、容量比(以下同じ)で1:5~25:1が好ましい。
【0019】
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3~9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸等の酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0020】
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水単独又は水と低級アルコール又は多価アルコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃~80℃の範囲であり、抽出時間は好ましくは1~168時間(1時間~1週間)であり、より好ましくは1~120時間(1時間~5日間)の範囲である。
【0021】
本発明に係る抽出物は、不純物の除去、安定性の向上のために、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着剤、シリカゲル、及び再結晶処理のいずれか1種又は2種以上を組み合わせて、有効成分以外の不純物を除くことでも良い。
【0022】
上述のように調製した抽出物は、pHを3~8に調製した上で、これをそのままの状態で皮膚外用剤の配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
【0023】
本発明に係る抽出物を含む皮膚外用剤(化粧料、医薬部外品、外用医薬品)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、シートマスク、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、石けん等の清浄用化粧料、シャンプー、コンデショナー、育毛料等の毛髪化粧料、浴剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明に係る抽出物の配合量は、皮膚外用剤に配合する場合、それぞれの抽出物の固形分として、一般的には0.00001~5.0重量%の範囲である。
【0025】
本発明に係る抽出物を皮膚外用剤(化粧品、医薬部外品及び外用医薬品等)に配合する際には、皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、色素、香料、抗シワ剤、色素沈着予防剤及びその他生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0026】
油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、カミツレ油、レモン果皮油、クスノキ樹皮油、マンダリンオレンジ油、ショウズク油、オレンジ油の植物由来の油脂類;ビタミンA油;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、パントテニルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0027】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′、N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
【0028】
乳化剤及び乳化助剤としては、例えば、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖とタンパク質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来タンパク質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
【0029】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、ヒアルロン酸発酵液、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、コラーゲンペプチド、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、エストラジオール、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0030】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、プルラン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0031】
消炎剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ε-アミノカプロン酸、d-カンフル、dl-カンフル、酸化亜鉛、パンテノール、ピリドキシン塩酸塩、及びリボフラビン又はその誘導体等がある。
【0032】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ピリチオン亜鉛、塩化ベンザルコニウム、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、臭化アルキルイソキノリニウム、レゾルシン、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、トリクロロヒドロキシジフェノールエーテル、ヒノキチオール、1、2-ペンタンジオール、プロパンジオール、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ハッカ油、ユーカリ油等の精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来のエタノール又は1、3-ブチレングリコール等がある。
【0033】
細胞賦活剤としては、例えば、パントテニルアルコール、メントール、dl-メントール、及びγ-オリザノール等がある。
【0034】
抗アクネ剤としては、例えば、イオウ、サリチル酸又はその塩、感光素201号、ジカプリル酸ピリドキシン等がある。
【0035】
粉体成分しては、例えば、セリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等がある。
【0036】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0037】
抗酸化剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスタキサンチン等のカロテノイド、ビタミンE及びその誘導体(例えば、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル)、ビタミンA又はその誘導体(パルミチン酸レチノール等)等がある。
【0038】
金属イオン封鎖剤としては、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エチドロン酸又はその塩(エチドロン酸4Na等)、グルコン酸又はその塩(グルコン酸ナトリウム等)、ジエチレントリアミン五酢酸又はその塩(ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム等)、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩(ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム等)、フィチン酸又はその塩(フィチン酸ナトリウム等)が挙げられる。
【0039】
色素沈着予防剤としては、コウジ酸又はその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、ビタミンE又はその誘導体、ニコチン酸又はその誘導体、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、胎盤抽出液(プラセンタエキス)、リノール酸から選択される1以上のものが挙げられる。
【0040】
上記コウジ酸誘導体としては、例えば、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド(2-O-α-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸)、L-アスコルビン酸-5-グルコシド(5-O-α-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸)等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2,5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えば、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0041】
抗シワ剤として、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体(酢酸トコフェロール等)、ビタミンC又はその誘導体(アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等)、パントテニルアルコール、トラネキサム酸、ナイアシンアミドが挙げられる。
【0042】
さらに、以下の植物又は微生物等の天然物由来の成分を併用することも可能である。例えば、コラーゲン又はその加水分解物、酵母抽出物又は加水分解物、乳酸菌培養物、イネ科植物、アブラナ科植物、ツバキ科植物、バラ科植物、ボタン科植物、ミカン科植物、ヒユ科植物、アマモ科植物、マメ科植物、キク科植物、マメ科植物、アオイ科植物、リンドウ科植物、シソ科植物、ハス科植物、ウリ科植物、ウコギ科植物、ナス科植物、ノウゼンカズラ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、アヤメ科植物、キキョウ科植物、モクセイ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、クロウメモドキ科植物、ラン科植物、ウルシ科植物、フクギ科植物、バレンシ科植物、ミカン科植物、フトモモ科植物、ユリ科植物、ベンケイソウ科植物、ヒノキ科植物、ヒルガオ科の植物及びキジカクシ科のいずれかから選択される1以上の植物の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、コンブ科、ミリン科及びアオサ科のいずれかから選択される1以上の海藻の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、クラゲ(ミズクラゲ、エチゼンクラゲ等の自己消化物)、ヒアルロン酸の加水分解物又は発酵物、及びローヤルゼリーの抽出物又はその加水分解物或いは発酵物挙げられる。
【0043】
イネ科の植物由来成分としては、特に、イネ葉加水分解物、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、発芽玄米加水分解物、米発酵液、清酒由来の酒粕抽出物、マダケ又はモウソウチクのタケノコ皮抽出物が好ましい。また、アブラナ科植物由来の成分としては、白芥子の抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物が好ましい。また、ツバキ科植物由来成分としては、特に、緑茶(やぶきた、さみどり、あさひ、ごこう、うじみどり、きょうみどり、うじひかり、さみどり、べにふうき等)及び紅茶(ダージリン、アッサム、セーロン、アールグレイ、蜜香紅茶等)が好ましい。バラ科植物由来成分としては、ダマスクバラの花の抽出物、モモの花、葉又は未成熟果実の抽出物、イチゴの花抽出物、サクラの花又は葉の抽出物、アンズの果実又は種子の抽出物が好ましい。また、ボタン科植物由来成分としては、ボタンの根又は花、及びシャクヤクの花又は根の抽出物が好ましい。また、ヒユ科植物由来成分としては、特に、アッケシソウ抽出物が好ましい。また、アマモ科植物由来成分としては、特に、アマモ又はコアマモの抽出物が好ましい。マメ科植物由来成分としては、特に、白大豆又は黒大豆の抽出物又はその加水分解物或いは豆乳発酵液、アズキ抽出物、アカツメクサ抽出物、クズ根抽出物が好ましい。また、キク科植物由来成分としては、特に、ゴボウ根抽出物、ヒマワリ新芽抽出物、ハゴロモソウ抽出物、アルニカ抽出物又はカミツレ花抽出物が好ましい。アオイ科植物由来成分としては、ハイビスカス、ムクゲ又はフヨウの発酵物が好ましい。リンドウ科植物由来成分としては、ゲンチアナ抽出物が好ましい。また、シソ科植物としては、アオジソ抽出物、ムラサキシキブ果実抽出物が好ましい。ハス科植物由来成分としては、特に、ハスの花又はハス種子抽出物或いはハス種子発酵物が好ましい。ウリ科植物由来成分としては、特に、ヘチマ抽出物が好ましい。ウコギ科植物由来成分としては、オタネニンジンの抽出物又は発酵物が好ましい。ナス科植物由来成分としては、ナス(長ナス、水ナス、米ナス、賀茂ナス等)の抽出物が挙げられる。ノウゼンカズラ科植物由来成分としては、パウダルコ樹皮抽出物が好ましい。マタタビ科植物由来成分としては、未成熟のキウイ抽出物が好ましい。クワ科植物由来成分としては、ソウハクヒ抽出物、マルベリー果実抽出物、イチジクの果実又は樹皮の抽出物が好ましい。クロウメモドキ科植物由来成分としては、ナツメ果実抽出物が好ましい。また、アヤメ科植物由来成分としてはサフランが好ましい。キキョウ科植物由来成分としては、ヒカゲノツルニンジンの根の抽出物又は加水分解物が好ましい。ウルシ科植物由来成分としては、特に、マンゴ果実抽出物が好ましい。フクギ科植物由来成分としては、特に、マンゴスチン果実抽出物が好ましい。また、バレンシ科植物由来成分としては、チェリモヤ果実抽出物が好ましい。ミカン科植物由来成分として、温州ミカン、ベルガモット果実抽出物、グレープフルーツ又は晩白柚の果実(未成熟果実も含む)の抽出物、グレープフルーツ又はハッサク等の植物に含まれるフラボノイド及びその配糖体を含む抽出物、或いはサンショウ種子抽出物が好ましい。ユリ科植物由来成分としては、ホンカンゾウ、ヤブカンゾウ、カサブランカ、マドンナリリー、又はササユリの抽出物が好ましい。ベンケイソウ科植物由来成分としては、特に、イワベンケイ(紅景天)の抽出物又は発酵物が好ましい。モクセイ科植物由来成分としては、特に、ジャスミンの花抽出物が好ましい。ヒノキ科植物としては、特に、セイヨウネズ果実抽出物が好ましい。フトモモ科植物由来成分としては、特に、グアバ葉抽出物が好ましい。ラン科植物としては、特に、シランの根(白及)の抽出物が好ましい。ヒルガオ科植物由来成分としては、サツマイモの抽出物又はその発酵物或いは甘藷焼酎粕の抽出物又はその発酵物が好ましい。キジカクシ科植物由来成分としては、アスパラガスの抽出物が好ましい。コンブ科の海藻由来成分としては、特に、コンブ抽出物が好ましく、ミリン科の海藻由来成分としてはカタメンキリンサイ抽出物が好ましく、特に、アオサ科の海藻由来成分としてはアナアオサ抽出物が好ましい。フノリ科の海藻由来成分としては、特に、フノリ抽出物が好ましい。
【0044】
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0045】
製造例1.ミカン科植物抽出物の調製(1)
ミカン科ミカン属のダイダイの果皮を乾燥し、乾燥物100gに1,3-ブチレングリコールを500g及び精製水500gを添加し、60℃で3時間攪拌抽出した。抽出操作後、粗抽出液をろ過して、淡黄褐色のダイダイ果皮抽出物1040gを得た(固形分濃度2.34%)。
【0046】
製造例2.ミカン科植物抽出物の調製(2)
製造例1において、抽出溶媒として、1,3-ブチレングリコール500g及び精製水500gに代えて、精製水1000gを使用する他は、製造例1と同様の操作により、淡黄褐色のダイダイ果皮抽出物1010gを得た(固形分濃度2.20%)。
【0047】
製造例3.ミカン科植物抽出物の調製(3)
製造例1において、抽出溶媒として、1,3-ブチレングリコールを500g及び精製水500gに代えて、エタノール500g及び精製水500gを使用する他は、製造例1と同様の操作により、淡黄褐色のダイダイ果皮抽出物1045gを得た(固形分濃度2.35%)。
【0048】
製造例4.ミカン科植物抽出物の調製(4)
ミカン科キハダ属のキハダの樹皮を乾燥し、乾燥物120gに精製水を500g及び1,3-ブチレングリコール500gを添加して、40℃で2時間抽出した。これをろ過して、黄色のキハダ樹皮抽出物750gを得た(固形分濃度0.98%)。
【0049】
製造例5.ミカン科植物抽出物の調製(5)
製造例4において、抽出溶媒として、精製水を500g及び1,3-ブチレングリコール500gに代えて、精製水1000gを使用する他は、製造例4と同様の操作により、黄色のキハダ樹皮抽出物730gを得た(固形分濃度0.95%)。
【0050】
製造例6.ミカン科植物抽出物の調製(6)
製造例4において、抽出溶媒として、精製水を500g及び1,3-ブチレングリコール500gに代えて、精製水500g及びエタノール500gを使用する他は、製造例4と同様の操作により、黄色のキハダ樹皮抽出物765gを得た(固形分濃度1.01%)。
【0051】
試験例1.フィラグリン及びペプチジルアルギニンデイミナーゼ-1の発現促進効果の評価試験
正常ヒト表皮細胞NHEKを24ウェルプレートに3×104cells/wellとなるように播種し、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。試料溶液として製造例1,4の抽出物のそれぞれを添加する試験区を設定し、24時間培養後、各試料溶液を添加して、さらに48時間培養した。ここで、各試料溶液の濃度は、培地量に対して溶液としての終濃度が1.0%となるように添加した。また、比較対照として、上記試料溶液に代えて、同濃度の30%BG又は50%BG溶液のみを含んだ培養液を添加したコントロール区を設定し、同様の操作により培養を行った。次に、試験区及びコントロール区のそれぞれの細胞をISOGEN II試薬(ニッポン・ジーン社製)0.5mLで回収した。回収した細胞に対してRNase フリー水200μL添加して撹拌混合し室温で15分放置後、遠心分離機(TOMY社製/MX-160)で15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離した後、上清のみを500μL分取した。回収した上清にイソプロパノール(和光純薬工業社製)500μLを添加して撹拌混合し、室温で10分放置後15,000rpm、4℃の条件下で10分間遠心分離してtotal RNAの沈殿物を得た。Total RNAに75%エタノールを0.5mL添加し、15,000rpm、4℃条件下で3分間遠心分離して沈殿を回収した。上清を捨て、この作業を2回繰り返した。上清を完全に除去した後、風乾し、RNaseフリー水に溶解させた。回収したtotal RNAを所定のキット(PrimeScript RT reagent Kit with gDNA Eraser (Perfect Real Time)[タカラバイオ社製])を用いて逆転写反応し、cDNAを合成した。合成したcDNAをサンプルとして、Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System Single(タカラバイオ社製)、及びSYBR(登録商標)Premix Ex TaqTM (Perfect Real Time)[タカラバイオ社製]を用いて、各種遺伝子の発現と、内部標準物質GAPDH遺伝子の発現の検出を行った。ここで、GAPDH(グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)は、ハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞中に共通して一定量発現する遺伝子であって、常に発現され,細胞の維持,増殖に不可欠な遺伝子である)の一つであり、発現量が常に一定とされていることから、PCRの実験では内部標準として用いられるものである。試験結果は、GAPDH遺伝子の発現量を一定とした場合の、それぞれの試験区での各遺伝子の発現量を比較した。コントロール区の発現量を100%として相対値を求めた。
【0052】
【0053】
表1に示す通り、本試験例1により、本発明に係る製造例1の抽出物が、フィラグリン(Filaggrin)の発現を顕著に促進すること、本発明に係る製造例4の抽出物が、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ-1(PADI1)という酵素の発現を顕著に促進することを確認した。角層においては、フィラグリン(Filaggrin)がPADI1により脱イミノ化されて脱イミノ化フィラグリンとなり、この脱イミノ化フィラグリンが酵素により分解されて天然保湿因子であるアミノ酸(NMF)が産生されることから、本発明に係る製造例1の抽出物及び製造例4の抽出物のいずれか1以上の抽出物を組み合わせて皮膚に適用することで、皮膚細胞自体が天然保湿因子を産生することを促し、持続的な潤い感を与えると共に、さらに、透明感及びツヤを持続的に向上させることもできる。
【0054】
試験例2.タイトジャンクション合成促進効果の評価試験
正常表皮細胞NHEKを96ウェルプレートに1.5×104cells/wellとなるように播種し、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。ウェル内で細胞をサブコンフルエントとするために48時間培養した。次に試料溶液(製造例1の抽出物)を添加し、さらに48時間培養した。試料溶液の濃度は、培地量に対して溶液としての終濃度が1.0%となるように添加した。また、比較対照として、試料に代えて、同濃度の30%BG、又は50%BG溶液のみを含んだ培養液を添加したコントロール区を設定した。終了後、培養液を取り除き、D-PBS(Ca、Mg不含、以下PBSと記載)を用いて細胞を洗浄し、固定液としてトリクロロ酢酸を10%含有したPBSを加えて、4℃、30分間静置させた。固定液を取り除きPBSで洗浄した後に、トリトン-Xを0.2%含んだPBS(以下、洗浄液と記載)を加えて室温で1時間インキュベートした。その後、ブロッキング剤としてブロッキングワンP(ナカライテスク製)を用いて4℃で一晩インキュベートした。洗浄液で一回洗浄したのちに、一次抗体として抗オクルディン(Life Span Bio Sciences)を500倍希釈して加えて、さらに4℃で一晩インキュベートした。洗浄液で3回洗浄を行った後に、二次抗体としてAlexa Fluor(登録商標) 488 Goat Anti-mouse IgG(invitrogen製)を500倍希釈して加えた。室温で2時間インキュベートした後に、洗浄液を用いて5回洗浄を行った。その後、Hoechst 33342(同仁化学研究所)をPBSで1000倍希釈して加えて30分のインキュベートを行った。Alexa Fluor(登録商標) 488、及びHoechst 33342の蛍光量をFluoroskan Ascent(ThermoLabsystems)で計測し、Hoechst 33342の値を内部標準としてAlexa Fluor(登録商標) 488の蛍光値を補正した後に、各検出値をコントロール区100%として相対値を求めた。
【0055】
【0056】
表2に示すように、本試験例2により、本発明に製造例1の抽出物が細胞間の結合構造であるタイトジャンクションを構成するタンパク質(オクルディン)の合成を促進する効果を発揮することを確認した。これにより、本発明に係る抽出物によれば、皮膚のバリア機能を向上させ、皮膚からの水分の蒸散を防ぐことで、皮膚に持続的な潤い感を与えることができる。また、外部から皮膚への細菌や異物(環境汚染物質等)の侵入を防ぐ効果を発揮することも示唆される。
【0057】
試験例3.プロスタグランジンE2(PEG2)合成抑制の評価試験
正常ヒト表皮細胞NHEKを96ウェルプレートに8×103cells/wellとなるように播種し、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間培養後、評価用の試料溶液として製造例4の抽出物を添加し、さらに24時間培養した。また、比較対照として、試料溶液に代えて、同濃度の30%BG、又は50%BG溶液のみを含んだ培養液を添加した試験区(コントロール区)を設定した。次に、評価試料を含まない培地に交換し培養器底面からUV-Bランプ(Philips社製TL20W/12RS)を用いて約50mJ/cm2の紫外線照射を行った。再度、評価試料を含む培地に交換して培養し、24時間培養後、上清を回収した。回収した上清は Prostaglandin E2 ELISA Kit - Monoclonal (Cayman Chemical Company製)を用いてマニュアルに従って培養上清中のPGE2量を測定した。コントロール区におけるUV-Bの照射区と未照射区の測定値の差分を抑制率100%として評価試料によるPGE2代謝抑制効果を相対値として求めた。
【0058】
【0059】
表3に示す通り、本試験例3により、本発明に係る製造例4の抽出物が皮膚の炎症に関与する生理活性物質の一つであるプロスタグランジンE2の代謝を顕著に抑制することを確認した。これにより、本発明に係る製造例4の抽出物は、炎症を抑えて皮膚のキメを整え、赤みを抑え、かつ、ツヤを向上させること、また、炎症による色素沈着も抑制することができる。また、本発明に係る製造例1の抽出物と組み合わせることで、フィラグリン及びPADI1の発現を促進する効果、タイトジャンクションを構成するタンパク質の合成促進効果を有する効果を相乗的に発揮することでき、皮膚の潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる相乗的な効果を発揮させることも示唆される。
【0060】
試験例4.酸化型アスコルビン酸還元酵素の活性亢進の評価試験
[試料調製]
試験例4において、試料溶液として、製造例1の抽出物、製造例4の抽出物、製造例1の抽出物及び製造例4の抽出物の混合物(以下「混合物1」)を調整した。これらの試料溶液は後述する通り、それぞれ1.0%となるように調整した(混合物1の場合は、混合する抽出物の合計が1.0%となるように調整した。)
[評価試験手順]
表皮細胞NHEKを、HuMedia KG2培地(クラボウ社)を用いて24ウェルプレートに8.0×104個/ウェル播種し、37℃、5%CO2の条件下で24時間培養後、各試料溶液を含むHuMedia KB2培地(クラボウ社)に交換し、さらに同条件下で48時間培養した。ここで、各試料溶液は培地量に対して溶液として終濃度が1.0%になるように調整した。培養終了後、トリプシンを用いて細胞を剥離し、5%FBS含有PBS(-)を用いてマイクロチューブに回収した。その後PBS(-)で2回洗浄し、上清を除いたのち、液体窒素をもちいて急速凍結を行い、酵素活性測定まで-80℃で保存した。本試験例4においては、酸化型アスコルビン酸(デヒドロアスコルビン酸)を還元する酵素(以下「DHA還元酵素」という)の活性を測定した。DHA還元酵素活性の測定は以下のように行った。保存しておいた細胞に対してPassive Lysis Buffer(Promaga社)500μLを添加してピペッティングにより細胞を溶解させた。遠心分離(12000g×5分、4℃)を行った後、上清を回収し、粗酵素液とした。得られた粗酵素液を1ウェルあたり50μL添加し、さらに精製水50μL(対照区)又は2mMデヒドロアスコルビン酸溶液50μL(試験区)を添加した。さらにDTNB(5,5'-dithio-bis- (2-nitrobenzoic acid))試液(CAYMAN CHEMICAL CAMPANY)を50μL添加し、414nmにおける吸光度を測定した。それぞれの試料添加区の対照区の値から試験区の値を差し引いた差分をDHA還元酵素活性とした。一方で粗酵素液のタンパク質濃度をProtein Assay Dye(BIO-RAD社)を用いたBradford法で測定し、上記で得られた吸光度の差分をタンパク質濃度で割った値を、各試料添加区のタンパク質あたりのDHA還元酵素活性とし、溶媒コントロール添加区の値を100とした相対値を求めた。
【0061】
【0062】
表4に示す通り、本試験例4により、本発明に係る抽出物1,4がDHA還元酵素を活性化することを確認した。さらに、表4に示す通り、製造例1の抽出物及び製造例4の抽出物を組み合わせることで、より、DHA還元酵素を活性化させることも確認した。これにより、本発明に係る抽出物1,4は、生体内で酸化されて抗酸化効果等の機能が失われた酸化型アスコルビン酸(デヒドロアスコルビン酸)を還元し、元のアスコルビン酸に戻し、機能をより持続的に発揮させることを促すことができる。
【0063】
試験例5.表皮細胞賦活効果の評価試験
ヒト表皮細胞NHEKを、HuMedia KG2培地(クラボウ社製)を入れた96穴マイクロプレートに8×103個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、培地をHuMedia KB2に交換した。その培地に製造例1の抽出物を試料溶液として含むPBS(-)添加し(溶液として終濃度が1.0%となるように調製した。)、同条件でさらに2日間培養した。培地除去後、Hoechst33342を添加しDNA染色を行い、蛍光ブレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製)でEx=355nm、Em=460nmの測定を行った。測定後、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンをイソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長570-630nmでMTT値を測定した。試料溶液に代えて同濃度の1,3-ブチレングリコールを添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値をDNA量で割ることで、表皮細胞当たりのMTT活性とした。得られた表皮細胞当たりのMTT活性は、コントロールを100とした時の相対値で示した。
【0064】
【0065】
表5に示す通り、本発明に係る製造例1の抽出物は、表皮細胞賦活効果を有することを確認した。この効果により、本発明に係る製造例1の抽出物は、表皮細胞のエネルギー代謝を促進し、表皮のターンオーバーを整えることが示唆される。また、表皮のターンオーバーを整えることで、肌の保湿性が向上し、肌をふっくらとさせることで開いた毛穴を修復することも示唆される。
【0066】
試験例6.線維芽細胞賦活効果の評価試験
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×104個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、試料溶液として、培地に本発明に係る製造例1の抽出物を添加した(溶液として終濃度が1.0%となるように調製した。)。ここで、試料溶液を添加後、プレ培養と同条件でさらに3日間培養した。次に、培地除去後、Hoechst33342を添加しDNA染色を行い、蛍光ブレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製)でEx=355nm、Em=460nmの測定を行った。測定後、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンをイソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長570-630nmでMTT値を測定した。試料溶液に代えて同濃度の1,3-ブチレングリコールを添加した試料無添加の場合(コントロール)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値をDNA量で割ることで、細胞当たりのMTT活性とした。得られた細胞当たりのMTT活性は、コントロールを100とした時の相対値で示した。
【0067】
【0068】
表6に示す通り、本発明に係る製造例1は、線維芽細胞賦活効果を有することから、真皮のエネルギー代謝を活性化することが示唆される。また、それにより真皮を健全な状態に保ち、皮膚のハリの低下を抑制し、また、シワを予防・改善する効果が示唆される。
【0069】
試験例6.コラーゲン合成促進効果の評価試験
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×104個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、試料溶液として、培地に製造例1の抽出物、製造例4の抽出物及び試験例4で用いた混合物1を添加した。ここで、試料溶液濃度は製造例1の抽出物が1.0%、製造例4の抽出物が0.5%、混合物1が製造例1の抽出物(1.0%)及び製造例4の抽出物(0.5%)の混合物(1.5%)となる3種の濃度を設定して添加し、試験区を設定した。各試料溶液を添加後、各培地によりプレ培養条件と同じ条件でさらに5日間培養した。次に、培地を除去し、冷メタノール、冷エタノールで細胞を固定した後、0.1%シリウスレッド含有飽和ピクリン酸水溶液で染色を行った。精製水で洗浄後、0.1%NaOH:メタノール=1:1溶液にて抽出を行い、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長540nmでコラーゲン量を測定した。さらに、比較対照として、同濃度の1,3-ブチレングリコールを添加した試料無添加の場合(コントロール)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたコラーゲン量に対する各試料溶液添加時のコラーゲン量との相対値を求め、コラーゲン合成率(%)とした。また、陽性対照としてリン酸アスコルビルマグネシウム(APM)を用いた場合のコラーゲンの合成率も測定した。
【0070】
【0071】
表6に示す通り、本発明に係る抽出物(製造例1の抽出物、製造例4の抽出物並びに製造例1の抽出物及び製造例4の抽出物の組み合わせである混合物1)は、線維芽細胞のコラーゲンの合成を顕著に促進することが確認された。これにより、皮膚のハリの低下を抑制し、また、シワを予防・改善する効果が示唆される。
【0072】
試験例7.NF-κBの活性抑制効果の評価試験
正常表皮細胞NHEKを96ウェルプレートに8.0×104cells/wellとなるように播種し、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。次に試料溶液として製造例4の抽出物(溶液としての終濃度が0.5%)を添加し、さらに48時間培養した。また、比較対照として、試料溶液に代えて、同濃度の1,3-ブチレングリコールのみを含んだ培養液を添加した試験区(コントロール区)を設定した。紫外線(UV-B)を100mJ/cm2となるように照射した後6時間培養を続けた。培養液を取り除き、D-PBS(Ca、Mg不含、以下PBSと記載)を用いて細胞を洗浄し、固定液として10%ホルマリンを加えて、室温、60分間静置させた。固定液を取り除きPBSで洗浄した後に、トリトン-Xを0.2%含んだPBS(以下、洗浄液と記載)を加えて室温で1時間インキュベートした。その後、ブロッキング剤としてブロッキングワンP(ナカライテスク製)を用いて室温で1時間インキュベートした。洗浄液で一回洗浄したのちに、一次抗体として抗NF-κB抗体(GeneTex社製)を200倍希釈して加えて、さらに4℃で一晩インキュベートした。洗浄液で3回洗浄を行った後に、二次抗体としてAlexa Fluor(登録商標) 546 Goat Anti-rabbit IgG(invitrogen製)を500倍希釈して加えた。室温で2時間インキュベートした後に、洗浄液を用いて5回洗浄を行った。そのご蛍光顕微鏡(OLYMPUS, IX71)で撮影し、蛍光シグナルが細胞質から核内に移行しているかを指標とした。
【0073】
試験例7でその活性を評価したNF-κBは細胞内において炎症反応時に働く転写因子として知られ、紫外線等に応答することが報告されている。NF-κBは通常、細胞質内に局在しているが、紫外線等に応答すると速やかに核内に移行して活性化し、転写因子として様々な遺伝子の発現に関与することが知られている。試験例7では、NF-κBが核に局在するか否かをNF-κBの活性化の指標として評価した。試験例7の結果を
図1に示す。
図1の矢印で示しているのは、NF-κBが核内にのみ局在している様子を確認できる細胞であることから、本発明の抽出物(製造例4の抽出物)は紫外線によるNF-κBの核内移行を抑制できる効果が示された。従って、本発明によれば、NF-κBの核への移動を抑制することで、炎症を抑えて皮膚のキメを整え、赤みを抑え、かつ、ツヤを向上させることができる。また、本発明に係る製造例1の抽出物と組み合わせることで、フィラグリン及びPADI1の発現を促進する効果、タイトジャンクションを構成するタンパク質の合成促進効果を有する効果を相乗的に発揮することでき、皮膚の潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる相乗的な効果を発揮させることも示唆される。
【0074】
以下、本発明に係る製造例1~3の抽出物及び製造例4~6の抽出物を配合した皮膚外用剤の実施例を示すが、本発明はこれに限るものではない。例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック及びシートマスクであれば、表皮においては、潤い感、透明感及びツヤを持続的に向上させる相乗的な効果を発揮させる効果、開いた毛穴を修復する効果を発揮することが期待でき、また、真皮おいては、線維芽細胞の活性化、コラーゲン合成の促進効果を発揮することで、皮膚のハリの低下を抑制し、シワの予防・改善する効果が期待できる。
【0075】
処方例1.化粧水
[成分] 部
製造例1の抽出物 2.0
スクワラン 0.2
マンダリンオレンジ油 0.01
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
トコフェロール酢酸エステル 0.02
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0076】
処方例2.化粧水
処方例1の成分中、製造例1の抽出物2.0部に代えて、製造例2の抽出物2.0部を用いるほかは処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0077】
処方例3.化粧水
処方例1の成分中、製造例1の抽出物2.0部に代えて、製造例3の抽出物2.0部を用いるほかは処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0078】
処方例4.化粧水
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
スクワラン 0.2
マンダリンオレンジ油 0.1
ビターオレンジ花油 0.1
レモン果皮油 0.1
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
トコフェロール酢酸エステル 0.02
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
パルミチン酸アスコルビル 0.1
ペンチレングリコール 0.1
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0079】
処方例5.化粧水
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
カプリル酸グリセリル 3.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 3.0
マンダリンオレンジ油 0.1
セタノール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
ナイアシンアミド 5.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリセリン 1.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
ペンタンジオール 1.0
水酸化カリウム 0.5
精製水 全量が100部となる量
【0080】
処方例6.化粧水
[成分] 部
製造例2の抽出物 1.0
製造例5の抽出物 0.25
アボカド油 0.1
オリーブ果実油 0.1
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
メチルパラベン 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2.0
ナイアシンアミド 5.0
ε-アミノカプロン酸 0.1
イオウ 0.2
エストラジオール 0.1
ピリドキシン塩酸塩 0.5
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.2
d-カンフル 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0081】
処方例7.乳液
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
スクワラン 5.0
シクロペンタンシロキサン 1.0
ヘキサラン 3.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 5.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 5.0
ジパルミチン酸アスコルビル 15.0
水添大豆レシチン 1.5
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
マンダリンオレンジ油 0.01
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
キサンタンガム 0.2
シロキクラゲ多糖体 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
トコフェロール酢酸エステル 0.3
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
水溶性コラーゲン 1.0
加水分解コラーゲン 1.0
アセチルヒアルロン酸 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
【0082】
処方例8.乳液
処方例7の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部を用いるほかは処方例7と同様にして乳液を得た。
【0083】
処方例9.乳液
処方例7の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてトラネキサム酸2.0部及びメタ重亜硫酸ナトリウム0.05部を用いるほかは処方例7と同様にして乳液を得た。
【0084】
処方例10.乳液
処方例7の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えて3-O-エチルアスコルビン酸3.0部を用いるほかは処方例7と同様にして乳液を得た。
【0085】
処方例11.乳液
処方例7の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウムに代えてナイアシンアミド5.0部を用いるほかは処方例7と同様にして乳液を得た。
【0086】
処方例12.クリーム
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
オリーブ油 5.0
マンダリンオレンジ油 1.0
スクワラン 5.0
ホホバ油 5.0
ホホバワックス 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.0
キャンデリラワックス 1.0
乳酸菌発酵米 2.0
大豆由来水添レシチン 0.5
カルボキシビニルポリマー 1.0
アルギン酸ナトリウム 1.0
グリセリン 2.0
ペンタンジオール 1.0
PH調整剤 適量
精製水 全量が100部となる量
【0087】
処方例13.クリーム
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.25
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
マンダリンオレンジ油 1.0
スクワラン 5.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 5.0
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル
/ベヘニル) 5.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
イソステアリルグリセリル 3.0
γ-オリザノール 0.1
ベヘニルアルコール 2.0
パルミチン酸 2.5
D-パントテニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
リボフラビン 0.01
レゾルシン 0.1
塩化ベンザルコニウム 0.05
尿素 3.0
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
ナイアシンアミド 5.0
乳酸菌発酵米 2.0
水添レシチン 0.5
水添リゾレシチン 0.5
加水分解コラーゲン 1.0
キサンタンガム 1.0
酸化亜鉛 0.5
dl-カンフル 0.3
l-メントール 0.5
精製水 全量が100部となる量
【0088】
実施例14.パック
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 5.0
セタノール 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.5
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
D-パントテニルアルコール 0.3
レゾルシン 0.1
イオウ 2.0
エストラジオール 0.002
水溶性コラーゲン 1.0
キサンタンガム 2.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-6 1.0
ココイルグルタミン酸カリウム 1.0
水添レシチン 3.0
水酸化レシチン 3.0
精製水 全量が100部となる量
【0089】
処方例15.シートマスク
不織布に下記の成分を含浸させてシートマスクを得る。
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
ナイアシンアミド 1.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
キサンタンガム 0.1
水溶性コラーゲン 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
グリセリン 1.0
1、3-ブチレングリコール 2.0
ペンタンジオール 1.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
【0090】
処方例16.美容液
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
トラネキサム酸 0.1
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1、3-ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
カタメンキリンサイ抽出物 5.0
精製水 全量が100部となる量
【0091】
処方例17.クリーム
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.25
オリーブ油 5.0
スクワラン 5.0
ホホバ油 5.0
ホホバワックス 1.0
シアバター 2.0
べヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.5
キャンデリラワックス 0.5
ナイアシンアミド 1.0
乳酸菌発酵米 3.0
水添レシチン 2.0
カタメンキリンサイ抽出物 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.2
グリセリン 4.0
水酸化カリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量
【0092】
また、本発明に係る製造例1~3の抽出物及び製造例4~6の抽出物は、以下の通り、顔及びその他の腕や胴体等の洗浄用する皮膚外用剤、毛髪及び頭皮を洗浄する外用剤、並びに毛髪を保護する外用剤として使用することもできる。本発明に係る製造例1~3の抽出物及び製造例4~6の抽出物を配合することで、洗浄した皮膚(頭皮)及び毛髪の潤いを保つ効果が期待できる
【0093】
処方例18.洗浄用化粧料
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
ココイルグリシンカリウム 5.0
グリセリン 10.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 10.0
水溶性コラーゲン 5.0
セタノール 3.0
ミリスチルアルコール 3.0
イソプロピルメチルアルコール 0.1
アラントイン 0.1
イオウ 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.2
濃ベンザルコニウム塩化物液50 0.2
ベンザルコニウム塩化物 0.1
クエン酸ナトリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量
【0094】
処方例19.ヘアシャンプー
[成分] 部
製造例1の抽出物 2.0
製造例4の抽出物 1.0
ラウレス硫酸ナトリウム 10.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
塩化ベンザルコニウム 1.0
ステアリルアルコール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
ジメチコン 3.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.1
サリチル酸ナトリウム 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.1
ピリチオン亜鉛 0.3
安息香酸 0.2
トリクロサン 0.2
クエン酸 0.1
プロピレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
【0095】
処方例20.ヘアコンディショナー
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
製造例4の抽出物 0.5
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
塩化ベンザルコニウム 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
アラントイン 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.1
イオウ 0.5
臭化アルキルイソキノリニウム液(75%) 0.06
ピリチオン亜鉛 0.3
メチルパラベン 0.1
トリクロサン 0.2
レゾルシン 0.1
精製水 全量が100部となる量